【実施例】
【0238】
実験手順
以下では、様々な本発明の化合物の合成を例示する。本発明の範囲内の追加の化合物は、これらの実施例において例示される方法を、単独で、または当技術分野において一般に公知の技術と組み合わせて使用して、調製することができる。
【0239】
実験は、一般に、特に、酸素または水分に感受性の試薬または中間体を用いる場合に、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。市販の溶媒および試薬は、一般に、さらに精製することなく使用した。適切な場合には、無水溶媒を用い、一般に、Acros OrganicsからのAcroSeal(登録商標)製品、Sigma−AldrichからのAldrich(登録商標)Sure/Seal(商標)、またはEMD ChemicalsからのDriSolv(登録商標)製品を用いた。他の場合では、水についての以下のQC基準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランについては<100ppm;b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサンおよびジイソプロピルアミンについては<180ppmに達するまで、市販の溶媒を、4Åモレキュラーシーブを充填したカラムに通過させた。非常に感受性の高い反応については、溶媒を金属ナトリウム、水素化カルシウム、またはモレキュラーシーブでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物は、一般に、さらなる反応に進ませるか、または生物学的試験に供する前に、真空下で乾燥させた。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)機器のいずれかから報告する。核磁気共鳴(NMR)データについての化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを基準として百万分率(ppm、δ)で表す。一部の実施例において、キラル分離を行って、本発明のある特定の化合物のエナンチオマーを分離した(一部の実施例において、分離したエナンチオマーを、その溶出の順序に従ってENT−1およびENT−2と指定する)。一部の実施例において、エナンチオマーの旋光度を、旋光計を使用して測定した。その観察された旋光度データ(またはその比旋光度データ)に従って、時計回りの旋光度を有するエナンチオマーを(+)−エナンチオマーと指定し、反時計回りの旋光度を有するエナンチオマーを(−)−エナンチオマーと指定した。ラセミ化合物は、構造に隣接する(+/−)の存在により示され、これらの場合、示される立体化学は、化合物の置換基の(絶対よりもむしろ)相対立体配置を表す。
【0240】
検出可能な中間体を介して進行する反応は、一般に、LCMSにより追跡し、その後の試薬を添加する前に完全な変換まで進行させた。他の実施例または方法における手順を参照する合成については、反応条件(反応時間および温度)が変化し得る。一般に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適切な場合は、後処理に供した。精製は、実験間で変化し得る。一般に、溶離液/勾配に使用される溶媒および溶媒比は、適切なR
fまたは保持時間が得られるように選択した。これらの調製および実施例におけるすべての出発物質は、市販されているか、または当技術分野において公知の方法、もしくは本明細書に記載の通りの方法により調製することができる。
【0241】
以下は、本明細書に記載の実験手順に現れる可能性がある略語である。
BINAP=1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン);Boc=tert−ブトキシカルボニル;br=幅広;n−BuLi=n−ブチルリチウム;CDCl
3=重水素化クロロホルム;CD
3OD=重水素化メタノール;CF
3COOH=トリフルオロ酢酸;CpCo(CO)
2=ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I);Cs
2CO
3=炭酸セシウム;d=二重線;dd=二重線の二重線;ddd=二重線の二重線の二重線;cataCXium(登録商標)A=ビス(1−アダマンチル)−ブチルホスファン;ENT−1=第1溶出エナンチオマー;ENT−2=第2溶出エナンチオマー;g=グラム;GCMS=ガスクロマトグラフィー−質量分析;HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート;HCl=塩酸;HPLC=高速液体クロマトグラフィー;Hz=ヘルツ;K
2CO
3=炭酸カリウム;LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析;m=多重線;M=モル濃度;mg=ミリグラム;MHz=メガヘルツ;mL=ミリリットル;μL=マイクロリットル;mmol=ミリモル;μmol=マイクロモル;mol=モル;NaH=水素化ナトリウム;NaHCO
3=重炭酸ナトリウム;NaOAc=酢酸ナトリウム;NEt
3=トリエチルアミン;NH
4Cl=塩化アンモニウム;NH
2OH・HCl=塩酸ヒドロキシルアミン;NMR=核磁気共鳴;NOE=核オーバーハウザー効果;Pd
2(dba)
3=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);Pd(dppf)Cl
2=[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II);Pd(OAc)
2=酢酸パラジウム(II);PPh
3=トリフェニルホスフィン;psi=ポンド/平方インチ;q=四重線;s=一重線;SPhos Pd G2=クロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II);t=三重線;キサントホス=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン。
調製P1
tert−ブチル5,6,7−トリメチル−4−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(P1)
【化35】
【0242】
ステップ1. tert−ブチル6,7−ジメチル−4−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C1)の合成。
【0243】
ブタン−2−オン(20mL)中のtert−ブチル3−シアノ−4−オキソピロリジン−1−カルボキシレート(5.00g、23.8mmol)の混合物を、ポリリン酸(100g)に100℃で添加し、反応混合物を100℃〜120℃で4時間撹拌した。反応混合物を15℃に冷却した後、これを水(1.5L)の添加によりクエンチし、混合物のpHを、固体水酸化ナトリウムを使用して10〜11に調整した。二炭酸ジ−tert−ブチル(10.0g、45.8mmol)を添加し、反応混合物を15℃で15時間撹拌し、そこで、これを濾過した。収集した固体を水(7×50mL)で、ならびにtert−ブチルメチルエーテルおよび石油エーテルの混合物(1:1;7×40mL)で順次洗浄して、生成物をオフホワイトの固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:4.0g、15mmol、63%。LCMSm/z264.8[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.6-12.5 (br s, 1H), 4.65-4.48 (m, 4H), 2.32 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), [1.52 (s)および1.51 (s), 計9H].
【0244】
ステップ2. tert−ブチル5,6,7−トリメチル−4−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(P1)の合成。
【0245】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;567mg、14.2mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中のC1(2.50g、9.46mmol)の0℃懸濁液に少量ずつ添加し、反応混合物を室温(18℃)で30分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(1.61g、11.3mmol)を反応混合物に添加し、2時間撹拌を続け、そこで、反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(3×300mL)で、および飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(溶離液:60:1 ジクロロメタン/メタノール)により、P1を淡黄色固体として得た。収量:912mg、3.28mmol、35%。LCMSm/z278.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.62-4.50 (m, 4H), 3.58 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), [1.52 (s)および1.50 (s), 計9H].
【0246】
淡黄色固体として、副産物であるtert−ブチル4−メトキシ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C2)も単離し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:15:1 石油エーテル/酢酸エチル)によりさらに精製した。収量:100mg、0.36mmol、4%。LCMSm/z278.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.63-4.49 (m, 4H), [3.94 (s)および3.93 (s), 計3H], 2.41 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), [1.53 (s)および1.51 (s), 計9H].それらの
1H NMRスペクトルの分析から、P1およびC2の両方が、回転異性体の混合物として存在すると推定された。
調製P2
N,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P2)
【化36】
【0247】
ステップ1. tert−ブチル6,7−ジメチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C3)の合成。
【0248】
トリエチルアミン(24.9g、246mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(58.7g、208mmol)を、ジクロロメタン(2L)中のC1(50.0g、189mmol)の0℃溶液に添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、そこで、これを水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1 石油エーテル/酢酸エチル)により、生成物を淡黄色固体として得た。収量:54.0g、136mmol、72%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.79-4.61 (m, 4H), 2.49 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.53 (s, 9H).
【0249】
ステップ2. tert−ブチル6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C4)の合成。
【0250】
化合物C3(3.5g、8.8mmol)を、テトラヒドロフラン中メチルアミンの溶液(2.0M、70mL、140mmol)と混合し、反応混合物を90℃で40時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中20%〜33%酢酸エチル)により精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:1.25g、4.51mmol、51%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.59-4.41 (m, 4H), 3.81-3.66 (m, 1H), 3.03 (d, J=5.0 Hz, 3H), 2.40 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), [1.53 (s)および1.52 (s), 計9H].
【0251】
ステップ3. N,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P2)の合成。
【0252】
メタノール中塩化水素の溶液(4M、206mL)を、ジクロロメタン(200mL)中のC4(11.45g、41.28mmol)の0℃溶液に滴下して添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、そこで、溶媒を真空中で除去して、生成物を白色固体として得た。収量:10.32g、41.25mmol、定量的。LCMSm/z178.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 10.38-10.23 (br s, 2H), 4.58 (br s, 2H), 4.43 (br s, 2H), 3.04 (br s, 3H), 2.07 (s, 3H).
