(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-531310(P2020-531310A)
(43)【公表日】2020年11月5日
(54)【発明の名称】塗料ローラカバー織布及びストリップ材料を処理するシステムと方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/32 20060101AFI20201009BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20201009BHJP
B05C 9/12 20060101ALI20201009BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20201009BHJP
B32B 5/28 20060101ALI20201009BHJP
B29L 23/00 20060101ALN20201009BHJP
【FI】
B29C70/32
B05C9/14
B05C9/12
B32B1/08 A
B32B5/28 A
B29L23:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-509038(P2020-509038)
(86)(22)【出願日】2018年8月14日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月3日
(86)【国際出願番号】US2018046728
(87)【国際公開番号】WO2019036480
(87)【国際公開日】20190221
(31)【優先権主張番号】15/676,507
(32)【優先日】2017年8月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/968,476
(32)【優先日】2018年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520050303
【氏名又は名称】セカル、 チャンドラ
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】セカル、 チャンドラ
【テーマコード(参考)】
4F042
4F100
4F205
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
一実施形態において、塗料ローラ製造システム及び方法は、コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、織布コーティング塗布器を使用して、接着剤が流れ得る複数の穿孔を有する有孔塗料ローラカバー織布材料の一部分に、前記複数の穿孔の中に、及び前記織布材料のすきま間隔の中に、織布接着剤を塗布する。内側ストリップ及び外側ストリップを、マンドレルまわりにずれた関係で巻き付ける。ストリップコーティング塗布器を使用して外側ストリップに、マンドレルまわりに巻き付けられるときにストリップ接着剤を塗布する。ストリップ接着剤を外側ストリップに塗布するステップと同時に、コーティングされた塗料ローラ織布材料の一部分を、外側ストリップに受け入れ、コーティングされた織布の一定長さを少なくとも外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法であって、
コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、織布コーティング塗布器を使用して、接着剤が流れ得る複数の穿孔を有する有孔塗料ローラカバー織布材料の一部分に、並びに前記複数の穿孔の中に及び前記織布材料のすきま間隔の中に、織布接着剤を塗布することと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
ストリップコーティング塗布器を使用して前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときにストリップ接着剤を塗布することと、
前記ストリップ接着剤を前記外側ストリップに塗布するステップと同時に、前記コーティングされた塗料ローラ織布材料の一部分を前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項2】
前記有孔塗料ローラ織布材料は、前記塗料ローラ製造プロセスからオフラインで穿孔された事前穿孔塗料ローラ織布材料を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項3】
前記有孔塗料ローラ織布材料は、前記塗料ローラ製造プロセスの一部となる穿孔ステップにおいてオンラインで穿孔された塗料ローラ織布材料を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項4】
前記穿孔ステップは、加熱された孔あけ器によって穿孔することを含む、請求項3に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項5】
前記加熱された孔あけ器は、穿孔ローラを含む、請求項4に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項6】
前記穿孔ローラは、複数の加熱された孔あけピンを含む、請求項5に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項7】
前記複数の加熱された孔あけピンはそれぞれが、少なくとも0.010インチ(0.254ミリメートル)であるが0.018インチ(0.457ミリメートル)以下の直径を有する、請求項6に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項8】
前記穿孔ローラの少なくとも一部分が、少なくとも華氏360度(摂氏182度)であるが華氏450度(摂氏232度)以下の温度まで加熱される、請求項5に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項9】
前記穿孔ローラの少なくとも一部分が、内部抵抗加熱器によって加熱される、請求項5に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項10】
前記孔あけピンは、水平方向にポイントツーポイントで互いから少なくとも0.12インチ(3.05ミリメートル)であるが0.24インチ(6.10ミリメートル)以下に配置される、請求項5に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項11】
前記孔あけピンは、垂直方向にポイントツーポイントで0.16インチ(4.06ミリメートル)であるが0.24インチ(6.10ミリメートル)以下に配置される、請求項5に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項12】
前記織布接着剤は、フィラーが配合されたポリプロピレンを有する樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項13】
前記フィラーは炭酸カルシウムを含む、請求項12に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項14】
前記樹脂は、10〜66重量%のCaCO3を含む、請求項13に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項15】
前記樹脂において使用されるポリプロピレンは、900〜1300g/10分の範囲にあるメルトフローレートを有する、請求項14に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項16】
前記織布コーティング塗布器を使用して織布接着剤を塗布するステップは、前記塗料ローラ製造プロセスからオフラインで行われる、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項17】
前記織布コーティング塗布器を使用して織布接着剤を塗布するステップは、前記塗料ローラ製造プロセスとオンラインで行われる、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項18】
前記有孔織布は、厚さが0.30インチ(7.62ミリメートル)から0.50インチ(12.7ミリメートル)の裏地を有する、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項19】
前記織布コーティング塗布器を使用して織布接着剤を塗布するステップは、前記織布の裏地の厚さ以内の深さまで浸透した接着剤を有するコーティングされた織布をもたらす、請求項18に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項20】
