(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
動物の血管内に配置されたデバイスを介して信号を送信するためのデバイス、方法およびシステムは、デバイスの近位側の媒体の活動を刺激および/または検知する。媒体は組織および/または流体を含む。
前記配信工程は、前記装置の第1のパラメータおよび第2のパラメータのうちの少なくともいずれか一方を制御するために1つまたは複数の第1の制御信号を配信する工程を含む、請求項1に記載の方法。
前記1つまたは複数の第2の制御信号を配信する工程は、複数の第4の神経活動が前記1つまたは複数の第3の意図および前記第1の意図のうちの少なくとも1つに関連付けられていることを確認すること、ならびに前記1つまたは複数の第4の神経活動のうちの少なくとも1つが複数の第3の意図および第1の意図のうちの少なくともいずれか一方に関連付けられていることを確認することのうちの少なくともいずれか一方を行うと、前記1つまたは複数の第2の制御信号を前記装置に配信する工程を含む、請求項6に記載の方法。
前記1つまたは複数の第2の制御信号を配信する工程は、第4の神経活動の平均が第3の意図の平均に関連付けられていることを確認すると、前記1つまたは複数の第2の制御信号を前記装置に配信する工程を含む、請求項6に記載の方法。
1つまたは複数の第2の制御信号を配信する工程は、前記装置の第1のパラメータおよび第2のパラメータのうちの少なくともいずれか一方を制御するために1つまたは複数の第2の制御信号を配信する工程を含む、請求項6に記載の方法。
少なくとも1つの第2の制御信号が前記装置に送達されるまで、1つまたは複数の第3および第4の神経活動の測定工程を繰り返す工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
前記第1のセンサは、第1の神経領域に近接しているかまたは第1の神経領域にあり、前記第2のセンサは、第2の神経領域に近接しているかまたは第2の神経領域にある、請求項1に記載の方法。
前記第1の神経領域および前記第2の神経領域のうちの少なくともいずれか一方は、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、後部頭頂葉(PPC)、および一次体性感覚野S1、小脳、視床、および脳幹の少なくとも1つにある、請求項13に記載の方法。
前記第1の神経活動は、前記第1のセンサを含む第1の移植物で測定され、前記第2の神経活動は、前記第2のセンサを含む第2の移植物で測定される、請求項1に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を下回ると判定すると、前記ユーザ制御パーセンテージを増加させ、前記コンピュータ制御パーセンテージを低減する工程を含む、請求項18に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージを低減し、前記コンピュータ制御パーセンテージを増加させる工程を含む、請求項19に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージおよび前記コンピュータ制御パーセンテージに対する調整を含まない、請求項19に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージは、初期は0%乃至25%であり、前記コンピュータ制御パーセンテージは、初期は75%乃至100%である、請求項18に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージを、0%乃至25%の初期パーセンテージから75%乃至100%の最終パーセンテージまで段階的に増加させる工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
前記誤差が前記予め定められた誤差を下回ると判断すると、測定された前記第1の神経活動から第1の意図を復号するか、または測定された前記第2の神経活動から第2の意図を復号する工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
前記配信工程は、複数の誤差が前記予め定められた誤差を下回ると判断したとき、および前記誤差が複数の予め定められた誤差を下回っていると判断したときのうちの少なくともいずれか一方のときに、前記1つまたは複数の制御信号を前記装置に配信する工程を含む、請求項31に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を下回ると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージを増加させ、前記コンピュータ制御パーセンテージを低減する工程を含む、請求項31に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージを低減し、前記コンピュータ制御パーセンテージを増加させる工程を含む、請求項34に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージおよび前記コンピュータ制御パーセンテージに対する調整を含まない、請求項34に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージは、初期は0%乃至25%であり、前記コンピュータ制御パーセンテージは、初期は75%乃至100%である、請求項31に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージを、0%乃至25%の初期パーセンテージから75%乃至100%の最終パーセンテージまで段階的に増加させる工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
前記配信工程は、複数の誤差の平均が前記予め定められた誤差および複数の予め定められた誤差の平均のうちの少なくともいずれか一方を下回っていると判断すると、前記1つまたは複数の制御信号を前記装置に配信する工程を含む、請求項28に記載の方法。
前記配信工程は、前記装置の第1のパラメータおよび第2のパラメータのうちの少なくともいずれか一方を制御するために1つまたは複数の制御信号を配信する工程を含む、請求項28に記載の方法。
前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが第1の神経領域に近接するかまたは存在し、前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つが第2の神経領域に近接するかまたは存在する、請求項28に記載の方法。
前記第1の神経領域および前記第2の神経領域のうちの少なくともいずれか一方は、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、後部頭頂葉(PPC)、および一次体性感覚野S1、小脳、視床、および脳幹の少なくとも1つにある、請求項48に記載の方法。
前記1つまたは複数のセンサは、第1のセンサおよび第2のセンサを含み、前記第1の神経活動は、前記第1のセンサを含む第1の移植物により測定され、前記第2の神経活動は、前記第2のセンサを含む第2の移植物により測定される、請求項28に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を下回ると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージを増加させ、前記コンピュータ制御パーセンテージを低減する工程を含む、請求項53に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージを低減し、前記コンピュータ制御パーセンテージを増加させる工程を含む、請求項54に記載の方法。
前記調整工程は、前記制御相関が前記予め定められた誤差を上回っていると判断すると、前記ユーザ制御パーセンテージおよび前記コンピュータ制御パーセンテージに対する調整を含まない、請求項54に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージは、初期は0%乃至25%であり、前記コンピュータ制御パーセンテージは、初期は75%乃至100%である、請求項53に記載の方法。
前記ユーザ制御パーセンテージを、0%乃至25%の初期パーセンテージから75%乃至100%の最終パーセンテージまで段階的に増加させる工程をさらに含む、請求項53に記載の方法。
前記配向する工程が、前記1つまたは複数の電流シンクのうちの1つまたは複数で前記1つまたは複数の電流源のうちの1つまたは複数から電流を引き出す工程を含む、請求項63に記載の方法。
前記配向する工程が、前記1つまたは複数の電流源のうちの1つまたは複数から前記1つまたは複数の電流シンクのうちの1つまたは複数に電流を押し出す工程を含む、請求項63に記載の方法。
前記送達する工程が、第1の電流を第1の電流源から第1の電流シンクに配向することによって前記第1の電流を標的領域に送達する工程を含む、請求項63に記載の方法。
前記少なくとも2つの電流のうちの2つ以上が前記標的領域に同時に配向する工程をさらに含み、これにより、少なくとも2つの電流が前記標的領域で合計され、前記標的領域の神経組織を刺激するのに十分なエネルギーを有する刺激電流となる、請求項69に記載の方法。
前記送達する工程は、同時に第1の電流源から第1の電流シンクに前記第1の電流を配向することにより、第1の電流を前記標的領域に送達する工程と、第2の電流源から第2の電流シンクに前記第2の電流を配向することにより、第2の電流を前記標的領域に送達する工程とを含む、請求項70に記載の方法。
前記1つまたは複数の電流源が前記1つまたは複数の電流シンクとは異なる移植物上にあるように、第1の移植物が前記1つまたは複数の電流源を含み、第2の移植物が前記1つまたは複数の電流シンクを含む、請求項63に記載の方法。
第1の移植物が少なくとも1つの電流源および少なくとも1つの電流シンクを含み、第2の移植物が少なくとも1つの電流源および少なくとも1つの電流シンクを含み、これらにより、前記第1および第2の移植物のそれぞれが、1つまたは複数の電流源および1つまたは複数の電流シンクを有する、請求項63に記載の方法。
前記1つまたは複数の電流源のうちの1つまたは複数を選択的に作動させること、および前記1つまたは複数の電流シンクのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることのうちの少なくともいずれか一方を行うことによって、1つまたは複数の標的領域を選択的に目的とする工程をさらに含む、請求項73、75、および77に記載の方法。
前記1つまたは複数の電流源電極のうちの1つまたは複数を選択的に作動させること、および前記1つまたは複数の電流シンク電極のうちの1つまたは複数を選択的に作動させることのうちの少なくともいずれか一方を行うことによって、1つまたは複数の標的領域を選択的に目的とする工程をさらに含む、請求項74、76、および78に記載の方法。
第1の電流源が第1の場所にあり、第2の電流源が第2の場所にあり、第1の電流シンクが第3の場所にあり、第2の電流シンクが第4の場所にある、請求項63に記載の方法。
前記脈管の第1および第2の場所のうちの少なくともいずれか一方、ならびに前記脈管の第3の場所は、前記標的領域を通過する平面の両反対側にある、請求項87に記載の方法。
第1の電流源が脈管の第1の場所にあり、第2の電流源が脈管の第2の場所にあり、第1の電流シンクが脈管の第3の場所にあり、第2の電流シンクが脈管の第4の場所にある、請求項63に記載の方法。
前記脈管の第1および第2の場所のうちの少なくともいずれか一方、ならびに前記脈管の第3および第4の場所のうちの少なくともいずれか一方は、前記標的領域を通過する平面の両反対側にある、請求項90に記載の方法。
前記脈管の第1および第3の位置は、前記標的領域を通過する第1の平面の両反対側にあり、前記脈管の第2および第4の位置は、前記標的領域を通過する第2の平面の両反対側にある、請求項90に記載の方法。
刺激強度および刺激深度のうちの少なくともいずれか一方を調整するために、前記1つまたは複数の電流源のうちの少なくとも1つの強度を調整する工程をさらに含む、請求項63に記載の方法。
前記調整する工程は、前記1つまたは複数の電流源のうちの少なくとも1つのアンペア数の増加および低減のうちの少なくともいずれか一方を行う工程を含む、請求項95に記載の方法。
前記1つまたは複数の電流源から前記1つまたは複数の電流シンクに電流を流すことにより、1つまたは複数の電流を複数の標的領域に順次または同時に送達する工程をさらに含む、請求項63に記載の方法。
前記標的領域が、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、後部頭頂葉(PPC)、一次体性感覚皮質S1、小脳、視床、および脳幹の少なくとも1つに少なくとも部分的にある、請求項63に記載の方法。
前記デバイスが、ライトスイッチ、家庭用電化製品、ロック、サーモスタット、セキュリティシステム、ガレージドア、窓、日よけ、ゲーミングデバイス、および任意の電子装置からなる群から選択されるデバイスを含む、請求項1に記載の方法。
前記神経活動を生成する工程は、ヒトが必要とする睡眠の量を低減するために、またはこれに代えて、ユーザが確実に覚醒しているように、神経再構成を刺激または支援する工程を含む、請求項103に記載の方法。
前記神経活動を生成する工程は、ヒトが必要とする睡眠の量を低減するために、またはこれに代えて、ユーザが確実に覚醒しているように、神経再構成を刺激または支援する工程を含む、請求項106に記載の方法。
前記制御信号を用いてインターネットを閲覧する工程、および前記制御信号を用いて通信ソフトウェアと通信する工程のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項110に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の変形例は、非限定的な例として、添付の図面を参照して以下に説明される。図面中の同様の参照符号は、全体を通して同一または機能的に類似の特徴/要素を示す。図示の寸法はすべて例示的なものである。
【0020】
図1乃至
図4に示すシステム10は、1)動物またはヒト110の血管103内に配置され、血管103の内外を問わず、デバイス100の近位側(近接または接触)の媒体(組織および流体)の活動を刺激および/または検知するように構成された医療デバイス100と、2)デバイスと通信するように構成された制御部12(コネクタブロックおよび遠隔測定システムとも呼ぶ)と、3)デバイス100と制御部12との間の通信を促進する通信導管14と、4)動物またはヒト110に連結可能であるとともに制御部と通信するように構成される装置16とを備える。
【0021】
制御部12は、(a)デバイス100の近位側の媒体の活動を表すデータをデバイス100から受信する工程と、(b)装置16の制御信号を生成する工程と、(c)制御信号を装置16に送信する工程とを実施するように構成可能である。いくつかの変形例では、システムは、コネクタとして機能するとともに通信導管の延長部として機能するコネクタブロック(要素12によって図示)を備える。システムの変形例では、制御部/コネクタブロックは、気密封止されるとともにデバイスから制御部へのリードを絶縁し、挿入のために過大な力を必要としないアタッチメントすなわちゼロ接触力アタッチメント(すなわち、バルシール(登録商標)スプリングコンタクトを使用する)を使用して挿入することができ、コネクタへの取り扱いおよび挿入のために、より剛性の高いシリコーンまたは同様の材料で形成されるリードの部分を有する。デバイスのバリエーションは、扱うことができないリードと区別するために、より剛性の高い(取り扱うことができる)リードの部分を識別するためのマーカーを含むことができる。そのようなマーカーは、領域を明確に示すために、ラインスタイルのマーカー、異なる色、または他のインジケーターを含み得る。コネクタブロックのバリエーションは、複数のコネクタを挿入することができるように(すなわち、16の電極ステントロード(登録商標)線のために2つのコンタクトコネクタ(それぞれ8つのコンタクトを有する))、フィッティング(例えば、留め金)を有することができる。フィッティングにより、接点の固定、整列、水の浸入の防止を確実に行うことができる。
【0022】
医療デバイス100が、
図2A、
図2B、および
図3に示す態様で運動皮質に隣接するように挿入されると、システム10が、例えば、
図1に示す態様で外骨格および/または人工手足の動作を制御するために使用され得る。
【0023】
このデバイス100は、血管103に埋め込まれ、そこから、自己拡張部材101上に取り付けられた電極を利用して、隣接する組織を記録または刺激する。情報は、血管103の内部の通信導管14を通って電極から、または電極に、遠隔測定システム12に渡される。遠隔測定システム12は、(有線または無線を用いて)外部装置16と情報を送受信する。外部装置16は、(a)外骨格;(b)車椅子;(c)コンピュータ;および/または(d)他の電気的または電気機械的デバイのうちの1つまたは複数を含む(ただしこれらに限定されるものではない)。
【0024】
このように、1つの具体的な用途では、移植される医療デバイス100は、麻痺患者110が自分の思考を直接使用して外骨格またはロボット脚16などの歩行補助を指令および制御できるようにする能力を有する。
【0025】
移植可能な医療デバイス100の他の用途としては(これらに限定されるものではないが):(a)発作の検知および防止;(b)(例えば、(i)多発性硬化症、(ii)筋ジストロフィー、(iii)脳性麻痺、(iv)麻痺および(v)パーキンソン症候群に関連付けられる症状を緩和するための、)不随意筋または神経制御の検知および予防;(c)例えば(i)心的外傷後ストレス障害;(ii)強迫神経症;(iii)うつ病;および(iv)肥満などの神経学的症状の検知および治療的緩和;(d)(i)車両、(ii)車椅子、(iii)歩行補助具、ロボットの四肢などのコンピュータ機器の脳による直接的な制御;(e)(i)失明(カメラへの接続)、(ii)難聴(マイクへの接続)、および(iiii)固有受容(タッチセンシティブロボットおよびコンピュータシステムへの接続)のための感覚刺激の直接入力;(f)(i)心拍数、(ii)呼吸数、(iii)温度、(iv)環境条件、(v)血糖値、並びに(vi)他の生化学的および神経学的マーカーの、個人の健康の内部評価;(g)(例えば、被移植者が視聴するもののリアルタイム通信などの、)情報伝達、聴覚的、視覚的および自己受容的フィードバックのためにデバイスを利用する被移植者のグループ間の内部通信(テレパシー);並びに(h)(パフォーマンスの向上またはリハビリのための)筋骨格の制御および操作の向上および最適化が含まれる。
【0026】
図2Bは、2ーステント101システムを示す。図示のために、ステントは一本の血管内に配置されている。しかしながら、複数のステントを個別の血管に配置することができるように構成することができる。ステント101は、非導電性材料によって接合され、電力受信器および送信アンテナを形成する。これに代えて、ステントは、1本以上のワイヤまたは導電性要素によって結合されてもよい。さらに、システムは、ステント101の間に能動的な電子機器を含むことができる。
【0027】
本明細書に開示されるデバイスは、所望の結果に応じて、脳構造の任意の数の領域に配置することができる。例えば、Teplitzky, Benjamin A., et al.「脳深部刺激に対する血管内アプローチの計算モデリング」Journal of Neural Engineering 11.2(2014):026011.に開示されるように、ステントは、うつ病および強迫神経症(OCD)における内部カプセル;てんかん(E)、パーキンソン病、本態性振戦、トゥレット症候群、意識障害、慢性疼痛、強迫神経症行動における視床;アルツハイマー病における脳弓;ジストニア、うつ病、トゥレット症候群における淡蒼球淡蒼球内部;てんかんにおける海馬;肥満、精神性食欲不振における視床下部;うつ病および強迫神経症における下腿視床下骨折;うつ病、肥満、食欲不振における側方蜂巣炎;うつ病、強迫神経症、中毒、肥満、食欲不振における側坐核;慢性疼痛における坐骨神経/脳室周囲;うつ病における下位帯状白質;パーキンソン病、ジストニア、うつ病、強迫神経症、てんかんにおける視床下部核;並びに強迫神経症における腹部カプセルに配置可能である。
【0029】
図5A、
図5B、
図5D、および
図6に示すように、医療デバイス100は、デバイス100を展開するために、概してa.折り畳み可能かつ拡張可能なステント101と、b.ステント101に連結された複数の電極131と、c.電極131に電気的に接続された電極リード線141と、d.移植中に血管の穿孔を防止するためにオリーブワイヤ114によってステント101に連結されたオリーブ112と、e.移植されたチップと、f.リード線141に接続され、デバイス100と制御部12との間の通信を可能にする接点151と、g.ステント軸体121とが使用される。
【0030】
電極リード線141は、少なくとも1つの電極に電気的に接続することができ、機械的な圧縮および延伸が妨げられないようにステントストラット格子108の周囲に巻かれる。電極線141は、ステント軸体121の周囲に巻かれてもよく、スタイレット軸体を貫通してもよく、ステント軸体の一部を直接形成してもよい。リード線141は、ステントに対するステント軸体の反対側の端部に電極接点151との接続部を形成し、これにより、電気的接触によりコネクタブロック機構12は、コンピュータ、車椅子、外骨格、ロボット人工補綴物、カメラ、車両、並びに他の電気刺激、診断および測定ハードウェアおよびソフトウェアを含むがこれらに限定されない外部機器16との接続路をなす。
【0031】
電極131という用語は、本明細書において、血管103内および/または血管103の周囲の媒体と接触するために使用される任意の電気導体を示すことに使用される。
【0032】
これらの各構成要素の動作の詳細な説明を以下に示す。
【0034】
ステント101は、ストラットクロスリンク109により連結された複数のストラット108を含む。
【0035】
図7Aに示す構成では、デバイス100は、線状パターンでステント101に連結された9つの電極を含む。図示のように、ステント101は平坦な外観を有する。ステント101の頂部は、ステント101の底部に直接接合されてもよく、またはステント101の底部に(恒久的な取り付け部なしで)合わせるように湾曲してもよい。
【0036】
これに代えて、デバイス100は、任意の適切な構成で配置された任意の適切な数の電極131を有するステントを含む。例えば、電極は、以下のように構成することができる。
図7Bに示す電極131の正弦曲線配置;
図7Cに示す電極131のらせん状配置、これにより、いったん展開されると電極を血管壁に360度接触させることができる;
図7Dに示す電極131の幅の低減された正弦曲線配置、これにより、カバーする範囲が広くなるが、なお縦の区域の各々に1つのステントのみ確実に配置する;
図7Eに示す電極の高密度配置、これにより、カバーする範囲が広くなる。ステント101は、電極の取り付けおよび電極位置の一様性を支援するために、電極131が配置される箇所に追加の材料またはマーカーが設けられるように、レーザー切断されるか、あるいは織り込まれる。例えば、ステント101を、円筒状のチューブ(原形のステント)からレーザー切断して切り離すことによって形成し、例えば、電極を5mm間隔で1本の軸上に配置する場合には、電極取り付けプラットフォーム107,108は、これらの領域をチューブから切り離すことなく形成することができる。同様に、ステントがワイヤラッピングによって製造される場合、追加の材料107,108をステントワイヤに溶接または取り付けることにより、電極を取り付けるプラットフォームを設けることができる。これに代えて、ステントは、薄膜技術を用いて製造することができ、ステント構造体および/または電極アレイを成長または構築するために材料(ニチノールおよび/または白金および/または他の材料またはこれらの組み合わせ)を特定の位置に堆積させる。
【0038】
図8Aに特に示すように、デバイス100は、ストラットクロスリンク109に連結された電極配置部107を含む。配置部107は、電極131をステントに連結するために使用される。
図8Bに配置部106の別例を示す。本実施形態では、配置部は円形である。
【0039】
図示のように、電極131は、ステントクロスリンク109の上またはステントクロスリンク109上に配置されている。これらの位置に電極を配置することにより、電極の完全性に大きな影響を与えることなく、ステント101の形状を変化(すなわち、膨張および収縮)させることができる。これに代えて、電極はステントストラットクロスリンクの間(図示せず)に配置されてもよい。
【0040】
図9は、平坦なディスク161;円筒部またはリング162;半円筒またはリング163;球、ドームまたは半球164;双曲線パラボロイド165;並びに一本の軸に沿って優先的に長い二重電極または電極166を含む異なる電極形状を示すがこれらに限定されるものではない。
【0041】
図10に示すように、電極131は形状記憶材料を含み得、したがって電極131はデバイス100の絶縁されていない部分であってもよい。図示のように、患者の体内の電極131および血管104は妨げられない。形状記憶の活性化の後、電極131は、血管壁103によく適合するように整合する。
【0042】
デバイス100の接触および機能性を高めるために、電極131は、ステント101へのはんだ付け、溶接、化学蒸着および他の取り付け方法による追加の材料(形状記憶合金または他の導電性材料)の取り付け部を含む。取り付け部は、ステントストラット108の上または間に直接的に;電極131から無線遠隔測定リンクまたは回路に通じるリード線14に;およびデバイス100の遠位面に配置されたオリーブ112に直接的にまたはステント軸体に直接的に設けられるが、これらに限定されない。
【0043】
デバイス100の性能をさらに向上させるために、1本のワイヤストランド141当たり1つ以上の電極131を設け、1つのデバイス100当たりに利用される1本以上のストランド141を設けてもよい。これらのストランド141は、
図11に示す態様でステントストラット108の周囲の交互の正弦曲線経路で織り込まれた束144を形成するようにグループ化することができる。同様に、各電極131に指定された1本または複数のワイヤ141が設けられ、これにより、デバイス100当たりに1つまたは複数の電極131が設けられてもよい。したがって、複数の電極131を同時に使用することができる。
【0044】
電極131が媒体(神経組織、血管組織、血液、骨、筋肉、脳脊髄液を含むが、これらに限定されるものではない)を刺激または記録する能力を最適化するために、電極131は、電極131の各々が同じ配向において血管103と接触可能となるように標的血管103の直径に基づき予め定められた間隔で位置される(すなわち、すべての電極が配置時に左の血管壁に面し、接触する)。電極131は、記録または刺激が血管の360度全体に同時に向けられるように取り付けられてもよい。同様に、電極131の記録および刺激パラメータを高めるために、電極の寸法を変更してもよく、より大型の電極131を使用して近くの媒体のより大きな領域を評価し、より小型の電極131を使用して特定の局地を評価してもよい。
【0045】
