特表2020-525286(P2020-525286A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-525286(P2020-525286A)
(43)【公表日】2020年8月27日
(54)【発明の名称】基材表面を構造化する方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/352 20140101AFI20200731BHJP
   C23C 4/02 20060101ALI20200731BHJP
   B23K 26/073 20060101ALI20200731BHJP
   B23K 26/0622 20140101ALI20200731BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20200731BHJP
   C04B 41/80 20060101ALI20200731BHJP
【FI】
   B23K26/352
   C23C4/02
   B23K26/073
   B23K26/0622
   B23K26/00 N
   C04B41/80 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-567323(P2019-567323)
(86)(22)【出願日】2018年6月13日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月5日
(86)【国際出願番号】DE2018000184
(87)【国際公開番号】WO2019007449
(87)【国際公開日】20190110
(31)【優先権主張番号】102017006358.3
(32)【優先日】2017年7月6日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】390035448
【氏名又は名称】フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ガッツェン・カレン・ゾフィア
(72)【発明者】
【氏名】マック・ダニエル・エーミール
(72)【発明者】
【氏名】タンドラー・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ファーセン・ロベルト
【テーマコード(参考)】
4E168
4K031
【Fターム(参考)】
4E168DA02
4E168DA28
4E168DA32
4E168DA45
4E168JA15
4E168KA04
4K031BA01
(57)【要約】
本発明は、強いパルスレーザー線で処理することによりサブマイクロメートル範囲の寸法を有する表面構造が得られる、基材上に構造化した表面を得る方法に関し、プロセスパラメータである焦点直径、パルス最大出力、パルスエネルギー、ドット間隔、パルス長、パルス間隔および/またはパルスシーケンスの変化により、部分的融蝕処理によってサブマイクロメートルおよびマイクロメートル範囲のマルチスケール表面構造が得られる。この方法では、取得すべきミクロ構造を、サブマイクロメートル範囲で本来不均質な基材表面の特性に合わせて考慮し、対応してプロセスパラメータを変更することが可能である。有利な実施形態では、局所的に調節すべきプロセスパラメータを、基材表面のセンサデータの同時評価による処理に対して即座に選択する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強いパルスレーザー線で処理することによりサブマイクロメートル範囲の寸法を有する表面構造が得られる、基材上に構造化した表面を得る方法であって、プロセスパラメータである焦点直径、パルス最大出力、パルスエネルギー、ドット間隔、パルス長、パルス間隔および/またはパルスシーケンスの変化により、一部は融蝕処理によってサブマイクロメートルおよびマイクロメートル範囲のマルチスケール表面構造が得られることを特徴とする、方法。
【請求項2】
20μm〜100μmまでのレーザー線直径を有する集束レーザーを基材の表面に適用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基材の表面の自由に選択したドットパターンの位置に移動する際、レーザー線直径の半分〜10倍の範囲の間隔でドットに移動する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ドットを、1ns〜1000nsのパルス長、それぞれ50〜500パルスのパルスシーケンス、50ns〜1sのパルス間隔および1kW〜100kWのパルス最大出力で照射する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
基材表面を構造化するために、ドットパターンの個々のドットをレーザーで1回のみ照射する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