前記織布接着剤は、100〜400g/10分の有効メルトフローレートを有する配合ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項21】
前記織布接着剤は、120〜220g/10分の有効メルトフローレートを有する配合ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項22】
前記織布接着剤は、130〜180g/10分の有効メルトフローレートを有する配合ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項23】
前記織布接着剤は、20〜140g/10分の有効メルトフローレートを有する未配合ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項24】
前記織布接着剤は、50重量%超過のフィラーが配合された140〜400g/10分の有効メルトフローレートを有する配合ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1に記載の塗料ローラ製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項25】
製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法であって、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
接着剤が通って流れ得る複数の穿孔を有する加熱穿孔された塗料ローラ織布材料の一部分を前記外側ストリップに受け入れ、前記加熱穿孔された織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラカバー織布材料の一部分に、並びに前記複数の穿孔の中に及び前記織布材料のすきま間隔の中に、接着剤を塗布することと、
前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときに前記接着剤を塗布することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項26】
塗料ローラ製造システムであって、
裏側及び塗布器側を有する有孔塗料ローラカバー織布の巻付可能幅を連続的に分配するカバー分配器と、
前記有孔塗料ローラカバー織布の裏側にコーティングを塗布する織布コーティング塗布器であって、前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく位置決めされた織布コーティング塗布器と、
前記織布コーティング塗布器の下流に位置決めされた圧縮ローラであって、前記塗料ローラカバー織布の裏側に前記コーティングが塗布された後に圧縮力を前記コーティングに加えるように構成される圧縮ローラと、
マンドレルと、
それぞれが内側及び外側を有する第1巻付可能幅及び第2巻付可能幅のストリップ材料を連続的に分配する第1ストリップ分配器及び第2ストリップ分配器と、
前記第1ストリップ分配器及び第2ストリップ分配器から入来する第1ストリップ及び第2ストリップを、前記マンドレルまわりに巻き付けるように、かつ、前記織布支持デバイスからの前記コーティングされた塗料ローラカバー織布を前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けるように、案内する案内システムと、
前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップの外側の実質的にすべてに接着剤を塗布するべく構成された接着剤塗布器であって、前記コーティングされた塗料ローラカバー織布が前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられる場所の上流において接着剤を前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップの外側に塗布するように位置決めされる接着剤塗布器と、
前記マンドレルの法線方向内向きの圧力を、前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーに、前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられた後に加えるための、かつ、前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップ並びに前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーを前記マンドレルに沿って前進させるための、圧縮送りデバイスと
を含む、塗料ローラ製造システム。
【請求項27】
前記コーティングを前記織布コーティング塗布器に供給するための、かつ、前記接着剤を前記接着剤塗布器に供給するための、押出システムをさらに含む、請求項26に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項28】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続されたYアダプタを含む、請求項27に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項29】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続された分流デバイスを含む、請求項27に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項30】
前記織布支持送りデバイスは付加的に、前記織布支持送りデバイスの少なくとも一部分に対して前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持するべく構成され、
前記織布コーティング塗布器は、前記織布支持送りデバイスが前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持している間に前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく構成される、請求項26に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項31】
前記押出システムは第1押し出し器及び第2押出器を含み、
前記第1押出器は、前記織布コーティング塗布器に動作可能に接続され、
前記第2押出器は、前記接着剤塗布器に動作可能に接続される、請求項27に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項32】
前記押出システムは、ポリプロピレン及び炭酸カルシウムの配合物を含む材料を塗布するべく構成された押出器を含む、請求項27に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項33】
前記織布コーティング塗布器は、メッシュの材料を前記塗料ローラカバー織布に塗布するべく構成される、請求項26載の塗料ローラ製造システム。
【請求項34】
製造プロセスにおいて有孔織布をコーティングする方法であって、
分流デバイスを使用して、織布コーティング塗布器及びストリップコーティング塗布器に供給される接着剤の相対量を制御することと、
コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、前記織布コーティング塗布器を使用して、前記接着剤を、有孔塗料ローラカバー織布材料の一部分に、及び前記織布材料のすきま間隔の中に塗布することと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
前記ストリップコーティング塗布器を使用して前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときに前記接着剤を塗布することと、
前記接着剤を前記外側ストリップに塗布するステップと同時に、前記コーティングされた織布材料の一部分を前記織布コーティング塗布器から前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて有孔織布をコーティングする方法。
【請求項35】
塗料ローラ製造システムであって、
裏側及び塗布器側を有する有孔塗料ローラカバー織布の巻付可能幅を連続的に分配するカバー分配器と、
前記有孔塗料ローラカバー織布の裏側にコーティングを塗布する織布コーティング塗布器であって、前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく位置決めされた織布コーティング塗布器と、
前記織布コーティング塗布器の下流に位置決めされた圧縮ローラであって、前記塗料ローラカバー織布の裏側に前記コーティングが塗布された後に、かつ、前記織布が前記織布支持送りデバイスにより支持されている間に、圧縮力を前記コーティングに加えるように構成された圧縮ローラと、
マンドレルと、