調製P3
6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P3)
【化37】
【0253】
ステップ1. tert−ブチル4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C5)の合成。
【0254】
トルエン(100mL)中のC3(9.20g、23.2mmol)、1,1−ジフェニルメタンイミン(6.31g、34.8mmol)、酢酸パラジウム(II)(521mg、2.32mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(BINAP;1.45g、2.33mmol)、および炭酸セシウム(11.3g、34.7mmol)の混合物を、100℃で16時間加熱し、そこで、反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をメタノール(100mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(4.0g、48.8mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(3.39g、48.8mmol)で処理した。この反応混合物を室温で72時間撹拌した。次いで、これを濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中33%〜100%酢酸エチル)に続いて、酢酸エチルからの結晶化を行った。得られた固体をtert−ブチルメチルエーテル(3×10mL)で洗浄して、生成物をオフホワイトの固体として得た。収量:5.0g、19mmol、82%。LCMSm/z264.0[M+H]
+。
【0255】
ステップ2. 6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P3)の合成。
【0256】
メタノール中塩化水素の溶液(4M、20mL、80mmol)を、メタノール(100mL)中のC5(3.10g、11.8mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温(10℃)で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、生成物を白色固体として得た。収量:2.2g、9.3mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.39-10.21 (br s, 2H), 7.88-7.69 (br s, 2H), 4.58 (s, 2H), 4.42 (s, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.07 (s, 3H).
調製P4
4,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P4)
【化38】
【0257】
ステップ1. tert−ブチルジブタ−2−イン−1−イルカルバメート(C6)の合成。
【0258】
ジクロロメタン(30mL)中のN−(ブタ−2−イン−1−イル)ブタ−2−イン−1−アミン(1.00g、8.25mmol)の0℃溶液に、トリエチルアミン(2.30mL、16.5mmol)、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(2.70g、12.4mmol)を添加した。氷浴を溶融させ、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、これを水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。得られた物質をシリカゲル上で2回クロマトグラフィーにかけて(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル、続いてヘプタン中0%〜30%酢酸エチル)、生成物を無色油状物として得た。収量:1.09g、4.93mmol、60%。GCMSm/z221.1[M
+]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.11 (br s, 4H), 1.82 (t, J=2.4 Hz, 6H), 1.48 (s, 9H).
【0259】
ステップ2. tert−ブチル4,6,7−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C7)の合成。
【0260】
ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)(10.2mg、56.5μmol)を、C6(115mg、0.520mmol)、アセトニトリル(0.30mL、5.7mmol)、およびキシレン(6mL)の混合物に添加した。反応バイアルをアルゴンでブランケットし、密封し、120ワット昼光色LED電球で照射しながら135℃で終夜加熱した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により精製した。生成物をオフホワイトの固体として得た。収量:30mg、0.11mmol、21%。LCMSm/z263.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.65-4.54 (m, 4H), 2.47 (s, 3H), 2.39 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.52 (s, 9H).
【0261】
ステップ3. 4,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P4)の合成。
【0262】
1,4−ジオキサン中塩化水素の溶液(4M;1mL、4mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中のC7(30mg、0.11mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、精製することなくさらなる合成で使用した。収量:定量的と推定。
調製P5
6,7−ジメチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P5)
【化39】
【0263】
ステップ1. tert−ブチル6,7−ジメチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C8)の合成。
【0264】
飽和炭酸ナトリウム水溶液(5mL)および1,4−ジオキサン(15mL)の混合物中のC3(500mg、1.26mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(289mg、1.39mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(46.1mg、63.0μmol)の混合物を3回脱気し、100℃で撹拌した。16時間後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で、および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中25%〜50%酢酸エチル)により、生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:220mg、0.670mmol、53%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [7.94 (s)および7.89 (s), 計1H], [7.83 (s)および7.81 (s), 計1H], [4.82 (s), 4.78 (s), 4.65 (s),および4.60 (s), 計4H], [3.98 (s)および3.95 (s), 計3H], 2.53 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.55 (s, 9H).
【0265】
ステップ2. 6,7−ジメチル−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P5)の合成。
【0266】
ジクロロメタン(5mL)中のC8(220mg、0.670mmol)の溶液に、塩化水素(酢酸エチル中溶液;5mL)を添加した。反応混合物を20℃で30分間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮して、生成物を黄色固体として得、これをさらに精製することなくさらなる合成で使用した。収量:175mg、0.581mmol、87%。
調製P6
1−(6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、三塩酸塩(P6)
【化40】
【0267】
ステップ1. 2−tert−ブチル4−メチル6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2,4−ジカルボキシレート(C9)の合成。
【0268】
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(369mg、0.504mmol)およびトリエチルアミン(1.53g、15.1mmol)を、メタノール(180mL)中のC3(4.00g、10.1mmol)の20℃懸濁液に添加した。反応混合物を50psiの一酸化炭素下、50℃のオートクレーブ内で22時間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中25%〜50%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:2.80g、9.14mmol、90%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [5.01 (s)および4.99 (s), 計2H], [4.68 (s)および4.62 (s), 計2H], [4.01 (s)および3.98 (s), 計3H], 2.62 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 1.54 (s, 9H).
【0269】
ステップ2. tert−ブチル4−(ヒドロキシメチル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C10)の合成。
【0270】
水素化ホウ素リチウム(711mg、32.6mmol)を、メタノール(50mL)中のC9(2.0g、6.53mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温(20℃)で18時間撹拌した。次いで、これを蒸発乾固させ、ジクロロメタン(30mL)に再溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)で処理し、水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中50%〜100%酢酸エチル)により、生成物を白色固体として得た。収量:1.50g、5.39mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.67-4.54 (m, 6H), 4.37-4.21 (v br s, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.53 (s, 9H).
【0271】
ステップ3. tert−ブチル4−(クロロメチル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C11)の合成。
【0272】
ジクロロメタン(5mL)中の塩化チオニル(513mg、4.31mmol)の溶液を、ジクロロメタン(45mL)中のC10(400mg、1.44mmol)の0℃溶液に滴下添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温(20℃)で2時間撹拌し、そこで、これを飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)に注ぎ入れた。水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を淡黄色油状物として得た。収量:400mg、1.35mmol、94%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.87-4.60 (m, 6H), 2.61 (br s, 3H), 2.24 (s, 3H), 1.54 (s, 9H).
【0273】
ステップ4. tert−ブチル4−[(ジメチルアミノ)メチル]−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C12)の合成。
【0274】
ジメチルアミン(水中33%溶液;5mL)を、メタノール(5mL)中のC11(400mg、1.35mmol)の溶液に添加した。反応混合物を22℃で17時間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮した。水(20mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物を淡黄色油状物として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:400mg、1.31mmol、97%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [4.77 (s), 4.68 (s), 4.62 (s),および4.57 (s), 計4H], 3.47 (s, 2H), 2.51 (s, 3H), 2.26 (br s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 1.54 (s, 9H).
【0275】
ステップ5. 1−(6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン、三塩酸塩(P6)の合成。
【0276】
メタノール(8mL)中のC12(400mg、1.31mmol)の溶液を、塩化水素(メタノール中4M溶液;4.0mL、16mmol)で処理し、反応混合物を室温(20℃)で15時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、生成物を淡褐色固体として得た。収量:300mg、0.953mmol、73%。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 4.85 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.54 (s, 2H), 3.01 (s, 6H), 2.66 (s, 3H), 2.36 (s, 3H).
調製P7
tert−ブチル4−(ジフルオロメチル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(P7)
【化41】
【0277】
ステップ1. tert−ブチル4−ホルミル−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C13)の合成。
【0278】
1,4−ジオキサン(30mL)中のC10(500mg、1.80mmol)および酸化マンガン(IV)(781mg、8.98mmol)の混合物を、90℃で18時間撹拌した。次いで、酸化体を濾過により除去し、濾過ケーキをジクロロメタン(50mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物を淡緑色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:400mg、1.45mmol、81%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.08 (s, 1H), [5.01 (s)および4.96 (s), 計2H], [4.66 (s)および4.60 (s), 計2H], 2.62 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 1.54 (s, 9H).
【0279】
ステップ2. tert−ブチル4−(ジフルオロメチル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(P7)の合成。
【0280】
ジクロロメタン(5mL)中の[ビス(2−メトキシエチル)アミノ]硫黄トリフルオリド(Deoxo−Fluor(登録商標);641mg、2.90mmol)の溶液を、ジクロロメタン(20mL)中のC13(400mg、1.45mmol)の−20℃溶液に5分間かけて滴下添加した。反応混合物を4時間かけて−20℃から室温(10℃〜15℃)に加温し、そこで、LCMS分析は、生成物の形成を示した:LCMSm/z298.8[M+H]
+。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中17%〜33%酢酸エチル)により精製して、生成物を淡黄色固体として得た。収量:270mg、0.905mmol、62%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [6.60 (t, J
HF=55.2 Hz)および6.59 (t, J
HF=55.0 Hz), 計1H], [4.90 (s)および4.84 (s), 計2H], [4.65 (s)および4.60 (s), 計2H], 2.54 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 1.54 (s, 9H).
