特表2020-532919(P2020-532919A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-532919無線通信ネットワーク用マルチ接続ユーザデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-532919(P2020-532919A)
(43)【公表日】2020年11月12日
(54)【発明の名称】無線通信ネットワーク用マルチ接続ユーザデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20201016BHJP
   H04B 7/0456 20170101ALI20201016BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20201016BHJP
   H04B 7/026 20170101ALI20201016BHJP
   H04B 7/0413 20170101ALI20201016BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20201016BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20201016BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20201016BHJP
【FI】
   H04B7/06 950
   H04B7/0456 100
   H04B7/08 800
   H04B7/026
   H04B7/0413 300
   H04W16/28
   H04W88/06
   H04W76/15
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2020-513498(P2020-513498)
(86)(22)【出願日】2018年9月3日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月1日
(86)【国際出願番号】EP2018073623
(87)【国際公開番号】WO2019048384
(87)【国際公開日】20190314
(31)【優先権主張番号】17189714.3
(32)【優先日】2017年9月6日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ハウシュタイン・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ティーレ・ラース
(72)【発明者】
【氏名】クーラス・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン・マーカス
(72)【発明者】
【氏名】ブライリング・マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ナム・ユンヤン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
複数の無線ネットワーク要素との無線通信のためのユーザデバイス(UE)は、複数のアンテナを含む。複数のアンテナは、複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するように構成される。ユーザデバイスは、複数の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、複数の独立した無線通信リンクを同時に提供するように構成され、ユーザデバイスは、第1の空間ビームまたは指向性ビームを使用して第1の無線ネットワーク要素との第1の無線通信リンクを提供し、第2のアンテナビームを使用して第2の無線ネットワーク要素との第2の無線通信リンクを提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線ネットワーク要素との無線通信のためのユーザデバイス(UE)であって、前記ユーザデバイス(UE)は、
複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するように構成された複数のアンテナを含み、
前記ユーザデバイスは、前記複数の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、複数の独立した無線通信リンクを同時に提供するように構成され、前記ユーザデバイスは、第1の空間ビームまたは指向性ビームを使用して第1の無線ネットワーク要素との第1の無線通信リンクを提供し、第2の空間ビームまたは指向性ビームを使用して第2の無線ネットワーク要素との第2の無線通信リンクを提供するように構成される、ユーザデバイス(UE)。
【請求項2】
前記無線ネットワーク要素は、1つまたは複数の無線通信ネットワークの一部であり、
前記1つまたは複数の無線通信ネットワークは、
(a)同じMNOによって運用される無線通信ネットワーク、または
(b)異なるMNOによって運用される無線通信ネットワーク、または
(c)同じRATを有する無線通信ネットワーク、または
(d)異なるRATを有する無線通信ネットワーク、または
(e)(a)、(b)、(c)および/または(d)の組み合わせ、を含み、
前記RATは、3G、4G LTE/LTE−A/LTE−A Pro、5G/NR、LTE V2X(V2V/V2I/V2Pを含む)、拡張V2X、eV2X、5G/NRの、IEEE 802.11、IEEE 802.11p DSRCまたはBluetooth、IEEE 802.11ad、IEEE 802.11ay、IEEE 802.11ac、ETSI DECTバリアントなどのWiFiバリアントなどの他の技術のうちの1つまたは複数であってもよい、
請求項1に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項3】
前記無線ネットワーク要素は、同じまたは異なる周波数または同じまたは異なる周波数帯域もしくは周波数帯域の一部などの、1つまたは複数の無線通信ネットワークによって提供される同じまたは異なるネットワークリソースを使用して動作する、
請求項1または2に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項4】
前記複数のアンテナは、複数の無線通信リンクを介した並列伝送を可能にするために、前記同じまたは異なる周波数で前記複数の空間ビームまたは指向性ビームを同時に形成するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項5】
前記ユーザデバイスは、前記第2の無線通信リンクを介した第2の無線ネットワーク要素への接続とは独立に、前記第1の無線通信リンクを介した第1の無線ネットワーク要素への接続を処理して、前記無線通信リンクを長期間にわたって、例えばいくつかの無線フレームにわたって、同時にアクティブにしておくか、またはアクティブになる準備をしておくように構成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項6】
前記ユーザデバイスは、前記第1および第2の無線通信リンクを介したデータ伝送を調整するために、1つまたは複数の無線ネットワーク要素から、またはそれを介して制御情報を受信するように構成される、
請求項1から5のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項7】
電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータなどと、
前記ユーザデバイスが、例えば、データを交換し、および/または制御チャネルに追従またはそれを追跡するために、前記それぞれの無線通信リンクを介して前記無線ネットワーク要素への接続をスキャン/検索、検出、開始、確立、中止/終了、ハンドオーバー、維持、または監視できるように構成されたネットワーク接続と、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項8】
前記ユーザデバイスは、固定デバイスまたはモバイルデバイスであり、
前記モバイルデバイスは、スマートフォン、PDA、IoTデバイス、コンピュータなどのハンドヘルドデバイス、ロボットまたは車などの地上車両、または有人または無人航空機(UAV)などの航空機を含んでもよく、後者はドローンとも呼ばれ、
前記固定デバイスは、前記デバイスが、前記それぞれの無線通信リンクを介した前記無線ネットワーク要素への接続をスキャン/検索、検出、開始、確立、中止/終了、維持、または監視することができるように、物理デバイス、建物、またはネットワーク接続が埋め込まれている任意のアイテムに含まれるか、またはそれらに接続されてもよい、
請求項1から7のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項9】
前記無線ネットワーク要素は、1つまたは複数のさらなるユーザデバイス(UE)のための1つまたは複数の基地局(BS)ならびに/あるいは1つまたは複数のリンク転送要素、例えば中継デバイスを含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項10】
前記ユーザデバイスは、特定の宛先と通信するように構成され、前記宛先は、前記無線ネットワーク要素のうちの1つまたは複数、あるいは前記無線ネットワーク要素のうちの1つまたは複数に結合された1つまたは複数のエンティティであってもよい、
請求項1から9のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項11】
前記1つまたは複数のエンティティは、
リモートマシンの操作または閉ループ制御のためのURLLCサービスなどの、特定のサービスを提供するサービスプロバイダと、
例えば、機械対機械(M2M)、V2V、V2X通信を提供するための、無線ネットワーク要素に結合された、またはそれを含む、機械、車両、またはロボットなどのモバイルデバイスまたは固定デバイスと、
のうちの1つまたは複数を含んでもよい、
請求項10に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項12】
前記複数のアンテナを含む少なくとも1つのアンテナアレイと、
前記アンテナアレイに接続されたプリコーダであって、前記アンテナアレイによって前記複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するように構成されたプリコーダと、
前記複数の無線通信リンクのための複数の信号処理チェーンと、
を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項13】
前記ユーザデバイスは、前記2つ以上の無線ネットワーク要素を区別し、並列および/または独立に前記DL制御チャネルを同期および復号化/処理/取り扱いするために、前記第1および第2の無線ネットワーク要素からのダウンリンクDLシグナリングを活用するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項14】
前記ユーザデバイスは、
前記第1の無線通信リンクおよび前記第2の無線通信リンクの両方を介してメッセージを送信および/または受信し、ならびに/あるいは
メッセージを分割し、メッセージを複製し、またはメッセージの冗長バージョンを作成し、前記第1および第2の無線通信リンクを介して前記メッセージの一部を同時に多重化して送信するように構成され、
前記メッセージは、タイプデータメッセージ(PUSCH)または制御メッセージ(PUCCH)であってもよい、請求項1から13のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項15】
前記メッセージの再送信が必要な場合、前記ユーザデバイスは、前記異なる無線通信リンクのうちの1つまたは複数を介して、H−ARQ再送信メッセージなどの再送信メッセージを送信または要求するように構成され、前記再送信メッセージは、前記メッセージ内のデータの冗長性を含み、前記冗長性は、例えば、チェイス結合または増分冗長性を含む、請求項14に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項16】
前記無線ネットワーク要素または前記無線ネットワーク要素に結合されたエンティティが前記異なる無線通信リンクを認識している場合、前記再送信メッセージは、前記無線ネットワーク要素の制御下で前記異なる無線通信リンクを介して協調して送信される、請求項15に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項17】
前記ユーザデバイスは、
N(N>1)個の異なる無線通信リンクに対するN個の空間ビームまたは指向性ビームを形成し、
前記メッセージを符号化し、前記コードワードのN個の冗長バージョンまたは複製を生成し、前記N個の異なる無線通信リンクを介して前記コードワードを送信し、および/または
前記メッセージを符号化し、前記メッセージのコードワードをN個のサブコードワードに分割し、前記N個の異なる無線通信リンクを介してN個のサブコードワードを送信するように構成される、請求項14から16のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項18】
前記無線ネットワーク要素は、前記メッセージの前記部分を収集し、前記メッセージの前記部分の結合処理を実行するように構成され、前記結合処理は、バックホールインターフェースを介したデータ交換を含み、または
