特表2020-529904(P2020-529904A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-529904多目的使用のための足サポート付き便器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-529904(P2020-529904A)
(43)【公表日】2020年10月15日
(54)【発明の名称】多目的使用のための足サポート付き便器
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/02 20060101AFI20200918BHJP
【FI】
   A47K17/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-526693(P2020-526693)
(86)(22)【出願日】2018年7月13日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月24日
(86)【国際出願番号】ES2018070500
(87)【国際公開番号】WO2019025649
(87)【国際公開日】20190207
(31)【優先権主張番号】P201700685
(32)【優先日】2017年7月29日
(33)【優先権主張国】ES
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520034727
【氏名又は名称】バサメント・デ・アルキレレス・ソシエダッド・リミターダ
【氏名又は名称原語表記】BASAMENTO DE ALQUILERES, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】パブロ・シオルディア・サンチェス
【テーマコード(参考)】
2D037
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AA03
2D037AA13
2D037BA01
2D037BA12
2D037BA14
2D037BA15
2D037EA05
(57)【要約】
多用途使用のための便器は、足を床に置いて腰掛けて伝統的な位置で使用する一方しゃがんで使用するための機能的構成を提供する単一の衛生器具を提供するために、伝統的な洋式便器と伝統的なしゃがみ式便器とを組み合わせる。この多用途使用のための便器は、予備成形された便器(1)の両側に2つの足サポート(3)を有して、1つのボディを形成する。第2の、改変便器モデル(2)では、足サポート(12)は、1組の中実の予備成形バー(13a−i)を改変便器(2)の両側の開口(6)に後で挿入することで形成される。本発明は、便器(1)(2)の開口(4)に接続される折りたたみ式ハンドル(7)を提供する。本発明の使用を容易にするために、垂直壁にネジ止めされた固定つかまり棒(16)によって、補完される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝統的な洋式便器の基本的要素及び構造を備えた多目的使用のための足サポート付き便器であって、
便器の口の両側に、上記便器の口から約10cmの高さのところに配置された2つの足サポートを有して、多目的デザインが、両足を床につけて便器の口に腰掛ける伝統的な方法での使用及び/又は上記足サポートを用いたしゃがみ位置での使用を可能とすることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【請求項2】
請求項1に記載の多目的使用のための足サポート付き便器において、
上記2つの足サポート(3)は、伝統的な洋式便器と一緒になって、同一の型と材料からなる、上記便器(1)の単一のボディを構成し、上記足サポート(3)は後部にリッジ(5)を備え、上記便器(1)はその前部の両側に、折りたたみ式ハンドル(7)を組み込むための2つの円筒状開口(4)を備え、上記折りたたみ式ハンドル(7)は、上記円筒状開口(4)に挿入される2つの接続ロッド(8)と、弾性材料製の保持用ストップ(11)を有するU形状に予備成形された円筒管(9)とからなり、上記円筒管(9)はネジ(10)で上記2つの接続ロッド(8)に組み付けられていることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【請求項3】
請求項1に記載の多目的使用のための足サポート付き便器において、
