(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-526245(P2020-526245A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】手指関節リハビリ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20200803BHJP
【FI】
A61H1/02 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-568342(P2019-568342)
(86)(22)【出願日】2018年7月3日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月25日
(86)【国際出願番号】CN2018094197
(87)【国際公開番号】WO2019007312
(87)【国際公開日】20190110
(31)【優先権主張番号】201710552279.8
(32)【優先日】2017年7月7日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519437364
【氏名又は名称】北京恒通信佳科技発展有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519437375
【氏名又は名称】中山長曜医療器材有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】楊克強
(72)【発明者】
【氏名】冒真▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】山本圭治郎
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA09
4C046BB05
4C046DD03
4C046FF13
(57)【要約】
手指関節リハビリ装置を開示する。前記手指関節リハビリ装置は、示指関節リハビリ運動補助具と、中指関節リハビリ運動補助具と、薬指関節リハビリ運動補助具と、小指関節リハビリ運動補助具と、親指関節リハビリ運動補助具のうちの少なくとも1つと、少なくとも1つのベローズと、手首と手掌に固定される保護具と、を含む。前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具にはいずれも1つの前記ベローズが設置され、いずれも前記保護具に固定される。このようにして、手指関節リハビリ装置は手指関節リハビリ運動補助具におけるゴム部材を患者の手指に装着し、ベローズ内の空気圧を制御することにより、ベローズによってゴム部材を曲げたり、伸展させたりすると共に患者の手指を動し、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手指関節リハビリ装置であって、
示指関節リハビリ運動補助具と、中指関節リハビリ運動補助具と、薬指関節リハビリ運動補助具と、小指関節リハビリ運動補助具と、親指関節リハビリ運動補助具のうちの少なくとも1つと、
少なくとも1つのベローズと、
手首と手掌に固定される保護具と、
少なくとも1つの面ファスナーと、を含み、
前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具にはいずれも1つの前記ベローズが設置され、
前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具はいずれも前記面ファスナーを介して前記保護具に固定され、
前記ベローズは複数の山部と複数の谷部を交互に連結してなる中空なチューブであり、前記ベローズの末端の中央端面には前記ベローズよりも厚さが大きいボスが設置され、前記ベローズにおいて先端の最初セグメントと末端の最後セグメントはいずれも山部であり、先端の最初セグメントの山部と末端の最後セグメントの山部の幅はいずれも前記ベローズの厚さより大きく、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止することを特徴とする手指関節リハビリ装置。
【請求項2】
前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具はいずれもゴム部材と、少なくとも1つの小形ブラケットと、1つの中形ブラケットと、1つの大形ブラケットを含み、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットはいずれも前記ゴム部材に固定され、前記ゴム部材の先端には指袋が設置され、患者の手指を前記指袋に入れることができることを特徴とする請求項1に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項3】
前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットにはいずれも前記ベローズを固定する固定穴が設置されることを特徴とする請求項2に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項4】
前記指袋の先端には開口部を有し、患者の手指を外に伸ばすことができ、患者の手指の触感を向上させることを特徴とする請求項3に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項5】
