特表2020-533641(P2020-533641A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-533641ディスプレイ用の黒色デッドフロント並びに関連するディスプレイデバイス及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-533641(P2020-533641A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】ディスプレイ用の黒色デッドフロント並びに関連するディスプレイデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20201023BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20201023BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20201023BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
   G09F9/00 313
   G09F13/04 J
   G02F1/1333
   G09F9/00 362
   G09F9/00 350Z
   G09F9/30 308Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2020-514920(P2020-514920)
(86)(22)【出願日】2018年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月11日
(86)【国際出願番号】US2018050574
(87)【国際公開番号】WO2019055458
(87)【国際公開日】20190321
(31)【優先権主張番号】62/557,972
(32)【優先日】2017年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ルジュフルール,アントワーヌ デー
(72)【発明者】
【氏名】オウヤン,シュィ
(72)【発明者】
【氏名】スゥン,ヤーウェイ
【テーマコード(参考)】
2H189
5C094
5C096
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA16
2H189AA64
2H189CA13
2H189LA15
2H189LA19
2H189LA20
2H189MA08
5C094AA01
5C094BA23
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA05
5C094HA05
5C094HA08
5C094JA11
5C096AA14
5C096BA01
5C096FA11
5G435AA01
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE13
5G435FF13
5G435GG43
5G435HH02
5G435HH05
5G435KK05
5G435LL07
5G435LL17
(57)【要約】
本出願では、ディスプレイ用のデッドフロント物品の実施形態を開示する。上記デッドフロント物品は、第1の表面、及び上記第1の表面の反対側の第2の表面を有する、基板を含む。また、上記基板の上記第2の表面の少なくとも第1の部分上に配置された、半透明黒色層も含まれる。上記半透明黒色層は、上記ディスプレイが非起動状態のときに上記ディスプレイをぼかし、上記ディスプレイが起動状態のときに上記ディスプレイの視聴を可能とするように、構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ用のデッドフロント物品であって、
前記デッドフロント物品は:
基板であって、
前記基板の視聴者側の第1の表面と、
前記第1の表面の反対側の第2の表面と
を備える、基板;及び
前記基板の前記第2の表面の少なくとも第1の部分上に配置された、半透明黒色層
を備え、
前記半透明黒色層は、前記ディスプレイが非起動状態のときに前記ディスプレイをぼかし、前記ディスプレイが起動状態のときに前記ディスプレイの視聴を可能とするよう構成される、デッドフロント物品。
【請求項2】
前記半透明黒色層はCIE L*a*b*色空間に従った中程度の黒色であり、a*及びb*のうちの一方又は両方は約−2〜約2である、請求項1に記載のデッドフロント物品。
【請求項3】
L*は0〜40である、請求項2に記載のデッドフロント物品。
【請求項4】
前記基板と前記半透明黒色層との組み合わせは、約400nm〜約700nmの波長範囲にわたって、約1〜約40%の平均透過率を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデッドフロント物品。
【請求項5】
前記半透明黒色層の平均厚さは、少なくとも1μmから最大5μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデッドフロント物品。
【請求項6】
前記半透明黒色層の少なくとも一部分上にコーティングされた不透明層を更に備え、前記不透明層の光密度は3超である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のデッドフロント物品。
【請求項7】
前記基板は、第1の曲率半径で湾曲している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデッドフロント物品。
【請求項8】
前記基板はガラス層を含み、前記湾曲形状へと冷間形成される、請求項7に記載のデッドフロント物品。
【請求項9】
デッドフロントを有するディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスは、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデッドフロント物品を備える、ディスプレイデバイス。
【請求項10】
ディスプレイ用の湾曲デッドフロントを形成する方法であって、
前記方法は:
湾曲面を有する支持体上で、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデッドフロント物品を湾曲させるステップ;及び
前記湾曲デッドフロント物品を、前記デッドフロントが前記支持体の前記湾曲面の湾曲形状に一致するように、前記支持体に固定するステップ
を含み、
