特表2020-528068(P2020-528068A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-528068ステロイド系誘導体FXRアゴニストの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-528068(P2020-528068A)
(43)【公表日】2020年9月17日
(54)【発明の名称】ステロイド系誘導体FXRアゴニストの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07J 43/00 20060101AFI20200821BHJP
   C07J 9/00 20060101ALI20200821BHJP
   A61K 31/58 20060101ALI20200821BHJP
   A61K 31/575 20060101ALI20200821BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200821BHJP
【FI】
   C07J43/00
   C07J9/00CSP
   A61K31/58
   A61K31/575
   A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2020-504103(P2020-504103)
(86)(22)【出願日】2018年7月26日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月27日
(86)【国際出願番号】CN2018097158
(87)【国際公開番号】WO2019020067
(87)【国際公開日】20190131
(31)【優先権主張番号】201710619420.1
(32)【優先日】2017年7月26日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,フアリン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ハイン
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,フェイ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C091
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086DA11
4C086DA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC02
4C086ZC41
4C091AA01
4C091CC01
4C091DD01
4C091EE04
4C091FF04
4C091GG02
4C091GG13
4C091HH01
4C091JJ03
4C091KK01
4C091LL01
4C091MM03
4C091NN01
4C091PA02
4C091PA05
4C091PA07
4C091PB03
4C091QQ01
4C091RR08
(57)【要約】
本願は、医薬品化学分野に関し、ステロイド系誘導体FXRアゴニストの製造方法及び関連の中間体に関する。具体的に、本願は、式Iの化合物の製造方法に関する。当該方法は、式8の化合物と式9の化合物とを反応させて式10の化合物を得ることと、式10の化合物から反応を経て式11の化合物を得ることと、式11の化合物から反応を経て式Iの化合物を得ることとを含む。本願はさらに、使用される中間体、中間体の製造方法及び中間体の使用にも関する。本願に係る製造方法は、反応が温和な条件で行われ、一部のステップで複数の官能基を同時に変換して、効果的にステップを減少できるため、産業化された生産に適する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式8の化合物と式9の化合物とを反応させて式10の化合物を得る、ステップa)と、
【化1】

式10の化合物から反応を経て式11の化合物を得る、ステップb)と、
【化2】

式11の化合物から反応を経て式Iの化合物を得る、ステップc)とを含み、
【化3】

ただし、RはH、Cl、Br又はFから選択され、
及びPはそれぞれヒドロキシ保護基から独立して選択され、
Mは金属陽イオンから選択される、以下の式Iの化合物の製造方法。
【化4】
【請求項2】
前記P及びPはそれぞれ、アルカリ性条件下で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から独立して選択され、好ましくは、前記P及びPはそれぞれ、pH 7.5以上の条件で上記ステロイ
ド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から独立して選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、好ましくは、前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、メチルエーテル、t−ブチル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、テトラヒドロフリル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル基又はピバロイル基から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記Pはシリルエーテル系保護基から選択され、好ましくは、前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基又はt−ブチルジフェニルシリル基から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記Mはアルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンから選択され、好ましくは、前記MはLi、Na、K、Ca2+又はMg2+から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
ステップa)で、反応は塩基の存在下で行われ、好ましくは、前記塩基はpKa 12以上の塩基から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
ステップb)で、反応は塩基の存在下で行われ、好ましくは、前記塩基はpKa 12以上の塩基から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
ステップc)で、反応は酸の存在下で行われ、好ましくは、前記酸により反応はpH 6以下の条件で行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
式4の化合物を原料として、アルコールとのエステル化反応により式5の化合物を得る、ステップd)と、
【化5】

式5の化合物の3位のヒドロキシ基に保護基を連結して式6の化合物を得る、ステップe)と、
【化6】

式6の化合物から反応を経て式7の化合物を得る、ステップf)と、
【化7】

式7の化合物の7位及び23位のヒドロキシ基に保護基Pを連結して式12の化合物を得る、ステップg−1)と、式12の化合物から反応を経て23位のヒドロキシ保護基Pを除去して式8の化合物を得る、ステップg−2)とをさらに含み、