内側及び外側を有する巻付可能幅のストリップ材料を連続的に分配するストリップ分配器と、
前記ストリップ分配器から入来する前記巻付可能ストリップを前記マンドレルまわりに巻き付けるように案内する案内システムと、
前記コーティングされた塗料ローラカバー織布が前記巻付可能ストリップまわりに巻き付けられる場所の上流において、前記巻付可能ストリップの外側の実質的にすべてに接着剤を塗布するべく構成された接着剤塗布器と、
前記マンドレルの法線方向内向きの圧力を、前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーに、前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられた後に加えるための、かつ、前記巻付可能ストリップ及び前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーを前記マンドレルに沿って前進させるための、圧縮送りデバイスと
を含む、塗料ローラ製造システム。
【請求項36】
前記有孔塗料ローラカバー織布に穿孔する加熱された孔あけ器をさらに含む、請求項35に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項37】
前記加熱された孔あけ器は、穿孔ローラを含む、請求項36に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項38】
前記穿孔ローラは、加熱された孔あけピンを含む、請求項37に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項39】
前記穿孔ローラの少なくとも一部分が、少なくとも華氏360度(摂氏182度)であるが華氏450度(摂氏232度)以下の温度まで加熱される、請求項37に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項40】
前記穿孔ローラの少なくとも一部分が、内部抵抗加熱器によって加熱される、請求項37に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項41】
前記孔あけピンは、水平方向にポイントツーポイントで互いから少なくとも0.12インチ(3.05ミリメートル)であるが0.24インチ(6.10ミリメートル)以下に配置される、請求項38に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項42】
前記孔あけピンは、垂直方向にポイントツーポイントで互いから少なくとも0.16インチ(4.06ミリメートル)であるが0.24インチ(6.10ミリメートル)以下に配置される、請求項38に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項43】
製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法であって、
接着剤が通って流れ得る複数の穿孔を有する有孔織布材料の一部分を受け入れることと、
コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、織布コーティング塗布器を使用して、前記塗料ローラカバー織布材料の一部分に、並びに前記複数の穿孔の中に及び前記織布材料のすきま間隔の中に、織布接着剤を塗布することと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
ストリップコーティング塗布器を使用して前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときにストリップ接着剤を塗布することと、
前記ストリップ接着剤を前記外側ストリップに塗布するステップと同時に、前記コーティングされた塗料ローラ織布材料の一部分を前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項44】
製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法であって、
接着剤が通って流れ得る複数の穿孔を有する有孔織布材料の一部分を受け入れることと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
前記有孔塗料ローラ織布材料の一部分を前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラカバー織布材料の一部分に、並びに前記複数の穿孔の中に及び前記織布材料のすきま間隔の中に、接着剤を塗布することと、
前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときに前記接着剤を塗布することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて有孔織布を使用する方法。
【請求項45】
塗料ローラ製造システムであって、
裏側及び塗布器側を有する塗料ローラカバー織布の巻付可能幅を連続的に分配するカバー分配器と、
前記塗料ローラカバー織布が裏側を上にしたまま、前記織布支持デバイスにわたって前進するときに、前記塗料ローラカバー織布を支持するべく構成された織布支持送りデバイスであって、前記織布支持送りデバイスの少なくとも一部分にわたって前記塗料ローラカバー織布の幅方向寸法を維持するべく構成された織布支持送りデバイスと、
前記塗料ローラカバー織布の裏側にコーティングを塗布する織布コーティング塗布器であって、前記織布支持送りデバイスが前記塗料ローラカバー織布の幅方向寸法を維持する場所において、前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく位置決めされた織布コーティング塗布器と、
前記織布コーティング塗布器の下流に位置決めされた圧縮ローラであって、前記塗料ローラカバー織布の裏側に前記コーティングが塗布された後に、かつ、前記織布が前記織布支持送りデバイスにより支持されている間に、圧縮力を前記コーティングに加えるように構成された圧縮ローラと、
マンドレルと、
それぞれが内側及び外側を有する第1巻付可能幅及び第2巻付可能幅のストリップ材料を連続的に分配する第1ストリップ分配器及び第2ストリップ分配器と、
前記第1ストリップ分配器及び第2ストリップ分配器から入来する第1ストリップ及び第2ストリップを、前記マンドレルまわりに巻き付けるように、かつ、前記織布支持デバイスからの前記コーティングされた塗料ローラカバー織布を前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けるように、案内する案内システムと、
前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップの外側の実質的にすべてに接着剤を塗布するべく構成された接着剤塗布器であって、前記コーティングされた塗料ローラカバー織布が前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられる場所の上流において接着剤を前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップの外側に塗布するように位置決めされる接着剤塗布器と、
前記マンドレルの法線方向内向きの圧力を、前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーに、前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられた後に加えるための、かつ、前記第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップ並びに前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーを前記マンドレルに沿って前進させるための、圧縮送りデバイスと
を含む、塗料ローラ製造システム。
【請求項46】
前記コーティングを前記織布コーティング塗布器に供給するための、かつ、前記接着剤を前記接着剤塗布器に供給するための、押出システムをさらに含む、請求項45に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項47】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続されたYアダプタを含む、請求項46に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項48】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続された分流デバイスを含む、請求項46に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項49】
