特表2020-533413(P2020-533413A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-533413ベータ−カテニンの機能を調節する薬剤及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-533413(P2020-533413A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】ベータ−カテニンの機能を調節する薬剤及びその方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/08 20060101AFI20201023BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20201023BHJP
   C07K 7/06 20060101ALI20201023BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20201023BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20201023BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20201023BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20201023BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20201023BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   C07K7/08
   C12N15/09 ZZNA
   C07K7/06
   A61K38/12
   A61K38/08
   A61K38/10
   A61K45/00
   A61K39/395 D
   A61P43/00 107
   A61P35/00
   A61P1/04
   A61P1/16
   A61P13/08
   A61P17/00
   A61P9/00
   A61P37/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】188
(21)【出願番号】特願2020-536712(P2020-536712)
(86)(22)【出願日】2018年9月7日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月27日
(86)【国際出願番号】US2018050102
(87)【国際公開番号】WO2019051327
(87)【国際公開日】20190314
(31)【優先権主張番号】62/555,519
(32)【優先日】2017年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520079027
【氏名又は名称】フォグ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヒリンスキー, ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】シム, ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パットン, マシュー ライザー
(72)【発明者】
【氏名】マギー, ジョン ハンニー
(72)【発明者】
【氏名】オルテット, ポーラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーダイン, グレゴリー エル.
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA10
4C084BA17
4C084BA18
4C084BA23
4C084BA25
4C084CA59
4C084DC50
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA361
4C084ZA661
4C084ZA751
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZB072
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC411
4C085AA13
4C085EE03
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA31
4H045EA28
4H045FA33
(57)【要約】
とりわけ、本開示は、ベータ−カテニンの機能を調節するための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンと相互作用するステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンのアキシン結合部位でベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンに関連する病態、障害、及び疾患を予防する及び/または治療するための化合物、組成物、及び方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含むペプチドであって、
[Xp1[Xp2−X10−[X11p11[X12p12[X13p13
ここで、
p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、0または1であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結してステープルを形成する側鎖を含む、前記ペプチド。
【請求項2】
〜X13のうちの前記少なくとも2つの側鎖が接続して、ステープルを形成する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
が、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、請求項2に記載のペプチド。
【請求項4】
10が、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、請求項3に記載のペプチド。
【請求項5】
が、P、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y、及びα−メチルプロリンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項2に記載のペプチド。
【請求項6】
が、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、請求項5に記載のペプチド。
【請求項7】
が、I、F、H、L、V、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項6に記載のペプチド。
【請求項8】
が、L、F、H、I、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項7に記載のペプチド。
【請求項9】
が、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、メチオニンスルホン、2−アミノアジピン酸、アスパラギン酸ベータ−メチルエステル、アスパラギン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、アスパラギン酸ベータ−ベンジルエステル、グルタミン酸ベータ−メチルエステル、グルタミン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、及びグルタミン酸ベータ−ベンジルエステルから選択されるアミノ酸の残基である、請求項8に記載のペプチド。
【請求項10】
が、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、請求項9に記載のペプチド。
【請求項11】
が、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、M、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項10に記載のペプチド。
【請求項12】
が、H、F、I、L、N、Q、V、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、3−(2−ピリジル)アラニン、3−(3−ピリジル)アラニン、3−(4−ピリジル)アラニン、ベータ−2−フリルアラニン、ベータ−2−チエニルアラニン、3−(2−テトラゾリル)アラニン)、及びベータ−4−チアゾリルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項11に記載のペプチド。
【請求項13】
が、I、V、F、H、L、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項12に記載のペプチド。
【請求項14】
11が、R、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、Y、3−(1−ナフチルアラニン)、2−アミノアジピン酸、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、N−イプシロン−メチルリジン、N−イプシロン−ジメチルリジン、及びN−イプシロン−トリメチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項13に記載のペプチド。
【請求項15】
12が、V、F、H、I、L、アルファ−メチルバリン、アルファメチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項14に記載のペプチド。
【請求項16】
13が、W、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、d−トリプトファン、アルファ−メチルトリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、4−クロロトリプトファン、5−クロロトリプトファン、6−クロロトリプトファン、7−クロロトリプトファン、4−ブロモトリプトファン、5−ブロモトリプトファン、6−ブロモトリプトファン、7−ブロモトリプトファン、4−フルオロトリプトファン、5−フルオロトリプトファン、6−フルオロトリプトファン、7−フルオロトリプトファン、1−メチルトリプトファン、2−メチルトリプトファン、4−メチルトリプトファン、5−メチルトリプトファン、6−メチルトリプトファン、7−メチルトリプトファン、2−ヒドロキシトリプトファン、4−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、6−ヒドロキシトリプトファン、7−ヒドロキシトリプトファン、5−メトキシトリプトファン、7−アザトリプトファン、3−ベンゾチエニルアラニン、及び4−フェニル−L−フェニルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、請求項15に記載のペプチド。
【請求項17】
ステープルがLであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC1−50脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、請求項16に記載のペプチド。
【請求項18】
下記の構造を有するペプチド、
【化22】
またはその塩であって、ここで、
、R、R、R、及びRの各々が独立して、R’であり、
が、R’、−OR’、または−N(R’)であり、
Xの各々が独立して、アミノ酸残基であり、
a、b、c、s、及びdの各々が独立して、1〜20であり、
及びCの各々が独立して、炭素原子であり、
各Lが独立して、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、ここで、Ls1が、Cに結合しており、Ls3が、Cに結合しており、
s1、Ls2、及びLs3の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、前記ペプチドまたはその塩。
【請求項19】
の構造を有するステープルを含むステープル化ペプチドであって、ここで、
が、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、
s1、Ls2、及びLs3の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、前記ステープル化ペプチド。
【請求項20】
の一端が、前記ペプチド骨格の原子An1に接続しており、An1が、Rに結合しており、
の一端が、前記ペプチド骨格の原子An2に接続しており、ここで、An2が、Rに結合しており、
及びRの各々が独立して、R’であり、
n1を含むアミノ酸残基とAn2を含むアミノ酸残基との間に、An1を含む前記アミノ酸残基及びAn2を含む前記アミノ酸残基を含めずに、m個のアミノ酸残基が存在し、
mが、1〜12の整数である、請求項17、18、または19に記載のペプチド。
【請求項21】
n1及びAn2の各々が独立して、炭素原子である、請求項20に記載のペプチド。
【請求項22】
が、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−を含む、請求項21に記載のペプチド。
【請求項23】
ステープルが炭化水素ステープルである、請求項21に記載のペプチド。
【請求項24】
前記ペプチドが表1のペプチドである、請求項1に記載のペプチド。
【請求項25】
前記ペプチドがヘリックス構造を形成し得る、請求項21に記載のペプチド。
【請求項26】
前記ペプチドが、DPBS(1リットル当たり、塩化ナトリウム8g、第一リン酸カリウム0.2g、第二リン酸ナトリウム1.15g、及び塩化カリウム0.2g)中で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250uMの溶解度を有する、請求項21に記載のペプチド。
【請求項27】
前記ペプチドがベータ−カテニンに結合する、請求項26に記載のペプチド。
【請求項28】
前記ペプチドが、ベータ−カテニンに対して1、2、3、4、5、または10uM以下のKdを有する、請求項27に記載のペプチド。
【請求項29】
前記ペプチドが、LDH放出アッセイによって測定するとき、理解する(appreciate)陽性参照と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10uM以上の濃度で10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%未満の非特異的な細胞毒性を有する、請求項28に記載のペプチド。
【請求項30】
前記ペプチドが、BCL9と相互作用する部位よりもアキシンと相互作用する部位で選択的にベータ−カテニンに結合する、請求項29に記載のペプチド。
【請求項31】
前記ペプチドが、第2の実体とコンジュゲートされる、請求項30に記載のペプチド。
【請求項32】
先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物。
【請求項33】
ベータ−カテニンの機能の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系を、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【請求項34】
Wntシグナル伝達経路の機能の調節方法であって、前記経路を含む系を、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【請求項35】
ベータ−カテニンとアキシンとの相互作用の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系を、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【請求項36】
系における核酸配列の発現の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系に、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドを接触させることを含み、
前記核酸配列の発現が、ベータ−カテニンに関連する、前記方法。
【請求項37】
系における核酸配列によってコードされる産物のレベルの調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系に、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドを接触させることを含み、
核酸配列によってコードされる産物のレベルが、ベータ−カテニンに関連する、前記方法。
【請求項38】
ベータ−カテニンに関連する病態、障害、または疾患の予防方法または治療方法であって、それに罹患しやすいか、またはそれを患う対象に、先行請求項のいずれか1項に記載のペプチドまたは組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項39】
前記病態、障害、または疾患が、がんである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記がんが、結腸直腸癌、肝細胞癌、前立腺癌、または黒色腫である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ペプチドまたは組成物が、追加の薬剤に先行して、それと同時に、またはそれに後続して投与される、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記追加の薬剤が、抗がん薬、化学療法剤、がん免疫療法薬、またはチェックポイント阻害剤である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記追加の薬剤が、抗PD1抗体、抗PD−L1抗体、または抗CTLA4抗体である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記病態、障害、または疾患が、心臓の病態、障害、または疾患である、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
例となる実施形態1〜206に記載のペプチド、組成物、または方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年9月7日に出願された米国仮出願第62/555,519号の優先権を主張するものであり、この仮出願の全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ベータ−カテニンは、多機能性タンパク質であり、多くの生物学的経路及びプロセスに関与する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ベータ−カテニンは、多くの機能を有し、多くのプロセス、例えば、遺伝子転写、細胞間接着、胚形成、細胞増殖、再生等を制御し、調整する。とりわけ、ベータ−カテニンは、Wnt/ベータ−カテニン経路において重要な役割を果たす。いくつかのがん(例えば、肝細胞癌、結腸直腸癌、肺癌、悪性乳腺腫瘍、卵巣癌及び子宮内膜癌等)、種々の形態の心疾患等を含めた、多くの病態、障害、及び疾患は、ベータ−カテニン(例えば、その異常なレベル、活性、局在等)に関連する。
【0004】
とりわけ、本開示は、ベータ−カテニンの機能を調節するための技術(例えば、化合物、組成物、方法等)を提供する。一部の実施形態では、かかる技術は、例えば、ベータ−カテニンに関連する病態、障害、または疾患を予防するか、または治療するのに有用である。
【0005】
一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンの1つまたは複数のある特定の機能、例えば、ベータ−カテニンのアキシン結合部位が関与する機能を選択的または特異的に調節することが有益であり得るという認識を包含する。一部の実施形態では、かかる機能には、アキシンとベータ−カテニンとの相互作用が関与する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンの機能を選択的または特異的に調節するための技術を提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位が関与するベータ−カテニンの機能を選択的または特異的に調節する。一部の実施形態では、提供される技術は、ベータ−カテニンとアキシンとの間の相互作用が関与するベータカテニン機能を選択的または特異的に調節する。
【0006】
とりわけ、本開示は、ベータ−カテニンと物理的に相互作用する薬剤、例えば、ステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、アキシンがベータ−カテニンに結合する部位で(例えば、アキシンが結合する部位と重複するか、またはそれと同一である部位で;代替または追加として、一部の実施形態では、提供される薬剤がベータ−カテニンへの結合に関してアキシンと競合するのに十分に、かかるアキシン結合部位に近接する部位で)、ベータ−カテニンに結合する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、アキシンがベータ−カテニンに結合する際にアキシンと相互作用する、ベータ−カテニンの一部または全てのアミノ酸残基と相互作用する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、ベータ−カテニンへの結合に関してアキシンと競合する。
【0007】
一部の実施形態では、提供される薬剤は、ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、いくつかの天然または非天然アミノ酸残基(例えば、7〜50、10〜25、10〜20、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30個等)、及び1つまたは複数のステープルを含み、これらの各々は独立して、1つのアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に連結することができ、かつ、当業者には理解されようが、ペプチド骨格の一部ではないリンカーである。
【0008】
一部の実施形態では、本開示は、ステープルの構造的要素(例えば、化学構造[例えば、炭化水素、非炭化水素(例えば、1個または複数のヘテロ原子またはアミノ、カルバメート等といったヘテロ原子含有部分を含む)]、立体化学構造[例えば、ステープルが接続している骨格原子の立体化学構造(例えば、ステープルがアミノ酸残基のアルファ−炭素原子に接続している場合、かかる炭素原子はキラル(R/S)またはアキラルである)]、位置付け(ステープルがどのアミノ酸残基/骨格原子に接続されているか)、サイズ(ステープルの長さ)等)、ペプチドの配列、長さ、及び/または他の修飾(例えば、非天然アミノ酸、標識、標的化部分[炭水化物、タンパク質リガンド等]の組み込み等)が、特性及び/または活性に顕著に影響を及ぼし得、顕著に改善された特性及び/または活性(例えば、増加した溶解度、増加した細胞透過性、増加した安定性、増加した選択性、低下した毒性、増加した活性等)を有するステープル化ペプチドを設計するために採用され得るという洞察を提供する。
【0009】
とりわけ、本開示は、種々の構造的要素を有するステープル、及びそれらを含有するペプチドを提供する。一部の実施形態では、ステープルは、炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、それが1個または複数のヘテロ原子を含むという点で非炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、アミノ部分(例えば、−N(R’)−(ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである))を含む。一部の実施形態では、ステープルは、カルバメート部分(例えば、−N(R)−C(O)−O−(ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである))を含む。一部の実施形態では、ステープルは、ステープルの末端がプロリン残基に接続しているという点でPro−ステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、本開示に記載されるような−L−である。
【0010】
一部の実施形態では、アミノ部分またはカルバメート部分を含むステープルを含む、提供されるステープル化ペプチドは、適切な参照ペプチド(例えば、一部の実施形態では、その他の点では同一であるが、いずれのステープルも含有しないか、またはアミノもしくはカルバメート部分を含むステープルの代わりに炭化水素ステープルを含有するペプチド)と比較して改善された溶解度を有する。一部の実施形態では、アミノ部分またはカルバメート部分を含むステープルを含む、提供されるペプチドは、適切な参照ペプチドと比較して増加した細胞透過性を有する。一部の実施形態では、アミノ部分またはカルバメート部分を含むステープルを含む、提供されるペプチドは、増加した活性、例えば、遺伝子発現、細胞増殖等の増加した阻害を有する。
【0011】
一部の実施形態では、ステープルは、アミノ酸残基i及びi+m(ここで、i及びmの各々は独立して、本開示に記載されるようなものである)を接続し、アミノ酸残基iにおける接続原子(C)、及びアミノ酸残基i+mにおける接続原子(Ci+m)は独立して、キラル及びアキラルであり、キラルの場合、それらは独立して、ラセミ、RまたはSである。一部の実施形態では、C及びCi+mの両方が炭素原子である。一部の実施形態では、Cはアキラルであり、Ci+mはキラルである。一部の実施形態では、Cはキラルであり、Ci+mはRである。一部の実施形態では、Cはキラルであり、Ci+mはSである。一部の実施形態では、Cはキラルであり、Ci+mはアキラルである。一部の実施形態では、CはRであり、Ci+mはアキラルである。一部の実施形態では、CはSであり、Ci+mはアキラルである。一部の実施形態では、CはRであり、Ci+mはRである。一部の実施形態では、CはRであり、Ci+mはSである。一部の実施形態では、CはSであり、Ci+mはRである。一部の実施形態では、CはSであり、Ci+mはSである。一部の実施形態では、化学構造及び/または立体化学構造を制御することにより、調製されるステープル化ペプチドの収率及び/または純度、及び/または提供されるステープル化ペプチドの特性及び活性が顕著に改善される。
【0012】
一部の実施形態では、本開示は、下記を含むペプチドであって、
[Xp1[Xp2−X10−[X11p11[X12p12[X13p13
ここで、
p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、0または1であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結してステープルを形成する側鎖を含む、該ペプチドを提供する。
【0013】
一部の実施形態では、p1は0である。一部の実施形態では、p1は1である。一部の実施形態では、p2は0である。一部の実施形態では、p2は1である。
【0014】
一部の実施形態では、p11は0である。一部の実施形態では、p11は1である。一部の実施形態では、p12は0である。一部の実施形態では、p12は1である。一部の実施形態では、p13は0である。一部の実施形態では、p13は1である。
【0015】
一部の実施形態では、本開示は、ステープルLを含むペプチドであって、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC1−50脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、該ペプチドを提供する。
【0016】
一部の実施形態では、本開示は、下記の構造を有するペプチド、
【化1】
またはその塩であって、ここで、
、R、R、R、及びRの各々が独立して、R’であり、
が、R’、−OR’、または−N(R’)であり、
Xの各々が独立して、アミノ酸残基であり、
a、b、c、s、及びdの各々が独立して、1〜20であり、
及びCの各々が独立して、炭素原子であり、
各Lが独立して、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、ここで、Ls1が、Cに結合しており、Ls3が、Cに結合しており、
s1、Ls2、及びLs3の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、該ペプチドまたはその塩を提供する。
【0017】
一部の実施形態では、RはR’であり、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、RはR−C(O)−である。
【0018】
一部の実施形態では、Xは、式A−Iのアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、式A−IIのアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、式A−IIIのアミノ酸の残基である。
【0019】
一部の実施形態では、aは1である。一部の実施形態では、aは2である。一部の実施形態では、aは3である。一部の実施形態では、aは4である。一部の実施形態では、aは5である。一部の実施形態では、aは6である。一部の実施形態では、aは7である。一部の実施形態では、aは8である。一部の実施形態では、aは9である。一部の実施形態では、aは10である。一部の実施形態では、aは11である。一部の実施形態では、aは12である。一部の実施形態では、aは13である。一部の実施形態では、aは14である。一部の実施形態では、aは15である。一部の実施形態では、aは16である。一部の実施形態では、aは17である。一部の実施形態では、aは18である。一部の実施形態では、aは19である。一部の実施形態では、aは20である。
【0020】
一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなR’である。一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、RはHではない。一部の実施形態では、R、及びLまたはLs1の−N(R’)−または−N(R’)−C(O)O−部分のR’は、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。
【0021】
一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなR’である。一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、RはHではない。一部の実施形態では、R、及びLまたはLs3の−N(R’)−または−N(R’)−C(O)O−部分のR’は、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。
【0022】
一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなR’である。一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、RはHではない。
【0023】
一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなR’である。一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、RはHではない。
【0024】
一部の実施形態では、Cはアキラルである。一部の実施形態では、Cはキラルである。一部の実施形態では、CはRである。一部の実施形態では、CはSである。
【0025】
一部の実施形態では、Cはアキラルである。一部の実施形態では、Cはキラルである。一部の実施形態では、CはRである。一部の実施形態では、CはSである。
【0026】
一部の実施形態では、bは2〜11である。一部の実施形態では、bは2である。一部の実施形態では、bは3である。一部の実施形態では、bは4である。一部の実施形態では、bは5である。一部の実施形態では、bは6である。一部の実施形態では、bは7である。一部の実施形態では、bは8である。一部の実施形態では、bは9である。一部の実施形態では、bは10である。一部の実施形態では、bは11である。
【0027】
一部の実施形態では、cは1である。一部の実施形態では、cは2である。一部の実施形態では、cは3である。一部の実施形態では、cは4である。一部の実施形態では、cは5である。一部の実施形態では、cは6である。一部の実施形態では、cは7である。一部の実施形態では、cは8である。一部の実施形態では、cは9である。一部の実施形態では、cは10である。一部の実施形態では、cは11である。一部の実施形態では、cは12である。一部の実施形態では、cは13である。一部の実施形態では、cは14である。一部の実施形態では、cは15である。一部の実施形態では、cは16である。一部の実施形態では、cは17である。一部の実施形態では、cは18である。一部の実施形態では、cは19である。一部の実施形態では、cは20である。
【0028】
一部の実施形態では、sは1〜5である。一部の実施形態では、sは1である。一部の実施形態では、sは2である。一部の実施形態では、sは3である。一部の実施形態では、sは4である。一部の実施形態では、sは5である。
【0029】
一部の実施形態では、dは1である。一部の実施形態では、dは2である。一部の実施形態では、dは3である。一部の実施形態では、dは4である。一部の実施形態では、dは5である。一部の実施形態では、dは6である。一部の実施形態では、dは7である。一部の実施形態では、dは8である。一部の実施形態では、dは9である。一部の実施形態では、dは10である。一部の実施形態では、dは11である。一部の実施形態では、dは12である。一部の実施形態では、dは13である。一部の実施形態では、dは14である。一部の実施形態では、dは15である。一部の実施形態では、dは16である。一部の実施形態では、dは17である。一部の実施形態では、dは18である。一部の実施形態では、dは19である。一部の実施形態では、dは20である。
【0030】
一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなR’である。一部の実施形態では、Rは、本開示に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは−Hである。一部の実施形態では、Rは−OR’であり、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Rは−OHである。一部の実施形態では、Rは−N(R’)であり、ここで、各R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Rは−NH(R’)であり、ここで、R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0031】
一部の実施形態では、本開示は、Lの構造を有するステープルを含むステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、本開示は、Lの構造を有するステープルを含むステープル化ペプチドであって、ここで、
が、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、
の一端が、該ペプチド骨格の原子An1に接続しており、ここで、An1が、Rに結合しており、
の一端が、該ペプチド骨格の原子An2に接続しており、ここで、An2が、Rに結合しており、
及びRの各々が独立して、R’であり、
n1を含むアミノ酸残基とAn2を含むアミノ酸残基との間に、An1を含む該アミノ酸残基及びAn2を含む該アミノ酸残基を含めずに、m個のアミノ酸残基が存在し、
mが、1〜12の整数であり、
他の各可変要素が独立して、本開示に記載されるようなものである、該ステープル化ペプチドを提供する。
【0032】
一部の実施形態では、An1は炭素原子である。一部の実施形態では、An1に結合したR、及びLの−N(R’)−または−N(R’)−C(O)O−部分のR’は、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、An1はアキラルである。一部の実施形態では、An1はキラルである。一部の実施形態では、An1はRである。一部の実施形態では、An1はSである。
【0033】
一部の実施形態では、An2は炭素原子である。一部の実施形態では、An1に結合したR、及びLの−N(R’)−または−N(R’)−C(O)O−部分のR’は、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、An2はアキラルである。一部の実施形態では、An2はキラルである。一部の実施形態では、An2はRである。一部の実施形態では、An2はSである。
【0034】
一部の実施形態では、mは1である。一部の実施形態では、mは2である。一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。一部の実施形態では、mは5である。一部の実施形態では、mは6である。一部の実施形態では、mは7である。一部の実施形態では、mは8である。一部の実施形態では、mは9である。一部の実施形態では、mは10である。一部の実施形態では、mは11である。一部の実施形態では、mは12である。
【0035】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、任意選択で、第2の実体、例えば、標的化部分(例えば、炭水化物、受容体のリガンド等)、第2のペプチド等とコンジュゲートされる。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、当該リガンドが結合する受容体を発現する細胞への標的を定めた送達のために1つまたは複数のリガンドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、提供される薬剤は、酵素活性を有する1つもしくは複数の第2の実体、または酵素活性を有するタンパク質(例えば、E3ユビキチンリガーゼ)に対するリガンドにコンジュゲートされる。
【0036】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、適切な参照ペプチド(例えば、同じ配列を有するが、ステープルを欠いたペプチド、または1つもしくは複数の特長(例えば、化学構造[例えば、ヘテロ原子の存否、及び/またはその数及び/または種類、飽和度等]、立体化学構造、長さ等)が異なるステープルを有するペプチド)と比較して、より低い毒性を有する。とりわけ、本開示で実証されるように、一部の実施形態では、提供されるペプチドは、適切な参照ペプチド(例えば、ある特定の実施形態では、炭化水素ステープルを有する、その他の点では同一のステープル化ペプチド)と比較したときに、低い細胞毒性、特に、低い非特異的な細胞毒性を有する。
【0037】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、他の1つまたは複数の同等の参照薬剤と比較して、ベータ−カテニンの機能及び/またはWnt経路を調節することに関して予想外の選択性及び/または特異性を有する。
【0038】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンのアキシン相互作用部位と選択的に相互作用し、かかるアキシン相互作用部位で他の実体(例えば、タンパク質、小分子等)とのベータ−カテニンの相互作用を調節する。本開示で実証されるように、一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンのBCL9相互作用部位における相互作用に顕著に影響を及ぼすことなく、アキシン部位でベータ−カテニンの相互作用を選択的に妨害し得る。選択性を評定するための技術が当該技術分野で周知であり、本開示に従って利用することができる(例えば、本開示に記載されるある特定の蛍光アッセイ)。
【0039】
一部の実施形態では、本開示は、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物を提供する。
【0040】
一部の実施形態では、本開示は、1つまたは複数のベータ−カテニンの機能を調節するための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンの機能を調節するための、薬剤、例えば、ステープル化ペプチド、及びその組成物を提供する。一部の実施形態では、本開示は、異常なベータ−カテニンの活性を阻害するための技術を提供する。当業者には理解されようが、ベータ−カテニンは、Wntシグナル伝達経路及び他の生物学的経路において重要な役割を果たす。一部の実施形態では、本開示は、Wntシグナル伝達経路を調節するための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、異常なWntシグナル伝達を阻害するための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンを含む系に、提供されるステープル化ペプチドを接触させることを含む、系における核酸配列の発現を調節するための技術を提供し、ここで、核酸配列の発現は、ベータ−カテニンに関連する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンを含む系に、提供されるペプチドを接触させることを含む、系における核酸配列によってコードされる産物のレベルを調節するための技術を提供し、ここで、核酸配列によってコードされる産物のレベルは、ベータ−カテニンに関連する。
【0041】
一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンに関連する病態、障害、または疾患の予防方法及び/または治療方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、Wntシグナル伝達に関連する病態、障害、または疾患の予防方法及び/または治療方法を提供する。一部の実施形態では、提供される方法は、ベータ−カテニン及び/またはWntシグナル伝達に関連する病態、障害、または疾患に罹患しやすいか、またはそれを患う対象への投与を含む。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、がんである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】提供される薬剤は、ベータ−カテニンに結合することができる。図1は、競合蛍光偏光アッセイからの代表的なベータ−カテニン結合データを図示する。ペプチド溶液を、5μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中15nMの完全長β−カテニン、20nMのFITC標識ペプチド(FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)))を調製し、5分間インキュベートし、次いで、ウェル当たり40μLで黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の用量設定したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。
図2】提供される薬剤は、細胞において活性である。図2は、TCF/LEFレポーターアッセイからの代表的なデータを図示する。Y軸は発光を示し、X軸はペプチドの濃度を示す。FP0025c及びFP0217c異性体2によるTCF/LEFレポーター活性の阻害。TCF/LEFルシフェラーゼレポーターHEK293細胞株(BPS Bioscience)を、FP0025c及びFP00217c異性体2の希釈系列で18時間処理した。300ng/mLのWnt3a(Peprotech)を細胞に加えて、最終的に6時間インキュベートした。製造業者のプロトコルに従ってBright−Gloルシフェラーゼアッセイ(Promega)を用いて、ルシフェラーゼ活性を測定した。
図3】提供される薬剤は、細胞において遺伝子発現を調節する。図3は、代表的なステープル化ペプチドによる遺伝子発現の調節を例示する。DLD−1細胞をFP0217c異性体2の希釈系列で18時間処理した。製造業者のプロトコルに従ってRNeasy Plusキット(Qiagen)を用いて全RNAを抽出し、SuperScript Vilo IVマスターミックス(ThermoFisher Scientific)を用いてcDNAに逆転写した。遺伝子発現レベルを、QuantStudio 3(Applied Biosciences)においてTaqmanプローブ(Applied Biosciences)及びTaqman Advanced Fast Master Mix(Applied Biosciences)を用いて、qPCRによって決定した。相対発現量を、デルタCt法を用いて定量した。各群について、左から右に、アキシン2、LEF1、サイクリンD、LRP6、及びc−myc。
図4】提供される薬剤は、細胞において遺伝子発現を調節する。図4は、代表的なステープル化ペプチドによる遺伝子発現の調節を例示する。HCT−116細胞をFP0217c異性体2の希釈系列で18時間処理した。製造業者のプロトコルに従ってRNeasy Plusキット(Qiagen)を用いて全RNAを抽出し、SuperScript Vilo IVマスターミックス(ThermoFisher Scientific)を用いてcDNAに逆転写した。遺伝子発現レベルを、QuantStudio 3(Applied Biosciences)においてTaqmanプローブ(Applied Biosciences)及びTaqman Advanced Fast Master Mix(Applied Biosciences)を用いて、qPCRによって決定した。相対発現量を、デルタCt法を用いて定量した。各群について、左から右に、アキシン2、VEGF、サイクリンD、LRP6、及びc−myc。
図5】提供される薬剤は、遺伝子発現を選択的に調節することができる。DLD−1細胞を3uMまたは10uMのいずれかの各化合物で18時間処理した。製造業者のプロトコルに従ってRNeasy Plusキット(Qiagen)を用いて全RNAを抽出し、SuperScript Vilo IVマスターミックス(ThermoFisher Scientific)を用いてcDNAに逆転写した。遺伝子発現レベルを、QuantStudio 3(Applied Biosciences)においてTaqmanプローブ(Applied Biosciences)及びTaqman Advanced Fast Master Mix(Applied Biosciences)を用いて、qPCRによって決定した。相対発現量を、デルタCt法を用いて定量した。各群について、左から右に、アキシン2、LEF1、及びサイクリンD。
図6】代表的な薬物動態特性。ペプチドを10%DMSO:90%食塩水中で製剤化し、化合物当たり0.5mg/kgで、3匹の雄性Sprague−Dawleyラットに静脈内投与した。連続採血の時点を2分、6分、10分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、及び24時間でとり、Thermo Q−Exactive Focus LC/MS/MSを用いて定量LC/MSによって分析した。試料をMeOHによるタンパク質沈殿によって調製した。データを2コンパートメントモデルに適合させた。
図7】提供される薬剤は、アキシンとの相互作用を選択的に妨害する。一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位における相互作用よりも、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位における相互作用を選択的に妨害する。パネルAに例示されるように、FP0217c異性体2及びFP0597cは、標識されたアキシン部位のプローブを置き換えた。それらは、パネルBに示されるように、標識されたBCL9部位のプローブを置き換えなかったが、FP0650c(BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と相互作用するように設計されたステープル化ペプチド)は置き換えた。BCL9競合FPアッセイ:ペプチド溶液を、10μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中250nMの完全長ベータ−カテニン、20nMの5FAM標識ペプチド)を調製し、ウェル当たり40μLで黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の用量設定したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。プローブ:Ac−Leu−Ser−Gln−Glu−Gln−Leu−Glu−His−Arg−Glu−Arg−Ser−Leu−Gln−Thr−Leu−Arg−Asp−Ile−Gln−Arg−nLeu−Leu−2NapA−bala−bala−Lys5FAM−NH2(Biochemistry,2009,48(40),pp 9534−9541から)。アキシン競合FPアッセイ:ペプチド溶液を、5μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中15nMの完全長ベータ−カテニン、20nMのFITC標識ペプチド)を調製し、5分間インキュベートし、次いで、ウェル当たり40μLで黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の用量設定したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。プローブ:Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947からのFITC−StAx−33。
図8-1】種々のオレフィンメタセシス法の代表的な結果(A)Grubbs I、DCE中40℃で2時間、1回処理。(B)Grubbs II、DCE中40℃で2時間、1回処理。(C)Hoveyda−Grubbs I、DCE中40℃で2時間、1回処理。(D)Hoveyda−Grubbs II、DCE中、60℃で2時間、1回処理。
図8-2】同上。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.定義
