【実施例】
【0103】
実施例1.ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(D/C/F/TAF)の1日1回の単一錠剤レジメンへの切り替えに対する有効性、安全性、及び許容性を評価するための、第3相、無作為化、実対照、非盲検研究。
これは、ウイルス学的に抑制され、HIV−1に感染した成人参加者における、無作為化された(参加者に偶然に割り当てられる試験薬)(2:1)、実対照(実験処置又は手順が標準的な処置又は手順と比較される研究)、非盲検(参加者及び研究者が処置について認識している)、多施設共同(2つ以上の病院又は医学校チームが医学研究試験を行う場合)、並行群間、非劣性研究である。この研究は、約30日間(最大6週間)のスクリーニング期間、48週間の制御された処置期間、48週間の延長相を含む。全ての適格な参加者を、現在の処置レジメン、つまりエムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩と併用した、ブーストしたプロテアーゼ阻害剤(bPI)(低用量リトナビル[rtv]若しくはコビシスタットを有するダルナビル、rtv若しくはコビシスタットを有するアタザナビル[ATV]、又はrtvを有するロピナビル[LPV]に限定)、あるいは実験処置レジメン、つまり1日1回、単一錠剤のD/C/F/TAFのいずれかを、48週間受けるように無作為に割り当てた。48週目の完了後、実験処置に割り当てられた参加者は、延長相において、D/C/F/TAFを最大96週目まで継続した。彼らの現在のレジメンを継続した参加者は、52週目に、最大96週目まで実験処置(全ての基準が満たされた場合)を受ける。96週目より、全ての参加者には、D/C/F/TAFが市販されるようになり、償還されるか、若しくは彼/彼女が生活する国で別の供給源を通してアクセスできるようになるまで、又はスポンサーが臨床開発を終了するまで、彼らがそれを希望し、かつ彼らがそれから利益を得続ける場合、D/C/F/TAF処置を継続する選択肢が与えられる。サブ研究へのインフォームドコンセントを提供する約300人の参加者(D/C/F/TAF処置群の200人対対照群の100人)において、選択された研究部位で骨研究のサブ研究を実施して、骨バイオマーカー及びエネルギーX線吸収測定(DXA)スキャンを評価した。
【0104】
実験処置研究群(SG):参加者は、ダルナビル(DRV)800ミリグラム(mg)/コビシスタット(COBI)150mg/エムトリシタビン(FTC)200mg/テノホビルアラフェナミド(TAF)10mg(D/C/F/TAF錠剤)を含有する単一固定用量併用(FDC)錠剤を、1日1回、最大48週目まで経口で受けた。48週目の後、全ての参加者は、48週間の延長相(最大96週目まで)においてD/C/F/TAF錠剤を受け続ける。
【0105】
活性比較研究群(CG):参加者は、エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF(テノホビルジイソプロキシルフマル酸塩(tenofovir diisoproxil fumarate)))と併用した、ブーストしたプロテアーゼ阻害剤(bPI)(低用量リトナビル[rtv]若しくはコビシスタットを有するダルナビル、又はrtvを有するロピナビルに限定)を、最大52週目まで受ける。52週目の後、全ての参加者は、44週間の延長相(最大96週目まで)においてD/C/F/TAF錠剤を受ける。
【0106】
組み入れ基準(研究は、18歳以上の全ての性別に対して開いている):
・現在、エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF)と併用した、ブーストしたプロテアーゼ阻害剤(低用量リトナビル[rtv]若しくはコビシスタットを有するダルナビル、又はrtvを有するロピナビルに限定)からなる安定した抗レトロウイルス(ARV)レジメンのみで、スクリーニング訪問に先行する少なくとも6ヶ月間連続で処置されている
・処置中の血漿ヒト免疫不全ウイルス1型のリボ核酸(HIV−1 RNA)濃度が、1ミリリットル当たり(<)50コピー(コピー/mL)未満であるか、又はスクリーニング訪問の12〜2ヶ月前の局所HIV−1 RNA試験によってHIV−1 RNAが検出不能であり、かつスクリーニング訪問時に50コピー/mL未満のHIV−1 RNAを有する
・スクリーニングの12〜2ヶ月前にウイルス抑制に以前に達した後、(>=)50コピー/mL以上の単一のウイルス学的上昇は許容されるが、但し、スクリーニング前のその後の試験が50コピー/mL未満であることを条件とする
・文書化された歴史的遺伝子型が入手可能である場合、DRV処置への反応欠如の履歴の不在、及びDRV耐性関連変異(RAM)の不在
・スクリーニング時の正常な心電図(ECG)(又は異常である場合、研究者によって臨床的に有意ではないと決定される)
【0107】
除外基準:
・スクリーニング前30日以内に診断された、新たな後天性免疫不全症候群(AIDS)が定義する病態
・研究エントリー前30日以内に判明したか又は疑われた急性肝炎
・C型肝炎抗体陽性、しかしながら、文書化されたウイルス学的応答、つまりHCV処置の最後の用量の24週間後に検出不能なHCV RNAを有する、C型肝炎ウイルス(HCV)感染が以前に治癒した参加者は、参加させた。
・B型肝炎表面抗原(HBsAg)陽性
・地域診療所に基づいて診断される、肝硬変を有する参加者
【0108】
また、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02269917?term=D%2FC%2FF%2FTAF&age=1&phase=2&draw=1&rank=1も参照されたく、その開示が、参照により本明細書に援用される。
【0109】
24週間後の結果:
1141人の患者を処置した(SG N=763対CG N=378)。ベースライン特性:年齢央値46歳、18%の女性、25%の白色人種(21%の黒色人種)、10%のCD4
+<350個の細胞/mm
3、71%、22%、及び8%がそれぞれ、ダルナビル、アタザナビル、及びロピナビル(15%がコビシスタット)。
【0110】
累積ウイルス学的リバウンド(VR)は、1.8%(SG n=14)対2.1%(CG n=8)であり、このうちそれぞれ10%及び5%では、再ウイルス学的抑制(re−VS)が24週目までに得られ、200c/mL以上のリバウンドは確認されなかった。24週目に、FDAスナップショット分析は、96.3%のSG及び95.5%のCGについてVSが得られたこと、並びにそれぞれ0.5%及び0.8%でウイルス学的応答欠如(VF)が生じたことを示し、VFの中止はなく、いかなる試験薬に対する耐性も検出されなかった。
【0111】
安全性は、24週間を通して群間で類似しており、等級3〜4の有害事象(AE)(SG4.5%対CG4.5%)、重篤なAE(2.6%対3.2%)、及び処置中止(全体で2.9%対2.9%、AEによるものは1.4%対1.1%)の低い発生率であった。最も一般的なAE(両群の5%以上)は、鼻咽頭炎(7.6%対6.6%)、上気道感染(6.3%対6.3%)、ビタミンD欠乏症(5.5%対5%)であった。死亡はなかった。総コレステロール/HDL−コレステロール比は、群間で類似しており、ベースラインからの変化が最小限であった。腎安全性パラメータのベースラインからの変化は、個々のD/C/F/TAF構成成分の既知のプロファイルと一致していた。平均ΔeGFR(CKD−EPIによるシスタチンCのクリアランス):SG+0.3対CG−1.0mL/分/1.73m
2。
【0112】
ウイルス学的に抑制された成人では、1日1回のD/C/F/TAFへの切り替えは許容性が良く、24週間を通して低い累積ウイルス学的リバウンド率及び高いウイルス抑制率をもたらした。
【0113】
48週間後の結果:
1141人の患者を無作為化し、処置した(N=763のD/C/F/TAF対N=378の対照)、年齢中央値46、18%の女性、25%の非白色人種、58%が以前のARV経験者であった。48週目までの累積ウイルス学的リバウンドは、2.5%(n=19のD/C/F/TAF)対2.1%(n=8の対照)であった(差:0.4%、95%のCI−1.5%、2.2%、P
非劣性<0.001)。ほとんどのリバウンドした者(それぞれ12/19人及び4/8人)が、48週目までに再抑制された。48週目のウイルス学的抑制(VL<50c/mL、FDAスナップショット)は、94.9%対93.7%であった。6人(0.8%)対2人(0.5%)の患者は、50c/mL以上のVLを有し、ウイルス学的応答欠如又はいずれかの試験薬に対する発現した耐性のための中止はなかった。48週間を通した安全性は、群間で類似しており、有害事象(AE)(1.4%対1.1%)、等級3〜4のAE(6.7%対7.9%)、及び重篤なAE(4.5%対4.8%)による処置中止の低い発生率であり、死亡はなかった。腎及び骨マーカーのベースラインから48週目まで変化は、対照に対して、D/C/F/TAFについてより有利であり(表1)、総コレステロール/HDL−コレステロールの群間の差はなかった。
【0114】
1日1回のSTR、D/C/F/TAFへの切り替え後のウイルス学的リバウンドのパーセンテージは、48週間を通して対照に対して非劣性であり、改善された骨及び腎安全性マーカー、並びにbPIに基づくレジメンについて見られる最高水準のウイルス学的抑制率であった。
【0115】
【表2】
*ファン・エルターレン試験で評価した処置間比較、スクリーニング時に使用されるブーストしたPIの制御、eGFR
cyst=eGFRシスタチンCのクリアランス(CKD−EPI式)、BMD=骨塩量
ウイルス学的リバウンドは、48週間を通して累積した。ウイルス学的応答(US FDAスナップショットアルゴリズムを介して評価)、及びCD4+細胞数の変化を、48週目に評価した。BL値は、中央値である。
【0116】
【表3】
BGDグループ間の差、BLベースライン、bPIブーストしたプロテアーゼ阻害剤、COBコビシスタット、DRVダルナビル、FTCエムトリシタビン、pts患者、TAFテノホビルアラフェナミド、TDFテノホビルジソプロキシルフマル酸塩、VLウイルス負荷(すなわち、血漿HIV−1 RNAレベル)、→BLでの切り替え
a 抗レトロウイルス薬の投薬は、指定される場合、DRV/COB/FTC/TAF(800/150/200/10mg)であった
