(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-524192(P2020-524192A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】カーボンブラック粒子を含む電極および関連する方法
(51)【国際特許分類】
C09C 1/48 20060101AFI20200717BHJP
H01M 4/02 20060101ALI20200717BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20200717BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20200717BHJP
C01B 32/00 20170101ALI20200717BHJP
【FI】
C09C1/48
H01M4/02 Z
H01M4/13
H01M4/62 Z
C01B32/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2019-568665(P2019-568665)
(86)(22)【出願日】2018年6月15日
(85)【翻訳文提出日】2020年2月12日
(86)【国際出願番号】US2018037789
(87)【国際公開番号】WO2018232263
(87)【国際公開日】20181220
(31)【優先権主張番号】62/520,133
(32)【優先日】2017年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】391010758
【氏名又は名称】キャボット コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(72)【発明者】
【氏名】アンドリー コルチェフ
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン エル.デュパスキエ
(72)【発明者】
【氏名】ミオドラグ オルジャカ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ディー.モーザー
【テーマコード(参考)】
4G146
4J037
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB01
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC07A
4G146AC07B
4G146AC08A
4G146AC09A
4G146AC14A
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4G146AC15A
4G146AC28A
4G146AC28B
4G146AC30A
4G146AC30B
4G146AD23
4G146BA03
4G146BC02
4G146BC23
4G146BC34B
4J037AA02
4J037DD02
4J037DD05
4J037DD07
5H050AA02
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB12
5H050DA10
5H050EA08
5H050HA00
5H050HA04
5H050HA05
5H050HA07
(57)【要約】
電極が、電気伝導性基材、およびその電気伝導性基材の表面によって支持された組成物を含み、その組成物は、80m
2/g〜1100m
2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m
2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD
50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気伝導性基材、および
該電気伝導性基材の表面によって支持された組成物、該組成物は、80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を含んでいる、
を含んでなる電極。
【請求項2】
前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、請求項1記載の電極。
【請求項3】
前記カーボンブラック粒子が、50Å以上のLa結晶子サイズ、および/または40Å以上のLc結晶子サイズを有する、
請求項1または2記載の電極。
【請求項4】
前記カーボンブラック粒子が、200mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の電極。
【請求項5】
前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の電極。
【請求項6】
前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の電極。
【請求項7】
前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の電極。
【請求項8】
前記カーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の電極。
【請求項9】
前記カーボンブラック粒子が、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の電極。
【請求項10】
前記D50値が、70nm以上である、請求項1〜9のいずれか1項記載の電極。
【請求項11】
前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の電極。
【請求項12】
前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の電極。
【請求項13】
前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の電極。
【請求項14】
前記カーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比、および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値の粒子径分布を有する、請求項1〜13のいずれか1項記載の電極。
【請求項15】
前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値の粒子径分布を有する、請求項1〜13のいずれか1項記載の電極。
【請求項16】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項1〜15のいずれか1項記載の電極。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項記載の電極を含むエネルギー貯蔵装置。
【請求項18】
前記装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、請求項17記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項19】
80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g未満のオイル吸収数、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を熱処理して、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する熱処理カーボンブラック粒子を生成することを含んでなる方法。
【請求項20】
前記熱処理が、前記カーボンブラック粒子を、1100℃〜1700℃の範囲の温度で、不活性雰囲気中で加熱することを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、請求項19または20記載の方法。
【請求項22】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、請求項19〜21のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、200mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項19〜22のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、請求項19〜23のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、請求項19〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、請求項19〜25のいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度を有する、請求項19〜26のいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項19〜27のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
前記D50値が、70nm以上である、請求項19〜28のいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子を組成物中に混合し、そして該組成物を含む電極を形成することを更に含む、請求項19〜29のいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項30〜32のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記電極を、エネルギー貯蔵装置を形成するのに用いることを更に含む、請求項30〜33のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記エネルギー貯蔵装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、請求項24記載の方法。
【請求項36】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比、および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項19〜35のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項19〜36のいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項19〜37のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子。
【請求項40】
22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを更に有する、請求項39記載のカーボンブラック粒子。
【請求項41】
50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを更に有する、請求項39または40記載のカーボンブラック粒子。
【請求項42】
前記オイル吸収数が、200mL/100g以下である、請求項39〜41のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項43】
140mL/100g以上のオイル吸収数を更に有する、請求項39〜42のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項44】
30m2/g以上の統計的厚さ表面積を更に有する、請求項39〜43のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項45】
250m2/g以下の統計的厚さ表面積を更に有する、請求項39〜44のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項46】
45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、請求項39〜45のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項47】
35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、請求項39〜46のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項48】
70nm以上のD50値を更に有する、請求項39〜47のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項49】
前記カーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項39〜48のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項50】
前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項39〜49のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項51】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項39〜50のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項52】
電気伝導性基材、および
該電気伝導性基材の表面によって支持された組成物、該組成物は、2.1未満のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有するカーボンブラック粒子を含んでいる、
を含んでなる電極。
【請求項53】
前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比を有する、請求項52記載の電極。
【請求項54】
前記カーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項52または53記載の電極。
【請求項55】
前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、請求項52〜54のいずれか1項記載の電極。
【請求項56】
前記カーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、請求項52〜55のいずれか1項記載の電極。
【請求項57】
前記カーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項52〜56のいずれか1項記載の電極。
【請求項58】
前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、請求項52〜57のいずれか1項記載の電極。
【請求項59】
前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、請求項52〜58のいずれか1項記載の電極。
【請求項60】
前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、請求項52〜59のいずれか1項記載の電極。
【請求項61】
前記カーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、請求項52〜60のいずれか1項記載の電極。
【請求項62】
前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項52〜61のいずれか1項記載の電極。
