(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-527008(P2020-527008A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(54)【発明の名称】配管器具用電源アセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20200803BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20200803BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20200803BHJP
H02J 50/20 20160101ALN20200803BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J7/00 301D
E03C1/05
H02J50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-500042(P2020-500042)
(86)(22)【出願日】2018年7月5日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月4日
(86)【国際出願番号】US2018040916
(87)【国際公開番号】WO2019010302
(87)【国際公開日】20190110
(31)【優先権主張番号】62/529,141
(32)【優先日】2017年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519058712
【氏名又は名称】アイコン システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】I−CON Systems, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ,ショウン,ディー
【テーマコード(参考)】
2D060
5G503
【Fターム(参考)】
2D060CA07
2D060CA15
2D060CA20
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503FA01
5G503GB08
(57)【要約】
配管器具用の電源アセンブリと方法であって、前記配管器具の作動を制御する制御回路と、前記制御回路に接続されエネルギーをワイヤレスで受け取りこのエネルギーを前記制御回路に提供するワイヤレス受電回路とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管器具の作動を制御するように構成された制御回路と、
前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路とを備え、
前記ワイヤレス式受電回路はワイヤレスにエネルギーを受け取ってこのエネルギーを前記制御回路に提供するように構成されている配管器具用の電源アセンブリ。
【請求項2】
更に、前記配管器具の上での取り付け用に構成されたハウジングを備え、前記ハウジングは前記制御回路に接続された前記ワイヤレス式受電回路を含む請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項3】
前記制御回路は、前記配管器具の前記作動を制御するためにソレノイドを駆動するように構成されている請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項4】
前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、前記ワイヤレス式受電回路は、前記バッテリーを前記エネルギーで充電するように構成され、そして、前記制御回路は、前記バッテリーから電力供給を受けるように構成されている請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項5】
前記ワイヤレス式受電回路は、前記ワイヤレス式受電回路から離間したワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項6】
更に、前記ワイヤレス式送電回路を備え、前記ワイヤレス式送電回路は壁に設置され、そして、前記ワイヤレス式受電回路は前記壁から離間している請求項5に記載の電源アセンブリ。
【請求項7】
前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている請求項6に記載の電源アセンブリ。
【請求項8】
前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を含み、そして、前記制御装置は、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御するように構成されている請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項9】
前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、及び近接センサのいずれか一つを備える請求項8に記載の電源アセンブリ。
【請求項10】
前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具、及び水飲み器具の少なくとも一つを備える請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項11】
前記配管器具は、洗浄弁を含むフラッシングシステムを備え、
前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、及び前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材を含み、
そして、前記制御回路は、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成されている請求項1に記載の電源アセンブリ。
【請求項12】
配管器具に電力を供給する方法であって、
制御回路によって、前記配管器具の作動を制御する工程、
ワイヤレス式受電回路によって、エネルギーをワイヤレスで受ける工程であって、前記ワイヤレス式受電回路は前記制御回路に接続されている工程、及び
前記ワイヤレス式受電回路によって、前記エネルギーを前記制御回路に提供する工程、を含む方法。
【請求項13】
更に、前記制御回路によって、前記配管器具の前記作動を制御するべくソレノイドを駆動する工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、
前記方法は、更に、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記バッテリーを前記エネルギーで充電する工程、及び
前記制御回路によって、前記バッテリーから電力供給を受ける工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