調製P8
N,1,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P8)
【化42】
【0281】
ステップ1. tert−ブチル1,6,7−トリメチル−4−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C14)の合成。
【0282】
テトラヒドロフラン(9.5mL)中のジイソプロピルアミン(307μL、2.19mmol)の溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.7M溶液;0.77mL、2.1mmol)で滴下して処理した。溶液を−78℃で30分間撹拌した後、これを冷却浴からおよそ4分間取り出し、次いで再冷却し、そこで、C1(250mg、0.946mmol)を一度に添加した。−78℃で30分間撹拌を続け、次いでヨードメタン(70.7μL、1.14mmol)を添加した。5分後、反応混合物を−78℃浴から取り出し、30分間撹拌し、その時点で、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物を水(25mL)と酢酸エチル(50mL)との間で分配し、水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により、出発物質および生成物の混合物を橙色固体(181mg)として得、この混合物を以下のステップに直接持ち込んだ。
1H NMRの分析から、この物質は、C14およびC1のほぼ1:1混合物からなるものであった。C14は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。LCMSm/z279.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3); 出発物質と生成物の両方を要約した: δ 12.85-12.70 (br s, 2H), [5.13-5.05 (m)および4.99-4.91 (m), 計1H], 4.69-4.42 (m, 6H), 2.33 (s, 6H), 2.01 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), [1.52 (s), 1.52 (s), 1.51 (s),および1.50 (s), 計18H], [1.45 (d, J=6.2 Hz)および1.42 (d, J=6.2 Hz), 計3H].
【0283】
ステップ2. tert−ブチル1,6,7−トリメチル−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C15)の合成。
【0284】
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(118μL、0.701mmol)を、ジクロロメタン(6mL)中のC14(前のステップから;181mg)およびトリエチルアミン(123μL、0.882mmol)の0℃溶液に滴下して添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜60%酢酸エチル)により精製して、生成物をガム状物として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:2ステップにわたって91.7mg、0.223mmol、24%。LCMSm/z411.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [5.22 (qd, J=6.4, 2.0 Hz)および5.08 (qd, J=6.3, 2.2 Hz), 計1H], [4.81 (d, AB四重線の半分, J=15.6)および4.71 (d, AB四重線の半分, J=15.3 Hz), 計1H], 4.60 (br d, AB四重線の半分, J=15.3 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), [1.54 (s)および1.52 (s), 計9H], [1.49 (d, J=6.6 Hz)および1.46 (d, J=6.3 Hz), 計3H].
【0285】
少量のこの物質を、トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンの1:1混合物に溶解することにより脱保護した。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、これを真空中で濃縮して、1,6,7−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イルトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロ酢酸塩(C16)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.0-9.8 (br s, 2H), 5.23 (q, J=6.9 Hz, 1H), 4.72 (AB四重線, J
AB=14.9 Hz, Δν
AB=65.6 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 1.50 (d, J=6.6 Hz, 3H).この物質の二次元NOE研究は、1位のメチンプロトンと7位の芳香族メチル基との間の相互作用を明らかにした。これにより、ステップ1におけるメチル化反応の示された位置化学が確認された。
【0286】
ステップ3. tert−ブチル1,6,7−トリメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C17)の合成。
【0287】
テトラヒドロフラン(2.0mL)中のC15(91.7mg、0.223mmol)およびメチルアミン(テトラヒドロフラン中2.0M溶液;1.79mL、3.58mmol)の溶液を、110℃で24時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜15%メタノール)により精製して、生成物を固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:48mg、0.16mmol、72%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [5.09 (br q, J=6 Hz)および4.96 (br q, J=6 Hz), 計1H], [4.50 (d, AB四重線の半分, J=13.7 Hz)および4.43 (d, AB四重線の半分, J=13.7 Hz), 計1H], [4.36 (br d, AB四重線の半分, J=13.3 Hz)および4.35 (br d, AB四重線の半分, J=13.3 Hz), 計1H], 3.81-3.67 (br m, 1H), [3.04 (s)および3.03 (s), 計3H], 2.40 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), [1.53 (s)および1.51 (s), 計9H], [1.44 (d, J=6.2 Hz)および1.40 (d, J=6.2 Hz), 計3H].
【0288】
ステップ4. N,1,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩(P8)の合成。
【0289】
塩化水素(1,4−ジオキサン中4.0M溶液;2.06mL、8.24mmol)を、C17(48mg、0.16mmol)を含有する氷冷フラスコに滴下して添加した。冷却浴を取り外し、反応を薄層クロマトグラフィーによりモニターし、出発物質が消費されたら、メタノール(1mL)を添加し、得られた混合物を真空中で濃縮して、生成物をクリーム色固体として得た。収量:38mg、0.14mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 5.23 (br q, J=7 Hz, 1H), 4.59 (br AB四重線, J
AB=14.4 Hz, Δν
AB=44.1 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.58 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 1.64 (d, J=6.6 Hz, 3H).
調製P9
6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、塩酸塩(P9)
【化43】
【0290】
ステップ1. tert−ブチル6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C18)の合成。
【0291】
N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中のC3(2.50g、6.31mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(165mg、0.629mol)、酢酸パラジウム(II)(70.8mg、0.315mol)、トリエチルアミン(1.91g、18.9mmol)、およびギ酸(581mg、12.6mmol)を添加した。反応混合物を窒素でパージした後、これを60℃に90分間加熱し、そこで、これを水(25mL)に注ぎ入れた。水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層を水(3×20mL)で、および飽和塩化ナトリウム水溶液(2×20mL)で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を、C3(100mg、0.25mmol)を使用して行った同様の反応からの物質と合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:1:1 酢酸エチル/石油エーテル)により精製した。生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。合わせた収量:1.45g、5.84mmol、89%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [8.27 (s)および8.23 (s), 計1H], [4.71 (s), 4.68 (s), 4.64 (s),および4.58 (s), 計4H], 2.52 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), [1.53 (s)および1.52 (s), 計9H].
【0292】
ステップ2. 6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、塩酸塩(P9)の合成。
【0293】
塩化水素(メタノール中4M溶液;2mL、8mmol)を、メタノール(5mL)中のC18(1.45g、5.84mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温(20℃)で1.5時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を白色固体として得た。収量:950mg、5.14mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.55-10.35 (br s, 2H), 8.58 (s, 1H), 4.74 (s, 2H), 4.67 (s, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.33 (s, 3H).
調製P10
4−メトキシ−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、ジ(トリフルオロ酢酸)塩(P10)
【化44】
【0294】
ステップ1. tert−ブチル4−メトキシ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C2)の代替合成。
【0295】
クロロホルム(4mL)中のC1(300mg、1.13mmol)の懸濁液に、ヨードメタン(483mg、3.40mmol)および炭酸銀(469mg、1.70mmol)を添加した。反応混合物を50℃で18時間加熱し、そこで、これを濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル中17%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:250mg、0.898mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.62-4.51 (m, 4H), [3.94 (s)および3.94 (s), 計3H], 2.41 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), [1.53 (s)および1.52 (s), 計9H].
【0296】
ステップ2. 4−メトキシ−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、ジ(トリフルオロ酢酸)塩(P10)の合成。
【0297】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(6mL)中のC2(250mg、0.898mmol)の溶液に添加した。反応混合物を22℃で2時間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮して、生成物を淡黄色油状物として得、これをさらに精製することなく使用した。この物質は、NMRスペクトルにおいて若干の無関係なシグナルを示した。収量:370mg、定量的。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ 4.67 (s, 4H), 4.05 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 2.18 (s, 3H).
調製P11
4−(メトキシメチル)−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P11)
【化45】
【0298】
ステップ1. tert−ブチル4−(メトキシメチル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C19)の合成。
【0299】
水素化ナトリウム(69.0mg、2.88mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中のC10(400mg、1.44mmol)の0℃懸濁液に添加した。反応混合物を30分間撹拌し、そこで、ヨードメタン(306mg、2.16mmol)を添加し、室温(24℃)で2時間撹拌を続けた。反応混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮して、生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:350mg、1.20mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [4.77 (s), 4.71 (s), 4.63 (s),および4.57 (s), 計4H], [4.53 (s)および4.51 (s), 計2H], 3.41 (s, 3H), 2.51 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 1.53 (s, 9H).
【0300】
ステップ2. 4−(メトキシメチル)−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、二塩酸塩(P11)の合成。
【0301】
塩化水素(メタノール中4M溶液;3mL、12mmol)を、メタノール(6mL)中のC19(350mg、1.20mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温(20℃)で15時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、生成物をオフホワイトの固体として得た。収量:300mg、1.13mmol、94%。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 4.97-4.81 (m, 6H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 3.54 (s, 3H), 2.79 (s, 3H), 2.44 (s, 3H).
