特表2020-531004(P2020-531004A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-531004(P2020-531004A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(54)【発明の名称】風味発生手段
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20201009BHJP
   A24D 3/16 20060101ALI20201009BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20201009BHJP
   A24F 47/00 20200101ALN20201009BHJP
【FI】
   A24D3/04
   A24D3/16
   A24B15/28
   A24F47/00
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-508358(P2020-508358)
(86)(22)【出願日】2018年8月15日
(85)【翻訳文提出日】2020年2月26日
(86)【国際出願番号】GB2018052316
(87)【国際公開番号】WO2019034872
(87)【国際公開日】20190221
(31)【優先権主張番号】1713129.3
(32)【優先日】2017年8月16日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ナイト、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィーズ、イアント
(72)【発明者】
【氏名】リヌーフ、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ブルックバンク、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ヤニェス、イグナシオ スアレス
(72)【発明者】
【氏名】フェルブリッチ、カール
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BC11
4B043BC28
4B045BA03
4B045BB03
4B045BC16
4B162AC08
(57)【要約】
タバコ産業製品に使用するための風味発生手段が提供される。風味発生手段は、凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料との接触を介して凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含む。バリアーはアクティベーターが凍結乾燥された植物材料と接触できるようにするために取り外し可能であり、これにより凍結乾燥された植物材料から風味を放出させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品に使用するための風味発生手段であって、凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料との接触を介して凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含み、バリアーはアクティベーターが凍結乾燥された植物材料と接触できるようにするために取り外し可能であり、これにより凍結乾燥された植物材料から風味を放出させるタバコ産業製品に使用するための風味発生手段。
【請求項2】
アクティベーターは、アクティベーター放出部材内に含まれ、凍結乾燥された植物材料はアクティベーター放出部材の外側にあることを特徴とする請求項1記載の風味発生手段。
【請求項3】
アクティベーターの少なくとも一部は凍結乾燥された植物材料と接触するためにアクティベーター放出部材から放出されることを特徴とする請求項2記載の風味発生手段。
【請求項4】
アクティベーター放出部材は、
i) 脆弱なカプセルまたは
ii) アクティベーターの複数の個別の送出量のアクティベーターを放出するように動作可能であることを特徴とする請求項2または3記載の風味発生手段。
【請求項5】
アクティベーターは液体を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項6】
アクティベーターはさらに植物材料の粒を含むことを特徴とする請求項5記載の風味発生手段。
【請求項7】
アクティベーターは本質的に無風味の液体であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項8】
アクティベーターは水または有機溶媒を含むまたは水または有機溶媒からなることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項9】
凍結乾燥された植物材料は多気泡構造を有する凍結乾燥された植物材料の粒を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項10】
風味発生手段は喫煙品に使用するためのフィルターセクションを含み、風味が凍結乾燥された植物材料から放出されてフィルターセクションを介して引き込まれる煙に同伴されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項11】
フィルターセクションはフィルター材を含み、凍結乾燥された植物材料は粒状であり、フィルター材全体に分布されていることを特徴とする請求項10記載の風味発生手段。
【請求項12】
アクティベーターはフィルター材内でアクティベーター放出部材内に含まれ、アクティベーターの少なくとも一部はアクティベーター放出部材から放出され、フィルター内の凍結乾燥された植物材料と接触することを特徴とする請求項11記載の風味発生手段。
【請求項13】
アクティベーターは凍結乾燥された植物材料を水にもどすことによって凍結乾燥された植物材料から風味を放出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項14】
凍結乾燥された植物材料はチョウジ、ミントまたはギンバイカを含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項15】
請求項1乃至14いずれか1項記載の風味発生手段を含む喫煙品用フィルター。
【請求項16】
請求項15記載のフィルターまたは請求項1乃至14いずれか1項記載の風味発生手段を含む喫煙品。
【請求項17】
風味発生手段を含むタバコ産業製品の形成方法であって、
i) 凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含む風味発生手段を供することと、
ii) タバコ産業製品に風味発生手段を組み入れることとを含む風味発生手段を含むタバコ産業製品の形成方法。
【請求項18】
i) 凍結乾燥された植物材料を供することと、
ii) 凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターを含むアクティベーター放出部材を供することと、