【化8】

ただし、RはC1−6アルキル基から選択される、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記RはC1−4アルキル基から選択され、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択される、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
式4の化合物を原料として、アルコールとのエステル化反応により式5の化合物を得る、ステップd)と、
【化9】

式5の化合物の3位のヒドロキシ基に保護基を連結して式6の化合物を得る、ステップe)と、
【化10】

式6の化合物から反応を経て式7の化合物を得る、ステップf)と、
【化11】

式7の化合物の7位及び23位のヒドロキシ基に保護基Pを連結して式12の化合物を得る、ステップg−1)と、式12の化合物から反応を経て23位のヒドロキシ保護基Pを除去して式8の化合物を得る、ステップg−2)とを含み、
【化12】

ただし、P及びPはそれぞれヒドロキシ保護基から独立して選択され、
はC1−6アルキル基から選択される、式8の化合物の製造方法。
【請求項12】
前記P及びPはそれぞれ、非酸性条件で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位のヒドロキシ基を効果的に保護できる保護基から独立して選択され、好ましくは、前記P及びPはそれぞれ、pH 7以上の条件で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から独立して選択される、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、好ましくは、前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、メチルエーテル、t−ブチル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、テトラヒドロフリル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル基又はピバロイル基から選択される、請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
前記Pはシリルエーテル系保護基から選択され、好ましくは、前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基又はt−ブチルジフェニルシリル基から選択される、請求項11に記載の製造方法。
【請求項15】
前記RはC1−4アルキル基から選択され、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択される、請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項16】
以下に示す化合物において、
【化13】

はH、Cl、Br又はFから選択され、
はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択され、
はシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、
はシリルエーテル系保護基から選択され、
Mは金属陽イオンから選択される、化合物。
【請求項17】
前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、メチルエーテル、t−ブチル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、テトラヒドロフリル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル基又はピバロイル基から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記Pはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基又はt−ブチルジフェニルシリル基から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
前記Mはアルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンから選択され、好ましくはLi、Na、K、Ca2+又はMg2+から選択され、より好ましくはNa又はKから選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
【化14】


から選択される請求項16に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、医薬品化学分野に関し、具体的に、本願は、ステロイド系誘導体FXRアゴニストの製造方法及び関連の中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
ファルネソイドX受容体(FXR)はラット肝臓cDNAライブラリーに同定されたオーファン核内受容体であり(BM. Forman,et al.,Cell 81:687-693(1995))、昆虫脱皮ホ
ルモン受容体と密接に関係する。FXRはステロイド、レチノイド、甲状腺ホルモン受容体を含むリガンド−活性化転写因子核内受容体ファミリーのメンバーである(DJ.Mangelsdorf,et al.,Cell 83:841-850(1995))。ノーザンブロッティング及びインサイチュ分析
によって、肝臓、腸、腎臓及び副腎におけるFXRの大量発現が確認された(BM. Forman,et al.,Cell 81:687-693(1995)、W. Seol,et al.,Mol. Endocrinnol,9:72-85(1995))。FXRは9−シス型レチノイン酸受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成してDNAと結合する。FXR/RXRヘテロ二量体はAG(G/T)TCAを共有する2コピーの核内受容体ハーフサイトからなる成分と優先的に結合して、逆方向の反復を形成して単一ヌクレオチドによって分離される(IR−1モチーフ)(BM. Forman,et al.,Cell 81:687-693(1995))。しかしながら、これらの化合物はマウス及びヒトのFXRを活性化できない
ため、内因性FXRリガンドが自然由来であるかどうかは決定できない。一部の自然発生したコール酸は生理的濃度でFXRとの結合後に活性化させる(国際出願第200037077(A1)号、2000年6月29日公表))。従って、FXRリガンドとしてのコール酸はケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、これらのコール酸のタウリンとグリシン共役物を含む。
【発明の概要】
【0003】
本願の一つの態様は、式Iの化合物の製造方法を提供し、
【化1】
式8の化合物と式9の化合物とを反応させて式10の化合物を得る、ステップa)と、
【化2】
式10の化合物から反応を経て式11の化合物を得る、ステップb)と、
【化3】
式11の化合物から反応を経て式Iの化合物を得る、ステップc)とを含み、
【化4】
ただし、RはH、Cl、Br又はFから選択され、
及びPはそれぞれヒドロキシ保護基から独立して選択され、
Mは金属陽イオンから選択される。
