特表2020-528117(P2020-528117A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-528117(P2020-528117A)
(43)【公表日】2020年9月17日
(54)【発明の名称】溝掘り装置および方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 5/06 20060101AFI20200821BHJP
   E02F 5/02 20060101ALI20200821BHJP
   E02F 3/08 20060101ALI20200821BHJP
【FI】
   E02F5/06 A
   E02F5/02 T
   E02F3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-504020(P2020-504020)
(86)(22)【出願日】2018年7月24日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月11日
(86)【国際出願番号】EP2018070008
(87)【国際公開番号】WO2019020611
(87)【国際公開日】20190131
(31)【優先権主張番号】2019360
(32)【優先日】2017年7月27日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518031756
【氏名又は名称】ロイヤル アイエイチシー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンチェスター、ジョナサン ラルフ
(57)【要約】
少なくとも1つのジェット出口を備えた中央支持要素と、中央支持要素の周囲を駆動されるように構成された切削要素とを備える溝掘り装置および方法。この溝掘り装置は、切削要素が中央支持要素の周囲を駆動されることで溝掘り装置の前方の物質を切削する機械的な切削モードと、ポンプが動作して流体を少なくとも1つのジェット出口から噴出させることで溝掘り装置の前方の物質が流動化または切削されるジェット切削モードとで動作できるように構成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのジェット出口を備える中央支持要素と、
前記中央支持要素の周囲を駆動されるように構成された切削要素と
を備える溝掘り装置であって、
当該溝掘り装置は、前記切削要素が前記中央支持要素の周囲を駆動されることで当該溝掘り装置の前方の物質を切削する機械的な切削モードと、ポンプが動作して流体を前記少なくとも1つのジェット出口から噴出させることで当該溝掘り装置の前方の物質が流動化または切削されるジェット切削モードとで動作できるように構成されている、溝掘り装置。
【請求項2】
ジェット切削モードにおいて、前記切削要素の位置が前記中央支持要素に対して固定される、請求項1に記載の溝掘り装置。
【請求項3】
ジェット切削モードにおいて、前記少なくとも1つのジェット出口の各々が、流体が前記切削要素を通って噴出するように前記切削要素のそれぞれの開口部に整列する、請求項1または2に記載の溝掘り装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのジェット出口の各々について前記切削要素の前記それぞれの開口部との整列を決定するための測定要素をさらに備える、請求項3に記載の溝掘り装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのジェット出口の各々が前記切削要素の前記それぞれの開口部に整列するように前記切削要素の移動を停止させるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項3または4に記載の溝掘り装置。
【請求項6】
ジェット切削モードにおいて前記切削要素の移動を防止するためのストッパ要素をさらに備える、請求項2〜5のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項7】
前記中央支持要素は、複数のジェット出口を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのジェット出口は、前記中央支持要素のうちの実質的に前方を向いた表面に位置する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項9】
前記切削要素は、チェーンカッターを備え、前記中央支持要素は、支持アームを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項10】
複数のジェット出口が、前記支持アームのうちの前方を向いた表面上に、前記支持アームの長さに沿って実質的に均一に分布している、請求項9に記載の溝掘り装置。
【請求項11】
前記切削要素は、岩盤ホイールまたはせん断ドラムを備え、前記中央支持要素は、シャフトを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項12】
前記中央支持要素に結合した流体供給口をさらに備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項13】
前記流体供給口からの流体を前記中央支持要素を通って前記少なくとも1つのジェット出口から送り出すように構成されたポンプをさらに備える、請求項12に記載の溝掘り装置。