更に、ワイヤレス式送電回路によって、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送る工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ワイヤレス式送電回路は、前記ワイヤレス式受電回路から離間している請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を含み、
前記方法は、更に、前記制御装置によって、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御する工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、及び近接センサのいずれか一つを備える請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具、及び水飲み器具の少なくとも一つを備える請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記配管器具は、洗浄弁を含むフラッシングシステムを備え、
前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、及び前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材を含み、
前記方法は、更に、前記制御回路によって、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程を含む請求項12に記載の方法。
【請求項22】
流体入口と流体出口を備えるバルブ本体、及び前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材、
前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、及び
前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路、を備え、
前記ワイヤレス式受電回路はワイヤレス式送電回路からエネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている洗浄弁。
【請求項23】
流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体と、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材とを有する洗浄弁、
前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、
前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路であって、ワイヤレスにエネルギーを受け取るように構成されているワイヤレス式受電回路、及び
前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送るように構成されたワイヤレス式送電回路、を備えるワイヤレス電源式フラッシングシステム。
【請求項24】
フラッシングシステムに電力を提供する方法であって、
前記フラッシングシステムは、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体と、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材とを有する洗浄弁、及び前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、を含み、
前記方法は、ワイヤレス式送電回路によって、エネルギーを、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送信する工程、
前記ワイヤレス式受電回路によって、前記ワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受ける工程、
前記ワイヤレス式受電回路によって、エネルギーを前記制御回路に供給する工程、及び
前記制御回路によって、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、ここにその全開示を参考文献として合体させる、2017年7月6日出願の「配管器具用電源アセンブリ」と題する米国仮出願第62/529,141号の優先権を主張するものである。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般に、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具、および水飲み器具、等の配管器具に関し、一具体的実施例においては、配管器具に電力を供給するためのシステム、方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.技術的考慮事項
電子制御式配管器具は今や周知であり、商業及び工業環境において広く使用されている。典型的には、電子制御配管器具は、使用者がそのトイレ又は便器のすぐそばを離れた後に、そのトイレ又は便器を自動フラッシングさせる自動フラッシングシステムを含みうる。当該公知技術の自動フラッシングシステムは、トイレ又は便器の前のエリアに向けられた、赤外線などの放射線ビームを使用する。放射線ビームは、トイレ又は便器のユーザによって妨げられ反射される。この放射線ビームの遮断および/または反射が入力信号として何らかのタイプの制御回路又は装置に送信される。これにより、制御回路又は装置は、ソレノイドなどのフラッシング機構又は装置にフラッシング信号を発信し、このフラッシング機構又は装置が洗浄弁を起動しトイレ又は便器をフラッシングする。当該技術において知られている他のフラッシングシステムでは、トイレ又は便器のユーザがフラッシング信号をフラッシング機構又は装置に発信するためにトイレ又は便器上のボタンを操作することができる。これらのタイプの装置は、ホテル、空港、スポーツスタジアム、その他類似の公共施設において一般的にみられる。
【0004】
これらの電子制御配管器具は、前記制御回路及びセンサを作動して前記フラッシング機構を駆動するために電源アセンブリを必要とする。典型的には、電力を必要とする前記コンポーネントのための電力を提供するために、主電源に対するハードワイヤード接続は、配管器具の近傍の壁を貫通して行われる。これらのタイプのハードワイヤードアセンブリによって、例えば、壁貫通電気接続に関連する建築及びアライメントの必要性により、配管器具の設置がより困難で合理性が低いものなり、設置コストが高くなる。他の公知の電子制御式フラッシングシステム及び配管器具には、ハードワイヤード電源の必要性を回避するために電源としてバッテリーを使用するものもあるが、これらのアセンブリのバッテリーはそのチャージが枯渇するので、定期的に取り外し交換しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、配管器具用の公知の電源アセンブリ及び方法に関連する前記諸問題の少なくともいくつかを低減又は解決する電源アセンブリと方法とを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要旨
