(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
ノズル(26)の出口(27)を通して粘性媒体(510)の1つ以上の液滴を噴射するように構成された噴射用装置は、エネルギ出力装置(500)を含む。エネルギ出力装置(500)は、ノズル(26)からの液滴(524)の分断を制御するため、出口(27)を通って噴射された粘性媒体(510)の体積の少なくとも一部分(522)の中にエネルギ量子(590)を誘導するように構成されている。エネルギ出力装置は、音響トランスジューサまたは圧電材料またはレーザエミッタまたはヒータを含み得る。
前記エネルギ出力装置が、前記粘性媒体の前記部分の音響起動に基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口を通って噴射された前記粘性媒体の前記部分の中に音響信号を発出するように構成された音響トランスジューサを含んでいる;
請求項1に記載の装置。
前記レーザエミッタが、前記ノズルの外部に位置しており、前記レーザエミッタは、前記出口を通って前記ノズルから退出した前記粘性媒体の一部分に衝突するべく前記レーザビームを発出するように構成されている、
請求項5に記載の装置。
前記エネルギ出力装置が、圧電素子を含み、前記ノズルの流量断面積の調整に基づいて前記粘性媒体の少なくとも前記部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されている、請求項1に記載の装置。
前記体積の少なくとも前記別個の第2の部分を前記ノズルから分断させる前記ステップが、前記音響起動に基づいて前記粘性媒体の前記体積の前記第1の部分の中でせん断減粘性を誘発するステップを含む、請求項12に記載の方法。
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で、前記体積の少なくとも前記第1の部分の中に前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御するステップが含まれている、
請求項10に記載の方法。
前記音響トランスジューサが、前記粘性媒体の前記体積の少なくとも一部分の音響起動に基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口の前記長手方向軸と交差する前記音響信号を発出するように構成されている;
請求項19に記載の装置。
前記レーザエミッタが、前記ノズルの外部に位置しており、前記レーザエミッタは、前記出口を通って前記ノズルから退出する前記粘性媒体の一部分に衝突するべく前記レーザビームを発出するように構成されている、
請求項24に記載の装置。
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で前記出口の前記長手方向軸と交差するように前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御するステップが含まれている、
請求項29に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0043】
ここで、例示的実施形態について、いくつかの例示的実施形態を例示する添付図面を参照しながら、より完全に説明する。図面中、層および領域の厚みは、明確さのために誇張されている。図面中の類似の参照番号は類似の要素を例示する。
【0044】
本明細書中には詳細な例証的実施形態が開示されている。しかしながら、本明細書中で開示されている具体的な構造的および機能的詳細は、例示的実施形態を説明することを目的とする単なる代表にすぎない。例示的実施形態は、多くの代替的形態で具体化され得、本明細書中で明記されている例示的実施形態のみに限定されるものとみなされるべきではない。
【0045】
開示されている特定の例示的実施形態に限定する意図は全く無く、逆に例示的実施形態は、適切な範囲内に入る全ての修正、等価物および変形形態を網羅するためのものである。図の説明全体を通して、類似の番号は類似の要素を意味する。
【0046】
本明細書中で開示されている技術の例示的実施形態は、本開示が徹底的なものとなり、当業者に対し範囲を完全に伝えるように提供されている。本明細書中で開示されている技術の実装を徹底的に理解できるようにするために、具体的コンポーネント、装置および方法の例などの多くの具体的詳細が明記されている。当業者には、具体的詳細を利用する必要性が必ずしも無いこと、本明細書中で開示されている技術の例示的実施形態を、多くの異なる形態で具体化できること、そのいずれも本開示の範囲を限定するものとみなされるべきでないこと、が明白になるものである。本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態において、周知のプログラム、周知の装置構造、および周知の技術は詳述されない。
【0047】
本明細書中で使用されている専門用語は、本明細書中で開示されている技術の特定の例示的実施形態を説明することのみを目的とするものであり、限定的であるようには意図されていない。本明細書中で使用されているように、文脈から明らかに別段の指示が無い限り、単数形態「a」、「an」および「the」は複数形態も同様に含めるように意図され得る。「comprises(含む、構成する)」「comprising(含む、構成する)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「has(有する)」、および「having(有する)」なる用語は包含的であり、したがって表明された特徴、整数、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を規定するものの、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。本明細書中に記載の方法ステップ、プロセス、および動作は、遂行順序として具体的に識別されているのではないかぎり、論述または例示された特定の順序でのそれらの遂行を必然的に求めるものとしてみなされるべきものではない。同様に、追加のまたは代替的ステップも利用し得るということも理解すべきである。
【0048】
要素または層が別の要素または層「の上にある」、「に係合されている」、「に連結されている、または「に結合されている」ものとして言及されている場合、それは、直接他の要素または層の上にあるか、これに連結または結合されていてよく、あるいは間在する要素または層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素または層「の上に直接ある」、「に直接係合されている」、「に直接連結されている」、または「に直接結合されている」ものとして言及されている場合には、間在する要素または層は全く存在しないでよい。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様の形で解釈されるべきである(例えば「〜の間」対「直接〜の間」、「隣接する」対「直接隣接する」など)。本明細書中で使用される「および/または」なる用語は、結びつけられた列挙項目の1つ以上のいずれかのおよび全ての組合せを含む。
【0049】
本明細書中では、さまざまな要素、コンポーネント、領域、層および/または区分を説明するために第1、第2、第3などの用語が使用されているが、これらの要素、コンポーネント、領域、領域、層および/または区分は、これらの用語により限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、層および/または区分を別の領域、層および/または区分から区別するためのみに使用され得る。「第1」、「第2」および他の数的用語などの用語は、本明細書中で使用される場合、文脈によって明確に指示されているのでないかぎり、シーケンスまたは順序を暗示しない。したがって、以下で論述する第1の要素、コンポーネント、領域、層または区分を、本明細書中で開示されている技術の例示的実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層または区分と呼ぶことも可能と考えられる。
【0050】
空間的に相対的な用語、例えば「内側」、「外側」、「下側」、「下方」、「下位」、「上方」、「上位」などは、本明細書中で、図中で例示されているように別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を説明する目的での描写の容易さのために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図中で描かれている配向に加えて使用中または動作中の装置の異なる配向を包含するように意図され得る。例えば、図中の装置が転倒されている場合、他の要素または特徴の「下方」または「下側」として説明された要素は、このとき、他の要素または特徴の「上方」に配向されていることになる。したがって、「下方」なる用語は、上方および下方の方向を両方共包含し得る。装置は他の形で配向され得(90度回転されているかまたは他の配向にある)、本明細書中で使用される空間的に相対的な記述子は相応して解釈され得る。
【0051】
本明細書中で論述される「粘性媒体」なる用語は、はんだペースト、フラックス、接着剤、導電性接着剤、または基板上にコンポーネントを締結するために使用される任意の他の種類(タイプ)の媒体、導電性インク、抵抗ペーストなどであり得る。しかしながら、本明細書中で開示されている技術の例示的実施形態はこれらの例に限定されるべきではない。
【0052】
「基板」は、ボード(例えばプリント回路板(PCB)および/またはフレキシブルPCB)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)用の基板、チップ・スケール・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、ウェーハ、フリップチップなどであり得る。
【0053】
「噴射」なる用語は、「流体濡れ」などの接触分配プロセスと対比して、噴射ノズルから基板上に粘性媒体の1つ以上の液滴を形成し射出するために流体ジェットを利用する非接触分配プロセスとして解釈されるべきであることも留意されなければならない。
【0054】
「気体流量」なる用語は、空気、圧縮空気、任意の好適なタイプの気体、例えば窒素、または気体タイプの他の任意の媒体の流量として解釈されるべきである。
【0055】
「堆積物」なる用語は、1つ以上の噴射液滴の結果としてワーク上の1つの位置に適用される粘性媒体の連結量を意味し得る。
【0056】
いくつかの例示的実施形態について、はんだペーストは、約40体積%〜約60体積%のはんだボールを含むことができ、残りの体積ははんだフラックスである。
【0057】
いくつかの例示的実施形態において、平均的サイズのはんだボールの体積パーセントは、はんだペースト内部の固相の全体積の約5%〜約40%の範囲内にあり得る。いくつかの例示的実施形態において、はんだボールの第1の画分の平均直径は約2ミクロン〜約5ミクロンの範囲内にあり得、一方、はんだボールの第2の画分の平均直径は、約10〜約30ミクロンであり得る。
【0058】
「堆積物サイズ」なる用語は、堆積物がカバーすることになる基板などのワーク上の面積を意味する。液滴体積の増大は概して、結果として堆積物の高さならびに堆積物サイズの増大をもたらす。
【0059】
本出願の文脈において、「粘性媒体」なる用語は、はんだペースト、はんだフラックス、接着剤、導電性接着剤、または基板上にコンポーネントを締結するために使用される他の任意の種類の流体である媒体、導電性インク、抵抗ペーストなどとして理解されるべきであること、そして用語「噴射液滴」または「ショット」なる用語は、衝撃用装置の衝撃に応えて噴射ノズルを通って強制され基板に向かって移動する粘性媒体の一体積として理解されるべきであることに留意しなければならない。噴射液滴は同様に、衝撃用装置の衝撃によって噴射される液滴の一群をも含み得る。「堆積物」なる用語または「堆積媒体」の一体積が、1つ以上の噴射液滴の結果として基板上の1つの位置に適用される粘性媒体の連結された量を意味すること、そして「基板」なる用語は、プリント配線基板(PWD)、プリント回路板(PCB)、ボール・グリッド・アレイ(BGA)用の基板、チップ・スケール・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・パッケージ(QFP)、ウェーハ、フリップチップなどとして解釈されるべきであることにも留意しなければならない。
【0060】
「噴射」なる用語は、「流体濡れ」などの接触分配プロセスと比較して、噴射ノズルから基板上へ粘性媒体の液滴を形成および射出するために流体噴射を利用する非接触分配プロセスとして解釈されるべきであることも留意されなければならない。
【0061】
開示されている技術の一部の態様において、クレームによって定義された方法を行う装置はソフトウェア制御型エジェクタである。ソフトウェアは、どのように粘性媒体を特定の基板に適用するのかについての命令、または既定の噴射スケジュールまたは噴射プロセスにしたがってどのように適用するかについての命令を必要とする。これらの命令は「噴射プログラム」と呼ばれる。こうして、噴射プログラムは粘性媒体の液滴を基板上に噴射するプロセスを支援し、このプロセスは同様に、「噴射プロセス」または「印刷・プロセス」として言及される可能性がある。噴射プログラムは、噴射プロセスに先立ってオフラインで行われる前処理工程によって生成されてよい。
【0062】
こうして、噴射プログラムの生成には、独自のまたは既定の基板、または同一の基板の独自のまたは既定のセットに関する基板データを、生成プログラムにインポートするステップおよび、その基板データを基にして、基板上のどこに液滴が噴射されるべきかを定義するステップが関与する。換言すると、粘性媒体は、既定の噴射プログラムにしたがって基板上に噴射されるように配設される。
【0063】