前記ゴム部材には少なくとも4つの突出する円柱が設置され、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットにはいずれも前記円柱に嵌合される穴が設置されることを特徴とする請求項4に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項6】
前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットは前記ゴム部材に固定される時、前記小形ブラケットと前記中形ブラケットの間及び/又は前記中形ブラケットと前記大形ブラケットの間における前記ゴム部材には、前記ゴム部材の可撓性を向上させるために、リング形の穴が設置されることを特徴とする請求項5に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項7】
前記指袋には手指を支持するための平面が設置されることを特徴とする請求項6に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項8】
前記ベローズの末端の端面には面取り部が設置され、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止することを特徴とする請求項1に記載の手指関節リハビリ装置。
【請求項9】
前記ベローズの先端の端面には円弧面が設置され、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止することを特徴とする請求項8に記載の手指関節リハビリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節運動を支援する技術分野に関し、具体的に、手指関節リハビリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床的実証によれば、患者の四肢手術の術後、又は脳神経障害の早期リハビリテーション及び自然回復期間において、連続的な受動運動が行われることによって、患者の自発的運動の不足を解消してその身体活動度を向上させると共に、対応的な合併症を減少させることが可能である。また、現在の患者では、脳梗塞などの中枢神経障害により手指が麻痺して拘縮してしまった場合等に、患者の手指運動を支援することができれば、患者の手指の回復速度を速めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記欠陥に鑑み、本発明の発明者は長期間にわたる研究と実践の結果、本発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術欠陥を解決するために、本発明に係る技術的解決手段によれば、手指関節リハビリ装置を提供し、前記手指関節リハビリ装置は、示指関節リハビリ運動補助具と、中指関節リハビリ運動補助具と、薬指関節リハビリ運動補助具と、小指関節リハビリ運動補助具と、親指関節リハビリ運動補助具のうちの少なくとも1つと、少なくとも1つのベローズと、手首と手掌に固定される保護具と、少なくとも1つの面ファスナーと、を含み、前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具にはいずれも前記ベローズが設置され、前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具はいずれも面ファスナーを介して前記保護具に固定される。
【0005】
好ましくは、前記示指関節リハビリ運動補助具と、前記中指関節リハビリ運動補助具と、前記薬指関節リハビリ運動補助具と、前記小指関節リハビリ運動補助具と、前記親指関節リハビリ運動補助具はいずれもゴム部材と、少なくとも1つの小形ブラケットと、少なくとも1つの中形ブラケットと、少なくとも1つの大形ブラケットを含み、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットはいずれも前記ゴム部材に固定され、前記ゴム部材の先端には指袋が設置され、患者の手指を前記指袋に入れることができる。
【0006】
好ましくは、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットにはいずれも前記ベローズを固定するための固定穴が設置される。
【0007】
好ましくは、前記指袋の先端には開口部があり、患者の手指を外に伸ばすことができ、患者の手指の触感を向上させる。
【0008】
好ましくは、前記ゴム部材には少なくとも4つの突出する円柱が設置され、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットにはいずれも前記円柱に嵌合される穴が設置される。
【0009】
好ましくは、前記小形ブラケットと、前記中形ブラケットと、前記大形ブラケットは前記ゴム部材に固定される時、前記小形ブラケットと前記中形ブラケットの間及び/又は前記中形ブラケットと前記大形ブラケットの間における前記ゴム部材には、前記ゴム部材の可撓性を向上させるために、リング形の穴が設置される。
【0010】
好ましくは、前記指袋には手指を支持するための平面が設置される。
【0011】