これに代えて、電極131は、導電性材料で形成されるとともに1つ以上のステントに取り付けられ、これによりデバイス100を形成するとともに複数の位置を可能にする。本実施形態では、電極131は、白金、白金−イリジウム合金、ニッケル−コバルト合金、または金などの一般的な電気的に活性な材料から形成され、はんだ付け、溶接、化学蒸着および他の取り付け方法によってワイヤ141に取り付けられ、これらは1本以上の形状記憶軸体に直接取り付けられてもよい。電極131は、絶縁リード線141上の1つ以上の露出部分であり、電極リード線は、1つ以上の形状記憶バックボーンの周囲に巻かれてもよい。1つの形状記憶バックボーンの周囲に巻かれた1つ以上の電極およびリード線が設けられ、複数の形状記憶バックボーンが1つのデバイスで使用され、バックボーンが異なる初期挿入位置および2次的配置位置を有してもよい。以上のように、これらは、複数の血管を同時に標的とするために使用することができる。
【0046】
図12に示すように、電極131は、物質134と、抗血栓性物質を含むがこれに限定されない治療薬などの溶液と、材料との担体となるように構成可能である。本実施形態では、電極131は、拡散により受動的に、または埋め込まれた電気クロックによる制御を通じて、あるいは手動で電極131の電気刺激によって薬物を放出するように構成される。本実施形態では、電極131は、導電性ではない電極131の部分を有する材料から形成される。
【0047】
薬物134は、タイミングがとられた、自然な、電気的な、または他の方法で活性化される際に血管104内に放出されるか、血管壁103内に放出され得る。
【0048】
デバイスの変形例では、ニチノール基板と電極との間の絶縁層(例えば、白金、酸化シリコーン)は、シリコーンカーバイドまたは他の絶縁材料からなる。これに代えて、シリコーンカーバイドの層を設けて、シリコーン酸化層の劣化および浸食を防止することもできる。
【0050】
電極線141は、
図13aに示すように、各電極に電気的に連結されている。図示のように、電極の背面、および電気取り付け部135は、非導電性物質136で覆われている。
【0051】
リード線141は、ステント101の周囲に軸体121に沿って巻かれ得る。
【0052】
図5A、
図5B、および
図13bに示すように、電極リード線141は絶縁体122で覆われる軸体121の周囲に巻き付けられ、電線束またはケーブルを形成する。スリーブ153が接点151の位置で電線束を包囲し、これによって少なくとも1本のワイヤ141がスリーブ153の周囲に巻き付けられるとともに接点溶接点152で接点151に接続される。オーバーモールド154により、接点間で一様な直径をなすことができる。
【0053】
スリーブ153は、ワイヤ141の露出部分が溶接点152で接点151に取り付けられた状態で電線束142を覆う。
【0054】
ワイヤ141を介してステント101に取り付けられた遠位電極および/またはマーカーおよび/または緩衝器(112)もまた図示される。軸体121は、ステントの着脱領域115の端部に取り付けられ、スリーブ142および電極接点151を通ってコネクタ固定点155を越えて後に出るように示されている。
【0055】
リード線141は、スリーブ142の内部に位置し、軸体121の周りに巻き付けられており、接点溶接部152で電極接点151と電気的に接触している。接点間でデバイスが確実に一様な直径をなすためのオーバーコート154が示されている。軸体121は、離脱領域115で取り外されるが、血管内に配置された後に取り外されてもよい。
【0056】
図13bに示すように、リード線141は電極接点151に接続されている。電極リード線141は、まず、絶縁体122に覆われた軸体121の周囲に巻き付けられ、電線束またはケーブルを形成する。スリーブ153が接点の位置で電線束の周囲に配置され、これによって少なくとも1本のワイヤ141がスリーブの周囲に巻き付けられるとともに接点溶接点152で接点151に接続される。接点間で確実に一様な直径をなすためにオーバーモールド154が使用されてもよい。
【0057】
図5Bに特に示すように、ステント軸体121は、絶縁層122でコーティングされ、143で絶縁されるとともにその周囲に巻き付けられた絶縁束142内にグループ化されている複数のワイヤ141を有する。スリーブ153は、ワイヤ141の露出部分が溶接点152で接点151に取り付けられた状態で電線束142を覆う。
【0058】
ワイヤ141は、白金、白金/タングステン、ステンレス鋼、ニチノール、白金/イリジウム合金、ニッケル−コバルト合金を含むがこれらに限定されない導電性材料、または他の導電性材料および生体適合性材料から形成される。
【0059】
ワイヤ141は、10um乃至100umの径(直径)で、ストランドケーブルまたはモノフィラメントであり、電極131を接点151に接続する。これに代えて、ワイヤ141は、電極131をステントまたは軸体上に保持される無線回路に接続する。
【0060】
ワイヤ141は、非導電性材料(すなわち、テフロン(登録商標)またはポリイミド)で絶縁されている。ワイヤ141は、
図11に示すように、正弦曲線パターンでステントストラットの周囲に巻き付けられる。これに代えて、ワイヤ141は、直径が300μm乃至2mm(厚み)の電線または束を有するらせん管また電線束またはケーブルで包囲される。
【0061】
ワイヤ141は、ワイヤラッピング、導電性エポキシ、溶接、または他の導電性接着または接続手段を使用して接点151に接続される。
【0062】
図13Cは、デバイス100に連結されたリード114の変形例を示す。いくつかの状況では、副最適配置後のデバイスの再配置のためにデバイスを格納する必要がある可能性がある。
図13Cは、既存のリードを延長リード206に接続するねじ付きねじ端子202を有するリード114の一変形例を図示している。リードは、延長リード上の雄部分204と嵌合する雌ねじ部分202を含む。リードの内側にねじ山部分を配置することにより、延長リードが取り外された後に、雄部分がデバイス100のリードが嵌合するバネ接点を損傷する危険性が低減される。
【0063】
図13Dは、
図13Cに示すねじ端子構造体の別例を示す。この変形例では、リード114はロック機構208を含む。ロック機構の変形例は、圧力に基づくことができ、リードの選択された部分への圧力は、ラッチ208の開閉を可能にするであろう。このことの利点は、送達中にデバイスを早期に離脱させるためにデバイスを捻る可能性を低減することであろう。この変形例では、延長部206上のラッチ210がリード114にロックされる。延長部上の領域が押されると(赤矢印)、ラッチ210はリード114から解放され、リードに押し込まれる(装着される)か、またはリードから張引される(解放される)かのいずれかである。複数のラッチは、図示の目的のために1つがここに示されているが、延長部114のリードの周囲に配置されるであろう。
【0065】
図5Aに示す実施形態では、デバイス100は、穿孔の危険性を低減するとともに移植および配置段階中のデバイス100の安全性を高めるために先端に取り付けられたオリーブ112を含む。この構成では、オリーブ112はデバイス100の前方に直接接続され、展開中に展開カテーテルまたは血管と接触するデバイスの第1の態様である緩衝器として機能する。オリーブ112は、放射線不透過性遠位マーカーとしてさらに使用することができる。オリーブ112は、限定するものではないが、以下を含む多くの異なる形態で構成され、ステント101に取り付けられ得る:
【0067】
図5Aに示すように、オリーブ112は、ステント101の前方から距離をおいて配置され、可撓性を備えたコード114を介してステント101に接続されている。
【0069】
図14は、ステント101の遠位端に配置されたオリーブを示し、オリーブは、電気的に活性であってもなくてもよく、可撓性を備えたバネあるいはらせん状に巻かれた電線111によってステント101に接続された電極112として機能する緩衝器からなる。
【0071】
図15は、ステント101の遠位端に配置された複数のオリーブを示し、オリーブは、電気的に活性であってもなくてもよく、電極113として機能する複数の緩衝器からなる。
【0073】
図16は、ステント101の遠位端に配置されたオリーブを示し、オリーブは、ステントの端部に直接接続され、電気的に活性であってもなくてもよく、電極112として機能する。
【0074】
v.形状を形成されたワイヤーオリーブ
【0075】
図17は、ステント101の遠位端に配置されたオリーブを示し、オリーブは、電気的に活性であってもなくてもよく、電極として機能し、牧杖部114として形成されてもされなくてもよい可撓性ワイヤである。
【0077】
図18は、ステント101の遠位端に配置されたオリーブを示し、オリーブは、電気的に活性であってもなくてもよく、可撓性ワイヤ114によってステント101に接続された電極112として機能する。
【0079】
図19は、ステント101の遠位端に配置されたオリーブを示し、オリーブは、電気的に活性であってもなくてもよく、可撓性ワイヤ114によってステント101に接続された電極112として機能する。この図は、着脱領域115を介してステント101に接続された軸体121をさらに示す。
【0080】
図20は、着脱領域115を介してステント101から取り外された軸体121をさらに示す。
【0081】
可撓性ワイヤ114は、緩衝器を前面に有する導電性かつ電気絶縁性のワイヤ、バネ、らせん状リード、およびチューブを含むが、これらに限定されるものではない。これに代えて、緩衝器は導電性であり、ステント装着電極の全ての特徴を含む電極として機能する。
【0083】
電極131の刺激および測定を制御するために、植え込み電気回路(チップ)を使用し得る。チップは、チップが信号を伝達する能力を有する電極の位置(またはステント上に取り付けられた他の場所)に移植することができる。このチップは、(a)信号増幅、(b)信号多重化、並びに(c)電力およびデータの送信のための回路を含む。
【0084】
電極131は、1つまたは複数の電気チップに取り付けられる(これにより、チップは、電気回路並びにチップが構築される基板として定義される)。小型化されたチップは、ステント101上に電極131と同様に取り付けられる。
【0085】
これに代えて、これらのチップは、頸部または胸部領域のような神経記録または刺激部位から離れて取り付けられてもよく、あるいはチップは、電流源、記録機器またはプロテーゼのような外部ハードウェアに直接接続されてもよい。
【0086】
チップは、神経組織の刺激のための回路(電流および/または電圧源、電池および/またはコンデンサまたは充電/エネルギー保存コンポーネントおよびスイッチマトリックスなど)および神経活動の記録用回路(増幅器、電力、およびスイッチマトリックスなど)および血液組成(例えば、pHメーター、塩類および生理食塩水組成、グルコースなど)を含み得る。
【0087】
さらに、チップは、熱センサなどの遠隔測定コイルおよび自己監視ハードウェアを介して電力およびデータを送信するために必要な回路を有してもよい。
【0088】
図5Cに無線チップ195を示す。マイクロプロセッサ191ならびに他の構成要素193(例えば、コンデンサ、マルチプレクサ、クロック、無線送信機、受信機など)が示されている。この図は、大型のコイル192および小型のコイル194として示されている、電力とデータの両方の送受信に使用できる2つのコイルを有する。
【0089】
チップ自体は、送信および受信の電力およびデータ用の遠隔測定コイルを含んでもよく、隣接するチップおよび遠隔測定コイルとの位置合わせを可能にする磁石を含んでもよく、あるいは遠隔測定コイルを構成する形状記憶合金または他の材料に取り付けられてもよい。
【0090】
チップは、可撓性を備え、血管内にチップを配置するために、血管の直径部分に対してあらかじめ湾曲させてもよい。これにより、チップは、配置段階の間にチップを血管の湾曲に適合させるための形状記憶合金またはポリマーを含んでもよい。チップはまた、血管内での統合を可能にするために、生体吸収性または生体分解性を備える基板上に搭載されてもよい。複数のチップを同時に使用してもよい。
【0092】
図5Aおよび
図5Bに特に示すように、無線回路が使用されていない状況では、デバイス100を外部機器に接続できるように、電極接点151が必要とされる。電極接点151は、電極によって使用されるものと同様の材料から形成され得、同様の直径である。接点151は、互いに電気的に絶縁されており、導電性エポキシ、レーザーまたは抵抗溶接、はんだ付け、圧着および/またはワイヤラッピングによって(ただしこれらに限定されるものではない)電極リード線141に接続される。
【0093】
接点151は、白金リングまたは他の導電性、生体適合性材料のリングである。接点は、磁性材料(すなわち、ネオジム)から形成可能であり、またはそれを含むことができる。
【0094】
接点151は、(a)直径が500μm乃至2mm、(b)長さが500μm乃至5mm、および(c)厚みが10um乃至100umにあり得る。
【0095】
接点151は、ディスク、チューブ、パラボロイド、または電極131に使用されるものと同様の他の形状として形成される。
【0096】
接点は、他のリード線および電極およびステントワイヤの電気的絶縁を補助するために、非導電性スリーブ(シリコーンチューブ、熱収縮、ポリマーコーティングを含むが、これらに限定されるものではない)を覆うように配置されるが、いくらか可撓性を備える。
【0097】
接点151は、100μm乃至10mm、例えば1.0mm乃至3.0mm(例えば、2mmまたは2.46mm)の接点間距離を有することができる。多かれ少なかれ、他の接点間距離寸法、およびより狭いまたはより広い他の範囲も認められる。
【0098】
接点151は、ワイヤ141のワイヤラッピングによって形成されている。
【0099】
少なくとも1つの接点151は、(金属リング、磁気リング、プラスチックチューブを含むが、これらに限定されるものではない)ダミーコネクタであり得る。この場合のダミーコネクタは、電極と電気的に接触していないコネクタであり、これに代えてその目的は、所望の位置でデバイスへの接続点または固定点(すなわち、ねじ端子を介して)を可能にすることであり、(電極に接続された)接点は損傷を受けない。
【0100】
接点151は、電気的ノイズを低減するとともに表面リード線141間の接触を防止するために、非導電性スリーブ(シリコーンチューブ、熱収縮、ポリマーコーティングを含むが、これらに限定されるものではない)によって分離される。
【0102】
図21aに示すように、展開を可能にするために、可撓性を備える軸体121がデバイス100に接続される。
図21aに示す例では、軸体121は、デバイス100の遠位端に接続され、これによりデバイス100を前方から張引するように作用する。
【0103】
図21bに示す代替の実施形態では、軸体121がデバイス100の近位端に取り付けられ、これにより軸体121がステント101の背面からデバイス100を押圧する。本実施形態では、医療デバイス100は、ステント101に取り付けられた複数の電極131を含み、電極リード線141がステント101および軸体121の周囲に巻き付けられるとともにスリーブ142で覆われている。遠位電極および/またはマーカーおよび/または緩衝器113も、ステント着脱領域105と同様に示されている。
【0104】
図21cに示すさらなる実施形態は、二重の先端ほど細くなるステント101を含み、これは、取り付けられた電極131と、ステント着脱領域105においてステント101に取り付けられるステント軸体121とを含む。ステント101の前面の別の着脱領域115は、ステント101をオリーブワイヤ114およびスタイレットスリーブ124に接続し、スタイレットスリーブ124を通して着脱自在なスタイレット123が配置される。電極ワイヤ141は、スタイレットスリーブ123の外側に巻き付けられているか、または中心を通って供給されるように示されている。
【0105】
プッシュとプルの両方の能力を有する複数のワイヤが設けられてもよい。ステント軸体121は、恒久的に移植されてもよく、または取り外されるように構成されてもよい。本実施形態では、着脱領域は、ステント軸体121とステント101との接合部に配置される。分離方法には、電気化学的分離、機械的分離、および熱電分離が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0106】
ステント軸体121は、電極リード線141のバックボーンとして使用することができ、これにより、電極リード線141が電極131から電極接点を横断する際の安定性を支援する。本実施形態では、電極ワイヤ141は、付加的に機械的に支持するとともに水分の保持を支援し、ワイヤが存在するステント軸体上にコーティングを堆積させるためのポリマー142(シュリンクラップ、熱収縮、パリレン、シリコーン、テフロン(登録商標)などを含むが、これらに限定されるものではない)に設けられる。
【0107】
ステント軸体121は、デバイス100の植え込みおよび配置後に取り払われるスタイレットであってもよい。本実施形態において、ステント軸体121は、スタイレット123がチューブ121の中心を通して供給され得るような円筒状のチューブであってもよい。
【0108】
ワイヤ141は、スタイレットスリーブの中央を通るスレッドであり得る。
【0109】
ワイヤ141は、ステント軸体またはスタイレットスリーブの周囲に巻き付けられ得る。
【0110】
さらなる実施形態では、電極131を接点152に接続する電極ワイヤ141は、ワイヤ束144に包囲され、内部ルーメン147が設けられるように内部ルーメンチューブ145の周囲に巻き付けられ、内部ルーメン147に取外し可能なスタイレット148が挿入中に通され、展開後に取り外され得る。本実施形態により、スタイレット148の取り外し可能性と、外部チューブ146に覆われたワイヤ束144の可撓性とが実現される。
【0111】
図21dおよび
図21eは、らせん状リード線114に関する追加の情報を示す。図示のように、らせん状リード線114は、内部ルーメンチューブ145の周囲に巻かれたワイヤ束144を含む。内部ルーメン147を通して、取外し可能なスタイレット148が、送達中に通され、デバイスの配置に続いて取り払われ得る。
【0113】
図2に示す制御部12は無線コントローラであり、皮膚を介して無線で情報および電力を中継する。
【0114】
図22、
図23、および
図24のコネクタブロック12は、受動デバイス(すなわち、回路なし)である。実質的に、コネクタブロック12は、デバイス100と外部機器との間の中間接続として機能する。デバイス100はコネクタブロック12に挿入され、これにより、デバイス100はコネクタブロック12内に収容された内部接点と電気的に接触する。コネクタブロック12のこれらの内部接点は、皮膚を貫通するより厚みのあるワイヤ束を続いて形成し(コネクタブロックの残りの部分が植え込まれる)、外部機器に接続することができる。
【0115】
実質的に、空間が限られているため(デバイス全体がカテーテルを通過しなければならないため、カテーテルを植え込み後にデバイス上から取り払う必要がある)、コネクタブロックにより、より大型の要素を薄型デバイス100に取り付けることができる。
【0117】
図22に示す制御部12は、リード線14を受承するとともにリード線14と電気的に接続するような形状に形成される。制御部は、内側に取り付けられた接触リングを含む。ここで、コネクタブロック12は、溝付き端部にシリコーンおよび/または縫合糸を取り付けることによって固定され、水密性が確保される。
【0118】
ステントに直接植え込まれる無線システムは、
図2の無線システム12と本質的に(小型化されたバージョンでも)同じである。
【0119】
図23に示すように、電極リード線14を挿入し、シリコーンガスケットを使用して水密シールを行う。
【0120】
図24は、電極リード線14が接続開口部172を通され、これにより、コネクタブロック本体173内の導電性コネクタ175と接触するコネクタブロックを示す。分離および電気絶縁および水密性は、シリコーン(またはその他の)セパレータ174を介して高められる。接点175は、無線または直接的な電気接続ポート183で終端するためにシリコーンまたは他のもので包囲された束181を形成するコネクタブロックワイヤ179に溶接(または別の方法で接続)される。
【0122】
デバイス100は、
図25に示す挿入位置と
図26に示す配置または足場位置との間で移動可能である。
【0123】
挿入位置では、デバイス100は、収縮し、これにより、カテーテル内から進入点(すなわち、頸静脈)から配置点(例えば、運動皮質)までの脈管系経路を通るように、十分に肉薄となる。
【0124】
配置または足場の位置に配置されると、デバイス100は、足場電極が血管壁に対して押し付けられた状態でステント101の外側に取り付けられた拡張状態にある。この拡張された位置は、デバイス100を血管103内のその位置にアンカー固定する。さらに、この配置位置は、デバイス100が配置される血管103を通る血流の完全性に最小限の効果を有するように構成される。足場位置は、バネ、コイル、あるいはらせん状のストランドと同義であってもよく、これにより、デバイス100は血管壁にのみ接触し、血流への影響を低減する。電極131はまた、ステント101の内部に取り付けられてもよく、これにより、拡張ステント101を流れる流体からの情報を測定することができる。ステント101を取り払いまたは再配置するためには、追加の軸体(初期展開に使用されるもの以外)が必要である。これらは、本発明の文脈で説明されており、単一の先端ほど細くなる構成および二重の先端ほど細くなる構成の両者が用いられる。
【0125】
デバイス100を複数の位置に配置できるように、使用される材料は、複数の状態が可能なものである。これらの材料には、ニチノールおよび他の形状記憶合金およびポリマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、デバイス100の長期間の生体適合性を高めるために、ポリマーは、生体吸収性または生体分解性を備えるものであり、線維化がデバイス100上で生じる時間と同様の分解時間を伴い得る。したがって、電極131(好ましくは劣化するように構成されておらず、ニチノール、形状記憶合金、導電性ポリマー、他の非形状記憶合金、並びに白金、イリジウム、ステンレス鋼および金のような不活性かつ生体適合性を備える金属から形成される)は、初期デバイス100に残っているすべてであり、血管103の内部に埋め込まれ、これにより、配置位置におけるデバイス100の安定性がさらに高められる。
【0127】
図6は、拡張または配置または足場の位置にある医療デバイス100を示す。デバイス100は、ステント101、遠位オリーブおよび/または近接マーカー112、ステント101をオリーブ112に取り付けるワイヤ114、複数の電極131、および軸体が、血管104内に展開されているステント101に接続される着脱領域115を含む。ステント101に取り付けられた電極131は、血管壁103と直接並んでおり、任意の血管(デバイスが展開されている血管と他の接続された血管の両者)への血流を妨害しないものとして示されている。ここでは、オリーブ112を使用して、医療器具を所望の血管104内に配向可能である。
【0129】
図25は、カテーテル102内で血管104を通される際の移植中(外科的展開段階)の医療デバイス100を示す図である。血管壁103と同様に、ステント101、電極131、ステント着脱領域105、およびステント遠位マーカー/電極/緩衝器113が示されている。ここでは、カテーテル102を使用して、デバイスを選択するとともに所望の血管104内に配向する。
【0131】
図26は、配置カテーテル102を通して血管104内に展開されているステント101、遠位オリーブおよび/または近接マーカー113、複数の電極131、リード線141およびステント着脱領域105を含む、拡張または配置または足場位置における医療デバイス100を示す。ステント101に取り付けられた電極131は、血管壁103と直接並んでおり、任意の血管(デバイスが展開されている血管と他の接続された血管の両者)への血流を妨害しないものとして示されている。
【0133】
システムは、
図27に示すように構成された接地電極167を含み、これは、記録された信号の品質を補助するとともに改善し、あるいは刺激用途のための電気戻り経路を提供するために使用される。ここで、接地電極は、それが移植されるならば、コネクタブロック上に配置される。接地電極167は、無線制御部12の外部に直接取り付けられ得る。
【0134】
図28に別の実施形態による接地電極167を示す。接地電極167は制御部12の外側に設けられる。
【0135】
図37に示す白金のC字状の接地電極167は、標準の電気端子169に取り付けられた赤色のらせん状のリード線141とともにシリコーン181に埋め込まれている。ダクロンメッシュは、電極およびワイヤを組織に固定するのを支援することに使用される。
【0136】
図29は、異なる領域にアクセスするために異なる血管104に挿入された複数のデバイス100を有する血管を示す。
【0137】
図30は、より大きな領域を覆うように植え込まれた複数のデバイス100を有する1本の血管104を示す。
【0138】
図31は、神経情報をピックアップするとともにこの情報をステント101上に配置された無線送信部1002に中継する、ヒトの運動皮質の上にある血管104内のステント101に取り付けられた電極を示す無線電極システム1000である。ステント101が展開され、スタイレットが取り払われている(すなわち、ステント101、電極、電極ワイヤ、および無線システム1002のみが残っている)ことに留意されたい。情報は、頭蓋骨を介して頭部に配置された無線受信部1004に無線で送信され、次に、取得された神経情報は復号されるとともに義足16に送信される。
【0139】
図32に示すように、デバイス100は、デバイス100を使用して患者の上矢状洞(SSS)または分枝皮質静脈から神経情報を記録または神経細胞を刺激するために使用され、(a)上矢状洞または分枝皮質静脈のいずれかにデバイスを植え込む工程と、(b)活動を受信する工程と、(c)前記活動を表すデータを生成する工程と、(d)前記データを制御部に送信する工程とを含む。ステント101は、ワイヤを介して外部機器12に供給される信号を取得する(すなわち受信する)、運動皮質を覆うSSSに植え込まれる。
【0140】
図33は、運動皮質(赤色)および感覚皮質(黄色)付近の上矢状洞および分枝皮質静脈を示すヒトの脳(眼が左に面した)の画像再構成を示す。
【0141】
図34は、デバイス100を使用して神経細胞を刺激するとともに患者の視覚皮質から神経情報を記録する方法を示しており、(a)患者の視覚皮質の血管内にデバイスを移植する工程と、(b)血管に関連付けられた神経情報を記録するとともに受信した刺激データに従って神経細胞を刺激する工程とを含む。
【0142】
図35に特に示すように、デバイス100は、筋肉を直接的に刺激または記録するために配置される血管104を通して送達される。
【0143】
デバイス100は、刺激または記録のために末梢神経に隣接する血管を通して送達され得る(
図35に示されるような)。
【0144】
デバイスは、刺激または切除のために、交感神経または副交感神経に隣接する血管を通して送達される。
【0145】
図36は、神経刺激または測定ができるような可能な位置を示す末梢神経(この例では正中神経)の一例を示す。
【0146】
図38Aは、ステント101本体の周囲に配置された複数の電極131を有するステントまたは足場101の別の例を示す。図示のために、ステント101は、上述のようにリード線、あるいは電極と制御部との間の電気的通信を可能にする他の構造体に対して電極を電気的に結合するいかなる接続構造体も伴わないものとして示されている。図示の変形例では、電極131は、ステント101の本体の周囲に分散されるとともに接合ストラット108の接合部または頂点に配置される。このような構造体では、ダイヤモンドのような形状のセルを有する代わりに、セルは「V」字状の形状に形成される。この構造体により、電極131と組織または血管壁との間の並置を強化することができる。