iii) 凍結乾燥された植物材料およびアクティベーター放出部材をフィルターセクション内に組み込むこととを含む風味発生手段を含む喫煙品フィルターセクションを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ産業製品に使用する風味発生手段および風味発生手段を組み込んだタバコ産業製品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ産業製品は風味発生手段を含む場合がある。風味発生手段は、タバコ産業製品に風味を供するために配置される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様ではタバコ産業製品に使用する風味発生手段が提供される。風味発生手段は、凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料との接触を介して凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含む。バリアーはアクティベーターが凍結乾燥された植物材料と接触できるようにするために取り外し可能であり、これにより凍結乾燥された植物材料から風味を放出させる。
【0004】
本発明の第2の態様では風味発生手段を含むタバコ産業製品を形成する方法が提供される。本発明の方法は、
i) 凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含む風味発生手段を供することと、
ii) タバコ産業製品に風味発生手段を組み入れることとを含む。
【0005】
本発明の第3の態様ではが風味発生手段を含む喫煙材フィルターセクションの形成方法提供される。本発明の方法は、
i) 凍結乾燥された植物材料を供することと、
ii) 凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターを含むアクティベーター放出部材を供することと、
iii) 凍結乾燥された植物材料およびアクティベーター放出部材をフィルターセクション内に組み込むこととを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
図1】喫煙品であり、第1の実施態様による風味発生手段を含むタバコ産業製品を示す。
図2】喫煙品であり、第2の実施態様による風味発生手段を含むタバコ産業製品を示す。および
図3】喫煙品であり、第3の実施態様による風味発生手段を含むタバコ産業製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は喫煙品110であるタバコ産業製品を示している。
【0008】
喫煙品110は喫煙材、この場合はタバコからなる円筒状ロッド111と、フィルター112とを含む。フィルター112は、吸い口端フィルターセクション113および風味発生手段フィルターセクション117である2つの長手方向に位置合わせされた実質的に円筒状のフィルターセクションを含む。これら2つのフィルターセクションは繊維性のフィルター材のプラグを含み、この場合セルロースアセテートを含み、プラグラッパー(図示せず)によって囲まれている。
【0009】
喫煙材ロッド111は、喫煙材ロッド111の端部がフィルター112の端部と当接するようにフィルター112と位置合わせされている。具体的にはロッド111は、風味発生手段フィルターセクション117の端部と当接する。喫煙材ロッド111は紙のラッパー(図示せず)に包まれ、チッピング紙(図示せず)を使用してフィルター112に接合されている。
【0010】
風味発生手段フィルターセクション117は、凍結乾燥された植物材料115を含む。図1に示す実施態様では凍結乾燥された植物材料115は、凍結乾燥されたチョウジ材の粒子を含み、粒子は「ダルメシアン」フィルターセクションの形体であるフィルター材全体に実質的に均等に分布されている。
【0011】
風味発生手段フィルターセクション117はアクティベーター116も含み、この場合にはアクティベーターは水である。アクティベーターはアクティベーター放出部材114内に含まれ、これはアクティベーターを周囲のフィルター材中の凍結乾燥された植物材料115から離隔するための取り外し可能なバリアーとして機能する。アクティベーター放出部材114は、アクティベーター116を収容する含む内部容積と、アクティベーターに対して不透過性の外壁とを含む。
【0012】
図1に示すアクティベーター放出部材は、長尺または楕円形であり、風味発生手段フィルターセクションの実質的に中央に配置され、アクティベーター放出部材114の長手方向軸はフィルター112の長手方向軸に対応している。他の実施態様ではアクティベーター放出部材114は球形などの他のあらゆる形状であってもよい。一部の実施態様では風味発生手段フィルターセクション117は、それぞれ同じまたは異なるアクティベーター116を含む複数のアクティベーター放出部材114を含んでもよい。
【0013】
図示の実施態様ではアクティベーター放出部材114は、繊維性フィルター材のプラグの実質的に中央に配置されることにより風味発生手段フィルターセクション117内の所定の位置に保持される。
【0014】
すべての実施態様においてアクティベーター116と凍結乾燥された植物材料115の組み合わせは、アクティベーター116が凍結乾燥された植物材料115から風味を放出するように選択される。例えば、水または有機溶媒などの別の風味のない溶媒であってもよいアクティベーター116は、凍結乾燥された植物材料115を水でもどすことによって凍結乾燥された植物材料115から風味を放出する。
【0015】
喫煙品の使用の直前または使用中などの必要なときに、アクティベーター放出部材114をユーザーが作動させてもよい。アクティベーター放出部材114は、使用時ユーザーがアクティベーター放出部材114を作動させて、風味発生手段フィルターセクション117のフィルター材内にアクティベーター116の少なくとも一部を放出するように構成されている。このようにアクティベーター116は、凍結乾燥された植物材料115とユーザーによって接触させられて凍結乾燥された植物材料から風味を放出させる。
【0016】
図1に示す実施態様ではアクティベーター放出部材114は、例えば矢印Aで示すようにアクティベーター放出部材114の領域でフィルター112に横方向に加えられた圧縮力に応じて破裂することによって作動する脆弱なカプセルである。その力は、例えば、ユーザーが2本の指でフィルター112を押しつぶすことによって加えてもよい。アクティベーター放出部材114が破裂することによってアクティベーターと凍結乾燥された植物材料を隔てているバリアーを取り除き、凍結乾燥された植物材料115を含む周囲のフィルター材内にアクティベーター116を放出する。従って、アクティベーターは凍結乾燥された植物材料115と接触し、凍結乾燥された植物材料115から風味を放出する。図示の実施態様において水であるアクティベーター116は、この実施態様では凍結乾燥されたチョウジ材である凍結乾燥された植物材料115から風味を凍結乾燥されたチョウジ材を水にもどすことによって放出するように作用する。
【0017】
喫煙品110の使用時に喫煙材ロッド111の燃焼によって生じる煙はユーザーによってフィルター12を介して引き込まれる。アクティベーター116によって植物材115から放出される風味は、風味発生手段フィルターセクション117を介してユーザーによって引き込まれる煙に同伴させてもよく、これにより煙の風味が変えられる。
【0018】
一部の実施態様ではフィルター112を介してユーザーに吸い込まれる煙の水分量は凍結乾燥された植物材料115からの風味を放出する際にアクティベーター116を補助する。しかしながら、通常煙の水分量は凍結乾燥された植物材料115から風味を放出するには充分ではない。具体的には煙の水分量は、ユーザーによってフィルターを介して引き込まれる煙に検出できるレベルに風味づけられるように凍結乾燥された植物材料から風味材を充分に放出するには少なすぎる。少なくともこの理由のために凍結乾燥された植物材料はいままで喫煙品フィルターセクションなどのタバコ産業製品に使用するための風味発生手段に含有されなかった。