本明細書で使用されるとき、別途指定されない限り、以下の定義が適用されるものとする。本開示の目的において、化学元素は、元素周期表、CAS版(Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed)に従って特定される。追加として、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載される。
【0044】
投与:本明細書で使用されるとき、「投与」という用語は典型的に、対象または系への組成物の投与を指す。当業者であれば、適切な状況下で、対象、例えばヒトへの投与に利用され得る、様々な経路について知っているであろう。例えば、一部の実施形態では、投与は、眼、経口、非経口、局所等であってもよい。一部の特定の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支点滴によって)、頬側、皮膚(これは例えば、真皮、皮内、皮膚間(interdermal)、経皮等への局所のうちの1つまたは複数であり得るか、またはそれを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、具体的な臓器内(例えば、肝臓内)、粘膜、鼻腔、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴によって)、膣、硝子体等であってもよい。一部の実施形態では、投与は、断続的(例えば、時間を置いた複数回用量)及び/または周期的(例えば、共通の一定期間を置いた個々の用量)投薬である投薬を伴ってもよい。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択される一定期間にわたる連続的投薬(例えば、灌流)を伴ってもよい。
【0045】
薬剤:一般に、本明細書で使用される「薬剤」という用語は、例えば、ポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属、またはその組み合わせもしくは複合体を含めた、任意の化学クラスの化合物または実体を指して使用されてもよい。当業者には前後関係から明らかとなろうが、適切な状況下で、この用語は、細胞もしくは生物、またはその画分、抽出物、もしくは構成成分であるか、またはそれを含む実体を指して利用されてもよい。代替または追加として、前後関係から明らかとなろうが、この用語は、それが自然界で見出される及び/または自然界から得られるという点で、天然産物を指して使用されてもよい。一部の事例では、同じく前後関係から明らかとなろうが、この用語は、それが人為的作用を通して設計される、操作される、及び/または生産される、及び/または自然界で見出されないという点で人造である、1つまたは複数の実体を指して使用されてもよい。一部の実施形態では、薬剤は、単離された形態または純粋な形態で利用されてもよく、一部の実施形態では、薬剤は、未精製の形態で利用されてもよい。一部の実施形態では、可能性のある薬剤は、例えば、集合体またはライブラリとして提供されてもよく、この集合体またはライブラリが、それらの内部の活性薬剤を特定するか、または特性評価するためにスクリーニングされてもよい。場合によっては、「薬剤」という用語は、ポリマーであるか、またはそれを含む化合物または実体を指してもよく、場合によっては、この用語は、1つまたは複数のポリマー部分を含む化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、「薬剤」という用語は、ポリマーではない、及び/またはあらゆるポリマー及び/または1つもしくは複数の特定のポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、この用語は、あらゆるポリマー部分を欠いているか、またはあらゆるポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、薬剤は化合物である。一部の実施形態では、薬剤はステープル化ペプチドである。
【0046】
脂肪族:本明細書で使用されるとき、「脂肪族」とは、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、非分岐状)または分岐状、置換または非置換の炭化水素鎖、あるいは完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する置換または非置換の単環式、二環式、または多環式炭化水素環、あるいはそれらの組み合わせを意味する。別途明記されない限り、脂肪族基は、1〜100個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜9個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜7個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。依然として他の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有し、なおも他の実施形態では、脂肪族基は、1、2、3、または4個の脂肪族炭素原子を含有する。好適な脂肪族基には、直鎖状または分岐状、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びそれらのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
アルケニル:本明細書で使用されるとき、「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を有する、本明細書で定義されるような脂肪族基を指す。
【0048】
アルケニレン:「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。
【0049】
アルキル:本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含めた、飽和脂肪族基を含んでもよい。一部の実施形態では、アルキルは、1〜100個の炭素原子を有する。ある特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格(例えば、直鎖の場合C〜C20、分岐鎖の場合C〜C20)において約1〜20個、代替としては、約1〜10個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、シクロアルキル環は、それらの環構造において約3〜10個の炭素原子を有し(かかる環は、単環式、二環式、または多環式である)、代替としては、環構造において約5、6、または7個の炭素を有する。一部の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、低級アルキル基とは、1〜4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルの場合C〜C)を含むものである。
【0050】
アルキレン:「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。
【0051】
アミノ酸:本明細書で使用されるその最も広義において、例えば1つまたは複数のペプチド結合の形成を通して、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物及び/または物質を指す。一部の実施形態では、アミノ基とカルボン酸基とを含むアミノ酸。一部の実施形態では、アミノ酸は、NH(Ra1)−La1−C(Ra2)(Ra3)−La2−COOHの構造を有し、ここで、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造NH(R’)−C(R’)−COOHを有し、ここで、各R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN−C(R’)−COOHを有し、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R’)−COOHを有し、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、天然型アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸は、D−アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸は、L−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然型ペプチドに一般的に見出される20個の標準L−アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、それが合成的に調製されるか、または天然の供給源から得られるかを問わず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドにおけるカルボキシ末端及び/またはアミノ末端アミノ酸を含めた、アミノ酸は、上記の一般構造と比較して構造修飾を含有し得る。例えば、一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、及び/または置換(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つもしくは複数の陽子、1つもしくは複数の水素、及び/またはヒドロキシル基の)によって修飾されてもよい。一部の実施形態では、かかる修飾は、例えば、その他の点では同一の未修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期を改変し得る。一部の実施形態では、かかる修飾は、その他の点では同一の未修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの関連性のある活性を顕著に改変しない。前後関係から明らかとなろうが、一部の実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指して使用されてもよく、一部の実施形態では、それは、ポリペプチドのアミノ酸残基を指して使用されてもよい。
【0052】
類似体:本明細書で使用されるとき、「類似体」という用語は、参照物質と1つまたは複数の特定の構造的特長、要素、構成成分、または部分を共有する物質を指す。典型的には、「類似体」は、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有して、参照物質との顕著な構造的類似性を示すが、同時にある特定の個別的な様式で異なる。一部の実施形態では、類似体は、例えば参照物質の化学的操作によって、参照物質から生成され得る物質である。一部の実施形態(embodiemnts)では、類似体は、参照物質を生成する合成プロセスに実質的に類似した(例えば、それと複数の工程を共有する)合成プロセスの実施を通して生成され得る物質である。一部の実施形態では、類似体は、参照物質を生成するために用いられる合成プロセスとは異なる合成プロセスの実施を通して生成されるか、生成され得る。
【0053】
動物:本明細書で使用されるとき、動物界の任意の成員を指す。一部の実施形態では、「動物」は、いずれの性別の、任意の発生段階にあるヒトを指す。一部の実施形態では、「動物」は、任意の発生段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/またはブタ)である。一部の実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥、爬虫類、両生類、魚、昆虫、及び/または蠕虫が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/またはクローンであってもよい。
【0054】
およそ:本明細書で使用されるとき、目的とする1つまたは複数の値に適用される「およそ」または「約」という用語は、定められる参照値に類似した値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別途定められるか、または別途文脈から明らかでない限り、定められる参照値からいずれかの方向で(それ超または未満)25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満以内に該当する様々な値を指す(かかる数が可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0055】
アリール:単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、「アリールオキシアルキル」等にあるように、より大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、総計5〜30個の環員を有する単環、二環、または多環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であるものを指す。一部の実施形態では、アリール基は、総計5〜14個の環員を有する単環、二環、または多環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であり、この系における各環が3〜7個の環員を含有するものである。一部の実施形態では、アリール基は、ビアリール基である。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用されてもよい。本開示のある特定の実施形態では、「アリール」は、1つまたは複数の置換基を担持し得る、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシル等を含むが、これらに限定されない芳香環系を指す。一部の実施形態では、本明細書で使用されるとき、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチル等といった、芳香環が1つまたは複数の非芳香環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がアリール環上にある基もまた、「アリール」という用語の範囲内に含まれる。
【0056】
〜に関連する:その用語が本明細書で使用されるとき、2つの事象または実体は、一方の存在、レベル、及び/または形態が他方の存在、レベル、及び/または形態と相関する場合、互いに「関連する」。例えば、特定の実体(例えば、核酸(例えば、ゲノムDNA、転写物、mRNA等)、ポリペプチド、遺伝子サイン、代謝産物、微生物等)は、その存在、レベル、及び/または形態が(例えば、関連性のある集団にわたる)特定の疾患、障害、または病態の発生率及び/または易罹患性と相関する場合、その疾患、障害、または病態に関連すると見なされる。
【0057】
担体:本明細書で使用されるとき、組成物が共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。一部の代表的な実施形態では、担体には、例えば、ピーナツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油等といった、石油、動物、植物、または合成由来の油を含む、例えば、水及び油等の、滅菌液体が含まれ得る。一部の実施形態では、担体は、1つまたは複数の固体構成成分であるか、またはそれを含む。
【0058】
同等の:本明細書で使用されるとき、「同等の」という用語は、互いに同一でない可能性があるが、それらの間の比較を許容するのに十分に類似しており、これにより、当業者であれば、観察される差異または類似性に基づいて結論が合理的に導かれ得るということを理解しよう、2つ以上の薬剤、実体、状態、条件の組等を指す。一部の実施形態では、同等の条件の組、状態、個体、または集団は、複数の実質的に同一の特長及び1つまたは少数の変化のある特長によって特徴付けられる。当業者であれば、前後関係において、任意の所与の状況で、2つ以上のかかる薬剤、実体、状況、条件の組等が同等と見なされるにはどの程度の同一性が必要とされるかを理解しよう。例えば、当業者であれば、異なる状況の組、個体、もしくは集団の下で、または異なる状況の組、個体、もしくは集団により得られた結果または観察される現象の差異が、変化のある特長における変動によって引き起こされるか、またはその変動を示すものであるという合理的な結論を保証するのに十分な数及び種類の実質的に同一の特長によって特徴付けられる場合、状況の組、個体、または集団が互いに同等であることを理解しよう。
【0059】
組成物:当業者であれば、「組成物」という用語が、1つまたは複数の明記される構成成分を含む個別的な物理的実体を指して使用されてもよいことを理解しよう。一般に、別途明記されない限り、組成物は、任意の形態、例えば、ガス、ゲル、液体、固体等のものであってもよい。
【0060】
〜を含む:1つまたは複数の指示される要素または工程「を含む」として本明細書に記載される組成物または方法は、オープンエンドであり、つまり、指定される要素または工程は必須であるが、他の要素または工程が本組成物または方法の範囲内で追加されてもよい。冗長さを回避するために、1つまたは複数の指定される要素または工程「を含む(comprising)」として記載される(またはそれ「を含む(comprises)」)任意の組成物または方法はまた、同じ指定される要素または工程「から本質的になる(consisting essentially of)」(またはそれ「から本質的になる(consists essentially of)」)、対応する、より限定された組成物または方法についても記載し、つまり、本組成物または方法は、指定される必須の要素または工程を含み、また、本組成物または方法の基本的で新規の特質(複数可)に著しく影響を及ぼさない追加の要素または工程を含んでもよいこともまた理解される。1つまたは複数の指定される要素または工程「を含む」またはそれ「から本質的になる」として本明細書に記載される任意の組成物または方法はまた、任意の他の指定されていない要素または工程を除外するように、指定される要素または工程「からなる(consisting of)」(またはそれ「からなる(consists of)」)、対応する、より限定されたクローズドエンドの組成物または方法についても記載することもまた理解される。本明細書に開示される任意の組成物または方法において、任意の指定される必須の要素または工程に対する既知のまたは開示される均等物が、その要素または工程を置換してもよい。
【0061】
環状脂肪族:本明細書で使用される「環状脂肪族」という用語は、例えば3〜30員を有する、飽和または部分的に不飽和の、脂肪族の単環、二環、または多環系を指し、この脂肪族環系は、任意選択で置換される。環状脂肪族基には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、及びシクロオクタジエニルが含まれる。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。「環状脂肪族」という用語にはまた、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチル等の、1つまたは複数の芳香環または非芳香環に縮合しており、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある脂肪族環も含まれる。一部の実施形態では、炭素環基は、二環式である。一部の実施形態では、炭素環基は、三環式である。一部の実施形態では、炭素環基は、多環式である。一部の実施形態では、「環状脂肪族」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式C〜C炭化水素、またはC〜C10二環式炭化水素、あるいは完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではないC〜C16三環式炭化水素を指す。
【0062】
誘導体:本明細書で使用されるとき、「誘導体」という用語は、参照物質の構造的類似体を指す。つまり、「誘導体」は、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有して、参照物質との顕著な構造的類似性を示すが、同時にある特定の個別的な様式で異なる物質である。一部の実施形態では、誘導体は、化学的操作によって参照物質から生成され得る物質である。一部の実施形態(embodiemnts)では、誘導体は、参照物質を生成する合成プロセスに実質的に類似した(例えば、それと複数の工程を共有する)合成プロセスの実施を通して生成され得る物質である。
【0063】
剤形または単位剤形:当業者であれば、「剤形」という用語が、対象への投与のための、活性薬剤(例えば、治療剤または診断剤)の物理的に個別的な単位を指して使用されてもよいことを理解しよう。典型的には、かかる各単位は、既定分量の活性薬剤を含有する。一部の実施形態では、かかる分量は、関連性のある集団に投与されたときに所望の転帰または有益な転帰と相関すると決定された投薬レジメンに(すなわち、治療的投薬レジメンに)従った投与に適切な、単位投薬量(またはその完全な小部分(whole fraction))である。当業者は、特定の対象に投与される治療的組成物または治療剤の総量が1名または複数名の主治医によって決定され、複数の剤形の投与を伴なってもよいことを理解する。
【0064】
投薬レジメン:当業者であれば、「投薬レジメン」という用語が、典型的には一定期間を置いて、対象に個々に投与される一組の単位用量(典型的には1つよりも多く)を指して使用されてもよいことを理解しよう。一部の実施形態では、所与の治療剤は、推奨される投薬レジメンを有し、この投薬レジメンは、1回または複数回の用量を伴ってもよい。一部の実施形態では、投薬レジメンは、複数回用量を含み、これらの各々は、他の用量から時間を置かれる。一部の実施形態では、個々の用量は、同じ長さの一定期間を互いに置かれ、一部の実施形態では、投薬レジメンは、複数回用量を含み、個々の用量が少なくとも2つの異なる一定期間を置かれる。一部の実施形態では、投薬レジメン内の全ての用量が、同じ単位用量の量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメン内の異なる用量は、異なる量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の用量の量での第1の用量、続いて第1の用量の量とは異なる第2の用量の量での1つまたは複数の追加用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の用量の量での第1の用量、続いて第1の用量の量と同じ第2の用量の量での1つまたは複数の追加用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、関連性のある集団にわたって投与するときに所望の転帰または有益な転帰と相関する(すなわち、治療的投薬レジメンである)。
【0065】
ハロゲン:「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0066】
ヘテロ脂肪族:「ヘテロ脂肪族」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、1個または複数の炭素原子が1個または複数のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置き換えられる、本明細書に記載されるような脂肪族基を指す。
【0067】
ヘテロアルキル:「ヘテロアルキル」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、1個または複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置き換えられる、本明細書に記載されるようなアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)−、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
ヘテロアリール:単独でまたはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル−(heteroar−)」という用語は、例えば、総計5〜30個、例えば、5、6、9、10、14個等の環員を有する単環、二環、または多環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であり、少なくとも1個の芳香環原子がヘテロ原子であるものを指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、5〜10個の環原子(すなわち、単環式、二環式、または多環式)、一部の実施形態では5、6、9、または10個の環原子を有する基である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環状のアレイにおいて共有される6、10、または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて1〜5個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが含まれる。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、ビピリジル等といったヘテロビアリール基である。本明細書で使用される「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル−(heteroar−)」という用語にはまた、ヘテロ芳香環が1つまたは複数のアリール環、環状脂肪族環、またはヘテロシクリル環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上にある基も含まれる。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、または多環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に使用されてもよく、これらの用語のいずれにも、任意選択で置換される環が含まれる。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基によって置換されたアルキル基を指し、このアルキル部分及びヘテロアリール部分は独立して、任意選択で置換される。
【0069】
ヘテロ原子:「ヘテロ原子」という用語は、炭素ではなく、かつ水素ではない原子を意味する。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、またはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態または複素環式環の置換可能な窒素(例えば、3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるようなN)、NH(ピロリジニルにあるような)もしくはNR(N−置換ピロリジニルにあるような)等を含む)である。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。
【0070】
ヘテロシクリル:本明細書で使用されるとき、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」、及び「複素環式環」という用語は、互換的に使用され、飽和または部分的に不飽和であり、1個または複数のヘテロ原子の環原子を有する単環、二環、または多環部分(例えば、3〜30員)を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1個または複数の、好ましくは1〜4個の、上記に定義されるようなヘテロ原子を有する、安定な5員〜7員の単環式または7員〜10員の二環式の複素環部分である。複素環の環原子を参照して使用されるとき、「窒素」という用語には、置換される窒素が含まれる。例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるような)、NH(ピロリジニルにあるような)、またはNR(N−置換ピロリジニルにあるような)であってもよい。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合して、これにより安定な構造をもたらすことが可能であり、環原子のうちのいずれかは、任意選択で置換され得る。かかる飽和または部分的に不飽和の複素環ラジカルの例としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」、及び「複素環ラジカル」という用語は、本明細書で互換的に使用され、これにはまた、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環、または環状脂肪族環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がヘテロ脂肪族環上にある基も含まれる。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、または多環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、このアルキル部分及びヘテロシクリル部分は独立して、任意選択で置換される。
【0071】
相同性:本明細書で使用されるとき、「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子間(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。一部の実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「相同」であると見なされる。一部の実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%類似している(例えば、対応する位置に、関連する化学特性を有する残基を含有する)場合、互いに「相同」であると見なされる。例えば、当業者には周知であるが、ある特定のアミノ酸は、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして、互いに類似するとして典型的に分類される。1つのアミノ酸による、同じ種類の別のアミノ酸の置換は、多くの場合、「相同」置換と見なされ得る。典型的なアミノ酸のカテゴリー分類を下記に要約する。
【化2-1】
【化2-2】
【0072】
当業者には理解されようが、配列の相同性の程度を決定するために配列の比較を許容する様々なアルゴリズムが利用可能であり、これは、様々な配列においてどの残基が互いに「対応する」かを考慮する際に、1つの配列において別の配列と比べて指定の長さのギャップを許容することによるものを含む。例えば、2つの核酸配列間の相同性パーセントの算出は、最適な比較を得る目的で2つの配列をアライメントすることによって行われ得る(例えば、最適なアライメントを得るために第1の核酸配列及び第2の核酸配列の一方または両方においてギャップが導入され得、対応しない配列は比較目的において無視され得る)。ある特定の実施形態では、比較目的でアライメントした配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置でのヌクレオチドが比較される。第1の配列におけるある位置が、第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドによって占有される場合、当該分子は、その位置で同一であり、第1の配列におけるある位置が、第2の配列における対応する位置と類似したヌクレオチドによって占有される場合、当該分子は、その位置で類似している。2つの配列間の相同性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントを得るために導入される必要のあるギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮した上で、当該配列によって共有される同一の位置及び類似した位置の数の関数である。2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントを決定する際に有用な、代表的なアルゴリズム及びコンピュータプログラムには、例えば、Meyers and Miller(CABIOS,1989,4:11−17)のアルゴリズムが含まれ、これは、PAM120重み残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いる、ALIGNプログラム(第2.0版)に組み込まれている。2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、代替として、例えば、NWSgapdna.CMPマトリックスを用いる、GCGソフトウェアパッケージにおけるGAPプログラムを用いて決定され得る。
【0073】
「改善される」、「増加する」、または「低減される」:本明細書で使用されるとき、これらの用語、または文法的に同等の比較用語は、同等の参照測定値と比べたものである値を示す。例えば、一部の実施形態では、目的とする薬剤で達成される評定値は、同等の参照薬剤で得られる値と比べて「改善される」場合がある。代替または追加として、一部の実施形態では、目的とする対象または系において達成される評定値は、異なる条件下(例えば、目的とする薬剤の投与等の事象の前または後)での同じ対象もしくは系において、または異なる同等の対象において(例えば、目的とする特定の疾患、障害、もしくは病態の1つもしくは複数の指標の存在の点で、またはある条件もしくは薬剤への以前の曝露の点で、目的とする対象または系とは異なる、同等の対象または系において等)得られると比べて、「改善される」場合がある。一部の実施形態では、比較用語は、統計的に意義のある差異(例えば、統計的意義を達成するのに十分な普及度及び/または規模のもの)を指す。当業者であれば、所与の文脈において、かかる統計的有意性を達成するのに必要とされる、またはそれを達成するのに十分である、差異の程度及び/または普及度について知っているか、または容易に決定可能であろう。
【0074】
部分的に不飽和:本明細書で使用されるとき、「部分的に不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む部分を指す。「部分的に不飽和の」という用語は、複数の不飽和の部位を有する基を包含することを意図するが、アリール部分またはヘテロアリール部分を含むことは意図しない。
【0075】
ペプチド:本明細書で使用される「ペプチド」という用語は、典型的には比較的短い、例えば、約100アミノ酸未満、約50アミノ酸未満、約40アミノ酸未満、約30アミノ酸未満、約25アミノ酸未満、約20アミノ酸未満、約15アミノ酸未満、または10アミノ酸未満の長さを有するポリペプチドを指す。
【0076】
薬学的組成物:本明細書で使用されるとき、「薬学的組成物」という用語は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された活性薬剤を指す。一部の実施形態では、活性薬剤は、関連性のある集団に投与したときに既定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンにおける投与に適切な、単位用量の量で存在する。一部の実施形態では、薬学的組成物は、以下のために適合されたものを含めて、固体または液体形態での投与用に特別に製剤化されてもよい:経口投与、例えば、飲薬(水性または非水性液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身性吸収を目的としたもの、巨丸剤、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのパスタ剤;例えば、滅菌溶液もしくは懸濁剤、または徐放性製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注射による非経口投与;例えば、皮膚、肺、または口腔に適用されるクリーム、軟膏、または制御放出性の貼付剤もしくはスプレー剤としての局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、または泡沫として、腟内または直腸内に;舌下に;眼に;経皮的に;あるいは鼻腔に、肺に、及び他の粘膜表面に。
【0077】
薬学的に許容される:本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される」という語句は、賢明な医療判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0078】
薬学的に許容される担体:本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」という用語は、対象となる化合物を1つの臓器または身体部分から別の臓器または身体部分に運搬または輸送することに関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、または溶媒カプセル封入材料(solvent encapsulating material)等の、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であると共に、患者にとって有害でないという意味で「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体としての役目を果たすことができる材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックス等の賦形剤;ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱物質不含水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物;ならびに薬学的製剤に採用される他の無毒の適合性物質が挙げられる。
【0079】
薬学的に許容される塩:本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学関連で使用するのに適切であるような化合物の塩、すなわち、賢明な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,66:1−19(1977)において、薬学的に許容される塩について詳述している。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸等の無機酸と共に形成される、または酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸と共に形成される、あるいはイオン交換等の他の既知の方法を用いることによって形成されるアミノ基の塩である、無毒の酸付加塩が含まれるが、これに限定されない。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩(undecanoate)、吉草酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、塩基と共に、提供される化合物の酸性基(例えば、オリゴヌクレオチドのリン酸結合基、オリゴヌクレオチドのホスホロチオエート結合基等)によって形成されるもの等の、無毒の塩基付加塩が含まれるが、これに限定されない。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩が含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩(例えば、−N(R))である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ナイトレート、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネート、及びアリールスルホネート等の対イオンを用いて形成される、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが含まれる。
【0080】
ポリペプチド:本明細書で使用されるとき、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在するアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在しないアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、それが人為的作用を通して設計される及び/または生産されるという点で操作されている、アミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、または両方を含むか、またはそれからなってもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸のみまたは非天然アミノ酸のみを含むか、またはそれからなってもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D−アミノ酸、L−アミノ酸、または両方を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D−アミノ酸のみを含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、L−アミノ酸のみを含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドのN末端で、ポリペプチドのC末端で、またはそれらの任意の組み合わせで、例えば、1つまたは複数のアミノ酸側鎖を修飾するか、またはそれに結合した、1つまたは複数のペンダント基または他の修飾を含んでもよい。一部の実施形態では、かかるペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、ペグ化等(それらの組み合わせを含む)からなる群から選択され得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは環状であってもよく、及び/または環状部分を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは環状ではなく、及び/またはいかなる環状部分も含まない。一部の実施形態では、ポリペプチドは直鎖状である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ステープル化ポリペプチドであってもよいか、またはそれを含んでもよい。一部の実施形態では、「ポリペプチド」という用語は、参照ポリペプチド、活性、または構造の名称に付加されてもよく、かかる事例において、それは、関連性のある活性または構造を共有し、故に、ポリペプチドの同じクラスまたはファミリーの成員であると見なされ得るポリペプチドを指して本明細書で使用される。各かかるクラスに関して、本明細書は、アミノ酸配列及び/または機能が知られている当該クラス内の代表的なポリペプチドを提供し、及び/または当業者であれば、それを知っているであろう。一部の実施形態では、かかる代表的なポリペプチドは、当該ポリペプチドクラスまたはファミリーに対する参照ポリペプチドである。一部の実施形態では、ポリペプチドクラスまたはファミリーの成員は、当該クラスの参照ポリペプチドとの(一部の実施形態では当該クラス内の全てのポリペプチドとの)顕著な配列相同性もしくは同一性を示し、それと共通の配列モチーフ(例えば、特有の配列要素)を共有し、及び/またはそれと共通の活性を共有する(一部の実施形態では、同等のレベルでまたは指定範囲内で)。例えば、一部の実施形態では、成員ポリペプチドは、少なくとも約30〜40%である、また多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超もしくはそれよりも高い、参照ポリペプチドとの全体的な配列相同性または同一性の程度を示し、及び/または、しばしば90%超またはさらには95%、96%、97%、98%、もしくは99%の非常に高い配列同一性を示す少なくとも1つの領域(例えば、一部の実施形態では特有の配列要素であり得るか、またはそれを含み得る保存された領域)を含む。かかる保存された領域は通常、少なくとも3〜4個、及び多くの場合、最大20個またはそれよりも多くのアミノ酸を包含し、一部の実施形態では、保存された領域は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれよりも多くの連続したアミノ酸の少なくとも1つの連なりを包含する。一部の実施形態では、関連性のあるポリペプチドは、親ポリペプチドの断片を含むか、またはそれからなってもよい。一部の実施形態では、有用なポリペプチドは、複数の断片を含むか、またはそれからなってもよく、これらの断片の各々は、目的とするポリペプチドに見出されるものとは異なる互いに対する空間的配置で同じ親ポリペプチドに見出され(例えば、親において直接連結されている断片が、目的とするポリペプチドにおいては空間的に隔てられ得るか、もしくはその逆であり、及び/または断片が、目的とするポリペプチドにおいて、親における順序とは異なる順序で存在し得る)、その結果、目的とするポリペプチドは、その親ポリペプチドの誘導体である。
【0081】
予防するまたは予防:本明細書で使用されるとき、疾患、障害、及び/または病態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害、及び/または病態の発症リスクを低減すること、及び/または疾患、障害、もしくは病態の1つもしくは複数の特徴もしくは症状の発現を遅延させることを指す。予防は、疾患、障害、または病態の発現が所定の一定期間遅延された場合、完全と見なされ得る。
【0082】
保護基:本明細書で使用される「保護基」という語句は、反応性の可能性がある官能基を望まれない化学的変換から保護する、一時的な置換基を指す。かかる保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびに、それぞれアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが挙げられる。「Si保護基」は、Si−トリアルキル(例えば、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)、Si−トリアリール、Si−アルキル−ジフェニル(例えば、t−ブチルジフェニルシリル)、またはSi−アリール−ジアルキル(例えば、Si−フェニルジアルキル)等の、Si原子を含む保護基である。全般的に、Si保護基は、酸素原子に結合している。保護基の化学の分野については概説されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991)。かかる保護基(及び関連する保護された部分)については、下記に詳述される。
【0083】
保護されたヒドロキシル基は当該技術分野で周知であり、これには、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳述されるものが含まれ、同文献の全体が参照により本明細書に援用される。好適に保護されたヒドロキシル基の例としては、エステル、カーボネート、スルホネート、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、及びアルコキシアルキルエーテルがさらに挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ペンタン酸エステル、クロトン酸エステル、及び安息香酸エステルが挙げられる。好適なエステルの具体的な例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸エステル(pivaloate)(トリメチル酢酸エステル)、クロトン酸エステル、4−メトキシ−クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−ベンジル安息香酸エステル、2,4,6−トリメチル安息香酸エステルが挙げられる。好適なカーボネートの例としては、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、及びp−ニトロベンジルカーボネートが挙げられる。好適なシリルエーテルの例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテル、及び他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。好適なアルキルエーテルの例としては、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチル、及びアリルエーテル、またはそれらの誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルには、メトキシメチル、メチルチオメチル、(2−メトキシエトキシ)メチル、ベンジルオキシメチル、ベータ−(トリメチルシリル)エトキシメチル、及びテトラヒドロピラン−2−イルエーテル等のアセタールが含まれる。好適なアリールアルキルエーテルの例としては、ベンジル、p−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、2−及び4−ピコリルエーテルが挙げられる。
【0084】
保護されたアミンは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適なモノ保護(mono−protected)アミンには、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミド等がさらに含まれるが、これらに限定されない。好適なモノ保護アミノ部分の例としては、t−ブチルオキシカルボニルアミノ(−NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ(−NHAlloc)、ベンジルオキソカルボニルアミノ(−NHCBZ)、アリルアミノ、ベンジルアミノ(−NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(−NHFmoc)、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、フェニルアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、t−ブチルジフェニルシリル等が挙げられる。好適なジ保護(di−protected)アミンには、モノ保護アミンとして上述されるものから独立して選択される2つの置換基で置換されているアミンが含まれ、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド等といった環状イミドがさらに含まれる。好適なジ保護アミンにはまた、ピロール等、2,2,5,5−テトラメチル−[1,2,5]アザジシロリジン等、及びアジドも含まれる。
【0085】