ドットパターンの各々のドットのために、自由に選択可能なパルス長を50ns〜200nsに調節する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
ドットパターンの各々のドットのために、自由に選択可能で、個々のパルス間で変更可能に調節したパルス間隔を50ns〜1sに調節する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
基材表面を構造化するために、ドットパターンの個々のドットを少なくとも部分的に多数回照射する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
− 少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つの無機ガラス、炭素、ホウ素またはケイ素、
− 少なくとも1つの無機繊維および/または非繊維炭素、
− セラミックおよび/または炭素マトリックスを有する窒化ホウ素含有複合材、
− 少なくとも1つの金属−セラミック複合材、あるいは
− 熱伝導性の炭素含有および/または窒化ホウ素含有粒子および/または繊維を有する、金属および/または金属合金からなる少なくとも1つの複合材
を含む基材を使用する、
請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
少なくとも部分的に酸化物層で覆われている表面を有する基材を使用する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
得られるミクロ構造を、元々サブミリメートル範囲で不均質な基材表面の特性に適合させ、この際、調節したプロセスパラメータを対応して変更する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
局所的に調節すべきプロセスパラメータを、基材表面のセンサデータの同時評価による処理に対して即座に選択する、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス、金属ならびに無機複合材の分野に関し、特に好ましくはその上に施した溶射層の付着強さを高めることに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術
溶射層の付着強さは、−適合した熱機械的特性の他に−実質的に基材と溶射層との界面の粗さおよび幾何学的プロフィルによって決まる。界面の幾何学的形状は、一方では溶射層を基材で固定するために十分な支点を与えねばならず、他方では境界層の領域における応力ピークを回避する、または亀裂拡大を制限しなければならない。
【0003】
予め含浸した積層体によりもしくは繊維層状物(Fasergelege)の浸透により製造される繊維複合材のカバー層は、気密層に典型的に必要となる約20μmの層厚を少なくとも上回る溶射層の十分な固定を、追加の接着剤層を使用しなくても保証するために、一般には平滑とするべきである。
【0004】
したがって、一般的には、代替的方法により、例えば懸濁液塗布および相応する焼結技術により、増大した不規則な粗さを有する接着促進剤層を施す。
【0005】
しかしながら、このことは製造の費用、手間の増大を不都合なことに意味する。さらに、得られる粗さは使用する懸濁液特性によっていつも決定され、メゾスコピック的に均質である。
【0006】
基材の表面にサブマイクロメートル尺度でフラクタル幾何図形を得る代替法は、パルスレーザー線を用いる処理によってすでに示されている。
【0007】
したがって、米国特許第6120725号(特許文献1)は、レーザーによって複雑なプロフィルおよびサブマイクロメートル範囲の寸法を有する表面を得る方法を明示している。その際、複雑なプロフィルを、まず、異なるパラメータを有する多数の単純で規則的な正弦曲線に分解する。続いて、レーザー線を、マスクまたは他の光学的補助手段を用いて、基材の全表面にわたって適切に導き、アブレーションによって、それぞれ、基材の表面に、単純で規則的な正弦関数を描く。表面を多数回取り去ることにより、それぞれ異なる正弦関数を描くと、個々の曲線の重なりにより複雑な表面構造が生じる。
【0008】
さらに、DE102009051717A1(特許文献2)からは、被覆すべき加工品の表面を被覆前に粗面化する熱被覆法が開示されている。このために、レーザーを用いて、被覆すべき部品の表面に多数のミクロ構造エレメントを不規則に導入する。パルスレーザーを加工品の表面上へと導く。個々の照射パルスの時間的な重なりが増えることにより、および/または照射パルスエネルギーが同時に低下することにより、例えば粗面化すべき表面に生じる蒸気圧が低下しえ、その結果表面において統計学的に不規則な粗さが得られる。上記変化により、融蝕率には、部分的にアンダーカットも有して構造エレメントの深さ程度を(確率的に)変えるような影響を及ぼすべきである。
【0009】