前記デッドフロント物品を湾曲させる前記ステップ及び固定する前記ステップの間、前記デッドフロント物品の最高温度は、前記ガラス層のガラス転移温度未満である、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年9月13日出願の米国仮特許出願第62/557,972号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ディスプレイ用のデッドフロント物品に関し、より詳細には、ディスプレイ用のデッドフロント物品を含む車両内装システム、及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイに関わる様々な用途において、デッドフロントの外観を有するディスプレイ表面又は機能面を有することが望ましい。一般に、デッドフロントの外観は、ディスプレイと非ディスプレイエリアとの間、又はある物品のデッドフロント化エリアと非デッドフロント化エリア若しくは他の表面との間のシームレスな過渡部分が得られるように、ディスプレイ又は機能面を隠す方法である。例えば、ガラス又はプラスチックのカバー表面を有する典型的なディスプレイでは、ディスプレイがオフであっても、ディスプレイのエッジ(又はディスプレイエリアから非ディスプレイエリアへの過渡部分)を視認できる。しかしながら、美観上、又は設計上、ディスプレイがオフの場合にディスプレイエリア及び非ディスプレイエリアが互いから区別できないように存在し、カバー表面が統一された外観を呈するように、デッドフロント化された外観を有することが望ましい場合が多い。デッドフロントの外観が望ましい1つの用途は、車両内ディスプレイ又はタッチインタフェースを含む自動車の内装におけるものであり、また他の用途は、移動体デバイス及び家電製品を含む移動体又は家庭用電子機器におけるものである。しかしながら、良好なデッドフロントの外観と、ディスプレイがオンであるときの高品質の表示との両方を達成するのは困難である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態は、ディスプレイ用のデッドフロント物品に関する。上記デッドフロント物品は、第1の表面、及び上記第1の表面の反対側の第2の表面を有する、基板を含む。1つ以上の実施形態では、上記デッドフロント物品は、ガラス層の上記第2の表面の少なくとも第1の部分上に配置された、半透明黒色層を含む。1つ以上の実施形態では、上記半透明黒色層は、上記ディスプレイが非起動状態のときに上記ディスプレイをぼかし、上記ディスプレイが起動状態のときに上記ディスプレイの視聴を可能とするように、構成される。
【0005】
本開示の別の実施形態は、デッドフロント物品を有するデバイスに関する。上記デバイスは:基板;上記基板の第1の表面上に印刷された半透明黒色層;及び光源であって、上記光源は、上記半透明黒色層が上記基板と上記光源との間に位置するよう、上記基板の、上記第1の表面と同じ側に位置決めされる、光源を含む。上記半透明黒色層は、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで、上記基板の第2の表面上に印刷される。1つ以上の実施形態では、上記デバイスは、起動時(例えば上記基板をユーザがタッチしたとき)に触覚フィードバックを提供するよう構成された、振動モータを含む。
【0006】
本開示の別の実施形態は、ディスプレイ用の湾曲デッドフロント物品を形成する方法に関する。上記方法は、湾曲面を有する支持体上でデッドフロント物品を湾曲させるステップを含む。上記デッドフロント物品は、ガラス層と、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで上記ガラス層の第1の表面上に印刷された半透明黒色層とを含む。上記方法はまた、上記湾曲デッドフロント物品を、上記デッドフロントが上記支持体の上記湾曲面に一致するように、上記支持体に固定するステップを含む。上記デッドフロント物品を湾曲させる上記ステップ及び固定する上記ステップの間、上記デッドフロント物品の最高温度は、上記ガラス層のガラス転移温度未満である。
【0007】
更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、またその一部は、「発明を実施するための形態」から当業者には容易に明らかになるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載されているような実施形態を実践することにより、当業者には容易に理解されるだろう。
【0008】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」は単なる例示であり、請求項の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は1つ以上の実施形態を図示しており、本説明と併せて、様々な実施形態の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に記載の実施形態のうちの1つ以上によるデッドフロント物品を利用した車両内装システムを有する車両の内装の斜視図
図2】ある例示的実施形態による、ディスプレイがオフの状態の、デッドフロント物品を有するディスプレイ
図3】ある例示的実施形態による、ディスプレイがオンの状態の、図2のデッドフロント物品を有するディスプレイ
図4】ある例示的実施形態による、ディスプレイ用のデッドフロント物品の側方断面図
図5】ある例示的実施形態による、デッドフロント物品に固定又は設置されるディスプレイの側方断面図
図6】ある例示的実施形態による、様々なレベルのKインクを用いてその上に印刷された半透明黒色層を有するデッドフロント物品の複数のセクション
図7】ある例示的実施形態による、デッドフロント物品の形成のためにガラス層上に半透明黒色層を印刷するために使用される、CMYKカラーモデル
図8】デッドフロント物品からの反射率をどのように測定したかの図
図9】様々なレベルのKインクを有するデッドフロント物品の複数の実施形態からの可視スペクトルにわたる光の反射率のグラフ
図10】ある例示的実施形態による、基板上に印刷された半透明黒色層の明度を測定するために使用したCIE L*a*b*色空間
図11】半透明黒色層の明度レベルに基づく、デッドフロント物品の複数の実施形態からの可視スペクトルにわたる光の反射率を示すグラフ
図12】明度の値が様々である半透明黒色層を有するデッドフロント物品の複数の実施形態のセクションの写真
図13】様々なレベルのKインクを有するデッドフロント物品の複数の実施形態からの可視スペクトルにわたる光の透過率のグラフ
図14】半透明黒色層の明度レベルに基づく、デッドフロント物品の複数の実施形態からの可視スペクトルにわたる光の透過率を示すグラフ
