特表2020-530823(P2020-530823A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-530823(P2020-530823A)
(43)【公表日】2020年10月29日
(54)【発明の名称】ホイールサスペンション
(51)【国際特許分類】
   B60G 3/20 20060101AFI20201002BHJP
   B62D 7/15 20060101ALI20201002BHJP
【FI】
   B60G3/20
   B62D7/15 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-502769(P2020-502769)
(86)(22)【出願日】2018年2月9日
(85)【翻訳文提出日】2019年11月18日
(86)【国際出願番号】EP2018053333
(87)【国際公開番号】WO2018177642
(87)【国際公開日】20181004
(31)【優先権主張番号】102017106810.4
(32)【優先日】2017年3月29日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】519349584
【氏名又は名称】イーエムエム! ソリューションズ ジーエムビーエイチ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リーデル,マックス
【テーマコード(参考)】
3D034
3D301
【Fターム(参考)】
3D034BB02
3D034BB03
3D034BC02
3D034BC13
3D034BC16
3D034BC25
3D034BC26
3D301CA10
3D301CA12
3D301DA08
3D301DA33
3D301DA90
3D301DB13
3D301DB20
3D301DB22
3D301DB57
3D301DB60
(57)【要約】
本発明は、ホイール(10)を支持し、ホイール(10)用の第1のステアリングアクスル(16、52、64)を有するアクスルリム(14、46、66)であって、第1のステアリングアクスル(16、52、64)が特定の範囲内のステアリング角度を可能にする、アクスルリム(14、46、66)と、アクスルリム(14、46、66)を支持構造(38、38’)に接続する部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)とを備えた、特に車体用のホイールサスペンションに関する。90度以上のステアリング角度に達することを許容するために、部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)の少なくとも1つは、第1のステアリングアクスル(16、52、64)によって画定されるステアリング角度以外のステアリング角度を生成するために選択的に解放可能な第2のステアリングアクスル(30、60、70)を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール(10)を支持し、前記ホイール(10)用の第1のステアリングアクスル(16、52、64)を有するアクスルリム(14、46、66)であって、前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)が特定の範囲内のステアリング角度を可能にする、アクスルリム(14、46、66)と、
前記アクスルリム(14、46、66)を支持構造(38、38’)に接続する部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)と
を備えた、特に車体用のホイールサスペンションであって、
前記部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)の少なくとも1つが、前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)によって画定されるステアリング角度以外の前記ステアリング角度を生成するために、選択的に解放可能な第2のステアリングアクスル(30、60、70)を有する
ことを特徴とする、ホイールサスペンション。
【請求項2】
前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)の周りで前記ホイール(10)を回転させるためのアクチュエータ(24、78)が前記アクスルリム(14、46、66)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールサスペンション。
【請求項3】
前記アクチュエータ(24、78)が、電気モータとして、あるいは油圧式または空圧式ユニットとして設計されることを特徴とする、請求項2に記載のホイールサスペンション。
【請求項4】
前記アクスルリム(14、46、66)を前記支持構造(38、38’)に接続するための前記部品(18、20、22;40、42、44)が、ダブルトランスバースリンクアクスルを形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【請求項5】
前記アクスルリム(14)用の支持体(18)が設けられ、