【請求項63】
前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、請求項52〜62のいずれか1項記載の電極。
【請求項64】
前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項52〜63のいずれか1項記載の電極。
【請求項65】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項52〜64のいずれか1項記載の電極。
【請求項66】
前記カーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、請求項52〜65のいずれか1項記載の電極。
【請求項67】
前記カーボンブラック粒子が、80m2/g〜110m2/gの範囲のBET表面積を有する、請求項52〜66のいずれか1項記載の電極。
【請求項68】
請求項52〜67のいずれか1項記載の電極を含むエネルギー貯蔵装置。
【請求項69】
前記装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、請求項68記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項70】
基のカーボンブラック粒子を熱処理して、2.1以下のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((LG/(LG+LD))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有する熱処理されたカーボンブラックを生成すること、を含んでなる方法。
【請求項71】
熱処理することが、前記基のカーボンブラック粒子を1100℃〜1700℃の範囲の温度で、不活性雰囲気中で加熱することを含む、請求項70記載の方法。
【請求項72】
前記基のカーボンブラック粒子およびまたは前記カーボンブラック粒子が、1.05以上のD75:D25比を有し、そして前記基のカーボンブラック粒子が2.1以下のD75:D25比を有する、請求項70または71記載の方法。
【請求項73】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((LG/(LG+LD))×100%)を有する、請求項70〜72のいずれか1項記載の方法。
【請求項74】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、請求項70〜73のいずれか1項記載の方法。
【請求項75】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、請求項70〜74のいずれか1項記載の方法。
【請求項76】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項70〜75のいずれか1項記載の方法。
【請求項77】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、請求項70〜76のいずれか1項記載の方法。
【請求項78】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、請求項70〜77のいずれか1項記載の方法。
【請求項79】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、請求項70〜78のいずれか1項記載の方法。
【請求項80】
前記基のカーボンブラック粒子および/または前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、請求項70〜79のいずれか1項記載の方法。
【請求項81】
前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項70〜80のいずれか1項記載の方法。
【請求項82】
前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、請求項70〜81のいずれか1項記載の方法。
【請求項83】
前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラックを含む、請求項70〜82のいずれか1項記載の方法。
【請求項84】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項70〜83のいずれか1項記載の方法。
【請求項85】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、請求項70〜84のいずれか1項記載の方法。
【請求項86】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、80m2/g〜1100m2/gの範囲のBET表面積を有する、請求項70〜85のいずれか1項記載の方法。
【請求項87】
前記熱処理されたカーボンブラック粒子を組成物中に混合し、そして該組成物を含む電極を形成することを更に含む、請求項70〜86のいずれか1項記載の方法。
【請求項88】
前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項87記載の方法。
【請求項89】
前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、請求項87または88記載の方法。
【請求項90】
前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、請求項87〜89のいずれか1項記載の方法。
【請求項91】
前記電極を、エネルギー貯蔵装置を形成するのに用いることを更に含む、請求項87〜90のいずれか1項記載の方法。
【請求項92】
前記エネルギー貯蔵装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、請求項91記載の方法。
【請求項93】
2.1以下のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有するカーボンブラック粒子。
【請求項94】
前記カーボンブラック粒子が、1.05以上のD75:D25比を有する、請求項93記載のカーボンブラック粒子。
【請求項95】
前記カーボンブラック粒子が、45%以上の結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、請求項93または94記載のカーボンブラック粒子。
【請求項96】
前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、請求項93〜95のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項97】
前記カーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、請求項93〜96のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項98】
前記カーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、請求項93〜97のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項99】
前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、請求項93〜98のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項100】
前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、請求項93〜99のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項101】
前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、請求項93〜100のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項102】
前記カーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、請求項93〜101のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項103】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項93〜102のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項104】
前記カーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、請求項93〜103のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項105】
前記カーボンブラック粒子が、80m2/g〜1100m2/gの範囲のBET表面積を有する、請求項93〜104のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年6月15日出願の米国特許仮出願第62/520,133号に対する合衆国法典第35巻第119条e項に基づく優先権を主張し、これを参照することによって本明細書の内容とする。
【0002】
本発明は、カーボンブラック粒子を含む電極、関連する方法、およびカーボンブラック粒子に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池は、種々の用途、例えば電子装置および電気車両に一般に用いられている電気エネルギー源である。リチウムイオン電池は、典型的には負極(例えば、グラファイト)および正極(以下に説明される)を含んでおり、それらがリチウムイオンおよび電子が、充電および放電の間に電極へ、そして電極から移動することを可能にする。それらの電極に接触した電解質溶液が、導電性の媒体を与え、その中でイオンが動くことができる。これらの電極間の直接の反応を防ぐように、イオン透過性のセパレータがそれらの電極を物理的および電気的に分離するように用いられる。電池が装置のエネルギー源として用いられる場合には、それらの電極に電気的な接触がなされ、電子がその装置を通して流れて電力を与え、そしてリチウムイオンが電解質を通して一方の電極から他の電極へと移動することを可能にする。
【0004】
正極は、典型的には、少なくとも電気活性材料、バインダ、および電導性添加剤を有する混合物(例えば、ペーストとして適用される)を支持する電導性基材を含んでいる。この電気活性材料、例えばリチウム遷移金属酸化物、はリチウムイオンを受け取り、そして放出することができる。このバインダ、例えばポリビニリデンフロリド、がその電極に機械的な完全性および安定性を与えるように用いられる。典型的には、電気活性材料およびバインダは、電気的に電導性が乏しいか、または絶縁性であるので、電導性添加剤(例えば、グラファイトおよびカーボンブラック)が、その電極の電気伝導性を高めるように加えられる。電導性添加剤およびバインダは、しかしながら、通常は電気エネルギーを発生する電気化学反応には関与せず、そのためそれらの材料は、それらが正極中に含まれる可能性がある電気活性材料の量を効率的に低減させるので、電池の特定の性能特性(例えば、容量およびエネルギー密度)に悪影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、本発明は、比較的に小さな凝集体サイズおよび/または比較的に狭い粒子径分布を有するカーボンブラック粒子、並びにその粒子のエネルギー貯蔵装置、例えばリチウムイオン電池での利用を特徴とする。小さな凝集体サイズは、粒子径分布のD
50値によって表され、そして狭い粒子径分布は、粒子径分布のD
75:D
25比、および/または粒子径分布のD
90、D
50およびD
10値を基にした値、すなわち(D
90−D
10)/D
50値、として表される。
【0006】
出願人は、比較的に小さな凝集体サイズおよび/または比較的に狭い粒子径分布を有するカーボンブラックは、リチウムイオン電池に用いられた場合に、同様の他の性質、例えば表面積、構造、結晶性、および表面エネルギーを有する他のカーボンブラックよりもより良好な全体的な性能を与えることができることを見出した。例えば向上した電極表面抵抗、放電容量、電極のバルクもしくは体積電導率、およびパルス付加の間のオーム抵抗において向上した性能を理解することができる。理論に拘束はされないが、与えられた質量で、比較的に小さな凝集体サイズおよび/または比較的に狭い粒子径分布を有するカーボンブラック粒子は、より大きく、そしてより均一な数の粒子を有し、それが電極で電気活性材料を被覆するのにより効果的である可能性があり、それによって電気活性材料の間のより良好な電導性を与え、そして電池の性能を向上させる、ことが信じられる。結果として、他のカーボンブラック粒子と比較して、ここに記載されたカーボンブラック粒子は、低減された濃度で用いられることができ、それによってより多くの電気活性材料が高められた性能(例えば、エネルギー密度および容量)を与えるのに用いられることを可能にさせる。あるいは、ここに記載されたカーボンブラック粒子は、他のカーボンブラック粒子を置き換えて、同じ濃度で、向上された電池性能を与えることができる。
【0007】
他の態様では、本発明は、電気伝導性基材、およびその電気伝導性基材の表面によって支持された組成物を含む電極を特徴とし、この組成物は、80m
2/g〜1100m
2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m
2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD
50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を含んでいる。
【0008】
他の態様では、本発明は、80m
2/g〜1100m
2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g未満のオイル吸収数、および165nm以下のD
50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を熱処理して、10mJ/m
2以下の表面エネルギーを有する熱処理されたカーボンブラック粒子を生成することを含む方法を特徴とする。
【0009】
他の態様では、本発明は、80m
2/g〜1100m
2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m
2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD
50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を特徴とする。
【0010】
他の態様では、本発明は、電気伝導性基材、およびその電気伝導性基材の表面によって支持された組成物を含む電極を特徴とし、この組成物は、2.1未満のD
75:D
25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%),および300mL/100g以下のオイル吸収数を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を含んでいる。
【0011】
他の態様では、本発明は、基のカーボンブラック粒子を熱処理して、2.1以下のD
75:D
