特表2020-531274(P2020-531274A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-531274(P2020-531274A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(54)【発明の名称】洗浄しやすい分離式浄化コア
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/82 20060101AFI20201009BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20201009BHJP
   B03C 3/78 20060101ALI20201009BHJP
【FI】
   B03C3/82
   B03C3/40 A
   B03C3/78
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-512653(P2020-512653)
(86)(22)【出願日】2018年1月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年2月26日
(86)【国際出願番号】CN2018071752
(87)【国際公開番号】WO2019041720
(87)【国際公開日】20190307
(31)【優先権主張番号】201710780572.X
(32)【優先日】2017年9月1日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】蘇州貝昂科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】冉 宏宇
(72)【発明者】
【氏名】劉 義剛
(72)【発明者】
【氏名】路 堯遠
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA11
4D054BC22
4D054BC31
4D054DA06
4D054DA11
4D054EA08
(57)【要約】
洗浄しやすい分離式浄化コアであって、該浄化コアは空気清浄器内部に設置され、浄化コアは、キャビティライナ1と、その中に着脱可能に挿接されている集塵極モジュール2と、反発極モジュール3からなり、そのうち、集塵極モジュール2は、上下に嵌装され、かつ互いに着脱可能な第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を含み、2つの集塵極ユニットの外形及び幅面の大きさは整合しており、かつ2つの集塵極ユニットにはそれぞれ互いに平行な集塵極片が設けられ、各集塵極ユニット中の隣り合う2つの集塵極片の間隔はいずれも4aであり、浄化コアを組み立てた状態で、集塵極モジュール2、反発極モジュール3及びキャビティライナ1が互いに嵌装されて全体を構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄器の内部に設置される、洗浄しやすい分離式浄化コアであって、
キャビティライナと、このキャビティライナの中に着脱可能に挿接されている集塵極モジュールと、反発極モジュールと、を備え、
前記集塵極モジュールは、上下に嵌装され、かつ互いに着脱可能な第1集塵極ユニット及び第2集塵極ユニットを含み、
前記第1集塵極ユニット及び前記第2集塵極ユニットには、それぞれ互いに平行な集塵極片が設けられ、前記第1集塵極ユニット及び前記第2集塵極ユニットそれぞれにおける、隣り合う2つの前記集塵極片の間隔はいずれも4aであり、
前記反発極モジュールは、一体成型構造で、かつ前記キャビティライナと対向して固接されており、前記反発極モジュールには対応する前記集塵極モジュールをその中に挿設する収容室が設けられ、
前記収容室内には、集塵極片の総数に対応し、互いに平行な反発極片が設けられており、隣り合う2つの前記反発極片の間隔はいずれも2aであり、
前記集塵極モジュール、前記反発極モジュール及び前記キャビティライナが互いに嵌装されて全体を構成し、かつ前記集塵極片と前記反発極片が間隔aで順に互い違いに設けられ、前記間隔aは前記空気清浄器のグリッド間隔の定数である、洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項2】
前記集塵極モジュールは、非結晶性及び疎水性で、表面抵抗率が10Ωを下回る導電性プラスチックにより作成されている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項3】
前記集塵極モジュール中の前記集塵極片は、いずれもそれぞれが属する前記第1集塵極ユニットまたは前記第2集塵極ユニットと一体に射出成型されている、請求項2に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項4】