【0147】
図38Aはまた、ステント構造体が、ステントストラット108の一部またはそれ以上を貫通して延在する一体化された導電層を含み、電極131が、一体化された導電層の露出部を通して形成されるように形成可能なステント101の変形例を示す。このようなステント構造体により、以下に詳述するように、ステント101および電極131のアセンブリが形成可能となり、電極および導電性電極トラックがステント格子またはストラット自体に埋め込まれる。このような構成により、電極をステントの本体に取り付けるための固定方法(すなわち、接着剤、のり、固定具、溶接など)を使用する必要性が低減または排除される。このような構成により、電極をワイヤにさらに溶接または電気的に接続する必要性がさらに低減または排除される。別の効果は、従来のワイヤ接続電極は、ステントストラットの周囲およびステントの本体を通るワイヤの収容を必要とすることにある。
【0148】
図38Bは、一体化された電極131を有するステント構造体101を示しており、ステント構造体は、遠位端146で軸体121に連結されている。軸体は、本明細書に開示されるように、電極131を後述のように1つ以上の制御部(図示しない)に電気的に連結することができる。一例では、軸体121は、ガイドワイヤ、プッシュワイヤ、並びにワイヤまたは導電性部材が内部を延びるとともに遠位端146でステントの導電層に連結されるその他の管状構造体を備えることができる。これに代えて、
図38Cおよび
図38Dは、軸体121がステント構造体の一部または一体であり、導電層がステントの一部または全部を通って軸体121まで延在するように形成することができるステント101のバリエーションを示す。このような構造体により、ステントの作業端で軸体をステント構造体に接合する必要性がさらに排除される。これに代えて、ステント構造体(軸体を形成する)を個別の軸体に接合することにより、デバイスに沿って近位側に移動させることができる。このような構造体により、ステントおよび軸体の作業端は可撓性を備えた状態に保持される。
図38Cおよび
図38Dに示すステント構造体はまた、上述のような任意の補強部分62を含むことができる。
図38Cは、スタイレット123を挿入してデバイスの位置決めを補助することができるか、ワイヤまたは他の導電性部材をその内部に通してこれらと連結することができる中空軸体121をさらに示す。さらに、軸体121は、脈管構造を通る軸体の可撓性または押し込み性を向上させる任意の数の要素119を含むことができる。
【0149】
1つ以上の接続パッド(以下に説明する電極と同様の構造)の構成によって、デバイスを通って延在するリード線に対して電極131を電気的に接続することができ、パッドの寸法によりワイヤまたはリード線に十分に確実に接触し、パッドのタイプにより波形にするとともに取り付ける際の堅牢性が保証されるとともにトラックの疲労が低減される。パッドを含む区分は、ケーブル121が挿入できるように、例えば遠位部146でチューブに圧縮することができる。
【0150】
特定の変形例では、接続パッドはカテーテルを通って供給可能でなければならない。さらに、接続パッド132は、パッドがリード線上の接点に整列していることが視覚的に確認可能となる1つまたは複数の穴または開口部を含むことができる。これらの穴/開口部により、接触リード(チューブ121の内側)と接触パッド(穴を通して外側に延在するチューブの内側の)との直接/レーザー溶接または接着がさらに可能となる。
【0151】
一実施例では、同軸オクトファイラケーブル(すなわち、8本のワイヤを有する外側ケーブルの内側に配置される8本のワイヤを有する内側ケーブル)を使用して、耐疲労性を強化し、ワイヤを制約内に確実に収めることができる(すなわち、十分に小型のカテーテルを通し、必要に応じて内側スタイレットを有することができる)。
【0152】
図39A乃至39Cは、埋め込み電極および導電路で構成されたステント構造体101の一例を示す。
図39Aは、例示のみの目的のために、線状配置の電極138を有する平面構成のステント構造体101の例を示す。明らかに、電極の任意の構成は、本開示の範囲内である。具体的には、神経用途に有用なステント構造体の変形形態では、ステント構造体は、既存の神経ステントよりも伝統的に大きい直径を含むことができる。そのような増大した直径は、ステント構造体が恒久的に埋め込まれ、血管/組織壁に対する電極の並置を必要とするために有用であり得る。さらに、いくつかの変形例では、そのようなステント構造体の長さは、人間の運動皮質に沿った所望の配置を収容するために、20mmまでの長さおよび20mmよりも大きい長さを含むことができる。例えば、デバイスのバリエーションは、運動皮質および周辺皮質領域を覆うのに十分な長さのステント構造体を必要とする。このような長さは、流れの回復、あるいは動脈瘤や他の医学的状態への対処を目的とした既存の介入デバイスには通常必要とされない。加えて、特定の変形形態では、特定の電極間の電気経路を絶縁することができる。そのような場合に、導電性材料50は、電極が接触パッドまたは他の導電性要素への電気伝導経路を有することを可能にするパターンを形成するために、所定のステントストラットから省略することができるが、電気伝導経路は、第2の電気伝導経路を有する第2の電極から電気的に絶縁される。
【0153】
特定のパターン(例えば、コルクスクリュー構成または互いに対して120度の方向に配向される3つの線形(またはコルクスクリュー配向)線の構成)に電極を配置することにより、確実に電極を脳に配向する、展開した電極配向が可能となる。移植されると、外科的に配向は可能ではなくなる(すなわち、デバイスが移植されて、回転することが不可能でない場合には困難となる)。したがって、デバイスの変形は、送達の際に脳の所望の領域に向かう電極パターンを有することが望ましい。
【0154】
電極寸法決めは、確実に十分高品質な記録ができるように、かつ充分大きな電荷注入限界(組織に損傷を与える可能性のある電極を損傷することなく刺激中に電極を通過できる電流の量)を与えるのに十分な大きさでなければならない。寸法はまた、カテーテルシステムによる送達を可能にするのに十分な大きさでなければならない。
【0155】
図39Bおよび
図39Cは、
図39Aのステント構造体の線39B−39Bに沿った断面図を示し、MEMS(マイクロ電気機械システム)技術を用いて薄膜デバイスを堆積および構造化して、薄膜デバイスを製造し、ステント格子または複数のストラットに埋め込まれた電極と導電路とを有するステントを構造するための製造技術の一変形例をさらに示す。
図39Bおよび
図39Cのストラットの間隔は、説明のためにのみ圧縮されている。
【0156】
上述したように、電極および導電路を埋め込むことにより、デバイスの機械的性能に効果が得られる。さらに、電極を埋め込むことにより、構造体上に取り付けられた電極の数を増やすことができ、導電路(30乃至50μm×200乃至500nm)を従来の電極ワイヤー(50乃至100μm)よりも小さくすることができる。
【0157】
薄膜ステントの製造は、犠牲層(58)を予備支持構造体として使用して、ニチノールまたは他の超弾性形状記憶材料(または金、白金、酸化イリジウムを含むがこれらに限定されない、電極および接点の堆積のための他の材料)をマグネトロンスパッタリングによって特定のパターン(56)で堆積させることによって行うことができる。支持構造体(58)を取り払うことにより、UVリソグラフィを用いて薄膜をさらに構造化することができ、構造体は、電極を血管壁に対して固定するのに必要な半径方向の力に対応する厚みにより構成可能である。
【0158】
電極の電気的絶縁は、薄膜構造(54)上への非導電層(52)(例えば、SiO)のRFスパッタリングおよび堆積によって達成される。電極および電極トラック(50)は、(金、Pt、Ti、NiTi、PtIrを含む導電性および生物医学的に許容可能な材料を使用して)非導電層上にスパッタ堆積され、追加の非導電層が、さらなる電気的絶縁のために導電性トラックを覆うように堆積される。図示のように、導電路50は露出されたままであり、電極138を形成する(同様に、接触パッド領域は露出したままであり得る)。最後に、犠牲層58および基板が取り払われ、
図39Cに示すようにステント構造体101が残される。
【0159】
基部構造体54が超弾性形状記憶材料(すなわち、ニチノール)を含むいくつかの変形例では、ステント構造体101を高真空チャンバ内でアニール処理して、アニール処理中における酸化を回避することができる。熱処理の間、非晶質ニチノール構造体54は結晶化して超弾性を獲得し、所望に応じて円筒形または他の形状に同時に形状設定することができる。構造体101を続いて熱処理することができる。
【0160】
図40Aは、
図40Bの線40A−40Aに沿った部分断面図であり、MEMS技術によって形成されるステント構造体101の追加の変形を示し、1つまたは複数のステントストラット108の寸法を変更することにより、ステント構造体101を所望の構造または他の態様にすることができる。例えば、図示の変形例では、特定のステントストラット108は、支持材料60が隣接するステント構造体108よりも大きな厚みを有するように寸法が変更される。しかし、このような寸法変化は、厚みに限定されず、幅、形状などを含むこともできる。
【0161】
図40Bは、寸法が変更されたストラットから得られるステント構造体101を示しており、ステント構造体101の正弦曲線部分62はより大きな剛性(増加した厚みにより生じる)を含む。このような構成により、(シースがステントの上で引き戻される)従来の必要条件とは異なり、カテーテルを通してステントデバイスを押し出すことができる。従来のステントは、ニチノールダイヤモンドまたはセルの肉薄な格子から形成される。この正弦曲線部分62は、バックボーンのように機能することができ、超弾性並びにステントが圧縮および拡張する能力を制限することなく、デバイスに前方への押し込み強度を付与する。明らかに、寸法的に変更されたストラット部の任意の数のバリエーションが、本開示の範囲内にある。
【0162】
図41A乃至41Eは、ステント(例えば、ステント101)およびレセプタクル(例えば、制御部12)と電気的に通信可能なコネクタ200の変形の様々な態様を示す。例示のために、コネクタ200はステント101およびレセプタクル12から分離して示される。上述したように、コネクタ200により、電極と制御部との間は電気的に通信可能である。
【0163】
図41Aは、コネクタ200がデュアルオクトファイラー(dual−octofiler)ケーブル(同軸オクトファイラー(coaxial−octofiler)ケーブルとも呼ぶ)を有し得ることを示す。デュアルオクトファイラーケーブルは、第1のコイル201(例えば、内側コイル)と第2のコイル202(例えば、外側コイル)とを有し得る。第1のコイル201および第2のコイル202はそれぞれ8本のワイヤ141を有し得る。多かれ少なかれ、他の数のワイヤも認められる。第1のコイル201は、第2のコイル202のルーメン内に配置され得る。第1のコイルは、内部チューブ145のルーメン内に配置され得る。第1のコイル201および/または第2のコイル202は、外部チューブ146のルーメン内に配置され得る。第1のコイル201および第2のコイル202は、巻かれたコイルである。第1のコイル201および第2のコイル202は、らせん状コイルであってもよい。例えば、第1のコイル201は、内部チューブ145の内面に沿って巻き付けることができ、第2のコイル202は、内部チューブ145の外面に沿って巻き付けることができる。上述したように、デュアルオクトファイラー構成を使用して、耐疲労性を強化し、ワイヤが制約部内に確実に収まるようにすることができる(つまり、十分に小型のカテーテルを通して挿入でき、必要に応じて内部スタイレットを使用できる)。
【0164】
絶縁体(例えば、ポリウレタン)は、コイル201、202の1本以上のワイヤ141を覆うことができる(すなわち、ワイヤ141を絶縁することができる)。絶縁体(例えば、ポリウレタン)は、第1のコイル201と第2のコイル202の間に配置することができる。例えば、内部チューブ145は、第1のコイル201と第2のコイル202との間に配置され得る絶縁体であり得る。絶縁体(例えば、ポリウレタン)は、第1および/または第2のコイル201、202を覆うことができる(すなわち、第1のコイル201および第2のコイル202は絶縁することができる)。
【0165】
第1のコイル201は、第2のコイル202の長さよりも小さい、より大きい、または等しい長さを有することができる。例えば、第1のコイル201は、第2のコイル202よりも長くすることができる。第1のコイル201は、第2のコイル202の直径よりも小さい、より大きい、または等しい直径を有することができる。第1および/または第2のコイル201、202はそれぞれ、1つ以上の直径を有することができる。例えば、第1のコイル201は2つの直径を有することができ、第2のコイル202は1つの直径を有することができる。第1のコイル201は、第1の直径および第2の直径を有することができる。第1の直径は、第1のコイル201が第2のコイル202内に配置される場所に対応することができ、第2の直径は、第1のコイル201が第2のコイル202内に配置されていない場所(例えば、第1のコイル201を越えて延びる場所)に対応することができる。他の配置も認められる。
【0166】
図41Aには示されていないが、外部軸体146は、接点151およびセパレータ174(例えば、絶縁体)を含むことができる。セパレータ174は、接点151を互いに電気的に絶縁した状態に保つために接点151の隣に配置することができる。第1のコイル201および第2のコイル202のワイヤ141は、接点151に電気的に接続することができる。例えば、第1のコイル201の8本のワイヤ141および第2のコイル202の8本のワイヤ141はそれぞれ、対応する接点151に電気的に連結することができる。
【0167】
第1のコイル201は、スタイレット148(図示しない)がこれを通過できるように構成可能である。例えば、第1のコイル201は、スタイレット148が第1のコイル201を通過できる管腔を形成することができる。第1のコイル201の内面は、絶縁されていても、絶縁されていなくてもよい。
【0168】
第1のコイル201および第2のコイル202は、巻かれた部分および巻かれていない部分を有することができる。例えば、第1のコイル201および第2のコイル202は、巻かれた部分から巻かれていない部分に移行することができる。巻かれた部分はらせん状のワイヤを有し、巻かれていない部分は、直線的な、屈曲した(例えば、1つまたは複数の屈曲部)、および/または角度をなした(例えば、1つまたは複数の屈曲部)ワイヤを有することができる。巻かれた部分および巻かれていない部分は、可撓性および/または剛性を備え得る。例えば、巻かれた部分は可撓性を備え得、巻かれていない部分は剛性を備え得る。
【0169】
第1のコイル201および第2のコイル202は、らせん状部分および非らせん状部分を有することができる。例えば、第1のコイル201および第2のコイル202は、らせん状部分(例えば、ワイヤ141がらせんを形成する)から非らせん状部分(例えば、ワイヤ141がらせんを形成しない)に移行することができる。例えば、非らせん状部分のワイヤ141を巻き戻して、コイルを形成しないようにすることができる。非らせん状部分のワイヤ141は、直線的な、屈曲した(例えば、1つまたは複数の屈曲部)、および/または角度をなした(例えば、1つまたは複数の屈曲部)とすることができる。らせん状部分および非らせん状部分は、可撓性および/または剛性を備え得る。例えば、らせん状部分は可撓性を備え得、非らせん状部分は剛性を備え得る。
【0170】
第1のコイル201および第2のコイル202はそれぞれ1つまたは複数のチャネルを有することができる。例えば、第1のコイル201および第2のコイル202はそれぞれ8つのチャネルを有することができる。多かれ少なかれ、他の数のチャネルも認められる(例えば、9乃至16チャネル、またはそれ以上)。他の数のコイル、例えば3つ以上のコイルも認められる。例えば、第1のコイル201の内腔内および/または第2のコイル202の外側に別のコイルを配置できることが理解されよう。
【0171】
図41Bは、
図41Aに示すコネクタ200の線41A−41Aに沿った断面図を示し、デュアルオクトファイラーコイル構造体の第1のコイル201および第2のコイル202をさらに示す。
図41Bは、第1のコイル201が、第2のコイル202の直径と一致するか、そうでなければ直径に近づくように、直径の増大部203を有し得ることを示す。増大部203は、第1のコイル201の長さ部分に沿ったいずれかの部位に、および第2のコイル202の長さ部分に沿ったいずれかの部位に設けられ得る。例えば、第1のコイル201は、第1のコイル201のほぼ中間点および第2のコイル202の端部(例えば、終端部)に増大部203が設けられてもよい。第1のコイル201は、例えば、一様な寸法のリード151を使用できるように、増大部203が設けられて、リード151に接触することができる。第1のコイル201は、リード151に取り付けるために増大部203を設けてもよい。しかしながら、リード151は1つ以上のサイズを有することができることが理解されよう。増大部203の有無にかかわらず、レセプタクル12は、レセプタクル12の接点175が第1のコイル201と接触する接点151と接触できるように、内部に段部を有することができる。デュアルオクトファイラーケーブルのさまざまな構成は、図示のさまざまな寸法(インチ単位)を有し得る。
【0172】
図41Cは、
図41Aのコネクタ200の別の斜視図を示しているが、例示の目的で外側軸体146が透明にされている。上述したように、第2のコイル202は内側軸体145の周囲に巻き付けることができ、第1のコイル201は増大部203を有することができる。
図41Cは、第1のコイル201および第2のコイル202の8本のワイヤ141が終端部207を有することができることを示す。図示のように、第2のコイル202のワイヤ141が最初に終端し、次に第1のコイル201のワイヤ141が終端し得る。第2のコイル202の終端部207は、コネクタ200の8本の第1のリード151に取り付けることができ、第1のコイル201の終端部207は、コネクタ200の8本の第2のリード151に取り付けることができる。8本の第1のリード151は、コネクタ200の第1の端部210aのより近傍にあり、8本の第2のリード151は、コネクタ200の第2の端部210bのより近傍にある。図示のように、例えば、近位から遠位への接続(例えば、第1の端部210aから第2の端部210bへ)、遠位から近位への接続、交互の接続などを含む、任意の接続シーケンスが認められる。終端部207は、上述したように、(例えば、溶接により)接点151に電気的に連結することができる。終端部207は、リード151と電極131、138との間に電気的経路を確立するために、接点151に露出することができる。
【0173】
図41Cは、例えば位置204で、第2のコイル202のらせんの角度が変化し得ることをさらに示す。第2のコイル202のらせんの角度は増加または低減可能である。例えば、らせんの角度は、第2のコイル202が第1の接点151と接触する付近で増加し得る。多かれ少なかれ、第2のコイル202のらせんの角度の他の数の変化も認められる(例えば、2つ以上の変化に対するゼロ変化を含む)。
【0174】
図41Dは、
図41Aのコネクタ200の別の斜視図を示しているが、例示のために内側軸体145および外側軸体146を透明にしたものである。
図41Dは、例えば位置205で、第1のコイル201のらせんの角度が変化し得ることを示す。第1のコイル201のらせんの角度は、増加または低減可能である。例えば、らせんの角度は、第2のコイル202の最後の終端部207が第8の接点151と電気的に接触する付近で増加し得る。多かれ少なかれ、第1のコイル16のらせんの角度の他の数の変化も認められる(例えば、2つ以上の変化に対するゼロ変化を含む)。
【0175】
図41Eは、リード151およびセパレータ174を備えた
図41Aのコネクタ200を示す。リード151およびセパレータ174は、互い違いのパターンで互いに対して配置することができる。上述したように、第1のコイル201および第2のコイル202の各ワイヤ141は接点151で終端する。ワイヤ/ファイラー141は露出するとともにリード151の内面(例えば内径)に取り付けられている(例えば溶接されている)。
【0176】
コネクタ200は、上述したようにレセプタクル12に挿入および/または取り付けることができる。コネクタ200は、上述したようにレセプタクル12に差し込むことができる。
図41Eは、コネクタ200が、レセプタクル12と係合および/またはこれに取り付け可能な保持部材206(例えば、保持リング206)を有し得ることを示す。これを遂行するために、保持部材206は、リングまたはリング状構造体を形成することができるが、他の形状も認められる。例えば、レセプタクル12は保持部材206にねじ込むことができる。保持部材206は、内部および/または外部のねじ山を有することができる。例えば、保持部材206は、止めねじを含むことができる。保持部材206は、接点151のうちの1つよりも長い長手方向寸法を有することができる。
【0177】
保持部材206は、移植前、移植中、および移植後にコネクタ200を構造的に支持するために剛性を備え得る。コネクタ200の他の部分は、コネクタ200が血管の蛇行部を案内されるかこれに適合できるように、可撓性を備え得る。例えば、保持部材206とコネクタ200の第2の端部210bとの間にあるコネクタ200の部分は、可撓性を備え得る(この部分は、本明細書ではリード本体とも呼ぶ)。コネクタ200のリード本体は、半径6mmの周囲90度に屈曲することができる。多かれ少なかれ、他の角度および半径も認められる。コネクタ200(例えば、コネクタ200の第2の端部210b)は、半径0.5mmの周囲45度に屈曲することができる。多かれ少なかれ、他の角度と半径も認められる。コネクタ200は、半径1cmの周囲に巻き付けることができる。多かれ少なかれ、他の巻き付け半径も認められる。
【0178】
コネクタ200のリード本体部分において、コイル201、202は、絶縁体に埋め込まれないように浮くことができる。コイル201、202は、保持部材206内および/またはリード本体部分内の絶縁体に埋め込むことができる。セパレータ174は、接点間に確実に一様な直径が設けられるようにオーバーモールド成形することができる。
【0179】
図41Eは、リード線141がコネクタ200の第1の端部210aを越えて延びることができることを示す。コネクタ200の第1の端部210aを超えて延びるリード線141は、各ワイヤ141が個別に接続パネル(例えば、以下に説明する接続パネル220)に接続できるように、または、ワイヤ141の1つまたは複数の束144で接続パネルに接続し得るように、巻き戻される(例えば、解かれる)。例えば、リード線141は、コイル状構造体から、接続パネルに接続できる16個の尾端部に移行することができる。16個の尾端部は、直線的かつ/または湾曲することができる。接続パネルは、コネクタ200を電極131、138に電気的に連結することができる。例えば、
図41Eは、第1のコイル201および第2のコイル202を巻き戻して、リード線141の3つの束144にグループ化できることを示す。多かれ少なかれ、他の数の束も認められる。第1のコイル201および第2のコイル202からのワイヤは、第1のコイル201のワイヤ141および/または第2のコイル202のワイヤ141と束ねることができる。個別のワイヤ141およびワイヤ144の1つ以上の束は、接続パネルと接続するためにコネクタ200から延び得ることが理解される。ワイヤ141は、保持部材206内の所定の寸法および/またはコネクタ200の残りの部分内の所定の寸法にわたって巻き戻す/ほどくことができる。コネクタからステント101に向かって延びるワイヤ141および/または束144は、剛性および/または可撓性を備え得る。
【0180】
ワイヤ141は、例えばレーザー溶接によりステント101に直接接続することができる。例えば、ワイヤ141は、ステント101上のパッドに直接接続することができる。ワイヤ141は、例えばワイヤボンディングにより、ステント101に間接的に接続することができる。例えば、ワイヤ141は、中間パッドへの接続を介してステント101上のパッドに間接的に接続することができる。ステント101上のパッドは、例えばジャンパー線により、中間パッドにワイヤボンディングすることができる。
【0181】
図42は、
図41A乃至41Eのコネクタ200を、接続パネル220を介してステント101の電極131、138に電気的に連結できることを示す。
図42は、コネクタ200のワイヤ141が接続パネル220を介してステント101に間接的に接続できることを示す。接続パネル220は、互いに電気的に結合された第1のパネル(例えば、オーバーレイ)と第2のパネル(例えば、ステントロードパネル)を有することができる。第1および第2のパネルはそれぞれ、1つ以上の接続パッドを有することができる。パッドは、白金または他の導電性材料から形成可能である。コネクタ200のワイヤ141は、第1のパネルの1つ以上のパッドに電気的に接続することができ、ステント101の導電路(電極トラックとも呼ばれる)は、第2のパネルの1つ以上のパッドに電気的に接続することができる。1つ以上のジャンパーを使用して、第1のパネルを第2のパネルに電気的に接続し得る。例えば、1つ以上のジャンパーを使用して、第1のパネルパッドを第2のパネルパッドに電気的に接続することができる。1つ以上のジャンパーは、第1のパネルパッドを第2のパネルパッドに電気的に接続することができ、これにより、コネクタ200のリード151をステント101の電極131、138に電気的に接続することができる。ワイヤ/ファイラー141を第1のパネルに取り付けることにより、ワイヤ/ファイラー141をステントロードパッド(例えば、第2のパネルパッド)に直接取り付けるよりも、より安定して信頼できる接続を効果的に提供できる。第1および/または第2のパネルは、例えば溶接または他の取り付け方法によってコネクタ200に取り付けることができる。第1のパネルおよび第2のパネルは、それぞれ16個のパッドを有することができる。多かれ少なかれ、他の数のパッドも認められる(例えば、1個のパッドから32個以上のパッド)。絶縁材料(例えば、エポキシ)が接続パネル220を覆うことができる。
【0182】
2つ以上の接続パネル220を使用することができる。例えば、2つの接続パネル220を使用することができる。2つの接続パネルが使用される場合に16本のワイヤ141のすべてが同じ領域に接続されるわけではないため、2つの接続パネル220を使用することにより、1つの接続パネル220を使用する場合に比べて、効果的に接続を容易にすることができ、ワイヤ管理のためのスペースを増やすことができる。複数の接続パネルを使用することにより、ステントロードが輸送システムから押し出されるときに、接続パネル領域を構造的に支持することができる。例えば、複数の接続パネルを使用することにより、システムを輸送システム(カテーテルなど)に押し込むときにかかる力/軸方向の荷重を分散することが支援される。複数の接続パネルを使用することは、加工および耐疲労性の観点からも効果的である。
【0183】
