(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-527112(P2020-527112A)
(43)【公表日】2020年9月3日
(54)【発明の名称】回転翼航空機変換可能な自動車
(51)【国際特許分類】
B60F 5/02 20060101AFI20200807BHJP
B62K 5/05 20130101ALI20200807BHJP
B64C 37/00 20060101ALI20200807BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20200807BHJP
【FI】
B60F5/02
B62K5/05
B64C37/00
B64C27/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-502219(P2020-502219)
(86)(22)【出願日】2018年7月17日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月9日
(86)【国際出願番号】EP2018069410
(87)【国際公開番号】WO2019016215
(87)【国際公開日】20190124
(31)【優先権主張番号】102017000080395
(32)【優先日】2017年7月17日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】505252296
【氏名又は名称】イタルデザイン−ジュジアーロ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】ITALDESIGN−GIUGIARO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100212587
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 和哉
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ・ペリーニ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・グエルフォ
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ・ラーゴ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ブッセッティ
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AG03
(57)【要約】
回転翼航空機変換可能な自動車(10)であって、少なくとも1つの座席(26)を備える乗客室(12)と、一対の前車輪(14a、14b)と、中央後車輪(16)と、乗客室(12)の中央長手方向平面(P)に対して乗客室(12)の両側に設置された少なくとも二対の左及び右支持アーム(18、20)であって、それぞれの支持アーム(18、20)は、回転翼ハブ(32)と回転翼ハブ(32)に接続された複数の展開可能な回転翼羽根(34)を備える、少なくとも1つの回転翼(22a、22b、24a、24b)を有するそれぞれの回転翼アセンブリ(22、24)を運ぶ、支持アームと、を備える。回転翼航空機変換可能な自動車(10)が、回転翼アセンブリ(22、24)を備える支持アーム(18、20)が、乗客室(12)の横の全体の大きさの内側に配置される、路上形態と、回転翼アセンブリ(22、24)を備える支持アーム(18、20)が、乗客室(12)の全体の横の大きさの外側に少なくとも一部が配置される、飛行形態の間を変換可能であるように、支持アーム(18、20)は、前記乗客室(12)に旋回可能に接続される。本発明によって、支持アーム(18、20)と回転翼アセンブリ(22、24)は、路上形態において、回転翼アセンブリ(22、24)が、中央後車輪(16)の両側において、乗客室(12)の下に収容されるように構成される、回転翼航空機変換可能な自動車。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼航空機変換可能な自動車(10)であって、
少なくとも1つの座席(26)を備える乗客室(12)と、
左前車輪(14a)と右前車輪(14b)を備える前車輪アセンブリ(14a、14b)と、後車輪アセンブリ(16)と、
前記乗客室(12)の中央長手方向平面(P)に対して前記乗客室(12)の両側に設置された少なくとも一対の左及び右支持アーム(18、20)であって、それぞれの支持アーム(18、20)は、少なくとも1つの回転翼(22a、22b、24a、24b)を有するそれぞれの回転翼アセンブリ(22、24)を運ぶ、支持アームと、を備え、