保護されたアルデヒドは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたアルデヒドには、非環状アセタール、環状アセタール、ヒドラゾン、イミン等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかる基の例としては、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、ジベンジルアセタール、ビス(2−ニトロベンジル)アセタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、セミカルバゾン、及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0086】
保護されたカルボン酸は当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたカルボン酸には、任意選択で置換されるC1−6脂肪族エステル、任意選択で置換されるアリールエステル、シリルエステル、活性化エステル、アミド、ヒドラジド等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかるエステル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ベンジル、及びフェニルエステルが挙げられ、ここで、各基は、任意選択で置換される。追加の好適な保護されたカルボン酸には、オキサゾリン及びオルトエステルが含まれる。
【0087】
保護されたチオールは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたチオールには、ジスルフィド、チオエーテル、シリルチオエーテル、チオエステル、チオカーボネート、及びチオカルバメート等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかる基の例としては、ほんの少数を挙げると、アルキルチオエーテル、ベンジル及び置換ベンジルチオエーテル、トリフェニルメチルチオエーテル、ならびにトリクロロエトキシカルボニルチオエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
参照:本明細書で使用されるとき、相対して比較が行われる標準または対照を説明する。例えば、一部の実施形態では、目的とする薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値が、参照または対照となる薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値と比較される。一部の実施形態では、参照または対照は、目的とする試験または決定と実質的に同時に試験され及び/または決定される。一部の実施形態では、参照または対照は、任意選択で有形的媒体において具体化された、歴史的参照または対照である。典型的には、当業者には理解されようが、参照または対照は、評定を受けているものと同等の条件または状況下で決定されるか、または特性評価される。当業者であれば、特定の可能な参照または対照に対する信頼性及び/またはそれとの比較の正当性を示すのに十分な類似性が存在する場合について理解しよう。
【0089】
置換:本明細書に記載されるとき、本開示の化合物は、任意選択で置換される及び/または置換された部分を含有してもよい。一般に、「置換される」という用語は、「任意選択で」という用語が前に付くか否かにかかわらず、指定部分の1個または複数の水素が好適な置換基で置き換えられることを意味する。別途指定されない限り、「任意選択で置換される」基は、当該基の置換可能な各位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造において1つよりも多くの位置が、明記される群から選択される1つよりも多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、全ての各位置で同じであっても、または異なってもよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される「安定な」という用語は、それらの生産、検出、ならびに、ある特定の実施形態では、それらの回収、精製、及び本明細書に開示される目的のうちの1つまたは複数に向けた使用を可能にする条件に供した際に、実質的に変化しない化合物を指す。一部の実施形態では、例となる置換基が下記に記載される。
【0090】
好適な一価置換基は、ハロゲン、−(CH0−4R°、−(CH0−4OR°、−O(CH0−4、−O−(CH0−4C(O)OR°、−(CH0−4CH(OR°)、−(CH0−4Ph(これはR°で置換されてもよい)、−(CH0−4O(CH0−1Ph(これはR°で置換されてもよい)、−CH=CHPh(これはR°で置換されてもよい)、−(CH0−4O(CH0−1−ピリジル(これはR°で置換されてもよい)、−NO、−CN、−N、−(CH0−4N(R°)、−(CH0−4N(R°)C(O)R°、−N(R°)C(S)R°、−(CH0−4N(R°)C(O)N(R°)、−N(R°)C(S)N(R°)、−(CH0−4N(R°)C(O)OR°、−N(R°)N(R°)C(O)R°、−N(R°)N(R°)C(O)N(R°)、−N(R°)N(R°)C(O)OR°、−(CH0−4C(O)R°、−C(S)R°、−(CH0−4C(O)OR°、−(CH0−4C(O)SR°、−(CH0−4C(O)OSi(R°)、−(CH0−4OC(O)R°、−OC(O)(CH0−4SR°、−SC(S)SR°、−(CH0−4SC(O)R°、−(CH0−4C(O)N(R°)、−C(S)N(R°)、−C(S)SR°、−SC(S)SR°、−(CH0−4OC(O)N(R°)、−C(O)N(OR°)R°、−C(O)C(O)R°、−C(O)CHC(O)R°、−C(NOR°)R°、−(CH0−4SSR°、−(CH0−4S(O)R°、−(CH0−4S(O)OR°、−(CH0−4OS(O)R°、−S(O)N(R°)、−(CH0−4S(O)R°、−N(R°)S(O)N(R°)、−N(R°)S(O)R°、−N(OR°)R°、−C(NH)N(R°)、−Si(R°)、−OSi(R°)、−P(R°)、−P(OR°)、−OP(R°)、−OP(OR°)、−N(R°)P(R°)、−B(R°)、−OB(R°)、−P(O)(R°)、−OP(O)(R°)、−N(R°)P(O)(R°)、−(C1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)O−N(R°)、または−(C1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)C(O)O−N(R°)であり、ここで、各R°は、下記に定義されるように置換されてもよく、独立して、水素、C1−20脂肪族、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、−CH−(C6−14アリール)、−O(CH0−1(C6−14アリール)、−CH−(5〜14員のヘテロアリール環)、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する5〜20員の単環式、二環式、または多環式の飽和環、部分的に不飽和の環、またはアリール環であるか、あるいは、上記の定義にかかわらず、R°の2つの独立した出現例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する5〜20員の単環式、二環式、または多環式の飽和環、部分的に不飽和の環、またはアリール環を形成し、これは、下記に定義されるように置換されてもよい。
【0091】
R°(またはR°の2つの独立した出現例がそれらの介在原子と一緒になることによって形成される環)上の好適な一価置換基は独立して、ハロゲン、−(CH0−2R・、−(ハロR・)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR・、−(CH0−2CH(OR・)、−O(ハロR・)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R・、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR・、−(CH0−2SR・、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR・、−(CH0−2NR・、−NO、−SiR・、−OSiR・、−C(O)SR・−(C1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR・、または−SSR・であり、ここで、各R・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、=O及び=Sが含まれる。
【0092】
好適な二価置換基は、以下である:=O、=S、=NNR、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R))2−3O−、または−S(C(R))2−3S−(ここで、Rの独立した各出現例は、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC1−6脂肪族、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される)。「任意選択で置換される」基のビシナル位の置換可能な炭素に結合している好適な二価置換基には、−O(CR2−3O−が含まれ、ここで、Rの独立した各出現例は、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC1−6脂肪族、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される。
【0093】
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、−R・、−(ハロR・)、−OH、−OR・、−O(ハロR・)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR・、−NH、−NHR・、−NR・、または−NOであり、ここで、各R・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環である。
【0094】
一部の実施形態では、置換可能な窒素上の好適な置換基は、−R、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR、−C(S)NR、−C(NH)NR、または−N(R)S(O)であり、ここで、各Rは独立して、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC1−6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環であるか、あるいは、上記の定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの単環または二環を形成する。
【0095】
の脂肪族基上の好適な置換基は独立して、ハロゲン、−R・、−(ハロR・)、−OH、−OR・、−O(ハロR・)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR・、−NH、−NHR・、−NR・、または−NOであり、ここで、各R・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環である。
【0096】
対象:本明細書で使用されるとき、「対象」または「試験対象」という用語は、例えば、実験、診断、予防、及び/または治療目的で、提供される化合物または組成物が本開示に従って投与される任意の生物を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長動物、及びヒトといった哺乳動物;昆虫;蠕虫等)及び植物が含まれる。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害、及び/または病態を患う、及び/またはそれに罹患しやすい可能性がある。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0097】
〜に罹患しやすい:疾患、障害、及び/または病態「に罹患しやすい」個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の発症リスクが一般大衆の成員のそれよりも高い個体である。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を診断されていない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の症状を呈する場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の症状を呈しない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を発症することになる。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を発症することはない。
【0098】
治療剤:本明細書で使用されるとき、「治療剤」という語句は、対象に投与されるとき、治療効果を有する、及び/または所望の生物学的効果及び/または薬理効果を引き出す薬剤を指す。一部の実施形態では、治療剤は、疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減するために使用することができる、任意の物質である。
【0099】
治療レジメン:「治療レジメン」は、その用語が本明細書で使用されるとき、関連性のある集団にわたるその投与が所望のまたは有益な治療転帰と相関し得る、投薬レジメンを指す。
【0100】
治療上有効量:本明細書で使用されるとき、「治療上有効量」という用語は、治療レジメンの一環として投与されるときに所望の生物学的応答を引き出す、物質(例えば、治療剤、組成物、及び/または製剤)の量を意味する。一部の実施形態では、物質の治療上有効量は、疾患、障害、及び/または病態を患うか、またはそれに罹患しやすい対象に投与されるときに、当該疾患、障害、及び/または病態を治療する、診断する、予防する、及び/またはその発現を遅延させるのに十分な量である。当業者には理解されようが、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達対象の物質、標的細胞または組織等といった要因に応じて異なり得る。例えば、疾患、障害、及び/または病態を治療するための製剤中の化合物の有効量は、当該疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減する量である。一部の実施形態では、治療上有効量は単回用量で投与され、一部の実施形態では、治療上有効量を送達するために複数回の単位用量が必要とされる。
【0101】
治療する:本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療」、または「治療すること」という用語は、疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を部分的にまたは完全に緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減するために用いられる任意の方法を指す。治療は、疾患、障害、及び/または病態の徴候を呈しない対象に施与されてもよい。一部の実施形態では、治療は、例えば、当該疾患、障害、及び/または病態に関連する病状の発症リスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/または病態の早期の徴候のみを呈する対象に施与されてもよい。
【0102】
単位用量:本明細書で使用される「単位用量」という表現は、薬学的組成物の単回用量として及び/または薬学的組成物の物理的に個別的な単位で投与される量を指す。多くの実施形態では、単位用量は、既定分量の活性薬剤を含有する。一部の実施形態では、単位用量は、当該薬剤の全単回用量を含有する。一部の実施形態では、総計単回用量を達成するために1回よりも多くの単位用量が投与される。一部の実施形態では、意図する効果を達成するために、複数回の単位用量の投与が必要とされるか、または必要とされることが予想される。単位用量は、例えば、既定分量の1つまたは複数の治療剤を含有するある体積の液体(例えば、許容される担体)、固体形態にある既定量の1つまたは複数の治療剤、既定量の1つまたは複数の治療剤を含有する徐放性製剤または薬物送達デバイス等であり得る。単位用量は、治療剤(複数可)に加えて様々な構成成分のうちのいずれかを含む製剤中に存在してもよいことが理解されよう。例えば、下記に記載されるように、許容される担体(例えば、薬学的に許容される担体)、希釈剤、安定剤、緩衝液、防腐剤等が含まれてもよい。多くの実施形態で、特定の治療剤の適切な総計1日投薬量が単位用量の一部分または複数回の単位用量を含んでもよく、例えば、賢明な医療判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが当業者には理解されよう。一部の実施形態では、任意の特定の対象または生物にとって有効な具体的な用量レベルは、治療されている障害及び障害の重症度;採用される具体的な活性化合物の活性;採用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全身の健康状態、性別、及び食生活;採用される具体的な活性化合物の投与時間及び排泄速度;治療の継続期間;採用される具体的な化合物(複数可)と組み合わせてまたはそれと同時に使用される薬物及び/または追加の療法、ならびに医療分野で周知の同様の要因を含めた、様々な要因に左右され得る。
【0103】
不飽和の:本明細書で使用される「不飽和の」という用語は、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
【0104】
野生型:本明細書で使用されるとき、「野生型」という用語は、(変異体の、病的な、変化した等と対比して)「正常な」状態または背景にある自然界で見出されるような構造及び/または活性を有する実体を指す、その分野で理解される意味を有する。当業者であれば、野生型遺伝子及びポリペプチドが多くの場合、複数の異なる形態(例えば、対立遺伝子)で存在することを理解しよう。
【0105】
別途明記されない限り、提供される化合物の薬学的に許容される酸または塩基付加塩等の塩、立体異性体、及び互変異性体が含まれる。
【0106】
文脈から別途明らかでない限り、本開示において、(i)「a」という用語は、「少なくとも1つ」を意味することが理解され得、(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味することが理解され得、(iii)「含むこと(comprising)」及び「含むこと(including)」という用語は、細別される構成成分または工程を、それら自体で提示されるか、または1つもしくは複数の追加の構成成分もしくは工程と一緒に提示されるかにかかわらず包含することが理解され得、(iv)「約」及び「およそ」という用語は、当業者には理解されよう標準変動を許容することが理解され得、(v)範囲が提供される場合、端点が含まれる。
【0107】
2.ベータ−カテニン
ベータ−カテニンは、多くの生物学的プロセス、例えば、動物における組織の発生に重要なタンパク質である。Wingless及びINT−1(Wnt)シグナル伝達経路の一部として、ベータ−カテニンは、とりわけ細胞分化、増殖、及び生存に関与する、遺伝子の発現を制御する一助となる。異常なWntシグナル伝達及び/またはベータ−カテニンレベルの維持は、がん、糖尿病、及び肥満症を含むが、これらに限定されない、いくつかのヒト疾患の基礎となる[Cell.2012;149(6):1192−1205]。Wntシグナル伝達が不活性であるとき、ベータ−カテニンは、タンパク質アキシン、大腸腺腫症(adenomatous polypois coli)(APC)、カゼインキナーゼ1α(CK1α)、及びグリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)を含む多構成成分からなる分解複合体中に常在することが報告される。分解複合体中で、ベータ−カテニンは、CK1α及びGSK3βによってリン酸化され得る。これは結果として、最終的なユビキチン化及びプロテアソーム(proteosomal)分解に対してベータ−カテニンをタグ付けし得る。Wntシグナル伝達経路がリガンドによって細胞膜で開始されるとき、タンパク質Frizzled及び低密度リポタンパク質関連受容体(LRP)を伴う複合体が形成されることもまた報告される。報告されるところによれば、このヘテロ二量体タンパク質複合体が今度はアキシンを膜に動員して、分解複合体の解離及びサイトゾル内でのベータ−カテニンの亢進したレベルをもたらす[Dev Cell.2009;18(1):9−26]。
【0108】
サイトゾル内で蓄積したベータ−カテニンはその後、核に移行し得、そこでそれは、転写活性化複合体を通した遺伝子の発現に影響を及ぼし得ることが報告される。一部の報告では、この複合体において、ベータ−カテニンは、異なる転写因子、ヒストン修飾因子、及びB細胞CLL/リンパ腫9(BCL9)を含む転写共活性化因子を含めたいくつかのタンパク質と会合する[Dev Cell.2009;18(1):9−26]。一部の事例では、BCL9は、ベータ−カテニンと別のタンパク質pygopusとの間の橋としての役目を果たし、複数の研究において、BCL9により媒介されるpygopusの動員がWntシグナル伝達に必要であることが実証されてきた[Nat Rev Mol Cell Biol.2009;10(4):276−286.、Cell.2002;109(1):47−60]。
【0109】
一部の実施形態では、Wntシグナル伝達経路に関連する疾患に対処するための1つの戦略は、このシグナル伝達経路においてβ−カテニンが他の構成成分と相互作用する能力に影響を及ぼすことである。報告されるタンパク質結晶構造により、β−カテニンが、それぞれ分解複合体及び転写複合体においてアキシン及びBCL9等のタンパク質と相互作用することが明らかとなっている。一部の報告される構造において、アキシン及びBCL9は、それらのα−ヘリックスアキシン−CBDドメイン及びHD2ドメインによってそれぞれ媒介される相互作用を通して、β−カテニンに結合する。[Genes Dev.2003;17(22):2753−2764、Mol Cell.2006;24(2):293−300]。一部の小分子はβ−カテニンのタンパク質間相互作用を調節することが報告されてきたが[Curr Pharm Des.2012;19(40):634−664]、本開示は、小分子により、β−カテニンとアキシンまたはBCL9との間に見られるような拡大した表面積を有する相互作用部位に対処することが全般的に困難であることを認める。
【0110】
一部の実施形態では、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位は、Xing et al.,Genes & Development 2003,17(22),2753−2764に報告されるものである。一部の実施形態では、ベータ−カテニンとアキシンとの間の相互作用は、アルマジロリピートによって形成されるベータ−カテニンの溝に適合する連続的なアルファヘリックスを形成する、Xenopusアキシン−CBDドメインの残基469〜481(これはヒトアキシンに高度に相同である)を含む。アキシン−CBDは、ベータ−カテニンのアルマジロリピート3及び4の第3のヘリックスと特異的に相互作用することが報告される。報告されるように、ベータ−カテニン/アキシン界面は、やや疎水性である。ベータ−カテニンとXenopusアキシンとの間の報告される相互作用は、水素結合(例えば、XenopusアキシンのH476の側鎖とベータ−カテニンのH260)、塩橋(例えば、Xenopusアキシンにおける側鎖またはD474とベータ−カテニンのK292)、及び/または疎水性相互作用(例えば、I472、L473、V477、V480、M481は、ベータ−カテニンの浅い溝に相補的なヘリックス表面上に常在する;XenopusアキシンにおけるL473は、ベータ−カテニンのF253、F293、及びY254によって形成される浅い疎水性ポケットに収まる;XenopusアキシンのH476及びV477は、それぞれベータ−カテニンのT257及びI296と相互作用し、XenopusアキシンのP469及びM481は、それぞれベータカテニンのS250及びW338と相互作用する)を含む。一部の実施形態では、Xenopusアキシンの残基469〜481は、Xenopusアキシンにおける残基469〜481に対応するヒトアキシン残基である。
【0111】
一部の実施形態では、BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位は、例えば、Sampietro et al.,Molecular Cell,24(2),293−300,2006、Kawamoto et al.,Biochemistry 2009,48,9534−9541等に報告されるものである。一部の実施形態では、ベータ−カテニンとBCL9との間の相互作用は、ヒトBCL9−HD2の残基352〜374が、ベータ−カテニンのアルマジロリピート1のヘリックス2とヘリックス3との間で形成される溝に対してパッキングすると共に、ベータ−カテニンの第1のアルマジロリピートの3本のヘリックスとヘリックスバンドルを形成する、連続的なアルファヘリックスを形成することを含む。一部の実施形態では、ベータ−カテニンとBCL9との間の相互作用は、水素結合、塩橋(例えば、BCL9ヘリックスのN末端側と、酸性ノブを形成するベータ−カテニンにおける保存された残基とのもの(例えば、BCL9のH358及びR359がそれぞれベータ−カテニンのD162及びD164と水素結合及び塩橋を形成する;BCL9のS362がベータ−カテニンのH358と潜在的に水素結合を形成する等;Sampietro 2006を参照されたい))、及び/または疎水性相互作用(例えば、BCL9におけるL366/L369/I373及びベータ−カテニンの残基L156/L159/L178が関与する、BCL9ヘリックスのC末端側と、保存されたベータ−カテニン表面とのもの;ベータ−カテニンのM174が疎水性界面に突出する等;Sampietro 2006を参照されたい))を含む。
【0112】
とりわけ、本開示は、β−カテニン等の標的に対する別の治療モダリティを提示するステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、小分子と比較して、ステープル化ペプチドは、タンパク質間相互作用を標的化することの課題により良く対処し得る。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、タンパク質間相互作用と競合するために所望される立体構造にあるポリペプチド側鎖官能基を提示する。追加としてまたは代替として、一部の実施形態におけるステープル化ペプチドは、ステープルを有しないペプチドよりも改善された生物活性、タンパク質分解に関する安定性、及び細胞透過性を有し得る。
【0113】
3.ペプチド薬剤
一部の実施形態では、提供される薬剤は、ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンと相互作用するステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、本開示は、ベータ−カテニンと相互作用すると共に、ベータ−カテニンとの相互作用に関してアキシンと競合する、ステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、本開示は、アキシンと物理的に相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンのアミノ酸残基と物理的に相互作用する、ステープル化ペプチドを提供する。
【0114】
とりわけ、提供されるステープル化ペプチドは、Wnt/ベータ−カテニン経路に関与する機能を含めた、ベータ−カテニンの1つまたは複数の機能を調節することができる。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンに関連する種々の病態、障害、及び/または疾患を治療するのに有用である。提供されるステープル化ペプチドの代表的な構造的要素が本明細書に記載される。
【0115】
a.アミノ酸配列
一部の実施形態では、本開示は、ステープル化ペプチドについてのアミノ酸配列を提供する。一部の実施形態では、例えば、本開示に記載されるような1つまたは複数の方法によって決定されるように、提供されるアミノ酸配列を含むステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、例えば、本開示に記載されるような1つまたは複数の方法によって決定されるように、提供されるアミノ酸配列を含むステープル化ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位でベータ−カテニンと相互作用する。
【0116】
本開示を閲読する当業者には理解されようが、本開示に例として具体的に示されるアミノ酸配列及びその適切なバリアントを含めた種々のアミノ酸配列が、提供されるステープル化ペプチドに組み込まれ得る。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ヒトアキシン配列に由来する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシンのベータ−カテニン結合領域に由来する(Xingらを参照されたい)。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ベータ−カテニンと相互作用するアキシン配列に由来する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシンの配列またはそのバリアントを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシンのベータ−カテニン結合領域の配列またはそのバリアントを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ベータ−カテニンと相互作用するアキシン配列またはそのバリアントを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシン残基の組、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、ベータ−カテニンと相互作用するものである。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのH476、D474、I472、L473、V477、V480、P469、及びM481を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのL473、D474、及びH476を含むか、またはXenopusアキシンのL473、D474、及びH476である。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのH476を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのD474を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのI472を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのL473を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのV477を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのV480を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのP469を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の当該組は、XenopusアキシンのM481を含む。一部の実施形態では、アキシン残基の組のホモログは、当該組の1つまたは複数のアミノ酸が独立して、そのまたはそれらのホモログで置き換えられる、アキシン残基の組である。
【0117】
一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、例えば、「疎水性」、「親水性」、「塩基性」、もしくは「酸性」アミノ酸として、及び/または「極性」、「非極性」、「疎水性」、「親水性」、「塩基性」、「酸性」、及び/または「類似したサイズ」の側鎖を有するものとして、互いに類似するとして典型的に分類される、当該アミノ酸に類似した1つまたは複数の特性を有する天然型または非天然型アミノ酸である。例えば、一部の実施形態では、前後関係に応じて、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アラニン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、アルファ−メチルロイシン、及び3−シクロヘキシルアラニンから選択される、任意選択で置換される(置換または非置換の)アミノ酸であり得、イソロイシンのホモログは、アラニン、ロイシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、L−アロイソロイシン、及びアルファ−メチルロイシンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸であり得、フェニルアラニンのホモログは、トリプトファン、チロシン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、4−tert−ブチルフェニルアラニン、O−メチルチロシン、ホモフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、4−メチルフェニルアラニン、4−ブロモフェニルアラニン、4−フェニル−L−フェニルアラニン、5−クロロトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、4−トリフルオロメチルフェニルアラニン、4−グアニジノ−L−フェニルアラニン、2−キノイル(quinoyl)−L−アラニン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、及びL−2−アミノアジピン酸から選択される、任意選択で置換されるアミノ酸残基であり得る、等である。
【0118】
一部の実施形態では、疎水性アミノ酸のホモログは、別の疎水性アミノ酸である。一部の実施形態では、疎水性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、疎水性側鎖を含む別の疎水性アミノ酸である。
【0119】
一部の実施形態では、親水性アミノ酸のホモログは、別の親水性アミノ酸である。一部の実施形態では、親水性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、親水性側鎖を含む別の親水性アミノ酸である。
【0120】
一部の実施形態では、塩基性アミノ酸のホモログは、別の塩基性アミノ酸である。一部の実施形態では、塩基性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、塩基性側鎖を含む別の塩基性アミノ酸である。
【0121】
一部の実施形態では、酸性アミノ酸のホモログは、別の酸性アミノ酸である。一部の実施形態では、酸性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、酸性側鎖を含む別の酸性アミノ酸である。
【0122】
一部の実施形態では、芳香族アミノ酸のホモログは、別の芳香族アミノ酸である。一部の実施形態では、芳香族側鎖を含むアミノ酸のホモログは、芳香族側鎖を含む別の芳香族アミノ酸である。
【0123】
一部の実施形態では、極性アミノ酸のホモログは、別の極性アミノ酸である。一部の実施形態では、極性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、極性側鎖を含む別の極性アミノ酸である。
【0124】
一部の実施形態では、非極性アミノ酸のホモログは、別の非極性アミノ酸である。一部の実施形態では、非極性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、非極性側鎖を含む別の非極性アミノ酸である。
【0125】
一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、当該アミノ酸に立体的に類似する。一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、当該アミノ酸の側鎖に類似したサイズを有する側鎖を含む。
【0126】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、提供されるステープル化ペプチドにおけるアミノ酸がそのホモログで置き換えられる場合、提供される薬剤の1つまたは複数の特性または活性は、顕著には減少しない。例えば、一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドにおけるアミノ酸がそのホモログで置き換えられる場合、そのステープル化ペプチドとベータ−カテニンとの相互作用は、顕著には減少しない。一部の実施形態では、あるアミノ酸のそのホモログでの置き換え後に、FP EC50(例えば、本開示に記載される競合蛍光偏光アッセイによって測定される、表2に例示されるようなもの(Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947からのFITC−StAx−33(FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR、オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)またはFITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)との競合)が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000倍を超えては増加しないという点で、相互作用は顕著には減少しない。一部の実施形態では、増加は、10倍以下である。一部の実施形態では、増加は、20倍以下である。一部の実施形態では、増加は、30倍以下である。一部の実施形態では、増加は、40倍以下である。一部の実施形態では、増加は、50倍以下である。一部の実施形態では、増加は、60倍以下である。一部の実施形態では、増加は、70倍以下である。一部の実施形態では、増加は、80倍以下である。一部の実施形態では、増加は、90倍以下である。一部の実施形態では、増加は、100倍以下である。一部の実施形態では、増加は、200倍以下である。一部の実施形態では、増加は、500倍以下である。一部の実施形態では、本開示で実証されるように、あるアミノ酸のホモログでの置き換えは、提供されるステープル化ペプチドの1つまたは複数の特性及び/または活性を改善する。例えば、一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドにおけるアミノ酸がそのホモログで置き換えられる場合、そのステープル化ペプチドとベータ−カテニンとの相互作用が強化される。一部の実施形態では、あるアミノ酸のそのホモログでの置き換え後に、FP EC50(例えば、本開示に記載される競合蛍光偏光アッセイによって測定される、表2に例示されるようなもの(Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947からのFITC−StAx−33(FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR、オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)またはFITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)との競合)が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000倍減少するという点で、相互作用は強化される。一部の実施形態では、減少は、少なくとも2倍(元の値の1/2以下)である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも3倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも4倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも5倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも6倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも7倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも8倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも9倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも10倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも15倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも20倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも30倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも40倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも50倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも60倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも70倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも80倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも90倍である。一部の実施形態では、減少は、少なくとも100倍である。
【0127】
アミノ酸のホモログは、当該技術分野で既知のものを含めて、天然型及び非天然型の両方が、本開示に従ってアミノ酸配列内で利用され得る。
【0128】
一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アラニン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、及び3−シクロプロピルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アラニン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、または3−シクロプロピルアラニンである。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アルファ−ネオペンチルグリシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロプロピルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アルファ−ネオペンチルグリシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロプロピルアラニンから選択されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アルファ−ネオペンチルグリシン、ホモロイシン、及び3−シクロブチルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アルファ−ネオペンチルグリシン、ホモロイシン、及び3−シクロブチルアラニンから選択されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、ホモロイシン及びシクロブチルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、ロイシンのホモログは、ホモロイシン及びシクロブチルアラニンから選択されるアミノ酸である。
【0129】
一部の実施形態では、イソロイシンのホモログは、ロイシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、及びL−アロイソロイシンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、イソロイシンのホモログは、ロイシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、及びL−アロイソロイシンから選択されるアミノ酸である。一部の実施形態では、イソロイシンのホモログは、ロイシン及びシクロブチルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、イソロイシンのホモログは、ロイシン及びシクロブチルアラニンから選択されるアミノ酸である。
【0130】
一部の実施形態では、フェニルアラニンのホモログは、トリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、4−tert−ブチルフェニルアラニン、O−メチルチロシン、及びホモフェニルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸から選択される。一部の実施形態では、フェニルアラニンのホモログは、トリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、4−tert−ブチルフェニルアラニン、O−メチルチロシン、及びホモフェニルアラニンから選択されるアミノ酸から選択される。一部の実施形態では、フェニルアラニンのホモログは、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、及びO−メチルチロシンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸である。一部の実施形態では、フェニルアラニンのホモログは、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、及びO−メチルチロシンから選択されるアミノ酸である。
【0131】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表1から選択されるペプチドのアミノ酸配列またはバリアントであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、Sampietro et al.,Molecular Cell,24(2),293−300,2006、またはKawamoto et al.,Biochemistry 2009,48,9534−9541、またはWO2017062518に記載されるアミノ酸配列またはアミノ酸配列のバリアントであるか、またはそれを含み、これらのアミノ酸配列は参照により本明細書に援用される。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、好ましくは、本開示に記載されるようなアキシン残基の組、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ベータ−カテニンへの親和性結合に必要とされるとして当該技術分野で報告される、1つまたは複数の要素、例えば、Xingらにおいて報告されるものを含む。
【0132】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、本開示に記載されるようなアキシン残基の組、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、アキシン残基の組のホモログは、当該組の1つまたは複数のアミノ酸が独立して、そのまたはそれらのホモログで置き換えられる、アキシン残基の組である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのH476、D474、I472、L473、V477、V480、P469、及びM481、またはその1つもしくは複数のホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのL473、D474、及びH476、またはその1つもしくは複数のホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのH476、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのD474、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのI472、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのL473、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのV477、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのV480、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのP469、またはそのホモログを含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのM481、またはそのホモログを含む。
【0133】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのH476、D474、I472、L473、V477、V480、P469、及びM481を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのL473、D474、及びH476を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのH476を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのD474を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのI472を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのL473を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのV477を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのV480を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのP469を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、XenopusアキシンのM481を含む。