前記集塵極モジュールは、表面抵抗率が10Ωを下回る金属材料により作成されている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項5】
前記反発極モジュールは、表面抵抗率が10Ωを下回る金属または非金属の導電性材料により作成されている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項6】
前記各反発極片の両側の外端に、いずれも熱収縮絶縁スリーブが被装されている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項7】
前記キャビティライナ及び前記反発極モジュールの色と、前記集塵極モジュールの色とが、互いに異なる、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項8】
前記第1集塵極ユニットの両側壁上にはいずれもハンドルが設けられており、前記キャビティライナの両側壁上にはいずれも前記ハンドルと整合して係止されるハンドル留めが設けられている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【請求項9】
前記第1集塵極ユニットの前記集塵極片の表面には、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リムが設置されており、
前記第2集塵極ユニットの前記集塵極片の表面には、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リムが設置されている、請求項1に記載の洗浄しやすい分離式浄化コア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄器、特に洗浄しやすい分離式浄化コアに係わり、空気清浄の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
静電式集塵技術は、大気汚染や煤塵を防止し処理する、重要な環境保護技術であり、その基本原理は、高圧放電を利用して電界を生成させ、粒子を吸着することにより静電式除塵の効果を実現するというものである。従来の物理的フィルタリング除塵技術と比較して、静電式集塵技術は、消耗材がなく、その後の維持コストがより低いといった優位性を有しており、国内の高汚染、多煤塵の環境に適している。
【0003】
従来の静電式集塵(収集)極片の多くには金属材質が用いられており、わずかではあるが導電性プラスチック材質も用いられているが、これらは極片間の間隔が小さく、しかも金属集塵極片はそれが特に著しいので、ユーザが集塵極片を洗浄する際に困ることが多い。集塵極モジュールは、一定の期間使用し、洗浄が必要な頃になると、図1に示すような状況に遭遇する。図1に示しているのは集塵極片と反発極片の構造概略図であり、洗浄の過程では、ブラシ100が反発極片102と集塵極片103の間に深く入り込むことが困難である。それは、それらの間のグリッド間隔aが一般的にわずか6〜8mmであると同時に、極片の幅bが比較的大きいためであり、集塵極片板の洗浄がより困難になり、使い勝手を悪化させている。
【0004】
大部分のユーザは水による洗浄を選択しているが、多くの集塵粒子が集塵極片101、103上に付着したままであり、これでは集塵極片101、103上に大きな抵抗が直列されているのと同じである。図2に示しているのは、集塵極片及び反発極片と抵抗の構造概略図であり、集塵極片201、203上に抵抗204と抵抗205が直列されていることに等しい。集塵極片201及び203の両端に、本来と同じ高圧を印加すると、抵抗204及び205が高圧を部分的に落とし、生成された反発電界の強度を引き下げるので、静電式集塵の効率に大きく影響する。それと同時に、集塵極片201上に集塵粒子が付着すると、集塵極片201と反発極片202の間に尖端放電現象206が非常に発生しやすく、「ジジジ」という激しい放電音が生じるが、これは発生電極及び集塵極片のどちらにとっても不都合である。
【0005】
この他にも、従来の集塵極片は洗浄時に分離することができず、そのために大量の水が集塵極モジュールの構造内部に残留し、集塵極モジュールが乾く速度を特に遅くさせてしまう。また、従来の金属集塵極片は、重量を軽減するために、そのほとんどに比重の比較的軽いアルミニウム製材料が採用されているが、親水性があるので水滴が付着しやすく、これも集塵極モジュールの乾燥速度にかなりの影響を与える。また、通常使われる洗浄液の多くはアルカリ性なので、アルミニウム片の表面と化学反応を起こし、集塵極片の表面組織構造を破壊して、その導電性を低下させ、モジュールの集塵効率に影響を与える。
【0006】