25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%),および300mL/100g以下のオイル吸収数を有する熱処理されたカーボンブラック粒子を生成することを含む方法を特徴とする。この基のカーボンブラック粒子および/またはそのカーボンブラック粒子は、1.05以上のD
75:D
25比を有することができ、そしてこの基のカーボンブラック粒子は、2.1以下のD
75:D
25比を有する粒子径分布を有することができる。この基のカーボンブラック粒子および/または熱処理されたカーボンブラック粒子は、70nm以上のD
50値を有することができる。
【0012】
他の態様では、本発明は、2.1以下のD
75:D
25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%),および300mL/100g以下のオイル吸収数を有するカーボンブラック粒子を特徴とする。
【0013】
他の態様では、本発明は、ここに開示された電極を含むエネルギー貯蔵装置を特徴とする。このエネルギー貯蔵装置は、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタであることができる。
【0014】
1つもしくは2つ以上の態様の実施態様は、以下の特徴の1つもしくは2つ以上を含むことができる。カーボンブラック粒子は、22オングストローム以上のL
a結晶子サイズ、および/または17オングストローム以上のL
c結晶子サイズを有する。カーボンブラック粒子は、50オングストローム以下のL
a結晶子サイズ、および/または40オングストローム以下のL
c結晶子サイズを有している。カーボンブラック粒子は、200mL/100g以下のオイル吸収数を有する。カーボンブラック粒子は、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する。カーボンブラック粒子は、30m
2/g以上の統計的厚さ表面積を有している。カーボンブラックは、250m
2/g以下の統計的厚さ表面積を有している。カーボンブラック粒子は、45%以下の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%)を有している。カーボンブラック粒子は、35%以上の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%)を有している。
【0015】
1つもしくは2つ以上の態様の実施態様は、以下の特徴の1つもしくは2つ以上を更に含むことができる。D
50値は、70nm以上である。カーボンブラック粒子は、2.1未満のD
75:D
25比を有する粒子径分布、および/または1.5未満の(D
90−D
10)/D
50値を有している。カーボンブラック粒子は、1.05超のD
75:D
25比、および/または1.05超の(D
90−D
10)/D
50値を有する粒子径分布を有している。そのカーボンブラック粒子が単峰性の粒子径分布を有する、前記の要求のいずれか1つの電極。
【0016】
1つもしくは2つの態様の実施態様は、以下の特徴の1つもしくは2つ以上を更に含むことができる。この組成物は、0.5質量%〜10質量%のカーボンブラック粒子を含んでいる。この組成物は、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含んでいる。この組成物は、リチウムおよびコバルトを有する電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%のカーボンブラック粒子を含んでいる。
【0017】
本発明の他の態様、特徴、および利点は、それらの態様の説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、頻度別遠心沈降(DCS)法によって測定された、試料B’(CSX−946、Cabot Corporation、熱処理前)および試料B(熱処理後)についての体積加重累積分布を示すプロットである。
【0019】
【
図2】
図2は、DCS法によって測定された、例1の試料Aおよび試料Bについての体積加重累積分布を示すプロットである。
【0020】
【
図3】
図3は、種々の電導性カーボン添加剤(CCA)の充填量での試料Aおよび試料Bを有する電極の電気シート抵抗を示すグラフである。
【0021】
【
図4A】
図4Aは、DCS法によって測定された、例5の試料Cおよび試料Dについての体積加重累積凝集体サイズ分布(ストークス直径)を示すプロットである。
【0022】
【
図4B】
図4Bは、DCS法によって測定された、例5の試料Cおよび試料Dについての体積加重幾何学的、頻度凝集体サイズ分布(ストークス直径)を示すプロットである。
【0023】
【
図5】
図5は、DCS法によって測定された、例6の試料Eおよび試料Fについての、堆積加重累積分布を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に記載されているのは、カーボンブラック粒子、その粒子の製造方法、その粒子を含む組成物、およびその粒子のエネルギー貯蔵装置(例えば、リチウムイオン電池)への応用である。
【0025】
カーボンブラック粒子は、通常は、多角的な、独立した方法で特徴付けることができる。幾つかの態様では、カーボンブラックは、それらの、(1)ブルナウアー−エメット−テラー(BET)全表面積、(2)表面エネルギー、および(3)粒子径分布のD
50値によって示される、凝集体サイズ分布、によって特徴付けられる。カーボンブラック粒子は、以下の更なる性質の1つもしくは2つ以上(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つ以上)をいずれかの組み合わせで更に有することができる:オイル吸収数(OAN)、統計的厚さ表面積、D
75:D
25比の値および/または(D
90−D
10)/D
50値、ならびに/あるいは結晶性の特徴(L
aおよび/またはL
cラマン微結晶平面サイズおよび/または%結晶度)。他の態様では、カーボンブラック粒子は、それらの結晶性の特徴およびD
75:D
25比の値および/または(D
90−D
10)/D
50値によって特徴付けられる。カーボンブラック粒子は、以下の更なる性質の1つもしくは2つ以上(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つ以上)をいずれかの組み合わせで更に有することができる:OAN、BET全表面積、統計的厚さ表面積、表面エネルギー、凝集体サイズ分布、および/または他の結晶性の特徴。
【0026】
カーボンブラック粒子は、広範囲の全表面積を有している。理論によって拘束されないが、電池の使用の間に、電池内で起こる可能性がある化学的な副反応があり、それがその性能を低下させることが信じられる。より小さな表面積を有する粒子を用いることで、それらの望ましくない反応が起こる可能性がある表面サイトをより少なくすることによって、電池の性能を高めることができる。しかしながら、これらの粒子の表面積は、パランスを保たれなければならない、すなわち、それらの粒子が電気活性材料を十分に被覆および/または架橋し、そして所望の電極電導度を与えることができるように、十分に大きい。幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は80〜1100m
2/gの範囲のBET表面積を有している。BET表面積は、例えば、以下の範囲、80〜1000m
2/g、または80〜900m
2/g、または80〜800m
2/g、または80〜700m
2/g、または80〜600m
2/g、または80〜500m
2/g、または80〜400m
2/g、または80〜300m
2/g、または200〜1100m
2/g、または200〜1000m
2/g、または200〜900m
2/g、または200〜800m
2/g、または200〜700m
2/g、または200〜600m
2/g、または200〜500m
2/g、または200〜400m
2/g、または300〜1100m
2/g、または300〜1000m
2/g、または300〜900m
2/g、または300〜800m
2/g、または300〜700m
2/g、または300〜600m
2/g、または300〜500m
2/g、または400〜1100m
2/g、または400〜1000m
2/g、または400〜900m
2/g、または400〜800m
2/g、または400〜700m
2/g、または400〜600m
2/g、または500〜1100m
2/g、または500〜1000m
2/g、または500〜900m
2/g、または500〜800m
2/g、または500〜700m
2/g、または600〜1100m
2/g、または600〜1000m
2/g、または600〜900m
2/g、または600〜800m
2/g、または700〜1100m
2/g、または700〜1000m
2/g、または700〜900m
2/g、または800〜1100m
2/g、または800〜1000m
2/g、または900〜1100m
2/gの1つを有する、または含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。ここに開示された全てのBET表面積は、BET窒素表面積を表し、そしてASTM D6556−10によって決定され、その全てを参照することによって本明細書の内容とする。
【0027】
幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は高い程度の黒鉛化を有しており、それはより低い表面エネルギー値によって示されることができ、それはカーボンブラック表面上の残留不純物のより少ない量、そして従ってそれらの疎水性、と関連付けられることができる。理論によって拘束されないが、閾値の純度水準まで、より純粋な粒子が、向上した電気伝導性および低減された副反応の可能性をもたらすことができ、それによってその粒子の性能を向上させることが信じられる。表面エネルギーは、動的蒸気(水)収着(DVS)または水拡張圧(下記に説明される)によって測定されることができる。幾つかの態様では、カーボンブラックは、15mJ/m
2以下、例えば、検出限界(約2mJ/m
2)〜15mJ/m
2、の表面エネルギー(SE)を有している。表面エネルギーは、例えば、以下の範囲、検出限界〜12mJ/m
2、または検出限界〜10mJ/m
2、または検出限界〜8mJ/m
2、または検出限界〜6mJ/m
2、または検出限界〜5mJ/m
2、または検出限界〜4mJ/m
2、の1つを有する、または含むことができる。特定の態様では、表面エネルギーは、DWSによって測定して、14mJ/m
2未満、または12J/m
2未満、または10J/m
2未満、または8J/m
2未満、または6J/m
2未満、または5J/m
2未満、または4J/m
2未満、または検出限界である。それらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0028】
水拡張圧は、カーボンブラックの表面(水を吸収していない)と水蒸気との間の相互作用エネルギーの尺度である。拡張圧は、制御された雰囲気から試料が水を吸収するときの試料の質量の増加を観察することによって測定される。この試験では、その試料の周りの雰囲気の相対湿度(RH)は、0%(純粋な窒素)から約100%(水で飽和された窒素)まで増加される。その試料と雰囲気が常に平衡である場合には、その試料の水拡張圧(π
e)は以下のように規定される。
【数1】
式中、Rはガス定数であり。Tは温度であり、Aはここに記載された試料のBET表面積であり、Γは試料上の吸着された水の量(モル/gに変換された)であり、Pは雰囲気中の水の分圧であり、そしてP
oは雰囲気中の飽和蒸気圧である。実際には、表面上の水の平衡吸着量は、1つもしくは(好ましくは)幾つかの別個の分圧で測定され、そしてその曲線の下の面積によって積分が概算される。
【0029】
水拡張圧を測定するための手順は、「Dynamic Vapor Sorption Using Water, Standard Operating Procedure」、rev. Feb. 8、2005(参照することによってその全体を本明細書の内容とする)に詳述されており、そして以下に要約される。分析の前に、分析される100gmのカーボンブラックがオーブン中で、125℃で30分間乾燥された。表面測定装置DVS1設備(SMS Instruments(Monarch Beach、カリフォルニア州)によって供給された)中の定温器が25℃で2時間に亘って安定していることを確実にした後に、試料カップが、試料チャンバと対照チャンバの両方に容れられた。目標のRHは0%に10分間に亘って設定されてそれらのカップを乾燥し、そして安定な質量の基準を確立させた。静電気を放電し、そして天秤の風袋を測ったあとに、約10〜12mgのカーボンブラックを試料チャンバ中のカップに加えた。試料チャンバを封止した後に、その試料を0%RHで平衡にさせた。平衡の後に、その試料の初期の質量が記録された。窒素雰囲気の相対湿度が、次いで約0、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、および95%RHの水準に、それぞれのRHの水準に20分間平衡にさせる装置で、順次に増加された。それぞれの湿度水準で吸着された水の質量が記録され、それから水拡張圧が計算された(上記を参照)。測定は2つの別個の試料で2回行われ、そして平均値が記録された。
【0030】
カーボンブラック粒子の凝集体サイズ分布は、それらの粒子径分布のそれらのD
50値に(「質量メジアン径」としても知られている)によって示され、約70nm〜約165nmの範囲であることができる。理論によって拘束されないが、与えられた構造(例えば、OANによって示される)および質量では、より小さな凝集体サイズは、より多い粒子の数を表し、それは電導性を向上させることができることが信じられる。ここに開示された凝集体サイズ分布を有するカーボンブラック粒子は、電導性を向上させることができることが信じられる。D
50値は、例えば、以下の範囲、70〜155nm、または70〜145nm、または70〜135nm、または70〜125nm、または70〜115nm、または70〜105nm、または70〜95nm、または80〜165nm、または80〜155nm、または80〜145nm、または80〜135nm、または80〜125nm、または80〜115nm、または80〜105nm、または90〜165nm、または90〜155nm、または90〜145nm、または90〜135nm、または90〜125nm、または90〜115nm、または100〜165nm、または100〜155nm、または100〜145nm、または100〜135nm、または100〜125nm、または110〜165nm、または110〜155nm、または110〜145nm、または110〜135nm、または120〜165nm、または120〜155nm、または120〜145nm、または130〜165nm、または130〜155nm、または140〜165nm、または150〜165nmの1つを有するまたは含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。幾つかの態様では、粒子径分布は単峰性であり、すなわち1つのピークだけを有しており、二峰性または他の多峰性でない。ここに開示されたD値(例えば、D
10、D
25、D
50、D
75、およびD