前記支持体(18)が、前記第2のステアリングアクスル(30)の周りに旋回可能であり、前記ダブルトランスバースリンクアクスルの上部および下部のトランスバースリンク(20、22)に取り付けられる
ことを特徴とする、請求項4に記載のホイールサスペンション。
【請求項6】
前記ダブルトランスバースリンクアクスルの上部および下部のアーム(42、44)のシャーシ側端部において、前記第2のステアリングアクスル(30)の周りに旋回可能な支持チューブ(40)が配置されることを特徴とする、請求項4に記載のホイールサスペンション。
【請求項7】
前記アクスルリム(46、66)を前記支持構造に接続するための前記部品(48、56;56、74)が、マクファーソンサスペンションを形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【請求項8】
前記第2のステアリングアクスル(30、60、70)が、機械式、電気式、油圧式、または空圧式アクチュエータを介して解放可能なロック機構(34、58、76)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【請求項9】
ホイールハブモータが、駆動装置として前記ホイール(10)上に配置されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールサスペンションに関し、特に、ホイールを支持し、ホイール用の第1のステアリングアクスルを有するアクスルリムであって、前記第1のステアリングアクスルが特定の範囲内のステアリング角度を可能にする、アクスルリムを備え、アクスルリムを支持構造に接続する部品を備えた、車体用のホイールサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、標準的な車体は主に自動車技術で使用されており、個々の形状はそれぞれの車両モデルの特定の負荷要件に基づいている。
【0003】
個人用および実用的な車両の既知のホイールサスペンションには次のものが含まれる:
大きなベースまたは小さなベースとして、追加のシングルまたはダブルトランスバースリンク(任意の三角形のリンク)を備えたマクファーソンホイール誘導サスペンションストラット
マルチリンク式アクスル
複合ステアリングアームまたは連結リンクアクスル
トレーリングアームおよびリジッドアクスル
【0004】
原則として、1つのアクスル(フロントアクスル)のみが操舵され、リアアクスルは一部共同操舵されるように設計されているが、実際にはほぼ使用されない。フロントアクスルと同様に大きなステアリング角度を可能にするアクティブステアリングリアアクスルは、独自の解決策のみで見られ、大規模シリーズでは見られない。フロントアクスルで可能な最大ステアリング角度は、選択したホイールサスペンションの形状によって制限される。
【0005】
既知のホイールサスペンションの制限されたステアリング角度の欠点は、例えば、道路と平行に駐車する車両が操縦のために比較的大きな駐車スペースを必要とすることであり、したがって常に制限される駐車スペースの使用が最適ではないということである。さらに、通常必要とされる後退駐車により、交通の流れが妨げられたり停止したりする。同様に、車両はその地点で回転できない。車種によっては、回転円の直径は9〜13メートルである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これから始めて、本発明の目的は、車両に必要な駐車スペースを削減し、適切な走行機構の形態によって流れる交通をほとんど妨害せずに、非常に正確で省スペースの直角での自動駐車を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1で指定された機能の組み合わせが提案されている。本発明の有利な改良および開発は、従属請求項から生じる。
【0008】
本発明による解決策の基本的な考え方は、追加の第2のステアリングアクスル(second steering axle)をアクスルリムの回転軸受とホイールサスペンション(wheel suspension)の車両または輸送手段への接続との間の従来のステアリングホイールサスペンションに組み込むことにより、ホイール固有のステアリング角度を左右に90°(またはそれ以上)に調整することにある。本発明によれば、部品の少なくとも1つは、第1のステアリングアクスルによって画定されるもの以外のステアリング角度を生成するために、選択的に解放可能な第2のステアリングアクスルを有する。
【0009】
本発明が車体に基づいて以下に説明されるとしても、本発明の応用分野はそれに限定されない。この解決策は、車両エンジニアリングでの使用に加えて、他の移動応用でも実施できる。例えば、一般的に商品や人の輸送での使用が考えられる。例として、ここでは特に、障害者用のユーティリティ車両および輸送手段、または、例えば保管スペースなどの特別な環境での物流用車両について言及する必要がある。車両は内部空間で使用でき、柔軟な揚重クレーン、フォークリフト、コンベアベルトトランスポータ(本体は車両で輸送される)などの特別な構造を備えている。
【0010】
