特表2020-528148(P2020-528148A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2020528148-多硫化ナトリウムの検出方法 図000019
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-528148(P2020-528148A)
(43)【公表日】2020年9月17日
(54)【発明の名称】多硫化ナトリウムの検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 31/00 20060101AFI20200821BHJP
   G01N 31/16 20060101ALI20200821BHJP
【FI】
   G01N31/00 N
   G01N31/00 P
   G01N31/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-503779(P2020-503779)
(86)(22)【出願日】2018年7月2日
(85)【翻訳文提出日】2020年1月23日
(86)【国際出願番号】CN2018093972
(87)【国際公開番号】WO2019134355
(87)【国際公開日】20190711
(31)【優先権主張番号】201810015635.7
(32)【優先日】2018年1月8日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517223657
【氏名又は名称】浙江新和成股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG NHU CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】518138206
【氏名又は名称】浙江新和成特種材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG NHU SPECIAL MATERIALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】曹 加悦
(72)【発明者】
【氏名】李 沃源
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼ 杭軍
(72)【発明者】
【氏名】連 明
(72)【発明者】
【氏名】周 貴陽
(72)【発明者】
【氏名】周 俊瑶
【テーマコード(参考)】
2G042
【Fターム(参考)】
2G042AA01
2G042BA08
2G042BC01
2G042CB03
2G042DA01
2G042DA03
2G042FB03
2G042GA05
(57)【要約】
本発明は、多硫化ナトリウムの検出方法を提供する。本発明の多硫化ナトリウムの検出方法は、以下のステップを含む。ステップa:試験対象物にアンモニウム塩試薬を滴加し、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムを前記アンモニウム塩と反応させ、電位差滴定法により滴定終点を確定して、硫黄沈殿物を得る。ステップb:前記ステップaで消費された前記アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び前記硫黄沈殿物の質量により、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験対象物にアンモニウム塩試薬を滴加し、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムを前記アンモニウム塩と反応させ、電位差滴定法により滴定終点を確定して、硫黄沈殿物を得るステップaと、
前記ステップaで消費された前記アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び前記硫黄沈殿物の質量により、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を計算するステップbと、
を含むことを特徴とする多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項2】
前記アンモニウム塩試薬は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項3】
前記ステップbにおいて、硫黄沈殿物の質量は、化学定量分析の方法によって取得されることを特徴とする、請求項1に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項4】
前記硫黄沈殿物を亜硫酸ナトリウムと反応させ、チオ硫酸ナトリウム沈殿物を得て、ヨウドメトリ法により硫黄沈殿物の質量を得ることを特徴とする、請求項3に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項5】
【請求項6】