90値)を決定する粒子径分布の測定は、頻度別遠心沈降(DCS)法を用いて行われた。DCS法は、ディスク遠心分離機(CPS Instruments、Model DC24000)および超音波処理機(半インチのプローブ先端を備えたBranson、Model 450D)を用いて実施された。分散液試料は、それぞれ0.02gのカーボンブラックおよび50mLの分散流体(75%v/vの水、25%v/vのエタノールおよび0.05%w/vのTriton X100界面活性剤)を含む組成物を60%の振幅で10分間に亘って超音波処理することによって調整された。装置の設定は、1.86の粒子密度、1.84の屈折率、0.85の吸収係数、および1.0の非真球度を含んでいた。運転条件は、24krpmのディスク速度、脱イオン水(14.4mL)中の24〜8%のスクロースの勾配、1.045の勾配密度、1.345の勾配屈折率、1.25cPの勾配粘度、および237nmのポリスチレン(密度1.385)の較正標準を含んでいる。
【0031】
更には、もしくはここに記載されたD
50値の代わりに、幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は、D
75値とD
25値との比、ここではD
75:D
25比、またはD
75:D
25値の比で示される比較的に狭い粒子径分布を有している。D
75:D
25比は、1.05〜2.1の範囲であることができる。D
75:D
25比は、例えば以下の範囲、1.05〜1.9、または1.05〜1.7、または1.05〜1.5、または1.05〜1.3、または1.2〜2.1、または1.2〜1.9、または1.2〜1.7、または1.2〜1.5、または1.4〜2.1、または1.4〜1.9、または1.4〜1.7、または1.6〜2.1、または1.6〜1.9、または1.8〜2.1、または2.0〜2.1の1つを有するまたは含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。ここで用いられるD
x値は、体積加算累積分布におけるX%の粒子直径の値である。例えば、D
75値は、累積分布における75%での粒子直径であり、そしてD
25は、累積分布における25%での粒子直径である。
【0032】
更には、またはここに示されたD
50値および/またはD
75:D
25比の代わりに、幾つかの態様では、カーボンブラック粒子の比較的に狭い粒子径分布は、D
50値に対するD
90とD
10値との差の比、すなわち(D
90−D
10)/D
50として表される。(D
90−D
10)/D
50値は、1〜3の範囲であることができる。(D
90−D
10)/D
50値は、例えば以下の範囲、1〜2.8、または1〜2.6、または1〜2.4、または1〜2.2、または1〜2.0、または1〜1.8、または1〜1.6、または1〜1.4、または1.2〜3、または1.2〜2.8、または1.2〜2.6、または1.2〜2.4、または1.2〜2.2、または1.2〜2.0、または1.2〜1.8、または1.2〜1.6、または1.4〜3、または1.4〜2.8、または1.4〜2.6、または1.4〜2.4、または1.4〜2.2、または1.4〜2、または1.4〜1.8、または1.6〜3、または1.6〜2.8、または1.6〜2.6、または1.6〜2.4、または1.6〜2.2、または1.6〜2、または1.8〜3、または1.8〜2.8、または1.8〜2.6、または1.8〜2.4、または1.8〜2.2、または2〜3、または2〜2.8、または2〜2.6、または2〜2.4、または2.2〜3、または2.2〜2.8、または2.2〜2.6、または2.4〜3、または2.4〜2.8、または2.6〜3の1つを有するまたは含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。
【0033】
カーボンブラック粒子は、ある範囲のオイル吸収数(OAN)を有することができ、それはその粒子の構造、または体積占有特性を示している.与えられた質量では、高構造のカーボンブラック粒子は、より低い構造を有する他のカーボンブラック粒子よりもより大きな体積を占有することができる。電池電極中の電導性添加剤として用いられる場合には、比較的に高いOANを有するカーボンブラック粒子は、比較的により少ない充填量で、電極を通して連続的に電導性の網目を提供する(すなわち、パーコレーション)ことができる。従って、より多くの電気活性の材料を用いることができ、それによって電池の性能を向上させる。幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は、140〜300mL/100gの範囲のOANを有している。OANは、例えば、以下の範囲、140〜285mL/100g、または140〜265mL/100g、または140〜245mL/100g、または140〜225mL/100g、または140〜205mL/100g、または140〜195mL/100g、または140〜175mL/100g、または140〜155mL/100g、または160〜300mL/100g、または160〜285mL/100g、または160〜265mL/100g、または160〜245mL/100g、または160〜225mL/100g、または160〜205mL/100g、または160〜195mL/100g、または160〜175mL/100g、または180〜300mL/100g、または180〜285mL/100g、または180〜265mL/100g、または180〜245mL/100g、または180〜225mL/100g、または180〜205mL/100g、または180〜195mL/100g、または200〜300mL/100g、または200〜285mL/100g、または200〜265mL/100g、または200〜245mL/100g、または200〜225mL/100g、または220〜300mL/100g、または220〜285mL/100g、または220〜265mL/100g、または220〜245mL/100g、または240〜300mL/100g、または240〜285mL/100g、または240〜265mL/100g、または260〜300mL/100g、または260〜285mL/100g、または280〜300mL/100gの1つを有するまたは含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。ここに引用された全てのOAN値は、ASTM D2414−16に記載された方法によって測定される。
【0034】
OANおよびBET表面積と同様に、カーボンブラック粒子は、ある範囲の統計的厚さ表面積(STSA)を有することができる。幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は、30〜250m
2/gの範囲のSTSAを有している。STSAは、例えば、以下の範囲、30〜200m
2/g、または30〜150m
2/g、または30〜100m
2/g、または30〜50m
2/g、または50〜250m
2/g、または50〜200m
2/g、または50〜150m
2/g、または50〜100m
2/g、または100〜250m
2/g、または50〜200m
2/g、または50〜150m
2/g、または50〜100m
2/g、または100〜250m
2/g、または100〜200m
2/g、または100〜150m
2/g、または150〜250m
2/g、または150〜200m
2/g、または200〜250m
2/gの1つを有するまたは含むことができる。それらの範囲内の他の範囲も可能である。特定の態様では、カーボンブラック粒子は、上記のBET全表面積と実質的に同じである統計的厚さ表面積を有することができ、そのことはそれらの粒子は実質的に多孔質でないことを示している。理論によって拘束されないが、細孔が、それらの粒子内に複雑な経路を生成し、それが、特には、充電の低い状態で、および/または高い放電速度において、イオン(例えば、リチウムイオン)の流れを妨げる可能性があることが信じられる。更には、多孔性のより高い程度は、より大きな全表面積を生成させることができ、それが、上記のように、より多くの望ましくない化学的な副反応をもたらす可能性がある。幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は、0.8:1より大きな、例えば0.82:1より大きな、または0.84:1より大きな、または0.86:1より大きな、または0.88:1より大きな、または0.9:1より大きな、または0.92:1より大きな、または0.94:1より大きな、または0.96:1より大きな、または0.98:1より大きな、BET表面積に対するSTSAの比(STSA:BET)を有している。統計的厚さ表面積は、幾つかの場合には、幾つかのカーボンブラック粒子の熱処理は、STSAを定める能力に影響する可能性があるので、そのような測定が合理的に可能である限り、ASTM D6556−10によって測定される。
【0035】
カーボンブラック粒子は、通常は、中程度の結晶性ドメインサイズおよび/または中程度の結晶化度を有している。理論によって拘束されないが、特定のドメインサイズおよび/または結晶性は、電子が材料の異なる領域または相の間を移動する場合に発生する可能性がある電気抵抗を低下させることによって、粒子の電導性および性能を向上させることができることが信じられる。しかしながら、大き過ぎるドメインサイスおよび高過ぎる結晶性は、他の電導性機構(例えば、孔)が影響を受ける可能性がある、ことが信じられる、ので、電気伝導性を低下させる可能性がある。
【0036】
結晶ドメインは、ラマン分光によって測定されるL
a結晶子サイズによって特徴付けることができる。L
aは、43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)として規定される。結晶子サイズは、黒鉛化の程度の指標として与えられることができ、ここでより高いL
a値は、より高い黒鉛化の程度と相関関係にある。L
aのラマン測定は、Gruberら、「Raman studies of heat-treated carbon blacks」、Carbon Vol. 32 (7)、p.1377-1382、1994を基にされ、これをここに参照することによって本明細書の内容とする。炭素のラマンスペクトルは、2つの主要な「共鳴」バンドもしくはピークを約1340cm
−1および1580cm
−1に含んでおり、それぞれ「D」および「G」バンドと表される。通常は、Dバンドは、不規則sp
2炭素に帰属し、そしてGバンドは、黒鉛型または「規則性」sp
2炭素に帰属する。実証的な取り組みを用いて、G/Dバンドの比およびX線回折(XRD)によって測定されたLaは、非常に相関しており、そして回帰分析によって経験的関係が与えられる。
L
a=43.5×(Gバンドの面積/Dバンドの面積)
式中、L
aは、オングストロームで計算されている。従って、より高いL
a値は、より秩序化された結晶構造に相当する。
【0037】
幾つかの態様では、カーボンブラックは、50Å以下の、例えば22Å〜50ÅのL
a結晶子サイズを有している。L
a結晶子サイズは、例えば以下の範囲、22〜45Å、または22〜40Å、または22〜35Å、または22〜30Å、または25〜50Å、または25〜45Å、または25〜40Å、または25〜35Å、または30〜50Å、または30〜45Å、または30〜40Å、または35〜50Å、または35〜45Å、または40〜50Åの1つを有するまたは含むことができる。特定の態様では、L
a結晶子サイズは、50Å以下、または45Å以下、または40Å以下、または35Å以下、または30Å以下、または25Å以下である。幾つかの態様では、L
a結晶子サイズは、22Å以上、または25Å以上、または30Å以上、または35Å以上、または40Å以上、または45Å以上である。
【0038】
結晶ドメインは、L
c結晶子サイズによって特徴付けることができる。このL
c結晶子は、銅管、45kVの管電圧、および40mAの管電流を備えたX線回折計(PANalytical X‘Pert Pro, PANalytical B.V.)を用いたX線回折によって測定することができる。カーボンブラック粒子の試料は、試料容器(この回折計の付属品)中に収容され、そして測定は10°〜80°の範囲の角度(2θ)に亘って、0.14°/分の速度で実施された。ピーク位置および最大値の半分における全幅が、この回折計のソフトウエアによって計算された。角度測定の較正のために、六ホウ化ランタン(LaB
6)がX線標準として用いられた。得られた測定結果から、L
c結晶子サイズが、Scherrerの式:L
c(Å)=K×λ/(β×cosθ)を用いて決定され、ここでKは形状因子定数(0.9)であり、λはCuK
α1の固有X線ラインの波長(1.54056Å)であり、βはラジアンでのピーク半値幅であり、そしてθは測定角度ピーク位置(2θ)の半分をとることによって決定される。
【0039】
より高いL
c値は、より秩序化された結晶構造に対応する。幾つかの態様では、カーボンブラックは40Å以下の、例えば17Å〜40ÅのL
c結晶子サイズを有している。L
c結晶子サイズは、例えば以下の範囲、17〜39Å、または17〜37Å、または17〜35Å、または17〜33Å、または17〜31Å、または17〜29Å、または17〜27Å、または17〜25Å、または17〜23Å、または17〜21Å、または19〜39Å、または19〜37Å、または19〜35Å、または19〜33Å、または19〜31Å、または19〜29Å、または19〜27Å、または19〜25Å、または19〜23Å、または21〜39Å、または21〜37Å、または21〜35Å、または21〜33Å、または21〜31Å、または21〜29Å、または21〜27Å、または21〜25Å、または23〜39Å、または23〜37Å、または23〜35Å、または23〜33Å、または23〜31Å、または23〜29Å、または23〜27Å、または25〜39Å、または25〜37Å、または25〜35Å、または25〜33Å、または25〜31Å、または25〜29Å、または27〜39Å、または27〜37Å、または27〜35Å、または27〜33Å、または27〜31Å、または29〜39Å、または29〜37Å、または29〜35Å、または29〜33Å、または31〜39Å、または31〜37Å、または31〜35Å、または33〜39Å、または33〜37Å、または35〜39Å、または37〜39Åの1つを有しているか、または含んでいる。幾つかの態様では、Lc結晶子サイズは、35Å以下、または30Å以下、または25Å以下、または20Å以下であることができる。
【0040】
カーボンブラック粒子は、ラマン測定からGバンドの面積と、GおよびDバンドの面積との比(I
G/(I
G+I
D))として得られる、高い%結晶度によって示される高い程度の黒鉛化を有している。高い%結晶度は、高い熱処理温度、そして幾つかの態様では、より長い熱処理時間、を用いることによって得ることができる(以下に記載される)。特定の態様では、カーボンブラック粒子は、ラマン分光法によって測定された、35%〜55%の範囲の%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%)を有している。%結晶度((I
G/(I
G+I
D))×100%)は、例えば以下の範囲、35%〜53%、または35%〜51%、または35%〜49%、または35%〜47%、または35%〜45%、または35%〜43%、または35%〜41%、または35%〜39%、または35%〜37%、または37%〜55%、または37%〜53%、または37%〜51%、または37%〜49%、または37%〜47%、または37%〜45%、または37%〜43%、または37%〜41%、または37%〜39%、または39%〜55%、または39%〜53%、または39%〜51%、または39%〜49%、または39%〜47%、または39%〜45%、または39%〜43%、または39%〜41%、または41%〜55%、または41%〜53%、または41%〜51%、または41%〜49%、または41%〜47%、または41%〜45%、または41%〜43%、または43%〜55%、または43%〜53%、または43%〜51%、または43%〜49%、または43%〜47%、または45%〜55%、または45%〜53%、または45%〜51%、または45%〜49%、または45%〜47%、または47%〜55%、または47%〜53%、または47%〜51%、または49%〜55%、または49%〜53%、または49%〜51%、または51%〜55%、または51%〜53%、または53%〜55%の1つを有しているか、または含んでいる。%結晶度(I