1つまたは複数の接続パネル220は、ステント101のバックボーンに並べられ得る。例えば、1つ以上の接続パネル220は、ストラット108、より太いストラット108、および/または補強部分62と並べられ得る。
【0184】
デュアルコイル201、202から、パネル220に向かって延びるリード線141への移行は、上述したように第1のコイル201および第2のコイル202を巻き戻す/ほどくことを含み得る。
【0185】
コネクタ200(血管内埋め込み可能リードとも呼ぶ)は、埋め込み可能遠隔測定部(例えば、制御部12)に神経インターフェースセンサデータを送信するように構成することができる。デュアルオクトファイラーコイル201、202は、他の動きの中でも特に首部の動きによる長期間の反復的な動きおよび外傷に効果的に耐久可能である。デュアルオクトファイラーコイル201、202を使用することにより、筋肉アーティファクトによるノイズを効果的に低減することができる。
【0186】
ステント上のパッドは、抵抗溶接、レーザー溶接(それぞれがステントロード上のパッドとリードとの間の直接接触を含む)および/またはワイヤボンディング(ステンロードと中間パッドを介したリードとの間の接続)を含む様々な方法によってリード本体の導体に接続することができるが、これらに限定されるものではない。
【0187】
図43A乃至43Fは、接続パネル220の一部の変形例の様々な図を示す。図示のように、接続パネル220は、ステント101の一部、例えば第2のパネル224に取り付けられた第1のパネル222(例えば、オーバーレイ)を有することができる。第2のパネル224は、接続パドルであり得る。第2のパネル224は、ステント101と一体的に設けられるか、ステント101に取り付けることができる。第2のパネル224は、複数のパッド(図示しない)および複数の電極トラック236を有することができる。電極トラック236は、第2のパネル224のパッドに電気的に接続することができる。第1のパネル222は、複数のパッド226および複数の開口部228(窓部または穴とも呼ばれる)を有することができる。パッドは、白金または他の導電性材料から形成可能である。開口部228は、ステント101上のパッドに並べられるか、パッド上に配置することができる。第1のパネル222は、同じ数または異なる数のパッド226および開口部228を有することができる。例えば、第1のパネル222は、16個のパッド226および16個の開口部228を有することができるが、多かれ少なかれ、他の数のパッドおよび開口部も認められる(例えば、1乃至32以上のパッドおよび開口部)。別例として、第1のパネル222は、開口部228よりも多くのパッド226を有することができる。さらなる別例として、第1のパネル222は、開口部228よりも少ないパッド226を有することができる。ステント101は、第1のパネル222の開口部228の数と同じ数または異なる数のパッドを有することができる。例えば、ステント101は16個のパッドを有することができ、第1のパネル222は16個の開口部228を有することができる。別例として、ステント101は16個のパッドを有することができ、第1のパネル222は16個未満の開口部228(例えば、4または8個の開口部)を有することができる。
【0188】
図43Aおよび43Bは、窓部228が、パッド226の断面積に対して低減された断面積を有し得ることを示す。これにより、ワイヤ管理のために第1のパネル222上の動作空間を効果的に増加/最適化することができる。パッド226および窓部228は、ワイヤ管理のために第1のパネル上の動作空間を増加/最適化するために様々なパターンで配置することができる。
図43Aおよび
図43Bに示すパターンは、パッド226および窓部228の任意の適切なパターンが認められるため、非限定的である。
図43Gは、パッド226および開口部228の変形例を示す。パッド226は、例えば、パッドの第1の寸法およびパッドの第2の寸法を有することができる。パッドの第1の寸法は、パッドの長さであり得、パッドの第2の寸法は、パッドの幅であり得る。パッドの第1の寸法は、パッドの第2の寸法よりも大きくてもよく、パッドの第2の寸法よりも小さくてもよく、またはパッドの第2の寸法と同じであってもよい。例えば、
図43Gは、パッドの第1の寸法がパッドの第2の寸法よりも大きく設けられ得ることを例示している。パッドの第1の寸法は、例えば、約0.05mm乃至約1.00mm、10.00mm未満であり得、これらの範囲内の0.01mmごとの増分(例えば、0.50mm)を含み得る。パッドの第2の寸法は、例えば、約0.04mm乃至約1.00mm、10.00mm未満であり得、これらの範囲内の0.01mm毎の増分(例えば、0.13mm)を含み得る。開口部228は、例えば、開口部の第1の寸法と開口部の第2の寸法とを有することができる。開口部の第1の寸法は、開口部長さであり得、開口部の第2の寸法は、開口部幅であり得る。開口部の第1の寸法は、開口部の第2の寸法よりも大きくてもよく、開口部の第2の寸法よりも小さくてもよく、または同じであってもよい。例えば、
図43Gは、開口部の第1の寸法が開口部の第2の寸法よりも大きく設けられ得ることを例示している。開口部の第1の寸法は、例えば、約0.05mm乃至約1.00mm、10.00mm未満であり得、これらの範囲内の0.01mmごとの増分(例えば、0.24mm)を含み得る。開口部の第2の寸法は、例えば、約0.04mm乃至約1.00mm、10.00mm未満であり得、これらの範囲内の0.01mm毎の増分(例えば、0.08mm)を含み得る。
【0189】
図43Cおよび
図43Dは、ステント101上のパッドとオーバーレイ222上のパッド226との間にワイヤボンド230を形成できることを示す。
図43Dは、セクション43D−43Dにおける
図43Cのワイヤボンド230の拡大図である。1つまたは複数のワイヤ232は、窓部228のそれぞれを通過することができる。例えば、
図43Cおよび
図43Dには、2つの異なる窓部228を通る2本のワイヤ232が示されている。
【0190】
図43Eおよび
図43Fは、ワイヤ141をオーバーレイ222上のパッド226に取り付ける(例えば溶接する)ことができることを示す。
図43Fは、セクション43E−43Eにおける
図43Eのパッド226に取り付けられたワイヤ141の拡大図である。絶縁材料234(例えば、エポキシ)は、ワイヤ141の少なくとも一部を覆うことができる。
【0191】
図44A乃至44Dは、ステント101へのワイヤボンディングのためのオーバーレイ222の変形例を示す。オーバーレイ222は、図示の様々な寸法(インチ単位)を有することができる。
図44A乃至44Dのオーバーレイ222は、パッド226および開口部228のパターンが異なり、開口部228がより大きいことを除いて、
図43A乃至43Fのオーバーレイ222と同様である。
図44Cは、セクション44C−44Cにおける
図44Aのパッド226のうちの1つの拡大図である。
図44Dは、セクション44D−44Dにおける
図44Aの開口部228の拡大図である。パッドおよび開口部226、228は、図示の様々な寸法(インチ単位)を有することができる。ワイヤボンドパッドを特定の場所に配置して、16個の電極トラックすべてを、不要な電気接続が回避されるように充分に分離しつつ900μmの幅に収まらせることができる。オーバーレイ222は、1mm内径のカテーテルを通して展開できるように同様の幅を有し得る。
【0192】
図45Aおよび
図45Dは、ステント101へのワイヤボンディングのためのオーバーレイ222の変形例を示す。
図45Aは、オーバーレイ222の上面図を示し、
図45Bは、パッドを有するステント101の部分を覆うようにオーバーレイ222を配置できることを示す。ステントのパッドは、電極トラック236を介して電極131(図示しない)に電気的に接続することができる。パッド226および開口部228は、図示の様々な寸法を有することができる。この設計、およびステント101上のパッドに対する同様の変更により、パッド226をワイヤボンディング穴228に好適に直線的に取り付けることができ、これにより、例えば、
図44A乃至44Dに関連付けられる接続パネルよりも接続パネル220の製造が容易になる。
【0193】
図43A乃至45Dは、例えばワイヤボンディングにより、ワイヤ141をステント101に間接的に接続できることを示す。ワイヤ141は、オーバーレイ222上の中間パッド226への接続を介してステント101上のパッドに間接的に接続することができる。そのような中間接続方法により、リード200をオーバーレイ222に接続するために、より太い/より強いワイヤ141を使用することが好適にできるようになる。オーバーレイ222からステント101への溶接により、溶接する少量の白金を有するというステント101の制限を克服することができる。これは、例えばレーザー溶接に比べて効果的であり、その理由としてレーザー溶接は通常、溶接中にプールを形成するために溶融されるより多くの材料を必要とすることが挙げられる。少量の材料では、溶融したプールによってトラックの材料がプールに吸い込まれ、製造中にトラックが破損する可能性がある。
【0194】
図46A乃至46Fは、様々な電極131構造体を有するステント101の変形例を示す。これらのステント101の各々は、ステント101が血管内に送達される方法に関係なく、圧縮された形態から拡張すると、脳の情報豊富な領域(例えば、とりわけ運動皮質、感覚皮質など)に指向する十分な電極131が常に存在するように、電極131を効果的に配置可能である。例示の目的で、ステント101は、上述したような電極131をリードに電気的に連結する接続構造体、または電極131と制御部12との間で電気的通信をさせる他のそのような構造体を省略して示す。
【0195】
図示のように、電極131は、様々な位置でステント101の本体の周囲に分散させることができる。
図46A乃至46Fは、ステント101が1つまたは複数のセルサイズおよび/または形状(例えば、とりわけ、ダイヤモンド形、V字状)を有することができることを示す。例えば、ステント101は、幅よりも長さが長い(L>W)セルを有することができる。これにより、より大きな圧縮が効果的に可能になり、ステント101を送達器具(例えば、スタイレットまたは送達カテーテル)に格納するために必要な力を低減し、送達器具内からステント101を展開するために必要な力を低減することができる。ステント101は、長さよりも幅が大きい(W>L)1つ以上のセルを有することができる。ステント101は、幅よりも長さが長いセル(L>W)と、長さよりも幅が大きいセル(W>L)とを有することができる。そのようなセルの変形は、様々な血管組織に効果的に対応することができる。
【0196】
電極131のうちの1つ以上は、上述したようにステント101に取り付けられ、埋め込まれ、かつ/または一体的に設けられ得る。例えば、ステント101は、1つ以上の一体的に設けられた導電層(電極トラックおよび電気トラックとも呼ぶ)を有することができる。電極トラックは、約200μm乃至約1000μmの厚みを有し得る。多かれ少なかれ、トラックの他の厚みの他、より狭いまたはより広い他の範囲も認められる。これらの厚みを有する電極トラックは、電極トラックの電気的抵抗を効果的に減少させ、溶接のためにより多くの材料を(接続端で)提供できる。
図46A乃至46Fでは、電極トラックの厚みはページ内の寸法である(つまり、幅または長さではなく、複数のトラックが存在するステントロードストラットの全体の厚みを低減するために一定のままにすることができる、例えば図の左端のフォーク302等)。ストラット108(すなわち、絶縁層および電気トラックの下の材料)の太さは、約50μm乃至約100μm、例えば、50μm、85μm、または100μmに形成することができる。多かれ少なかれ、ストラットの他の太さの他、より狭いまたはより広い他の範囲も認められる。ストラット108の太さは、ステント101に沿って徐々におよび/または段階的に増加または減少することができる(例えば、50μmから85μmまで徐々に増加するか、または50μmから85μmまで段階的に増加する)。より太いストラットは、より細いストラットに比べて半径方向および軸方向の力が大きくなる。したがって、より太いストラットは、ステント101と血管壁部との間の並置を効果的に増加させることができる。したがって、より太いストラットは、ステント101が前方に押し出され、送達器具(例えば、カテーテル)内から展開される能力を高めることができる。ステント101は、ステント101の近位端上のフォーク302の近傍で最も太くすることができ、ステント101の遠位端で最も細くすることができる。ステント101は、近位端から遠位端に向かってより細くなり得る。ステント101は、一定の太さを含む任意の適切な太さを有することができる。
【0197】
図46A乃至46Fに示すストラット108およびセルの形態は、ステント108が拡張形態にあるときに電極131と組織または血管壁部との間の並置を強化することができる。ストラット108および電極131の構造体は、好適には、ステント101をカテーテル内に圧縮することができる。ストラット108および電極131の構造体は、好適には、ステント101がカテーテル内で圧縮された後に拡張させることができる。セル(例えば、それらのサイズおよび/または形状)および電極131の配置は、ストラット108および電極131が物理的にステント101の圧縮および/または拡張を妨げないように、ステント101を圧縮および/または拡張できるものとする。例えば、セルと電極131の相対位置は、ステント101が、部分的に圧縮された形態または部分的に拡張された形態で移動不能とされることなく、圧縮および/または拡張することができるものとする。セルおよび電極131の位置は、ステント101の圧縮または拡張中に電極131およびストラット108が互いに引っ掛かることを防ぐのを補助することができる。セルおよび電極131の相対位置は、ステント101の拡張および/または圧縮を促進することができる。ストラットは、曲線状および/または直線状にすることができる。セルを画定するストラットは、曲線状および/または直線状にすることができる。
【0198】
ステント101から外部機器へのリード/ワイヤの数を低減するために、多重化ユニット(図示しない)を使用することができる。多重化ユニットは、ステント101の接続パネル/パドル(例えば、第2のパネル224)上に配置することができる。多重化ユニットは、ステント101、例えばストラット108上に配置することができる。1つまたは複数のマルチプレクサを使用可能である。多重化部は、ステント101の半径方向の力と可撓性とを妨げないように十分小さくすることができる。多重化により、必要なワイヤの数を低減することができる。必要に応じて、1本以上のワイヤをマルチプレクサとともに使用して、電極131間で電力を供給するとともに切り替えることができる。ステント101は、無線で電力を供給することができる。
【0199】
図46A乃至58Dは、ステントセルの様々な配置を示すが、任意の開放型セル構造体が認められる。さらに、図示しないが、1つ以上のステントセルを閉じて、セルに開口部がないようにすることができる。例示の目的で、
図46A乃至58Dに示すステント101は、様々な長さおよび様々な数の電極131を有するものとして示される。しかしながら、多かれ少なかれ、他の長さ、また、多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。
図46A乃至58Dに示すステントの長さは制限されていない。ステント101の長さは、例えば、長手方向により多くのステントを含めることにより増加させることができる。例えば、ステント101の長さは、セルの数を増加させることにより、かつ/またはセルの長さおよび/または幅を増加させることにより増加させることができる。同様に、ステント101の長さは、例えば、長手方向にステントを少なくすることにより短くすることができる。例えば、ステント101の長さは、セルの数を減らすことにより、かつ/またはセルの長さおよび/または幅を減らすことにより、短くすることができる。
図46A乃至58Dの開放型セルの形態も、例示を目的としているに過ぎない。図示のセル配列は、ステント101の所望の長さおよび/または所望の開放型セルの形態を得るために、繰り返され、変更され、かつ/または改変され得る。
図46A乃至58Dは、様々なセルの形状および寸法を示すが、ステント101の任意の開放型セル形態が認められる。例えば、
図46A乃至58Dのセルのうちの任意のものを互いに組み合わせて、ステント(例えば、ステント101)を形成することができる。
図46A乃至58Dの電極の数は、必要に応じて増減可能である。例えば、
図46A乃至58Dのステント101は、1乃至32またはそれ以上の電極131を有することができる(図中の電極131の数は例示にすぎない)。このようにして、ステント101は、好適には、様々な血管組織に適応し、1つまたは複数の場所の様々な組織を検知および/または刺激することができる。
【0200】
ステント101は、電極131の1つ以上の区分を有することができる。1つ以上の区分は、電極を有するまたは有さないストラット108の1つ以上の区分によって分離され得る。
【0201】
上述したように、本明細書に開示および企図されるステント101、例えば
図46A乃至56Dに示すステント101は、媒体(例えば組織および/または流体)の様々な活動を刺激および/または検知することができる。例えば、ステント101は、血管内腔内の流体の活動、血管自体の活動、および/または血管外の例えば脳の運動皮質および/または感覚皮質などの媒体(例えば組織および/または流体)の活動を刺激および/または検知することができる。
【0202】
図46Aは、ステント101が図示のように配置された7つの電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる(例えば、1乃至32またはそれ以上の電極)。7つの電極131は、電極が重ならないように、血管の長さ部分にわたって半径方向に広がることができる。例えば、7つの電極131は、電極が重ならないように、8mmの血管の長さ部分にわたって半径方向に広がることができる。7つの電極131は、ステント101が血管内で拡張されたときに電極131が重ならないように、ステント101の長さ部分に沿って異なる半径方向位置にあり得る。7つの電極131は、ステント101が血管内で拡張されたときに電極131が重ならないように、ステント101の長さ部分に沿って異なる周方向位置にあり得る。上述したように、これにより、圧縮形態からの拡張時に、ステント101が脳の情報豊富な領域(例えば、運動皮質、感覚皮質など)を指向する十分な数の電極131を好適にかつ確実に有することができるようになる。
【0203】
図46Aは、ステント101が大型のセルと小型のセルとを有することができることを示す。小型のセルは大型のセルの中に入れることができる。ストラット108は、セルを画定することができる。ストラット108のいくつかは、小型のセルの少なくとも一部と大型のセルの少なくとも一部を画定することができる。ストラット108のいくつかは、小型のセルの少なくとも一部または大型のセルの少なくとも一部を画定することができる。電極131は、小型のセルおよび/または大型のセル上に配置することができる。例えば、電極131は小型のセルと一体的に設けることができる。電極131は、小型のセル上のどこにでも配置することができる。例えば、電極131は、小型のセルの頂点に配置することができる。電極131は、ストラット108上のどこにでも配置することができる。図示のように、電極131は、小型のセルの遠位の長手方向の頂点に配置することができる。図示しないが、電極131は、例えば横および近位の頂点を含む、遠位の長手方向の頂点から離れた小型のセルの部分上に配置することができる。電極131は、大型のセルに間接的に結合することができる。小型のセルは、好適な電極配置のために、および電極と血管壁部とを並置することを支援するために、大型のセルの内側に設けられ得る。ステント101は、ステントが重なるように、頂部上に小型の閉鎖セルの一式を有することができる(例えば、
図46Aの小型の閉鎖セルの最上列)。小型のセルは、セル長Lとセル幅Wとを有することができる。ステント101は、全長TLおよび全幅TWを有することができる。
図46Aの構造体により、電極131と血管壁部の組織との間の並置を強化することができる。
【0204】
図46Bは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。電極131は、神経記録および刺激の効率のためにバイポーラ対で配置することができる。バイポーラ対配置により、好適に、1つの電極から別の電極への直接刺激または記録が可能になる(例えば、任意の2つの電極131間)。これにより、バイポーラ対を形成する電極131間の領域の脳の焦点領域から応答を引き出したり、信号を記録したりすることができる(電極131と離れた接地とは反対側、かつ第2の電極または戻り電極がステントから離間した状態で)。電極131は、互いに独立していてもよい。電極131は対で使用することができる。電極131は、例えば、電極131を切り替えることにより、複数の対で使用することができる。電極131は対で使用することができ、互いに独立させることができる。
図46Bの構造体により、電極131と血管壁部の組織との間の並置を強化することができる。
【0205】
図46Cは、ステント101が図示のように配置された14個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。電極131は、バイポーラ対で配置することができる。
図46Cのステント101は、バイポーラ電極対が、開放型セルに取り付けられた1つの電極と、その電極に開放型セルの形態で取り付けられた別の電極とで構成されることを除き、
図46Bのステント101と同様であり、電極の並置を強化しながら、電極間を周知の距離に確実に離間する。
【0206】
図46Dは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。電極131は、バイポーラ対で配置することができる。
図46Dは、ステント101が直線的な単一のストラットバイポーラ対開放型セル構造体を有することができることを示す。電極131は、単一の直線的ストラット108が取り付けられたバイポーラ対電極131を備えた開放型セルストラットの内側上に取り付けることができる。これにより、必要な材料の量を減らすことができる(例えば、
図46Cに示すステント101に必要な材料の量と比較して)。
図46Dの構造体は、電極131と血管壁部の組織との間の並置を強化することができる。
【0207】
図46Eは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。電極131は、バイポーラ対で配置することができる。ステント101のセルは、図示の形状を有することができる。電極は、図示の位置を有することができるが、セルを画定するストラット108上の任意の位置が認められる。ステント101は、可撓性を備え、
図46A乃至46Dに示すステント101よりも少ない材料を必要とし得る。
図46Eの構造体は、電極131と血管壁部の組織との間の並置を強化することができる。例えば、
図46Eの構造体は、少なくとも部分的に大型の開放型セル構造体に対して超弾性を維持する血管の腱索(vascular chordae)の周囲に血管壁部を配置することができる。
【0208】
図46Fは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。
図46Fのステント101は、
図46Fのステント101がより長い長さを有することができ、より多くの電極131を備えることが示されていることを除いて、
図46Aのステント101と同様である。
【0209】
図47A乃至47Fは、様々な電極131構造体を有するステント101の変形例を示す。
図47A乃至47Fのステント101は、異なるセル構造体および電極131の位置を除いて、
図46A乃至46Fのステント101と同様である。
図47A乃至47Fは、ステント101が、例えば、オフセット角度304で互いにずれたストラットクロスリンク109を有することができることを示す。オフセットクロスリンク109は、好適には、ステントが重ならないようにステント101を圧縮させることができる。これにより、ステント101が拡張されたときに、セルおよび/または電極131が互いに絡み合ったり引っ掛かったりするリスクを防止または低減することによって、ステント101をより容易に拡張できるという効果が得られる。例示の目的で、
図47A乃至47Eのステント101は、直線状に配置されたストラット108を備えて示されており、様々なダイヤモンド形および直線形のセルを形成している。しかしながら、ステント101のセルは、
図47A乃至47Fの左下の挿入図に示すように成形することができ、これは、上述したオフセット角度304を除いて、
図46A乃至46Fの小型セルと同様である。オフセット角度は、例えば、101度(例、101.3度)であり得るが、多かれ少なかれ、他のオフセット角度も認められる(例、80度乃至120度、またはより狭いまたはより広い範囲)。
【0210】
図47A乃至47Fは、セルの長さと幅の比が7:5であり得ることを示す。7:5の比率は、ステント101が確実に圧縮および拡張できることを支援する。
【0211】
図47A乃至47Fは、ステント101がフォーク角度302を有することができることを示す。
図47Aは、ステント101が第1のフォーク角度302Fおよび第2のフォーク角度302Sを有することができることを示す。第1のフォーク角度302Fおよび第2のフォーク角度302Sは、互いに同じでも異なっていてもよい。図示のように、第1のフォーク角度302Fおよび第2のフォーク角度302Fは、例えば、中心軸と、接続パネル224から延びる第1および第2のストラット(個別に符号を付されていない)との間で測定され得る。第1のフォーク角度302Fおよび第2のフォーク角度302Sは、それぞれ約30度乃至約50度までとすることができる。例えば、第1のフォーク角度302Fは約41.5度であり得、第2のフォーク角度302Sは約35.5度であり得る。多かれ少なかれ、他のフォーク角度範囲、より狭いまたはより広い他のフォーク角度範囲も認められる。フォーク角度302により、好適には、ステント101のより容易な展開(例えば、拡張)および格納(例えば、圧縮)が可能となる。
【0212】
図47Bは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。16個の電極は、2つ以上の「段」を有するはしご状に配置可能である。例えば、16個の電極は、2−4−4−5−1パターンを有する電極131の5つの段に配置することができる。ステント101は、2−4−5−5電極パターンを有する4段を含む、任意の数の段、および段のそれぞれに任意の数の電極131を有することができる。別例として、
図47Cは、ステント101が1−3−3−4−5電極パターンを有する5つのはしご段に配置された16個の電極を有することができることを示す。
図47Cの1−3−3−4−5パターンは、好適に、より短いはしご構造体、例えば、
図47Bの2−4−5−5パターンに対して追加の電気的評価長さ(例えば、刺激および/または記録長さ)を提供できる。はしご形態により、血管の屈曲による送達が好適に支援され、電極の並置および自己拡張を確実に行いつつ、血管の腱索の案内が可能となる。
【0213】
図47Dは、ステント101が図示のように配置された10個の電極131を有することができることを示す。10個の電極131は、1−2−2−2−3の5段のはしごパターンで示されているが、10個の電極を有する任意のはしごパターンが認められる。ステント101は、