b 確認されたVL≧50コピー/mL、又は最終VL≧50コピー/mLでの早期中止として定義される、一次エンドポイント
c BGDのP値は報告しなかった
d リトナビル若しくはCOBでブーストした1日1回のDRV若しくはアタザナビル、又はリトナビルでブーストした1日2回のロピナビル
e BGDの95%のCIの上界は4%未満であったため、DRV/COB/FTC/TAFへの切り替えは、bPI+FTC+TDFの継続に対して非劣性であった
1 Orkin C,Molina J−M,Negredo E,et al.Efficacy and safety of switching from boosted protease inhibitors plus emtricitabine and tenofovir disoproxil fumarate regimens to single−tablet darunavir,cobicistat,emtricitabine,and tenofovir alafenamide at 48 weeks in adults with virologically suppressed HIV−1(EMERALD):a phase 3,randomised,non−inferiority trial.Lancet HIV.2017。
【0117】
96週間後の結果:
無作為化し、処置した1141人の患者(58%は、スクリーニングのARVを含む5回以上の以前のARVを受け、15%は、以前の非DRV VFを有した)のうち、1080人が、延長相へと継続した(N=728のD/C/F/TAF、N=352後期切り替え)。D/C/F/TAF群(3.1%、24/763人)では、数人の患者が、96週目まで累積したウイルス学的リバウンドを有した。ウイルス学的リバウンドは、44週間のD/C/F/TAF処置にわたって、後期切り替え群の2.3%(8/352人)で生じた。多くのリバウンドした者(14/24人及び2/8人)が、96週目までに再抑制された。ウイルス学的リバウンド(ITT分析)を有する患者の多くは、96週目までに再度抑制を達成した(すなわち、彼らは、FDAスナップショットアプローチによってVL<50コピー/mLを有した)(14/24人、D/C/F/TAF群、96週目まで、2/8人、後期切り替え群、52〜96週目まで)。それぞれ、4/763人(0.5%)及び2/352人(0.6%)のリバウンド(VL≧200コピー/mL)が確認された。96週目に、D/C/F/TAF群の患者の高パーセンテージ(90.7%、692/763人)が、抑制された(VL<50c/mL)。後期切り替え群では、93.8%(330/352人)が、44週間後にウイルス学的抑制を維持した。ベースライン後には、DRV、一次PI、TFV、又はFTC RAMは見られなかった。いくつかの重篤なAE及びAE関連の中止が、いずれの群でも生じた(表1B)。腎及び骨パラメータの改善は、D/C/F/TAF群では維持され、後期切り替え群では見られ(52〜96週目)、TC/HDL−C比の変化は小さかった(表1B)。
【0118】
D/C/F/TAFへの切り替えは、耐性発達を伴わずに96週目に高いウイルス抑制率(90%超)を維持し、既知のTAF及びコビシスタットプロファイルと一致する骨、腎、及び脂質安全性で、96週間にわたって許容性が良かった。後期切り替え群の有効性及び安全性の結果は、D/C/F/TAF群の48週目の結果と一致した。D/C/F/TAFは、非DRV VFの履歴を有する患者であっても、有効性及びDRVの耐性に対する高い遺伝的障壁を、TAFの安全性利益と組み合わせる。
【0119】
【表4】
*44週間のD/C/F/TAF曝露(すなわち、52週目のD/C/F/TAFへの切り替えから)を含む
†処置群内での、96週目における基準からの変化の比較は、ウィルコクソン符号順位検定(eGFR、腎バイオマーカー及び空腹時脂質)並びに対応のあるt検定(BMD)によって評価した
‡D/C/F/TAF群の基準は、研究ベースラインであり、後期切り替え群の基準は、切り替えの前の最終値である
§3件の死亡は、転移性膵癌及び心筋梗塞の2つの事例が原因であり、そのうち高血圧、冠動脈疾患、及び肥満の病歴を有する喫煙者であった患者における1つの事例は、D/C/F/TAFに関連すると見なされた。
eGFR
cyst=血清シスタチンCに基づくeGFR(CKD−EPI式)、eGFR
cr=血清クレアチニンに基づくeGFR(CKD−EPI式)、UPCR=尿タンパク質:クレアチニン比、UACR=尿アルブミン:クレアチニン比、RBP:Cr=尿レチノール結合タンパク質:クレアチニン比、B2M:Cr=尿ベータ−2−ミクログロブリン:クレアチニン比、TC=総コレステロール、HDL−C=高密度リポタンパク質コレステロール、LDL−C=低密度リポタンパク質コレステロール、BMD=骨塩量、ND=決定されず。
【0120】
実施例2.抗レトロウイルス処置未経験のヒト免疫不全ウイルス1型に感染した対象における、D/C/F/TAFの1日1回の固定用量併用レジメンに対する有効性及び安全性を評価するための、第3相、無作為化、実対照、二重盲検研究。
これは、第3相、国際的、多施設共同(2つ以上の病院又は医学校チームが医学研究試験を行う場合)、無作為化(1:1)(偶然に割り当てられる試験薬)、二重盲検(研究者又は参加者のいずれも参加者がどの処置を受けているかを知らない医学研究試験)、並行群間、実対照(実験処置又は手順が標準的な[対照]処置又は手順と比較される研究)研究である。この研究は、5つの期間、つまりスクリーニング期間、二重盲検処置期間、単一群処置期間、延長期間、及び追跡期間からなる。参加者は、ダルナビル(DRV)/コビシスタット(COBI)/エムトリシタビン(FTC)/テノホビルアラフェナミド(TAF)の固定用量併用(D/C/F/TAFのFDC)、又はFTC/TDFのFDCと共にDRV/COBIのFDCのいずれかを受ける。初めに、スナップショット分析によって定義される、1ミリリットル当たり(<)50コピー(コピー/ml)未満のヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1のリボ核酸(RNA)を有する参加者のパーセンテージが評価される。参加者の安全性は、研究の間終始監視される。
【0121】
実験処置研究群(SG):対象は、最大48週目の分析盲検解除の訪問まで(最後の対象が48週目に達した後)1日1回、DRV/COBIのFDC適合及びFTC/TDFのFDC適合プラシーボ錠剤と共に、ダルナビル(DRV)800ミリグラム(mg)/コビシスタット(COBI)150mg/エムトリシタビン(FTC)200mg/テノホビルアラフェナミド(TAF)10mgを含有する単一経口錠剤(D/C/F/TAF固定用量併用[FDC])を1日1回受けた。48週目の分析非盲検解除の訪問後、対象は、最大96週目まで1日1回、D/C/F/TAFのFDCを含有する単一錠剤を受ける。
【0122】
活性比較研究群(CG):対象は、最大48週目の分析盲検解除まで(最後の対象が48週目に達した後)1日1回、D/C/F/TAFのFDC適合プラシーボ錠剤と共に、DRV 800mg/COBI 150mgのFDC及びFTC 200mg/TDF 300mgのFDCを受けた。48週目の分析非盲検解除後、対象は、最大96週目まで1日1回、D/C/F/TAFのFDCを含有する単一錠剤を受ける。
【0123】
組み入れ基準(研究は、18歳以上の全ての性別に対して開いている):
・対象は、抗レトロウイルス(ARV)処置未経験でなければならない(曝露後予防及び曝露前予防を含むARVで処置されたことがない)、いかなる期間にわたっても、いかなる承認済み又は実験用の抗ヒト免疫不全ウイルス(抗HIV)薬も事前に使用したことがない
・1ミリリットル当たり≧1,000コピー(コピー/mL)以上の血漿HIV−1リボ核酸(RNA)レベルのスクリーニング
・50個超の細胞/マイクロリットル(細胞/mcL)の表面抗原分類4+(CD4+)細胞数
・HIV−1遺伝子型のスクリーニング報告は、DRV、TDF、及びFTCに対して完全な感受性を示さなければならない
・クレアチニンクリアランスのコッククロフト・ゴールト式に従って70mL/分以上のeGFRクレアチニンのスクリーニング
【0124】
除外基準:
・対象は、スクリーニング前30日以内に、新たな後天性免疫不全症候群(AIDS)が定義する病態と診断された
・対象は、スクリーニング前30日以内に判明したか又は疑われた急性肝炎を有する
・対象は、C型肝炎又はB型肝炎陽性である
・対象は、肝硬変の病歴を有する
【0125】
手順
この試験は、ベースライン訪問前に約30日間(最大6週間まで)のスクリーニング期間、48週間の二重盲検処置期間、及び盲検解除後、全ての患者が最大96週目までD/C/F/TAFを受け、レジメンが市販されるまで繰り越し延長相にD/C/F/TAFの服用を継続する、非盲検、単一群処置相を含んだ。
【0126】
研究訪問は、ベースライン、2、4、8、及び12週目、並びにその後96週目まで12週毎に予定し、対照群の患者についてのみ、盲検解除の訪問の3〜7週間後に訪問を予定した。試験薬を早期中止した者もまた、72時間以内の訪問への参加が必要とされた。最終研究訪問時に進行中の有害事象又は深刻な有害事象を有したいかなる患者も、同意の撤回がない限り、30日目の追跡訪問への参加が必要とされた。
【0127】
各訪問では、薬物管理責任(ピル計数及び患者記録小冊子)による処置アドヒアランス(2週目を除く)、付随する薬物、及び有害事象を監視した。血漿ウイルス負荷、CD4
+細胞数、生化学、血液学、尿分析及び尿化学、慢性腎疾患疫学協調(CKD−EPI)式によるeGFR
cystの計算のための血清シスタチンC、並びにeGFR
crの計算のための血清クレアチニン(コッククロフト・ゴールト式及びCKD−EPI式)を評価した。腎性タンパク尿バイオマーカー、尿中レチノール結合タンパク質、及びベータ−2−ミクログロブリンを、ベースライン、2、4、12、24、及び48週目に絶食状態で測定した。絶食時の代謝プロファイル評価(総高密度リポタンパク質[HDL]−及び低密度リポタンパク質[LDL]−コレステロール、トリグリセリド)を、ベースライン、24週目、及び48週目に実施した。
【0128】
