特表2020-526350(P2020-526350A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-526350(P2020-526350A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】医療用鉗子
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/06 20060101AFI20200803BHJP
   A61B 17/29 20060101ALI20200803BHJP
【FI】
   A61B10/06
   A61B17/29
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-502382(P2020-502382)
(86)(22)【出願日】2019年5月10日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月17日
(86)【国際出願番号】CN2019086386
(87)【国際公開番号】WO2019223554
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】201810517098.6
(32)【優先日】2018年5月25日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518211624
【氏名又は名称】安瑞医療器械(杭州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】張 融南
(72)【発明者】
【氏名】王 礼明
(72)【発明者】
【氏名】雷 達
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160GG26
4C160GG28
4C160MM32
(57)【要約】
本発明に係る医療用鉗子は、ハンドルと、牽引ロープと、弾力性ホースと、カップ台と、プッシュプルロッドと、接続片と、鉗子カップとを含む。前記弾力性ホースがカップ台に接続される。弾力性ホースとカップ台の内部に穿設された前記牽引ロープの一端がハンドルに接続され、他端がプッシュプルロッドに接続される。2つのニッパの中間部分がヒンジ接続軸を介してヒンジ接続され、かつ当該ヒンジ接続軸が鉗子台に取り付けられる。前記ニッパの下部が接続部材の一端にヒンジ接続され、接続部材の他端がプッシュプルロッドにヒンジ接続される。プッシュプルロッドには、交差して設けられた2つの接続部材にそれぞれヒンジ接続するための2つのヒンジ接続中心を有する。本発明は、プッシュプルロッドにデュアルヒンジ接続中心構造が用いられる。このように、ニッパと接続部材とプッシュプルロッドによって、交互になる5棒リンク機構を構成するため、鉗子を自由にフィードすることを保証すると同時に鉗子の咬合力を強化し、生検鉗子で組織を噛み切る効率と正確性を向上させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、牽引ロープと、外部スリーブ(5)と、鉗子台(4)と、プッシュプルロッド(3)と、2つの接続部材(2)と、2つのニッパ(1)とを含み、
前記外部スリーブ(5)が鉗子台(4)に接続され、
外部スリーブ(5)と鉗子台(4)の内部に穿設された前記牽引ロープの一端がハンドルに接続され、他端がプッシュプルロッド(3)に接続され、
2つのニッパ(1)の中間部分がヒンジ接続軸を介してヒンジ接続され、かつ当該ヒンジ接続軸が鉗子台(4)に取り付けられ、
前記ニッパ(1)の下部が接続部材(2)の一端にヒンジ接続され、接続部材(2)の他端がプッシュプルロッド(3)にヒンジ接続される医療用鉗子において、
上部にヒンジ接続ヘッダ(31)が設けられたプッシュプルロッド(3)には、交差して設けられた2つの接続部材(2)にそれぞれヒンジ接続するための2つのヒンジ接続中心を有し、
前記2つのヒンジ接続中心は、ヒンジ接続ヘッダ(31)の左右両端にそれぞれ設けられ、
当該ヒンジ接続ヘッダ(31)は、当該2つのヒンジ接続中心を介して2つの接続部材(2)にそれぞれヒンジ接続されることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用鉗子において、
プッシュプルロッド(3)の2つのヒンジ接続中心の接続線cの長さは、0.2mm〜3mmであることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項3】
請求項2に記載の医療用鉗子において、