図46Aを参照して上述した大小のセルと同様の相対的なセルサイズを有することができる。
【0214】
図47Eは、ステント101が図示のように配置された16個の電極131を有することができることを示す。
図47Eは、ステント101が、ステント101の境界(例えば、外周)上により大型のセルを有し、ステント101の中央部(例えば、中央部内)のより近傍により高密度のセルを有することができることを示す。セルおよび電極131のこの配置は、ステント101の中央部のより近傍に、記録または刺激のための増強された領域を好適に提供することができる。図示のように、電極131は、8段1−2−3−2−3−2−1−2のはしごパターンで配置され得るが、16個の電極131を有する任意のはしごパターンが認められる。
【0215】
図47Fは、ステント101が、2−1−4−2−2−3−2の電極パターンを有する7つのはしご段に配置された16個の電極を有することができることを示す。
図47Fの2−1−4−2−2−3−2パターンは、より短いはしご構成に対して、例えば、
図47B乃至47Dのはしごパターンに対して、追加の電気的評価長さ(例えば、刺激および/または記録長さ)を好適に提供することができる。
図47Fは、送達、格納、および展開を支援するフォーク角度302F、302S、送達性の改善および重なりの低減のためのスキュー電極位置、重なりおよび半径方向の力のためのインターリーブセル、送達性および自己拡張のためのセルアスペクト比を示す。
【0216】
例示の目的で、上記の
図46A乃至47Fのステント101、並びに以下の
図48Aおよび48B、
図46Bおよび
図46C、
図51B、
図52B、
図53Bおよび
図53C、
図54A乃至57、並びに
図58Cのステント101は、セル、ストラット108、電極131、および/または電極トラック236を容易に視認できるように、平坦に示されている。しかしながら、ステント101は、実際には湾曲している(例えば、圧縮および/または拡張形態にあるとき)。ステント101の頂部は、ステント101の底部(
図46A乃至47Fに示す頂部および底部)に直接接合されて、血管壁部に対して半径方向外向きの力を及ぼすことができる円筒状の管状ステント構造体を形成する。ステント101の頂部は、ステント101の底部に接触するように(恒久的な取り付けの有無にかかわらず)周囲に湾曲することができる。ステント101の頂部および底部の一部は重なり合うか、またはそれらの間に隙間があってもよい。
【0217】
図48A乃至48Dは、ステント101の変形例を示す。
図48Aは、ステント101が図示のように配置された8つの電極131を有することができることを示す。ステント101は、近位端250および遠位端260を有することができる。近位端250は、上述したように第2のパネル224を含むことができる。第2のパネル224は、ステントパッド238を有することができる。
図48Bは、電極トラック236を有する
図48Aのストラット108を示す。例示の目的で、ステント101は
図48Aおよび
図48Bでは平坦に示されているが、上述したように湾曲させてもよい。
図48Cは、
図48Aのステント101の近位端250のセクション48C−48Cでの拡大図であり、ステントパッド238に電気的に接続された電極トラック236を示す。ステントパッド238を覆うようにオーバーレイ222を配置することができる。
図48Dは、セクション48D−48Dにおける
図48Aの電極131の拡大図である。
【0218】
図49A乃至49Cは、図示のように配置された7つの電極131を有するステント101の変形例を示す。
図49A乃至49Cのステント101は、
図46Aのステント101と同様である。
図49Aは、拡張形態の湾曲したプロファイルを有するステント101の斜視図を示す。
図49Bは、平坦な形態のステント101を示す。
図49Cは、電極トラック236を有する
図49Aおよび
図49Bのストラット108を示す。
図49Bおよび
図49Cは、ストラット108が遠位端260から近位端250までより太くすることができることを示し、これにより、例えば、共通のストラットに合わさるときに複数の電極トラック236を収容し、かつ/またはステント101の軸方向および半径方向の力/弾力性を増加させる。共通のストラット上の複数の電極トラック236は、互いに平行にすることができる。
【0219】
図50A乃至50Cは、接続パネル220に接続されたステント101の変形例の正面斜視図、背面斜視図および上面図を示す。ステント101は、図示のように配置された8つの電極131を有することができる。
【0220】
図51Aおよび
図51Bは、図示のように配置された8つの電極131を有するステント101の変形例を示す。
図51Aは、拡張形態の湾曲したプロファイルを有するステント101の斜視図を示し、
図51Bは、平坦な形態のステント101を示す。ステント101は、補強部分62を有することができる。図示のように、電極131のそれぞれからの電極トラック236は、補強部分62に合わさることができる。補強部分62内の複数の電極トラック236は、互いに平行にすることができる。ストラット108および/または補強部分62のいくつかは、遠位端260から近位端250までより太くすることができる。ステントパッド238は、コネクタ200(図示しない)のリード線141に直接接続することができる。ステントパッド238は、コネクタ200(図示しない)のリード線141に間接的に接続することができる。
【0221】
図52A乃至52Cは、図示のように配置された16個の電極131を有するステント101の変形例を示す。近位端250は、上述したように第2のパネル224を含むことができる。第2のパネル224は、ステントパッド238を有することができる。
図52Aは、拡張形態の湾曲したプロファイルを有するステント101の斜視図を示し、
図52Bは、平坦な形態のステント101を示す。ステント101は、補強部分62を有することができる。
図52Bは、電極トラック236のいくつかが頂部、底部、または中間部のストラット108、または他の任意のストラットに合わさることができることを示す。中間部のストラット108は、補強部分62であり得る。ストラット108および/または補強部分62のいくつかは、遠位端260から近位端250までより太くすることができる。
図52Cは、
図52Aおよび
図52Bのステント101の近位端250の拡大図であり、ステントパッド238に電気的に接続された電極トラック236を示す。ステントパッド238を覆うようにオーバーレイ222を配置することができる。ステントパッド238は、コネクタ200(図示しない)のリード線141に直接接続することができる。ステントパッド238は、コネクタ200(図示しない)のリード線141に間接的に接続することができる。
【0222】
図53A乃至53Dは、図示のように配置された16個の電極131を有するステント101の変形例を示す。
図53Aは、拡張形態の湾曲したプロファイルを有するステント101の斜視図を示す。
図53Bは、平坦な形態のステント101を示す。
図53Cは、電極トラック236を有する
図53Aおよび
図53Bのストラット108を示す。
図53Cは、電極トラック236のいくつかが頂部ストラットに合わさることができ、電極トラック236のいくつかが底部ストラットに合わさることができることを示す。
図53Dは、
図52Aおよび
図52Bのステント101の近位端250の拡大図であり、ステントパッド238に電気的に接続された電極トラック236を示す。
【0223】
図54Aおよび
図54Bは、ステント101の変形例を示す。
図54Aは、ステント101が図示のように配置された8つの電極131を有することができることを示す。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。
図54Bは、電極トラック236を有する
図54Aのストラット108を示す。
図54Bは、電極トラック236のいくつかが頂部ストラットに合わさることができ、電極トラック236のいくつかが底部ストラットに合わさることができることを示す。
【0225】
図56A乃至56Dは、電極トラックのないステント101の様々な変形例を示す。ステント101は、図示のように配置された電極131を有することができる。多かれ少なかれ、他の数の電極も認められる。
【0226】
図57は、ステント101の格子構造体の変形例を示す。
【0227】
図58A乃至58Cは、図示のように配置された16個の電極131を有するステント101の変形例を示す。
図58A乃至58Cのステント101は、
図47Fのステント101と同様である。
図58Aおよび
図58Bは、拡張形態で湾曲したプロファイルを有するステント101の斜視図および側面図を示す。湾曲したプロファイルは、間隙240を有することができる。
図58Cは、平坦な形態のステント101を示す。ステント101は、
図58Cに示す様々な寸法(ミリメートル単位)を有することができる。
【0228】
本明細書で開示および/または企図されるステント101のいずれも、無線ステント(無線電極システムとも呼ぶ)であり得る。ステント101は、1つ以上の無線送信部(例えば、
図31の無線送信部1002)を有することができる。無線送信部は、ステント101に取り付けられるか、またはステント101と一体的に設けられ得る。無線送信部は、個別の装置とすることができ、かつ/またはステント101の1つまたは複数の電極131の配置とすることができる。例えば、1つ以上の電極131の配列は、情報を送信および/または受信することができる無線アンテナを形成することができる。電極131は、神経情報を記録またはピックアップし、この情報を無線送信部に中継することができる。この記録された情報は、頭蓋骨を介して無線受信部(例えば、
図31の無線受信部1004)に無線で送信することができる。無線受信部は、取得した神経情報をデコードし、義肢や人工視覚などのデバイスに送信できる。
【0229】
無線ステント(例えばステント101)は、電力とデータの両方を送信するように構成することができる。電力を無線ステントに無線で送信してステントの回路を動作させることができ、データを無線ステントから例えば制御部(例えば制御部12)に無線送信することができる。無線電力に加えて、または無線電力に代えて、ステントは、血流および/または血管収縮および拡張からエネルギーを生成する圧電エネルギー発電機で電力を供給できる。
【0230】
無線ステントシステムは、完全にまたは部分的に無線であり得る。完全に無線とは、電極131および無線回路を含むステントの一部(例えばステント101)が、移植後に血管壁を越えて延びないことを意味する。半無線とは、ステント(例えば、ステント101)、電極131、および/または無線回路の少なくとも一部が、移植後に血管壁部を越えて延びることを意味する。
図31のステント101は、完全に無線のステントシステムの一例である。
図31に示すように、装置全体(ステントおよび電子機器)を血管内に配置するか、時間にわたって血管内に埋め込むことができる。
図2Aのステント101は、無線電子機器が胸部領域の血管の外側に位置する半無線システムの一例である。
図2Aのシステムは、例えば、無線システムが血管の外側に配置されるペースメーカーと同様である。半無線システムは、血管内から血管外に通じるワイヤを有することができる。
【0231】
上述したように、ステント101を使用して、血管壁部に対して電極131の足場にすることができる。無線ステントシステムは、1個以上のステント(例えば、ステント101)、例えば、1乃至10個のステント(例えば、1個、2個、または3個以上のステント101)を有することができる。多かれ少なかれ、他の数のステント、より狭いまたはより広い範囲も認められる。無線電子機器を、電極131を有する第1のステント101に搭載したりこれと一体的に設けたりすることができない場合(例えば、空間または機能要件により)、無線電子機器を第2のステント101(例えば、第1のステント101と同数若しくは異なる数の電極を有するか、または電極を有さない)に搭載したりこれと一体的に設けたりすることができる。そのようなマルチステントシステム(例えば、デュアルステントシステム)は、閉塞または封鎖を引き起こす可能性がある血管の中心から回路を好適に運び去ることができる。デュアルステントシステムの第1および第2のステントは、システムの無線伝送を改善できるダイポールアンテナを好適に形成することができる。第2のステントは、第1のステントに直接(しかし電気的にではなく)接続された頭蓋骨の下にあるか、第1のステントにつながれた首部に配置可能である。他の配置も認められる(例えば、第1および第2のステントは互いに電気的に接続することができる)。首部に第2のステントを配置する利点は、体表までの距離の短縮を含む。また、首部への配置は、神経信号の取得および増幅への干渉を少なくすることが予期されている。
【0232】
システム(例えば、システム10)は、遠隔測定部(例えば、制御部12)と有線および/または無線通信する1つ以上のステント101を有することができる。例えば、システムは、てんかんの診断、予測および治療のための血管内遠隔測定および閉ループ皮質記録および/または刺激システムであり得る。てんかんの血管内遠隔測定システム(てんかん治療システムとも呼ぶ)は、脳活動を1日24時間、週7日、好適に記録できる。この毎日24時間週7日の監視は、医師と患者の両方に重要な効果をもたらす。その理由として、伝統的に、患者が苦しんでいる発作の数を決定する治療医の能力は、患者が発作日記を記録することに依存することが挙げられるが、これは不正確であり得、実際そうであることが周知である。患者に発生する発作の数と性質を知ることは、血管内遠隔測定システムが提供する医師による抗発作治療の正しい投与量を決定する上で重要である。てんかん治療システムは、薬剤/薬物の治療用量を調節できる入力を受け取ることができる。
【0233】
遠隔測定を記録するために、ステント101を皮質静脈標的(横静脈洞を含む)に移植して、発作検知(側頭葉を含む)の対象となる皮質領域への近接を達成することができる。ステント101は、埋め込み可能な遠隔測定部(ITU)であり得るか、またはその一部であり得る。ITUは、毎日24時間週7日脳の記録を収集できるデータユニットを収容できる。ITUは、ユーザまたは医師が無線でアクセスして、対象の期間にわたって神経情報を確認できる。ITUは、神経情報のリアルタイム評価のために無線でアクセスできる。例えば、リスクの高い時期(患者の調子が悪いときや、治療計画を変更する必要があるときなど)に、医師はリアルタイムで神経信号を評価できる。ITUによって収集された神経データは、さまざまなリアルタイムの機能を可能にするさまざまなアプリにストリーミングできる。例えば、収集された神経データは、(発作予測を含む)神経データのソフトウェア分析を適用するサードパーティアプリケーションに伝達できる。このようにして、収集されたデータをサードパーティのユーザが利用できるようにして、収集されたデータの使用時に患者に情報または変調情報を生成できる。てんかん治療システムは、閉ループフィードバックを有することができる。例えば、収集されたデータを治療送達システムへの入力ループで利用して、リアルタイムの発作検知(迷走神経刺激装置、薬物送達システムを含む)を含むデータに基づいて正確な投与量を決定できる。てんかん治療システムは神経調節を行うことができる。例えば、反応性神経刺激は、ステント101を有する本明細書に記載の血管内システムによって達成することができる。これにより、ステントシステムを利用して血管壁部を横断して(例えば、1つ以上のステント101の1つ以上の電極131から)刺激して治療を記録および送達することにより、閉ループシステムが好適に可能となり、発作の終了を達成することができる。
【0234】
図59A乃至59Cは、遠隔測定装置12に接続された蛇行およびはしご段構造体を有する遠隔測定部リード400を示す。蛇行およびはしご段構造体は、例えば、リードが長すぎる場合、リード400を短くするために必要な外科的操作を好適に低減することができる。通常、リードは、リード自体に巻き付けることによって短縮されるが、そのような巻き取りは、リードがそれ自体摩擦されて摩耗するため疲労を引き起こす可能性があり、かつ/または手術中に筋肉に大きな切開を必要とする可能性がある。蛇行およびはしご段構造体は、これらのリスクを防止/回避する。
図59A乃至59Cに示すように、遠隔測定部リード400は、1つ以上の段402によって接続された蛇行形状404に湾曲される設定全体寸法(例えば、全長)であり得る。段402は、シリコンまたはいくらかの屈曲性を有する他の生体適合性を備えた材料から形成可能である。より長いリードが必要な場合は、1つまたは複数の段402を取り外して(例えば、外科的切断などにより)、リードの長さを長くすることができる。このようにして、一般的な遠隔測定部リード400の長さは、患者および手術中の遠隔測定装置12の外科的配置に合わせて調整/カスタマイズすることができる。例えば、
図59A乃至59Cは、例えば手術中に4つの段402を取り外すことにより、リード長をL1からL2に増加させることができることを示す。1つ以上の段402(例えば、1つ、2つ、または3つ以上)を、リード400の蛇行部分404の中央または左端および/または右端、あるいはその間に配置することができる。
【0235】
上述したように、遠隔測定部(例えば、制御部12)は、外部機器16と情報を(有線または無線を使用して)やり取りすることができ、外部機器16は、(a)外骨格;(b)車椅子;(c)コンピュータ;および/または(d)その他の電気または電気機械装置のうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0236】
例えば、
図60A乃至60Dは、ヒトの脳の血管、例えばヒトの上矢状静脈洞を横断する血管に埋め込まれたステント101を有するシステム10の変形例を示す。
図60Aは、システム10を示し、
図60Bおよび
図60Cは、図示のシステム10の3つの拡大図を示す。ステント101は、例えば頸静脈を介して、一次運動皮質の上にある上矢状静脈洞(SSS)に埋め込まれ、脳信号を受動的に記録し、かつ/または組織を刺激することができる。ステント101は、移動する意志に関連付けられた脳信号を記録および解釈できるため、神経障害または疾患のために麻痺しているヒトは、コンピュータ・ソフトウェアおよび/または装置16(例えば、ロボット上肢プロテーゼ、電動車椅子など)などの支援技術の直接的な脳制御を通じて、コミュニケーション、モビリティの向上、および潜在的に独立を達成できる。本開示全体にわたって説明されるステント101の他の用途も認められる。
【0237】
システム10は、1つまたは複数の遠隔測定部を有することができる。システム10は、1つまたは複数の内部および/または外部遠隔測定部を有することができる。
図60Aおよび
図60Dは、システムが外部遠隔測定部15と有線または無線通信する内部遠隔測定部(例えば、制御部12)を有することができることを示す。例えば、外部遠隔測定部15は、ユーザの皮膚を横断して内部遠隔測定部12に無線で接続することができる。内部遠隔測定部12は、ステント101と無線または有線通信することができる。例えば、
図60A乃至60Dは、通信導管14を介してステント101を内部制御部12に電気的に接続できることを示す。通信導管14は、ステントリードであり得る。
図60Cに示すように、ステントリードは、ステント101から延び、頸部の壁部を通過し、皮膚の下を通って鎖骨下洞(subclavian pocket)まで設けられる。このようにして、通信導管14は、ステント101と内部制御部12との間の通信を促進することができる。
【0238】
図60A乃至60D(および
図1乃至2B)に示すように、1つまたは複数の遠隔測定部をユーザの胸部内に、および/または胸部上に配置/移植することができる。ただし、遠隔測定部は任意の適切な場所に配置できる。例えば、遠隔測定部は、ユーザの耳の背面に配置/埋め込むことができる。例えば、1つまたは複数の遠隔測定部は、
図60Aに示す位置19で、または位置19に近接して、ユーザの耳の背面に配置/埋め込むことができる。胸部内および/または胸部上に配置することに対して、制御部をユーザの耳の背面に配置することにより、通信導管14(ステントリードなど)をユーザの首部に配置する必要がなくなるため、首部や筋肉の運動によるアーティファクトやノイズを好適に低減することができる。
【0239】
内部遠隔測定部12は、1つまたは複数の外部装置16に接続することができる。内部遠隔測定部12は、1つまたは複数の内部装置(図示しない)、例えば、ヒトの体内または体の上に部分的または完全に埋め込まれた視覚人工装具および他の制御可能な装置に接続することができる。外部遠隔測定部15は、1つまたは複数の外部装置16に接続することができる。外部遠隔測定部15は、1つまたは複数の内部装置(図示しない)、例えば、ヒトの体内または体の上に部分的または完全に埋め込まれた視覚人工装具および他の制御可能な装置に接続することができる。
【0240】
上述したように、システム(例えば、システム10)は、1つ以上のステント101を有することができる。ステント101は、遠隔測定部(例えば、制御部12)と有線および/または無線通信することができる。ステント101は、視覚に関連付けられた皮質の領域を記録および/または刺激することができる。例えば、システムは、1つ以上のステント101を有する血管内視覚人工装具神経インターフェースであり得る。ステント101を使用して、開頭手術では到達できず、かつ現在の技術(すなわち、後頭葉の皮質表面に直接移植される技術)では標的にできない後頭葉の皮質の深い折り畳まれた領域(例えば、一次視覚野)にアクセスすることができる。
図34は、デバイス100を使用した患者の視覚皮質からの神経を刺激し、神経情報を記録する方法を示し、方法は、(a)患者の視覚皮質の血管内にデバイスを移植する工程と、(b)受信された刺激データに従って、血管または刺激する神経細胞に関連付けられる神経情報を記録する工程とを含む。ステント101は、上矢状静脈洞および/または横静脈洞に移植して、対象の後頭領域の血管経由の刺激を好適に達成することができるが、任意の移植部位が認められる。視覚世界からの情報は、ビデオキャプチャでキャプチャできる。情報は刺激アルゴリズムに変換できる。変換された情報は、1つまたは複数のステント101を介した刺激により後頭葉に送達することができる。視覚人工装具システムは、1つまたは複数のステント101を介して横および上矢状静脈洞の壁部に埋め込まれた多数の電極を含むことができる。
【0241】
1つ以上のステント101は、脳深部刺激治療のための血管内神経インターフェースシステムに使用することができる。現在の脳深部刺激では、リードの埋め込みのために開頭術が必要である。開頭術の手順は、無数の合併症および出血を含むリスクに関連付けられる。ステント101は、開頭術の必要性を排除することができる。ステント101は、脳内の深部の静脈血管および動脈血管を通して深部脳刺激の標的として適切な深部構造体にアクセスすることができる。カテーテルを使用して深部血管にアクセスできる。ステント101により、標的脳組織の刺激が可能になる。深部構造体への血管内リードの移植により、脳組織を刺激することができる。本明細書に開示されるステント101およびシステムは、パーキンソン病、ジストニア、強迫性障害、鬱病などを含む所定の範囲の症状を、脳深部刺激により治療することができる。
【0242】
図61Aは、ステント構造体全体の変形例を示す。この変形例では、ステント構造体101は単一の半径Rを含むが、ステント構造体は間隔を空けて設けられるか、または連続している。この構成により、ステント構造体は、より大きな寸法範囲の脈管を収容することができる。
図61Bは、他の部分(または他の半分)の半径Rよりも大きい半径R2を有する第1の部分(半分など)を有するステント構造体101を示す。この構成により、構造体101は一方向に優先的にそれ自体で湾曲することができ、これにより、カテーテルに格納される力が低減され、電極またはストラットが引っかかる可能性が低減され、かつ/または物理的なステント全体の寸法を大きくしたり、ステントの寸法を大きくしたりすることなく、より大きな直径(半径方向の力の増加)が可能になることが予期される。
【0243】
図62Aおよび
図62Bは、電極131が、電極から隣接するストラット108に移行する1つ以上のフィレットエッジ116で構成されるように改良されていることを示す。
図62Aおよび
図42Bは、電極の片側および電極の両側のそれぞれのフィレットエッジを示す。フィレットエッジ116は、ストラットから電極に向かって徐々に厚みを増すように構成することができ、これにより、鋭い角部を取り払い、ストラットと電極との間のより緩慢にしてより浅い移行部を形成する。ストラット移行部116の厚みを増すとともにその「円滑な角部」を形成することにより、電極に隣接する交差部でワイヤまたは他の物体が引っかかる可能性が低減される。
【0244】
デバイスのいくつかの変形例では、フィレットエッジ116は、電極の導電性を備えた表面に追加することができる。しかしながら、エッジ116の主な目的が、電極が交互のステントストラットまたは他の構造体に引っ掛かることを防ぐことである用途では、フィレットエッジ116は非導電性であり得る。
【0245】
図63は、溝またはポケット125(例えば、取り払われる軸体121の領域)を有するステント軸体121を備えたステントデバイス100の変形例を示す。溝またはポケット125により、エポキシ/接着剤が複数の平面(すなわち、前後および左右の両者)で移動することが低減され得る。エポキシ/接着剤が歯の間に付着し得るため、歯のパターンはリードに取り付けられた際にグリップが増加する。これにより、既存の幾何学的プロファイルと幅を維持しながら、リードへの取り付けがより確実になるとともに安定し得る。
【0246】
図64は、ステントデバイス100の変形例の平面図を示し、電極131は、ストラット108当たりのトラックの数を制限するように特に構成される。ストラット108当たりのトラック数を制限することにより、平行トラックで/によって引き起こされる潜在的なクロストークおよびノイズが低減され、また、複数のトラックを支持するために必要なストラットの幅も低減される。特定の変形例では、トラック/ストラットは、高角度の折り返しによって生成される加熱を低減するとともに屈曲/延伸中に生じる疲労を低減するために、単方向に配置/位置決めされる。トラックの厚みを最適化することで、電気抵抗/インピーダンスを最小化する(大型のトラックがより好適である場合)他、全体のストラットの厚みを最小化し得る(小型のトラックがより好適である場合)。
【0247】
図65は、延長リード14を介してコネクタに連結された埋め込み可能な遠隔測定ユニット12を示す。この変形例では、リード14は、各リード通路を横断するより厚みのある「ブリッジ」17に対して肉薄な(おそらくポリマの)層によって接続され、蛇行状に配置されている。これにより、外科医は、リードの擦れによる疲労のリスクなく必要な長さのリードをITU本体から引き出すことができ、また、デバイスの埋め込みに必要な手術ポケットの深みを最小限に抑えることができる。
【0249】
本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムは、コンピュータ、車椅子、外骨格、ロボット補綴、カメラ、車両および他の電気的刺激、診断および測定ハードウェアおよびソフトウェアの制御に関して説明される。ただし、これらの方法、システム、およびデバイスの特定の応用により、言語コミュニケーター/翻訳者、ゲームおよび(家庭用)デバイス制御部、応用知能およびメモリの強化、睡眠の修正、統合通信デバイス、および強化された認知出力デバイスが提供され得る。
【0250】