好ましくは、前記ベローズは複数の山部と複数の谷部を交互に連結してなる中空なチューブであり、前記ベローズ末端の中央端面には前記ベローズよりも厚さが大きいボスが設置され、前記ベローズにおいて先端の最初セグメントと末端の最後セグメントはいずれも山部であり、先端の最初セグメントの山部と末端の最後セグメントの山部の幅はいずれも前記ベローズの厚さより大きく、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止する。
【0012】
好ましくは、前記ベローズ末端の端面には面取り部が設置され、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止する。
【0013】
好ましくは、前記ベローズ先端の端面には円弧面が設置され、前記ベローズ内の空気圧が低下する時、前記ベローズの末端と先端が内部へ陥入することを防止する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較すると、本発明の好適な効果は以下のとおりである。手指関節リハビリ装置は、手指関節リハビリ運動補助具におけるゴム部材を患者の手指に装着し、ゴム部材に固定された小形ブラケットと、中形ブラケットと、大形ブラケットでベローズを固定し、ベローズ内の空気圧を制御することにより、ベローズによってゴム部材を曲げたり、伸展させたりすると共に患者の手指を動し、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【0015】
本発明に係る各実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために使用される図面を簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】人体の手部の骨格構造について説明するための図である。
【
図3】手指関節リハビリ運動補助具のブロック図である。
【
図4】示指、中指、薬指、小指に装着される手指関節リハビリ運動補助具の構成図である。
【
図5】示指、中指、薬指、小指に装着されるゴム部材の正面図である。
【
図6】示指、中指、薬指、小指に装着されるゴム部材の裏面図である。
【
図10】親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具の構成図である。
【
図11】親指に装着されるゴム部材の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面に合わせ、本発明の上記及び他の技術的特徴及び利点をより詳細に説明する。
【0018】
[骨格構造]
本実施形態に係る関節運動アシスト装置を説明する前に、まず人体の手部の骨格構造について説明する。
【0019】
図1は手掌側から見た右手の骨格構造であり、手根骨には親指、示指、中指、薬指及び小指の「中手骨」が連結されている。親指の中手骨には「基節骨」と「末節骨」で構成される指骨が連結されている。親指については、指先の末節骨は「第1関節」により基節骨に連結され、該基節骨は「第2関節」により親指の中手骨に連結されている。
【0020】
また、示指、中指、薬指及び小指の中手骨のそれぞれには「基節骨」、「中節骨」及び「末節骨」で構成される指骨が連結されている。示指、中指、薬指及び小指については、指先の末節骨は「第1関節」により中節骨に連結され、該中節骨は「第2関節」により基節骨に連結されている。且つ、該基節骨は「第3関節」により中手骨に連結されている。更に、以下における説明において、末節骨を骨格とする手指の部位は「末節部位」と称され、中節骨を骨格とする手指の部位は「中節部位」と称される。また、基節骨を骨格とする手指の部位は「基節部位」と称される。更に「中手骨」を骨格とする部位は「中手部位」と称される。
【0021】
図2は、示指関節リハビリ運動補助具1と、中指関節リハビリ運動補助具1
1と、薬指関節リハビリ運動補助具1
2と、小指関節リハビリ運動補助具1
3と、親指関節リハビリ運動補助具2のうちの少なくとも1つと、ベローズ3と、面ファスナー4と、保護具5を含む手指関節リハビリ装置である。示指関節リハビリ運動補助具1
0と、中指関節リハビリ運動補助具1
1と、薬指関節リハビリ運動補助具1
2と、小指関節リハビリ運動補助具1
3の構造が同じであり、ベローズ3は各手指の関節リハビリ運動補助具に固定され、この5つの手指における関節リハビリ運動補助具はいずれも面ファスナー4を介して保護具5に固定され、保護具5はその上における面ファスナーを介して手掌と手首に固定される。
【0022】
[手指関節リハビリ運動補助具の構成]
図3は、ゴム部材11と、小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14を含む手指関節リハビリ運動補助具のブロック図である。小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14はいずれもゴム部材11に固定され、動力源であるベローズ3は小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14を介してゴム部材11に固定される。
【0023】