G/(I
G+I
D)×100%)は、例えば以下の範囲、35%超、または37%超、または39%超、または41%超、または43%超、または55%未満、または53%未満、または51%未満、または49%未満、または47%未満、または45%未満、または43%未満、または41%未満、または39%未満を有するか、または含むことができる。ラマン測定は、Horiba LabRAM Aramisラマン顕微鏡および付属のLabSpec6ソフトウエアを用いてなされた。
【0041】
カーボンブラック粒子は、多くのより小さな粒子の凝集体として(単純化された方法で)記載することができ、それは「一次粒子」と表される。カーボンブラック凝集体は、例えばカーボンブラック一次粒子の集合体であることができ、それらは接触点で融合されており、そして剪断によって容易には分離されることができない。カーボンブラック粒子中の一次粒子のサイズは変えることができる。この凝集体中の一次粒子の数はまた、例えば数個から数十個、または場合によっては数百個に変えることができる。カーボンブラック凝集体中の一次粒子の数およびそれらの配置は、カーボンブラック凝集体のサイズだけではなく、しかしながらカーボンブラックの構造をも決定する。理論によって拘束されないが、粒子の所定の質量で、小さな平均の一次粒子径を有するそれらの粒子は、それらの粒子が大きな数の接触点を有しているために、より効果的に電気活性材料を被覆することができ、それによってそれらの粒子の性能を高める、ことが信じられる。平均の一次粒子径(P
size)は、例えば、50nm未満、例えば12〜50nm、または12〜22nmであることができる。平均の一次粒子径は、例えば以下の範囲、12nm〜45nm、または12nm〜40nm、または12nm〜35nmnm、または12nm〜30nm、または12nm〜25nm、または12nm〜20nm、または17nm〜50nm、または17nm〜45nm、または17nm〜40nm、または17nm〜35nm、または17nm〜30nm、または17nm〜25nm、または22nm〜50nm、または22nm〜45nm、または22nm〜40nm、または22nm〜35nm、または22nm〜30nm、または27nm〜50nm、または27nm〜45nm、または27nm〜40nm、または27nm〜35nm、または32nm〜50nm、または32nm〜45nm、または32nm〜40nm、または37nm〜50nm、または37nm〜45nm、または42nm〜50nmの1つを有するか、または含むことができる。特定の態様では、平均の一次粒子径は、50nm以下、または45nm以下、または40nm以下、または35nm以下、または30nm以下、または25nm以下、または20nm以下である。平均の一次粒子径は、ASTM D3849−14aによって測定され、その全体を参照することのよって本明細書の内容とする。
【0042】
カーボンブラック粒子は、比較的に低い酸素含有量を有しており、それは粒子の純度および電気伝導性を示すことができる。幾つかの態様では、カーボンブラック粒子は、1質量%以下、または0.8質量%以下、または0.6質量%以下、または0.4質量%以下、または0.06質量%以下、または0.03質量%以下の酸素含有量を有している。この酸素含有量は、例えば以下の範囲、0.01〜1質量%、または0.03〜1質量%、または0.03〜0.8質量%、または0.03〜0.6質量%、または0.03〜0.4質量%の1つを有するか、または含むことができる。酸素含有量は、不活性ガス溶融によって測定することができ、そこではカーボンブラック粒子の試料は、非常に高い温度(例えば、約3000℃)に不活性ガス条件の下で暴露される。この試料中の酸素は、炭素と反応してCOおよびCO
2を形成し、それは非分散法赤外法によって監視することができる。全酸素含有量は、試料の全質量に対して、質量%で報告される。不活性ガス溶融法に基づく種々の酸素分析機、例えばLECO(商標)TCH600分析機、が当技術分野で知られており、そして商業的に入手可能である。
【0043】
カーボンブラック粒子は、出発もしくは「基の」カーボンブラック粒子を熱処理することによって生成されることができる。幾つかの態様では、基のカーボンブラック粒子の凝集体サイズの分布(および場合によりD値および/またはD比)は、熱処理で実質的に変化しない。
図1には、基のカーボンブラック粒子(試料B’)および熱処理後の粒子(試料B)についての体積加算累積分布が描かれている。熱処理された材料についての分布の小さな広がりは、おそらくは粒子の真のサイズ分布における変化よりもむしろその多分散性のためであることが信じられる。この観察結果から、他の基準に加えて、その凝集体サイズ分布(例えばストークス径D
50)およびここに記載された狭い粒子径分布(例えば、D
75/D
25値および/または(D
90−D
10)/D
50値)を基に、基のカーボンブラック粒子を、カーボンブラック電導性添加剤の、電極の電気伝導性に影響を与える能力を最大化するように、選択することが可能となる。結果として、基のカーボンブラック粒子は、それらの凝集体サイズ分布、D
75:D
25比、および/または(D
90−D
10)/D
50値を基に選択されることができ、そして電導性添加剤としてのそれらの性能を高めるように、所望の表面エネルギーおよび/または結晶度(例えば、L
a、L
cおよび/または%結晶度)を有するここに記載されたカーボンブラック粒子を生成するように熱処理されることができる。この基のカーボンブラック粒子は、Cabot Corporation(Billerica、マサチューセッツ州)からCSX-946およびCSX-960の名称で入手できる。他の基のカーボンブラック粒子としては、2017年5月3日に出願された「Carbon Black and Rubber Compounds Incorporating Same」の発明の名称の米国仮特許出願第62/500,672号明細書、および2017年5月4日に出願された「Electrodes, Compositions, and Devices Having High Structure Carbon Blacks」の発明の名称の米国特許出願第15/586,670号明細書に記載されたものが、それらの基のカーボンブラック粒子が、ここに記載されそしてここに特許請求された所望の結果として得られる所望のカーボンブラック粒子の凝集体サイズ分布、D値および/またはD比の範囲内の凝集体サイズ分布、D値および/またはD比を有する限り、挙げられる。両方の出願を、ここに参照することによって本明細書の内容とする。
【0044】
上記のように、特定の態様では、カーボンブラック粒子は、熱処理されたカーボンブラック粒子である。「熱処理されたカーボンブラック粒子」は、「熱処理」を受けたカーボンブラック粒子であり、ここで用いられる「熱処理」は、概して、例えばファーネスブラックプロセスによって、前もって形成された基のカーボンブラック粒子の後処理を表している。熱処理は、不活性条件の下で(すなわち、酸素を実質的に含まない雰囲気で)起こることができ、そして典型的には、基のカーボンブラック粒子が形成された容器以外の容器中で起こることができる。不活性条件としては、限定するものではないが、真空および、不活性ガス、例えば窒素、アルゴンなどの雰囲気が挙げられる。幾つかの態様では、不活性条件下でのカーボンブラック粒子の熱処理は、不純物の数(例えば、残存オイルおよび塩)、欠陥、転位および/またはカーボンブラック結晶中の不連続を低減させ、および/または黒鉛化度を増加させることを可能にする。
【0045】
熱処理温度は変えることができる。種々の態様では、熱処理(例えば、不活性条件下での)は、少なくとも1000℃、または少なくとも1200℃、または少なくとも1400℃、または少なくとも1500℃、または少なくとも1700℃、または少なくとも2000℃の温度で行われる。幾つかの態様では、熱処理は、1000℃〜2500℃、例えば1400℃〜1600℃の範囲の温度で行われる。ある温度で行われる熱処理とは、本明細書で開示された1つもしくは2つ以上の温度範囲を表し、そして定常温度での加熱、あるいは段階的および/またはその他の方法で温度を上げたり下げたりしながら加熱することを含むことができる。
【0046】
熱処理時間は変えることができる。特定の態様では、熱処理は、少なくとも15分間、例えば少なくとも30分間、または少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも24時間または48時間までのそれらの時間のいずれかで、ここで開示された温度の1つもしくは2つ以上の温度範囲で行われる。幾つかの態様では、熱処理は、15分間〜少なくとも24時間、例えば15分間〜6時間、または15分間〜4時間、または30分間〜6時間、または30分間〜4時間の範囲の時間に亘って行われる。
【0047】
通常、熱処理は、カーボンブラック粒子の1つもしくは2つ以上の所望の性質(例えば、表面エネルギー、L
a結晶子サイズ、L
c結晶子サイズ、および/または%結晶度)が生み出されるまで行われる。例として、熱処理の初期の時間の間に、熱処理された粒子の試験試料を取り出すことができ、そしてそれらのL
c結晶子サイズが測定されることができる。仮に測定されたL
c結晶子サイズが望ましくない場合には、そのときには種々の熱処理プロセスパラメータ(例えば、熱処理温度および/または滞留時間)を所望のL
c結晶子サイズが生じるまで調整されることができる。
【0048】
カーボンブラック粒子を、種々のエネルギー貯蔵装置、例えばリチウムイオン電池に用いることができる。例として、カーボンブラック粒子は、リチウムイオン電池の正極組成物に用いることができる。正極組成物は、典型的には1種もしくは2種以上の電気活性材料、バインダ、および電導性助剤(例えば、カーボンブラック粒子)の混合物を含んでいる。ここで用いられる「電気活性材料」は、可逆的な、ファラデーおよび/または容量性の電気化学反応を受けることができる材料を意味する。
【0049】
幾つかの態様では、電気化学材料は、リチウムイオン系化合物である。例示的な電気化学的材料としては、以下の少なくとも1つから選択されるものが挙げられる。
・LiMPO
4、ここでMは、Fe、Mn、Co、およびNiから選択される1種もしくは2種以上の金属を表す。
・LiM’O
2、ここでM’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択される1種もしくは2種以上の金属を表す。
・Li(M’’)
2O
4、ここでM’’は、Ni、Mn、Co、Al、Mg、Ti、V、Cr、Fe、Zr、Ga、およびSiから選択された1種もしくは2種以上の金属を表す(例えば、Li[Mn(M’’)]
2O
4)、ならびに、
・Li
1+x(Ni
yCo
1−y−zMn
z)
1−xO
2、ここでxは0〜1の範囲であり、yは0〜1の範囲であり、そしてzは0〜1の範囲である。
【0050】
特定の態様では、電気活性材料は、LiNiO
2、LiNi
xAl
yO
2(ここでxは0.8〜0.99の範囲であり、yは0.01〜0.2の範囲であり、そしてx+y=1である)、LiCoO
2”LCO”、LiMn
2O
4、Li
2MnO
3、LiNi
0.5Mn
1.5O
4、LiFe
xMn
yCo
zPO
4(xは0.01〜1の範囲であり、yは0.01〜1の範囲であり、zは0.01〜0.2の範囲であり、そしてx+y+z=1である)、およびLiNi
1−x−yMn
xCo
yO
2(ここでxは0.01〜0.99の範囲であり、そしてyは0.01〜0.99の範囲である)の少なくとも1種から選択される。
【0051】
他の態様では、電気活性材料は、Li
2MnO
3、LiNi
1−x−yMn
xCo
yO
2(ここでxは0.01〜0.99の範囲であり、そしてyは0.01〜0.99の範囲である)、LiNi
0.5Mn
1.5O
4、Li
1+x(Ni
yCo
1−y−zMn
z)
1−xO
2(”NCM”)(xは0〜1の範囲であり、yは0〜1の範囲であり、そしてzは0〜1である)、ならびにLi
2MnO
3相およびLiMn
2O
3相の少なくとも1種を含む層−層組成物の少なくとも1種から選択される。
【0052】
幾つかの態様では、電極は、ニッケルドープのMnスピネル、および層−層のMnの豊富な組成物を有する活性材料の混合物を含んでいる。ニッケルドープのMnスピネルは、式LiNi
0.5Mn
1.5O
4を有することができ、そして層−層のMnの豊富な組成物は、Li
2MnO
3またはLiMn
2O
3相、およびそれらの混合物を含むことができる。
【0053】
電極中の電気活性材料の濃度は、エネルギー貯蔵装置の具体的な種類に応じて変えることができる。幾つかの態様では、電気活性材料は、正極組成物中に、その組成物の全質量に対して、少なくとも80質量%の量、例えば少なくとも90質量%の量、あるいはその組成物の全質量に対して、80質量%〜99質量%の範囲の量、または90質量%〜99質量%の範囲の量で存在する。電気活性材料は、典型的には粒子の形状である。幾つかの態様では、電気活性材料は、100nm〜30μmの範囲のD
50粒子径分布、例えば1〜15μmの範囲のD
50を有している。他の態様では、電気活性材料は、1〜6μm、例えば1〜5μmの範囲のD
50を有している。
【0054】
典型的には、正極組成物は、形成された電極の機械的な性質を高めるように1種もしくは2種以上のバインダを更に含んでいる。例示的なバインダ材料としては、限定するものではないが、フッ素化ポリマー、例えばポリ(ビニルジフルオロエチレン)(PVDF),ポリ(ビニルジフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE),ポリイミド、および水溶性バインダ、例えばポリ(エチレン)オキシド、ポリビニル−アルコール(PVA)、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、および共重合体およびそれらの混合物が挙げられる。他の可能性のあるバインダとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、スルホン化EPDM,スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、およびフルオロゴムおよび共重合体およびそれらの混合物が挙げられる。幾つかの態様では、バインダは、正極組成物中に、1〜10質量%の量で存在する。
【0055】
電気活性材料の濃度と同様に、カーボンブラック粒子の濃度は、例えば0.5〜10質量%で変えることができる。例えば、電気車両に用いられる電池では、カーボンブラックの量は、1〜2質量%の範囲であることができる。プラグイン車両に用いられる電池では、カーボンブラックの量は3〜6質量%の範囲であることができる。ハイブリッド車両に用いられる電池では、カーボンブラックの量は、5〜10質量%の範囲であることができる。
【0056】
電極(例えば、正極)組成物は、カーボンブラック粒子を電気活性材料と均一に散在させることによって(例えば、均一に混合することによって)作ることができる。幾つかの態様では、バインダもまた、カーボンブラック粒子および電気活性材料と均一に散在させる。電極組成物は、ペーストまたはスラリーの形態をとることができ、その場合には粒子状の電気活性材料、カーボンブラック、およびバインダ(存在する場合は)を1種もしくは2種以上の溶媒の存在で混合される。例示的な溶媒としては、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、アセトン、アルコール、および水が挙げられる。電極組成物の成分は、溶媒中に、結果として得られる混合物が実質的に均一である限り、いずれかの順序で混合されることができ、それは振とう、攪拌などによって得ることができる。特定の態様では、電極組成物は、ペーストまたはスラリーからの溶媒の除去から得られる固体である。