【0004】
本願のもう一つの態様は、式8の化合物的製造方法を提供し、
式4の化合物を原料として、アルコールとのエステル化反応により式5の化合物を得る、ステップd)と、
【化5】
式5の化合物の3位のヒドロキシ基に保護基を連結して式6の化合物を得る、ステップe)と、
【化6】

式6の化合物から反応を経て式7の化合物を得る、ステップf)と、
【化7】
式7の化合物の7位及び23位のヒドロキシ基に保護基Pを連結して式12の化合物を得る、ステップg−1)と、式12の化合物から反応を経て23位のヒドロキシ保護基Pを除去して式8の化合物を得る、ステップg−2)とを含むステップg)とを含み、
【化8】
ただし、RはC1−6アルキル基から選択され、
及びPはそれぞれヒドロキシ保護基から独立して選択される。
【0005】
いくつかの実施形態において、前記P及びPはそれぞれ、アルカリ性条件で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から独立して選択され、好ましくはpH 7.5以上、pH 8以上、pH 8.5以上、pH 9以上、pH 9.5以上、pH 10以上、pH 10.5以上、pH 11以上、pH 11.5以上又はpH 12以上の条件で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から選択される。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記P及びPはそれぞれ、塩基及び/又はプロトン性溶媒の存在下で上記ステロイド化合物の3位及び/又は7位に連結された酸素原子との連結を保持するヒドロキシ保護基から独立して選択される。いくつかの実施形態において、前記塩基はpKa 5以上、好ましくはpKa 以上6、pKa 8以上50以下、pKa 10以上50以下、又はpKa 10以上40以下の塩基から選択され、又は好ましくは、前記塩基はトリエチルアミン(TEA)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、イミダゾール、NaOH、KOH、LiOH、Mg(OH)、Ca(OH)、NaH、KH、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、KHMDS、NaHMDS、Na、K、KHCO、NaHCO、KCO又はNaCOから選択される。いくつかの実施形態において、前記プロトン性溶媒はC1−6アルコール又は水から選択され、好ましくはイソプロパノール、エタノール、メタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール又は水から選択される。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、好ま
しくはトリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、メチルエーテル、t−ブチル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基(DMTr)、メトキシメチル基(MOM)、ベンジルオキシメチル基(BnOM)、テトラヒドロフリル基(THP)、ホルミル基、アセチル基(Ac)、クロロアセチル基(CAc)、メトキシアセチル基(MAc)又はピバロイル基(Pv)から選択され、より好ましくはトリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)又はメトキシメチル基(MOM)から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記Pはシリルエーテル系保護基から選択され、好ましくはトリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)又はt−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)から選択され、より好ましくはトリメチルシリル基(TMS)に選択される。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記Mはアルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンから選択され、好ましくはLi、Na、K、Ca2+又はMg2+から選択され、より好ましくはNa又はKから選択される。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記RはC1−4アルキル基から選択され、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態において、ステップa)で、反応は塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記塩基はpKa 12以上の塩基から選択され、好ましくはpKa 15以上の塩基、pKa 15以上50以下の塩基、pKa 15以上40以下の塩基又はpKa 15以上35以下の塩基から選択され、又は好ましくは、前記塩基はNaOH、KOH、LiOH、NaH、KH、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、KHMDS、NaHMDS、Na又はKから選択され、より好ましくはナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、KHMDS、NaHMDS、NaH、KH又はNaから選択され、さらに好ましくはナトリウムt−ブトキシド又はカリウムt−ブトキシドから選択される。
【0012】
いくつかの実施形態において、ステップa)で、反応に使用される溶媒は、非プロトン性溶媒から選択され、好ましくは、エーテル系、ケトン系、ニトリル系、アミド系、スルホン系、ピリジン系の溶媒から選択され、より好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジエトキシ-エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、2−オクタノン、アセトニトリル、プロパンニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド又はピリジンから選択され、さらに好ましくは、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトニトリルから選択される。
【0013】
いくつかの実施形態において、ステップa)で、反応温度は比較的広い範囲から選択できる。いくつかの実施形態において、反応温度は−30〜100℃から選択され、好ましくは、−20〜80℃から選択され、より好ましくは−15〜70℃から選択され、さらに好ましくは−10〜60℃から選択される。
【0014】