【0134】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ステープル化ペプチドに組み込まれるとき、そのステープル化ペプチドがベータ−カテニンと相互作用するようなものである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ステープル化ペプチドに組み込まれるとき、そのステープル化ペプチドがベータ−カテニンと相互作用すると共に、アキシンとのベータ−カテニンの相互作用と競合するようなものである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ステープル化ペプチドに組み込まれるとき、そのステープル化ペプチドがベータ−カテニンと相互作用すると共に、Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947からのFITC−StAx−33、及び/またはFITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)とのベータ−カテニンの相互作用と競合するようなものである。本開示の実施例に記載されるアッセイを含めた、ベータ−カテニンとの相互作用を評定するための種々のアッセイを本開示に従って利用することができる。
【0135】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシンの配列に相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、アキシンのベータ−カテニン結合領域の配列に相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ベータ−カテニンと相互作用するアキシンの配列に相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、ベータ−カテニンと相互作用するアキシンヘリックスの配列に相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表1に記載されるペプチドの配列に相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、Xingらに記載されるペプチドの配列に相同である。
【0136】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、参照配列に対して、これら2つの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるという点で、相同である。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、参照配列に対して、これら2つの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%類似している(例えば、対応する位置で関連する化学特性を有する残基を含有する)という点で、相同である。一部の実施形態では、2つの残基は、それらの両方が疎水性、親水性、極性、非極性、酸性、または塩基性である場合、類似していると見なされる。一部の実施形態では、2つの残基は、一方の残基が他方の残基のホモログであるという点で、類似していると見なされる。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも25%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも30%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも35%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも40%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも45%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも50%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも55%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも60%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも65%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも70%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも75%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも80%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも85%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも90%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも91%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも92%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも93%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも94%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも95%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも96%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも97%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも98%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、少なくとも99%である。
【0137】
提供されるアミノ酸配列及びステープル化ペプチドは、種々の長さ、例えば、2〜100、5〜50、5〜40、5〜30アミノ酸残基、2、3、4、5、6、または7アミノ酸残基から(端点値を含む)、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、38、29、または30アミノ酸残基まで(端点値を含む)の範囲であり得る。
【0138】
一部の実施形態では、長さは、少なくとも5アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも6アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも7アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも8アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも9アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも10アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも11アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも12アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも13アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも14アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも15アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも16アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも17アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも18アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも19アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも20アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも21アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも22アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも23アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも24アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも25アミノ酸残基である。
【0139】
一部の実施形態では、長さは、5アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、6アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、7アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、8アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、9アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、10アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、11アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、12アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、13アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、14アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、15アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、16アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、17アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、18アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、19アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、20アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、21アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、22アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、23アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、24アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、25アミノ酸残基である。
【0140】
一部の実施形態では、長さは、17アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、18アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、19アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、20アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、21アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、22アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、23アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、24アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、25アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、26アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、27アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、28アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、29アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、30アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、35アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、40アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、50アミノ酸残基以下である。
【0141】
天然型アミノ酸及び非天然型アミノ酸の両方を本開示に従って利用することができる。一部の実施形態では、アミノ酸は、カルボキシル基とアミド基を形成することができるアミノ基と、カルボキシル基とを含む化合物である。
【0142】
一部の実施形態では、アミノ酸は、式A−Iの構造を有する化合物、
NH(Ra1)−La1−C(Ra2)(Ra3)−La2−COOH、
A−I
またはその塩であって、ここで、
a1、Ra2、Ra3の各々が独立して、−L−R’であり、
、La1及びLa2の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、該化合物またはその塩である。
【0143】
一部の実施形態では、La1は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(Ra1)−C(Ra2)(Ra3)−La2−COOHのものである。
【0144】
一部の実施形態では、La2は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(Ra1)−C(Ra2)(Ra3)−La2−COOHのものである。
【0145】
一部の実施形態では、La1は共有結合であり、La2は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(Ra1)−C(Ra2)(Ra3)−COOHのものである。
【0146】
一部の実施形態では、Lは共有結合である。一部の実施形態では、R’はRである。一部の実施形態では、Ra1はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ra2はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ra3はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ra1、Ra2、及びRa3の各々は独立して、Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。
【0147】
一部の実施形態では、Ra1は水素である。一部の実施形態では、Ra2は水素である。一部の実施形態では、Ra3は水素である。一部の実施形態では、Ra1は水素であり、Ra2及びRa3のうちの少なくとも一方は水素である。一部の実施形態では、Ra1は水素であり、Ra2及びRa3のうちの一方が水素であり、他方が水素ではない。
【0148】
一部の実施形態では、Ra2は、−L−Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ra2は、−L−Rであり、ここで、Rは、C3−30環状脂肪族、C5−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、Ra2は、−L−Rであり、ここで、Rは、C6−30アリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリールから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、Ra2は、アミノ酸の側鎖である。一部の実施形態では、Ra2は、標準アミノ酸の側鎖である。
【0149】
一部の実施形態では、Ra3は、−L−Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ra3は、−L−Rであり、ここで、Rは、C3−30環状脂肪族、C5−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、Ra3は、−L−Rであり、ここで、Rは、C6−30アリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリールから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、Ra3は、アミノ酸の側鎖である。一部の実施形態では、Ra3は、標準アミノ酸の側鎖である。
【0150】
一部の実施形態では、例えば、ステープル化に関して本開示に例として示されるある特定のアミノ酸にあるように、アミノ酸において、Ra2及びRa3のうちのいずれも水素ではない。一部の実施形態では、Ra2及びRa3のうちの一方または両方が、オレフィン基を含む。アミノ基を含むアミノ酸残基は、例えば、オレフィン基のオレフィンメタセシスを通して、オレフィン基を含む別のアミノ酸残基とステープルを形成してもよい。一部の実施形態では、Ra2及びRa3のうちの一方がオレフィン基を含む。一部の実施形態では、Ra2及びRa3のうちの一方がオレフィン基を含み、他方が、任意選択で置換されるC1−4アルキルである。一部の実施形態では、Ra2及びRa3のうちの一方がオレフィン基を含み、他方がメチルである。一部の実施形態では、Ra2及びRa3は両方とも、オレフィン基を含む。一部の実施形態では、オレフィン基は、末端オレフィン基である。一部の実施形態では、オレフィン基は、アリル基にあるような末端オレフィン基である。一部の実施形態では、オレフィン基は、アリルオキシカルボニル基にあるような末端オレフィン基である。一部の実施形態では、Ra2は、末端オレフィンを含むアルケニル基である。一部の実施形態では、Ra3は、末端オレフィンを含むアルケニル基である。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH1−10−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra2は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH1−10−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。一部の実施形態では、Ra3は、−(CH−CH=CHである。
【0151】
一部の実施形態では、Ra2及びRa3は同じである。一部の実施形態では、Ra2及びRa3は異なる。
【0152】
一部の実施形態では、LはLであり、ここで、Lは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、La1はLであり、ここで、Lは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、La2はLであり、ここで、Lは、本開示に記載されるようなものである。
【0153】
一部の実施形態では、Lは、共有結合であるか、または任意選択で置換される二価のC1−20、例えば、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、もしくはC20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは共有結合である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C15脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C10脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。
【0154】
一部の実施形態では、少なくとも1つのメチレン基が置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C15脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C10脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。
【0155】
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるC1−20脂肪族であり、ここで、少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるC2−20脂肪族であり、ここで、少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるC3−20脂肪族であり、ここで、少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられる。一部の実施形態では、LはLであり、ここで、Lは、任意選択で置換されるC3−10脂肪族であり、ここで、少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられる。一部の実施形態では、1つのみのメチレン単位が、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−N(O(CO)OR)であり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−NAlloc−である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるC1−6アルキレンである。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。
【0156】
一部の実施形態では、R2a及びR3aのうちの一方は、−L−R’であり、ここで、Lの少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられ、これらの可変要素の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−のR’、ならびにR2a及びR3aのうちの他方は両方とも、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、形成された環は、その窒素原子以外に追加のヘテロ原子の環原子を何ら有しない。一部の実施形態では、形成された環は、飽和である。
【0157】
一部の実施形態では、R2a及びR3aのうちの一方は、−L−R’であり、ここで、Lの少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)C(O)O−で置き換えられ、これらの可変要素の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)C(O)O−のR’、ならびにR2a及びR3aのうちの他方は両方とも、Rであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、形成された環は、その窒素原子以外に追加のヘテロ原子の環原子を何ら有しない。一部の実施形態では、形成された環は、飽和である。
【0158】
一部の実施形態では、R2a及びR3aのうちの一方は、−CHN(Alloc)CHである。一部の実施形態では、R2a及びR3aのうちの一方は、−(CHN(Alloc)CHである。一部の実施形態では、R2a及びR3aのうちの一方は、−(CHN(Alloc)CHである。
【0159】
一部の実施形態では、Ra1、Ra2、及びRa3のうちの2つ以上がRであり、一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。
【0160】
一部の実施形態では、Ra1、ならびにRa2及びRa3のうちの一方がRであり、一緒になって、Ra1が結合している窒素原子以外に追加の環ヘテロ原子を何ら有しない任意選択で置換される3〜6員環を形成する。一部の実施形態では、形成された環は、プロリンにあるような5員環である。
【0161】
一部の実施形態では、Ra2及びRa3はRであり、一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される3〜6員環を形成する。一部の実施形態では、Ra2及びRa3はRであり、一緒になって、1個または複数の窒素の環原子を有する、任意選択で置換される3〜6員環を形成する。一部の実施形態では、Ra2及びRa3はRであり、一緒になって、窒素原子である1個かつ1個を超えない環ヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜6員環を形成する。一部の実施形態では、環は飽和環である。一部の実施形態では、窒素原子は、アロック(alloc)基(−N(Alloc)−)で任意選択で置換される。
【0162】
一部の実施形態では、各−Cy−は独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基である。一部の実施形態では、−Cy−は、例えば、R及びCyに関して本開示に記載されるような、任意選択で置換される環であるが、ただし二価である。
【0163】
一部の実施形態では、−Cy−は、単環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、二環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、多環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、飽和である。一部の実施形態では、−Cy−は、部分的に不飽和である。一部の実施形態では、−Cy−は、芳香族である。一部の実施形態では、−Cy−は、飽和の環状部分を含む。一部の実施形態では、−Cy−は、部分的に不飽和の環状部分を含む。一部の実施形態では、−Cy−は、芳香族の環状部分を含む。一部の実施形態では、−Cy−は、飽和、部分的に不飽和、及び/または芳香族の環状部分の組み合わせを含む。一部の実施形態では、−Cy−は、3員である。一部の実施形態では、−Cy−は、4員である。一部の実施形態では、−Cy−は、5員である。一部の実施形態では、−Cy−は、6員である。一部の実施形態では、−Cy−は、7員である。一部の実施形態では、−Cy−は、8員である。一部の実施形態では、−Cy−は、9員である。一部の実施形態では、−Cy−は、10員である。一部の実施形態では、−Cy−は、11員である。一部の実施形態では、−Cy−は、12員である。一部の実施形態では、−Cy−は、13員である。一部の実施形態では、−Cy−は、14員である。一部の実施形態では、−Cy−は、15員である。一部の実施形態では、−Cy−は、16員である。一部の実施形態では、−Cy−は、17員である。一部の実施形態では、−Cy−は、18員である。一部の実施形態では、−Cy−は、19員である。一部の実施形態では、−Cy−は、20員である。
【0164】
一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価のC3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価、飽和のC3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価、部分的に不飽和のC3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、−Cy−Hは、本開示に記載されるような任意選択で置換される環状脂肪族、例えば、Rに関する環状脂肪族の実施形態である。
【0165】
一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換されるC6−20アリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換されるフェニレンである。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される1,2−フェニレンである。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される1,3−フェニレンである。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される1,4−フェニレンである。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価ナフタレン環である。一部の実施形態では、−Cy−Hは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるアリール、例えば、Rに関するアリールの実施形態である。
【0166】
一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜20員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜20員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−Hは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるヘテロアリール、例えば、Rに関するヘテロアリールの実施形態である。
【0167】
一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、3〜20員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、3〜20員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、3〜6員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価、5〜6員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される飽和の二価ヘテロシクリル基である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される部分的に不飽和の二価ヘテロシクリル基である。一部の実施形態では、−Cy−Hは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるヘテロシクリル、例えば、Rに関するヘテロシクリルの実施形態である。
【0168】
一部の実施形態では、R’は、−R、−C(O)R、−C(O)OR、または−S(O)Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R’は、−C(O)Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R’は、−C(O)ORであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R’は、−S(O)Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R’は水素である。一部の実施形態では、R’は水素ではない。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるC1−20脂肪族である。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるC1−20ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるC6−20アリールである。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるC6−20アリール脂肪族である。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換されるC6−20アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換される5〜20員のヘテロアリールである。一部の実施形態では、R’はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるような任意選択で置換される3〜20員のヘテロシクリルである。一部の実施形態では、2つ以上のR’がRであり、任意選択でかつ独立して、一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。
【0169】
一部の実施形態では、各Rは独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する。
【0170】
一部の実施形態では、各Rは独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成し、
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する。
【0171】
一部の実施形態では、各Rは独立して、−Hであるか、もしくはC1−20脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、C6−20アリール、C6−20アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−20アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜20員の単環、二環、もしくは多環を形成し、
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜20員の単環、二環、または多環を形成する。
【0172】
一部の実施形態では、各Rは独立して、−Hであるか、またはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。
【0173】
一部の実施形態では、各Rは独立して、−Hであるか、またはC1−20脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−20ヘテロ脂肪族、C6−20アリール、C6−20アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−20アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。
【0174】
一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは水素ではない。一部の実施形態では、Rは、C1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員の複素環式環から選択される、任意選択で置換される基である。
【0175】
一部の実施形態では、Rは、水素であるか、あるいはC1−20脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式環、8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員の二環式の飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択で置換される基である。
【0176】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−30脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−20脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−15脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−10脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−6脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC1−6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル、またはメチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるペンチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるブチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるプロピルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるエチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるメチルである。一部の実施形態では、Rは、ヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、ペンチルである。一部の実施形態では、Rは、ブチルである。一部の実施形態では、Rは、プロピルである。一部の実施形態では、Rは、エチルである。一部の実施形態では、Rは、メチルである。一部の実施形態では、Rは、イソプロピルである。一部の実施形態では、Rは、n−プロピルである。一部の実施形態では、Rは、tert−ブチルである。一部の実施形態では、Rは、sec−ブチルである。一部の実施形態では、Rは、n−ブチルである。一部の実施形態では、Rは、−(CHCNである。
【0177】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC3−30環状脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC3−20環状脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC3−10環状脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロペンチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロペンチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロブチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロブチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロプロピルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0178】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される3〜30員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される3〜7員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される3員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される4員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される5員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される6員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される7員の飽和または部分的に不飽和の炭素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロヘプチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、シクロヘキシルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロペンチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロペンチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロブチルである。一部の実施形態では、Rは、シクロブチルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるシクロプロピルである。一部の実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0179】
一部の実施形態では、Rが、環構造、例えば、環状脂肪族、シクロヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール等であるか、またはそれを含む場合、その環構造は、単環式、二環式、または多環式であり得る。一部の実施形態では、Rは、単環式構造であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、Rは、二環式構造であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、Rは、多環式構造であるか、またはそれを含む。
【0180】
一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC1−30ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC1−20ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、またはケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有し、任意選択で、窒素、硫黄、リン、またはセレンの1つまたは複数の酸化形態を含む、任意選択で置換されるC1−20ヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、
【化3】
から独立して選択される1〜10個の基を含む、任意選択で置換されるC1−30ヘテロ脂肪族である。
【0181】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC6−30アリールである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるフェニルである。一部の実施形態では、Rは、フェニルである。一部の実施形態では、Rは、置換フェニルである。
【0182】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和の環、またはアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される8〜10員の二環式の飽和環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される8〜10員の二環式の部分的に不飽和の環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される8〜10員の二環式アリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるナフチルである。
【0183】
一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜30員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜30員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜30員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜30員のヘテロアリール環である。
【0184】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、置換された5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、硫黄、及び酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、置換された5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、硫黄、及び酸素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、非置換の5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。
【0185】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。
【0186】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるピロリル、フラニル、またはチエニルから選択される。
【0187】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員のヘテロアリール環である。ある特定の実施形態では、Rは、1個の窒素原子、及び硫黄または酸素から選択される追加のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員のヘテロアリール環である。例となるR基としては、任意選択で置換されるピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、またはイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員のヘテロアリール環である。例となるR基としては、任意選択で置換されるトリアゾリル、オキサジアゾリル、またはチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0189】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員のヘテロアリール環である。例となるR基としては、任意選択で置換されるテトラゾリル、オキサトリアゾリル、及びチアトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0190】
一部の実施形態では、Rは、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。他の実施形態では、Rは、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、4個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、3個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。ある特定の実施形態では、Rは、1個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員のヘテロアリール環である。例となるR基としては、任意選択で置換されるピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、またはテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0191】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。他の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるアザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるアザインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンズイミダゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾチアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾオキサゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインダゾリルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0192】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0193】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾフラニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾ[b]チエニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるアザインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンズイミダゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾチアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾオキサゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインダゾリルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるオキサゾロピリジイル(oxazolopyridiyl)、チアゾロピリジニル、またはイミダゾピリジニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるプリニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、オキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、オキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、またはイミダゾピリダジニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0194】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される1,4−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピロリル、4H−フロ[3,2−b]ピロリル、4H−チエノ[3,2−b]ピロリル、フロ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]チエニル、1H−ピロロ[1,2−a]イミダゾリル、ピロロ[2,1−b]オキサゾリル、またはピロロ[2,1−b]チアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるジヒドロピロロイミダゾリル、1H−フロイミダゾリル、1H−チエノイミダゾリル、フロオキサゾリル、フロイソオキサゾリル、4H−ピロロオキサゾリル、4H−ピロロイソオキサゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイソオキサゾリル、4H−ピロロチアゾリル、フロチアゾリル、チエノチアゾリル、1H−イミダゾイミダゾリル、イミダゾオキサゾリル、またはイミダゾ[5,1−b]チアゾリルである。