COBAS AmpliPrep/COBAS TaqMan HIV−1試験、V2.0(Roche Diagnostics,Basel,Switzerland)を使用して、血漿ウイルス負荷を定量化した。プロトコルで定義されたウイルス学的応答欠如は、ウイルス学的非応答(ベースラインからのウイルス負荷の1未満のlog
10低減及び8週目に1mL当たり50コピー以上、次回の訪問時に確認)、又はウイルス学的リバウンド(1mL当たり50コピー未満の確認された連続ウイルス負荷後の1mL当たり50コピー以上の確認されたウイルス負荷、若しくは最下点からの確認されたウイルス負荷の1超のlog
10増加)、並びに/又は最終時点でのウイルス血症(研究エンドポイント時点の1mL当たり400コピー以上のウイルス負荷、若しくは8週目以降の研究中止)として定義された。スクリーニング後耐性試験(PhenoSense GT、遺伝子型/表現型耐性試験の組み合わせ)を、プロトコルで定義されたウイルス学的応答欠如を有し、応答欠如時((好ましくは確認済み、若しくは別様に未確認の)ウイルス学的応答欠如時点)又はより後の時点で400コピー/mL以上のウイルス負荷を有した患者からのサンプルに対して実施した。
【0129】
両無作為化群からの同意する患者の選択された研究部位において、骨研究のサブ研究を実施した。二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)スキャンを実施して、ベースライン、24週目、及び48週目の股関節、脊椎、及び大腿骨頸部のBMDを決定した。骨バイオマーカー、副甲状腺ホルモン、及び25−ヒドロキシビタミンDのレベルを、ベースライン、24週目、及び48週目に絶食状態で測定した。アルカリホスファターゼ、C型コラーゲン配列(骨吸収マーカー)、及びプロコラーゲン型N−末端プロペプチド(骨形成マーカー)を、2、4、12、24、及び48週目に測定した。
【0130】
AIDS等級付け表の境界を使用して、あらゆる有害事象及び臨床的に有意な検査室異常を等級付けした。医薬品規制用語集(バージョン19・1)を使用して、有害事象をコード付けした。全ての臨床検査室試験は、中央検査室によって実施された。
【0131】
統計分析
48週目の一次分析を、処置企図集団(無作為化され、1用量以上の試験薬を受けた全ての患者を含む)に対して実施した。有効性に影響を及ぼす可能性がある、主要プロトコル違反患者又は他の既定の基準を有する患者を除外して、パープロトコル分析もまた実施した。SASソフトウェア(SAS Institute,Inc,Cary,NC,USA)バージョン9・2を使用して、データ分析を実施した。
【0132】
各処置群について、48週目における80%の奏功率(1mL当たり50コピー未満のウイルス負荷、FDAスナップショット分析)を想定して、90%の検出力での10%の非劣性マージン及び2・5%の片側有意レベルをもって、対照に対するD/C/F/TAFの非劣性を確立するためには、335人の患者が各群に登録が必要とされた。骨研究のサブ研究では、4%の患者間変動性及び2・5%の片側有意レベルを想定して、90%の検出力で2%以上のBMDの群間の絶対差を検出するためには、1処置群当たり最小85人の患者が必要とされた。
【0133】
48週間の奏功率における処置群間の層調整した(1mL当たり100000コピー以下又は超のウイルス負荷、及び1mm
3当たり200個未満又は以上の細胞のCD4
+細胞数)マンテル・ヘンツェル差(D/C/F/TAFマイナス対照)の両側95%のCIの下限値が、−10%超であった場合、対照に対するD/C/F/TAFの非劣性が実証される。95%のCIの下限値が0超であった場合、優位性が確立される。
【0134】
CD4
+細胞数及び関連する95%のCIの、48週目のベースラインからの最小2乗平均変化の群間の差を、連続共変量としてベースライン時のCD4
+細胞数を含むANCOVAを使用して構築した。中止した患者では、中止後のCD4
+値を、ベースライン値で補完した(未完了者=応答欠如)。他の(断続的な)欠落値は、繰り越された最終観察を使用して補完した。
【0135】
ベースライン及びベースライン後のHIV−1遺伝子型を、プロテアーゼ変異(国際抗ウイルス協会[IAS]−米国の一次プロテアーゼ阻害剤関連変異を含む)及び逆転写酵素変異(IAS−USA NRTI耐性関連変異及びIAS−USA NNRTI耐性関連変異を含む)、並びに試験薬に対する耐性に関連する特定の変異について分析した。遺伝子型/表現型報告に基づく抗レトロウイルス感受性もまた評価した。
【0136】
腎及び骨バイオマーカーの、24週目及び48週目のベースラインからの平均変化の処置内比較、並びに空腹時脂質を、ウィルコクソン符号順位検定を使用して実施した。ウィルコクソン順位和検定を使用して、処置間比較を評価した。血清クレアチニン、eGFR、及びBMDの、24週目及び48週目のベースラインからの変化の処置間差を、因子として処置及び共変量として対応するベースライン値を含むANCOVAを使用して研究した。
【0137】
この研究は、ClinicalTrials.govにより番号NCT02431247、及びEudraCTにより番号2015−000754−38で登録されており、スポンサープロトコル番号は、TMC114FD2HTX3001である。また、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02431247?term=D%2FC%2FF%2FTAF&age=1&phase=2&draw=1&rank=2も参照されたい。
【0138】
48週間後の結果
725人の患者(362人のD/C/F/TAF、363人の対照)を無作為化し、処置した。年齢中央値34歳、12%の女性、83%の白色人種、7%の200個の細胞/mm
3未満のCD4数、及び18%の100,000c/mL以上のVL。ベースラインウイルス負荷中央値は、1mL当たり4.52log
10コピーであった(IQR4.10〜4.87)。ベースラインCD4+細胞数中央値は、1mm
3当たり453個の細胞であった(IQR333〜601)。以下の
図4及び表2を参照されたい。
【0139】
【表5】
【0140】
48週目に、ウイルス学的奏功率(FDAスナップショット)は、対照では88.4%であったのに対して、D/C/F/TAFでは91.4%であった(Δ2.7%、95%のCI:−1.6%、7.1%、p
非劣性<0.0001)。
図3を参照されたい。ウイルス学的応答欠如(1スナップショット当たり50c/mL以上のVL、4.4%対3.3%)のうち、中止はなく、ダルナビル又はTAFに対する処置下で発現した耐性はなかった。
【0141】
パープロトコル分析による結果は、処置企図による一次エンドポイントと一致し、対照(92・2%[317/344])(95%のCI 88・8〜94・8)に対するD/C/F/TAF(94・0%[327/348])(95%のCI 90・9〜96・2)の非劣性を確認した(差1・5%、95%のCI:−2・3〜5・2、p<0・001)。以下の表3及び4を参照されたい。他の感受性分析もまた、一次エンドポイントの発見を実証した。48週目の奏功率(1mL当たり50コピー未満、FDAスナップショット分析)は、年齢、性別、人種、ベースラインCD4
+細胞数、及びベースラインウイルス負荷を含む、様々な患者亜群にわたって一致していた。
図4を参照されたい。
【0142】
【表6】
CI=信頼区間、D/C/F/TAF=ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド、対照レジメン=ダルナビル/コビシスタット+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、1日1回。
*ウイルス負荷(1mL当たり≦又は>100000コピー)及びCD4+数(1mm
3当たり<又は≧200個の細胞)のスクリーニングのために調整するマンテル・ヘンツェル試験により計算、
†48週目における処置企
図FDAスナップショット分析について、48週目時点のウインドウにおける入手可能な最終ウイルス負荷値を使用して、応答を決定した。
‡患者は、研究者の査定により、ウイルス学的エンドポイントに達した。この患者は、36週目に1mL当たり168コピーのウイルス負荷を有し、研究者によって撤回された。この患者の処置中(36週間後16日目の、早期研究処置中止の訪問時)の最終ウイルス負荷は、1mL当たり31コピーであった。
§追跡不能例(4人対2人の患者)、患者による撤回(1人対1人)、及び他の理由(1人対0人)。
¶追跡不能例(0人対3人)、医師決定(2人対0人)、患者による撤回(1人対5人)、及び他の理由(1人対1人)。
【0143】
【表7】
†共変量としてベースライン値及び処置を含む、ベースラインからの変化のANCOVAモデル。中止後の値をベースライン値で補完した、未完了者=応答欠如の分析に基づく。他の(断続的な)欠落値は、繰り越された最終観察を使用して補完する。
CI=信頼区間、D/C/F/TAF=ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド、対照レジメン=ダルナビル/コビシスタット+エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、1日1回、TLOVRV=ウイルス学的応答の損失までの時間
【0144】
200及び20コピー/mLの閾値を使用する、48週目のウイルス学的奏功率(FDAスナップショット分析)もまた、両群で類似していた。上記の48週目のウイルス学的及び免疫学的結果、表4を参照されたい。48週目の、CD4
+細胞数のベースラインからの最小2乗平均増加(p<0・0001)(未完了者=応答欠如)は、D/C/F/TAF群では190・5個の細胞/mm
3、及び対照群では172・0個の細胞/mm
3であり、群間の統計的に有意な差はなかった。上記の48週目のウイルス学的及び免疫学的結果、表4を参照されたい。
【0145】
48週目まで、8人(D/C/F/TAF)及び6人(対照)の参加者は、プロトコルで定義されたウイルス学的応答欠如を有し、7人対2人の患者について、対応のあるスクリーニング及びベースライン後の処置中の遺伝子型が入手可能であった。いずれの患者にも、ダルナビル、一次PI、又はTDF/TAF RAMは発達しなかった。D/C/F/TAF群の1人の患者で、エムトリシタビン及びラミブジンに対する表現型耐性に関連するM184V/I変異が特定された。この患者は、スクリーニング時にK103N変異を保有しており、これは、NNRTI(エファビレンツ及びネビラピン)耐性の伝染を示した。全ての他の患者は、処置レジメンにおける全ての薬物に対して感受性を保った。