前記織布支持送りデバイスは付加的に、前記織布支持送りデバイスの少なくとも一部分に対して前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持するべく構成され、
前記織布コーティング塗布器は、前記織布支持送りデバイスが前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持している間に前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく構成される、請求項45に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項50】
前記押出システムは第1押し出し器及び第2押出器を含み、
前記第1押出器は、前記織布コーティング塗布器に動作可能に接続され、
前記第2押出器は、前記接着剤塗布器に動作可能に接続される、請求項46に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項51】
前記押出システムは、ポリプロピレン及び炭酸カルシウムの配合物を含む材料を塗布するべく構成された押出器を含む、請求項46に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項52】
前記織布コーティング塗布器は、メッシュの材料を前記塗料ローラカバー織布に塗布するべく構成される、請求項45載の塗料ローラ製造システム。
【請求項53】
前記織布支持送りデバイスは、前記織布に穿孔を作り、ひいては接着剤が通って流れ得る空間をもたらすことができる穿孔ローラを含む、請求項45に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項54】
製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法であって、
織布引き伸ばしデバイスを使用して、塗料ローラ織布材料が動いている間に塗料ローラカバー織布材料の一部分を張り詰めたまま保持することと、
前記塗料ローラカバー織布材料が張り詰めている間、コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、織布コーティング塗布器を使用して、前記塗料ローラカバー織布材料の前記一部分に、及び前記織布材料のすきま間隔の中に、織布接着剤を塗布することと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
ストリップコーティング塗布器を使用して前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときにストリップ接着剤を塗布することと、
前記ストリップ接着剤を前記外側ストリップに塗布するステップと同時に、前記コーティングされた織布材料の一部分を、前記織布コーティング塗布器から前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項55】
前記織布コーティング塗布器及び前記ストリップコーティング塗布器は、それぞれが押出器に接続された第1ダイヘッド及び第2ダイヘッドを含む、請求項54に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項56】
前記織布接着剤及び前記ストリップ接着剤は異なる処方を有する、請求項54に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項57】
製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法であって、
分流デバイスを使用して、織布コーティング塗布器及びストリップコーティング塗布器に供給される接着剤の相対量を制御することと、
コーティングされた織布の一定長さをもたらすべく、前記織布コーティング塗布器を使用して、前記接着剤を、塗料ローラカバー織布材料の一部分に、及び前記織布材料のすきま間隔の中に塗布することと、
内側ストリップ及び外側ストリップをずれた関係でマンドレルまわりに巻き付けることと、
前記ストリップコーティング塗布器を使用して前記外側ストリップの少なくとも一部分に、前記マンドレルまわりに巻き付けられるときに前記接着剤を塗布することと、
前記接着剤を前記外側ストリップに塗布するステップと同時に、前記コーティングされた織布材料の一部分を、前記織布コーティング塗布器から前記外側ストリップに受け入れ、前記コーティングされた織布の一定長さを少なくとも前記外側ストリップまわりに巻き付けて塗料ローラチューブを形成することと、
前記塗料ローラチューブに圧縮を加えることと、
前記塗料ローラチューブを切断して同じ一定長さにすることと
を含む、製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項58】
前記分流デバイスは、前記織布コーティング塗布器及び前記ストリップコーティング塗布器それぞれに供給される接着剤の相対量を制御するべく動作可能な分流デバイスを含む、請求項57に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項59】
前記分流デバイスは、動的に動作可能な分流デバイスを含む、請求項58に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項60】
前記分流デバイスは、固定された分流デバイスを含む、請求項58に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項61】
前記接着剤はポリプロピレンを含む、請求項58に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項62】
前記接着剤は、複数のポリプロピレンのブレンドを含む、請求項61に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項63】
前記接着剤は、10〜66重量%のCaCO3を含む、請求項61に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項64】
前記接着剤は、少なくとも20g/10分であるが140g/10分以内の有効メルトフローレートを有する、請求項57に記載の製造プロセスにおいて織布をコーティングする方法。
【請求項65】
塗料ローラ製造システムであって、
裏側及び塗布器側を有する塗料ローラカバー織布の巻付可能幅を連続的に分配するカバー分配器と、
前記塗料ローラカバー織布が裏側を上にしたまま、前記織布支持デバイスにわたって前進するときに、前記塗料ローラカバー織布を支持するべく構成された織布支持送りデバイスであって、前記織布支持送りデバイスの少なくとも一部分にわたって前記塗料ローラカバー織布の幅方向寸法を維持するべく構成された織布支持送りデバイスと、
前記塗料ローラカバー織布の裏側にコーティングを塗布する織布コーティング塗布器であって、前記織布支持送りデバイスが前記塗料ローラカバー織布の幅方向寸法を維持している場所において、前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく位置決めされた織布コーティング塗布器と、
前記織布コーティング塗布器の下流に位置決めされた圧縮ローラであって、前記塗料ローラカバー織布の裏側に前記コーティングが塗布された後に、かつ、前記織布が前記織布支持送りデバイスにより支持されている間に、圧縮力を前記コーティングに加えるように構成された圧縮ローラと、
マンドレルと、
内側及び外側を有する巻付可能幅のストリップ材料を連続的に分配するストリップ分配器と、
前記ストリップ分配器から入来する前記巻付可能ストリップを、前記マンドレルまわりに巻き付けるように、かつ、前記織布支持デバイスからの前記コーティングされた塗料ローラカバー織布を前記巻付可能ストリップまわりに巻き付けるように、案内する案内システムと、
前記コーティングされた塗料ローラカバー織布が前記巻付可能ストリップまわりに巻き付けられる場所の上流において、前記巻付可能ストリップの外側の実質的にすべてに接着剤を塗布するべく構成された接着剤塗布器と、
前記マンドレルの法線方向内向きの圧力を、前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーに、前記第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられた後に加えるための、かつ、前記巻付可能ストリップ及び前記コーティングされた塗料ローラ織布カバーを前記マンドレルに沿って前進させるための、圧縮送りデバイスと
を含む、塗料ローラ製造システム。
【請求項66】
前記コーティングを前記織布コーティング塗布器に供給するための、かつ、前記接着剤を前記接着剤塗布器に供給するための、押出システムをさらに含む、請求項65に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項67】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続されたYアダプタを含む、請求項66に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項68】