一例として、基板に関するCADデータなどをインポートし処理するためにコンピュータプログラムが使用される。CADデータは、例えばコンタクトパッドの位置および伸展を表すデータ、ならびに基板上に組付けられる個々のコンポーネント各々の位置、名称およびリード線を表すデータを含み得る。このプログラムは、所要体積、横方向の伸展、および/または高さを有する堆積物が各コンポーネントに具備されるように、基板上のどこに液滴を噴射すべきかを決定するために使用可能である。これは、単一の液滴のサイズおよび体積、特定のコンポーネントのニーズを満たすためにどれだけの数の液滴で十分であるか、そして基板上のどこに各々の液滴が置かれるべきであるかについての知識を必要とするプロセスである。
【0064】
全コンポーネントについての全ての液滴の構成がプログラミングされた時点で、粘性媒体の液滴を基板上に噴射するために、例えば1つ以上のエジェクタを動作させる噴射用機械によって噴射ノズルがどのように移動させられるかを説明する噴射経路テンプレートを生成することができる。複数のエジェクタが同時にまたは連続して動作し得るということが理解される。噴射経路テンプレートは噴射用機械ひいてはエジェクタに相応して動作させるために使用される噴射プログラムに移送される。噴射プログラムは、同様に、所要の堆積物を伴う基板を提供する目的で、例えばノズル空間への粘性媒体の補給を制御するため、および衝撃用装置の衝撃を制御するための噴射パラメータをも含み得る。
【0065】
噴射プログラムを生成する前処理ステップには、作業員によって行われるいくつかの手作業ステップが関与し得る。これには、例えばCADデータをインポートするステップおよび、特定のコンポーネントについてパッド上のどこに液滴を位置付けるべきかを決定するステップが関与し得る。しかしながら、この前処理をコンピュータなどによって自動的に行うこともできるということが認識される。
【0066】
本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態において、基板上に粘性媒体の1つ以上の液滴を噴射するように構成されている噴射装置は、出口を含むノズルを含むことができ、ここでこのノズルは、出口を通って1つ以上の液滴を噴射するように構成されている。噴射装置はさらに、エネルギ出力装置を含み得る。エネルギ出力装置は、出口の長手方向軸を交差するようにエネルギ量子(離散的量のエネルギおよび/または規定量のエネルギとも呼ばれる)を誘導するように構成されていてよい。エネルギ出力装置は、出口を通して噴射された粘性媒体の体積の少なくとも一部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されていてよい。エネルギ出力装置は、ノズルからの液滴の分断を制御するために出口を通して噴射された粘性媒体の少なくとも一部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されていてよい。粘性媒体のこのような一部分は、本明細書において「局部粘性媒体」と呼ばれ得る。
【0067】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は、少なくとも局部粘性媒体中へのエネルギ量子の誘導に基づいたノズルからの粘性媒体の液滴の破断を制御するように構成されている。このような制御は、エネルギが局部粘性媒体に送出される1つ以上のさまざまなメカニズムおよび/または形態に基づいて提供され得る。このようなさまざまなメカニズムは、本明細書において集合的に「強制用メカニズム」と呼ばれる可能性がある。
【0068】
以下でさらに説明する通り、エネルギ出力装置がエネルギ量子を中に誘導する「局部粘性媒体」は、粘性媒体の一液滴と噴射装置の内部に位置する粘性媒体の残余部分とを連結するフィラメントを少なくとも部分的に構成する粘性媒体の一部分であり得る。ノズルからの液滴の破断を制御するために、エネルギ出力装置は、局部粘性媒体中にエネルギ量子を送出して、フィラメント上の特定の個所においてノズルからの液滴の破断が発生するように誘発することができる。
【0069】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は、特定の量のエネルギおよび/または特定のエネルギ送出速度を含むエネルギ量子を、特定の時点でかつ特定の経過時間周期にわたって送出するように制御され得る。エネルギ量、エネルギ送出速度、エネルギ送出開始時間および/またはエネルギ送出の経過時間周期のうちの1つ以上が制御され得る。このような制御の結果、ノズルから粘性媒体の液滴が破断する方法および/または時間が制御されることになる可能性がある。
【0070】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は、少なくとも1つの音響トランスジューサを含む。音響トランスジューサは、粘性媒体導管の一部分内に位置しかつ/またはこの導管の一部分を通って流れる粘性媒体の少なくとも一部分に音響波を移送する音響信号を発出するように構成されている。音響トランスジューサが発出された音響信号を介して音響波を移送するように構成されているこのような粘性媒体は、本明細書中では、音響トランスジューサとの関係において局部粘性媒体として言及され得る。
【0071】
音響トランスジューサは、音響トランスジューサによって発出される音響信号内に含まれるエネルギ量子を送出するように構成され得る。音響トランスジューサは、音響波を局部粘性媒体中に移送する音響信号を音響トランスジューサが発出したことに基づいて、粘性媒体の一部分(「局部粘性媒体」)内にエネルギ量子を送出するように構成され得る。音響信号は、少なくとも局部粘性媒体の1つ以上の部分の音響起動を誘発することができる。
【0072】
いくつかの例示的実施形態において、音響信号は、超音波信号(例えば20,000ヘルツ超の周波数を有する音響信号)であり、このため超音波信号を発出するように構成されている音響トランスジューサは「超音波トランスジューサ」として言及され得る。しかしながら、本明細書中に記載の音響トランスジューサは、超音波信号である音響信号を生成することに限定されないということが理解される。例えば、本明細書中に記載の音響トランスジューサは、20ヘルツと20,000ヘルツの間の周波数を有する音響信号を生成するように構成され得る。別の例においては、本明細書中に記載の音響トランスジューサは、20ヘルツ未満の周波数を有する音響信号(例えば超低周波信号)を生成するように構成され得、こうして、この音響トランスジューサは、超低周波トランスジューサとして言及される可能性がある。
【0073】
いくつかの例示的実施形態において、音響トランスジューサは、局部粘性媒体中に音響信号を発出することを通した、少なくとも液滴フィラメントを少なくとも部分的に構成する局部粘性媒体の音響起動に基づいて、ノズルからの粘性媒体の液滴の破断を制御することができる(ノズルからの液滴の分断の制御としても言及される)。音響信号は、少なくとも局部粘性媒体の音響起動を誘発し得る。
【0074】
局部粘性媒体の音響起動は、局部粘性媒体の少なくとも一部分のせん断減粘性を誘発し得る。例えば、粘性媒体が非ニュートン性流体を含めた分散媒中の1つ以上の粒子の懸濁液である場合、局部粘性媒体の音響起動には、分散媒のせん断減粘性を誘発するステップが含まれ得る。別の例において、粘性媒体が非ニュートン性流体を含めた均質流体である場合、局部粘性媒体の音響起動には、均質媒体のせん断減粘性を誘発するステップが含まれ得る。
【0075】
いくつかの例示的実施形態において、粘性媒体が分散媒中の粒子の懸濁液であるならばおよび/またはそのときには、局部粘性媒体の音響起動は、粒子の振動分離に基づく局部粘性媒体中の体積分率の局在化した枯渇を誘発する可能性がある。言い換えると、懸濁液を含む局部粘性媒体上の音響信号の導入は、懸濁液の粒子の秩序ある移動を誘発し、直近の部分(例えば局部粘性媒体の外部にある粘性媒体の別個の部分)に比べて体積分率が低い枯渇部域を体積内に形成する可能性がある。
【0076】
局部粘性媒体の音響起動は、少なくとも部分的にフィラメントを構成する局部粘性媒体のせん断減粘性に少なくとも部分的に基づいて、液滴をノズルに連結するフィラメントの破断を誘発し得る。液滴のサイズおよび/または形状は、音響トランスジューサにより発出される音響信号内に含まれるエネルギの量およびタイミング(例えばエネルギ送出の開始時間および/または周期)のうちの少なくとも1つの制御に基づいて制御され得る。その結果として、音響トランスジューサの制御に基づいて、ノズルからの液滴の破断をより正確かつ精密に制御することができる。
【0077】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は少なくとも1つのレーザエミッタを含む。レーザエミッタは、レーザエミッタが噴射装置のノズルの出口の長手方向軸と交差するレーザビームを発出および/または誘導するように構成されるような形で噴射装置の中および/または上の一つの位置に位置していてよい。このような位置は、噴射装置の外部表面上にあり得、こうしてレーザエミッタは、噴射装置の外部表面に固定されることになる。
【0078】
レーザエミッタは、噴射装置のノズルの出口から噴射された粘性媒体の少なくとも一部分に衝突するべくレーザビームを発出および/または誘導するように構成されていてよい。レーザビームが衝突する粘性媒体の部分は、同様に、レーザエミッタとの関係において局部粘性媒体として言及され得る。
【0079】
レーザエミッタは、レーザビームの発出および/または誘導に基づいて局部粘性媒体中にレーザビーム中に含まれているエネルギ量子を送出するように構成されていてよい。レーザビームは、光子圧力(光量子圧力、放射力、放射圧力などとしても言及されている)に基づいて、局部粘性媒体中に運動量を付与することができ、こうして、レーザビームは局部粘性媒体と粘性媒体の隣接する部分との間のせん断を誘発して粘性媒体の隣接部分を局部粘性媒体から分断させることができる。レーザビームは、レーザビームから局部粘性媒体中へのエネルギ移送に基づいて、局部粘性媒体を加熱しかつ/または少なくとも部分的に蒸発させ、こうして局部粘性媒体と粘性媒体の別の隣接部分との間の破断を誘発することができる。
【0080】
いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタは、レーザビームの発生および/または誘導に基づいてレーザビーム内に含まれているエネルギ量子を局部粘性媒体中に送出するように構成され得、ここでレーザビームは局部粘性媒体の局在化された加熱を誘発することができる。局部粘性媒体の局在化された加熱は、例えば粘度の低下を含めた局部粘性媒体の1つ以上の特性の変化を誘発し得る。局部粘性媒体の1つ以上の特性のこのような局所的変化は、局部粘性媒体における粘性媒体の液滴の局所的破断を誘発し得る。いくつかの例示的実施形態において、レーザビームは、局部粘性媒体の少なくとも部分的な蒸発を誘発することなく、局部粘性媒体の局所的加熱を誘発することができる。
【0081】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置がレーザエミッタである場合、レーザエミッタは、光子圧力を通した局部粘性媒体中への運動量の付与、局部粘性媒体の局所的加熱の誘発、および局部粘性媒体の少なくとも部分的な蒸発の誘発のうちの少なくとも1つに基づいて、ノズルからの粘性媒体の液滴の破断を制御することができる(ノズルからの液滴の分断の制御としても言及される)。
【0082】
光子圧力を通した局部粘性媒体中への運動量の付与、局部粘性媒体の局所的加熱の誘発および局部粘性媒体の少なくとも部分的な蒸発の誘発のうちの1つ以上が、液滴をノズルに連結するフィラメントの破断を誘発し得る。液滴のサイズおよび/または形状は、レーザエミッタが発出するレーザビーム内に含まれるエネルギの量およびタイミング(例えばエネルギ送出の開始時間および/または周期)のうちの少なくとも1つの制御に基づいて制御可能である。その結果として、レーザエミッタの制御に基づいて、ノズルからの液滴の破断をより正確かつ精密に制御することができる。
【0083】
いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタは、1つ以上の特定の波長範囲内にある波長を有するレーザビームを発出するように構成され得る。例えば、いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタは、近赤外線および遠赤外線のうちの少なくとも1つを含む赤外線レーザビームを発出するように構成されている赤外線レーザエミッタである。
【0084】
いくつかの例示的実施形態において、局部粘性媒体上で強制用メカニズム(例えば、音響起動、光子圧力、粘性媒体蒸発、それらのいくつかの組合せなど)を利用することにより、液滴フィラメント(本明細書中では単に「フィラメント」としても言及されている)を少なくとも部分的に構成する局部粘性媒体の1つ以上の特性を調整することができる。このような特性には、粘度を含めた1つ以上のレオロジ特性が含まれ得る。
【0085】
局部粘性媒体の1つ以上の特性のこのような調整は、ノズルからの液滴の集束された破断点の誘発を結果としてもたらし得る。例えば、局部粘性媒体は、液滴の噴射(例えば液滴の形成)中に形成される粘性媒体のフィラメントを少なくとも部分的に構成することができ、こうして、粘性媒体のフィラメントが液滴をノズルに連結するようになっている。こうして、局部粘性媒体は、液滴に比べて比較的小さく集束された量の粘性媒体であり得る。局部粘性媒体に対するエネルギ量子の送出に基づく局部粘性媒体の1つ以上の特性の調整は、ノズルから液滴を破断させるためにフィラメントにおける集束された破断点を誘発することができる。
【0086】
言い換えると、局部粘性媒体に対するエネルギ量子の送出は、この局部粘性媒体が液滴フィラメントを少なくとも部分的に構成する場合、フィラメントにおける詳細な空間的液滴破断の局所化を誘発する目的ために、フィラメントに対する局所的レオロジ調整に、局所的で時間的に同期化されたレオロジ的摂動を実装させることができる。
【0087】
いくつかの例示的実施形態において、粘性媒体の液滴のフィラメントにおいて空間的および時間的に明確に定義された破断点を誘発(「導入」)することによって、液滴の体積的変動に対する制御を改善すること、ならびにワーク上の液滴の位置付けの変動に対する制御(例えば噴射された液滴がワーク上で着地する具体的位置に対する制御)を改善することができる。その結果として、このような体積的変動および位置的変動を削減することができ、それによって液滴サイズの正確さおよび精密度および位置付け制御が改善される。