いくつかの変形例では、移植物は神経活動を記録し、神経活動を表す信号を別のソース(外部または内部のいずれか)に送信する。次に、患者/ユーザにフィードバックが提供される。基本的な一変形例では、神経活動を表す信号を、以前に判定された活動のデータベースを含む処理ユニットに送信することができる。処理ユニットは、記録された神経活動を識別、または以前に判定された活動のデータベースと比較し、外部デバイスを制御またはトリガする信号を生成する。
【0251】
上述した変形例では、脳から情報を取得できるさまざまな方法の指標(すなわち、音声、運動、視覚、視界、記憶、感情、触覚に関連する信号)から記録されている脳領域の異なる領域で神経活動を監視できる。
【0252】
信号をソースに送信することは、信号に含まれる情報を有用な外部ソースに配信することを含み得る。これは、義肢である場合もあれば、より高度な場合もあり得る(情報で構成されるデータベース、言語の翻訳など)。いくつかの変形例では、信号の送信が最終ステップを含み得る(車椅子などの初歩的な人工装具の場合のように、音声翻訳のため、または記憶、夢若しくは以前の視覚情報を記録するため)。
【0253】
患者/ユーザにフィードバックを送信する様々な例は、特定の応用に基づいて変化し得る。例えば、複雑な人口補綴は、脳内の感覚皮質に触覚フィードバックの形で情報を提供できる。これに代えて、気分、うつ病、または心的外傷後ストレス障害の治療システムは、幸福感をもたらす脳の領域を刺激するフィードバックを提供する。フィードバックは、聴覚キューの形式でも生じ得る(すなわち、刺激はヒトに送り返され、これは、左、右、直進などとして解釈される)。同様に、視覚フィードバックについては、矢印の形の方向を視覚皮質に提示して、どの方向をとるべきかを通知したり、メモリなどの他のアプリケーションについて、思い出す必要があるものの完全な(またはほぼ完全な)シーンを提供することができる(住所、車の駐車位置、買い物リストにあるものなど)。低解像度の画像(例:約1500ピクセル)を生成する信号は、所望のフィードバックを提供する単語や一般的な図形のスペルに使用され得るが、電気刺激を視覚的フィードバック(すなわち、数字または数字を表す記号の点滅)として正当化するために、他の有用なキューを配信することができる。明白に、本明細書で説明するシステムは、医療用途および非医療用途に適用できる。
【0255】
1つ以上の神経移植物により、音声または他の意思疎通の直接的な脳制御を可能にすることにより、口頭で意思疎通できないヒトが支援され得る。そのような場合に、上記の移植物は、発話困難なヒトがコンピュータを介して音声を発することを可能にするなど、ユニバーサルトランスレータ機能を提供するデバイスにより機能し得る。これに代えて、または組み合わせて、ユニバーサルトランスレータは神経活動を検知し、ヒトの筋肉を刺激して意思疎通を可能にすることができる。本明細書で説明する移植物は、脳の活動または音声に固有の信号を記録し、コンピュータの音声プロセッサ、スピーカ、ユーザ自身の筋肉を制御する他、個々のヒトの異なる移植物を直接刺激したりするためにも信号を使用する外部デバイスにそのような活動を中継することができる。例えば、システムは特定の神経活動の信号を別のヒトの聴覚皮質(例、補聴器、人工内耳など)に送信できるため、伝統的な音/音声を伴うことなく第1のヒトの神経活動を第2のヒトが受信することができる。
【0256】
さらに、この情報の処理は、2つ以上の異なる言語間で翻訳することにより、任意の言語での通信を可能にすることができる。脳によって生成される神経コマンドは、発話に使用される筋肉(舌、唇、口など)を制御することが周知である。特定の皮質位置に配置された移植物は、脳がこれらの筋肉に送信する信号を記録できる。さまざまな筋肉には、多数ではあるが有限のさまざまな組み合わせがあり、限られた数のコマンドで発話を駆動したり、筋肉を直接制御したりできる。
【0257】
そのようなシステムは、無言(mute)であるか発話困難(スタッター、リスプ(stutter, lisp))であるヒト、望まれない発話の抑制(トゥーレット症候群)、異なる言語間のユニバーサルトランスレータのためのアプリケーションを含むことができる。
【0259】
本開示のシステム、方法、およびデバイスはまた、高強度ゲーム中に筋肉を制御する神経活動を受け取ることができる。このような神経活動を処理して、外部のゲーム機器またはさまざまな家庭用装置およびデバイス(例:光スイッチ、機器、ロック、サーモスタット、セキュリティシステム、ガレージのドア、窓、日除けなど)を制御できる。繰り返すが、移植物は、そのようなデバイスが作動する行為に固有の脳信号を検知する。システムは続いて信号を生成して、デバイスの神経制御を可能にする1つ以上のネットワーク接続された外部デバイスを制御できる。
【0261】
本明細書に記載されるシステムはまた、過去の活動の記憶想起を支援することができる。例えば、目から視覚野に送信される情報を受信する脳の領域に、1つまたは複数の電極デバイスを埋め込むことができる。目を通して、または睡眠中に生成される神経信号は、視覚皮質内で取得できる。視覚皮質は、網膜にマッピングされている(つまり、目の視野には特定の皮質位置がある)。視覚皮質の主要な領域は、大きな脈管の下に隠れているため、従来の電極アレイではアクセスできない。本明細書に記載の感覚装置は、従来の電極アレイではアクセスできない1つ以上の領域にアクセスすることができる。これらの神経信号は記録デバイスに中継することができる。その後、記録された信号を脳内のさまざまな場所で再刺激して、視覚またはその他の入力を再生できる。このような記録および再生方法は、視覚に加えて、あらゆる感覚入力に適用できる。システムが複数の感覚入力を記録する変形例では、システムは後に単独で、または他の感覚記録と組み合わせて感覚記録を中継できる。加えて、視覚皮質またはその他の付属領域の刺激により、視覚情報をヒトに伝えることができる。これにより、視覚障害者のための修復用視覚移植物として使用したり、展開済みのシーンを視覚化したりすることができる(すなわち、映画や別の場所の景色を見ることができる)。
【0262】
これらのシステムは、アルツハイマー病または認知症のヒト、記憶喪失を引き起こす身体的または心理的外傷を受けたヒトなど、過去の活動の想起が困難な個人を支援することができる。加えて、このような記憶支援システムは、デバイスが短期間のみ移植される一時的なベースで使用できる。
【0264】
本開示で説明されるシステムの別の応用は、脳およびデータベース、サーバ、および/またはインターネットサイトとの間の接続を確立することを含む。システムには、情報にアクセスする携帯電話やネットワーク機器などの既存のネットワーク機器の使用が含まれる。本明細書で説明する他のシステムと同様に、電極デバイスを脳の所定の領域に配置して、神経活動を検知するとともに神経活動の意図を判断することができ(例えば、神経活動を以前に判断したアクションと比較するなどして)、これにより音声コマンドに類似したシステムを制御できる。システムは、続いて拡張知能、非言語通信などを含むアプリケーションのデータベース、サーバ、および/またはインターネットサイトが提供する情報に基づいて、脳を直接刺激できる。この変形例では、コンピュータ、データベース、またはサーバを介して送信される、脳内にあるセンサからの双方向通信情報または要求があり、情報が続いて脳にフィードバックされる(潜在的に異なる標的に対して(すなわち、視覚、嗅覚、味覚、記憶、視覚など))。例えば、ヒトは音声起動/認識コンピュータインターフェイスに質問をすることができる。コンピュータは続いてマップの視覚(すなわち、視覚野に対する矢印)または聴覚(トーン、または左、右、直線などの完全なコマンド)の提示/説明または最寄りの場所への方向を使用してフィードバックを提供するであろう。
【0265】
本明細書に記載のネットワークは、リソースを共有する目的で同時に接続されたコンピュータの組である従来のコンピュータネットワークを含むことができる。これに代えて、または組み合わせて、ネットワークは直接接続された機器を含むことができる(すなわち、ユーザに対して、ロボットの手足が何かに触れていることを知らせる情報を提供できる)。さらに、アクセスが必要なデータベース(すなわち、マップ、または一般的な知識)が設けられる。
【0267】
本開示に記載されるシステムの別の用途は、刺激および神経再構成が睡眠に必要な時間を短縮する神経再構成の刺激または加速を支援するために、脳の睡眠中枢内にデバイスを埋め込むことを含む。これに代えて、システムを使用して、必要に応じて人々を覚醒させた状態に保持することができる。
【0269】
本明細書に記載のシステムは、統合通信システムとして機能することもできる。開示および企図されたシステムは、通信できないヒトの通信を増強でき、正常に通信できるヒトの通信を増強でき、能力は低下しているが通信できるヒトの通信を増強でき、またはそれらの任意の組み合わせが可能である。例えば、デバイス(例、ステント100)は、電話をかけることに関連付けられる運動皮質の神経活動を記録することができる。神経活動は、ネットワークに接続して必要な呼び出しを行う回路に有線または無線で中継できる。設定コマンド(すなわち、運動皮質から取得したこんにちはの1つのアクション、さようならの1つのアクション)または音声の活性化によって生成された音声コマンドを取得し、受信機に送信できる。前の説明と同様に、回線のもう一方の端の音声は、言葉を聴覚皮質または視覚皮質(電極を介して)に直接戻して中継できる。
【0270】
別の例として、デバイス(例、ステント100)は、コンピュータ、データベース、サーバ(例えば、ウェブサーバ、インターネットサーバ、クラウドサーバー)、またはそれらの任意の組み合わせなどの電子デバイスの他、ウェブページ、ウェブサイト、検索エンジン、またはそれらの任意の組み合わせを含むインターネット全般との通信に関連付けられる運動皮質における神経活動を記録することができる。デバイス100は、1つまたは複数の電子デバイス(例えば、クラウド上のコンピュータ)に保存されたソフトウェアと通信することに関連付けられる運動皮質の神経活動を記録することができる。例えば、被験者がインターネットと通信し、かつ/またはインターネットをナビゲートするために、デバイス100は、インターネットと通信する中間デバイス(例えば、電子デバイス)と通信することができる。デバイス100は、電子デバイスと有線または無線で通信することができる。電子デバイスは、リモート電子デバイスとすることができる。しかしながら、被験者への近接性に関係なく、電子デバイスは、デバイス100(ブレイン・マシン・インターフェースとも呼ばれる)が通信可能な支援デバイスであり、かつ/またはデバイス100が通信可能な支援ソフトウェアなどの支援技術であり得る。デバイス100と、デバイス100が通信するように構成されたコンピュータおよび/または支援ソフトウェアとの間に、閉じた通信ループを形成することができる。
【0271】
被験者は、カーソルなどの可動コントロールを制御することにより、電子デバイスおよびソフトウェアと通信することができる。デバイス100は、このような制御に関連付けられる運動皮質の神経活動を記録することができる。例えば、デバイス100を有する被験者は、カーソルの動きを所望し(例えば、マウスカーソルを動かす)、カーソルの選択を所望することによって(例えば、マウスの左クリック機能、マウスの右クリック機能、マウスホイール機能、スクロール用のマウスホイール機能、クリックアンドドラッグ機能、またはそれらの任意の組み合わせを含むマウスクリックを所望することによって)電子デバイスおよびソフトウェアと通信できる。このようにして、デバイス100により、被験者は、思考の力により電子ディスプレイ(例えば、コンピュータ画面)上のカーソルを動かし、カーソルを介して電子ディスプレイ上で選択を行うこと、またはそれらの任意の組み合わせが可能となる。被験者は、例えば、選択を「クリック」することにより、5秒などのしきい値期間だけ選択にカーソルを合わせることにより、クリックしてから選択図形(例、選択ボックスなど)で選択を囲むことにより、またはこれらの任意の組み合わせにより、カーソルで選択を行うことができる。電子ディスプレイは、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップモニタ、テレビ、仮想現実システム、拡張現実システム、グラフィックディスプレイゴーグル、グラフィックディスプレイ眼鏡、グラフィカルユーザインターフェイス、または任意の組み合わせのコンピュータの画面であり得る。デバイス100は、被験者が1つまたは複数のカーソルを動かし、1つまたは複数の選択(決定とも呼ばれる)を行えるように、神経信号を記録することができる。被験者が複数のカーソルを制御している場合、被験者は複数のカーソル相互に順次または同時に移動できる。被験者が複数の決定を行っている場合、被験者はそのような決定を相互に連続してまたは同時に行うことができる。
【0272】
デバイス100により運動皮質に記録される神経活動に関連付けられる被験者の決定は、デバイス100によらずにコンピュータまたはインターネットと対話しながらヒトが行うことができる任意の決定を含むことができ、例えばリンクを選択し、ドキュメントを開いたり閉じたり、電子メールを開いたり閉じたり、ウェブサイトを閲覧し、ウェブサイト上のリンクを選択し、ソフトウェアプログラムを開いたり閉じたり、ソフトウェアプログラム(例、グラフィカルワードプロセッシングプログラム、インターネットブラウザ、電子メールプログラム、ビデオゲームなどのグラフィカルプログラム)を使用し、インターネット接続を開始したり終了したりすること、またはそれらの任意の組み合わせなどを含み得る。このようにして、デバイス100を有する被験者は、例えばインターネットを閲覧し、ソフトウェアプログラムを使用するために電子デバイスを制御することができる。
【0273】
被験者がデバイス100を介して対話することができるソフトウェアプログラムの例は、スペラ(speller)などの通信ソフトウェアである。デバイス100を有する被験者は、スペラで文字と単語を選択するべくディスプレイ上のカーソルを動かして、例えば文字、単語、および/または描画機能を有するプログラム(例えば、ワードプロセッシングプログラム)を使用して、1つまたは複数の電子デバイスを介して他者とスペルを綴って通信することができる。スペラソフトウェアは画面上に文字を表示でき、被験者は画面上でカーソルを動かして必要な文字を選択できる。
【0274】
デバイス100は、単方向(記録のみまたは刺激のみ)または双方向(記録および刺激)とすることができる。一旦デバイス100が神経活動を記録すると、記録された神経活動は、続いて電子デバイスに直接的または間接的に接続する有線または無線の回路に、または最初に以前に決定された活動のデータベースを含む処理ユニットに中継できる。処理ユニットは、記録された神経活動を識別、または以前に判定された活動のデータベースと比較し、外部デバイスを制御またはトリガする信号を生成する。電子デバイスとの通信においては、フィードバックは脳に返信する場合(例えば、双方向デバイス100を使用する場合)、または返信しない場合(例えば、単方向デバイス100を使用する場合、または双方向デバイス100を使用する場合)がある。被験者がデバイス100を介して電子デバイスと通信している場合、脳へのフィードバックが不要になるように、視覚フィードバックを電子デバイスの電子ディスプレイ上に提供することができる。
【0276】
本明細書に記載されるシステムは、学習、記憶、訓練、運動課題などのような分野における改善のために、認知出力を高めるために使用され得る。経頭蓋直流刺激(TDCS)および経頭蓋磁気刺激(TMS)は、注意、学習、および運動出力の改善に応用できる可能性があることが示されている。血管内刺激デバイスを適切な領域に移植すると、関心領域へのアクセスと近接性が高まるため、より少ないエネルギーで認知出力をより信頼性高く長期的に改善できる可能性がある。
【0278】
本明細書に記載されるシステムおよび移植物は、ブレイン・マシン・インターフェースを介して、ユーザの身体の内部および/または外部にあるデバイスを制御するために、神経活動を記録および処理することができる。そのような処理は、例えば、1つ以上のステントデバイス100および/または遠隔測定ユニット12と一体的に設けられるか、そうでなければ通信する1つ以上のプロセッサまたはマイクロプロセッサで行うことができる。プロセッサは、脳および/または身体の別の場所から受信した神経信号を処理するために、さまざまな制御アルゴリズムでプログラムするか、呼び出すことができる。これには、交感神経経路および/または副交感神経経路の両者から受信した神経信号が含まれる。例えば、電極アレイ(例えば、ステントベースの電極アレイ100)は、皮質および/または皮質下神経活動を検知でき、そのような活動をプロセッサに中継してブレイン・マシン・インターフェースを制御できる。ブレイン・マシン・インターフェースは、内部デバイスおよび/または外部デバイスにリンクできる。皮質および皮質下部の位置には、例えば、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、後部頭頂葉(PPC)、一次体性感覚野(S1)、小脳、視床および脳幹が含まれる。脳の外側の領域の神経活動も、例えば、脊髄、筋肉、並びに心臓、肺、胃、腎臓、および膵臓などの臓器から検知および処理できる。制御アルゴリズムは、システムによって検知または記録される神経活動を処理して、制御信号を生成できる。生成された制御信号により、1つまたは複数の外部デバイス、内部デバイス、身体の一部、またはそれらの任意の組み合わせの神経制御が可能となる。例えば、アルゴリズムは、デバイスの一部を作動させたり組織を刺激したりする制御信号を生成できる。
【0279】
アルゴリズムは、1つまたは複数の神経領域からの検知された神経活動を処理して、例えば、ユーザが行動する意図があるかどうか、そうである場合はどれくらいかを決定することができる。検知された神経信号が意図された行動に対応する場合、ブレイン・マシン・インターフェースは、意図された行動に関連付けられたデバイスを作動させる制御信号を生成できる。例えば、ユーザがブレイン・マシン・インターフェースにリンクされた義足を有する場合に、ユーザは自身の腕を上げることを考え、システムはこの行動に関連付けられる神経信号を処理することでこの意図を検知できる。システムは、この検知された意図を制御信号に変換して、ユーザの意図した行動に応じて義足を上げる。
【0280】
様々なアルゴリズムを使用して、ユーザの意図を復号または他の方法で決定し、検知または復号された意図がユーザの意図した行動に対応するかどうかを判定することができる。例えば、システムは複数の脳領域からの信号を検知して、ユーザが精神的に意図(例えば、運動意図)を形成するときに、複数の脳領域の間に存在する自然な相乗効果に依存して検知できる。このような意図決定アルゴリズムは、任意の意図が脳の複数の領域で複製され、追加の情報で補完されるということに依存している。例えば、システムは、意図を判断するときにブレイン・マシン・インターフェースの出力を通知するために、自然の皮質および/または皮質下部の相乗効果を検知および使用できる。そのような場合、システムは2つ以上の神経領域からの神経信号を処理し、続いて出力信号を生成する前に神経信号の2つ以上の組が互いに関連付けられているかどうかを判断することにより、ユーザの意図を判断できる。神経の相乗効果を検知して分析することで、ブレイン・マシン・インターフェースと通信するデバイスを誤って起動するリスクを低減することができ、その理由として、そのような復号化プロセスは、1つだけではなく脳の複数の領域に依存しており、自然に生じる神経の冗長性またはその欠如を利用していることが挙げられる。したがって、このような相乗効果を利用することにより、ヒトの意図のより正確かつ信頼性の高い識別が可能になる。これにより、より正確かつ信頼性の高い制御信号を生成できるだけでなく、デバイスに対するユーザの信頼を高めることができる。システムは、例えば、信号を他の神経領域からの信号に関連付けたり比較したりすることなく単一領域からの神経信号を処理することにより、神経の相乗効果に依存することなくユーザの意図を判断することもできる。
【0281】
図66は、例えば1つ以上のステントデバイス100から受信される2つ以上の神経領域からの神経信号を処理するためのアルゴリズム350の変形例を示す。アルゴリズム350は、受信した神経信号を処理して、信号がユーザの意図した動作に対応するかどうかを判定することができる。ブロック352で開始すると、アルゴリズム350は、複数の神経位置からの脳信号354を記録し、記録された信号から意
図356を復号し、復号された意図に対して相関分析358を実行することができる。例えば、
図66は、アルゴリズム350が第1の位置354aおよび第2の位置354bからの脳信号354を記録できることを示す。異なる領域の神経活動は、1つまたは複数の他の領域に記録された活動に対して同時にまたは連続して記録できる(例、第2の位置354bの信号は、第1の位置354aの信号と同時に記録することも、後に記録することもできる)。
【0282】
複数の神経領域からの信号を記録する(ステップ354)ことにより、アルゴリズム350をマルチモーダルにし、意図決定プロセスを強化し(ステップ356)、誤差検知を改善する(ステップ358)。記録された信号は、例えば、1つ以上のセンサ(例えば、1つ以上のステントデバイス100の1つ以上の電極131)で測定することができる。例えば、第1の位置354aの脳信号は第1のセンサで記録でき、第2の位置の脳信号は第1のセンサまたは第2のセンサで記録できる。第1のセンサは、第1の神経領域354aに近接しているかその内部にあり、第2のセンサは、第2の神経領域354bに近接しているかその内部にあり得る。さらに、
図66は、第1の神経領域354aおよび第2の神経領域354bが脳内にあることを示すが、神経領域354は、例えば、皮質、皮質下部、小脳、視床、脳幹、脊髄、臓器、筋肉、またはそれらの任意の組み合わせを含む、脳の内部および/または外部にあり得る。第1の神経活動354aおよび第2の神経活動354bは、同じかまたは異なる移植物、例えば第1および第2のステントデバイス100で測定することができる。
【0283】
ステップ354で第1の信号354aおよび第2の信号354bが受信されると、アルゴリズム350は、記録された信号のそれぞれに関連付けられた意
図356を判定することができる。例えば、
図66は、第1の神経信号354aから第1の意図を判定でき(ステップ356a)、第2の神経信号354bから第2の意図を判定できる(ステップ356b)ことを示す。第1の意
図356aおよび第2の意
図356bは、記録された第1の神経活動354aおよび第2の神経活動354bをそれぞれ復号することにより判定することができる。これに代えて、または組み合わせて、意
図356(例えば、第1の意
図356aおよび第2の意
図356b)は、メモリに格納された以前に測定された神経活動を参照することにより判定されてもよい。メモリに保存された神経活動は、ユーザ、別のヒト、および/または複数のヒトから取得できる。このようにして、保存された神経活動は、ユーザ固有、他のヒトに固有、および/または複数のユーザからのデータの編集であり得る。このように、メモリは患者固有のものであるか、または神経データのグローバルライブラリであり得る。ユーザとは異なる1人または複数の他のヒトからの神経データがメモリに格納され、かつ/またはメモリから参照される場合において、このデータは、神経発達および訓練のどの段階でもユーザのベンチマーク標準および/または次の神経目標を表すことができる。メモリは、新しい測定値の保存、古い測定値のパージ、保存されたデータの整理、または任意の組み合わせに構成できる。
【0284】
一旦意
図356が判定されると、アルゴリズム350は、相関分析を実行して(ステップ358)、アルゴリズム350に関連付けられるか、そうでなければこれにより制御可能なデバイスを作動させるか(ステップ360)させないか(ステップ362)を決定することができる。相関分析358は、記録されている2つ以上の神経領域間、例えば、2つ以上の測定信号354間および/または2つ以上の判定された意
図356間で誤差を確認することができる。
図66は、第1の意
図356aが第2の意
図356bと同じか実質的に同じ(関連付けされるか実質的に関連付けされるともいう)であると相関分析358が判断した場合に、プロセッサがデバイスを作動させる(ステップ360)ように構成された1つ以上の制御信号を生成するようにプログラムすることができることを示す。同様に、相関分析358が、第1の意
図356aおよび第2の意
図356bが互いに関連付けられていないと判断した場合に、プロセッサは、デバイスを作動させない(ステップ362)ようにプログラムすることができる。すなわち、2つ以上の復号された意
図356が互いに関連付けられていることをアルゴリズム350が確認した場合、1つ以上の制御信号を生成してデバイスに送達し、デバイスを作動させ(ステップ360)、その後、アルゴリズム350は記録ステップ354に戻ることができ、または終了することができる(ステップ364)。同様に、2つ以上の復号された意
図356が互いに関連付けられていることをアルゴリズム350が確認できない場合(例えば、2つ以上の復号された意
図356間で誤差が検知された場合)、アルゴリズム350はデバイスを作動させず(ステップ362)に記録ステップ354に進むか、終了することができる(ステップ364)。
【0285】
例えば、相関分析358は、測定された第1の活動354aおよび第2の活動354bの間、および/または復号された第1の意
図356aおよび第2の意
図356bの間の誤差を計算することができる。例えば、アルゴリズム350は、復号された第1の意
図356aおよび第2の意
図356bの間の計算された誤差が予め定められた誤差未満であると判断すると、計算された誤差が複数の予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差が予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差の平均が予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差の平均が複数の予め定められた誤差の平均未満であると判断すると、またはその組み合わせにより、1つ以上の制御信号をデバイスに配信できる。予め定められた1つまたは複数の誤差は、例えば、予測クラスマッチングおよび/または計装されたクラスマッチングを使用して決定することができる。例えば、予測クラスマッチングはバイナリにすることができる(例えば、クラスはクラス1−nにすることができ、各クラスはスイッチを活性化できる)。例えば、目的のクラス(例えば、復号された第1の意図)=予測されたクラス(例えば、復号された第2の意図)の場合、プロセッサは続いて制御信号を生成してデバイスに配信できる。計装されたクラスマッチングもバイナリにすることができるが、目的のクラスはこれに代えて外部センサ(例えば、近接センサまたは他のそのようなデバイスから)によって提供され得る。
【0286】