それぞれの回転翼(22a、22b、24a、24b)は、回転翼ハブ(32)と前記回転翼ハブ(32)に接続された複数の展開可能な回転翼羽根(34)を備え、
前記回転翼航空機変換可能な自動車(10)が、前記回転翼アセンブリ(22、24)を備える前記支持アーム(18、20)が、前記乗客室(12)の横の全体の大きさの内側に配置される、路上形態と、前記回転翼アセンブリ(22、24)を備える前記支持アーム(18、20)が、前記乗客室(12)の全体の横の大きさの外側に少なくとも一部が配置される、飛行形態の間を変換可能であるように、前記支持アーム(18、20)は、前記乗客室(12)に旋回可能に接続され、
前記後車輪アセンブリは、中央後単一または対の車輪(16)を有し、
前記支持アーム(18、20)と前記回転翼アセンブリ(22、24)は、前記路上形態において、前記回転翼アセンブリ(22、24)が、前記中央後車輪(16)の両側において、乗客室(12)の下に収容されるように構成される、回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項2】
前記支持アーム(18、20)と前記回転翼アセンブリ(22、24)は、前記路上形態において、前記支持アーム(18、20)と前記回転翼アセンブリ(22、24)の前記回転翼羽根(34)が、実質的に前記中央長手方向平面(P)に平行に延在するように構成される、請求項1に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項3】
前記飛行形態において、前記乗客室(12)の前側に配置される、第1の対の左と右の支持アーム(18、20)と、前記飛行形態において、前記乗客室(12)の後側に配置される、第2の対の左と右の支持アーム(18、20)である、二対の左と右の支持アーム(18、20)を備える、請求項1または請求項2に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項4】
前記第1及び前記第2の対の支持アーム(18、20)の前記左の支持アーム(18、20)は、同じ左回転軸(zL)の周りで前記乗客室(12)とヒンジで動くようにされながら、前記第1及び前記第2の対の支持アーム(18、20)の前記右の支持アーム(18、20)は、同じ右回転軸(zR)の周りを前記乗客室(12)とヒンジで動くようにされる、請求項3に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項5】
前記支持アーム(18、20)は、前記路上形態において、前記左の支持アーム(18、20)が、お互いに少なくとも一部が重なり、前記左の支持アーム(18、20)によって運ばれる前記回転翼アセンブリ(22、24)が、並んで配置され、前記右の支持アーム(18、20)が、お互いに少なくとも一部が重なり、前記右の支持アーム(18、20)によって運ばれる前記回転翼アセンブリ(22、24)が、並んで配置されるような形状にされる請求項3または請求項4に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項6】
それぞれの回転翼アセンブリ(22、24)は、第1及び第2の回転翼(22a、22b、24a、24b)を備え、
前記第1の回転翼(22a、24a)の前記回転翼ハブ(32)は、前記第2の回転翼(22b、24b)の回転翼ハブ(32)と同軸である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項7】
前記後車輪アセンブリ(16)を運ぶ前記乗客室(12)の後部(12b)は、前記前車輪アセンブリ(14a、14b)を運ぶ前記乗客室(12)の前部(12a)に対して持ち上げられ、
前記回転翼アセンブリ(22、24)は、前記自動車(10)が前記路上形態であるとき、前記乗客室(12)の後部(12b)の下に配置される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項8】
前記乗客室(12)の後部(12b)は、前記乗客室(12)の前部(12a)より横の大きさが小さい、請求項7に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項9】
それぞれの支持アーム(18、20)は、前記乗客室(12)に旋回可能に接続された近位端(18a、20a)と、前記回転翼アセンブリ(22、24)を運ぶ遠位端(18b、20b)を有し、