一般に、配管器具、好ましくは、トイレや便器などの、電子制御式配管器具に関連して使用される、配管器具用の改善された電源アセンブリと方法が提供される。好ましくは、配管器具の外観をよりクリーンなものとしその設置を容易にする、電源供給アセンブリと方法が提供される。好ましくは、主電源への壁貫通ハードワイヤード接続を必要としない電源アセンブリと方法が提供される。好ましくは、電力供給を受けるために電源との直接接触を必要としない電源アセンブリと方法が提供される。好ましくは、配管器具の洗浄弁の分解を必要とすることなく電子制御式配管器具のバッテリーの交換を可能にする電源アセンブリと方法が提供される。
【0007】
一好適かつ非限定的実施例又は態様によれば、配管器具用の電源アセンブリが提供され、当該アセンブリは、前記配管器具の作動を制御するように構成された制御回路、そして、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路とを有し、前記ワイヤレス式受電回路は前記制御回路に接続されてワイヤレスにエネルギーを受け取り前記制御回路にこのエネルギーを提供するように構成される。
【0008】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記電源アセンブリは、更に、前記配管器具上での取り付け用に構成されたハウジングを有し、当該ハウジングは前記制御回路に接続された前記ワイヤレス式受電回路を含む。
【0009】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記制御回路は、前記配管器具の前記作動を制御するためにソレノイドを駆動するように構成されている。
【0010】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、前記ワイヤレス式受電回路は、前記バッテリーを前記エネルギーで充電するように構成され、そして、前記制御回路は、前記バッテリーから電力供給を受けるように構成されている。
【0011】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式受電回路は、当該前記ワイヤレス式受電回路から離間したワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている。
【0012】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記電源アセンブリは、更に、前記ワイヤレス式送電回路を含み、当該ワイヤレス式送電回路は壁に設置され、そして、前記ワイヤレス式受電回路は前記壁から離間している。
【0013】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている。
【0014】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を有し、そして、前記制御回路は、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御するように構成されている。
【0015】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、近接センサ、のいずれか一つを有する。
【0016】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具及び水飲み器具の少なくとも一つを含む。
【0017】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、洗浄弁を備えるフラッシングシステムを有し、前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材とを有し、そして、前記制御回路は、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成されている。
【0018】
一好適かつ非限定的実施例又は態様に従って、配管器具に電力を供給する方法が提供され、当該方法は、制御回路によって、前記配管器具の作動を制御する工程、ワイヤレス式受電回路によって、エネルギーをワイヤレスで受ける工程、ここで前記ワイヤレス式受電回路は前記制御回路に接続されており、そして、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記エネルギーを前記制御回路に提供する工程、を有する。
【0019】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記方法は、更に、前記制御回路によって、前記配管器具の前記作動を制御するべくソレノイドを駆動する工程を有する。
【0020】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、前記方法は、更に、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記バッテリーを前記エネルギーで充電する工程、そして、前記制御回路によって、前記バッテリーから電力供給を受ける工程、を有する。
【0021】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記方法は、更に、ワイヤレス式送電回路によって、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送る工程を有する。
【0022】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式送電回路は、前記ワイヤレス式受電回路から離間している。
【0023】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている。
【0024】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を有し、そして、前記方法は、更に、前記制御装置によって、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御する工程を有する。
【0025】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、及び近接センサのいずれか一つを有する。
【0026】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具及び水飲み器具の少なくとも一つを含む。
【0027】