図3に示しているのは、既存技術の着脱不能な集塵極モジュールであり、洗浄過程で集塵極片700、701、702、……を洗浄する際に、大量の水が集塵極モジュールのその他の構造部分に残留するので、乾燥速度が遅くなり、一般的には乾くのに15時間前後必要となる。間隔が小さいという上記の欠陥を解決するために、図1のa値(集塵極片と反発極片の隙間)を10mm以上まで大きくした設計者もいるが、そうすることによって反発電界の強度が弱められ、集塵効率が大幅に低下する。また、高圧の数値を引き上げることだけでは、反発電界の強度を高めることはできない。何故ならば、高圧の数値が大きすぎると、極片間の放電リスクが大幅に増加し、集塵極モジュールの集塵効率が弱められてしまうからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例の目的は、既存技術中に存在する上記の問題を解決するための、洗浄しやすい分離式浄化コアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例の目的は、以下の技術的解決手段を通して実現される。
空気清浄器の内部に設置される、洗浄しやすい分離式浄化コアであって、
キャビティライナと、このキャビティライナの中に着脱可能に挿接されている集塵極モジュールと、反発極モジュールと、を備え、
前記集塵極モジュールは、上下に嵌装され、かつ互いに着脱可能な第1集塵極ユニット及び第2集塵極ユニットを含み、
前記第1集塵極ユニット及び前記第2集塵極ユニットには、それぞれ互いに平行な集塵極片が設けられ、前記第1集塵極ユニット及び前記第2集塵極ユニットそれぞれにおける、隣り合う2つの前記集塵極片の間隔はいずれも4aであり、
前記反発極モジュールは、一体成型構造で、かつ前記キャビティライナと対向して固接されており、前記反発極モジュールには対応する前記集塵極モジュールをその中に挿設する収容室が設けられ、
前記収容室内には、集塵極片の総数に対応し、互いに平行な反発極片が設けられており、隣り合う2つの前記反発極片の間隔はいずれも2aであり、
前記集塵極モジュール、前記反発極モジュール及び前記キャビティライナが互いに嵌装されて全体を構成し、かつ前記集塵極片と前記反発極片が間隔aで順に互い違いに設けられ、前記間隔aは前記空気清浄器のグリッド間隔の定数である。
【0009】
好適には、前記集塵極モジュールは、非結晶性、疎水性で、表面抵抗率が10Ωを下回る導電性プラスチックにより作成されている。
【0010】
好適には、前記集塵極モジュール中の集塵極片は、いずれもそれぞれが属する第1集塵極ユニットまたは第2集塵極ユニットと一体に射出成型されている。
【0011】
好適には、前記集塵極モジュールは、表面抵抗率が10Ωを下回る金属材料により作成されている。
【0012】
好適には、前記反発極モジュールは、表面抵抗率が10Ωを下回る金属または非金属の導電性材料により作成されている。
【0013】
好適には、前記各反発極片の両側の外端には、いずれも熱収縮絶縁スリーブが被装されている。
【0014】
好適には、前記キャビティライナ及び反発極モジュールの色と前記集塵極モジュールの色は、互いに異なる。
【0015】
好適には、前記第1集塵極ユニットの両側壁上にはいずれもハンドルが設けられており、前記キャビティライナの両側壁上にはいずれも前記ハンドルと整合して係止されるハンドル留めが設けられている。
【0016】
好適には、前記第1集塵極ユニットの集塵極片表面には、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リムが設置されており、前記第2集塵極ユニットの集塵極片表面には、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リムが設置されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の技術的解決手段の長所は、主に以下の点に現れている。本発明の実施例は設計が精巧で、構造が簡単であり、このような分離式浄化コアの構造を設計することにより、浄化コアから単独で分離した集塵極モジュールをさらに分離させることで、最終分離後の集塵極片の間隔が従来の4倍になり、集塵極片板の洗浄の難しさを解決し、除塵効率を保証している。
【0018】
ユーザは、集塵極片を洗浄する際、第1集塵極ユニット及び第2集塵極ユニットを取り出して洗浄するだけで良く、従来の集塵極モジュールは全体の洗浄が必要であったことに較べて、本発明の実施例は集塵極片の乾く速度が非常に速い。それと同時に、採用している導電性プラスチック材質は疎水性を有しており、集塵極片の表面にはほとんど水滴が付着しないので、集塵極片の乾燥速度をさらに速めている。
【0019】