【0019】
図2図1に示したものと類似する喫煙品210を示し、対応する部材は最後の2桁を同じ参照番号を使用して示されている。図2に示す実施態様は、風味発生手段フィルターセクション217が複数の別個のアクティベーター放出部材214を含む点で図1のものと主に異なる。図1の実施態様と同様にアクティベーター放出部材214は、風味発生手段フィルターセクション217のフィルター材内に位置する。アクティベーター放出部材214のそれぞれは、水の形体のアクティベーター216を含む脆弱なカプセルを含む。脆弱なカプセルはアクティベーターと凍結乾燥された植物材料の間に取り外し可能なバリアーを形成している。図1に示した実施態様と同様に風味発生手段フィルターセクション217は、凍結乾燥された植物材料215がフィルター材全体に分布された凍結乾燥されたギンバイカの粒子を含むダルメシアンフィルターセクションの形体である。
【0020】
例えば矢印Aで示す方向にフィルター212に力を加えることによって1つ以上のアクティベーター放出部材214を破裂させ、アクティベーターと凍結乾燥された植物材料の間のバリアーが取り除かれ、含有されていたアクティベーター216周囲のフィルター材内に放出する。フィルター212に小さい力を加えると風味発生手段フィルターセクション217のアクティベーター放出部材214を1つだけ破裂させ、従って、周囲のフィルター材内に少量のアクティベーター216を放出する。それに対してフィルター212に加えられる大きな力によって風味発生手段フィルターセクション217のすべてまたは実質的にすべてのアクティベーター放出部材214を破裂させてもよく、従ってより多くの量のアクティベーターを放出する。一部の実施態様では中間のレベルの力をフィルター212に加えて風味発生手段217のアクティベーター放出部材214の一部(例えば4分の1、半分または4分の3など)を破裂させてもよい。このようにして風味発生手段は、フィルター材内に放出されるアクティベーターの量が少なくともフィルターに最初に加えられる圧力に対しフィルター212に加えられる力の大きさに実質的に比例するように配置されてもよい。
【0021】
アクティベーター放出部材214の内の1つ以上が破裂することの結果として放出されるアクティベーター216は、次に凍結乾燥された植物材料と接触し、そこから風味を放出することができる。破裂させられるアクティベーター放出部材214の数が多くなるほど、アクティベーター216と接触する凍結乾燥された植物材料215の割合が多くなり、従って、放出される風味の合計量が大きくなる。このようにしてユーザーは、異なるレベルの力をフィルター212に加えることによって凍結乾燥された植物材料215から放出される風味の量を制御することができる。
【0022】
複数回個別に力を加えてアクティベーター放出部材214のすべてを破裂させ、従って、すべての風味を放出させてもよい。
【0023】
図示の実施態様では凍結乾燥された植物材料215とアクティベーター放出部材214は、両方とも風味発生手段217全体に実質的に均等に分布した状態で配置される。その結果、周囲のフィルター材内に各アクティベーター放出部材214から放出されるアクティベーター216が凍結乾燥された植物材料215の固有の部分と接触し、これによりそこから風味を放出する。
【0024】
一部の実施態様では本発明のフィルターは2つ超のフィルターセクション、例えば3、4または5つのフィルターセクションを含んでもよい。例えば、図1および2に示す吸い口端および風味発生手段フィルターセクションに加えて、フィルターは1つ、2つ、3つまたはそれ以上のさらなるフィルターセクションを含んでもよい。一部の実施態様では本発明のフィルターは複数の風味発生手段フィルターセクションを含んでもよく、各フィルターセクションは添付図面に示したもののいずれかに類似してもよい。
【0025】
図3は3つのフィルターセクションを含むフィルター312を含む喫煙品310を示し、この喫煙品は図1および2に示したものと類似しており、対応する部材は最後の2桁に同じ参照番号を使用して示されている。
【0026】
図3に示す実施態様ではフィルター312は3つの長手方向に位置合わせされた実質的に円筒状のフィルターセクションを含み、それらは吸い口端フィルターセクション313、中央フィルターセクション318および風味発生手段フィルターセクション317である。吸い口端側フィルターセクション313は、中空の中央キャビティ319を含む環状フィルターセクションである。これらフィルターセクションの3つともすべて、繊維性フィルター材を含み、この場合セルロースアセテートトウを含み、プラグラッパー(図示せず)で囲まれている。
【0027】
風味発生手段フィルターセクション317は、喫煙材のロッド311に最も近いフィルターセクションであり、凍結乾燥された植物材料315の粒子がフィルター材全体に分布したダルメシアンフィルターセクションを含む。図示の実施態様では凍結乾燥された植物材料は凍結乾燥されたミント葉材であり、風味発生手段フィルターセクション317は、実質的にそのフィルターセクションの中央にアクティベーター放出部材314を含み、これは複数回放出する部材であり、アクティベーター、この場合水を複数の個別の送出量で放出するように構成されている。図示の実施態様ではアクティベーター放出部材314は、弾性変形可能であり、別々の作動力を加えることに応じて周囲のフィルター材内に少なくとも3回のアクティベーター316の放出を行うように配置されている弾性材である。例えば矢印Aで示す方向にフィルター312に力を加えることによって、従って植物材料からアクティベーターを隔てるバリアーを取り除く、アクティベーター放出部材314の壁にある1つ以上のバルブ(図示せず)を介して周囲のフィルター材内にアクティベーター316を放出させる。アクティベーター放出部材が空になるまで、フィルター312にその後力を加える度にアクティベーター放出部材314からアクティベーター316を周囲のフィルター材内に放出させる。
【0028】
アクティベーター放出部材314から放出されたアクティベーター316は、凍結乾燥された植物材料315と接触することができ、凍結乾燥された植物材料315から風味を放出することができる。具体的には図示の実施態様ではこの場合には水であるアクティベーター316は、この場合にはミント風味を放出する凍結乾燥されたミント葉である凍結乾燥された植物材料15からこの凍結乾燥された植物材料を水にもどすことによって風味を放出する。アクティベーター放出部材314からアクティベーター316をその後放出する度にさらに植物材料315に水を含ませ、および/またはその前にアクティベーターと接触していない別の植物材料に水を含ませる。従って、使用時、さらなる風味剤をアクティベーター放出部材314の複数の個々の作動のそれぞれに応じて凍結乾燥された植物材料から放出させてもよい。これはユーザーが凍結乾燥された植物材料から放出される風味の量を調節でき、従って、使用時フィルターを介してユーザーによって引き込まれる煙に同伴される風味の量を調節できるので有利である。
【0029】
凍結乾燥された植物材料
ここに開示されたタバコ産業製品に使用するための風味放出手段は凍結乾燥された植物材料を含む。使用時、凍結乾燥された植物材料からアクティベーターによって風味が放出される。従って、風味発生手段を含むタバコ産業製品の使用前または使用中、ユーザーはアクティベーターを凍結乾燥された植物材料と接触させ、凍結乾燥された植物材料から風味を放出する。このようにしてユーザーは、タバコ産業製品によって供される風味を調節してもよい。
【0030】