前記遠位端(18b、20b)は、前記近位端(18a、20a)に対して持ち上げられる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【請求項10】
前記回転翼アセンブリ(22、24)は、前記前及び後車輪(14a、14b、16)の回転軸(xF、xR)を通る、平面上に設置される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の回転翼航空機変換可能な自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客が同じ車両を用いて、地面と大気の両方を移動できるような、回転翼航空機変換可能な自動車、すなわち、回転翼航空機に変換可能な自動車またはその逆に関する。
【背景技術】
【0002】
独立請求項1のプレアンブルによる回転翼航空機変換可能な自動車は、例えば米国特許公開公報2016/0114887A1から知られている。この既知の回転翼航空機変換可能な自動車は、一対の前車輪を備える前車輪アセンブリ、一対の後車輪を備える後車輪アセンブリ、及び本体の両側に設置され、展開可能な回転翼アセンブリを運ぶ二対の格納できる支持アームを備え、支持アーム及び回転翼アセンブリは、閉じた位置において(すなわち、自動車が路上移動するための構成にされるとき)、車輪の横方向の外側に設置された自動車本体のそれぞれの座席に収容される。そのような既知の回転翼航空機変換可能な自動車は、自動車の路上形態において、支持アームと回転翼アセンブリを収容するために車輪の横方向の外側に追加の空間を必要とするので、かなり大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開公報2016/0114887A1
【発明の概要】
【0004】
従来技術よりさらにコンパクトな回転翼航空機変換可能な自動車を提供することが本発明の目的である。
【0005】
本発明のさらなる目的は、路上形態と飛行形態を容易に切り替えられる回転翼航空機変換可能な自動車を提供することである。
【0006】
これらの及び他の目的は、包含される独立請求項1において定義される回転翼航空機変換可能な自動車の利点による、本発明に従って完全に達成される。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題を形成し、その内容は、次の記載の不可欠な部分を構成するとして意図されるべきである。
【0008】
要するに、本発明は、回転翼航空機変換可能な自動車を提供するアイデアに基づき、後車輪アセンブリは、単一の車輪または対の車輪として構成される中央後車輪を有し、支持アームと回転翼アセンブリは、路上形態において回転翼アセンブリが中央後車輪の両側に、乗客室の下に収容されるように構成される。
【0009】
本発明による回転翼航空機変換可能な自動車は、それゆえ前車輪の横の外側に追加の空間を、路上形態において回転翼アセンブリを収容するために必要としないような構造を有する。
【0010】
さらに、本発明による回転翼航空機変換可能な自動車は、路上形態から飛行形態へ、及びその逆を容易に切り替えることができる。飛行形態から路上形態への切り替えは、閉じた位置において、それぞれの回転軸の周りの回転によって乗客室の下に、支持アームに運ばれる回転翼アセンブリを備える支持アームを格納することによって、及び回転翼アセンブリの回転翼羽根を折りたたむことによって得られる。他方において、路上形態から飛行形態への切り替えは、乗客室の横の外側に突き出るように支持アームを引き出すことによって及び回転翼羽根を展開することによって得られる。
【0011】
本発明の実施形態によって、自動車は、二対の左と右の支持アーム、すなわち、飛行形態において、乗客室の前側に配置される、第1の対の左と右の支持アームと、飛行形態において、乗客室の後側に配置される、第2の対の左と右の支持アームを有する。
【0012】
第1及び第2の対の支持アームの左の支持アームは、同じ左回転軸の周りを、乗客室とヒンジで動くようにされながら、第1及び第2の対の支持アームの右の支持アームは、同じ右回転軸の周りを、乗客室とヒンジで動くようにされることが好ましい。
【0013】
支持アーム及び回転翼アセンブリは、路上形態において支持アームと回転翼アセンブリの羽根は、実質的に乗客室の中央長手方向平面に平行に延在するように構成される。
【0014】
本発明の実施形態によって、それぞれの回転翼アセンブリは、回転翼ハブに接続されたそれぞれの回転翼羽根をそれぞれ有する一対の同軸回転翼ハブを有する。これは、追加の支持アームを必要とすることなく、それぞれの回転翼アセンブリ、したがって全体として回転翼航空機変換可能な自動車の持ち上げ能力を強化するだけでなく、1つのアーム内の回転翼航空機の典型的に不安定にする力及びトルクの平衡を保つ助けとなる。