導電性プラスチックを金属材料の代わりに集塵極片の材質とすることで、ユーザが集塵極片板を洗浄することが明らかに容易になり、多くの集塵極片を2つの集塵極ユニット上に集積するという機能を実現しており、極板を1枚1枚嵌め込む従来の方式と較べて、本発明の実施例の設計構造は、集塵極モジュールの組立時間を大幅に削減することで、コストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】既存技術における集塵極片と反発極片の構造概略図である。
図2】既存技術における集塵極片及び反発極片と抵抗の構造概略図である。
図3】既存技術における集塵極モジュールの構造概略図である。
図4】本発明の実施例における分離式浄化コアの構造概略図である。
図5】本発明の実施例における集塵極モジュール中の第1集塵極ユニットと第2集塵極ユニットを取り外したときの構造概略図である。
図6】本発明の実施例における分離式浄化コアの集塵極片と反発極片の最初の間隔状況の概略図である。
図7】本発明の実施例における集塵極モジュールと反発極モジュールが分離したときの第1集塵極片と第2集塵極片の構造概略図である。
図8】本発明の実施例における集塵極モジュールが分離した後の第1集塵極ユニットの構造概略図である。
図9】本発明の実施例における集塵極モジュールが分離した後の第2集塵極ユニットの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、長所及び特徴は、下記の好適な実施例の非限定的な説明を通して図示及び解釈される。これらの実施例は本発明の技術的解決手段に応用される典型的な範例にすぎず、同等の置換や同じ効果の変換を用いて形成された技術的解決手段は、いずれも本発明で保護を請求する範囲に含まれる。
【0022】
本発明の実施例では、洗浄しやすい分離式浄化コアを提示しており、図4に示すように、前記浄化コアは空気清浄器内部に設置されており、前記浄化コアは、キャビティライナ1と、その中に着脱可能に挿接されている集塵極モジュール2と、反発極モジュール3からなる。本技術的解決手段では、キャビティライナ1は既存の各種の実行可能な材質であって良く、本実施例では、好適にはキャビティライナ1は弾性を有し、折り畳みが可能で、水洗いできるライナを選択し、それによりキャビティライナ1の包装、輸送及び貯蔵をしやすくしている。キャビティライナ1の材質は有機シリコン絶縁ゴムであり、該材質は優れた加工可塑性、耐高圧破壊、電気絶縁性の良さ、耐電気腐蝕性、疎水性、静電気防止、耐コロナ、耐電気高熱、難燃性などの利点を有しており、その耐トラッキング性はすでに1A4.5極に達し、しかも使用過程での着脱や水洗いが可能で、絶縁性も良い。
【0023】
図5に示すように、集塵極モジュール2は、上下に嵌装され、互いに着脱可能な第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を含み、かつ2つの集塵極ユニットにはそれぞれ互いに平行な集塵極片が同数設けられており、各集塵極ユニット内の隣り合う2つの集塵極片の間隔はいずれも4aである。本実施例では、2つの集塵極ユニットの外形及び幅面の大きさは整合しており、かつ2つの集塵極ユニットには、好適にはそれぞれ互いに平行な集塵極片が同数設けられている。
【0024】
具体的には、第1集塵極ユニット21上には、少なくとも10個の第1集塵極片23が等間隔に設置されており、各第1集塵極片23は互いに平行に設置され、各第1集塵極片23の隣との間隔は4aである。本技術的解決手段では、図6に示すように、第1集塵極ユニット21上には、好適には等間隔で3つの第1集塵極片230、231及び232が設置されているが、本技術的解決手段では、第1集塵極片の数については具体的に限定していない。第1集塵極ユニット21の第1集塵極片23表面には、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リム25が設置されている。
【0025】
第2集塵極ユニット22上には、少なくとも10個の第2集塵極片24が等間隔に設置されており、各第2集塵極片24は互いに平行に設置され、各第2集塵極片24の隣との間隔は4aである。本技術的解決手段では、図6に示すように、第2集塵極ユニット22上には、好適には等間隔で3つの第2集塵極片240、241及び242が設置されており、本技術的解決手段では、第2集塵極片24の数については具体的に限定していない。集塵極片の壁が比較的薄く、成型時に曲りや変形が生じやすいことを考慮すると、その表面には補強リムが必要である。具体的には、第2集塵極ユニットの第2集塵極片24表面に、変形、硬化を防止するための少なくとも2つの補強リム25が設置されている。
【0026】
さらに、図6に示すように、図6は分離式浄化コアの第1集塵極片23と反発極片31の最初の間隔状況の概略図であるが、このとき、反発極片31と第2集塵極片24との間隔はaである。
【0027】
図7に示すように、本発明の実施例では、集塵極モジュールを一体として浄化コア内から取り出すことができる。このとき、第1集塵極片23と第2集塵極片24との間の間隔は2aである。