改変便器(2)の各側に、半円筒形直方体の形状を有する1組の開口(6)を備え、改変便器(2)の両側に2つの足サポートプラットフォーム(12)を提供するために、上記開口(6)には、それらの位置に応じて、同じ幾何学的形状を有する中実の予備成形バー(13a−i)が挿入され、挿入端部(14)によって固定されており、半円筒形直方体の形状を有する上記中実の予備成形バー(13a−i)は、該直方体の外面に、ノンスリップ材(15)を有し、上記改変便器(2)は、その前部の両側に、折りたたみ式ハンドル(7)を組み込むための2つの円筒状開口(4)を備え、上記折りたたみ式ハンドル(7)は、上記円筒状開口(4)に挿入される2つの接続ロッド(8)と、弾性材料製の保持用ストップ(11)を有するU形状に予備成形された円筒管(9)とからなり、上記円筒管(9)はネジ(10)で上記2つの接続ロッド(8)に組み付けられていることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の多目的使用のための足サポート付き便器において、
円筒管(17)の両端のそれぞれに同一材料からなる2つのプレート(18)が溶接されてなる補完的な固定つかまり棒(16)をさらに備え、上記2つのプレートは上記補完的な固定つかまり棒(16)を区画室の垂直方向の側壁にネジ止めするための穴(19)を備えている
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の多目的使用のための足サポート付き便器において、
水及び化学製品及び消毒液に強い、水密で衛生的で清掃しやすい材料、例えば、磁器、ステンレス鋼、樹脂など、でできていることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【発明の詳細な説明】
【発明の目的】
【0001】
本発明の目的は、排便及び排尿のために異なる使用位置を可能とする便器を得ることである。
【0002】
本発明は、伝統的構造の洋式便器からスタートして、基本的形状(構造)及び基本的要素を変更することなく、幾つかのわずかな修正(改良)によって、伝統的な洋式便器と共用できる連結部と接続部とを維持したまま所期の目的を達成することを可能とする。
【0003】
したがって、本発明は、便器本体の両側に2つ、つまり、各側に一つずつ配置された足サポートを有する便器を提供する。これらの足サポートによって伝統的な洋式便器(トイレットボール)(taza de inodoro, toilet bowl)としゃがみ式便器(和式便器、スクワットトイレ)の特徴を組み合わせた多目的衛生器具を得ることができ、ユーザが本発明を(両足を床に置く)伝統的な洋式便器としても、(両足を足サポートに置く)しゃがみ式便器としても、使用することを可能とし、床レベルにある伝統的なしゃがみ式便器に、より衛生的な高いプラットフォームを取り付けることで、ユーザにとってより快適なしゃがみ位置を可能とする。なぜならば、彼らは臀部を便器の口にのせることもできるし、かつ/又は、臀部を便器の口にのせることなく、それを同じ位置で使用することもできるからである。
【背景技術】
【0004】
現在、種々のタイプの洋式便器及びしゃがみ式便器が知られている。これらはそれぞれ、西洋及び東洋とで主流になっているものである。したがって、たとえば、これら二つのトイレ(便器)を使用する二つの文化が集まる国においては、観光により若しくは住人の特徴により、衛生上の衝突が起こる。これは特に、公衆トイレで起こり、公衆トイレでは、洋式トイレの適切かつ伝統的な使用と、それ以外の方法での使用を禁止することを情報表示板によってユーザに喚起しなければならない。公衆トイレでは、便器の口に上って排便または排尿をするユーザたちがいて、床や便器の口を汚すばかりか、装置とその設備を劣化、損傷させる原因となり、トイレの使用に対して重大な問題を生じさせる。
【0005】
二重機能を有するトイレを提供する最初の試みは20世紀初頭に現れた。例えば、1917年8月1日出願、1917年10月16日登録の「水洗便器」(US1243148A)は、列車の駅内での使用さえも考慮した非常に近代的な便器からなっており、飛び散りと臭いとを防止するためのホッパーからなり、ユーザのために、二つの位置、つまり、立って排尿をするための位置と、木製の便座に合わせるため、あるいは尻拭き用の紙や寒さよけの布を持った腕を保護するために棚に上って水洗便器(「WC」)の口に座って排便をするための位置とを提供している。この発明の最も顕著な欠点は、第一に、使用の複雑さである。なぜならば、ユーザは排便用のWCの口の中に彼らの臀部を完全に挿入しなければならないので、公衆の場所では完全に非衛生的でないばかりか、排便をするのに快適ではなく複雑な位置をとらなければならないからである。
【0006】