前記無線ネットワーク要素は、前記メッセージの前記部分を前記1つまたは複数の無線通信ネットワークに接続された1つまたは複数のエンティティに転送するように構成され、前記1つまたは複数のエンティティは、前記メッセージの前記部分を収集し、前記メッセージの前記部分の共同処理または分散処理を実行するように構成される、
請求項14から17のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項19】
前記メッセージの一部分は、前記メッセージのコンテンツの検索を可能にしない、請求項14から18のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項20】
前記メッセージの特定の数の部分またはすべての部分が受信されると、前記メッセージのコンテンツが検索可能である、請求項14から19のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項21】
前記ユーザデバイスは、前記メッセージを暗号化するように構成される、請求項14から20のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項22】
前記ユーザデバイスは、送信されるメッセージまたはメッセージのいくつかの部分または前記メッセージの冗長バージョンをコピーし、前記第1および第2の無線通信リンクを介して前記メッセージおよび前記メッセージの前記コピー/冗長バージョンおよび前記メッセージの他の部分を送信するように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項23】
前記ユーザデバイスは、
N(N>1)個の異なる無線通信リンクに対するN個の空間ビームまたは指向性ビームを形成し、
前記メッセージのコピーであってもよいN個の冗長バージョンを生成し、前記N個の異なる無線通信リンクを介して前記N個の冗長バージョンを送信するように構成される、請求項22に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項24】
前記ユーザデバイスは、前記メッセージの各コピーに異なる符号化方式および/またはインターリーバパターンを適用し、前記N個の異なる無線通信リンクを介してチャネル符号化後に得られた前記N個のコードワードを送信するように構成される、請求項22または23に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項25】
前記無線ネットワーク要素は、前記メッセージの前記受信されたコピーを交換し、共同で処理し、デインターリーブし、復号化するように構成される、請求項22から24のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項26】
前記ユーザデバイスは、
アップリンクULおよび/またはダウンリンクリソースを制御または調整する、ならびに/あるいは
アップリンク通信および/またはダウンリンク通信におけるリンク適応を制御または調整するように構成される、請求項1から25のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項27】
前記ユーザデバイスは、
前記無線ネットワーク要素のうちの1つまたは複数のリンク制御にアクセスし、および/または
2つの無線通信リンクの同時ハンドオーバーなどの特定の状況が回避されるように、前記無線ネットワーク要素のうちの1つまたは複数の前記リンク制御に関する任意の情報の送信を制御するように構成される、請求項26に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項28】
前記ユーザデバイスは、
PRBなどの専用リソースセットに対して、変調、符号化、および前記無線通信リンクを介したコードワード配布を選択するように構成される、請求項1から27のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項29】
前記ユーザデバイスは、
複数の前記無線ネットワーク要素に共通UL/DLリソースブロックを要求し、
前記無線ネットワーク要素のうちのいくつかからの許可に応答して、許可した前記無線ネットワーク要素からのCSIフィードバックをトリガし、
RI/PMI/CQI/PTなどの、前記報告されたCSIを使用して、特定の性能メトリックに従って、一組のビームフォーミングマトリックスと無線ネットワーク要素をスケジュールするように構成される、請求項1から28のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項30】
前記ユーザデバイスは、前記無線通信リンクの独立した管理、例えば、CSI、CQI、PMI、およびH−ARQを含むリンクフィードバック、ハンドオーバーなどを提供するように構成される、請求項1から29のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項31】
前記複数の無線通信リンクのための複数の信号処理チェーンを含み、
前記複数の信号処理チェーンは、無線通信リンクごとに、
前記DL時間と周波数の同期、
近隣リストの処理、
DL/ULまたはH−ARQなどのリソース割り当ての処理、
ULタイミングアドバンスTA、
電源制御、
ハンドオーバー手順のトリガと処理、
のうちの1つまたは複数をサポートするように構成されてもよい、請求項1から30のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項32】
前記ユーザデバイスは、集約ノードに接続された複数のさらなるデバイスのための前記集約ノードとして動作するように構成される、請求項1から31のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項33】
変調器/復調器を含み、
前記アンテナアレイは、少なくとも1つの大規模MIMOアンテナアレイを含み、
前記ユーザデバイスは、前記大規模MIMOアンテナアレイ内の前記アンテナのすべてまたはグループが、前記変調器/復調器から/へ同じRF信号を受信/送信するように構成される、請求項1から32のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項34】
コントローラを含み、前記コントローラは、
例えば、各無線通信リンクの現在のデータレート要件に応じた、無線通信リンクごとのアンテナの数、および/または
無線通信リンクの数、および/または
無線通信リンクを生成するために使用されるアンテナアレイのアンテナ要素の数、および/または
無線通信リンクごとの空間ビームの数、
を動的に増加/減少させるように構成される、請求項1から33のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項35】
前記ユーザデバイスは、
例えば、無線通信リンクに関連する1つまたは複数のパラメータを測定することによって、または再送信要求の数などの通信動作を監視することによって、前記1つまたは複数の無線通信リンクの状態に関する情報を取得し、
前記ユーザデバイスで受信された要求に応じて、測定が完了すると、例えば、所定の時間または間隔でスケジュールに従って前記情報を送信するように構成される、請求項1から34のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項36】
前記無線ネットワーク要素は、前記ユーザデバイスからの前記情報に応答して、前記異なる無線通信リンクを介して前記通信を動的に適応させる、請求項35に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項37】
前記無線ネットワーク要素は、請求項1から36のいずれか一項に記載の1つまたは複数のユーザデバイスを含む、請求項1から36のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項38】
前記空間ビームまたは指向性ビームを形成することは、
アナログおよび/またはデジタルビームフォーミング、
時空間ブロックコード(STBC)、
空間周波数ブロックコード(SFBC)、
巡回遅延ダイバーシティ(CDD)、
多重化、
CSIまたは送信プリコーディングマトリックスを使用したプリコーディング、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から37のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項39】
前記複数のアンテナは、
各々が複数のアンテナ要素を含む1つまたは複数のアンテナアレイ、
固定または調整可能なビームパターンを有するステアリング可能なアンテナであって、例えば、それぞれの無線通信リンクに関連する前記それぞれのネットワーク要素に向けられるように制御可能である、ホーンアンテナのようなジンバルアンテナ、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から38のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)。
【請求項40】
各無線通信ネットワークが1つまたは複数の無線ネットワーク要素を含む、1つまたは複数の無線通信ネットワークと、
前記1つまたは複数の無線通信ネットワークの複数の無線ネットワーク要素との無線通信のための、請求項1から39のいずれか一項に記載のユーザデバイス(UE)と、
を含むシステム。
【請求項41】
前記ユーザデバイスのみが前記複数のアンテナを有するアンテナアレイを含み、前記無線ネットワーク要素がセクターアンテナまたは無指向性アンテナを含む、または
前記ユーザデバイスおよび前記無線ネットワーク要素がアンテナアレイを含み、マルチポイント対マルチポイントMP2MP、前記無線ネットワーク要素と前記ユーザデバイスとの間の接続を生成することを可能にする、または
前記ユーザデバイスおよび前記無線ネットワーク要素は、前記ユーザデバイスと前記無線ネットワーク要素のうちの少なくとも1つとの間に、前記ユーザデバイスと前記無線ネットワーク要素との間の前記無線通信リンクを介した高データレートのための多数の並列空間レイヤを実装するための高次空間多重化方式を採用するためのアンテナアレイを含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
エンドツーエンドE2E、トラフィックなどの前記無線通信リンク上のトラフィックは、前記ネットワーク側で、前記ユーザデバイスで、サービスにより、またはこれらの組み合わせにより調整されてもよく、前記サービスは、前記ネットワークまたは前記ユーザデバイスの内部または外部に配置されてもよい、請求項40または41に記載のシステム。
【請求項43】
再送信のための適切な無線通信リンクの表示を含む、H−ARQなどの物理層再送信メカニズムを含む、請求項40から42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記システムは、各無線伝送リンクについて、別の無線ネットワーク要素への独立したハンドオーバー手順をトリガし、要求し、実行するように構成される、請求項40から43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記システムは、前記ユーザデバイスの所定のルートに関する知識および/または無線ネットワーク要素への利用可能かつ予想される無線通信リンクに関する知識を使用して、予測ハンドオーバーおよび/または新しいリンク確立を実行するように構成される、請求項40から44のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項46】
前記システムは、特定の目標データレート、レイテンシ、冗長性、信頼性などを満たすために必要なだけ多くの無線伝送リンクを接続モードに保つように構成される、請求項40から45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
前記システムは、前記ネットワークまたは前記インターネットによって提供されてもよい、拡張された近隣リストを使用して動作し、前記ユーザデバイスが従来の近隣リストで指定された範囲を超えて接続できるようにし、例えば、無線ネットワーク要素、異なるMNO、異なるRATなどの2つ以上の階層にわたって同時リンクを可能にするように構成される、請求項40から46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
複数の無線ネットワーク要素を備えたユーザデバイスの無線通信のための方法であって、前記方法は、
前記ユーザデバイスで、複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するステップと、
前記複数の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、複数の独立した無線通信リンクを同時に提供するステップと、を含み、第1の無線通信リンクが、第1の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、前記ユーザデバイスと第1の無線ネットワーク要素との間に提供され、第2の無線通信リンクが、第2の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、前記ユーザデバイスと第2の無線ネットワーク要素との間に提供される、方法。