前記織布支持送りデバイスは付加的に、前記織布支持送りデバイスの少なくとも一部分にわたって前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持するべく構成され、
前記織布コーティング塗布器は、前記織布支持送りデバイスが前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法を維持している場所において前記コーティングを前記塗料ローラカバー織布の裏側に塗布するべく構成される、請求項65に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項69】
前記織布支持送りデバイスの、前記塗料ローラカバー織布の長さ方向寸法が維持されている少なくとも一部分と、前記織布支持送りデバイスの、前記塗料ローラ織布カバーの幅方向寸法が維持される一部分とが重なる、請求項68に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項70】
前記押出システムは、押出器に動作可能に接続された可変分流デバイスを含む、請求項66に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項71】
前記分流デバイスは、動的に可変な分流デバイスを含む、請求項70に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項72】
前記押出システムは第1押し出し器及び第2押出器を含み、
前記第1押出器は、前記織布コーティング塗布器に動作可能に接続され、
前記第2押出器は、前記接着剤塗布器に動作可能に接続される、請求項66に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項73】
前記押出システムは、ポリプロピレンを含む材料を塗布するべく構成された押出器を含む、請求項66に記載の塗料ローラ製造システム。
【請求項74】
前記押出システムは、熱可塑性プラスチック及び炭酸カルシウムの配合物を含む材料を塗布するべく構成された押出器を含む、請求項66に記載の塗料ローラ製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年8月14日に出願された米国特許出願第15/676,507号の継続出願である2018年5月1日に出願された米国特許出願第15/968,476号の一部継続出願である。これらの開示全体が参照によりここに組み入れられる。
【0002】
本発明は一般に、塗料ローラ製造の分野に関し、詳しくは、塗料ローラを製造するプロセスにおいて有孔織布を使用する新規な機械及びプロセスに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0321007(A1)号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的、特徴及び利点が、添付図面に示される好ましい実施形態の以下の記載から明らかとなる。図面において、参照文字は、様々な図の全体にわたって同じ部分を指す。これらの図面は必ずしもスケール通りではなく、その代わり、本発明の原理の例示にあたって強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】2ストリッププロセスにおいて2つの塗布器に供給するべく一つの押出器が使用される一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【
図2】2ストリッププロセスにおいて2つの塗布器への溶融材料の流れを向けるべく分流デバイスが使用される一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【
図3】2ストリッププロセスにおいて2つの対応塗布器を供給する2つの別個の押出器が使用される一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【
図4】単数ストリッププロセスにおいて2つの塗布器に供給するべく一つの押出器が使用される一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【
図5】単数ストリッププロセスにおいて2つの塗布器への溶融材料の流れを向けるべく分流デバイスが使用される一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【
図6】単数ストリッププロセスにおいて2つの対応塗布器を供給する2つの別個の押出器が使用される本発明の一実施形態に係る塗料ローラを製造する機械及びプロセスを例示する上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここで、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。以下の記載及び図面は例示であって、制限として解釈されるべきではない。多数の具体的詳細が、完全な理解を与えるべく記載される。しかしながら、所定例において、記載を曖昧にするのを避けるべく、周知又は従来の詳細は記載されない。本開示における一つの又は一実施形態への参照は、必ずしも同じ実施形態への参照とは限らず、かかる参照は少なくとも一つを意味する。
【0007】
機械及びプロセスは、塗料ローラ製造施設とは別個の施設においてオフラインで予め穿孔された織布カバーを使用するべく構成され、又は塗料ローラ製造プロセスとインラインで織布に穿孔するべく構成され得る。
図1を参照すると、一実施形態に係る塗料ローラ製造システム101及び塗料ローラ製造プロセスが例示される。塗料ローラ製造システム101は、巻付可能幅の塗料ローラカバー織布を連続的に分配するカバー分配器122を含む。塗料ローラカバー織布は、裏側及び塗布器側を有する。織布が裏側を上にしたまま、織布支持デバイスにわたって前進するときに、織布を支持して塗料ローラカバー織布の幅方向寸法を維持するべく、織布支持送りデバイス124が与えられる。
【0008】
織布コーティング塗布器113が、塗料ローラカバー織布の裏にコーティングを塗布するべく構成される。織布コーティング塗布器は、塗料ローラ製造施設とは別個の施設における機械の一部としてよく、又は、図示のように塗料ローラ製造機械及びプロセスに関連付けてもよい。織布コーティング塗布器は、塗料ローラカバー織布の裏に、当該織布が織布支持送りデバイス124によって支持される間にコーティングを塗布するように位置決めされる。なお、コーティングは、織布が既に裏地を有しているか否かにかかわらず、又は本プロセスが、未コーティング織布の裏にコーティングを塗布することにより裏地を作り出すか否かにかかわらず、織布の裏に塗布される。織布コーティング塗布器は、連続又は不連続の材料コートを塗料ローラカバー材料に塗布するべく構成され得る。不連続コートの例は、コーティング材料のストライプを、制限なしに含む。加えて、織布コーティング塗布は、メッシュ材料のような付加的な材料を、コーティング材料に加えて織布裏側に塗布するべく構成され得る。一実施形態において、メッシュ材料及び連続コート材料が、織布コーティング塗布器によって塗料ローラカバー材料に塗布される。一実施形態において、メッシュ材料及び不連続コート材料が、織布コーティング塗布器によって塗料ローラカバー材料に塗布される。圧縮ローラ126が、織布コーティング塗布器の下流に位置決めされ、塗料ローラカバー織布の裏側にコーティングが塗布された後に圧縮力を当該コーティングに加えるように構成される。一実施形態において、圧縮ローラ126は、織布が織布支持送りデバイスによって支持される間に圧縮力をコーティングに加えるべく位置決めされる。一実施形態において、圧縮ローラ126は、織布が織布支持送りデバイスによって支持される場所の下流において圧縮力をコーティングに与えるべく位置決めされる。一実施形態において、織布支持送りデバイス124は、圧縮ローラ126に向かって、例えば45度下方に傾けられる。一実施形態において、織布支持デバイス124の角度は、30度から60度である。一実施形態において、織布支持デバイス124の角度は、20度から80度である。一実施形態において、織布支持送りデバイス124は、圧縮ローラ126に向かって上方に傾けられる。一実施形態において、圧縮ローラ126は、織布が織布支持送りバイスによって支持されるエリアの下流において圧縮力をコーティングに与えるべく、一つ以上の付加的なローラ又は表面(図示せず)の補助を有するように構成される。一実施形態において、そのような表面(この場合は湾曲面)として、2つ以上のローラ間のベルト(図示せず)を使用することができる。これは、圧縮ローラへの補助として、圧縮ローラ126の大部分にわたって圧縮力が加わるのを許容する。
【0009】