20世紀の同じく前半に、WCの歴史は洋式便器のための付属品を提供した(1931年3月31日出願のUS1798632)。この付属品は、ユーザが排便をするためにしゃがむのを可能とするべく、脚を載せるための可動式プラットフォームつまり台の役目をするためのものであり、固定用のフォークを備えた便器のホッパーの首に適合するよう角張ったU形状を有する折りたたみ式プラットフォーム付属品からなる。この発明を使用するには幾つかの欠点がある。例えば、洋式便器を伝統的な方法で使用するためにその付属品を取り付けたり取り外したりすることの不便さ、付属品と便器とが単一体つまり一体ものを形成していないことによるこの付属品と便器との間における汚れの蓄積、そして、両足が傾いていることによる両足の不安定さ、などである。
【0007】
最近、市場では、伝統的な洋式便器に適合してはいるが、如何なるシステムによっても便器に固定されない、スツールとして働く付属品が提供されている。これは、便器と付属品との間の接合部及び繋ぎ目を消毒しにくいことに加えて、これらの持ち上げ装置が固定装置を備えていないときは、さらなる欠点を有する。なぜならば、それらが使用されるとき、動きとスライドで、潜在的にユーザを滑らせて落下させることになり、それらを非実用的なものとするからである。公衆トイレでの使用も考えられない。
【0008】
20世紀の後半には、米国では、単一のWC室に適合するデュアルモード装置を提供しようとする発明が増加した。というのは、その国の駅やホテルの多くが2種類の便所つまり西洋式と東洋式とを持っていたからである。US4012797(1977年3月22日出願)は、家庭用及び航空機その他の輸出手段におけるWC用のトイレを提案している(それは、後に、21世紀に、EP20150196817で改良された。)。この発明の欠点は、先の発明と同様に、消毒が限定的で、難しいことであり、このため、特に公共または輸送用の便所において、両足を床につけて座って(つまり腰掛けて)の伝統的な使用のために、腰掛け便器の口用のアダプターカバーを設置する必要性がある。加えて、この発明の欠点は、洋式便器の口のそばの横ハンドル(取っ手)として機能する固定手すりの配置場所が快適でないことである。洋式便器の口のそばの横ハンドル(取っ手)は、ユーザが腰掛け位置をとるのに不便である。前述の通り、従来技術は、EP20150196817において、US4012797の水洗便器に類似する輸送手段内での乗客のためのデュアルモード水洗便器を、その手すり(それらは同じように固定され、横にある。)が水洗トイレの側壁に設置された完全な水洗トイレの形で、提供する。
【0009】
US5987657(1998年8月27日出願)では、発明は、フットレスト(足置き)付きのトイレであって、便器が湾曲したデザインと飛び散りガードとを備えていることを特徴とするトイレを提案した。この発明の主な欠点は、如何なるタイプの手すりもハンドルも備えていないことにある。このため、しゃがんで使用するとき、ユーザは気持ちよくなく、安全でもないのである。なぜならば、ユーザは床より上にあるフットレストの上で均衡を保たなければならず、支持台の高さから前方に墜落する危険がある。しかも、ユーザは、先の発明と同様、便器の口の中に嵌まり込むので、その位置は非衛生的である。
【0010】
しゃがみ位置と腰掛けた位置を組み合わせたトイレ装置を提供する試みは21世紀に増加した。但し、わかるように、これらのいずれも、デザインと、便所(レストルーム)に設置する可能性とを組み合わせるものでも、伝統的なデザインについて我々のWCの概念を根本的に変えないで、ユーザからの拒絶を受けない簡単な使用を可能とするものでも、伝統的な洋式便器に座っている感覚を伴う安全な使用を提供するよう完全に清潔に保つことができるものでもない。
【0011】
US2011/0179563は、座付きしゃがみ式トイレを紹介している。これは、しゃがみ式トイレを洋式便器の腰掛け機能に適合させることを試みたもので、それ故、この発明は、しゃがみ式トイレの使用の範囲内で、臀部を表面にのせる又はのせない異なる位置を提供する。また、US2011/0179563は、便器ゾーンにより大きな柔軟性(融通性)を持たせようとして、伝統的な位置とは逆の位置での使用を可能とする固定しゃがみ式トイレ用カバーを紹介している。この発明においても、前述の欠点は解決されないままである。つまり、例えば、ユーザが床レベルにしゃがむ公衆トイレでのこの種の使用の限定的な衛生は、西洋化された社会での反発を生じる。また、それは、その使用に慣れていない人々、動いたりバランスを取ることがあまりできない人々のために、しゃがんで使用することを容易にするためのハンドルを備えていない。これらの欠点に加えて、US4012797の場合のように、腰掛けての使用のための水平カバーを使用するために、便器のカバーを動かして配置する必要もある。
【0012】