図15A】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図15B】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図15C】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図15D】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図15E】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図15F】様々な明度のレベルにおける、印刷された半透明黒色層の顕微鏡写真
図16】ある例示的実施形態による、スマートフォンディスプレイが非起動状態のときにスマートフォンをぼかすデッドフロント物品
図17】スマートフォンスクリーンが起動状態であり、デッドフロントディスプレイを通して視認可能である、図16のデッドフロント物品
図18】ある例示的実施形態による、ディスプレイと共に使用するための湾曲ガラスデッドフロント物品の側面図
図19】ある例示的実施形態による、湾曲の形成前の図6のガラスデッドフロントのためのガラス層の正面斜視図
図20】ある例示的実施形態による、湾曲ディスプレイフレームに一致するよう成形された湾曲ガラスデッドフロント物品
図21】ある例示的実施形態による、ガラスデッドフロント物品を湾曲形状に冷間形成するためのプロセス
図22】ある例示的実施形態による、湾曲ガラス層を利用して湾曲ガラスデッドフロント物品を形成するためのプロセス
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面全体を参照すると、車両内装システムは、透明となるように設計された多様な異なる湾曲面、例えば湾曲ディスプレイ表面を含んでよく、本開示は、これらの湾曲面を形成するための物品及び方法に関する。1つ以上の実施形態では、このような表面は、ガラス材料又はプラスチック材料から形成される。湾曲した車両の表面をガラス材料から形成すると、従来の車両の内装に見られる典型的な湾曲プラスチックパネルに比べて多数の利点を提供できる。例えば、ガラスは典型的には、ディスプレイ用途及びタッチスクリーン用途といった多数の湾曲カバー材料の用途に関して、プラスチックカバー材料に比べて改善された機能性及びユーザ体験を提供すると考えられる。
【0011】
更に、多くの用途において、ディスプレイ、特に車両内装システム用のディスプレイにデッドフロントの外観を設けることが望ましいと考えられる。一般に、デッドフロントの外観は、ディスプレイがオフであるときにディスプレイ構成要素、アイコン、グラフィック等の可視性を遮断するものの、ディスプレイがオンである、又は(タッチ対応ディスプレイの場合)起動状態であるときに、ディスプレイ構成要素を容易に視認できるようにする。更に、デッドフロント効果を提供する物品(即ちデッドフロント物品)を用いて、物品の色又はパターンを隣接する構成部品と一致させることにより、物品から周囲の構成部品への過渡部分の可視性を排除できる。更に、デッドフロント効果を提供する物品(即ちデッドフロント物品)は、該物品の色又はパターンを隣接する構成部品に一致させることにより、該物品から周囲の構成部品への過渡部分の可視性を排除するために使用できる。これは、デッドフロント物品が周囲の構成部品と異なる材料である(例えばデッドフロント物品がガラス材料から形成されるものの、皮革でカバーされた中央コンソールに取り囲まれる)場合に、特に有用となり得る。例えば、木目パターン又は皮革パターンを有するデッドフロント物品を用いて、ディスプレイの外観を、ディスプレイが設置されている周囲の車両内装システムの木製又は皮革製構成部品(例えば木製又は皮革製ダッシュボード)と適合させることができる。
【0012】
本開示の様々な実施形態は、冷間形成又は冷間曲げプロセスを利用した、湾曲ガラス系デッドフロント物品の形成に関する。本明細書中に記載されるように、典型的なガラスの熱間形成プロセスの欠点を回避した、湾曲ガラス系デッドフロント物品及びその作製プロセスが提供される。例えば、熱間形成プロセスはエネルギ集約的であり、本明細書に記載の冷間曲げプロセスに比べて、湾曲ガラス構成部品の形成のコストを増大させる。更に、典型的には、熱間形成プロセスにより、デッドフロントインク又は顔料層といったガラスコーティング層の適用がより困難になる。例えば、多くのインク又は顔料材料は、熱間形成プロセスの前にガラス材料の平坦な辺に適用できない。というのは、インク又は顔料材料は典型的には、熱間形成プロセスの高温に耐えられないためである。更に、熱間曲げの後でインク又は顔料材料を湾曲ガラス物品の表面に適用するのは、平坦なガラス物品に対する適用よりも大幅に困難である。
【0013】
図1は、ある例示的実施形態による3つの異なる車両内装システム100、200、300を含む車両内装10を示す。車両内装システム100は、湾曲ディスプレイ130として図示されているディスプレイを含む湾曲面120を有する中央コンソールベース110を含む。車両内装システム200は、湾曲ディスプレイ230として図示されているディスプレイを含む湾曲面220を有するダッシュボードベース210を含む。ダッシュボードベース210は典型的には機器パネル215を含み、これもまた湾曲ディスプレイを含んでよい。車両内装システム300は、湾曲面320と、湾曲ディスプレイ330として図示されているディスプレイと有する、ダッシュボードステアリングホイールベース310を含む。1つ以上の実施形態では、車両内装システムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、又は湾曲面を含む車両の内装のいずれの部分である、ベースを含んでよい。
【0014】
本明細書に記載のデッドフロント物品の実施形態は、車両内装システム100、200、及び300のうちのいずれ又は全てにおいて使用できる。図1は自動車の内装を示しているが、車両内装システムの様々な実施形態を、有人操縦車両、半自動操縦車両、及び完全自動操縦車両を含む、列車、自動車(例えば乗用車、トラック、バス等)、船舶(ボート、船、潜水艦等)、及び航空機(例えばドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプター等)といったいずれのタイプの車両に組み込んでよい。更に、本明細書中の説明は主に車両ディスプレイにおけるデッドフロント実施形態の使用に関するが、本明細書に記載の様々なデッドフロント実施形態は、いずれのタイプのディスプレイ用途に使用してよいことを理解されたい。
【0015】
図2及び図3を参照すると、ディスプレイ130、230、及び/又は330等の車両ディスプレイのためのデッドフロント物品400が図示及び説明されている。図2は、関連付けられたディスプレイが非起動状態のときのデッドフロント物品400の外観を示し、図3は、関連付けられたディスプレイが起動状態のときのデッドフロント物品400の外観を示す。図3に示すように、光源が起動されている場合、デッドフロント物品を通してグラフィック410及び/又は複数のアイコンが視認可能となる。光源が非起動状態になると、グラフィック410が消え、デッドフロント物品400は、グラフィック410によって途切れることのない、所望の表面仕上げ(例えば図2の黒色表面)を示す表面を提示する。実施形態では、光源は電源ボタン420を用いて起動される。図2及び3の実施形態に示すように、電源ボタン420は発光しており、起動されたときに赤色から緑色に変化する。