【請求項14】
前記ポンプは、0.5〜25barの圧力で前記少なくとも1つのジェット出口から流体を噴出させるように構成されている、請求項13に記載の溝掘り装置。
【請求項15】
当該溝掘り装置は、機械的な切削モードにおいて前記ポンプを動作させることにより、前記ジェット出口から流体を噴出させて前記切削要素を洗浄または潤滑するように構成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の溝掘り装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の溝掘り装置を備える溝掘り車両。
【請求項17】
細長い要素を前記切削要素から遠い地面の上方に支持するためのケーブル支持要素をさらに備える、請求項16に記載の溝掘り車両。
【請求項18】
前記細長い要素を切削された溝へと案内し、前記細長い要素を前記溝に配置する前の溝の崩壊を防止するように構成されたシェアおよび押さえ要素をさらに備える、請求項16または17に記載の溝掘り車両。
【請求項19】
溝を切削する方法であって、
少なくとも1つのジェット出口を備える中央支持要素と、前記中央支持要素の周囲を駆動されるように構成された切削要素とを備えており、機械的な切削モードおよびジェット切削モードで動作するように構成された溝掘り装置で、溝を切削するステップと、
前記溝掘り装置を、前記切削要素が前記中央支持要素の周囲を駆動されることで前記溝掘り装置の前方の物質を切削する機械的な切削モード、およびポンプが動作して流体を前記少なくとも1つのジェット出口から噴出させることで前記溝掘り装置の前方の物質が流動化または切削されるジェット切削モードの少なくとも一方で動作させるステップと
を含む方法。
【請求項20】
ジェット切削モードにおいて、前記中央支持要素に対する前記切削要素の位置を固定するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ジェット切削モードにおいて、前記少なくとも1つのジェット出口の各々を、流体が前記切削要素を通って噴出するように前記切削要素のそれぞれの開口部に整列させるステップをさらに含む、請求項19または20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝掘り装置および溝掘り方法に関する。とくには、本発明は、これに限られるわけではないが、比較的硬い地面ならびに比較的緩い物質または砂質の土壌の両方に溝を掘るために適した溝掘り装置および溝掘り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地面への溝の形成は、よく知られた要求であり、典型的には、例えば石油、ガス、水道管、ならびに電気および電気通信ケーブルなどのユーティリティ供給手段を埋設するために使用される。水中の環境において、溝掘りは、管およびケーブルを埋設するために多くの場合に使用され、通常は、例えば海底の性状などの水中の条件に合わせて特別に構成または調整された設備を利用する。本明細書において、「海底」は、とくに明記しない限り、海、湖、または川の底を指して使用される。
【0003】
さまざまなケーブル敷設および埋設設備が利用可能であり、環境および特定のニーズ(例えば、海底の状態および埋設の深さ)に応じて選択可能である。溝を作り、ケーブルまたは管を敷設するためのさまざまな装置が、技術的に知られている。そのような装置として、プラウ、ジェット装置、およびチェーンカッターの形態の土壌切削装置を挙げることができる。ジェットが、通常は、軟らかい土壌または緩い土壌に適する一方で、機械的な切削は、一般に、硬い土壌または密な土壌に適している。土壌切削装置を、自身の動力または外部の手段のいずれかで地面(例えば、海底)を移動する車両に取り付けることができる。例えば、溝掘り車両を、牽引車両または海面の船舶によって牽引することができる。
【0004】
とくには海底に溝を掘る場合に、溝の長さに沿って異なる種類の土壌および/または岩盤に遭遇することが多い。異なる種類の土壌および岩盤を切削するために、異なる種類の切削装置を取り替えて使用することが、多くの場合に有用である。例えば、比較的硬い岩盤を、チェーンカッターまたは他の機械的な切削ツールを使用してより良好に切削できる一方で、比較的砂質の土壌を、ジェット装置を使用してより良好に切削することができる。
【0005】
ジェットプロセスにおいては、大流量および低圧力の水ジェットの組み合わせを使用して、例えば粒状の堆積物を流動化させて移動させることができ、小流量および高圧力の水ジェットを使用して、例えば粘土塊を切削して運ぶことができる。このプロセスにより、ケーブルを埋設できるチャネルが形成される。
【0006】
機械的な切削は、おおむね堅く締まった海底または岩盤に溝を掘るために、切削ホイールまたは切削チェーンを使用することができる。ケーブルを、溝が切削されるときに溝掘り車両の後方の溝へと配置することができる。
【0007】
ジェットまたは機械的な切削プロセスのいずれかに続いて、溝を埋め戻すことで、ケーブルを埋設することができる。
【0008】
現時点において、単一の溝で異なる種類の土壌および岩盤を切削する場合、溝掘り車両を海底から持ち上げ、切削ツールを別の切削ツールと交換した後に、溝掘り車両を再び配置して切削を続行することができる。国際公開第2015/032730号パンフレットが、チェーンカッターをジェット装置で置き換えることができる溝掘り車両を開示している。しかしながら、このようなシステムは、切削ツールを交換するためにケーブルが絶えず持ち上げられ、再び下方へと戻されるがゆえに、ケーブルまたはパイプラインのたるみによる問題を引き起こす可能性がある。
