(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-524401(P2020-524401A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(54)【発明の名称】大量に接続された個別の太陽電池
(51)【国際特許分類】
H01L 31/042 20140101AFI20200717BHJP
H01L 31/048 20140101ALI20200717BHJP
【FI】
H01L31/04 500
H01L31/04 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-569263(P2019-569263)
(86)(22)【出願日】2018年6月15日
(85)【翻訳文提出日】2020年2月13日
(86)【国際出願番号】US2018037884
(87)【国際公開番号】WO2018232324
(87)【国際公開日】20181220
(31)【優先権主張番号】62/521,037
(32)【優先日】2017年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/560,524
(32)【優先日】2017年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/571,714
(32)【優先日】2017年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/587,887
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/595,830
(32)【優先日】2017年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/598,270
(32)【優先日】2017年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/619,510
(32)【優先日】2018年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】509238133
【氏名又は名称】ハイアー ディメンション マテリアルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ファ キム
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ディー.オルムステッド
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA03
5F151AA10
5F151AA11
5F151BA18
5F151EA19
5F151EA20
5F151JA02
5F151JA04
5F151JA05
5F151JA09
5F151JA12
(57)【要約】
いくつかの例において、組立体は、少なくとも1つの垂直方向支持部と、少なくとも1つの垂直方向支持部に付着された複数の太陽パネルであって、複数の太陽パネルのそれぞれの太陽パネルは、1つ又は複数の基材を含む、複数の太陽パネルと、複数の連続的なギャップが、隣接する太陽セルの間において画定されるように、複数の太陽パネルの1つ又は複数の基材に付着された複数の太陽セルであって、ギャップは、空気、水、及び太陽光が太陽パネルを通過することを許容しており、複数の太陽セルのそれぞれの太陽セルは、1つ又は複数の太陽電池ユニットを含み、太陽電池ユニットは、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質、または、機械的な摩滅、衝撃、UV光、又は温度の1つ又は複数から、太陽電池ユニットを保護するべく、1つ又は複数のカプセル材料内において収容されている、複数の太陽セルと、電気回路を形成すべく、太陽セルを互いに相互接続する電気導体と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池組立体であって、
上部表面を含む少なくとも1つの基材と、
複数の太陽電池カプセルであって、該複数の太陽電池カプセルは、複数の連続的なギャップが、前記複数の太陽電池カプセルの隣接する太陽電池カプセルの間において画定されるように、前記少なくとも1つの基材の前記上部表面に付着されており、前記複数の太陽電池カプセルの太陽電池カプセルのそれぞれは、1つ又は複数の太陽電池ユニットを含み、前記太陽電池ユニットは、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質、或いは、機械的な摩滅、衝撃、UV光、及び温度の1つ又は複数から、前記太陽電池ユニットを保護するべく、カプセル材料内において収容されている、複数の太陽電池カプセルと、
電気回路を形成するべく、前記太陽電池カプセルを互いに相互接続する複数の電気導体と、
を有する、太陽電池組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの基材は、織られた又は織られていない布基材を有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの基材は、メッシュ基材を有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの基材は、ネットを有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基材は、足場を有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基材は、フレームを有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの基材は、格子を有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基材は、フレームと格子の組合せを有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの基材は、フレームと足場の組合せを有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの基材は、太陽電池カプセル用のフレーム、足場、及び基部層カプセル材料の統合された組合せを有する、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの基材は、可撓性の基材を有する、請求項2から4に記載の太陽電池組立体。
【請求項12】
前記少なくとも1つの基材は、多孔性基材を有する、請求項2から11のいずれか1項に記載の太陽電池組立体。
【請求項13】
前記少なくとも1つの基材は、太陽電池カプセルを相互に接続する前記電気回路を確立している、請求項2から12のいずれか1項に記載の太陽電池組立体。
【請求項14】
前記太陽電池ユニットは、シリコンウエハ太陽電池である、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項15】
前記太陽電池ユニットは、ペロブスカイト太陽電池である、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項16】
前記太陽電池ユニットは、銅インジウムガリウムジセレニド太陽電池である、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項17】
前記カプセル材料は、エポキシである、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項18】