いくつかの実施形態において、ステップb)で、反応は塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記塩基はpKa 12以上の塩基から選択され、好ましくは、pKa 15以上の塩基、pKa 15以上50以下の塩基、pKa 15以上40以下の塩基又はpKa 15以上35以下の塩基から選択され、又は好ましくは、前記塩基はNaOH、KOH、LiOH、Mg(OH)、Ca(OH)、NaH、KH、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、KHMDS又はNaHMDSから選択され、より好ましくは、NaOH、KOH、LiOH又はナトリウムメトキシドから選択される。いくつかの実施形態において、ステップb)で、前記式10の化合物と前記塩基との投入量(mol量で計算)の比は1:5〜60から選択され、好ましくは1:10〜50から選択され、より好ましくは1:15〜40から選択され、さらに好ましくは1:15〜30から選択される、又は好ましくは、前記式10の化合物と前記塩基との投入量(mol量で計算)の比は1:5、1:10、1:15、1:20、1:25、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55又は1:60から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、ステップb)で、反応はプロトン性溶媒の存在下で行われ、前記プロトン性溶媒はC1−6アルコール又は水から選択され、好ましくは、イソプロパノール、エタノール、メタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール又は水から選択され、より好ましくは、エタノール又は水から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、ステップb)で、反応温度は20〜180℃から選択され、好ましくは、40〜160℃から選択され、より好ましくは60〜140℃から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態において、ステップc)で、反応は酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記酸により反応はpH 6以下の条件で行われ、好ましくは、pH 5.5以下、pH 5以下、pH 4.5以下又はpH 4以下の条件で行われる。いくつかの実施形態において、ステップc)で、前記酸はプロトン酸から選択され、好ましくは、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸から選択され、より好ましくは塩酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又はp−トルエンスルホン酸から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態において、ステップc)で、反応に使用される溶媒は、比較的広い範囲から選択できる。例えば、プロトン性及び/又は非プロトン性の溶媒から選択され、好ましくはテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン又はN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール又は水から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、ステップc)で、反応温度は−30〜100℃から選択され、好ましくは−15〜80℃から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態において、ステップd)で、前記アルコールはC1−6のアルコールから選択され、好ましくは、C1−4のアルコールから選択され、より好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールから選択される。
【0021】
いくつかの実施形態において、ステップd)で、反応は酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記酸はプロトン酸又はルイス酸から選択され、好ましくは、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、AlCl、FeCl又はBFから選択され、より好ましくは、塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホン酸から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、ステップd)で、反応温度は40〜120℃から選択され、好ましくは60〜100℃から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態において、ステップe)で、反応は塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記塩基はトリエチルアミン(TEA)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、イミダゾール、NaCO、KCO、CsCO、NaH又はKHから選択され、好ましくはTEA、DIPEA、DBU、ピリジン、イミダゾール、NaCO又はKCOから選択される。いくつかの実施形態において、ステップe)で、前記式5の化合物と前記塩基との投入量(mol量で計算)の比は1:0.5〜10から選択され、好ましくは1:0.8〜8から選択され、より好ましく1:1〜6から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態において、ステップe)で、反応に使用される溶媒は、非プロトン性溶媒から選択され、好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジエトキシ-エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン、DCM、酢酸エチル、CHCN、トルエン、キシレン、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、2−オクタノン、DMF又はDMSOから選択され、より好ましくはTHF、DCM、酢酸エチル、CHCN、トルエン、アセトン又はDMFから選択される。
【0025】
いくつかの実施形態において、ステップe)で、反応温度は−10〜100℃から選択され、好ましくは0〜60℃から選択される。
【0026】
いくつかの実施形態において、ステップf)で、反応は還元剤の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記還元剤は水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(Red−Al)、BH、NaBH、KBH又はZn(BHから選択され、好ましくは水素化リチウムアルミニウムに選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、ステップf)で、反応に使用される溶媒は、プロトン性又は非プロトン性の溶媒から選択され、好ましくはTHF、ジオキサン、メタノール、エタノール又はt−ブチルメチルエーテルから選択される。
【0028】
いくつかの実施形態において、ステップf)で、反応温度は−30〜80℃から選択され、好ましくは−15〜60℃から選択される。
【0029】
