特表2020-532889(P2020-532889A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-532889(P2020-532889A)
(43)【公表日】2020年11月12日
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20201016BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20201016BHJP
【FI】
   H04W52/02 110
   H04W76/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2019-571561(P2019-571561)
(86)(22)【出願日】2018年8月7日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月24日
(86)【国際出願番号】JP2018029535
(87)【国際公開番号】WO2019044421
(87)【国際公開日】20190307
(31)【優先権主張番号】特願2017-165789(P2017-165789)
(32)【優先日】2017年8月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-245247(P2017-245247)
(32)【優先日】2017年12月21日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067BB37
5K067CC22
5K067DD24
5K067DD30
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
通信装置は、動作時において、アウェイク状態にある通信相手装置との間でウェイクアップ無線(WUR)モードセットアップフレームを交換する主接続無線(PCR)回路と、動作時において、通信相手装置からウェイクアップフレームを受信するウェイクアップ無線(WUR)回路と、を備えており、WURモード以外のモードでWURモードセットアップフレームの交換が正常に完了すると、通信装置は、WUR回路がWURフレームを受信する状態にあるWURモードを開始し、該WURモードにあるWUR回路がウェイクアップフレームを受信すると、PCR回路は、現在の状態をアウェイク状態に変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
動作時において、アウェイク状態にある通信相手装置との間でウェイクアップ無線(WUR)モードセットアップフレームを交換する主接続無線(PCR)回路と、
動作時において、前記通信相手装置からウェイクアップフレームを受信するウェイクアップ無線(WUR)回路と、
を備えており、
WURモード以外のモードで前記WURモードセットアップフレームの交換が正常に完了すると、前記通信装置が、前記WUR回路がWURフレームを受信する状態にあるWURモードを開始し、該WURモードにある前記WUR回路が前記ウェイクアップフレームを受信すると、前記PCR回路が現在の状態をアウェイク状態に変更する、
前記通信装置。
【請求項2】
前記WURモードで前記WURモードセットアップフレームの交換が正常に完了すると、前記PCR回路が、動作時において、現在のWURパラメータを、前記WURモードセットアップフレーム内に含まれるWURパラメータで、更新する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間で、WURネゴシエーション手続きを始めることによってウェイクアップ動作パラメータを特定する、あるいは、WURモード開始手続きを始めることによって前記WURモードを開始する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間でWURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きを始めることによって、ウェイクアップ動作パラメータを特定して前記WURモードを開始する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
ウェイクアップ動作パラメータの1つが、WURビーコン間隔、WURスリープ間隔、あるいは、データレートフィードバック要求である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
ウェイクアップ動作パラメータには、共通ウェイクアップ動作パラメータのうちの少なくとも1つと、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータのうちの少なくとも1つと、が含まれている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間で同期手続き又はアソシエーション手続きを始めることによって、前記共通ウェイクアップ動作パラメータを特定する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間で、WURネゴシエーション手続きを始めることによって前記ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを特定して、WURモード開始手続きを始めることによって前記WURモードを開始する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項9】
前記PCR回路が、動作時において、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きを始めることによって、前記ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを特定して、前記通信装置が前記WURモードを開始するように制御する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項10】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間で、アソシエーション手続きを始めることによって前記ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを特定して、WURモード開始手続きを始めることによって前記WURモードを開始する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項11】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間でアソシエーション手続きを始めることによって、前記ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを特定して前記WURモードを開始する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項12】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置からビーコンフレームを受信することによって、前記共通ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを更新する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項13】
前記PCR回路が、動作時において、前記通信相手装置との間でWURネゴシエーション手続きを始めることによって、前記ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの少なくとも1つを更新する、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項14】
通信方法であって、
主接続無線(PCR)回路によって、アウェイク状態にある通信相手装置との間で、ウェイクアップ無線(WUR)モードセットアップフレームを交換するステップと、
ウェイクアップ無線(WUR)回路によって、前記通信相手装置からウェイクアップフレームを受信するステップと、
を備えており、
WURモード以外のモードで前記WURモードセットアップフレームの交換が正常に完了すると、通信装置が、前記WUR回路がWURフレームを受信する状態にあるWURモードを開始し、該WURモードにある前記WUR回路が前記ウェイクアップフレームを受信すると、前記PCR回路が現在の状態をアウェイク状態に変更する、
前記通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ワーキンググループは、物理(PHY)層仕様と、ウェイクアップ無線(WUR)装置の動作を可能にするメディアアクセス制御(MAC)層仕様についての修正と、を規定することに取り組んでいる。WUR装置は、例えばIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax無線装置などの主接続無線(PCR)装置に対するコンパニオン無線装置である。無線通信機器に含まれるPCR装置はユーザデータの送受信に使用されるが、その機器に含まれるWUR装置はユーザデータの送受信には使用されない。WURモードで動作する無線通信機器の場合、その機器に含まれるPCR装置がオフになると、その機器に含まれるWUR装置はオンになるか、あるいは、周期的にオン又はオフになる。その機器のWUR装置が、その機器のPCR装置が受信すべきトラフィックがあることを通知するウェイクアップ信号を受信すると、その機器はPCR装置をオンにする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】IEEE 802.11-17/0379r4, SFD MAC proposal, May 2017
【非特許文献2】IEEE 802.11-17/0342r4, WUR Negotiation and Acknowledgement Procedure Follow up, March 2017
【非特許文献3】IEEE 802.11-17/0071r0, High Level MAC Concept for WUR, January 2017
【非特許文献4】IEEE 802.11-17/0070r0, Initial Negotiation for WUR, January 2017
【非特許文献5】IEEE 802.11-17/0575r3, Specification Framework for TGba, August 2017
【発明の概要】
【0004】
無線通信機器が如何にしてWURモード動作を効率的に行え得るかについての研究が進行中である。
【0005】
本開示の非制限的且つ代表的な一実施形態により、WURモード動作を効率的に実施することが容易になる。
【0006】
概括的な一態様において、ここに開示する技術は、通信装置であって、動作時において、アウェイク状態にある通信相手装置との間でウェイクアップ無線(WUR)モードセットアップフレームを交換する主接続無線(PCR)回路と、動作時において、通信相手装置からウェイクアップフレームを受信するウェイクアップ無線(WUR)回路と、を備えており、WURモード以外のモードでWURモードセットアップフレームの交換が正常に完了すると、通信装置が、WUR回路がWURフレームを受信する状態にあるWURモードを開始し、該WURモードにあるWUR回路がウェイクアップフレームを受信すると、PCR回路が現在の状態をアウェイク状態に変更する、通信装置、を特徴として備えている。
【0007】
概括的な又は具体的な実施形態が、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、あるいは、それらの任意の選択的な組み合わせとして実施できることに留意されたい。
【0008】
本開示において説明される通信装置及び通信方法を利用することによって、無線通信機器はWURモード動作を効率的に実施できる。
【0009】
ここに開示する実施形態の更なる恩恵及び利点は本明細書及び図面から明らかになるであろう。これらの恩恵及び/又は利点は、本明細書及び図面の種々の実施形態及び特徴によって、個々に得られることもあるが、そのような1つ又は複数の恩恵及び/又は利点を得るために、本明細書及び図面の種々の実施形態及び特徴を必ずしも全て提供する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】無線ネットワークの一例を例示する図
図2】本開示の第1の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図3】本開示の第2の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図4】本開示の第1の態様に従う、無線通信装置についてのWURモード動作に関連する状態遷移を例示する図
図5】本開示の第3の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図6】本開示の第4の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図7】本開示の第5の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図8】本開示の第6の実施形態に従うWURモード動作に関するMAC手続きの一例を例示する図
図9】本開示の第2の態様に従う、無線通信装置についてのWURモード動作に関連する状態遷移を例示する図
図10】本開示に従うウェイクアップフレームのフォーマットの一例を例示する図
図11】本開示に従うWURアクションフレームのフォーマットの一例を例示する図
図12】本開示の第1の態様に従うWURモードエレメントのフォーマットの一例を例示する図
図13】本開示に従うアクションタイプフィールドのフォーマットの一例を例示する図
図14】本開示の第2の態様に従うWURモードエレメントのフォーマットの一例を例示する図
図15】本開示の第2の態様に従うWUR動作エレメントのフォーマットの一例を例示する図
図16A】本開示に従うWURの一例の簡潔なブロック図
図16B】本開示に従うWURの一例の詳細なブロック図