凍結乾燥された植物材料は、アクティベーターと接触すると風味を放出する。「風味を放出する」なる用語およびそれに類似する用語は、凍結乾燥された植物材料をタバコ産業製品に使用した際にほとんどまたは実質的に全く知覚可能な風味を有していない材料からユーザーによって容易にまたは強く知覚されるのに充分な量の風味を供する材料に変換するアクティベーターの能力を意味する。例えば、アクティベーターと接触する前に植物材料内に保持されるまたは「閉じ込められている」風味成分は、アクティベーターと接触した結果として植物材料から拡散することができてもよい。一部の実施態様では凍結乾燥された植物材料はアクティベーターと接触する前に風味を放出しない。他の実施態様では凍結乾燥された植物材料はアクティベーターと接触する前にある程度の風味を放出し、アクティベーターは放出される風味の量を増加、好ましくは実質的に増加させる。
【0031】
「風味」なる表現は、ここに開示したタバコ産業製品の風味発生手段に使用した際に風味を供する植物材料の能力を意味する。本明細書中で使用する際の「風味」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。
【0032】
凍結乾燥された植物材料は凍結乾燥された際に風味を放出するためにアクティベーターによって活性化させることができるあらゆる植物由来の植物であってもよい。凍結乾燥された植物材料は、実質的に風味特性を有する植物由来であることが好ましい。植物材料は元の植物材料の気泡構造が実質的に保持されている植物由来の材料として定義される。例えば、凍結乾燥されたミント抽出物または凍結乾燥させたインスタントコーヒー粒などの植物抽出物は凍結乾燥された植物材料とはみなされない。
【0033】
凍結乾燥された植物材料は、例えば喫煙品の煙に風味を付与するなどのタバコ産業製品に風味を付与するために使用することができる風味特性を有するあらゆる植物部位由来のものであってもよい。好適な植物部位とは花、豆、果実、葉、茎および根などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
凍結乾燥された材料の選択は、要求される風味に大きく依存する。使用してもよい植物材料としては、ミント(ペパーミントまたはスペアミント)、ギンバイカ、チョウジ、カシス、トウシミキ、クミン、グリーンカルダモン、オレガノ、月桂樹、ウイキョウ、タイム、ショウガ、セージ、カノコソウ、ローズマリー、ピメント、メース、セージ、アニシード、ダミエン、シナモン、茶(緑茶または紅茶)、バジル、ナツメグ、コリアンダー、ハナハッカ、レモングラス、甘草、オリーブ、バニラ、パプリカ、サフラン、ラベンダー、コーヒーおよびユーカリなどの植物から得られる材料が挙げられる。例えば、凍結乾燥された植物材料は、チョウジ(丁香)、ミントまたはギンバイカを含んでもよい。
【0035】
凍結乾燥された植物材料はミントを含んでもよい。ミントはコーンミント、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、カーリーミントおよびマルバハッカなどのミント種のいずれかから選択してもよい。本発明で使用される好ましいミント種はコーンミントである。使用するミントは異なる種類のミントの混合物であってもよい。
【0036】
凍結乾燥の前に 植物材料を熱処理してもよく、これによって風味剤をより放出しやすくしてもよく、または植物材の風味を変えてもよい。熱処理が有効に作用する植物材料は、チョウジ、月桂樹、ショウガ、メース、アニシードおよびナツメグなどの植物から得られる材料が挙げられる。
【0037】
ここに開示した風味発生手段に使用するための植物材料は あらゆる好適な方法で凍結乾燥させてもよい。凍結乾燥はフリーズドライまたは冷凍乾燥としてしも知られている脱水工程である。具体的には凍結乾燥は、材料を凍らせ、次に減圧に晒し、これにより材料中の水を昇華させる脱水工程である。本発明者は、他の乾燥工程と比較して植物材料の凍結乾燥は、その植物材料の風味またはタバコ産業製品に使用された植物材料によって供される風味の量または質を著しく減少させないという驚くべき発見をした。特に植物材料の加熱を含むなどの別の方法を使用して乾燥させた植物材料と比較して、植物材料中の揮発性風味化合物材料を凍結乾燥させた場合、材料中にはるかに高い濃度で保存されるということが分かっている。その結果、凍結乾燥させた植物材料はアクティベーターと接触したときに植物材料を他の方法で乾燥させた場合より明らかにより多くの量の風味剤を産出する。凍結乾燥された植物材料 従って、タバコ産業製品に使用した場合に驚異的かつ有利である多くの風味を供することができる。
【0038】
好ましくは凍結乾燥された植物材料の水分量は、10%、7%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。
【0039】
凍結乾燥された植物材料はあらゆる好適な形体でタバコ産業製品風味発生手段に含有させてもよい。例えば、凍結乾燥された材料は粒子、繊維、シートの形体であってもよく、例えば基材に接着させてもよい。
【0040】
好ましくは凍結乾燥された植物材料は粒体である。必要に応じてあらゆる好適な方法を使用して凍結乾燥させた植物材料を小さくしてもよい。例えば、凍結乾燥された植物材料の粒子は凍結乾燥させた材料を粉砕、破砕または細断することによって所望の大きさに調整してもよい。
【0041】
タバコ産業製品に使用するためのここに開示した風味発生手段は、粒状の凍結乾燥された植物材料を組み込んだフィルターを含んでもよい。例えば、タバコ産業製品用のフィルターはダルメシアンフィルターの形状で凍結乾燥された植物材料を含んでもよい。この場合植物材料は凍結乾燥させ、次にセルロースアセテートトウなどのフィルター材に埋め込むまたは挿入するために粉砕、破砕してもよく、または何らかの方法で小さくしてもよい。
【0042】
ダルメシアンフィルターのようなフィルターに使用する場合、凍結乾燥された植物材料の粒子は、粒子がフィルター材から引き出され、ユーザーによって吸引される可能性があるような充分に小さいものであってはならない。凍結乾燥された植物材料は吸引されても有害でないが、その破片を吸引することはタバコ産業製品のユーザーを不快にする。従って、凍結乾燥された植物材料を粒状で使用する場合、粒子は使用されるタバコ産業製品の特性によって決まる最小限の大きさを有するべきである。例えば、図1に示すもののような喫煙品の場合、風味発生手段フィルターセクションと吸い口端フィルターセクション両方のフィルター材の密度によって使用される最小限の粒径が決まる。一般に凍結乾燥された植物材料の粒子は、約100μmより大きくてもよく、約150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μmまたは500μmより大きくてもよい。
【0043】
ここに開示した風味発生手段に使用するために凍結乾燥された植物材料の粒子は、フィルター材などの基材に接着させてもよく、これは好適な接着手段によって行われてもよい。
【0044】
一方、凍結乾燥された植物材料の粒子が過剰に大きい場合、結果として粒子の容量対表面積率が小さくなり、植物材料から風味剤を充分かつ迅速に放出するアクティベーターの能力に影響を与える。充分な風味を付与するという植物材料の能力は、過剰に大きな粒子を使用することによっても悪影響を与える。例えば、煙、蒸気また他の気体が開示された風味発生手段を介してまたは横断して引き込まれるタバコ産業製品の場合、過剰に大きい粒子は気体流に充分な風味を付与できないかもしれない。
【0045】
一般に、乾燥させた植物材料の粒子は、約2000μmより小さくてもよく、例えば約1500μm、1400μm、1300μm、1200μm、1100μm、1000μm、900μmまたは800μmより小さくてもよい。