同一のニッパ(1)の2つのヒンジ接続中心の接続線をa、同一の接続部材(2)の2つのヒンジ接続中心の接続線をb、互いにヒンジ接続された1つのニッパ(1)と1つの接続部材(2)でaとbのなす角度をα、互いにヒンジ接続された1つの接続部材(2)とプッシュプルロッド(3)でbとcのなす角度をβとすると、2つのニッパ(1)が咬合した際に、βは、40°〜80°であり、αは、90°〜180°であることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用鉗子において、
aの長さは、0.5mm〜20mmであり、bの長さは、0.5mm〜20mmであることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項5】
請求項1に記載の医療用鉗子において、
前記鉗子台(4)の前後両側から2つの支持片(41)が上へ延伸して形成され、前記支持片(41)には、ヒンジ接続軸を設けるための第1ヒンジ接続孔(42)が空けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項6】
請求項5に記載の医療用鉗子において、
前記2つのヒンジ接続中心は、ヒンジ接続ヘッダ(31)の左右両端にそれぞれ設けられた2つの第2ヒンジ接続孔(32)であり、
接続部材(2)は、第2ヒンジ接続孔(32)を介してプッシュプルロッド(3)にヒンジ接続されることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項7】
請求項1に記載の医療用鉗子において、
前記ニッパ(1)は、開口部(11)と短手ヒンジ接続片(12)と長手ヒンジ接続片(13)とを含む鉗子カップであり、
前記短手ヒンジ接続片(12)は、開口部(11)の下部の前側から下へ延伸して形成され、
前記長手ヒンジ接続片(13)は、開口部(11)の下部の後ろ側から下へ延伸して形成され、
かつ短手ヒンジ接続片(12)と長手ヒンジ接続片(13)の間に隙間が設けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項8】
請求項1に記載の医療用鉗子において、
前記接続部材(2)の側面の両端には、それぞれヒンジ接続柱(21)が設けられ、
接続部材(2)の両端は、円弧コーナーを呈し、かつ接続部材(2)の両端の円弧コーナーの半径が異なり、
2つの接続部材(2)は、プッシュプルロッド(3)の前後両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【請求項9】
請求項1に記載の医療用鉗子において、
前記接続部材(2)の成型工程は、機械加工、エッチング、プレス加工または粉末冶金であり、
前記プッシュプルロッド(3)の成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であり、
前記鉗子台(4)の成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であることを特徴とする医療用鉗子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器械に関し、特に内視鏡の使用時に用いられる医療用鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡およびその他の関連技術の急速な発展につれて、がん疾病が頻発する今では、内視鏡の使用時に生検鉗子を利用して生体組織をサンプリングし、スライシングおよび病理的分析を行うことは、とりわけ重要なことになる。
【0003】
現在、内視鏡の使用における生体組織サンプリング分野に存在する生検鉗子は、4棒リンク構造やワイヤフック構造、またはその他の類似な構造のいずれも往々に咬合力が不十分であり、組織を噛み切って鉗子カップを閉じる際に、引き裂かれて出血し、後に止血治療が必要となるため、手術時間および治療費用の増大とともに、患者に苦痛を与える。
【0004】
従来の構造では、ハンドルでフィードし、鉗子ヘッダアセンブリのプッシュプルロッドまでフィード力を牽引ロープによって伝達し、さらに鉗子カップを開閉させる。従来の鉗子ヘッダアセンブリの主な構造は、鉗子カップと、カップ台と、接続片と、プッシュプルロッドである。プッシュプルロッドは、単一孔であり、接続片は、左右から1枚ずつプッシュプルロッドの孔に接続される。
【0005】