前記カプセル材料は、ETFE薄膜内において挟持されたシリコンゴムである、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項19】
前記カプセル材料は、PTFE薄膜内において挟持されたシリコンゴムである、請求項1に記載の太陽電池組立体。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載の前記太陽電池組立体を形成することを有する、方法。
【請求項21】
太陽電池組立体を形成することを有する方法であって、前記太陽電池組立体は、
上部表面を含む少なくとも1つの基材と、
複数の太陽電池カプセルであって、該複数の太陽電池カプセルは、複数の連続的なギャップが、前記複数の太陽電池カプセルの隣接する太陽電池カプセルの間において画定されるように、前記少なくとも1つの基材の前記上部表面に付着されており、前記複数の太陽電池カプセルの太陽電池カプセルのそれぞれは、1つ又は複数の太陽電池ユニットを含み、前記1つ又は複数の太陽電池ユニットは、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質、或いは、機械的な摩滅、衝撃、UV光、及び温度の1つ又は複数から、前記太陽電池ユニットを保護するべく、カプセル材料内において収容されている、複数の太陽電池カプセルと、
電気回路を形成するべく、前記太陽電池カプセルを互いに相互接続する複数の電気導体と、
を有する、方法。
【請求項22】
前記太陽電池組立体を形成することは、前記複数の太陽電池カプセルを前記少なくとも1つの基材の前記上部表面に付着させることを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記太陽電池組立体をフォーマッティングすることは、前記1つ又は複数の太陽電池ユニットを前記カプセル材料内においてカプセル化することを有する、請求項21又は22のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年6月16日付けで出願された米国仮特許出願第62/521,037号、2017年9月19日付けで出願された米国仮特許出願第62/560,524号、2017年10月12日付けで出願された米国仮特許出願第62/571,714号、2017年11月17日付けで出願された米国仮特許出願第62/587,887号、2017年12月7日付けで出願された米国仮特許出願第62/595,830号、2017年12月13日付けで出願された米国仮特許出願第62/598,270号、2018年1月19日付けで出願された米国仮特許出願第62/619,510号の利益を主張するものである。これらの特許出願のそれぞれの出願の内容は、引用により、その全体が本明細書に包含される。
【0002】
いくつかの例において、本開示は、個別のセルが、湿度、温度、及びUV放射の環境条件に対して安定しおり、且つ、個別のセルが、空間により、互いに分離されている、様々なタイプの個別にカプセル化された太陽電池の組立体に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、個別のセルが、環境条件に対して安定しており、個別のセルが、空間により、互いに分離されている、様々なタイプの個別にカプセル化された太陽電池の組立と、これを製造及び使用する方法と、を対象としている。いくつかの例において、本開示は、水及び酸素分子に対する不透過性を有し、機械的に丈夫であると共に衝撃耐性を有し、且つ、光学的に透明であり、且つ、環境的に無害である、材料によって製造された太陽電池カプセル(SCC:Solar Cell Capsule)内においてカプセル化された、多数の太陽電池ユニット(SCU:Solar Cell Unit)の2次元アレイを対象としている。太陽電池カプセル(SCC)は、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質による、或いは、機械的摩滅、衝撃、及びUV光による、すべての潜在的損傷からのSCUの強力な保護のために、ペロブスカイト太陽電池ユニット、シリコンウエハ太陽電池ユニット、或いは、任意のその他の適切な太陽電池構造などの、太陽電池ユニット(SCU)をカプセル化している。
【0004】
SCCの一部分又は全体表面エリアは、太陽光の受け入れのために光学的に透明であってよい。規定された、隣接するSCUの間の距離を維持する、支持構造上において構築された電気的に相互接続されたSCCのアレイのシステム又は組立体は、利便を目的として、大量に接続された太陽電池(Massively Connected Solar Cell)、或いは、その略号であるMCSC、と呼称される。SCUのサイズは、最終使用用途におけるMCSCのその他の仕様との間において互換性を有するように選択することができる。例えば、個々の太陽電池が、シリコンウエハとなるように選択されている場合には、SCUは、公称的に、選択された特定のウエハサイズに応じて、5インチ又は6インチとなろう。その他の太陽電池技術の場合には、SCUのサイズは、効率的な、且つ、耐久性を有する、カプセル化を可能にする最適なサイズなどの、その他の要因により、決定することができる。例えば、新しいペロブスカイト太陽電池は、湿気(湿度)、酸素、及び温度の影響を極めて受けやすくなりうる。ペロブスカイトセルのいずれかの部分が損傷した場合に、損傷は、セルの全体領域のすべてを通じて迅速に拡大し、これにより、セルの全体を破壊する。従って、損傷が、単一のセルに限定され、且つ、モジュールの全体を通じて拡大しえないように、それぞれの個々のセルのサイズを制限することが有利でありうる。例えば、わずかに1又は2センチメートル以下であるSCCの内部における小さなペロブスカイトSCUのカプセル化は、カプセル化の有効性を大幅に改善する。相対的に大きな(例えば、1メートル以上)、且つ、堅固な、機械的に脆いペロブスカイト太陽電池の製品のカプセル化は、極めて、困難であり、且つ、費用を所要する。MCSCによれば、小さなペロブスカイトSCUの製品を容易に且つ堅固にカプセル化することができる。
【0005】
SCCの間の間隔は、最終使用の仕様により、決定することができる。シリコンウエハのソーラーモジュールにおいては、合計の電力/単位面積を極大化させるべく、且つ、EVAカプセル材料、ガラスカバー、及びフレーム材料などのその他の材料の量を極小化させるべく、シリコンウエハを相互に可能な限り近接した状態において配置することができる。又、このようなウエハの相互に近接したパッキングは、所与の電力量を生成するべく必要とされる地面面積又は屋根面積をも低減する。
【0006】
SCCを相互に離れた状態において意図的に離隔させることによって面積電力効率を犠牲にすることにより、いくつかの最終使用において、明確な利点を得ることができる。1つのこのような例示用の用途は、可撓性のソーラーパネルの製造である。相互に分離された、且つ、例えば、可撓性の基材のシート又はロール上において取り付けられた、SCCの組立体は、曲がりを有する表面に適合しうる、可撓性のソーラーパネルを提供する。このような組立体は、バスの屋根や屋外テントなどの多くの表面の上部、ハイカー/兵士のバックパック、湾曲した屋上及び建物のドーム、において配置することができる。これらは、可撓性のソーラーモジュールの使用のいくつかの例に過ぎず、且つ、本開示に対する限定ではない。
【0007】