図17A】本開示に従うPCRの一例の簡潔なブロック図
図17B】本開示に従うPCRの一例の詳細なブロック図
図18】本開示に従う無線通信装置についての単純化されたWURモード動作に関連する状態遷移を例示する図
図19A】本開示に従う双方向セットアップ手続きの第1の例を例示する図
図19B】本開示に従う双方向セットアップ手続きの第2の例を例示する図
図20A】本開示に従う一方向ティアダウン手続きの第1の例を例示する図
図20B】本開示に従う一方向ティアダウン手続きの第2の例を例示する図
図21A】本開示に従う一方向セットアップ手続きの第1の例を例示する図
図21B】本開示に従う一方向セットアップ手続きの第2の例を例示する図
図22】本開示に従う一方向更新手続きの一例を例示する図
図23】本開示に従う双方向更新手続きの一例を例示する図
図24】本開示に従うWURアクションフレームのWURアクションフィールドのフォーマットの別の一例を例示する図
図25】本開示に従うWURモードエレメントのアクションタイプフィールドのフォーマットの別の一例を例示する図
図26】本開示に従うWURモードエレメントのWURモード応答状態フィールドのフォーマットの別の一例を例示する図
図27】本開示に従うWURの別の一例の詳細なブロック図
図28】本開示に従うPCRの別の一例の詳細なブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、以下の図面及び実施形態によって、より良く理解できる。ここで説明する実施形態は、本質的に単なる代表例であり、本開示の実施可能な用途及び使用の一部を説明するためのものであり、従って、決して、本明細書に明示的に記載されていない他の実施形態を排除して本開示を限定するものであると解釈されるべきではない。
【0012】
如何なる無線通信システムにおいても、トラフィックニーズ(traffic needs)、機器機能、電源タイプ及びその他の点で相異なる多種多様な機器が、その無線ネットワークの一部を構成しているであろう。一部のクラスの機器は、帯域幅の要件が比較的に低く、また、QoS(Quality of Service:サービスの品質)の要件も比較的にあまり厳しくはないが、消費電力については比較的に多く懸念されることがある(例えば、モバイルフォン)。別のクラスの機器では、帯域幅の要件が低く、デューティサイクルも非常に低いが、バッテリが非常に小さいが故に、あるいは、非常に長い寿命を期待するが故に、電力消費量の影響を非常に受け易いことがある(例えば、リモートセンシング用のセンサ)。
【0013】
多くの無線通信システムには1つ又は複数の中央コントローラが存在するであろうが、それらの中央コントローラは、無線ネットワークのカバレッジエリア、無線周波数チャンネル、デバイスアドミッションポリシ(device admission policy)、及び、他の近隣の無線ネットワークとの調整などを決定し、通常、バックエンドのインフラストラクチャネットワークへのゲートウェイとしても機能する。中央コントローラの例としては、セルラ無線ネットワークにおける基地局又はeNB、あるいは、WLAN(Wireless Local Area Network:ワイヤレスローカルエリアネットワーク)におけるAP(Access Point:アクセスポイント)が挙げられる。
【0014】
本開示において説明する技術は、多くの無線通信システムに適用できるが、例示のために、この開示における残りの記載部分では、IEEE802.11に基づくWLANシステムの観点から、その関連用語を用いて、説明する。これは、別の代わりの無線通信システムを排除して本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。IEEE 802.11に基づくWLANでは、大半のネットワークがインフラストラクチャモードで動作する、即ち、ネットワーク内の全て又は殆どのトラフィックがAPを通過する必要がある。従って、WLANへの参加を望む如何なるSTA(ステーション:局)も、最初に、アソシエーション(association)及び認証(authentication)と呼ばれるプロセスを介して、APとの間でネットワークメンバーシップのネゴシエーションを行う必要がある。
【0015】
図1は、AP110と複数のSTAとを含む例である無線ネットワーク100を例示している。AP110は、PCR装置(以下、単に「PCR」と述べる)112を備えている。STA130は、帯域幅の要件が比較的に低く、また、QoSの要件も比較的にあまり厳しくはないが、消費電力については比較的に多く懸念されることがある機器のクラスを表している。STA140は、帯域幅の要件が低いが、電力消費量の影響を非常に受け易いことがある機器の別のクラスを表している。エネルギ効率を最大にするために、STA130には、PCR132に加えてWUR装置134(以下、単に「WUR」と述べる)が装備されており、STA140には、PCR142に加えてWUR144が装備されている。以下、STA130とSTA140の両方をWUR STAと呼ぶことにする。
【0016】
本開示に従えば、WUR STAは、2つのパワーマネジメントモード、即ち、アクティブモードとPS(パワーセーブ)モードのいずれでも動作できる。これらのSTAは、PSモードで動作している場合、アウェイク状態(awake state)とドーズ状態(doze state)のいずれかにある。PSモードで動作するSTAについて、それがアウェイク状態にある場合、そのPCRはアクティブであり、従って、DL(ダウンリンク)トラフィックを受信でき、あるいは、UL(アップリンク)トラフィックを送信でき、それがドーズ状態である場合、そのPCRはアクティブではなく、従って、ULトラフィックを送信することもDLトラフィックを受信することもできない。STAは、アクティブモードで動作している場合、常にアウェイク状態にある。
【0017】
本開示に従えば、アクティブモード又はPSモードで動作しているWUR STAは、WURモードでも動作できる。このSTAは、PSモードとWURモードの両方で動作している場合、WURアウェイク状態又はWURドーズ状態のいずれかの状態にある。PSモードとWURモードの両方で動作するSTAについて、それがWURアウェイク状態にある場合、そのPCRはアクティブであり、そのWURはアクティブではないことがあり、それがWURドーズ状態にある場合、そのPCRはアクティブではなく、そのWUR受信機はAP110とSTAとの間で合意されたデューティサイクルスケジュール(duty cycle schedule)に従う。STAは、アクティブモードとWURモードの両方で動作している場合、常に、WURアウェイク状態にある。
【0018】
本開示に従えば、デューティサイクルスケジュールは、3つのパラメータ、即ち、デューティサイクルスケジュールについての開始点、デューティサイクルの周期、及び、各デューティサイクル周期におけるオンデュレーションによって表される。デューティサイクルの周期はWUR基本単位の倍数である。各デューティサイクル周期内におけるオンデュレーションは、最小のウェイクアップデュレーションよりも長いか、あるいは、それに等しい。注意すべき点として、PSモードとWURモードの両方で動作してドーズ状態にあるSTAについて、各デューティサイクル周期内のオンデュレーションがデューティサイクルの周期に等しい場合、そのWUR受信機は常にオンである。
【0019】
本開示に従えば、WUR基本単位は、IEEE規格802.11TM-2016に規定された時間単位(1024us)の倍数とすることができる。その結果として、WUR STAの実施を簡素化できる。
【0020】
本開示に従えば、AP110は、PSモードとWURモードの両方で動作するSTAの状態を把握すべきである。換言すれば、AP110は、PSモードとWURモードの両方で動作するSTAがWURアウェイク状態にあるか、あるいは、WURドーズ状態にあるか、を記録する。
【0021】
本開示に従えば、WURドーズ状態にあるSTAついてのDLデータトラフィックが到来しようとしている場合、AP110は、そのSTAについてのDLデータトラフィックをバッファリングして、次に、そのSTAにウェイクアップフレームを送信して、そのSTAについてのDLデータトラフィックがバッファリングされていることを通知する。
【0022】
<第1の実施形態>
図2は、本開示の第1の実施形態に従って、WUR STA(例えば、130)とAP110とによって行われる、WURモード動作に関するMAC手続きを例示している。STAがアソシエーション手続きを介してAP110にアソシエーションされた後にPSモードで動作していると仮定する。STAは、WURモードを開始する前に、AP110との間でWURネゴシエーション手続き210を始めて、このSTAとAP110とによって行われるWURモード動作を規定するウェイクアップ動作パラメータ(wake-up operating parameters)のネゴシエーションを行う。ウェイクアップ動作パラメータの例には、
・STAがウェイクアップフレームを受信できるWURチャンネル、
・ユニキャストウェイクアップフレーム内で使用されるSTA識別子、
・STAのPCRをオンにするために必要な時間、
・STAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、
・WUR基本単位、
・最小のウェイクアップデュレーション、
・WURスリープ間隔、
・データレートフィードバック要求、及び、
・WURビーコン間隔、
などが含まれる。WURネゴシエーション手続き210の期間において、STAが要求ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレーム(WUR Mode Request frame)をAP110に送信し、次に、AP110が合意ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード応答フレームで応答する。
【0023】
ウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了すると、STAは、WURモードを開始するために、AP110との間でWURモード開始手続き(WUR mode entry procedure)220を始めてもよい。このWURモード開始手続き220の期間において、STAは、WURモードの開始要求を含むWURモード要求フレーム(WUR Mode Request frame)をAP110に送信し、次に、AP110が、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURドーズ状態に留まる。
【0024】
本開示の第1の実施形態に従えば、図2に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWURは、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム202を受信すると、WURアウェイク状態に移行し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き230を始める。このDLデータ送信及び確認応答手続き230の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを取り出すためのPSポールフレーム(PS-Poll frame)を、自己のPCRを介してAP110に送信し、ウェイクアップフレーム202の受信成功を通知してもよい。AP110は、バッファリングされたデータフレーム(Data frame)によって、あるいは、ACKフレームと、別のTXOP(Transmission Opportunity:送信機会)においてそれに続く、送信キューの先頭における、バッファリングされたデータフレームと、によって、PSポールフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールド(More Data field)が1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、WURドーズ状態に移行する。
【0025】
本開示の第1の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間で別のWURネゴシエーション手続き240を始める。WURネゴシエーション手続き240の期間において、STAは、AP110に、要求ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレーム(WUR Mode Request frame)を送信し、次に、AP110が、合意ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、いつその合意ウェイクアップ動作パラメータが有効になるかを示すWURモード応答フレーム(WUR Mode Response frame)で応答する。STAは、新たなウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き250を始める。このWURモード終了手続き250の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0026】
本開示の第1の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図2に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0027】
本開示の第1の態様に従えば、AP110は、WURモード(例えば、WURチャンネル)で動作しているSTAとの間で新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0028】
本開示に従って、WURネゴシエーションの期間においてネゴシエーションすることができるウェイクアップ動作パラメータの1つは、いわゆる、WURスリープ間隔である。WURスリープ間隔は、WURモードで動作しているSTAが、AP110との同期を維持する目的で、どれくらいの頻度で自己のPCRをオンにしてビーコンフレームを受信するかをAP110に示す。WURスリープ間隔は、IEEE規格802.11TM-2016で規定されたWNM(Wireless Network Management:無線ネットワーク管理)スリープ期間よりも遥かに長くすることができ、その理由は、WNMスリープモードで動作しているSTAとは異なり、WURモードで動作しているSTAは、データトラフィックがバッファリングされているか否かを検査するためにウェイクアップしてビーコンフレームを受信する必要がないからである。