従来の構造では、鉗子カップの開閉中に、プッシュプルロッドが1つのヒンジ接続中心しかない単一孔のプッシュプルロッドであるため、鉗子カップの咬合時に4棒リンク機構の「デッドポイント」位置に近く、伝動角度が小さいため、順調にフィードすることに影響を与えると同時に、ハンドルから鉗子カップに伝達される咬合力を大幅に減少させ、生検鉗子の性能に直接的に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術問題を解決するために、本発明の目的は、咬合力が強く、より自由に使用できる医療用鉗子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
【0008】
1種の医療用鉗子は、ハンドルと、牽引ロープと、外部スリーブと、鉗子台と、プッシュプルロッドと、2つの接続部材と、2つのニッパとを含む。前記外部スリーブが鉗子台に接続される。外部スリーブと鉗子台の内部に穿設された前記牽引ロープの一端がハンドルに接続され、他端がプッシュプルロッドに接続される。2つのニッパの中間部分がヒンジ接続軸を介してヒンジ接続され、かつ当該ヒンジ接続軸が鉗子台に取り付けられる。前記ニッパの下部が接続部材の一端にヒンジ接続され、接続部材の他端がプッシュプルロッドにヒンジ接続される。当該医療用鉗子において、プッシュプルロッドには、交差して設けられた2つの接続部材にそれぞれヒンジ接続するための2つのヒンジ接続中心を有することを特徴とする。
【0009】
プッシュプルロッドの2つのヒンジ接続中心の接続線cの長さは、0.2mm〜3mmであることが好ましい。このように、鉗子に最大の咬合力を有することを保証し、自由にフィードできることを保証する。
【0010】
同一のニッパの2つのヒンジ接続中心への接続線をa、同一の接続部材の2つのヒンジ接続中心の接続線をb、互いにヒンジ接続された一方のニッパと1つの接続部材とでaとbとのなす角度をα、互いにヒンジ接続された1つの接続部材とプッシュプルロッドとでbとcとのなす角度をβとすると、2つのニッパが咬合した際に、βは、40°〜80°であり、αは、90°〜180°であることが好ましい。このように、鉗子に最大の咬合力を有することを保証し、自由にフィードできることを保証する。
【0011】
aの長さは、0.5mm〜20mmであり、bの長さは、0.5mm〜20mmであることが好ましい。2つのニッパが開くと、αは、1°〜180°であり、βは、1°〜90°である。2つのニッパのaの長さは、同じであってもよく異なっていてもよく、2つの接続部材のbの長さは、同じであってもよく異なっていてもよく、cは、プッシュプルロッドの移動方向に対し垂直であってもよく一定の角度を為してもよい。鉗子が真ん中で咬合することを必要とすると、2つのニッパのaの長さは、同じであり、2つの接続部材のbの長さも同じであり、cは、プッシュプルロッドの移動方向に対し垂直である。
【0012】
前記プッシュプルロッドの上部に2つの第2ヒンジ接続孔が離間して設けられ、接続部材が第2ヒンジ接続孔を介してプッシュプルロッドにヒンジ接続することが好ましい。
【0013】
前記プッシュプルロッドの上部にヒンジ接続ヘッダが設けられ、2つの第2ヒンジ接続孔がヒンジ接続ヘッダの左右両端にそれぞれ設けられることが好ましい。
【0014】
前記ニッパは、開口部と短手ヒンジ接続片と長手ヒンジ接続片とを含む鉗子カップであり、前記短手ヒンジ接続片は、開口部の下部の前側から下へ延伸して形成され、前記長手ヒンジ接続片は、開口部の下部の後ろ側から下へ延伸して形成され、かつ短手ヒンジ接続片と長手ヒンジ接続片の間に隙間が設けられていることが好ましい。
【0015】
前記接続部材の側面の両端には、それぞれヒンジ接続柱が設けられ、接続部材の両端は、円弧コーナーを呈し、かつ接続部材の両端の円弧コーナーの半径が異なり、2つの接続部材は、プッシュプルロッドの前後両側にそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0016】
前記鉗子台の前後両側から2つの支持片が上へ延伸して形成され、前記支持片には、軸を設けるための第1ヒンジ接続孔が開けられていることが好ましい。
【0017】
前記接続部材の成型工程は、機械加工、エッチング、プレス加工または粉末冶金であり、前記プッシュプルロッドの成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であり、前記鉗子台の成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプッシュプルロッドにデュアルヒンジ接続中心構造が用いられる。このように、ニッパと接続部材とプッシュプルロッドによって、交互になる5棒リンク機構を構成するため、従来技術の4棒リンク機構では咬合時に「デッドポイント」に近いという問題が避けられ、伝動角度を大きくし、鉗子を自由にフィードすることを保証すると同時に鉗子の咬合力を強化し、生検鉗子で組織を噛み切る効率と正確性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1における鉗子の閉状態の構造図である。