【0146】
48週目まで、ピル計数(全ての患者は、研究設計に基づいて1日1回3錠を服用した)によって測定される95%以上のアドヒアランス率は、対照群では88・3%(271/307人)であったのに対して、D/C/F/TAF群では88・3%(264/299人の患者)であった。
【0147】
CD4
+細胞数のベースラインからの平均増加は、188.7対173.8個の細胞/mm
3であった。各処置群では、平均(標準誤差)CD4+細胞数は、48週目に、それぞれ188.7(10.57)及び173.8(10.69)個の細胞/mm
3だけ経時的に増加した。ベースラインCD4+数について調整した場合、48週目のCD4+細胞数及びCD4+/リンパ球(%)のベースラインからの増加のLS平均推定値は、D/C/F/TAF群では190.5個の細胞/mm
3及び7.56%、並びに対照群では172.0個の細胞/mm
3及び7.78%であった。
【0148】
等級3〜4の有害事象(AE)(5.2%対6.1%)、重篤なAE(4.4%対5.8%)(死亡なし)、及びAEによる中止(1.9%対4.4%)の発生率は低かった。安全性プロファイルは、群間で類似していた。表5を参照されたい。因果律に関わらず、ほとんどの有害事象は、等級1又は2であった。48週目までの最も一般的な(いずれの群でも5%以上)試験薬関連有害事象は、下痢、発疹、及び悪心であった。ほとんどの下痢のエピソードの重症度は、軽度であった。各群で1人の患者のみが、下痢が原因で研究を中止した。薬物関連免疫再構築炎症反応症候群(IRIS)(並びに精神障害、具体的には不眠症(及びうつ状態))の割合は、各群で低かった。
【0149】
【表8】
【0150】
因果律に関わらない腎有害事象は、患者の2%(7/362人)対6%(21/363人)で生じた。腎有害事象はいずれも、処置下で発現した近位尿細管障害を示唆するものでも、中止につながるものでもなかった。
【0151】
因果律に関わらない等級3及び4の有害事象、重篤な有害事象、並びに有害事象関連中止は、珍しいものであった。2人以上の患者について報告された唯一の等級4の有害事象は、自殺未遂であり、これは、対照群の2人(0.6%)の患者で報告された。両群で、処置相中に死亡はなかった。しかしながら、追跡相において、対照群で1件の死亡があった(最終試験薬服用の11日後)。この事象は、試験薬に関連するとは見なされなかった。検査室異常の発生率及び種類は、両処置群で類似しており、ほとんどが等級1又は2であった。
【0152】
D/C/F/TAFは、有利な腎プロファイル(GFRの保存及びより少ない尿細管性蛋白尿)を提供した。
【0153】
48週目のeGFR
cystの平均変化(増加)(CKD−EPI式)は、対照(+2・9mL/分/1・73m
2)[標準偏差13.3]よりもD/C/F/TAF(+5・3mL/分/1・73m
2)[標準偏差10.8]で大きかった(p<0・0001、処置内比較のためのANCOVA、処置間比較ではp=0.001)。5Aを参照されたい。表7もまた参照されたい。血清クレアチニンは、D/C/F/TAF群でベースラインから48週目まで増加し(+4・8μmol/L)[標準偏差8.7]、これは、コビシスタットがクレアチニン尿細管分泌の阻害に与える既知の影響と一致していたが、対照群(+8・2μmol/L)[標準偏差9.97]よりも少ない程度であった(p<0・0001、処置内比較及び処置間比較のためのANCOVA)。したがって、48週目のeGFR
crの平均減少(CKD−EPI式)は、対照群(1・73m
2当たり−9・3mL/分[標準偏差10.9]、p<0・0001、処置内比較及び処置間比較のためのANCOVA)よりもD/C/F/TAF群(1・73m
2当たり−5・9mL/分)[標準偏差9.7]で少なかった(
図5Bを参照されたい)が、両群とも、平均eGFR
crは、正常限度内であった。
【0154】
48週目に、総尿タンパク質(D/C/F/TAF−22・42mg/g[標準偏差71・98]対対照−10・34mg/g[118・18]、p=0・033)、アルブミン(−2・45mg/g[23・81]対−0・58mg/g[68・93]、p=0・003)、レチノール結合タンパク質(16・84μg/g[317・31]対401・12μg/g[2688・91]、p<0・0001)、及びβ2−ミクログロブリン(−100・58μg/g[788・60]対837・63μg/g[6122・87]、p<0・0001)の、尿クレアチニンに対する比のベースラインからの平均変化によって決定されるタンパク尿の定量的測定値は、対照群と比較して、D/C/F/TAF群で改善された。表7を参照されたい。
【0155】
D/C/F/TAFは、対照と比較して、有利な骨安全性プロファイルを提供した。
図5C及び5Dを参照されたい。DXAサブ研究におけるベースライン患者特性は、D/C/F/TAF(N=113)群と対照(N=99)群との間で良好なバランスがとれており、全体的な研究におけるものと同等であった。表6を参照されたい。
【0156】
【表9】
【0157】
ベースラインから48週目までの股関節、腰椎、及び大腿骨頸部のBMDは、各部位において、D/C/F/TAF群(平均パーセンテージ変化はそれぞれ、+0・21%[標準偏差3・09]、−0・68%[4・08]、及び−0・26%[4・11]、p=0.589股関節、p=0.093脊椎、p=0.518大腿骨頸部、処置内(
図5C及び5Dを参照されたい)比較のためのANCOVA)で安定していたが、それらは、対照群では48週目に有意に減少した(それぞれ−2・73%[3・24]、−2・38%[3・75]、及び−2.97%[3・98]、p<0・0001、各部位における処置内比較のためのANCOVA、p<0・0001[股関節及び大腿骨頸部]並びにp=0・004[脊椎](処置間比較)である)。対照群よりもD/C/F/TAF群で、少ない患者が股関節及び腰椎のBMDの3%以上の減少を有し、D/C/F/TAF群で、より多くの患者が3%以上の増加を有した。
図5を参照されたい。大腿骨頸部のBMDの3%以上の減少(21・9%[21/96]対52・9%[45/85])及び3%以上の増加(14・6%[14/96]対7・1%[6/85])について、並びに股関節及び脊椎におけるBMDのベースラインからの5%以上及び7%以上の増加又は減少について、類似した傾向が見られた。
図5及び表6を参照されたい。48週目に、(股関節5・2%[5/96]対1・2%[1/85])、腰椎(3・1%[3/96]対1・2%[1/85])、又は大腿骨頸部(2・1%[2/96]対2・4%[2/85])のいずれも、対照群よりもD/C/F/TAF群で、より高い割合の参加者が、骨減少症から正常への、又は骨粗鬆症から正常若しくは骨減少症へのTスコアの改善を有した。並行して、D/C/F/TAF群で、より低い割合の参加者が、各部位(股関節:3・1%[3/96]対14・1%[12/85]、腰椎:8・3%[8/96]対15・3%[13/85]、大腿骨頸部:5・2%[5/96]対9・4%[8/85])におけるBMD状態の悪化を有した。骨折は、低い頻度で生じ、各群で異なって生じることはなく(1・1%[4/362]対0・6%[2/363]、p=0・451)、全てが外傷性であり、骨粗鬆症であることが疑われるものはなかった。スクリーニング相中に抗骨粗鬆症薬(ビスホスホネート、カルシウム、又はビタミンDを含む)を服用していない、D/C/F/TAF群の362人の患者のうち9人(2・5%)及び対照群の363人の患者のうち16(4・4%)人は、処置相中に新たな抗骨粗鬆症処置を開始した。骨バイオマーカーレベルのベースラインからの変化は、対照群よりもD/C/F/TAF群でより少ない骨代謝回転を示唆しており、D/C/F/TAF群のアルカリホスファターゼ、プロコラーゲン型N末端プロペプチド、C型コラーゲン配列、及び副甲状腺ホルモンの値は安定しており、対照群の全てのマーカーは増加した(処置間比較、アルカリホスファターゼ、プロコラーゲン型N末端プロペプチド、及びC型コラーゲン配列ではp<0・0001、副甲状腺ホルモンではp=0・0093)。25−ヒドロキシビタミンレベルは、両群でベースラインから増加した。
図7を参照されたい。
【0158】
D/C/F/TAFは、TC/HDL比の臨床的に関連する変化を提供しなかった(表7)。空腹時総コレステロール、LDL−コレステロール、及びトリグリセリドの、48週目のベースラインからの変化中央値は、D/C/F/TAFと比較して対照に有利であり、HDL−コレステロールの変化は、D/C/F/TAFに有利であったが、群間のHDL−コレステロール比の差は、統計的に有意であるが臨床的に関連しない小さいものであった。
図6を参照されたい。6人(1・7%)及び2人(0・6%)の患者が、処置期間中に脂質低下薬を新たに開始した(群間のp=0.1770)。
【0159】
D/C/F/TAFは、48週目に、エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩と同時投与されるダルナビル/コビシスタットのレジメンに対して非劣性であり、臨床的に健康な処置未経験のHIV−1に感染した成人において、ウイルス学的応答は高かった(91・4%)(FDAスナップショット分析)。D/C/F/TAFは、対照よりも良好な骨及び尿細管の安全性プロファイルに関連付けられ、中程度、重度、又は重篤な有害事象は少数であった。空腹時脂質プロファイルは、対照群に有利であるが、脂質低下薬を新たに開始した患者の数は限定されていた。D/C/F/TAFは、ART未経験のHIV−1に感染した患者の処置のための単一錠剤レジメンにおいて、既知の有効性及びダルナビルの耐性に対する高い遺伝的障壁を、テノホビルアラフェナミドの安全性利益と組み合わせる。
【0160】
【表10】
*処置間比較は、ANCOVA(eGFR、BMD)及びウィルコクソン順位和検定(腎バイオマーカー)を使用して評価した、eGFR
cyst=eGFRシスタチンCのクリアランス(CKD−EPI式)、eGFR
cr=eGFRクレアチニンクリアランス(CKD−EPI式)、BMD=骨塩量、ND=決定されず、TC=総コレステロール、HDL−C=高密度リポタンパク質コレステロール、
【0161】