図66は、「はい」および「いいえ」の決定を行うようにプロセッサを構成できることを示す。「はい」信号は、1つまたは複数の制御信号をデバイスに送信してデバイスを作動させる(ステップ362)ようにプロセッサに促すことができる。「いいえ」信号は、アルゴリズム350のステップ354に戻るようにプロセッサに促すことができる。アルゴリズム350のステップ354、356、358は、少なくとも1つの制御信号がデバイスに配信されるまで繰り返すことができる。アルゴリズム350は、ステントデバイス100が制御されている装置と通信しているときに自動的に開始する(ステップ352)ことができ、またはユーザまたは介護者などの第三者によって制御することができる。アルゴリズム350を使用して、デバイスの1つまたは複数のパラメータ、例えば、第1のパラメータ、第2のパラメータ、第3のパラメータ、または複数のパラメータを制御することができる。パラメータは、デバイスの位置、速度、または軌道に対応できる(例えば、第1のパラメータはデバイスの位置、第2のパラメータはデバイスの別の位置、第3のパラメータはデバイスの速度になり得る)。上述したように、デバイスは外骨格、義肢、スペラ、車椅子、コンピュータ、電気または電子機械デバイス、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。加えて、または組み合わせて、デバイスはウェブブラウザであってもよく、かつ/またはデバイスはウェブブラウザと通信してもよい。例えば、デバイスはウェブブラウザを制御するプロセッサであってもよく、デバイスはウェブブラウザを制御するプロセッサを有してもよく、デバイスはウェブブラウザを制御するプロセッサと有線または無線通信してもよく、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0287】
図66には図示されていないが、アルゴリズム350は、第1および/または第2のセンサを使用して、かつ/または1つ以上の他のセンサ(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の他のセンサ)を使用して、2つを超える神経活動を、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の神経の位置に対応する3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の神経活動を記録することができる。アルゴリズム350は、制御されている1つ以上のパラメータに対する1つ以上のデバイスに特有の神経信号を検知することができる。
【0288】
例えば、アルゴリズム350は、1つ以上の第3および第4の神経活動を測定することができる。このような場合に、アルゴリズム350は、相関分析ステップ358において、測定された複数の第4の神経活動のうちの1つ以上が、少なくとも1つの第1の意図、第2の意図、および/または第3の意図に関連付けられていることを確認した上で、複数の第4の神経活動が1つ以上の第1の意図、第2の意図、および/または第3の意図に関連付けられていることを確認した上で、1つ以上の第4の神経活動のうちの少なくとも1つが複数の第1の意図、第2の意図、および/または第3の意図と関連付けられていることを確認した上で、複数の第4の神経活動の平均が第1の意図、第2の意図、および/または第3の意図の平均と関連付けられていることを確認した上で、またはそれらの任意の組み合わせで、プロセッサに1つ以上の制御信号をデバイスに配信するように促すことができる。アルゴリズム350のステップ354、356、358は、少なくとも1つの制御信号がデバイスに配信されるまで、記録されている各神経領域について繰り返すことができる。
【0289】
図67は、例えば、1つ以上のステントデバイス100から受信される2つ以上の神経領域からの神経信号を処理するための別のアルゴリズム350の変形例を示す。アルゴリズム450は、受信した神経信号を処理して、信号がユーザの意図した動作に対応するかどうかを判定することができる。ブロック452で開始すると、アルゴリズム450は、複数の神経位置からの脳信号を記録し(ステップ454)、測定された脳信号(ステップ454)のうちの少なくとも1つの神経活動を予測し(ステップ456)、測定された活動のうちの少なくとも1つと予測された活動のうちの少なくとも1つとの間の相関分析を行う(ステップ458)ことができる。例えば、
図67は、アルゴリズム450が第1の場所454aおよび第2の場所454bからの脳信号を記録できる(ステップ454)ことを示す。異なる領域の神経活動は、1つまたは複数の他の領域に記録された活動に対して同時にまたは連続して記録できる(例、第2の位置454bの信号は、第1の位置454aの信号と同時に記録することも、後に記録することもできる)。例えば、アルゴリズム350を参照して上述したように、記録された信号(ステップ454)は、1つまたは複数の移植物上の1つまたは複数のセンサで測定でき、同じかまたは異なる移植物(例えば、第1および第2のステントデバイス100)で測定でき、脳内および/または脳外の信号を記録できる。
【0290】
一旦ステップ454で第1の信号454aおよび第2の信号454bが受信されると、アルゴリズム450は、測定された脳信号(例えば、第1の脳信号454aおよび/または第2の脳信号454b)(ステップ454)のうちの1つまたは複数の神経活動を予測することができる(ステップ456)。予測ステップ456では、測定された神経領域の1つからの活動を使用して、別の神経領域の活動を予測する(ステップ456)ことができる。これに代えて、または組み合わせて、神経領域のうちの1つの複数の測定された活動を使用して、別の神経領域の活動を予測することができる(ステップ456)。これに代えて、または組み合わせて、複数の神経領域から測定された活動を使用して、1つまたは複数の他の神経領域の活動を予測することができる(ステップ456)。例えば、
図67は、アルゴリズム450が、第1の神経領域454aで測定された活動を使用して、第2の場所456bの神経活動を予測できる(ステップ456)ことを示す。アルゴリズム350を参照して上述したメモリに格納された神経データを含む他の情報を使用して、神経活動を予測することもできる。
【0291】
一旦神経領域のうちの1つの活動が、別の神経領域で測定(ステップ454)された活動および/または記憶された神経データに少なくとも部分的に基づいて予測される(ステップ456)と、アルゴリズム450は相関分析458を実行して、アルゴリズム450に関連付けられるか、そうでなければこれにより制御可能なデバイスを作動させる(ステップ460)か、作動させない(ステップ462)かを決定することができる。相関分析458は、記録された活動454のうちの1つ以上と予測された活動456のうちの1つ以上との間の誤差を確認することができる。例えば、相関分析458は、測定された第1の活動454aと予測された第1の活動456aとの間、および/または測定された第2の活動454bと予測された第2の活動456bとの間の誤差を計算することができる。予測された第1の活動456aは、
図67には示されていない。この活動は、測定された第2の活動、または測定された第1の活動とは異なる任意の他の測定された活動に基づいて予測できる。同様に、予測された第2の活動は、測定された第1の活動、または測定された第2の活動とは異なる任意の他の測定された活動に基づくことができる。
【0292】
図67は、予測された第2の活動456bが測定された第2の活動454bと同じであるか、または実質的に同じである(測定された第2の活動454bと関連付けられているか、または実質的に関連付けられいるともいう)と相関分析458が判定した場合に、デバイスの実行される活動を決定するために、測定された第1の活動454aおよび/または第2の活動454bの意図を決定する(ステップ459)ようにプロセッサをプログラムすることができることを示す。アルゴリズム450は、続いて例えば、復号化ステップ459で、または復号化ステップ459に続いて、デバイスを作動させる(ステップ460)ように構成された1つまたは複数の制御信号460を生成することができる。同様に、測定された第2の活動454bおよび予測された第2の活動456bが互いに関連付けられていないと相関分析358が判断した場合に、プロセッサは、デバイスを作動させない(ステップ462)ようにプログラムすることができる。すなわち、測定された第2の活動454bおよび予測された第2の活動456bが相互に関連付けられていることをアルゴリズム450が確認した場合、1つ以上の制御信号を生成してデバイスに配信し、デバイスを作動させ(ステップ460)、その後アルゴリズム450は記録ステップ454に戻るか、終了することができる(ステップ464)。同様に、測定された第2の活動および予測された第2の活動が互いに関連付けられていることをアルゴリズム450が確認できない場合(例えば、それらの間で誤差が検知された場合)、アルゴリズム450はデバイスを作動させず(ステップ462)に記録ステップ454に進むか、終了することができる(ステップ464)。
【0293】
例えば、アルゴリズム450は、計算された誤差が予め定められた誤差未満であると判断すると、計算された誤差が複数の予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差が予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差の平均が予め定められた誤差未満であると判断すると、複数の計算された誤差の平均が複数の予め定められた誤差の平均未満であると判断すると、またはその組み合わせにより、測定された活動(ステップ454)の意図を判定(ステップ459)し、かつ/または1つ以上の制御信号をデバイスに配信できる。上述したように、予め定められた1つまたは複数の誤差は、例えば、予測クラスマッチングおよび/または計装されたクラスマッチングを使用して決定することができる。ここで、意図されたクラス(例えば、最初に測定された神経活動)=予測されたクラス(例えば、予測された神経活動)の場合に、プロセッサは上述したようにステップ459で1つまたは複数の関連付けられた意図を復号できる。
【0294】
図67は、「はい」と「いいえ」の決定を行うようにプロセッサを構成できることを示す。「はい」信号は、プロセッサに、測定された第1の活動454aおよび/または第2の活動454bを復号させ(ステップ459)、続いて1つ以上の制御信号をデバイスに送信させて、デバイスを作動させる(ステップ462)。「いいえ」信号は、プロセッサにアルゴリズム450のステップ454に戻るように促すことができる。アルゴリズム450のステップ454、456、458は、少なくとも1つの制御信号がデバイスに配信されるまで繰り返すことができる。アルゴリズム450は、ステントデバイス100が、制御されているデバイスと通信しているときに自動的に開始することができ(ステップ452)、またはユーザまたは介護者などの第三者によって制御することができる。アルゴリズム450を使用して、アルゴリズム350を参照して上述したように、デバイスの1つまたは複数のパラメータを制御することができる。デバイスは、外骨格、義肢、スペラ、車椅子、コンピュータ、電気的または電子機械的デバイス、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0295】
図67には図示されていないが、アルゴリズム450は、第1および/または第2のセンサを使用して、かつ/または1つ以上の他のセンサ(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の他のセンサ)を使用して、2つを超える神経活動を、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の神経の位置に対応する3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の神経活動を記録することができる。アルゴリズム450は、1つ以上のデバイスおよび制御されている1つ以上のパラメータに特有の神経信号を検知することができる。例えば、アルゴリズム350は、1つ以上の第3および第4の神経活動を測定し、デバイスを制御する1つ以上の意図を決定することができる。アルゴリズム450のステップ454、456、458は、少なくとも1つの制御信号がデバイスに配信されるまで、記録されている各神経領域について繰り返すことができる。
【0296】
図68は、ユーザとデバイス自体の両者を介したデバイスの二重制御を可能にする適応制御アルゴリズム500の変形例を示す。アルゴリズム500は、機械学習と人間学習の両者を、どちらか一方だけとは対照的に発生させることができる。アルゴリズム500は、例えばアルゴリズム350、アルゴリズム450、またはそれらの任意の組み合わせなど、別のアルゴリズムなしで単独で、または別のアルゴリズムと組み合わせて使用することができる。例えば、アルゴリズム500は、アルゴリズム350、450のサブルーチンであり得る。
【0297】
図68に示すように、アルゴリズム500は、ブロック502で開始し、続いて、例えば、ユーザの能力またはデバイスの習熟度の決定に基づいて増加および/または低減することができるコンピュータ制御パーセンテージおよびユーザ制御パーセンテージを確立することができる(ステップ504)。アルゴリズム500が最初に開始されたとき(ステップ502)、コンピュータ制御パーセンテージは約75%乃至約100%(例えば、約95%)であり得、ユーザ制御パーセンテージは約0%乃至約25%(例えば、約5%)であり得る。ともに加えられた制御パーセンテージの両者の合計パーセンテージは、約100%であり得る。複数のデバイスが使用される場合、またはそうでなければユーザとの神経通信において、デバイスごとに個別のコンピュータ制御パーセンテージを確立することができる(ステップ504)。加えて、または組み合わせて、単一のコンピュータ制御パーセンテージを複数のデバイス間および/または単一のデバイスに関連付けられた複数の制御ソース間で分割できる。
【0298】
アルゴリズム500を使用して、デバイスの1つまたは複数のパラメータのユーザの制御およびコンピュータの制御を調整することができる。例えば、アルゴリズム500により、軌道、速度、位置、またはそれらの変化の制御を含む、1つ以上の運動学的パラメータの制御を監視および調整することができる。ブロック504で制御パーセンテージが設定された後、パラメータに関連付けられた神経信号を記録することができ(ステップ506)、パラメータの推定値を取得することができる(ステップ510)。推定値510は、ユーザが制御しているまたは制御しようとしているデバイスから取得することができ、または他の個別のデバイスから取得することができる。記録された神経活動506および機械推定値510は、ユーザの意
図508を復号するために使用することができる。
【0299】
一旦ユーザの意
図508が復号されると、復号された神経活動508に関連付けられるパラメータ514(例えば、動き)を実行することにより、フィルタ(例えば、カルマンフィルタ)を訓練することができる。フィルタは、実行されたパラメータ514を復号された意
図508(復号されたパラメータ508または意図されたパラメータ508ともいう)と比較することにより、誤差、例えば誤差推定値を計算する(ステップ516)ために使用できる。計算された誤差/誤差推定値516は、復号されたパラメータ508および推定されたパラメータ510に少なくとも部分的に基づくことができる。計算された誤差は、測定された神経活動506と所望の意図されたパラメータ510との間の計算された制御相関(計算された制御能力ともいう)に対応することができる。アルゴリズム500は、誤差計算を実行して(ステップ516)、ユーザ制御パーセンテージおよびコンピュータ制御パーセンテージを調整するかどうかを決定することができる。
【0300】
図68は、意図したパラメータ508が実行されるパラメータ514と同じかまたは実質的に同じであると誤差分析516が判断した場合に、プロセッサがコンピュータ制御パーセンテージを低減し(ステップ518)、それに応じてユーザ制御パーセンテージを増加できることを示す。同様に、誤差分析516が、意図したパラメータ508と実行されるパラメータ510が同じではないと判断した場合に、プロセッサは、ブロック520においてユーザを再訓練するための新しい神経信号を取得し、かつ/またはコンピュータ制御パーセンテージを増加させ、それに応じてユーザ制御パーセンテージを低減するようにプログラムされることができる。アルゴリズム500は、計算された制御相関が予め定められた誤差を下回るか上回ると判断すると、ユーザ制御パーセンテージおよびコンピュータ制御パーセンテージを調整することができる。例えば、プロセッサは、計算された制御相関が予め定められた値を下回っていると判断すると、ユーザ制御パーセンテージを増加させるとともにコンピュータ制御パーセンテージを低減することができる。また、計算された制御相関が予め定められた誤差または別の予め定められた誤差、またはその逆、またはそれらの任意の組み合わせを超えていると判断すると、プロセッサは、ユーザ制御パーセンテージを低減するとともにコンピュータ制御パーセンテージを増加させることができる。これに代えて、または組み合わせて、プロセッサは、制御相関が予め定められた誤差を超えている、別の予め定められた誤差を超えている、予め定められた誤差を下回る、別の予め定められた誤差を下回る、またはそれらの任意の組み合わせであると判断すると、ユーザ制御パーセンテージおよびコンピュータ制御パーセンテージの調整を行わないようにプログラムすることができる。上述したように、予め定められた1つまたは複数の誤差は、例えば、予測クラスマッチングおよび/または計装されたクラスマッチングを使用して決定することができる。
【0301】
適応訓練パラダイム500は、ユーザおよびコンピュータの両者を訓練することにより、制御パーセンテージを徐々にかつ/または迅速に調整することができる。例えば、ユーザ制御パーセンテージおよびコンピュータ制御パーセンテージは、プロセッサによって約1%乃至約25%までの割合の増分で、例えば、1%の増分、2%の増分、10%の増分、25%の増分、それ以上の増分、またはそれらの任意の組み合わせの増分で調整できる。アルゴリズム500は、ユーザ制御パーセンテージを約0%乃至約25%の初期パーセンテージから約75%乃至約100%の最終パーセンテージまで増分的に増加させることができ、これに応じてコンピュータ制御パーセンテージは約75乃至約100%の初期パーセンテージから約0%乃至約25%の最終パーセンテージまで低減される。例えば、アルゴリズムは約90%のコンピュータ制御パーセンテージと約10%のユーザ制御パーセンテージで開始でき、その後ユーザの制御を徐々にかつ/または急速に約90%以上のユーザ制御、例えば、100%のユーザ制御に増加させることができる。アルゴリズム500は、適応訓練が初期制御パーセンテージから最終制御パーセンテージに移行するために、1回から10,000回以上反復することができる。ユーザ制御パーセンテージが変化するたびに、それに応じて誤差/誤差推定値の計算を変更するようにアルゴリズム500をプログラムすることができる。訓練は各個人に合わせて調整できるため、アルゴリズムの適応とユーザの適応との間の時間を変更できる。例えば、ユーザの適応とアルゴリズムの適応との間の時間間隔は、個別の被験者の能力に基づいて変更可能である。別例として、適応に使用される信号を変更してもよい。例えば、アルゴリズムによる不正確な予測と正確な予測の比率を変更して、外部デバイスの被験者またはユーザによる制御、または1つまたは複数の埋め込みステントロッドにリンクされた任意のデバイスまたはプラットフォームの制御の精度を最適化できる。
【0302】
図66乃至68のアルゴリズム350、450、500はそれぞれ、デバイスの個別制御および/または連続制御を提供することができる。
図68の適応アルゴリズム500は、上述したように1つ以上のステントデバイス100を使用して、ユーザおよび機械学習および可塑性を強化することができる。神経作用は記録することができる。また、関連付けられた意図は、例えばアルゴリズム350、450および500で以下のように復号される:(1)神経信号を記録し、約2Hz乃至約200Hzでフィルタリングし、アーティファクトを除去する。(2)関心のある特徴、例えば周波数帯域4Hz乃至12Hz、13Hz乃至28Hz、29Hz乃至45Hz、55Hz乃至80Hz、81Hz乃至120Hz、121Hz乃至180Hzの電力を取得する。(3)結果に線形回帰モデルを適用する。例えば、y(t)=X(t)xA+E(t)。ここで、Aは線形パラメータ、E(t)は誤差項、X(t)は特徴ベクトル、y(t)は目的の出力である。
【0304】
本明細書に記載の方法、デバイス、およびシステムは、神経組織に二重多極刺激を提供することができる。そのような変形形態では、2つの多極信号を互いに位相調整して、二相多極刺激を達成することができる。従来の単極、従来の双極、および従来の多極刺激に加えて、二相多極刺激を提供できる。二相多極刺激を使用することにより、例えば、他の隣接する領域に影響を与えることなく刺激を神経組織の1つまたは複数の領域(脳の1つまたは複数の領域)に集中させることができるため、神経組織をより正確に標的にすることができる。刺激の位置、方向、および深さは、1つまたは複数の電流を標的領域に集中させ、標的領域の1つまたは複数の電流を合計し、かつ/または1つまたは複数の電流の振幅を調整することにより、二重多極刺激で制御できる。従来の刺激技術は電流の合計を許容しない。二重多極刺激は、例えば1つの電流源に代えて複数の電流源を利用することで、望ましい刺激レベルを達成するために必要な刺激電流を低減することもできる。所望の刺激電流が達成されるのみか、標的領域に最も集中するように、送達される総電流を複数の電流源に分割することができる。例えば、最大強度の単一の電流源に代えて、単一の電流源の電流強度と比較して半分の電流強度(50%および50%)を有する2つの電流源を、二相極性刺激構造体に使用可能である。ただし、2つの電流源間の任意の割合の電流分布、例えば10%と90%、20%と80%、30%と70%、40%と60%が考えられる。システムに複数の電流源(2乃至50以上の電流源など)がある場合に、1つまたは複数の電流源の電流強度は、電流の合計が利用されていない変形例の電流強度よりも小さくすることができる。電流は、すべての電流源が同じ電流強度を有する電流を送達するように、または少なくとも2つの電流源が互いに異なる電流強度を有する電流を送達するように、複数の電流源に均等または不均等に分配され得る。複数の電流源は互いに独立していてもよく、かつ/または1つ以上の電流源は1つ以上の他の電流源に従属していてもよい。二相多極電流送達は、二相多極超音波送達と同様に機能することができる。
【0305】
神経組織を刺激するために、1つ以上のステントデバイス100は、1つ以上の電流源から1つ以上の電流シンクに電流を流すことにより1つ以上の電流を標的領域に送達するように構成できる。各電流源は、ステントデバイス100の1つまたは複数の電極131に分配することができる。1つ以上の電流源のうちの1つ以上からの電流は、1つ以上の電流シンクのうちの1つ以上に向けられるか、集中され、これにより、送達される電流は、1つまたは複数の標的領域を通過する。二相多極刺激では、標的領域の電流を合計して、所望の刺激レベルが得られる。例えば、
図69A乃至69Dは、
図69Aで従来の単極刺激600aを送達し、
図69Bで従来の双極刺激600bを送達し、
図69Cで従来の多極刺激600cを送達し、
図69Dで二重多極刺激600dを送達するステントデバイス100の電極131の概略的な変形例を示している。
図69Eは、二重多極刺激600eを送達する第1のステントデバイス100aの電極131aおよび第2のステントデバイス100bの電極131bの概略的な変形例を示す。
図69A乃至69Eに示す刺激600a、600b、600c、600d、600eのパターンおよび極性は例示であり、神経活性化の領域(電流拡散ともいう)を示す。刺激のパターンおよび極性は、例えば刺激に対するユーザの反応に基づいて、かつ/またはユーザの反応とは無関係の基準(例えば、予め定められた刺激時間、予め定められた刺激シーケンス、予め定められた刺激強度)に基づいて、送達される刺激をリアルタイムに一定に保持または調整できるように、静的または動的にすることができる。加えて、または組み合わせて、パターンおよび極性はパルス化されるか、性質が変化可能な別の配信プロトコルを有することができる。
【0306】
1つまたは複数の電流は、1つまたは複数の標的領域を通過し、同様に1つまたは複数の標的領域を通過できる各標的領域の1つまたは複数の他の電流と合計され得る。例えば、第1の電流および第2の電流は、標的領域を通過し、標的領域において合計されて刺激電流になることができる。別例として、第1の電流は、第1の標的領域および第2の標的領域を通過することができ、第2の電流は、第1の標的領域の第1の電流と合計されることができるが、第2の標的領域の第1の電流とは合計され得ず、第3の電流は、第2の標的領域の第1の電流と合計されることができるが、第1の標的領域の第1の電流とは合計され得ない。第1および第2の電流は、第1の刺激電流と合計することができ、第1および第3の電流は、第1の刺激電流と等しいかまたは異なる第2の刺激電流と合計することができる。
【0307】
上述したように、1つ以上の電流源のうちの1つ以上からの電流は、1つ以上の電流シンクのうちの1つ以上に向けられ得る。配向には、1つ以上の電流シンクのうちの1つ以上を使用して1つ以上の電流ソースのうちの1つ以上から電流を引き出すことが含まれ、各電流シンクは、1つ以上の指定された電流源から電流を引き出すように構成できる。指定された電流源は、1つ以上の特定の電流シンクに電流を供給するように構成された電流源である。配向には、1つ以上の電流シンクのうちの1つ以上に1つ以上の電流ソースのうちの1つ以上から電流を押し流すことが含まれ、各電流源は、1つ以上の指定された電流シンクから電流を押し流すように構成できる。指定された電流シンクは、1つまたは複数の特定の電流源から電流を受け取るように構成された電流シンクである。例えば、第1の電流を第1の電流源から1つまたは複数の第1の電流シンクに配向することにより、第1の電流を標的領域に送達することができる。
【0308】
少なくとも2つの電流が、引き出すか押し流すことにより、標的領域に同時に送達されることができる。例えば、少なくとも2つの電流のうちの2つ以上が標的領域に配向され、これにより、少なくとも2つの電流が標的領域で合計され、標的領域の神経組織を刺激するのに十分なエネルギーを有する刺激電流となる。別例として、第1の電流源から第1の電流シンクに第1の電流を配向することにより、第1の電流を標的領域に送達することができ、これと同時に、第2の電流源から第2の電流シンクに第2の電流を配向することにより、第2の電流を標的領域に送達することができる。
【0309】
1つ以上の電流源は互いに独立していてもよく、1つ以上の電流シンクは互いに独立していてもよい。
【0310】
本明細書に記載のデバイスは、電流源、電流シンク、および電極の任意の構造体を有することができる。例えば、1つ以上の移植物(例えば、ステントデバイス100)は、1つ以上の電流源および電流シンクを有し、これにより電流源および電流シンクはすべて同じ移植物上に設けることができる。そのような変形例では、各移植物は複数の電極(例えば、電極131)を有することができ、各電流源は1つまたは複数の電流源電極であり、各電流シンクは1つまたは複数の電流シンク電極であり得る。別例として、第1の移植物(例えば、第1のステントデバイス100a)は、1つ以上の電流源を有し、第2の移植物(例えば、第2のステントデバイス100b)は、1つ以上の電流シンクを有し、これにより、1つ以上の電流源を1つ以上の電流シンクとは異なる移植物上に設けることができる。そのような変形例では、第1の移植物は1つまたは複数の電極を有することができ、各電流源は1つまたは複数の電流源電極とすることができる。同様に、第2の移植物は1つまたは複数の電極を有することができ、各電流シンクは1つまたは複数の電流シンク電極とすることができる。さらなる別例として、第1の移植物(例えば、第1のステントデバイス100a)は少なくとも1つの電流源と少なくとも1つの電流シンクとを有し、第2の移植物(例えば第2のステントデバイス100b)は少なくとも1つの電流源と少なくとも1つの電流シンクとを有し、これにより、第1および第2の移植物のそれぞれは、1つ以上の電流源および1つ以上の電流シンクを有することができる。そのような変形例では、第1および第2の移植物はそれぞれ、各電流源が1つまたは複数の電流源電極であり、各電流シンクが1つまたは複数の電流シンク電極である電極を有することができる。