【0028】
図8に示すように、集塵極モジュールは、さらに第1集塵極ユニット21と第2集塵極ユニット22に分けることができる。このとき、第1集塵極片23と第2集塵極片24との間の間隔は4aである。そのうち、第1集塵極片230、231、232は第1集塵極ユニットに属し、240、241、242の集塵極片は第2集塵極ユニットに属する。第1集塵極片23であろうと第2集塵極片24であろうと、それらの集塵極片の間隔がいずれも4aであることは明らかであり、図1の間隔aと較べると、ブラシ100が集塵極片の間隔に深く入り込みやすいので、集塵極片のクリーニングがさらにしやすい。
【0029】
反発極モジュール3は一体成型構造で、かつキャビティライナ1と対向して固接されており、反発極モジュール3には対応する集塵極モジュールをその中に挿設する収容室が設けられ、かつ収容室内には集塵極片の総数に対応し、互いに平行な反発極片31が設けられており、隣り合う2つの反発極片31の間隔はいずれも2aであり、反発極モジュール3は、表面抵抗率が10Ωを下回る金属または非金属の導電性材料により作成されている。各反発極片31の両側の外端にはいずれも熱収縮絶縁スリーブ32が被装されており、熱収縮絶縁スリーブ32は、尖端放電や、大型の粒子が集塵電界内部に進入することを防止するために設置されている。
【0030】
浄化コアを組み立てた状態で、集塵極モジュール2、反発極モジュール3及びキャビティライナ1は、互いに嵌装されて全体を構成しており、かつ第一集塵極片23と反発極片31が間隔aで順に互い違いに設けられており、間隔aは空気清浄器のグリッド間隔の定数である。浄化コアの重さは既存技術に較べると非常に軽いので、ユーザによる修理やメンテナンスがしやすいだけでなく、ユーザ体験も大幅に向上している。
【0031】
第1集塵極ユニット21の両側壁上にはいずれもハンドル4が設けられており、キャビティライナ1の両側壁上には、いずれもハンドル4と整合して係止されるハンドル留め5が設けられている。集塵極モジュール2を取り外す場合、ユーザはハンドル4とハンドル留め5によって、第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を一体としてスムーズに取り外すことができる。ハンドルは、自身のプラスチック回転軸によって第1集塵極ユニット21上に取り付けられている。
【0032】
集塵極モジュール2が取り外されていないときは、ハンドル4はハンドル留め5上にしっかりと掛止されており、第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を取り外す場合は、両辺からハンドル4を上に引き上げれば、集塵極片板を取り外す効果を実現できる。つまり、ハンドル4の掛止端を第1集塵極ユニット21のリム上に押し付けることで、第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を一体としてスムーズに取り外すことができるのである。
【0033】
多くの集塵極片が第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22上に集積されており、集塵極モジュール2から分離された集塵極片板は、さらに第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22に分解することができるが、それはフック構造によって実現可能となる。前記第2集塵極ユニット22の側壁上には少なくとも10個のガイドリムが設置されており、前記ガイドリムの設置により、第1集塵極ユニット21と第2集塵極ユニット22が組み立てやすくなっている。
【0034】
本技術的解決手段では、集塵極モジュール2は、非結晶性、疎水性で、表面抵抗率が10Ωを下回る導電性プラスチックにより作成されており、集塵極モジュール2中の集塵極片は、いずれもそれぞれが属する第1集塵極ユニット21または第2集塵極ユニット22と一体に射出成型されている。集塵極モジュール2は金属製であっても良く、集塵極モジュール2は、好適には表面抵抗率が10Ωを下回る金属材料により作成されており、非結晶性プラスチックの採用により射出成形後の変形度を減少させることができる。該結晶性プラスチックは装飾が容易で、脱落しにくく、その表面は他の分子、例えばインクや塗料などを吸収することができる。また、ユーザの使用上の安全性を十分に考慮して、前記集塵極モジュールの材質はすべて耐火材なので、ユーザは、該製品を使用する過程で、安心して安全に使用することができる。
【0035】