いくつかの実施形態において、ステップg−1)で、反応は塩基の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、前記塩基はpKa 5以上の塩基から選択され、好ましくは、pKa 6以上、pKa 8以上、pKa 10以上、pKa 5以上30以下、pKa 5以上20以下、pKa 6以上30以下、pKa 8以上30以下、pKa 10以上30以下、pKa 6以上20以下、pKa 8以上20以下、pKa 10以上20以下の塩基から選択され、いくつかの実施形態において、前記塩基は、トリエチルアミン(TEA)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)又はイミダゾールから選択され、好ましくは、トリエチルアミン(TEA)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジン又はイミダゾールから選択される。
【0030】
いくつかの実施形態において、ステップg−2)で、反応はpH 7以上の条件で行われる。いくつかの実施形態において、好ましくは、前記反応はpH 7.5以上、pH 8以上又はpH 8.5以上の条件で行われる。いくつかの実施形態において、pHを調節するための塩基は、KHCO、NaHCO、KCO又はNaCOから選択され、好ましくは、KCO又はNaCOから選択される。いくつかの実施形態において、ステップg−2)で、pHを調節するための前記塩基の投入量は、反応が適切なpH条件で行われていれば、比較的広い範囲から選択できる。いくつかの実施形態において、前記式7の化合物と、pHを調節するための塩基との投入量(mol量で計算)の比は、1:0.5〜10から選択され、好ましくは1:1〜8から選択され、より好ましくは1:2〜6から選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、ステップg−1)で、反応に使用される溶媒は、非プロトン性溶媒から選択され、好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジエトキシ-エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、THF、1,4−ジオキサン、DCM、酢酸エチル、CHCN、トルエン、キシレン、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、2−オクタノン、DMF、DMSO、n−ヘキサン又はシクロヘキサンから選択され、より好ましくは、DCM、THF、トルエン、n−ヘキサン又はシクロヘキサンから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、ステップg−2)で、反応はプロトン性溶媒の存在下で行われ、前記プロトン性溶媒は、C1−6アルコール又は水から選択され、好ましくは、イソプロパノール、エタノール、メタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール又は水から選択される、より好ましくは、メタノール又はエタノールから選択される。
【0033】
中間体
本願のもう一つの態様は、以下の式6の化合物、式7の化合物、式8の化合物、式10の化合物及び式11の化合物を提供し、
【化9】
ただし、RはH、Cl、Br又はFから選択され、
はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択され、
はシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテ
ル系保護基又はエステル系保護基から選択され、
はシリルエーテル系保護基から選択され、
Mは金属陽イオンから選択される。
【0034】
本願のもう一つの態様は、式8の化合物又は式Iの化合物を製造するための、以下の式6の化合物及び式7の化合物の使用を提供し、
【化10】
ただし、前記RはH、Cl、Br又はFから選択され、
前記Rはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基から選択され、
前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、
前記Pはシリルエーテル系保護基から選択される。
【0035】
本願のもう一つの態様は、式Iの化合物を製造するための、以下の式8の化合物、式10の化合物及び式11の化合物の使用を提供し、
【化11】
ただし、前記RはH、Cl、Br又はFから選択され、
前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエ
ーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、
前記Pはシリルエーテル系保護基から選択され、
前記Mは金属陽イオンから選択される。
【0036】
いくつかの実施形態において、上記中間体又はその使用で、前記Mはアルカリ金属陽イオン又はアルカリ土類金属陽イオンから選択され、好ましくは、Li、Na、K、Ca2+又はMg2+から選択され、より好ましくは、Na又はKから選択される。
【0037】
いくつかの実施形態において、上記中間体又はその使用で、前記Pはシリルエーテル系保護基、アルキルエーテル系保護基、アルコキシメチルエーテル系保護基又はエステル系保護基から選択され、好ましくは、トリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、メチルエーテル、t−ブチル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基(DMTr)、メトキシメチル基(MOM)、ベンジルオキシメチル基(BnOM)、テトラヒドロフリル基(THP)、ホルミル基、アセチル基(Ac)、クロロアセチル基(CAc)、メトキシアセチル基(MAc)又はピバロイル基(Pv)から選択され、より好ましくは、トリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)又はメトキシメチル基(MOM)から選択される。
【0038】
いくつかの実施形態において、上記中間体又はその使用で、前記Pはシリルエーテル系保護基から選択され、好ましくは、トリメチルシリル基(TMS)、トリエチルシリル基(TES)、t−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)又はt−ブチルジフェニルシリル基(TBDPS)から選択され、より好ましくは、トリメチルシリル基(TMS)に選択される。
【0039】
本願のいくつかの実施形態において、前記式6の化合物は、以下の化合物に選択される。
【化12】
【0040】
本願のいくつかの実施形態において、前記式7の化合物は、以下の化合物に選択される。
【化13】
【0041】
本願のいくつかの実施形態において、前記式8の化合物は、以下の化合物に選択される。
【化14】
【0042】
本願のいくつかの実施形態において、前記式10の化合物は、以下の化合物に選択される。
【化15】
【0043】
本願のいくつかの実施形態において、前記式11の化合物は、以下の化合物に選択される。
【化16】
【0044】
定義と用語
特に説明された場合を除き、本明細書で使用されている用語及び表現は、以下記載の意味を有する。特定の用語又は表現は、特に定義された場合を除き、不明確又は不明瞭なものとしてではなく、本分野通常の意味で理解されるべきである。本明細書に商品名が記載された場合、対応する製品又はその有効成分を指す。
【0045】
本願において、用語「アルキル基」は、その全ての異性体の形態を含む。例えば、プロピル基は、n−プロピル基、イソプロピル基を含み、ブチル基は、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基を含む。