EP2669040A1(特許文献3)には、セラミック、ガラス、炭素、ホウ素、ケイ素および複合素材の材料をナノ構造化する方法が記載されていて、この方法ではレーザー線の隣接する光点が隙間なく互いにぶつかるかまたは重なるようにして、パルスレーザーで1回または複数回表面を取り去るが、プロセスパラメータ間の予め定めた一定範囲の関係が守られている。
【0010】
前記の方法は、独立した接着促進剤層の使用が必要であり、かつしたがって状況に応じて成分の老化/劣化に不利になる付加的な熱処理の必要性があり、または前記表面構造化は、サブマイクロメートル尺度での面均質粗さを得ることに限定されている。
【0011】
使用する材料に関して固定も亀裂進行挙動も最適化した表面構造を得ることは、今まで公知の方法を用いると、多段階方法および費用、手間のかかるマスキングによってしか達成できない。
【0012】
その上さらに、面均質な粗さプロフィルを得ること、または一貫したレーザーパラメータを使用することは、殊に、被覆すべき面の領域で機械的および熱物理学的特性が変化する例えば繊維複合材のような元々不均質な基材または薄肉構造の場合には著しく制限される、したがって、均質な結果を得るためのレーザー加工のパラメータを局所的熱物理特性に適合させること、または取得すべき粗さプロフィルを基材の局所的熱機械特性に適合させることは有利であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6120725号
【特許文献2】DE102009051717A1
【特許文献3】EP2669040A1
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】X.H.Liu、M.W.Lane、T.M.Shaw、E.Simonyi、「Delamination in patterned films」、International Journal of Solids and Structures 44(2007)1706〜1718
【非特許文献2】Choi,S.R.、J.W.HutchinsonおよびA.G.Evans、Delamination of multilayer thermal barrier coatings.Mechanics of Materials、1999、31(7):431〜447頁
【非特許文献3】D.Y.You、X.D.GaoおよびS.Katayama、「Review of laser welding monitoring」、Science and Technology of Welding&Joining、2014年4月、DOI:10.1179/1362171813Y.0000000180
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
課題および解決
本発明の課題は、溶射層を引き続き施すために基材表面を構造化する方法を提供することであるが、この方法で、従来の既知の技術と比べて改善された基材と溶射層の固定を可能にし、さらに境界層の領域における応力ピークを回避することができ、もしくは亀裂拡大を制限することができる。
【0016】
さらに本発明の課題は、溶射層を引き続き施すために基材表面を構造化する方法を提供することであるが、この方法は、元々サブミリメートル範囲で不均質な基材表面の特性を考慮し、これに適合するミクロ構造化を生ずることができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の課題は、主請求項の特徴を有する基材表面を構造化する方法によって解決される。
【0018】
該方法の有利な形態は、従属請求項から明らかである。
【0019】
発明の対象
本発明の範囲において、強いレーザー線により基材表面を処理することによって、その上に溶射される層のための付着強さおよびサイクル性(Zyklierfaehigkeit)の直接改善された条件を有する、部分的に破壊的なマルチスケール表面構造がサブマイクロメートルおよびマイクロメートル尺度で得られることが突き止められた。
【0020】
流布している従来技術によれば、ナノ秒範囲でのレーザー線でのレーザー−穿孔/構造化の際の効率は、実質的に、その際に生じるプラズマもしくは蒸気により、蒸発もしくは溶融した材料部分が得られた窪みから直接どのくらい遠くまで放出されるかに影響される。したがって、レーザー出力密度が増えると、再凝縮を抑えるため、通常は融蝕率は過度に高まる。
【0021】
本発明は、材料を好ましくは融解し、かつレーザー誘導プラズマ噴出により当該レーザー位置の周囲で再凝縮もしくは分配し(レーザー線の受光点の周囲での隆起(Aufwurf))、したがってサブマイクロメートル尺度で不規則な粗さを得るように、プロセスパラメータ(例えば出力密度、パルス長、時間的および場所的重なり)を選択する限り、予熱しかつ部分的に融解した材料とパルスレーザー線との相互作用を他のやり方で有利に利用可能である、という考えを基礎としている。
【0022】
したがって、深いアブレーションが通常得られる場合に対してプロセスパラメータの必要な変化は、本発明によれば、