マンドレル121が与えられ、マンドレルまわりの、らせん態様でのストリップの動きを、当該ストリップがマンドレルに粘着することなしに低抵抗で容易にするべく、マンドレル冷却器133によって冷却され得る。
【0010】
第1ストリップ分配器116及び第2ストリップ分配器118が、ストリップ材料117、119の第1巻付可能幅及び第2巻付可能幅を連続的に分配するように構成される。案内システム(図示せず)を使用して、第1及び第2ストリップ分配器から入来する第1及び第2ストリップを案内してマンドレルまわりに巻き付け、及びコーティングされた塗料ローラカバー織布を織布支持デバイスから案内して第1ストリップ117及び第2ストリップ119まわりに巻き付けることができる。第2ストリップ119及び/又は第1ストリップ117は、中実のストリップ、有孔ストリップ、又はエンボス加工ストリップ(例えば凹んだディンプルを有する)としてよい。
【0011】
接着剤塗布器115が、接着剤(のり、ポリマー又は複合ポリマーとしてよい)を、第1巻付可能ストリップ117及び第2巻付可能ストリップ119の外側の実質的にすべてに、コーティングされた塗料ローラカバー織布125が第1ストリップ及び第2ストリップまわりに巻き付けられる場所の上流において塗布するように構成される。
【0012】
圧縮送りデバイス129が、マンドレルの法線方向内向きの圧力を、コーティングされた塗料ローラ織布カバー125に、第1ストリップ117及び第2ストリップ119まわりに巻き付けられた後に加えるべく、かつ、第1巻付可能ストリップ及び第2巻付可能ストリップとコーティングされた塗料ローラ織布カバーとをマンドレル121に沿って前進させるべく、設けられる。
【0013】
一実施形態において、機械は、接着剤材料をYアダプタ105を通して押し出すべく構成され得る押出器103を含む。一実施形態において、この材料は、Yアダプタ105を通して押し出されるときは溶融状態である。一実施形態において、溶融材料は、ホース109及び111を通るように押し込まれて織布コーティング塗布器113及びストリップコーティング接着剤塗布器115それぞれに至る。織布コーティング塗布器113及び/又はストリップコーティング塗布器115は、織布に接着する液体を塗布するダイヘッド、噴霧器、ブラシ、押出器等を含む任意のデバイスを含み得る。
【0014】
材料の内側ストリップ117及び外側ストリップ119が、ずれた関係でマンドレル121まわりに、らせん状に巻き付けられる。一実施形態において、ずれた関係は、近似的に50%である。すなわち、一方のストリップの中心が、他方のストリップの中間の下又は(場合によっては)上の場所に巻き付く。一実施形態において、ずれた関係は、内側ストリップ及び外側ストリップの継ぎ目が整列するのを防止するべく少なくとも5%である。5%のずれた関係とは、ストリップの端から少なくともストリップ幅の5%離れたところに継ぎ目が存在することを言及する。一実施形態において、内側ストリップ117の内面全体がマンドレル121に接触する。一実施形態において、外側ストリップ119はいずれの部分もマンドレル121に接触しない。
【0015】
内側ストリップ117及び外側ストリップ119は、マンドレルまわりに、らせん状に巻き付けられる可撓性の任意の材料を含み得る。一実施形態において、ストリップはポリプロピレンを含む。一実施形態において、ストリップはポリプロピレン及び炭酸カルシウムの化合物を含む。ストリップのための様々な処方は、例えば、2015年7月1日に出願された出願人の米国特許出願第14/789,723号及びそこに引用される参考文献に見出すことができ、それらの開示全体が参照によりここに組み入れられる。織布上に押し出される樹脂は、例えば、(1)一般的に入手可能なポリプロピレン、(2)有効メルトフローレート(MFR)が20〜140g/10分であるポリプロピレンのブレンド、(3)炭酸カルシウム(CaCO3)とポリプロピレンとの組み合わせであり、使用されるCaCO3の範囲が10〜66%CaCO3であるもの、又は(4)炭酸カルシウムと(700〜1400g/10分の範囲の高MFRを有する)ポリプロピレンのブレンドとの組み合わせであり、CaCO3の範囲が10〜66重量%CaCO3であり、有効合計MFRが20〜140g/10分であるもの、を含み得る。
【0016】
一実施形態において、内側ストリップ117の外面及び外側ストリップ119の外面は、ストリップコーティング塗布器115により接着剤がコーティングされる。一実施形態において(図示せず)、ストリップコーティング塗布器115は、2つのストリップ117、119それぞれを一つがコーティングする2つの別個のストリップコーティング塗布器を含む。すなわち、2つのストリップそれぞれの外側をこのようにコーティングすることは、同じ塗布器により行われてもよく、他実施形態において、2つの別個の塗布器によって行われてもよい。
図1に示されるように、単数又は複数のストリップのコーティングは、一つの塗布器によって行われる。一実施形態において、内側ストリップ117の外面のみが、ストリップコーティング塗布器115によって接着剤をコーティングされる。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器115は、内側ストリップの外面又は外側ストリップの内面のいずれかに接着剤を塗布し、当該接着剤は、塗布後に内側ストリップと外側ストリップとの間に落ち着く。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器115は、内側ストリップの外面又は外側ストリップの内面のいずれかに接着剤を塗布し、当該接着剤は、塗布後に内側ストリップと外側ストリップとの間に落ち着くが、織布コーティング塗布器113により塗布された液体接着剤は、外側ストリップ119及びコーティングされた織布カバー125がマンドレルにおいて一緒になるときに硬化しない。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器115は、コーティングされた織布125の内側ストリップの外面又は外側ストリップの内面のいずれかに接着剤を塗布し、当該接着剤は、塗布後に外側ストリップとコーティングされた織布との間に落ち着く。一実施形態において、外側ストリップ119(又は単数ストリップ実施形態においては当該唯一のストリップ)の外面の一部分(外面全体ではなく)がコーティングされる。一実施形態において、外側ストリップ119の外面全体がコーティングされる。ストリップコーティング塗布器115は、いずれにせよ、連続又は不連続コートの材料をストリップに塗布するべく構成され得る。不連続コートの例は、材料のメッシュ、コーティング材料のストライプを制限なしに含む。加えて、ストリップコーティング塗布は、メッシュ材料のような付加的な材料を、コーティング材料に加えて塗布するべく構成され得る。一実施形態において、メッシュ材料及び連続コートの材料は、ストリップコーティング塗布器115によって塗布される。一実施形態において、メッシュ材料は樹脂メッシュである。一実施形態において、内側ストリップ117の外面の一部分のみがコーティングされる。一実施形態において、内側ストリップ117の外面全体がコーティングされる。
【0017】
一実施形態において、カバー織布材料123が、織布支持送りデバイス124を通して供給される。織布支持送りデバイス124は随意的に、テンターフレームのような引き伸ばしデバイスを含み得る。ここで、織布が(例えば一連の連続的に広がるように離間されたピンにより)機械方向に及び/又は側方に引き伸ばされ、織布の繊維間のすきま間隔が開かれる。織布支持送りデバイス124は、織布が当該デバイスにより支持されている時間の少なくとも一部分の間、織布の長さ方向及び/又は幅方向の寸法を維持するように構成され得る。一実施形態において、織布の長さ方向及び/又は幅方向の寸法は、引き伸ばされた寸法となる。すなわち、織布の当初寸法よりも大きくなる。一実施形態において、織布の長さ方向及び/又は幅方向の寸法は、まだ引き伸ばされていない寸法となる。一実施形態において、織布材料123はその後、織布コーティング塗布器113の下に又は織布コーティング塗布器113を通して供給され、織布接着剤によりコーティングされる。一実施形態において、織布材料123はその後、その寸法の一つ以上が織布支持送りデバイス124によって維持されている間に、織布コーティング塗布器113の下に又は織布コーティング塗布器113を通して供給される。一実施形態において、接着剤は、支持されない織布材料が、接着剤塗布により寸法を変えるという点で、カバー材料に対して反応性(例えば熱反応性)である。一実施形態において、織布支持送りデバイス124は、当該反応に抵抗して織布の寸法を維持する。一実施形態において、当該反応に抵抗することにより、織布支持送りデバイス124は、織布におけるすきま間隔を多くの接着剤が充填することを許容する。一実施形態において、当該反応に抵抗することにより、織布支持送りデバイス124は、織布において、接着剤が中に流れ得る大きなすきま間隔ともたらす。一実施形態において、織布が(例えば引き伸ばされ又は引き伸ばされないで)寸法を維持されている間に接着剤を塗布することにより、付加的な溶融接着剤が、織布の細孔に入り込むことが許容され、ひいては、そうでなければ脱落することが知られている塗料ローラ織布繊維が固定されるので、このプロセスにより作られる塗料ローラにおける脱落が低減される。