【0195】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。他の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるイソキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるキナゾリンまたはキノキサリンである。
【0196】
一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する3〜30員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する3〜30員の複素環式環である。
【0197】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、置換された3〜7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、非置換の3〜7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜7員の部分的に不飽和の単環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜6員の部分的に不飽和の単環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の単環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の単環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される7員の部分的に不飽和の単環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、または硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される7員の複素環式環である。
【0198】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。
【0199】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は窒素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は酸素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は硫黄である。一部の実施形態では、Rは、2個の酸素原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は窒素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は酸素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は硫黄である。一部の実施形態では、Rは、2個の酸素原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される4員の部分的に不飽和の複素環式環である。
【0200】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は窒素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は酸素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は硫黄である。一部の実施形態では、Rは、2個の酸素原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される5員の部分的に不飽和の複素環式環である。
【0201】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は窒素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は酸素である。一部の実施形態では、Rは、1個を超えないヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環であり、該ヘテロ原子は硫黄である。一部の実施形態では、Rは、2個の酸素原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択で置換される6員の部分的に不飽和の複素環式環である。
【0202】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、3〜7員の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。ある特定の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるオキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパネイル(oxepaneyl)、アジリジネイル(aziridineyl)、アゼチジネイル(azetidineyl)、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、チエパニル、ジオキソラニル、オキサチオラニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、ジチオラニル、ジオキサニル、モルホリニル、オキサチアニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、ジチアニル、ジオキセパニル、オキサゼパニル、オキサチエパニル、ジチエパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラノニル、テトラヒドロピラノニル、オキセパノニル、ピロリジノニル、ピペリジノニル、アゼパノニル、ジヒドロチオフェノニル、テトラヒドロチオピラノニル、チエパノニル、オキサゾリジノニル、オキサジナノニル、オキサゼパノニル、ジオキソラノニル、ジオキサノニル、ジオキセパノニル、オキサチオリノニル、オキサチアノニル、オキサチエパノニル、チアゾリジノニル、チアジナノニル、チアゼパノニル、イミダゾリジノニル、テトラヒドロピリミジノニル、ジアゼパノニル、イミダゾリジンジオニル、オキサゾリジンジオニル、チアゾリジンジオニル、ジオキソランジオニル、オキサチオランジオニル、ピペラジンジオニル、モルホリンジオニル、チオモルホリンジオニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロチオフェニル、またはテトラヒドロチオピラニルである。
【0203】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜6員の部分的に不飽和の単環である。ある特定の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるテトラヒドロピリジニル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、またはオキサゾリニル基である。
【0204】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される7〜10員の二環式の飽和または部分的に不飽和の複素環式環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインドリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるイソインドリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるアザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0205】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。
【0206】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される1,4−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピロリル、4H−フロ[3,2−b]ピロリル、4H−チエノ[3,2−b]ピロリル、フロ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]フラニル、チエノ[3,2−b]チエニル、1H−ピロロ[1,2−a]イミダゾリル、ピロロ[2,1−b]オキサゾリル、またはピロロ[2,1−b]チアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるジヒドロピロロイミダゾリル、1H−フロイミダゾリル、1H−チエノイミダゾリル、フロオキサゾリル、フロイソオキサゾリル、4H−ピロロオキサゾリル、4H−ピロロイソオキサゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイソオキサゾリル、4H−ピロロチアゾリル、フロチアゾリル、チエノチアゾリル、1H−イミダゾイミダゾリル、イミダゾオキサゾリル、またはイミダゾ[5,1−b]チアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0207】
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。他の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾフラニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾ[b]チエニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるアザインドリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンズイミダゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾチアゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるベンゾオキサゾリルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるインダゾリルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるオキサゾロピリジイル(oxazolopyridiyl)、チアゾロピリジニル、またはイミダゾピリジニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるプリニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、オキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、オキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、またはイミダゾピリダジニルである。ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0208】
ある特定の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。他の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるイソキノリニルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるキナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、またはナフチリジニルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるピリドピリミジニル、ピリドピリダジニル、ピリドピラジニル、またはベンゾトリアジニルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるピリドトリアジニル、プテリジニル、ピラジノピラジニル、ピラジノピリダジニル、ピリダジノピリダジニル、ピリミドピリダジニル、またはピリミドピリミジニルである。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6,6位で縮合したヘテロアリール環である。
【0209】
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC6−30アリール脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC6−20アリール脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるC6−10アリール脂肪族である。一部の実施形態では、アリール脂肪族のアリール部分は、6、10、または14個のアリール炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール脂肪族のアリール部分は、6個のアリール炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール脂肪族のアリール部分は、10個のアリール炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール脂肪族のアリール部分は、14個のアリール炭素原子を有する。一部の実施形態では、アリール部分は、任意選択で置換されるフェニルである。
【0210】
一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−30アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−30アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−20アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−20アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−10アリールヘテロ脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換されるC6−10アリールヘテロ脂肪族である。
【0211】
一部の実施形態では、2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成する。一部の実施形態では、−C=Oが形成される。一部の実施形態では、−C=C−が形成される。一部の実施形態では、
【化4】
が形成される。
【0212】
一部の実施形態では、同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜20員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜10員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜6員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜5員の単環、二環、または多環を形成する。
【0213】
一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜20員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜10員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜10員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜6員の単環、二環、または多環を形成する。一部の実施形態では、2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜5員の単環、二環、または多環を形成する。
【0214】
一部の実施形態では、R基における、または2つ以上のR基が一緒になることによって形成される構造におけるヘテロ原子は、酸素、窒素、及び硫黄から選択される。一部の実施形態では、形成された環は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20員である。一部の実施形態では、形成された環は、飽和である。一部の実施形態では、形成された環は、部分的に飽和である。一部の実施形態では、形成された環は、芳香族である。一部の実施形態では、形成された環は、飽和部分、部分的に飽和の部分、または芳香環部分を含む。一部の実施形態では、形成された環は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の芳香環原子を含む。一部の実施形態では、形成されたものは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個以下の芳香環原子を含有する。一部の実施形態では、芳香環原子は、炭素、窒素、酸素、及び硫黄から選択される。
【0215】
一部の実施形態では、2つ以上のR基(またはR及びRであり得る可変要素から選択される2つ以上の基)が一緒になることによって形成される環は、C3−30環状脂肪族、C6−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、または酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルである、Rに関して記載されるような環であるが、ただし二価または多価である。
【0216】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、式A−IIの構造を有する化合物、
NH(Ra1)−La1−C(−L−CH=CH)(Ra3)−La2−COOH、
A−II
またはその塩であり、式中、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0217】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、式A−IIIの構造を有する化合物、
NH(Ra1)−C(−L−CH=CH)(Ra3)−COOH、
A−III
またはその塩であり、式中、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0218】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0219】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、標準アミノ酸である。一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、表A−I、A−II、及びA−IIIから選択される。
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
【0220】
一部の実施形態では、アミノ酸は、アルファ−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、L−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、D−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸のアルファ−炭素は、アキラルである。
【0221】
一部の実施形態では、アミノ酸は、ベータ−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、ベータ−アラニンである。
【0222】
一部の実施形態では、アミノ酸は、残基が表1のペプチドに組み込まれるものである。
【0223】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、2つ以上のアミノ酸残基を含有し、その側鎖が一緒に連結して1つまたは複数のステープルを形成する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、2つ以上のアミノ酸残基を含有し、これらの各々が独立して、オレフィンを含む側鎖を有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、2つ以上のアミノ酸残基を含有し、これらの各々が独立して、末端オレフィンを含む側鎖を有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、2つであり2つを超えないアミノ酸残基を含有し、これらの各々が独立して、オレフィンを含む側鎖を有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、2つであり2つを超えないアミノ酸残基を含有し、これらの各々が独立して、末端オレフィンを含む側鎖を有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、オレフィン及びそのアミノ基の窒素原子以外の窒素原子を含む、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、末端オレフィン及びそのアミノ基の窒素原子以外の窒素原子を含む、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、末端オレフィン及び窒素原子を含む側鎖を有する、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、式A−Iのアミノ酸の少なくとも1つの残基を含み、式中、Ra2は、オレフィン及び−N(R’)−部分を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである(一部の実施形態では、任意選択でRa3及びそれらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成することを含む)。一部の実施形態では、Ra2は、末端オレフィン及び−N(R’)−部分を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−Iから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−IIから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−IIIから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、2つの側鎖からの2つのオレフィンが、オレフィンメタセシスを通して一緒に連結して、ステープルを形成する。一部の実施形態では、ステープルは、好ましくは、ベータ−カテニンと相互作用するアキシン残基の対応する位置にないアミノ酸残基の側鎖によって形成される。一部の実施形態では、形成されたステープルは、当該ペプチドとベータ−カテニンとの間の相互作用を妨害しない。
【0224】
一部の実施形態では、本開示は、下記を含むペプチドであって、
[Xp1[Xp2−X10−[X11p11[X12p12[X13p13
ここで、
p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、0または1であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結してステープルを形成する側鎖を含む、該ペプチドを提供する。
【0225】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ステープル化ペプチドであり、X〜X13のうちの少なくとも2つが、一緒に連結してステープルを形成する側鎖を含む。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、非ステープル化ペプチドであり、ここで、X〜X13のうちの少なくとも2つが、一緒に連結してステープルを形成し得る側鎖を含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチド、またはひとたびステープル化された非ステープル化ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位でベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、ステープル化ペプチド、またはひとたびステープル化された非ステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンと相互作用すると共に、アキシンまたはアキシンペプチドとのベータ−カテニンの相互作用と競合する。
【0226】
一部の実施形態では、X〜X13の各々は独立して、式A−Iの構造を有するアミノ酸のアミノ酸残基である。
【0227】
一部の実施形態では、X及びXi+mは、各々独立して、オレフィンを含む側鎖を含み、これら2つの側鎖が、これら2つのオレフィンのオレフィンメタセシスを通して、一緒に連結して、ステープル、例えば、本開示に記載されるようなステープルを形成する。一部の実施形態では、これらのオレフィンの両方が、末端オレフィンである。一部の実施形態では、mは、3〜12の整数であり、iは、1〜18の整数である。一部の実施形態では、mは、3〜8の整数であり、iは、1〜13の整数である。一部の実施形態では、X及びXi+mのうちの少なくとも一方は、オレフィン及び窒素原子を含む側鎖を含む。一部の実施形態では、X及びXi+mのうちの少なくとも一方は、−C(−L−R’)(R3a)である−C(R2a)(R3a)を含み、ここで、Lの少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられ、R’は、オレフィンを含む。一部の実施形態では、X及びXi+mのうちの少なくとも一方は、−C(−L−CH=CH)(R3a)である−C(R2a)(R3a)を含み、ここで、Lの少なくとも1つのメチレン単位が、−N(R’)−で置き換えられる。
【0228】
一部の実施形態では、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17である。一部の実施形態では、iは1である。一部の実施形態では、iは2である。一部の実施形態では、iは3である。一部の実施形態では、iは4である。一部の実施形態では、iは5である。一部の実施形態では、iは6である。一部の実施形態では、iは7である。一部の実施形態では、iは8である。一部の実施形態では、iは9である。一部の実施形態では、iは10である。一部の実施形態では、iは11である。一部の実施形態では、iは12である。一部の実施形態では、iは13である。一部の実施形態では、iは14である。一部の実施形態では、iは15である。一部の実施形態では、iは16である。一部の実施形態では、iは17である。一部の実施形態では、iは18である。
【0229】
一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。一部の実施形態では、mは5である。一部の実施形態では、mは6である。一部の実施形態では、mは7である。一部の実施形態では、mは8である。一部の実施形態では、mは9である。一部の実施形態では、mは10である。一部の実施形態では、mは11である。一部の実施形態では、mは12である。
【0230】
一部の実施形態では、X及びXi+mの各々は独立して、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、Mから選択される。一部の実施形態では、X及びXi+mのうちの少なくとも一方は独立して、M、M、M、M、M、M、M、M、Mから選択される。一部の実施形態では、X及びXi+mの各々は独立して、M、M、M、M、M、M、M、M、Mから選択される。
【0231】
一部の実施形態では、Xは、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、R、R、R、R、R、S、S、S、S、及びSから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xが、Rのアミノ酸残基である。一部の実施形態では、Xが、Mのアミノ酸残基である。一部の実施形態では、Xが、Rのアミノ酸残基である。一部の実施形態では、X10は、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X10は、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X10は、Rの残基またはそのホモログである。一部の実施形態では、X10は、Rの残基である。
【0232】
一部の実施形態では、Xは、P、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y、及びα−メチルプロリンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、P、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、P、K、N、Q、R、Y、及びα−メチルプロリンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、アミノ酸Pの残基である。一部の実施形態では、Xは、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、A、D、E、K、N、Q、及びRから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、Aの残基である。一部の実施形態では、Xは、I、F、H、L、V、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、I、F、H、L、及びVから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、I、L、V、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、Iの残基である。一部の実施形態では、Xは、L、F、H、I、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、L、F、H、I、及びVから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、L、I、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、Lの残基である。一部の実施形態では、Xは、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、メチオニンスルホン、2−アミノアジピン酸、アスパラギン酸ベータ−メチルエステル、アスパラギン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、アスパラギン酸ベータ−ベンジルエステル、グルタミン酸ベータ−メチルエステル、グルタミン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、及びグルタミン酸ベータ−ベンジルエステルから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、D、E、H、N、Q、S、T、Y、メチオニンスルホン、2−アミノアジピン酸、アスパラギン酸ベータ−メチルエステル、アスパラギン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、アスパラギン酸ベータ−ベンジルエステル、グルタミン酸ベータ−メチルエステル、グルタミン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、及びグルタミン酸ベータ−ベンジルエステルから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、D、N、及びTから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、M、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、A、D、E、I、K、L、N、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、Aまたはアルファ−メチルアラニン残基である。一部の実施形態では、Xは、H、F、I、L、N、Q、V、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、3−(2−ピリジル)アラニン、3−(3−ピリジル)アラニン、3−(4−ピリジル)アラニン、ベータ−2−フリルアラニン、ベータ−2−チエニルアラニン、3−(2−テトラゾリル)アラニン)、及びベータ−4−チアゾリルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、H、F、I、L、N、Q、及びVから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、H、N、Q、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、3−(2−ピリジル)アラニン、3−(3−ピリジル)アラニン、3−(4−ピリジル)アラニン、ベータ−2−フリルアラニン、ベータ−2−チエニルアラニン、3−(2−テトラゾリル)アラニン)、及びベータ−4−チアゾリルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、H残基である。一部の実施形態では、Xは、I、V、F、H、L、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、I、V、F、H、及びLから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、I、V、L、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、Xは、I及びVから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X11は、R、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、Y、3−(1−ナフチルアラニン)、2−アミノアジピン酸、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、N−イプシロン−メチルリジン、N−イプシロン−ジメチルリジン、及びN−イプシロン−トリメチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X11は、R、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X11は、R、A、E、F、K、Q、S、V、Y、3−(1−ナフチルアラニン)、2−アミノアジピン酸、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、N−イプシロン−メチルリジン、N−イプシロン−ジメチルリジン、及びN−イプシロン−トリメチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X11は、R、A、F、K、S、V、3−(1−ナフチルアラニン)、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、及びN−イプシロン−メチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X12は、V、F、H、I、L、アルファ−メチルバリン、アルファメチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X12は、V、F、H、I、及びLから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X12は、I、A、L、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、O−プロパルギルセリン、L−オクチルグリシン、及びL−アロイソロイシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X12は、V、アルファ−メチルバリン、及びアルファメチルロイシンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X13は、W、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、d−トリプトファン、アルファ−メチルトリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、4−クロロトリプトファン、5−クロロトリプトファン、6−クロロトリプトファン、7−クロロトリプトファン、4−ブロモトリプトファン、5−ブロモトリプトファン、6−ブロモトリプトファン、7−ブロモトリプトファン、4−フルオロトリプトファン、5−フルオロトリプトファン、6−フルオロトリプトファン、7−フルオロトリプトファン、1−メチルトリプトファン、2−メチルトリプトファン、4−メチルトリプトファン、5−メチルトリプトファン、6−メチルトリプトファン、7−メチルトリプトファン、2−ヒドロキシトリプトファン、4−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、6−ヒドロキシトリプトファン、7−ヒドロキシトリプトファン、5−メトキシトリプトファン、7−アザトリプトファン、3−ベンゾチエニルアラニン、及び4−フェニル−L−フェニルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X13は、W、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、及びYから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X13は、W、D、E、F、Y、d−トリプトファン、アルファ−メチルトリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、5−クロロトリプトファン、6−クロロトリプトファン、7−クロロトリプトファン、5−ブロモトリプトファン、6−ブロモトリプトファン、7−ブロモトリプトファン、5−フルオロトリプトファン、6−フルオロトリプトファン、7−フルオロトリプトファン、1−メチルトリプトファン、2−メチルトリプトファン、5−メチルトリプトファン、6−メチルトリプトファン、7−メチルトリプトファン、2−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、6−ヒドロキシトリプトファン、7−ヒドロキシトリプトファン、5−メトキシトリプトファン、7−アザトリプトファン、及び3−ベンゾチエニ

ルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である。一部の実施形態では、X13は、W、D−トリプトファン、及びアルファ−メチルトリプトファンから選択されるアミノ酸の残基である。
【0233】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、SILDAHIQRVWまたはそのホモログを含み、ここで、SILDAHIQRVWまたはそのホモログの少なくとも2つのアミノ酸残基が独立して、X及びXi+mで置き換えられる。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、XILDAHIXi+mRVWまたはそのホモログを含む。一部の実施形態では、X及びXi+mの側鎖が、オレフィンメタセシスを通して一緒に連結して、ステープル、例えば、本開示に記載されるステープルを形成する。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、H476、及びV480に対応する、I、L、D、H、及びVのうちの1つもしくは複数、または半分よりも多く、または全てが置き換えられないか、または類似した特性を有するホモログで(例えば、塩基性残基が塩基性ホモログで、酸残基が酸性ホモログで、疎水性残基が疎水性ホモログで、及び/または芳香族残基が芳香族ホモログで)置き換えられる。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、及びH476に対応する、I、L、D、及びHのうちの1つもしくは複数、または半分よりも多く、または全てが置き換えられない。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、及びH476に対応する、I、L、D、及びHのうちの1つが置き換えられない。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、及びH476に対応する、I、L、D、及びHのうちの2つが置き換えられない。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、及びH476に対応する、I、L、D、及びHのうちの3つが置き換えられない。一部の実施形態では、XenopusアキシンのI472、L473、D474、及びH476に対応する、I、L、D、及びHのうちの4つが置き換えられない。一部の実施形態では、存在する場合、全ての置き換え例は、各々独立して、類似した特性を有するホモログで(例えば、塩基性残基が塩基性ホモログで、酸残基が酸性ホモログで、疎水性残基が疎水性ホモログで、及び/または芳香族残基が芳香族ホモログで)置き換えられる。一部の実施形態では、存在する場合、全ての置き換え例は、各々独立して、ホモログで置き換えられ、ここで、塩基性残基が置き換えられる場合、それは塩基性ホモログで置き換えられ、酸残基の場合は酸性ホモログで、疎水性残基の場合は疎水性ホモログで、芳香族残基の場合は芳香族ホモログで置き換えられる。
【0234】
一部の実施形態では、提供のペプチドは、PARILDAHVMRVWに少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同である配列を有する。一部の実施形態では、提供のペプチドは、ARILDAHIMRVWに少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同である配列を有する。一部の実施形態では、提供のペプチドは、AMILDAHIMRVWに少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同である配列を有する。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも50%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも95%である。
【0235】
代表的なペプチドが、本開示に、例えば、表、実施例等に広範に記載される。場合によっては、「−」が化合物(例えば、非ステープル化ペプチド、ステープル化ペプチド等)ID番号において「FP」の後に含まれ得る。別途明記されない限り、「FP」の後に「−」が付く番号及び「FP」の後に「−」が付かない番号は、同じ化合物を指す。例えば、別途明記されない限り、FP−0996(「FP」の後に「−」が付く)及びFP0996(「FP」の後に「−」が付かない)は、同じ化合物(この場合、同じペプチド)を指す。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、表1のペプチドである。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、表1のペプチドである。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、オレフィンメタセシスを経て表1のペプチドを形成し得るペプチドである。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、FP0217cである。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、FP0597cである。
【0236】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
u:非ステープル化。
a、c、及びs:ステープル化、典型的には(i、i+4)及び(i、i+7)。一部のステープル化ペプチドは、2つ以上のステープルを含有してもよい。cの場合、−N(R’)−C(O)−O−を含むカルバメートステープルを含む。sの場合、−N(R’)−C(O)−O−も−N(R’)−も含まない炭化水素ステープルを含む。aの場合、−N(R’)−C(O)−O−の部分でない−N(R’)−を含む(−N(R’)−C(O)−O−からのCOの除去によって形成され得る)アミノステープルを含む。当業者には理解されようが、各々独立して−L−CH=CHの構造を有する2つの側鎖によって形成されるステープルは、−L−CH=CH−L−の構造を有し、これら2つのLは、同じであるか、または異なる。アミノリンカーの場合、対応するカルバメートリンカーのLにおける−N(R’)−C(O)−O−が、−N(R’)−で置き換えられる。
r:メタセシスによって形成されるステープルにおけるオレフィン(−CH=CH−)が、−CH−CH−に還元されている(例えば、rcにおける)。
表1における非天然アミノ酸(またはその保護形態)または修飾(または修飾を導入するための試薬)(別途注記のない限り、該当する場合、全てのアミノ酸はL−アミノ酸である):
Myr=ミリストイル
Pal=パルミトイル
Ac=アセチル
nL=ノルロイシン
bA=ベータ−アラニン
Btn=ビオチン
PEG3=CAS番号557756−85−1
C18a=CAS番号871−70−5
pff=ペンタフルオロフェニルアラニン
ADMA=非対称性ジメチルアルギニン
SDMA=対称性ジメチルアルギニン
cpa=3−シクロプロピルアラニン
Dodec=ドデカノイル
Dec=デカノイル
Bua=ブチリル
Oct=オクチル
Hex=ヘキシル
4FF=4−フルオロフェニルアラニン
MeY=O−メチルチロシン
1NapA=3−(1−ナフチル)−L−アラニン
2NapA=3−(2−ナフチル)−L−アラニン
Cha=3−シクロヘキシル−L−アラニン
thi=ベータ−2−チエニルアラニン
2pyr=3−(2−ピリジル)−L−アラニン
3pyr=3−(3−ピリジル)−L−アラニン
4pyr=3−(4−ピリジル)−L−アラニン
fur=2−フリル−L−アラニン
cba=3−シクロブチルアラニン
Nva=ノルバリン
tLeu=tert−ロイシン
4MeF=4−メチル−L−フェニルアラニン
Aib=アミノイソ酪酸
M2O=メチオニンスルホン
dW=D−トリプトファン
aMeW=アルファ−メチル−L−トリプトファン
aMeV=アルファ−メチル−L−バリン
aMeL=アルファ−メチル−L−ロイシン
hArg=ホモアルギニン
1meK=N−イプシロン−メチル−L−リジン
FITC=フルオレセインイソチオシアネート
NHBut=アミノ酪酸
NHHex=アミノ ヘキサン酸
NHOct=アミノオクタン酸
AzWT=アゼチジン−2−カルボン酸
Bip=4−フェニル−L−フェニルアラニン
5ClW=5−クロロ−L−トリプトファン
HOW=5−ヒドロキシ−L−トリプトファン
H2W=2,3−ジヒドロ−L−トリプトファン
F3MeF=4−トリフルオロメチル−L−フェニルアラニン
4ClF=4−クロロ−L−フェニルアラニン
Btn−PEG3=
【化6】
FITC−bA=
【化7】
PEG1=
【化8】
表1.パートB−FP0217と同じアミノ酸配列。
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【0237】
b.ステープル
一部の実施形態では、ステープルは、1つのアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に、これらのアミノ酸残基のペプチド骨格原子への結合を通して連結し得るリンカーであり、当業者には理解されようが、連結されるアミノ酸残基間のペプチド骨格を介するものではない。一部の実施形態では、ステープルは、ペプチド骨格原子(例えば、C、N等)上の1つまたは複数の水素及び/または置換基(例えば、側鎖、O等)を置き換えることによって、ペプチド骨格に結合する。