【0046】
本願において、保護基及びその連結又は除去の方法は、本分野の通常方法によって実現できる。当該方法は、1ステップだけの反応でもよければ、複数のステップの反応でもよい。例えば、Wiley社出版の「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis
- 4th Edition」又は化学工業出版社による「保護基化学」を参照できるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明に係る化合物には、特定の幾何異性体又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明に関連するこのような化合物は、シス異性体とトランス異性体、(−)−エナンチオマーと(+)−エナンチオマー、(R)−エナンチオマーと(S)−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、及びラセミ混合物と他の混合物、例えばエナンチオマー又はジアステレオマーを大量に含有する混合物を含み、これらの混合物はいずれも本発明の範囲に含まれる。アルキル基などの置換基には、他にも不斉炭素原子が存在してもよい。上記全ての異性体及びそれらの混合物は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0048】
本願において、用語「pKa」は、酸から水素イオンが放出される能力を表す酸解離定数である。本分野の常識によれば、塩基のpKaの数値は、その共役酸によって測定される。
【0049】
本願において、本分野の常識に従ってステロイド化合物の各原子に番号を付けることができる。例えば、高等教育出版社によるケイ其毅著「基礎有機化学−第三版」を非限定的に参照できる。本願に係る式7の化合物を例にとり、以下に示すように、3位、7位、23位の原子を注記する。
【化17】
【発明の効果】
【0050】
本願に係る製造方法によれば、反応は温和な条件で行われ、例えば常圧下でも行えるため、反応温度をコントロールしやすい。また、本願に係る製造方法において、一部のステップで複数の官能基を同時に変換して、効果的にステップを減少できるため、産業化された生産に適する。
【実施例】
【0051】
以下、本発明の内容をよりよく理解できるように、具体的な実施例を踏まえて更なる説明をするが、記載されている具体的な実施形態は、本発明の内容に対する制限ではない。
【0052】
製造実施例1:式8aの化合物の製造
ステップ1−1 式5aの化合物の製造
【化18】
25℃で、メタノール(33L)を50L反応器に加え、基質4(3.330kg、8.23mol)を反応器に加えて、p−トルエンスルホン酸一水和物(156.6g、0.823mol)を加え、反応液を60℃に加熱して、当該温度で12時間攪拌した。TLCによって反応を監視して、原料が消失したことが示され、HPLCによって約100%の産物が生成したことが示された。反応液を室温に冷却して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH値を約9に調節して、溶液を遠心脱水して粗生成物を得て、酢酸エチル(30L)で粗生成物を溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(9L)と、水(9L)と、飽和食塩水(9L)とを順に使用して洗浄した。有機相を遠心脱水して製品を得た。産物の性状は褐色の油状液体である。
【0053】
H NMR(400MHz,CDCl)δ3.66(s,3H),3.61−3.49(m,1H),2.74−2.66(m,1H),2.48−2.33(m,2H),2.24−2.15(m,1H),2.07−1.61(m,13H),1.54−1.40(m,3H),1.31−1.07(m,6H),1.02−0.77(m,9H),0.69(s,3H)。
【0054】
ステップ1−2 式6aの化合物の製造
【化19】
ジクロロメタン(30L)で式5aの化合物(3100g)を溶解して、イミダゾール(529.4g)と、トリエチルアミン(786.8g)とを順に加え、反応器内で冷却した(内部温度は5℃)。当該温度でTBDPSCl(2140g)を徐々に滴下し、滴下する過程で温度が10℃を超えないように注意し、滴下完了後に室温で反応液を攪拌して16時間反応させた。TLCによって原料が完全に反応したことが示されると、反応液に水15Lを徐々に滴下して、反応をクエンチした。静置して、反応液が分層すると、下層のジクロロメタン相を取り出して、飽和食塩水(10L)でジクロロメタン相を洗浄し、有機相を濃縮させて産物を得た。産物の性状は褐色の油状液体である。
【0055】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.69−7.63(m,4H),7.45−7.34(m,6H),3.77(br t,J=6.1Hz,1H),3.69(s,3H),3.54−3.44(m,1H),2.57(q,J=6.1Hz,1H),2.46(br dd,J=3.0,14.6Hz,1H),2.36−2.21(m,2H),2.08−1.67(m,9H),1.62−1.17(m,12H),1.12−0.87(m,14H),0.70−0.62(m,6H)。
【0056】
ステップ1−3 式7aの化合物の製造
【化20】
15℃で、テトラヒドロフラン(10L)を50L反応器に加え、Nで保護して反応器にLiAlH(235g、6.2mol)を加えて、反応液を内部温度が5℃になるまで冷却した。テトラヒドロフランで式6aの化合物(2.04kg)を溶解して、LiAlHのテトラヒドロフラン溶液に徐々に滴下して、約2時間30分で滴下を完了した。15℃で反応液を2時間攪拌し、TLCによって反応を監視して、原料が消失したことが示された。反応液にHO(235mL)を徐々に滴下して反応をクエンチして、さらにテトラヒドロフラン溶液(20L)を加え、15%NaOH溶液(235mL)を反応液に徐々に滴下して、12時間攪拌した。反応液を濾過して、ジクロロメタン(3L)でフィルターケーキを洗浄して、濾液を遠心脱水して、油状物質を得た。DCM(15L)で油状物質を溶解して、水(5L)及び飽和食塩水(5L)で有機相をそれぞれ1回洗浄し、濾液を遠心脱水して、白色固体(1.8kg)を得た。反応液を室温(約16℃)に冷却して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpH値を約9に調節し、溶液を(少量が残るように)遠心脱水して粗生成物を得て、酢酸エチル(30L)で粗生成物を溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(9L)と、水(9L)と、飽和食塩水(9L)とで順に洗浄した。有機相を遠心脱水して製品を得た。産物の性状は褐色の油状液体である。
【0057】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.64−7.58(m,4H),7.37−7.25(m,6H),3.68−3.52(m,3H),3.38−3.28(m,1H),1.91−1.03(m,25H),1.02−0.93(m,11H),0.88(d,J=6.5Hz,3H),0.72−0.64(m,6H),0.57(s,3H)。
【0058】
ステップ1−4 式8aの化合物の製造
【化21】