【0046】
アクティベーター
アクティベーター放出部材内に保持されたアクティベーターは、凍結乾燥された植物材料から風味を放出することができるあらゆる物質であってもよい。好適なアクティベーターは、凍結乾燥された植物材料の性質によって決まる。アクティベーター、凍結乾燥された植物材料およびタバコ産業製品は、アクティベーターが凍結乾燥された植物材料から風味を放出することができ、風味剤が充分に速く、選択されたタバコ産業製品に使用するための適度な風味を供するの充分な程度に放出される特定の組み合わせにおいて選択されなければならない。
【0047】
アクティベーターはあらゆる物理形状を有してもよく、例えば、液体、気体または粉などの固体であってもよく、またはアクティベーターは、コロイド、ゲル、エマルジョンまたは懸濁液などのより複雑な形体であってもよい。一部の実施態様ではアクティベーターは、水またはタバコ産業製品に使用することが認められている有機溶媒である溶媒などの液体である。アクティベーターは、タバコ産業製品に使用するのが認められており、凍結乾燥された植物材料から風味剤を放出することができる任意の液体などのあらゆる物質であってもよい。
【0048】
一部の実施態様では、アクティベーターはメンソールなどの風味剤であってもよい。しかしながら、アクティベーターは固有の風味を有さず、風味剤でないことが好ましい。例えばアクティベーターは水、グリセリン、タバコ産業製品に使用することが認められた無風味の溶媒または無風味の油などの無風味の液体であってもよい。
【0049】
風味発生手段に凍結乾燥された植物材料が存在することに加えて、一部の実施態様ではアクティベーターは、植物材料の粒子が懸濁されている液体であってもよい。例えば、アクティベーター放出部材は、本質的に無風味の液体などの液体の形体のアクティベーターと植物材料の粒子とを含むスラリーを含んでもよい。風味発生手段の製造と使用の間のかなりの長い時間において、かなりの量の風味が植物材料の粒子から液体アクティベーター内に拡散する場合がある。従って、アクティベーターが本質的に無風味の液体である実施態様であっても植物材料からの風味がアクティベーターに付与され、使用時に風味発生手段によって供される風味に貢献する。しかしながら、この場合においてもアクティベーターは本質的に無風味であるとみなされる。アクティベーター放出部材中の植物材料の粒子からの液体アクティベーターへの風味剤の拡散はアクティベーターが水または無風味の有機溶媒などの別の溶媒である実施態様において特に明らかである。アクティベーター放出部材中の植物材料は、その風味がアクティベーター放出部材と一緒に使用される凍結乾燥乾燥された植物材料の風味と同じまたはそれを補完するものになるように選択されてもよい。植物材料の粒子がアクティベーター放出部材内に組み込まれる前に凍結乾燥された実施態様であっても追加の凍結乾燥された植物材料が風味発生手段に含有される。
【0050】
凍結乾燥された植物材料は、風味発生手段の作動時およびアクティベーターと凍結乾燥された植物材料が接触する時には凍結乾燥された状態にある。もしそうでない場合、アクティベーターは凍結乾燥された植物材料と接触できないまたは凍結乾燥された植物材料から風味剤を放出することができないはずである。
【0051】
アクティベーター放出部材
アクティベーター放出部材は、アクティベーターのペイロードを保持または貯蔵し、従って「放出部材」および「アクティベーター放出部材」なる用語は相互に置き換えて使用してもよい。アクティベーター放出部材の作動の際、例えば圧縮力を受けた際にアクティベーターのペイロードの少なくとも一部がアクティベーター放出部材から放出される。従って、アクティベーター放出部材は、アクティベーターを保持することができ、ユーザーが望むときにそれを放出できるものである。例えば、アクティベーター放出部材はカプセルまたは他の部材であってもよく、スポンジ状の材料、吸着材、ゲル材またはその他好適な材料を含んでもよい。
【0052】
喫煙品フィルターなどのタバコ産業製品に放出するために特に液体などの物質をカプセル化する種々の手段が知られており、本発明での使用に適している。多くの異なるアクティベーター放出部材がフィルター内に使用するのに適している。唯一必要なことは充分な量のアクティベーターがアクティベーターが選択的にユーザーによって放出される時までアクティベーター放出部材によって保持されるということである。
【0053】
アクティベーター放出部材は、応力を受けて脆弱性を示すおよび/またはミシン目線などの弱化された線、脆弱点または弱化されたセクションを含むカプセルであってもよい。これとは別に貫通手段がタバコ産業製品風味発生手段内に組み込まれてもよい。例えば、アクティベーター放出部材は、一体の貫通または破裂手段を含んでもよい、またはアクティベーター放出部材は必要に応じてアクティベーター放出部材を破裂させるために配置されたキャリアー内に含まれてもよい。
【0054】
アクティベーター放出部材は、脆弱な材料から構成されたシェルを含んでもよい。破裂させるのを補助するために脆弱線または脆弱点をアクティベーター放出部材のカプセル化層構造内に設けてもよい。2つの異なる材料を含むアクティベーター放出部材を使用してもよく、それらの材料の内の1つは、もう一方の材料より本質的により破裂しやすい。この場合弾性の小さい方の材料は、領域または窓を形成してもよく、その場所でアクティベーター放出部材が力に反応して破裂し、それを介してアクティベーターが放出され、予測可能な方向に放出されるというさらなる利点が供される。アクティベーター放出部材が形成される方法で破裂を補助してもよく、例えば複数の部分からなるアクティベーター放出部材において、1つ以上の継ぎ目で接合された複数のセクションを含み、アクティベーター放出部材は継ぎ目のセクションに沿って破裂するように構成してもよい。
【0055】
アクティベーター放出部材は、アクティベーターを複数回個別に放出するように構成された複数放出部材であってもよい。この場合、例えば圧縮力を受けた際のアクティベーター放出部材の作動によって最大でアクティベーターのペイロードの一部をアクティベーター放出部材から放出させる。アクティベーター放出部材をさらに作動させることによってペイロードのさらなる部分を放出し、複数回個別に供給される。
【0056】
ここに開示する風味発生手段に使用される複数回放出する部材の一例において、アクティベーター放出部材は弾性変形可能な外方シェルを含む。外方シェルは単一部品として機能し、外方シェルの材料は変形可能である。外方シェルは1つの部品またはシールされた2つ(またはそれ以上)の部品から形成されてもよい。好ましくは2つの部品から形成された外方シェルは、弱化された領域、例えばスリットを画定するために圧力をかけて開口する2つの部分を接合する長手方向または円周方向に延びた継ぎ目に沿って破裂するように構成されている。外方シェルは内部容積に好ましくは水または別の無風味の溶媒などの液体であるアクティベーターを含む。外方シェルはアクティベーターを囲み、カプセル化し、最初は開口部を含まない。
【0057】
作製される際に使用する部品の数に関係なく、外方シェルは圧縮されたときに表面領域の一部のみに亘る所定の領域で裂けるように好ましくは裂けて1つ以上のスリットまたは開口部を形成する構成される。外方シェルは単独のスリットまたは圧力をかけると開口し、単独のスリットを形成するように脆弱化された線を画定するのが好ましい。アクティベーター放出部材は、アクティベーター放出部材が圧縮されると、含有された容量のアクティベーターの一部だけがスリットを介して放出されるように構成されている。弾性変形可能なアクティベーター放出部材は、アクティベーターの圧縮を止めると、少なくとも部分的に元の形状に戻る。圧縮が終わった後、アクティベーター放出部材によって画定されたスリットが効果的に閉じ、アクティベーター放出部材からさらに内容物は放出されなくなる。さらに圧縮されると、アクティベーター放出部材は変形し(最初の変形と同じように)弾性スリットが開き、さらに個別の送出量の内容物が放出される。