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付された図面を参照して非限定の実施例によって完全に得られる次の詳細な説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】路上形態における本発明による回転翼航空機変換可能な自動車の側面図である。
【
図2】路上形態における本発明による回転翼航空機変換可能な自動車の後概略斜視図である。
【
図3】路上形態における本発明による回転翼航空機変換可能な自動車の上面図である。
【
図4】飛行形態の
図1乃至3の回転翼航空機変換可能な自動車の側面図である。
【
図5】飛行形態の
図1乃至3の回転翼航空機変換可能な自動車の前概略斜視図である。
【
図6】飛行形態の
図1乃至3の回転翼航空機変換可能な自動車の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照しながら、本発明による回転翼航空機変換可能な自動車は、おおよそ10で示される。
【0018】
自動車10は、地面を移動するための路上形態と大気を移動するための飛行形態の間を選択的に切り替えることができる。
【0019】
自動車10は、自律性の車両、または非自律性のまたは準自律性の車両として構成されることができる。
【0020】
自動車10は、基本的に乗客室12、左前車輪14a及び右前車輪14bを有する前車輪アセンブリ、中央後車輪16を有する後車輪アセンブリ、及びそれぞれの回転翼アセンブリ22及び24を運ぶ少なくとも一対の左及び右支持アーム18及び20を備える。
【0021】
乗客室12は、少なくとも1つの座席26が自動車に乗る少なくとも一人の乗客を収容するために配置される、搭乗者区画を含む。
【0022】
乗客室12は、前車輪14a及び14bを運ぶ前部12aと後車輪16を運ぶ後部12bを備える。
【0023】
乗客室12の後部12bの床は、
図1に見ることができるように、前部12aの床に対して持ち上げられ、前部12aの床より地面に対して高く設置される。さらに乗客室12の後部12bは、
図3で明確に示されるように、前部12aより横の大きさが小さいことが好ましい。
【0024】
左と右の前車輪14a及び14bは、乗客室12の中央長手方向平面(
図3及び6でPで示される)に対して乗客室12のそれぞれの側面に設置される。中央後車輪16は、説明される実施形態において対の車輪であるが、単一の車輪であることもできる。
【0025】
描かれた実施形態において、自動車10は、二対の左と右の支持アーム18及び20、すなわち、飛行形態で乗客室12の前側に配置される、第1の対の左と右の支持アーム18及び20と、飛行形態で乗客室12の後側に配置される第2の対の左と右の支持アーム18及び20を備える(
図6参照)。
【0026】
それぞれの支持アーム18及び20は、乗客室12に対するそれぞれの回転軸(実質的に垂直に配向されることが好ましい)の周りの回転のために乗客室12に支持アームの近位端18a及び20aにおいて旋回可能に接続される。描かれた実施形態において、第1及び第2の対の支持アームの左の支持アーム18は、以後、左回転軸という、同じ回転軸z
Lの周りを乗客室12とヒンジで動くようにされながら、第1及び第2の対の支持アームの右の支持アーム20は、以後、右回転軸という、同じ回転軸z
Rの周りを乗客室12とヒンジで動くようにされることが好ましい。
【0027】
支持アーム18及び20は、それぞれ接続ヒンジ28及び30によって乗客室12に旋回可能に接続され、接続ヒンジは、乗客室の前部12aと後部12bの間の位置において乗客室12の床の下に設置されることが好ましい。
【0028】
描かれた実施形態において、左の支持アーム18は、同じ接続ヒンジ28によって乗客室12に旋回可能に接続される。同様に、右の支持アーム20は、同じ接続ヒンジ30によって乗客室12に旋回可能に接続される。
【0029】
それぞれ支持アーム18及び20は、それぞれ左の支持アーム18及び右の支持アーム20のために18b及び20bで示される、支持アームの遠位端においてそれぞれの回転翼アセンブリ22及び24を運ぶ。
【0030】
描かれる実施形態におけるように、支持アーム18及び20の遠位端18b及び20bは、回転翼アセンブリ22及び24がそれぞれ前車輪14a、14b及び後車輪16の回転軸x
F及びx
Rを通る平面上に設置されるように、近位端18a及び20aに対して持ち上げられることが好ましい。
【0031】