一好適かつ非限定的実施例又は態様において、前記配管器具は、洗浄弁を備えるフラッシングシステムを有し、前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材とを有し、そして、前記方法は、更に、前記制御回路によって、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程を有する。
【0028】
一好適かつ非限定的実施例又は態様に従って、洗浄弁が提供され、当該洗浄弁は、流体入口と流体出口、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成される主バルブ部材、を備えるバルブ本体、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、そして前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路、を有し、前記ワイヤレス式受電回路はワイヤレス式送電回路からエネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている。
【0029】
一好適かつ非限定的実施例又は態様に従って、ワイヤレス電源式フラッシングシステムが提供され、当該システムは、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材、とを有する洗浄弁、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成される制御回路、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路、当該ワイヤレス式受電回路はエネルギーをワイヤレスに受け取るように構成されており、そして、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送るように構成されたワイヤレス式送電回路、を有する。
【0030】
一好適かつ非限定的実施例又は態様に従って、フラッシングシステムに電力を提供する方法が提供され、前記フラッシングシステムは、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体と、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材、とを有する洗浄弁、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、を有し、前記方法は、ワイヤレス式送電回路によって、エネルギーを、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送信する工程、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記ワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受ける工程、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記エネルギーを前記制御回路に供給する工程、及び、前記制御回路によって、前記前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程、を有する。
【0031】
本発明のその他の好適かつ非限定的実施例又は態様は以下の番号を付された条項に記載される。
【0032】
第1項:配管器具用の電源アセンブリであって、前記配管器具の作動を制御するように構成された制御回路と、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路とを備え、前記ワイヤレス式受電回路は、ワイヤレスにエネルギーを受け取り前記制御回路にこのエネルギーを提供するように構成される。
【0033】
第2項:第1項の電源アセンブリであって、更に、前記配管器具上での取り付け用に構成されたハウジングを有し、当該ハウジングは前記制御回路に接続された前記ワイヤレス式受電回路を含む。
【0034】
第3項:第1又は2項の電源アセンブリであって、前記制御回路は、前記配管器具の前記作動を制御するためにソレノイドを駆動するように構成されている。
【0035】
第4項:第1−3項のいずれかの電源アセンブリであって、前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、前記ワイヤレス式受電回路は、前記バッテリーを前記エネルギーで充電するように構成され、そして、前記制御回路は、前記バッテリーから電力供給を受けるように構成されている。
【0036】
第5項:第1−4項のいずれかの電源アセンブリであって、前記ワイヤレス式受電回路は、当該前記ワイヤレス式受電回路から離間したワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている。
【0037】
第6項:第1−5項のいずれかの電源アセンブリであって、更に、前記ワイヤレス式送電回路を備え、当該ワイヤレス式送電回路は壁に設置され、そして、前記ワイヤレス式受電回路は前記壁から離間している。
【0038】
第7項:第1−6項のいずれかの電源アセンブリであって、前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている。
【0039】
第8項:第1−7項のいずれかの電源アセンブリであって、前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を含み、そして、前記制御回路は、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御するように構成されている。
【0040】
第9項:第1−8項のいずれかの電源アセンブリであって、前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、近接センサ、のいずれか一つを備える。
【0041】
第10項:第1−9項のいずれかの電源アセンブリであって、前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具及び水飲み器具の少なくとも一つを備える。
【0042】
第11項:第1−10項のいずれかの電源アセンブリであって、前記配管器具は、洗浄弁を備えるフラッシングシステムを備え、前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、及び、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材を含み、そして、前記制御回路は、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成されている。
【0043】
第12項:配管器具に電力を供給する方法であって、制御回路によって、前記配管器具の作動を制御する工程、ワイヤレス式受電回路によって、エネルギーをワイヤレスで受ける工程、ここで前記ワイヤレス式受電回路は前記制御回路に接続されており、そして、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記エネルギーを前記制御回路に提供する工程、を含む。