金属極片については、その結晶構造中の原子核は緊密に配列されているが、その外層の電子は、通常、遊離状態にあり、定方向に流動しやすいので、容易に導電する。本発明の実施例の技術的解決手段で採用しているのは導電性プラスチックであり、普通の良質なプラスチックにカーボンファイバを添加しており、伝導率は103に達している。実際、カーボンファイバはグラファイトの六面体構造セルを有しており、グラファイト層構造の両側には類似する金属の電子ガスの存在があるので、電位差の作用によって運動する。電子流が生じることで大量の電荷キャリアがあるため、導電できるのは当然である。高圧条件下では、金属極片と導電性プラスチック極片の導電性能の違いはわずかしかない。実験により、プラスチック集塵極片を採用しても、金属極片と較べて、集塵極モジュール全体の集塵効率は影響を受けないことが証明されている。
【0036】
キャビティライナ1及び反発極モジュール3の色と集塵極モジュール2の色は互いに異なっており、具体的には、この設定は、ユーザが洗浄時に着脱可能な浄化コアを正しく洗浄するためのものである。本技術的解決手段では、前記キャビティライナと反発極モジュールの色は、好適には緑色であり、集塵極モジュールの色は、好適には黒である。このようにすると、ユーザは、洗浄の過程で、色によって該組のどの部分を洗浄するかを直感的に正しく区分することができる。色がすべて同色に設計されていると、ユーザが、洗浄の過程で区分しにくく、使い勝手が悪くなる。もちろん、技術的解決手段では、キャビティライナ、反発極モジュール及び集塵極モジュールの色については具体的に限定していない。
【0037】
本発明の実施例では、第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22は、図5に示すように、集塵極モジュール2から分離することができる。よって、集塵極片を洗浄する際には、2枚の集塵極片板を取り出して洗浄するだけで良く、従来の集塵極モジュール(図3)のように、全体を洗浄することにより構造内に水が残留するという欠陥が存在しない。それと同時に、採用している導電性プラスチック材質は疎水性があり、集塵極片の表面にはほとんど水滴が付着しないので、集塵極片の乾燥速度がさらに速まり、実験によると、30分前後で乾燥させることができる。
【0038】
従来の金属極片(最も軽いアルミニウム材質を例とする)、従来のプラスチック極片との性能比較分析は以下の通りである。
【0039】
【表1】
【0040】
本発明の実施例の優位性は、以下のように具現化されている。多くの集塵極片を2枚の着脱可能な集塵極片板上に集積することで、組立時間が従来の金属極片と較べて大幅に減少する。集塵極片を洗浄する際には、2枚の集塵極片板を取り出して洗浄するだけで良いので、水が構造内に残留することがなく、集塵極片板を早く乾かすことができる。また、極の間隔を変えずに(集塵効率を変えずに)組み立てることを基礎として、取り外した後の集塵極片の間隔を最初の4倍にすることができるので、集塵極片の洗浄がより簡単になる。また、導電性プラスチック材質は密度が小さいので、ユーザが集塵極片を洗浄する際の体感も快適である。
【0041】
本発明にはまだ多くの実施方式があるが、同等の変換や同じ効果の変換を用いて形成されているすべての技術的解決手段は、いずれも本発明で保護を請求する範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の長所は主に、本実施例の実施例は設計が精巧で、構造が簡単であり、このような分離式浄化コアの構造を設計することにより、浄化コアから単独で分離した集塵極モジュールをさらに分離させることで、最終分離後の集塵極片の間隔が従来の4倍になり、集塵極片板の洗浄の難しさを解決し、除塵効率を保証しているという点に現れている。ユーザは、集塵極片を洗浄する際、第1集塵極ユニット21及び第2集塵極ユニット22を取り出して洗浄するだけで良く、従来の集塵極モジュールは全体の洗浄が必要であったことに較べて、本発明の実施例は集塵極片の乾く速度が非常に速い。それと同時に、採用している導電性プラスチック材質は疎水性があり、集塵極片の表面にはほとんど水滴が付着しないので、集塵極片の乾燥速度をさらに速めている。導電性プラスチックを金属材料の代わりに集塵極片の材質とすることで、ユーザが集塵極片板を洗浄することが明らかに容易になり、多くの集塵極片を2つの集塵極ユニット上に集積するという機能を実現しており、極板を1枚1枚嵌め込む従来の方式と較べて、本発明の実施例の設計構造は、集塵極モジュールの組立時間を大幅に削減することで、コストを引き下げることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 キャビティライナ
2 集塵極モジュール
21 第1集塵極ユニット
22 第2集塵極ユニット
23、230、231、232 第1集塵極片
24、240、241、242 第2集塵極片
25 補強リム
3 反発極モジュール
31 反発極片
32 熱収縮絶縁スリーブ
4 ハンドル
5 ハンドル留め
a 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】