調製P12
4−(ジフルオロメトキシ)−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、塩酸塩(P12)
【化46】
【0302】
ステップ1. tert−ブチル4−(ジフルオロメトキシ)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(C20)の合成。
【0303】
ナトリウムクロロ(ジフルオロ)アセテート(577mg、3.78mmol)および炭酸カリウム(392mg、2.84mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のC1(500mg、1.89mmol)の溶液に室温(15℃)で添加した。反応混合物を95℃で1時間撹拌し、そこで、水(20mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×50mL)で、および飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1 石油エーテル/酢酸エチル)により、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:300mg、0.954mmol、50%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [7.55 (t, J
HF=73.5 Hz)および7.52 (t, J
HF=73.3 Hz), 計1H], 4.68-4.55 (m, 4H), 2.42 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.53 (s, 9H).
【0304】
ステップ2. 4−(ジフルオロメトキシ)−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン、塩酸塩(P12)の合成。
【0305】
酢酸エチル中塩化水素の溶液(10mL)をC20(300mg、0.954mmol)と合わせ、反応混合物を20℃で30分間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を白色固体として得た。収量:150mg、0.598mmol、63%。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 7.62 (t, J
HF=72.8 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.61 (s, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.24 (s, 3H).
(実施例1)
5,6,7−トリメチル−2−{[1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]アセチル}−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−オン(1)
【化47】
【0306】
ステップ1. tert−ブチル3−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アゼチジン−1−カルボキシレート(C21)の合成。
【0307】
tert−ブチル3−オキソアゼチジン−1−カルボキシレート(100g、584mmol)をジクロロメタン(750mL)に溶解し、氷浴中で冷却し、激しく撹拌しながら、(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(220g、631mmol)を15分間かけて少量ずつ添加した。次いで、反応混合物を40℃に4時間加熱し、そこで、ジクロロメタンの大部分を真空中で除去した。得られた濃厚なスラリーをヘキサンおよびtert−ブチルメチルエーテルの混合物(2:1、1L)で希釈し、室温で1.5時間撹拌した。トリフェニルホスフィンオキシドを濾過により除去し、濾過ケーキをヘキサンおよびtert−ブチルメチルエーテルの2:1混合物で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:2:1 ヘキサン/tert−ブチルメチルエーテル)により、生成物を透明なわずかに黄色の油状物として得た。収量:141.8g、定量的。
【0308】
ステップ2. tert−ブチル3−(2−エトキシ−2−オキソエチル)アゼチジン−1−カルボキシレート(C22)の合成。
【0309】
tert−ブチルメチルエーテル(500mL)中のC21(141g、584mmol)の溶液をParrボトルに入れ、10%パラジウム炭素(約50重量%の水;2.5g)で処理した。反応容器を排気し、窒素を充填した。この排気サイクルを数回繰り返し、次いでボトルを水素で40psiまで加圧し、30分間振盪し、そこで、容器を追加の窒素/真空サイクルでパージした。反応混合物を珪藻土/粉末セルロースのパッドに通して濾過し、その後、これをtert−ブチルメチルエーテルですすいだ。合わせた濾液を真空中で濃縮して、生成物を透明な無色油状物として得た。収量:140.1g、576mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 4.04 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.99-3.85 (m, 2H), 3.58-3.45 (m, 2H), 2.84-2.71 (m, 1H), 2.62 (d, J=7.4 Hz, 2H), 1.36 (s, 9H), 1.17 (t, J=7.0 Hz, 3H).
【0310】
ステップ3. エチルアゼチジン−3−イルアセテート、トリフルオロ酢酸塩(C23)の合成。
【0311】
トリフルオロ酢酸(60mL)を、ジクロロメタン(200mL)中のC22(15.0g、61.6mmol)の溶液に滴下して添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を淡黄色油状物として得た。収量:15.85g、61.62mmol、定量的。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.23-7.99 (br s, 1H), 7.99-7.77 (br s, 1H), 4.41-4.27 (m, 2H), 4.16 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.11-3.99 (m, 2H), 3.40-3.25 (m, 1H), 2.74 (d, J=7.2 Hz, 2H), 1.26 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0312】
ステップ4. エチル[1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]アセテート(C24)の合成。
【0313】
トルエン(300mL)中のC23(10.0g、38.9mmol)、3−ブロモピリジン(16.6g、105mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(8.7g、14mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd
2(dba)
3;6.4g、7.0mmol)、および炭酸セシウム(91.0g、279mmol)の混合物を、90℃で16時間加熱した。トルエンの大部分を真空中での濃縮により除去し、残留物を水(3×200mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中17%〜20%酢酸エチル)により、生成物を褐色油状物として得た。収量:4.0g、18mmol、46%。LCMSm/z220.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (dd, J=4.6, 1.3 Hz, 1H), 7.85 (d, J=2.9 Hz, 1H), 7.10 (dd, J=8.2, 4.7 Hz, 1H), 6.71 (ddd, J=8.3, 2.8, 1.4 Hz, 1H), 4.16 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.11 (dd, J=7.9, 7.5 Hz, 2H), 3.61 (dd, J=7.2, 5.6 Hz, 2H), 3.20-3.08 (m, 1H), 2.72 (d, J=7.8 Hz, 2H), 1.27 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0314】
ステップ5. [1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸(C25)の合成。
【0315】
水酸化リチウム(652mg、27.2mmol)を、メタノール(20mL)および水(5mL)の混合物中のC24(3.00g、13.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、そこで、これを0℃に冷却し、反応混合物のpHが7に達するまで濃塩酸を添加した。真空中で濃縮して、生成物を得た。収量:3.3g、定量的と推定。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.91-7.82 (m, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.17-7.07 (m, 1H), 6.80-6.71 (m, 1H), 3.97 (dd, J=7, 7 Hz, 2H), 3.48 (dd, J=6, 6 Hz, 2H), 3.02-2.89 (m, 1H), 2.5 (2H, 推定; 溶媒ピークにより不明確).
【0316】
ステップ6. 5,6,7−トリメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−オン、トリフルオロ酢酸塩(C26)の合成。
【0317】
トリフルオロ酢酸(2mL)を、ジクロロメタン(6mL)中のP1(125mg、0.449mmol)の溶液に27℃で添加した。反応混合物を27℃で2時間撹拌し、そこで、これを真空中で濃縮して、生成物を緑色油状物(260mg)として得た。この物質の一部を次のステップで直接使用した。
【0318】
ステップ7. 5,6,7−トリメチル−2−{[1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]アセチル}−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−オン(1)の合成。
【0319】
O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU;89.0mg、0.234mmol)およびC26(前のステップから;54.7mg、≦94μmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中のC25(30.0mg、0.156mmol)の溶液に室温(24℃)で添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(121mg、0.936mmol)を添加し、反応混合物を室温(24℃)で10分間撹拌した。反応混合物を逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、5μm;移動相A:0.01M重炭酸アンモニウム水溶液;移動相B:アセトニトリル;勾配:14%〜44%B)により直接精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。2ステップにわたって収量:12.7mg、36μmol、38%。LCMSm/z353.0[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.00 (dd, J=4.7, 1.3 Hz, 1H), 7.86 (d, J=2.6 Hz, 1H), 7.10 (dd, J=8.2, 4.7 Hz, 1H), 6.72 (ddd, J=8.2, 2.8, 1.3 Hz, 1H), 4.74-4.67 (m, 4H), 4.21-4.14 (m, 2H), 3.68-3.62 (m, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.31-3.18 (m, 1H), 2.79 (d, J=7.6 Hz, 2H), 2.35 (br s, 3H), [2.06 (s)および2.05 (s), 計3H].
(実施例2)
1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[1−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)アゼチジン−3−イル]エタノン(2)
【化48】
【0320】
ステップ1. エチル[1−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)アゼチジン−3−イル]アセテート(C27)の合成。
【0321】
ジメチルスルホキシド(15mL)中の5−ブロモ−1,2,4−チアジアゾール(1.05g、6.36mmol)、C23(2.00g、7.78mmol)、フッ化セシウム(967mg、6.37mmol)、およびトリエチルアミン(1.93g、19.1mmol)の混合物を、100℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(30mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を水(3×100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中25%〜67%酢酸エチル)により、生成物を黄色油状物として得た。収量:1.10g、4.84mmol、76%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.93 (s, 1H), 4.37-4.31 (m, 2H), 4.15 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.89 (dd, J=9.1, 5.6 Hz, 2H), 3.32-3.21 (m, 1H), 2.74 (d, J=7.9 Hz, 2H), 1.26 (t, J=7.2 Hz, 3H).