【0016】
本明細書中で使用される場合、ディスプレイに関する用語「起動状態(active)」は、ディスプレイが、ユーザが視聴する又は任意に視聴可能な画像を生成している状態を指す。本明細書中でディスプレイに関して使用される用語「非起動状態(inactive)」は、ディスプレイが画像を生成していない状態、又はディスプレイがユーザに見られる若しくは視聴されることを意図していない状態を指す。
【0017】
以下で更に詳細に説明するように、デッドフロント物品400は、外側ガラス層と光源との間に位置する1つ以上の着色層を利用して、このような差分アイコン表示を提供する。着色層の光学的特性は、光源をオフにしたときに着色層の下側のアイコン又は他のディスプレイ構造の境界が視認できなくなるものの、光源がオンのときにはグラフィック410が視認可能であるように、設計される。様々な実施形態では、本明細書に記載のデッドフロント物品は、光源がオンのときの高コントラストのアイコンと、光源がオフのときの均一なデッドフロントの外観とを共に含む、高品質のデッドフロント物品を提供するよう設計される。更に、出願人は、以下に記載するように、複雑な湾曲形状を含む湾曲形状への冷間形成に好適な材料を用いて、これらの様々なデッドフロント物品を提供する。
【0018】
ここで図4を参照すると、デッドフロント物品400の構造のある実施形態が提供されている。特に、デッドフロント物品400は、少なくとも1つの基板450及び半透明黒色層460を含む。基板450は、視聴者に対面する外面470と、半透明黒色層460が少なくとも部分的に配置された内面480とを含む。本明細書中で使用される場合、用語「配置する(dispose)」は、当該技術分野で公知のいずれの方法を用いて、材料を表面上にコーティングする、堆積させる、及び/又は形成することを指す。配置された材料は、本明細書中で定義されるような層を構成できる。本明細書中で使用される場合、句「…の上に配置される(disposed on)」は、ある材料をある表面上に、該材料が該表面と直接接触するように形成する例を含み、また、ある材料をある表面上に、配置される該材料と該表面との間に1つ以上の介在材料が存在する状態で、形成する例を含む。1つ以上の介在材料は、本明細書中で定義されるような層を構成してよい。用語「層(layer)」は、単層を含んでよく、又は1つ以上の副層を含んでよい。このような副層は、互いに直接接触していてよい。副層は、同一の材料から形成されていても、2つ以上の異なる材料から形成されていてもよい。1つ以上の代替実施形態では、このような副層は、間に配置された異なる材料の介在層を有してよい。1つ以上の実施形態では、層は、1つ以上の連続した中断されていない層、及び/又は1つ以上の不連続な中断された層(即ち互いに隣接して形成された異なる材料を有する層)を含んでよい。層又は副層は、個別堆積又は連続堆積プロセスを含む、当該技術分野で公知のいずれの方法で形成してよい。1つ以上の実施形態では、層は、連続堆積プロセスのみを用いて形成してよく、あるいは個別堆積プロセスのみを用いて形成してよい。
【0019】
基板450の詳細については以下で更に詳細に記載するが、実施形態では、ガラス層450の厚さは0.05〜2.0mmである。1つ以上の実施形態では、基板は、PMMA、ポリカーボネート等の透明プラスチックであってよく、又は(任意に強化されていてよい)ガラス材料であってよい。これもまた以下で更に十分に記載するように、実施形態では、半透明黒色層460は、基板450の内面480上に印刷される。
【0020】
特定の実施形態では、デッドフロント400は、機能表面層490及び/又は不透明層500も含む。機能表面層490は、多様な機能のうちの1つ以上を提供するように構成できる。別の例示的実施形態では、機能表面層490は、清掃容易性、防眩性、反射防止性、及び/又はハーフミラーコーティングを提供するよう構成された光学コーティングである。このような光学コーティングは、単層又は複層を用いて形成できる。反射防止機能表面層の場合、このような層は、高い屈折率と低い屈折率とを交互に有する複数の層を用いて形成できる。低屈折率フィルムの非限定的な例としては、SiO、MgF、及びAlが挙げられ、高屈折率フィルムの非限定的な例としては、Nb、TiO、ZrO、HfO、及びYが挙げられる。実施形態では、(防眩性表面又は平滑な基板表面全体にわたって配置され得る)このような光学コーティングの合計厚さは、5nm〜750nmである。更に、実施形態では、清掃容易性を提供する機能表面層490は、タッチスクリーンのための改善された感触、及び/又は指紋の跡を低減するためのコーティング/処理も提供する。いくつかの実施形態では、機能表面層500は、基板の第1の表面と一体である。例えばこのような機能表面層は、防眩性表面(又は例えば2%〜20%のヘイズ防止表面)を提供する、基板450の第1の表面内にエッチングされた表面を含むことができる。機能表面層490が設けられる場合、これは、ガラス層450及び半透明黒色層460と共に、デッドフロント物品400の半透明構造体510を構成する。
【0021】
不透明層500は、光透過をブロックするために、高い光密度、例えば3超の光密度を有する。実施形態では、不透明層500は、デッドフロント物品400の中央領域を通って透過する光をブロックするために使用される。特定の実施形態では、不透明層500は、デッドフロント物品400の動作のために提供される機能要素又は非装飾要素をぼかす。他の実施形態では、不透明層500を設けることにより、バックライト照明されたアイコン及び/又は他のグラフィック(例えば図2及び3に示されている電源ボタン420)の輪郭を描画して、このようなアイコン及び/又はグラフィックの縁部のコントラストを改善する。不透明層500はいずれの色とすることができるが、特定の実施形態では、不透明層500は黒色又は灰色である。実施形態では、不透明層500は、スクリーン印刷又はインクジェット印刷によって、半透明黒色層460全体にわたって、又は基板450の内面480全体にわたって適用される。一般に、インクジェット印刷された不透明層500の厚さは1μm〜5μmであり、スクリーン印刷された不透明層500の厚さは5μm〜20μmである。よって、印刷された不透明層500は、1μm〜20μmの厚さを有することができる。しかしながら、他の実施形態では、不透明層500は、物理蒸着によって堆積された金属層であり、及び/又は色のマッチングのために上述の高/低屈折率積層を用いて形成された光学積層体である。