DE102014002367A1における別の発明は、しゃがみ姿勢をとるための異なる高さの2つの台のついたWCを提供している。この発明も、先の欠点を解決していない。なぜならば、まず、使用するしゃがみ位置は快適ではなく、安定していないからである。というのは、この発明は、如何なるタイプの手すり又は同様の部材も備えていないからである。さらに、しゃがみ位置のための二つの異なる高さを有するため、快適さのためにユーザが必要とするスペースを減らしてしまう。そして、これらの台は、これらの台を使用するのに必要なカバー機構と相まって、その発明を、消毒しにくい装置としてしまう上、その装置は、一般的な便所及び公共の便所に適合させて設置するには複雑である。
【0013】
他の装置は、CN20161116、US14658498B1の場合のように、折りたたみウィングに基づく、床より高い支持面を想定している。にもかかわらず、これらの発明は、ユーザにあまり安定性を提供しないという欠点がある。なぜならば、それらは床よりも高いところにあるのに如何なるタイプの手すりもハンドルもなく、US5987657と同様、ユーザはもっぱらバランスのみにたよっているからである。
【0014】
それ故、本発明は、両足を床に置いての腰掛けての使用及びしゃがんでの使用のためのデュアルモードトイレの分野における従来技術の問題点と欠点に対するソリューション(解決手段)であって、伝統的な洋式便器に修正つまり改変を加えたもので、便器の口に適合するカバーの必要性がない洋式便器を備えた多目的WC装置を提案することで、伝統的な洋式便器モデルを放棄せず、しゃがみ位置を取ることを当然に要求する身体的ニーズに適合する、多目的使用のための足サポート付き洋式便器を提示するソリューションを提供しようとするものである。それの機能性には以下の2つの適合モデルがある。一つ目が、大抵が家庭用である便器を提供するために、便器本体と足サポートとの間に如何なる接合部も継ぎ目もなく、前方に単純な折りたたみ式ハンドルを備えて、快適、安全、かつ衛生的に使用されることを可能とする予備成形便器。二つ目が、伝統的な形状と寸法とを有する洋式便器に基づく、本発明によって提供される改変(改良型、修正型)便器であって、市販されている伝統的な洋式便器と同じ方法、態様での、梱包、貯蔵、設置場所への輸送を可能とし、所定場所での設置後、幾つかの中実の予備成形バーが便器の側部にある複数の穴に現場にて挿入されて、足サポートプラットフォームを形成し、これらの足サポートプラットフォームが便器の口の前部にある折りたたみ式ハンドルと共に、安全確実にバランスを維持し、多目的用で、単純で、実用的で、衛生的で、低コストで、使いやすいアセンブリ、特に公衆便所用のアセンブリを形成する。一つの非常に重要な面は、両モデルとも、ユーザのバランスを確保する手段を備えていることである。なぜならば、これら二つのモデルの足サポートはリッジとノンスリップ材料とを有しているからである。また、便器の前部にある開口部に挿入された折りたたみ式ハンドルのおかげで、この発明は安全かつ実用的に使用されることができる。また、区画室の壁に固定されたつかまり棒は、逆方向にしゃがんでいるときの使用を容易にする。なかんずく、便器は現在我々の家や公衆便所に据え付けられている伝統的な便器の構造的単純さを保持していることから、清掃及び消毒が簡単に行える。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明は伝統的な洋式便器に二つの足サポートを追加する。これらの足サポートは便器の各側に一つずつ、便器の口から約10cmのところに配置されている。これは、ユーザがしゃがんで排便をするための自然な人間的な位置をとることを可能とし、臀部を便器の口上にのせることができるので、上述の位置をとっても疲れることはなく、この便器を伝統的な(従来の)洋式トイレ及び/またはしゃがみ式トイレとしての使用方法に対応できるものとし、それ故、腹部の筋肉ゾーンの活動を容易にして、排便という生理学的作用を整えることができ、したがって、排泄システム全体を再び活発にすることを試みることのできる、多目的的で、快適で、衛生的かつ機能的な便器を得ることができる。医師によると、排泄システムは、多くの腸の問題を防止するために、再移植(導入)する必要がある。なぜならば、「しゃがみ位置(姿勢)」は何千年も前から最近に至るまで西洋世界では排泄のための自然の位置(姿勢)だったからである。
【0016】
さらに、本発明は、例えば公衆便所で、必要に迫られて、彼らの脚を腰掛け状態で、排便または排尿を行う人々は、本発明が提案する足サポートを使用して、しゃがみトイレ姿勢をとることができ、したがって、彼らが、望ましくない公衆トイレの便器の口との直接接触を回避することを可能とする。このことは、如何なる人々も、高い位置で、快適で衛生的な位置で、外側に飛び散らすことなく、便器の内側に排便または排尿できることを意味する。