【0009】
図1a〜図1fが、このプロセスにおける問題を示している。図1aに示されるように、溝掘り車両100は、チェーンカッター102を展開して機械的な切削モードで動作している。チェーン切削プロセスにおいて、ケーブル104は、チェーンカッター102からのケーブルの損傷を避けるために、持ち上げられている。
【0010】
図1bに示されるように、溝掘り車両100が砂質の土壌106に到達すると、ケーブル104が海底へと解放されて溝内に位置し、チェーンカッター102が切削位置から引き戻される。次いで、チェーンカッター102がジェットツール108で置き換えられ、溝掘り車両が比較的硬い岩盤110または土壌の領域に達するまで、図1cに示されるように砂質の土壌106にジェットが向けられる。
【0011】
溝掘り車両が比較的硬い岩盤110または土壌の領域に達した時点で、図1dに示されるように、ジェットツール108がチェーンカッター102で置き換えられ、チェーンカッター102が切削位置へと展開される前にケーブル104が持ち上げられる。次いで、溝掘り車両100は、チェーン切削モードで海底を進む。これは、図1eおよび図1fに示されるように、背後にケーブルの隆起部105を残す。これは、切削ツールを何度か交換した後に、ケーブルの予備のたるみが各々の隆起部において溝に沿って絶えず減少するため、ケーブルの張力の増大による問題を引き起こす可能性がある。
【0012】
国際公開第99/54556号パンフレットが、チェーンカッターと、チェーンカッターの背後の位置にあるジェットツールとを有する溝掘り車両を開示している。しかしながら、この装置では、チェーンカッターとジェットツールとの交換が難しくなる可能性があり、物質がチェーンカッターとジェットツールとの間に落下する可能性があるため、チェーンカッターとジェットツールとの間から物質を取り除くために排出装置も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2015/032730号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/54556号パンフレット
【発明の概要】
【0014】
異なる種類の岩盤または土壌の切削により容易に適応することができる溝掘り装置を提供することが、有用であると考えられる。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、
少なくとも1つのジェット出口を備える中央支持要素と、
中央支持要素の周囲を駆動されるように構成された切削要素と
を備える溝掘り装置であって、
当該溝掘り装置は、切削要素が中央支持要素の周囲を駆動されることで当該溝掘り装置の前方の物質を切削する機械的な切削モードと、ポンプが動作して流体を少なくとも1つのジェット出口から噴出させることで当該溝掘り装置の前方の物質が流動化または切削されるジェット切削モードとで動作できるように構成されている、溝掘り装置が提供される。
【0016】
適切には、ジェット切削モードにおいて、切削要素の位置が中央支持要素に対して固定される。
【0017】
適切には、ジェット切削モードにおいて、少なくとも1つのジェット出口の各々が、流体が切削要素を通って噴出するように切削要素のそれぞれの開口部に整列する。
【0018】
適切には、装置は、少なくとも1つのジェット出口の各々の切削要素のそれぞれの開口部との整列を決定するための測定要素をさらに備える。
【0019】
適切には、装置は、少なくとも1つのジェット出口の各々が切削要素のそれぞれの開口部に整列するように切削要素の移動を停止させるように構成されたコントローラをさらに備える。
【0020】
適切には、装置は、ジェット切削モードにおいて切削要素の移動を防止するためのストッパ要素をさらに備える。
【0021】
適切には、中央支持要素は、複数のジェット出口を備える。
【0022】
適切には、少なくとも1つのジェット出口は、中央支持要素のうちの実質的に前方を向いた表面に位置する。
【0023】
適切には、切削要素は、チェーンカッターを備え、中央支持要素は、支持アームを備える。
【0024】
適切には、複数のジェット出口が、支持アームのうちの前方を向いた表面上に、支持アームの長さに沿って実質的に均一に分布する。
【0025】
適切には、切削要素は、岩盤ホイールまたはせん断ドラムを備え、中央支持要素は、シャフトを備える。
【0026】
適切には、装置は、中央支持要素に結合した流体供給口をさらに備える。
【0027】
適切には、装置は、流体供給口からの流体を中央支持要素を通って少なくとも1つのジェット出口から送り出すように構成されたポンプをさらに備える。
【0028】
適切には、ポンプは、0.5〜25barの圧力で少なくとも1つのジェット出口から流体を噴出させるように構成される。
【0029】
適切には、溝掘り装置は、機械的な切削モードにおいてポンプを動作させることにより、ジェット出口から流体を噴出させて切削要素を洗浄または潤滑するように構成される。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による溝掘り装置を備えた溝掘り車両が提供される。
【0031】
好適には、溝掘り車両は、細長い要素を切削要素から遠い地面の上方に支持するためのケーブル支持要素をさらに備える。