車両の純粋な走行モードでは、車両は通常、ステアリングアクスルに割り当てられた外側アクスルリムの微回転運動(両方向で約40°のステアリングロック)によって誘導される。低速での駐車または横方向走行の場合、第2の内側、すなわち、本体側のステアリングアクスルは、その走行位置からロック解除され、両アクスルの回転角度を車両の長手方向を横切るホイール角度まで重ね合わせることにより、総ステアリング角度を増加させる。
【0011】
このタイプのホイールサスペンションは、フロントアクスルだけでなく、他のすべての車両アクスル(全輪ステアリング)にも使用できる。第2の内側ステアリングアクスルによるステアリングシステムの制御は、個々のホイールサスペンション(対応するアクチュエータによる単輪ステアリング)と、アクスルの両方のホイールを結合し、1つのアクチュエータのみによって駆動されるステアリング運動学の両方で実行できる。
【0012】
追加の内側ステアリングアクスルを使用して両方向で最大90°以上のステアリング角度を実現すると、2つの重要な利点が得られる:
ステアリング回転半径(ホイールの接触点から外側のステアリングアクスルと道路の交差点の理論上の点までの距離)は、小さく、またはゼロになるように設計でき、したがって、走行モードでのステアリングに対する走行または制動トルクの影響は非常に小さい。
第2の内側ステアリングアクスルの位置を適切に選択することにより、ホイールは可能な限り最小のスペースでトランスバースリンクと平行にホイールハウス内に回転し、ホイールの開口部を大きくする必要がないため、スペースを節約でき、設計の自由度が高まる。
【0013】
本発明の一実施形態では、従来の操縦可能なアクスル(例えば、複数リンク、ダブルトランスバースリンク、マクファーソンサスペンションストラット、振り子アクスル、縦リンクアクスル)に加えて、6自由度を有するさらなる接合部(例えば、支持接合部)は、アクスルリムの回転軸受と車両または輸送手段へのホイールサスペンションの接続との間に導入され、したがって、トランスバースリンクを外側の短いトランスバースリンクと内側の長いトランスバースリンクに分割する。第1の外側ステアリングアクスルの軸受は、純粋な回転軸受(例えば、円すいころ軸受)に置き換えられる。第2の内側アクスルの周りの回転に加えて、短いトランスバースリンクと長いトランスバースリンクの間の軸受がホイールサスペンションのタスクを引き継ぐため、6自由度を装備する必要がある。
【0014】
ダブルトランスバースリンクアクスル(double transverse link axle)での実装は、上部および下部の短いトランスバースリンクを統合するか、コネクタを使用してユニットとして連結することで実現される。スプリングダンパーユニットは、内側の長いトランスバースリンクに回転可能に取り付けられ、本体上に直接支持されている。
【0015】
マクファーソンサスペンションストラットでの実装は、ダブルトランスバースリンクアクスルと同様に行われ、下部トランスバースリンクのみが分割される。第2の内側ステアリングアクスルの上点は、サスペンションストラットと本体との間の関節点である。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、第1のステアリングアクスルの周りでホイールを回転させるためのアクチュエータがアクスルリムに配置される。アクチュエータは、電気モータとして、あるいは油圧式または空圧式ユニットとして設計できる。したがって、従来のステアリングギアによるステアリングコマンドの機械的に非常に複雑な送信を回避できる。
【0017】
本発明の第1の実施形態では、アクスルリムを支持構造に接続するための部品は、ダブルトランスバースリンクアクスルとして設計することができる。この場合、アクスルリム用の支持体が有利に設けられ、これは、ダブルトランスバースリンクアクスルの上部および下部のトランスバースリンク上で第2のステアリングアクスルの周りに旋回可能に配置される。あるいは、トランスバースリンク用の支持チューブ(support tube)であって、前記支持チューブは第2のステアリングアクスルの周りに旋回可能であり、支持構造の側面のダブルトランスバースリンクの上部および下部のトランスバースリンクの端部領域に配置することができる。
【0018】
本発明の代替実施形態では、アクスルリムを支持構造に接続するための部品は、マクファーソンアクスルとして設計される。
【0019】
第2のステアリングアクスルは、好ましくは、より高速での通常の走行操作には使用されないため、機械式、電気式、油圧式、または空圧式作動要素を介して解放できるロック機構を有することが好ましい。
【0020】
本発明によるサスペンションのホイールへの駆動力の伝達は機械的に非常に複雑であるため、ホイールハブモータはホイール上の駆動装置として配置されることが好ましい。
【0021】
さらなる実施形態では、本発明のサスペンションにより、追加または代替の機能および用途が可能になる:
内側アクスル上の緊急ステアリングアクチュエータについて、上部の短いトランスバースリンクは省略されている。下部中間接合部をロックして開くことにより、走行方向に対して追加で必要な90°のステアリング角度を、ホイール駆動装置のみで実現できる。
トラック幅の縮小について、両方のステアリングアクスルの寸法が等しいが対向するステアリング角度(外側のアクスルでは左に40°、内側のアクスルでは右に40°)により、トラック幅を低減しながら、ステアリング効果が拡大する。