支持アーム18及び20は、延伸した位置(自動車の飛行形態に対応する)及び後退した位置(自動車の路上形態に対応する)の間でそれぞれの回転軸z
L及びz
Rの周りで回転可能である。
【0032】
延伸した位置において、支持アーム18及び20は、乗客室12の全体の横の大きさの外側に少なくとも一部があり、ここで、用語「全体の横の大きさ」は、中央長手方向平面Pに対する左の前車輪14aの最も遠い点から中央長手方向平面Pに対する右の前車輪14bの最も遠い点の距離に対応する、乗客室の最大幅を示すことを意味する。
【0033】
後退した位置において、支持アーム18及び20は、両方とも後方に面し、乗客室12の中央長手方向平面Pに実質的に平行に置かれ、回転翼アセンブリ22及び24は、後車輪16の両側に乗客室12の下に収容される。
【0034】
支持アーム18及び20は、後退した位置において、2つの左の支持アーム18は、お互いに少なくとも一部が重なり、これらの支持アームによって運ばれる回転翼アセンブリ22が後車輪16の左側面に並んで配置されながら、右の支持アーム20は、お互いに少なくとも一部が重なり、これらの支持アームによって運ばれる回転翼アセンブリ24は、後車輪16の右側に並んで配置されることが好ましい。
【0035】
それぞれの回転翼アセンブリ22、24は、少なくとも1つの回転翼、好ましくは、描かれた実施形態におけるように、2つの回転翼22a、24a及び22b、24b、すなわち、左の支持アーム18によって運ばれる回転翼アセンブリ22のそれぞれのための上部回転翼22a及び下部回転翼22bと、右の支持アーム20によって運ばれる回転翼アセンブリ24のそれぞれのための上部回転翼24a及び下部回転翼24bを備える。回転翼アセンブリ22の上部及び下部回転翼22a、22bは、左の支持アーム18の遠位端18bの両側のお互いに同軸に配置され、お互いに対して反対方向に回転するように駆動されることが好ましい。同様に、回転翼アセンブリ24の上部及び下部回転翼24a、24bは、右の支持アーム20の遠位端20bの両側にお互いに同軸に配置され、また、お互いに対して反対方向に回転するように駆動されることが好ましい。
【0036】
それぞれの回転翼22a、24a、22b及び24bは、回転翼ハブ32と、回転翼ハブ32に、回転翼羽根の半径方向内部端において取り付けられる回転翼羽根34(好ましくは少なくとも4つの回転翼羽根34)の一組を備える。回転翼羽根34は、展開可能な羽根として構成され、そのため作用位置と非作用位置の間お互いに対して回転翼羽根34を動かすための機構(図示しないが、それ自体は既知のタイプのもの)が備えられる。作用位置において、回転翼羽根28は、完全に展開され、実質的にお互いから等しい角度で空間を空けられる。非作用位置において、回転翼羽根34は、完全にお互いに重なる、またはさらにおおよそ少なくともお互いに一部が重なる。描かれる実施形態においてのように、自動車10の飛行形態において、回転翼羽根34は、支持アーム18及び20のように、乗客室12の中央長辺方向平面Pに実質的に並行に延在する。
【0037】
回転翼アセンブリ22及び24の回転翼22a、24a及び22b、24bは、飛行形態において、自動車10にあるまたはすべての方向において操縦性を保証するために、回転翼を傾けるように構成される。さらに、回転翼アセンブリ22及び24は、従来の制御(サイクルピッチ制御、コレクティブピッチ制御など)が提供される。
【0038】
自動車の電子制御ユニット(図示せず)は、例えば運転者によって提供される制御入力に基づいて、延伸した及び後退した位置の間の支持アーム18及び20の動作と、作用及び省スペース位置の間の回転翼羽根34の動作を制御する。
【0039】
すでに上で述べられたように、自動車10は、その結果、支持アーム18及び20が後退位置であり、回転翼羽根34が非作用位置である路上形態(
図1乃至3)と、支持アーム18及び20が延伸した位置及び回転翼羽根34が作用位置である、飛行形態の間を切り替え可能である。
【0040】
自動車10の路上形態において、中央後車輪16の両側において乗客室12の後部12bの下に回転翼アセンブリ22及び24の配置する結果、本発明の自動車は、従来技術よりもさらにコンパクトな構造を有する。さらに特に、本発明の自動車は、路上形態において、それぞれの回転翼アセンブリ22及び24を備える支持アーム18及び20を収容するための追加の横スペースを必要としない。
【0041】
当然に、変わらない本発明の原理、実施形態及び構造の詳細は、包含された請求項に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、非限定の実施例によって完全に記載され、描かれたそれらから広く変えることができる。
【国際調査報告】