実施例3:別個の薬剤の併用服用と比較した、ダルナビル、コビシスタット、エムトリシタビン、及びテノホビルアラフェナミド(D/C/F/TAF)の、1日1回の単一錠剤の完全なHIV−1レジメンの生物学的同等性、並びに食品が生物学的利用能に与える影響
方法
研究集団
両研究は、類似した組み入れ基準を有し、これらの基準は、18.5〜30.0kg/m
2の肥満度指数を有し、選択前に3ヶ月間以上喫煙者ではなく、かつ身体的検査、病歴、バイタルサイン、12誘導心電図[ECG]、及び臨床検査室試験に基づいて健康な、18歳以上〜55歳の年齢の男性又は女性(妊娠の可能性がないか、若しくは非常に有効な避妊法の使用に同意した者)を含んだ。両研究の重要な除外基準は、HIV−1、HIV−2、A型肝炎、B型肝炎、及び/又はC型肝炎での陽性スクリーニング試験、薬物及び/又はアルコール乱用の履歴又は証拠、薬物吸収/生物学的利用能に影響を及ぼす、有意かつ活性な下痢、悪心、又は便秘、臨床的に有意な疾患(例えば、消化管、心臓血管、神経疾患)、又は腎不全の病歴を含んだ。
【0162】
志願者は、パラセタモール(3×500mg/日若しくは3g/週以下)又はイブプロフェン(1×400mg/日以下)、閉経後の女性におけるホルモン補充療法、及びホルモン系避妊薬を除いて、第1の試験薬投与の14日以上前には、いかなる薬剤の服用も許可されなかった。
【0163】
両研究は、ヘルシンキ宣言、優良臨床試験基準の原理及び適用される規制要件に従って実施した。研究プロトコル及び補正は、独立倫理委員会によって審査及び承認された。全ての志願者は、研究開始前にインフォームドコンセントを書面で提供した。
【0164】
研究計画及び処置
これらは、2つの第I相、単一施設、非盲検、無作為化、2順序、2期間のクロスオーバー研究であった。
【0165】
生物学的利用能研究(TMC114FD2HTX1002、Clinical Trials.gov:NCT02475135、EudraCT番号2015−001213−27)を、SGS Life Science Services Clinical Pharmacology Unit(Antwerp,Belgium)で、2015年6月1日〜8月14日に実施した。生物学的利用能研究は、3つの別個のパネルを含むが、食品がD/C/F/TAF構成成分の単回用量の薬物動態に与える影響を評価するパネルのみが提示される。
【0166】
生物学的同等性研究(TMC114FD2HTX1001、Clinical Trials.gov:NCT02578550、EudraCT番号2015−001264−18)を、QPS Netherlands BV(Groningen,The Netherlands)で、2015年11月20日〜22、2016年2月22日に実施した。
【0167】
両研究では、志願者を、試験薬の第1の投与前21日以内にスクリーニングし、1日目の朝に研究場所に入院させ、10時間以上にわたって一晩絶食させた(水は投薬の2時間前まで許可した)。志願者を、第1の処置セッションの1日目、単回用量の試験薬の服用前に、(コンピュータによって生成した、置換ブロックを使用する無作為化予定を使用して)無作為化した。全ての試験薬の服用は、240mLの非炭酸水で行い、ユニット内で観察した。2つの処置セッション間の休薬期間は、7日以上であった。
【0168】
食品がD/C/F/TAFの構成成分の生物学的利用能に与える影響を評価するために、24人の志願者を無作為化して、絶食(試験)条件下又は給餌(標準的な高脂肪朝食の開始後30分以内)(基準)条件下のいずれかで、D/C/F/TAFの単一経口用量を受けさせた。標準的な高脂肪朝食(928kCal、56gの脂肪)は、バターで焼いた2個の卵、2枚のベーコン、バターを塗った2枚の白パン、1枚のチーズを付けた1個のクロワッサン、及び240mL(8oz)の全乳(又はそれに相当するもの)からなった。
【0169】
生物学的同等性研究では、96人の志願者を無作為化して、給餌条件(標準的な通常の朝食開始後5分以内)下で、D/C/F/TAF錠剤の単一経口用量(試験)、又は1×800mgの錠剤としてのDRV、1×200/10mgのFDC錠剤としてのFTC/TAF、及び1×150mgの錠剤としてのCOBIの単一経口用量(併用服用として、基準)を受けさせた。標準的な通常の朝食(533kCal、21gの脂肪)は、4枚のパン、2枚のハム及び/又はチーズ、バター、果物ジャム、並びに牛乳及び/又は砂糖を入れた2カップ(最大480mL)のカフェイン除去したコーヒー又は茶(又はそれに相当するもの)からなった。
【0170】
試験薬の服用後、水及び食品はそれぞれ、2時間及び4時間後から許可した。
【0171】
サンプルサイズ
食品がD/C/F/TAFの構成成分の生物学的利用能に与える影響
以前の生物学的利用能研究から、対象内変動性(log変換)は、最大で0.36であると推定され、これは、曝露を通した最大の変動性であり、D/C/F/TAFの異なる構成成分の最大血漿中濃度(C
max)であった。0.36のこの対象内変動性、及び食品影響研究を完了する22人の志願者の標的サンプルサイズに基づいて、一次薬物動態パラメータの幾何平均比(GMR)(基準を超える試験)について、真値のパーセンテージとして表される精度範囲は、90%の信頼度で83%及び120%境界内にあると予想された。追加の2人の志願者を、早期中止を考慮して募集し、合計サンプルサイズを24人の参加者にした。
【0172】
生物学的同等性研究
TAFのC
maxは、D/C/F/TAFの構成成分の薬物動態パラメータの中で最も可変的なものであることが見出された。したがって、サンプルサイズ計算には、48%の変動係数(CV%)に対応する0.456の対象内log標準偏差を使用した。0.456の対象内log標準偏差に基づき、かつ各々5%の有意水準の2つの片側t検定手順を使用して、処置間の真の差が5%である場合に全体的な80%の検出力で、D/C/F/TAF固定用量併用(FDC)と、別個の薬剤として投与されるDRV、FTC/TAFのFDC、及びCOBIの併用投与との間の生物学的同等性を実証するために必要とされる志願者の総数は、91人の参加者であった。96人の志願者の募集を、早期中止を考慮して計画した。
【0173】
TAFのC
maxの変動性の不確実性を考慮して、TAFのC
maxの実際の変動性に基づいてサンプルサイズ及び検出力を再評価するために、全ての志願者への投薬後に、独立した団体によって、盲検(処置用)サンプルサイズ再推定(Golkowski,et al.2014)が実施されたが、追加の志願者は募集しなかった。
【0174】
薬物動態評価
食品影響生物学的利用能研究では、各処置セッションでの投与後、それぞれ72、72、48、及び12時間にわたって、DRV、COBI、FTC、及びTAFの全薬物動態プロファイルを決定した。生物学的同等性研究では、これらの薬物の全薬物動態プロファイルを、それぞれ72、72、72、及び8時間にわたって決定した。
【0175】
検証済みの特異的かつ高感度の高性能液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(LC−MS/MS)アッセイを使用して、FTC、DRV、及びCOBIでは5.0ng/mL、並びにTAFでは1.0ng/mLの定量下限値(LLOQ)を用いて、DRV、COBI、FTC、及びTAF(Blum et al,2007)の血漿濃度を決定した。DRV及びCOBIを、50μlの血漿に対してアセトニトリルによるタンパク質沈殿を行い、XBridge C18カラム(4.6×30mm、3.5μm)上で分離させる組み合わせ法で測定し、ABSciex Triple Quad 5500LC−MS/MSシステム(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)で検出を実施した。
【0176】
安全性及び許容性評価
安全性及び許容性評価は、有害事象(AE)の評価、臨床検査室パラメータ(血清化学、血液学、尿分析)、バイタルサイン、ECG、身体的検査、並びに特定の毒性(発疹、急性全身アレルギー反応、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇、臨床肝炎、腎合併症、悪心、及び下痢を含む)に対する追跡を含んだ。有害事象及び付随する薬物を、研究の間終始監視した。食品影響生物学的利用能研究では、スクリーニング時、1日目(試験薬服用前2時間以内)、及び4日目に、ECG、バイタルサイン、血清化学及び血液学(絶食の10時間後)、並びに尿分析を評価した。生物学的同等性研究では、ECGは、スクリーニング時にのみ測定し、バイタルサインは、スクリーニング時、1日目(試験薬服用前2時間以内)、及び4日目に測定した。臨床検査室評価は、スクリーニング時、並びに−1日目又は1日目、2日目、及び4日目に行った。追跡期間は、試験薬の最終服用後、又は研究中止後、7〜10日であった。AEの重症度及び検査室異常は、DAIDS等級付け表(NIAID、2014)を使用して評価した。AEは、医薬品規制用語集バージョン18.0(食品影響生物学的利用能研究)又はバージョン18.1(生物学的同等性研究)に従ってコード付けした。
【0177】
データ分析
両研究について、構成成分薬物の各々の以下の重要な薬物動態パラメータを、非コンパートメント分析(WinNonlinバージョン6.2.1、Pharsight Corporation,Mountain View,CA,USA):C
max;C
maxまでの時間(t
max);投与時から測定可能な用量後濃度(AUC
last)を有する最終時点までの血漿濃度−時間プロファイル下面積(AUC、線形間台形加算によって計算)、無限遠まで外挿したもの(AUC
infは、AUC
lastプラスC
last/λ
Z(式中、C
lastは、定量化可能な濃度を有する用量後の最終時点であり、λ
Zは、見かけの終末消失速度定数である)として計算);及び終末消失半減期(t
1/2term、0.693/λ
Zとして計算)を使用して決定した。
【0178】
D/C/F/TAFの各構成成分について、自然対数変換C
max、AUC
last、及びAUC
infの最小2乗(LS)平均を、線形混合効果モデルを使用して、処置、順序、及び期間を固定効果として、並びに対象を変量効果として制御して、推定した(SASバージョン9.3、SAS Institute,Cary,NC,USA)。
【0179】