【0238】
一部の実施形態では、ステープルは、報告されるところによればステープル化ペプチドによって形成されるアルファ−ヘリックスの安定化を通して、ステープル化ペプチドの1つまたは複数の特性及び/または活性に寄与し得る。種々の種類のステープル、例えば、US9617309、US2015−0225471、US2016−0024153、US2016−0215036、US2016−0244494、WO2017/062518、Azzarito et al,Nature Chemistry 5:161−173(2013)等に記載されるステープルが報告されており、本開示に従って利用されてもよく、これらの各々のステープルは参照により本明細書に援用される。
【0239】
一部の実施形態では、本開示は、ステープルの構造的要素(例えば、化学構造[例えば、炭化水素、非炭化水素(例えば、1個または複数のヘテロ原子またはアミノ、カルバメート等といったヘテロ原子含有部分を含む)]、立体化学構造[例えば、ステープルが接続している骨格原子の立体化学構造(例えば、ステープルがアミノ酸残基のアルファ−炭素原子に接続している場合、かかる炭素原子がキラル(R/S)であるか、またはアキラルであるか)]、位置付け(ステープルがどのアミノ酸残基/骨格原子に接続されているか)、サイズ(ステープルの長さ)等)が、特性及び/または活性に対して顕著な影響を有し得、顕著に改善された特性及び/または活性(例えば、増加した溶解度、増加した細胞透過性、増加した安定性、増加した選択性、低下した毒性、増加した活性等)を有するステープル化ペプチドを設計及び/または最適化するために採用され得るという洞察を提供する。
【0240】
一部の実施形態では、提供されるステープルは、炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、炭化水素ステープルは、鎖ヘテロ原子を何ら含まず、ここで、ステープルの鎖は、ステープルの一端からステープルの他端までそのステープル内で最も短い共有結合性の接続である。
【0241】
一部の実施形態では、提供されるステープルは、非炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、1つまたは複数の鎖ヘテロ原子を含み、ここで、ステープルの鎖は、ステープルの一端からステープルの他端までそのステープル内で最も短い共有結合性の接続である。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−C(O)−O−部分を含むという点で、カルバメートステープルである。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−部分を含むという点で、アミノステープルであり、この−N(R’)−部分は、−N(R’)−C(O)−O−の部分ではない。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−部分を含むという点で、アミノステープルであり、この−N(R’)−部分は、ヘテロ原子と二重結合(例えば、−C(=O)、−C(=S)、−C(=N−R’)等)をさらに形成する炭素原子には結合していない。
【0242】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ステープルがLであるステープルを含み、ここで、Lは、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、Ls1、Ls2、及びLs3の各々は独立して、Lであり、各Lは独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、提供されるステープルは、Lである。
【0243】
一部の実施形態では、Ls1は、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、Ls1は、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。一部の実施形態では、Ls1は、−L’−N(CH)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。
【0244】
一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC1−6アルキルである。一部の実施形態では、R’は、C1−6アルキルである。一部の実施形態では、R’は、メチルである。一部の実施形態では、Ls1が結合しているペプチド骨格原子はまた、Rにも結合しており、R’及びRは両方ともRであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、形成された環は、R’が結合している窒素原子に加えて追加の環ヘテロ原子を何ら有しない。一部の実施形態では、形成された環は、3員である。一部の実施形態では、形成された環は、4員である。一部の実施形態では、形成された環は、5員である。一部の実施形態では、形成された環は、6員である。
【0245】
本明細書で定義されるとき、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C15脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C10脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、非置換アルキレンである。一部の実施形態では、L’は、−CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH−である。一部の実施形態では、L’は、ペプチド骨格原子に結合している。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、非置換アルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、−CH−CH=CH−CH−である。
【0246】
一部の実施形態では、Ls1は、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls1は、−L’−N(R’)C(O)−であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls1は、−L’−N(CH)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0247】
一部の実施形態では、Ls1は共有結合である。
【0248】
一部の実施形態では、Ls1は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。
【0249】
一部の実施形態では、Ls2はLであり、ここで、Lは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls2は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls2は、−CH−CH=CH−CH−を含む。一部の実施形態では、Ls2は、−CH−CH=CH−CH−である。一部の実施形態では、Ls2は、−(CH−を含む。一部の実施形態では、Ls2は、−(CH−である。
【0250】
一部の実施形態では、Ls3は、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、Ls3は、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。一部の実施形態では、Ls3は、−L’−N(CH)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。
【0251】
一部の実施形態では、Ls3は、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls3は、−L’−N(R’)C(O)−であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls3は、−L’−N(CH)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0252】
一部の実施形態では、Ls3は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Ls3は、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、Ls3は、非置換アルキレンである。
【0253】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。
【0254】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(CH)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC〜C19脂肪族である。
【0255】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(R’)C(O)−であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(CH)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0256】
一部の実施形態では、Lは、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルキレンである。
【0257】
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C15脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C10脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルキレンである。一部の実施形態では、Lは、−CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH−である。一部の実施形態では、Lは、ペプチド骨格原子に結合している。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、−CH−CH=CH−CH−である。
【0258】
一部の実施形態では、ステープルの一端は、ペプチド骨格の原子An1に接続しており、ここで、An1は、Rで任意選択で置換され、当該ペプチドのN末端からのアミノ酸位置nにおけるアミノ酸残基の原子であり、他端は、ペプチド骨格の原子An2に接続しており、ここで、An2は、R(一部の実施形態では、R及び/またはRは、水素であり得るRである)で任意選択で置換され、当該ペプチドのN末端からのアミノ酸位置nにおけるアミノ酸残基の原子であり、ここで、n及びnは独立して、整数であり、n=n+mであり、mは、3〜12である。
【0259】
一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。一部の実施形態では、mは5である。一部の実施形態では、mは6である。一部の実施形態では、mは7である。一部の実施形態では、mは8である。一部の実施形態では、mは9である。一部の実施形態では、mは10である。一部の実施形態では、mは11である。一部の実施形態では、ステープルは、(i、i+m)ステープルと言及される。
【0260】
一部の実施形態では、An1は炭素原子である。一部の実施形態では、An1はアキラルである。一部の実施形態では、An1はキラルである。一部の実施形態では、An1はRである。一部の実施形態では、An1はSである。
【0261】
一部の実施形態では、An2は炭素原子である。一部の実施形態では、An2はアキラルである。一部の実施形態では、An2はキラルである。一部の実施形態では、An2はRである。一部の実施形態では、An2はSである。
【0262】
一部の実施形態では、An1はアキラルであり、An2はアキラルである。一部の実施形態では、An1はアキラルであり、An2はRである。一部の実施形態では、An1はアキラルであり、An2はSである。一部の実施形態では、An1はRであり、An2はアキラルである。一部の実施形態では、An1はRであり、An2はRである。一部の実施形態では、An1はRであり、An2はSである。一部の実施形態では、An1はSであり、An2はアキラルである。一部の実施形態では、An1はSであり、An2はRである。一部の実施形態では、An1はSであり、An2はSである。
【0263】
一部の実施形態では、ステープル−骨格接続点において提供される立体化学構造及び/またはそれらの組み合わせは、任意選択で、提供されるペプチドの1つまたは複数の構造的要素、例えば、ステープルの化学構造(炭化水素、非炭化水素)、ステープル長等と一緒に、調製物の改善された収率、純度、及び/または選択性、改善された特性(例えば、改善された溶解度、改善された安定性、低下した毒性、改善された選択性等)、改善された活性等といった種々の有益性を提供し得る。一部の実施形態では、提供される立体化学構造及び/または立体化学構造の組み合わせは、典型的に使用されるもの、例えば、US9617309、US2015−0225471、US2016−0024153、US2016−0215036、US2016−0244494、WO2017/062518のものとは異なり、本開示に記載される有益性のうちの1つまたは複数を提供した。
【0264】
一部の実施形態では、ステープルは、一部の実施形態でステープルの鎖原子の数によって表されるように、種々の長さであり得る。一部の実施形態では、ステープルの鎖は、ステープルの第1の端(ペプチド骨格との接続点)からステープルの第2の端までそのステープルにおいて最も短い共有結合性の接続であり、これら第1の端及び第2の端は、2つの異なるペプチド骨格原子に接続している。一部の実施形態では、ステープルは、5〜30個の鎖原子、例えば、5、6、7、8、9、または10個から、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、5個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、6個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、7個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、8個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、9個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、10個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、11個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、12個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、13個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、14個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、15個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、16個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、17個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、18個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、19個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、20個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、5個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、6個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、7個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、9個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、10個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、11個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、12個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、13個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、14個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、15個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、16個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、17個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、18個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、19個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、20個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜15個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜12個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、9〜12個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、9〜10個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜10個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルの長さは、それが接続するアミノ酸残基の距離に従って調整することができ、例えば、(i、i+7)ステープルの場合、(i、i+4)ステープルよりも長いステープルが必要とされ得る。ステープル長は、別様に説明され得る。例えば、一部の実施形態では、ステープル長は、鎖原子及び非鎖状環原子の総数として説明され得、この場合、非鎖状環原子は、1個または複数の鎖原子と環を形成するが、それがステープルの第1の端からステープルの第2の端まで最も短い共有結合性の接続内にないという点で鎖原子ではない、ステープルの原子である。一部の実施形態では、モノマーA(これはアゼチジン部分を含む)、モノマーB(これはピロリジン部分を含む)、及び/またはモノマーC(これはピロリジン部分を含む)を用いて形成されるステープルは、代表的なステープル化ペプチドにおいて例示されるように1個または2個の非鎖状環原子を含んでもよい。
【0265】
一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内にヘテロ原子を何ら有しない。一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内に少なくとも1個のヘテロ原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内に少なくとも1個の窒素原子を含む。
【0266】
一部の実施形態では、ステープルは、Lであり、ここで、Lは、任意選択で置換される二価のC8−14脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、Lであり、ここで、Lは、任意選択で置換される二価のC9−13脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、Lであり、ここで、Lは、任意選択で置換される二価のC10−15脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、Lであり、ここで、Lは、任意選択で置換される二価のC11−14脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基を含めずに、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基の間に3つのアミノ酸残基が存在するという点で、(i、i+4)ステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基を含めずに、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基の間に6つのアミノ酸残基が存在するという点で、(i、i+7)ステープルである。
【0267】
一部の実施形態では、L、Ls1、Ls2、及びLs3の各々に関して、存在する場合、メチレン単位の任意の置き換え例は、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−で置き換えられる。
【0268】
一部の実施形態では、ステープルにおけるオレフィンは、Z−オレフィンである。一部の実施形態では、ステープルにおけるオレフィンは、E−オレフィンである。一部の実施形態では、提供される組成物は、Z−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドと、E−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドとを含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、Z−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドを含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、E−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドを含む。一部の実施形態では、ステープルオレフィンのE/Z配置においてのみ異なる、その他の点では同一のステープル化ペプチドは、本明細書で実証されるように、異なる特性及び/または活性を実証する。一部の実施形態では、ステープルにおいてE−オレフィンを有するステープル化ペプチドが、前後関係を考慮してある特定の望ましい特性及び/または活性を提供し得る。一部の実施形態では、ステープルにおいてZ−オレフィンを有するステープル化ペプチドが、前後関係を考慮してある特定の望ましい特性及び/または活性を提供し得る。
【0269】
一部の実施形態では、2つのステープルがペプチド骨格の同じ原子に結合して、「ステッチ」構造を形成してもよい。
【0270】
一部の実施形態では、ステープルは、ステープルの一端がプロリン残基のアルファ−炭素に結合しているという点で、Pro−ロック(Pro−lock)である。
【0271】
一部の実施形態では、代表的なステープルは、下記で表S−1、S−2、S−3、及びS−4に例示されるようなステープルである(明確さのために代表的なペプチド骨格が例示され(他のペプチド骨格に適用され得る)、Xはアミノ酸残基である)。一部の実施形態では、オレフィンは、Zである。一部の実施形態では、オレフィンは、Eである。一部の実施形態では、(i、i+4)ステープルは、表S−1から選択される。一部の実施形態では、(i、i+4)ステープルは、表S−2から選択される。一部の実施形態では、(i、i+7)ステープルは、表S−3から選択される。一部の実施形態では、(i、i+7)ステープルは、表S−4から選択される。
【0272】
表S−1.代表的なステープル。
【化9-1】
【化9-2】
【化9-3】
【0273】
表S−2.代表的なステープル。
【化10-1】
【化10-2】
【化10-3】
【0274】
表S−3.代表的なステープル。
【化11-1】
【化11-2】
【化11-3】
【化11-4】
【化11-5】
【化11-6】
【0275】
表S−4.代表的なステープル。
【化12-1】
【化12-2】
【0276】
c.修飾及びコンジュゲーション
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、任意選択で、その骨格、側鎖、N末端及び/またはC末端において修飾され、任意選択で、第2の実体にコンジュゲートされる。種々の修飾及び/またはコンジュゲーションが当該技術分野で既知であり、本開示に従って利用することができる。
【0277】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、キャップ付加される。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、N末端でキャップ付加される。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、N末端−NHをアミドに転換するアミド化反応によってキャップ付加される。一部の実施形態では、キャップ付加は、アセチル化である。
【0278】
一部の実施形態では、修飾及び/またはコンジュゲーションは、標的化部分、例えば、ある特定の細胞、臓器、及び/または生物への送達を容易にし得る標的化部分を組み込むためのものである。
【0279】
一部の実施形態では、第2の実体は、リガンド、例えば、タンパク質受容体または酵素に対するリガンドである。一部の実施形態では、リガンドは、炭水化物である。一部の実施形態では、修飾は、グリコシル化である。一部の実施形態では、コンジュゲーション用の第2の実体は、炭水化物である。一部の実施形態では、炭水化物は、GalNacである。一部の実施形態では、第2の実体は、タンパク質リガンドである。
【0280】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、例えば、N末端での脂肪酸とのカップリングを通して、脂質部分にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、脂質部分は、任意選択で置換されるC〜C100脂肪族であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、脂質部分は、非置換のC〜C100脂肪族であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、脂質部分は、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、オクチル、またはパルミトイルである。
【0281】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、分解シグナル/実体にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、E3ユビキチンリガーゼに対するリガンドにコンジュゲートされる。
【0282】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、別のペプチドまたはタンパク質にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、該提供のペプチドとは異なる部位でベータ−カテニンと相互作用する、別のステープル化ペプチドにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ベータ−カテニンと相互作用するが、ベータ−カテニン結合目的での該提供されるペプチドとは競合しない、別のステープル化ペプチドにコンジュゲートされる。
【0283】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、その3次元構造においてヘリックスを含む。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、アルファ−ヘリックスを形成し得る。
【0284】
d.特性及び活性
本開示で実証されるように、提供される技術は、ステープル化ペプチドの特性及び/または活性を顕著に改善し得る。
【0285】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ヘリックス構造を形成し得る。
【0286】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ベータ−カテニンに結合する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ベータ−カテニンに対して0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、または10uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、0.01uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、0.05uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、0.1uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、0.2uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、0.5uM以下のKdを有する。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、1uM以下のKdを有する。Kdを評定するために、例えば、蛍光偏光法、表面プラズモン共鳴法、TR−FRET法等の種々の技術を本開示に従って利用することができる。
【0287】
一部の実施形態では、提供される技術は、改善された安定性を提供する。ペプチドを治療薬として使用することの1つの課題は、ペプチドが、対象に投与されると容易に分解し得るということである。とりわけ、本開示は、大幅に改善された薬物動態プロファイルを有するステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、顕著に改善された半減期を有する。
【0288】
一部の実施形態では、提供される技術は、ステープル化ペプチドの溶解度を大幅に改善した。とりわけ、本開示は、ステープル化ペプチドを使用することの顕著な課題として、ステープル化ペプチド、例えば、炭化水素ステープルを含むステープル化ペプチドが水性溶液中で低い溶解度を有する場合があり、それによって製剤化及び送達が複雑となるということを認識している。一部の実施形態では、本開示は、−N(R’)−及び/または−N(R’)−C(O)−部分を含むステープルを有するステープル化ペプチドを提供し、このステープル化ペプチドは、その他の点では同一であるが、−N(R’)−及び/または−N(R’)−C(O)−部分を含むステープルの代わりに炭化水素ステープルを含むステープル化ペプチドと比較して、改善された溶解度を有する。一部の実施形態では、−N(R’)−及び/または−N(R’)−C(O)−部分を含むステープルを含む、提供されるステープル化ペプチドは、DPBS(1リットル当たり、塩化ナトリウム8g、第一リン酸カリウム0.2g、第二リン酸ナトリウム1.15g、及び塩化カリウム0.2g)中で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250uMの溶解度を有する。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも1uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも2uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも3uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも4uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも5uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも6uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも7uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも8uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも9uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも10uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも20uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも30uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも40uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも50uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも60uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも70uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも80uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも90uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも100uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも120uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも150uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも180uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも200uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも220uMである。一部の実施形態では、溶解度は、DPBS中で少なくとも250uMである。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、より少数の酸性または塩基性アミノ酸残基を用いて改善された特性及び/または活性を達成することができ、これはとりわけ溶解度を改善するためにしばしば使用される(例えば、FP0597c対StAx−35R、C末端Rの除去)。溶解度を評定するために、実施例に記載される方法を含めた種々の方法を本開示に従って利用することができる。
【0289】
とりわけ、本開示は、ステープル化ペプチドの溶解度を改善するための方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、溶解度を調節するために利用され得るステープルの認識及び位置付けを包含する。一部の実施形態では、本開示は、ステープルの位置付けを調整することによってステープル化ペプチドの溶解度を増加させるか、または減少させるための方法を提供する。本明細書で実証されるように、構造的に類似しているか、さもなければ同一のステープル化ペプチドが、大幅に増加した溶解度を有し得る(例えば、FP0597c(98uM)対7 FP0217c(7uM)を参照されたい)。
【0290】
一部の実施形態では、提供される構造的特長、例えば、非炭化水素ステープル(例えば、1つまたは複数の−N(R’)−C(O)−または−N(R’)−を含む1つまたは複数のステープルを含むもの)、ステープルの位置付け、接続の立体化学構造等を有する、提供されるステープル化ペプチドは、一部の実施形態では同じ配列を有する非ステープル化ペプチドである、または一部の実施形態では、その他の点では同一であるが、異なる種類のステープル、例えば、炭化水素ステープルを有するステープル化ペプチドである、適切な参照ペプチドと比較して、改善された特性及び/または活性、例えば、増加した細胞透過性、増加した細胞活性等を提供する。例えば、Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947に報告されるように、炭化水素ステープル化ペプチド、StAx−33(Ac−PEG1−PQSILDSHVRRVWR)は、細胞透過性でなく、細胞ベースの活性を呈しなかった。細胞ベースの活性を有する細胞透過性ステープル化ペプチドを得るために、3つのアミノ酸をペプチドのN末端に付加し、他に1つのQ→R変異を作製した。しかしながら、これらの修飾は、ペプチドの他の特性に悪影響を及ぼし得る。例えば、結果として生じたペプチド、StAx−35R(Ac−PEG1−RRWPRSILDSHVRRVWR)は、StAx−33と比較して低減された親和性を有した。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、他の実体(enties)、例えば、StAx−33及びStAx−35RにあるようなPEGとのコンジュゲーションを用いることなく、改善された特性及び/または活性を達成し得る(例えば、FP0597c対StAx−35R)。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、より短いアミノ酸配列を用いて改善された特性及び/または活性を達成し得る(例えば、FP0597cまたはFP0025c対StAx−35R)。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、より少数の酸性または塩基性アミノ酸残基を用いて、改善された特性及び/または活性を達成することができ、これはとりわけ溶解度を改善するためにしばしば使用される(例えば、FP0597cまたはFP0025c対StAx−35R)。競合蛍光偏光アッセイにおいて、FP0025cは、EC50<100nMで、ベータ−カテニンのアキシン部位から標識プローブを置き換え、ベータ−カテニンのルシフェラーゼレポーターアッセイにおいて10μMで50%よりも良好なシグナル阻害を示した。
【0291】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、種々の側面で選択性を提供する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、BCL9と相互作用するベータ−カテニンの部位よりも、アキシンと相互作用するベータ−カテニンの部位と選択的に相互作用する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンとの相互作用に関して、FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープルを有する)と競合するが、Ac−LSQEQLEHRERSLQTLRDIQRML−(2−Nal)−βA−K(FAM)−NHとは競合しないか、または顕著に低い程度に競合する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンとの相互作用に関して、FITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープルを有する)と競合するが、Ac−LSQEQLEHRERSLQTLRDIQRML−(2−Nal)−βA−K(FAM)−NHとは競合しないか、または顕著により低い程度に競合する。一部の実施形態では、アキシンと相互作用する部位でベータ−カテニンと相互作用する参照ステープル化ペプチドは、FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)である。一部の実施形態では、アキシンと相互作用する部位でベータ−カテニンと相互作用する参照ステープル化ペプチドは、FITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)である。一部の実施形態では、BCL9と相互作用する部位でベータ−カテニンと相互作用する参照ステープル化ペプチドは、Ac−LSQEQLEHRERSLQTLRDIQRML−(2−Nal)−βA−K(FAM)−NHである。一部の実施形態では、顕著により低い程度とは、例えば、本開示に記載される競合アッセイによって測定するとき、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、30、40、50、100、200、300、400、または500倍高いEC50である。一部の実施形態では、倍率は、5倍である。一部の実施形態では、倍率は、10倍である。一部の実施形態では、倍率は、20倍である。一部の実施形態では、倍率は、50倍である。一部の実施形態では、倍率は、100倍である。一部の実施形態では、倍率は、500倍である。
【0292】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、参照となるWnt経路のモジュレータ(例えば、IWR−1、ICG−001等)と比較して、ベータ−カテニン標的遺伝子の発現のより特異的な調節を提供する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、異常なWnt/ベータ−カテニンのシグナル伝達経路を含む種類の細胞において、1つまたは複数のベータ−カテニン標的遺伝子の発現レベルを減少させる一方で、参照となるWnt経路のモジュレータは、それを減少させないか、またはより低い程度に減少させる。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、野生型Wnt/ベータ−カテニンのシグナル伝達(signailing)経路を含む種類の細胞において、参照薬剤と比較して、1つまたは複数のベータ−カテニン標的遺伝子の発現レベルを減少させないか、またははるかにより低い程度に減少させる。
【0293】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、適切な参照ペプチドと比較して、低い毒性(例えば、非特異的毒性)を有する。一部の実施形態では、参照ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と相互作用し、炭化水素ステープルを含む、ステープル化ペプチドである(例えば、WO2017062518)。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、LDH放出アッセイによって測定するとき、理解する(appreciate)陽性参照と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10uM以上の濃度で10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%未満の非特異的な細胞毒性を有する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−部分を含むステープルを含み、同等の条件下でアッセイするときに、炭化水素ステープルを含むが、その他の点では同一の構造のものであるペプチドと比較して、より低い非特異的な細胞毒性を有する。
【0294】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンの1つまたは複数の機能を調節する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、アキシン結合に関連するベータ−カテニンの1つまたは複数の機能を調節する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数の部位における相互作用に関連する、ベータ−カテニンの1つまたは複数の機能を調節する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニン標的遺伝子の発現を調節する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、がん細胞増殖を阻害する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、適切な参照薬剤と比較して増加した活性を提供する。一部の実施形態では、参照薬剤は、ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、参照薬剤は、アキシンと相互作用するベータ−カテニンの部位と相互作用する、ステープル化ペプチドである。
【0295】
4.ステープル化ペプチドの生産
提供されるステープル化ペプチドを調製するために、本方法に記載される技術を含めた種々の技術が当該技術分野で既知であり、本開示に従って利用することができる。多くの実施形態では、ペプチドは、典型的にはFmoc化学作用を用いて、合成装置において固相上で調製される。一部の実施形態では、ステープルは、オレフィンメタセシスによって形成される。一部の実施形態では、メタセシスの生成物の二重結合は、還元される/水素化される。一部の実施形態では、COは、ステープルのカルバメート部分から押し出される。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、さらに修飾され、及び/または他の実体にコンジュゲートされる。これらの反応の条件及び/または試薬は、当該技術分野で周知であり、ステープル化ペプチドを提供するために本開示に従って実施され得る。
【0296】
提供されるステープル化ペプチドの特性及び/または活性は、例えば、実施例に記載される1つまたは複数の方法の使用を通して、本開示に従って容易に評定され得る。
【0297】
一部の実施形態では、本開示は、ステープルの構造的要素、例えば、サイズ、化学構造、立体化学構造等が、オレフィンメタセシスを通したステープル化の収率及び/または純度に顕著に影響を及ぼし得るという認識を包含する。本開示に提供される代表的なデータによって例示されるように、ある特定の構造的要素、例えば、サイズ、化学構造、立体化学構造等、及び/またはそれらの組み合わせを有するステープルは、より高い収率、純度、及び選択性等を含めて、提供されるステープル化ペプチドの生産を容易にし得る。一部の実施形態では、本開示は、有益な構造的要素、例えば、サイズ、化学構造、立体化学構造等、及び/またはそれらの組み合わせ(例えば、実施例に例として示されるもの)を提供する。
【0298】
一部の実施形態では、本開示は、オレフィンメタセシスに関して、Grubbs I以外の触媒がより良好な結果、例えば、収率、純度、選択性等を提供し得るという認識を提供する。一部の実施形態では、本開示は、オレフィンメタセシスに関して、Hoveyda−Grubbs II触媒がより良好な結果、例えば、収率、純度、選択性等を提供し得ることを実証する。一部の実施形態では、本開示は、オレフィンメタセシス反応においてHoveyda−Grubbs IIを供給することを含む、提供されるステープル化ペプチドの調製方法を提供する。
【0299】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドを調製する及び/または評定するための技術には、US9617309、US2015−0225471、US2016−0024153、US2016−0215036、US2016−0244494、WO2017/062518等に記載されるものが含まれる。
【0300】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、提供されるペプチドは、60%〜100%の純度を有する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の純度を有する。一部の実施形態では、純度は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも85%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも91%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも92%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも93%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも94%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも96%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも97%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも98%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも99%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも99.5%である。
【0301】
一部の実施形態では、提供される方法は、高収率を提供する。一部の実施形態では、収率は、50%〜100%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも65%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも75%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも85%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも91%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも92%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも93%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも94%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも96%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも97%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも98%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも99%である。