− より少ないパルス最大出力を選択し、
− 基材表面のより大きい範囲を融点近くまでゆっくりと加熱することを、
・ レーザー位置を空間的に近くすることおよび/または
・ レーザーパルスを時間的に近くすることおよび/または
・ パルス期間を増すこと
によってもたらすことを予定している。
【0023】
本発明の範囲において、選択したプロセスパラメータに応じて、一方ではどちらかといえば具象的なポット状の構造、他方ではどちらかといえば不規則な微細構造(カリフラワー状構造)を生成できることが突き止められた。これに関しては図1aおよび1bを参照されたい。これらを、互いにすぐ近くにまたは同時に重なって生成することができる。
【0024】
本発明ではまた、一方ではマイクロメートル尺度で表面を構造化するが、しかしこの構造化が同時にサブマイクロメートル尺度で他の構造により重なっているよう導くプロセスパラメータを提案する。この組み合わせは、このように処理した基材の表面と場合により引き続き施す溶射層との間の付着を改良するために特に有利である。
【0025】
サブマイクロメートル尺度での構造化とは、得られた構造がマイクロメートル未満から数(一桁の)マイクロメートルまでの寸法を有するエレメント(例えばくびれ部、突出部、粒子)を主に含むことを意味する。
【0026】
これまで既知の従来技術と区別して、このために、集束パルスレーザーを、例えばマスク、ブラインドまたは合成レンズのような他の光学的補助手段を用いずに狙いを定めて粗面化すべき基材の表面へ導くが、ドットパターンの自由に選択可能なドットに移動してレーザーで照射する。
【0027】
その際、表面上の典型的な集束レーザースポットの寸法は、10〜5000μm、好ましくは20〜100μmである。
【0028】
その際、基材として、例えば次の材料もしくは材料混合物を使用することができる:セラミック、無機ガラス、炭素、ホウ素またはケイ素、無機繊維および/または非繊維炭素、セラミックおよび/または炭素マトリックスを有する窒化ホウ素含有複合材、金属−セラミック複合材、あるいは金属および/または金属合金からなり、熱伝導性の炭素含有および/または窒化ホウ素含有粒子および/または繊維を有する複合材。
【0029】
好ましくは、本発明による方法において、20μm〜100μmまでのレーザー線直径で、基材の表面に、レーザー線直径の半分〜10倍の範囲の2つのドット間の間隔で、ドットに移動して照射する。有利には、基材の表面を、パルス長1ns〜1000ns、シーケンスそれぞれ5〜500パルスおよびパルス間隔50ns〜1sおよびパルス最大出力1kW〜100kWを有するパルスで照射する。
【0030】
変法によれば、例えば、ドットパターンの個々のドット(位置)を、それぞれ一定のパルス最大出力、パルス出力、パルス長、パルスシーケンスおよびパルス間隔のようなプロセスパラメータで、次々に照射することができる。
【0031】
さらなる変法は、ドットパターンの個々のドットに次々と移動するが、パルス最大出力、パルス出力、パルス長、パルスシーケンスおよびパルス間隔のようなプロセスパラメータをドットごとに個々に変えることができることを予定している。その際、付加的に、一つの位置で、パルス間隔を個々のパルスの間で変えることもできる。
【0032】
さらなる変法は、ドットパターンの少なくとも個々のドットに2回または複数回接近して照射することを予定しており、その際繰り返しのためのこの変法において固定した(同一の)プロセスパラメータも、ドットごとに可変のプロセスパラメータも、選択することができる。
【0033】
融蝕構造化のために、選択的にかつより高い効率/より高い幾何学的精度で、fsおよびps範囲のパルス長で100W〜10MWまでのパルス最大出力でパルスレーザーを使用することもできる。基材の予熱は、選択的に、出力が僅かで充分である限り、msの範囲でおよびそれどころか「continuous wave」(cw、連続波)のパルス幅/パルス長でパルスレーザーを用いても可能である。これを、付加的な照射源として構造に組込むことができる。「隆起」による微細構造化は好ましくはnsレーザーによって達成できる。
【0034】
使用したレーザーの波長は基材材料の吸収特性に依存し、かつ得られる波長に関して十分に高い吸収率(例えば5%より大きい)を有するレーザーを当業者は相応して選択することができる。
【0035】
レーザー断面は、まず、得られるアブレーション構造の寸法(本質的に焦点直径より小さくない)に関してのみ重要である。さらに、面に関する強度はとりわけ重要である。
【0036】
その際、高いパルス最大出力もしくは高い照射強度は、十分に高い強度において吸収確率が多重励起によって高まるという作用を有し、したがって熱入力は表面近くの境界層に限定されたままである。
【0037】
パルス長を高めることは、レーザーエネルギーがより長い時間空間にわたって運び込まれるという作用を持ち、したがって隣接する容量への並行する熱放散によって処理箇所での温度上昇は減少する。
【0038】