【0017】
これをするために、本発明の第1実施形態では、装置の2つの足サポートがこの便器(洋式便器)の一部を形成し、これらは同一の型と材料で作られた1つのボディを形成する。本発明が提案する第2実施形態では、2つの足サポートは、便器の側面内に挿入される変更可能な数の予備成形バーで作られており、それらの予備成形バーは、好ましくは、平坦部分がノンスリップ材料でコーティングされている。
【0018】
本発明のこの第2実施形態では、便器は、その各側で、一組の連続する半円筒形直方体形状の開口によって改変されている。これは、この発明をしゃがみ式トイレとして使用するために、好ましくは金属製の、同じ幾何学的形状を有する中実の予備成形されたバーを、上記改変された便器のボディの側面に垂直に、上記開口のそれぞれの中に挿入するためである。上記中実の予備成形バーは、好ましくは、半円筒形直方体の幾何学的形状を有する。この第2実施形態は、一層実用的な商品化と輸送とを達成し、梱包スペースを削減する。なぜならば、この改変便器のサイズは現行の伝統的便器のサイズと同じであるからで、上記中実の予備成形バーは、この改変便器が所定の場所で完全に設置された後、側部足サポートプラットフォームを形成するために現場で挿入されるからである。
【0019】
本発明によって提案されている上述のモデルは、さらに、折りたたみ式ハンドルを備えてもよい。この折りたたみ式ハンドルは、これら二つのモデルに同じ方法で組み込まれ、しゃがみ式便器としての使用位置において、ユーザはこの折りたたみ式ハンドルを持ち上げ、それで自分自身を支えてバランスを維持すると共に、排便またはユーザの能力がそれを必要とする場合(高齢、肥満等)には、より大きな力をかけることができる。このために、両方の便器は、前面部の各側に、2つの円筒状の開口(穴)を備えており、それらの円筒状の開口に2つの接続ロッドが嵌合し、これらの接続ロッドに本発明が提案する折りたたみ式ハンドルがネジで取り付けられる。この折りたたみ式ハンドルは、U形状に予備成形された円筒状の管からなり、U字の各側に、好ましくは強度のある弾性材料(シリコーン、ゴム、又は同様の材料)でできた2つの保持ストップ(止め具)を備えて、このハンドルが高い位置にあるときに本発明の便器の口の両側部にこのハンドルを側部に保持(固定)するようになっている。
【0020】
ユーザのつかまり、支持、及び機動性(敏捷性)を促進するために本発明が提案するその他の任意の要素は、区画室の(1または複数の)壁に固定される補完的な固定つかまり棒からなる。固定つかまり棒は、好ましくは金属製の、円筒管からなり、この円筒管の両端に位置する溶接プレートが備えた穴を介して、壁に螺止めされる。
【0021】
第一に、本発明は、上記固定つかまり棒を、公衆便所における水洗トイレの場合にはよくあることであるが、区画室が許せば、この多用途使用のための足サポート付き便器に対して区画室の側方の壁に、床に対して垂直方向に設置することを提案する。第二に、本発明品が設置される区画室が、例えば、非常に遠くに側壁を有する場合には、本発明は、便器の後部が配置されるところの壁に、床と平行な位置に、固定つかまり棒を取り付け、ビデが普通使用されるように、本発明品を逆方向で、つまり、壁に向かい上記固定つかまり棒に捕まって、しゃがみ式便器として使用できるようにすることを提案する。この固定つかまり棒は上述した他のつかまり棒及びハンドルとして同じ機能を果たす。
【0022】
以下の説明の補足として、そして、本発明の特徴を一層容易に理解されやすいものとするために、この明細書は、例示として、しかし、限定的ではなく、本発明の最も特徴的な詳細を表す1組の図面を伴っている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1の実施形態の平面図で、2つの足サポートと便器とが単一の予備成形体を形成していることを表すと共に、折りたたみ式ハンドルを組み込むための二つの円筒状開口を表している。
図2図1の側面図を示す。
図3図1の正面図であり、便器の各側に一つずつ設けられた、二つの足サポートを示す。
図4図1の断面図で、二つの足サポートが本発明の便器と共に単一体を形成していることを表すと共に、折りたたみ式ハンドルを組み込むための二つの円筒状開口を表している。
図5】本発明の第2の実施形態の平面図で、足サポートプラットフォームを形成するために同じ幾何学的形状の中実の予備成形バーが挿入される二組の半円筒形直方体形状の開口を点線で表すと共に、折りたたみ式ハンドルを組み込むための二つの円筒状開口を表している。
図6図5の側面図を示す。
図7図5の正面図を示す。