手指関節リハビリ運動補助具は各手指に装着できるが、各手指の長さと骨格構造が異なるため、各手指に装着されるゴム部材の構造と小形ブラケットの数が異なる。各手指の末節骨が短いため、小形ブラケット12でベローズを固定し、動力源であるベローズの作用下で手指の末節骨を動かし、小形ブラケット12のゴム部材における固定位置は手指の末節骨に対応し、示指、中指、薬指、小指はいずれも中節骨を有し、基節骨より中節骨が短いため、同様に小形ブラケット12で動力源であるベローズを固定して、ベローズがゴム部材から脱出し、ゴム部材を介して手指を動かすことができなくなることを回避し、小形ブラケット12のゴム部材における固定位置は手指中節骨中央に対応する。手は、5つの手指にいずれも基節骨があり、中節骨より基節骨が長く、動力源をよりゴム部材に接近させてゴム部材をより手指にフィットさせるために、親指に装着されるゴム部材における第1関節に近い基節骨の位置に中形ブラケット13を設置して動力源であるベローズを固定し、更に示指、中指、薬指、小指に装着されるゴム部材における第2関節に近い中節骨にいずれも中形ブラケット13を設置して動力源であるベローズを固定する。5つの手指に装着されるゴム部材のそれぞれ基節骨末端と中手骨に対応する位置にいずれも大形ブラケット14を設置して動力源を固定する。そうすることで、親指に装着されるゴム部材には1つの小形ブラケット12と、1つの中形ブラケット13と、1つの大形ブラケット14が設置され、他の4つの手指にはいずれも2つの小形ブラケット12と、1つの中形ブラケット13と、1つの大形ブラケット14が設置されることで、親指に装着されるゴム部材と他の4つの手指に装着されるゴム部材は、構造が異なる。
【0024】
[示指、中指、薬指、小指における手指関節リハビリ運動補助具の構成]
図4は、示指、中指、薬指、小指に装着でき、ゴム部材11と、小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14を含む、示指関節リハビリ運動補助具1と、中指関節リハビリ運動補助具1
1と、薬指関節リハビリ運動補助具1
2と、小指関節リハビリ運動補助具1
3である手指関節リハビリ運動補助具の構成図である。小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14はいずれもゴム部材11に固定される。
【0025】
ゴム部材11は患者の手指に装着でき、ゴム材料で製造され、特に医療用のシリコーンゴムが好ましく、該材料は可撓性が高く、患者の手指の異なる変形に良好に適することができ、
図5と
図6はそれぞれゴム部材11の正面と裏面であり、ゴム部材11の正面には小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14をゴム部材11に固定するための複数の突出する円柱111があり、突出する円柱111の数は小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14の総数と同じである。ゴム部材11の先端は指袋112を有し、指袋の先端が開口し、すなわち、ゴム部材11は開口端113を有し、患者の手指を指袋112に入れて開口端113から外に伸ばし、このように患者の手指は露出され、患者の手指の触感を向上させることができ、患者の手指リハビリテーションに役立つ。指袋112の指腹部と接触する箇所は手指を支持する1つの平面1121を有し、動力源によって手指を伸展させる時に手指を伸展状態に保持することができる。ゴム部材11において小形ブラケット12と中形ブラケット13の間及び/又は中形ブラケット13と大形ブラケット14の間にはリング形の開口部114が設置されることで、リング形の開口部114の周辺ゴム部材の可撓性を向上させ、患者の手指を曲げたり、伸展させたりする時、リング形の開口部114を備えるゴム部材11は患者の手指に緊密にフィットし、更に患者が手指関節リハビリ運動補助具による支援で受動動作をすることに役立ち、患者のリハビリテーションを容易にすることができる。ゴム部材11には更にゴム部材11を他のアシスト構造に固定する穴115が設置される。ゴム部材11の裏面の手指にフィットする曲面116の湾曲度が曲面117の湾曲度より大きく、容易に患者の手指に緊密にフィットすることができ、ゴム部材11は動力源の駆動によって屈曲や伸展する時に患者の手指を遅延なくそれと同期運動させることができ、他の補助具に固定連結するのに用いられる曲面117の湾曲度が小さい。
【0026】
図7、
図8と
図9はそれぞれ小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14の構成図であり、
図7において、小形ブラケット12は固定穴121を有し、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を固定穴121に入れることで動力源を固定し、穴122は円柱111に嵌合し、円柱111は穴122に挿通し、小形ブラケットはゴム部材11に固定され、
図8に示すように、中形ブラケット13の構造は小形ブラケット12と同じであるが、中形ブラケット13と小形ブラケット12がゴム部材11に固定される時、手指の長さ方向における中形ブラケット13の長さは小形ブラケット12の長さより大きく、中形ブラケット13にも固定穴131を有し、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を大きい穴131に入れることで動力源を固定し、穴132は円柱111に嵌合し、中形ブラケットはゴム部材11に固定され、
図9に示すように、大形ブラケット14は小形ブラケット12と中形ブラケット13と構造が異なり、大形ブラケット14の長さが長く、それには2つの円柱111に嵌合される穴141があり、大形ブラケット14をゴム部材11に容易に固定することができる。それには更に固定穴142が設置され、ゴム部材11を曲げたり、伸展させたりする動力源(例えば、ベローズ)を大きい穴142に入れることで動力源を固定し、穴143を介して大形ブラケット14、ゴム部材11と他の補助具を一体に固定する。