【0022】
図5に示すように、デッドフロント物品400は、ディスプレイ520全体にわたって、又はディスプレイ520の前面に配置される。1つ以上の実施形態では、ディスプレイは、ディスプレイ及びタッチパネルを含むタッチ対応ディスプレイを含んでよい。例示的なディスプレイとしては、LEDディスプレイ、DLP MEMSチップ、LCD、OLED、透過型ディスプレイ等が挙げられる。実施形態では、ディスプレイ520は、例えば光学的に透明な接着剤530を用いて、デッドフロント物品400に固定又は設置される。デッドフロント物品400の平均透過率は、可視スペクトル、即ち400nm〜700nmの波長範囲にわたって、約1%〜約40%である。換言すれば、デッドフロント物品400は、約400nm〜約700nmの波長範囲全体にわたって、約1%〜約40%の平均透過率を示す。本明細書中で使用される場合、用語「透過率(transmittance)」は、材料(例えばデッドフロント物品、デッドフロントの基板又は層)を通って透過する、所与の波長範囲内の入射光パワーのパーセンテージとして定義される。実施形態では、デッドフロント物品400は、約10%以下の平均透過率を示す低透過率デッドフロント物品である。このような例では、不透明層500は、ディスプレイ520の縁部、即ち非ディスプレイ領域540、及び/又は配線、コネクタ等をぼかす必要がない場合がある。他の実施形態では、デッドフロント物品400は、可視スペクトルにわたって約10%〜40%の平均透過率を示す、高透過率デッドフロント物品である。このような実施形態では、不透明層500は、非ディスプレイ領域540を、見えないようにブロックする必要があり得る。
【0023】
デッドフロント物品400について概説したが、これから半透明黒色層460に注意を向ける。上述のように、実施形態では、半透明黒色層460はガラス層450上に印刷される。実施形態では、半透明黒色層460は、CMYKカラーモデルを用いて印刷される。半透明黒色層460の印刷に使用されるインクは、熱硬化性又はUV硬化性インクであってよい。
【0024】
特に、上記インクは、少なくとも1つ以上の着色剤と、担体とで構成される。着色剤は、担体に可溶性であっても不溶性であってもよい。実施形態では、着色剤は微粉末の形態の乾燥着色剤である。このような微粉末は、実施形態では10nm〜500nmのサイズの粒子を有してよい。CMYKカラーモデルを使用すると、着色剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、及び/又はキー(ブラック)の色を提供する。着色剤は、担体中に溶解又は懸濁される。
【0025】
担体は、インクが塗布される表面への接着を形成するためのバインダとして機能できる。更に、実施形態では、ガラス/プラスチック表面への接着を改善することを特に目的として、担体に添加剤を含める。着色剤のための担体の非限定的な例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルアセトアミド及びトルエンが挙げられる。一般に、このような担体は80℃〜200℃で固化する。実施形態では、0.5体積%〜6体積%の着色剤と、94体積%〜99.5体積%の担体とを含む。
【0026】
図6は、様々な厚さの半透明黒色層460が上に印刷された、デッドフロント400の小さなセクションの例を提供する。この実施形態では、半透明黒色層460は、黒色インク(3MACJET Technology, Co., Ltd.(中華民国台南市)から入手可能なKインク)のみを用いて印刷した。よって、図6のデッドフロント400の小さなセクションはそれぞれ、K値K50、K45、K40、K35、及びK30によって表される、異なる量の黒色インクを有する。K50デッドフロントは最も多量の黒色インクを有し、K30デッドフロントは最も少量の黒色インクを有する。デッドフロント400のこれらのセクションをコンピュータモニタ550上に配置して、デッドフロント400を通る光透過を実証した。図面から分かるように、モニタ550からの光の透過は、K値の増大に伴って減少している。しかしながら、Kインクは、短い波長に対してほど選択的に強い吸収率を有し、これにより、図6に示すように、透過画像の色は褐色がかったものとなる。
【0027】
従って、半透明黒色層460を、CMYKカラーモデルによる中程度の黒色を用いて印刷した。図7は、様々な色を生成するために使用されるCMYの相対的な量を含む、CMYKカラーモデルを示す。図7から分かるように、コンポジットブラックは、CMYのみを用いて生成できる。CMYKカラーモデルのリッチブラックは、まずCMY層を印刷し、その上に黒色(K)層を塗布することで生成される。よって、上述の実施形態のようなKインクのみとは対照的に、CMYKインク全てを使用する。様々なK値を有するデッドフロント400を製造し、これらのデッドフロント400の反射率Rを測定した。図8から分かるように、反射率Rは、ガラス層450及び半透明黒色層460両方からの反射率を含む。K20、K50、及びK100を有するデッドフロント400からの反射率Rを図9に示す。図面から分かるように、反射率Rは、400nm〜700nmの波長において比較的平坦である。K値=20%では、反射率Rは全体的に7%未満であり、この反射率の大半(およそ3.9%〜4%)はガラス層450からのものである。
【0028】
図10はCIE L*a*b*色空間を示す。L*は明度を表し、0から100まで変化し、L*=0が最も濃い黒色であり、L*=100が最も明るい白色である。a*軸は赤色(+a*)及び緑色(−a*)を表し、b*軸は黄色(+b*)及び青色(−b*)を表す。ここで、中程度の黒色に関して、a*値及びb*値を0に設定した(即ちa*=b*=0)。1つ以上の実施形態では、a*値及びb*値のうちの一方又は両方は、約−2〜約2となり得る。そして、明度L*値を0と100との間で変化させ、L*=20、L*=50、及びL*=100に関して反射率Rの測定値を得た。図11に示すように、反射率曲線はここでも、400nm〜700nmの波長において比較的平坦であった。更に、反射率のレベルは、L*の増大に伴って上昇した。
【0029】
図12は、様々なL*レベルの半透明黒色層460が上に印刷された複数のガラス層450の透過率を実証する。デッドフロント物品400が下層の紙をどの程度良好にぼかすかを観察するために、これらのデッドフロント物品400を、単語「Test」が印刷された紙の上に重ねた。図12の右下の隅から始めて、デッドフロント物品400を明度レベルL*=100で印刷したが、デッドフロント物品400は略完全に透明である。明度レベルを、下の行に沿って右から左へ、及び上の行に沿って右から左へ低下させると、デッドフロント物品400は、下層の紙をより強くぼかす。実施形態では、明度レベルL*は、デッドフロントに関して0〜40である。特定の実施形態では、明度レベルL*は5〜20である。