図8図5の断面図で、足サポートを形成するバーつまり棒を挿入するための半円筒形直方体形状の開口を表すと共に、折りたたみ式ハンドルを組み込むための円筒状開口を表している。
図9】折りたたみ式ハンドルを組み込んだ本発明の第1の実施形態の平面図で、折りたたみ位置にあるハンドルを示す。
図10図9の側面図である。
図11図9の正面図である。
図12】折りたたみ式ハンドルが持ち上げられて使用位置にあるときの、図9の平面図である。
図13図12の側面図である。
図14図12の正面図である。
図15】中実の予備成形バーが開口に挿入されて足サポートプラットフォームを形成しており、折りたたみ式ハンドルが折りたたみ位置に取り付けられているときの、図5の平面図である。
図16図15の側面図である。
図17図15の正面図である。
図18】折りたたみ式ハンドルが持ち上げられて、使用位置にあるときの図15の平面図である。
図19図18の側面図である。
図20図18の正面図である。
図21】改変便器の断面図で、2組の一連の予備成形された半円筒形直方体形状のバーが、足サポートプラットフォームを形成するために、同じ幾何学的形状を有する開口のそれぞれに挿入されていることを示す。
図22】足サポートプラットフォームを形成するために、半円筒形直方体形状の中実の予備成形バーがそれらの寸法と位置に応じて配置されることを示す平面図である。
図23】足サポートプラットフォームを形成するための半円筒形直方体形状の予備成形バーの斜視図である。
図24】折りたたみ式ハンドルの平面図であって、二つの接続ロッドと、U形状に予備成形された円筒管と、頑丈な弾性材で作られた二つの保持ストップ(保持止め具)とを表している。
図25図24の側面図である。
図26】補完的な固定つかまり棒の正面図である。
図27図26の側面図である。
図28図26の平面図である。
図29】ユーザが伝統的なやり方で、臀部を便器の口に乗せると共に両足を直接床上に置いて腰掛けている、本発明の第1の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図30】ユーザが、各足を足サポートの一つに置き、臀部は便器の口に乗せないで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第1の実用的実施形態の使用位置での側面図を示す。
図31】ユーザが、各足を足サポートの一つに置き、臀部を便器の口に乗せて、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第1の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図32】ユーザが、各足を足サポートの一つに置き、臀部を便器の口に乗せず、後壁にある、床に対して水平方向の補完的な固定つかまり棒をつかんで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第1の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図33】ユーザが、各足を足サポートの一つに置き、臀部を便器の口に乗せ、後壁にある、床に対して水平方向の補完的な固定つかまり棒をつかんで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第1の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図34】持ち上げられた折りたたみ式ハンドルを表す、使用位置での図30の側面図である。
図35】持ち上げられた折りたたみ式ハンドルを表す、使用位置での図31の側面図である。
図36】床に対して垂直方向に側壁に設置された補完的な固定つかまり棒を表す、使用位置での図30の側面図である。
図37】床に対して垂直方向に側壁に設置された補完的な固定つかまり棒を表す、使用位置での図31の側面図である。
図38】ユーザが伝統的なやり方で、臀部を便器の口に乗せると共に両足を直接床上に置いて腰掛けている、本発明の第2の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図39】ユーザが、足サポートプラットフォームを形成している予備成形バーに各足を置き、臀部は便器の口に乗せないで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第2の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図40】ユーザが、足サポートプラットフォームを形成している予備成形バーに各足を置き、臀部を便器の口に乗せ、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第2の実施形態の使用位置での側面図を示す。