【0322】
ステップ2. 1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[1−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)アゼチジン−3−イル]エタノン(2)の合成
【0323】
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のP2(100mg、0.400mmol)、C27(90.8mg、0.400mmol)、および1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(167mg、1.20mmol)の混合物を、85℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×10mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18 OBD、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウム含有水;移動相B:アセトニトリル;勾配:17%〜32%B)により精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:21.6mg、60.2μmol、15%。LCMSm/z359.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (s, 1H), 4.66 (br s, 2H), 4.60 (br s, 1H), 4.57 (br s, 1H), 4.43 (dd, J=8.3, 8.3 Hz, 2H), 3.95-3.88 (m, 2H), 3.46-3.35 (m, 1H), 3.04 (d, J=4.5 Hz, 3H), [2.84 (d, J=7.6 Hz)および2.82 (d, J=7.6 Hz), 計2H], 2.41 (s, 3H), [2.08 (s)および2.08 (s), 計3H].
(実施例3)
2−{1−[2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}−1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]エタノン(3)
【化49】
【0324】
ステップ1. 4−ブロモ−2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン(C28)の合成。
【0325】
ナトリウムクロロ(ジフルオロ)アセテート(5.26g、34.5mmol)および炭酸カリウム(3.57g、25.8mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中の4−ブロモピリジン−2(1H)−オン(3.00g、17.2mmol)の溶液に添加し、反応混合物を95℃で2時間撹拌した。水(100mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)で、および飽和塩化ナトリウム水溶液(150mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:15:1 石油エーテル/酢酸エチル)により、生成物を淡黄色油状物として得た。収量:1.5g、6.7mmol、39%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.04 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.44 (t, J
HF=72.6 Hz, 1H), 7.27 (dd, J=5.4, 1.6 Hz, 1H), 7.12 (br d, J=1.5 Hz, 1H).
【0326】
ステップ2. エチル{1−[2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}アセテート(C29)の合成。
【0327】
1,4−ジオキサン(5mL)中のC23(120mg、0.467mmol)、C28(105mg、0.469mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12.8mg、14.0μmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス;17.8mg、30.8μmol)、および炭酸セシウム(608mg、1.87mmol)の混合物を、100℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:20:1 石油エーテル/酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を黄色油状物として得た。収量:50mg、0.17mmol、36%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.81 (d, J=5.9 Hz, 1H), 7.42 (t, J
HF=73.7 Hz, 1H), 6.08 (dd, J=5.8, 2.1 Hz, 1H), 5.75 (d, J=2.0 Hz, 1H), 4.20-4.11 (m, 4H), 3.66 (dd, J=8.0, 5.5 Hz, 2H), 3.20-3.09 (m, 1H), 2.71 (d, J=7.9 Hz, 2H), 1.28 (t, J=7.1 Hz, 3H).
【0328】
ステップ3. 2−{1−[2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}−1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]エタノン(3)の合成。
【0329】
N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中のP2(100mg、0.400mmol)、C29(162mg、0.566mmol)、および1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(314mg、2.26mmol)の混合物を、80℃で16時間加熱した。反応混合物を、分取HPLCを使用して精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:54.3mg、0.130mmol、32%。LCMSm/z418.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.81 (d, J=6.0 Hz, 1H), 7.43 (t, J
HF=73.8 Hz, 1H), 6.09 (dd, J=5.5, 2.0 Hz, 1H), 5.76 (d, J=1.5 Hz, 1H), [4.66 (s), 4.60 (s),および4.58 (s), 計4H], 4.22 (br dd, J=8.0, 8.0 Hz, 2H), 3.71-3.64 (m, 2H), 3.34-3.22 (m, 1H), 3.07-3.01 (m, 3H), 2.83-2.76 (m, 2H), 2.41 (s, 3H), [2.09 (s)および2.08 (s), 計3H].
(実施例4)
1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]エタノン(4)
【化50】
【0330】
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中のP2(64.0mg、0.256mmol)の懸濁液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(171mg、0.450mmol)およびC25(57.6mg、0.300mmol)を室温(16℃)で添加した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(116mg、0.897mmol)を添加し、反応混合物を室温(16℃)でさらに20分間撹拌した後、水(50mL)に注ぎ入れた。得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた抽出物を水(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Waters XSelect C18、5μm;移動相A:水中0.1%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:19%〜49%B)、続いてシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:80:1 酢酸エチル/メタノール、続いて10:1 ジクロロメタン/メタノール)により精製して、生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:57.6mg、0.164mmol、64%。LCMSm/z351.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (br d, J=4.3 Hz, 1H), 7.87 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.11 (dd, J=8.0, 4.8 Hz, 1H), 6.76-6.70 (m, 1H), 4.69-4.65 (br s, 2H), [4.63-4.60 (br s)および4.60-4.57 (br s), 計2H], [4.19 (dd, J=7.8, 7.5 Hz)および4.18 (dd, J=7.8, 7.5 Hz), 計2H], 3.69-3.61 (m, 2H), 3.33-3.22 (m, 1H), 3.07-3.02 (m, 3H), [2.83 (d, J=7.3 Hz)および2.81 (d, J=7.3 Hz), 計2H], 2.41 (s, 3H), [2.09 (s)および2.08 (s), 計3H].
(実施例5)
1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(5)
【化51】
【0331】
ステップ1. 1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−オール(C30)の合成。
【0332】
1,4−ジオキサン(20mL)中のアゼチジン−3−オール、塩酸塩(347mg、3.17mmol)、3−ブロモピリジン(500mg、3.16mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(86.9mg、94.9μmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(110mg、0.190mmol)、および炭酸セシウム(3.09g、9.48mmol)の混合物を、95℃〜100℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、水(50mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(3×50mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:30:1 ジクロロメタン/メタノール)により、生成物を黄色固体として得た。収量:249mg、1.66mmol、52%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (dd, J=4.6, 1.3 Hz, 1H), 7.86 (d, J=2.9 Hz, 1H), 7.11 (dd, J=8.2, 4.6 Hz, 1H), 6.75 (ddd, J=8.3, 2.8, 1.3 Hz, 1H), 4.82 (tt, J=6.4, 4.6 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 2H), 3.74 (br dd, J=8.7, 4.6 Hz, 2H).
【0333】
ステップ2. 1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(5)の合成。
【0334】
ビス(ペンタフルオロフェニル)カーボネート(287mg、0.728mmol)を、アセトニトリル(4mL)中のC30(84mg、0.56mmol)の溶液に添加した。次いで、トリエチルアミン(0.23mL、1.6mmol)を添加し、反応混合物を室温(20℃)で6時間撹拌し、そこで、これを0℃に冷却した。冷溶液に、P2(140mg、0.560mmol)を添加し、続いてトリエチルアミン(0.23mL、1.65mmol)を滴下添加した。反応混合物を室温に加温した後、16時間撹拌し、これを真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18 OBD、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウム含有水;移動相B:アセトニトリル;勾配:22%〜52%B)に供して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:79.0mg、0.224mmol、40%。LCMSm/z353.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.06 (dd, J=4.8, 1.3 Hz, 1H), 7.93-7.90 (m, 1H), 7.14 (dd, J=8.3, 4.5 Hz, 1H), 6.80-6.75 (m, 1H), 5.44 (tt, J=6.3, 4.3 Hz, 1H), 4.64-4.60 (m, 2H), 4.57-4.52 (br s, 2H), 4.37-4.31 (m, 2H), 3.98-3.90 (m, 2H), [3.84-3.76 (br s)および3.76-3.69 (br s), 計1H], [3.04 (d, J=5.3 Hz)および3.02 (d, J=5.5 Hz), 計3H], 2.40 (s, 3H), [2.08 (s)および2.06 (s), 計3H].
(実施例6)
6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−6−イル6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(6)
【化52】
【0335】
ステップ1. ジ−tert−ブチル2,2’−ピリジン−2,3−ジイルジアセテート(C31)の合成。
【0336】
2,3−ジブロモピリジン(1.52g、6.42mmol)およびクロロ(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)(SPhos Pd G2;231mg、0.321mmol)を含有するフラスコを排気し、窒素を充填した。トルエン(40mL)を添加し、続いてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中1M溶液;38.5mL、38.5mmol)をかなり迅速に滴下添加し、次いでtert−ブチルアセテート(2.58mL、19.1mmol)をかなり迅速に滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、そこで、これを飽和塩化アンモニウム水溶液(75mL)でクエンチし、次いで酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により、生成物を濃厚な黄色油状物として得た。収量:986mg、3.21mmol、50%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.47 (dd, J=4.7, 1.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.18 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.59 (s, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.44 (s, 9H).