冗長ブレーキ/緊急ブレーキについて、状況によっては、追加の機械式ブレーキを省くか、ステアリングシステムによってブレーキの故障を補うことができる。サービスブレーキは、ホイールハブモータ(回生ブレーキ)を介して実現され、トーインのホイールを調整することにより、さらに緊急ブレーキがサポートされる。または、ブレーキが故障した場合、ホイールの相互ステアリングによって制動トルクが生成される。
力およびトルクは内部回転軸の軸受で測定され、ホイールの力およびトルクはこれらの測定から推定される。評価用電子機器を使用して、動作ケース、負荷スペクトル、道路状況、タイヤ特性、および摩擦係数が関連する車両特性として決定される。
【0022】
以下において、本発明は、図面に概略的に示される実施形態を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ダブルトランスバースリンクを備えたホイールサスペンションの第1の例示的な実施形態を斜視図で示す図である。
図2図1によるホイールサスペンションを90°回転させた斜視図で示す図である。
図3図1によるホイールサスペンションを上から示す図である。
図4図1によるホイールサスペンションを上から示す図である。
図5図1によるホイールサスペンションを上から示す図である。
図6図1によるホイールサスペンションの概略側面図である。
図7】ダブルトランスバースリンクを備えたホイールサスペンションの代替実施形態を上から見た図である。
図8】ダブルトランスバースリンクを備えたホイールサスペンションの代替実施形態を上から見た図である。
図9】ダブルトランスバースリンクを備えたホイールサスペンションの代替実施形態を上から見た図である。
図10図7から図9によるホイールサスペンションの概略側面図である。
図11】マクファーソンホイールサスペンションの概略側面図である。
図12】代替のマクファーソンホイールサスペンションの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および図2に示すホイールサスペンションは、ホイールハブモータとして設計されたホイールキャリア12を備えたホイール10は、ホイールを担持し、第1のステアリングアクスル16(図6)を有するアクスルリム14と、アクスルリム16用の支持体18と、上部三角形トランスバースリンク20と、下部三角形トランスバースリンク22と、第1のステアリングアクスル16の周りにホイール10を操舵するためのアクスルリム16に配置されたアクチュエータ24と、アクスルリム16と支持体18との間の上部および底部に配置された円すいころ軸受26、26’と、第2のステアリングアクスル30の周りで支持体18を回転させるリンク28(図6)と、スプリングダンパーユニット32と、第2のステアリングアクスル30を走行モードでロックするロック機構34と、支持体18と三角形トランスバースリンク20、22との間の上部および底部に配置された支持軸受36、36’(図6)とを有する。車両シャーシは、ストラット38、38’によって象徴的に示されており、ストラット38、38’には、上部および下部の三角形のトランスバースリンク20、22が旋回可能に固定されている。図1および図2において、ホイール10は、車両の長手方向に対して約90°の全ステアリング角度が達成されるように、第1のステアリングアクスル16および第2のステアリングアクスル30の両方の周りで回転する。利用可能なすべてのホイールがこのような方法で操舵される場合、車両は、駐車などのために道路へ横方向に移動できる。
【0025】
図3は、進行方向に真っ直ぐ前方を指す位置にあるホイール10を示す。図4は、例えばコーナリング中に、第1のステアリングアクスル16の周りに約40°の最大ステアリング角度を有するホイール10を示す。第2のステアリングアクスルはここでロックされている。図5は、車両の長手方向軸に対して約90°の角度にあるホイール10を示す。この場合、第2のステアリングアクスル30はロック解除され、その回転角度は第1のステアリングアクスル16の回転角度に加わる。
【0026】
図7から図9は、アクスルリム14(図1から図6)の支持体18の代わりに、上部および下部のトランスバースリンク42、44のシャーシ側端部に配置された支持チューブ40が第2のステアリングアクスル30を含むダブルトランスバースリンクアクスルの変形例の平面図を示す。図7から図9は、第1の変形例の図3から図5にそれぞれ対応する。図7では、ホイール10は進行方向に真っ直ぐであり、図8では、ホイール10は第1のステアリングアクスル16の周りに旋回し、図9では、ホイール10は第1のステアリングアクスル16および第2のステアリングアクスル30の両方の周りに旋回し、車両の長手方向軸に対して約90°の角度にある。
【0027】
図10は、図6による、図7から図9に示された変形の概略側面図を示す。ここでは、同一の部品には同じ参照記号が付けられている。ここでの違いは、本質的に、上部および下部のトランスバースリンク42、44の支持体としての支持チューブ40の使用である。第2のステアリングアクスル30は、支持チューブ40を通って車両シャーシの近くを走る。邪魔な車両部品がない限り、この変形例は理論的には360°のホイールのステアリング回転を許容する。
【0028】