食品影響生物学的利用能研究では、90%の信頼区間(CI)を、試験のLS平均と基準のLS平均との間の差の周囲に構築し、指数関数を用いて逆変換し、80%〜125%の無効境界と比較した。生物学的同等性研究では、(90.00%のCIとは対照的に)90.14%の調節したCIを、試験のLS平均と基準のLS平均との間の差の周囲に構築し、元のスケールに再変換した。調節したCIは、名目上の第1種の過誤確率を制御するために、盲検(処置用)サンプルサイズ再推定(TAFのC
max変動性の不確実性を考慮)の結果であった。別個の薬剤の併用服用と比較した、D/C/F/TAF錠剤の生物学的同等性は、DRV、FTC、及びTAFのC
max、AUC
last、及びAUC
infの90.14%のCIが、80%〜125%の規定の限度内である場合に満たされた。
【0180】
結果
参加者の内訳及びベースライン特性
食品影響生物学的利用能研究では、24人の参加者を無作為化し、この全てが研究を完了した。生物学的同等性研究では、96人の志願者を無作為化した。2人の志願者が、同意を撤回したが、安全性追跡訪問を完了し、これらは、研究を完了したと見なされた。食品影響生物学的利用能研究における24人全ての志願者、及び生物学的同等性研究における96人全ての志願者を、それぞれの研究の薬物動態及び安全性分析に含めた。
【0181】
両研究では、女性及び男性の分布は均等であり、志願者の大部分は白色人種であり、ヒスパニック又はラテンアメリカ系ではなかった(表8)。人口統計データ及びベースライン特性は、処置順序にわたって同等であった(データは示さず)。
【0182】
【表11】
【0183】
食品がD/C/F/TAFの構成成分の生物学的利用能に与える影響
食品影響生物学的利用能研究の結果は、絶食条件(試験)下でD/C/F/TAFを投与した場合に、給餌条件(標準的な高脂肪朝食、基準)と比較して、DRVのC
max、AUC
last、及びAUC
infがそれぞれ、45%、34%、及び30%より低いことを示した(表9)。また、給餌条件と比較して、絶食条件で、平均最大DRV濃度により早く達した(
図1A)。
【0184】
【表12】
at
max=中央値(範囲)を除く、AUC
inf、t
1/2termについて、
bn=20、
cn=22、
dn=16、
en=7、
fn=21
g参加者の50%超で正確な決定が不能注意をもって解釈、
h試験対基準、
j試験及び基準について、n=20、
k試験について、n=22、
l試験についてn=21、及び基準についてn=16、SD=標準偏差、CI=信頼区間、
C
max=最大血漿濃度、t
max=C
maxまでの時間、AUC
last=投与時間から測定可能な用量後濃度を有する最終時点までの血漿濃度−時間プロファイル下面積、AUC
inf=投与時から無限遠までのAUC、t
1/2term=終末消失半減期
COBIのC
max、AUC
last、及びAUC
infはそれぞれ、給餌条件と比較して、絶食条件で、23%、29%、及び16%より低かった(表9)。また、給餌条件よりも、絶食条件で、平均最大COBI濃度により早く達した(
図1B)。
【0185】
FTCでは、C
maxは、給餌条件と比較して、絶食条件で、26%より高かった一方で、AUC
lastは、両条件下で同等であった(80%〜125%の間隔内の、90%のCIのGMR)(表9)。また、給餌条件と比較して、絶食条件で、平均最大FTC濃度(
図1C)により早く達した。
【0186】
TAFでは、給餌条件よりも、絶食条件で、C
maxは、82%高かった一方で、AUC
infは、20%低かった。TAFのAUC
lastは、両条件下で同等であった(80%〜125%の無効境界内の、90%のCIのGMR)(表9)。また、給餌条件と比較して、絶食条件で、平均最大TAF濃度(
図1D)により早く達した。
【0187】
【表13】
at
max=中央値(範囲)を除く、
b盲検(処置用)サンプルサイズ再推定の結果、名目上の第1種の過誤確率を制御するために、従来の90.00%のCIとは対照的に、調節した90.14%のCIを計算した。元々計画した数を超えて追加の参加者は募集しなかった。
cn=93の試験、n=95の基準、
dn=87の試験、n=91の基準、
en=93の試験、n=96の基準、
fn=85の試験、n=87の基準、
gn=79の試験、n=78の基準、
SD=標準偏差、CI=信頼区間、C
max=最大血漿濃度、t
max=C
maxまでの時間、AUC
last=投与時間から測定可能な用量後濃度を有する最終時点までの血漿濃度−時間プロファイル下面積、AUC
inf=投与時から無限遠までのAUC、t
1/2term=終末消失半減期
【0188】
生物学的同等性研究
DRV、COBI、FTC、及びTAFの血漿濃度−時間プロファイル(
図2A〜2D)は、給餌条件(標準的な高脂肪朝食)下では、D/C/F/TAF(試験)及び別個の薬剤の併用投与(基準)について類似していた。全ての主要薬物動態パラメータの90.14%のCIのGMRは、4つ全ての構成成分について、80%〜125%の生物学的同等性範囲内であった(DRV、COBI、FTC、及びTAF)(表10、
図2A〜
図2D)。
【0189】
安全性及び許容性
両研究では、D/C/F/TAFの投与は一般に、許容性が良かった。最も頻繁に報告されたAEは、頭痛及び悪心であった(表11)。これらのAEの発生率は一般に、各研究の各処置群で同等であった(表11)。新たな安全性の問題、等級3若しくは4のAE、又は重篤なAE若しくは死亡は、生じなかった。AEによる中止は存在しなかった。検査室パラメータ(臨床化学、血液学、又は尿分析)の臨床的に関連するか又は一貫した変化は、存在しなかった。処置下で発現した検査室異常は、重症度が等級1であり、AEとしては報告しなかった。ECGパラメータ、バイタルサイン、又は身体的検査の関連する変化又は臨床的に有意な変化は、存在しなかった。最も頻繁に観察されたバイタルサイン異常は、低い仰臥位脈拍であった。
【0190】
【表14】
【0191】
食品影響生物学的利用能研究
等級2のAEが、3人の志願者によって報告された。等級2の過敏性腸症候群が、絶食条件下でのD/C/F/TAF後に生じ、研究者によって試験薬には関連しないと見なされた。標準的な高脂肪朝食を有するD/C/F/TAF後に報告された等級2の悪心及び頭痛はそれぞれ、試験薬に関連する可能性がある、及び関連する疑いがあると見なされた。等級3の処置下で発現した低密度リポタンパク質コレステロールの増加は、1人の志願者で生じ、これは、一過性であり、AEとしては報告しなかった。
【0192】
全体として、絶食条件の6人の志願者(25%)及び給餌条件の5人の志願者(21%)が、研究者によってD/C/F/TAFに関連する可能性が少なくともあると見なされた少なくとも1つのAE(悪心、紅斑、嘔吐、下痢、及びそう痒症を含む)を経験した。
【0193】
生物学的同等性研究
全ての報告したAEは、重症度が等級1であった。1件の等級3の単離した一過性の処置下で発現したリパーゼの増加(195U/L)が、別個の薬剤(DRVプラスCOBIプラスFTC/TAF)での処置後、4日目に観察されたが、これは、研究者によって臨床的に有意であるとは見なされなかった。この参加者のリパーゼレベルは、ベースライン時(29U/L)、及び別個の薬剤での処置の4日目までの全ての評価時(範囲:27〜41U/L)、並びに7〜10日後の追跡時(31U/L)には正常範囲内であった。同時の一過性の等級2の総アミラーゼ(156U/L)及び膵アミラーゼ(113U/L)の増加もまた、別個の薬剤での処置後、4日目に生じたが、研究中の全ての他の時点では正常範囲内であった。この志願者について、この検査室異常に関連するAEは、報告されなかった。ALT及びASTのレベルは、研究中の全ての時点で正常範囲内であった。
【0194】
全体として、28人の志願者(30%)が、研究者によってD/C/F/TAFに関連する可能性があると見なされた少なくとも1つのAE、最も頻繁には悪心、頭痛、嘔吐、腹痛、めまい、傾眠、及び下痢を経験した。
【0195】
考察
このデータは、別個の薬剤、DRV、FTC/TAFのFDC、及びCOBIの併用投与に対するD/C/F/TAF錠剤の生物学的同等性を実証した。相対的な生物学的利用能研究は、他のDRV含有レジメンと類似して、D/C/F/TAF(800/150/200/10mg)の完全なHIV−1レジメンを施した後、DRV吸収について食品影響が観察されたことを実証した。
【0196】
食品影響生物学的利用能研究からの結果は、DRVのC
max、AUC
last、及びAUC
infが、給餌条件と比較して、絶食条件下で減少したことを示した。この観察は、DRVの以前の食品影響研究の発見と一致している。リトナビルと同時投与したDRVの研究では、DRVのAUC
lastの32%の減少は、給餌条件に対して、絶食条件で見られた(Sekar et al,2007)。別の研究では、COBIでブーストしたDRVについて、DRVの薬物動態パラメータの39%〜56%の減少が、給餌条件に対して、絶食条件で見られた(Kakuda et al,2014)。DRVに対する食品影響は、異なる種類の食品について類似していることが以前に示されている(PREZISTA(登録商標)処方情報)。他のDRV製剤の処方推奨(PREZISTA(登録商標)処方情報)と一致して、D/C/F/TAFが食品と共に服用されることが推奨される。
【0197】
D/C/F/TAFとして投与したCOBIに対する曝露(AUC
inf、AUC
last)は、給餌条件と比較して、絶食条件で16〜29%より低かったが、この観察は、臨床的に関連するとは見なされない。以前の研究は、食品がCOBIの薬物動態に有意な影響を及ぼさないことを示しており(Kakuda et al,2014)、食品と共にCOBIを投与することは、それが薬物動態をブーストしている薬物の推奨によって推進されることを示している。予想どおり、FTC曝露(AUC
last)は、食品による影響を受けなかった。TAFについて、給餌条件と比較して、絶食条件で、AUC
infは20%より低く、AUC
infは同等であった。給餌条件に対する絶食状態でのFTC及びTAFへの曝露の差もまた、臨床的に関連するとは見なされない。現在の食品影響生物学的利用能研究でのTAFの結果もまた、絶食及び給餌条件下での完全なHIV−1レジメン、エルビテグラビル(150mg)、COBI(150mg)、FTC(200mg)、及びTAF(10mg)(ECFTAF)の投薬後のTAFの薬物動態を評価した以前の研究(GS−US−292−0110)と一致しており、食品がTAF曝露に与える影響が最小限であることを示した。更に、F/TAFのFDC(DESCOVY PI)の処方情報は、それを食品と共に又は食品を伴わずに服用することができることを記載している。D/C/F/TAF構成成分の組み合わせ評価は、食品がDRV薬物動態に与える影響によって推進される。