【請求項49】
コンピュータ上で実行された場合に、請求項48に記載の方法を実行する命令を格納するコンピュータ可読媒体を含む非一時的コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信ネットワークまたはシステムの分野に関し、より具体的には、ユーザデバイスから基地局、ユーザ機器UEなどの複数の無線ネットワーク要素への同時または並列無線通信リンクを提供するユーザデバイス用マルチ接続モードを実装するためのユーザデバイス、システムおよび方法に関する。実施形態は、大規模MIMOアンテナ技術を使用するマルチ接続モードに関し、マルチリンクユーザデバイスML−UEを提供する。
【背景技術】
【0002】
図1は、コアネットワーク102および無線アクセスネットワーク104を含む無線ネットワーク100の一例の概略図である。無線アクセスネットワーク104は、複数の基地局を含んでもよく、これらは、拡張ノードB=eNBと呼ばれてもよいが、しかし、タイプgNB、すなわち5G新無線(NR)の基地局eNBからeNBに使用される用語であってもよく、各々が、それぞれのセル106〜106によって概略的に表されている基地局を囲む特定のエリアにサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供するために設けられている。ユーザは、固定デバイスまたはモバイルデバイスであってもよい。さらに、無線通信システムは、基地局またはユーザに接続するモバイルまたは固定されたモノのインターネット(IoT)デバイスによってアクセスされてもよい。モバイルデバイスまたはIoTデバイスは、物理デバイス、ロボットや車などの地上車両、有人または無人の航空機(UAV)などの航空機(後者はドローンとも呼ばれる)、電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータなどが埋め込まれた建物およびその他のアイテム、ならびにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラストラクチャ全体でデータを収集および交換できるようにするネットワーク接続を含んでもよい。図1は、5つのセルのみの例示的な図を示しているが、無線通信システムは、より多くのそのようなセルを含んでもよい。図1は、セル106内にあり、基地局eNBによってサービスされる、ユーザ機器(UE)とも呼ばれる2人のユーザUEおよびUEを示す。別のユーザUEがセル106内に示されており、これは基地局eNBによってサービスされる。矢印108、108、および108は、ユーザUE、UE、およびUEから基地局eNB、eNBにデータを送信するため、または基地局eNB、eNBからユーザUE、UE、UEにデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表す。さらに、図1は、セル106内の2つのIoTデバイス110、110を示しており、これらは固定デバイスまたはモバイルデバイスであってもよい。IoTデバイス110は、矢印112によって概略的に表されるように、基地局eNBを介して無線通信システムにアクセスしてデータを送受信する。IoTデバイス110は、矢印112によって概略的に表されるように、ユーザUEを介して無線通信システムにアクセスする。それぞれの基地局eNB〜eNBは、図1において「コア」を指す矢印によって概略的に表される、例えばS1インターフェースを介して、それぞれのバックホールリンク114〜114を介して、コアネットワーク102に接続されてもよい。コアネットワーク102は、1つまたは複数の外部ネットワークに接続されてもよい。さらに、それぞれの基地局eNB〜eNBの一部またはすべては、例えばX1またはX2インターフェース(NRでは、このインターフェースはNxインターフェース、例えばN2またはN3と呼ばれることがある)を介して、「eNB」を指す矢印によって図1に概略的に表されているそれぞれのバックホールリンク116から116を介して互いに接続されてもよい。展開シナリオには、同じ無線アクセスネットワークで動作する相互接続されたeNBとgNBの混在も含まれてもよい。
【0003】
図1に示す無線ネットワークまたは通信システムは、2つの異なるオーバーレイネットワーク、基地局eNBからeNBなどのマクロ基地局を含む各マクロセルを備えたマクロセルのネットワーク、およびフェムトまたはピコ基地局のようなスモールセル基地局(図1には示されていない)のネットワークを有する異種ネットワークによって構成されてもよい。一般に、スモールセルは、はるかに少ない送信電力で動作する。マクロセルは46dBmの出力電力で動作することができるが、スモールセルは30dBmの出力電力で動作することができるので、カバレッジエリアを大きくしたり小さくしたりする。例えば、WWRF Working Group C、Communication Architectures and Technologies」、White Paper、「LTE Small Cell Enhancement by Dual Connectivity、2014を参照されたい。
【0004】
データ伝送には、物理リソースグリッドが使用されてもよい。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号がマッピングされる一組のリソース要素を含んでもよい。例えば、物理チャネルは、ダウンリンクおよびアップリンクペイロードデータとも呼ばれる、ユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンクおよびアップリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH)、例えばマスター情報ブロック(MIB)とシステム情報ブロック(SIB)を搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えば、ダウンリンク制御情報(DCI)を搬送する物理ダウンリンクおよびアップリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH)、制御リソースセット(CORSET)などを含んでもよい。アップリンクの場合、物理チャネルは、UEがMIBとSIBを同期して取得した後にネットワークにアクセスするためにUEが使用する物理ランダムアクセスチャネル(PRACHまたはRACH)をさらに含んでもよい。物理信号は、基準信号(RS)、例えば、トランスポートチャネル状態情報(CSI)、同期信号などを含んでもよい。リソースグリッドは、時間領域における10ミリ秒などの特定の持続時間と、周波数領域における所与の帯域幅と、を有するフレームを含んでもよい。フレームは、所定の長さの特定の数のサブフレーム、例えば、1ミリ秒の長さの2つのサブフレームを有してもよい。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)の長さに応じて6または7個のOFDMシンボルの2つのスロットを含んでもよい。6個未満のOFDMシンボルで構成される小さいスロットサイズ、例えばNRのミニスロットまたはLTEの短い送信時間間隔(sTTI)もサポートされる。周波数領域では、異なるサブキャリア間隔の混合ニューメロロジー、例えばμ∈{0,1,2,3,4,5}のNRニューメロロジーに基づいた30kHz、60kHzがサポートされる。例えば、TS38.211を参照されたい。
【0005】
無線通信システムは、直交周波数分割多重化(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム、またはCPの有無にかかわらず他のIFFTベースの信号、例えばDFT−s−OFDMのような、周波数分割多重化を用いた任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムであってもよい。マルチアクセス用の非直交波形、例えばフィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、汎用周波数分割多重化(GFDM)、またはユニバーサルフィルタマルチキャリア(UFMC)などの他の波形が使用されてもよい。無線通信システムは、例えば、LTE、LTE−A、LTE−Advanced Pro規格、または5GまたはNR(新無線)規格に従って動作してもよい。
【0006】
図1に示されている無線ネットワークでは、例えば、基地局および/またはユーザデバイスにおいて、ネットワーク側のサイト/セルごとのスペクトル効率を改善するために、LTEまたは5G/NRネットワークのように、ネットワーク内の無線ネットワーク要素またはエンティティの一部またはすべてのアンテナ技術として、大規模MIMO(複数入力複数出力)を実装してもよい。通常セクター化されたアンテナを使用して動作する基地局で大規模MIMO技術を実装するために、アクティブなユーザが存在する専用の部分空間にエネルギーを集中させる空間ビームまたは指向性ビームを適応的に作成するために、基地局が1つまたは複数のアンテナアレイを提供することができる。同時に、他のユーザへの干渉を減らすことができる。大規模MIMOを実装すると、いわゆるスーパーセクター化が作成され、これは、ユーザベース、ユーザグループベース、または静的な位置に仮想スモールセルを作成する固定的な方法で適応的に実現することができる。ダウンリンクDLの大規模MIMOは、ユーザデバイス、UE、実効SINR、信号対干渉プラスノイズ比(SINR)、および同じリソースに多重化されたユーザの全体的な合計レートを改善する。
【0007】
ユーザデバイスにはアンテナアレイまたは複数のアンテナが装備されてもよいが、大規模MIMO技術は一般にネットワーク側でのみ実装されるため、ネットワーク中心の複雑さだけが増加し、一方、UEは変更されないままであり、SINRの改善という点で構造化された干渉環境を経験するだけなので、スループットが向上する可能性がある。例えば、アップリンクでMIMO方式を提供するアンテナアレイまたは複数のアンテナを備えたユーザデバイスを検討する場合でも、アンテナからの複数のビームを介した単一の基地局への接続のみである。
【0008】
UEの性能を向上させる他の概念には、協調マルチポイントCoMP、ダウンリンクの同期コヒーレント送信、および特にセル間干渉の影響を受けるセル境界でのSINRの向上のためのアップリンクの共同処理ULを必要とする技術が含まれる。さらに、ゼロフォーシングZF、または最小平均二乗誤差(MMSE)を実装してCoMPのプリコーディングを送信する場合、空間ヌルを正しく配置するには、チャネル状態情報(CSI)などの正確なチャネル知識が必要である。かなりの数のCSI測定値が必要であり、それらがネットワーク内のエンティティに転送され、それらのエンティティ間で分散されるため、大きな測定オーバーヘッドが含まれる。これにより、アップリンクキャパシティが過剰に使用され、チャネルエージングに対する堅牢性が制限される可能性がある。
【0009】
リンク多重化によってUEデータレートを改善するための従来の無線通信ネットワークにおける別の公知の手法は、キャリアアグリゲーションCAである。CAに従って、UEは、LTE規格などの通信規格で提供される複数のキャリア、周波数帯域を使用する。
【0010】
ネットワークへのエアインターフェースを介したUEの接続の安定性を改善するためのさらに別の手法は、UEが様々なモバイルネットワーク事業者(MNO)間で切り替えられる、いわゆるマルチSIM技術の提供であり、最も安定した接続であると思われる無線による接続を選択するには、一度に1つの接続のみが可能である。既存の接続が不安定になった場合、または利用できなくなった場合、UEは他の利用可能なネットワークオペレータの1つを選択して、他の利用可能なネットワークの1つへの安定した接続が可能かどうかを確認する必要がある。したがって、接続が不安定になると、接続の終了と新しい接続の確立が必要になり、それによって通信が中断される。UEにはeSIM(電子SIM)技術が装備されてもよく、これにより、オペレータまたは別の認証エンティティによるSIM機能のオーケストレーションが可能になる。
【0011】
他の公知の手法は、デュアル接続とも呼ばれる異なる無線または無線アクセス技術に基づいて動作するので、ユーザデバイスは、第1のアンテナを使用して、例えば、無線モバイルまたはセルラー通信ネットワーク、ならびに第2のアンテナを使用して、例えば、LTE、WiFiまたはBluetoothネットワークにアクセスすることができる。これには、UEの複雑さと消費電力を増加させる独立したトランシーバ回路が必要である。
【0012】
UEの観点からすると、無線通信ネットワークで発生するデータレートは、サービスを提供する基地局の実際の負荷に大きく依存し、また、現在サービスを提供している基地局がユーザに十分な容量を提供できる場合でも、ユーザが移動中に次のセルにハンドオーバーすると、ユーザあたりの容量が大幅に変化する可能性がある。言い換えれば、UEで発生するデータレートは、UEで大規模MIMO技術を使用する場合、CoMPを実装する場合、または複数のSIMを使用する場合に改善されるサービング基地局への接続条件に依存する。それでも、基地局とUE間の通信リンクに問題がある場合、通信は中断、妨害、または不安定になる。
【0013】