【0032】
好適には、溝掘り車両は、細長い要素を切削された溝へと案内し、細長い要素を溝に配置する前の溝の崩壊を防止するように構成されたシェアおよび押さえ要素をさらに備える。
【0033】
本発明の第3の態様によれば、溝を切削する方法であって、
少なくとも1つのジェット出口を備える中央支持要素と、中央支持要素の周囲を駆動されるように構成された切削要素とを備えており、機械的な切削モードおよびジェット切削モードで動作するように構成された溝掘り装置で、溝を切削するステップと、
溝掘り装置を、切削要素が中央支持要素の周囲を駆動されることで溝掘り装置の前方の物質を切削する機械的な切削モード、およびポンプが動作して流体を少なくとも1つのジェット出口から噴出させることで溝掘り装置の前方の物質が流動化または切削されるジェット切削モードの少なくとも一方で動作させるステップと
を含む方法、が提供される。
【0034】
好適には、この方法は、ジェット切削モードにおいて中央支持要素に対する切削要素の位置を固定するステップをさらに含む。
【0035】
好適には、この方法は、ジェット切削モードにおいて少なくとも1つのジェット出口の各々を流体が切削要素を通って噴出するように切削要素のそれぞれの開口部に整列させるステップをさらに含む。
【0036】
先行のいずれかの請求項に記載の方法を実施するように構成された装置。
【0037】
本発明の特定の実施形態は、比較的硬い岩盤または土壌の切削と、比較的緩い土壌または砂質の土壌の切削との間の切り替えをより容易に行うことができる装置を提供する。
【0038】
特定の実施形態は、ケーブルのたるみによる問題が低減または軽減される溝掘り装置を提供する。
【0039】
特定の実施形態は、ツールの交換に必要な時間が短縮されたより簡単かつより迅速に使用できる装置を提供する。
【0040】
特定の実施形態は、とりわけジェットプロセスにおいて、管またはケーブルの曲げ半径をより良好に制御することができるという利点を提供する。
【0041】
特定の実施形態は、これまでに知られた装置または方法よりも迅速に溝を形成することができるという利点を提供する。
【0042】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、以下でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1a】既知の溝掘りプロセスを示している。
図1b】既知の溝掘りプロセスを示している。
図1c】既知の溝掘りプロセスを示している。
図1d】既知の溝掘りプロセスを示している。
図1e】既知の溝掘りプロセスを示している。
図1f】既知の溝掘りプロセスを示している。
図2a】溝掘り装置の一例の断面図を示している。
図2b図2aの部位Cの詳細図を示している。
図3】チェーン要素の例を示している。
図4】溝掘り装置の一例の前方を向いた表面の図を示している。
図5】溝掘り装置の一例の斜視切断図を示している。
図6図5の溝掘り装置の別の斜視切断図を示している。
図7】溝掘り装置の典型的な流体入口を示している。
図8】溝掘り車両の一例の側面概略図を示している。
図9図8の溝掘り車両の正面概略図を示している。
図10a】溝掘り装置の別の例を示している。
図10b】溝掘り装置の別の例を示している。
図11】溝を切削する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面において、同様の参照番号は、同様の部分を指している。
【0045】
図2が、溝掘り装置200の一例を示している。溝掘り装置200は、中央支持要素202と、中央支持要素202の周囲を駆動されるように構成された切削要素204とを含む。
【0046】
この例において、中央支持要素202は、支持アームであり、切削要素204は、支持アームの周囲を駆動されるように構成されたチェーンカッターである。支持アーム202は、1つ以上の駆動スプロケットを含む。この例では、駆動スプロケット206が、支持アーム202の第1の端部に配置され、さらなるスプロケット208が、第1の端部から遠い支持アーム202の第2の端部に配置されている。他の例では、さらなるスプロケット208の代わりに、アイドラ(例えば、支持アームを巡ってチェーンカッター204を案内するホイールまたはプーリ)を、支持アーム202の第2の端部に設けてもよい。駆動スプロケット206は、駆動要素(例えば、モータ)に接続され、駆動要素は、駆動スプロケット206を回転させて、支持アーム202を巡ってチェーンカッター204を駆動する。
【0047】
チェーンカッター204は、チェーン要素210と、チェーン要素210に結合した複数の切削ヘッド212とを含む。切削ヘッド212は、チェーンカッター204が支持アーム202を巡って回転するときに地面または海底の物質を機械的に切削するように構成される。
【0048】
中央支持要素202は、少なくとも1つのジェット出口214を含む。この例においては、複数のジェット出口214が、支持アーム202の長さに沿って分布している。図2bに目を向けると、ジェット出口214の各々は、ジェット出口214から噴出する流体によって溝掘り装置200の実質的に前方の物質が流動化され、あるいは切削されるように、使用時に溝掘り装置200の実質的に前方を向くように配置される(使用時の装置の位置および向きは、図8に示される)。この例において、ジェット出口214は、支持アーム202の実質的に前方を向いた表面に配置されている。ジェット出口214は、ジェット出口214によるジェットによって効率的に海底の物質を流動化させ、あるいは切削し、押し退けられた物質の溝からの輸送を助けることができるような適切な配置および向きを有する。