図41】ユーザが、足サポートプラットフォームを形成している予備成形バーに各足を置き、臀部を便器の口に乗せず、後壁にある、床に対して水平方向の補完的な固定つかまり棒をつかんで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第2の実施形態の逆向きの使用位置での側面図を示す。
図42】ユーザが、足サポートプラットフォームを形成している予備成形バーに各足を置き、臀部を便器の口に乗せ、後壁にある、床に対して水平方向の補完的な固定つかまり棒をつかんで、床よりも上の高いところでしゃがんでいる、本発明の第2の実施形態の逆向きの使用位置での側面図を示す。
図43】持ち上げられた折りたたみ式ハンドルを表す、使用位置での図39の側面図である。
図44】持ち上げられた折りたたみ式ハンドルを表す、使用位置での図40の側面図である。
図45】床に対して垂直方向に側壁に設置された補完的な固定つかまり棒を表す、使用位置での図39の側面図である。
図46】床に対して垂直方向に側壁に設置された補完的な固定つかまり棒を表す、使用位置での図40の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上述の図面に照らして、そして、使用されている参照番号に従い、多目的使用のための足サポート付き便器の一つ目の実施形態(図1−4、9−14、29−37参照)は、基本的に、2つの側方の足サポート3を備えた便器(トイレットボール)1に基礎を置くものであって、それらは、同一の単一体を構成しており、同一の型と材料(磁気、樹脂、ステンレス鋼等)とで製造されたものである。
【0025】
上記足サポート3は便器1の口から約10cmの位置にあり、それによって、図30−37に示すように、しゃがんだ位置での使用を可能にする。このしゃがんだ位置での使用は、図31、33、35、37に示すように、臀部を便器の口に乗せるか、又は、図30、32、34、36に示すように、臀部を便器の口に乗せないで、行われる。足サポート3は、好ましくは、足のサポート力とユーザの安定性を高めるリッジ5を有する。
【0026】
この第1モデルの便器1は前部の両側に、折りたたみ式ハンドル7を連結するため、かつ、本発明の使用を容易にするために、2つの円筒状の開口4を有する(図1−4参照)。より詳しくは、上記折りたたみ式ハンドル7は、便器1の上記円筒状の開口4に挿入される2つの接続ロッド8を有しており、U形状に予備成形された円筒状の管9が、ネジ10を介して接続ロッド8に組み付けられて、この第1モデルの多目的用途のための足サポート付き便器に固定されるようになっている(図9−14参照)。さらに、折りたたみ式ハンドル7は、好ましいことに、U形状に予備成形された円筒状の管9の両端部のそれぞれに、2つの保持ストップ(保持止め具)11を有する。これらの保持ストップ11は、強度のある弾性材料(たとえば、ゴム、ネオプレン(登録商標)、シリコーン等)からなり、便器1の口のエッジと一緒にエンドストップとして働くとともに、折りたたみ式ハンドル7の使用時にはこの折りたたみ式ハンドル7の持ち上げられた高い位置を確保する働きをする。使用のために折りたたみ式ハンドル7がこの第1モデルの多目的用途のための足サポート付き便器1に向かって持ち上げられるとき(図13及び14参照)、上記保持ストップ11が便器1に対して折りたたみ式ハンドル7を押し付けて、図34及び35に示すように、折りたたみ式ハンドル7が使用のために支持されるようになっている。
【0027】
本発明が提案する第2の実施形態(図5−8、15−21、38−46)によると、それは基本的に、次のような変更された便器(以下、改変便器)2に基礎を置いている。つまり、この改変便器2では、図5−8に示すように、便器の各側に連続する一組の開口6が形成されていて、半円筒形直方体形状を有するこれらの開口6のそれぞれに、同じ幾何学的形状を有する中実の予備成形されたバー13を挿入するようになっている。そして、それらは一緒になって、本発明のこの第2モデルの2つの足サポートプラットフォーム12を構成する。したがって、発明のこの好ましい第2実施形態においては、第1の発明の便器1の足サポート3の各々が、半円筒形直方体形状を有する1組の種々の寸法(符号「a」から「i」)を有する中実の予備成形バー13によって置き換えられている。これらの中実の予備成形バー13が、改変便器2の口のジオメトリに対してのそれぞれの位置に応じて、半円筒形直方体形状を有する開口6内に挿入された後、つまり、中実の予備成形バー13の各々が挿入端部14によって同じ幾何学的形状を有する対応する開口6に挿入されると、それらは図15-23に示すように、足サポートプラットフォーム12を形成する。