【0029】
本開示に従えば、WURネゴシエーションの期間においてネゴシエーションすることができるウェイクアップ動作パラメータのもう1つは、いわゆる、データレートフィードバック要求である。STAが複数のデータレートとデータレートフィードバックとをサポートしている場合、AP110は、STAに対して、WURチャンネルで送信された受信ウェイクアップ測定信号の品質に基づいて、推奨されるデータレートを報告するように要求してもよい。その結果、AP110は、WURチャンネルでSTAにウェイクアップ信号を送信するために使用されるデータレートについて、情報に基づいた決定を行うことができる。
【0030】
<第2の実施形態>
図3は、本開示の第2の実施形態に従うWUR STAとAP110とによって行われる、WURモード動作に関連するMAC手続き例を例示している。STAがアソシエーション手続きを介してAP110にアソシエーションされた後にPSモードで動作していると仮定する。STAは、AP110との間でWURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き310を始めて、ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしてWURモードの開始を要求する。WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き310の期間において、STAは、要求ウェイクアップ動作パラメータとWURモード開始要求とを含むWURモード要求フレームをAP110に送信し、次に、AP110が、合意ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURドーズ状態に留まる。
【0031】
本開示の第2の実施形態に従えば、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き310は、WURネゴシエーション手続き210及びWURモード開始手続き220と同じ機能を実施する。その結果、第2の実施形態は、第1の実施形態よりも良好なチャンネル効率を有している。
【0032】
本開示の第2の実施形態に従えば、図3に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWUR受信機は、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム302を受信すると、自己のパワーマネジメントモードをアクティブモードに変更し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き320を始める。このDLデータ送信及び確認応答手続き320の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを取り込み、且つ、ウェイクアップフレーム302の受信成功を通知するための、パワーマネジメントサブフィールド(Power Management subfield)が0に設定されたQoSヌルフレーム(QoS Null frame)を、自己のPCRを介して、AP110に送信してもよい。AP110は、ACKフレームと、それに続く、送信キューの先頭におけるバッファリングされたデータフレームと、によってQoSヌルフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドが1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。
【0033】
STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、PSモードに戻すためのパワーマネジメントモード変更手続き330を始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き330の期間において、STAは、パワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信し、次に、AP110がACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行して、WURドーズ状態に留まる。
【0034】
本開示の第1の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間で別のWURネゴシエーション手続き340を始める。このWURネゴシエーション手続き340の期間において、STAは、AP110に、要求ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、合意ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、いつその合意ウェイクアップ動作パラメータが有効になるかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、新たなウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き350を始める。このWURモード終了手続き350の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0035】
本開示の第1の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図3に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0036】
本開示の第1の態様に従えば、AP110は、WURモードで動作しているSTAとの間で新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0037】
本開示の第1の態様に従えば、全てのウェイクアップ動作パラメータは、図12に例示されているように、WURモードエレメント(WUR Mode element)内で搬送できる。このWURモードエレメントは、図11に例示されているように、WURアクションフレーム(WUR Action frame)内に、例えばWURモード要求フレーム又はWURモード応答フレーム内に、含めることができる。
【0038】
図4は、本開示の第1の態様に従って、STAについてのWURモード動作に関連する状態遷移を例示している。STAは、WURモード動作に関連する4つの状態を有する場合がある。第1の状態においては、全てのウェイクアップ動作パラメータが準備されていない。第2の状態においては、全てのウェイクアップ動作パラメータは準備されているが、WURモードは運用されていない。第3の状態において、WURモードは、WURドーズ状態で運用されている。第4の状態において、WURモードは、WURアウェイク状態で運用されている。図4に例示されているように、第1の状態にあるSTAは、WURネゴシエーション手続きが完了した後に第2の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きが完了した後に、且つ、STAがPSモードにおいても動作している場合には、第3の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きが完了した後に、且つ、STAがアクティブモードにおいても動作している場合には、第4の状態に移行できる。第2の状態にあるSTAは、WURモード開始手続きが完了した後に第3の状態に移行でき、あるいは、WURモード開始手続きが完了した後に、且つ、STAがアクティブモードにおいても動作している場合には、第4の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション手続きが完了した後にウェイクアップ動作パラメータを更新できる。第3の状態にあるSTAは、様々な理由で、例えば、ULデータトラフィックがバッファリングされている場合に、あるいは、ウェイクアップフレームを受信した場合に、第4の状態に移行できる。第4の状態にあるSTAは、WURモード終了手続きの完了後に第2の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション手続きの完了後にウェイクアップ動作パラメータを更新できる。第4の状態にあるSTAは、様々な理由で、例えば、モアデータフィールドが0に設定されたDLデータフレームの確認応答を行う確認応答フレームを送信した後で、あるいは、モアデータフィールドが0に設定されたULデータフレームの確認応答を行う確認応答フレームを受信した後で、第3の状態に移行できる。
【0039】
本開示の第2の態様に従えば、ウェイクアップ動作パラメータは、2つのカテゴリ、即ち、共通ウェイクアップ動作パラメータとユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータに分類される。共通ウェイクアップ動作パラメータは、無線ネットワーク100内の全てのWUR STAに適用可能である。ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータは、無線ネットワーク100内の特定のWUR STAのみに適用可能である。共通ウェイクアップ動作パラメータの例には、
・WURビーコン間隔、
・WUR基本単位、及び
・最小ウェイクアップデュレーション、
などが含まれる。また、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータの例には、
・STAがウェイクアップフレームを受信できるWURチャンネル、
・ユニキャストウェイクアップフレーム内で使用されるSTA識別子、
・STAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、
・WURスリープ間隔、及び
・データレートフィードバック要求、
などが含まれる。
【0040】
本開示の第2の態様に従えば、共通ウェイクアップ動作パラメータは、図15に例示されているように、WUR動作エレメント(WUR Operation element)内において搬送できる。このWUR動作エレメントは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム(Association Response frame)、再アソシエーション応答フレーム(Reassociation Response frame)、あるいは、プローブ応答フレーム(Probe Response frame)内に含めることができる。これらのビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション応答フレーム及びプローブ応答フレームのフォーマットは、IEEE規格802.11TM-2016に規定されている。
【0041】
本開示の第2の態様に従えば、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータは、図14に例示されているように、WURモードエレメント内において搬送できる。このWURモードエレメントは、図11に例示されているようなWURアクションフレーム(例えば、WURモード要求フレーム又はWURモード応答フレーム)内に、あるいは、アソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレーム内に含めることができる。
【0042】
本開示の第2の態様に従えば、共通ウェイクアップ動作パラメータは、STAが同期手続き及び/又はアソシエーション手続きを介してAP110から取得できる。ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータは、STAとAP110との間で、WURネゴシエーション手続き、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き、あるいは、WURネゴシエーションを組み込んだアソシエーション手続きを介して、ネゴシエーションされる。共通ウェイクアップ動作パラメータはユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータほど頻繁には変更されないので、チャンネル効率が最大化される。
【0043】
<第3の実施形態>
図5は、本開示の第3の実施形態に従って、WUR STAとAP110とによって実施される、WURモード動作に関連するMAC手続きの例を例示している。STAは、AP110にアソシエーションされる前に、アクティブモードで動作して、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを介してAP110との同期を取るための同期手続き510を始める。この同期手続き510の期間において、アクティブスキャンが実施される場合、STAは、プローブ要求フレーム(Probe Request frame)をAP110に送信し、このプローブ要求フレームには、STAのWUR能力情報(WUR capability information)(例えば、そのPCRをオンにするのに必要な時間及びデータレートフィードバックのサポート)が含まれていてもよい。そして、次に、AP110は、共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報(例えば、TSF(Time Synchronization Function(時間同期機能))タイマ)とを含むプローブ応答フレームで応答する。このプローブ応答フレームには、AP110のWUR能力情報(例えば、複数のウェイクアップフレームについての周波数領域多重化送信のサポート)が含まれていてもよい。パッシブスキャンが実施される場合、STAは、AP110から共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むビーコンフレームを受信する。このビーコンフレームは、AP110のWUR能力情報を含んでいてもよい。
【0044】