【0337】
ステップ2. 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−6−オール(C32)の合成。
【0338】
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;163mg、4.08mmol)をヘプタン(2×2mL)で洗浄し、テトラヒドロフラン(10mL)中に懸濁させた。テトラヒドロフラン(12mL)中のC31(727mg、2.37mmol)の溶液を添加し、反応混合物を62℃で2.5時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、得られたペーストを塩酸(20%;6mL)で覆い、55℃で0.5時間撹拌した。この混合物をわずかに冷却した後、減圧下で濃縮して褐色ペーストを得、これをメタノール(10mL)中でスラリー化し、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(313mg、8.27mmol)を少量ずつ添加し、反応混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、これを室温で終夜撹拌し、そこで、これを重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で希釈し、酢酸エチル(5×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)に供して、生成物を褐色油状物として得た。収量:159mg、1.18mmol、50%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.35 (d, J=4.7 Hz, 1H), 7.54 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.08 (dd, J=7.8, 5.1 Hz, 1H), 4.80-4.73 (m, 1H), 3.33 (dd, ABXパターンの成分, J=17.2, 5.8 Hz, 1H), 3.25 (dd, ABXパターンの成分, J=16.6, 6.0 Hz, 1H), 3.04 (dd, ABXパターンの成分, J=17.2, 3.1 Hz, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの成分, J=16.6, 2.5 Hz, 1H), 2.47 (br s, 1H).
【0339】
ステップ3. 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−6−イル6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレート(6)の合成。
【0340】
ジクロロメタン(5mL)中のC32(47mg、0.35mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(85mg、0.70mmol)、およびビス(トリクロロメチル)カーボネート(85.1mg、0.287mmol)の混合物を、室温で2.5時間撹拌し、そこで、ジクロロメタン(3mL)中のP2(223mg、0.891mmol)およびトリエチルアミン(291μL、2.09mmol)の混合物を、迅速に滴下して添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、これを重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(5×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により、生成物を固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:86.3mg、0.255mmol、73%。LCMSm/z339.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.43 (d, J=5.1 Hz, 1H), 7.55 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.15-7.09 (m, 1H), 5.64-5.57 (m, 1H), 4.65-4.56 (m, 2H), 4.49-4.39 (m, 2H), 3.53-3.37 (m, 2H), [3.23 (dd, ABXパターンの成分, J=17.6, 2.7 Hz)および3.21 (dd, ABXパターンの成分, J=18.0, 2.7 Hz), 計1H], [3.14 (dd, ABXパターンの成分, J=17.6, 2.3 Hz)および3.12 (dd, ABXパターンの成分, J=17.4, 2.1 Hz), 計1H], [3.04 (d, J=5.1 Hz)および2.99 (d, J=5.1 Hz), 計3H], [2.40 (s)および2.39 (s), 計3H], [2.07 (s)および2.01 (s), 計3H].
(実施例7、8、および9)
【0341】
1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン(7)、1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−1(8)、および1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−2(9)
【化53-1】
【化53-2】
【0342】
ステップ1. tert−ブチル(ジメチル){2−[trans−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロプロピル]エトキシ}シラン(C33)の合成。
【0343】
ジヨードメタン(2.1kg、7.8mol)を、ジクロロメタン(8L)中のジエチル亜鉛(1M、3.85L、3.85mol)の−40℃溶液に滴下して添加した。この混合物を2時間撹拌した後、ジクロロメタン(1L)中のトリクロロ酢酸(0.628kg、3.84mol)の溶液を滴下添加し、反応混合物を−10℃に加温し、さらに2時間撹拌した。ジクロロメタン(1L)中のtert−ブチル(ジメチル){[(3E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブタ−3−エン−1−イル]オキシ}シラン(400g、1.28mol)の溶液をゆっくりと添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌し、そこで、これを冷クエン酸水溶液(10%、10L)の添加によりクエンチした。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、真空中で濃縮し、残留物を、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜7%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を薄黄色油状物として得た。収量:260g、797mmol、62%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.71-3.64 (m, 2H), 1.51-1.44 (m, 2H), 1.22 (s, 12H), 1.04-0.95 (m, 1H), 0.90 (s, 9H), 0.71-0.65 (m, 1H), 0.46-0.39 (m, 1H), 0.06 (s, 6H), -0.35〜-0.42 (m, 1H).
【0344】
ステップ2. 5−[trans−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)シクロプロピル]−2−フルオロピリジン(C34)の合成。
【0345】
ビス(1−アダマンチル)−ブチルホスファン(cataCXium(登録商標)A;652mg、1.82mmol)を酢酸パラジウム(II)(408mg、1.82mmol)に添加した。脱気した2−メチルブタン−2−オール(120mL)を添加した後、反応容器を排気し、窒素を充填した。この排気サイクルを2回繰り返し、触媒/リガンド混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を脱気水(3mL)、続いて炭酸セシウム(17.8g、54.6mmol)および5−ブロモ−2−フルオロピリジン(3.20g、18.2mmol)で処理した。2−メチルブタン−2−オール(30mL)中のC33(6.53g、20.0mmol)の溶液を、シリンジを介して添加し、上記の通り、繰り返し反応容器を排気し、窒素を充填した。反応混合物を75℃で16時間加熱し、そこで、これを水(50mL)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中2%〜9%酢酸エチル)により、生成物を淡褐色油状物として得た。収量:5.20g、17.6mmol、97%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.98 (br s, 1H), 7.38 (ddd, J=8.0, 8.0, 2.5 Hz, 1H), 6.81 (dd, J=8.8, 2.8 Hz, 1H), 3.74 (t, J=6.3 Hz, 2H), 1.70-1.59 (m, 3H), 1.17-1.06 (m, 1H), 0.92-0.83 (m, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0346】
ステップ3. [trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]酢酸(C35)の合成。
【0347】
塩化ルテニウム(III)(365mg、1.76mmol)を、アセトニトリル(150mL)中のC34(5.20g、17.6mmol)の溶液に室温で添加した。次いで、撹拌しながら、水(20mL)中の過ヨウ素酸ナトリウム(11.3g、52.8mmol)の溶液を添加し、反応混合物を室温(18℃)で終夜撹拌した。塩酸(1M;20mL)を添加し、溶媒を真空中で除去した後、残留物をアセトニトリル(50mL)に溶かし、珪藻土に通して濾過した。フィルターパッドをアセトニトリル(30mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、生成物を淡褐色固体として得た。収量:3.20g、16.4mmol、93%。LCMSm/z195.8[M+H]
+。
【0348】
ステップ4. 1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン(7)の合成。
【0349】
この反応は2つの同一のバッチで行った。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.28g、25.4mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中のP3(2.00g、8.47mmol)、C35(1.98g、10.1mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(3.86g、10.2mmol)の混合物に添加し、反応混合物を室温(10℃)で1.5時間撹拌した。次いで、2つの反応混合物を合わせ、水に注ぎ入れ、得られた混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中1%〜9%メタノール)により精製して、生成物を白色固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:1.88g、5.52mmol、33%。LCMSm/z341.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.08-8.04 (m, 1H), 7.72-7.65 (m, 1H), 6.97 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), [4.81 (s), 4.69 (s), 4.66 (s),および4.56 (s), 計4H], 2.73-2.64 (m, 1H), 2.61-2.53 (m, 1H), 2.33 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.93-1.86 (m, 1H), 1.51-1.41 (m, 1H), 1.11-0.98 (m, 2H).
【0350】
ステップ5. 1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−1(8)および1−(4−アミノ−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)−2−[trans−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−2(9)の単離。
【0351】
7(1.61g、4.73mmol)のその成分エナンチオマーへの分離を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:82.5:17.5 二酸化炭素/(0.2%1−アミノプロパン−2−オール含有2−プロパノール)]により行った。第1溶出エナンチオマーを、プラス(+)の旋光度を示すオフホワイトの固体として得、これを8と指定した。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:734mg、2.16mmol、46%。LCMSm/z341.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.07 (br s, 1H), 7.72-7.65 (m, 1H), 7.06 (dd, J=8.4, 2.9 Hz, 1H), [5.68 (br s)および5.64 (br s), 計2H], [4.68 (s), 4.56 (s), 4.50 (s),および4.40 (s), 計4H], 2.61-2.42 (m, 2H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 2.22 (s, 3H), [1.99 (s)および1.99 (s), 計3H], 1.88-1.81 (m, 1H), 1.44-1.33 (m, 1H), 1.05-0.97 (m, 1H), 0.97-0.89 (m, 1H).
【0352】
第2溶出エナンチオマーを、マイナス(−)の旋光度を示すオフホワイトの固体として得、これを9と指定した。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:733mg、2.15mmol、46%。LCMSm/z341.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.07 (br s, 1H), 7.72-7.65 (m, 1H), 7.06 (dd, J=8.6, 2.7 Hz, 1H), [5.70 (br s)および5.65 (br s), 計2H], [4.69 (s), 4.56 (s), 4.50 (s),および4.40 (s), 計4H], 2.61-2.42 (m, 2H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 2.23 (s, 3H), [1.99 (s)および1.99 (s), 計3H], 1.88-1.81 (m, 1H), 1.44-1.33 (m, 1H), 1.05-0.97 (m, 1H), 0.96-0.89 (m, 1H).