【0028】
好ましくは、上記中実の予備成形バー13はその直方体の外側上面が、足サポートプラットフォームのために、ノンスリップ材料(つまり、滑り止め材料)15でコーティングされている。
【0029】
したがって、2組の予備成形バー13(それぞれの組が2つの足サポートプラットフォーム12の一方を構成する)は、本発明の第1モデルの便器1及びその2つの足サポート3と同様に、改変便器2の口から約10cmのところに位置し、図39−46に示すように、しゃがんでの使用を可能とする。
【0030】
上記改変便器2は、折りたたみ式ハンドル7を組み込むために、その前部の両側に2つの円筒状開口4も有する。折りたたみ式ハンドル7は、図43及び図44における使用位置によって示すとおり、上述の好ましい実施形態の第1モデル1と同じ態様で機能する。
【0031】
さらに、上記両モデルの多目的使用のための足サポート付き便器1及び2では、より実用的、より安全、かつより効果的な使用のために、1以上の補完的な壁つかまり棒16を備えてもよい。この壁つかまり棒16は、消毒(殺菌)を容易にするために、好ましくは金属製の円筒管17からなる。円筒管17は、円筒管17の両端それぞれに溶接されたプレート18が備えた穴19を介して、区画室の壁に固定される(図26−28参照)。したがって、ハンドルの数及び発明品が設置される区画室に応じて、上述の補完的な固定つかまり棒(把持バー)16の多くの組み合わせが提供される。両モデル1及び2について図32−33及び図41−42にそれぞれ示された実施形態からわかるように、本発明の一つの実用的な実施例では、補完的な固定つかまり棒16は、後方の壁に設置され、水平方向に配置されて、逆方向にしゃがんだ排泄位置にあるユーザに対してより大きな安定性を提供する。同様に、本発明において、両モデル1及び2について図36−37及び図45−46にそれぞれ示された実施例からわかるように、上記の補完的な固定つかまり棒は、区画室の側壁に、好ましくは縦方向(鉛直方向)に設置されてもよく、前述のつかまり棒と同じく安定させるという目的を遂行できる。
図1-3】
図4
図5-7】
図8
図9-11】
図12-14】
図15-17】
図18-20】
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
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図32
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図38
図39
図40
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図44
図45
図46
【手続補正書】
【提出日】2019年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の口の両側に、上記便器の口から約10cmの高さのところに配置された2つの足サポートプラットフォーム(12)を有し、多目的デザインが、両足を床につけて便器の口に腰掛ける伝統的な方法での使用及び/又は上記足サポートプラットフォーム(12)を用いたしゃがみ位置での使用を可能とする改変便器(2)を構成するために、伝統的な洋式便器の基本的要素及び構造を備えた多目的使用のための足サポート付き便器であって、
上記改変便器(2)の各側に、半円筒形直方体の形状を有する1組の開口(6)を備え、改変便器(2)の両側に2つの足サポートプラットフォーム(12)を提供するために、上記開口(6)には、それらの位置に応じて、同じ幾何学的形状を有する中実の予備成形バー(13a−i)が挿入され、挿入端部(14)によって固定されており、半円筒形直方体の形状を有する上記中実の予備成形バー(13a−i)は、該直方体の外面に、ノンスリップ材(15)を有し、上記改変便器(2)は、その前部の両側に、折りたたみ式ハンドル(7)を組み込むための2つの円筒状開口(4)を備え、上記折りたたみ式ハンドル(7)は、上記円筒状開口(4)に挿入される2つの接続ロッド(8)と、弾性材料製の保持用ストップ(11)を有するU形状に予備成形された円筒管(9)とからなり、上記円筒管(9)はネジ(10)で上記2つの接続ロッド(8)に組み付けられていることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【請求項2】
請求項1に記載の多目的使用のための足サポート付き便器において、
水及び化学製品及び消毒液に強い、水密で衛生的で清掃しやすい材料、例えば、磁器、ステンレス鋼、樹脂など、でできていることを特徴とする多目的使用のための足サポート付き便器。
【国際調査報告】