STAは、同期手続き510を介してAP110と同期した後、AP110との間でアソシエーション手続き520を始めてもよい。このアソシエーション手続き520の期間において、STAは、AP110にアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームを送信し、これにはSTAのWUR能力情報が含まれていてもよい。そして、次に、AP110がアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームで応答し、これには共通ウェイクアップ動作パラメータとAP110のWUR能力情報とが含まれていてもよい。
【0045】
STAは、アソシエーション手続き520を介してAP110にアソシエーションされた後に、自己のパワーマネジメントモードをPSモードに変更するためのパワーマネジメントモード変更手続き525を、AP110との間で、始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き525の期間において、STAはパワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信してもよく、AP110はACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行する。その後、STAは、AP110との間で、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションするためのWURネゴシエーション手続き530を始めてもよい。このWURネゴシエーション手続き530の期間において、STAは、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームをAP110に送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード応答フレームで応答する。STAは、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションを完了した後、AP110との間でWURモード開始手続き540を始めてもよい。このWURモード開始手続き540の期間において、STAは、WURモード開始要求を含むWURモード要求フレームをAP110に送信し、次に、AP110が、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURドーズ状態に留まる。
【0046】
本開示の第3の実施形態に従えば、図5に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWURは、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム502を受信すると、WURアウェイク状態に移行し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き550を始める。このDLデータ送信及び確認応答手続き550の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを出すためのPSポールフレームを、自己のPCRを介してAP110に送信し、ウェイクアップフレーム502の受信成功を通知してもよい。AP110は、バッファリングされたデータフレームによって、あるいは、ACKフレームと、別のTXOPにおいてそれに続く、送信キューの先頭における、バッファリングされたデータフレームと、によって、PSポールフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドが1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、WURドーズ状態に移行する。
【0047】
本開示の第2の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間で別のWURネゴシエーション手続き560を始める。このWURネゴシエーション手続き560の期間において、STAは、AP110に、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、いつその合意ウェイクアップ動作パラメータが有効になるかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き570を始める。このWURモード終了手続き570の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0048】
本開示の第2の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図5に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0049】
本開示の第2の態様に従えば、AP110は、WURモードで動作しているSTAとの間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0050】
<第4の実施形態>
図6は、本開示の第4の実施形態に従って、WUR STAとAP110とによって実施される、WURモード動作に関連するMAC手続きの例を例示している。STAは、AP110にアソシエーションされる前に、アクティブモードで動作して、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを介してAP110との同期を取るための同期手続き610を始める。この同期手続き610の期間において、アクティブスキャンが実施される場合、STAは、プローブ要求フレームをAP110に送信し、このプローブ要求フレームには、STAのWUR能力情報が含まれていてもよい。そして、次に、AP110は、共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むプローブ応答フレームで応答する。このプローブ応答フレームには、AP110のWUR能力情報が含まれていてもよい。パッシブスキャンが実施される場合、STAは、AP110から共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むビーコンフレームを受信する。このビーコンフレームには、AP110のWUR能力情報が含まれていてもよい。
【0051】
STAは、同期手続き610を介してAP110と同期した後、AP110との間でアソシエーション手続き620を始めてもよい。このアソシエーション手続き620の期間において、STAは、AP110にアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームを送信し、これにはSTAのWUR能力情報が含まれていてもよい。そして、次に、AP110がアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームで応答し、これには共通ウェイクアップ動作パラメータとAP110のWUR能力情報とが含まれていてもよい。
【0052】
STAは、アソシエーション手続き620を介してAP110にアソシエーションされた後に、自己のパワーマネジメントモードをPSモードに変更するためのパワーマネジメントモード変更手続き625を、AP110との間で、始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き625の期間において、STAはパワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信してもよく、AP110はACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行する。その後、STAは、AP110との間で、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしてWURモードの開始を要求するためのWURネゴシエーション及びWURモードの統合された開始手続き630を始めてもよい。このWURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された開始手続き630の期間において、STAは、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータとWURモード開始要求とを含むWURモード要求フレームをAP110に送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURドーズ状態に留まる。
【0053】
本開示の第4の実施形態に従えば、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された開始手続き630は、第3の実施形態におけるWURネゴシエーション手続き530及びWURモード開始手続き540と同じ機能を実施する。その結果、第4の実施形態は、第3の実施形態よりも良好なチャンネル効率を有している。
【0054】
本開示の第4の実施形態に従えば、図6に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWUR受信機は、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム602を受信すると、自己のパワーマネジメントモードをPSモードからアクティブモードに変更し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き640を始めてもよい。このDLデータ送信及び確認応答手続き640の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを取り込み、且つ、ウェイクアップフレーム602の受信成功を通知するための、パワーマネジメントサブフィールドが0に設定されたQoSヌルフレームを、自己のPCRを介して、AP110に送信してもよい。AP110は、ACKフレームと、それに続く、送信キューの先頭におけるバッファリングされたデータフレームと、によってQoSヌルフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドが1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。
【0055】
STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、PSモードに戻すためのパワーマネジメントモード変更手続き650を始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き650の期間において、STAは、パワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信し、次に、AP110がACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行して、WURドーズ状態に留まる。
【0056】
本開示の第2の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間で別のWURネゴシエーション手続き660を始める。このWURネゴシエーション手続き660の期間において、STAは、AP110に、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含み、且つ、いつその合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータが有効になるかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き670を始める。このWURモード終了手続き670の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0057】
本開示の第2の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図6に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0058】
本開示の第2の態様に従えば、AP110は、WURモードで動作しているSTAとの間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0059】
<第5の実施形態>
図7は、本開示の第5の実施形態に従って、WUR STAとAP110とによって実施される、WURモード動作に関連するMAC手続きの例を例示している。STAは、AP110にアソシエーションされる前に、アクティブモードで動作して、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを介してAP110との同期を取るための同期手続き710を始める。この同期手続き710の期間において、アクティブスキャンが実施される場合、STAは、プローブ要求フレームをAP110に送信し、このプローブ要求フレームには、STAのWUR能力情報が含まれている。そして、次に、AP110は、共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むプローブ応答フレームで応答する。このプローブ応答フレームにはAP110のWUR能力情報も含まれている。パッシブスキャンが実施される場合、STAは、AP110から共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むビーコンフレームを受信する。このビーコンフレームにはAP110のWUR能力情報も含まれている。
【0060】
STAは、同期手続き710を介してAP110と同期した後、AP110との間で、WURネゴシエーションを組み込んだアソシエーション手続き720を始めてもよい。このアソシエーション手続き720の期間において、STAは、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームをAP110に送信する。そして、次に、AP110は、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームで応答する。
【0061】