【0049】
図3に示されるように、チェーン要素210は、開口部302を含むように構成される。開口部を、流体をジェット出口214からチェーン要素210の開口部302を通って噴出させることができるよう、ジェット出口214に整列するように位置させることができる。
【0050】
チェーン要素210は、切削ヘッド212をチェーン要素210に結合させるための結合リンク304(図2bを参照)をさらに含む。この例における結合リンク304は、各々が機械的な手段によって切削ヘッド212を所定の位置に保持することができる凹部を含んでいる。したがって、切削ヘッド212を、磨耗によって切れ味が鈍くなったならば交換することができる。この例において、各々の切削ヘッド212は、円錐形のピックであり、回転を可能にするやり方で凹部に保持されている。
【0051】
溝掘り装置200は、機械的な切削モードおよびジェット切削モードの両方で動作することができる。機械的な切削モードにおいては、切削要素204(この例では、チェーンカッター)が、中央支持要素202を巡って駆動され、溝掘り装置200の前方の物質を切削する。すなわち、切削要素204が中央支持要素202を巡って駆動されるとき、切削要素204は、溝掘り装置200の進行方向における溝掘り装置200の前方の物質を切削する。
【0052】
ジェット切削モードにおいては、ポンプ(図示せず)が動作して、ジェット出口214から流体を噴出させる。噴出した流体(ジェット)の軌道は、溝掘り装置200の実質的に前方である。これにより、噴出した流体は、溝掘り装置200の前方の物質を流動化させ、あるいは切削し、押し退けられた物質の溝からの搬出を助けることができる。
【0053】
いくつかの例では、ジェット出口のうちの1つ以上(例えば、中央支持要素の上部にある)を、ジェットの方向が土壌の輸送を支援する上向きの成分を有するように配置することができる。同様に、いくつかのジェット出口(例えば、中央支持要素の下部にある)を、ジェットの方向が下向きの成分を有するように配置することができる。これは、溝の底部の流動化の支援に役立つことができる。ジェット出口のうちの少なくともいくつかを、ジェットの方向が有意な横方向成分(すなわち、装置の前方)を有するように配置することができる。これは、溝の面幅全体が切削され、あるいは流動化することを保証するうえで役立つことができる。
【0054】
このように、機械的な切削モードおよびジェット切削モードの両方において、溝掘り装置は、装置の前方(進行方向における装置の前)の物質を切削するように構成される。したがって、溝掘り装置200は、連続的な溝を切削するために、装置の前方の物質を連続的に切削することができる。
【0055】
機械的な切削モードにおいて、ジェット出口は適切に停止され(すなわち、流体を噴出させない)、切削要素204が中央支持要素202を巡って駆動される。ジェット切削モードへと切り替えられると、ジェット出口214が作動する(すなわち、流体を噴出させる)。ポンプが、ジェット出口214からの流体の噴出を制御することができ、流体の噴出の圧力も制御することができる。例えば、流体を、0.5bar〜25barの間、あるいはより適切には0.5bar〜16barの間の圧力で噴出させることができる。適切には、物質を最も効率的に流動化させるために、流体を約2bar〜5barの間の圧力で噴出させることができる。
【0056】
上述のように、切削要素204は、流体を噴出させることができる開口部302を含むことができる。適切には、ジェット切削モードにおいては、中央支持要素202を巡る切削要素204の回転速度を、機械的な切削速度と比べて大幅に下げることができ、あるいは中央支持要素202に対して完全に停止させることができる。
【0057】
適切には、ジェット切削モードにおいて、切削要素204の位置は中央支持要素202に対して固定される。切削要素204を、中央支持要素202およびジェット出口214に適切に整列させることができる。整列は、流体を切削要素204を通って噴出させることができるよう、ジェット出口214の各々が切削要素204のそれぞれの開口部302に整列するような整列であってよい(図4を参照)。適切には、切削要素204の位置は中央支持要素202に対して固定される。これは、ジェット切削モードにおいて、流体がジェット出口214から前方に噴出し、軌道が経路を遮る切削要素204によって影響されることがないことを保証するうえで、役に立つことができる。
【0058】
ここで図5図7を参照して、溝掘り装置200の動作をさらに詳しく説明する。
【0059】
図5に示されるように、駆動スプロケット206は、モータ502に組み合わせられている。モータ502は、駆動スプロケット206にトルクを加えるように構成された任意の従来からのモータであってよい。モータ502は、機械的な切削モードにおいて動作し、スプロケット206を駆動することによって、切削要素204を支持要素202を巡って駆動する。
【0060】