図2】実施例1における鉗子の開状態の構造図である。
図3】実施例1における鉗子台を備えない鉗子の閉状態の構造図である。
図4】実施例1における鉗子台を備えない鉗子の閉状態の構造図である。
図5】実施例1における鉗子カップの構造図である。
図6】実施例1における接続部材の構造図である。
図7】実施例1におけるプッシュプルロッドの構造図である。
図8】実施例1における鉗子台の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を詳細に記載する。記載されている実施例の例は、図面に示されるが、終始して、同じまたは類似な記号は、同じまたは類似な構成、または、同じまたは類似な機能を有する構成を示す。以下、図面を参照して記載される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するために用いられるが、本発明に対する限定と理解してはならない。
【0021】
図1図8に示す1種の医療用鉗子は、ハンドルと、牽引ロープと、外部スリーブ5と、鉗子台4と、プッシュプルロッド3と、接続部材2と、ニッパ1とを含む。前記外部スリーブ5が鉗子台4に接続される。外部スリーブ5と鉗子台4の内部に穿設された前記牽引ロープの一端がハンドルに接続され、他端がプッシュプルロッド3に接続される。2つのニッパ1の中間部分がヒンジ接続軸を介してヒンジ接続され、かつ当該ヒンジ接続軸が鉗子台4に取り付けられる。前記ニッパ1の下部が接続部材2の一端にヒンジ接続され、接続部材2の他端がプッシュプルロッド3にヒンジ接続される。プッシュプルロッド3には、交差して設けられた2つの接続部材2にそれぞれヒンジ接続するための2つのヒンジ接続中心を有する。
【0022】
プッシュプルロッド3の2つのヒンジ接続中心の接続線cの長さは、0.2mm〜3mmであることが好ましい。このように、鉗子に最大の咬合力を有することを保証し、自由にフィードできることを保証する。本実施例において、同一のニッパ1の2つのヒンジ接続中心の接続線をa、同一の接続部材2の2つのヒンジ接続中心の接続線をb、プッシュプルロッド3の2つのヒンジ接続中心の接続線をc、互いにヒンジ接続された1つのニッパ1と1つの接続部材2でaとbのなす角度をα、互いにヒンジ接続された1つの接続部材2とプッシュプルロッド3とでbとcとのなす角度をβとする。図3に示すように、2つのニッパ1が咬合した際に、βは、40°〜80°であり、αは、90°〜180°である。このように、さらに、鉗子に最大の咬合力を有することを保証し、自由にフィードできることを保証する。本実施例において、aの長さは、0.5mm〜20mmであり、bの長さは、0.5mm〜20mmである。2つのニッパ1が開くと、αは、1°〜180°であり、βは、1°〜90°である。2つのニッパのaの長さは、同じであってもよく異なってもよく、2つの接続部材のbの長さは、同じであってもよく異なってもよく、cは、プッシュプルロッドの移動方向に対し垂直であってもよく一定の角度を為してもよい。本実施例において、鉗子が真ん中で咬合することを必要とすると、2つのニッパのaの長さは、同じであり、2つの接続部材のbの長さも同じであり、cは、プッシュプルロッドの移動方向に対し垂直である。
【0023】
本実施例において、前記プッシュプルロッド3の上部に2つの第2ヒンジ接続孔32が離間して設けられ、2つの接続部材2の他端は、2つの第2ヒンジ接続孔32にそれぞれヒンジ接続され、かつ2つの接続部材は、交差して設けられている。図7に示すように、前記プッシュプルロッド3の上部にヒンジ接続ヘッダ31が設けられ、2つの第2ヒンジ接続孔32がヒンジ接続ヘッダ31の左右両端にそれぞれ設けられる。ほかの実施形態において、接続部材とプッシュプルロッドのヒンジ接続軸は、プッシュプルロッドに固定接続または一体成型されてもよい。
【0024】
本発明の構造では、ハンドルで前後にフィードすることによって、牽引ロープでプッシュプルロッドを運動させる。接続部材は、プッシュプルロッドとニッパを接続する機能を奏し、プッシュプルロッドのフィードをニッパの開閉に伝達する。図3図4に示すように、本発明の左側の接続部材2の他端は、右側の第2ヒンジ接続孔32にヒンジ接続され、右側の接続部材2の他端は、左側の第2ヒンジ接続孔32にヒンジ接続される。単一ヒンジ接続中心構造に比較し、2つの接続部材のなす最小角度が大きくなるため、プッシュプルロッドによってニッパに伝達される開閉の分力も大きくなり、さらにニッパの開閉時の力を大きくし、より順調にフィードし、より自由に使用できる。