上記の問題は、LTEまたは5G/NRネットワークのような、図1に示すセルラー無線通信ネットワークに限定されず、衛星およびセルラーからローカルおよびパーソナルエリアネットワークへのあらゆるタイプの無線通信ネットワーク、例えば無線パーソナルエリアネットワーク、WPAN、無線ローカルエリアネットワーク、WLAN、無線アドホックネットワーク(無線メッシュネットワークまたはモバイルアドホックネットワークとも呼ばれる)、MANET、無線メトロポリタンエリアネットワーク、無線ワイドエリアネットワーク、セルラーネットワーク、およびグローバルエリアネットワークで発生することに留意されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の従来技術から出発して、本発明の根底にある目的は、ユーザデバイスを無線通信ネットワークに確実に接続するための改善された手法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、独立請求項で定義されている主題によって達成され、好ましいさらなる発展は、係属中の請求項で定義されている。
【0016】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】無線通信システムの一例の概略図である。
図2】本発明の一実施形態によるユーザデバイスの概略図である。
図3】本発明のユーザデバイスを実施するための別の実施形態を示す図である。
図4】ネットワーク要素が同じモバイルネットワーク事業者によって運用される一実施形態を示す図である。
図5】ネットワーク要素が異なるモバイルネットワーク事業者によって運用される一実施形態を示す図である。
図6a】本明細書に記載の教示に従って実施されるUEが車両に結合される別の実施形態を示す図である。
図6b】本明細書に記載の教示に従って実施されるUEが航空機に結合される別の実施形態を示す図である。
図7】本発明のユーザデバイスが機械制御に結合されるか、その一部である別の実施形態を示す図である。
図8a】一実施形態による本発明のユーザデバイスのブロック図である。
図8b】本発明のユーザデバイスの1つまたは複数のアンテナアレイを実装する実施形態を示す図である。
図9】本発明の実施形態によるオーケストレータを含むネットワークの概略図である。
図10】本発明の手法に従って記載されたユニットまたはモジュールならびに方法のステップが実行されるコンピュータシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を、同じまたは類似の要素に同じ符号が割り当てられた添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0019】
本発明は、複数の無線ネットワーク要素との無線通信のためのユーザデバイスを提供し、ユーザデバイスは、複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するように構成された複数のアンテナを含み、ユーザデバイスは、複数の空間ビームまたは指向性ビームを使用して、複数の独立した無線通信リンクを同時に提供するように構成され、ユーザデバイスは、第1の空間ビームまたは指向性ビームを使用して第1の無線ネットワーク要素との第1の無線通信リンクを提供し、第2のアンテナビームを使用して第2の無線ネットワーク要素との第2の無線通信リンクを提供するように構成される。
【0020】
図2は、マルチリンクUE(ML−UE)とも呼ばれる本発明の実施形態によるユーザデバイスの概略図である。ユーザ機器UEとも呼ばれるユーザデバイス200は、複数のアンテナ202、202、例えば、それぞれが複数のアンテナ素子を含む2つ以上の単一アンテナまたは1つもしくは複数のアンテナアレイを含む。UE200は、UEから送信される信号を処理し、UEで受信された信号を処理するために、アンテナ202、202に結合された信号プロセッサ204を含む。信号プロセッサ204は、アンテナ202、202によって複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成するためのプリコーダを含んでもよい。アンテナ/アンテナアレイ202の概略図に過ぎない図2に示す実施形態では、UEがアンテナ202、202を制御して4つのアンテナビーム206〜206を形成し、UE200と異なる無線ネットワーク要素210〜210との間に、無線通信リンクとも呼ばれる、それぞれの一方向または双方向通信リンク208〜208を提供する。
【0021】
言い換えれば、複数のアンテナ素子または複数のアンテナを同時にまたは同時に含むアンテナ202は、同じまたは異なる周波数で複数の空間ビームまたは指向性ビームを形成して、複数の無線通信リンク208〜208での並列通信または送信を可能にする。例えば、ユーザデバイス200は、第2の無線通信リンク208を介した第2の無線通信要素BSへの接続とは独立に、第1の無線通信リンク208を介して第1の無線ネットワーク要素BSを処理し、例えばいくつかの無線フレームなどの割り当てられた期間にわたって無線通信リンク208、208を同時にアクティブに、またはアクティブ化される準備ができているように保つ。言い換えれば、本発明のUE200によって形成される空間ビームは、UE200と異なるネットワーク要素210〜210との間のリンク制御またはMIMOリンク制御の意味で独立しており、例えば、無線通信リンクのうちの1つが故障しても、他のリンクが維持される。
【0022】
実施形態に従って、互いに独立したそれぞれの無線通信リンクを介してそれぞれのネットワーク要素へのそれぞれの接続の「処理」に言及するとき、UE200が、あたかも他のリンクがないかのように各リンクを処理することを意味し、例えば、UE200は、いくつかの基地局またはいくつかのネットワーク要素のブロードキャストチャネルで同期することができ、結果として、UE200は、それぞれのネットワーク要素がこれらの並列リンクが実際に存在することを必ずしも知る必要がなく、異なるネットワーク要素へのいくつかのリンクを並列に処理する。実施例によれば、UEは、異なるリンクを介したトラフィックの分配を間接的に制御することができる。
【0023】
実施形態によれば、上記の同期に加えて、それぞれの接続の処理は、ダウンリンクブロードキャストチャネルの復号化、それぞれのネットワーク要素への初期アクセスの処理、リンク制御、レート要求、ハンドオーバー開始、リンクレポートなども含んでもよい。
【0024】
上述のように、無線通信リンク208〜208は、UEからそれぞれの無線ネットワーク要素に向けて通信を提供するために単方向であってもよいし、またはそれらはUEでネットワーク要素から情報を受信するために双方向であってもよい。後者の場合、さらなる実施形態によれば、ユーザデバイス200は、複数の無線通信リンク208から208を介して送信を調整するための制御情報を受信することができる。例えば、ビデオストリーミングサービスのようなサービスプロバイダが複数のリンクを介してユーザデバイスにデータを提供するシナリオを考える場合、サービスプロバイダは、それぞれのリンクの性能を監視し、例えば、それぞれのリンクを介して送信されるデータの量を決定することができるので、このシナリオでは、それぞれの制御情報がサービスプロバイダによって提供され、それぞれの基地局を介してユーザデバイス200に通知される。他の実施形態によれば、無線ネットワーク内の基地局などのそれぞれの無線ネットワーク要素は、ユーザデバイスから複数のネットワーク要素への並列の既存の無線リンク208についての知識を有してもよく、そのような知識に基づいて、それぞれの無線通信リンク208に関する情報は、例えば、ネットワークの基地局間のバックホール接続を介して、関与する無線ネットワーク要素の間で交換されてもよく、リンクに関連付けられ、検出されたパラメータに基づいて、それぞれのリンク上でどのように送信を調整するかを決定する、例えば、データの大部分を第1の数のリンクで送信し、残りの部分を異なるリンク条件を有する第2の数のリンクで送信することができる。
【0025】
図2に矢印212〜212によって概略的に示されているように、エンティティ210〜210は、さらに他のエンティティへの接続またはインターフェースを有してもよい。基地局BS〜BSは、コアネットワークへの接続および/またはそれらの間の接続、ならびにコアネットワークを介した外部ネットワークまたはエンティティへの接続を有してもよい。実施形態によれば、無線ネットワーク要素210〜210は、図1に示すような無線通信ネットワークの基地局BS〜BSを含んでもよい。基地局は、単一のモバイルネットワーク事業者MNOによって運用されるネットワークの一部であってもよい。他の実施形態によれば、基地局は、異なるネットワーク、すなわち、異なるモバイルネットワーク事業者MNOによって運用されるネットワークからのものであってもよい。
【0026】
エンティティ210、210は、インターフェース212〜212を介して、さらなるネットワークに接続されてもよく、これは、無線または有線ネットワークであってもよく、インターネットまたは企業内のイントラネットなどの外部ネットワークであってもよい。他の実施形態によれば、エンティティ210、210は、機械または車両などのデバイスの一部であってもよいし、デバイスに含まれてもよい。また、本発明のUE200は、無線ネットワークまたは有線ネットワークのようなさらなるネットワークに接続されてもよく、またはインターネットなどに接続されてもよい。言い換えれば、それぞれの接続は、任意の種類の通信ネットワークに接続されたユーザデバイスであってもよい他のユーザデバイス210、210、または機械、車両または他の物理エンティティなどの物理デバイスに接続されたエンティティに対するものであってもよい。ユーザデバイス210、210は、物理デバイスとUE200との通信のためのネットワーク接続を提供する。
【0027】
実施形態によれば、エンティティ210、210は、本発明の教示によるユーザデバイスを含んでもよい。
【0028】
さらに他の実施形態によれば、UE200は、複数の独立した並列通信リンク208を介した信頼できる通信を必要とするデバイスに接続されてもよい。UE200は、自動車、バス、列車、またはドローンのような航空機のような機械または車両に結合または組み込まれてもよい。図2では、UE200はバス216の一部として示され、バス216の要素への接続のための、またはバスの乗客がUEに接続することを可能にするためのインターフェース218を含む。インターフェースは、例えばWiFiインターフェースなどの無線インターフェースへの接続を提供することができ、またはそれは、UE200がバス内の乗客のための集約ノードまたはホットスポットとして機能するように無線インターフェースであってもよい。例えば、バスの乗客は、バスの移動中に少なくとも1つのリンクが維持されることを保証する複数のリンク208を提供するUE200を使用して、1つまたは複数のモバイル通信ネットワークインフラストラクチャを介してインターネットに接続することができる。言い換えれば、UE200は、車両216内のユーザにモバイルホットスポットを提供し、ユーザは、高データレート無線インターフェース218を介してセルラーネットワークまたは複数のセルラーネットワークに高い信頼性で接続することができる。
【0029】
他の実施形態によれば、UE200を、例えば乗用車の一部として実装する場合、多くのユーザの多くの接続にバックホールを提供するのではなく、UEは、例えばライブビデオ伝送のために必要な帯域幅の集約に使用されてもよい。これは、可能な限り多くの物理リンク208を集約することにより、すなわち、アンテナアレイ200により可能な限り多くのネットワークエンティティ210に提供されるそれぞれの空間ビームによりリンク208を設定することにより達成される。これにより、複数の物理リンクが提供され、利用可能な帯域幅が集約され、例えば信頼性の高いライブビデオ伝送が保証される。
【0030】
他の実施形態によれば、UE200は、建物のような固定したエンティティに取り付けられた、またはその一部である固定ホットスポットであってもよい。
【0031】
したがって、本発明の実施形態は、UE側で複数のアンテナまたは大規模MIMOアレイのような1つまたは複数のアンテナアレイを使用し、大規模MIMO基地局からのダウンリンクで見た場合にUEと同じようにBSなどの複数のエンティティ210を処理することによりマルチリンク接続を提供する。同じネットワーク内または異なるネットワーク内のいずれかにある並列の独立したリンク208の存在について実際のネットワークに通知する必要がほとんどまたはまったくないので、本発明の手法は、従来の手法を超える利点を提供し、その結果、本発明のユーザデバイスは、既存のネットワークインフラストラクチャにシームレスに導入することができる。さらに、アンテナによって空間ビームまたは指向性ビーム206を提供する本発明の手法は、UE200と各エンティティ210〜210との間のリンク208を確実に分離し、それにより、例えば、信頼性、ダイバーシティ、データレート、多重化手順を改善する。また、より高速なハンドオーバー手順を実施することができる。
【0032】