本開示の第5の実施形態に従えば、アソシエーション手続き720は、第3の実施形態におけるアソシエーション手続き520及びWURネゴシエーション手続き530と同じ機能を実施する。その結果、第5の実施形態は、第3の実施形態よりも良好なチャンネル効率を有している。
【0062】
STAは、アソシエーション手続き720を介してAP110にアソシエーションされた後に、自己のパワーマネジメントモードをPSモードに変更するためのパワーマネジメントモード変更手続き725を、AP110との間で、始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き725の期間において、STAはパワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信してもよく、AP110はACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行する。その後、STAは、AP110との間でWURモード開始手続き730を始めてもよい。このWURモード開始手続き730の期間において、STAは、WURモード開始要求を含むWURモード要求フレームをAP110に送信し、次に、AP110が、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURドーズ状態に留まる。
【0063】
本開示の第5の実施形態に従えば、図7に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWURは、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム702を受信すると、WURアウェイク状態に移行し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き740を始める。このDLデータ送信及び確認応答手続き740の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを取り出すためのPSポールフレームを、自己のPCRを介してAP110に送信し、ウェイクアップフレーム702の受信成功を通知してもよい。AP110は、バッファリングされたデータフレームによって、あるいは、ACKフレームと、別のTXOPにおいてそれに続く、送信キューの先頭における、バッファリングされたデータフレームと、によって、PSポールフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドが1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、WURドーズ状態に移行する。
【0064】
本開示の第2の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURネゴシエーション手続き750を始める。このWURネゴシエーション手続き750の期間において、STAは、AP110に、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード応答フレームで応答する。STAは、このWURモード応答フレームを受信した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き760を始める。このWURモード終了手続き760の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0065】
本開示の第2の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図7に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0066】
本開示の第2の態様に従えば、AP110は、WURモードで動作しているSTAとの間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0067】
<第6の実施形態>
図8は、本開示の第6の実施形態に従って、WUR STAとAP110とによって実施される、WURモード動作に関連するMAC手続きの例を例示している。STAは、AP110にアソシエーションされる前に、アクティブモードで動作して、パッシブスキャン又はアクティブスキャンを介してAP110との同期を取るための同期手続き810を始める。この同期手続き810の期間において、アクティブスキャンが実施される場合、STAは、プローブ要求フレームをAP110に送信し、このプローブ要求フレームには、STAのWUR能力情報が含まれている。そして、次に、AP110は、共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むプローブ応答フレームで応答する。このプローブ応答フレームにはAP110のWUR能力情報も含まれている。パッシブスキャンが実施される場合、STAは、AP110から共通ウェイクアップ動作パラメータと必要な同期情報とを含むビーコンフレームを受信する。このビーコンフレームにはAP110のWUR能力情報も含まれている。
【0068】
STAは、同期手続き810を介してAP110と同期した後、AP110との間で、WURネゴシエーションとWURモード開始とを組み込んだアソシエーション手続き820を始めてもよい。このアソシエーション手続き820の期間において、STAは、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータとWURモード開始要求とを含むアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームをAP110に送信する。そして、次に、AP110は、STAのWURモード開始要求を受諾するか、あるいは、拒絶するかを示し、且つ、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームで応答する。STAは、WURモード開始要求が受諾されたことを示すアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームを受信した後、WURモードを開始して、WURアウェイク状態に留まる。
【0069】
本開示の第6の実施形態に従えば、アソシエーション手続き820は、第4の実施形態におけるアソシエーション手続き620及びWURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された開始手続き630と同じ機能を実施する。その結果、第6の実施形態は、第4の実施形態よりも良好なチャンネル効率を有している。
【0070】
STAは、アソシエーション手続き820を介してAP110にアソシエーションされた後に、自己のパワーマネジメントモードをPSモードに変更するためのパワーマネジメントモード変更手続き825を、AP110との間で、始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き825の期間において、STAはパワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信してもよく、AP110はACKフレームで応答する。STAは、このACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行して、WURドーズ状態に留まる。
【0071】
本開示に従えば、図8に示されているように、WURドーズ状態にあるSTAのWUR受信機は、AP110からユニキャストウェイクアップフレーム802を受信すると、自己のパワーマネジメントモードをアクティブモードに変更し、次に、AP110との間でDLデータ送信及び確認応答手続き830を始めてもよい。このDLデータ送信及び確認応答手続き830の期間において、STAは、バッファリングされたトラフィックを取り込み、且つ、ウェイクアップフレーム802の受信成功を通知するための、パワーマネジメントサブフィールドが0に設定されたQoSヌルフレームを、自己のPCRを介して、AP110に送信してもよい。AP110は、ACKフレームと、それに続く、送信キューの先頭におけるバッファリングされたデータフレームと、によってQoSヌルフレームに応答する。STAについて更なるトラフィックがバッファリングされている場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドが1に設定される。そうでない場合には、配信されるデータフレーム内のモアデータフィールドは0に設定される。STAは、データフレームの受信成功を通知する確認応答フレームによって、応答する。確認応答フレームは、ACKフレーム、あるいは、BlockACKフレームのいずれかである。
【0072】
STAは、0に設定されたモアデータフィールドを含むデータフレームの受信成功を通知する確認応答フレームを送信した後、PSモードに戻すためのパワーマネジメントモード変更手続き840を始めてもよい。このパワーマネジメントモード変更手続き840の期間において、STAは、パワーマネジメントサブフィールドが1に設定されたQoSヌルフレームをAP110に送信し、次に、AP110がACKフレームで応答する。STAは、ACKフレームを受信した後、PSモードでの動作に移行して、WURドーズ状態に留まる。
【0073】
本開示の第2の態様に従えば、STAは、ウェイクアップフレームが受信されなくても、あるいは、ULデータトラフィックがバッファリングされていなくても、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行してもよい。一例として、STAは、AP110との間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータ(例えば、自己のWUR受信機のデューティサイクルスケジュール)をネゴシエーションしようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間で別のWURネゴシエーション手続き850を始める。このWURネゴシエーション手続き850の期間において、STAは、AP110に、要求ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、合意ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを含むWURモード応答フレームで応答する。STAは、このWURモード応答フレームを受信した後、WURドーズ状態に移行する。別の一例として、STAは、WURモードを終了しようとする場合、WURドーズ状態からWURアウェイク状態に移行して、AP110との間でWURモード終了手続き860を始める。このWURモード終了手続き860の期間において、STAは、AP110に、WURモードを終了する要求を含むWURモード要求フレームを送信し、次に、AP110が、WURモードを終了するSTAの要求を受諾するか、あるいは、拒否するかを示すWURモード応答フレームで応答する。STAは、WURモードを終了する要求が受諾されたことを示すWURモード応答フレームを受信した後、WURモードを終了してPSモードのみで動作する。
【0074】
本開示の第2の態様に従えば、WURモードで動作しているSTAは、図8に例示されているように、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションすることができる。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0075】
本開示の第2の態様に従えば、AP110は、WURモードで動作しているSTAとの間で新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしようとする場合、WURモードで動作しているSTAに新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションしたいことを通知する図10に例示されているようなウェイクアップフレームを送信する。WURモードで動作しているSTAは、そのようなウェイクアップフレームを受信した後、WURモードを終了する必要なしに、AP110との間でWURネゴシエーション手続きを始めて新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションする。その結果、チャンネル効率が最大化される。
【0076】
図9は、本開示の第2の態様に従って、STAについてのWURモード動作に関連する状態遷移を例示している。STAは、WURモード動作に関連する5つの状態を有している。第1の状態においては、全てのウェイクアップ動作パラメータが準備されていない。第2の状態においては、共通ウェイクアップ動作パラメータは準備されているが、ユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータは準備されていない。第3の状態においては、全てのウェイクアップ動作パラメータは準備されているが、WURモードは運用されていない。第4の状態において、WURモードはWURドーズ状態で運用されている。第5の状態において、WURモードはWURアウェイク状態で運用されている。図9に例示されているように、第1の状態にあるSTAは、同期手続き及び/又はアソシエーション手続きが完了した後に第2の状態に移行でき、あるいは、同期手続きとWURネゴシエーションを組み込んだアソシエーション手続きとが完了した後に第3の状態に移行でき、あるいは、同期手続きとWURネゴシエーション及びWURモード開始を組み込んだアソシエーション手続きとが完了し且つSTAがPSモードにおいても動作している場合には第4の状態に移行でき、あるいは、同期手続きとWURネゴシエーション及びWURモード開始を組み込んだアソシエーション手続きとが完了し且つSTAがアクティブモードにおいても動作している場合には第5の状態に移行できる。第2の状態にあるSTAは、WURネゴシエーション手続きが完了した後に第3の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きが完了し且つSTAがPSモードにおいても動作している場合には第4の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きが完了し且つSTAがアクティブモードにおいても動作している場合には第5の状態に移行できる。第3の状態にあるSTAは、WURモード開始手続きが完了した後に第4の状態に移行でき、あるいは、WURモード開始手続きが完了し且つSTAがアクティブモードにおいても動作している場合には第5の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション手続きが完了した後にユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを更新でき、あるいは、AP110からビーコンフレームを受信した後に共通ウェイクアップ動作パラメータを更新できる。第4の状態にあるSTAは、様々な理由で、例えば、ULデータトラフィックがバッファリングされている場合に、あるいは、ウェイクアップフレームを受信した場合に、第5の状態に移行できる。第5の状態にあるSTAは、WURモード終了手続きが完了した後に第3の状態に移行でき、あるいは、WURネゴシエーション手続きが完了した後にユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータを更新でき、あるいは、AP110からビーコンフレームを受信した後に共通ウェイクアップ動作パラメータを更新できる。第5の状態にあるSTAは、様々な理由で、例えば、モアデータフィールドが0に設定されたDLデータフレームの確認応答を行った後で、あるいは、モアデータフィールドが0に設定されたULデータフレームの確認応答を行う確認応答フレームを受信した後で、第4の状態に移行できる。