【0057】
幾つかの態様では、電極は、そのペーストを、電気伝導性の基材(例えば、アルミニウム製集電体)上に堆積させ、次いでその溶媒を除去することによって形成される。特定の態様では、そのペーストは、基材上への堆積を可能とし、一方で、より粘度の小さなペースト(例えば、より少ない固形分含有量を有する)でもたらされる可能性がある固有の欠陥(例えば、クラックの発生)の形成を最小化するように、十分に高い固形含有量を有している。更には、より高い固形分の充填量は、必要な溶媒の量を低減させる。溶媒は、ペーストを、周囲温度で、または低い加熱条件、例えば20℃〜100℃の範囲の温度、の下のいずれかで、乾燥させることによって除去される。堆積された正極/集電体は、所望の寸法に切断されることができ、次いで随意選択的にカレンダー処理されることができる。
【0058】
形成された電極は、例えば、Yuping Wu、”Lithium Ion Batteries Fundamentals and Applications”、CRC press、(2015)に記載されているように、当技術分野で知られている方法によってリチウムイオン電池に組み込まれることができる。
【0059】
他の態様では、カーボンブラック粒子は、他のエネルギー貯蔵装置、例えば一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタの電極に用いられる(例えば、組み込まれる)。そのような装置の製造方法は、当技術分野で知られており、そして例えば”Battery Reference Book”、TR Crompton、Newness(2000)に記載されている。
【実施例】
【0060】
例1
この例には、本発明の態様による、基のカーボンブラックを熱処理することによる、カーボンブラック(「試料B」)の調製が記載されている。基のカーボンブラックは、ファーネスカーボンブラック(Cabot CorporationのCSX-946)であり、394m
2/gのBET表面積(BET SA)、162mL/100gのオイル吸収数(OAN)、18mJ/m
2の表面エネルギー(SEP)、および19.5ÅのL
a結晶子サイズ、約31%の結晶度、および約14ÅのL
c結晶子サイズを有していた。この基のカーボンブラックは、ボックスオーブン中で、不活性の窒素雰囲気の下で、1400℃からの範囲の幾つかの温度で2時間に亘って熱処理された。この材料は、次いで試験用ミル(Perten 3710)で粉砕された。
【0061】
結果として得られたカーボンブラック、試料Bは、169m
2/gのBET SA、154mL/100gのOAN、7mJ/m
2の表面エネルギー(SEP)、26.4ÅのL
a結晶子サイズ、約38%の結晶度、約19ÅのL
c結晶子サイズ、91nmのD
50値、2.0のD
75:D
25比、および1.4の(D
90−D
10)/D
50値を有していた。熱処理によって、OANによって示されているように、粒子構造に若干の変化があった。しかしながら、BET表面積、カーボン結晶子ドメインのサイズ(例えば、L
a)、粒子結晶度、および表面エネルギーは有意に変化した。
例2
【0062】
この例では、正極の製造プロセスおよび、高圧縮での、NCM/LCO電極中に非常に少ない充填量(0.6質量%)での試料Aおよび試料Bについての比較試験の結果が記載されている。試料Aは、米国特許第9,287,565号明細書に従って作られたカーボンブラックである。試料Aは、160m
2/gのBET表面積(BET SA)、162mL/100gのOAN、6mJ/m
2の表面エネルギー(SEP)、28ÅのL
a結晶子サイズ、約39%の結晶度、約21ÅのL
c結晶子サイズ、185.5nmのD
50値、2.26のD
75:D
25比、および1.4の(D
90−D
10)/D
50値を有していた。
図2に、試料AおよびBについての体積加重累積分布曲線が示されている。
【0063】
電極は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、Sigma Aldrich、99%超のHPLC等級)中の10質量%のKynar(商標)HSV 900ポリビニリデンフルオリド系樹脂(PVDF、Arkema製、900000の分子量)のスラリー、カーボンブラック(導電性炭素添加剤として、CCA)、および2種の活性材料(LCO(Umicore)およびNCM 111(Toda)を4:1の質量比)の混合物を混合することによって調整された。NMP中の全固形分(すなわち固体の濃度)は78質量%であった。正極組成物は、乾燥品基準で、98.4質量%の活性材料(LCOおよびNCM 111)、0.6質量%のCCAおよび1質量%のPVDFバインダであった。これらのスラリーは、Thinky混合器(Model ARE-310)で30分間混合された。
【0064】
これらの電極スラリーは、自動ドクターブレード塗布機(MTI Corp.のModel MSK-AFA-III)を用いて、20mg/cm
2のコーティング密度を目標にして、アルミニウム箔上にコーティングされた。NMPは、80℃に設定された対流オーブン中で20分間に亘って蒸発された。直径15mmの円盤が、コインセルの調製のために打ち抜かれ、そして110℃で、真空下で最低4時間に亘って乾燥された。円盤は、3.3g/ccでカレンダー処理された。
【0065】
カレンダー処理された電極(円盤)のついての電極シート抵抗が、Keithley 2410-Cソースメータの後部に接続されたLucas Lab 302 4プローブスタンドおよびSP4プローブヘッドで測定された。報告された値は、0.1mAの電流、及び3.3g/ccのカソードカレンダー処理密度で、計器からの直接のオーム示度である。
【0066】
0.6質量%の試料Aを有する電極は、600000Ωの電気抵抗を示したが、一方で試料Bを有する電極は、同じCCAの充填量で200000Ωであった。
【0067】
基本的な分析的特性(例えば、表面積、構造、L
aおよびL
c結晶子サイズ、%結晶度および表面エネルギー)は試料Aと試料Bとの間で匹敵するものであったが、後者は、非常に少ないCCA充填量で電極の電気的特性に影響を与えるのに、より効果的であると思われた。この結果は、試料Bのより小さなストークスD
50直径(それが正極内において、試料Aに対して同じCCAの質量充填量でで、より大きな数の電導性の接触を可能とさせる)、および/またはより小さなD
75:D
25比によるものであることが信じられる。
【0068】
カレンダー処理の後に、これらの正極円盤は、リチウム箔に対する試験のために、アルゴン充填グローブボックス(M-Braun)内で2032コインセルに組み立てられた。ガラス繊維マイクロフィルタ(Whatman GF/A)がセパレータとして用いられた。電解質は100μLのエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート−エチルメチルカーボネート(EC−DMC−EMC)、ビニレンカーボネート(VC)1%、LiPF
6(1M、BASF)であった。試験されたそれぞれの配合物について4つのコインセルが組み立てられた。
【0069】
コインセルが、Maccor Series 4000電池サイクラーで下記の手順に従って試験された。2.8〜4.3電圧ウィンドウ内での2回のC/5充電−放電形成サイクル、C/20までの定電圧充電ステップ、次いでC/20までの定電圧充電ステップによるC/2充電ならびにC/5、C/2、1C、2Cおよび3C放電レート。1Cレート(時間
−1)は、1時間でセルを放電するための電流と定義される。報告された容量は、4つのコインセルの平均であり、活性正極質量について。mAh/gに正規化される。試料AおよびBの3C容量は、それぞれ82および110mAh/gであり、より小さな凝集体サイズ(この例における、D
50)を有する電導性添加剤の利益を示している。
例3
【0070】
この例では、種々の電導性炭素添加剤(「CCA」)の充填量での試料Aおよび試料Bを含む薄い(10mg/cm
2)の電極の製造方法および比較の評価の結果が記載されている。
【0071】
電極が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、Sigma Aldrich、99%超のHPLC等級)中の10質量%のKynar(商標)HSV 900ポリビニリデンフルオリド系樹脂(PVDF、Arkema製、900000の分子量)のスラリー、カーボンブラック(CCAとして)、活性材料(NCM 111、Toda、約7ミクロンのD
50粒子径)、およびNMPを混合することによって調製された。これらのスラリーは、SPEX(商標)8000M混合器/ミルおよび2つの炭化タングステン媒体ボールで30分間に亘って混合された。配合、全固形分充填量、およびスラリーのコーティング密度が表1に示されている。
【表1】
【0072】
これらの電極スラリーが、自動ドクターブレードコーター(MTI Corp.のModel MSK-AFA-III)を用いてアルミニウム箔上にコーティングされた。NMPが、80℃に設定された対流式オーブン内で20分間に亘って蒸発された。コインセルの調製のために、直径15mmの円盤が打ち抜かれ、そして真空下で110℃にて最低で4時間に亘って乾燥された。円盤は、手動のロールプレスで2.5g/ccでカレンダー処理され、そしてアルゴン充填グローブボックス(M-Braun)内で、リチウム箔に対する試験のために2032コインセルに組み立てられた。ガラス繊維マイクロフィルタ(Whatman GF/A)がセパレータとして使用された。電解質は、100μLのエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート−エチルメチルカーボネート(EC−DMC−EMC)、ビニレンカーボネート(VC)1%、LiPF
6(1M、BASF)であった。
【0073】
コインセルが、Maccor Series 4000電池サイクラーで下記の手順に従って試験された。2.8〜4.3電圧ウィンドウ内での2回のC/5充電−放電形成サイクル、C/20までの定電圧充電ステップ、次いでC/20までの定電圧充電ステップによるC/2充電ならびにC/5、C/2、1C、2C、3C、4C、5C、7C、10C、15C、および20C放電レート。1Cレート(時間
−1)は、1時間でセルを放電するための電流と定義される。典型的には、4つの別個のコインセルが組み立てられ、そしてそれぞれのCCA充填量について試験された。報告された容量は、活性正極質量についてmAh/gに正規化された平均値である。
【0074】
コーティングされた電極のシート抵抗が、Keithley 2410-Cソースメータの後部に接続されたLucas Lab 302 4プローブスタンドおよびSP4プローブヘッドで測定された。報告された値は、0.1mAの電流、および2.5g/ccの正極カレンダー処理密度で、計器からの直接のオーム示度である。
【0075】
図3に示されているように、試料Bを基にした圧縮された電極は、より低い電極シート抵抗を示した。より高いカーボンブラック充填量(例えば8質量%)では、試料間で有意により小さな差異があった。2質量%のCCAを有するコインセルの10C容量は、試料Aおよび試料Bについて、それぞれ108.9mAh/gおよび116.7mAh/gであり、より小さなストークス凝集体直径(D
50)を有するカーボンブラックについての実質的な改良を示している。
【0076】
これらのセルのCレート容量の評価の後に、それらは、ハイブリッドパルスパワー能力(HPPC)について試験された。HPPC試験の完全な記述は、US DOE Vehicle Technologies Battery Test Manual for Plug-In Hybrid Electric Vehicles、2008、Idaho National Lab INL/EXT-07-12536で見つけることができる。完全に再充電されたセルが、6分間の1C放電ステップによって達成される10%の充電減衰状態まで、5C、10秒間の放電電流パルス、40秒間の静止、3.75C、10秒間の充電電流パルスに付された。この試験から、オームの法則を用いてDC−IRおよびイオン放電抵抗が計算された。DC−IRは瞬間的抵抗降下に基づき、そしてイオン抵抗はパルス抵抗マイナス瞬間的抵抗降下の結果である。試料Aおよび試料Bを2質量%の充填量で含むセルについて測定された、50%充電状態(「SoC」)でのDC−IRとイオン抵抗との結果が、表2にまとめられている。このデータは、より小さなストークス直径(D
50)を有する試料Bがより低い電気抵抗を可能にすることを更に裏付けており、このことは電池の出力特性において高度に有益である。
【表2】
例4
【0077】
この例では、試料Aおよび試料Bについての、厚い(30mg/cm
2)NCM電極中の2質量%でのカーボンブラック(CB)の比較試験の結果が記載されている。
【0078】
NCM 111(Toda):CB:PVDF=96.5:2:1.5の質量比を有するスラリーが、70質量%の全固形分で、Thinky混合器(model ARE-310)を用いて30分間で調製された。これらの電極スラリーは、自動ドクターブレードコーター(MTI Corp.のModel MSK-AFA-III)を用いて30mg/cm
2の目標のコーティング密度でアルミニウム箔上にコーティングされた。NMPは、80℃に設定された対流オーブン中で20分間に亘って蒸発された。直径15mmの円盤が、コインセルの調製のために打ち抜かれ、そして110℃で、真空下で最低4時間に亘って乾燥された。円盤は、手動のローププレスで2.5g/ccでカレンダー処理された。電極(シート)抵抗およびバルク(体積)電導度の両方が測定された。
【0079】
シート抵抗測定の手順は、電極のカレンダー処理密度が3g/ccであった以外は、例3記載された手順と同じである。
【0080】
アルミニウム上にコーティングされた15mm電極円盤の電極バルク電動率が、ドロップゲージ(Sylvac、0.001mm精度)で測定され、その中で、DC抵抗は、スタンド(そのゲージから絶縁されている)に対して押し付けられたアルミニウム集電体と、電極コーティングの上面上に作られた、試料に対して10psiで適用された0.4cm
2の円柱状の炭化物先端(Carbide Probes Inc.)を有する接点との間で測定された。この先端と基部との間の電極の抵抗は、Keithley 2410-Cソースメータで測定された。これらの電極のバルク電導率(S/cm)は、式S/cm=(l/R)×(l/s)によって計算されたが、ここで、l(エル)は、電極厚さマイナス集電体(cmで)であり、そしてsは接点面積(0.4cm
2)である。これらの結果が表3に示されている。
【表3】
【0081】
カレンダー処理の後に、これらの正極円盤は、リチウム箔に対する試験のために、アルゴンで充填されたグローブボックス(M-Braun)内で2032コインセルに組み立てられた。ガラス繊維マイクロフィルタ(Whatman GF/A)が、セパレータとして用いられた。電解質は100μLのエチレンカーボネート−ジメチルカーボネート−エチルメチルカーボネート(EC−DMC−EMC)、ビニレンカーボネート(VC)1%、LiPF
6(1M、BASF)であった。それぞれの配合物について4つのコインセルが組み立てられ、そして容量が、例2に記載された方法に従って試験された。報告された容量は平均であり、活性正極の質量について。mAh/gに正規化される。試料AおよびBの3c容量は、それぞれ92および96mAh/gであった。
例5
【0082】