【0027】
小形ブラケット12と、中形ブラケット13と、大形ブラケット14を長時間に装着する必要があるため、その材質はいずれも軽量な材料、例えば、プラスチックなどの軽量材料である。
【0028】
示指、中指、薬指、小指における手指関節リハビリ運動補助具の構造が同じであるが、この4つの手指の長さによって、ゴム部材の長さ異なり、対応する円柱111の間の距離を調整することがある。
【0029】
該手指関節リハビリ運動補助具を動力源の作用下で曲げたり、伸展させたりすると共に、患者の手指を曲げたり、伸展させたりして、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【0030】
[親指における手指関節リハビリ運動補助具の構成]
親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具と他の手指における手指関節リハビリ運動補助具は、親指に装着されるゴム部材に小形ブラケットが固定されており、他の手指に装着されるゴム部材に2つの小形ブラケットが固定されている点で異なり、そのため親指に装着されるゴム部材は他の手指に装着されるゴム部材と技術的特徴が異なる。
【0031】
図10は、ゴム部材21と、小形ブラケット22と、中形ブラケット23と、大形ブラケット24を含む、親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具であり、前記小形ブラケット22と、中形ブラケット23と、大形ブラケット24はゴム部材21に固定され、動力源であるベローズ3は小形ブラケット22と、中形ブラケット23と、大形ブラケット24によって固定される。
【0032】
図11は親指に装着されるゴム部材21であり、親指は末節骨、基節骨と中手骨という3つの関節しか有せず、末節骨が短いので、ゴム部材21には小形ブラケット22で動力源(ベローズ)を固定し、一方、基節骨と中手骨が比較的長く、親指の第1関節に近い基節骨に対応するゴム部材の位置に中形ブラケット23を設置して動力源(ベローズ)を固定し、基節骨末端と中手骨に対応するゴム部材21の位置に大形ブラケット24を設置して動力源(ベローズ)を固定し、また、親指に装着されるゴム部材21には4つの突出する円柱211(円柱111と同じである)が設置され、それぞれ小形ブラケット22と、中形ブラケット23と、大形ブラケット24を固定するのに用いられ、このようにして、短い末節骨に対応するゴム部材に長さが小さい小形ブラケットを設置し、長い基節骨と中手骨に対応するゴム部材の位置にはそれぞれ中形ブラケット23と、大形ブラケット24が設置され、動力源をゴム部材に更にフィットさせ、更にゴム部材の変形を制御することに役たち、ゴム部材は手指にフィットし、よって動力源(ベローズ)で手指の屈曲と伸展を制御する。ゴム部材21において小形ブラケット22と中形ブラケット23の間及び/又は中形ブラケット23と、大形ブラケット24の間にはリング形の穴214(リング形の穴114と同じである)が設置され、他の手指に装着されるゴム部材11には、部材を患者の手指にフィットさせるために、3つのリング形の穴が開設される。ゴム部材21にも、先端に開口部213を備える指袋212が設置され、患者の手指を指袋212に入れ、指先を開口部213から外に伸ばし、手指は露出され患者の手指の触感を向上させることに役たち、患者のリハビリテーションに有益である。同様に、ゴム部材21には穴215が設置され、穴215を介してゴム部材21は他の補助具に一体に固定される。親指に装着される小形ブラケットと、中形ブラケットと、大形ブラケットの構造及び大きさはいずれも他の手指に装着されるものと同じである。
【0033】
このようにして、親指に装着される手指関節リハビリ運動補助具を動力源の作用下で曲げたり、伸展させたりすると共に、患者の手指を曲げたり、伸展させたりして、患者のリハビリトレーニングを支援する。
【0034】
[ベローズの構成]
図12は、小形ブラケットと、中形ブラケットと、大形ブラケットを介して各手指に装着される関節リハビリ運動補助具におけるゴム部材に固定されるベローズの構成図であり、ベローズが中空でであり、ベローズに空気を入れたり、引き抜いたりすることでベローズ内の空気圧を制御し、ベローズを伸展させたり、圧縮したりするように動作させ、従ってリハビリ運動を必要とする骨格はベローズの伸展と圧縮動作に駆動されて受動的に運動する。ベローズの材質は高圧ポリエチレン(HDPE)又はエチレン(EVA)である。
【0035】
図13はベローズの断面図であり、図から分かるように、ベローズは山部と谷部で交互に構成されるフレキシブルなチューブであり、各山部の頂角eと谷部の底角fが等しいため、2つの山部の同じ方向における辺gとhが平行で、角eと角fが90度となる時、ベローズの圧縮特性と引張特性が同等になる。角eと角fがいずれも鋭角である時、角eと角fが鋭角から平角に伸展する場合、その伸展空間が大きくなるが、伸展抵抗力も非常に大きくなり、ベローズの材質や伸展角度が大きすぎることにより、角eと角fが平角となる時にベローズが元の状態に戻れない現象が生じ、逆に、ベローズを圧縮する場合、角eと角fが圧縮で鋭角から0度角に比較的変わりやすく、1つの山部と2つの谷部で囲まれた三角形において、頂角の山部が鋭角であるため、この三角形の頂角の剛性が小さく、2つの谷部が比較的圧縮されやすくなり、この時、圧縮特性は引張特性より大きい。角eと角fがいずれも鈍角である時、角eと角fが鈍角から平角に比較的変わりやすく、1つの山部と2つの谷部で囲まれた三角形において、頂角の山部が鈍角であるため、この三角形の頂角の剛性が大きく、2つの谷部が圧縮されにくくなり、この時ベローズの引張特性は圧縮特性より大きい。本発明において、患者の骨格が屈曲や変形して伸展することができない場合、屈曲状態から伸展状態にする必要があり、ベローズの動作状態は元の屈曲状態から圧縮状態に変わり、ベローズの圧縮特性が引張特性より大きいことが期待される。