【0088】
さらに、明確に定義された破断点を誘発することにより、粘性媒体のサテライト液滴の数(数量)を削減することができ、こうしてワーク上の意図されていないサテライト堆積物の発生を削減することができる。本明細書中で言及されているように、サテライト液滴は、ノズルからのより大きな液滴の分断に基づいて形成され得る比較的小さい液滴を意味し得る。このようなサテライト液滴の形成は、フィラメントの非局所的分断の結果であり得る。このようなサテライト液滴は、ワーク上のさまざまな場所に着地することができ、かつ(例えばワークを横断する電気的短絡および/または橋絡の誘発を介して)ワークの性能の低下に寄与し得る。ワーク上のサテライト液滴の発生の削減は、ワークの性能および/または信頼性の改善を結果としてもたらすことができ、こうしてワーク上に噴射される液滴のフィラメント上の破断点に対する制御の改善に基づいて、サテライト液滴の存在の結果として被るエラーおよび/または損傷の可能性(例えば、サテライト堆積物を横断する電気的短絡)が削減されるため、ワークの耐用年数の改善がもたらされ得る。
【0089】
いくつかの例示的実施形態において、粘性媒体の液滴のフィラメント上で空間的および時間的に明確に定義された破断点を誘発(「導入」)することによって、噴射液滴の均一性を改善することができ、こうして、形成中の各々の個別の液滴について改善された制御された分離(「破断」)点を通して、液滴の特性(例えばサイズ、形状など)の意図されない変動を削減することができる。さらに、液滴破断に対する制御の改善は、粘性媒体フィラメント内に予測可能な破断点を許容することに基づき、位置付け精度の改善、すなわちワーク上の液滴の位置付けの精度の改善という結果をもたらし得る。このような位置付け精度および液滴均一性の改善によって、堆積物を形成するために液滴が噴射されるワークの性能および/または信頼性の改善が結果としてもたらされ、こうして、ワーク上に噴射される液滴のフィラメント上の破断点に対する制御の改善に基づいて堆積物特性の意図せぬ変動(例えば準最適液滴制御に起因して意図されたものよりも大きいものである堆積物を横断する電気的短絡)の結果としてこうむるエラーおよび/または損傷の可能性が削減されることから、ワークの耐用期間の改善がもたらされる。
【0090】
さらに、音響信号および/またはレーザビームを介した、液滴フィラメントを少なくとも部分的に構成する局部粘性媒体に対するエネルギ量子の送出に基づく液滴破断の制御は、毛管効果に対する感応性が比較的低い比較的高粘度の粘性媒体の噴射液滴に対する制御の改善を可能にし、これにより毛管効果に対する感応性の低い比較的高粘度の流体についての液滴フィラメントの破断の誘発という問題に対処することができる。毛管力の利用および/または活用を通して流体フィラメントの破断を導入するフィラメント破断制御の解決法とは異なり、本明細書中で説明されるような1つ以上のエネルギ出力装置を噴射装置が含んでいるいくつかの例示的実施形態によって可能にされる液滴の破断に対する制御は、毛管力が支配的でない比較的粘性のある媒体についての液滴フィラメントの破断に対する制御を可能にする。
【0091】
いくつかの例示的実施形態において、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、このようなエネルギ出力装置が不在である噴射装置に比べて、改善された均一性および位置付け精度およびワーク上に形成される堆積物に関する精密度を提供するように構成され得る。これは、このようなエネルギ出力装置が不在である噴射装置に比べて、特定の局部粘性媒体に対するフィラメント破断の制御された空間的および時間的局所化を可能にする少なくとも1つのエネルギ出力装置に少なくとも部分的に基づくものである。その結果として、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、このようなエネルギ出力装置が不在である噴射装置と比べて、均一性および/またはサイズおよび/または位置付けの精密度が改善された液滴を噴射するように構成され得る。
【0092】
さらに、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、比較的低粘度の流体の液滴を噴射するように構成された装置に比べて、比較的高粘度の流体(例えば粘性媒体)の液滴に関して改善された均一性および位置付け精度および精密度を提供するように構成され得る。液滴の破断を誘発するための毛管力の活用が制御に含まれ得る、比較的低粘度流体の液滴の噴射を制御するためにエネルギ出力装置を使用することのできる装置とは対照的に、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、非ニュートン性流体を含めた毛管力が支配的でない比較的高粘度の流体(例えば毛管力に対する感応性の低い流体)のための液滴破断制御を可能にするように構成され得る。したがって、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、比較的低い粘度を有する流体の液滴を噴射するように構成された装置に比べて、比較的高粘度の流体の比較的均一で適切に位置付けされた液滴を噴射するように構成され得る。
【0093】
さらに、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、インク液滴を光子圧力に応じてインク表面から飛散させるように構成された1つ以上のエネルギ出力装置を含み得る噴射装置に比べて、粘性媒体の液滴に関して改善された均一性および位置付け精度および精密度を提供するように構成され得る。上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、液滴フィラメントを少なくとも部分的に構成する局部粘性媒体中にエネルギ量子を誘導することによって、光子圧力に応じてインク液滴を移動させるためにエネルギ出力装置を使用する装置と比べて、フィラメント破断および/または液滴破断の空間的および時間的局所化の制御の改善を可能にすることができる。
【0094】
上述の利点の結果として、上述のエネルギ出力装置を1つ以上含む噴射装置は、ボードを形成するためのワーク上に堆積物を形成するように構成されていてよく、ここで、この堆積物は、1つ以上のエネルギ出力装置により可能にされるように各々の液滴についてのフィラメント破断の空間的および時間的局所化に対する改善された制御に基づいて、サイズ、形態および/または位置の意図せぬ変動が削減されている(例えば均一性の改善、再現性の改善、信頼性の改善など)。したがってボードは、他の場合ではボード上の堆積物の意図せぬ変動の結果としてもたらされ得るエラー(例えば堆積物を横断する短絡)の影響を受けにくくなっている可能性がある。したがって上述の通りのエネルギ出力装置を1つ以上含む噴射装置は、1つ以上の液滴ストリップの噴射を介してワーク上に形成された堆積物を介して生成されたボードの信頼性、性能の低下および/または耐用期間の短縮という問題を少なくとも部分的に軽減しかつ/または解決することができ、ここで信頼性の低下は、噴射動作中に噴射されたさまざまな液滴を横断する液滴の破断および/またはフィラメントの破断の空間的および/または時間的変動によってひき起こされた堆積物の位置、形態および/またはサイズの意図せぬ変動に基づくものである。
【0095】
いくつかの例示的実施形態において、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、このようなエネルギ出力装置が不在である噴射装置に比べて、ワーク上に形成されつつあるサテライト液滴の発生を削減するように構成され得る。これは、エネルギ出力装置が不在である噴射装置に比べて、少なくとも1つのエネルギ出力装置が、特定の局部粘性媒体に対するフィラメント破断の制御された空間的および時間的局所化を可能にすることに少なくとも部分的に基づくものである。その結果として、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、このようなエネルギ出力装置が不在である噴射装置に比べて、サテライト液滴の形成を削減および/または防止するように構成され得る。
【0096】
さらに、上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、インク液滴を光子圧力に応じてインク表面から飛散させるように構成された1つ以上のエネルギ出力装置を含み得る噴射装置に比べて、ワーク上でのサテライト液滴の形成の発生を削減するように構成され得る。上述の通りの少なくとも1つのエネルギ出力装置を含む噴射装置は、フィラメント破断および/または液滴破断の空間的および時間的局所化の改善された制御を可能にすることによって、光子圧力に応じてインク液滴を移動させるためにエネルギ出力装置を使用する装置と比べて、破断の結果としてのサテライト液滴の形成を少なくとも部分的に軽減および/または予防するように構成され得る。
【0097】
上述の利点の結果として、上述のエネルギ出力装置を1つ以上含む噴射装置は、ボードを形成するためのワーク上に堆積物を形成するように構成されていてよく、ここで、このボードは、少なくとも1つのエネルギ出力装置により可能にされた改善された液滴の破断制御に基づいて、削減されたおよび/または阻害された数量および/または濃度の意図せぬサテライト堆積物を含む。したがって、ボードは、他の場合ではボード上の意図せぬサテライト堆積物の結果としてもたらされ得るエラー(例えば堆積物を横断する短絡)の影響を受けにくくなっている可能性がある。したがって、上述の通りのエネルギ出力装置を1つ以上含む噴射装置は、基板上の堆積物を介して生成されたボードの信頼性の低下という問題を少なくとも部分的に軽減しかつ/または解決することができ、ここで信頼性の低下は、非局所的なフィラメント破断によって引き起こされるサテライト堆積物の発生および/または形成に基づくものである。
【0098】
本明細書中で言及されているように、「フィラメント破断」、「フィラメントの破断」など、および「液滴破断」、「液滴の破断」などは、互換的に使用可能である。
【0099】
図1は、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る噴射装置1を例示する斜視図である。
【0100】
噴射装置1は、1つ以上の堆積物を内部に有するボード2を生成(「確立」、「形成」、「提供」など)するために基板(例えばボード2)の上に粘性媒体の1つ以上の液滴を分配(「噴射」)するように構成され得る。噴射装置1により行なわれる上述の「分配」プロセスは、「噴射」として言及され得る。
【0101】
説明を容易にするため、以下では、粘性媒体は、以上で定義した代替物の1つであるはんだペーストとして言及され得る。同じ理由から、基板は本明細書において電気回路板として言及され得、気体は本明細書において、空気として言及され得る。
【0102】
図1に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、Xビーム3およびX−ワゴン4を含む。X−ワゴン4は、X−レール16を介してX−ビーム3に連結され得、X−レール16に沿って往復移動可能であり得る(例えば往復移動するように構成され得る)。X−ビーム3は、Y−レール17に対して往復移動可能な形で連結されてよく、こうしてX−ビーム3はX−レール16に直交して可動である(例えば移動されるように構成されている)。Y−レール17は、噴射装置1内に剛性的に組付けられ得る。概して、上述の可動要素は、噴射装置1内に含められ得る1つ以上のリニアモータ(図示せず)の動作に基づいて移動させられるように構成され得る。
【0103】
図1に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、噴射装置1を通ってボード2を搬送するように構成されたコンベヤ18、および噴射が行なわれるときにボード2を係止するための係止装置19を含む。
【0104】
ドッキング装置8をX−ワゴン4に連結して、このドッキング装置8におけるアセンブリ5の解除可能な組付けを可能にすることができる。アセンブリ5はボード2を衝撃し、その上に堆積物を形成するはんだペーストの液滴を分配する、すなわち噴射するために配設されてよい。噴射装置1は同様に、視察装置7も含んでいてよい。
図1に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、視察装置はカメラである。カメラ7は、ボード2の位置および/または回転を決定しかつ/またはボード2上の堆積物を検分することによって分配プロセスの結果を確認するために、噴射装置1の制御装置(
図1には図示せず)によって使用されてよい。
【0105】
図1に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、流量発生器6を含む。
図1に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、流量発生器6は、X−ワゴン4上に配設(「位置」、「位置付け」など)された真空エジェクタ(本明細書中では「真空ポンプ」としても言及されている)、および圧縮空気源(図示せず)である。流量発生器6ならびに圧縮空気源は、相補的な空気導管インタフェースに連結可能であり得る空気導管インタフェースを介して、ドッキング装置8と連通状態にあってよい。いくつかの例示的実施形態において、空気導管インタフェースは、
図2に示されているように、ドッキング装置8の入力ニップル9を含み得る。
【0106】
当業者であれば理解するように、噴射装置1は、噴射装置1を作動させるソフトウェアを実行するように構成された制御装置(
図1には明示的に示されていない)を含むことができる。このような制御装置は、命令プログラムを記憶するメモリおよび噴射動作を行なう目的で噴射装置1の1つ以上の部分を動作させかつ/または制御するための命令プログラムを実行するように構成されたプロセッサを含むことができる。
【0107】
いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は以下の通りに動作するように構成されていてよい。ボード2は、このボード2を上に置くことのできるコンベヤ18を介して噴射装置1内に補給され得る。ボード2がX−ワゴン4下の特定の位置に来たならばおよび/またはその時点で、係止用装置19を用いてこのボード2を固定することができる。カメラ7を用いて、基準マーカを位置特定することができ、このマーカはボード2の表面上に予め配設され、ボードの精確な位置を決定するために使用される。次に、特定のパターン(または代替的には既定のパターンまたは予めプログラミングされたパターンなど)にしたがってボード2上でX−ワゴンを移動させ、既定の場所で噴射アセンブリ5を動作させることによって、ボード2上で所望の場所においてはんだペーストが適用される。このような動作は、噴射装置1の1つ以上の部分を制御する制御装置(例えばカメラ7により捕捉された画像の処理を介して基準マーカを位置特定すること、特定のパターンにしたがってボード2全体にわたりX−ワゴンを移動させるようにモータを制御すること、噴射アセンブリ5を動作させることなど)によって少なくとも部分的に実装され得る。
【0108】
図2は、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係るドッキング装置8および噴射アセンブリ5を例示する概略図である。
図3は、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る噴射アセンブリ5を例示する概略図である。ドッキング装置8および噴射アセンブリ5は、
図1に例示されている噴射装置1を含む噴射装置1の1つ以上の例示的実施形態の中に内含され得る。
【0109】
図2〜3に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射アセンブリ5は、ドッキング装置8のアセンブリ支持体10に対して噴射アセンブリ5を連結するように構成されたアセンブリホルダ11を含む。さらに、いくつかの例示的実施形態において、噴射アセンブリ5は、はんだペーストの供給物を提供するように構成された供給物コンテナ12、およびアセンブリハウジング15を含むことができる。噴射アセンブリ5は、ドッキング装置8の出口41を含む相補的空気圧式インタフェースと機密係合状態で接合するために位置付けされた、入口42を含む空気圧式インタフェースを介して、流量発生器6および加圧空気源に連結されていてよい。
【0110】
図4は、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る噴射装置1の一部分の断面図である。
【0111】
ここで
図4を参照して、アセンブリハウジング内に取囲まれた装置の内容および機能についてさらに詳細に説明する。
図4に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、アセンブリハウジング15内でアクチュエータを支持するためのアクチュエータ止めねじ、およびアクチュエータ21を形成する(「少なくとも部分的に構成する」)ように共に積み重ねられた一定数(数量)の薄い圧電素子によって形成された(例えば「それを少なくとも部分的に構成する」)圧電アクチュエータ21(本明細書中では単に「アクチュエータ21」としても言及されている)を含むことができる。アクチュエータ21は、止めねじに対し剛性連結されていてよい。
【0112】
図4に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、アセンブリハウジング15に対して剛性連結されたブッシング25、およびアクチュエータ21の端部に対して剛性連結されたプランジャ23をさらに含み、止めねじの位置とは反対側にあってよい。プランジャ23は、ブッシング25内のボアを通って摺動可能な形で延在する一方で、軸方向に移動可能である。噴射装置1は、アセンブリハウジング15に対してプランジャ23との弾力的な平衡を保ちアクチュエータ21のための予備負荷を提供するように構成されたカップスプリングを含み得る。
【0113】
いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、制御装置700を含む。制御装置700は、はんだパターン印刷データにしたがって、圧電アクチュエータ21に対して間欠的に駆動電圧を印加し、これによりその間欠的な伸展ひいてはアセンブリハウジング15との関係におけるプランジャの往復移動運動をひき起こすように構成されていてよい。このようなデータは、制御装置内に含まれているメモリの中に記憶され得る。駆動電圧は、本明細書において、「アクチュエータ制御信号」を含めた「制御信号」を含むおよび/またはこの「制御信号」内に含まれるものとして、さらに説明され得る。
【0114】
図4に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、はんだペーストの1つ以上の液滴が上に噴射され得るボード2に対して作動的に誘導されるように構成された駆出ノズル26を含む。このノズル26は、それを通して液滴を噴射できる噴射用オリフィス(例えば出口27)を含み得る。出口27を取囲みボード2に対面するノズル26の表面(例えば
図4に例示されている例示的実施形態内で噴射用オリフィスを取囲んでいるノズル26の底部表面)は、本明細書において、噴射用出口として言及されることになる。プランジャ23は、ピストンのボアを通って摺動可能かつ軸方向に可動な形で伸展させられるように構成されたピストン部分を含み、プランジャ23の前記ピストン部分の端部表面は、前記ノズル26の近くに配設されている。前記プランジャ23の端部表面の形状、ブッシング25および出口27の内径によって、駆出チャンバ28が画定される。
【0115】
プランジャ23の端部表面の形状、ブッシング25の内径およびノズル26の上位表面によって画定される駆出チャンバ28の一部分は、本明細書中では内部キャビティ412として言及され得る。ノズルを通って延在する導管の内側表面によって画定される駆出チャンバ28の一部分は、本明細書中では、ノズルキャビティ414として言及され得る。いくつかの例示的実施形態において、ノズルキャビティ414は、円錐台形空間の形状に近い体積形状を有することができる。
図5A〜5Bに示されているように、ノズルキャビティ414は、少なくとも円錐台形空間と円筒形空間の組合せである体積形状を有し得る。しかしながら、ノズルキャビティ414の例示的実施形態が、
図5A〜5Bに示されているノズルキャビティ414の体積形状に限定されないということが理解される。
【0116】
圧電アクチュエータ21の間欠的伸展によってひき起こされ、プランジャ23が内部キャビティ412内に少なくとも部分的にまたは完全に収容されることが関与する、ノズル26に向かうプランジャ23の軸方向運動は、駆出チャンバ28の体積の急速な減少、ひいては、内部キャビティ412から外へそしてノズルキャビティ414を通って出口27までの、内部キャビティ412内に格納されたあらゆるはんだペーストの運動を含めた駆出チャンバ28内に格納されたあらゆるはんだペーストの急速な加圧および出口27を通した噴射をひき起こす。
【0117】
はんだペーストは、補給装置を介して、供給物コンテナ12(
図2参照)から駆出チャンバ28へと供給され得る。補給装置は、本明細書中では、粘性媒体供給部430として言及され得る。補給装置は、1つ以上の導管を通ってノズル26までの粘性媒体(例えば「はんだペースト」)の流量を誘発するように構成され得る。補給装置は、前記ピストンボアと導管31を介して連通している出口までアセンブリハウジング15を通って延在する管状ボア内に部分的に具備されたモータシャフトを有するモータ(図示されず、電気モータであり得る)を含むことができる。モータシャフトの一端部部分が、管状ボアの中に具備されこのボアと同軸である回転可能な送りねじを形成し得る。回転可能な送りねじの一部分は、管状ボア内でそれと同軸的に配設された弾力性あるエラストマ製のa−リングのアレイによって取り囲まれていてよく、回転可能な送りねじのねじ山はa−リングの最内側表面と滑り接触している。
【0118】
上述の加圧空気源(図示せず)から得られる加圧空気は、供給物コンテナ12内に格納されたはんだペーストに圧力を加え、これにより前記はんだペーストを粘性媒体供給部430と連通する入口ポート34に補給するように配設されている。
【0119】
噴射装置1の制御装置700によりモータに提供される電気制御信号が、モータシャフトひいては回転可能な送りねじを所望の角度だけ、または所望の回転速度で回転させることができる。このとき、回転可能な送りねじのねじ山とa−リングの内側表面との間に捕捉されたはんだペーストを、モータシャフトの回転運動にしたがって、入口ポート34から出口ポートおよび導管31を介してピストンボアまで移動させることができる。封止用a−リングが、ピストンボアおよびブッシング25の頂部に具備され得、こうして、ピストンボアに向かって補給されたいかなるはんだペーストもピストンボアから漏出せず、場合によってプランジャ23の動きを妨げることがないようになっている。
【0120】
このとき、導管31およびチャネル37を介して駆出チャンバ28内にはんだペーストを補給することができる。
図4および5A〜5Bに示されているように、チャネル37は、ブッシング25を通って駆出チャンバ28まで、駆出チャンバ28の側壁を通って延在し得る。
図4および5A〜5Bに示されているように、チャネル37は、導管31と流体連通状態にある第1の端部および、駆出チャンバ28の側壁(例えば
図4および5A〜5Bに示されている内部キャビティ412の側壁)を通って駆出チャンバ28と流体連通状態にある第2の端部を有する。
【0121】
少なくとも
図4に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、噴射方向に見た場合に、出口27の下方またはその下流側に位置する支持プレートを含む。支持プレートは、貫通孔を含み、噴射液滴は、支持プレートにより妨害されたり負の影響を受けたりすることなく、この貫通孔の中を通過することができる。その結果として、孔は出口27と同心的であり得る。
【0122】
以下でさらに説明するように、いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、ノズル26からの1つ以上の液滴の分断の改善された制御を提供するように構成されている。このような改善された制御には、改善された空間的および時間的なフィラメント破断の局所化を提供することに基づき、液滴をノズルに連結するフィラメントの破断の改善された制御を提供することが含まれ得る。その結果、噴射装置1は、この噴射装置により噴射される液滴の均一性の改善(および/または意図的でない変動の削減)、およびサテライト液滴形成の削減を提供するように構成され得る。したがって噴射装置は、均一性が改善されかつ変動および意図せぬサテライト液滴が削減された堆積物を上に有するワークを提供し、こうして性能および/または信頼性の改善と結び付けられたワークを提供するように構成され得る。
【0123】
図5Aは、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る
図4に例示されている噴射装置1の一部分の断面図である。
図5Bは、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る
図4に例示されている噴射装置1の一部分の断面図である。
【0124】
いくつかの例示的実施形態において、駆出チャンバ28のノズルキャビティ414および/または内部キャビティ412内に位置しかつ/またはこれらを通って流れる粘性媒体510の少なくとも一部を含む噴射装置1の駆出チャンバ28内に位置する粘性媒体510の一部分は、プランジャ23によってノズル26の出口27を通って強制され、少なくとも粘性媒体のフィラメント522によって、ノズル26の外部にありノズル26および/またはノズル26内の粘性媒体510の残余分に対し連結されている液滴524を形成し得る。
【0125】
いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、フィラメント522を含む粘性媒体の少なくとも一部分に対して少なくとも1つのエネルギ量子を送出し、ノズル26から液滴524を破断させるためフィラメント522の局所的でかつ空間的および時間的に明確に定義された破断点を誘発するように構成されているエネルギ出力装置を含む。
【0126】
まず
図5Aを参照すると、いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、局部粘性媒体516内に少なくともエネルギ量子を移送する信号590を発出するように構成されているエネルギ出力装置500を含む。
【0127】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は、音響トランスジューサ、圧電材料、ヒータ素子、それらのいくつかの組合せなどのうちの1つ以上の装置を含むことができる。
【0128】
例えば、
図5Aに例示されているエネルギ出力装置500は、音響信号を含む信号590を発出するように構成されている音響トランスジューサを含むことができる。音響トランスジューサは、局部粘性媒体中に音響波(本明細書中では互換的に「音響エネルギ」としても言及されている)を移送する音響信号の発出に基づいて、駆出チャンバ28内の局部粘性媒体516の中にエネルギ量子を移送するように構成されていてよい。
【0129】
別の例においては、
図5Aに例示されているエネルギ出力装置500は、駆出チャンバ28の少なくとも一部分の流量断面積を機械的に調整するように構成された圧電材料を含むことができる。このようなエネルギ出力装置500は、本明細書中では、圧電機械式アクチュエータおよび/または圧電アクチュエータとして互換的に言及され得る。本明細書中で言及されているように、圧電材料は、PZTとしても言及されるチタン酸ジルコン酸鉛を含む、圧電効果を示すように構成された材料を含み得る。
【0130】
圧電機械式アクチュエータを含むエネルギ出力装置500は、電圧源(例えば電源装置)に対して電気的に結合されてよく、電気信号の受信に基づいてノズル26の少なくとも一部分の流量断面積を機械的に調整するように構成され得る。