この例では、NCM電極中に2質量%のカーボンブラック(CB)の試料Cおよび試料Dについての比較の試験の結果が記載されている。試料Cは、100m
2/gのBET SA、232mL/100gのOAN,3mJ/m
2以下の表面エネルギー(SEP)、26.5ÅのL
a結晶子サイズ、約38%の結晶度、約19.2ÅのL
c結晶子サイズ、114nmのD
50値、2.2のD
75:D
25比、および1.5の(D
90−D
10)/D
50値を有していた。試料Dは、95m
2/gのBET SA、247mL/100gのOAN,3mJ/m
2以下の表面エネルギー(SEP)、27.1ÅのL
a結晶子サイズ、約38.4%の結晶度、約19.5ÅのL
c結晶子サイズ、104nmのD
50値、1.76のD
75:D
25比、および1.3の(D
90−D
10)/D
50値を有していた。
図2Aおよび2Bには、試料CおよびDについての、体積加重累積分布曲線および体積加重幾何学的分布曲線がそれぞれ示されている。
【0083】
電極調製の方法および測定法は、例3に記載されたものと同じであった。配合物の組成は、NMP中の70質量%の全固形分で、NCM 111(Toda):CB:PVDF=96.5:2:1.5であった。コーティング密度は10mg/cm
2であった。乾燥の後に、これらの円盤は2.5g/ccにカレンダー処理された。
【0084】
表4には、電極シート抵抗およびバルク電導性の結果が示されている。示されているように、試料Dは、D
75/D
25比の値および(D
90−D
10)/D
50値によって示されるようにより狭い凝集体サイズ分を有し、電極シート抵抗とバルク電導性の両方で試料Cより性能が優れていた。この例では、電導性添加剤の他の基本的な分析的特徴が同じであった場合の、より狭い凝集体サイズ分布を有するカーボンブラック粒子の利点が示されている。
【表4】
例6
【0085】
この例では、NCM電極中に両方ともCCAが2質量%および8質量%である試料Eおよび試料Fについての比較の試験の結果が記載されている。試料Eは、40m
2/gのBET SA、177mL/100gのOAN、3mJ/m
2以下の表面エネルギー(SEP)、30.4ÅのL
a結晶子サイズ、約41.1%の結晶度、約23.9ÅのL
c結晶子サイズ、270.5nmのD
50値、2.71のD
75:D
25比、および1.7の(D
90−D
10)/D
50値を有するアセチレンブラックであった。試料Fは、42m
2/gのBET SA、201mL/100gのOAN、3mJ/m
2以下の表面エネルギー(SEP)、30ÅのL
a結晶子サイズ、約39.2%の結晶度、約20.5ÅのL
c結晶子サイズ、312nmのD
50値、1.85のD
75:D
25比、および1.3の(D
90−D
10)/D
50値を有するカーボンブラックであった。
図5に、試料EおよびFについての体積加重累積分布曲線が示されている。
【0086】
電極の調製方法および測定法は、例3に記載されたものと同じであった。2種の配合物が、2質量%および8質量%のCCA充填量で調製された。具体的には、これらの組成物は、NCM 111(Toda):CCA:PVDF=96.5:2:1.5で70質量%の全固形分、およびNCM:CCA:PVDF=86:8:6で、NMP中の58質量%の全固形分であった。これらのスラリーは、SPEX(商標)8000M混合器/ミルおよび2つの炭化タングステン媒体ボールで30分間に亘って混合された。
【0087】
これらの電極スラリーは、自動ドクターブレードコーター(MTI Corp.のModel MSK-AFA-III)を用い、そして10mg/cm
2のコーティング密度を目標にして、アルミニウム箔上にコーティングされた。NMPは、80℃に設定された対流オーブン中で20分間に亘って蒸発された。15mmの直径の円盤が、コインセルの調製のために打ち抜かれ、そして真空下で、110℃で最低で4時間乾燥された。円盤は、手動のロールプレスで2.5g/ccでカレンダー処理され、そして例3に記載された手順に従って2032コインセルに組み立てられた。
【0088】
電極抵抗およびバルク電気伝導性が上記のように測定された。試験結果が表5にまとめられている。試料EのD
50値よりも試料FのD
50値は若干大きかった(270nmに対して312nm)が、D
75/D
25および(D
90−D
10)/D
50値によって示されるその実質的により狭い凝集体サイズ分布によって、より低い電極シート抵抗およびより高いバルク電気伝導性が与えられることが信じられる。
【表5】
【0089】
用語「a」および「an」および「the」の使用は、特に断りのない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数および複数の両方を包含すると理解されなければならない。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」は、特に断りのない限り、開放的用語として理解されなければならない(すなわち、「含むが、それらには限定されない」を意味する)。本明細書における値の範囲の記載は、特に断りのない限り、単に、その範囲内に含まれるそれぞれの個々の値を個別に言及する簡略的な方法として作用することが意図されており、そしてそれぞれの個々の値は、それが本明細書中に個々に記載されているかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載された全ての方法は、特に断りのない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、いずれかの好適な順序で実施されることができる。本明細書中のいずれかの、そして全ての例、または例示的な述語(例えば、「例えば(such as)」)の使用は、単に、本発明をより良く明確にすることが意図されており、そして特に断りのない限り、本発明の範囲に限定を加えるものではない。本明細書中のいずれの述語も、いずれかの特許請求されていない要素が、本発明の実施に必須であることを示すとは理解されてはならない。
【0090】
本明細書で言及された全ての出版物、出願、ASTM標準、および特許は、それらの全体を参照することによって本明細書の内容とする。
【0091】
本発明の他の態様は、本明細書を考慮して、そして本明細書に開示された本発明の実施によって、当業者には明らかとなるであろう。本明細書および例は、添付の特許請求の範囲によって示される本発明およびその等価物の真の範囲および精神を伴う例示としてのみ考慮されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2020年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
本発明の他の態様は、本明細書を考慮して、そして本明細書に開示された本発明の実施によって、当業者には明らかとなるであろう。本明細書および例は、添付の特許請求の範囲によって示される本発明およびその等価物の真の範囲および精神を伴う例示としてのみ考慮されることが意図されている。
本発明は、以下の態様を含んでいる。
(1)電気伝導性基材、および
該電気伝導性基材の表面によって支持された組成物、該組成物は、80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を含んでいる、
を含んでなる電極。
(2)前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、(1)記載の電極。
(3)前記カーボンブラック粒子が、50Å以上のLa結晶子サイズ、および/または40Å以上のLc結晶子サイズを有する、
(1)または(2)記載の電極。
(4)前記カーボンブラック粒子が、200mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(1)〜(3)のいずれか1項記載の電極。
(5)前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(1)〜(4)のいずれか1項記載の電極。
(6)前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、(1)〜(5)のいずれか1項記載の電極。
(7)前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、(1)〜(6)のいずれか1項記載の電極。
(8)前記カーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、(1)〜(7)のいずれか1項記載の電極。
(9)前記カーボンブラック粒子が、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、(1)〜(7)のいずれか1項記載の電極。
(10)前記D50値が、70nm以上である、(1)〜(9)のいずれか1項記載の電極。
(11)前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(1)〜(10)のいずれか1項記載の電極。
(12)前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、(1)〜(11)のいずれか1項記載の電極。
(13)前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(1)〜(12)のいずれか1項記載の電極。
(14)前記カーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比、および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値の粒子径分布を有する、(1)〜(13)のいずれか1項記載の電極。
(15)前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値の粒子径分布を有する、(1)〜(13)のいずれか1項記載の電極。
(16)前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(1)〜(15)のいずれか1項記載の電極。
(17)(1)〜(16)のいずれか1項記載の電極を含むエネルギー貯蔵装置。
(18)前記装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、(17)記載のエネルギー貯蔵装置。
(19)80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g未満のオイル吸収数、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子を熱処理して、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する熱処理カーボンブラック粒子を生成することを含んでなる方法。
(20)前記熱処理が、前記カーボンブラック粒子を、1100℃〜1700℃の範囲の温度で、不活性雰囲気中で加熱することを含む、(19)記載の方法。
(21)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、(19)または(20)記載の方法。
(22)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、(19)〜(21)のいずれか1項記載の方法。
(23)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、200mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(19)〜(22)のいずれか1項記載の方法。
(24)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、(19)〜(23)のいずれか1項記載の方法。
(25)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、(19)〜(24)のいずれか1項記載の方法。
(26)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、(19)〜(25)のいずれか1項記載の方法。
(27)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度を有する、(19)〜(26)のいずれか1項記載の方法。
(28)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、(19)〜(27)のいずれか1項記載の方法。
(29)前記D50値が、70nm以上である、(19)〜(28)のいずれか1項記載の方法。
(30)前記熱処理されたカーボンブラック粒子を組成物中に混合し、そして該組成物を含む電極を形成することを更に含む、(19)〜(29)のいずれか1項記載の方法。
(31)前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(30)記載の方法。
(32)前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、(30)または(31)記載の方法。
(33)前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(30)〜(32)のいずれか1項記載の方法。
(34)前記電極を、エネルギー貯蔵装置を形成するのに用いることを更に含む、(30)〜(33)のいずれか1項記載の方法。
(35)前記エネルギー貯蔵装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、(24)記載の方法。
(36)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比、および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、(19)〜(35)のいずれか1項記載の方法。
(37)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、(19)〜(36)のいずれか1項記載の方法。
(38)前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(19)〜(37)のいずれか1項記載の方法。
(39)80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子。
(40)22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを更に有する、(39)記載のカーボンブラック粒子。
(41)50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを更に有する、(39)または(40)記載のカーボンブラック粒子。