【0058】
ここに開示する風味発生手段に使用される複数回放出する部材の第2の例において、アクティベーター放出部材は、壊れやすい外方シェルを含む。外方シェルは、好ましくは外方シェルのほぼ全面に亘って裂けるまたは圧縮された際に所定の領域においてのみ破裂するように構成されている。外方シェルはアクティベーターを囲み、最初は開口部を含まない。外方シェルは外方シェル内にある基材または保持構造体中に好ましくは水または他の無風味の溶媒などの液体であるアクティベーターを含む。基材または保持構造体は、アクティベーターを含浸させた吸着材体であることが好ましい。基材はオープンセル発泡構造体などの開口構造を有する多孔性マトリックスまたは開口構造を有する他の種類のマトリックスであってもよい。基材または保持構造体は、徐々に圧縮可能に構成され、部分的に圧縮された際にアクティベーター含有量の少なくとも一部そして好ましくは一部のみが放出するように構成されている。アクティベーターは、基材または保持構造体内に分布され、好ましくは基材または保持構造体に吸着される。
【0059】
一部の実施態様では基材または保持構造体は、ろ過材、例えばセルロースアセテートで形成されるのが好ましい。ろ過材は、フィルターとして好適なろ過材からなるトウの形体であってもよい。外方シェルは、破裂させるとアクティベーターの放出を妨げない。基材または保持構造体は、少なくとも部分的に弾性変形可能であってもよく、アクティベーター放出部材の圧縮を止めると少なくとも部分的に元の形状に戻ってもよい。さらに部分的に圧縮すると、基材はさらに個別の送出量の内容物を放出する。
【0060】
ここに開示する風味発生手段に使用される複数回放出する部材の第3の例において、アクティベーター放出部材はクローズドセル構造を有するマトリックス、特にクローズドセル発泡基材またはその他の種類のマトリックスまたはクローズドセル構造を有する構造体を含む。クローズドセル構造体はアクティベーターを含む複数の小さいキャビティを有するマトリックスのことである。キャビティは、選択的な放出までアクティベーターを保持する発泡または支持材によって閉じられている。圧縮力が加えられると、クローズドセル構造体はアクティベーターを放出するように構成されている。圧縮されたクローズドセル構造体は、支持材に裂け目および/または開口部を発生させ、これがアクティベーターを放出させる。アクティベーター放出部材は、部分的に圧縮されると内容物の一部だけを放出するように構成されている。この構造は好ましくは圧縮時に実質的に塑性変形する。これとは別に基材はその元の寸法に部分的に戻ってもよい。
【0061】
クローズドセル構造体はアクティベーターを保持する外方シェルを必要とせず、従って、外方シェル無しにアクティベーター放出部材を形成する。これとは別にアクティベーター放出部材は外方シェル内にカプセル化されたクローズドセル基材を含んでもよい。外方シェルは圧縮時に壊れやすい、塑性変形しやすいまたは弾性変形しやすいものであってもよい。
【0062】
クローズドセル構造体は、アクティベーターを含む材料を押し出しすることによって形成してもよい。押し出しされたクローズドセル構造体は、次に適当な長さに切断される。クローズドセル構造体はセルロースアセテートから作製されてもよい。オープンまたはクローズドセル構造体は、それぞれがカプセル化されたアクティベーターを含む複数のアクティベーター放出部材を含んでもよい。
【0063】
これとは別に基材は繊維性であってもよく、例えば小滴としてまたはマイクロカプセルとして分散させたアクティベーターを有するセルロースアセテート繊維で形成してもよい。小滴またはマイクロカプセルは、マトリックスまたは繊維内に分布されるのが好ましい。マイクロカプセルは、好ましくは1つ以上のスレッドまたは繊維に貼り付けられ、3次元基材に形成され、構成される。基材は壊れやすい、塑性変形しやすいまたは弾性変形しやすい外方シェルによって任意に囲まれる。基材はアクティベーターが複数の個別の送出量で好ましくは複数回の別々の圧縮によって放出されるように構成されるのが好ましい。これは外方シェルを破裂させるとすぐにすべてのアクティベーターが放出される脆弱な外方シェルを有する従来のカプセルとは異なる。
【0064】
フィルター内に使用するためのあらゆる種類の複数のまたは単独のアクティベーター放出部材は、外方シェル内に基材を含んでもよい。アクティベーターは基材内に分布されている。基材は好ましくはオープンセル発泡材またはオープンセル構造体であり、これは圧縮可能であり、圧縮された際にすべてのまたは一部のアクティベーター内容物を放出するように構成されている。基材はろ過材、例えばセルロースアセテートトウで形成されるのが好ましい。基材は弾性変形可能で、塑性変形可能な外壁内に含まれてもよいが、圧縮が終わると外壁によって元の形状に戻らないようにする。これとは別にオープンセル構造体は圧縮が終わるとその元の形状へと少なくとも部分的に弾性外壁を作動させるまたはたどらせてもよい。これとは別にオープンセル発泡基材または構造体は、その元の形状へと弾性的に戻らなくてもよく、圧縮が終わると塑性変形してもよい。
【0065】
外壁またはシェルまたはあらゆる種類のアクティベーター放出部材は、アクティベーター放出部材を扱える強度を供する構造部品として構成されてもよい。例えば、外壁またはシェルは約0.2mmの厚さを有してもよい。これとは別に外壁またはシェルは、基材の外部のコーティングであってもよく、これは構造的強度を供するものではない。
【0066】
アクティベーター放出部材は、凍結乾燥された植物材料を含む風味発生手段の領域である風味発生手段の特定の領域へ一方向的にアクティベーターを放出するように構成されてもよい。
【0067】
一方向的なアクティベーター放出の目標となる領域は、例えば、凍結乾燥された植物材料を含む風味発生手段内のキャビティであってもよい。別の例ではアクティベーターが向けられる特定の領域は凍結乾燥された植物材料を含むフィルター材の領域であってもよい。
【0068】
アクティベーター放出部材は、低溶解度の高分子量ポリビニルアルコールで構成されたカプセルであってもよい。これとは別の好適な材料がたくさん知られており、例として、製薬業界で通常利用されているカプセルをアクティベーター放出部材として使用してもよい。
【0069】
一部の実施態様では、アクティベーター放出部材は、ゼラチン系の材料から構成されてもよく、または変性セルロースなどの高分子材料から形成されてもよい。使用可能な変性セルロースの一種としてヒドロキシプロピルメチルセルロースがある。アクティベーター放出部材に製造において使用するのに適した多くの生分解性材が知られており、それらの例としては高分子量ポリエチレングリコール類、ポリ乳酸、プラスターチ材、ポルカプロラクトン、ポリグリコライド、ポリ3-ヒドロキシ酪酸などのポリヒドロキシアルカノエート、およびゼインから誘導されたバイオプラスチックなどが挙げられる。
【0070】
これとは別にアクティベーター放出部材は、ユーザーによって加えられた力に応じて裂けるまたは壊れて、アクティベーター内容物を放出し、凍結乾燥された植物材料と接触させて植物材料から風味剤を放出させるワックス、樹脂、天然または合成ゴム、ラテックスまたはプラスチック材から構成されてもよい。好適なワックスの例としては蜜ろう、カンデリラ、カルナバ、セラックワックス、カランデイ、サトウキビワックス、シロヤマモモワックスおよび石油ワックスが挙げられる。好適な樹脂としてはエポキシ樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、エステルゴム、フェノール系樹脂およびロジン系樹脂が挙げられる。好ましいゴムはアラビアゴム、イナゴマメ、グァー、アルギン酸塩類、カラギーナンおよびペクチンが挙げられる。