【0044】
第13項:第12項の方法であって、更に、前記制御回路によって、前記配管器具の前記作動を制御するべくソレノイドを駆動する工程を含む。
【0045】
第14項:第12又は13項の方法であって、前記ワイヤレス式受電回路は、前記エネルギーを蓄えるように構成されたバッテリーを含み、前記方法は、更に、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記バッテリーを前記エネルギーで充電する工程、及び、前記制御回路によって、前記バッテリーから電力供給を受ける工程を含む。
【0046】
第15項:第12−14項のいずれかの方法であって、更に、ワイヤレス式送電回路によって、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送る工程を含む。
【0047】
第16項:第12−15項のいずれかの方法であって、前記ワイヤレス式送電回路は、前記ワイヤレス式受電回路から離間している。
【0048】
第17項:第12−16項のいずれかの方法であって、前記ワイヤレス式送電回路は、主電源に接続されている。
【0049】
第18項:第12−17項のいずれかの方法であって、前記配管器具は、前記制御回路と通信するトリガー装置を含み、前記方法は、更に、前記制御装置によって、前記トリガー装置の状態に基づいて前記配管器具の前記作動を制御する工程を含む。
【0050】
第19項:第12−18項のいずれかの方法であって、前記トリガー装置は、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、及び近接センサのいずれか一つを備える。
【0051】
第20項:第12−19項のいずれかの方法であって、前記配管器具は、トイレ器具、シャワー器具、水道栓器具、及び水飲み器具の少なくとも一つを備える。
【0052】
第21項:第12−20項のいずれかの方法であって、前記配管器具は、洗浄弁を備えるフラッシングシステムを備え、前記洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、及び前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材を含み、前記方法は、更に、前記制御回路によって、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程を含む。
【0053】
第22項:洗浄弁であって、当該洗浄弁は、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体、及び、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、及び前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路、を備え、前記ワイヤレス式受電回路はワイヤレス式送電回路からエネルギーをワイヤレスで受けるように構成されている。
【0054】
第23項:ワイヤレス電源式フラッシングシステムであって、当該システムは、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体と、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材とを有する洗浄弁、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路であって、ワイヤレスにエネルギーを受け取るように構成されているワイヤレス式受電回路、及び、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送るように構成されたワイヤレス式送電回路、を備える。
【0055】
第24項:フラッシングシステムに電力を提供する方法であって、前記フラッシングシステムは、流体入口と流体出口とを備えるバルブ本体と、そして、前記流体入口と前記流体出口とが流体分離状態となる閉鎖位置と、前記流体入口と前記流体出口とが流体連通状態となる開放位置との間で移行するように構成された主バルブ部材、とを有する洗浄弁、前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するよう制御するように構成された制御回路、を含み、前記方法は、ワイヤレス式送電回路によって、エネルギーを、前記制御回路に接続されたワイヤレス式受電回路にワイヤレスで送信する工程、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記ワイヤレス式送電回路から前記エネルギーをワイヤレスで受ける工程、前記ワイヤレス式受電回路によって、前記エネルギーを前記制御回路に供給する工程、及び、前記制御回路によって、前記前記主バルブ部材を前記閉鎖位置と前記開放位置との間で移行するように制御する工程を含む。
【0056】
本発明のこれら及びその他の構成と特徴、並びに、構造の関連部材の作動と機能の方法、バーツの組み合わせと製造の経済性は、添付の図面を参照して、以下の説明と不随する特許請求の範囲を読むことによってより明らかになるであろう。これらすべて本明細書の一部を形成するものであって、ここで種々の図面において類似の参照符号によって、対応するパーツが示されている。但し、これらの図面はもっぱら図示と説明目的のものであって、本発明の限定を定義するものとして意図されているものではないことが銘記される。本明細書及び特許請求の範囲での使用において、単数形“a”,“an”及び“the”は、特に銘記されない限り、複数形の言及を含むものである。
【0057】
本発明の更なる利点及び詳細を、以下、添付の略図に図示されている実施例を参照して更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】
図1は、本発明の原理による配管器具用バルブの側面図である。
【
図4】
図4は、閉鎖状態における
図1のバルブの側方断面図である。
【
図5】
図5は、開放状態における
図1のバルブの側方断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の原理による配管器具用の電源アセンブリの略図である。
【
図7】
図7は、本発明の原理による配管器具用の電源アセンブリの側面図である。
【
図8】
図8は、本発明の原理による配管器具に電力を供給する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
好適実施例の説明