前記アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル濃度は、0.5mol/L〜1.5mol/Lであることを特徴とする、請求項5に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項7】
前記ステップaにおいて、保護気体の雰囲気下で、前記試験対象物に前記アンモニウム塩試薬を滴加することを特徴とする、請求項1に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項8】
前記ステップaにおいて、前記試験対象物に前記アンモニウム塩試薬を滴加する前に、前記試験対象物のpH値を11±0.5に調整することを特徴とする、請求項1に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項9】
前記ステップaにおいて、前記試験対象物に前記アンモニウム塩試薬を滴加する前に、前記試験対象物中の硫化水素化物を除去するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【請求項10】
前記試験対象物中の硫化水素化物を除去するステップは、具体的には、前記試験対象物に第一試薬及び第二試薬を順に滴加して、前記第一試薬は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びグリオキサールの少なくとも一種であり、前記第二試薬は、塩酸又は硫酸であることを特徴とする、請求項9に記載の多硫化ナトリウムの検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連特許出願の相互参照>
本願は、2018年1月8日に出願した、出願番号が201810015635.7であり、発明の名称が「多硫化ナトリウムの検出方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本発明は、多硫化ナトリウムの検出方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリフェニレンサルファイドは、高温に強く、放射線性に強く、難燃性に優れ、化学腐蝕に強い特性等を備えた特殊なエンジニアリングプラスチックである。ポリフェニレンスルフィドの調製では、通常、硫化水素ナトリウムが原料として使用される。
【0004】
先行技術において、硫化水素ナトリウムは、通常、化学吸収法により調製される。即ち、アルカリ溶液で工業用酸性ガス中の硫化水素を吸収する。得られた硫化水素ナトリウム溶液には、通常、例えば、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、多硫化ナトリウムなどのさまざまな成分が含まれる。そのうち、多硫化ナトリウムは、ポリフェニレンスルフィドの重合プロセスに関与するので、ポリフェニレンスルフィドの熱安定性を大幅に低下させる。従って、硫化水素ナトリウム溶液中の多硫化ナトリウムの含有量を検出することが重要である。
【0005】
現在、多硫化ナトリウムの含有量の検出は十分に正確ではなく、ステップが複雑である。例えば、Zopfi等の[Marine Chemistry.2001,29−51]は、亜鉛イオンで二価硫黄を抽出する方法と類似する方法を採用し、定量可能な硫黄沈殿物を残し、それを液体クロマトグラフィーで検出する。この方法には元素硫黄標準試料を溶解するという問題があるので、メタノール溶液中の硫黄沈殿物を均一に溶解及び分散させることは困難であって、この方法で検出することが正確ではないことを引き起こす。Kamyshny等の[Anal.Chem.2006,78,2631−2639]は、トリフルオロメタンスルホン酸メチルを使用して迅速な単相化学メチル化を行い、不安定な多硫化物を安定なジメチルポリスルフィドに誘導体化し、HPLCで分析することができる。
【0006】
Sn2-+2CF3SO3CH3→(CH3)2Sn+2CF3SO3-
【0007】
トリフルオロメタンスルホン酸メチルは水に混融しなく、相転移段階を回避し、メチル化剤の溶解濃度を高めるために、メタノール-水媒体中で反応を実施することを選択する。この方法が速度論的試験及び同位体希釈試験によって検証され、均一な誘導体化速度は、多硫化物の不均化よりも速いことが確認される。従って、得られた結論:誘導体化されたジメチルポリスルファンの分布は実際には無機多硫化物の初期分布と同じである。多硫化ナトリウムのさまざまなnの成分を検出できるが、さまざまな成分の抽出や外部標準、特にジメチルポリスルファンの抽出にかかわるので、実験手順は複雑で時間がかかる。さらに、誘導体化条件も非常に厳しいため、分析が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の問題に鑑みて、本発明は、便利に多硫化ナトリウムの含有量を正確に検出できる、多硫化ナトリウムの検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、多硫化ナトリウムの検出方法を提供する。多硫化ナトリウムの検出方法は、下記のステップを含む。
【0010】