(実施例10および11)
【0353】
1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−1(10)および1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−2(11)。
【化54】
【0354】
ステップ1. 3−[trans−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)シクロプロピル]ピリジン(C36)の合成。
【0355】
ビス(1−アダマンチル)−ブチルホスファン(68.1mg、0.190mmol)を酢酸パラジウム(II)(42.6mg、0.190mmol)に添加した。脱気した2−メチルブタン−2−オール(16mL)を添加した後、反応容器を排気し、窒素を充填した。この排気サイクルを2回繰り返し、触媒/リガンド混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を脱気水(1mL)、続いて炭酸セシウム(1.86g、5.71mmol)および3−ブロモピリジン(300mg、1.90mmol)で処理した。2−メチルブタン−2−オール(4mL)中のC33(744mg、2.28mmol)の溶液を、シリンジを介して添加し、上記の通り、繰り返し反応容器を排気し、窒素を充填した。反応混合物を75℃で16時間加熱し、そこで、これを水(30mL)で希釈し、得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1 石油エーテル/酢酸エチル)により精製して、生成物を黄色油状物として得た。収量:380mg、1.37mmol、72%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.40 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.38 (dd, J=4.8, 1.5 Hz, 1H), 7.26 (ddd, J=7.8, 2.0, 2.0 Hz, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 7.16 (dd, J=7.8, 4.8 Hz, 1H), 3.73 (t, J=6.4 Hz, 2H), 1.69-1.60 (m, 3H), 1.20-1.10 (m, 1H), 0.95-0.85 (m, 2H), 0.88 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
【0356】
ステップ2. [trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]酢酸(C37)の合成。
【0357】
塩化ルテニウム(III)(28.4mg、0.137mmol)を、アセトニトリル(20mL)中のC36(380mg、1.37mmol)の溶液に室温で添加した。次いで、撹拌しながら、水(5mL)中の過ヨウ素酸ナトリウム(879mg、4.11mmol)の溶液を添加し、反応混合物を室温(22℃)で2時間撹拌した。塩酸(1M;5mL)を添加し、溶媒を真空中で除去した後、残留物をアセトニトリル(50mL)に溶かし、珪藻土に通して濾過した。フィルターパッドをアセトニトリル(30mL)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、生成物を淡褐色油状物として得た。収量:200mg、1.13mmol、82%。
【0358】
ステップ3. 1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−1(10)および1−[6,7−ジメチル−4−(メチルアミノ)−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル]−2−[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]エタノン、ENT−2(11)の合成。
【0359】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(372mg、2.88mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)中のP2(240mg、0.959mmol)、C37(195mg、1.10mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(474mg、1.25mmol)の溶液に室温(10℃)でゆっくりと添加した。反応混合物を室温(10℃)で50分間撹拌した後、これを逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18 OBD、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウム含有水;移動相B:アセトニトリル;勾配:18%〜48%B)に供し、エナンチオマー10および11の精製混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AS、5μm;移動相:85:15 二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウム含有メタノール)]による成分エナンチオマーの分離のために、P2(70mg、0.28mmol)を使用して行った同様の反応の生成物と合わせた。第1溶出エナンチオマーを、マイナス(−)の旋光度を示す白色固体として得、これを10と指定した。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。合わせた収量:41.4mg、0.123mmol、10%。LCMSm/z337.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.47 (br s, 1H), 8.41 (dd, J=4.5, 1.5 Hz, 1H), 7.43-7.38 (m, 1H), 7.19 (dd, J=7.8, 4.8 Hz, 1H), [4.70 (s), 4.67-4.64 (m),および4.63-4.58 (m), 計4H], [3.05 (s)および3.04 (s), 計3H], [2.60 (dd, ABXパターンの成分, J=16.3, 6.8 Hz)および2.58 (dd, ABXパターンの成分, J=16.1, 6.5 Hz), 計1H], [2.52 (dd, ABXパターンの成分, J=15.8, 2.8 Hz)および2.50 (dd, ABXパターンの成分, J=15.8, 2.8 Hz), 計1H], 2.41 (s, 3H), [2.09 (s)および2.07 (s), 計3H], 1.86-1.79 (m, 1H), 1.58-1.48 (m, 1H), 1.14-1.07 (m, 1H), 1.03-0.96 (m, 1H).
【0360】
第2溶出エナンチオマーを、プラス(+)の旋光度を示す白色固体として得、これを11と指定した。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。合わせた収量:66.5mg、0.198mmol、16%。LCMSm/z337.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.47 (br s, 1H), 8.40 (dd, J=5.0, 1.5 Hz, 1H), 7.43-7.38 (m, 1H), 7.18 (dd, J=7.8, 4.8 Hz, 1H), [4.69 (s), 4.67-4.64 (m),および4.63-4.58 (m), 計4H], [3.99-3.87 (br m)および3.84-3.73 (br m), 計1H], [3.04 (s)および3.03 (s), 計3H], [2.60 (dd, ABXパターンの成分, J=15.8, 6.8 Hz)および2.57 (dd, ABXパターンの成分, J=16.1, 6.5 Hz), 計1H], [2.51 (dd, ABXパターンの成分, J=16.1, 3.5 Hz)および2.50 (dd, ABXパターンの成分, J=16.1, 3.5 Hz), 計1H], 2.41 (s, 3H), [2.08 (s)および2.07 (s), 計3H], 1.85-1.78 (m, 1H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 1.58-1.48 (m, 1H), 1.14-1.06 (m, 1H), 1.03-0.96 (m, 1H).
(実施例12)
2−[1−(ピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]−1−(4,6,7−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−イル)エタノン(12)
【化55】
【0361】
C24(51.0mg、0.232mmol)、P4(23.0mg、97.8μmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)の混合物を、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(56.4mg、0.405mmol)で処理し、反応混合物を70℃で6時間加熱した。これを室温に冷却した後、反応混合物を塩化リチウム水溶液(10%;1mL)で希釈した。水層を酢酸エチルで5回抽出し、合わせた有機層を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜20%メタノール)により、生成物を固体として得た。
1H NMRの分析から、この物質は、回転異性体の混合物として存在すると推定された。収量:22mg、65μmol、66%。LCMSm/z337.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.01 (br d, J=4.5 Hz, 1H), 7.87 (d, J=2.5 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=8.3, 4.8 Hz, 1H), 6.77-6.72 (m, 1H), 4.79-4.73 (m, 4H), 4.20 (dd, J=7.6, 7.6 Hz, 2H), 3.70-3.64 (m, 2H), 3.35-3.23 (m, 1H), [2.85 (d, J=7.6 Hz)および2.84 (d, J=7.6 Hz), 計2H], 2.52 (s, 3H), [2.45 (s)および2.44 (s), 計3H], [2.20 (s)および2.19 (s), 計3H].