【0071】
アクティベーター放出部材がクローズドセル構造体を含む場合、あらゆる好適なスポンジ状の材料を使用してもよい。スポンジ材は発泡材であってもよく、これはポリビニルアルコール(PVOH)などの発泡プラスチックポリマーであってもよい。スポンジ状またはゲル状材料は第2の材料でコーティングしてもよく、これはスポンジ状またはゲル状材料を囲む外方シェルを形成してもよい。
【0072】
アクティベーター放出部材は、単一部品または複数部品、複数のマイクロカプセルなどの形体で大きい(フィルターの直径のかなりの大きな割合を占める)、小さいなどの種々の物理的構成に形成されてもよい。アクティベーター放出部材は一般的な球形、卵形、楕円形、円筒形であってもよく、あるいは多角柱形状であってもよい。
【0073】
アクティベーター放出部材は色付きであってもよい。例えば、アクティベーター放出部材は着色剤を含んでもよい。着色剤は製造中にフィルター内のアクティベーター放出部材の配置をより簡単にするために使用してもよい。
【0074】
アクティベーター放出部材の大きさは少なくとも部分的に必要とされるアクティベーターの量によって決まる。風味発生手段中にアクティベーター放出部材が存在することで風味発生手段の機能に悪影響を与えてはならないということを考慮しなければならない。例えば、風味発生手段が喫煙品フィルターなどの喫煙品に使用するためのものである場合、風味発生手段は喫煙品の吸引特性に有害な影響を与えてはならない。
【0075】
アクティベーター放出部材の大きさは開示されている風味発生手段が使用されるタバコ産業製品の性質によっても大きく変わる。タバコ産業製品が喫煙品の場合、アクティベーター放出部材の直径は喫煙品の直径の80%以下であってもよい。好ましくは直径は喫煙品の70%以下、60%以下または50%以下である。アクティベーター放出部材の直径は喫煙品の直径の20〜80%、25〜75%、30〜70%、35〜65%または40〜60%であってもよい。一般に、アクティベーター放出部材の直径は、1〜6mm、2〜5mmまたは3〜4mmの範囲内であってもよい。例えば、アクティベーター放出部材の直径は2〜7mmの間であってもよく、好ましくは直径は5mmのように4〜6mmの間であってもよい。
【0076】
アクティベーター放出部材の容量はできるだけ大きくしてできるだけ多くの凍結乾燥された植物材料と接触するようにしてできるだけ多くの風味剤を植物材料から放出するようにするのが好ましい。しかしながら、アクティベーター放出部材の大きさは、例えば風味発生手段の作動などの要件によって制限され、壊れやすいアクティベーター放出部材の場合、アクティベーター放出部材の早期の破裂のリスクが大きくなる。その結果、必要量のアクティベーターを収容するために 開示されている風味発生手段では同じ容量の1つのアクティベーター放出部材よりも2、3、4またはそれ以上のアクティベーター放出部材を含むのが好ましい。例えば、タバコ産業製品が喫煙品の場合、複数のアクティベーター放出部材を喫煙品フィルターの長さに沿って等間隔でまたはランダムに分布させて配置してもよい。これとは別に複数のアクティベーター放出部材を例えば喫煙品の場合、フィルター材の2つのセクションの間に形成されたキャビティ内の開示した風味発生手段内のクラスターに配置してもよい。
【0077】
一部の実施態様では、長い円筒状または楕円状(または管状)のアクティベーター放出部材をタバコ産業製品の性質に応じて使用してもよい。例えば、タバコ産業製品が図1〜3に示すような喫煙品である場合、喫煙品フィルターの長さのかなりの割合の長さに等しい長さを有するアクティベーター放出部材を使用してもよい。そのようなアクティベーター放出部材の直径は5mm以下である。
【0078】
アクティベーター放出部材はあらゆる好適な方法で製造され、アクティベーター放出部材の製造方法は部分的に必要とされる正確な組成および性質によって変わる。共押し出し、スピンコーティング、コアセルベーション、界面重合、溶媒蒸発および環状噴流形成などの技術を含む種々の製造方法が当業者に知られている。
【0079】
アクティベーター放出部材がシームレスのカプセルを含み、特にアクティベーターが液体を含む場合、カプセルは共押し出し法を使用して製造してもよい。共押し出し法は、順次シェルとカプセル内容物(アクティベーター)を形成する2つの液体を同時に押し出しすることである。最初の(共押し出し)段階では液体シェル材料の内側に液体アクティベーター材を有する液滴を形成する。共押し出し段階後、「カプセル」は、例えば冷却または硬化剤に浸すことによって固体化させる。カプセルは、洗浄、余分な液体の除去、着色、さらなるコーティングなどの種々の処理に付してもよい。
【0080】
これとは別に環状噴流形成法を使用してもよい。この方法は、コア材(アクティベーター)の内方噴射と液体シェル材の外方噴射を噴出するために2つの同心の噴射を利用する。流体流は砕けて小滴になり、液体シェル材は架橋イオンの存在によって誘発される相転移、pHの違い、温度変化などによって固化する。
【0081】
タバコ産業製品
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。開示されている風味発生手段はあらゆるタバコ産業製品に含有させてもよい。例えば、風味発生手段は喫煙品のフィルターなどのタバコ産業製品のマウスピースに含有させてもよい。
【0082】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0083】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0084】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。一部の実施態様では、風味発生手段は、そのような加熱装置のマウスピースに含有させて基材材料を燃焼させずに加熱することによって放出される化合物に風味を供してもよい。一部の実施態様では、風味発生手段は加熱される基材材料に含有させてもよい。加熱によってアクティベーター放出部材からアクティベーターを放出させてもよくまたは放出を補助してもよい。さらにまたはこれとは別に加熱によってアクティベーターによる凍結乾燥された植物材料から放出される風味材の量または割合を増加させてもよい。
【0085】
別の実施態様ではタバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では ハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコを含んでもよい。一部の実施態様では、風味発生手段はハイブリッドシステムのマウスピースに含有させて、発生させたエアロゾルに風味を供してもよい。一部の実施態様では、風味発生手段は加熱される基材の混合物に含有させてもよい。加熱によってアクティベーター放出部材からアクティベーターを放出させてもよくまたは放出を補助してもよい。さらにまたはこれとは別に加熱によってアクティベーターによる凍結乾燥された植物材料から放出される風味材の量または割合を増加させてもよい。
【0086】
タバコ産業製品は、開示されている風味発生手段であるまたは含むフィルターまたはフィルターセクションを含んでもよい。
【0087】