それに対して、例えば10パルスのより短いシーケンスは、例えば500パルスのより長いシーケンスと比べて、まず第一に、高エネルギー量を材料に運び込むことに作用し、したがってより多い容量もしくは隣接する領域を熱放散により融点近くまでまたはそれ以上に温めることができる。
【0039】
パルス間隔の選択は、さらなる照射パルスにより場合により温度を再び上げない限り、照射した材料が熱放散によりエネルギーをその周囲に放出し、冷却しうるまでの程度に影響する。
【0040】
より長いパルス間隔および特に好ましくは多数回照射は、高いパルス出力もしくはns範囲でのパルス長でもサブマイクロメートル範囲の僅かな構造割合で主に融蝕挙動を達成できるように有利に作用する。
【0041】
したがって、要求に応じて当業者は記載した変法から選択することができ、かつプロセスパラメータ、例えばパルス最大出力、パルス出力、焦点直径、パルス長および/またはシーケンスおよび/またはパルス間隔を的確に調節することにより、得られる表面構造に影響を及ぼすことができる。
【0042】
この的確な措置は、衝突するレーザー線によりアブレーションした基材の材料が、少なくとも部分的に、レーザー線領域の外で再び析出しうるという利点を有する。このことは、粗さのさらなる増大を有利に導く。さらに、このやり方で、サブマイクロメートル尺度での構造化と並んで明らかにより大きな尺度、例えばミリメートル範囲での更なる構造化も、有利にはサブマイクロメートル尺度での構造化と重なって、生成されることが確実になりうる。
【0043】
文献[1](非特許文献1)から、不均質なまたは構造化した基材上での接着メカニズムおよび許容可能な応力状態(Spannungszustand)が規則的に同様に類似した形で不均質であることが既知であり、それゆえに、下に存在する基材の固有構造への界面構造の適合は意味があるであろう。本質的に影響が大きいのは、材料−および組織特性、例えば弾性特性値、破壊靱性、多孔度、繊維配向および積層厚さである[2](非特許文献2)。
【0044】
したがって、一方で、基材表面の垂直方向粗さが要求される変化を生ずるために適している方法が必要になる。プラズマスプレー(PS)を介して製造した層のために、必要とされる粗さは、通常サブマイクロメートルから数10マイクロメートルまでの範囲にある。
【0045】
他方で、この方法は、基材表面の下に存在する固有の構造変動に応じて、匹敵する局所的分解能でプロセスパラメータを適合させるために、有利に適しているべきである。繊維複合材中の固有の構造変動の典型的寸法は、複合材において使用した部材の寸法から直接導き出される(例えば、単一繊維の断面は典型的に5μm〜40μmまでの範囲、繊維束の断面は典型的に50μm〜500μmまでの範囲、積層における層間間隔は典型的に100μm〜1mmまで)。したがって、生成すべき表面トポグラフィーは、表面均質的でも統計学的でもないものとして記載される。
【0046】
その点で、表面を構造化するための本発明による方法は、不均質な基材、例えば繊維を含む基材の表面を構造化するのに特に好ましく適している。
【0047】
この種の基材のために重要であるのは、ここではとりわけ例えばAl、ZrO、ケイ酸塩、SiC、炭素、鉄、Niを基礎とする合金などのような基礎材料もしくはマトリックス中の密度/多孔度および繊維密度である。これらの局所で変化する原材料パラメータは、構造化すべき領域の光学的吸収特性、熱伝導性/熱拡散性ならびに熱容量に重大な影響を及ぼす。
【0048】
さらに、マトリックス表面層の層厚もしくは表面に対する繊維束の間隔は、基材の機械的特性およびしたがって生成すべき表面トポグラフィーの選択を決定する本質的なパラメータである。
【0049】
本発明による方法では、適合する組み合わせで、僅かなパルス最大出力での長いおよび/または反復的照射により不規則な表面構造をサブマイクロメートルから数マイクロメートルのプロフィル深さの領域で生成するために、あるいは同じ(ns)レーザー、またはより短いパルスであるが明らかにより高いパルス最大出力のさらなるレーザー源を用いたアブレーション加工により、亀裂拡大(Buckling delamination)を最適に制限するための比較的大きな構造を生成するために、nsパルスレーザー加工の領域での熱放散の本質的な影響が有用になる。
【0050】
典型的に、高い繊維密度または基材表面の下に密に延びる繊維を有する基材領域において、主に(多孔性の)マトリックスが表面近くに存在している領域におけるよりもより高い熱伝導性が観察される。
【0051】
したがって、一般に、僅かな繊維割合を有するおよび/または深くにある繊維を有する、すなわち主に多孔性のマトリックスを有する基材表面の領域では、境界層においてより大きな基材領域を限定されたレーザー最大出力および「スプラッシュ(Splaschen)」で加熱することを達成することは、より高い繊維密度もしくは表面近くに延びている繊維を有するこのような領域におけるよりも、より容易にもしくは迅速に可能である。
【0052】
したがって、いわゆるカリフラワー構造を得ることは、このような領域のために、ns範囲での僅かなおよび/またはより短いパルスを用いて可能である。