その他の剛性を有する太陽電池パネル又は可撓性の太陽電池薄膜とは異なり、MCSCの大きなシート又はロールは、多数の更に小さな部分に切断することが可能であり、且つ、これらのMCSCの小さな部分は、異なるように成形された、或いは、異なるようにサイズ設定された、表面をカバーするように、使用することができる。その他の可撓性の太陽電池薄膜は、凹凸のある又は粗い表面或いは湾曲した表面をカバーするには、機械的に壊れやすく、且つ、その実行が困難である。
【0008】
可撓性のMCSCの別の例示用の特徴は、強力な引っ張り強度を提供する、織られた布などの、布上において構築することができると共に、MCSCの布は、家の屋上又は壁、或いは、バス、トラック、ゴルフカートの上部表面、場合によっては、列車の上部表面などの、様々な異なる表面に接着(glue)又は装着することができる、という点にある。
【0009】
MCSCの表面を清掃することは、容易でありうると共に、MCSC上の埃の除去も、容易でありうる。場合によっては、必要に応じて、石鹸及び水により、MCSCのシートを洗浄することもできる。
【0010】
MCSCの例は、丈夫でありうると共に、耐水性を有しうる。例えば、屋根上にMCSCの大きなシート又はロールを設置する際に、場合によっては、MCSCを損傷することなしに、MCSC上を歩行することができる。MCSCの大きなシートは、容易な搬送のために、或いは、ハイキングのために、コンパクトなロールに巻くことができる。
【0011】
いくつかの態様においては、本開示の例は、市販可能なペロブスカイト太陽電池の製造における技術的問題点を克服することができる一方で、従来のシリコンに基づいた太陽電池を含む、その他のタイプの太陽電池を、非常に多様な、可撓性の、且つ、長寿命の、太陽電池シート又はロール用のMCSCに組み入れることができる。
【0012】
太陽電池組立体は、純粋な又は複合的な材料の単層又は多層基材(例えば、織られた、織られていない、縫われた、フェルト加工された、又は編まれた布、薄膜、メッシュ、又はネット)を含んでいてもよく、この場合に、層は、基材の1つ又は複数の表面に付着され、ギャップによって分離された、複数のカプセル化された太陽電池ユニットを含む、相互に、同一のものであってもよく、或いは、異なるものであってもよい。太陽電池は、限定を伴うことなしに、シリコンウエハ;n型半導体、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer);p型半導体、正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer);n型及びp型の両方の半導体を有するペロブスカイトに基づいた太陽電池、或いは、CdTe、銅インジウムガリウムジセレニド(CIGS)太陽電池、或いは、ペロブスカイト構造又はその他の太陽電池材料と共にシリコン太陽電池内において使用されるタイプの単結晶シリコンを組み込むハイブリッド構造などの、様々な薄膜構造の太陽電池などの、様々なタイプであってよい。いくつかの例においては、MCSCの主要な特徴は、特定の太陽電池技術に限定されるのではなく、すべての構造でない場合にも、その大部分のものに適用可能となるべく意図されている、という点にある。
【0013】
MCSCにおいて使用されている特定の太陽電池技術とは無関係に、可撓性のモジュールの例は、小さな曲がり〜中間程度の曲がりを有する表面に適合するべく十分に曲がりやすく、且つ、個々の独立的な太陽電池カプセルの大量に相互接続されたネットワークから構築されている、という一般的なプロパティを共有することができる。
【0014】
相互に離れた状態でSCCを意図的に離隔させることによって面積電力効率を犠牲にすることが明確な利点を有する別の例は、風荷重を低減し、冷却を増大させ、且つ、面積重量密度を低減すると共に、ソーラーパネルを通じた太陽光の通過を許容する、有効空隙率を有するソーラーパネルの製造におけるものである。多孔性のメッシュ、ネット、スクリーン、又は格子上において相互にSCCを離隔させることにより、SCCユニットの間において、且つ、その周辺において、自由な空気の流れが許容される。又、これにより、太陽光が、パネルを貫通し、且つ、パネルの背後の地面に到達することを許容することもできる。本開示のいくつかの例の多孔性の特性によって解決される問題は、ソーラーパネルの過熱、耕作された地面の喪失、及び従来のソーラーファームに関連する環境損傷を含む。
【0015】
一態様において、本開示は、上部表面を含む少なくとも1つの基材と、複数の連続的なギャップが、複数の太陽電池カプセルの隣接する太陽電池カプセルの間において画定されるように、少なくとも1つの基材の上部表面に付着された複数の太陽電池カプセルと、複数の太陽電池カプセルの少なくとも1つのものに収容された1つ又は複数の太陽電池ユニットであって、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質、或いは、機械的摩滅、衝撃、UV光、及び温度の1つ又は複数から、太陽電池ユニットを保護するべく、カプセル材料内において収容された太陽電池ユニットと、電気回路を形成するべく、太陽電池カプセルを相互に相互接続する複数の電気導体と、を有する太陽電池組立体に関する。
【0016】
別の態様においては、本開示は、太陽電池組立体を形成することを有する方法に関し、太陽電池組立体は、上部表面を含む少なくとも1つの基材と、複数の連続的なギャップが、複数の太陽電池カプセルの隣接する太陽電池カプセルの間において画定されるように、少なくとも1つの基材の上部表面に付着された複数の太陽電池カプセルであって、複数の太陽電池カプセルの太陽電池カプセルのそれぞれが、1つ又は複数の太陽電池ユニットを含み、1つ又は複数の太陽電池ユニットは、水及び酸素分子、大気汚染物質、泥、すす、及び強力な化学物質、或いは、機械的な摩滅、衝撃、UV光、及び温度の1つ又は複数から、太陽電池ユニットを保護するべく、カプセル材料内において収容された太陽電池カプセルと、電気回路を形成するべく相互に太陽電池カプセルを相互接続する複数の電気導体と、を有する。
【0017】
この概要は、本開示において記述されている主題の概要の提供を意図したものである。これは、添付図面及び以下の説明において詳述されている組立体及び方法の排他的または網羅的な説明の提供を意図したものではない。添付図面及び以下の説明には、1つ又は複数の例の更なる詳細について記述されている。その他の特徴、目的、及び利点については、説明及び図面から、且つ、以下において提供されている記述から、明らかとなろう。本開示は、本明細書において記述されている実施形態によって限定されるものではない。これらの実施形態は、本開示の態様を例示するべく機能するものに過ぎない。
【0018】
以下の図面は、例示用の実施形態を例示しており、従って、本開示の範囲を限定するものではない。図面は、(その旨が記述されていない限り)縮尺が正確ではなく、且つ、以下の詳細な記述における説明との関連における使用を目的としている。以下、同一の参照符号が同一の要素を表記している添付図面との関連において、例について説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1a】本開示において定義及び記述されている例示用の単一のカプセル化SCCユニットの側面図を示す概念図である。
【
図1b】
図1aの単一のカプセル化SCCユニットのトップダウン図(top-down view)を示す概念図である。
【
図2】本開示のいくつかの例による例示用の可撓性のMCSC組立体を示す概念図である。後述するように、MCSC組立体は、隣接するSCCユニットの間に空間を有する状態において基材に付着されたSCCユニットのアレイを含んでいてもよく、SCCユニットは、電気回路を形成するべく、電気的に相互接続されている。
【