ジェット切削モードにおいて、ジェット出口214と切削要素204のそれぞれの開口部302との整列を決定するために、測定要素を設けることができる。測定要素は、モータに含まれてよく、歯車を含むことができる。歯車は、外周を巡って複数の歯を含み、したがって例えば非接触近接センサまたはエンコーダによって回転距離(および、速度など)を検出することができる。測定要素は、歯付きモータの回転位置に応じて、ジェット出口と開口部との整列を決定することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、溝掘り装置は、ジェット出口214の各々が切削要素204のそれぞれの開口部に整列するよう、切削要素204の移動を停止するように構成されたコントローラを含むことができる。
【0061】
これに代え、あるいはこれに加えて、ジェット切削モードにおいて切削要素の移動を防止するために、ストッパ要素(例えば、機械的なストッパ)を設けることができる。例えば、ストッパ要素を、ジェット切削モードにおいてスプロケット206、208の一方または両方の回転を防止するように構成することができる。機械的なストッパは、1つ以上のスプロケットまたは本来であれば非係合の位置にある切削要素に係合することによって切削要素204の回転を防止するためのブロックなどの機械的な位置決め装置を含むことができる。
【0062】
溝掘り装置は、流体供給口710をさらに含む。この例において、流体供給口は、中央支持要素202の一方側に組み合わせられている。周囲の環境(例えば、周囲の海水)からの流体を流体供給口710から中央支持要素202へと送り、ジェット出口214を通って送り出すために、ポンプを設けることができる。図6において点線の矢印によって示されるように、流体は、流体供給口710を介して中央支持要素202に進入することができる。ジェット出口414は、中央支持要素202の前方を向いた壁に設けられる。したがって、流体は、圧力のもとで中央支持要素へと送られると、ジェット出口214を介して噴出する。
【0063】
適切には、中央支持要素202および流体供給口710は、流体がジェット出口214へと通過するときの断面および流れの変化を最小化するように構成される。これは、エネルギの散逸を避ける役に立ち、より効率的な装置を可能にする。図5および図6に最も分かりやすく示されているように、この例において、中央支持要素202は、中央支持要素202を通ってジェット出口214へと流体の流れを導くように構成された内部流通構造504を含む。内部流通構造504は、中央支持要素202を通る流れを改善し、流体の圧力によって引き起こされ得る機械的な応力を低減するのに役立つことができる。
【0064】
図8および図9が、溝掘り装置200を含む溝掘り車両800を示している。溝掘り車両800は、本体部分802を含む。第1および第2の接地要素804、806が、本体部802に連結されている。接地要素804、806は、地面(または、海底)へと牽引力を加えて、溝掘り車両を地面(または、海底)に沿って移動させるように構成される。この例において、接地要素804、806の各々は、無限軌道を含む。他の例において、例えば4つの接地要素または6つの接地要素など、3つ以上の接地要素を使用してもよいことを理解できるであろう。
【0065】
溝掘り装置200は、本体部802に連結される。図8および図9に示されるように、溝掘り装置200は、接地要素804、806が接する地面(または、海底)に溝を切削するために、本体部802から下方に延びる。適切には、溝掘り装置200を、切削位置から引っ込められるように構成することができる。これは、溝の切削に先立って最初に車両を海底に着底させることを可能にするうえで、役立つことができる。加えて、溝掘り後に溝掘り装置200を引っ込めることは、船舶への車両の効率的な回収および保管を可能にするのに役立つ。
【0066】
図8に示されるように、ジェット切削モードにおいては、流体のジェット810が、溝掘り装置200の前方の物質を切削し、あるいは流動化させるために、実質的に前方に噴出する。シェア(または、コファダム)要素812が、溝掘り装置200の後方の本体部分802に連結されている。シェア要素812は、ケーブルが溝の底部に配置されるまで溝の壁を支持することによって、溝にケーブルを配置する前の溝の崩壊を防止するように構成される。押さえ要素816が、ケーブルを溝へと案内するように構成される。押さえ要素816を、ケーブルの装てんを可能にするために開くことができる。シェア要素812および押さえ要素816を、例えば油圧アームによって図8に示される展開位置から格納位置へと引っ込めることも可能である。
【0067】
溝掘り車両800は、溝掘り装置200から遠い地面の上方にケーブルを支持するように構成されたケーブル支持要素814をさらに含む。ケーブル支持要素814は、本体部802に連結され、ケーブルを溝堀り装置200を越えて押さえ部816へと案内するように構成される。次いで、押さえ部816が、ケーブルを下方へと溝内に案内することができる。
【0068】
溝掘り装置が機械的な切削モードおよびジェット切削モードの両方で動作できるため、機械的な切削モードとジェット切削モードとの間の切り替えのために溝掘り車両を海底から持ち上げる必要がない。したがって、ケーブルを、溝掘り作業の全体を通してケーブル支持要素814に支持し続けることができる。したがって、必要なケーブルのたるみを、溝掘り作業の開始時に確立させ、溝の全長にわたって溝掘り車両800によって運ぶことができる。
【0069】
図11が、溝を切削する方法を示している。1101に示されるように、この方法は、機械的な切削モードおよびジェット切削モードで動作するように構成された溝掘り装置で溝を切削することを含む。この装置は、少なくとも1つのジェット出口を含む中央支持要素と、中央支持要素を巡って駆動されるように構成された切削要素とを含む。例えば、装置は、図2に示される溝掘り装置200であってよい。しかしながら、この方法は、本明細書に記載の他の適切な装置のいずれかを使用することができる。