【0053】
したがって、基材の表面構造に適合した構造化を有利に可能にするために、ドット間隔に関する変化を特に好ましく可能にする方法が必要である。
【0054】
さらに、このような表面に適応する構造化のための本発明による方法は、本来の構造化の前に、レーザーを用いて、基材表面の分析を行うことを予定しており、したがって、プロセスパラメータの変化を表面状態に応じて好ましく行う。特に好ましくは、その際、繊維の存在、その配向、マトリックス中のその割合および表面に関するその位置を考慮しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0055】
特別な記載部分
本発明を、次にいくつかの有利な実施例および図によって詳しく説明するが、これは保護範囲を限定するものではない。被覆の専門家は、被覆すべき基材の所望の粗面化/構造化のために必要とされる本発明による方法のための相応するパラメータを、そこから容易に推測できる。
【0056】
A.予備調査:
複合体である酸化物セラミック繊維/酸化物セラミックマトリックス(Al/ZrOからなるマトリックス中のAl繊維)の未処理でかつレーザー線のために使用できる表面を、何らかの前処理なしに、波長1062nmのパルスファイバーレーザーで、周囲環境、周囲圧力および周囲温度で処理した。
【0057】
このために、一方で、
・ 2つのドット間の間隔がそれぞれ少なくとも200μmの自由に選択したドットパターンの位置に、
・ パルスレーザー線で、
・ 40μmの焦点直径で、
・ 200nsのパルス長で、
・ 約15kWのパルス最大出力で、
・ それぞれ50パルスのシーケンスで、
・ 1/f=1/20kHz=50nsのパルス間隔で
構造が得られたが、これは、それぞれ直径約45μmおよび深さ70μmの規則的なポットプロフィルならびにサブマイクロメートルから数マイクロメートルまでの高さの不規則な隆起を有する、取り囲む領域からなる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1aおよび1bは、得られたポットプロフィルを、平面図(1a)でならびにプラズマ溶射により製造したYからなるカバー層と一緒になった断面(1b)で示す。
【0059】
他方で、さらなる未処理試料において、
・ 2つのドット間の間隔が典型的には30μmの自由に選択したドットパターンの位置に、
・ パルスレーザー線で、
・ 40μmの焦点直径で、
・ 50nsのパルス長で、
・ 約15kWのパルス最大出力で、
・ それぞれ500パルスのシーケンスで、
・ 1/f=1/20kHz=50nsのパルス間隔で
カリフラワー状の構造が生成されたが、これは、サブマイクロメートルから数マイクロメートル範囲の高さで下部構造を有する完全に不規則なプロフィルからなる。
図2aおよび2bは、相当する構造を、平面図(2a)でならびにプラズマ溶射により製造したYからなるカバー層と一緒になった断面(2b)で示す。
【0060】
B.実施例
1.基材としての複合体である酸化物セラミック繊維/酸化物セラミックマトリックス(Al/ZrOからなるマトリックス中のAl繊維)の未処理でかつレーザー線のために使用できる表面を、何らかの前処理なしに、波長1062nmのパルスファイバーレーザーで、周囲環境、周囲圧力および周囲温度で処理した。
【0061】
このために、取り囲む基材の表面に、
・ 自由に選択したドットパターンの位置に、それぞれ少なくとも30μm間隔で、
・ パルスレーザー線で、
・ 40μmの焦点直径で、
・ 50nsのパルス長で、
・ 約15kWのパルス最大出力で、
・ それぞれ500パルスのシーケンスで、
・ 500msより大きいパルス間隔で
構造が生成されたが、これは、それぞれ、斜めに上昇する縁を有する規則的なプロフィルおよび数マイクロメートルまでの幅の範囲でのプロフィル先端からなる。プロフィルの深さは、一般に30〜50μmである。この構造化の結果を、図3aおよび3bに示す。
【0062】
2.基材としての複合体である酸化物セラミック繊維/酸化物セラミックマトリックス(Al/ZrOからなるマトリックス中のAl繊維)の未処理でかつレーザー線のために使用できる表面を、何らかの前処理なしに、波長1062nmのパルスファイバーレーザーで、周囲環境、周囲圧力および周囲温度で処理した。
【0063】
このために、基材の表面上に、
・ それぞれ30μm間隔を有する自由に選択したドットパターンの位置に、
・ パルスレーザー線で、
・ 40μmの焦点直径で、
・ 50nsのパルス長で、
・ 約15kWのパルス最大出力で、
・ それぞれ500パルスのシーケンスで、
・ 50ns〜1sまでのパルス間隔で、
・ 時間をずらして/交替して/交互に照射した/移動した位置で
構造が得られたが、これは、それぞれ、直径約30μmおよび深さ10〜40μmまでのポットプロフィルからなり、ならびにサブマイクロメートルから数マイクロメートルまでの高さの範囲で様々に明らかにくっきりとした不規則な微細構造を有する。この本発明によるサブマイクロメートルおよびマイクロメートル構造化の結果を図4a〜4dに示す。