図3】隣接するSCCユニットの間に空間を有する状態において基材に付着されたSCCのアレイを含む別の例示用のMCSCを示す概念図である。後述するように、SCCユニットは、電気回路を形成するべく、電気的に相互接続されている。基材は、支持ロッド又はバーを取り囲むフレームから構成された格子又は足場(scaffold)であってよい。隣接するSCCユニットの間の空間が、MCSC組立体の有効空隙率を決定している。
【
図4a】隣接するSCCユニットの間に空間を有する状態において基材に付着されたSCCのアレイを含む別の例示用のMCSCを示す概念図である。この例においては、基材は、メッシュ又はネットである。後述するように、隣接するSCCユニットの間の空間が、MCSC組立体の有効空隙率を決定している。メッシュ又はネットは、有利であり、その理由は、基材のメッシュ又はネット構造を変更することなしに、空間の調節を許容しているからである。
【
図4b】隣接するSCCユニットの間に空間を有する状態において基材に付着されたSCCのアレイを含む別の例示用のMCSCを示す概念図である。この例においては、基材は、メッシュ又はネットである。後述するように、隣接するSCCユニットの間の空間が、MCSC組立体の有効空隙率を決定している。メッシュ又はネットは、有利であり、その理由は、基材のメッシュ又はネット構造を変更することなしに、空間の調節を許容しているからである。
【
図5a】個々のSCCユニットのカプセル化を完了させるべく使用される上部層透明カプセル材料により、MCSC組立体のフレーム及び支持部材をSCCの基部層カプセル材料と組み合わせることが如何にできるかを示す概念図である。
【
図5b】個々のSCCユニットのカプセル化を完了させるべく使用される上部層透明カプセル材料により、MCSC組立体のフレーム及び支持部材をSCCの基部層カプセル材料と組み合わせることが如何にできるかを示す概念図である。
【
図5c】個々のSCCユニットのカプセル化を完了させるべく使用される上部層透明カプセル材料により、MCSC組立体のフレーム及び支持部材をSCCの基部層カプセル材料と組み合わせることが如何にできるかを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
いくつかの例においては、シリコンウエハソーラーパネルは、メートルを単位として計測される寸法を伴う、一般的に大きなものであり、且つ、底部(太陽光から離れた側)から最上部まで、以下のように構築されている。底部には、一般に、ポリビニルフルオライド薄膜などの材料からなるバックシート層が存在している。このような薄膜の具体的な例は、E. I. du Pont de Nemours and Company又はその関連会社によって製造されているTEDLAR(登録商標)である。
【0021】
バックシートは、風化に対して丈夫である必要があり、水の浸透を防止する必要があり、軽量である必要があり、その上部表面において光を反射しうる必要がある。次の層は、一般に、要素に対してパネルを封止すると共に、異なる熱膨張係数を有する相互に隣接する材料が温度変化の際に相互に摺動することを許容する潤滑層として機能する、EVA(Ethyl Vinyl Acetate)などのカプセル化材料である。次に来るのが、シリコンウエハのアレイである。ウエハは、一般に、パネルから規定の電圧及び電流を供給するための必須の電気回路を生成するべく、ウエハが、導電性のタブ加工材料(tabbing material)によって1つに繋ぎ合わされることを許容する、周期的なアレイとして構成されている。ウエハは、ウエハによるパネル表面の面積カバレージを極大化し、これにより、所与の表面積において最大の電力を生成するように構成されている。ウエハは、EVAの別の層によってカバーされている。パネルの上部は、最もしばしば、公称的に厚さが4mmの、ガラスである。ガラスは、太陽光がシリコンウエハ太陽電池上に入射することを許容することに加えて、モジュールの全体的な強度を提供している。この積層された組立体の全体は、アルミニウムフレームによって取り囲まれており、且つ、層のすべてのインターフェイスは、環境からパネルの内部を隔離するべく、様々なシーラー及びテープにより、封止されている。
【0022】
結果的に得られるパネルは、大きく、重く、堅固で、且つ、太陽光、空気、又は水がパネルを通過することを許容してはいない。
【0023】
従来のシリコンウエハソーラーパネルのこれらの特性は、その設置されうる場所を強くに制約し、その支持構造における大きな費用の発生を余儀なくさせ、且つ、環境を損傷している。
【0024】
本開示のいくつかの例によって対処されている具体的な問題点は、ソーラーパネルが曲がりを有する表面に対して適合することを妨げている剛性、屋根に設置されるソーラーパネルの場合に建物の構造に対する大規模な変更を必要とする過大な重量及び風荷重(空気がパネルを通過しない)、及びソーラーパネルが設置される局所的な生態系に対する損傷である。
【0025】
いくつかの実施形態においては、本開示は、表面に適合するべく十分に曲がりやすく、且つ、湿度、温度、及びUV放射の環境条件に対して安定している、様々なタイプの太陽電池組立体に関する。
【0026】
例示用の太陽電池組立体は、SCCが、可撓性の基材に対するSCCの装着によって維持される規定の距離だけ、互いに分離された、且つ、SCCが、電気導体のネットワークによって互いに相互接続された状態において、可撓性の基材に付着された、複数の自給型の太陽電池カプセルSCCから、構成されていてもよく、基本的に構成されていてもよく、或いは、これを有していてもよい。光を電気に変換する自給型の太陽電池ユニットは、太陽電池ユニットSCUと呼称される。湿度及び酸素などの環境条件からSCUを保護するべく、個々のSCUは、水、酸素、及びその他の汚染物質を浸透させない一方で、SCUにエネルギー供給し、且つ、電気を生成するべく、少なくとも1つの表面上における光の入射を許容する、材料により、カプセル化することができる。このようなカプセル化材料は、本明細書においては、透明保護材料(TPM:Transparent Ptotective Material)と呼称される場合がある。TPMによって完全にカプセル化されたSCUは、本明細書においては、太陽電池カプセル(SCC)と呼称される場合がある。電気的に並列の方式によって1つに相互接続されたSCUの完全な組立体は、本明細書においては、大量に接続された太陽電池(MCSC)と呼称される場合がある。
【0027】
図1a及び
図1bには、本開示による単一のSCCユニットの一例が示されている。
図1aは、SCC100の側面図を示す概念図であり、
図1bは、SCC100のトップダウン図を示す概念図である。この例においては、SCC100は、適切な材料103内において完全にカプセル化されたシリコンウエハ101を含む。シリコンウエハ101は、SCCユニットのSCUを構成している。導電性のタブ加工材料102が、シリコンウエハに電気的に結合されており、例えば、両側部において、シリコンウエハSCU用のアノード及びカソードを画定することができる。導電性のタブ加工材料102は、カプセル化材料103を通じてSCC100の外部に突出し、これにより、アノード及びカソードが、全体的なMCSC集団内において、その他のSCCユニットに接続されることを許容するように、示されている。
【0028】