フィルターまたはフィルターセクションはフィルター材を含んでもよい。フィルター材は、例えば繊維性セルロースアセテート、ポリプロピレンまたはポリエチレン材またはギャザードペーパーなどの気体流をろ過することができるあらゆる好適な材料を含むまたはその材料からなる。
【0088】
凍結乾燥された植物材料は風味発生手段のフィルター材内に組み込んでもよい。例えば、風味発生手段はマルチセクションフィルターであってもよいまたは含んでもよく、フィルターセクションの1つ以上は凍結乾燥された植物材料を含有してもよい。凍結乾燥された植物材料は種々の技法を使用してフィルターロッドなどのフィルター内に組み込むことができる。例えば、凍結乾燥された植物材料は粒状であってもよく、粒はフィルターロッドのキャビティ内に含有させてもよく、またはフィルター材に塗布および/または分布させてもよい。ダルメシアンフィルターセクションは、機械的な支持体上を横方向に移動するトウに好適な量の粒状の凍結乾燥された植物材料を均一に点在させることによって調製してもよい。そのようなフィルターセクションの調製に使用されるトウは横方向に広げられたトウであり、粒を点在させることは粒の分配装置下を特定の速度でトウを通過させることによって行われる。類似の工程で1つ以上のアクティベーター放出部材もこの段階でトウに組み入れてもよい。次にトウは薄いロッド状の束に形成され、プラグラッパーでコートし、所定の大きさに切断される。
【0089】
フィルターは種々のフィルター材からなるセクション、物理的形状および/またはフィルターセクションの1つ以上が開示されているような風味発生手段であるまたは風味発生手段を含む際の組成の組み合わせとして構成することができる。例えば、フィルターロッドは、いずれか2つが同じまたは異なる構造であってもよく、フィルターセクションの少なくとも1つが本開示の風味発生手段であるまたは風味発生手段を含む2、3、4またはそれ以上を含んでもよい。フィルターセクションはプラグラッパーを使用して一緒に維持されてもよい。このようなマルチフィルターセクション構造は全体的外観および吸引抵抗の点で種々の利点を供する。これらフィルターはセクションがすべて同じ大きさの場合、対称であってもよく、セクションの2つ以上が異なる長さの場合、非対称であってもよい。マルチセクションフィルターはセクションの間に1つ以上のキャビティを含んでもよい。フィルターはフィルター材からなる2つのセクションの間のキャビティを満たすことによって調製してもよく、この場合凍結乾燥された植物材料および/または1つ以上のアクティベーター放出部材は2つのフィルターセクションの間の1つ以上のキャビティ内に存在してもよい。
【0090】
ここで説明した種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2019年9月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品に使用するための風味発生手段であって、タバコ産業製品はそれを介して気体流が引き込まれる製品であり、凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料との接触を介して凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含み、バリアーはアクティベーターが凍結乾燥された植物材料と接触できるようにするために取り外し可能であり、これにより凍結乾燥された植物材料から風味を放出させ、風味はタバコ産業製品を介してユーザーによって引き込まれる気体流に同伴されるように放出されるタバコ産業製品に使用するための風味発生手段。
【請求項2】
アクティベーターは、アクティベーター放出部材内に含まれ、凍結乾燥された植物材料はアクティベーター放出部材の外側にあることを特徴とする請求項1記載の風味発生手段。
【請求項3】
アクティベーターの少なくとも一部は凍結乾燥された植物材料と接触するためにアクティベーター放出部材から放出されることを特徴とする請求項2記載の風味発生手段。
【請求項4】
アクティベーター放出部材は、
i) 脆弱なカプセルまたは
ii) アクティベーターの複数の個別の送出量のアクティベーターを放出するように動作可能であることを特徴とする請求項2または3記載の風味発生手段。
【請求項5】
アクティベーターは液体を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項6】
アクティベーターはさらに植物材料の粒を含むことを特徴とする請求項5記載の風味発生手段。
【請求項7】
アクティベーターは本質的に無風味の液体であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項8】
アクティベーターは水または有機溶媒を含むまたは水または有機溶媒からなることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項9】
凍結乾燥された植物材料は多気泡構造を有する凍結乾燥された植物材料の粒を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項10】
風味発生手段は喫煙品に使用するためのフィルターセクションを含み、風味が凍結乾燥された植物材料から放出されてフィルターセクションを介して引き込まれる煙に同伴されることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項11】
フィルターセクションはフィルター材を含み、凍結乾燥された植物材料は粒状であり、フィルター材全体に分布されていることを特徴とする請求項10記載の風味発生手段。
【請求項12】
アクティベーターはフィルター材内でアクティベーター放出部材内に含まれ、アクティベーターの少なくとも一部はアクティベーター放出部材から放出され、フィルター内の凍結乾燥された植物材料と接触することを特徴とする請求項11記載の風味発生手段。
【請求項13】
アクティベーターは凍結乾燥された植物材料を水にもどすことによって凍結乾燥された植物材料から風味を放出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項14】
凍結乾燥された植物材料はチョウジ、ミントまたはギンバイカを含むことを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の風味発生手段。
【請求項15】
請求項1乃至14いずれか1項記載の風味発生手段を含む喫煙品用フィルター。
【請求項16】
請求項15記載のフィルターまたは請求項1乃至14いずれか1項記載の風味発生手段を含む喫煙品。
【請求項17】
風味発生手段を含むタバコ産業製品の形成方法であって、タバコ産業製品はそれを介して気体流が引き込まれる製品であり、
i) 凍結乾燥された植物材料と、凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターと、凍結乾燥された植物材料とアクティベーターが接触しないようにする取り外し可能なバリアーとを含む風味発生手段を供することと、
ii) 使用時に放出された風味がタバコ産業製品を介してユーザーによって引き込まれる気体流に同伴されるようにタバコ産業製品に風味発生手段を組み入れることとを含む風味発生手段を含むタバコ産業製品の形成方法。
【請求項18】
i) 凍結乾燥された植物材料を供することと、
ii) 凍結乾燥された植物材料から風味を放出させることができるアクティベーターを含むアクティベーター放出部材を供することと、
iii) 凍結乾燥された植物材料およびアクティベーター放出部材をフィルターセクション内に組み込むこととを含む風味発生手段を含む喫煙品フィルターセクションを形成する方法。
【国際調査報告】