【0077】
<ウェイクアップフレームのフォーマット例>
図10は、本開示に従うウェイクアップフレーム1000のフォーマット例を例示している。ウェイクアップフレーム1000には、タイプフィールド1002、BSSカラーフィールド1004、STA IDフィールド1006、及び、パラメータネゴシエーション要求フィールド1008が含まれている。タイプフィールド1002は、ウェイクアップフレーム1000のタイプ、例えば、ユニキャストウェイクアップフレーム、マルチキャストウェイクアップフレーム、あるいは、WURビーコンフレームを示している。BSSカラーフィールド1004は、ネットワーク100の識別子を示している。STA IDフィールド1006は、意図されるSTAの識別子を示している。ウェイクアップフレーム1000がユニキャストウェイクアップフレームでない場合、STA IDフィールド1006は存在しない。パラメータネゴシエーション要求フィールド1008は、AP110が新たなウェイクアップ動作パラメータ又は新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータをネゴシエーションするつもりであるか否かを示している。
【0078】
<WURアクションフレームのフォーマット例>
図11は、本開示に従うWURアクションフレーム1100のフォーマット例を例示している。WURアクションフレーム1100には、MACヘッダ部分1110とフレームボディ部分1120とが含まれている。フレームボディ部分1120には、WURアクションフィールド1122とWURモードエレメント1124とが含まれている。WURアクションフィールド1122は、WURアクションフレーム1100のタイプ、例えば、WURモード要求フレーム又はWURモード応答フレームを示している。
【0079】
図12は、本開示の第1の態様に従うWURモードエレメント1124のフォーマット例を例示している。WURモードエレメント1124には、アクションタイプフィールド1202、WURモード応答状態フィールド1204、共通パラメータフィールド1206、ユーザ固有パラメータフィールド1208、及び、パラメータ変更時間フィールド1210が含まれている。アクションタイプフィールド1202は、図13に例示されているように、WURモードエレメント1124を含むWURアクションフレーム1100が含まれているWURネゴシエーション手続き、WURモード開始手続き、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き、及び、WURモード終了手続きのいずれかの1つを示している。WURモード応答状態フィールド1204は、WURモードの開始又は終了の要求が受諾されているか、あるいは、拒絶されているかを示している。共通パラメータフィールド1206には、例えば、WURビーコン間隔、WUR時間単位、及び、最小ウェイクアップデュレーションなどのようなウェイクアップ動作パラメータが含まれている。ユーザ固有パラメータフィールド1208には、例えば、WURスリープ間隔、STAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、データレートフィードバック要求、WURチャンネル、及び、STA IDなどのようなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータが含まれている。パラメータ変更時間フィールド1210は、新たなウェイクアップ動作パラメータがいつ有効になるかを示している。
【0080】
図14は、本開示の第2の態様に従うWURモードエレメント1124のフォーマット例を例示している。WURモードエレメント1124には、アクションタイプフィールド1402、WURモード応答状態フィールド1404、ユーザ固有パラメータフィールド1408、及び、パラメータ変更時間フィールド1410が含まれている。アクションタイプフィールド1402は、図13に例示されているように、WURモードエレメント1124を含むWURアクションフレーム1100が含まれているWURネゴシエーション手続き、WURモード開始手続き、WURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続き、及び、WURモード終了手続きのいずれかの1つを示している。WURモード応答状態フィールド1404は、WURモードの開始又は終了の要求が受諾されているか、あるいは、拒絶されているかを示している。ユーザ固有パラメータフィールド1408には、例えば、WURスリープ間隔、STAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、データレートフィードバック要求、WURチャンネル、及び、STA IDなどのようなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータが含まれている。パラメータ変更時間フィールド1410は、新たなユーザ固有ウェイクアップ動作パラメータがいつ有効になるかを示している。
【0081】
<WUR動作エレメントのフォーマット例>
図15は、本開示の第2の態様に従うWUR動作エレメント1500のフォーマット例を例示している。WUR動作エレメント1500には共通パラメータフィールド1506が含まれている。共通パラメータフィールド1506には、例えば、WURビーコン間隔、WUR時間単位、及び、最小ウェイクアップデュレーションなどのような共通ウェイクアップ動作パラメータが含まれている。
【0082】
<WUR装置の構成>
図16Aは、ウェイクアップ信号を受信できるWUR1600の例の簡潔なブロック図である。WUR1600は、図1に例示されているようなSTA130内のWUR134又はSTA140内のWUR144であってもよい。WUR1600は、受信機1610と受信信号プロセッサ1620を備えている。受信機1610はウェイクアップ信号の受信を担当しており、受信信号プロセッサ1620は、受信されたウェイクアップ信号の処理を担っている。
【0083】
図16Bは、WUR1600の例の詳細なブロック図である。WUR1600は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用されるコントローラ1630を更に備えている。WUR1600の受信機1610は、アンテナを介して受信したPPDUをMACフレーム(例えば、ウェイクアップフレーム又はWURビーコンフレーム)に変換することを担うPHYプロセッサ1612を備えている。WUR1600の受信信号プロセッサ1620は、本開示の種々の実施形態に従って、コントローラ1630の制御の下で、受信されたMACフレームの処理(例えば、MACヘッダの解析など)を行うことと、対応するMAC情報をコントローラ1630に渡すことと、を担うメッセージプロセッサ1622を備えている。
【0084】
WUR1600は、図16A及び図16Bにおいて、明瞭化のために、図示されていない他の多くの構成要素を備えていてもよい。本開示に最も関係のある構成要素のみが図示されている。
【0085】
<PCR装置の構成>
図17Aは、標準IEEE802.11信号を送受信できるPCR1700の例の簡潔なブロック図である。PCR1700は、図1に例示されているようなAP110内のPCR112、STA130内のPCR132、あるいは、STA140内のPCR142であってもよい。特に、AP110内のPCR112は、ウェイクアップ信号も送信できる。PCR1700は、送信信号生成回路1710、トランシーバ1720、及び、受信信号プロセッサ1730を備えている。送信信号生成回路1710は、必要であれば、標準IEEE802.11信号及びウェイクアップ信号を生成することを担い、トランシーバ1720は、必要であれば、生成された標準IEEE802.11信号及びウェイクアップ信号を送信すること、及び、標準IEEE802.11信号を受信することを担い、受信信号プロセッサ1730は、受信された標準IEEE802.11信号を処理することを担っている。
【0086】
図17Bは、PCR1700の例の詳細なブロック図である。PCR1700は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用されるコントローラ1740を更に備えている。送信信号生成回路1710は、本開示の種々の実施形態に従って、コントローラ1740の制御の下で、MACフレーム(例えば、ビーコンフレーム、プローブ要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、再アソシエーション要求/応答フレーム、データフレーム、確認応答フレーム、WURアクションフレーム、ウェイクアップフレーム、及び、WURビーコンフレーム)の生成を担うメッセージ生成回路1712を備えている。トランシーバ1720は、生成されたMACフレームをPPDUに組み上げてアンテナを介して送信し、また、アンテナを介して受信したPPDUをMACフレームに変換することを担うPHYプロセッサ1722を備えている。受信信号プロセッサ1730は、コントローラ1740の制御の下で、受信されたMACフレームの処理(例えば、MACヘッダの解析など)を行うことと、対応するMAC情報をコントローラ1740に渡すことと、を担うメッセージプロセッサ1732を備えている。
【0087】
PCR1700は、図17A及び図17Bにおいて、明瞭化のために、図示されていない他の多くの構成要素を備えていてもよい。本開示に最も関係のある構成要素のみが図示されている。
【0088】
<WURモード動作に関連するステートマシン>
図18は、本開示に従うSTAについての単純化されたWURモード動作に関連するステートマシンを例示している。STAには、WURモード動作に関連する3つの状態がある。第1の状態は「ノーWUR(no WUR)」と呼ばれ、これにおいては、ウェイクアップ動作パラメータは準備されていない。この第1の状態においては、AP110とSTAとの間でウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了していないか、あるいは、STAがWURモードを終了した後に、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータが破棄されている。図18に例示された第1の状態は、図4に例示された第1の状態に、あるいは、図9に例示された第1及び第2の状態に、対応している。第2の状態は「WURモードサスペンド」と呼ばれ、これにおいては、ウェイクアップ動作パラメータは準備されているが、WURモードは運用されていない。この第2の状態においては、AP110とSTAとの間でウェイクアップ動作パラメータのネゴシエーションが完了しているか、あるいは、STAがWURモードを終了した後でも、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータが維持されている。図18に例示された第2の状態は、図4に例示された第2の状態に、あるいは、図9に例示された第3の状態に、対応している。第3の状態は「WURモード」と呼ばれ、これにおいては、STAは、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータに従って、WURモードで動作している。図18に例示された第3の状態は、図4に例示された第3及び第4の状態に、あるいは、図9に例示された第4及び第5の状態に、対応している。
【0089】