カプセル化材料103は、ウエハ101に対して危害を加えうる材料又は条件からウエハ101を隔離することになる、任意の適切な材料であってよい。カプセル化材料の1つの選択肢は、希釈されていない透明な二官能ビスフェノールA/脂肪族アミン硬化剤によって架橋又は硬化されたエピクロロヒドリン由来の液体エポキシ樹脂である。このような硬化剤は、UV放射に暴露された際に、エポキシの劣化を防止することになる。カプセル材料としてのエポキシなどの選択肢は、限定を目的としたものではなく、用途に適した任意の材料を使用することができる。例えば、カプセル材料は、カプセル化された電気接続を腐食させることになる酢酸汚染物質を回避するべく、プラチナ触媒合成経路によって調製されたシリコーンゴムとして選択することができる。又、カプセル材料は、複数の層を含むこともできる。シリコーンゴムカプセル材料のケースにおいては、SCCを環境から隔離するべく熱封止されるETFE又はPTFE薄膜の層の内側においてSCCを挟持することができる。このような構造は、すす及び花粉などの大気汚染物質に対する自己クリーニング動作を提供することができ、その理由は、ETFE及びPTFEは、水が湿潤しえないほどに強力な疎水性を有することが判明しているからである。
【0029】
図1a及び
図1bの例示用のSCCを形成するべく、任意の適切な技法を使用することができる。上述のエポキシ材料を使用してSCC100を調製する1つの例示用の技法は、電極102を形成するべくシリコンウエハにタブ加工材料をはんだ付けし、エポキシが湿潤することにならないシリコーンゴムなどの材料からモールドを調製し、次いで、エポキシ材料103によってモールドを充填し、泡を除去又は実質的に除去するような方式によってエポキシ材料103内にウエハ101及び電極102を挿入し、次いで、エポキシ材料103を硬化させる、というものである。エポキシは、シリコーンゴムモールドを湿潤しないことから、エポキシが硬化したら、完成したSCCをモールドから容易に除去することができる。
【0030】
本明細書において記述されているように、いくつかの例においては、MCSSを形成するべく、(例えば、
図1a及び
図1bにおいて示されているSCC100のような)複数の個別のSCCを基材に装着することができると共に、電気的に相互接続することができる。このようなMCSS内においては、任意の適切な基材を利用することができる。いくつかの例においては、可撓性の基材は、可撓性の布基材であってよい。布基材は、編まれた、織られた、縫われた、フェルト加工された、且つ/又は、織られてない、布であってよい。可撓性の基材は、単層であってもよく、或いは、それぞれの層の組成がその他の層の組成と同一又は異なる状態において、多層構造であってもよい。それぞれの層は、単一コンポーネントから構成されていてもよく、或いは、その他のものに対するそれぞれの材料の比率が、全体的な太陽電池組立体の最終的な目的によって決定される状態において、複数の材料から構成されていてもよい。可撓性の基材層は、可撓性の基材を形成するべく、互いに接合されてもよく、互いにラミネートされてもよく、或いは、一体的に1つに織られてもよく、編まれてもよく、フェルト加工されてもよく、又は縫われてもよい。
【0031】
いくつかの例においては、可撓性の基材は、可撓性の薄膜基材であってよい。可撓性の基材は、単層であってもよく、或いは、それぞれの層の組成がその他の層の組成と同一又は異なる状態において、多層構造であってもよい。それぞれの層は、単一のコンポーネントから構成されていてもよく、或いは、その他のものに対するそれぞれの材料の比率が、全体的な太陽電池組立体の最終的な目的によって決定される状態において、複数の材料から構成されていてもよい。可撓性の基材層は、可撓性の基材を形成するべく、互いに接合されてもよく、互いにラミネートされてもよい。
【0032】
いくつかの例においては、可撓性の基材は、可撓性のメッシュ基材であってもよい。可撓性の基材は、単層であってもよく、或いは、それぞれの層の組成がその他の層の組成と同一又は異なる状態において、多層構造であってもよい。それぞれの層は、単一コンポーネントから構成されていてもよく、或いは、その他のものに対するそれぞれの材料の比率が全体的な太陽電池組立体の最終的な目的によって決定される状態において、複数の材料から構成されていてもよい。可撓性の基材層は、可撓性の基材を形成するべく、互いに接合されてもよく、互いにラミネートされてもよく、或いは、一体的に1つに織られてもよく、編まれてもよく、フェルト加工されてもよく、又は縫われてもよい。可撓性のメッシュ基材は、アノード又はカソード用の、MCSCの導電ネットワークとして機能しうるものと予期される。相互に絶縁された層を有する2層のメッシュは、アノード及びカソードの両方用の導電ネットワークとして機能することができる。
【0033】
いくつかの例においては、可撓性の基材は、可撓性のネット基材であってもよい。メッシュとネットの間の差は、メッシュにおいては、2つのファイバのオーバーラップの地点が相互に接合されているのに対して(但し、オーバーラップのすべての地点が必ずしも接合されるわけではない)、ネットにおいては、結び目がオーバーラップの地点が緊張状態又は緩和状態になることを許容しうる、なんらかの方式により、2つのファイバのオーバーラップの地点が結ばれている(オーバーラップのすべての地点が必ずしも結ばれるわけではない)、という点にある。可撓性の基材は、単層であってもよく、或いは、それぞれの層の組成がその他の層の組成と同一又は異なる状態において、多層構造であってもよい。それぞれの層は、単一コンポーネントから構成されていてもよく、或いは、その他のものに対するそれぞれの材料の比率が全体的な太陽電池組立体の最終的な目的によって決定される状態において、複数の材料から構成されていてもよい。可撓性の基材層は、可撓性の基材を形成するべく、相互に接合されてもよく、相互にラミネートされてもよく、或いは、一体的に1つに織られてもよく、編まれてもよく、フェルト加工されてもよく、又は縫われてもよい。可撓性のメッシュ基材は、アノード又はカソード用の、MCSCの導電ネットワークとして機能しうるものと予期される。相互に絶縁された層を有する2層のメッシュは、アノード及びカソードの両方用の導電ネットワークとして機能することができる。
【0034】
可撓性の基材が、布、ネット、又はメッシュであるケースにおいては、ファイバの1つの組がカソード用の導電ネットワークであり、別の組がアノード用の導電ネットワークである状態において、可撓性の基材内のファイバ、或いは、その他の布、ネット、又はメッシュ材料は、それ自体が電気導体であってよいものと予期される。個々の伝導ファイバは、Minnesota Wire, 1835 Energy Park Dr., St Paul, MN 55108からのiStretchワイヤを使用するなどのように、伸張可能であるものと予期される。限定ではなく、例示となるべく意図された、このようなケースにおいて、個々の伝導ファイバは、銅ワイヤの完全な導電率を有することになる一方で、SCCに対する装着地点の間のその長さの30%まで伸張可能である。
【0035】
本明細書において記述されているように、個々のSCCのアレイを可撓性の基材に装着することができる。基材は、基材の機械的プロパティと一貫性を有する状態において、相互にSCCの相対的な位置を維持するべく、機能する。SCCは、いくつかの手段のいずれかにより、基材に装着されている。本開示において記述されている手段は、例示を目的としており、決して限定を意図したものではない。
【0036】
基材が布又は薄膜であるケースにおいては、SCCは、エポキシ、シリコンゴム、ポリウレタンなどの接着剤により、基材に装着することができる。エポキシ、シリコンゴム、又はポリウレタンによって示されている特定の接着選択肢は、限定を意図したものではなく、最終的な実装形態に適した任意の接着剤が本発明によって想定されている。このようなケースにおいて、SCCは、並列電気回路を確立することになる伝導ネットワークによってMCSC内においてその他のSCCに接続されることにより、基材に装着される、且つ/又は、全体的なMCSC構造を確立する、ことのみを必要とする、完全に組み立てられた且つ機能している太陽電池であってよい。或いは、この代わりに、SCCは、その最終的な組立が、基材に対する且つ/又は伝導ネットワークに対するSCCの装着の後に又は最中に、完了される、完成した組立体の部分的な状態にあってもよい。