図5Aに示された例示的実施形態において、例えば、圧電材料(例えば圧電機械式アクチュエータ)を含むエネルギ出力装置500は、電気信号の受信に基づいて、ノズルキャビティ414の流量断面積を少なくとも部分的に収縮させることができる。このような機械的調整は、機械的信号である信号590を発出するエネルギ出力装置500として、言及され得る。
【0131】
いくつかの例示的実施形態において、圧電材料を含むエネルギ出力装置500は、少なくとも部分的にノズルキャビティ414の周囲に延在していてよく、こうしてエネルギ出力装置500は、エネルギ出力装置500による電気信号の受信に基づいて、ノズルキャビティ414の流量断面積の半径を均一にまたは実質的に均一に(例えば製造許容誤差および/または材料許容誤差内で均一に)収縮させるように構成され得るようになっている。
【0132】
いくつかの例示的実施形態において、圧電材料を含むエネルギ出力装置500は、電気信号「パルス」の受信に基づいて、ノズルキャビティ414の流量断面積を急速に収縮および拡張させるように構成され得る。結果として、エネルギ出力装置500は、ノズルキャビティ414の流動面積の機械的調整(例えば収縮および拡張)を誘発する「パルス」信号590を発出することができる。このようなパルス調整は、機械的パルス信号である、エネルギ出力装置500によって発出される信号590として言及され得る。このような機械的信号を局部粘性媒体516内に発出することは同様に、ノズルキャビティ414内の局部粘性媒体516の圧電機械式起動としても言及され得る。圧電機械式起動には、ノズルキャビティ414内での局部粘性媒体516の圧縮が含まれ得る。その結果いくつかの例示的実施形態において、圧電素子を含むエネルギ出力装置500は、パルス収縮を介して局部粘性媒体516内に機械的エネルギを移送するためのノズルキャビティ414の流動面積の機械的「パルス」収縮(本明細書中では機械的「パルス」圧縮としても言及されている)を含む信号590を発出することができる。エネルギ出力装置500による局部粘性媒体の圧電機械式起動には、エネルギ出力装置500による局部粘性媒体516の機械的圧縮に基づく局部粘性媒体516内への機械的エネルギの移送が含まれ得る。局部粘性媒体516の圧電機械式起動(例えば圧縮)は、例えば粘度を含む局部粘性媒体516の1つ以上の特性の変化を誘発する可能性がある。
【0133】
いくつかの例示的実施形態において、
図5A中に例示されているエネルギ出力装置500は、熱を生成するように構成されているヒータ素子を含むことができる。このようなエネルギ出力装置500は、エネルギ出力装置における電気信号の受信に基づいて熱を生成することのできる電気抵抗素子を含むことができる。ヒータ素子を含むエネルギ出力装置500は、熱を含む信号590(例えば熱信号)を発出するように構成されていてよい。このような熱信号は、熱エネルギを局部粘性媒体516内に移送して、それにより局部粘性媒体516の少なくとも局所的な加熱を誘発することができる。局部粘性媒体516の加熱は、例えば粘度の低下を含めた局部粘性媒体516の1つ以上の特性の変化を誘発し得る。いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、エネルギ出力装置500におけるパルス電気信号の受信に基づいて、パルス信号(例えば熱エネルギパルス)として熱エネルギを含む信号590を発出することができる。したがって、パルス信号590は、熱エネルギパルスを局部粘性媒体516内へ移送することができ、こうして局部粘性媒体516の少なくとも一時的な、かつ少なくとも部分的に局所的な加熱を誘発して、さらに局部粘性媒体516の1つ以上の特性(例えば粘度)の少なくとも一時的な、かつ少なくとも部分的に局所的な調整を誘発することができる。
【0134】
いくつかの例示的実施形態において、
図5A中のエネルギ出力装置500を含むエネルギ出力装置は、粘性媒体導管の内側表面(例えば駆出チャンバ28の内側表面511)から隔離され得る。しかしながらエネルギ出力装置は、噴射装置1との関係において任意の場所に位置していてよく、ここでエネルギ出力装置は、粘性媒体導管の少なくとも一部分内の粘性媒体510の少なくとも一部分の中にエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号(例えば音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)を発出するように構成されているということが理解される。
【0135】
例えば、噴射装置1は、エネルギ出力装置500が駆出チャンバ28内の粘性媒体510との直接的流体連通状態から隔離されるような形で、駆出チャンバの内側表面511との直接接触から隔離されているエネルギ出力装置500を含むことができる。いくつかの例示的実施形態において、このようなエネルギ出力装置500は、噴射装置1の少なくとも一部分(例えば噴射装置のアセンブリハウジング15の一部分)を通って伝搬して粘性媒体導管(例えば駆出チャンバ28)に到達し、発出された信号590中のエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を粘性媒体導管中に位置する粘性媒体510(例えば駆出チャンバ28内部の局部粘性媒体516)に移送する信号590(例えば、音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)を発出するように構成され得る。
【0136】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置は、噴射装置1の外側表面に位置し得る。例えば、
図5Aを参照すると、エネルギ出力装置500は、噴射装置1の外側表面上の1つの場所で、ノズル26の出口27に近接するおよび/またはこの出口に隣接するノズル26の外側表面(例えば外部表面592)(例えば駆出チャンバ28の外側表面、ノズルキャビティ414の外側表面など)の上に位置設定(例えば取付け、接着など)されてよく、こうしてエネルギ出力装置500は、粘性媒体導管内の粘性媒体510の少なくとも一部分(例えばノズルキャビティ414内の局部粘性媒体516)に対しエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号590(例えば音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)を発出するように構成されることになる。
【0137】
図5Aに示されているように、駆出チャンバ28の少なくとも内側表面511は、出口27の長手方向軸502に沿ってノズル26の出口27から噴射装置1の内部へと延在する導管を画定している。
図5Aにさらに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、導管の内側表面511に位置しており、こうしてエネルギ出力装置500は、粘性媒体510の少なくとも特定の部分と直接流体連通状態となるように構成されることになる。しかしながら、以上で指摘したように、いくつかの例示的実施形態においては、エネルギ出力装置500を粘性媒体510と直接流体連通した状態から隔離されていてよい、ということが理解される。粘性媒体の特定の部分は、本明細書において、エネルギ出力装置500との関係における局部粘性媒体516として言及され得る。
図5Aに示されているように、局部粘性媒体516は、フィラメント522の少なくとも一部分を構成する。
【0138】
図5Aに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、粘性媒体供給部430は、ノズル26を通り、かつ少なくとも部分的にノズル26の出口27を通って粘性媒体510の体積520を移動させるように制御されており、ここでこの体積520は、局部粘性媒体516である第1の部分と第2の部分518を含んでいる。第2の部分518は、出口27を通って移動させられる体積520の部分であり、第1の部分は、信号590(例えば音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)の発出に基づいてエネルギを移送するように構成されている移送先であるノズル26のノズルキャビティ414内に少なくとも部分的に位置しかつ/またはこのノズルキャビティ414を通って流れている局部粘性媒体516であり、こうして、局部粘性媒体516は、第2の部分518を噴射装置1内の粘性媒体510の残余分に連結し、さらに第2の部分518をノズル26に連結するようになっている。
【0139】
図5Aに示されているように、粘性媒体の体積520の第2の部分518は、粘性媒体の液滴524を少なくとも部分的に形成し、粘性媒体(例えば局部粘性媒体516)の体積520の第1の部分は、粘性媒体の液滴524をノズル26に連結するフィラメント522を少なくとも部分的に形成することができる。
【0140】
図5Aにさらに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、エネルギ出力装置500が局部粘性媒体516内にエネルギ量子を送出するような形で、少なくとも部分的にフィラメント522を構成する局部粘性媒体516の中に信号590(例えば音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)を発出するように制御され得る。上述した通り、局部粘性媒体516内へのエネルギ量子の送出は、局部粘性媒体516内にある空間的に局所化された点におけるフィラメント522の破断を誘発し、こうしてノズル26からの体積520の第2の部分518を少なくとも部分的に含む液滴524の精密で制御された破断を誘発することができる。さらに、エネルギ出力装置500は局部粘性媒体516内へのエネルギ量子の誘導に基づいてフィラメント522の破断を誘発し得ることから、こうして、エネルギ出力装置500は、空間的に局所化されている代りにまたはそれに加えて時間的にも局所化されているフィラメント522の破断を誘発することができる。
【0141】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、(例えば専ら、体積520の第2の部分518および噴射装置1内の粘性媒体510の残余分の)少なくとも体積520の第2の部分518および噴射装置1内の粘性媒体510の残余分との関係における局部粘性媒体516内に専ら信号590を発出するように構成されている。
【0142】
図5Aに示されているように、エネルギ出力装置500は、ノズルキャビティ414に対してエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号590を発出するように構成されていてよく、ここでこのノズルキャビティ414は、出口27から噴射装置1の内部へと延在する粘性媒体キャビティの少なくとも一部分を構成し、こうしてエネルギ出力装置500は、出口27の長手方向軸502と交差する信号590を発出するように構成される。エネルギ出力装置500は、ノズルキャビティ414内に位置しかつ/またはこのノズルキャビティ414を通って流れる少なくとも局部粘性媒体516に対してエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号590を発出するように構成されていてよく、こうしてエネルギ出力装置500は、少なくとも局部粘性媒体516の起動(例えば音響起動、圧電機械式起動、熱起動、それらのいくつかの組合せなど)を誘発する信号590を発出するように構成されることになる。
【0143】
以上でさらに説明され
図5Aに示されているように、エネルギ出力装置500は、局部粘性媒体516を少なくとも部分的に構成するフィラメント522の制御された破断点を誘発することができ、ここでこの破断点は、局部粘性媒体516における局所的で時間的に同期化されたレオロジ摂動をさらに誘発する局部粘性媒体516の起動の誘発に基づいて、局部粘性媒体516にあるように制御されている。例えば、エネルギ出力装置500により発出される信号590(例えば音響信号、機械的信号、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)は、局部粘性媒体516の少なくとも一部分のせん断減粘性を誘発し得る。エネルギ出力装置500は、局部粘性媒体516の粘度を低減させて、フィラメント522を局部粘性媒体516において分断する信号590を発出することができる。上述の強制用メカニズムの1つ以上は、局部粘性媒体516におけるフィラメント522の破断、ひいては液滴524の破断をさらに誘発し得る局部粘性媒体516におけるフィラメント522の局部希釈(例えば「ウエスト」)を誘発することができる。
【0144】
局部粘性媒体516におけるフィラメント522の制御された破断点の誘発に基づいて、エネルギ出力装置500は、ノズル26からのフィラメント522の破断点ひいては液滴524の破断点を誘発することができ、ここで液滴524は、粘性媒体の体積520の少なくとも第2の部分518を含む。
【0145】
いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、噴射装置1の1つ以上のさまざまな場所に位置してよく、こうしてエネルギ出力装置500は、長手方向軸502と交差する信号590を発出するように構成されかつ/または粘性媒体の体積520の少なくとも一部分に対してエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号590を発出するように構成されることになる。例えば、いくつかの例示的実施形態において、エネルギ出力装置500は、ノズル26の外部表面592上に位置されていてよく、こうしてエネルギ出力装置500は、ノズル26の出口27を通って移動させられる粘性媒体510の少なくとも一部分に対してエネルギ(例えば音響波、機械的エネルギ、熱エネルギ、それらのいくつかの組合せなど)を移送する信号590(例えば音響波、機械的エネルギ、熱信号、それらのいくつかの組合せなど)を発出するように構成されることになる。したがってエネルギ出力装置500は、ノズル26からの粘性媒体の液滴524の破断を制御するべくこのような粘性媒体の少なくとも一部分の中に信号590を発出するように構成され得る。
【0146】
次に
図5Bを参照すると、いくつかの例示的実施形態において、噴射装置1は、レーザエミッタ550であるエネルギ出力装置を含むことができる。