図18に例示されているように、「ノーWUR」の状態にあるSTAは、このSTAによって始められた双方向セットアップ手続きが完了した後に、「WURモードサスペンド」での動作に移行できる。図19Aは、本開示に従う双方向セットアップ手続きの第1の例を例示している。双方向セットアップ手続きの第1の例は、図7に例示されたWURネゴシエーション付きアソシエーション手続きと同じ機能を有している。STAは、AP110にアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームを送信する。このアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始要求(Enter WUR Mode Suspend Request)」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、アソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、アソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームをSTAに送信する。このアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始応答(Enter WUR Mode Suspend Response)」に設定されており、WURモード応答状態フィールドが(図26に例示された)「WURモードサスペンド開始受諾」又は「拒否」に設定されている。WURモード応答状態フィールドが「WURモードサスペンド開始受諾」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれている。WURモード応答状態フィールドが「拒否」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。図19Bは、本開示に従う双方向セットアップ手続きの第2の例を例示している。この双方向セットアップ手続きの第2の例は、図2に例示されたWURネゴシエーション手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモードセットアップフレームをAP110に送信する。このWURモードセットアップフレームは、WURアクションフィールドが(図24に例示された)「WURモードセットアップ」に設定された(図11に例示されたような)WURアクションフレームである。WURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始要求」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、WURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、WURモードセットアップフレームをSTAに送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始応答」に設定されており、WURモード応答状態フィールドが(図26に例示された)「WURモードサスペンド開始受諾」又は「拒否」に設定されている。WURモード応答状態フィールドが「WURモードサスペンド開始受諾」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれている。WURモード応答状態フィールドが「拒否」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。
【0090】
図18に例示されているように、「WURモードサスペンド」の状態にあるSTAは、AP110又はこのSTAによって始められた一方向ティアダウン手続きが完了した後、「ノーWUR」での動作に移行できる。図20Aは、STAによって始められる一方向ティアダウン手続きの第1の例を例示している。STAは、WURモードティアダウンフレームをAP110に送信する。このWURモードティアダウンフレームは、WURアクションフィールドが(図24に例示された)「WURモードティアダウン」に設定された(図11に例示されたような)WURアクションフレームである。このWURモードティアダウンフレームにはWURモードエレメントは含まれていない。AP110は、WURモードティアダウンフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを受信した後に、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを破棄する。図20Bは、AP110によって始められる一方向ティアダウン手続きの第2の例を例示している。AP110は、WURモードティアダウンフレームをSTAに送信する。このWURモードティアダウンフレームにはWURモードエレメントは含まれていない。STAは、このWURモードティアダウンフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを送信した後に、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを破棄する。
【0091】
図18に例示されているように、「ノーWUR」の状態にあるSTAは、このSTAによって始められた双方向セットアップ手続きが完了した後に、「WURモード」での動作に移行できる。図19Aは、双方向セットアップ手続きの第1の例を例示している。この双方向セットアップ手続きの第1の例は、図8に例示された、統合されたWURネゴシエーション及びWURモード開始を組み込んだアソシエーション手続きと同じ機能を有している。STAは、アソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームをAP110に送信する。このアソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始要求(Enter WUR Mode Request)」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、アソシエーション要求フレーム又は再アソシエーション要求フレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、アソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームをSTAに送信する。このアソシエーション応答フレーム又は再アソシエーション応答フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始応答(Enter WUR Mode Response)」に設定されており、WURモード応答状態フィールドが(図26に例示された)「WURモード開始受諾」又は「拒否」に設定されている。WURモード応答状態フィールドが「WURモード開始受諾」である場合には、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれている。WURモード応答状態フィールドが「拒否」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。図19Bは、双方向セットアップ手続きの第2の例を例示している。この双方向セットアップ手続きの第2の例は、図3に例示されたWURネゴシエーション及びWURモード開始の統合された手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモードセットアップフレームをAP110に送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始要求」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、WURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、WURモードセットアップフレームをSTAに送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始応答」に設定されており、WURモード応答状態フィールドが(図26に例示された)「WURモード開始受諾」又は「拒否」に設定されている。WURモード応答状態フィールドが「WURモード開始受諾」である場合には、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれている。WURモード応答状態フィールドが「拒否」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。
【0092】
図18に例示されているように、「WURモード」の状態にあるSTAは、このSTA又はAP110によって始められた一方向ティアダウン手続きが完了した後に、「ノーWUR」での動作に移行できる。図20Aは、STAによって始められる一方向ティアダウン手続きの第1の例を例示している。STAは、WURモードティアダウンフレームをAP110に送信する。このWURモードティアダウンフレームは、WURアクションフィールドが(図24に例示された)「WURモードティアダウン」に設定された(図11に例示されたような)WURアクションフレームである。このWURモードティアダウンフレームにはWURモードエレメントは含まれていない。AP110は、WURモードティアダウンフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを受信した後に、WURモードを終了して、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを破棄する。図20Bは、AP110によって始められる一方向ティアダウン手続きの第2の例を例示している。AP110は、WURモードティアダウンフレームをSTAに送信する。このWURモードティアダウンフレームにはWURモードエレメントは含まれていない。STAは、このWURモードティアダウンフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを送信した後に、WURモードを終了して、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを破棄する。
【0093】
図18に例示されているように、「WURモードサスペンド」の状態にあるSTAは、このSTAによって始められた一方向又は双方向のセットアップ手続きが完了した後に、「WURモード」に移行できる。図21Aは、STAによって始められる一方向セットアップ手続きの例を例示している。この一方向セットアップ手続きの例は、図5に例示されたWURモード開始手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモードセットアップフレームをAP110に送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始」に設定されており、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。AP110は、このWURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを受信した後に、既存のウェイクアップ動作パラメータに従って、WURモードで動作する。図19Bは、STAによって始められる双方向セットアップ手続きの例を例示している。この双方向セットアップ手続きの例は、図3に例示されたWURモード開始及びWURネゴシエーションの統合された手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモードセットアップフレームをAP110に送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始要求」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、WURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、WURモードセットアップフレームをSTAに送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモード開始応答」に設定されており、WURモード応答状態フィールドが(図26に例示された)「WURモード開始受諾」又は「拒否」に設定されている。WURモード応答状態フィールドが「WURモード開始受諾」である場合には、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれている。WURモード応答状態フィールドが「拒否」に設定されている場合には、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。
【0094】
図18に例示されているように、「WURモード」の状態にあるSTAは、このSTA又はAP110によって始められた一方向セットアップ手続きが完了した後に、「WURモードサスペンド」に移行できる。図21Aは、STAによって始められる一方向セットアップ手続きの第1の例を例示している。この一方向セットアップ手続きの第1の例は、図2に例示されたWURモード終了手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモードセットアップフレームをAP110に送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始」に設定されており、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。AP110は、このWURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを受信した後に、WURモードを終了して、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを維持する。図21Bは、AP110によって始められる一方向セットアップ手続きの第2の例を例示している。AP110は、WURモードセットアップフレームをSTAに送信する。このWURモードセットアップフレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURモードサスペンド開始」に設定されており、共通パラメータフィールドとユーザ固有パラメータフィールドは存在しない。STAは、このWURモードセットアップフレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。STAは、このAckフレームを送信した後に、WURモードを終了して、ネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを維持する。
【0095】