【0037】
基材が、織られた又は織られていない布、ネット、又はメッシュである、特別なケースにおいては、SCCが、基材に部分的に貫通し、これにより、SCCを基材に立体的にインターロックするようにする、ポリマー樹脂などの適切な材料から製造することができる。このようにて、折り曲げ及び伸長の動き及び応力の全体を通じて機械的な完全性を維持する、SCCと基材の間の例外的に強力な接合が形成される。限定を伴うことなしに、接着剤、樹脂、又はその他のこのような材料は、SCC自体の一部分であってもよく、基材に対するSCCのこのような装着は、SCC又はその内部に収容されているSCUの最終的な組立の前に実行されうる、ものと更に想定される。
【0038】
基材が、導電ネットワークをそれ自体で形成することになる、伝導性ファイバのネット又はメッシュである、特別なケースにおいては、機械的接続と1つ又は複数の電気接続の両方をSCCと基材の間において実施しなければならない。SCCは、カソードとアノードの両方を有する。それぞれのSCCのカソード及びアノードは、その最終的な使用の際に組立体によって必要とされる電圧及びアンペア数を供給する方式により、その他のSCCのカソード及びアノードに電気的に接続しなければならない。又、最終用途によって必要とされるのに伴って、ダイオードなどのその他の電気コンポーネントも回路内に含まれる。電気接続は、最終組立体の用途に適した、はんだ付け、ワイヤ接合、伝導性接着剤、或いは、電気接続の任意のその他のタイプであってよい。
【0039】
このような電気接続が、全体的なMCSCの曲がりによって生成される折り曲げ又は伸長の動きと関連する応力を許容しえない例においては、電気接続に加えて、応力解放構造をも提供する必要がありうる。このようなケースにおいては、基材に対するSCCの装着が、限定を伴うことなしに、メッシュ又はネットに貫通する又は部分的に貫通する接着剤又は樹脂を伴うことになるものと想定される。但し、限定を伴うことなしに、接着剤、樹脂、又はその他のこのような材料は、SCC構造自体の一部であってもよく、基材に対するSCCのこのような装着は、SCC又はその内部に収容されているSCUの最終的な組立の前に実行されうる、ものと更に想定される。
【0040】
SCC内において収容され、次いで、MCSCを形成するべく、基材に装着され、その他のSCCに機械的及び電気的の両方においてネットワーク接続される、SCUは、限定を伴うことなしに、シリコンウエハ、ペロブスカイト太陽電池、或いは、MCSC組立体の全体仕様と互換性を有する任意のその他の適切な太陽電池構造であってよい。例えば、
図1a及び
図1bのSCC100においては、シリコンウエハ101がSCUを構成している。MCSC内のSCCは、すべてが相互に同一であることを必要としているわけではない。これらは、MCSCの最終的な用途に適した任意の組合せにおいて、その内部に収容されているSCUのサイズ、形状、及びタイプが異なっていてもよい。それぞれのSCCは、カプセル内において単一タイプのSCUのみを収容することに限定されるものではない。例えば、ペロブスカイト及びシリコンウエハSCUコンポーネントを伴うハイブリッドSCU構造が既知である。本開示は、ペロブスカイト及びシリコンウエハのハイブリッド構造の組合せだけに、限定されるものではない。
【0041】
長期にわたる機能及び信頼性を保証するべく、SCC内のSCUは、湿度及び酸素などの環境要素から、保護する必要があり、可視放射に依然として曝露されつつ、UV放射から、保護する必要がある。実際に、ペロブスカイト太陽電池が市販可能となることを妨げている主要な課題は、湿度、酸素、及びUV放射、並びに、温度に対するその安定性である。
図1a及び
図1bには、カプセル化の1つのこのような手段が示されている。本開示の例示用のMCSCは、4つのこれらの問題のうちのいくつか又はすべてを解決することができる。
【0042】
図2は、本開示のいくつかの例による例示用の可撓性のMCSC組立体200を示す概念図である。
図2に示されているように、可撓性のMCSC組立体200は、複数のSCC201を含む(わかりやすさを目的として、1つのSCCのみにラベルが付与されている)。SCC201は、
図1a及び
図1bにおいてSCC100として図示及び記述されているものと同一又は類似のものであってよい。例えば、SCC201は、環境からシリコンウエハを隔離する一方で、導電体202がSCC201のシリコンウエハのアノード及びカソードからカプセル化材料(例えば、
図1a及び
図1bの材料103)の外側に延在することを許容する、ポリマー樹脂によって個々にカプセル化されたシリコンウエハを含むことができる。それぞれのシリコンウエハSCC201は、MCSC組立体200が、組立体200が配置されている平坦な又は平坦ではない表面に対して適合することを許容するべく、隣接する個々のSCCユニット201の間において十分な空間204を有する状態において、適切な接着剤、或いは、留め金、リベット、又はループなどのその他の適切な装着メカニズムにより、可撓性の基材203に装着することができる。6インチの、正方形の、SCCユニットの場合には、例示用の空間は、全体的な空いた空間、或いは、0.1〜0.3の空隙率、をMCSCユニットの全体に付与するべく、約0.5インチ〜1インチである。このような間隔は、0.3の空隙率が0.1の間隔よりも格段に大きな風荷重の低減を付与する状態において、MCSCパネル上における風荷重の影響を劇的に低減することになる。風圧損失係数は、空隙率の逆二乗によって減少する。このような6インチの正方形のSCCユニット上における約2インチ以上の空間は、SCCユニットが可撓性の基材203上において取り付けられた場合に、MCSC組立体がそれ自体で折り畳まれることを許容している。
【0043】
MSCS200の最終的な使用によって必要とされる任意の装着が本開示によって想定されていることから、本明細書において記述されている装着メカニズムの具体的な例は、限定を目的としたものではない。いくつかのケースにおいては、個々のSCC201の間の空間204は、互いの上部における個々のSCC201の折り畳みを許容するべく、十分に大きなものであってよい。2次元における空間204は、MCSC組立体200の全体を通じて同一又は均一である必要はない。このような組立体は、SCCの寸法によって限定された曲がりを有する表面に対して適合することになる。市販のシリコンウエハを使用したこのようなSCCの通常のサイズは、約5〜約6インチであり、ほぼ正方形であるが、本開示は、これらの特定の寸法に限定さるものではない。ポリマー樹脂は、結果的に得られるエポキシカプセル材料がUV劣化に対する耐性を有するようにする、脂肪族アミン硬化剤と組み合わせられたEPON828などの、エポキシであってよい。EPONは、Hexion Inc., Columbus, Ohio の商標である。このようなエポキシ樹脂は、酸素、水、酸、及び塩基による貫通に対する耐性を有していることが周知であり、良好な風化特性を有する。このようなエポキシの選択肢は、例示を目的としたものに過ぎず、限定を目的としたものではない。単独での、或いは、プラチナ触媒シリコーンゴムとの組み合わせにおける、PTFE又はETFE薄膜の使用などの、カプセル化構造のその他の選択肢が想定されている。その他のシリコンウエハソーラーパネル内において使用されるEVAに対するこのようなカプセル化材料の利点は、ある程度の量のUV劣化のケースにおいて酢酸が形成されない、という点にある。酢酸は、わずかな量においても、シリコンウエハに対する電気接続を腐食させる。SCCカソード及びアノードからの電気導体は、相互に電気的に絶縁され、MCSC組立体の全体から引き出されるべく予想されるアンペア数及び電圧に適した電気回路を形成するために、MCSC組立体内のその他のSCCからの導体に接続されている。MCSC組立体から引き出される電力は、MCSCの近傍の機器、インスツルメント、ヒーター、又はその他の電気装置に電力供給べく使用することが可能であり、晴れていない際に、或いは、MCSCからの電力が、意図される目的のために最適ではない際に、使用されるべく、電池又は燃料電池内において保存することが可能であり、或いは、電力供給網に供給することができる。