【0070】
1102において、この方法は、機械的な切削モードおよびジェット切削モードの少なくとも一方で溝掘り装置を動作させることを含む。機械的な切削モードにおいては、切削要素が中央支持要素を巡って駆動され、溝掘り装置の前方の物質を切削する。ジェット切削モードにおいては、ポンプが作動して、少なくとも1つのジェット出口から流体を噴出させ、溝掘り装置の前方の物質を流動化させ、あるいは切削する。
【0071】
上述の詳細設計に対して、さまざまな変更が可能である。例えば、切削要素をチェーンカッターとして上述したが、他の切削要素も適切であり得る。図10aおよび図10bが、切削要素が岩盤ホイール1004である溝掘り装置1000の例を示している。チェーンカッターと同様に、岩盤ホイールは、この例においては中空円筒シャフト1002である中央支持要素の周りを回転するように構成されている。岩盤ホイール1004の回転は、駆動モータ1006によって岩盤ホイールの周辺において制御される。
【0072】
シャフト1002は、シャフトの表面の実質的に前方を向いた部分にジェット出口1014を含む。上述のチェーンカッターと同様に、岩盤ホイールは、ジェット切削モードにおいてジェット出口1014に整列することができる開口部1016を含むことができ、したがって流体をジェット出口1014から岩盤ホイール1004の開口部1016を通って噴出させることができる。
【0073】
溝掘り装置は、流体をシャフト1002へと引き込むための流体入口1020を含む。この特定の例において、シャフト1002は、流体が引き込まれる流体リザーバ1022を含む。流体を、適切なポンプ装置を介して周囲の海水から直接引き込むことができ、あるいは流体入口を遠方の流体供給源に接続することができる。
【0074】
ジェットモードにおいては、ポンプが動作して、ジェット出口から流体を噴出させる。さらに、ポンプは、流体入口1020を介してシャフト1002へと流体を引き込むこともできる。溝掘り装置1000は、上述の溝掘り装置200と同様のやり方でジェット切削モードおよび機械的な切削モードで動作することができる。
【0075】
別の例において、切削要素はせん断ドラムであってよい。せん断ドラムは、上述の岩盤ホイールと同様に動作することができるが、主な違いは、せん断ドラムが周辺ではなくシャフトの中心において駆動されることである。
【0076】
いくつかの例においては、溝掘り装置を、機械的な切削モードの際にポンプを動作させることにより、ジェット出口から流体を噴出させて例えば上述の図2図9のチェーンカッターなどの切削要素を洗浄または潤滑するように構成することができる。機械的な切削モードにおいて、切削すべき土壌または他の物質が、全動力を必要とせずに切削要素を進めることができるような土壌または物質である場合に、動力の一部をポンプへと向け直して流体をジェット出口へと供給することができるように、装置の動力の使用を遠隔操作で設定変更することができる。このようにして、機械的な切削モードにおいてジェット出口から噴出する流体が、切削要素の潤滑または洗浄を助け、切削要素の摩耗を減らす役に立つことができる。さらに、切削された物質の輸送をより効果的にすることができ、切削された土壌を流体によって押し退けることで、流体の動きに関連する切削力を減らすことができる(例えば、間隙水圧および土壌膨張の効果)。
【0077】
上述の溝掘り装置は、図8および図9に示されるように溝掘り車両に組み合わせられて提供されてよく、あるいは別個に提供されて適切な車両に後付けされてよい。溝を切削すべき地形および環境に応じて、さまざまな種類の車両をさまざまな用途に使用できることを、理解できるであろう。
【0078】
上述の例では特定のチェーン要素の構成が示されているが、他のチェーン要素の構成も適切であり得ることを、理解できるであろう。適切には、チェーン要素は、切削要素をチェーン要素に結合させることができるように構成されるが、他の例において、切削要素はチェーン要素と一体であってもよい。チェーン要素は、適切には、ジェット切削モードにおいて開口部の各々を対応するジェット出口に整列させることができるように、ジェット出口と少なくとも同じ数の開口部を有するように構成される。
【0079】
上述の例は駆動スプロケットおよびさらなるスプロケットを含んでいるが、他の例においては、複数の駆動スプロケットおよび/または複数のさらなるスプロケットを設けてもよい。例えば、2つのドライブスプロケットを設け、チェーン要素の各側に1つずつ配置することができる。同様に、2つのさらなるスプロケットを設け、チェーン要素の各側に1つずつ配置することができる。他の例においては、3つ以上の駆動スプロケットおよび/またはさらなるスプロケットを設けてもよい。
【0080】
適切には、溝掘り装置は、複数のジェット出口を含む。ジェット出口は、適切には、中央支持要素の前方を向いた表面に実質的に均等に分配される。適切には、中央支持要素の各側に沿って(例えば、支持アームの前方を向いた表面の各側に沿って)一列の噴射要素が設けられる。
【0081】
他の例において、溝掘り装置は、ただ1つのジェット出口だけを含んでもよい。例えば、ジェット出口は、中央支持要素の表面に沿って延びる細長い出口であってよい。このようにして、溝掘り装置の前方の物質を流動化させ、あるいは切削するために、流体の細長いジェットをジェット出口から噴出させることができる。