【0198】
TAFは、リンパ球及びマクロファージなどの重要な標的細胞中でのより高い細胞内レベルの活性部分テノホビル−二リン酸塩(TFV−DP)、並びにTDFと比較して、かつはるかに低用量で、より低い血漿テノホビルレベルを提供する、テノホビルプロドラッグであり(Lee,et al.2005、Birkus,et al.2007、Birkus,et al.2008)、これにより、抗ウイルス力価を最大化し、腎及び骨安全性を改善する(Ruane et al,2013、Mills,et al.2015、Sax,et al.2014)。153人の処置未経験のHIV−1に感染した成人の探索第II相試験からの、32人の参加者のサブセットにおける集中的なPK分析は、TAFの平均血漿曝露(AUC
last)が130.5ng・時/mLであり、血漿半減期中央値が0.45時間であることを示した(Mills,et al.2015)。これらの値は、給餌条件下での食品影響生物学的利用能研究で見られる値(それぞれ、117ng・時/mL及び0.5時間)と一致している。血漿テノホビルレベルは、現在の食物影響研究では測定しなかったが、第II相研究のTAF群の参加者は、TDF群よりも90%超低い平均全身テノホビル曝露を有した(それぞれ、339対3737ng・時/mL)。
【0199】
食品と共に投与した場合のDRV曝露の増加、及び給餌条件でのDRVレジメンの推奨される服用量を考慮して、給餌条件下で生物学的同等性研究を実施した。C
max、AUC
last、及びAUC
infによって示されるD/C/F/TAF(DRV、COBI、FTC、TAF)の4つ全ての構成成分の全身曝露は、D/C/F/TAFの投与、又は別個の薬剤、DRV、FTC/TAFのFDC、及びCOBIの併用投与後に同等であった。実際、これらの薬物動態パラメータの90.14%のCIのGMRは、80.00〜125.00%生物学的同等性限度内であった。単一錠剤D/C/F/TAF(800/150/200/10mg)の完全なHIV−1レジメンは、HIV−1に感染した患者のピル負荷を低減し、そのような単一錠剤レジメンは、多錠剤レジメンと比較して、処置アドヒアランス及びウイルス学的結果を改善することが以前に示されているため、この発見は、注目に値する(Dejesus,et al.2009、Hodder,et al.2010、Willig,et al.2008、Clay,et al.2015)。
【0200】
これらの研究は、D/C/F/TAFの単回用量について研究したが、両研究はまた、D/C/F/TAFの投与が一般に、給餌及び絶食条件下の両方で許容性が良いことも示した。新たな安全性の問題は特定されず、等級3/4のAE又は重篤なAE、死亡又は中止は生じなかった。許容性プロファイルは、以前の研究と一致しており、研究中に最も一般的に報告されたAE(頭痛及び悪心)は、DRV、COBI、FTC、及びTAFについての研究で以前に報告されていた(Cahn,et al.2011、Ortiz,et al.2008、Mills,et al.2009、Orkin,et al.2013、Flynn,et al.2014、Tashima,et al.2014、Mills,et al.2015)。
【0201】
1日1回の単錠D/C/F/TAF(800/150/200/10mg)の完全なHIV−1レジメンは、別個の薬剤、DRV、FTC/TAFのFDC、及びCOBIの併用投与と生物学的に同等であることが示された。D/C/F/TAFとして投与される場合、DRV曝露は、給餌条件に対して、絶食条件でより低く、DRVの他の(同時)製剤と類似していた。
【0202】
実施例4:試験即処置ケアモデル(Test and Treat Model of Care)でケアを受ける、新たに診断された抗レトロウイルス処置未経験のヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)に感染した対象における、D/C/F/TAFの1日1回の固定用量併用(FDC)レジメンの有効性及び安全性を評価するための、第3相、単一群、非盲検研究(DIAMOND)
DIAMONDは、試験即処置モデルで、ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(D/C/F/TAF)(800/150/200/10mg)の有効性/安全性を48週間にわたって評価する、第3相、単一群、非盲検、前向き、多施設共同研究である(ClinicalTrials.gov:NCT03227861)。14日以内にHIV−1感染と診断された成人を即時登録し、利用可能なベースライン/スクリーニング検査室情報なしで、D/C/F/TAF療法を開始した。研究者は、結果が利用可能となったときに、ベースライン/スクリーニングの検査所見を審査し、既定の安全性又は耐性停止規則を満たさない患者が、処置を継続した。全ての患者を、登録の4週目に安全性/耐性停止規則について評価したときに、計画した中間分析(記述統計学)を実施した。
【0203】
この研究の目的は、48週目に1ミリリットル当たり50コピー(コピー/mL)未満の(HIV)−1リボ核酸(RNA)を有する者と定義されるウイルス学的応答者の割合によって決定される、新たに診断されたヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)に感染した、抗レトロウイルス処置未経験の参加者における、試験即処置ケアモデルでの、ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(D/C/F/TAF)の固定用量併用(FDC)の有効性を評価することである。別の目的は、研究集団におけるベースラインウイルス耐性を評価することである。別の目的は、4週目及び24週目でのHIV処置満足度質問表の病態バージョン(HIVTSQ)結果を評価することである。
【0204】
実験処置研究群(SG):対象は、スクリーニング/ベースライン訪問の24時間以内に1日1回、ダルナビル(800ミリグラム(mg))/コビシスタット(150mg)/エムトリシタビン(200mg)/テノホビルアラフェナミド(10mg)(D/C/F/TAF)の固定用量併用(FDC)を含有する経口錠剤を受ける。
【0205】
重要な組み入れ基準(研究は、18歳以上の全ての性別に対して開いている):
・スクリーニング/ベースライン訪問の2週間以内に以下のいずれかによって証拠付けられる、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)と新たに診断された成人(18歳以上):a)HIV急速抗体陽性、又はb)HIV免疫アッセイ陽性、又はc)陽性p24抗原、及び1ミリリットル当たり(≧)5,000コピー(コピー/mL)以上のHIV−1リボ核酸(RNA)ウイルス負荷、又はd)非反応性HIV−1抗体/抗原アッセイ、及びHIV−1 RNAウイルス負荷(≧)5,000コピー/mL。HIV−1 RNAウイルス負荷は、初期HIV−1 RNAウイルス負荷試験の1週間以内に一度確認されなければならない
・曝露前予防(PrEP)のためのTRUVADA(登録商標)の使用を除いて、抗レトロウイルス処置未経験
・錠剤全体の嚥下が可能でなければならない
・女性は、研究中、及び試験薬の最後の用量を受けた後90日間、生殖補助の目的で卵子(卵子、卵母細胞)を提供しないと同意しなければならない。
・女性は、閉経後の場合を除き、スクリーニング時の尿妊娠検査薬が陰性でなければならない。
【0206】
重要な除外基準:
・研究者の判断において、罹患率及び死亡率のリスクを増加させる、既知の活性なクリプトコッカス感染、活性なトキソプラズマ性脳炎、ヒト型結核菌感染症、又は別の後天性免疫不全症候群(AIDS)が定義する病態
・研究者の判断において、ダルナビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(D/C/F/TAFのFDC)と適合しない、臨床的に関連する肝疾患又は肝炎の既知の病歴
・地域診療所に基づいて診断される、肝硬変の既知の病歴
・腎疾患における食事修正(MDRD)式に従って毎分<50ミリリットル(mL/分)未満の推定糸球体濾過量(eGFR)を有する者と定義される、慢性(3ヶ月[以上])腎不全の既知の病歴
・この研究に登録している間、又は試験処置の最後の用量後90日以内に、妊娠しているか、又は母乳を与えているか、又は妊娠する計画をしている
ベースライン/スクリーニング安全性の検査所見を、以下の停止基準をもって、3日目(±1週間)に評価した(異常なスクリーニング/ベースライン安全性の検査値の再試験は、1回許可した)。
・50mL/分未満のeGFR(MDRD式)
・正常値上限(ULN)の2.5倍以上のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
・ULNの1.5倍以上の血清リパーゼ
・妊娠の可能性がある女性で、陽性妊娠検査薬
・研究者が試験薬の中止をもたらすべきであると考える検査室結果
・研究者の意見において、D/C/F/TAFと適合しない薬剤での即時処置を必要とするか、又は研究中に処置を必要とすることが予想される、活性なC型肝炎感染
予測される遺伝子型感受性(GenoSure Prime(登録商標)を使用して評価、特定の耐性関連変異[RAM]の存在に基づく除外はなかった)に基づいて、4週目(±7日間)に耐性を評価した。全てのD/C/F/TAF構成成分に対する完全な遺伝子型感受性を示さなかった患者は、停止が必要とされ、例外は、M184I又はM184V変異のみに関連するラミブジン/エムトリシタビンに対する耐性であった。
【0207】
主要評価項目:食品医薬品局(FDA)スナップショットアプローチは、48週間のウインドウにおいて最後に観察されたウイルス負荷データに基づき、ウイルス学的応答は、50コピー/mL未満のHIV−1 RNAとして定義され、HIV−1 RNAの欠損は、非応答と見なされる。
【0208】
【表15-1】
【0209】
【表15-2】
【0210】
【表15-3】
【0211】
結果:
分析は、1用量以上の試験薬を受けた全ての患者(処置企図集団)に対して実施した。観察値を記述統計学に使用し、欠落値は補完しなかった。
【0212】
患者(N=109)は、年齢中央値(範囲)28.0(19〜66)歳、13%の女性、及び32%のアフリカ系アメリカ人であり、HIV−1 RNA中央値(範囲)は4.58(1.3〜8.2)log
10コピー/mL、24%の100,000コピー/mL以上、CD4+数中央値(範囲)369.0(7〜1,082)個の細胞/mm
3、及び21%の200個未満の細胞/mm
3であった。以下の表13及び14を参照されたい。
【0213】
【表16】
【0214】
【表17】
【0215】
診断からスクリーニング/ベースラインまでの時間中央値(範囲)は、5.0(0〜14)日であり、患者の29%が、診断の48時間以内に登録された。3人の患者が、安全性停止規則を満たし、処置を中止し、耐性停止規則を満たした者はいなかった。2人の追加の患者が中止した(有害事象[AE]、プロトコル違反)。中間分析では、患者の95.4%(104/109)がD/C/F/TAFを継続し、5/109のみが中止した(3人が安全性停止規則によるもの、1人がプロトコル違反、1人が有害事象[AE])。中間分析では、12週目まで、平均HIV−1 RNAは2.72 log
10コピー/mLだけ減少した(
図8)。処置中、等級3のAEの発生率(6/109、5.5%)及び重篤なAE(3/109、2.8%)の発生率は低く、等級4のAE又は死亡はなかった。最も一般的なAE(全ての等級、5%以上の患者)は下痢(16/109、14.7%)、悪心(15/109、13.8%)、頭痛(8/109、7.3%)、嘔吐(8/109、7.3%)、及び発熱(6/109、5.5%)であった。
【0216】
24週目の中間分析時点で、99人(91%)の患者がD/C/F/TAFを継続し、10人(9%)の患者のみが中止した(3人がプロトコルで定義された安全性停止規則によるもの、1人がプロトコル違反、1人がAE[発疹]、2人が同意撤回、3人が追跡不能例)。5人の患者は、ベースライン/スクリーニング時にULNの2.5倍以上の確認されたAST又はALT濃度の証拠を有し、プロトコルで定義された安全性停止規則を満たした。研究者の評価に基づいて、2人の患者は処置を継続させた。
【0217】
試験即処置ケアモデルでは、HIV−1に感染した患者の95%超が中間分析時にD/C/F/TAF処置を継続し、規定の安全性/耐性停止規則、有効性の欠如、又は安全性の懸念による中止はなかった。
【0218】
試験即処置モデルにおけるSTRの第1の既知の第3相試験において、4週目までのHIV−1 RNAの2.00 log
10以上の低下、及びD/C/F/TAFへの95%超の患者保持が、中間分析時に達成され、規定の耐性停止規則又は有効性の欠如による中止はなかった。D/C/F/TAFは、この設定におけるその使用を支持する第3相データを有する唯一の薬剤であるため、試験即処置モデルを利用する組織は、D/C/F/TAFを好ましい処置選択肢として考慮すべきである。
【0219】
24週目に、109人の患者のうち88人(81%)が、50コピー/mL未満のHIV−1 RNAを達成し、109人の患者のうち95人(87%)が、200コピー/mL未満のHIV−1 RNAを達成した。観察されたアルゴリズムを使用して、24週目に、98人の患者のうちの88人(90%)が、50コピー/mL未満のHIV−1 RNAを達成し、98人の患者のうちの95人(97%)が、200コピー/mL未満のHIV−1 RNAを達成した。平均HIV−1 RNAは、ベースラインから24週目まで3.08 log
10コピー/mLだけ減少した。有効性の欠如のために研究を中止した患者はいなかった。プロトコルで定義されたVFを有した患者はいなかった。患者によるD/C/F/TAFの迅速な開始及び継続は、高い満足度スコアを実証した。最も一般的なAEを以下の表15及び16に要約する。
【0220】
【表18】
【0221】
【表19】
*アレルギー性皮膚炎、そう痒症、発疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、及びそう痒性皮疹の統合用語
+等級3であった1件を除いて、全ての発疹のAEは等級1又は2であった。
【0222】
【表20】
*アレルギー性皮膚炎、そう痒症、発疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、及びそう痒性皮疹の統合用語
【0223】
患者は、D/C/F/TAFの迅速な開始後、4週目及び24週目に高い満足度(HIVTSQ)スコアを報告した。0〜60のスコア範囲で、4週目の総処置満足度は56.5であった(n=103)。0〜30のスコア範囲で、一般的な満足度(臨床サブスケール)は28.4であり、生活習慣(安楽サブスケール)は28.1であった。0〜60のスコア範囲で、24週目の総処置満足度は57.9であった(n=98)。0〜30のスコア範囲で、一般的な満足度(臨床サブスケール)は29.0であり、生活習慣(安楽サブスケール)は28.9であった。
【0224】
安全性停止規則
5人の患者が安全性停止規則基準を満たし、全ては、スクリーニング/ベースライン訪問時にULNの2.5倍以上のAST又はALTの上昇の確認された証拠を有した。
・これらの患者のうちの3人は、プロトコルに従って中止し、他の2人の患者は、研究者による臨床評価及びスポンサーの同意に基づいて研究に残った
・アミノ基転移酵素は、5人全ての患者においてスクリーニング/ベースライン後に正規化するように見受けられ、これは、これらの患者にとって処置が有益であり得たことを示した。
耐性停止規則:停止規則を満たした患者はいなかった。
【0225】
迅速開始ケアモデルにおけるSTRの第1の既知の第3相試験において、D/C/F/TAFを使用する高いパーセンテージの患者が、50コピー/mL未満のHIV−1 RNAを達成し、91%(99/109)の患者が、24週目の中間分析まで処置を継続した。ベースライン停止報告を受けたことにより処置を中止した患者はおらず、3人のみが安全性停止規則のために中止した。一部の新たに診断された患者は、アミノ基転移酵素の上昇を提示する可能性があり、これは、この研究では、ARTの開始と共に正規化するように見受けられ、これらの早期発見に基づいて、そのような患者は、将来の迅速開始研究への包含が考慮されるべきである。PDVFを有するか又は有効性の欠如により中止した患者はおらず、1人のみがAEのために中止した。4週目及び24週目に、平均総HIVTSQスコアは、高いレベルの患者満足度を示す60の最大スコアに接近した。
【0226】
これらの発見は、実証された有効性、耐性に対する高い障壁、安全性プロファイル、及びD/C/F/TAFのSTRの利便性と共に、D/C/F/TAFが、迅速開始ケアモデルにおける好ましい処置選択肢と見なされるべきであることを示唆している。
【0227】
実施例5
ダルナビルエタノール付加物(D)、二酸化ケイ素上のコビシスタット(C)、テノホビルアラフェナミドヘミフマル酸塩(TAF)、エムトリシタビン(F)、微結晶セルロース、及びクロスカルメロースナトリウムを組み合わせ、ビンブレンダーを使用して約12rpmで5〜20分間混合した(以下の表を参照されたい)。ステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた組み合わせを、ビンブレンダーを使用して12rpmで約2〜4分間混合して、初期ブレンドを形成した。
【0228】
初期ブレンドを、ローラー圧密機(6.0〜10.0kN/cm、1.5〜3mmのローラー間隙)を使用して圧密した。得られたリボンを、振動粉砕機及び1.5mmのスクリーンを使用して粉砕した。
【0229】
得られた粉砕した顆粒を、ステアリン酸マグネシウムと組み合わせ、ビンブレンダーを使用して12rpmで約2〜4分間混合して、最終ブレンドを形成した。
【0230】
最終ブレンドを、回転錠剤プレスを使用して圧縮した。必要とされる量の精製水及びフィルムコーティング粉末を好適な容器に添加することによって、フィルムコーティング懸濁液を調製した。粉末が均一に懸濁するまで、水及びフィルムコーティング粉末を混合した。錠剤をパンコーターに装填し、予熱した。パンの回転と共に、約44〜52℃の排気温度を使用して、必要とされる量のフィルムコーティング懸濁液を錠剤に噴霧する。コーティングされた錠剤を、好適なパッケージ構成成分にパッケージ化した。表17を参照されたい。
【0231】
【表21】
(1)薬物因子f=1.9231(二酸化ケイ素上の52.0重量%のコビシスタット)
(2)Opadry II 85F120020黄色
(3)この物質は加工助剤であり、加工中に除去される。
【0232】
参考文献:
Eron J,Orkin C,Gallant J,et al.Week 48 results of AMBER:a phase 3,randomised,double−blind trial in antiretroviral treatment−naive HIV−1−infected adults to evaluate the efficacy and safety of the once−daily,single−tablet regimen of darunavr/cobicistat/emtricitabine/tenofovir alafenamide(D/C/F/TAF)versus darunavir/cobicistat plus emtricitabine/tenofovir disoproxil fumarate[oral abstract no.PS8/s].In:16th European AIDS Conference.2017。
【0233】
Mills A,Crofoot G,Jr.,McDonald C,et al.Tenofovir alafenamide versus tenofovir disoproxil fumarate in the first protease inhibitor−based single−tablet regimen for initial HIV−1therapy:a randomized phase 2 study.J Acquir Immune Defic Syndr.2015;69(4):439−45。
【0234】
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