図2の実施形態では、UE200はバス216の一部として実装されるものとして説明されたが、本発明の手法はそのような実施形態に限定されず、むしろ、本発明のユーザデバイスは、電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータなど、およびネットワーク接続のうちの1つまたは複数を含む任意のデバイスであってもよい。例えば、本発明のユーザデバイスは、固定デバイスまたは、例えば、スマートフォン、PDA、コンピュータなどのハンドヘルドデバイス、ロボット、車、電車などの地上車両、有人および無人の航空機(後者はドローンとも呼ばれる)などの航空機などの、モバイルデバイスの形で実装されてもよい。ユーザデバイスは、上記のネットワーク接続が埋め込まれた物理デバイス、建物、または任意のアイテムに含まれるか、またはそれに取り付けられてもよい。実施形態によれば、ネットワーク接続により、ユーザデバイスは、それぞれの無線通信リンクを介した無線ネットワーク要素への接続をスキャン/検索、検出、開始、確立、中止/終了、ハンドオーバー、維持、または監視することができ、例えば、データを交換し、および/または制御チャネルに追従またはそれを追跡することができる。例えば、場合によっては、ユーザデバイスがリンクを単に追跡して、必要に応じてアクティブ化できる利用可能なリンクの一種の「リスト」を取得できれば十分な場合がある。例えば、図2に示すリンクの1つが失敗し始めると、UEによってすでに監視されている別のリンクが、失敗したリンクによって提供される無線リンクを引き継ぐために選択される。このような場合、ユーザデバイスはリンクを介して常にアクティブに送信または通信するのではなく、リンクを受動的に追跡する。
【0033】
上述のように、無線ネットワーク要素は基地局または他のユーザデバイスであってもよいが、さらなる実施形態によれば、それらは1つまたは複数のリンク転送要素、例えば1つまたは複数のさらなるユーザデバイス用の中継デバイスを含んでもよい。上記の中継デバイスは、例えば、衛星またはリピーター、または別のユーザデバイスとWiFiアクセスポイントの組み合わせであってもよい。
【0034】
図3は、本発明のユーザデバイス200を実装するための別の実施形態を示す。図3の実施形態では、概略的にのみ示されているユーザデバイス200は、乗用車216のような車両の一部であり、アンテナは、大規模MIMO、M−MIMO、アレイアンテナによって形成されている。4つの空間/指向性アンテナビーム206、206、206および206が、異なるモバイルネットワーク事業者MNO1〜MNO3の一部であるそれぞれの基地局BSに対してそれぞれ独立した無線通信リンク208〜208が確立されるアンテナアレイによって形成される。複数のリンク208〜208は、いくつかの基地局BSおよび異なるモバイルネットワーク事業者にわたってUE側で同時に空間的に処理される。したがって、本発明の実施形態は、ML−UEとも呼ばれる新しいクラスのマルチリンクUE、およびマルチリンクが、UE側で異なる基地局または無線ネットワーク要素に形成された空間マルチリンクによって実現されるシステムを導入し、これは、同じまたは異なる周波数で、あるいは同じまたは異なる周波数帯域で動作する。
【0035】
アンテナアレイ202は、アンテナアレイ200の異なるアンテナ素子202を使用してそれぞれの空間的/指向性ビームを形成することによりUE200が同じまたは異なるモバイルネットワーク事業者の異なる基地局を認識し、互いに独立した異なる基地局への接続をセットアップするように、関連する空間ビーム206〜206を形成する。実施形態によれば、アンテナは、6GHzを超える周波数で動作することができ、例えば、それは、ミリ波帯で、またはミリ波で動作することができる。アンテナアレイは、均一線形アレイ、ULAのような線形アンテナアレイ、均一平面アレイ、UPA、円筒状アレイなどのような平面アンテナアレイであってもよい。
【0036】
本発明の手法によれば、異なる空間ビーム206によってUE200から複数の無線通信リンク208を提供することにより、リンクが一時的にブロックされているなどの理由でリンクの1つがフェードインまたは消失している場合でも、より堅牢であるように通信が改善される。これは、モバイルアプリケーションで頻繁に発生するシナリオである可能性がある。例えば、デバイス216が移動した場合でも、残りの非ブロックリンクを介した信頼できる通信が存在する。
【0037】
図2および図3は、1つまたは複数の無線通信ネットワークを含むシステムの例を示し、そのそれぞれは、基地局または他のユーザデバイスのような1つまたは複数の無線ネットワーク要素を含み、本発明のユーザデバイスは、複数の無線ネットワーク要素との無線通信のために配置されている。図2および図3は、本発明の手法による単一のユーザデバイスのみが提供されるシステムを示しているが、本発明はそのような実施形態に限定されず、むしろそのようなシステムにおいて複数の本発明のユーザデバイス200が提供されてもよい。
【0038】
図3は、本発明のユーザデバイスのみが、大規模MIMOアンテナアレイのような複数のアンテナまたはアンテナ素子202を有するアンテナアレイ202を含み、無線通信ネットワークのそれぞれの基地局BSがセクターアンテナまたは無指向性アンテナを含むと想定される実施形態を示す。しかし、他の実施形態によれば、無線通信ネットワークのユーザデバイス200および基地局BSの両方は、基地局BSとユーザデバイス200との間にマルチポイントツーマルチポイント、MP2MP、接続性を作成するアンテナアレイを含んでもよい。当然のことながら、さらなる実施形態によれば、無線通信ネットワークの基地局のすべてではなく、それらのいくつかにアンテナアレイが設けられている。さらなる実施形態によれば、無線通信ネットワークの1つまたは複数の基地局BSがアンテナアレイを備えている場合、UEと無線ネットワーク要素の少なくとも1つとの間に複数の並列空間レイヤを確立するため、例えば、ユーザデバイス200と無線ネットワーク要素との間の無線通信リンクを介してデータレートを増加させるため、高次多重化方式は、UE200とアンテナアレイも有するそれぞれのBSとの間の通信のために使用されてもよい。例えば、図3のリンク208を検討し、モバイルネットワーク事業者MNO3の関連する基地局BSにも大規模MIMOアレイのようなアンテナアレイが提供されていると仮定すると、実際のリンク208は、複数の空間ビーム206、206’により形成されてもよく、それにより、UE200からMNO3の基地局BSへの複数の並列無線リンクを提供し、それによりデータレートが増加する。
【0039】
実施形態によれば、複数の独立した無線通信リンク208〜208は、例えば、図3に示されているように、サービスまたはそれらの組み合わせによって、ネットワーク側で、ユーザ側で編成されてもよく、サービスは、ネットワークまたはユーザデバイスの内部または外部に配置できる。無線通信リンク上のトラフィックは、以下の図4図5を参照して以下に説明するように、エンドツーエンドのE2Eトラフィック、例えば、外部サービスプロバイダからUE200またはUE200に結合されたデバイスへのトラフィックと呼ばれることもある。
【0040】
言い換えると、実施形態によれば、オーケストレーションは、必ずしもネットワークまたはUE200に配置されているとは限らないサービスレベルであってもよく、むしろインターネットのサーバーのような実際のネットワークの背後にあるエンティティであってもよい。UE中心のマルチ接続オーケストレーションと呼ばれるトラフィックのオーケストレーションは、UEによって、サービス中心のマルチリンクオーケストレーションと呼ばれるローカルまたは分散方式でホストされたサービスによって、またはネットワーク中心のマルチ接続オーケストレーションと呼ばれる上記の基地局のような1つまたは複数のネットワーク要素によって行われてもよい。
【0041】
実施形態によれば、UE200は、新規の接続識別を使用して、いくつかの無線ネットワーク要素に同時に接続することができ、例えば、仮想マルチUE IDは、ネットワークがマルチリンクアンカーUEを処理できず、レガシーネットワークのフォールバックと、様々なモバイルネットワーク事業者が運営するいくつかのネットワークへのマルチ接続を提供できない場合に使用できる。他の実施形態によれば、ML−UE200は、1つまたは複数のネットワークでそれ自体をリレーとして識別し、UE IDが不要であるか、リレーIDが使用されるかのいずれかである。例えば、リレーに結合されたUEなどのエンティティのIDは、リレーでカプセル化され、リレーを介したこれらのUEも、異なるまたは外部のモバイルネットワーク事業者のネットワークを使用できるようになる。
【0042】
上述のように、図2および図3の基地局またはUEのような無線ネットワーク要素は、1つまたは複数の無線通信ネットワークの一部であってもよい。例えば、1つまたは複数の無線通信ネットワークは、同じモバイルネットワーク事業者によって操作される1つまたは複数の無線ネットワーク、同じ事業者が運営するネットワークの要素である基地局BS、BS、BSへの3つの独立した無線通信リンク用のアンテナ202を使用して3つの空間ビームを形成するUE200を示す図4に概略的に示す状況を含んでもよい。UEは、3つの空間ビームを形成して、例えば、単一の基地局への従来技術の手法では通常のように、ビデオストリーミングサービスなどの無線通信ネットワークに接続された外部ユニット220に接続するのではなく、高い接続信頼性を提供する。本発明の手法によれば、アンテナ202によって提供される3つの空間ビームは、基地局への独立した無線通信リンクを形成する、すなわち、十分な数のリンクが提供されるので、通信経路内の障害物222のために、基地局のうちの1つ、例えば、基地局BSへの接続が不可能である状況も、十分な数の接続またはリンクが確立され、高い信頼性と高いデータスループットが実現される。
【0043】
他の実施形態によれば、UEは、図5に概略的に示すように、異なる事業者によって運営される無線通信ネットワークの一部である無線ネットワーク要素に接続することができる。再び、UE200は、3つの独立した無線通信リンクを確立するための3つの空間ビームを形成するアンテナ202とともに示す。図5のシナリオでは、3つの異なるモバイルネットワーク事業者1、2および3の基地局が利用可能であると想定され、UEは、第1の事業者の基地局BS12、第2の事業者の基地局BS21、および第3の事業者の基地局BS33への無線通信リンクを提供して、ネットワークへの、またネットワークを介した外部ユニット220への信頼できる接続を提供し、それにより、障害物222、222の問題、または基地局が所望の特性に従って動作しない、または過負荷になり、十分なスループットを提供しない問題を回避する。
【0044】
上記の実施形態は、セルラー無線通信ネットワークに関連して説明されてきたが、本発明の手法はそのようなネットワークに限定されない。本発明の手法は、衛星およびセルラーからローカルおよびパーソナルエリアネットワークまでの任意のタイプの無線通信ネットワーク、例えば無線パーソナルエリアネットワーク、WPAN、無線ローカルエリアネットワーク、WLAN、無線アドホックネットワーク(無線メッシュネットワークまたはモバイルアドホックネットワークとも呼ばれる)、MANET、無線メトロポリタンエリアネットワーク、無線ワイドエリアネットワーク、セルラーネットワーク、およびグローバルエリアネットワークにおいて実施されてもよい。さらに、本発明の手法は、上述のネットワークのいずれかを組み合わせた環境で実装されてもよい。言い換えれば、上記の無線通信ネットワークは、同じ無線アクセス技術、RAT、または異なるRATに基づいて動作する。無線技術の例は次のとおりである。
【0045】
LTE、LTE−A、LTE−A Pro
5G/NR
LTE V2X
拡張されたV2X、5G/NRのeV2X、
IEEE 802.11、
IEEE 802.11p DSRC、
ブルートゥース(登録商標)、
IEEE 801.11ad、IEEE 802.11ay、IEEE 802.11acなどのWiFiバリアント
ETSI DECTおよびそのバリアント。
【0046】
また、UE200が無線リンクを形成し得るネットワーク要素は、上述の無線通信ネットワークのいずれか1つから選択されてもよい。さらに、さらなる実施形態によれば、無線ネットワーク要素は、建物、機械、車両などのような他のエンティティの一部であり、これらはさらにネットワークに接続されてもよい。
【0047】
さらなる実施形態によれば、基地局および他のエンティティのような上記の無線ネットワーク要素は、それらが属するネットワーク内で、同じまたは異なるネットワークリソースを使用してもよい。例えば、図4を考慮するとき、UE200への接続に関与する基地局BS〜BSの一部またはすべては、同じリソースで動作するか、または異なるリソースを使用してもよい。例えば、それぞれの無線通信リンクに関連付けられた/マッピングされたリソース要素を送信するための異なる周波数または異なる周波数帯域が使用されてもよい。これは、異なるネットワークで動作する無線ネットワーク要素にも適用される。
【0048】
図4および図5を参照して上述した実施形態では、モバイルネットワーク事業者の基地局が参照されているが、しかしながら、本発明の手法は、図4および図5の基地局の代わりに、またはそれに加えて、実施形態に従って、そのようなシナリオに限定されず、UE200の空間ビームによって提供される1つまたは複数の通信リンクは、異なる無線アクセス技術、例えば、60GHzのWiGigリンク(IEEE 802、11adまたはIEEE 802.11ay)、5.2GHzのWiFiリンク、3.5GHzの4Gまたは5Gリンクなどを実装するWiFiネットワーク、Bluetoothネットワーク、またはDECTネットワークまたはその他の帯域を使用するネットワークへのものであってもよい。
【0049】
図4および図5の実施形態では、ユーザデバイス200は、ビデオストリーミングサービス220と通信するものとして説明されたが、任意の種類のサービスプロバイダ、例えばURLLCサービスが実装されてもよい。
【0050】