ここでの使用において、空間又は方向に関する用語、例えば、“up(上)”,“down(下)”,“above(上方)”,“below(下方)”,“top(頂部)”,“bottom(底部)”,など、は、本発明に関して図面に図示されている通りのものである。但し、本発明は、その他の種々の向きをとりうるので、これらの用語は限定的なものとみなされてはならない。更に、明細書及び特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件、等、を表す全ての数字はすべての箇所において用語「約」によって修飾されているものと理解される。従って、特に銘記されない限り、以下の明細書と特許請求の範囲に記載されている数値は、本発明によって得ることが意図される所望の特性に基づき様々になりうる概数である。そして、少なくとも、特許請求の範囲に対する均等物の原理の適用を制約する試みとしてではなく、各数値は、記載の有効数字に鑑みて、そして、通常の丸め方法を適用することによって、少なくとも解釈されなければならない。更に、ここに開示されるすべての範囲は、包摂されるすべての部分範囲を含むものとして解釈されなければならない。例えば、「1ないし10」と記載される範囲は、最小値1と最大値10との間の(そしてこれらの値自身を含む)任意のすべての部分範囲、すなわち、最小値1以上から始まり最大値10以下で終わるすべての部分範囲、例えば、1から6.1、3.5から7.8、5.5から10、等、を含むことを考慮されるべきである。ここで言及されているすべての参考文献、交付済み特許、公開公報等(但しこれらに限定されるものではない)は、それらの全体が参考文献として合体されたものとして理解されなければならない。用語「機械式緩和」は、圧力緩和能力で機能するために電気又は電力を必要としない緩和装置又はシステムを指す。用語「電子緩和」は、圧力緩和能力で機能するために電気又は電力を利用する緩和装置又はシステムを指す。
【0060】
本明細書中での使用において、用語「通信」と「通信する」とは、単数または複数の信号、メッセージ、コマンド、その他のタイプのデータの受け取りと伝達を指す。一つのユニット又はコンポーネントがもう一つのユニット又はコンポーネントと通信するとは、その一つのユニット又はコンポーネントが、他方のユニット又はコンポーネントと直接又は間接的に、データを受信および/または送信できることを意味する。このことは、本来は、有線および/またはワイヤレスでありうる直接又は間接の接続を意味しうる。更に、二つのユニット又はコンポーネントは、たとえ、伝送されるデータが、第1及び第2ユニット又はコンポーネント間で、改変、処理および/または送付されうる場合においても、互いに通信関係にありうる。例えば、第1のユニットが受動的にデータを受け取りそのデータを能動的には第2のユニットに送信しない場合においても、第1ユニットは第2ユニットと通信関係にありうる。別の例として、中間のユニットが一つのユニットからのデータを処理し、この処理済みデータを第2のユニットに送信する場合においても、第1ユニットは第2ユニットと通信関係にありうる。その他多数の構成が可能であることが理解されるであろう。
【0061】
尚、本発明との関係において、多様な配管器具を使用することが可能であることが理解されるであろう。用語「配管器具」とは、例えば、トイレ機器、シャワー機器、水道栓機器、水飲み機器、および/または、その他の装置および/またはそれらのコンポーネントの単数または複数、を意味しうる。いくつかの非限定的実施例において、前記配管器具は、洗浄弁を含みうる。ここにその全体を参考文献として合体させる、「圧力検出を利用してダイアフラムバルブの摩耗をモニターする方法」と題する米国特許出願第14/301,447号は、本発明との関連で使用しうるバルブを記載している。但し、様々な他のタイプのバルブ、配管器具、および構成も、本発明の実施例との関連で使用することが可能であると理解される。
【0062】
図1−5は、本発明の好適かつ非限定的実施例又は態様による配管器具に含めることが可能なバルブ10の一例を図示している。本発明の以下の開示を明確にするために当該バルブ10の基本的コンポーネントについて、まず説明する。
【0063】
一好適かつ非限定的実施例において、前記バルブ10は、バルブ本体14によって形成されるバルブハウジング12とカバー16とを備えるダイアフラム式バルブとすることができる。前記バルブ本体14および/またはカバー16は、任意の所望の材料、例えば、金属やプラスチック、から形成することができる。一非限定的実施例において、前記バルブ本体14と前記カバー16とは、共に、プラスチックから形成するか、あるいは、一方をプラスチック、他方を金属、から形成することができる。前記バルブ本体14は、それを貫通して延出し、流入端部18と流出端部20とを備える、流路を有する。前記カバー16は、バルブ本体14の挿入ナット24と螺合可能な、アルミ又はステンレス鋼ボルト等の複数のボルト22によって前記バルブ本体14に接続される。前記挿入ナット24は、又、真鍮、等の金属、より好ましくは、スチール製とすることも可能である。ゴムやプラスチックなどの、適当な材料のダイアフラム26が、前記バルブ本体14と前記カバー16との間に挟まれて前記バルブ10の前記二つのチャンバ間のシールを形成している。前記流路にはバルブ部材(弁体)300が配置され、このバルブ部材300の上側は、前記バルブ10が組付けられた時、前記ダイアフラム26の中央領域に係合する。一実施例において、前記バルブ部材300は、従来型スイングチェックバルブである。前記バルブ10は、更に、前記カバー16にネジ取り付けされるとともに、公知のダイアフラムバルブにおけるとの同様に、前記ダイアフラム26の上方に形成された制御チャンバ内の水圧を制御するべくベントシステムと作動接続されたソレノイド28を有する。一非限定的実施例において、前記ベントシステムは、一端部が前記制御チャンバと流体連通し、他端部がベントチャンバと流体連通している、三日月形状のベント通路、等の通路を有する。前記ベントチャンバ用のベント出口を通る流れは、当該ベント出口を開閉するべく移動可能な、前記ソレノイド28と連動するプランジャ29によって制御される。前記バルブ10はまた、前記バルブ部材の最大開放位置を調節又は制御するために使用することが可能な回転ストップ30を有する。前記バルブ10はまた、前記バルブ部材300を前記バルブ本体14内で保持するためのスイングチェック保持リング302を有する。図示の実施例において、前記ソレノイド28は、ブリードプラグ又は器具90によって前記バルブカバー16に接続されている。前記ソレノイド28には、手動オーバーライドレバー304を作動接続することができる。
図4は、前記バルブ部材300が前記流路をブロックして、前記バルブ10を通る流体流を阻止する、前記バルブ10が閉鎖位置にある状態を図示している。
図5は、流体が前記流入端部18から前記流路を通って流れ、前記流出端部20から流出することが可能な前記バルブ10が開放位置にある状態を図示している。
【0064】
上述したダイアフラムバルブの基本コンポーネント及びそれらの作動は、ダイアフラムバルブ技術の当業者によって十分理解されるものであろうから、ここではより詳細には記載されない。公知のダイアフラムバルブ及びそれらの作動の例は、例えば、米国特許第4,336,918号、米国特許第4,301,992号、米国特許第4,893,645号、米国特許第4,797,820号、米国特許第4,477,051号、米国特許第4,787,413号、米国特許第5,853,026号、及び米国特許第6,557,580号に記載されている。更に、好適な非限定的実施例又は態様による配管器具の作動は、ダイアフラムバルブの作動に限られるものであって、本発明の実施例との関連においては、種々のその他のタイプのバルブ、配管器具、および構成を使用することが可能である、ことも理解されるであろう。例えば、ここにその全体を参考文献として合体させる、「自動トイレフラッシングシステムと方法」と題された、米国特許第7,322,054号は、トイレ便器と保持タンクとの間の流体連通を提供する洗浄弁を記載している。他の好適非限定的実施例において、前記配管器具の作動は、シャワーヘッド、水道栓、水飲み場、および/またはその他類似の装置および/またはそれらのコンポーネントからの水の流れの制御を含むことができる。