【0044】
図2に示されている例示用の組立体200に基づいた第2の好適な実施形態は、可撓性の基材203として、Higher Dimension Materials, Oakdale, Minnesota, USAの製品である、適切なSUPERFABRIC(登録商標)を使用するというものである。SUPERFABRIC(登録商標)は、望ましい柔軟性を維持しつつ、結果的に得られる可撓性のMCSCに、その独自の権利において、且つ、その独自の権利の、相当な耐久性を付与する、摩滅耐性を有する、切断耐性を有する、歪耐性を有する、布である。可撓性の構造としてのSUPERFABRIC(登録商標)の選択肢は、限定を目的としたものではない。SUPERFABRIC(登録商標)、の代わりに、或いは、これに加えて、適切な材料の、織られた又は織られていない布、ネット、スクリーン、又はメッシュを含む任意の基材材料を相互に使用することができる。可撓性の基材は、最終的な用途の要件に応じて、単層又は多層であってよい。
【0045】
好適な実施形態(或いは、本明細書において記述されているその他の実施形態)の使用の具体的な例は、屋根材料としてのものである。この例においては、可撓性の基材203としてのSUPERFABRIC(登録商標)の選択肢は、MCSC組立体が屋根板及びソーラー発電のデュアル機能をサービスしうるように、耐水性を有するべく、選択されることになろう。SUPERFABRIC(登録商標)基材材料は、摩滅耐性を有しており、作業者が、損傷させることなしにSUPERFABRIC(登録商標)基材材料203上を歩行することを許容するべく、十分に丈夫である。SUPERFABRIC(登録商標)は、歪耐性を有しており、従って、屋根材料は、天候及び汚染物質に暴露された場合にも、多年にわたって、その色及び美的な魅力を維持することになる。このような屋根用途におけるSCCユニット201は、限定を伴うことなしに、結果的に得られるエポキシカプセル材料がUV劣化に対する耐性を有するようにする、脂肪族アミン硬化剤と組み合わせられたEPON828などのエポキシ樹脂を使用することができる。このようなカプセル化は、作業者が、SCCユニットを損傷することなしに、その上を歩行すること、或いは、その上において機器を移動させること、に耐えるべく、十分強力且つ丈夫に実施することができる。屋根上において取り付けられている従来のソーラーモジュールに抗して越える、好適な実施形態を屋根材料として使用する主な利点は、MCSC組立体200は、重量が、より軽くなりうると共に、MCSCは、屋根と同一平面上において取り付けられることから、屋根にさらされる風荷重が格段に小さくなりうる、という点にある。屋根において取り付けられている従来のソーラーパネルは、しばしば、重量及び風荷重を支持するべく、屋根に対する大規模な構造的変更を必要としている。多くの領域において、このような屋根設置は、100マイル/時の風の風荷重に耐えなければならない。
【0046】
図3は、本開示のいくつかの例による別の例示用のMCSC組立体300を示す概念図である。
図3に示されているように、MCSC組立体300は、例えば、SCC100として
図1a及び
図1bにおいて記述されているSCC301を含み、これは、環境からシリコンウエハを隔離する一方で、電気導体302が、シリコンウエハのアノード及びカソードからカプセル化材料の外側に延在することを許容する、ポリマー樹脂によって個別にカプセル化されたシリコンウエハであってよい。それぞれのシリコンウエハSCC301は、多孔性のフレーム、格子、又は足場である、基材に装着されている。
図3は、MCSC組立体300が、空気及び太陽光がMCSC組立体300を通過することを許容することを許容するべく、隣接する個別のSCCユニット301の間において十分な空間305を伴って、適切な接着剤、或いは、留め金、リベット、又はループなどのその他の適切な装着メカニズムにより、周辺フレーム304に接続された支持バー又はロッド303から構築された格子又は足場を示している。MSCSの最終使用によって必要とされる任意の装着が本開示によって想定されていることから、装着メカニズムの具体的な例は、限定を目的としたものではない。本開示は、足場、フレーム、又は格子を形成するべく使用される材料は、フレーム、足場、又は格子内において使用されているその他の材料と同一であってもよく又は異なっていてもよいものと想定している。又、本開示は、フレーム、足場、及び格子要素は、それ自体で、或いは、相互の協働状態において、MCSCの最終用途によって必要とされている電気回路を確立するものと想定している。
【0047】
いくつかの例において、
図3に示されている本開示の実施形態には、従来のシリコンウエハ太陽電池に抗して越える多数の利点が存在している。
【0048】
例えば、格子又は足場構造300は、重量及び風荷重が劇的に低減された剛性パネルを許容することができる。空気がSCCユニット301の間の空間を通じて妨げなしに通過することから、風荷重が劇的に低減されている。空間305が、パネル全体の所定の空隙率を形成している。空隙率とは、太陽光又は空気の通過を妨げないパネルの面積の割合(fractional area)である。わずかな量の空隙率でさえ、風荷重に対して強力な影響を及ぼす。多孔性パネルの風荷重に関する研究は、レーダーアンテナが最初に設置された第2次世界大戦から、依然として換気を提供しつつ、日陰を動物に提供する、動物シェルタとして使用されうる、多孔性構造について、の現代にまで、及んでいる。このような構造は、家畜が、一般に、通常の農場構造から数マイルも離れたところに配置されている、オーストラリアなどの、地形において特に有用である。これらの研究は、風荷重のファクタは、空隙率の二乗に伴って減少することを示している。
図3の例は、このような構造が、その独自の局所的な電気を生成することを許容することができる。この電気は、換気を支援するべく、または、動物の健康計測値を農場に中継して戻すトランシーバーに電力供給するべく、使用することができる。家畜動物は、通常、温度、血中酸素、脱水、及びいくつかのその他の健康ファクタを監視する、組込み型のセンサを有する。この情報は、一般に、RFID又は類似の技術により、動物にローカル接続されたレシーバに送信される。このレシーバは、何マイルも離れた農場にデータを送信する必要があり、且つ、これには、相当な電力が必要である。この電力は、さもなければ動物を保護するべく使用される多孔性構造内にソーラーエネルギー収集を組み込むことにより、
図3の例により、便利に提供することができる。空隙率は、局所的なソーラー電気生成を同時に許容しつつ、このような構造によって必要とされる日陰、換気、及び風荷重の低減を保持している。
【0049】
第3の例の多孔性構造300の別の利点は、個々のSCCユニット301の空冷を許容しうる、という点にある。熱は、シリコンウエハ太陽電池の大敵であり、且つ、電気生成効率は、温度の増大に伴って劇的に減少する。多孔性構造300は、空気が、SCCユニットを完全に取り囲み、その間を流れることを許容していることから、SCCユニットの冷却を許容している。