図5Bに示されているように、レーザエミッタ550は、ノズル26の外部表面592に位置していてよく、こうしてレーザエミッタ550は、噴射装置1を通って移動させられる粘性媒体510の体積520の特定の部分に衝突するべくレーザビーム552を誘導するように構成されることになる。
図5Bに示されている粘性媒体の特定の部分は、本明細書において、レーザエミッタ550との関係における局部粘性媒体566として言及され得る。
【0147】
図5Bに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、粘性媒体供給部430は、ノズル26を通りかつ少なくとも部分的にノズル26の出口27を通って粘性媒体510の体積520を移動させるように制御され、ここでこの体積520は第1の部分と第2の部分568を含む。第2の部分568は、出口27を通って移動させられる体積520の一部分であり、第1の部分は、ノズル26の内部であり続ける部分517を含みかつノズル26の外部でありノズル26に近接している局部粘性媒体566として
図5Bに示されている別の領域をさらに含む体積520の一部分であり、こうして粘性媒体のもう一方の部分(例えば局部粘性媒体566)はノズル26の内部にある粘性媒体の部分517に粘性媒体の体積520の第2の部分568を連結するようになっている。したがって、粘性媒体の体積のもう一方の部分(例えば局部粘性媒体566)は、ノズル26に対し粘性媒体の体積520の第2の部分568を連結する。
図5Bに示されているように、粘性媒体の体積520の第2の部分568は、ノズル26を通りかつ少なくとも部分的に出口27を通った粘性媒体の体積520の移動に基づいて形成される粘性媒体510の液滴524を少なくとも部分的に構成することができる。
【0148】
図5Bに示されているように、レーザエミッタ550は、出口27の長手方向軸502と交差するレーザビーム552を発出するように構成されており、こうしてレーザビーム552は、フィラメント522の特定の部分に衝突することになる。したがって、粘性媒体の特定の部分は本明細書中では、レーザエミッタ550との関係における局部粘性媒体566として言及され得る。
【0149】
いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタ550は、体積520の少なくとも第2の部分568、(例えば専ら、体積520の第2の部分568、粘性媒体の部分517および噴射装置1の粘性媒体510の残余分の)粘性媒体の部分517および噴射装置1内の粘性媒体510の残余分との関係における局部粘性媒体566内に専らレーザビーム552を誘導するように構成される。
【0150】
図5Bに示されているように、粘性媒体の体積520の第2の部分568は粘性媒体の液滴524を少なくとも部分的に形成することができ、局部粘性媒体566を含めた粘性媒体の体積520の第1の部分は、液滴524をノズル26に連結するフィラメント522を少なくとも部分的に形成することができる。
【0151】
図5Bにさらに示されている通り、いくつかの例示的実施形態において、フィラメント522は、少なくとも部分的に局部粘性媒体566によって構成され、したがってレーザエミッタ550は、フィラメント522の特定の制限された部分に衝突するレーザビーム552を発出するように構成されることになる。レーザエミッタ550は、フィラメント522を少なくとも部分的に構成する局部粘性媒体566の中にレーザビーム552を発出するように制御され得、こうしてレーザエミッタ550は、局部粘性媒体566の中にエネルギ量子を送出することになる。上述の通り、局部粘性媒体566の中へのエネルギ量子の送出は、局部粘性媒体566においてフィラメント522の空間的および時間的に局所化された破断を誘発し、これにより、ノズル26からの液滴524の精確で制御された破断を誘発することができる。
【0152】
以上でさらに説明された通り、レーザエミッタ550は、局部粘性媒体566を少なくとも部分的に構成するフィラメント522の制御された破断点を誘発することができ、ここでこの破断点は、(局部粘性媒体566と第2の部分568および部分517の間にせん断を誘発して局部粘性媒体566を部分517および第2の部分568のうちの少なくとも1つから分断させるために)レーザビーム552によって送出された光子圧力を通して局部粘性媒体566内に運動量を付与すること、(誘発された加熱によってひき起こされる粘度の変化などの局部粘性媒体566の特性の変化に基づいて部分517および第2の部分568のうちの少なくとも1つから局部粘性媒体566を分断させるために)局部粘性媒体の少なくとも部分的な蒸発を誘発することなくレーザビーム552により局部粘性媒体566を加熱すること(例えば局部粘性媒体566の局所的加熱を誘発すること)、および(局部粘性媒体566を部分517および第2の部分568のうちの少なくとも1つから分断させるために)局部粘性媒体566の少なくとも部分的な蒸発を誘発するべくレーザビーム552により局部粘性媒体566を加熱すること、のうちの少なくとも1つに基づいて、局部粘性媒体566に来るように制御される。上述の強制用メカニズムの1つ以上は、局部粘性媒体566におけるフィラメント522の破断、ひいては液滴524の破断をさらに誘発し得る局部粘性媒体566におけるフィラメント522の局部希釈(例えば「ウエスト」)を誘発することができる。
【0153】
局部粘性媒体566におけるフィラメント522の制御された破断点の誘発に基づいて、レーザエミッタ550は、空間的および時間的に局所化されたフィラメント522の破断ひいてはノズル26からの液滴524の破断を誘発することができ、ここで液滴524は粘性媒体の体積520の少なくとも第2の部分568を含む。
【0154】
いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタ550は、噴射装置1において1つ以上のさまざまな場所に位置していてよく、こうしてレーザエミッタ550は長手方向軸502と交差する音響信号を発出するように構成されかつ/または粘性媒体510の少なくとも局部粘性媒体に衝突するべくレーザビーム552を誘導するように構成されることになる。例えば、いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタ550は、
図5Aに関連して以上で説明したように、ノズル26のノズルキャビティ414の内側表面511に位置していてよく、こうしてレーザエミッタ550は、ノズル26の出口27を通って移動させられる粘性媒体510の少なくとも一部分と直接流体連通状態にあるように構成されることになる。したがって、レーザエミッタ550は、ノズル26からの粘性媒体の液滴524の破断を制御するべく、このような粘性媒体の少なくとも一部分の中に直接レーザビーム552を発出するように構成され得る。
図5Bに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、レーザエミッタ550は、粘性媒体510との直接流体連通状態から隔離されてよく、粘性媒体の少なくとも一部分に向かってレーザビーム552を発出するように構成されている。
【0155】
図6は、噴射装置1の少なくともいくつかの要素に本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る少なくとも1つの動作を行なわせるために、噴射装置1の少なくともいくつかの要素に対して経時的に伝送される制御信号を示すタイミング図である。
【0156】
図6に示されているように、エネルギ出力装置は、噴射動作中の少なくとも1つの特定の制限された時間周期にわたりノズル26からの液滴の分断を制御する目的で、ノズル26の出口27を通って噴射された粘性媒体(例えば局部粘性媒体)の少なくとも一部分の中にエネルギ量子(例えば音響信号、レーザビームなど)を誘導するように制御され得る。さらに示されているように、エネルギ出力装置は、噴射装置1の1つ以上の他の要素に関して生成および/または伝送された1つ以上の制御信号に基づいて制御され得る。
【0157】
図6は、噴射動作中に噴射装置1の1つ以上の制御装置によって生成および/または伝送され得るさまざまな制御信号の大きさおよび/またはタイミングを示すタイミング図を例示する。
図6に例示されているタイミング図はさらに、噴射動作中の異なる時点における、そしてアクチュエータ21および/またはエネルギ出力装置に関して生成および/または伝送される制御信号との関係における噴射装置内の粘性媒体の少なくとも一部分のレオロジ特性の大きさをさらに示しており、ここでこの部分は、エネルギ出力装置との関係における局部粘性媒体を含んでいる。
【0158】
図示されているように、
図6のタイミング図は、噴射装置内のアクチュエータ21に伝送される制御信号610(「アクチュエータ制御信号」)、(それぞれ
図5A〜5Bで例示されているエネルギ出力装置500およびレーザエミッタ550のうちの1つ以上を含み得る)エネルギ出力装置に伝送された制御信号620(「エネルギ出力装置制御信号」)、および制御信号620が伝送され得るエネルギ出力装置との関係における少なくとも局部粘性媒体のレオロジ特性630を例示している。制御信号620は、単一の個別エネルギ出力装置について生成および/または伝送される制御信号として例示されているが、噴射動作中噴射装置内の別個のそれぞれのエネルギ出力装置について別個にかつ/または独立して多数の制御信号が生成および/または伝送され得るということが理解される。
【0159】
なおも
図6を参照すると、ライン630は、エネルギ出力装置との関係における少なくとも1つの局部粘性媒体の少なくとも1つのレオロジ特性の値を表わしている。例えば、ライン630は、局部粘性媒体の粘度の大きさを表わし得る。したがって、
図6に示されているように、
図6に示されている粘度を含めた局部粘性媒体の少なくとも1つのレオロジ特性を、噴射装置1のエネルギ出力装置に対する制御信号620の生成および/または伝送に基づいて調整することが可能である。
【0160】
図6に示されているように、いくつかの例示的実施形態において、噴射動作は、多数の信号「パルス」612、614の形で制御信号610を生成および/または伝送するステップを含み得る。制御信号610は、電圧信号であり得、このため各パルス612、614は、アクチュエータ21と通信状態にある通信ネットワーク上および/または伝送ライン上の電圧の大きさの変化である。各々の個別の制御信号610のパルス612、614は、ノズル26から個別の液滴を噴射装置1のアクチュエータ21に噴射させることができる。本明細書中において、個別の液滴の個別の噴射は、「ショット」として言及され得る。
【0161】
図6にさらに示されているように、パルス612、614は、特定の時点において開始し、初期の大きさ611から特定の大きさ値613へと急速に増大し、一定の時間周期にわたり信号610の大きさ613を維持し、その後初期の大きさ611まで減少させ得る。このような時変信号610の大きさ挙動は、特定の時間周期についての信号610の大きさの開始および維持に対応しており、ここで、信号610は、個別の液滴の噴射をアクチュエータ21に行なわせることと結び付けられる特定の(または代替的には既定の)大きさ613まで増大し、アクチュエータ21に個別の液滴の噴射を行なわせることと結び付けられる時間周期についてこの大きさ613に保持される。特定の時間周期の満了時点で、パルス612、614は、中断され得、信号610の大きさは、一定の時間周期にわたり初期の大きさ611まで降下し得る。
【0162】
各パルス612、614は、生成および/または伝送された時点で、アクチュエータ21に噴射装置のノズル26を通して粘性媒体の一体積を移動させるように動作させることができ、こうして、粘性媒体の個別の液滴がノズル26から噴射されることになる。したがって、
図6に例示されている例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、制御信号610の各パルス612、614は、粘性媒体の個別の液滴の噴射を表わし得る。
【0163】
さらに
図6を参照すると、制御信号620は、噴射動作中に噴射装置のエネルギ出力装置に対し生成および/または伝送される信号(例えば電圧信号)の大きさである。
図6にさらに示されているように、制御信号620の1つ以上のパルス622、624が、噴射動作中にエネルギ出力装置に対して生成および/または伝送され得る。各々の個別のパルス622、624は、エネルギ出力装置に、ノズル26の出口27の長手方向軸と交差するように特定のエネルギ量子を誘導させかつ/またはエネルギ出力装置との関係における少なくとも1つの局部粘性媒体と衝突させることができる。エネルギ量子内に含まれるエネルギの量は、信号パルス622、624の大きさ623および/またはパルス622が維持される時間周期に基づいて、設定されかつ/または制御され得る。
【0164】
なおも
図6を参照すると、ライン630の大きさの変動は、エネルギ出力装置により局部粘性媒体に対して誘導されるエネルギ量子に基づいた局部粘性媒体の少なくとも1つの特性の変動を例示している。
図6に示されているように、信号パルス622の生成および/または伝送は、エネルギ出力装置に、エネルギ量子を局部粘性媒体に対して誘導させ、これにより、局部粘性媒体の1つ以上の特性630が調整される。
【0165】
例えば、エネルギ出力装置が、局部粘性媒体に音響波を移送する音響信号を発出する音響トランスジューサである場合、信号パルス622は、音響トランスジューサに、局部粘性媒体中に音響信号を誘導させ、これによってさらに、ライン630により示される通り局部粘性媒体の粘度が低減される可能性がある。
【0166】
図6に示されているように、信号パルス622が中断された場合、ライン360により表わされている局部粘性媒体の1つ以上の特性は、調整された状態と結び付けられた新しい値633から、初期状態に結び付けられた初期値631まで戻る可能性がある。
【0167】
なおも
図6を参照すると、時点t
0000において噴射動作を開始することができ、この動作には、時点t
010において制御信号610パルス612を開始するステップと、経過した特定の時間周期t