【0065】
次に、
図6を参照すると、配管器具102用の電源アセンブリ100は、前記配管器具102の作動を制御するように構成された制御回路104、前記制御回路104に接続されたワイヤレス式受電回路106、および/または、前記ワイヤレス式受電回路106にワイヤレスでエネルギーを送るように構成されたワイヤレス式送電回路112、を有する。前記制御回路104は、例えば、従来式の4IO又は8IO制御盤および/またはマイクロプロセッサ、更に、前記ソレノイド28を駆動又は電力供給するための種々の回路、あるいは、前記配管器具102の作動を制御するためのその他の手段、を含むことができる。前記制御回路104は、当該制御回路104に電力を提供し、そして、前記ソレノイド28を駆動するべく前記制御回路104、又は、前記配管器具102の作動を制御するためのその他の制御手段、に対して電力を供給するための電源として作動する、前記ワイヤレス式受電回路106に、単数または複数のワイヤ又はケーブル等によって、接続されている。
【0066】
いくつかの実施例において、ボタン、スイッチ、ダイアル、赤外線(IR)センサ、又は近接センサ、等のアクチュエータ又はトリガー装置108が、ワイヤ又はケーブル等によって、前記制御回路104と通信し、そして、前記制御回路104は、前記トリガー装置108の状態に基づいて、前記配管器具102の作動を制御するように構成されている。例えば、前記配管器具102のフラッシング作動又はその他の作動を許容するべく前記バルブ10又はその他の制御手段が開放されるべき時には、前記トリガー装置108が、例えば、ボタンを押すことによって起動される。この起動信号を受信すると、前記制御回路104は、前記ケーブルを介して信号を前記ソレノイド28に送ってコイルを起動し、これによって、前記バルブ10の前記主バルブ部材300が開放される。別の例では、前記トリガー装置108は、前記配管器具102の前方の領域における人の存在を示す検出信号を前記制御回路104に、提供するためにこの制御回路104に作動接続される。前記制御回路104は、自動トイレフラッシングシステムの分野において知られている従来式光学又は音感知制御装置とすることが可能な、前記トリガー装置108からこの検出信号を受信する。前記制御回路104は、前記トリガー装置108の状態に基づき、例えば、前記トリガー装置108からの前記検出信号に基づき、前記配管器具102の作動を制御して、前記ソレノイド28を駆動して、前記配管器具102の前記バルブ10の前記主バルブ部材300を開放するように構成されている。
【0067】
前記ワイヤレス式送電回路112から前記ワイヤレス式受電回路106に前記エネルギーを送るために種々のタイプのワイヤレス式充電技術を使用することができる。例えば、前記ワイヤレス式送電回路112と前記ワイヤレス式受電回路106は、コイルを使用する電磁誘導式送電、共鳴に基づく送電、高周波(RF)又は電力を送るために電気エネルギーをマイクロ波に変換するマイクロ波放射式送電等を使用して構成され得る。例えば、比較的短い送電距離用には電磁誘導式送電を使用することができ、より長い距離用に渡るワイヤレス送電のためにはRF又はマイクロ波放射式送電を使用することができる。
【0068】
電磁誘導式送電は、発電するために、コイルに対するマグネットの移動によって電流が誘導されるという特性を利用し、一次コイルと二次コイルとの間で電力を送る。したがって、前記ワイヤレス式送電回路112は、磁界を生成することができ、前記ワイヤレス式受電回路106は、エネルギーを発生するためにマグネットとして作用することができる。この現象は磁気誘導現象と呼ばれ、この現象を利用した送電技術は極めて優れたエネルギー伝達効率を有する。
【0069】
共鳴式送電は、電磁波の共鳴特性を利用するものであり、数メートル離れた距離から充電するために使用することができる。電磁波は、音ではなく電気エネルギー共鳴を搬送することができる。この共鳴する電磁波は、その共鳴周波数を有する装置が存在し、かつ、使用されない部分が空気中に拡散するのではなくその電磁界に再吸収される場合にのみ直接に伝送されるので、その共鳴電磁波が、他の電磁波と違って、回りの機械や人体に対して影響を与えないものであると期待される。
【0070】
RF/マイクロ波放射式は、電力エネルギーを、ワイヤレス送電に対してより好適なマイクロ波に変換することによってエネルギーを送るより新しいタイプの送電である。その送電によって、無線受信機、無線電話等の、ワイヤレス通信に使用される信号ではなく、電気エネルギーを送る。すなわち、典型的な通信がキャリア信号上で搬送される信号を伝送するものであるのに対して、ワイヤレス送電はそのキャリアのみを伝送するものである。
【0071】
従って、前記ワイヤレス式受電回路106と前記ワイヤレス式送電回路112は、あらゆる公知のタイプのワイヤレス送電を使用するように構成することが可能である。但し、明瞭性と簡潔性のために、以下の開示される実施例では、ワイヤレス式受電回路106と、電磁誘導式送電用に構成されたワイヤレス式送電回路112とを含む電源アセンブリについて主に説明される。
【0072】
前記ワイヤレス式送電回路112は、電源114から前記ワイヤレス式受電回路106の単数または複数の受電コイルへとワイヤレスにエネルギーを送るように構成された単数または複数の磁気誘導コイルを備えることができる。前記ワイヤレス式受電回路106は、更に、受け取ったAC電圧をDC電圧に変えるための手段、例えば、単数または複数の整流器による整流と平滑化、例えば、ブリッジ又は同期整流器や単数または複数のコンデンサ、等を備えることができる。例えば、前記制御回路104は、前記ソレノイド28を作動及び/又は駆動するためにDC電圧を必要とするかもしれない。前記ワイヤレス式受電回路106は、前記エネルギーをワイヤレスに受け取ることが可能な、フラットな、又は湾曲した表面又は部分とすることができ、又、空間を節約するための、あるいは、平坦でない表面に対する適合性のための、機械的柔軟性、曲げ又は折り畳み、を可能するべく、柔軟な素材および/またはコイル又はプラスチック製電子部品、から構成することができる。前記ワイヤレス式受電回路106は、出力電力のための、リニア、バック、ブースト又はバックブーストレギュレータおよび/またはスイッチ、等のレギュレータを備えることができる。更に、前記ワイヤレス式受電回路106は、ニアフィールド通信(NFC)、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、RFID又はその他の通信および/または認証技術等を介して、前記ワイヤレス式送電回路112とデータを通信するための通信回路を備えることができる。前記ワイヤレス式受電回路106の電子部品は、共に使用される時にワイヤレス受信機機能を提供する、分離した複数のコンポーネント又はマイクロコントローラ、あるいは、全体として、あるいは、電子部品の大きな部分が、前記ワイヤレス式受電回路106のために機能するように特に設計されたMCM又は特定用途向け集積回路(Application Specific Integrate Circuit: ASIC)チップ又はチップセット、を含むことができる。