【0082】
上述のポンプは、ジェット切削装置の一部を形成でき、あるいはジェット切削装置の外部に(例えば、溝掘り車両の一部として)設けられてよい。
【0083】
上述の例では、切削要素は、ジェット切削モードにおいては中央支持要素に対して適切に固定されるものとして説明されているが、いくつかの例においては、ジェット切削モードにおいて切削要素が中央支持要素に対して移動し続けてもよいことを、理解できるであろう。例えば、ジェット切削および機械的な切削の組み合わせのモードが達成されるように、ジェット切削モードに関する切削要素の速度を、機械的な切削モードと比べて下げることができる。
【0084】
本明細書において、ケーブルまたは管に具体的に言及する場合があるが、上述の装置が、任意の細長い要素の溝への敷設に好適であり得ることを、理解できるであろう。
【0085】
上述の構成により、ケーブルを、溝掘りプロセスの全体を通して支持し続けることができる。したがって、ケーブルの最小曲げ半径を制御できるため、溝掘りプロセスの最中にケーブルを損傷させるリスクが軽減される。
【0086】
溝掘りプロセスの全体を通してケーブルを支持することにより、プロセスの開始時にケーブルのたるみを確立させ、溝の長さに沿って運ぶことができる。溝掘りプロセスの全体を通して、ツールの交換のためにケーブルを解放する必要がないため、たるみをより良好に制御することができ、したがってケーブルに過度の張力が加わるリスクを低減することができる。
【0087】
上述の溝掘り装置は、必要に応じて機械的な切削モードとジェット切削モードとを容易に切り替えることができる。したがって、切削すべき物質に応じて最も効果的な切削モードを動作させることができる。したがって、これにより、切削装置の摩耗、とりわけ比較的緩い物質または砂質の物質あるいは比較的結合力の低い物質を切削するときの切削要素の摩耗を、減らすことができる。
【0088】
上述の構成においては、機械的なカッターとジェットツールとの間の溝充てんによる問題が、2つのツールが単一の溝掘り装置に組み合わされているがゆえに排除される。これは、ケーブルが溝内に配置される前に土壌または岩盤が溝へと落下するリスクを減らす役に立つ。したがって、溝において充分な深さにないケーブル部分の再配置を余儀なくされる機会が減少する。したがって、溝掘りプロセス全体に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0089】
上述のシステムによって、ケーブル、管、あるいは他の細長い要素または製品を比較的均一かつ水平な姿勢で溝の底に配置することができる。これにより、製品へのストレスを軽減でき、したがって製品の耐用年数を延ばすことができる。
【0090】
上述の実施形態のいずれかに関連して説明された特徴を、異なる実施形態間で入れ替えて適用できることは、当業者にとって明らかであろう。上述の実施形態は、本発明の種々の特徴を説明するための例である。
【0091】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、用語「・・・を備える」および「・・・を含む」ならびにこれらの変形は、「・・・を含むが、・・・に限定されない」を意味し、他の部分、添加物、構成要素、完全体、またはステップを除外しようとする(さらには、除外する)ものではない。本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通して、単数形は、そうでないことを文脈が必要としていない限り、複数形を包含する。とくに、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、そうでないことを文脈が必要としていない限り、複数性および単数性を想定していると理解されるべきである。
【0092】
本発明の特定の態様、実施形態、または例に関連して説明された特徴、完全体、特性、化合物、化学部分または基は、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態、または例に、それらと矛盾しない限りにおいて適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示されたすべての特徴、および/またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのすべてのステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせにて組み合わせることが可能である。本発明は、上述のいかなる実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)に開示された特徴からの任意の新規な特徴または任意の新規な組み合わせ、あるいはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップからの任意の新規なステップまたは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0093】
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時または本明細書よりも先に提出され、本明細書と共に公衆の閲覧に開放されたすべての論文および文書に向けられており、そのような論文および文書のすべての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
【国際調査報告】