図4および図5の外部ユニット220は、ユーザデバイス200が通信する宛先とも呼ばれてもよい。外部ユニット220は、遠隔機械操作または機械の閉ループ制御のためのサービスを実施してもよい。サービスプロバイダ220は、URLLCサービスを提供することができ、図5に示すように、さらなるリンク228を介してマシン230に接続される。インターフェース228は、外部ユニット220とエンティティ230との間の直接通信、無線通信、または有線通信であってもよく、または、例えば、イントラネットまたはインターネットなどの別のネットワークを介した接続であってもよい。
【0051】
本発明の手法のさらに別の実施形態によれば、宛先220は、1つまたは複数のネットワーク要素、例えば、図2から図5を参照して上述した1つまたは複数の基地局であってもよい。そのようなシナリオでは、追加のエンティティ230は、図4および図5に示すモバイル通信ネットワークに接続されるか、または基地局の1つなどのネットワーク要素の1つに直接接続される。例えば、図4を検討する場合、外部ユニット220は、基地局BS〜BSのうちの1つまたは複数に結合されてもよい。
【0052】
図5を参照して説明した例では、UEの通信の宛先を形成するエンティティは、外部ユニット220に結合されたマシン230として示されている。言い換えれば、宛先は次のネットワークノード、例えば基地局に向かっているか、別のUEや車のような他のノードへのマルチホップである可能性があり、それによってUEを一種のリレーまたは転送ノードにすることができる。
【0053】
他の実施形態によれば、目的地であるエンティティは、車両のようなモバイルデバイスであってもよい。UE200が提供される場所に応じて、例えば、それが別の機械または別の車両に提供される場合、M2M、V2VまたはV2X通信が実施されてもよい。
【0054】
図6aは、本明細書に記載の教示に従って実装されるUE200が車両300に結合され、ユーザデバイス200のアンテナアレイ202によって形成されるそれぞれの空間ビームまたは指向性ビームを使用して複数の無線通信リンク208〜208を提供する実施形態を示す。無線通信リンク208〜208は、無線通信リンク208を確立するために、スモールセル基地局のような無線ネットワーク要素(図示せず)をそれぞれ含む複数の路側ユニット302〜302へのV2X通信を提供する。路側エンティティ302は、道路304に沿ったランタン、交通標識、または建物であり得、それぞれのユニット302は、図4および図5を参照して上述したように、外部エンティティとの通信のために共通ネットワークまたは異なるネットワークに接続されてもよい。さらに、車両300は、本発明のUE200を介して、UE200のアンテナによって生成される空間ビームまたは指向性ビームの1つによっても形成される無線通信リンク208を介して、さらなる車両306へのV2V通信を確立することができる。さらなる車両306は、路側エンティティと同様の方法で、無線通信のためのネットワーク要素210を含む。ネットワーク要素210は、ネットワーク接続性を提供する任意のデバイスとすることができ、実施形態によれば、無線ネットワーク要素210は、本発明の手法に従ってユーザデバイス200によって形成することもできる。点線308、308で示されるように、さらなる車両306も路側エンティティ302および302に接続されている。2つの車両300、306の間の信頼できる通信のために、本発明のユーザデバイス200は、直接リンク208に加えて、さらなる独立した無線通信リンク208、208を介して、そして、車両300から車両306への通信を中継することができる2つの路側ユニット302および302からの無線リンク308、308を介して、マルチ接続を提供する。
【0055】
図6aを参照すると、他の実施形態によれば、地上車両ではなく、例えばドローンのような無人航空機などの航空機も使用できることに留意されたい。装置の飛行経路に沿って設けられた複数の固定要素へのマルチ接続のための本発明のユーザデバイス200を含むことができ、制御情報を受信し、位置情報を例えばシステムに送り返すためのネットワークへのドローンのより信頼できる接続をもたらす。
【0056】
図6bは、本明細書に記載の教示に従って実施されるUEが空中輸送機、航空機、または無人機に接続される別の実施形態を示す。図6bには、それぞれのビーム206を介して地上の基地局BSに接続する本発明のユーザデバイス200を含むドローンが示されている。図6bに示す状況では、UE200からBS’へのUL接続は、BS’およびBS’’がビーム206’によってカバーされる同じセクターにあるため、BS’’との干渉を引き起こす可能性がある。UE200およびその関連UL RSについての知識を有する潜在的に干渉の影響を受けるすべてのBSは、UE200のために経験された感知された干渉を報告し、ネットワーク内のマルチリンクオーケストレータ(以下を参照)はそれに応じてリンク206を管理して干渉レベルを低減することができる。例えば、ビーム206’の代わりに、BS’’’に向けられた別のビーム206’’がULに使用されてもよい。
【0057】
ダウンリンク選択についても同じことが当てはまる。というのは、UE200は、BS’から、BS’’に干渉されたUE200へのDL接続中にBS’’からの干渉レベルを認識し、それに応じてアクティブビームを206’’に切り替えるからである。
【0058】
さらなる実施形態によれば、空中デバイスは、近接BSの公表された近隣リストにあるものを超えてBSにマルチリンクアンカーするためにBSの拡張カバレッジを活用することができる。
【0059】
図7は、本発明のユーザデバイス200が、例えば複数の機械M1、M2、およびM3を含む工場内で機械制御310に結合されるか、その一部である別の実施形態を示す。本発明のユーザデバイス200は、そのアンテナ202により、それぞれの無線ネットワーク要素210〜210に結合または組み込まれたそれぞれのマシンM1〜M3への3つの無線通信リンク208〜208を確立することにより、マルチ接続性を提供する。それぞれの無線リンク208は、ユーザデバイス200のアンテナまたはアンテナアレイ202によって生成された独立した空間/指向性ビーム206、206および206を使用して形成される。機械制御310は、機械の動作を監視し、独立したリンクを介して機械の動作を制御するために、それぞれの機械に信号を送信/受信することができる。機械は、ロボットなどを含むあらゆる種類の機械であってもよい。
【0060】
図8aは、一実施形態による本発明のユーザデバイスのブロック図を示す。UE200は、複数のアンテナまたはアンテナ素子202を有するアンテナアレイ202を含む。他の実施形態によれば、複数のそのようなアンテナアレイ202をUE200に設けることができる。アンテナアレイ202は、プリコーダ320に結合されている。プリコーダ320は、コードブックを含むか、コードブックに結合されて、個別の独立した無線通信リンクそれぞれに対して少なくとも2つの空間的に分離された電磁送信/受信ビームを形成する。さらに、UE200は、プリコーダに結合され、また信号を入力/出力するためにインターフェース218にも結合されたそれぞれの信号処理チェーン204〜204を定義する1つまたは複数の信号プロセッサを含む。実施形態によれば、アンテナアレイ202は、多数のアンテナ素子を有する大規模MIMOアンテナアレイであってもよい。上述のように、複数の信号処理チェーン204〜204、例えば、無線通信リンクのそれぞれに対する信号処理チェーンを実装するために、単一の信号プロセッサまたは複数の信号プロセッサが提供されてもよい。信号処理チェーンは、リンクごと、基地局ごと、モバイルネットワーク事業者ごとに、以下のうちの1つまたは複数をサポートする。
【0061】
DL時間と周波数の同期、近隣リストの処理、
DL/ULやH−ARQなどのリソース割り当ての処理、
ULタイミングアドバンスTA、
電力制御、
引き継ぎ手順のトリガと処理。
【0062】
以下では、複数の無線通信リンクを介した通信を扱う本発明の手法の実施形態を説明する。
【0063】
物理層の再送信メカニズム
実施形態によれば、図2図7のいずれか1つに示すシステムは、再送信に適したリンクの指示を含む、H−ARQのような物理層再送信メカニズムを実装してもよい。例えば、スペクトル効率を改善するために、H−ARQなどの物理層再送信メカニズムをマルチリンクUE200および基地局BSなどの各無線ネットワーク要素に適用することができる。基地局などの宛先がメッセージを復号化できない場合、マルチリンクUE200からの再送信を要求するために、非確認応答、NACKメッセージを送信することができる。宛先は、複数のリンクのどれが再送信の優先リンクであるかを示すことができる。リンクの品質/信頼性に関する情報は、異なる独立した無線リンクを介してUEに接続された各基地局が互いに認識している場合、例えばX2インターフェースまたは他のバックホール接続を介して基地局で共有することができる。リンク品質/信頼性は、各リンクに関する符号化情報の尤度比を分析することによって見つけることができ、所定のしきい値を超える品質/信頼性を有するリンクが再送信のために選択されてもよい。
【0064】
ハンドオーバー
実施形態によれば、図2図7のいずれか1つに示すシステムは、各無線伝送リンク208に対して、ネットワーク内の別のアンカーポイントまたは基地局のような別の無線ネットワーク要素への独立したハンドオーバー手順をトリガし、要求し、実行してもよい。例えば、ハンドオーバーの高度なトリガおよび遅延トリガは、ネットワークを介して「クローリング」を実装し、同時に特定のターゲットデータレート、レイテンシ、冗長性などを満たすために必要な数のリンク208を接続モードでできるだけ多く維持することができる。
【0065】
他の実施形態によれば、ネットワークまたはインターネットからロードすることができる拡張近隣リストのような近隣リストを使用して、ML−UE200が、2つ以上の階層の無線ネットワーク要素、異なるモバイルネットワーク事業者、異なる無線アクセス技術などにわたる同時リンクに対して従来の近隣リストで指定された範囲を超えて接続できるようにすることができる。
【0066】
さらに別の実施形態によれば、システムは、使用デバイスの所定の経路に関する知識および/または利用可能になる無線ネットワーク要素への無線通信リンクに関する知識に基づいて、予想されるハンドオーバーおよび/または新しいリンク確立を実行することができる。
【0067】
さらなる実施形態によれば、ハンドオーバーは、アナウンスされた近隣リストからの1つのBSから隣接BSへの従来のハンドオーバー、またはRACHのような従来のリンク接続/確立手順を使用し、新しいリンクを介したエンドツーエンド接続を提供する、近隣リストでアナウンスされていない別の無線ネットワーク要素への新しいリンクの確立に基づくハンドオーバーであってもよい。
【0068】
ダウンリンクDLシグナリングの活用
実施形態によれば、本発明のUE200は、異なる基地局のような異なる無線ネットワーク要素からのダウンリンクDLシグナリングを活用して、2つ以上の無線ネットワーク要素を区別し、独立に要素と同期して、DL制御チャネルの並列復号化/処理/取り扱いを提供することができる。言い換えると、DLシグナリングは異なる基地局/アクセスポイントから送信され、UEは2つ以上の基地局信号を区別して、ダウンリンク制御チャネルの並列復号化/処理の通信を同期させることができる。したがって、本明細書に記載の教示に従って実装されるUE200は、例えば、いくつかの無線フレームにわたってなど、長期間にわたって、複数のリンクを同じアクティブまたはアクティブ化の準備ができた状態に保つ。
【0069】
増加したダイバーシティ
実施形態によれば、本発明の手法は、コードダイバーシティ、空間ダイバーシティ、時間ダイバーシティまたは周波数ダイバーシティの増加のように、ダイバーシティを増加させる。ダイバーシティを高めるために、UE200は、複数の無線通信リンクを介して、例えば同時に第1の無線通信リンクおよび第2の無線通信リンクを介してメッセージを送信および/または受信することができる。さらに他の実施形態によれば、メッセージは分割されてもよく、メッセージの一部は、第1および第2の無線通信リンクを介して同時に多重送信されてもよい。
【0070】
複数の無線通信リンクを介してメッセージまたはメッセージの一部を同時に送受信する場合、無線通信リンクの1つを介した通信が正常に復号化または受信されない場合がある。そのような状況では、メッセージまたはメッセージの一部の再送信が必要であり、UEは1つまたは複数の異なる無線通信リンクを介して、H−ARQ再送信メッセージなどの再送信メッセージを送信または要求することができる。実施形態によれば、再送信メッセージは、メッセージ内またはメッセージの一部内のデータの冗長性を含むことができ、冗長性は、チェイス結合または増分冗長性を含むことができる。さらに他の実施形態によれば、再送信の要求に応じて、メッセージ全体またはメッセージの一部の完全な再送信を開始することができる。
【0071】
基地局のようなそれぞれのネットワーク要素が、UEからネットワークへの既存の独立した並列無線通信リンクを認識していない場合、再送信は、異なるリンクを介してそれぞれのネットワーク要素を介してUEへのデータのフローを制御することもできるトップエンティティによって制御されてもよく、すなわち、再送信は、例えば、図4および図5を参照して上で説明されたように、サービスプロバイダによって、実際のネットワーク要素の外側の上部で処理されてもよい。基地局またはそれに結合するエンティティなどの無線ネットワーク要素が異なる無線通信リンクを認識している場合、再送信メッセージは、各基地局の制御下で異なる無線通信リンクを介して協調的に送信されてもよい。このような状況では、再送信により、2つ以上のリンクが多重化リンクまたは冗長リンクとして利用されてもよい。