【0050】
第3の例の多孔性構造300の別の利点は、太陽光及び雨がパネルを通じてその下方の表面まで貫通することを許容しうる、という点にある。従来のソーラーファームの下方の地面は、環境的な荒れ地となりうる。パネルの下方においては、有用なものが成長することができず、その理由は、太陽光または湿気が、下の地面に、ほとんど到達しないからである。但し、日陰は、ソーラーファームの領域とっては異物である有害な黴の成長を助長しうる。このような黴は、その領域内において天然の敵を有してはおらず、従って、天然の手段によって制御されていない。
【0051】
空隙率を有するパネルを生成するための格子又は足場構造を有するフレームの具体的な例は、限定を目的としたものではない。本開示は、MCSC組立体が、空気、太陽光、及び湿気の通過のための望ましい程度の空隙率を有する多孔性スクリーン又は多孔性メッシュ上において取り付けられることを想定している。又、このような構造は、可撓性を有し、その結果、動物シェルタとして、このような構造がテントのようになることを可能にしており、これにより、このような構造のセットアップ及び移動の利便が大幅に向上する。
【0052】
図4a及び
図4bには、メッシュ、スクリーン、又はネット上において取り付けられたMCSC400の例が示されている。
図4a及び
図4bにおいては、個々のSCCユニット401は、フレーム403によって支持されたスクリーン、メッシュ、又はネット402に付着されている。このようなスクリーン、メッシュ、又はネットタイプの基材上における空間404は、最終用途において必要とされている空隙率を供給するべく、無限に調節可能である。
【0053】
MCSC400においては、メッシュ、スクリーン、又はネットの材料は、コットン又はウールなどの天然の物質、或いは、ナイロン、ポリエステル、又はケブラーなどの人造材料、でありうる、糸又は繊維などの、任意の適切な材料であってよい。糸又は繊維の材料の選択肢は、限定を目的としたものではない。その他の例においては、メッシュ、ネット、又はスクリーンは、アルミニウム、チタニウム、ステンレス鋼などの金属、或いは、炭素繊維などの進化した複合体、から製造することができる。最終用途に適した任意の材料の選択肢が本開示によって想定されていることから、スクリーン、ネット、又はメッシュ用の材料の具体的な選択肢は、限定を目的としたものではない。フレーム材料は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタニウム、炭素繊維、或いは、フレームの構築に適した任意のその他の材料であってよい。フレームの具体的な材料の選択肢は、限定を目的としたものではない。
図4aにおいて示されている空間404は、約0.3の空隙率を付与している。
図4bとの間における相対的なサイズにおいて示されている、
図4bの例の空隙率は、相当に小さい。この間隔の選択肢は、限定を目的としたものではなく、MCSC組立体の最終的な実装形態において予想される風荷重に基づいてなされる。
【0054】
図1に示されているSCC100を参照して言及したように、カプセル材料は、単一層よりも多い層から構成することができると共に、このような層は、必ずしも、相互に同一の組成を有する必要はない。この自由度が、本開示の別の好適な実施形態を許容している。
図5aは、例示用のMCSCユニット500を示す概念図であり、SCC501のカプセル材料の底部部分は、単一ユニット502として、フレーム及び支持部材と共に組み込みされている。例えば、カプセル材料の底部部分は、(例えば、単一片として)フレーム及び支持部材部分と共に一体的に形成することができる。カプセル材料の隣接する底部部分の間の、且つ、カプセル材料の底部部分と周囲のフレームの間の、空間503は、空気、湿気、及び太陽光が、MCSC500内の個々のユニットの間において且つその周囲において流れることを許容する、開放空間(空隙率)である。このようにして、堅固で軽量の単一コンポーネント構造により、MCSC組立体の全体の支持と、個々のSCUのカプセル化のための基部の提供と、の両方を提供することができる。カプセル材料のフレーム、支持部材、及び底部層用の通常の材料は、エポキシ、エポキシ複合体、ファイバーグラス複合体、又は炭素繊維である。本開示は、その他の材料が使用されてもよく、従って、エポキシ、エポキシ複合体、ファイバーグラス複合体、又は炭素繊維の選択肢は、限定を目的としたものではないものと想定している。カプセル材料のフレーム、支持部材、及び底部層用の材料の選択肢は、相互に同一のものであってもよく、或いは、異なるものであってもよい。
【0055】
図5bは、SCCのカプセル材料基部上において設置されたSCUユニットを有する、
図5aの単一ユニット502を示す概念図である。この図は、SCU用の選択肢としてシリコンウエハ504を示しているが、本発明は、この選択肢によって限定されるものではない。ペロブスカイト材料、CdTe材料、又はCIGS材料、或いは、その他の太陽電池材料から構成されたSCUを使用することもできる。
【0056】
図5cは、カプセル材料基部上において配置される個々のSCUユニット上において適用された上部層透明カプセル材料505を有する、
図5bの単一ユニット502を示す概念図である。この上部層は、太陽光がカプセル材料内に収容されているSCU上に入射することを許容するべく、可視光に対して透明でなければならない。透明なカプセル材料505は、それ自体が層状の構造を有することができる。透明なカプセル材料505用の通常の材料は、エポキシ、ETFE薄膜、又はPTFE薄膜を含むが、その他の材料も有益であることが証明されうることから、本発明は、これらの特定の材料の選択肢によって限定されるものではない。透明なカプセル材料505用の層状構造の例は、限定を伴うことなしに、エポキシによってカバーされたシリコンゴム、ETFE薄膜によってカバーされたシリコンゴム、或いは、PTFE薄膜によってカバーされたシリコンゴムを含む。
【0057】
図5a〜
図5cに示されているように、カプセル材料の底部部分は、事前に形成され、フレーム及び支持部材に後から装着された、SCCを必要とするのではなく、(例えば、単一片として)フレーム及び支持部材部分と共に一体的に形成することができる。個々のSCUユニットは、(例えば、
図5bにおいて示されているように)カプセル材料の底部部分上において配置することができると共に、次いで、(例えば、
図5cにおいて示されているように)上部及び側部においてカプセル化することができる。
【0058】
フレーム、足場、格子、メッシュ、又はスクリーン上においてMCSC組立体を取り付けることによるのか、或いは、構造的な支持及びカプセル材料用の基部の両方を提供する一体化された構造内の空間として空隙率を組み込みすることによるのか、という、このようなパネル内において空隙率を提供する手段とは無関係に、本開示は、0.2〜0.4の範囲の空隙率の提供を想定しているが、このような範囲は、限定を目的としたものではない。特定の用途においては、更に大きな又は小さな空隙率が望ましい場合がある。従来のソーラーパネルは、基本的に、空隙率を有してはいない。0.1から0.4への空隙率の増大は、16の倍率だけ、風圧損失係数を低減することになろう。強力な風に晒される構造上における多孔性MCSC組立体の使用は、必須の電気量を依然として生成しつつ、このような構造の耐久性を劇的に改善することができる。
【0059】
以上、様々な例について説明した。これらの及びその他の例は、添付の請求項の範囲に含まれる。
【国際調査報告】