式7aの化合物(3.52kg、5.58mol)の無水ジクロロメタン(35L)溶
液にイミダゾール(1.14kg、16.73mol)を加えた。5℃で、反応系にクロロトリメチルシラン(1770mL、13.95mol)を滴下して、2時間で適加を完了した。15℃で反応系を3時間攪拌した。TLCによって反応がほぼ完了したことを検出した。15℃で反応系に水10Lを加えて、攪拌し、分液した。水10Lと、飽和食塩水10Lとを順に使用してそれぞれ有機相を1回洗浄した。
【0059】
有機相を約5Lに濃縮させて、溶液にエタノール30Lを加えた。15℃で、溶液に炭酸カリウム(1.93kg、13.95mol)を加えた。15℃で反応系を14時間攪拌した。TLCによって反応がほぼ完了したことを検出した。反応液を濾過して、ジクロロメタン3Lでフィルターケーキをリンスした。濾液を濃縮させて、油状物質を得た。ジクロロメタン20Lで油状物質を溶解して、水10Lと、飽和食塩水10Lとを順に使用してそれぞれ1回洗浄した。無水硫酸ナトリウム3kgで有機相を乾燥させて、濾過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュ、230mm×800mm)によって精製し、n−ヘプタン:酢酸エチル=30:1〜20:1にて溶出した。目的化合物8aを得た(3.20kg、収率82%、純度87%)。
【0060】
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.77−7.64(m,4H),7.45−7.32(m,6H),3.78−3.56(m,3H),3.43−3.31(m,1H),1.98−1.13(m,24H),1.07(s,9H),0.97(d,J=6.5Hz,3H),0.83−0.74(m,4H),0.68−0.55(m,6H),0.17−0.05(m,9H)。
【0061】
製造実施例2:式I−Clの化合物の製造
ステップ2−1 式10aの化合物の製造
【化22】
反応器に式8aの化合物(2498.0g、3.10mol)を加えて、THF(12.5L)で溶解し、内部温度を5〜10℃に制限して、徐々にt−BuONa(614.2g、6.20mol)を加え、約40分間で加え終えたら、10分間攪拌して、20〜23℃に昇温して1時間30分攪拌して、5〜10℃に冷却した。内部温度を保持して、反応液に式9aの化合物のTHF溶液(12.5L、6.20moL、1073.1g)を滴下して、60℃に昇温した。1時間30分攪拌して、TLC及びHPLCによって完全に反応したことが検出されると、20℃に冷却した。水25Lを加えてクエンチし、酢酸エチルで(25L×2)抽出して、有機相を合わせて、飽和食塩水で(25L×3)洗浄した。遠心脱水して油状の粗生成物を得た。粗生成物をアセトン2.5Lに溶解して、3つの10L三口フラスコに合計で6.6×3Lのメタノールを加えた。内部温度を−10〜−15℃に制限して、粗生成物溶液を徐々に滴下して、攪拌すると、大量の固体が析出した。濾過し、メタノール3.0Lでフィルターケーキを洗浄して、黄色の固体を得た(乾燥されていない)。黄色固体にメタノール18.0Lを加えて、一晩スラリー化させた。濾過して、メタノール3.0Lでフィルターケーキを洗浄して、黄色の固体を得て(乾燥されていない)、黄色固体にメタノール18.0Lを加え、一晩スラリー化させて濾過して、メタノール2.0Lでフィルターケーキを洗浄した。24時間真空乾燥させて、黄色固体2522.0g、すなわち式10aの化合物を得た(2522.0g、収率90%、純度92.9%)。
【0062】
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.25(d,J=2.0Hz,1H),7.73(d,J=2.0Hz,1H),7.63−7.51(m,4H),7.33−7.21(m,6H),4.48−4.27(m,2H),3.50(s,1H),3.31−3.18(m,1H),1.98−1.03(m,27H),0.95(s,9H),0.73−0.64(m,4H),0.58−0.46(m,6H),0.00(s,9H)。
【0063】
ステップ2−2 式11aの化合物の製造
【化23】
反応器(20L)に式10aの化合物(2520.0g、2.79mol)と、EtOH(13.0L)とを加え、攪拌して溶解させ、内部温度を10℃以内に制限して、NaOH(2232.0g、55.8mol)の水溶液(13.0L)を数回に分けて加えた。温度を105℃に上げ、2時間48分攪拌した。TLC及びHPLCによって完全に反応したことが検出されると、反応液を10℃に冷却して、2時間静置し、底部に固体が析出した。上清から19.5Lを除去して、反応液に水39.0Lを加えて、内部温度を12℃に制限して、36時間攪拌した。濾過して、水6.0Lと、アセトニトリル6.0Lとで固体を洗浄して、アセトニトリル10.0Lで2時間スラリー化させて、濾過すると、固体を得た。アセトン12.0Lで16時間スラリー化させ、濾過して、固体を得た。アセトン12.0Lで再度16時間スラリー化させた。濾過して、製品を乾燥させて、白色固体2332.3gの式11aの化合物を得た。(2332.3g、収率94.7%、純度99.7%)。
【0064】
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=8.48(d,J=2.0Hz,1H),8.07(d,J=2.0Hz,1H),7.55(br dd,J=6.5,12.5Hz,4H),7.41−7.11(m,6H),4.52−4.15(m,2H),3.54(br s,1H),3.34−3.22(m,1H),2.04−1.14(m,28H),0.93(s,9H),0.69(s,4H),0.60−0.43(m,6H),0.00(s,9H)。
【0065】
ステップ2−3 式I−Clの化合物の製造
【化24】
反応器(50L)に式11aの化合物(2330.3g、2.65mmol)を加え、THF(24.0L)を加えて溶解させた。内部温度を10℃に制限して、濃HCl(10.0L、120.00mol)を徐々に滴下して、2時間で13℃に昇温させて(室温
)で90時間攪拌した。TLCによって検出して、8〜10℃で水酸化ナトリウム溶液75L(6000g)を徐々に滴下してpHを10に調節し、半時間攪拌してメチルt−ブチルエーテルで(30L×4)抽出し、濃HCl(3000mL)でpHを5に調節して、酢酸エチルで(30L×2)抽出し、水で有機相を(30L×4)洗浄し、有機相を濃縮させて、固体1350gを得た。酢酸エチル2.0Lとn−ヘプタン5.0Lの混合溶媒で当該固体を一晩スラリー化させ、濾過して、固体1280gを得た。酢酸エチル9.0Lを加えて加熱して(80℃)清澄化させた後、徐々に室温(10℃)に冷却した。濾過して、目的化合物1222gを得た。
【0066】
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ=8.69(d,J=2.0Hz,1H),8.23(d,J=2.0Hz,1H),4.67−4.30(m,2H),3.67(br s,1H),3.34−3.22(m,1H),2.10−1.11(m,25H),1.09−0.97(m,3H),0.96−0.86(m,6H),0.73(s,3H)。
【0067】
下記化合物に関する薬理学又は薬物動態学の研究を行った。
【化25】
【0068】
実験例1:インビトロアッセイ
FXR生化学実験
実験目的:
化学増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(alphascreen)により化合物のFXR結合反応に対する活性化作用を検出する。
【0069】
実験材料:
1.タンパク質:グルタチオン−S−転移酵素で標識されたFXRヒトタンパク質(インビトロジェン社提供)
2.共活性化因子:ビオチンで標識されたステロイド受容体補助因子(アナスペック社提供)
3.検出試薬:化学増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(alphascreen)検出キット(パーキンエルマー社提供)
【0070】
実験方法:
1.化合物の希釈:被験化合物の40μMのDMSO溶液を調製して、化合物を3倍希釈して10の濃度を設定した。参照化合物の400μMのDMSO溶液を調製して、1.5倍希釈して10の濃度を設定した。希釈されたDMSO溶液を各ウェル150nLで384マイクロプレートのウェルに加えた。
【0071】
2.グルタチオン−S−転移酵素で標識されたFXRヒトタンパク質及びビオチンで標識されたステロイド受容体補助因子をそれぞれ、濃度0.4nM及び濃度30nMの混合溶液として調製した。各ウェル15μLで384マイクロプレートのウェルに加えた。室温で1時間インキュベートした。
【0072】
4.化学増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(alphascreen)検出キット内の受容体ビーズ混合液を125倍希釈して、各ウェル7.5μLで384マイクロプレートのウェルに加えた。実験過程において暗所条件で操作した。室温で1時間インキュベートした。
【0073】
5.化学増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ(alphascreen)検出キット内の供与体ビーズ混合液を125倍希釈して、各ウェル7.5μLで384マイクロプレートのウェルに加えた。実験過程において暗所条件で操作した。室温で1時間インキュベートした。
【0074】
6.EC50測定:Envisionプレートリーダーを使用して波長680nmにて励起させ、520〜620nmにおける吸収信号を読み取った。
【0075】
7.データ分析:Prism 5.0でデータを分析して、化合物の活性化作用EC50値を算出した。化合物の最大信号値と参照化合物の最大信号値との比値を、化合物の活性化効力パーセンテージ(Efficacy)とした。
【0076】
FXR細胞実験
実験目的:
β−ラクタマーゼレポーター遺伝子を利用して化合物の細胞機能活性に対する影響を検出する。
【0077】
実験材料:
1.細胞株:FXR HEK 293T DA
2.細胞培地:DMEM培地に10%血清及びペニシリン/ストレプトマイシン(1×)添加
3.検出試薬:GeneBLAzer(登録商標)レポーター遺伝子検出キット(インビトロジェン社提供)
【0078】
実験方法:
1.化合物の希釈:被験化合物の100μMのDMSO溶液を調製して、化合物を3倍希釈して10の濃度を設定した。参照化合物の100μMのDMSO溶液を調製して、1.3倍希釈して10の濃度を設定した。希釈されたDMSO溶液を各ウェル200nLで384マイクロプレートのウェルに加えた。
【0079】
2.細胞接種:FXR HEK 293T DA細胞を蘇生させて、培地で再懸濁させ、密度が5×10個/mLになるように希釈して、各ウェル40μLで384マイクロプレートのウェルに加えた。
【0080】
3. 37℃と5%COの条件において、384マイクロプレートを16時間培養した。
【0081】
4.1mMのLiveBLAzer(登録商標)−FRET B/G(CCF4−AM)基質6μLをB溶液60μL及びC溶液934μLと混合させて、各ウェル8μLで384マイクロプレートのウェルに加えた。
【0082】
5.室温下の暗所条件で、384マイクロプレートを2時間インキュベートした。
【0083】
6.EC50測定:Envisionプレートリーダーを使用して波長409nmにて励起させ、460nm及び530nmにおける吸収信号を読み取った。
【0084】
7.データ分析:Prism 5.0でデータを分析して、化合物の活性化作用EC50値を算出した。被験化合物の最大信号値と参照化合物(ケノデオキシコール酸、CDCA)の最大信号値との比値を、化合物の活性化効力パーセンテージ(Efficacy)とした。
【0085】
【表1】
結論:本願化合物はFXR受容体に対し顕著なアゴニスト作用を有し、細胞レベルにおいてもFXR受容体に対して比較的顕著なアゴニスト作用を有する。
【0086】
実験例2:インビボアッセイ
単独投与マウスの薬物動態学研究:
C57BL/6J雄マウス12匹を、1群6匹でランダムに2群に分けた。群1は静脈投与群として、2mg/kg、2mL/kg尾静脈注射投与した(溶媒は10%HPbCD水溶液で、医薬の溶解度が好ましくない場合は、共溶媒を加える)。群2は経口投与群として、10mg/kg、10mL/kg胃内投与した(溶媒は0.5%HPMC水溶液)。静脉投与群は投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間に血漿試料を採取した(K−EDTAで抗凝固)。経口投与群は投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間に血漿試料を採取した。各群の6匹の動物に対し、同一の時刻には3匹の血液サンプルを採取し、1回目の3匹の採取と2回目の3匹の採取は交互に実施した。LC−MS/MSを利用して血漿試料分析を行った。血漿濃度と時間の関係性を示すグラスをプロットし、Phoenix WinNonlin 6.3でPKパラメータを算出した。
【0087】
【表2】
結論:表2に示すように、同一用量の経口投与後、式I−Hの化合物の最高血中濃度は参照化合物オベチコール酸に近く、血中濃度時間曲線下面積は参照化合物オベチコール酸を上回っている。同一用量の経口投与後、式I−Clの化合物の最高血中濃度は参照化合物オベチコール酸を上回り、血中濃度時間曲線下面積も参照化合物オベチコール酸を上回っている。
【0088】
カセットドージング法によるマウス肝臓と血漿の比較実験:
C57BL/6J雄マウス6匹を1群とした。経口投与群として、5種類の被験医薬を含める製剤を2mg/kg/化合物(溶媒は0.5%HPMC水溶液)で胃内投与した。5種類の化合物はそれぞれ溶媒に溶解して、超音波処理又はボルテックスによってそれぞれ1mg/mL溶液(澄清溶液又は懸濁液)を形成し、続いて5種類の化合物溶液を等体積(1:1:1:1:1、v:v:v:v:v)でガラス瓶において混合した。胃内投与後、3匹の動物は投与後30分間に血漿と肝組織の試料を採取し、残り3匹の動物は投与後3時間に、同様のように試料を採取した。肝組織の採取後、氷冷緩衝液(メタノール:15mM PBS緩衝液(pH7.4)=1:2、v:v)を使用して肝組織の重量:緩衝液の体積=1:3にてホモジネートした。予め開発した5種類の機能を統合したLC−MS/MS分析方法を利用して血漿と肝組織の試料の分析を行って、血漿濃度及び肝組織ホモジネート濃度を得て、Excelで肝組織濃度と血漿濃度との比値を算出した。
【0089】
【表3】
【0090】
結論:表3に示すように、本願化合物の同一用量の経口投与後、式I−Hの化合物は0.5時間及び3時間における肝臓中薬物濃度がいずれも参照化合物を上回り、0.5時間及び3時間における肝臓/血漿濃度比も参照化合物を上回っている。
【国際調査報告】