【0072】
したがって、上記の実施形態によれば、元のメッセージは多重モードで送信されてもよいが、H−ARQに使用されるような繰り返しは、選択された別のパス、または使用可能なパス、空間/方向ストリーム、および/または周波数で異なるダイバーシティを使用してもよい。
【0073】
増加したコードダイバーシティ
実施形態によれば、UE200がN個の異なる無線通信リンクに対してN(N>1)の空間ビームまたは指向性ビームを形成するという本発明の思想により、増加したコードダイバーシティが提供される。送信されるメッセージまたは送信されるメッセージの一部を符号化でき、コードワードのN個のコピーが生成され、N個の異なる無線通信リンクを介して送信される。別の実施形態によれば、メッセージまたはメッセージの一部を符号化し、得られたコードワードをN個のサブコードワードに分割し、N個の異なる無線通信リンクを介して送信することができる。
【0074】
そのようなシナリオでは、基地局のようなそれぞれの無線ネットワーク要素は、メッセージの部分を収集し、バックホールインターフェースを介したデータの交換を含んでもよいメッセージの部分の共同処理を実行することができる。これは、各無線ネットワーク要素が、UEから異なる基地局に提供される複数の独立した無線通信リンクを認識している状況で可能である。それぞれのネットワーク要素が独立したリンクを認識していない場合、他の実施形態によれば、無線ネットワーク要素がメッセージの一部をそれに接続されている1つまたは複数のエンティティに転送し、次に、エンティティがメッセージの部分を収集し、メッセージの部分の共同または分散処理を実行する。言い換えると、コードワードの部分または断片の最終的な組み合わせは、ネットワークエンティティのどこかで、またはサービスがアンカー/ホストされるサービスレベルで行われる。
【0075】
実施形態によれば、複数のリンクのメッセージのそれぞれの部分の配信は、すべての部分が受信された場合でも、実際のコンテンツを取得できない場合があり、ネットワークコーディングなどの追加の処理が必要になる。メッセージ/データフローの各部分は、第1のステップ/段階で、分散方式で処理/復号化され、その後に、第2の段階/ステップで、第1の段階の部分を組み合わせた共同処理によってさらなる処理が実行される。例えば、それぞれの基地局またはネットワーク要素で、特定のビットが特定の値を有する確率を示すソフトビットが生成され、これらのソフトビットは、受信されたソフトビットに基づいてハードビットを生成する共有エンティティに配信され、ビットの最終値を定義する。例えば、メッセージの同じ部分で異なるリンクを介して、または異なるネットワーク要素から異なるソフトビットを受信する場合、ハードビットを生成する共有エンティティは、特定の値に対して最も高い確率を有するソフトビットを選択することができる。
【0076】
さらなる実施形態によれば、ユーザデバイスはメッセージを暗号化することができる。
【0077】
増加した空間/時間ダイバーシティ
実施形態によれば、データパケットまたはメッセージの複数のコピーを複数のリンクを介して送信することにより、空間および時間のダイバーシティを増加させることができる。UE200は、送信されるメッセージまたはメッセージの一部をコピーし、その後に、メッセージと、第1および第2の無線通信リンクのコピーおよびメッセージの他の部分とを送信することができる。例えば、マルチリンクUE200は、同じメッセージまたはデータパケットのN個のコピーを生成し、同じ方式/パターンまたは異なる方式/パターンのいずれかであるチャネルコーディング方式およびインターリーバパターンをメッセージまたはデータパケットの各コピーに適用することができる。チャネル符号化後に得られたN個のコードワードは、N個の異なる無線通信リンク208を介して宛先に並行して送信され、宛先は1つまたは複数の基地局であってもよい。宛先では、基地局が例えばX2インターフェースを介して複数の独立したリンクに関する知識を有していれば、受信した情報が基地局によって交換され、共同で処理される。ジョイントチャネルデコーダは、復号化処理中にメッセージの複数のコピーの相関を活用することができる。複数のリンクからのデータの十分な情報を蓄積することにより、宛先はメッセージを復号化することができる。メッセージを復号化できない場合、宛先はマルチリンクUEにNACKを送信して、メッセージの再送信を要求することができる。宛先は、マルチリンクUEへの再送信の優先リンクを示すこともできる。各再送信で、マルチリンクUEは、オプションで、それぞれ異なるチャネル符号化方式とインターリーバパターンによってメッセージを符号化およびインターリーブすることができる。
【0078】
実施例によれば、チャネル符号化方式を単純に保つために、単純な発生器を備えたドープされたアキュムレータコードが使用され、そのようなコードは冗長性を導入せず、対応するチャネルデコーダは中程度の複雑さのみを必要とする。さらなる実施形態によれば、ファウンテンコードを使用して、メッセージを正常に復号化するために、受信機またはデコーダのような十分な数の部分が宛先に到着するまで、メッセージ全体の多くの部分を送信する送信方式に導くことができる。そのようなシナリオでは、H−ARQと同様のフィードバックにより、パケットのさらなる送信を終了させることができる。
【0079】
UL/DLスケジューリング
実施形態によれば、本発明のUE200は、アップリンクULおよび/またはダウンリンクDLを制御または調整することができ、ならびに/あるいはアップリンク通信および/またはダウンリンク通信におけるリンク適応を制御または調整することができる。実施形態によれば、UE200は、1つまたは複数の無線ネットワーク要素のリンク制御、例えば上記の図に示すような基地局のリンク制御にアクセスして、それぞれの無線通信リンクを介したアップリンク/ダウンリンクのリソースのスケジューリングを直接制御することができる。他の例によれば、リンク制御への直接アクセスは利用できない場合があるが、特定の状況が回避されるように、各基地局のリンク制御に関する情報の送信を制御すること、例えば、同時に2つの無線通信リンクの同時ハンドオーバーにより、スケジューリングの間接制御を実施することができる。
【0080】
さらなる実施形態によれば、UEは、アップリンク/ダウンリンクにおけるリソースおよびリンク適応を制御/調整して、UE自体が選択することができる物理リソースブロックなどのリソースの専用セットを提供することができ、そのようなPRBに対して、UEは、それぞれの無線通信リンクで変調、コーディング、およびコードワード配布を選択することができる。この手法は、UEが受信機であり、干渉レベルを含むチャネル状態を観察し、通常、リソースの特定のロード/使用を要求するために、PMI、CQIなどのいくつかのインジケータを基地局にレポートするダウンリンクで有益である。そのような値が送信の成功につながった場合、基地局が決定し、UEは別のラウンドのフィードバックを報告する。
【0081】
アップリンク/ダウンリンクスケジューリングに関するさらなる実施形態によれば、本発明の手法によるML−UE200は、大規模MIMOアレイなどのアンテナアレイを使用して、空間多重化による共通リソースでできる限り多くの、ストリームとも呼ばれる、指向性/空間ビームを送受信することができる。共通リソースには、共通の時間/周波数リソースが含まれてもよい。LTE標準のような従来の手法は、基地局でのみアップリンク/ダウンリンクスケジューリングを実行するが、本発明の手法に従って、異なる基地局間で十分なバックホールがないかまたはバックホールがない状況を処理することができ、異なるモバイルネットワーク事業者の基地局に接続する場合がそうである。そのような場合、基地局は、許容可能なML−UE中心のスケジューリング決定と、対応するレート割り当てまたはリンク適応を提供する方法を知らない。これは、基地局で利用可能なグローバルCSIがなく、各基地局にはローカルCSIのみがあるためである。アップリンクの場合、各BSが、特定のML−UEの同時スケジュールされた他の基地局とそれ自体のアップリンクストリームがどれだけ干渉するかを知らないという意味で、スケジューリングには困難または不確実性がある。そのようなシナリオでは、実施形態によれば、アップリンクスケジューリングをUE側で実行することができるが、そうでない場合、そのようなアップリンク干渉はML−UEのアップリンクスループットを著しく低下させる可能性が最も高いからである。
【0082】
例えば、UEは、複数の潜在的な基地局に同じアップリンク/ダウンリンクリソースブロック(共通のアップリンク/ダウンリンクリソースブロックとも呼ばれる)を要求することができ、UEがいくつかの基地局から許可を取得すると、UEは、許可した基地局からのCSIフィードバックをトリガすることができる。報告されたCSI(RI/PMI/CQI)を考慮して、UEはプリコーダによって提供されるビーム形成行列の最適なセットをスケジュールする。次に、UEは、UL/DL制御情報を基地局にシグナリングすることにより、リンク適応を実行することもできる。言い換えれば、そのような実施形態によれば、本発明のML−UE200は、従来の大規模MIMOシステムにおける基地局と同じ役割を果たすことができる。
【0083】
独立した電力制御
さらなる実施形態によれば、ユーザデバイス200は、例えば、CSI、CQI、PMIおよびH−ARQハンドオーバーなどを含む独立したリンクフィードバックのために、無線通信リンクの独立した管理を提供してもよい。
【0084】
集約ノード
本発明の実施形態によれば、やはり上記で簡単に述べたように、UE200は、集約ノードに接続された複数のさらなるデバイスのための集約ノードとして動作してもよい。
【0085】
例えば、本発明のUE200は、バス、電車または飛行機のような移動ホットスポットの集約ノードであってもよく、車両に位置するいくつかのデバイスは集約ノードに接続されてもよい。接続されたデバイスは、独自のID、特定のプロパティなどを空間リンクIDに転送することができ、その逆も可能である。マルチリンク接続は、異なるMNOのネットワークに接続でき、反対側のデバイスはMNOごとにグループ化することができる。デバイスは、例えばサービスのマルチMNOアンカーリングによって、ネットワークのいずれか1つにアンカーされた「トランスコードされた」リンクを取得することができる。
【0086】
アナログビームフォーミング構成要素の多重化
さらなる実施形態によれば、ユーザデバイスは、例えば、それぞれのシグナリングチェーン204について図8aに示す信号プロセッサに実装される変調器/復調器を含んでもよい。アンテナアレイは、大規模MIMOアンテナアレイ202を含んでもよく、アンテナアレイ202内のアンテナ素子202のすべてまたはグループは、変調器/復調器との間で同じRF信号を送受信してもよい。RF信号に言及する場合、変調器から来るアナログ信号を意味する。これは、DAC後のアナログドメインのベースバンド信号であってもよいし、中間周波数まで混合されてもよい。ビームフォーミングは、アナログビームフォーミングを生成するために、例えば位相シフタまたは並列ステージでの固定位相遅延との混合によって実行されるため、すべてのアンテナ要素が独自のトランシーバチェーンを有するわけではない。言い換えれば、それぞれアナログビームフォーミングまたはハイブリッドビームフォーミングの場合、アンテナアレイ202またはアンテナグループ202内のすべてのアンテナは、変調器から同じRF信号を受信してもよい。この信号は、アンテナごとに個別にパラメータ化可能な位相で位相シフトされてもよく、位相でパラメータ化されたすべてのアンテナを使用すると、ターゲット受信機に向けて最大SINRが得られ、同時に他のすべての受信機での干渉が最小限に抑えられる。しかし、現在のデータレートと干渉除去の要件がそれほど高くない場合は、ターゲット受信機へのシグナリングに必要なアンテナまたはグループの数が少なくても十分である。送信機はML−UE200であり、受信機は基地局または他のUEのような他のネットワーク要素であってもよく、単一のML−UEから複数の基地局への複数のリンクを並列に確立すると必要なビームフォーミングハードウェアに関する統計的多重化ゲインが得られる。例えば、3つの基地局への3つの平行ビームをサポートする場合、アンテナまたはグループの数は、単一リンクのハードウェアの3倍よりも大幅に少なくてもよい。
【0087】
したがって、さらなる実施形態によれば、図8aのコントローラ322のようなコントローラは、例えば各無線通信リンクの現在のデータレート要件に従って、無線通信リンクごとのアンテナの数を動的に増減する、ならびに/あるいは無線通信リンクの数、および/または無線通信リンクを生成するために使用されるアンテナアレイのアンテナ要素、および/または無線通信リンクごとの空間ビームの数を増減するように設けられてもよい。
【0088】
図8bは、本発明のユーザデバイスの1つまたは複数のアンテナアレイを実装するための実施形態を示している。1つまたは複数のアンテナアレイは、ミリ波帯域で動作する複数のアンテナ素子202x、例えば8×8から数百までを含んでもよい。第1の実施形態によれば、アレイ200は、すべてのアンテナ素子202を使用して複数のビーム206を形成するように制御されてもよい。第2の実施形態によれば、複数のサブアレイ202、202がそれぞれのビーム206を形成するために使用されるように、アレイを制御することができる。
【0089】
リンク状態に関するプロトコル