【0025】
プッシュプルロッド3の両端は、それぞれ接続部材と牽引ロープに接続される。デュアルヒンジ接続中心構造を採用し、ピッチおよび孔の径が制限されず、構造全体のサイズに応じて最適に選択可能である。デュアルヒンジ接続中心構造の設計は、単一ヒンジ接続中心構造に比較し、その利点として、より合理的にレイアウトでき、伝動部品の特性を十分に発揮させ、「デッドポイント」を避け、伝動角度を大きくし、ハンドルのフィード自由度を大きくすると同時に、ハンドルのプッシュプル力を最大限にニッパの開閉力に変換することにある。プッシュプルロッドの成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であるが、当該3種類の成型工程に限られない。
【0026】
本実施例は、生検鉗子であり、前記鉗子台4がカップ台であり、外部スリーブ5が弾力性ホースであり、接続部材2が接続片であり、ニッパ1が鉗子カップである。ほかの実施形態において、把持鉗子などほかの医療器械であってもよい。図5に示すように、当該鉗子カップは、開口部11と短手ヒンジ接続片12と長手ヒンジ接続片13とを含む。前記短手ヒンジ接続片12は、開口部11の下部の前側から下へ延伸して形成され、前記長手ヒンジ接続片13は、開口部11の下部の後ろ側から下へ延伸して形成され、かつ短手ヒンジ接続片12と長手ヒンジ接続片13の間に隙間が設けられている。
【0027】
本実施例の鉗子カップは、カップ開口の開閉によって組織を噛み切るが、カップ開口の深さによって、噛み切られる組織の容量が決められる。鉗子カップの構造は、図5に示すようにフラットな開口の構造を用いてもよく、歯付きの構造を含んでもよいが、当該2種類の構造に限られない。鉗子カップの成型工程は、プレス成型、粉末冶金、機械加工が用いられるが、当該3種類の成型工程に限られない。
【0028】
図6に示すように、前記接続部材2の側面の両端には、それぞれヒンジ接続柱21が設けられ、接続部材2の両端は、円弧コーナーを呈し、かつ接続部材2の両端の円弧コーナーの半径が異なり、2つの接続部材2は、プッシュプルロッド3の前後両側にそれぞれ設けられている。接続部材2は、プッシュプルロッドと鉗子カップを接続し、運動伝達の機能を奏する。接続部材の成型工程は、機械加工、エッチング、プレス加工および粉末冶金が用いられるが、当該4種類の工程に限られない。
【0029】
図8に示すように、前記鉗子台4の前後両側から2つの支持片41が上へ延伸して形成され、前記支持片41には、軸を設けるための第1ヒンジ接続孔42が空けられている。鉗子台4の下端が外部スリーブに接続することによって、鉗子カップアセンブリ全体の開閉を固定して支持する機能を奏し、斜めになったり崩れたりして、組織を噛み切る力の大きさおよび正確さに影響を与えることを防ぐ。鉗子台の成型工程は、機械加工、プレス加工および粉末冶金を含むが、それらに限られない。
【0030】
本実施例において、外部スリーブ5は、弾力性ホース(プラスチック被覆か、非プラスチック被覆)である。外部スリーブが鉗子台に接続することによって、鉗子カップが斜めにならないように支持して固定すると同時に、鉗子カップが組織を噛み切る際に大きな咬合力を必要とするため、外部スリーブと鉗子台によってそのために強い支持力を与え、組織を噛み切る際に変形が生じてしまい、組織を噛み切る効果および効率に影響を与えることを避ける。
【0031】
本発明は、従来の生検鉗子が組織を噛み切る際に咬合力が不十分であるため、組織を噛み切ることに失敗しまたは組織が引き裂かれて出血してしまうなどの問題に対し、2孔プッシュプルロッドの生検鉗子を設計し、プッシュプルロッドのデュアルヒンジ接続中心構造の特徴によって、従来技術のプッシュプルロッドのプル力伝達過程で「デッドポイント」に近い問題を効果的に避け、順調にフィードして組織を噛み切る際の咬合力を強化し、生検組織手術を正確かつ快速に遂行でき、手術の安全性および効率を大幅に向上させる。
【0032】
本発明の動作原理及び方法に基づき、2孔プッシュプルロッドの構造を保護するだけではなく、各関連部材の成型工程も本特許の保護範疇内にあり、かつ本発明の医療用鉗子は、生検鉗子と把持鉗子を含むが、それらに限られない。
【0033】
ほかの実施形態において、本発明は、多くの変形もありうる。たとえば、上記実施例において、2孔プッシュプルロッドの2つのヒンジ接続孔を1つの孔に貫通させる。
【0034】