ステップa:試験対象物にアンモニウム塩試薬を滴加し、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムを前記アンモニウム塩と反応させ、電位差滴定法により滴定終点を確定して、硫黄沈殿物を得る。
【0011】
ステップb:前記ステップaで消費された前記アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び前記硫黄沈殿物の質量により、前記試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を計算する。
【0012】
多硫化ナトリウムの検出方法は、以下の利点がある。
【0013】
電位差滴定法は、多硫化ナトリウムを検出するために使用され、電位差滴定のプロセスでは、アンモニウム塩試薬の滴加速度を制御することにより、正確な滴定を達成することができる。滴定する時に試験対象物の電位を記録し、電位は大きな変化がない場合には、それを滴定終点として決定し、ピーク電位差に対応するアンモニウム塩試薬が消費された体積を記録する。アンモニウム塩試薬中のアンモニウムイオンのモル濃度によって、アンモニウム塩試薬中のアンモニウムイオンのモル量を取得して、硫黄沈殿物の質量を結合し、変換により試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を取得することができる。この検出方法は、手順が簡単であり、操作が便利であり、且つ検出結果が正確である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施例2の多硫化ナトリウムの検出方法において、電位差滴定する時に記録された電位曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、当業者に本発明をより容易に理解させるために、本発明の実施形態の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術方案に対して明確かつ完全に説明する。もちろん、説明される実施例は本発明の一部の実施例にすぎ、本発明の全部の実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られる他の全ての実施例も本発明の保護範囲に含まれる。
【0016】
本発明は、多硫化ナトリウムの検出方法を提供する。多硫化ナトリウムの検出方法は、次のステップを含む。
【0017】
S1、試験対象物にアンモニウム塩試薬を滴加し、試験対象物中の多硫化ナトリウムをアンモニウム塩と反応させ、電位差滴定法により滴定終点を確定して、硫黄沈殿物を得る。
【0018】
S2、ステップS1で消費されたアンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び硫黄沈殿物の質量により、試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を計算する。
【0019】
ステップS1において、多硫化ナトリウムとアンモニウム塩試薬中のアンモニウムイオンの反応式は、以下の通りである:
【0020】
この反応プロセスでは、反応物の硫化水素とアンモニアガスがpH値に影響を及ぼし、反応速度に干渉するのを避けるために、反応する前に、pH緩衝液を加えて試験対象物のpH値が11±0.5であることを制御してもよい。pH緩衝溶液は、リン酸水素二ナトリウム溶液である。
【0021】
アンモニウム塩試薬は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムなどのアンモニウム塩である。好ましくは、アンモニウム塩試薬は塩化アンモニウム溶液又は硫酸アンモニウム溶液である。アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル濃度
は、0.5mol/L〜1.5mol/Lである。
【0022】
【0023】
さらに、試験対象物には、多硫化ナトリウムを除いて、他の硫化物を含む可能性があることを考慮すると、例えば、酸素又は空気の雰囲気下で、S2−及びHSなどがゆっくりと酸化され、多硫化物が生成され、検出の正確性に影響を与える。従って、反応(1)では、不活性ガスを使用して保護気体とする。不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンのいずれでもよい。
【0024】
ある試験対象物が複雑な硫黄含有化合物を含み、硫黄含有化合物中の硫化水素ナトリウムが反応(1)のプロセスに特に影響を与えることを考慮すると、試験対象物に対して滴定を実行する前に、試験対象物における硫化水素ナトリウムを除去する必要もある。これは、大量のHSが加水分解し、HSを生成して、反応(1)で生成されたアンモニアがHSと結合し、硫化アンモニウムを生成して、反応(1)で生成された元素硫黄が硫化アンモニウムと反応し、多硫化アンモニウムを生成して、硫黄の沈殿が析出しにくいことを引き起こすからである。
【0025】