【0302】
一部の実施形態では、提供される方法は、オレフィンに関して高いE/Z選択性を送達する。一部の実施形態では、提供される選択性は、E異性体に有利である。一部の実施形態では、提供される選択性は、Z異性体に有利である。一部の実施形態では、E:Z比は、少なくとも1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1である。一部の実施形態では、Z:E比は、少なくとも1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、30:1、40:1、50:1、80:1、90:1、95:1、99:1、または100:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも1:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも1.5:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも2:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも3:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも4:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも5:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも6:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも7:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも8:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも9:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも10:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも20:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも30:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも40:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも50:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも80:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも90:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも95:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも99:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも100:1である。
【0303】
一部の実施形態では、提供の方法は、室温よりも高い温度での一定期間を含む。一部の実施形態では、温度は、約25〜200℃である。一部の実施形態では、温度は、約25℃である。一部の実施形態では、温度は、約30℃である。一部の実施形態では、温度は、約35℃である。一部の実施形態では、温度は、約40℃である。一部の実施形態では、温度は、約45℃である。一部の実施形態では、温度は、約50℃である。一部の実施形態では、温度は、約55℃である。一部の実施形態では、温度は、約60℃である。一部の実施形態では、温度は、約65℃である。一部の実施形態では、温度は、約70℃である。一部の実施形態では、温度は、約75℃である。一部の実施形態では、温度は、約80℃である。一部の実施形態では、温度は、約85℃である。一部の実施形態では、温度は、約90℃である。一部の実施形態では、温度は、約95℃である。一部の実施形態では、温度は、約100℃である。一部の実施形態では、温度は、約150℃である。一部の実施形態では、温度は、約150℃よりも高い。
【0304】
5.使用
とりわけ、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、Wnt/ベータ−カテニンのシグナル伝達に関与する1つまたは複数の構成成分に関連する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、1つまたは複数のベータ−カテニンの機能に関連する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンと、Wnt/ベータ−カテニンのシグナル伝達における1つまたは複数のタンパク質と相互作用する、1つまたは複数のベータ−カテニンの部位との間の相互作用に関連する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンとアキシンとの間の結合と競合し、及び/または他の様態でベータ−カテニンとアキシンとの間の結合に干渉するかもしくはそれを低減する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンと、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位との間の相互作用に関連する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンとの相互作用に関してアキシンと競合する1つまたは複数のタンパク質との相互作用に関連する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、TCF等の別のタンパク質とのベータ−カテニンの相互作用に拮抗し、この別のタンパク質の1つまたは複数の結合部位は、アキシンまたは提供されるステープル化ペプチドと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と重複するか、またはそれに近接する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンとアキシンとの間の相互作用に関連する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位でベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のアキシンの活性を阻害する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のWnt/ベータ−カテニン経路の活性を阻害する。
【0305】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のベータ−カテニンに関連する病態、障害、及び/または疾患を予防する及び/または治療するのに有用である。一部の実施形態では、本開示は、罹患しやすいか、または患う対象に、提供されるステープル化ペプチドまたはその薬学的組成物を投与することを含む、ベータ−カテニンに関連する病態、障害、または疾患の予防方法または治療方法を提供する。
【0306】
一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、がん、心疾患、拡張型心筋症、胎児アルコール症候群、うつ病、及び糖尿病から選択される。
【0307】
一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、心臓の病態、障害、または疾患である。
【0308】
一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、がんである。一部の実施形態がんは、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、前立腺癌、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)、ウィルムス腫瘍、黒色腫、肝細胞癌、卵巣癌、子宮内膜癌、髄芽細胞腫、毛母腫、原発性肝細胞(hetpatocellular)癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、膠芽腫、石灰化上皮腫(pliomatrixoma)、髄芽細胞腫、甲状腺腫瘍、卵巣新生物から選択される。一部の実施形態では、がんは、結腸直腸癌である。一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌である。一部の実施形態では、がんは、前立腺癌である。一部の実施形態では、がんは、黒色腫である。
【0309】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、追加の薬剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、追加の薬剤に先行して、それと同時に、またはそれに後続して投与される。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、追加の薬剤と同時に投与される。一部の実施形態では、追加の薬剤は、治療剤である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、任意選択で、同じ薬学的組成物中で、提供されるステープル化ペプチドと共に製剤化されてもよい。
【0310】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、チェックポイント阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、キナーゼ阻害剤、または抗がん薬である。
【0311】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、チェックポイント阻害剤である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、がん免疫療法剤である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、チェックポイント分子(molucules)に対する抗体である。一部の実施形態では、追加の薬剤は、PD1、PDL−1、CTLA4、A2AR、B7−H3、B7−H4、BTLA、IDO、KIR、LAG3、TIM−s、C10orf54等に対する抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗PD1抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗PD−L1抗体である。一部の実施形態では、抗体は、抗CTLA4である。
【0312】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、EGFR阻害剤、例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、パニツムマブ、バンデタニブ、セツキシマブ等である。
【0313】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、VEGF及び/またはVEGFR阻害剤、例えば、パゾパニブ、ベバシズマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、バンデタニブ、カボザンチニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ziv−アフリベルセプト等である。
【0314】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、キナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、化学療法剤である。一部の実施形態では、追加の治療剤は、抗がん薬、例えば、シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル(5−FU)、ドキソルビシン、ムスチン、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン、ダカルバジン、ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン、エピルビシン、カペシタビン、フォリン酸、アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、クロラムブシル、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、ミトキサントロン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、オキサリプラチン等である。
【0315】
一部の実施形態では、追加の薬剤は、ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、ベータ−カテニンとアキシンとの間の結合とは競合しない、ベータ−カテニンと相互作用するステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、追加の薬剤は、BCL9と相互作用する1つまたは複数の部位でベータ−カテニンと相互作用するステープル化ペプチドである。
【0316】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、追加の療法と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、追加の療法は、放射線療法である。一部の実施形態では、追加の療法は、外科手術である。
【0317】
6.例となる実施形態
とりわけ、本開示は、以下の例となる実施形態を提供する。
1.下記を含むペプチドであって、
[Xp1[Xp2−X10−[X11p11[X12p12[X13p13
ここで、
p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、0または1であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、及びX13のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結してステープルを形成する側鎖を含む、前記ペプチド。
【0318】
2.X〜X13のうちの少なくとも2つが、各々独立して、オレフィンを含む側鎖を含み、前記2つのオレフィンがオレフィンメタセシスによって一緒に接続して、ステープルを形成し得る、実施形態1に記載のペプチド。
【0319】
3.前記X〜X13のうちの少なくとも2つの側鎖が接続して、ステープルを形成する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0320】
4.X〜X13の各々が独立して、式A−Iの構造を有するアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0321】
5.X〜X13の各々が独立して、式A−Iの構造を有するアミノ酸の残基であり、アルファアミノ酸である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0322】
6.p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、0である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0323】
7.p1、p2、p11、p12、及びp13の各々が独立して、1である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のペプチド。
【0324】
8.p1の各々が0である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のペプチド。
【0325】
9.Xが、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0326】
10.Xが、R、R、R、R、R、S、S、S、S、及びSから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0327】
11.Xが、Rのアミノ酸残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0328】
12.Xが、Mのアミノ酸残基である、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のペプチド。
【0329】
13.Xが、Rのアミノ酸残基である、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のペプチド。
【0330】
14.X10が、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0331】
15.X10が、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0332】
16.X10が、Rの残基またはそのホモログである、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のペプチド。
【0333】
17.X10が、Rの残基である、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のペプチド。
【0334】
18.前記ペプチドが、R、R、R、R、R、S、S、S、S、またはSの少なくとも1つの残基を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0335】
19.前記ペプチドが、M、M、M、M、M、M、M、M、またはMの少なくとも1つの残基を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0336】
20.Xの側鎖及びX10の側鎖が一緒になって、ステープルを形成する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0337】
21.Xが、P、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y、及びα−メチルプロリンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0338】
22.Xが、P、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0339】
23.Xが、P、K、N、Q、R、Y、及びα−メチルプロリンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態21に記載のペプチド。
【0340】
24.Xが、アミノ酸Pの残基である、実施形態21に記載のペプチド。
【0341】
25.Xが、A、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0342】
26.Xが、A、D、E、K、N、Q、及びRから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態25に記載のペプチド。
【0343】
27.Xが、Aの残基である、実施形態25に記載のペプチド。
【0344】
28.Xが、I、F、H、L、V、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0345】
29.Xが、I、F、H、L、及びVから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0346】
30.Xが、I、L、V、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態28に記載のペプチド。
【0347】
31.Xが、Iの残基である、実施形態28に記載のペプチド。
【0348】
32.Xが、L、F、H、I、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0349】
33.Xが、L、F、H、I、及びVから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0350】
34.Xが、L、I、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態32に記載のペプチド。
【0351】
35.Xが、Lの残基である、実施形態32に記載のペプチド。
【0352】
36.Xが、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、メチオニンスルホン、2−アミノアジピン酸、アスパラギン酸ベータ−メチルエステル、アスパラギン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、アスパラギン酸ベータ−ベンジルエステル、グルタミン酸ベータ−メチルエステル、グルタミン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、及びグルタミン酸ベータ−ベンジルエステルから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0353】
37.Xが、D、A、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0354】
38.Xが、D、E、H、N、Q、S、T、Y、メチオニンスルホン、2−アミノアジピン酸、アスパラギン酸ベータ−メチルエステル、アスパラギン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、アスパラギン酸ベータ−ベンジルエステル、グルタミン酸ベータ−メチルエステル、グルタミン酸ベータ−シクロヘキシルエステル、及びグルタミン酸ベータ−ベンジルエステルから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態36に記載のペプチド。
【0355】
39.Xが、D、N、及びTから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態36に記載のペプチド。
【0356】
40.Xが、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、M、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0357】
41.Xが、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0358】
42.Xが、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態40に記載のペプチド。
【0359】
43.Xが、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態40に記載のペプチド。
【0360】
44.Xが、A、D、E、I、K、L、N、Q、R、S、T、V、W、Y、及びアルファ−メチルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態40に記載のペプチド。
【0361】
45.Xが、Aまたはアルファ−メチルアラニン残基である、実施形態40に記載のペプチド。
【0362】
46.Xが、H、F、I、L、N、Q、V、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、3−(2−ピリジル)アラニン、3−(3−ピリジル)アラニン、3−(4−ピリジル)アラニン、ベータ−2−フリルアラニン、ベータ−2−チエニルアラニン、3−(2−テトラゾリル)アラニン)、及びベータ−4−チアゾリルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0363】
47.Xが、H、F、I、L、N、Q、及びVから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0364】
48.Xが、H、N、Q、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、3−(2−ピリジル)アラニン、3−(3−ピリジル)アラニン、3−(4−ピリジル)アラニン、ベータ−2−フリルアラニン、ベータ−2−チエニルアラニン、3−(2−テトラゾリル)アラニン)、及びベータ−4−チアゾリルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態46に記載のペプチド。
【0365】
49.Xが、H残基である、実施形態46に記載のペプチド。
【0366】
50.Xが、I、V、F、H、L、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0367】
51.Xが、I、V、F、H、及びLから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0368】
52.Xが、I、V、L、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態50に記載のペプチド。
【0369】
53.Xが、I及びVから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態50に記載のペプチド。
【0370】
54.X11が、R、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、Y、3−(1−ナフチルアラニン)、2−アミノアジピン酸、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、N−イプシロン−メチルリジン、N−イプシロン−ジメチルリジン、及びN−イプシロン−トリメチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0371】
55.X11が、R、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0372】
56.X11が、R、A、E、F、K、Q、S、V、Y、3−(1−ナフチルアラニン)、2−アミノアジピン酸、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、N−イプシロン−メチルリジン、N−イプシロン−ジメチルリジン、及びN−イプシロン−トリメチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態54に記載のペプチド。
【0373】
57.X11が、R、A、F、K、S、V、3−(1−ナフチルアラニン)、非対称性ジメチルアルギニン、対称性ジメチルアルギニン、ホモアルギニン、及びN−イプシロン−メチルリジンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態54に記載のペプチド。
【0374】
58.X12が、V、F、H、I、L、アルファ−メチルバリン、アルファメチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、及びアルファ−ネオペンチルグリシンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0375】
59.X12が、V、F、H、I、及びLから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0376】
60.X12が、I、A、L、V、アルファ−メチルロイシン、ホモロイシン、tert−ロイシン、3−シクロプロピルアラニン、3−シクロブチルアラニン、3−シクロペンチルアラニン、3−シクロヘキシルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、O−プロパルギルセリン、L−オクチルグリシン、及びL−アロイソロイシンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態58に記載のペプチド。
【0377】
61.X12が、V、アルファ−メチルバリン、及びアルファメチルロイシンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態58に記載のペプチド。
【0378】
62.X13が、W、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、d−トリプトファン、アルファ−メチルトリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、4−クロロトリプトファン、5−クロロトリプトファン、6−クロロトリプトファン、7−クロロトリプトファン、4−ブロモトリプトファン、5−ブロモトリプトファン、6−ブロモトリプトファン、7−ブロモトリプトファン、4−フルオロトリプトファン、5−フルオロトリプトファン、6−フルオロトリプトファン、7−フルオロトリプトファン、1−メチルトリプトファン、2−メチルトリプトファン、4−メチルトリプトファン、5−メチルトリプトファン、6−メチルトリプトファン、7−メチルトリプトファン、2−ヒドロキシトリプトファン、4−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、6−ヒドロキシトリプトファン、7−ヒドロキシトリプトファン、5−メトキシトリプトファン、7−アザトリプトファン、3−ベンゾチエニルアラニン、及び4−フェニル−L−フェニルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0379】
63.X13が、W、A、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、及びYから選択されるアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0380】
64.X13が、W、D、E、F、Y、d−トリプトファン、アルファ−メチルトリプトファン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、5−クロロトリプトファン、6−クロロトリプトファン、7−クロロトリプトファン、5−ブロモトリプトファン、6−ブロモトリプトファン、7−ブロモトリプトファン、5−フルオロトリプトファン、6−フルオロトリプトファン、7−フルオロトリプトファン、1−メチルトリプトファン、2−メチルトリプトファン、5−メチルトリプトファン、6−メチルトリプトファン、7−メチルトリプトファン、2−ヒドロキシトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、6−ヒドロキシトリプトファン、7−ヒドロキシトリプトファン、5−メトキシトリプトファン、7−アザトリプトファン、及び3−ベンゾチエニルアラニンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態62に記載のペプチド。
【0381】
65.X13が、W、D−トリプトファン、及びアルファ−メチルトリプトファンから選択されるアミノ酸の残基である、実施形態62に記載のペプチド。
【0382】
66.前記ペプチドが(i、i+4)ステープルを含み、ここで、前記ステープルに直接接続した前記2つのアミノ酸残基を含めずに、前記ステープルに直接接続した前記2つのアミノ酸残基の間に3つのアミノ酸残基が存在する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0383】
67.前記ペプチドが(i、i+7)ステープルを含み、ここで、前記ステープルに直接接続した前記2つのアミノ酸残基を含めずに、前記ステープルに直接接続した前記2つのアミノ酸残基の間に6つのアミノ酸残基が存在する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0384】
68.前記ステープルが、2つの末端オレフィンのオレフィンメタセシスによって形成され、前記2つの末端オレフィンの各々が独立して、アミノ酸残基の側鎖のものである、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0385】
69.前記ステープルが、2つの末端オレフィンのオレフィンメタセシスによって形成され、前記2つの末端オレフィンの各々が独立して、R、R、R、R、R、S、S、S、S、S、M、M、M、M、M、M、M、M、及びMから選択されるアミノ酸残基の側鎖のものである、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0386】
70.前記ペプチドが、1つであり1つを超えないステープルを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0387】
71.前記ペプチドが、2つ以上のステープルを含む、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0388】
72.少なくとも2つのステープルが、同じペプチド骨格原子に結合している、実施形態71に記載のペプチド。
【0389】
73.前記ステープルのうちのいずれも、同じペプチド骨格原子には結合していない、実施形態71に記載のペプチド。
【0390】
74.ステープルが、アミノ酸残基1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17のペプチド骨格原子に結合している、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0391】
75.ステープルが、Lであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC1−50脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0392】
76.下記の構造を有するペプチド、
【化13】
またはその塩であって、ここで、
、R、R、R、及びRの各々が独立して、R’であり、
が、R’、−OR’、または−N(R’)であり、
Xの各々が独立して、アミノ酸残基であり、
a、b、c、s、及びdの各々が独立して、1〜20であり、
及びCの各々が独立して、炭素原子であり、
各Lが独立して、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、ここで、Ls1が、Cに結合しており、Ls3が、Cに結合しており、
s1、Ls2、及びLs3の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、前記ペプチドまたはその塩。
【0393】
77.a、b、c、及びdの全ての合計が、5〜70である、実施形態76に記載のペプチド。
【0394】
78.a、b、c、及びdの全ての合計が、10〜20である、実施形態77に記載のペプチド。
【0395】
79.aが1〜20である、実施形態76〜78のいずれか1つに記載のペプチド。
【0396】
80.bが2〜6である、実施形態76〜79のいずれか1つに記載のペプチド。
【0397】
81.cが1〜20である、実施形態76〜80のいずれか1つに記載のペプチド。
【0398】
82.dが1〜20である、実施形態76〜81のいずれか1つに記載のペプチド。
【0399】
83.前記ペプチドが、実施形態1〜74のいずれか1つに記載のペプチドである、実施形態76〜82のいずれか1つに記載のペプチド。
【0400】
84.Lの構造を有するステープルを含むステープル化ペプチドであって、ここで、
が、−Ls1−Ls2−Ls3−であり、
s1、Ls2、及びLs3の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC〜C20脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C3−20環状脂肪族環、C6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−COR、または−SORであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC1−30ヘテロ脂肪族、C6−30アリール、C6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、前記原子と一緒になって、前記原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、もしくは多環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、前記介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環、二環、または多環を形成する、前記ステープル化ペプチド。
【0401】
85.Lの一端が、前記ペプチド骨格の原子An1に接続しており、ここで、An1が、Rに結合しており、
の一端が、前記ペプチド骨格の原子An2に接続しており、ここで、An2が、Rに結合しており、
及びRの各々が独立して、R’であり、
n1を含むアミノ酸残基とAn2を含むアミノ酸残基との間に、An1を含む前記アミノ酸残基及びAn2を含む前記アミノ酸残基を含めずに、m個のアミノ酸残基が存在し、
mが、1〜12の整数である、実施形態84に記載のペプチド。
【0402】
86.An1及びAn2の各々が独立して、炭素原子である、実施形態85に記載のペプチド。
【0403】
87.An1及びAn2の各々が独立して、アルファ炭素原子である、実施形態85に記載のペプチド。
【0404】
88.mが1である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0405】
89.mが2である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0406】
90.mが3である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0407】
91.mが4である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0408】
92.mが5である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0409】
93.mが6である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0410】
94.mが7である、実施形態85〜87のいずれか1つに記載のペプチド。
【0411】
95.CまたはAn1がR配置を有する、実施形態76〜94のいずれか1つに記載のペプチド。
【0412】
96.CまたはAn1がS配置を有する、実施形態76〜94のいずれか1つに記載のペプチド。
【0413】
97.CまたはAn1がアキラルである、実施形態76〜94のいずれか1つに記載のペプチド。
【0414】
98.CまたはAn2がR配置を有する、実施形態76〜97のいずれか1つに記載のペプチド。
【0415】
99.CまたはAn2がS配置を有する、実施形態76〜97のいずれか1つに記載のペプチド。
【0416】
100.CまたはAn2がアキラルである、実施形態76〜97のいずれか1つに記載のペプチド。
【0417】
101.CまたはAn2がアキラルである、実施形態76〜97のいずれか1つに記載のペプチド。
【0418】
102.ステープルが、Lであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC8−14脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0419】
103.ステープルが、Lであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC9−13脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0420】
104.ステープルが、Lであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC10−15脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0421】
105.ステープルが、Lであり、ここで、Lが、任意選択で置換される二価のC11−14脂肪族基であり、前記脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0422】
106.前記ステープルが、(i、i+4)ステープルである、実施形態102〜105のいずれか1つに記載のペプチド。
【0423】
107.前記ステープルが、(i、i+7)ステープルである、実施形態102〜105のいずれか1つに記載のペプチド。
【0424】
108.L、Ls1、Ls2、及びLs3の各々に関して、存在する場合、メチレン単位の任意の置き換え例が、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−で置き換えられる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0425】
109.ステープルが炭化水素ステープルである、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0426】
110.前記炭化水素ステープルが、Lであり、ここで、Lが、C5−20二価脂肪族である、実施形態109に記載のペプチド。
【0427】
111.ステープルが、−N(R’)−部分を含む、実施形態1〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0428】
112.ステープルが、−N(R’)−部分を含み、前記−N(R’)−部分が、ヘテロ原子と二重結合をもまた形成する炭素原子には結合していない、実施形態1〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0429】
113.ステープルが、−N(R’)−部分を含み、前記−N(R’)−部分が、−C(O)−には結合していない、実施形態1〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0430】
114.ステープルが、−N(R’)−C(O)−部分を含む、実施形態1〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0431】
115.少なくとも1つのメチレン単位が、−(NR’)−で置き換えられる、実施形態75〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0432】
116.少なくとも1つのメチレン単位が、−(NR’)−で置き換えられ、前記−N(R’)−部分が、−C(O)−には結合していない、実施形態75〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0433】
117.少なくとも1つのメチレン単位が、−(NR’)−C(O)−で置き換えられる、実施形態75〜108のいずれか1つに記載のペプチド。
【0434】
118.前記−N(R’)−のR’がRである、実施形態111〜117のいずれか1つに記載のペプチド。
【0435】
119.前記−N(R’)−のR’が、任意選択で置換されるC1−6アルキルである、実施形態111〜117のいずれか1つに記載のペプチド。
【0436】
120.前記−N(R’)−のR’が、メチルである、実施形態111〜117のいずれか1つに記載のペプチド。
【0437】
121.Ls1が、−N(R’)−で置き換えられた少なくとも1つのメチレン単位を含む、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0438】
122.Ls1が、−N(R’)−で置き換えられた少なくとも1つのメチレン単位を含み、隣接するメチレン単位のうちのいずれも、−C(O)−で置き換えられない、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0439】
123.Ls1が、少なくとも1つの−N(R’)C(O)O−を含む、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0440】
124.Ls1が、−L’−N(R’)−である、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0441】
125.Ls1が、−L’−N(R’)C(O)O−である、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0442】
126.L’が、C1−6アルキレンである、実施形態124〜125のいずれか1つに記載のペプチド。
【0443】
127.L’が、ペプチド骨格原子に結合している、実施形態124〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0444】
128.Ls1が、任意選択で置換されるC1−10二価脂肪族である、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0445】
129.Ls1が、任意選択で置換されるC1−10二価アルキレンである、実施形態75〜120のいずれか1つに記載のペプチド。
【0446】
130.Ls2が、任意選択で置換される二価のC〜C脂肪族である、実施形態75〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0447】
131.Ls2が、−CH−CH=CH−CH−である、実施形態75〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0448】
132.Ls2が、−(E)−CH−CH=CH−CH−である、実施形態75〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0449】
133.Ls2が、−(Z)−CH−CH=CH−CH−である、実施形態75〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0450】
134.Ls2が、−(CH−である、実施形態75〜126のいずれか1つに記載のペプチド。
【0451】
135.Ls3が、−N(R’)−で置き換えられた少なくとも1つのメチレン単位を含む、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0452】
136.Ls3が、−N(R’)−で置き換えられた少なくとも1つのメチレン単位を含み、隣接するメチレン単位のうちのいずれも、−C(O)−で置き換えられない、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0453】
137.Ls3が、少なくとも1つの−N(R’)C(O)O−を含む、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0454】
138.Ls3が、−L’−N(R’)−である、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0455】
139.Ls3が、−L’−N(R’)C(O)O−である、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0456】
140.L’が、C1−6アルキレンである、実施形態138〜139のいずれか1つに記載のペプチド。
【0457】
141.L’が、ペプチド骨格原子に結合している、実施形態138〜140のいずれか1つに記載のペプチド。
【0458】
142.Ls3が、任意選択で置換されるC1−10二価脂肪族である、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0459】
143.Ls3が、任意選択で置換されるC1−10二価アルキレンである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0460】
144.Ls3が、任意選択で置換されるC1−10二価アルキレンである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0461】
145.Lが、表S−1のステープルである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0462】
146.Lが、表S−2のステープルである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0463】
147.Lが、表S−3のステープルである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0464】
148.Lが、表S−4のステープルである、実施形態75〜134のいずれか1つに記載のペプチド。
【0465】
149.ステープルが、5〜20個のステープル鎖原子を有し、前記ステープルの前記鎖が、ステープルの第1の端から前記ステープルの第2の端まで前記ステープルにおいて最も短い共有結合性の接続であり、前記第1の端及び前記第2の端が、異なるペプチド骨格原子に接続している、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0466】
150.ステープルが、8個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0467】
151.ステープルが、9個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0468】
152.ステープルが、10個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0469】
153.ステープルが、11個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0470】
154.ステープルが、12個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0471】
155.ステープルが、13個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0472】
156.ステープルが、14個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0473】