【0073】
前記ワイヤレス式送電回路112は、前記エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路106にワイヤレスで供給することが可能な、フラットな、又は湾曲した表面又は部分とすることができる。前記ワイヤレス式送電回路112は、空間を節約するための、あるいは、平坦でない表面に対する適合性のための、機械的柔軟性、及び曲げ又は折り畳み、を可能するべく、柔軟な素材および/またはコイル又はプラスチック製電子部品、から構成することができる。前記ワイヤレス式送電回路112は、主電源、AC電源入力、DC電源、又は、自動車、バス、バイク、トラック、又はその他の乗り物、又は列車、航空機、ボート又は船、その他の輸送システムあるいは車両の電源コンセント、等のその他の電源によって直接電力供給することができ、あるいは、そのような輸送車両又はシステム、一次(充電不能)又は再充電可能バッテリー、太陽電池、燃料電池、機械的(例えば、手回し式、風力、水力)、原子力、又はその他のワイヤレス式充電器や電源又はそれらの組み合わせ、に組み込んで、それによって電力供給されるように構成できる。前記ワイヤレス式送電回路112は、それ自身が、別の電源、例えば、AC電源、DC電源、自動車、バス、乗り物、ボート又は船、又は飛行機の電源コンセント、又は乗り物、ボート、列車、又は船又は飛行機、又はその他の輸送システムあるいは乗り物それ自体、太陽電池、燃料電池、機械的(例えば、手回し式、風力、水力)、原子力、又はその他の電源又はそれらの組み合わせによって直接再充電される再充電可能バッテリー等の、パーツに組み込む、および/または、それによって電力供給されるように構成することができる。前記ワイヤレス式充電器が、バッテリー等の再充電可能電源によって電力供給される場合、前記バッテリー自身も、別のワイヤレス充電器によって誘導的に充電することができる。前記ワイヤレス式送電装置112は、コイル駆動回路と、エネルギーを前記ワイヤレス式受電回路106に送電するためのコイル又はアンテナによって、の繰り返し電力信号パターン(数十ヘルツから数メガヘルツ又はそれ以上、但し、典型的には100kHzから数MHz範囲の正弦波または方形波など)を発生させることができる。
【0074】
一例において、前記ワイヤレス受電回路106は、前記ワイヤレス式送電回路112からワイヤレスに受け取ったエネルギーを蓄積するように構成されたバッテリー110を備えることができる。例えば、前記ワイヤレス式受電回路106は、前記バッテリー110を、前記ワイヤレス式送電回路112からワイヤレスに受け取ったエネルギーによって充電するように構成することができ、そして、前記制御回路104は、前記バッテリー110からの電力供給を受けるように構成することができる。いくつかの実施構成(implementations)において、前記バッテリー110の充電の度合い、又は、その存在及びシステム設計に応じて、前記ワイヤレス式受電回路106は、このワイヤレスに受け取ったエネルギーを、前記制御回路104に電力を供給したり、前記バッテリー110を充電したり、又はこれらの組み合わせを行うために使用することができる。
【0075】
次に
図7を参照すると、前記制御回路104に接続された前記ワイヤレス式受電回路106を含むハウジング120を、前記配管器具102に取り付けることができる。例えば、前記ハウジング120を、前記配管器具102のバルブ110に取り付けることができる。一実施構成(implementation)において、前記配管器具120は、床又は壁122に恒久的に固定されたトイレ又は便器等の、恒久的に設置された器具とすることができる。一例において、
図7に図示されているように、前記ワイヤレス式送電回路112は、前記壁122に、又はその内部に、配置又は設置され、前記ワイヤレス式受電回路106は前記壁122から離間している。前記ワイヤレス式受電回路106は、、前記ワイヤレス式送電回路112と、その間の距離にわたって整列することができる。前記ワイヤレス式送電回路112は、前記壁122内の主電源114に接続することができる。いくつかの実施構成において、前記ワイヤレス式送電回路112は、前記壁122に対して面一に取り付けることができる。したがって、前記配管器具102の作動を制御するために前記制御回路104に電力を供給するための壁貫通接続は不要である。なぜなら、前記ワイヤレス式受電回路106と前記ワイヤレス式送電回路112とを、エネルギーが前記その間の距離にわたって送られるように互いから離間させることが可能であるからである。前記バッテリー110は、それが、前記配管器具102の洗浄弁10の分解を必要とすることなく容易に交換することができるように、前記ハウジング120内に配置することができる。例えば、前記バッテリー110は、前記ハウジング120を前記バルブ10上のその取り付け位置から取り除くことを必要とせずに除去できるように、前記ハウジング120内の取り外し可能パネルを介して到達可能である。
【0076】
次に、
図8を参照すると、本発明の原理による配管器具に電力を供給するための方法は、工程802で前記ワイヤレス受電回路106によって、前記ワイヤレス式送電回路112からエネルギーをワイヤレスで受け取ることを含むことができる。前記ワイヤレス式受電回路106は、工程804において、前記制御回路にエネルギーを提供することができる。例えば、前記ワイヤレス式受電回路106は、前記エネルギーによって前記バッテリー110を充電することができ、前記制御回路104は、前記バッテリー110から電力供給を受けることができる。工程806において、前記制御回路104は、前記配管器具102の作動を制御することができる。例えば、前記制御回路104は、前記配管器具102のバルブ10の前記主バルブ部材300を、トリガー装置108の状態に基づいて、閉鎖位置と開放位置との間で移行させるべく制御することができる。
【0077】
以上の説明に開示した概念から逸脱することなく、本発明に対して改変を行うことが可能であることが当業者に容易に理解されるであろう。例えば、上述した機械的及び電子的緩和装置の種々のコンポーネントを、同じバルブにおいて同時に使用することが可能である。したがって、ここに詳細に記載した特定の実施例は、例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲に完全に記載されている本発明の範囲、およびそれらの全ての均等物に対する限定的なものではない。
【国際調査報告】