【0030】
様々なK値及びL*レベルを有するデッドフロント物品400の透過率を図13及び14に示す。まず図13を参照すると、特定のデッドフロントの透過率Tは、K値の上昇に伴って低下する。透過率曲線は、反射率曲線よりも多少大きく変動するものの、依然として可視スペクトル(即ち400nm〜700nmの波長)にわたって略平坦である。特定の実施形態では、K値は少なくとも50%となるように選択される。他の実施形態では、K値は少なくとも75%となるように選択される。
【0031】
ここで図14を参照すると、透過率Tが、明度レベルL*に基づいて示されている。図面から分かるように、透過率Tは、明度L*の上昇に伴って増大する。ここでもまた、透過率曲線は、反射率曲線よりも多少大きく変動するものの、依然として可視スペクトル(即ち400nm〜700nmの波長)にわたって略平坦である。更に、明度L*の低下に伴う透過率の下向きの軌跡に基づき、本発明者らは、明度レベルL*=5が、可視スペクトルにわたっておおよそ5%〜7%の透過率を有することになると推測している。
【0032】
ガラス層450上での半透明黒色層460の実際の堆積を示すために、一連の顕微鏡写真を図15A〜15Fで提供する。特に、明度レベルは、L*=5(図15A)、L*=10(図15B)、L*=30(図15C)、L*=50(図15D)、L*=80(図15E)、及びL*=90(図15F)に関して示されている。CYMKカラーモデルを用いて半透明黒色層460を印刷したため、シアン、マゼンタ、及びイエローの個々のドットを確認でき、その上にブラックのドットが印刷されている。CYMKカラーモデルは、Cを55°として設定した。図15E及び15Fから分かるように、個々のインクのドットのサイズを測定した。インクのドットは、幅およそ48μm及び長さおよそ74μmの楕円形であった。有利には、インクジェット印刷を使用すると、使用されるインクジェットノズルに応じてインクのドットのサイズを変化させることができる。更に、顔料担体の比率を増大させる、又はタイプを変更することによって、インクの粘度を制御できる。
【0033】
図16及び17は、スマートフォン600を覆うデッドフロント物品400を示す。これらの図のデッドフロント物品400は、L*<10であり、透過率は5%である。図16から分かるように、デッドフロント物品400は、デッドフロント物品400に覆われたスマートフォン600の部分を完全にぼかしている。図17に示すように、スマートフォン600のディスプレイを起動すると、ディスプレイはデッドフロント物品400を通して見ることができるようになるが、非ディスプレイ領域(例えば白色の境界線)はぼかされたままである。ある実施形態では、デッドフロント物品400は、OLEDディスプレイ等の超高輝度ディスプレイと共に使用される。更に、ディスプレイが輝度設定を有する場合、特定の実施形態では、輝度設定を最高輝度に設定する。
【0034】
有利には、基板450上に印刷された半透明黒色層460を有するデッドフロント物品400を形成するためにCMYKカラーモデルを用いることにより、デッドフロント物品400の反射率及び透過率特性をより良好に制御できる。特に、半透明黒色層の厚さ(一般に1μm〜5μm)及び黒色インク(Kインク、コンポジットブラック、又はリッチブラック)の印刷密度を用いて、デッドフロントを通って透過する光の量を制御できる。特に、CMYK印刷された半透明黒色層では、K値又はL*レベルの変更によって、パーセント透過率の比較的線形の制御が可能となる。更に、CMYKカラーモデルを用いて黒色を達成することにより、デッドフロントを調整して、スクリーンが非起動状態のときにディスプレイスクリーンを隠すための、低反射率、制御可能な透過、及び中程度の黒色を達成できる。更に、インクジェット印刷技術を用いると、連続した均一なコーティングを作製でき、また、スクリーン印刷等の他の印刷方法に比べて、インクジェット印刷を用いて達成される解像度ははるかに高い。
【0035】
図18〜22を参照すると、ガラスベースのデッドフロント物品に関する様々なサイズ、形状、曲率、ガラス材料等が、湾曲したガラスベースのデッドフロント物品を形成するための様々なプロセスと共に、図示及び説明されている。図18〜22は、説明を容易にするために、簡略化された湾曲デッドフロント物品2000の文脈で説明されるが、デッドフロント物品2000は、本明細書に記載のデッドフロントの実施形態のうちのいずれであってよいことを理解されたい。
【0036】
図18に示すように、1つ以上の実施形態では、デッドフロント物品2000は、少なくとも第1の曲率半径R1を有する湾曲外側ガラス基板2010を含み、様々な実施形態では、湾曲外側ガラス基板2010は、少なくとも1つの追加の曲率半径を有するガラス材料の複雑な湾曲シートである。様々な実施形態では、R1は約60mm〜約1500mmである。
【0037】
湾曲デッドフロント物品2000は、湾曲外側ガラス基板2010の内側の主面に沿って配置されたデッドフロント着色層2020(例えば上述のような1つ以上のインク/顔料層)を含む。一般に、木目状のデザイン、皮革のシボ状のデザイン、布地状のデザイン、ヘアライン仕上げの金属のデザイン、グラフィックのデザイン、ソリッドカラー、及び/又はロゴを提供するように、デッドフロント着色層2020の印刷、着色、成形等が行われる。湾曲デッドフロント2000はまた、上述のような追加の層2030(例えば高光密度層、導光体層、リフレクタ層、1つ以上のディスプレイモジュール、ディスプレイ積層体層、光源等)のうちのいずれ、又は本明細書に記載のディスプレイ又は車両内装システムに関連し得る他のものを含んでよい。
【0038】
以下で更に詳細に説明するように、様々な実施形態では、ガラス基板2010及び着色層2020を含む湾曲デッドフロント2000を、一体として、図18に示すような湾曲形状へと冷間形成してよい。いくつかの実施形態では、ガラス基板2010、着色層2020及び追加の層2030を含む湾曲デッドフロント2000を、一体として、図6に示すような湾曲形状へと冷間形成してよい。他の実施形態では、ガラス基板2010を湾曲形状に形成してよく、その後、層2020及び2030を湾曲の形成後に適用してよい。
【0039】
図19を参照すると、図18に示されている湾曲形状へと形成される前の外側ガラス基板2010が示されている。一般に、出願人は、本明細書に記載の物品及びプロセスが、過去に提供されていないサイズ、形状、組成、強度等のガラスを利用した、高品質のデッドフロント構造体を提供すると考えている。
【0040】