【0018】
穿孔ローラ140が、織布に穿孔を作り、ひいては接着剤が通って流れ得る空間をもたらすべく構成される。一実施形態において、穿孔ローラ140は、複数の離間した孔あけ器を含む。この孔あけ器は、織布に孔をあけ、接着剤が通って流れ得る空間(例えば細孔)をもたらすことができる孔あけピンを含み得る。一実施形態において、孔あけ器は、(穿孔ローラから離れる)遠位端が鋭利であり、織布の裏地層を貫通するように構成される。織布の中に接着剤を十分に浸透させるには、いくつかの因子を考慮する必要がある。ほとんどの塗料ローラ織布の裏地の厚さは、概ね0.30インチ(7.62ミリメートル)から0.50インチ(12.7ミリメートル)である。一実施形態において、機械、接着剤及びプロセスは、その量だけ接着剤が織布に浸透するように設計され、それを超えることはない。一般に、樹脂が裏地を通過し、繊維が樹脂に及び織布裏地の残りに接着するのを助けることが望ましい。
【0019】
一実施形態において、穿孔ローラ上の孔あけ器は、高温穿孔に典型的に使用されるピンよりも広い直径のピンである。一実施形態において、0.010インチ(0.254ミリメートル)から0.018インチ(0.457ミリメートル)の直径を有する孔あけピンが使用される。0.06インチ(1.52ミリメートル)から0.08インチ(2.03ミリメートル)の範囲にある直径を有する孔あけ器は、樹脂が上述の織布裏地を貫通するのに十分大きな面積を与えなくてもよい。ピンヘッドは浅いテーパ又は深いテーパを有し得るが、穿孔直径は同じままとするのが好ましい。一実施形態において、ピンは、水平方向にポイントツーポイントで互いから0.12インチ(3.05ミリメートル)〜0.24インチ(6.10ミリメートル)に配置され、垂直方向にポイントツーポイントで0.16インチ(4.06ミリメートル)〜0.24インチ(6.10ミリメートル)に配置される。
【0020】
一実施形態において、織布は裏地が穿孔ローラに面したまま穿孔ローラの下を通過し、織布は穿孔ローラの下を通過しているときに圧力ローラにより支持される。圧力ローラは、シリコーン又は高密度充填タンピコ繊維のような一定数の材料から作ることができる。
【0021】
一実施形態において、穿孔ローラは、織布裏地の穿孔及び織布の処理を改善するべく加熱される。穿孔に最も適した温度は、華氏360度(摂氏182度)から華氏450度(摂氏232度)の範囲である。ただし、使用される温度は、穿孔対象の織布のタイプに依存し得る。内部抵抗加熱器を使用することができる。エリア加熱器は織布の繊維を燃やしかねないからである。
【0022】
織布の裏をコーティングするべく使用される樹脂が織布裏地に十分に浸透して繊維に接触することを保証するために、自由流動性樹脂を使用する必要がある。一実施形態において、100〜400g/10分の有効(最終的、任意の配合後の)メルトフローレート(MFR)範囲を有する配合ポリプロピレン樹脂が使用されます。一実施形態において、120〜220g/10分の有効MFR範囲を有する配合ポリプロピレン樹脂が使用される。一実施形態において、130〜180g/10分の有効MFR範囲を有する配合ポリプロピレン樹脂が使用される。フィラー材料が配合されていない場合は低MFRの樹脂を使用することができ、又は、大きなパーセンテージのフィラーが、若しくは配合樹脂の粘性を大幅に上げるフィラーが配合された材料を使用する場合は高MFRの樹脂を使用することができる。すなわち、一実施形態において、20〜140g/10分の有効MFRを有する未配合樹脂が使用される。一実施形態において、大きなパーセンテージのフィラー(50重量%超過)が配合された140〜400g/10分の有効MFRを有する樹脂が使用される。フィラーは、例えば炭酸カルシウムを含み得る。
【0023】
一実施形態において、孔あけ器は、織布の裏地層を貫通して空間又は細孔をもたらし得るように構成される。一実施形態において、裏地にもたらされる空間又は細孔は、均等に離間されるのが一般的である。一実施形態において、裏地にもたらされる空間又は細孔は、中心が1/8インチ(3.18ミリメートル)から1/4インチ(6.35ミリメートル)だけ均等に離間されるのが一般的である。一実施形態において、空間又は細孔は、接着剤が浸入して硬化時に塗料ローラ繊維を固定するのを許容するのに十分なサイズとされる。一実施形態において、空間又は細孔は、直径が1/32インチ(0.794ミリメートル)から3/32インチ(2.38ミリメートル)とされる。一実施形態において、空間又は細孔は、直径が少なくとも1/64インチ(0.397ミリメートル)とされる。一実施形態において、空間又は細孔は、直径が1/16インチ(1.59ミリメートル)以内とされる。一実施形態において、空間又は細孔は、直径が7/64インチ(2.78ミリメートル)以内とされる。一実施形態において、空間又は細孔は、形状が一般に円形、又は形状が一般に正方形、又は形状が一般に三角形とされる。一実施形態において、穿孔ローラ140は、織布支持送りデバイス124により寸法が維持されているときに織布に係合する。一実施形態において、穿孔ローラ140は、複数の離間した孔あけ器を含む。孔あけ器は、織布に実際に孔をあけるというよりはむしろ、織布の糸を押しのけて、接着剤が通って流れる空間をもたらす。これは、ニット織布において特に有用である。一実施形態において、織布支持送りデバイス124の一部でない代わりに上流又は下流に存在する穿孔ローラが設けられる。一実施形態において、穿孔ローラは、織布コーティング塗布器113の上流に存在する。一実施形態において、織布裏地に孔をあけ又はその糸を再配置する(例えば細孔をもたらす)べくローラ形態ではない孔あけ器が使用され、接着剤は、織布コーティング塗布器113により塗布されると当該裏地の中に浸入することができる。
【0024】
一実施形態において、織布材料123は、引き伸ばされ続けている間に、織布コーティング塗布器113の下に又は織布コーティング塗布器113を通って供給される。一実施形態において、その後、圧縮力(例えば圧縮ローラ126による)が加えられる。一実施形態において、接着剤が硬化を完了する前に圧縮力(例えば圧縮ローラ126による)が加えられる。一実施形態において、使用された接着剤は冷却により硬化し(例えば溶融ポリマー)、圧縮ローラ126は接着剤の冷却を援助し、ひいては硬化プロセスを援助する。一実施形態において、圧縮ローラ126は、接着剤の温度よりも低い温度に維持される。一実施形態において、圧縮ローラ126は、硬化プロセスを援助するべく冷却される。一実施形態において、圧縮ローラ126は、接着剤の温度に又はその付近の温度に維持される。これにより、圧縮ローラ126が接着剤の硬化を引き起こすことが防止され、製造プロセスの間の長期間(例えば外側ストリップ119の外面に接触するようになるまで)接着剤が未硬化を続けることが許容される。コーティングされた織布125はその後、外側ストリップ119の外面まわりに巻き付けられる。
【0025】
一実施形態において、上述したプロセスにおける使用に先立って結合剤としてのりが、カバー織布材料123の裏に塗布され得る。随意的に、織布接着剤の塗布に加え、のりを、織布コーティング塗布器113により結合剤としてカバー織布材料123の裏に塗布することができる。一実施形態において、のりは、織布コーティング塗布器113により織布接着剤として、カバー織布材料123の裏に塗布することができる。のりは、ホットメルト機械により塗布し、スロットダイを使用して又は任意の他の塗布方法により織布の裏に滴下することができる。
【0026】
形成された(ただし潜在的に依然として硬化中の)塗料ローラカバー材料チューブ127が、ベルトを含み得るモータ駆動圧縮送りデバイス129によって駆動され得る。形成された塗料ローラカバー材料チューブ127は、当該チューブを複数の一定長さに切断するフライアウェイソー131へと送られ得る。一実施形態において、チューブの一定長さはさらに、塗料ローラとして使用される一定長さに切断され得る。一実施形態において、フライアウェイソー131によって切断された又はさらに切断されたチューブの一定長さは、塗料ローラとして使用されるのに先立って完成される。
【0027】
一実施形態において、織布コーティング塗布器113及びストリップコーティング塗布器115は、2つのシートダイを含む。各シートダイは、ここに記載されるように、対象をコーティングするのに適切な幅を有する。一実施形態において、織布コーティング塗布器は、織布の裏地のすべて又は実質的にすべてを覆うのに十分なシートダイを有する。一実施形態において、織布コーティング塗布器は、織布の裏地よりも広いシートダイを有する。一実施形態において、前進するコーティングされた織布125が、過剰なコーティングを除去するべくマンドレルに向かって進むときにトリミングされる。