試験対象物中の硫化水素化物を除去するステップは、具体的には、試験対象物に第一試薬及び第二試薬を順に滴加することである。第一試薬は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びグリオキサールの少なくとも一種であり、第二試薬は、塩酸又は硫酸である。滴加量を制御するために、第二試薬をゆっくりと滴加することに注意してください。第一試薬としてのホルムアルデヒドと第二試薬としての塩酸を例にとると、試験対象物中の硫化水素化物を除去する反応プロセスは、次のとおりである。
【0026】
ここで、試験対象物中の硫化水素ナトリウムの含有量によって、反応式(2)〜(4)における第一試薬及び第二試薬の用量を推定することができる。質量分率が30%〜50%の硫化水素ナトリウムを試験対象物とすることを例に挙げると、ホルムアルデヒドと硫化水素ナトリウムのモル比は、n(HCHO):n(NaHS)=0.9〜1.0である。
【0027】
さらに、試験対象物中の硫化水素化物を除去した後、pH緩衝溶液を使用して、試験対象物のpH値を制御してもよい。
【0028】
ステップS2において、硫黄沈殿物の質量は、化学定量分析の方法によって取得される。具体的には、化学定量分析の方法は、硫黄沈殿物を亜硫酸ナトリウムと混合し、チオ硫酸ナトリウム沈殿物を得て、ヨウドメトリ法により硫黄沈殿物の質量を得る。このプロセス中に次の反応を発生する。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
多硫化ナトリウムの検出方法は、以下の利点を有する。
【0035】
電位差滴定法は、多硫化ナトリウムを検出するために使用され、電位差滴定のプロセスでは、アンモニウム塩試薬の滴加速度を制御することにより、正確な滴定を達成することができる。滴定する時に試験対象物の電位を記録し、電位は大きな変化がない場合には、それを滴定終点として決定し、ピーク電位差に対応するアンモニウム塩試薬が消費された体積を記録する。アンモニウム塩試薬中のアンモニウムイオンのモル濃度によって、アンモニウム塩試薬中のアンモニウムイオンのモル量を取得して、硫黄沈殿物の質量を結合し、変換により試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を取得することができる。この検出方法は、手順が簡単であり、操作が便利であり、且つ正確に多硫化ナトリウムの含有量を検出できる。
【0036】
以下では、硫化ナトリウムの検出方法を、以下の具体的な実施例によりさらに説明する。
【0037】
実施例1
【0038】
質量分率が30%のNa溶液を調製し、Na溶液を試験対象物として、Naの含有量をNa溶液で検出する具体的なステップは、以下の通りである。
【0039】
1)窒素雰囲気下で、40gの試験対象物をフラスコに入れ、0.1mol/Lのリン酸水素二ナトリウム緩衝溶液をフラスコ中の溶液に滴加し、溶液のpHを11±0.5に調整する。
【0040】
2)水浴の温度を40℃に維持し、0.5mol/Lの硫酸アンモニウム溶液を上記の弱アルカリ性溶液に自動的に滴加し、滴定装置が溶液の電位変化を自動的に記録する。このプロセスでは、窒素ガスをフラスコに連続的に吹き込み、テールガスを48%の水酸化ナトリウム溶液で吸収する。電位は大きく変化がない場合には、滴定を停止し、曲線の微分ピークに対応する体積を記録する。これは、消費された硫酸アンモニウム溶液の体積である。
【0041】
3)フラスコの底部で得られた沈殿物をフラスコの底部に懸濁させ、ガラス繊維濾紙で濾過する。硫黄沈殿物は濾紙に残られる。濾液にサンプルがなくなるまで、大量の純水で濾紙を洗浄する。沈殿物をエルレンマイヤーフラスコに入れ、濾紙を純水で洗浄し、洗浄溶液をエルレンマイヤーフラスコに置き、5mLの1mol/Lの亜硫酸ナトリウム溶液をエルレンマイヤーフラスコに加え、黄色の沈殿物が溶解されるまで2時間加熱し、沸騰させる。
【0042】
4)ステップ3)で得られた溶液を500mlのメスフラスコに移し、50mLの100g/Lの硫酸亜鉛溶液を加え、容積を作り、振って濾過し、100mLの濾液を取り、100mLの濾液にホルムアルデヒド、氷酢酸及び澱粉を加え、ヨウ素溶液で滴定して、消費されたヨウ素溶液の体積
を取得する。そのうち、硫酸亜鉛溶液を添加し、残されたS2−を除去するためであり、ホルムアルデヒドを使用し、亜硫酸ナトリウムを保護するためである。これは、ヨウドメトリ法により、亜硫酸ナトリウムもヨウ素を消費するからである。
【0043】
5)さらに、ブランク試験を実施し、40gの水を採取し、ステップ1)〜ステップ5)を実施して、ブランク試験で消費されたヨウ素溶液の体積V0を得る。この時点で、実際に消費されたヨウ素溶液の体積
【0044】
消費された硫酸アンモニウム溶液の体積及び実際に消費されたヨウ素溶液の体積に基づいて、アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び硫黄沈殿物の質量が計算される。次に、アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量と硫黄沈殿物の質量に基づいて、公式(1)及び公式(2)によって、試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量が計算される。正確な結果を得るために、この検出プロセスを11回繰り返す。具体的な結果を表1に示す。