【0064】
3.複合体である酸化物セラミック繊維/酸化物セラミックマトリックス(AlおよびZrOからなるマトリックス中のAl繊維)の未処理でかつレーザー線のために使用できる表面を、何らかの前処理なしに、波長1062nmのパルスファイバーレーザーで、周囲環境、周囲圧力および周囲温度で処理した。
【0065】
このために、基材の表面に、
・ それぞれ少なくとも30μm間隔を有する自由に選択したドットパターンの位置に、
・ パルスレーザー線で、
・ 50nsのパルス長で、
・ 約15kWのパルス最大出力で、
・ それぞれ50〜200までのパルスのシーケンスで、
・ 50ns〜1sまでのパルス間隔で、
・ 時間をずらして/交替して/交互に照射した/移動した位置で
構造を生じさせるが、これは、それぞれ、直径約30〜50μmまでおよび深さ10〜50μmまでのポットプロフィルからなり、ならびにサブマイクロメートルから数マイクロメートルまでの高さの範囲で様々に明らかにくっきりとした不規則な微細構造を有する。
【0066】
予め選択したドットパターンから生じる違いは、図5aおよび5bならびに5cおよび5dで認識されるが、5aおよび5bのためには50nsのパルス長および50パルスのパルスシーケンスで45μmのパターン間隔を選択したが、一方で5cおよび5dのためには50nsのパルス長および50パルスのパルスシーケンスで60μmのパターン間隔を選択した。
【0067】
「時間をずらして/交替して/交互に照射した/移動した位置」という表現は、この場合、例えばドットにおいては、50nsより大きいパルス間隔で、100kHzまでパルス率をもたらすことができるレーザーが、その間に他のドットに移動して照射しうることを意味していて、したがって、処理時間が節約され、かつ例えば1sパルス間隔で各50パルスでの100個のドットは100×50sの時間を必要とせず、有利には50.0001s(50s+100×50ns)だけである。
【0068】
まず基材の表面を分析し、次いでプロセスパラメータの選択を好ましくは基材表面の特性に応じて選択する本発明による実施例のために、図6a〜6cは、多孔性マトリックスを有するOx/Ox繊維複合体セラミックの典型的なミクロ構造を示す。繊維はこの場合にはAlを含み、一方でマトリックスはAl/ZrOを含む。図6cで、均一に灰色の環状の領域は繊維断面を意味し、灰色交じりの領域はマトリックスを意味し、暗い灰色の領域はマトリックス中の空洞を意味している。構造は、その際、さらに広い領域での基材表面に関する多孔度および繊維密度、同様に繊維位置および繊維深さに関して変動を有する。
【0069】
図7に、溶射したEBCセラミック層の層剥離を示しているが、この層剥離は異なる応力状態および接着を基礎として、高い/低い繊維密度もしくは高い/低い繊維深さを有する領域に成立した。ここでは溶射層を明るい灰色で示している。暗い灰色の領域は埋没材を示し、これは溶射層上にも、この溶射層と基材表面との間にも見られるが、そこで層剥離が起きた。左側では、まだマトリックスの残りが層剥離した溶射層に付着していることが分かる。
【0070】
図8aおよび8bには、試料を平面図(a)でもしくは断面(b)として示しているが、ここでは、表面プロフィルを有するカバーしているマトリックス層の、表面近くの厚くなった層厚を有する本発明による領域は、変化した(ここでは粗くなった)粗さプロフィルを備えた。表面近くに存在する繊維束を有する領域は、それに対応して、繊維を傷つけないために、有利には微細なサブマイクロメートル構造のみを備えた。
【0071】
基材表面の分析、特に好ましくは構造−もしくは材料変更と結び付いた熱伝導性の変化は、異なるやり方で行われてよい。例えば基材表面をサーモグラフィーを用いて分析し、そこで表面に光−または熱を負荷し、かつ少なくとも1つの光−または熱検知器が、例えばIRカメラを用いて表面から後方散乱した光または後方散乱した熱を検知することができる。サーモグラフィーは、その限りでは、対象もしくは構造の表面温度を表示するための画像を与える方法である。その際に、ドットから発せられる赤外線の強度をその温度の尺度として解釈する。こうして得られたデータの解明は、一方では使用した検知器に、また励起源、例えば集束レーザーにも依存する。
【0072】
図9aおよび9bでは、標準サーモグラフィーから得られる、繊維の配向、表面層厚ならびにカバーしたポート(Port)が認められる。
【0073】
さらなる適当な分析方法として、例えば空間分解音響分光法(SRAS=Spatially Resolved Acoustic Spectroscopy)が挙げられるが、ここでは光学的および音響学的像が表面の機械的特性を反映する。
【0074】
レーザー溶接の際の監視においてすでに示されている[3](非特許文献3)のと同様に、このような分析装置を、有利には構造化するためのレーザーと一緒に直接配置することができる。
【0075】