さらなる実施形態によれば、本発明の手法は、例えば、基地局のようなそれぞれのネットワーク要素によって適切な測定を実行することにより、または、無線通信リンクに関連するKPIのようなそれぞれのパラメータを取得するためにUE200で実行される測定により、または、通信の動作、例えば通信動作に関するいくつかの情報を提供する要求された再送信の数、すなわち特定のデータを送信するために通信リンクがどの程度優れているかを監視することにより、ネットワークレベルのいずれかで、1つまたは複数の無線通信リンクの状態に関する情報を取得することを含むことができる。1つまたは複数のチャネルの状態に関する情報は、例えば、測定が完了すると、特定の要求が発行されると、または特定の時間もしくは間隔で、システム全体の各エンティティ間で送信または配信されてもよい。例えば、実施形態によれば、得られた情報を使用して、例えば、ユーザデバイスまたは他のエンティティから受信した情報に応じて、異なる無線通信リンク上の通信を動的に適応させることができる。
【0090】
E2Eマルチリンクオーケストレーション
さらなる実施形態によれば、本発明の手法は、E2Eマルチリンクオーケストレーションを提供することができる。
【0091】
実施形態によれば、E2Eマルチリンクオーケストレーションは、ネットワークへのアクセスおよびサービスに必要とされる可能性があるリンクIDおよびユーザIDのオーケストレーションを含む。
【0092】
図9は、本発明の実施形態によるオーケストレータを含むネットワークの概略図である。本発明のUE200は、それぞれの基地局BS〜BSを介して、例えばインターネットまたは図示した環境の他の場所に位置するサービスへの3つの独立したリンク208〜208を提供する。図9では、UEとサービスとの間の論理接続が矢印E2Eで表されている。基地局は、それぞれのバックホール接続BH〜BHによってサービスに接続される。オーケストレータ400は、マルチリンクオーケストレータまたはマルチIDオーケストレータまたはその両方であってもよい。マルチリンクオーケストレータとマルチIDオーケストレータは、同じエンティティまたは個別のエンティティで、集中化または分散された方法で実装することができる。オーケストレータは、インターネットのサーバーのような実際のネットワークの背後にあるエンティティであってもよいし、UEにあってUE中心のマルチ接続またはマルチリンクオーケストレーションを提供してもよいし、あるいは、ネットワーク中心のマルチ接続オーケストレーションを提供するために、上記の基地局のような1つまたは複数のネットワーク要素にあってもよい。
【0093】
マルチリンクオーケストレータは、リンク208およびバックホール接続BHを介したE2E接続のための送信またはデータフローを制御する。マルチリンクオーケストレータは、符号410で概略的に表されるように、信頼性、レイテンシデータレートなどのE2E通信の特定の基準に従ってE2E接続に結合されたリンクを利用するために、例えば、データレート、干渉レベル、輻輳、負荷などのKPI(主要業績評価指標)によって記述される、リンク208およびバックホール接続BHの条件についての知識を活用することができる。このような知識は、ネットワーク要素、ネットワーク内の任意のエンティティ、またはUE200など、サービスまたはネットワークによって提供されてもよい。マルチリンクオーケストレータは、EPC、進化したパケットコア、4Gネットワークの機能など、コアネットワークのエンティティとも対話することができる。
【0094】
マルチリンクオーケストレータは、例えば、制御シグナリングを介して、ネットワーク要素またはリンクに関連するエンティティ、例えばスケジューラ、リンクコントローラ、ハンドオーバーコントローラなどで直接に、あるいは、サービスまたはリンク固有のパラメータ、例えば保証ビットレートサービス、ULLRCなどに基づいて間接的に、リンクの性能関連パラメータを制御することができる。
【0095】
実施形態によれば、UE中心のマルチリンクオーケストレータは、特にグラントフリーアクセス手順を使用するULについて、基地局スケジューラを調整/調整することにより、データルート/フロー選択または優先順位付けにより、URLLCなどの重要なサービスに必要なリンクを制御することができる。さらに、UEおよび/またはサービスは、オンデマンドで、または応答時間、再送信試行などの所定の間隔で、エンドツーエンドリンク性能テストをトリガすることができる。
【0096】
例えば、レイテンシクリティカルなデータは、最速のリンク、例えば、必要なリソースブロックRBが利用可能なリンクおよび/またはH−ARQ再送信の最小数が予想されるリンクを介して、UE200によって常にルーティングされてもよく、および/または最低のエンドツーエンド遅延が予想される。さらに、レイテンシが重要なデータが分割され、リンクを介して送信されてもよい。スケジューリング選好決定のスケジューリングは、UEで行われてもよく、基地局などの関連するネットワーク要素に適切に通信されてもよい。
【0097】
マルチIDオーケストレータは、1つまたは複数の無線ネットワークへのアクセスに使用される無線通信リンク208の加入者識別などの異なるIDを制御する。IDは、ユーザデバイスを認証し、ネットワークおよび/またはネットワークスライス、サービス、KPIレポート要求などの特定のネットワーク機能へのアクセスを許可するために使用されてもよい。異なるIDは、共通のマルチリンクUE IDに結合されてもよい。そのようなマルチリンクUE IDは、1つまたは複数のネットワークでより効率的に処理されてもよい。
【0098】
利点
上記で詳細に説明した本発明の手法は、従来技術の手法よりも多くの利点を提供する。本明細書で説明する教示によれば、基地局などのいくつかのネットワーク要素へのリンクの集約が同時に可能になり、データレートがいくつかの基地局への空間多重化または周波数多重化によって増加するため、リンクダイバーシティが提供され、リンクの安定性が向上し、停止が減少するだけでなく、複数の基地局間のバックホール接続の負荷バランシングが提供される。さらに、UE側での大幅なセル間干渉低減が達成され、ネットワークとML−UE200との間のエネルギー低減されたマルチリンク伝送が利用可能である。さらに、本発明の手法の実施形態は、特にモバイルエッジコンピューティングMECにおいて、それらが同時におよび/または異なる時間インスタンスでマルチハンドオーバーを提供して、ハンドオーバー障害の数を減らし、トラフィックハンドオーバーのバランスをとり、レイテンシを減らし、継続のサポートを改善するので有利である。本発明のアプローチのさらなる利点は、同じまたは異なる無線アクセス技術を使用する同じまたは異なるネットワーク内の基地局のようないくつかの作業要素のパケットのマルチパスルーティングが可能になるので、E2Eサービス配信の改善であり、さらなる実施形態は、いくつかの基地局を介したバックホールで統計的多重化が提供され、これにより、例えば、ハンドオーバーが発生した場合に、実効データレート、遅延、チッターの変動を低減するので有利である。
【0099】
記載した概念のいくつかの態様を装置のコンテキストで説明したが、これらの態様は対応する方法の説明も表し、ブロックまたはデバイスが方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップのコンテキストで説明される態様は、対応するブロックまたは項目または対応する装置の機能の説明も表す。
【0100】
本発明の様々な要素および特徴は、アナログおよび/またはデジタル回路を使用するハードウェア、ソフトウェア、1つまたは複数の汎用もしくは専用プロセッサによる命令の実行を通じて、あるいはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実施することができる。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステムまたは別の処理システムの環境で実施されてもよい。図10は、コンピュータシステム900の一例を示している。ユニットまたはモジュール、ならびにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つまたは複数のコンピュータシステム900で実行することができる。コンピュータシステム900は、特殊目的または汎用デジタル信号プロセッサのような1つまたは複数のプロセッサ902を含む。プロセッサ902は、バスまたはネットワークのような通信インフラストラクチャ904に接続されている。コンピュータシステム900は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ906と、例えばハードディスクドライブおよび/またはリムーバブルストレージドライブなどの二次メモリ908と、を含む。二次メモリ908は、コンピュータプログラムまたは他の命令がコンピュータシステム900にロードされることを可能にしてもよい。コンピュータシステム900は、コンピュータシステム900と外部デバイスとの間でソフトウェアおよびデータを転送できるようにする通信インターフェース9010をさらに含むことができる。通信は、電子的、電磁的、光学的、または通信インターフェースによって処理可能な他の信号の形態であってもよい。通信は、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、および他の通信チャネル912を使用できる。
【0101】
「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、リムーバブルストレージユニットまたはハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム900にソフトウェアを提供する手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、メインメモリ906および/または二次メモリ908に格納される。コンピュータプログラムは、通信インターフェース910を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム900が本発明を実施することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ902が本明細書に記載の方法のいずれかなどの本発明のプロセスを実施できるようにする。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム900のコントローラを表してもよい。本開示がソフトウェアを使用して実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、リムーバブルストレージドライブ、通信インターフェース910のようなインターフェースを使用してコンピュータシステム900にロードされてもよい。
【0102】
ハードウェアまたはソフトウェアでの実施は、電子的に読み取り可能な制御信号が格納されており、それぞれの方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)デジタル記憶媒体、例えばクラウドストレージ、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行できる。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータで読み取り可能であってもよい。
【0103】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0104】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実施することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するように動作する。プログラムコードは、例えば、機械可読なキャリアに格納されてもよい。
【0105】
他の実施形態は、機械可読なキャリアに格納された、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。言い換えれば、したがって、本発明の方法の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0106】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを含み、それが記録されたデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは、例えばインターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラマブルロジックデバイスを含む。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般に、これらの方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0108】
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる例示に過ぎない。本明細書に記載の配置および詳細の修正および変更は、他の当業者には明らかであることを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態の説明および説明として提示される特定の詳細によってではなく、差し迫った特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9
図10
【国際調査報告】