【0045】
表1
表では、RSDは相対標準偏差である。
【0046】
表1から分かるように、本発明による多硫化ナトリウムの検出方法により得られた検出結果の平均値は、30.56%であり、これは原料の多硫化ナトリウムの含有量と基本的に一致する。検出結果は正確であり、誤差は小さい(2.0%より小さい)。
【0047】
実施例2
【0048】
硫化水素ナトリウム溶液である試験対象物を取る。試験対象物の硫化水素ナトリウムの質量分率は、約46%である。硫化水素ナトリウム溶液には、硫化水素ナトリウムを除いて、多硫化ナトリウムが含まれる。試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量を検出する方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0049】
1)窒素雰囲気下で、40gの試験対象物をフラスコに入れ、30mLのホルムアルデヒド溶液をフラスコに加え、1分間後にフラスコに塩酸溶液をゆっくりと滴加し、溶液のpH値が約12になるようにする。そのうち、ホルムアルデヒド溶液中のホルムアルデヒドの質量分率は36%である。塩酸溶液中の塩酸の質量分率は5%である。
【0050】
2)フラスコ中の溶液に0.1mol/Lのリン酸水素二ナトリウム緩衝溶液を滴加し、溶液のpH値を11±0.5に調整する。
【0051】
3)水浴の温度を40℃に維持し、1mol/Lの塩化アンモニウム溶液を上記の弱アルカリ性溶液に自動的に滴加し、滴定装置が溶液の電位変化を自動的に記録する。このプロセスでは、窒素ガスをフラスコに連続的に吹き込み、テールガスを48%の水酸化ナトリウム溶液で吸収する。図1を参照すると、電位は大きな変化がない場合には、滴定を停止し、曲線の微分ピークに対応する体積(即ち、消費された硫酸アンモニウム溶液の体積である)を記録する。
【0052】
4)フラスコの底部で得られた沈殿物をフラスコの底部に懸濁させ、ガラス繊維濾紙で濾過する。硫黄沈殿物は濾紙に残られる。濾液にサンプルがなくなるまで、大量の純水でを濾紙を洗浄する。沈殿物をエルレンマイヤーフラスコに入れ、濾紙を純水で洗浄し、洗浄溶液をエルレンマイヤーフラスコ中に置き、5mLの1mol/Lの亜硫酸ナトリウム溶液をエルレンマイヤーフラスコに加え、黄色の沈殿物が溶解されるまで2時間加熱し、沸騰させる。
【0053】
5)さらに、ブランク試験を実施し、40gの水を採取し、ステップ1〜ステップ5を実施して、ブランク試験で消費されたヨウ素溶液の体積V0を取得する。この時点で、実際に消費されたヨウ素溶液の体積が
【0054】
消費された塩化アンモニウム溶液の体積及び実際に消費されたヨウ素溶液の体積に基づいて、消費されたアンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量及び硫黄沈殿物の質量が計算される。次に、アンモニウム塩試薬のアンモニウムイオンのモル量と硫黄沈殿物の質量に基づいて、公式(1)及び公式(2)によって、試験対象物中の多硫化ナトリウムの含有量が計算される。正確な結果を得るために、検出プロセスを11回繰り返す。具体的な結果を表2に示す。
【0055】
表2
【0056】
さらに、「回復」実験を行い、即ち、実施例2の硫化水素ナトリウム溶液を取り、異なる量の実施例1の30%のNa溶液を添加して、複数のスパイクされた多硫化物溶液を得た。表1で得られた多硫化物の平均含有量が30.56%であることによって、スパイクされた多硫化物中のNaの質量はm1gであることと計算される。次に、本発明の検出方法に従って、スパイクされた多硫化物溶液中のNaの質量を検出し、m2gで表示する。テスト結果を表3に示す。
【0057】
表3
【0058】
表3から、本発明の検出方法で得られたスパイクされた多硫化物溶液中の多硫化物の質量mは、mと同じである傾向があることがわかる。これは、本発明の検出方法の高精度を再確認した。
【0059】
上記の実施例の技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡単にするために、上記の実施例の各技術的特徴の可能な組み合わせはすべて記載されていないが、これらの技術的特徴の組み合わせが矛盾はない限り、この明細書に記録されている範囲と見なされるべきである。
【0060】
上記の実施例は、本発明のいくつかの実施方法を表すだけであり、それらの説明はより具体的かつ詳細であるが、本発明を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の技術構成の趣旨や範囲を逸脱しない前提下で、上述した実施例に対して修正することもできるし、一部の技術特徴を均等置換することもできる。これらの修正や置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は、付属の特許請求の範囲をよりどころとする。
図1
【国際調査報告】