1,shotにわたりこのパルスを維持するステップとが含まれ得る。噴射動作はさらに、その後時点t
050において別のパルス614を開始するステップと、時間周期t
2,shotにわたりこの信号パルス614を維持するステップとを含み得る。パルス612、614の特定の信号の大きさ613は、同じであっても異なっていてもよい。t
1,shotおよびt
2,shotの大きさは、同じ経過時間であっても異なる経過時間であってもよい。
【0168】
さらに
図6に示されているように、各信号パルス612、614は、パルスの開始時間から出発して、初期の大きさ611からパルスの特定の大きさ613までの信号610の大きさの急速な増加を含み、このパルスの大きさ613は、信号パルスの開始時間からの特定の経過時間周期まで維持され、この時点の後、信号パルスの大きさは、初期信号610の大きさ611まで低減する。例えば、信号パルス612は、時点t
010において開始され、信号610の大きさは、時点t
010から時点t
020まで、パルス612と結び付けられた特定の信号の大きさ613(例えば特定の電圧)に至るまで急速に増大する。信号610は、パルス612が開始された時点t
010から特定の時間周期t
1,shotが経過した時点t
030まで、特定の大きさ613に維持され得る。時点t
030において、パルス612は中断され得、こうして、信号610の大きさは、時点t
030から出発して、特定の信号の大きさ613から時点t
040において初期の大きさ611に戻るまで降下することになる。その後、時点t
050でパルス614が開始され得、こうして信号610の大きさは、時点t060におけるパルス614と結び付けられた特定の信号の大きさ613まで増大することになる。パルス614は、時点t
070においてパルス614と結び付けられた特定の時間周期t
2,shotが経過するまで維持され得(例えば信号610は特定の大きさ613に維持される)、信号610の大きさは、時点t
070からt
080の初期の大きさ611まで、大きさが降下する。
【0169】
いくつかの例示的実施形態において、以上で指摘した通り、各パルス612、614は、それぞれに、アクチュエータ21に特定の量の粘性媒体をノズルを通って移動させて特定のサイズをもつ液滴を形成させる特定の大きさ613および時間周期t
1,shotおよびt
2,shotを有することができる。
【0170】
なおも
図6を参照すると、アクチュエータ21に個別の液滴を噴射させるための制御信号パルスの開始から特定の時間の経過後に局部粘性媒体に対しエネルギ量子を誘導するために、エネルギ出力装置(例えば音響トランスジューサおよび/またはレーザエミッタ)を起動させる(例えば活動化させる、制御するなど)ことができる。言い換えると、ノズル26を通して粘性媒体の一体積を移動させかつ/またはノズル26から個別の液滴を噴射するためのアクチュエータの制御に基づいてエネルギ量子を誘導するように、エネルギ出力装置を制御することができる。
【0171】
図6に示されているように、アクチュエータ21を制御するための信号610の対応するパルス612、614に基づいて、エネルギ出力装置を制御するための信号620の別個のパルス622、624が生成されかつ/または伝送される。さらに示されているように、各々の別個のパルス622、624は、信号620の初期の大きさ621を超える特定の信号の大きさ623(例えば電圧の大きさ)を有し、対応するアクチュエータの制御信号パルス612、614の開始後に特定の時間が経過した時点で開始され、特定の経過時間周期にわたり維持される。信号620のパルスの大きさ623、信号620のそれぞれのパルスが開始される対応する制御信号610のパルスの開始後の時間周期、および信号パルス620が維持される時間周期のうちの1つ以上が、パルス612、614によって起動されているエネルギ出力装置によって引き起こされ得る液滴フィラメントの破断を制御するために制御され得る。
【0172】
図6において、対応するアクチュエータ制御信号パルス612が時点t
010において開始された時から特定の時間t
1,drop後にパルス622が開始される。したがって、パルス622は、時点t
022において開始され、時点t
024で終了する。パルス622はさらに、パルス622と結び付けられた信号の大きさ623で、特定の経過時間周期t
1,energyの間維持される。
図6において、パルス622は、方形波信号であるが、パルス622は、対応する信号パルス612に関して示されているように、時変信号であり得る。
【0173】
図6に示されているように、パルス622は、時点t
022から時点t
024まで、エネルギ出力装置に局部粘性媒体に対しエネルギ量子を送出させる。その結果として、ライン630により表わされている通り、局部粘性媒体の特性は、時点t
022において新規の値633へと変化し始め、時点t
024において初期値631に戻り始める。
図6に示されている通り、局部粘性媒体の特性の変化は非瞬間的であり得る。いくつかの例示的実施形態において、信号パルス622に基づくライン630によって表わされる通りの局部粘性媒体の特性の変化は、瞬間的であるかまたは実質的に瞬間的(例えば製造許容誤差および/または材料許容誤差内で瞬間的)であり得る。
【0174】
時点t
022から時点t
024までの局部粘性媒体特性(例えば温度、粘度、運動量など)の変化は、少なくとも部分的に局部粘性媒体で構成されている液滴フィラメントの破断を誘発し得る。その結果、信号パルス622は、ノズル26からの信号パルス612により形成された液滴の制御された破断をひき起こす。パルス622の大きさに付加的にまたはその代替として、タイミングt
1,dropおよび/またはt
1,energyは、フィラメントの破断点を空間的および時間的に制御し、ひいてはノズルからの液滴の破断を制御するように制御され得る。
【0175】
なおも
図6を参照すると、時点t
050において対応するアクチュエータ制御信号パルス614が開始された時から特定の時間t
2,drop後に、パルス624が開始される。したがって、パルス624は、時点t
062において開始され、時点t
064で終了する。パルス624はさらに、特定の経過時間周期t
2,energyの間、パルス624と結び付けられた信号の大きさ623で維持される。
図6において、パルス624は方形波信号であるが、パルス624は、対応する信号パルス614に関して示されているように、時変信号であり得る。
【0176】
図6に示されているように、パルス624は、時点t
062から時点t
064まで、エネルギ出力装置に局部粘性媒体に対しエネルギ量子を送出させる。その結果として、ライン630により表わされている通り、局部粘性媒体の特性は、時点t
062において新規の値633へと変化し始め、時点t
064において初期値631に戻り始める。
図6に示されている通り、局部粘性媒体の特性の変化は非瞬間的であり得る。いくつかの例示的実施形態において、信号パルス624に基づくライン630によって表わされる通りの局部粘性媒体の特性の変化は、瞬間的であるかまたは実質的に瞬間的(例えば製造許容誤差および/または材料許容誤差内で瞬間的)であり得る。
【0177】
時点t
062から時点t
064までの局部粘性媒体特性(例えば温度、粘度、運動量など)の変化は、少なくとも部分的に局部粘性媒体で構成されている液滴フィラメントの破断を誘発し得る。その結果、信号パルス624は、ノズル26からの信号パルス614により形成された液滴の制御された破断をひき起こす。パルス624の大きさに付加的にまたはその代替として、タイミングt
2,dropおよび/またはt
2,energyは、フィラメントの破断点を制御し、ひいてはノズルからの液滴の破断を制御するように制御され得る。
【0178】
フィラメントの破断点の制御に基づいて、ひいてはノズル26からの液滴の破断の制御に基づいて、パルス622および624に関して
図6で示されている通り、液滴のサイズおよび/または形状を含めた液滴の1つ以上の特性を制御することができる。さらに、液滴の破断の結果としてのサテライト液滴の生成(「形成」)は、パルス622、624に基づく特定の制御された空間的および時間的破断点でのフィラメント破断の発生の誘発に基づく液滴破断の誘発に基づいて削減され得る。結果として、液滴に基づきワーク(例えば回路板)上に形成された堆積物における均一性の改善および意図せぬ変動の削減を結果としてもたらし得る液滴特性の制御に加えて、サテライト液滴の形成に由来するサテライト堆積物の発生を削減することが可能となる。このような改善の結果、ワークの性能および信頼性は改善(例えば、サテライト堆積物および/または意図せぬサイズを有する堆積物が関与する電気的短絡の確率の低減)されることになる。
【0179】
図7は、本明細書中で開示されている技術のいくつかの例示的実施形態に係る制御装置700を含む噴射装置1を例示する概略図である。
図7に示されている噴射装置1は、
図1〜3、
図4、および
図5A〜5B中に例示されている噴射装置1のいずれか1つを含む、本明細書中で例示され説明されている例示的実施形態のいずれかに係る噴射装置1であってよい。
【0180】
図7を参照すると、制御装置700は、メモリ720、プロセッサ730、通信インタフェース750および制御インタフェース760を含む。
【0181】
図7に示された例示的実施形態を含めたいくつかの例示的実施形態において、制御装置700は、噴射装置1内に含められていてよい。いくつかの例示的実施形態において、制御装置700は1つ以上の計算装置を含むことができる。計算装置には、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブック、それらのいくつかの組合せなどが含まれ得る。
【0182】
メモリ720、プロセッサ730、通信インタフェース750および制御インタフェース760は、バス710を通して相互に通信することができる。
【0183】
通信インタフェース750は、さまざまなネットワーク通信プロトコルを用いて外部装置からデータを通信することができる。例えば通信インタフェース750は、制御装置700のセンサ(図示せず)により生成されたセンサデータを外部装置に通信することができる。外部装置は、例えば画像提供サーバ、表示装置、モバイル機器、例えば携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータおよびラップトップコンピュータ、計算装置、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPCおよびネットブック、画像出力装置、例えばTVおよびスマートTV、そして画像捕捉装置、例えばカメラおよびカムコーダ、を含み得る。
【0184】
プロセッサ730は、命令プログラムを実行し制御装置700を制御することができる。プロセッサ730は、1つ以上の制御インタフェース760を介して噴射装置1の1つ以上の要素に制御信号を生成および/または伝送することを介して、噴射装置1の1つ以上の部分を制御するために命令プログラムを実行することができる。プロセッサ730により実行されるべき命令プログラムを、メモリ720内に記憶することが可能である。
【0185】
メモリ720は情報を記憶することができる。メモリ720は、揮発性または不揮発性メモリであってよい。メモリ720は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。メモリは、少なくとも1つのプロセッサ730により実行された時点で、少なくともプロセッサ730に、本明細書中に記載の1つ以上の方法、機能、プロセスなどを実行させるコンピュータ可読命令を記憶することができる。いくつかの例示的実施形態において、プロセッサ730は、メモリ720内に記憶されたコンピュータ可読命令の1つ以上を実行することができる。
【0186】
いくつかの例示的実施形態において、制御装置700は、噴射装置1の要素の1つ以上に対し制御信号を伝送して、噴射動作を実行および/または制御することができ、これにより1つ以上の液滴が基板に噴射され1つ以上の音響トランスジューサが1つ以上の音響信号を発出するべく制御されることになる。例えば制御装置700は、1つ以上の命令プログラムにしたがって、1つ以上のアクチュエータ、流量発生器、音響トランスジューサ、それらのいくつかの組合せなどに対して1つ以上の制御信号セットを伝送することができる。このような命令プログラムが制御装置700によって実装された時点で、結果として制御装置700は、噴射装置1の1つ以上の要素に対して制御信号を生成および/または伝送して、噴射装置1に1つ以上の噴射動作を行なわせることができる。
【0187】
いくつかの例示的実施形態において、制御装置700は、
図6に例示されているタイミング図を含めた、本明細書中に例示され説明されているタイミング図のいずれかにしたがって1つ以上の制御信号セットを生成および/または伝送することができる。いくつかの例示的実施形態において、プロセッサ730は、メモリ720内に記憶された1つ以上の命令プログラムを実行して、プロセッサ730に、
図6に例示されているタイミング図を含めた本明細書中に例示され説明されているタイミング図のいずれかにしたがって、1つ以上の制御信号セットを生成および/または伝送させることができる。
【0188】
いくつかの例示的実施形態において、通信インタフェース750は、表示パネル、タッチスクリーンインタフェース、触覚(例えば「ボタン」、「キーパッド」、「キーボード」、「マウス」、「カーソル」など)インタフェース、それらのいくつかの組合せなど1つ以上を含めたユーザインタフェースを含むことができる。情報は、通信インタフェース750を介して制御装置700に提供され、メモリ720内に記憶され得る。このような情報には、ボード2と結び付けられた情報、ボード2に噴射されるべき粘性媒体に結び付けられた情報、粘性媒体の1つ以上の液滴と結び付けられた情報、それらのいくつかの組合せなどが含まれ得る。例えば、このような情報には、粘性媒体と結び付けられた1つ以上の特性、ボード2に噴射すべき1つ以上の液滴と結び付けられた1つ以上の特性(例えばサイズ)、それらのいくつかの組合せなどを標示する情報が含まれ得る。
【0189】
いくつかの例示的実施形態において、通信インタフェース750は、USBおよび/またはHDMI(登録商標)インタフェースを含むことができる。いくつかの例示的実施形態において、通信インタフェース750は、無線ネットワーク通信インタフェースを含むことができる。