図19に示すように、外側ガラス基板2010は、第1の主面2050、及び第1の主面2050の反対側の第2の主面2060を有する。端面又は副面2070は第1の主面2050と第2の主面2060とを接続する。外側ガラス基板2010は略一定の厚さ(t)を有し、これは第1の主面2050と第2の主面2060との間の距離として定義される。いくつかの実施形態では、本明細書中で使用される厚さ(t)は、外側ガラス基板2010の最大厚さを指す。外側ガラス基板2010は、第1又は第2の主面のうちの一方の、厚さ(t)に対して垂直な第1の最大寸法として定義される幅(W)を含み、外側ガラス基板2010はまた、第1又は第2の主面のうちの一方の、厚さ及び幅の両方に対して垂直な第2の最大寸法として定義される長さ(L)を含む。他の実施形態では、本明細書に記載の寸法は平均寸法である。
【0041】
1つ以上の実施形態では、外側ガラス基板2010の厚さ(t)は0.05mm〜2mmである。様々な実施形態では、外側ガラス基板2010の厚さ(t)は約1.5mm以下である。例えば上記厚さは、約0.1mm〜約1.5mm、約0.15mm〜約1.5mm、約0.2mm〜約1.5mm、約0.25mm〜約1.5mm、約0.3mm〜約1.5mm、約0.35mm〜約1.5mm、約0.4mm〜約1.5mm、約0.45mm〜約1.5mm、約0.5mm〜約1.5mm、約0.55mm〜約1.5mm、約0.6mm〜約1.5mm、約0.65mm〜約1.5mm、約0.7mm〜約1.5mm、約0.1mm〜約1.4mm、約0.1mm〜約1.3mm、約0.1mm〜約1.2mm、約0.1mm〜約1.1mm、約0.1mm〜約1.05mm、約0.1mm〜約1mm、約0.1mm〜約0.95mm、約0.1mm〜約0.9mm、約0.1mm〜約0.85mm、約0.1mm〜約0.8mm、約0.1mm〜約0.75mm、約0.1mm〜約0.7mm、約0.1mm〜約0.65mm、約0.1mm〜約0.6mm、約0.1mm〜約0.55mm、約0.1mm〜約0.5mm、約0.1mm〜約0.4mm、又は約0.3mm〜約0.7mmであってよい。
【0042】
1つ以上の実施形態では、外側ガラス基板2010の幅(W)は、約5cm〜約250cm、約10cm〜約250cm、約15cm〜約250cm、約20cm〜約250cm、約25cm〜約250cm、約30cm〜約250cm、約35cm〜約250cm、約40cm〜約250cm、約45cm〜約250cm、約50cm〜約250cm、約55cm〜約250cm、約60cm〜約250cm、約65cm〜約250cm、約70cm〜約250cm、約75cm〜約250cm、約80cm〜約250cm、約85cm〜約250cm、約90cm〜約250cm、約95cm〜約250cm、約100cm〜約250cm、約110cm〜約250cm、約120cm〜約250cm、約130cm〜約250cm、約140cm〜約250cm、約150cm〜約250cm、約5cm〜約240cm、約5cm〜約230cm、約5cm〜約220cm、約5cm〜約210cm、約5cm〜約200cm、約5cm〜約190cm、約5cm〜約180cm、約5cm〜約170cm、約5cm〜約160cm、約5cm〜約150cm、約5cm〜約140cm、約5cm〜約130cm、約5cm〜約120cm、約5cm〜約110cm、約5cm〜約100cm、約5cm〜約90cm、約5cm〜約80cm、又は約5cm〜約75cmである。
【0043】
1つ以上の実施形態では、外側ガラス基板2010の長さ(L)は、約5cm〜約250cm、約10cm〜約250cm、約15cm〜約250cm、約20cm〜約250cm、約25cm〜約250cm、約30cm〜約250cm、約35cm〜約250cm、約40cm〜約250cm、約45cm〜約250cm、約50cm〜約250cm、約55cm〜約250cm、約60cm〜約250cm、約65cm〜約250cm、約70cm〜約250cm、約75cm〜約250cm、約80cm〜約250cm、約85cm〜約250cm、約90cm〜約250cm、約95cm〜約250cm、約100cm〜約250cm、約110cm〜約250cm、約120cm〜約250cm、約130cm〜約250cm、約140cm〜約250cm、約150cm〜約250cm、約5cm〜約240cm、約5cm〜約230cm、約5cm〜約220cm、約5cm〜約210cm、約5cm〜約200cm、約5cm〜約190cm、約5cm〜約180cm、約5cm〜約170cm、約5cm〜約160cm、約5cm〜約150cm、約5cm〜約140cm、約5cm〜約130cm、約5cm〜約120cm、約5cm〜約110cm、約5cm〜約100cm、約5cm〜約90cm、約5cm〜約80cm、又は約5cm〜約75cmである。
【0044】
図18に示すように、外側ガラス基板2010は、R1として示されている少なくとも1つの曲率半径を有する湾曲形状へと成形される。様々な実施形態では、外側ガラス基板2010は、冷間形成及び熱間形成を含むいずれの好適なプロセスによって、湾曲形状へと成形できる。
【0045】
具体的実施形態では、外側ガラス基板2010は、冷間形成プロセスによって、単独で、又は層2020及び2030の取り付けに続いて、図18に示されている湾曲形状へと成形される。本明細書中で使用される場合、用語「冷間曲げ(cold‐bent、cold‐bending)」、「冷間形成された(cold‐formed)」又は「冷間形成(cold‐forming)」は、ガラスデッドフロントを、(本明細書に記載の)ガラスの軟化点未満の冷間形成温度で湾曲させることを指す。冷間形成されたガラス基板の特徴は、第1の主面2050と第2の主面2060との間の非対称な表面圧縮応力である。いくつかの実施形態では、冷間形成プロセスの前又は冷間形成の前、第1の主面2050及び第2の主面2060それぞれの圧縮応力は略等しい。
【0046】
外側ガラス基板2010が強化されていないいくつかの実施形態では、第1の主面2050及び第2の主面2060は、冷間形成の前には明らかな圧縮応力を示さない。外側ガラス基板2010が(本明細書に記載されているように)強化されているいくつかの実施形態では、第1の主面2050及び第2の主面2060は、冷間形成の前に、互いに略等しい圧縮応力を示す。1つ以上の実施形態では、(例えば図18に示されている)冷間形成後、第2の主面2060(例えば曲げの後の凹状の表面)の圧縮応力が増大する(即ち第2の主面2050の圧縮応力は、冷間形成前よりも冷間形成後の方が大きい)。
【0047】
理論によって束縛されるものではないが、冷間形成プロセスは、成形されているガラス物品の圧縮応力を増大させることにより、曲げ及び/又は形成操作中に付与される引張応力を補償する。1つ以上の実施形態では、冷間形成プロセスにより第2の主面2060は圧縮応力を受けるが、第1の主面2050(例えば曲げの後の凸状の表面)は引張応力を受ける。表面2050が曲げの後に受ける引張応力は、表面圧縮応力の正味量の低減をもたらし、これにより、曲げの後の強化済みガラスシートの表面2050の圧縮応力は、ガラスシートが平坦であるときの表面2050の圧縮応力未満となる。