なお、以上の実施例は、本発明の代表的な例に過ぎない。本発明の実質に基づき、以上の実施例に対し為したあらゆる簡単な修正、均等変化および修飾は、いずれも本発明の保護範囲に属するとされるべきである。
【0035】
(付記)
(付記1)
ハンドルと、牽引ロープと、外部スリーブ(5)と、鉗子台(4)と、プッシュプルロッド(3)と、2つの接続部材(2)と、2つのニッパ(1)とを含み、
前記外部スリーブ(5)が鉗子台(4)に接続され、
外部スリーブ(5)と鉗子台(4)の内部に穿設された前記牽引ロープの一端がハンドルに接続され、他端がプッシュプルロッド(3)に接続され、
2つのニッパ(1)の中間部分がヒンジ接続軸を介してヒンジ接続され、かつ当該ヒンジ接続軸が鉗子台(4)に取り付けられ、
前記ニッパ(1)の下部が接続部材(2)の一端にヒンジ接続され、接続部材(2)の他端がプッシュプルロッド(3)にヒンジ接続される医療用鉗子において、
上部にヒンジ接続ヘッダ(31)が設けられたプッシュプルロッド(3)には、交差して設けられた2つの接続部材(2)にそれぞれヒンジ接続するための2つのヒンジ接続中心を有し、
前記2つのヒンジ接続中心は、ヒンジ接続ヘッダ(31)の左右両端にそれぞれ設けられ、
当該ヒンジ接続ヘッダ(31)は、当該2つのヒンジ接続中心を介して2つの接続部材(2)にそれぞれヒンジ接続されることを特徴とする医療用鉗子。
【0036】
(付記2)
付記1に記載の医療用鉗子において、
プッシュプルロッド(3)の2つのヒンジ接続中心の接続線cの長さは、0.2mm〜3mmであることを特徴とする医療用鉗子。
【0037】
(付記3)
付記2に記載の医療用鉗子において、
同一のニッパ(1)の2つのヒンジ接続中心の接続線をa、同一の接続部材(2)の2つのヒンジ接続中心の接続線をb、互いにヒンジ接続された1つのニッパ(1)と1つの接続部材(2)でaとbのなす角度をα、互いにヒンジ接続された1つの接続部材(2)とプッシュプルロッド(3)でbとcのなす角度をβとすると、2つのニッパ(1)が咬合した際に、βは、40°〜80°であり、αは、90°〜180°であることを特徴とする医療用鉗子。
【0038】
(付記4)
付記3に記載の医療用鉗子において、
aの長さは、0.5mm〜20mmであり、bの長さは、0.5mm〜20mmであることを特徴とする医療用鉗子。
【0039】
(付記5)
付記1に記載の医療用鉗子において、
前記鉗子台(4)の前後両側から2つの支持片(41)が上へ延伸して形成され、前記支持片(41)には、ヒンジ接続軸を設けるための第1ヒンジ接続孔(42)が空けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【0040】
(付記6)
付記5に記載の医療用鉗子において、
前記2つのヒンジ接続中心は、ヒンジ接続ヘッダ(31)の左右両端にそれぞれ設けられた2つの第2ヒンジ接続孔(32)であり、
接続部材(2)は、第2ヒンジ接続孔(32)を介してプッシュプルロッド(3)にヒンジ接続されることを特徴とする医療用鉗子。
【0041】
(付記7)
付記1に記載の医療用鉗子において、
前記ニッパ(1)は、開口部(11)と短手ヒンジ接続片(12)と長手ヒンジ接続片(13)とを含む鉗子カップであり、
前記短手ヒンジ接続片(12)は、開口部(11)の下部の前側から下へ延伸して形成され、
前記長手ヒンジ接続片(13)は、開口部(11)の下部の後ろ側から下へ延伸して形成され、
かつ短手ヒンジ接続片(12)と長手ヒンジ接続片(13)の間に隙間が設けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【0042】
(付記8)
付記1に記載の医療用鉗子において、
前記接続部材(2)の側面の両端には、それぞれヒンジ接続柱(21)が設けられ、
接続部材(2)の両端は、円弧コーナーを呈し、かつ接続部材(2)の両端の円弧コーナーの半径が異なり、
2つの接続部材(2)は、プッシュプルロッド(3)の前後両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする医療用鉗子。
【0043】
(付記9)
付記1に記載の医療用鉗子において、
前記接続部材(2)の成型工程は、機械加工、エッチング、プレス加工または粉末冶金であり、
前記プッシュプルロッド(3)の成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であり、
前記鉗子台(4)の成型工程は、機械加工、プレス加工または粉末冶金であることを特徴とする医療用鉗子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】