【0190】
以上の説明は、例示および説明を目的として提供されてきた。それは網羅的であるように意図されたものではない。特定の例示的実施形態の個別の要素または特徴は、概してその特定の実施例に限定されず、該当する場合互換性があり、かつたとえ具体的に図示または説明されていなくても、選択された実施形態の中で使用可能である。これらは同様に、多くの形で変形可能である。このような変形形態は、例示的実施形態からの逸脱とみなされるべきものではなく、このような修正は全て、本明細書中に記載の例示的実施形態の範囲内に内含されるように意図されている。
【0191】
項目別実施形態
[実施形態1]
粘性媒体の液滴を噴射するように構成されたソフトウェア制御式エジェクタにおいて、前記装置が、
出口を含み、前記出口を通って液滴を噴射するように構成されたノズルと;
前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口を通って噴射された前記粘性媒体の少なくとも一部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されたエネルギ出力装置と;
命令プログラムを記憶するように構成されたメモリと;
前記噴射装置の噴射用出口を通して基板上に粘性媒体の一連の液滴を噴射するべく、既定のアクチュエータ制御シーケンスにしたがって噴射装置のアクチュエータを制御するため、および
アクチュエータ制御シーケンスに基づくまたはこのシーケンスに依存する前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口を通して噴射された前記粘性媒体の少なくとも一部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されたエネルギ出力装置を制御して、それにより、前記ノズルからの液滴の前記分断を制御するため、
に前記命令プログラムを実行するように構成されたプロセッサと;
を含んでいる、エジェクタ。
[実施形態2]
前記エネルギ出力装置が、前記粘性媒体の前記部分の音響起動に基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口を通って噴射された前記粘性媒体の前記部分の中に音響信号を発出するように構成された音響トランスジューサを含んでいる;
実施形態1に記載の装置。
[実施形態3]
前記音響起動には、前記粘性媒体の前記部分のせん断減粘性を誘発することが含まれている、
実施形態2に記載の装置。
[実施形態4]
前記ノズルが、前記出口から前記装置の内部内へと延在する導管を含み、
前記音響トランスジューサが前記導管に位置しており、前記音響トランスジューサは、前記出口まで前記導管内を通過する粘性媒体に対して音響波を移送する音響信号を発出するように構成されている、
実施形態2に記載の装置。
[実施形態5]
前記エネルギ出力装置は、
光子圧力を通して前記粘性媒体の前記部分の中に運動量を付与すること、
前記粘性媒体の前記部分の少なくとも部分的蒸発を誘発すること、および
前記粘性媒体の前記部分の局部加熱を誘発すること;
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口を通って噴射された前記粘性媒体の前記部分に衝突するレーザビームを発出するように構成されたレーザエミッタを含んでいる、
実施形態1に記載の装置。
[実施形態6]
前記レーザエミッタが、前記ノズルの外部に位置しており、前記レーザエミッタは、前記出口を通って前記ノズルから退出した前記粘性媒体の一部分に衝突するべく前記レーザビームを発出するように構成されている、
実施形態5に記載の装置。
[実施形態7]
前記エネルギ出力装置が、圧電素子を含み、前記ノズルの流量断面積の調整に基づいて前記粘性媒体の少なくとも前記部分の中にエネルギ量子を誘導するように構成されている、実施形態1に記載の装置。
[実施形態8]
前記エネルギ出力装置がヒータ素子を含み、発熱に基づいて前記粘性媒体の少なくとも前記部分の中に前記エネルギ量子を誘導するように構成されている、
実施形態1に記載の装置。
[実施形態9]
液滴を噴射するために前記ノズルの前記出口まで前記ノズルを通って一定の体積の前記粘性媒体を移動させるべく粘性媒体供給部を制御し;かつ
前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で前記粘性媒体の少なくとも前記部分の中に前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御する;
ように構成された制御装置、
をさらに含む、実施形態1に記載の装置。
[実施形態10]
ノズルを通した粘性媒体の液滴の噴射を制御するための方法において、
噴射装置の噴射用出口を通して基板上に粘性媒体の一連の液滴を噴射するべく、既定のアクチュエータ制御シーケンスにしたがって噴射装置のアクチュエータを制御するステップと;
前記ノズルの出口まで前記ノズルを通って前記一定の体積の前記粘性媒体を移動させるべく粘性媒体供給部を制御するステップと;
前記粘性媒体の前記体積の少なくとも別個の第2の部分を前記ノズルから分断させて液滴を形成するため、前記粘性媒体の前記体積の第1の部分に対してエネルギ量子を送出するようにエネルギ出力装置を制御するステップであって、ここで前記エネルギ出力装置ひいては前記ノズルからの液滴前記分断の前記タイミングを制御する前記ステップが、前記アクチュエータ制御シーケンスの前記タイミングに基づくかまたはこのタイミングに依存しており、これにより前記ノズルからの液滴の前記分断が制御されている、ステップと;
を含む方法。
[実施形態11]
前記エネルギ量子が、前記粘性媒体の前記体積の前記別個の第2の部分とは独立して、前記粘性媒体の前記体積の前記第1の部分に対して専ら送出される、
実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]
前記エネルギ出力装置が音響トランスジューサを含み;
前記エネルギ出力装置を制御するステップは、前記粘性媒体の前記第1の部分の音響起動に基づいて前記体積の少なくとも前記別個の第2の部分を前記ノズルから分断させるために、前記ノズルを通って噴射された前記粘性媒体の前記第1の部分の中に音響信号を発出するように前記音響トランスジューサを制御するステップを含んでいる、
実施形態10に記載の方法。
[実施形態13]
前記体積の少なくとも前記別個の第2の部分を前記ノズルから分断させる前記ステップが、前記音響起動に基づいて前記粘性媒体の前記体積の前記第1の部分の中でせん断減粘性を誘発するステップを含む、実施形態12に記載の方法。
[実施形態14]
前記エネルギ出力装置がレーザエミッタを含み;
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、
光子圧力を通して前記体積の少なくとも前記第1の部分の中に運動量を付与するステップ、
前記体積の前記第1の部分の少なくとも部分的蒸発を誘発するステップ、および
前記粘性媒体の前記第1の部分の前記部分の局部加熱を誘発するステップ、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記体積の少なくとも前記別個の第2の部分を前記ノズルから分断させるため、前記出口を通って噴射された前記粘性媒体の少なくとも前記第1の部分に衝突するレーザビームを発出するように前記レーザエミッタを制御するステップが含まれている、
実施形態10に記載の方法。
[実施形態15]
前記エネルギ出力装置が圧電素子を含み;
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、前記ノズルの流量断面積を調整するように前記圧電素子を制御するステップが含まれている、実施形態10に記載の方法。
[実施形態16]
前記エネルギ出力装置がヒータ素子を含み;
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、発熱に基づいて前記粘性媒体の少なくとも前記部分の中に前記エネルギ量子を誘導するように前記ヒータ素子を制御するステップが含まれている、
実施形態10に記載の方法。
[実施形態17]
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で、前記体積の少なくとも前記第1の部分の中に前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御するステップが含まれている、
実施形態10に記載の方法。
[実施形態18]
粘性媒体の液滴を噴射するように構成された装置において:
噴射装置のアクチュエータであって、前記噴射装置の噴射用出口を通して基板上に粘性媒体の一連の液滴を噴射するために既定のアクチュエータ制御シーケンスにしたがって制御されているアクチュエータと;
出口を含むノズルであって、前記出口の長手方向軸に沿って前記出口を通って移動する前記粘性媒体の体積に基づいて、液滴を噴射するように構成されているノズルと;
前記出口の前記長手方向軸と交差するようにエネルギ量子を誘導するように構成され、こうして前記粘性媒体の前記体積の少なくとも一部分の中に前記エネルギ量子を誘導するように構成されるようになっているエネルギ出力装置であって、ここで前記出口の前記長手方向軸と交差するようにエネルギ量子をいつ誘導すべきかの前記タイミングがアクチュエータ制御シーケンスに基づくかまたはこのシーケンスに依存しており、これにより前記ノズルからの液滴の前記分断を制御するような形で構成されている、エネルギ出力装置と;
を含む装置。
[実施形態19]
前記エネルギ出力装置が、前記出口の前記長手方向軸と交差する音響信号を発出するように構成された音響トランスジューサを含む、
実施形態18に記載の装置。
[実施形態20]
前記ノズルが、前記出口から前記出口の前記長手方向軸に沿って前記装置の内部の中へと延在する導管を含み、
前記音響トランスジューサが、前記出口の前記長手方向軸に沿って前記導管内を通過する粘性媒体に対して音響波を移送する音響信号を発出するように構成されている、
実施形態19に記載の装置。
[実施形態21]
前記音響トランスジューサが、前記粘性媒体の前記体積の少なくとも一部分の音響起動に基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口の前記長手方向軸と交差する前記音響信号を発出するように構成されている;
実施形態19に記載の装置。
[実施形態22]
前記音響起動には、前記粘性媒体の前記部分のせん断減粘性を誘発することが含まれている、
実施形態21に記載の装置。
[実施形態23]
前記エネルギ出力装置が、前記出口の前記長手方向軸と交差するレーザビームを発出するように構成されたレーザエミッタを含む、
実施形態18に記載の装置。
[実施形態24]
前記レーザエミッタは、
光子圧力を通して前記粘性媒体の前記体積の少なくとも一部分の中に運動量を付与すること、
前記粘性媒体の前記体積の少なくとも前記部分の少なくとも部分的蒸発を誘発すること、および
前記粘性媒体の少なくとも前記部分の局部加熱を誘発すること、
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ノズルからの液滴の分断を制御するために前記出口の前記長手方向軸と交差するレーザビームを発出するように構成されている、
実施形態23に記載の装置。
[実施形態25]
前記レーザエミッタが、前記ノズルの外部に位置しており、前記レーザエミッタは、前記出口を通って前記ノズルから退出する前記粘性媒体の一部分に衝突するべく前記レーザビームを発出するように構成されている、
実施形態24に記載の装置。
[実施形態26]
前記エネルギ出力装置が圧電素子を含み、前記出口の前記長手方向軸と交差する機械的信号を発出するように構成されている、実施形態18に記載の装置。
[実施形態27]
前記エネルギ出力装置がヒータ素子を含み、前記出口の前記長手方向軸と交差する熱信号を発出するように構成されている、実施形態18に記載の装置。
[実施形態28]
液滴を噴射するために前記ノズルの前記出口まで前記ノズルを通って前記粘性媒体の前記体積を移動させるべく粘性媒体供給部を制御し;かつ
前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で前記出口の前記長手方向軸と交差するように前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御する;
ように構成された制御装置、
をさらに含む、実施形態18に記載の装置。
[実施形態29]
ノズルを通した粘性媒体の液滴の噴射を制御するための方法において、
噴射装置の噴射用出口を通して基板上に粘性媒体の一連の液滴を噴射するべく、既定のアクチュエータ制御シーケンスにしたがって噴射装置のアクチュエータを制御するステップと;
前記出口の長手方向軸に沿って前記ノズルの出口まで前記ノズルを通って前記一定の体積の前記粘性媒体を移動させるべく粘性媒体供給部を制御するステップと;
前記粘性媒体の前記体積の別個の第2の部分が前記出口を通って前記ノズルから退出した時点で、前記粘性媒体の前記体積の第1の部分の中にエネルギ量子が送出されるような形で前記出口の前記長手方向軸と交差するようにエネルギ量子を創出するべくエネルギ出力装置を制御するステップであって、ここで前記エネルギ出力装置ひいては前記ノズルからの液滴前記分断の前記タイミングを制御する前記ステップが、前記アクチュエータ制御シーケンスの前記タイミングに基づくかまたはこのタイミングに依存しており、これにより前記ノズルからの液滴の前記分断が制御されている、ステップと;
を含む方法。
[実施形態30]
前記エネルギ量子が、前記粘性媒体の前記体積の前記別個の第2の部分とは独立して、前記粘性媒体の前記体積の前記第1の部分に対して専ら送出される、
実施形態29に記載の方法。
[実施形態31]
前記エネルギ出力装置を制御するステップには、前記体積を移動させるべく前記粘性媒体供給部を制御した後に特定の時間周期が経過した時点で前記出口の前記長手方向軸と交差するように前記エネルギ量子を誘導するために前記エネルギ出力装置を制御するステップが含まれている、
実施形態29に記載の方法。