157.ステープルが、15個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0474】
158.ステープルが、16個のステープル鎖原子を有する、実施形態149に記載のペプチド。
【0475】
159.前記ペプチドが、実施形態75〜158のいずれか1つに記載のペプチドである、実施形態1〜74のいずれか1つに記載のペプチド。
【0476】
160.前記ペプチドが、表1のペプチドに少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同性である配列を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0477】
161.前記ペプチドが、表1のペプチドである、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0478】
162.前記ペプチドが、ヘリックス構造を形成し得る、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0479】
163.前記ペプチドが、DPBS(1リットル当たり、塩化ナトリウム8g、第一リン酸カリウム0.2g、第二リン酸ナトリウム1.15g、及び塩化カリウム0.2g)中で少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250uMの溶解度を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0480】
164.前記溶解度が、少なくとも1uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0481】
165.前記溶解度が、少なくとも5uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0482】
166.前記溶解度が、少なくとも10uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0483】
167.前記溶解度が、少なくとも50uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0484】
168.前記溶解度が、少なくとも100uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0485】
169.前記溶解度が、少なくとも200uMである、実施形態163に記載のペプチド。
【0486】
170.前記ペプチドが、ベータ−カテニンに結合する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0487】
171.前記ペプチドが、ベータ−カテニンに対して1、2、3、4、5、または10uM以下のKdを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0488】
172.前記ペプチドが、ベータ−カテニンに対して1uM以下のKdを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0489】
173.前記Kdが、蛍光偏光法、表面プラズモン共鳴法、またはTR−FRET法によって測定される、実施形態171〜172のいずれか1つに記載のペプチド。
【0490】
174.前記ペプチドが、LDH放出アッセイによって測定するとき、理解する(appreciate)陽性参照と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10uM以上の濃度で10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%未満の非特異的な細胞毒性を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0491】
175.前記ペプチドが、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−部分を含むステープルを含み、同等の条件下でアッセイするときに、炭化水素ステープルを含むが、その他の点では同一の構造のものであるペプチドと比較して、より低い非特異的な細胞毒性を有する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0492】
176.前記ペプチドが、BCL9と相互作用する部位よりもアキシンと相互作用する部位で選択的にベータ−カテニンに結合する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0493】
177.前記ペプチドが、適切な競合蛍光偏光アッセイにおいて測定するとき、BCL9と相互作用する部位よりもアキシンと相互作用する部位で選択的にベータ−カテニンに結合する、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0494】
178.前記ペプチドが、第2の実体とコンジュゲートされる、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0495】
179.前記第2の実体が、標識である、実施形態178に記載のペプチド。
【0496】
180.前記第2の実体が、ビオチン及び蛍光標識から選択される標識である、実施形態178に記載のペプチド。
【0497】
181.前記第2の実体が、標的化部分である、実施形態178に記載のペプチド。
【0498】
182.前記第2の実体が、炭水化物部分である、実施形態178または181に記載のペプチド。
【0499】
183.前記第2の実体が、GalNac部分であるか、またはそれを含む、実施形態182に記載のペプチド。
【0500】
184.前記第2の実体が、脂質部分である、実施形態178に記載のペプチド。
【0501】
185.各アミノ酸残基が独立して、式A−I、A−II、またはA−IIIのアミノ酸の残基である、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチド。
【0502】
186.先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドと、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。
【0503】
187.ベータ−カテニンの機能の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系を、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【0504】
188.Wntシグナル伝達経路の機能の調節方法であって、前記経路を含む系を、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【0505】
189.ベータ−カテニンとアキシンとの相互作用の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系を、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドと接触させることを含む、前記方法。
【0506】
190.系における核酸配列の発現の調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系に、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドを接触させることを含み、
前記核酸配列の発現が、ベータ−カテニンに関連する、前記方法。
【0507】
191.系における核酸配列によってコードされる産物のレベルの調節方法であって、ベータ−カテニンを含む系に、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドを接触させることを含み、
核酸配列によってコードされる産物のレベルが、ベータ−カテニンに関連する、前記方法。
【0508】
192.前記産物がタンパク質である、実施形態191に記載のペプチド。
【0509】
193.前記産物がmRNAである、実施形態191に記載のペプチド。
【0510】
194.ベータ−カテニンに関連する病態、障害、または疾患の予防方法または治療方法であって、それに罹患しやすいか、またはそれを患う対象に、先行実施形態のいずれか1つに記載のペプチドまたは組成物を投与することを含む、前記方法。
【0511】
195.前記病態、障害、または疾患が、がんである、実施形態194に記載の方法。
【0512】
196.前記がんが、結腸直腸癌である、実施形態195に記載の方法。
【0513】
197.前記がんが、肝細胞癌である、実施形態195に記載の方法。
【0514】
198.前記がんが、前立腺癌である、実施形態195に記載の方法。
【0515】
199.前記がんが、黒色腫である、実施形態195に記載の方法。
【0516】
200.前記ペプチドまたは組成物が、追加の薬剤に先行して、それと同時に、またはそれに後続して投与される、実施形態194〜199のいずれか1つに記載の方法。
【0517】
201.前記追加の薬剤が、抗がん薬である、実施形態200に記載の方法。
【0518】
202.前記追加の薬剤が、化学療法剤である、実施形態200に記載の方法。
【0519】
203.前記追加の薬剤が、がん免疫療法薬である、実施形態200に記載の方法。
【0520】
204.前記追加の薬剤が、チェックポイント阻害剤である、実施形態200に記載の方法。
【0521】
205.前記追加の薬剤が、抗PD1抗体、抗PD−L1抗体、または抗CTLA4抗体である、実施形態200に記載の方法。
【0522】
206.前記病態、障害、または疾患が、心臓の病態、障害、または疾患である、実施形態194に記載の方法。
【実施例】
【0523】
提供される技術の非限定的な例が下記に記載される。当業者は、本開示に従って化合物、組成物、及び方法を調製し、評定するために、種々の技術が利用され得ることを理解する。
【0524】
実施例1.提供される薬剤の代表的な調製。
【0525】
提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、本開示に従った種々の技術、例えば、本明細書に記載されるような方法を用いて、調製することができる。当業者には理解されようが、提供される方法のパラメータ、例えば、工程、試薬、溶媒、濃度、温度、時間等は、所望に応じて最適化されてもよい。
【0526】
一部の実施形態では、ペプチドは、ペプチド合成装置において調製することができる。例えば、一部の実施形態では、提供されるペプチドは典型的に、Intavis Multipep RSiペプチド合成装置において、Fmoc固相ペプチド化学作用を用いて、CEM ProTide Rinkアミド樹脂(負荷量0.55〜0.8mmol/g)上で合成した。一部の実施形態では、合成用の樹脂を、好適な溶媒、例えば、NMP中で、好適な温度で一定期間(例えば、5mLまたは2mLプラスチックフリット反応槽中、45度で20分間)膨潤させる。次いで、ペプチド合成手順を用いて(典型的には45度で;条件は適宜調整することができる)アミノ酸残基を付加する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチド、例えば、表1に記載されるものを、下記に記載されるように調製した。
【0527】
ペプチドは典型的に、Intavis Multipep RSiペプチド合成装置において、Fmoc固相ペプチド化学作用を用いて、CEM ProTide Rinkアミド樹脂(負荷量0.55〜0.8mmol/g)上で合成した。合成用の樹脂を5mLまたは2mLプラスチックフリット反応槽中、NMP中で、45度で20分間膨潤させた。以下の手順を用いて(全ての工程は45度で)アミノ酸残基を付加した。
a)NMP中の20%ピペリジン(v/v)、0.1M HOBTでの5分間の処理を1回、及び10分間の処理を1回用いて、Fmoc基を除去した。
b)樹脂をNMPで8回洗浄した。
c)5当量の0.5Mアミノ酸溶液、5当量の2M DIC、及び5当量の0.5M Oxymaを予備活性化槽に加えて1分間置いた。
d)反応混合物を反応槽に加え、断続的にボルテックスしながら30分間カップリングさせた。
e)反応槽をNMPで1回洗浄した。
f)工程c)、d)、及びe)を繰り返した。一部の実施形態では、困難な位置の場合、工程c)、d)、及びe)を2回繰り返した。
g)あらゆる未反応のアミンにNMP中の5%(v/v)無水酢酸で2分間、キャップ付加した。
h)反応槽を、例えばNMPで8回、洗浄した。
【0528】
最終残基に続いて、上記の工程a)からの手順を用いてFmoc基を除去し、これらのペプチドには典型的に、例えば、Acキャップ付加の場合、NMP中の5%(v/v)無水酢酸で、45度で15分間、キャップ付加した(場合によっては、5’−アミノ基が、本開示に例として示されるような他の実体と反応し得るように、キャップ付加しなかった)。樹脂をDCMで5回洗浄した。
【0529】
ステープルは、本開示に従った種々の技術を用いて形成することができる。一部の実施形態では、ステープルは、オレフィンメタセシスによって形成される。一部の実施形態では、各々独立してオレフィン(一部の実施形態では、末端オレフィン)を含む2つのアミノ酸側鎖を、これら2つの側鎖の間でオレフィンメタセシスが起こり、ステープルが形成されるように、好適なオレフィンメタセシス条件下で互いに反応させる。多くのオレフィンメタセシス条件(例えば、触媒、溶媒、温度等)が当該技術分野で既知であり、本開示に従って利用することができる。
【0530】
例えば、提供されるステープル、例えば、表1におけるものを調製するために使用した代表的な手順においては、例えば、上記で調製したようなペプチドを含む樹脂を、Intavis Multipep RSiにおいて、DCE中40度で20分間膨潤させた。ペプチドを、30mol%の新たに調製したDCE中のビス(トリシクロヘキシルホスフィン(tricylcohexhylphosphine))ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド(Grubb’s I)の5mM溶液で、継続的にボルテックスしながら1時間処理した。この処理を、例えば、変換、純度等に応じて繰り返した。次いで、樹脂をDCMで5回洗浄した。ペプチドを樹脂から切り出し、トリフルオロ酢酸95%、トリイソプロピルシラン2.5%、及び水2.5%を用いて、室温でボルテックスしながら2時間半、脱保護した。不活性雰囲気、例えば、窒素ガス下でTFAが蒸発した後、ペプチドを好適な溶媒、例えば、tert−ブチルメチルエーテル中で沈殿させた。
【0531】
一部の実施形態では、Hoveyda−Grubbs触媒を用いてもよく、これはより良好な収率、純度、及び/または選択性を提供し得る。
【0532】
ペプチドは、所望に応じてさらにプロセスすることができる。例えば、一部の実施形態では、ステープルにおいてオレフィンを含む、提供されるステープル化ペプチドは、ステープルにおけるオレフィン部分が水素化され、アルカン部分に変換されるように、還元(例えば、水素化)条件に供することができる。代表的な手順が下記に記載される。
【0533】
FP0650rcを作製するための代表的な手順においては、ペプチド合成樹脂上の100umol FP0650cを、Biotage Alstraマイクロ波ペプチド合成装置において、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で、例えば50℃の温度で、5分間膨潤させた。溶媒を除去し、1.45mLのNMP中1.4Mピペリジン(20当量)を、1.45mLのNMP中に溶解した298mgの2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルヒドラジド(20当量)と合わせ、その後、樹脂に加えた。反応を50℃で2時間進行させ、次いで、樹脂をNMPで2回及び1,2−ジクロロエタン(DCE)で2回洗浄した。所望であれば、次いで、樹脂を、(少数の樹脂のビーズを分析用に切り出した後にLC/MSによって監視して)反応が完了するまで、上記の工程に従って新たに調製した反応溶液で処理した(場合によっては、さらに2回以上)。反応が完了した後、FP0650rcを樹脂から切り出し、精製した。
【0534】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、アミノ部分(例えば、−N(R’)−(ここで、R’は、本開示に記載されるようなものであり、−N(R’)−は、−C(O)−基に結合していない))を含む1つまたは複数のアミノステープルを含む。一部の実施形態では、アミノ部分を含むステープルは、対応するカルバメート部分を含む適切なステープルからのCOの引き抜き(例えば、−N(R’)−C(O)−O−を−N(R’)−に変換すること)により調製される。例えば、CO押し出しにより、アミノステープルを含むペプチド(例えば、表1におけるもの)を調製するための代表的な手順が下記に記載される。
【0535】
カルバメートステープルを含むステープル化ペプチドを、80mol%の新たに調製したDCM中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の10mM溶液で、継続的にボルテックスしながら90分間処理した。樹脂をDCM中で5回洗浄し、標準手順を用いてさらなる修飾、及び/または切り出し及び精製を行った。
【0536】
本開示に記載されるように、一部の実施形態では、提供されるペプチドは、さらに修飾、例えば、第2の実体とコンジュゲートされてもよい。一部の実施形態では、修飾、例えば、コンジュゲートは、N末端におけるか、またはN末端を介する。さらなる修飾(例えば、コンジュゲーション)に対してN末端を準備するための代表的な手順が下記に記載される。
【0537】
最終的なFmoc脱保護及び無水酢酸でのキャップ付加に先立って、Fmoc保護されたペプチドを、標準プロトコル、例えば、上述のプロトコルを介してステープル化した。メタセシスに次いで、樹脂をNMPで数回洗浄した。樹脂をNMP中で20分間膨潤させ、NMP中の20%ピペリジン及び0.1M HOBTで、室温で各々5分間、4回処理した。次いで、樹脂をNMPで5回洗浄した。
【0538】
一部の実施形態では、ペプチドは、ビオチンとコンジュゲートされる。ビオチン化ペプチド、例えば、表1におけるものを調製するための代表的な手順が下記に記載される。
【0539】
ビオチン化ペプチドを調製するために、遊離N末端を、3当量のビオチン(NMP中0.5M)、3当量のCOMU(NMP中0.5M)、及び6当量のDIEA(NMP中2M)を用いて、室温で1時間、ビオチンにカップリングさせた(合成装置における標準カップリング条件は、類似した結果を生み出した)。次いで、標準手順を用いて切り出し及び精製を行った。
【0540】
一部の実施形態では、ペプチドは、標識、例えば、蛍光標識にコンジュゲートされる。かかるペプチド、例えば、表1におけるものを調製するための代表的な手順が下記に記載される。
【0541】
フルオレセインにコンジュゲートしたペプチドを調製するために、遊離N末端を、NMP中に溶解した5当量のFITC(75mMの最終濃度)及び10当量のDIEA(未希釈)を用いて、継続的にボルテックスしながら10時間、FITCにカップリングさせた。次いで、標準手順を用いて切り出し及び精製を行った。
【0542】
一部の実施形態では、ペプチドは、PEGを含む実体にコンジュゲートされる。かかるペプチド、例えば、表1におけるものを調製するための代表的な手順が下記に記載される。
【0543】
PEG部分、例えば、遊離アミンハンドルを含有するPEGを含むペプチドを調製するために、N末端においてFmoc保護されたPEGを、標準カップリング条件を用いて樹脂上のステープル化ペプチドにカップリングさせ、次いで、標準条件を用いてN末端のFmocを除去した。次いで、標準手順を用いて切り出し及び精製を行った。
【0544】
一部の実施形態では、より高い純度が達成されるように、提供される化合物を精製する。種々の精製技術を本開示に従って利用することができる。一部の実施形態では、精製は、HPLCまたはUPLCを用いた1つまたは複数の工程を含む。一部の実施形態では、提供される化合物、例えば、ステープル化ペプチドを、小体積の溶媒、例えば、DMSO中に溶解させ、好適なカラム(例えば、Rx−C8カラム(Agilent))を用いて、好適な移動相条件で逆相HPLCによって精製した。提供される化合物及び組成物は、本開示に従ったいくつかの技術を用いて特性評価することができる。一部の実施形態では、提供される化合物を、好適な条件下(例えば、陽イオンモードでのエレクトロスプレー)で質量分析法によって特性評価した。例えば、一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドを小体積のDMSOに溶解させ、Rx−C8カラム(Agilent)ならびに0.1%TFAを含むアセトニトリル及び0.1%TFAを含む水の勾配を用いて、逆相HPLCによって精製した。HPLC画分を、エレクトロスプレー(例えば、陽イオンモードで)を用いてLC−MSによって特性評価し、プールし、凍結乾燥させて、正しい特性評価データ(例えば、MS)を有する生成物を得た。代表的な提供されるステープル化ペプチドを下記、例えば、表3に提示した。
【0545】
実施例2.提供される薬剤は、ベータ−カテニンに結合する。
【0546】
とりわけ、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、本開示で実証されるように、ベータ−カテニンと相互作用し、その機能を調節する。相互作用を評定するために、種々の技術が当該技術分野で既知であり、本開示に従って利用することができる。
【0547】
一部の実施形態では、直接蛍光偏光アッセイを用いて、提供される化合物のベータ−カテニンへの結合を評定する。代表的な手順においては、ベータ−カテニン溶液を、段階希釈を用いて緩衝液中で調製する。例えば、場合によっては、ベータ−カテニン溶液を、5μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中20nMの5FAMまたはFITC標識ペプチド)を調製し、ウェル当たり40μLで黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の段階希釈したベータ−カテニンをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。
【0548】
一部の実施形態では、競合蛍光偏光アッセイを用いて、提供される化合物のベータ−カテニンへの結合を評定する。代表的な手順においては、提供される化合物、例えば、提供されるステープル化ペプチドの溶液を、5μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(例えば、50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中15nMの完全長β−カテニン、20nMのFITC標識ペプチド)を調製し、一定期間、例えば、5分間インキュベートし、次いで、例えば、ウェル当たり40μLの体積で、好適なプレート、例えば、黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の段階希釈したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。好適なプローブは、FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)及び/またはFITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)であった。競合蛍光偏光アッセイにおいて、FP0025cは、EC50<100nMで、β−カテニンのアキシン部位から標識プローブを置き換えた。別のペプチド、FP0217c(FP0025cと比較してN末端プロリンを除去し、バリンをイソロイシンで置き換えた、Ac−ARILDAHIMRVW)を調製した。FP0217c異性体2は、競合FPアッセイにおいてFP0217c異性体1よりも10倍を超えて良好な効力を呈した。還元ペプチド(FP0217rc)は、異性体2と同等であった。
【0549】
追加としてまたは代替として、ベータ−カテニンへの結合は、表面プラズモン共鳴法によって測定されてもよい。代表的なアッセイにおいては、緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、300mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのTCEP、0.5mMのEDTA、0.005%Tween−20、1mg/mLのCMデキストラン、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中に希釈したおよそ6nmolの乾燥ペプチドを、Biacore X100において、Biacore Biotin CAPture Kit(GE Healthcare)及びビオチン化ベータ−カテニンを用いてアッセイした。Biacore X100評価ソフトウェアを用いて結果を分析した。測定したとき、FP0025cは、15nMのKdを呈した。FP0217c(異性体2)は、2nMのKでβ−カテニンのアルマジロドメインに結合した。FP0597cは、7nmのKdを示した。追加の代表的なデータを図1及び表2に提示した。
【0550】
実施例3.提供される薬剤は、細胞において活性である。
【0551】
当業者には理解されようが、本開示に従って、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチド、例えば、本開示に記載されるもの、WO2017/062518に記載されるもの等の活性を評定するために、種々の技術を利用することができる。
【0552】
一部の実施形態では、提供されるアッセイは、TCF/LEFレポーターアッセイである。一部の実施形態では、代表的なかかるアッセイにおいて、TCF/LEFルシフェラーゼレポーターHEK293細胞株(BPS Bioscience)を、提供されるペプチドの希釈系列で18時間処理した。300ng/mLのWnt3a(Peprotech)を細胞に加えて、最終的に6時間インキュベートした。製造業者のプロトコルに従ってBright−Gloルシフェラーゼアッセイ(Promega)を用いて、ルシフェラーゼ活性を測定した。代表的なデータを図2及び表2に提示した。FP0217cは、0.743uMのIC50を示した。実証されるように、種々の、例えば、配列、長さ、修飾、アミノ酸残基、ステープル等を含む、提供されるステープル化ペプチドが活性であった。出願人は、TCF/LEFレポーターアッセイに関して、本明細書に記載されるある特定のペプチドについて観察された結果を再現するためのその後の取り組みが、同じ結果を生み出さず、一部の試験では、それらの試験の具体的な条件(例えば、試薬の量及び/またはバッチ)下で活性を示さなかったことを認める。かかるペプチドの観察された特性及び/または活性の再現性を評定するために、追加のアッセイが行われている最中である。出願人はまた、本開示の教示が、記載される薬剤の特定の作用機序に制限されないことも認める。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数の薬剤が、ベータ−カテニンまたはその上の任意の特定の部位とのあらゆる相互作用(またはそれとの相互作用の欠如)に特異的でない、関連性のある生物学的効果を有してもよい。
【0553】
実施例4.提供される薬剤は、遺伝子発現を調節する。
【0554】
当業者には理解されようが、ベータ−カテニンは、多くの遺伝子の発現を制御する。多くの病態、障害、及び/または疾患は、1つまたは複数のベータ−カテニンの機能に関係する(例えば、ベータ−カテニンによって制御される)ものを含めて、異常な遺伝子発現に関連する。一部の実施形態では、本明細書における代表的なデータによって実証されるように、提供される技術は、いくつかの種類のがん細胞を含む種々の細胞株におけるベータ−カテニン標的遺伝子の阻害を含めて、様々な遺伝子の発現を調節することができる。
【0555】
遺伝子発現のレベル及び/または変動を評定するために、多くの技術が当該技術分野で既知であり、例えば、qPCRを用いることができ、本開示に従って利用することができる。代表的なqPCRアッセイにおいては、細胞、例えば、HCT−116、DLD−1を、提供されるペプチドの希釈系列で一定期間、例えば、18時間処理した。製造業者のプロトコルに従って、例えば、RNeasy Plusキット(Qiagen)等の市販のキットを用いて、全RNAを抽出し、例えば、SuperScript Vilo IVマスターミックス(ThermoFisher Scientific)を用いて、cDNAに逆転写した。遺伝子発現レベルを、例えば、QuantStudio 3(Applied Biosciences)においてTaqmanプローブ(Applied Biosciences)及びTaqman Advanced Fast Master Mix(Applied Biosciences)を用いて、qPCRによって決定した。相対発現量を、デルタCt法を用いて定量した。代表的なデータを図3、4、及び5に提示した。一部の実施形態では、実施例において以下の試薬をqPCRに使用した。一部の実施形態では、正規化用の対照は、ベータ−アクチンである。プライマー及びプローブの設計を含めたqPCRのための方法が周知であり、本開示に従って利用することができる。
【化14】
【0556】
実施例5.提供される薬剤は、改善された特性を有する。
【0557】
とりわけ、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、溶解度、薬物動態特性等を含めて、改善された特性を有する。
【0558】
とりわけ、本開示は、治療薬として使用するためのステープル化ペプチドに関連する課題のうちの1つが溶解度であることを認識している。一部の実施形態では、ある特定のステープル化ペプチド、例えば、炭化水素ステープルを含むものは、比較的低い溶解度を有する。当業者には理解されようが、低い溶解度は、例えば、製剤化、送達、有効性等に悪影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、本開示は、改善されたステープル化ペプチドの溶解度を改善するための技術を提供する。一部の実施形態では、本開示は、DPBS緩衝液(1リットル当たり、塩化ナトリウム8g、第一リン酸カリウム0.2g、第二リン酸ナトリウム1.15g、及び塩化カリウム0.2g)中で少なくとも50、60、70、80、90、100、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500uMの溶解度を有する、ステープル化ペプチドを提供する。
【0559】
溶解度を評定するための好適なアッセイが当該技術分野で周知であり、本開示に従って利用することができる。一部の実施形態では、代表的なプロトコルにおいて、乾燥ペプチドをDPBS(DPBS(1倍)、細胞培養等級、Sigma D8537)中で、3連で再構築し、ボルテックスし、超音波処理し、次いで遠心分離した。上清の吸光度をA280(Nanodrop 2000)で測定し、トリプトファンの消衰係数を用いて濃度を決定した。代表的な溶解度データを、例えば、表2に提示する。
【0560】
実施例6.提供される薬剤は、改善された薬理特性を有する。
【0561】
とりわけ、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、溶解度、薬物動態特性等を含めて、改善された特性を有する。一部の実施形態では、提供される化合物は、とりわけ、動物において改善された半減期を実証する。
【0562】
本開示に従って、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドの特性を評定するために、種々の技術を利用することができる。一部の実施形態では、血漿中PK法を用いて、薬物動態特性を評定する。代表的なアッセイにおいては、ペプチドを10%DMSO:90%食塩水中で製剤化し、3匹の雄性Sprague−Dawleyラットにおいて化合物当たり0.5mg/kgで静脈内投与した。連続採血の時点を2分、6分、10分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、及び24時間でとり、Thermo Q−Exactive Focus LC/MS/MSを用いて定量LC/MSによって分析した。試料をMeOHによるタンパク質沈殿によって調製した。データを2コンパートメントモデルに適合させた。1つのアッセイにおいては、FP0217c(異性体2)は、1時間超の血漿中半減期を示し、FP0597cは、より短い血漿中半減期を呈した。代表的なデータを、例えば、図6に提示する。
【0563】
実施例7.提供される薬剤は、他の実体よりもアキシンとのベータ−カテニンの相互作用を選択的に調節することができる。
【0564】
一部の実施形態では、本開示は、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位に選択的に結合する、薬剤、例えば、ステープル化ペプチドを提供する。一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位との相互作用と選択的に競合する。特に、一部の実施形態では、提供される薬剤は、BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位における相互作用と比較して、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位におけるアキシンとの相互作用を選択的に調節する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、ベータ−カテニンと相互作用する部位が、BCL9と相互作用する1つまたは複数の部位と同一であるか、またはそれと重複するタンパク質よりも、ベータ−カテニンと相互作用する部位が、アキシンと相互作用する1つまたは複数の部位と同一であるか、またはそれと重複するタンパク質との、ベータ−カテニンの相互作用を選択的に妨害する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、BCL9とのベータ−カテニンの相互作用よりも、アキシンとのベータ−カテニンの相互作用を選択的に調節する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、BCL9とのベータ−カテニンの相互作用よりも、アキシンとのベータ−カテニンの相互作用を選択的に妨害する。一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、例えば、競合蛍光偏光アッセイによって測定するとき、ベータ−カテニンとBCL9との間の相互作用(またはプローブ、例えば、Ac−Leu−Ser−Gln−Glu−Gln−Leu−Glu−His−Arg−Glu−Arg−Ser−Leu−Gln−Thr−Leu−Arg−Asp−Ile−Gln−Arg−nLeu−Leu−2NapA−bala−bala−Lys5FAM−NH2(Biochemistry,2009,48(40),pp 9534−9541から))の妨害に関して、ベータ−カテニンとアキシンとの間の相互作用(またはプローブ、例えば、FITC−PEG1−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル)及び/またはFITC−bA−PQ−S5−ILD−S5−HVRRVWR(オレフィンメタセシスを介して2つのS5によって形成された炭化水素ステープル))の妨害に関するそのEC50の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000倍、またはそれを超える倍率である、EC50を有する。一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンとBCL9との間の相互作用を観察できるほどには妨害しない。そのような場合、EC50は決定可能でない場合があるが、当業者には理解されるように、検出可能な妨害からの決定可能なEC50の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000倍、またはそれを超える倍率として扱われ得る。
【0565】
例えばBCL9またはアキシンと相互作用する部位における、ベータ−カテニンとの相互作用を評定するために、種々の技術を利用することができる。一部の実施形態では、競合蛍光偏光法を利用して、相互作用/調節選択性を評定する。一部の実施形態では、アキシン部位(例えば、アキシンと相互作用するベータ−カテニンの部位)に対する競合蛍光偏光アッセイは、上述した通りであった。一部の実施形態では、例えば、BCL9部位とアキシン部位との間で選択性を評定するために、アキシン部位及び/またはBCL9部位に対する競合蛍光偏光アッセイが採用され得る。一部の実施形態では、代表的なBCL9競合FPアッセイにおいて、ペプチド溶液を、例えば、10μMからの、例えば、3倍段階希釈を用いて、緩衝液(例えば、50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)アジ化ナトリウム)中で調製した。プローブ溶液(例えば、緩衝液中250nMの完全長β−カテニン、20nMの5FAM標識ペプチド)を調製し、例えば、ウェル当たり40μLの体積で、好適なマルチウェルプレート、例えば、黒色のポリスチレン製384ウェルプレート(Corning)にプレートした。好適な体積、例えば等体積の、段階希釈したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら一定期間、例えば、15分間、インキュベートした。読み取りは、例えば、Spectramax M5(Molecular Devices)において、二連で行った。一部の実施形態では、プローブは、Ac−Leu−Ser−Gln−Glu−Gln−Leu−Glu−His−Arg−Glu−Arg−Ser−Leu−Gln−Thr−Leu−Arg−Asp−Ile−Gln−Arg−nLeu−Leu−2NapA−bala−bala−Lys5FAM−NH2(Biochemistry,2009,48(40),pp 9534−9541から)である。例えば、図7における代表的なデータによって実証されるように、一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のBCL9部位における相互作用よりも、1つまたは複数のアキシン部位における相互作用を選択的に妨害する。
【0566】
実施例8.多様な構造的要素を有するステープル化ペプチドの調製及びそれらの特性の評定。
【0567】
とりわけ、本開示は、顕著に改善された特性及び/または活性を有するステープル化ペプチドを設計し、調製するために利用され得る、化学構造(炭化水素リンカー対非炭化水素リンカー)、位置付け(ステープル接続の位置、(i、i+4)、(i、i+7)等)、長さ、立体化学構造等、及びそれらの組み合わせといった、ステープルの構造的要素を含めた、種々の構造的要素を提供する。種々の構造的要素はまた、収率、純度、選択性等の点でステープル化ペプチドの調製にも影響を及ぼし得る。本実施例は、異なる反応条件を用いた、多様な構造を有するステープル化ペプチドの調製を例示する。とりわけ、ある特定の構造的特長、例えば、種々の利点(調製物の収率、純度、選択性、結合親和性等)を提供し得るステープルの構造的特長(種類、長さ等)が特定される。一部の実施形態では、代表的なステープル化ペプチドは、Grossmann et al.PNAS 109 17942−17947に報告される、報告されるStAxステープル化ペプチドよりも良好な特性、例えば、溶解度、結合親和性、細胞透過性等を有する。一部の実施形態では、例として示されるステープル化ペプチドは、GrossmanのStAx33に高度に相同であるアミノ酸配列を含有する。
【0568】
いくつかのステープル化ペプチドを、カルバメートステープルの場合は約10〜14、アミノステープル(この場合、これは−C(O)−結合していない−N(R)−を含む)の場合は8〜12のステープル長で調製した。一部の実施形態では、一部のステープル化ペプチドは、二重にステープル化される(場合によっては、ステッチされたペプチド化(stiched peptided))。表4Aは、2×30mol%のGrubbs Iを40℃で2時間用いた、ある特定の結果を例示する。表4Bは、2×5mol%のHoveyda−Grubbs IIを60℃で2時間用いた、ある特定の結果を例示する。Azは、モノマーAである。PyrSは、モノマーBである。PyrRは、モノマーCである。SgNは、モノマーDである。RgNは、モノマーEである。SdNは、モノマーFである。RdNは、モノマーGである。SeNは、モノマーHである。ReNは、モノマーIである。
【0569】
一部の実施形態では、11以上のステープル長が、より短いステープル長と比較してより高い収率を送達し得る(例えば、例示されるようなアゼチジン含有ステープル化ペプチドに関して)。一部の実施形態では、好ましいステープル長は、11以上である。一部の実施形態では、10〜14以上のステープル長が、別の長さのステープルと比較してより高い収率を送達し得る(例えば、例示されるようなピロリジン含有ステープル化ペプチドに関して)。一部の実施形態では、好ましいステープル長は、11以上である。一部の実施形態では、好ましいステープル長は、10〜14である。一部の実施形態では、同等の条件下で、ピロリジン含有ステープルは全般的に、アゼチジン含有ステープルと比較して形成がより緩徐である。一部の実施形態では、非環状アミンに関して、N末端位置の炭化水素側鎖にオレフィンを含むアミノ酸残基は典型的に、より低いオレフィンメタセシス生成物の形成をもたらす。
【0570】
ある特定のステープル化ペプチドのFP EC50データを表5に提示した。
【0571】
アミノステープル形成反応に関して、複数の生成物及び/または2通りの異性体が観察された少数の例外を除いて、使用した条件下でほとんどの反応が純粋なアミノステープル化ペプチドを産出した。代表的な結果を表6に提示した。一部の実施形態では、ある特定の条件下で、非環状アミノステープルは、環状アミノステープルと比較して形成がより困難であった。
【化15】
【0572】
代表的なFP EC50データを表5に提示した。一部の実施形態では、アミノステープルを有するステープル化ペプチドは、他の種類のステープル、例えば、カルバメートステープルを有するステープル化ペプチドよりも低い結合親和性を有する(1つの実例では、FP−0738c(1800nM)対FP−0738a(200nM))。
【0573】
一部の実施形態では、以下のステープルがより良好な結果を提供したことから、好ましい可能性がある(括弧内は代表的なステープル化ペプチド):
カルバメートステープル:
Az/R6(FP−0725c)
PR/R6(FP−0745c)
S7/PS(FP−0763c)
R4/PR(FP−0765c)
R5/PR(FP−0766c)
R6/PR(FP−0767c)
R7/PR(FP−0768c)
ステープル長=11〜14原子
アミノステープル:
S7/Az(FP−0738a)
PR/R6(FP−0745a)
ステープル長=11〜12原子
【0574】
表面プラズモン共鳴法−Biacoreアッセイにより、R4/PR(FP−0765c)は、約13nMのKd、S5/S5(FP−0787c)は、約14nMのKd、R5/PR(FP−0766c)は、約7nMのKd、Az/R6(FP−0725c)は、約22nMのKd、S7/Az(FP−0738a)は、約43nMのKd、PR/R6(FP−0745a)は、約34nMのKdを呈した。
【0575】
実施例9.オレフィンメタセシスのための追加の方法。
【0576】
一部の実施形態では、本開示は、ステープル化ペプチドの調製方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、オレフィンメタセシスを通してステープルを形成することを含む、ステープル化ペプチドの調製方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、閉環メタセシスを行って、ステープルを形成する方法を提供する。
【0577】
種々のメタセシス触媒が本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、触媒は、Ru−触媒である。一部の実施形態では、Ru−触媒は、Grubbs I、Grubbs II、Hoveyda−Grubbs I、及びHoveyda−Grubbs IIである。一部の実施形態では、触媒負荷量は、5mol%である。一部の実施形態では、触媒負荷量は、20mol%である。一部の実施形態では、Hoveyda−Grubbs IIが、1つまたは複数の他の触媒よりも良好な結果を提供する。
【0578】
一部の実施形態では、オレフィンメタセシス用の11種の基質ペプチドを用いて、種々の条件を評価した。これらの基質ペプチドの各々は、30mol%のGrubbs Iでの単回処理で完全にステープル化することができる。代表的な結果を図8に提示した。
【0579】
FP0766−R/M
【化16】
【0580】
FP0725−M/R6:
【化17】
【0581】
Grubbs I、DCE中40℃で2時間、1回処理の場合、20mol%を用いた全ての反応が完全であり、このうち7種では副生成物の産出がなかったか、または微量であった一方で、4種は17%〜50%の副生成物を生み出した。5mol%での単回処理は、ペプチドを完全にステープル化するには不十分であり、このうち3種のペプチドはまた副生成物の形成も示した。Grubbs II、DCE中40℃で2時間、1回処理の場合、Grubbs Iと比較してより低い効率が観察され、完全な反応は何ら観察されず、副生成物の形成が観察され、全てにわたって出発物質が主な種であった。Hoveyda−Grubbs I、DCE中40℃で2時間、1回処理の場合、完全な反応は何ら観察されず、5mol%で観察されたステープル化生成物は、微量またはなしのいずれかであった。Hoveyda−Grubbs II、DCE中60℃で2時間、1回処理の場合、5mol%のHoveyda−Grubbs IIで全てのペプチドが完全にステープル化され、他の触媒の場合よりも低い副生成物対生成物比であった。
【0582】
一部の実施形態では、最適化プロセスは、
【化18】
である。
【0583】
一部の実施形態では、前最適化プロセスは、
【化19】
である。
【0584】
代表的な結果を下記に提示した。
【化20-1】
【化20-2】
【化20-3】
【0585】
一部の実施形態では、「ステッチされた(stiched)」ステープル化ペプチドは、下記から選択される:
【化21】
【0586】
本開示に記載されるように、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドは、一部の実施形態では特に1つまたは複数の適切な参照薬剤と比較したときに、いくつかの顕著に改善された特性及び活性を有する。とりわけ、いくつかの参照薬剤、例えば、非ステープル化ペプチド、小分子Wnt経路阻害剤、炭化水素ステープルを含むステープル化ペプチド、アキシンと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と相互作用しないステープル化ペプチド(例えば、BCL9と相互作用するがアキシンとは相互作用しない1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と相互作用するステープル化ペプチド)と比較したときに、改善された安定性、増加した溶解度、増加した細胞透過性、増加活性、増加した選択性、及び/または低下した毒性が観察された。本開示に記載されるアッセイ及びその変形形態を含めた、いくつかのアッセイを利用して、提供される薬剤、例えば、ステープル化ペプチドの1つまたは複数の特性及び活性を評定することができる。
【0587】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【0588】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
不十分:<1:2のステープル化:非ステープル化、または2つの異性体を伴う<1:1のステープル化:非ステープル化
可:2つの異性体を伴う可能性がある、およそ1:2のステープル化:非ステープル化から2:1のステープル化:非ステープル化(また、最大3:1程度のステープル化:非ステープル化をもたらしたが、2つの主な異性体か、またはステープル化でも非ステープル化でもない顕著な量の副生成物のいずれかをもたらした組み合わせもこのカテゴリー内にある)
良好:1つの主な異性体を伴う2:1よりも良好なステープル化:非ステープル化
良好だが2つの異性体:およそ4:1よりも良好なステープル化であるが、2つの主な異性体を伴う
不検出−決定されないか、またはこの表には提示されない。
パートB
【表3-6】
不検出−決定されないか、またはこの表には提示されない。
【0589】
表4.代表的な結果。
A−2×30mol%のGrubbs I、40℃で2時間
【表4-1】
【表4-2】
B−2×5mol%のHoveyda−Grubbs II、60℃で2時間
【表4-3】
【0590】
表5.代表的なFP EC50データ(nM)。
【表5-1】
【表5-2】
【表6-1】
【表6-2】
【0591】
種々の実施形態が本明細書に記載され、例示されたが、当業者であれば、本開示に記載される機能を実施するため、及び/または本開示に記載される結果及び/または利点のうちの1つもしくは複数を得るための、様々な他の手段及び/または構造を容易に想定することとなり、かかる変形形態及び/または変更形態の各々が含まれるものと見なされる。より全般的には、当業者であれば、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び立体配置が例であることを意図するものであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/または立体配置が、本開示の教示が用いられる具体的な用途(単数または複数)に左右されることを容易に理解しよう。当業者であれば、ほんの日常的な実験を用いて、本開示に記載される本開示の具体的な実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認可能であろう。したがって、前述の実施形態は単なる例として提示されるにすぎず、特許請求の対象となるものを含めた、提供される技術が、具体的に記載され、特許請求されるものとは異なる様態で実施されてもよいことを理解されたい。加えて、2つ以上の特長、系、物品、材料、キット、及び/または方法の任意の組み合わせが、かかる特長、系、物品、材料、キット、及び/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
【配列表】
2020533413000001.app
【国際調査報告】