【0311】
本明細書に記載のデバイスは、1つまたは複数の電流源のうちの1つまたは複数を選択的に作動させることにより、かつ/または1つまたは複数の電流シンクのうちの1つまたは複数を選択的に作動させることにより、1つまたは複数の標的領域を同時にまたは連続的に、選択的に標的にできる。例えば、本明細書に記載のデバイスは、1つまたは複数の電流源電極のうちの1つまたは複数を選択的に作動させることにより、かつ/または1つまたは複数の電流シンク電極のうちの1つまたは複数を選択的に作動させることにより、1つまたは複数の標的領域を同時にまたは連続的に、選択的に標的にできる。
【0312】
例えば、二相多極刺激を送達する場合、第1の電流源は第1の場所にあり、第1の電流シンクは第2の場所にあり得る。第1の位置は、脈管の第1の位置に対応することができ、第2の位置は、脈管の第2の位置に対応することができる。脈管の第1の位置は第1の脈管内にあり、脈管の第2の位置は第1の脈管とは異なる第2の脈管内にあり得る。脈管の第1および第2の位置は、標的領域を通過する平面の両反対側にあってもよい。
【0313】
別例として、第1の電流源は第1の位置にあり、第2の電流源は第2の位置にあり、第1の電流シンクは第3の位置にあり得る。第1の位置は脈管の第1の位置に対応でき、第2の位置は脈管の第2の位置に対応でき、第3の位置は脈管の第3の位置に対応できる。脈管の第1、第2、および/または第3の位置は、互いに同じかまたは異なる脈管内にあり得る。脈管の第1および/または第2の位置、並びに脈管の第3の位置は、標的領域を通過する平面の両反対側にあり得る。
【0314】
さらなる別例として、第1の電流源は第1の位置にあり、第2の電流源は第2の位置にあり、第1の電流シンクは第3の位置にあり、第2の電流シンクは第4の位置にあり得る。第1の位置は脈管の第1の位置に対応し、第2の位置は脈管の第2の位置に対応し、第3の位置は脈管の第3の位置に対応し、第4の位置は脈管の第4の位置に対応し得る。脈管の第1、第2、第3、および/または第4の位置は、互いに同じかまたは異なる脈管内にあり得る。脈管の第1および/または第2の位置、並びに脈管の第3および/または第4の位置は、標的領域を通過する平面の両反対側にあり得る。脈管の第1および第3の位置は、標的領域を通過する第1の平面の両反対側にあり得、脈管の第2および第4の位置は、標的領域を通過する第2の平面の両反対側にあり得る。
【0315】
本明細書に記載のデバイスは、第1の移植物の刺激深さを制限するために第1の電流を制限し、第2の移植物の刺激深さを制限するために第2の電流を制限するように構成できる。
【0316】
上述したように、本明細書に記載のデバイスは、刺激強度および/または刺激深さを調整するために、1つ以上の電流源のうちの少なくとも1つの強度を調整することができる。そのような調整は、1つ以上の電流源のうちの少なくとも1つの電流量を増加および/または減少させることにより、かつ/または標的領域で合計する電流の数を増加および/または減少させることにより達成できる。
【0317】
同様に上述したように、1つまたは複数の電流源から1つまたは複数の電流シンクに電流を流すことにより、1つまたは複数の電流を1つまたは複数の標的領域に順次および/または同時に送達できる。
【0318】
二相多極刺激を使用して、例えば皮質、皮質下部、小脳、視床、脳幹、脊髄、臓器(例、心臓、肺、胃、腎臓、および膵臓)、筋肉、またはそれらの任意の組み合わせを含む脳の内部および/または外部など、身体の任意の場所の神経組織を標的とすることができる。皮質および皮質下部の位置には、例えば、一次運動野(M1)、補足運動野(SMA)、後部頭頂葉(PPC)、一次体性感覚野(S1)、小脳、視床、および脳幹が含まれる。
【0319】
前述の説明は、全体を通して二相多極刺激に言及しているが、任意の単一ステントおよび/または多ステントn相多極刺激を、例えば1つまたは複数の移植物で提供することができる。二相多極刺激に加えて、三相、四相、五相、六相、またはn+1相の多極刺激を1つ以上の神経標的領域に送ることができる。これに代えて、または組み合わせて、本明細書に記載のデバイスは、2つ以上の二相多極刺激を1つ以上の標的領域に送達するように構成され得る。例えば、
図70A乃至70Hは、様々な種類の刺激を送達する様々な場所で脳に埋め込まれたステントデバイス100の概略的な変形例を示す。
図70A乃至70Hは、神経刺激を送達するステントデバイス100による様々なMRI画像を示す。
【0320】
図70Aは、単極刺激700aを送達する上矢状静脈洞に位置するステントデバイス100を示す。外部リターン刺激も示される。
【0321】
図70Bは、双極刺激700bを送達する上矢状静脈洞に位置するステントデバイス100を示す。
【0322】
図70Cは、多極刺激700cを送達する二重ステント実装を示す。第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)は、上矢状静脈洞に配置されて示され、第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)は、下矢状静脈洞に配置されて示される。
【0323】
図70Dは、二重多極刺激700dを送達する二重ステント実装を示す。刺激700d−1を送達する横静脈洞に位置する第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)が示され、刺激700d−2を送達する脳梁周動脈に位置する第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)が示される。第1の刺激700d−1および第2の刺激700d−2は、2つの刺激が領域700d−3で重複する場所で合計することができる。神経組織は、領域700d−1、領域700d−2、および/または領域700d−3で刺激され得る。例えば、神経組織は、領域700d−1で刺激されるが、領域700d−3で互いに重複しない領域700d−1および700d−2の部分では刺激されない。別例として、神経組織は、第1の刺激強度で領域700d−1、第2の刺激強度で領域700d−2、および第3の刺激強度で領域700d−3で刺激され得る。第1および第2の刺激の大きさは、互いに同じであっても異なっていてもよい。第3の刺激の大きさは、重複領域700d−3にある第1および第2の刺激の大きさの合計であり得る。第1および第2のステント(例えば、100a、100b)によって送達される刺激の強度は、例えば、組織によって吸収されるエネルギーの結果として、それぞれのステントからの距離が増加するにつれて減衰し得る。したがって、送達される刺激は、各刺激領域700d−1、700d−2、700d−3内で自然に変化し得る。領域700d−3の刺激は、ほぼ一定に保持することができ、または変化させることができる。
【0324】
図70Eは、単極刺激700eを送達する二重ステント実装を示す。第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)は、上矢状静脈洞に配置されて示され、第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)は、下矢状静脈洞に配置されて示される。
【0325】
図70Fは、単極多極刺激700fを送達する二重ステント実装を示す。第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)は、上矢状静脈洞に配置されて示され、第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)は、下矢状静脈洞に配置されて示される。
【0326】
図70Gは、二重多極刺激700gを送達する二重ステント実装を示す。刺激700g−1を送達する上矢状静脈洞に位置する第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)が示され、刺激700g−2を送達する下矢状静脈洞に位置する第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)が示される。
【0327】
図70Hは、二重多極刺激700hを送達する二重ステント実装を示す。刺激700h−1を送達する下矢状静脈洞に位置する第1のステントデバイス(例えば、第1のステント100a)が示され、刺激700h−2を送達する内頸動脈に位置する第2のステントデバイス(例えば、第2のステント100b)が示される。
【0328】
図70I(a)は、第1の脈管壁800awを有する第1の脈管800a内の第1のステントデバイス100aと、第2の脈管壁800bwを有する第2の脈管800b内の第2のステントデバイス100bを示す。第1のステント100aおよび第2のステント100bは、信号(例えば、刺激信号)を標的位置802に送達するように構成される。例えば、第1のステント100aは第1のステント信号700i−1を送達でき、第2のステント100bは第2のステント信号700i−2を標的位置802に送達できる。信号は、例えば、任意の他のタイプの組織刺激信号を含む電気インパルス、超音波信号、またはその両者にすることができる。信号700i−1および700i−2は、信号領域804で合計することができる。信号領域804の合計された信号は、組織を刺激することができる。信号領域804は、組織活性化領域であり得る。信号領域804は、組織活性化可能領域であり得る。活性化可能領域804内の組織は、例えば、デバイス(例、100a、100b)が標的領域802に向けて1つまたは複数の信号を送達または放出するときに活性化され得る。2つの信号(例えば、700i−1、700i−2)が加算されると、例えば、信号領域804で組織を活性化することができる。信号領域804内の合計された信号は、標的領域802内の神経および/または神経束を活性化するのに必要な神経組織活性化閾値以上であり得る。信号領域804は、所望の標的領域802内の組織の一部または全部に存在するか、重複するか、または一致することができる。別例として、信号領域804は、例えば、望ましくないまたは最適でない標的領域802内の組織の一部または全部に存在し得るか、重なり得るか、または一致し得る。解剖学的制約、医学的状態(例、動脈瘤)、外科的合併症、または他の緩和要因が、二次的、三次的、または計画外の位置にある1つまたは複数の脈管内に1つまたは複数のステント(例えば、デバイス100a、100b)を配置することを結果的にもたらし得る。
【0329】
信号領域804の内側および/または外側の神経組織は、第1のステントの第1の信号700i−1によって、第2のステントの第2の信号700i−2によって、第1の信号700i−1および第2の信号700iの組み合わせによって、またはそれらの任意の組み合わせによって刺激され得る。例えば、
図70I(a)は、第1および第2の信号が、信号領域804内で合計されて標的領域802の神経組織を刺激することができるが、領域804の外側の神経組織は、信号領域804の外側の第1のステント100aおよび第2のステント100bによって刺激され(例、デバイスおよび/またはシステムの第1の変形例では、例えば、
図70I(a)に示す変形例)、または刺激されないであろう(例えば、デバイスおよび/またはシステムの第1の変形例では、かつ/またはデバイスおよび/またはシステムの第2の変形例では)ことを例示している。第1の例として、
図70I(a)は、第1および第2の信号が信号領域804で合計して標的領域802の神経組織を刺激できるが、信号領域804の外側の神経組織が第1のステント100aおよび第2のステント100bによって刺激されないことを例示する。第2の例として、
図70Iは、信号領域804の内側および外側の神経組織が第1のステント100aおよび第2のステント100bによって刺激され、それにより、信号加算領域804の外側の神経組織が、例えば、信号領域804内の組織よりも少ない範囲で刺激され得ることを例示する。第3の例として、複数のベル状の信号または信号スパイク(例、信号700i−1および信号700i−2)をステント(例、100a、100b)から送達して、信号加算領域804の形状を制御したり、複数の信号加算領域804(例、2乃至50、2乃至100、2乃至1000、2乃至1000、また、これらの範囲内での1領域増分ごとの増分を含む)を形成したり、またはその両者を行って、所望の形状および/または数の刺激領域804を得ることができる。
【0330】
第1のデバイス100aおよび第2のデバイス100bは、本明細書に開示、企図、および/または例示される特徴のいずれかを有することができる。第1の脈管800aおよび第2の脈管800bは、同じかまたは異なる脈管であり得、体内の任意の脈管であり得る。標的位置802は、本明細書に開示、企図、および/または例示される任意の組織位置であり得る。デバイス100aおよびデバイス100bは、例えば、組織(例、標的領域802の組織)を刺激するために、それぞれデバイス100aおよび100bから信号を放出することができ、デバイス100aおよび100bは、組織(例、標的領域802の組織)から受信した信号を記録することができ、またはこれらの両者を行うことできる(例、デバイス100aおよび/または100bは、組織を刺激することができ、かつ/または組織からの信号を記録することができる)。
【0331】
デバイス100(例、デバイス100a、100b)は、それ自体から離れて、それ自体に向かって、またはその両方に信号を発することができる。デバイス100aは、例えば、デバイス100(例えば、100a、100b)の1つ以上の部分がそれ自身に配向されるか向き直るように配向されるように、デバイス100が長手方向に湾曲する場合に、それ自身に向かって信号を発することができる。デバイス100aの長手方向軸線は、直線、曲線、またはその両者であり得る。デバイス100aは、それ自身に向かって信号を発することができ、この場合、例えば、デバイス100aは、デバイス100の1つ以上の第1の部分(例、ストラット、電極)が、デバイス100の1つ以上の第2の部分(例、ストラット、電極)に配向されるか、向き直るように配向されるように長手方向に湾曲する。デバイス100のエネルギー放出部(例、デバイス100の電極)は、デバイスの長手方向軸線から離間する任意の角度でエネルギーを放出することができ、この場合、デバイスの長手方向軸線は、例えば、デバイスによって形成された血流路を通る中心軸線であり得るか、または別例として、1つ以上のストラットを通る中心軸線であり得る。エネルギー放出部(例、電極)は、例えば、約1度から約360度の放射角度でこの範囲内の1度ごとの増分を含めて、デバイスの長手方向軸線から離間するか長手方向軸線に向かって延びる放射軸線に沿ってエネルギーを放射することができる(例、15度、45度、60度、75度、90度、105度、120度、135度、150度、165度)。放射軸線は、デバイスの長手方向軸線と交差する場合と交差しない場合があり得る。
図70I(a)には2つのデバイス100aおよび100bならびに2つの脈管800aおよび800bが示されているが、デバイス100bは、脈管800a内のデバイス100aの第2の部分であり得、これにより、
図70I(a)のデバイス100bは、デバイス100aの別の部分であり、脈管800bは、例えば、デバイス100aが脈管800a内で湾曲している、脈管800aの別の部分である。そのような場合、デバイスの第1の部分100aは、デバイスの第1の長手方向端部、またはデバイスの第1の長手方向終端部とデバイスの第2の長手方向終端部との間の、デバイス100aの任意の区分であり得る。デバイスの第2の部分(詳細な説明のこの部分で100bとして示されている)は、デバイスの第2の長手方向端部、またはデバイスの第1の長手方向終端部とデバイスの第2の長手方向終端部との間の、デバイス100aの任意の区分であり得る。
【0332】
図70I(a)は、信号加算領域804の一部または全部が標的領域802と重複し得ることをさらに示す。例えば、
図70I(a)は、信号領域804が信号領域の第1の領域804a、信号領域の第2の領域804bおよび信号領域の第3の領域804cを有することができることを示し、領域804aは標的領域802の内側にあり、領域804bおよび804cは標的領域802の外側にある。
【0333】
図70I(b)は、標的領域802のすべてが信号加算領域804内にあり得ることを示す。
【0334】
図70I(c)は、標的領域802が信号加算領域804と同じ正確な形状およびサイズを有することができることを示す。1つまたは複数のステント(例、100aおよび100b)は、合計して目標領域802の所望の形状、サイズ、および数に近づく信号を発するように制御することができる。
【0335】
図70I(d)は、1つまたは複数のデバイス(例えば、ステントロッド100a、100b)が、異なる強度を有する複数のベル状信号、信号スパイク、信号、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、信号700i−1および700i−2)を発することができることを示す。複数の信号をステント(例、100a、100b)から送達して、例えば、信号加算領域804のサイズおよび/または形状を制御し、複数の信号加算領域804(例、2乃至50、2乃至100、2乃至1000、2乃至1000、また、これらの範囲内での1領域増分ごとの増分を含む)を形成し、またはその両者を行い、好適には、所望のサイズ、形状、および/または数の刺激領域804を得ることができる。例えば、
図70I(d)は、第1のステント100aが、第1のステントの第1の信号700i−1aおよび第1のステントの第2の信号700i−1bを標的位置802に送達することができ、第2のステント100bが、第2のステントの第1の信号700i−2aおよび第2のステントの第2の信号700i−2bを標的位置802に送達することができることを例示している。信号700i−1aおよび700i−2aは、第1の信号領域804−1で合計することができる。信号700i−1bおよび700i−2bは、第2の信号領域804−2で合計することができる。第1の信号領域804−1は、第2の信号領域804−2と同じかまたは異なるサイズおよび形状であり得る。第1の信号領域804−1および第2の信号領域804−2は、同じ組織または異なる組織(例えば、同じ脳領域または異なる脳領域)を刺激することができる。信号領域804−1および804−2の合計された信号は、これらのそれぞれの領域の組織を刺激することができる。
【0336】
図70I(e)は、信号の第1の領域804−1および第2の領域804−2が異なるサイズであり得ることを例示する。例えば、第2の信号領域804−2は、第1の信号領域804−1よりも大きく示されている。
【0337】
図70I(f)は、1つまたは複数のデバイス(例、ステント電極100a、100b)が、複数の標的領域802(例えば、2乃至10の標的領域、2乃至100の標的領域、2乃至1000の標的領域、これらの範囲内での1標的領域毎の増分を含む、例えば、第1の標的)を刺激することができることを例示している。例えば、第1のデバイス100aおよび第2のデバイス100bは、第1の標的領域802−1を刺激することができ、第1のデバイス100aおよび第2のデバイス100bは、第2の標的領域802−2を刺激することができる。例えば、第1のデバイス100aおよび第2のデバイス100bは、第1の活性化領域804−1および第2の活性化領域804−2で合計することができる。
【0338】
図70(g)は、刺激システムが3つ以上のステントデバイス、例えばステント100a、100b、および100cを含むことができることを示し、第1のステント100aからの信号は、第2のステント100bおよび/または第3のステント100cからの信号と合計することができ、第2のステント100bからの信号は、第1のステント100aおよび/または第3のステント100cからの信号と合計することができ、第3のステント100cからの信号は、第1のステント100aおよび/または第2のステント100bからの信号と合計することができる。例えば、
図70I(g)は、第1のステントの第1の信号700i−1aが第2のステントの信号700i−2と合計でき、第1のステントの第2の信号700i−1bが第3のステントの信号700i−3と合計できることを例示する。
【0339】
図70I(a)乃至70(g)には2つのデバイス100aおよび100bならびに2つの脈管800aおよび800bが示されているが、デバイス100bは、脈管800a内のデバイス100aの第2の部分であり得、これにより、これらの図面のデバイス100bは、デバイス100aの別の部分であり、脈管800bは、例えば、デバイス100aが脈管800a内で湾曲している、脈管800aの別の部分である。そのような場合、デバイスの第1の部分100aは、デバイスの第1の長手方向端部、またはデバイスの第1の長手方向終端部とデバイスの第2の長手方向終端部との間の、デバイス100aの任意の区分であり得る。デバイスの第2の部分(詳細な説明のこの部分で100bとして示されている)は、デバイスの第2の長手方向端部、またはデバイスの第1の長手方向終端部とデバイスの第2の長手方向終端部との間の、デバイス100aの任意の区分であり得る。
【0340】
図70A乃至70Hの各ステントデバイスは、例示されたステントデバイスがそれぞれ3つの点として概略的に示されている
図70Dを除き、4つの点として概略的に示されている。
図70A乃至70I(g)に示す様々な刺激パターン700a乃至700hは例示であり、神経活性化の領域(電流拡散ともいう)を示す。
図70A乃至70Hの陰影領域によって示される刺激パターン700a乃至700hは、例示されたステントデバイス100によって送達される3次元電流拡散の一部の例示的な断面概略変形例である。
図70I(a)乃至(g)の刺激パターンも同様に例示的である。
図70A乃至70Hは、1つまたは複数の神経領域を同時に標的にできることを示す。上述したように、刺激のパターンおよび極性は、例えば刺激に対するユーザの反応に基づいて、かつ/またはユーザの反応とは無関係の基準(例えば、予め定められた刺激時間、予め定められた刺激シーケンス、予め定められた刺激強度)に基づいて、送達される刺激をリアルタイムに一定に保持または調整できるように、静的または動的にすることができる。加えて、または組み合わせて、パターンおよび極性はパルス化されるか、性質が変化可能な別の配信プロトコルを有することができる。これらの図の第1のデバイスから放出されるエネルギーは、組織を活性化するために第2のデバイスから放出されるエネルギーと合計することができる(例えば、
図70A乃至70Hに示す構成のいずれか)。別例として、
図70A乃至70Hに示すデバイスから放出されるエネルギーは、例えば、複数のデバイス100(例、第1のデバイス、第2のデバイス、第3のデバイス、またはそれ以上のデバイス、またはこれらの任意の組み合わせ)からの合計した異なるエネルギー源(例、デバイス100)からの放出エネルギーの有無にかかわらず組織を活性化できる。例えば、複数の加算領域804がある場合、これらの複数の領域は、例えばエネルギー送達期間にわたって、互いに独立して、連続的に、同時に、またはそれらの任意の組み合わせで刺激することができる。
【0341】
図71Aは、1つまたは複数のデバイス(例、100a、100b)が単極刺激で組織を刺激するときの例示的なヒートマップ805aを示し、ヒートマップ805aは、大きな電流の広がり(例、より暗い領域)を示す。
【0342】
図71Bは、1つまたは複数のデバイス(例、100a、100b)が二重多極刺激で組織を刺激するときの例示的なヒートマップ805bを示し、ヒートマップ805bは焦点電流分布を示し、例えば集束電流分布806を示す。集束電流分布は、好適には、例えば
図71Aの単極刺激ヒートマップ805aと比較した場合、被験者のより集中的な治療を可能にし、被験者に対する制御および精度をより細かくすることができる。1つまたは複数のデバイス(例、100a、100b)が提供できる集束電流分布は、好適には、被験者に1つまたは複数のステントロッド(例、100a、100b)にリンクされた外部デバイスまたはシステムのより多くの制御および/またはより正確な制御を与えることができる。
【0343】
ヒートマップ805aおよび805bは、標的領域802内のヒートマップであり得る。ヒートマップ805aおよび805bは、信号加算領域804のヒートマップであり得る。ヒートマップ805aおよび805bは、信号加算領域804の内側および外側の標的領域802に及ぶヒートマップであり得る。
【0345】
本明細書に記載のデバイス(例えば、ステントデバイス100)は、血流、熱電気、電磁気、圧電性、またはそれらの任意の組み合わせで電力を供給され得る。
【0346】
本発明の範囲から逸脱することなく、多くの修正が当業者には明らかであろう。
【0347】
本明細書における先行技術への言及は、先行技術がオーストラリアの周知技術の一部を形成するという承認または示唆の形態ではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【0348】
本明細書および以下の特許請求の範囲において、特に明記しない限り、「含む」という単語並びに「備える」および「有する」などのその変形は、述べられた整数、ステップ、または整数のグループの包含を意味するが、任意の他の整数若しくはステップまたは複数の整数またはステップのグループを除外するものではない。
【0349】
本明細書における先行刊行物、前記先行刊行物から得られる情報、または周知事項への言及は、前記先行刊行物、またはこの先行刊行物から得られる情報、あるいは周知の事項が、本明細書が関連する努力の分野における公知事項の一部を形成することの承認、認容、または示唆ではなく、また、そのようにみなされない。
【0350】
本明細書で単数形として記載されている要素は、複数形にすることができる(すなわち、「1つ」として説明されているものはすべて2つ以上であることができる)。図面中の同様の参照番号は、同一または機能的に同様の特徴/要素を示す。属要素のどの種要素も、その属の他の種要素の特性または要素を有することができる。説明を明確にするために、個別の図において一部の要素が存在しない場合がある。本開示を実施するための上記の構成、要素、または完全なアセンブリおよび方法、ならびに本開示を実行するためのそれらの要素、および本開示の態様の変形は、任意の組み合わせで互いに組み合わせたり修正したりすることができる。図示の寸法はすべて例示的なものである。
Bは、電極の片側および電極の両側のそれぞれのフィレットエッジを示す。フィレットエッジ116は、ストラットから電極に向かって徐々に厚みを増すように構成することができ、これにより、鋭い角部を取り払い、ストラットと電極との間のより緩慢にしてより浅い移行部を形成する。ストラット移行部116の厚みを増すとともにその「円滑な角部」を形成することにより、電極に隣接する交差部でワイヤまたは他の物体が引っかかる可能性が低減される。
前記第1のセンサは、第1の神経領域に近接しているかまたは第1の神経領域にあり、前記第2のセンサは、第2の神経領域に近接しているかまたは第2の神経領域にある、請求項1に記載の方法。