図11は、図6および図10による概略側面図でのマクファーソンホイールサスペンションの第1の変形例を示す。前記ホイールサスペンションは、ホイールキャリア12を備えたホイール10、アクスルリム46、下部トランスバースリンク48、ホイール10を第1のステアリングアクスル52の周りに回転させるアクチュエータ50、下部中間部品としてのショートリンク54、スプリングダンパーユニット56、第2のステアリングアクスル60をロックするためのロック機構58、およびホイール10を第2のステアリングアクスル60の周りで回転させるためのリンク62を本質的に含む。
【0029】
図12は、図6図10、および図11による概略側面図でのマクファーソンホイールサスペンションの第2の変形例を示す。ここで、第1のステアリングアクスル64は、アクスルリム66に配置された支持チューブ68を貫通している。第2のステアリングアクスル70は、スプリングダンパーユニット56の上部リンケージおよび下部トランスバースリンク74の支持軸受72を通って延びている。第2のステアリングアクスルは、ロック機構76によってロックすることができる。第1のステアリングアクスル64の周りのホイール10のステアリング回転は、リニアアクチュエータ78を介して行われる。第2のステアリングアクスル70は、上部リンク80を介して関節運動している。
【0030】
要約すると、以下のことに注意すべきであり、本発明は、ホイールサスペンションに関し、特に、ホイール10を支持し、ホイール10用の第1のステアリングアクスル16、52、64を有するアクスルリム14、46、66であって、前記第1のステアリングアクスル16、52、64が特定の範囲内のステアリング角度を可能にする、アクスルリム14、46、66を備え、アクスルリム14、46、66を支持構造38、38’に接続する部品18、20、22;40、42、44;48、56;56、74を備えた、車体用のホイールサスペンションに関する。90°以上のステアリング角度に到達できるようにするために、部品18、20、22;40、42、44;48、56;56、74の少なくとも1つは、第1のステアリングアクスル16、52、64によって画定されるもの以外のステアリング角度を生成するために、選択的に解放可能な第2のステアリングアクスル30、60、70を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2018年12月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール(10)を支持し、前記ホイール(10)用の第1のステアリングアクスル(16、52、64)を有するアクスルリム(14、46、66)であって、前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)が特定の範囲内のステアリング角度を可能にする、アクスルリム(14、46、66)と、
前記アクスルリム(14、46、66)を支持構造(38、38’)に接続する部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)であって、前記部品(18、20、22;40、42、44;48、56;56、74)の少なくとも1つが、前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)によって画定されるステアリング角度以外の前記ステアリング角度を生成するために、第2のステアリングアクスル(30、60、70)を有する、部品と
を備えた、特に車体用のホイールサスペンションであって、
前記第2のステアリングアクスル(30、60、70)が、選択的に解放可能であり、
前記アクスルリム(14、46、66)を前記支持構造(38、38’)に接続するための前記部品(18、20、22;40、42、44)が、ダブルトランスバースリンクアクスルを形成し、
前記ダブルトランスバースリンクアクスルの上部および下部のアーム(42、44)のシャーシ側端部において、前記第2のステアリングアクスル(30)の周りに旋回可能な支持チューブ(40)が配置される
ことを特徴とする、ホイールサスペンション。
【請求項2】
前記第1のステアリングアクスル(16、52、64)の周りで前記ホイール(10)を回転させるためのアクチュエータ(24、78)が前記アクスルリム(14、46、66)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のホイールサスペンション。
【請求項3】
前記アクチュエータ(24、78)が、電気モータとして、あるいは油圧式または空圧式ユニットとして設計されることを特徴とする、請求項2に記載のホイールサスペンション。
【請求項4】
前記第2のステアリングアクスル(30、60、70)が、機械式、電気式、油圧式、または空圧式アクチュエータを介して解放可能なロック機構(34、58、76)を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【請求項5】
ホイールハブモータが、駆動装置として前記ホイール(10)上に配置されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のホイールサスペンション。
【国際調査報告】