(42)前記オイル吸収数が、200mL/100g以下である、(39)〜(41)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(43)140mL/100g以上のオイル吸収数を更に有する、(39)〜(42)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(44)30m2/g以上の統計的厚さ表面積を更に有する、(39)〜(43)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(45)250m2/g以下の統計的厚さ表面積を更に有する、(39)〜(44)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(46)45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、(39)〜(45)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(47)35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、(39)〜(46)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(48)70nm以上のD50値を更に有する、(39)〜(47)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(49)前記カーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、(39)〜(48)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(50)前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、(39)〜(49)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(51)前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(39)〜(50)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(52)電気伝導性基材、および
該電気伝導性基材の表面によって支持された組成物、該組成物は、2.1未満のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有するカーボンブラック粒子を含んでいる、
を含んでなる電極。
(53)前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比を有する、(52)記載の電極。
(54)前記カーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、(52)または(53)記載の電極。
(55)前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、(52)〜(54)のいずれか1項記載の電極。
(56)前記カーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、(52)〜(55)のいずれか1項記載の電極。
(57)前記カーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(52)〜(56)のいずれか1項記載の電極。
(58)前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、(52)〜(57)のいずれか1項記載の電極。
(59)前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、(52)〜(58)のいずれか1項記載の電極。
(60)前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、(52)〜(59)のいずれか1項記載の電極。
(61)前記カーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、(52)〜(60)のいずれか1項記載の電極。
(62)前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(52)〜(61)のいずれか1項記載の電極。
(63)前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、(52)〜(62)のいずれか1項記載の電極。
(64)前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(52)〜(63)のいずれか1項記載の電極。
(65)前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(52)〜(64)のいずれか1項記載の電極。
(66)前記カーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、(52)〜(65)のいずれか1項記載の電極。
(67)前記カーボンブラック粒子が、80m2/g〜110m2/gの範囲のBET表面積を有する、(52)〜(66)のいずれか1項記載の電極。
(68)(52)〜(67)のいずれか1項記載の電極を含むエネルギー貯蔵装置。
(69)前記装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、(68)記載のエネルギー貯蔵装置。
(70)基のカーボンブラック粒子を熱処理して、2.1以下のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((LG/(LG+LD))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有する熱処理されたカーボンブラックを生成すること、を含んでなる方法。
(71)熱処理することが、前記基のカーボンブラック粒子を1100℃〜1700℃の範囲の温度で、不活性雰囲気中で加熱することを含む、(70)記載の方法。
(72)前記基のカーボンブラック粒子およびまたは前記カーボンブラック粒子が、1.05以上のD75:D25比を有し、そして前記基のカーボンブラック粒子が2.1以下のD75:D25比を有する、(70)または(71)記載の方法。
(73)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、45%以下の%結晶度((LG/(LG+LD))×100%)を有する、(70)〜(72)のいずれか1項記載の方法。
(74)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、(70)〜(73)のいずれか1項記載の方法。
(75)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、(70)〜(74)のいずれか1項記載の方法。
(76)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(70)〜(75)のいずれか1項記載の方法。
(77)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、(70)〜(76)のいずれか1項記載の方法。
(78)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、(70)〜(77)のいずれか1項記載の方法。
(79)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、(70)〜(78)のいずれか1項記載の方法。
(80)前記基のカーボンブラック粒子および/または前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、(70)〜(79)のいずれか1項記載の方法。
(81)前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(70)〜(80)のいずれか1項記載の方法。
(82)前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、(70)〜(81)のいずれか1項記載の方法。
(83)前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラックを含む、(70)〜(82)のいずれか1項記載の方法。
(84)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(70)〜(83)のいずれか1項記載の方法。
(85)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、(70)〜(84)のいずれか1項記載の方法。
(86)前記熱処理されたカーボンブラック粒子が、80m2/g〜1100m2/gの範囲のBET表面積を有する、(70)〜(85)のいずれか1項記載の方法。
(87)前記熱処理されたカーボンブラック粒子を組成物中に混合し、そして該組成物を含む電極を形成することを更に含む、(70)〜(86)のいずれか1項記載の方法。
(88)前記組成物が、0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(87)記載の方法。
(89)前記組成物が、リチウムイオン系の電気活性材料を更に含む、(87)または(88)記載の方法。
(90)前記組成物が、リチウムおよびコバルトを含む電気活性材料、ならびに0.5質量%〜10質量%の前記カーボンブラック粒子を含む、(87)〜(89)のいずれか1項記載の方法。
(91)前記電極を、エネルギー貯蔵装置を形成するのに用いることを更に含む、(87)〜(90)のいずれか1項記載の方法。
(92)前記エネルギー貯蔵装置が、リチウムイオン電池、一次アルカリ電池、一次リチウム電池、ニッケル金属水素電池、ナトリウム電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、およびスーパーキャパシタからなる群から選択される、(91)記載の方法。
(93)2.1以下のD75:D25比を有する粒子径分布、35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)、および300mL/100g以下のオイル吸収数を有するカーボンブラック粒子。
(94)前記カーボンブラック粒子が、1.05以上のD75:D25比を有する、(93)記載のカーボンブラック粒子。
(95)前記カーボンブラック粒子が、45%以上の結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を有する、(93)または(94)記載のカーボンブラック粒子。
(96)前記カーボンブラック粒子が、22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを有する、(93)〜(95)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(97)前記カーボンブラック粒子が、50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを有する、(93)〜(96)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(98)前記カーボンブラック粒子が、225mL/100g以下のオイル吸収数を有する、(93)〜(97)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(99)前記カーボンブラック粒子が、140mL/100g以上のオイル吸収数を有する、(93)〜(98)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(100)前記カーボンブラック粒子が、30m2/g以上の統計的厚さ表面積を有する、(93)〜(99)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(101)前記カーボンブラック粒子が、250m2/g以下の統計的厚さ表面積を有する、(93)〜(100)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(102)前記カーボンブラック粒子が、70nm以上のD50値を有する、(93)〜(101)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(103)前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、(93)〜(102)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(104)前記カーボンブラック粒子が、10mJ/m2以下の表面エネルギーを有する、(93)〜(103)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
(105)前記カーボンブラック粒子が、80m2/g〜1100m2/gの範囲のBET表面積を有する、(93)〜(104)のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
80m2/g〜1100m2/gの範囲のブルナウアー−エメット−テラー(BET)表面積、300mL/100g以下のオイル吸収数、10mJ/m2以下の表面エネルギー、および165nm以下のD50値を有する粒子径分布を有するカーボンブラック粒子。
【請求項2】
22Å以上のLa結晶子サイズ、および/または17Å以上のLc結晶子サイズを更に有する、請求項1記載のカーボンブラック粒子。
【請求項3】
50Å以下のLa結晶子サイズ、および/または40Å以下のLc結晶子サイズを更に有する、請求項1または2記載のカーボンブラック粒子。
【請求項4】
前記オイル吸収数が、200mL/100g以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項5】
140mL/100g以上のオイル吸収数を更に有する、請求項1〜4のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項6】
30m2/g以上の統計的厚さ表面積を更に有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項7】
250m2/g以下の統計的厚さ表面積を更に有する、請求項1〜6のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項8】
45%以下の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、請求項1〜7のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項9】
35%以上の%結晶度((IG/(IG+ID))×100%)を更に有する、請求項1〜8のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項10】
70nm以上のD50値を更に有する、請求項1〜9のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項11】
前記カーボンブラック粒子が、2.1未満のD75:D25比および/または1.5未満の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項12】
前記カーボンブラック粒子が、1.05超のD75:D25比、および/または1.05超の(D90−D10)/D50値を有する粒子径分布を有する、請求項1〜11のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項13】
前記カーボンブラック粒子が、単峰性の粒子径分布を有する、請求項1〜12のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子。
【請求項14】
電気伝導性基材、および
該電気伝導性基材の表面によって支持された組成物、該組成物は請求項1〜13のいずれか1項記載のカーボンブラック粒子を含んでいる、
を含んでなる電極。
【請求項15】
請求項14記載の電極を含むエネルギー貯蔵装置。
【国際調査報告】