【0036】
図13において、角eと角fがいずれも鋭角であり、ベローズの圧縮特性は引張特性より大きく、患者の四肢が屈曲状態から伸展する場合に適用される。山部と谷部の間の高低差、すなわち、波高さiが大きくなるほど、ベローズの圧縮特性が良くなるが、ベローズの外径Dが変化せず一定である時、波高さiが大きくなるほど、内径dが小さくなり、ベローズの空気充填量に影響を与える。ベローズの厚さtの数値が大きすぎると、その伸展と圧縮特性に影響を与え、厚さtはベローズが受ける空気圧に関連し、空気圧が大きくなるほど、厚さtが大きくなり、
図2において、手指運動を支援するベローズの厚さは0.5ミリメートルである。
【0037】
ベローズが圧縮される時に、すなわち、ベローズ内の空気圧が低くなる時、ベローズの両端が内部へ陥入することを防止するために、ベローズの両端で強度補強処理を行い、末端の底部中央に厚さが1であるボスを追加し、最後セグメントの山部の幅をtからkに増加させ、端面に面取り部mを増設することによって、ベローズ末端の強度を向上させ、ベローズ内の空気圧が低い時でも、ベローズの末端が内部へ陥入し、使用効果に影響を与えることはない。ベローズ先端の最初セグメントの山部の幅をtからkにも増加させ、端面においては円弧面を追加することによって、ベローズ内の空気圧が低くなっても、ベローズの先端が内部へ陥入しない。
【0038】
当然、ベローズは更に他の場合に応用することができ、例えば、患者の硬直状態から屈曲状態へのトレーニング、腰部、腿部と腕部の関節リハビリトレーニングを支援し、この時のベローズの直径、厚さ、長さは応用状況によって異なることがある。
【0039】
[面ファスナーの構成]
図14は、ゴム部材の下面に配置される面ファスナー4の構成図であり、大形ブラケットはゴム部材11又は21の上面に載置され、大形ブラケットにおける穴141、面ファスナーにおける穴41、ゴム部材11における穴115又はゴム部材21における穴215を介して三者を一体に固定し、面ファスナー4の正面は非粘性であり、ゴム部材に接着するように固定されるものではなく、面ファスナー4の裏面は接着性を有し、保護具5に接着され、面ファスナーの保護具5における位置を調節することができ、よって異なる人の手に適することができる。
【0040】
[保護具の構成]
保護具5は、
図15から
図17に示すように、手掌と手首位置に装着され、
図15は保護具が巻き取られる時の状態であり、親指は穴51から張り出し、
図16と
図17はそれぞれ保護具5が展開される時の正面と裏面という2つの状態であり、正面には面ファスナー52があり、保護具が巻き取られた時に面ファスナー52は保護具表面に接着され、縛られて固定される。保護具の一端には硬質のシート53が嵌設され、保護具が巻き取られて手掌と手首に縛られる時に操作しやすく、縛りのタイトネスを増加させる。硬質のシートは鋼板、アルミニウムシートなどの硬質の構造であってもよい。端部54は一定の湾曲度を有し、端部54における面ファスナーが保護具に接着される時、示指運動補助具1と保護具5の接着に影響を与えないように接着位置を親指に接近させる。箇所55の幅が大きいため、端部56の幅が減少し、容易に親指運動補助具2を保護具5に接着させることができる。保護具5は、患者が長時間に装着するために、通気性や耐汚れ性及び携帯性が要求される。また保護具5は装着の利便性のため、強い弾性や可撓性が要求される。保護具5の表面は5つの手指の手指運動補助具を容易に固定することができるために、面ファスナーに接着される。保護具5の材質は撥水性と弾性のある複合フランネレットであってもよく、保護具特性を満たす他の材質も使用できる。
【0041】
使用時、まず保護具5を手掌と手首に装着し、その後それぞれ5指運動補助具を装着して接着し、5指運動補助具を他の装置に連結し、ベローズ内の空気圧を制御し、ベローズを曲げたり、圧縮したりすると共に、患者の手指を動かしてリハビリトレーニングを行い、患者のリハビリテーションを支援する。
【0042】
患者は手指の麻痺状況に基づいて手指運動補助具を装着することができ、麻痺又は変形がない手指に装着しなくてもよく、伸展ができない手指のみに装着するだけでよい。
【0043】
ベローズ内の空気圧を制御する装置はあらゆる吸気、圧縮と排気を完了可能な装置、例えば、電動エアポンプ、手動エアポンプ、足動エアポンプなどである。
【0044】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明に対して例示的なものに過ぎず、限定するためのものではない。本発明の請求項に限定される趣旨と範囲内において多くの変形や修正、ひいては等価物による置換が可能であるが、いずれも本発明の保護範囲に含まれることは、当業者に理解されたい。
【国際調査報告】