図18に例示されているように、「WURモードサスペンド」又は「WURモード」の状態にあるSTAについて、ウェイクアップ動作パラメータは、AP110によって始められる一方向手続き又はSTAによって始められる双方向更新手続きを介して、更新できる。図22は、AP110によって始められる一方向更新手続きの一例を例示している。AP110は、WURモード更新フレームをSTAに送信する。このWURモード更新フレームは、WURアクションフィールドが(図24に例示された)「WURモード更新」に設定された(図11に例示されたような)WURアクションフレームである。このWURモード更新フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURパラメータ更新」に設定されており、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれており、パラメータ変更時間フィールドには新たなウェイクアップ動作パラメータがいつ有効になるかが示されている。STAは、このWURモード更新フレームの受信に成功するとAckフレームで応答し、それに応じてウェイクアップ動作パラメータを更新する。図23は、STAによって始められる双方向更新手続きの一例を例示している。この双方向更新手続きの一例は、図2に例示されたWURネゴシエーション手続きと同じ機能を有している。STAは、WURモード更新フレームをAP110に送信する。このWURモード更新フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURパラメータ更新要求」に設定されており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機の望ましいデューティサイクルスケジュールが含まれている。AP110は、このWURモード更新フレームの受信に成功すると、Ackフレームで応答する。その後、AP110は、WURモード更新フレームをSTAに送信する。このWURモード更新フレームは(図12に例示されたような)WURモードエレメントを含んでおり、このWURモードエレメントにおいて、アクションタイプフィールドが(図25に例示された)「WURパラメータ更新応答」に設定されており、共通パラメータフィールドにはWURビーコン間隔などが含まれており、ユーザ固有パラメータフィールドにはSTAのWUR受信機のデューティサイクルスケジュール、WID及びWUR動作チャンネルなどが含まれており、パラメータ変更時間フィールドには新たなウェイクアップ動作パラメータがいつ有効になるかが示されている。STAは、このWURモード更新フレームの受信に成功するとAckフレームで応答し、それに応じてウェイクアップ動作パラメータを更新する。
【0096】
本開示に従えば、AP110が、「WURモードサスペンド」又は「WURモード」の状態にあるSTAについて、ウェイクアップ動作パラメータを変更しようとする場合には、図22に例示された一方向更新手続きが望ましく、その理由は、それが、図23に例示された双方向更新手続きよりもチャンネルオーバーヘッドが少ないからである。
【0097】
本開示に従えば、「WURモードサスペンド」の状態にあるSTAが新たなウェイクアップ動作パラメータを用いた「WURモード」での動作に移行しようとする場合には、図19Bに例示された双方向セットアップ手続きが望ましく、その理由は、それが、図23に例示された双方向更新手続きと、それに続く、図21Aに例示された一方向セットアップ手続きよりもチャンネルオーバーヘッドが少ないからである。
【0098】
<WURアクションフィールドのフォーマット例>
図24は、本開示に従うWURアクションフレーム1100のWURアクションフィールド1122のフォーマットの別の一例を例示している。WURアクションフィールド1122は、WURアクションフレーム1100のタイプ、例えば、WURモードセットアップフレーム、WURモードティアダウンフレーム、あるいは、WURモード更新フレームを示している。
【0099】
<アクションタイプフィールドのフォーマット例>
図25は、本開示に従うWURモードエレメント1124のアクションタイプフィールド1202のフォーマットの別の一例を例示している。アクションタイプフィールド1202は、WURモードエレメント1124を含むアソシエーション要求フレーム、アソシエーション応答フレーム、再アソシエーション要求フレーム、再アソシエーション応答フレーム、WURモードセットアップフレーム、あるいは、WURモード更新フレームについてのWURモード動作に関連するアクションを示している。
【0100】
<WURモード応答状態フィールドのフォーマット例>
図26は、本開示に従うWURモードエレメント1124のWURモード応答状態フィールド1204のフォーマットの別の一例を例示している。WURモード応答状態フィールド1204は、「WURモード」又は「WURモードサスペンド」での動作についてのSTAの要求が受諾されているか、あるいは、拒絶されているかを示している。
【0101】
<WUR装置の構成>
図27は、WUR1600の別の一例の詳細なブロック図である。WUR1600は、コントローラ2730とWURメモリ2740を更に備えている。コントローラ2730は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用される。受信機1610は、アンテナを介して受信したPPDUをMACフレーム(例えば、ウェイクアップフレーム又はWURビーコンフレーム)に変換することを担うPHYプロセッサ2712を備えている。受信信号プロセッサ1620は、本開示の種々の実施形態に従って、コントローラ2730の制御の下で、受信MACフレームを処理して、対応するMAC情報をコントローラ2730に渡すことを担うメッセージプロセッサ2722を備えている。WURメモリ2740は、特にWUR STAが「WURモードサスペンド」で動作する際に、WUR1600を含むWUR STA(例えば、130又は140)とAP110との間でのネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを記憶することを担っている。
【0102】
<PCR装置の構成>
図28は、PCR1700の別の一例の詳細なブロック図である。PCR1700は、コントローラ2840を更に備えている。コントローラ2840は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用される。送信信号生成回路1710は、本開示の種々の実施形態に従って、コントローラ2840の制御の下で、MACフレーム(例えば、ビーコンフレーム、プローブ要求/応答フレーム、アソシエーション要求/応答フレーム、再アソシエーション要求/応答フレーム、データフレーム、確認応答フレーム、WURアクションフレーム、ウェイクアップフレーム、及び、WURビーコンフレーム)を生成することを担うメッセージ生成回路2812を備えている。トランシーバ1720は、生成されたMACフレームをPPDUに組み上げてアンテナを介して送信することと、アンテナを介して受信したPPDUをMACフレームに変換することと、を担うPHYプロセッサ2822を備えている。受信信号プロセッサ1730は、コントローラ2840の制御の下で、受信MACフレームの処理(例えば、MACヘッダの解析など)を行って、対応するMAC情報をコントローラ2840に渡すことを担うメッセージプロセッサ2832を備えている。
【0103】
本開示に従えば、PCR1700は、AP110内で使用される場合、WURメモリ2850を更に備えており、このWURメモリ2850は、特にWUR STAが「WURモードサスペンド」で動作する際に、WUR STA(例えば、130及び140)とAP110との間でのネゴシエーションされたウェイクアップ動作パラメータを記憶することを担っている。
【0104】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、あるいは、ハードウェアと協働するソフトウェアによって実現できる。上述の各実施形態の説明で用いた各機能ブロックは部分的に又は完全に集積回路などのLSIで実現でき、各実施形態で説明した各処理は、同一のLSI又は複数のLSIの組み合わせによって部分的に又は完全に制御してもよい。LSIは、個別にチップとして形成されてもよいし、あるいは、1つのチップが機能ブロックの一部又は全部を含むように形成されてもよい。LSIは、データ入力とこれに結合された出力とを備えていてもよい。ここでいうLSIとは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、あるいは、ウルトラLSIを意味する場合もある。しかしながら、集積回路を実施する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサを用いて実現されてもよい。また、LSIの製造後にプログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)、あるいは、LSI内部に配置された回路セルの接続及び設定を再構成できる再構成可能プロセッサを使用してもよい。本開示は、半導体技術又は他の派生技術の進歩の結果として、デジタル処理又はアナログ処理として実現できる。
【0105】
LSIに代わる回路集積技術が、半導体技術又はその技術から派生した他の技術の進歩の結果として、現れた場合、機能ブロックは将来の集積回路技術を使用して統合できるであろう。別の可能性としては、バイオテクノロジー及び/又は同様の技術の応用がある。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、無線ネットワークにおけるWURモード動作のための装置及び方法に適用できる。
【符号の説明】
【0107】
110 AP
130、140 STA
112、132、142、1700 PCR
134、144、1600 WUR
1610 受信機
1612、2712、1722、2822 PHYプロセッサ
1620、1730 受信信号プロセッサ
1622、2722、1732、2832 メッセージプロセッサ
1630、1740 コントローラ
1710 送信信号生成回路
1712、2812 メッセージ生成回路
1720 トランシーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2020年3月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時に、WURモードセットアップフレーム交換を始めて完了することによって、ウェイクアップ無線(WUR)モードサスペンドからWURモードに切り替わる回路と、
動作時に、前記WURモードセットアップフレーム交換においてWURモードセットアップフレームをアクセスポイント(AP)に送信する送信機と、
を備えた局。
【請求項2】
前記回路が、WURパワーマネジメントサービスの取り決め後に、WURモードサスペンドからWURモードに切り替わる、
請求項1に記載の局。
【請求項3】
前記WURモードセットアップフレーム内に含まれるWURモード要素のアクションタイプフィールドが、前記回路が前記WURモードを開始することを示している、
請求項2に記載の局。
【請求項4】
前記取り決めにおいて、前記送信機が、前記APに前記WURモードサスペンドを開始する要求を示す要求フレームを送信し、前記APからの応答フレームが、前記APが前記要求を受諾したことを示している場合、前記回路が前記WURモードサスペンドを開始する、
請求項2に記載の局。
【請求項5】
前記要求フレーム内のWURモード要素のアクションタイプフィールドが前記要求を示している、
請求項4に記載の局。
【請求項6】
前記応答フレーム内のWURモード要素のアクションタイプフィールドが、前記APが前記要求を受諾したことを示している、
請求項4に記載の局。
【請求項7】
前記回路が、WURモードティアダウンフレームを生成することによって、WURパワーマネジメントサービスを解消する、
請求項1に記載の局。
【請求項8】
前記WURモード要素が、WUR動作に関連する第1の一組のパラメータを取り決めるために使用される、
請求項3に記載の局。
【請求項9】
前記第1の一組のパラメータには、WURチャンネルオフセットとWURデューティサイクル開始時間とが含まれている、
請求項8に記載の局。
【請求項10】
動作時に、WUR動作をサポートするために必要な第2の一組のパラメータを含むWUR動作要素を含むビーコンフレームを受信する受信機を備えた、
請求項8に記載の局。
【請求項11】
前記第2の一組のパラメータには、最小ウェイクアップ持続時間、WURチャンネル情報、及び、WURビーコン周期が含まれている、
請求項10に記載の局。
【請求項12】
前記第1の一組のパラメータの各々が前記第2の一組のパラメータの各々とは異なる、
請求項10に記載の局。
【請求項13】
局によって実施される通信方法であって、
WURモードセットアップフレーム交換を始めて完了することによって、ウェイクアップ無線(WUR)モードサスペンドからWURモードに切り替わる工程と、
前記WURモードセットアップフレーム交換においてWURモードセットアップフレームをアクセスポイント(AP)に送信する工程と、
を備えた前記通信方法。
【請求項14】
WURパワーマネジメントサービスの取り決め後に、WURモードサスペンドからWURモードに切り替わる工程を備えた、
請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記WURモードセットアップフレーム内に含まれるWURモード要素のアクションタイプフィールドが、回路が前記WURモードを開始することを示している、
請求項14に記載の通信方法。
【請求項16】
前記APに前記WURモードサスペンドを開始する要求を示す要求フレームを送信する工程を備え、
前記APからの応答フレームが、前記APが前記要求を受諾したことを示している場合、回路前記局が前記WURモードサスペンドを開始する、
請求項14に記載の通信方法。
【請求項17】
WURモードティアダウンフレームを生成することによって、WURパワーマネジメントサービスを解消する工程を備えた、
請求項13に記載の通信方法。
【請求項18】
前記WURモード要素が、WUR動作に関連する第1の一組のパラメータを取り決めるために使用され、前記第1の一組のパラメータにはWURチャンネルオフセットとWURデューティサイクル開始時間とが含まれている、
請求項15に記載の通信方法。
【請求項19】
WUR動作をサポートするために必要な第2の一組のパラメータを含むWUR動作要素を含むビーコンフレームを受信する工程を備えており、
第2の一組のパラメータには、最小ウェイクアップ持続時間、WURチャンネル情報、及び、WURビーコン周期が含まれている、
請求項18に記載の通信方法。
【請求項20】
前記第1の一組のパラメータの各々が前記第2の一組のパラメータの各々とは異なる、
請求項19に記載の通信方法。
【国際調査報告】