【0028】
一実施形態において、織布コーティング塗布器113及びストリップコーティング塗布器115は、2つのシートダイを含み、双方とも幅が10.5インチ(26.7センチメートル)である。一実施形態において、ダイは双方とも、幅が8〜13インチ(20.3〜33.0センチメートル)である。一実施形態において、織布コーティング塗布器のダイは幅が3.5インチ(8.9センチメートル)であり、ストリップコーティング塗布器のダイは幅が10.5インチ(26.7センチメートル)である。一実施形態において、織布コーティング塗布器のダイの幅は、2〜5インチ(5.1〜12.7センチメートル)である。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器のダイの幅は、8〜13インチ(20.3〜33.0センチメートル)である。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器のダイはダイギャップの幅が0.040インチ(1.0ミリメートル)であり、織布コーティング塗布器のダイは、ダイギャップが0.025(0.64ミリメートル)インチである。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器のダイは、幅が0.025〜0.055インチ(0.64〜1.40ミリメートル)のダイギャップを有する。一実施形態において、ストリップコーティング塗布器のダイは、幅が0.010〜0.040インチ(0.25〜1.02ミリメートル)のダイギャップを有する。ミニローラを作るべく使用される一実施形態において、ストリップコーティング塗布器のダイの幅は、3インチ(7.62センチメートル)から4.5インチ(11.4センチメートル)であり、織布ストリップの幅は1インチ(2.54センチメートル)から1.5インチ(3.81センチメートル)である。
【0029】
図2は、溶融材料の流れを2つの塗布器に向けるべく分流デバイスが使用される塗料ローラ製造システム201の代替実施形態を示す。この実施形態は一般に、
図1に対して上述したとおりに動作するが、押出器203が溶融材料を分流デバイス205に供給し、分流デバイス205がその後、押出器203からの溶融材料の一部分をホース109に向け、材料の一部分をホース111に向ける点が異なる。分流デバイス205は、押出器からの流れを2つのダイヘッド間で分離し得る固定バルブ、可変バルブ、ギアポンプ、Yアダプタ、又は任意の他のデバイスとしてよい。可変分流デバイスが使用される実施形態において、ホース109に供給される溶融材料の比率とチューブホースに供給される溶融材料の比率とを手動で可変に制御することができる。代替的に、分流デバイスは、そのような比率をプロセスの状態又は変数に応じて設定する動的制御の分流デバイスとしてもよい。かかる状態及び変数は、例えば、温度、溶融材料の粘性、及び使用される接着剤の特定配合を含む。一実施形態において、分流デバイス205の分流される流量は、計算から導出される。一実施形態において、分流デバイス205の下流へ分流される流量が測定され、ホース109、111それぞれへの分流量を制御するべく使用される。
【0030】
図3は、溶融材料を2つの塗布器113及び115それぞれにホース109及び111を介して供給するべく二重押出器303及び304が使用される塗料ローラ製造システム301の代替実施形態を示す。この態様では、2つの塗布器に供給するべく異なる接着剤又は接着剤配合を使用することができる。カバー接着剤が押出器303において使用され、ストリップ接着剤が押出器304において使用される。この実施形態は、そうでない場合、
図1を参照して上述したのと同様の態様で動作する。
【0031】
上記方法は、塗料ローラを製造する2つのストリッププロセスの文脈で記載される。当業者は、発明の要旨及び範囲から逸脱することなく、同じ又は同様の方法を、単数ストリッププロセス、3ストリッププロセス等において使用できることを認識する。
【0032】
図4は、
図1に示される2ストリップの機械及びプロセスの単数ストリップの実施形態401を示す。
図5は、
図2に示される2ストリップの機械及びプロセスに係る単数ストリップの実施形態501を示す。
図6は、
図3に示される2ストリップの機械及びプロセスに係る単数ストリップの実施形態601を示す。これらの実施形態は一般に、上記
図1、2及び3の記載に従って動作するが、二重ストリップ117及び119の代わりに単数ストリップ117が使用される点が異なる。一実施形態において、接着剤が塗布器115により塗布される前又は後に、メッシュ層がストリップ117に塗布される。
【0033】
上記
図1、2及び3に示される2つのストリップの機械及びプロセスの実施形態において、メッシュ層を、内側ストリップと外側ストリップとの間に巻き付けることができる。一実施形態において、メッシュ層を、外側ストリップとコーティングされた織布との間に巻き付けることができる。一実施形態において、メッシュ層は、その下(すなわちマンドレルに近い方)にあるメッシュに整列させることができる(すなわちずれた関係ではない)。一実施形態において、メッシュ層は、その上(すなわちマンドレルから遠い方)にあるストリップに整列させることができる。一実施形態において、メッシュ層は、その下にあるストリップに対してずれた関係にしてもよい。一実施形態において、メッシュ層は、その上にあるストリップに対してずれた関係にしてもよい。一実施形態において、メッシュ層、内側ストリップ及び外側ストリップはそれぞれが、互いにずれた関係となる。
【0034】
本発明の先行特許に対する本発明の利点は、以下を含むがそれに限られない。なお、本発明のすべてではないがいくつかがそれぞれ、これらの利点を与える。本発明は、二段階オフラインプロセスよりもむしろ、コーティングされた織布を使用して塗料ローラを製造する一段階インラインプロセスを与えることができる。これにより、必要とされる時間及び廃棄材料の量が低減される。本発明に従って動作する機械は、より少ない接着剤材料を使用するように構成することができる。本発明に係る機械は、ストリップ材料のために使用される接着剤とは異なる処方をされた接着剤をカバー材料のために使用するように構成することができる。本発明に係る機械及びプロセスは、織布の「脱落」を低減する潜在性、又は少なくとも織布とローラコアの残り部分との、すなわちストリップと結合に使用される樹脂との、強力な接合をもたらす潜在性を有する。
【0035】
本明細書における「一実施形態」又は「その実施形態」との言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が、少なくとも本開示の一実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態において」とのフレーズの登場は、必ずしもすべてが同じ実施形態を言及するわけではなく、他実施形態と相互に排他的な別個又は代替の実施形態というわけでもない。さらに、いくつかの実施形態により示され得るが他の実施形態によっては示されない様々な特徴が記載される。同様に、いくつかの実施形態に対する要件となり得るが他の実施形態に対する要件ではない様々な要件が記載される。
【0036】
ここに使用されるように、特に特許請求の範囲の中で使用されるように、第1及び第2のような序数用語は、それ自体、シーケンス、時間又は一意性を意味するわけではなく、むしろ一つの請求された構成を他から区別するべく使用される。文脈が指示するいくつかの使用において、これらの用語は、第1と第2とが一意的であることを意味し得る。例えば、第1時刻に一つの事象が発生して第2時刻に他の事象が発生する場合、第1時刻が第2時刻の前に発生することを意図的に意味するわけではない。しかしながら、第2時刻が第1時刻の後であるとのさらなる限定が請求項に提示される場合、文脈は、第1時刻及び第2時刻が一意の時刻であるように読むことを要求する。同様に、文脈がそのように指示又は許容する場合、序数用語は、2つの特定された請求構成物が、同じ特性又は異なる特性となり得るように、広く解釈することが意図される。
【0037】
上記実施形態及び好ましい選択は、本発明を例示する。この特許があらゆる可能な組み合わせ又は実施形態を概説又は定義することは、必要でもなければ、意図もされていない。本発明者は、当業者が本発明の少なくとも一つの実施形態を実施するのを許容するのに十分な情報を開示した。上記の記載及び図面は、本発明の単なる例示であり、以下の特許請求の範囲に画定される本発明の範囲から逸脱することなく、構成要素、構造及び手順のその変更が可能である。例えば、上述した及び/又は以下の特許請求の範囲における特定の順序の要素及び/又はステップは、本発明から逸脱することなく異なる順序で実施してよい。よって、本発明が実施形態を参照して具体的に図示及び記載されてきたが、当業者は、本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細の様々な変更がなし得ることを理解する。
【国際調査報告】