本明細書において引用した文献:
[1]X.H.Liu、M.W.Lane、T.M.Shaw、E.Simonyi、「Delamination in patterned films」、International Journal of Solids and Structures 44(2007)1706〜1718
[2]Choi,S.R.、J.W.HutchinsonおよびA.G.Evans、Delamination of multilayer thermal barrier coatings.Mechanics of Materials、1999、31(7):431〜447頁
[3]D.Y.You、X.D.GaoおよびS.Katayama、「Review of laser welding monitoring」、Science and Technology of Welding&Joining、2014年4月、DOI:10.1179/1362171813Y.0000000180
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
【手続補正書】
【提出日】2019年8月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強いパルスレーザー線で処理することによりサブマイクロメートル範囲の寸法を有する表面構造が得られる、基材上に構造化した表面を得る方法であって、
− 不均質な基材を使用し、かつ
− この方法においてまず基材の表面を分析し、プロセスパラメータである焦点直径、パルス最大出力、パルスエネルギー、ドット間隔、パルス長、パルス間隔および/またはパルスシーケンスを表面状態に応じて選択し、
− それによって、元々サブマイクロメートル範囲で不均質な基材表面の特性に適合したマルチスケール表面構造が、一部は融蝕処理および一部は析出処理によってサブマイクロメートルおよびマイクロメートル範囲で生成される、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
− 少なくとも1つの無機繊維および/または非繊維炭素、
− セラミックおよび/または炭素マトリックスを有する窒化ホウ素含有複合材、
− 少なくとも1つの金属−セラミック複合材、あるいは
− 熱伝導性の炭素含有および/または窒化ホウ素含有粒子および/または繊維を有する、金属および/または金属合金からなる少なくとも1つの複合材
を含む基材を使用する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
繊維を含む基材を使用し、繊維の存在、その配向、複合材中のその割合および表面に関するその位置に応じてプロセスパラメータを選択する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
20μm〜100μmまでのレーザービーム直径を有する集束レーザーを基材の表面に適用される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
基材の表面の自由に選択したドットパターンの位置に接近する際、レーザービーム直径の半分〜10倍の範囲の間隔でドットに接近する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
ドットを、1ns〜1000nsのパルス長、それぞれ50〜500パルスのパルスシーケンス、50ns〜1sのパルス間隔および1kW〜100kWのパルス最大出力で照射する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
基材表面を構造化するために、ドットパターンの個々のドットをレーザーで1回のみ照射する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
ドットパターンの各々のドットのために、自由に選択可能なパルス長を50ns〜200nsに調節する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
ドットパターンの各々のドットのために、自由に選択可能で、個々のパルス間で変更可能に調節されたパルス間隔を50ns〜1sに調節する、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
基材表面を構造化するために、ドットパターンの個々のドットを少なくとも部分的に多数回照射する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも部分的に酸化物層で覆われている表面を有する基材を使用する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
局所的に調節すべきプロセスパラメータを、基材表面のセンサデータの同時評価による処理に対して即座に選択する、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
【国際調査報告】