【0362】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【0363】
1. 実施例15および16のラセミ混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Regis Technologies、(S,S)−Whelk−0(登録商標)1、10μm;移動相:55:45 二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例15が第1溶出エナンチオマーであり、実施例16が第2溶出エナンチオマーであった。
【0364】
2. C3とジメチルアミン塩酸塩およびトリエチルアミンとの反応により、tert−ブチル4−(ジメチルアミノ)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレートを得た。塩化水素での処理による保護基除去により、必要なN,N,6,7−テトラメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、二塩酸塩を得た。
【0365】
3. 必要な[1−(ピリミジン−5−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸を、C23からのC25の合成のための実施例1に記載の方法を使用して合成したが、この場合、3−ブロモピリジンの代わりに5−ブロモピリミジンを用いた。
【0366】
4. 6,7−ジメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−オン、塩酸塩は、酢酸エチル中塩化水素によるC1の脱保護により合成した。
【0367】
5. C3と1,4−ジオキサン中1−シクロプロピルメタンアミンとの反応により、tert−ブチル4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2−カルボキシレートを得、これを酢酸エチル中塩化水素で脱保護して、N−(シクロプロピルメチル)−6,7−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−アミン、塩酸塩を得た。
【0368】
6. 4−クロロピリミジンおよびC23を100℃でジメチルスルホキシド中のフッ化セシウムおよびトリエチルアミンに供することにより、必要なエチル[1−(ピリミジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセテートを得た。
【0369】
7. 水酸化リチウムによるエチル[1−(ピリミジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセテート(脚注6を参照)の加水分解により、[1−(ピリミジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸を得た。
【0370】
8. 4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジンおよびC23を100℃でジメチルスルホキシド中のフッ化セシウムおよびトリエチルアミンに供することにより、必要なエチル{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}アセテートを得た。
【0371】
9. 5,6,7−トリメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−オン、塩酸塩は、塩化水素によるP1の脱保護により合成した。
【0372】
10. C37をメタノール中硫酸で処理することにより、必要なメチル[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]アセテートを得た。
【0373】
11. 80℃で1,2−ジクロロエタン中トリメチルアルミニウムにより媒介される、C26とメチル[trans−2−(ピリジン−3−イル)シクロプロピル]アセテートとの反応により、実施例26および27のラセミ混合物を得た。これを、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:9:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例26が第1溶出エナンチオマーであり、実施例27が第2溶出エナンチオマーであった。
【0374】
12. 分析HPLCの条件。カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、4.6×100mm、5μm;移動相:9:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール);背圧:200bar;流速:1.5mL/分。
【0375】
13. ラセミ体実施例28を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak IA、5μm;移動相:3:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例29が第1溶出エナンチオマーであり、実施例30が第2溶出エナンチオマーであった。
【0376】
14. 分析HPLCの条件。カラム:Chiral Technologies Chiralpak IA、4.6×100mm、5μm;移動相:65:35 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール);背圧:200bar;流速:1.5mL/分。
【0377】
15. C23と4−クロロ−2−メチルピリジンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンとの反応により、エチル[1−(2−メチルピリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセテートを得、これを水酸化リチウムで加水分解して、必要な[1−(2−メチルピリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸を得た。
【0378】
16. C23と4−クロロピリジン−2−カルボニトリルおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンとの反応により、必要なエチル[1−(2−シアノピリジン−4−イル)アゼチジン−3−イル]アセテートを得た。
【0379】
17. トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および1,1’−ビナフタレン−2−イル(ジ−tert−ブチル)ホスファンの存在下でのC23と2−ブロモ−1,3,4−チアジアゾールとの反応により、必要なエチル[1−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]アセテートを得た。
【0380】
18. 実施例38の合成は、ライブラリーフォーマットで行った。P2と3−(1H−ピラゾール−4−イル)プロパン酸との反応は、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1H−ベンゾトリアゾール−1−オール、およびトリエチルアミンにより媒介された。
【0381】
19. 分析HPLCの条件。カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0.5分間5%B;2.9分かけて5%から100%B;0.8分間100%B;流速:0.8mL/分。
【0382】
20. 4−クロロ−2−(ジフルオロメチル)ピリジンおよびC23を100℃でジメチルスルホキシド中のフッ化セシウムおよびトリエチルアミンに供することにより、エチル{1−[2−(ジフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}アセテートを得た。この物質を水酸化リチウムで加水分解して、必要な{1−[2−(ジフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}酢酸を得た。
【0383】
21. この場合、最終アミドカップリングは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンよりもむしろ1,1’−カルボニルジイミダゾールを使用して行った。
【0384】
22. 実施例40および41のラセミ混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:4:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例40が第1溶出エナンチオマーであり、実施例41が第2溶出エナンチオマーであった。
【0385】
23. 分析HPLCの条件。カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、4.6×100mm、5μm;移動相:4:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール);背圧:150bar;流速:1.5mL/分。
【0386】
24. エチル{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}アセテート(脚注8を参照)を水酸化リチウムで加水分解して、必要な{1−[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}酢酸を得た。
【0387】
25. ラセミ体実施例42を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:3:1 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有アセトニトリル)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例43が第1溶出エナンチオマーであり、実施例44が第2溶出エナンチオマーであった。
【0388】
26. 分析HPLCの条件。カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、4.6×100mm、5μm;移動相:65:35 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有アセトニトリル);背圧:120bar;流速:1.5mL/分。
【0389】
27. 分析HPLCの条件。カラム:Waters Atlantis dC18、4.6×50mm、5μm;移動相A:水中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5.0%から95%B、4.0分にわたる線形;流速:2mL/分。
【0390】
28. ラセミ実施例45を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:1:1 二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウム含有エタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例46が第1溶出エナンチオマーであり、実施例47が第2溶出エナンチオマーであった。
【0391】
29. 水酸化リチウムによるC29の加水分解により、必要な{1−[2−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−4−イル]アゼチジン−3−イル}酢酸を得た。
【0392】
30. 実施例49および50のラセミ混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Lux Cellulose−3、5μm;移動相:7:3 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により、その成分エナンチオマーに分離した。実施例49が第1溶出エナンチオマーであり、実施例50が第2溶出エナンチオマーであった。
【0393】
31. 分析HPLCの条件。カラム:Phenomenex Lux Cellulose−3、4.6×100mm、5μm;移動相:3:2 二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウム含有メタノール);背圧:120bar;流速:1.5mL/分。
【0394】
32. 実施例3におけるC28からのC29の合成について記載した方法を使用して、C23を5−ブロモ−2−フルオロピリジンと反応させた。水酸化リチウムを使用する生成物の加水分解により、必要な[1−(6−フルオロピリジン−3−イル)アゼチジン−3−イル]酢酸を得た。
【0395】
33. 5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンとオキソ酢酸との硫酸媒介性反応により、(5−フルオロ−1−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−イリデン)酢酸を得、これを、水素およびロジウム(I)トリス(トリフェニルホスフィン)クロリドを使用して還元した。得られた(5−フルオロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)酢酸をトリエチルシランおよび塩化チタン(IV)に供して、必要な(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)酢酸を得た。
【0396】
34. 実施例57およびそのエナンチオマーのラセミ混合物を、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ、5μm;移動相:4:1 二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウム含有メタノール)]により分離した。実施例57が第1溶出エナンチオマーであった。第2溶出エナンチオマーの純粋な試料は、分離から得られなかった。
【0397】
35. P2と(3R)−テトラヒドロフラン−3−カルボン酸との反応は、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1H−ベンゾトリアゾール−1−オール、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンにより媒介された。
生物学的アッセイ
M4 Pam cAMPアッセイ
【0398】
M4 cAMPアッセイは、ムスカリン性ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)の有効性および効能を決定するために設計された。ヒトM4受容体は、Promega GloSensor(商標)cAMP技術を用いて発現されたヒト胎児腎臓(HEK293)細胞において安定に発現された。
【0399】
細胞:hM4細胞を発現するHEK293 GloSensor細胞を、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、500μg/mL G418、200μg/mLハイグロマイシンB(Hygomycin B)、および1%Glutamaxを含むDMEMを含有する増殖培地中で培養した。細胞が80%〜90%の集密度まで増殖したら、細胞を採取し、384白色壁プレート(Becton Dickinson 356661)中で、25,000細胞/40μLウェルの密度で播種した。プレートを、24時間後、使用するために、37℃および5%CO
2でインキュベートした。
【0400】
活性化剤スクリーニングのための化合物調製:試験化合物を100%DMSOストック溶液として最初に調製し、次いで、384ウェル化合物プレート(Matrix #4325)中に移し、系列希釈した。各化合物を、実験ごとに二連で、10種の濃度で試験した。化合物プレートに、最終アッセイ濃度の400倍で0.2μL/ウェルの活性化剤をスポットする。化合物単独の活性化剤応答についての陽性および陰性対照は、それぞれ10μMアセチルコリン(Sigma #A2661)およびDMSOとした。アセチルコリンのEC
20を使用して、PAM活性も規定した。
【0401】
cAMPアッセイ:Promega GloSensor(商標)試薬(Promega #E1291)を予め等分した。各実験について、GloSensor(商標)のストック溶液を解凍し、平衡化培地を、88%CO
2非依存性培地(Invitrogen #18045088)、10%ウシ胎児血清および2%GloSensor(商標)cAMP試薬ストック溶液を用いて調製した。ストック溶液を混合した。細胞プレート中の培養培地を廃棄し、次いで40μL/ウェルの予め加温した平衡化培地で置き換え、次いで暗所において室温で2時間インキュベートした。インキュベーション中、アゴニストおよびEC
20アセチルコリンを含有する刺激培地を調製した。1.25%DMSO中の、b−アドレナリン受容体活性のEC80に相当する50n(ミリの代わりにナノ)Mイソプロテレノール(Sigma #16504、最終濃度の400倍)およびEC
20アセチルコリンを含有するCO
2非依存性培地を、EC
0対照を可能とするためのカラム12を除く、化合物プレートのすべてのカラムに添加した。EC
0対照ウェルには、EC
20アセチルコリンを含有しない刺激培地を入れた。化合物は、ここで、最終アッセイ濃度の5倍である。プレートを、プレート撹拌機を使用して混合した。2時間のGloSensor(商標)インキュベーションの最後に、アゴニスト、EC
20アセチルコリンおよびイソプロテレノールを含有する10μLのCO
2非依存性培地を細胞プレートに添加する。次いで、細胞プレートを室温で10分間インキュベートし、次いでEnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して読み取った。
【0402】
データ分析:データをEnVisionプレートリーダーからエクスポートした。各ウェルについてのパーセント効果は、各読み取りについての各プレート上の陽性および陰性対照の平均値、具体的には、100×(化合物−陰性対照)/(陽性対照−陰性対照)を使用して決定した。4パラメーターロジスティックフィットモデルを使用して、用量応答曲線を化合物パーセント効果データにフィッティングした。データは、フィッティングした用量応答曲線の最大漸近線をEmaxとする、EC
50およびEmaxとして報告した。
【0403】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】