【0048】
更に、外側ガラス基板2010のために強化済みガラスシートを利用する場合、第1の主面及び第2の主面(2050、2060)は既に圧縮応力下であるため、第1の主面2050は曲げ中に、破断のおそれなしに、より強い引張応力を受けることができる。これにより、外側ガラス基板2010の強化済み実施形態は、よりきつい湾曲面に順応できる(例えば比較的小さなR1値を有するように成形できる)。
【0049】
様々な実施形態では、外側ガラス基板2010の厚さを調整して、外側ガラス基板2010を比較的柔軟にし、所望の曲率半径を達成する。更に、外側ガラス基板2010は薄いほど容易に変形でき、これは、(以下に記載するような)支持体又はフレームの形状によって生成され得る形状の不一致及び間隙を補償できる可能性がある。1つ以上の実施形態では、薄い強化済み外側ガラス基板2010は、特に冷間形成中に、比較的高い可撓性を示す。本明細書に記載のガラス物品の比較的高い可撓性により、加熱を行わずに均質な曲げを形成できる。
【0050】
様々な実施形態では、外側ガラス基板2010(従ってデッドフロント2000)は、主半径及び交差曲率を含む複合湾曲を有してよい。複雑に湾曲した冷間形成済み外側ガラス基板2010は、2つの独立した方向において別個の曲率半径を有し得る。よって、1つ以上の実施形態によると、複雑に湾曲した冷間形成済み外側ガラス基板2010は、「交差曲率(cross curvature)」を有するものとして特性決定でき、ここで、冷間形成済み外側ガラス基板2010は、所与の寸法に対して平行な軸(即ち第1の軸)に沿って湾曲し、また該寸法に対して垂直な軸(即ち第2の軸)に沿っても湾曲する。冷間形成済み外側ガラス基板2010の曲率は、かなりの最小半径がかなりの交差曲率及び/又は曲げの深さと組み合わされた場合に、更に複雑になり得る。
【0051】
図20を参照すると、ある例示的実施形態によるディスプレイ組立体2100が示されている。図示されている実施形態では、ディスプレイ組立体2100は、ディスプレイモジュール2120として示されている光源とデッドフロント構造体2000との両方を(直接的又は間接的に)支持する、フレーム2110を含む。図20に示すように、デッドフロント構造体2000及びディスプレイモジュール2120はフレーム2110に連結され、ディスプレイモジュール2120は、ディスプレイモジュール2120が生成した光、画像等をユーザがデッドフロント構造体2000を通して視認できるように位置決めされる。様々な実施形態では、フレーム2110は、プラスチック(PC/ABS等)、金属(Al合金、Mg合金、Fe合金等)といった多様な材料から形成してよい。鋳造、機械加工、打ち抜き加工、射出成形等の様々なプロセスを利用して、フレーム2110の湾曲形状を形成してよい。図20はディスプレイモジュールの形態の光源を示しているが、ディスプレイ組立体2100は、グラフィック、アイコン、画像、ディスプレイ等を、本明細書に記載のデッドフロント実施形態のうちのいずれを通して生成するための、本明細書に記載の光源のうちのいずれを含んでよいことを理解されたい。更に、フレーム2110はディスプレイ組立体に関連付けられたフレームとして示されているが、フレーム2110は、車両内装システムに関連付けられたいずれの支持体又はフレーム構造体であってよい。
【0052】
様々な実施形態では、本明細書に記載のシステム及び方法により、フレーム2110が有し得る広範な湾曲形状に一致するような、デッドフロント構造体2000の形成が可能となる。図20に示すように、フレーム2110は、湾曲形状を有する支持面2130を有し、デッドフロント構造体2000は、支持面2130の湾曲形状に適合するように成形される。理解されるように、デッドフロント構造体2000は、ディスプレイ組立体2100の所望のフレーム形状に一致するような、広範な形状に成形でき、またディスプレイ組立体2100は、本明細書に記載されているように、車両内装システムの一部の形状にフィットするように成形できる。
【0053】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント構造体2000(及び具体的には外側ガラス基板2010)は、約60mm以上の第1の曲率半径R1を有するように成形される。例えばR1は、約60mm〜約1500mm、約70mm〜約1500mm、約80mm〜約1500mm、約90mm〜約1500mm、約100mm〜約1500mm、約120mm〜約1500mm、約140mm〜約1500mm、約150mm〜約1500mm、約160mm〜約1500mm、約180mm〜約1500mm、約200mm〜約1500mm、約220mm〜約1500mm、約240mm〜約1500mm、約250mm〜約1500mm、約260mm〜約1500mm、約270mm〜約1500mm、約280mm〜約1500mm、約290mm〜約1500mm、約300mm〜約1500mm、約350mm〜約1500mm、約400mm〜約1500mm、約450mm〜約1500mm、約500mm〜約1500mm、約550mm〜約1500mm、約600mm〜約1500mm、約650mm〜約1500mm、約700mm〜約1500mm、約750mm〜約1500mm、約800mm〜約1500mm、約900mm〜約1500mm、約9500mm〜約1500mm、約1000mm〜約1500mm、約1250mm〜約1500mm、約60mm〜約1400mm、約60mm〜約1300mm、約60mm〜約1200mm、約60mm〜約1100mm、約60mm〜約1000mm、約60mm〜約950mm、約60mm〜約900mm、約60mm〜約850mm、約60mm〜約800mm、約60mm〜約750mm、約60mm〜約700mm、約60mm〜約650mm、約60mm〜約600mm、約60mm〜約550mm、約60mm〜約500mm、約60mm〜約450mm、約60mm〜約400mm、約60mm〜約350mm、約60mm〜約300mm、又は約60mm〜約250mmであってよい。
【0054】
1つ以上の実施形態では、支持面2130は、約60mm以上の第2の曲率半径を有する。例えば、支持面2130の第2の曲率半径は、約60mm〜約1500mm、約70mm〜約1500mm、約80mm〜約1500mm、約90mm〜約1500mm、約100mm〜約1500mm、約120mm〜約1500mm、約140mm〜約1500mm、約150mm〜約1500mm、約160mm〜約1500mm、約180mm〜約1500mm、約200mm〜約1500mm、約220mm〜約1500mm、約240mm〜約1500mm、約250mm〜約1500mm、約260mm〜約1500mm、約270mm〜約1500mm、約280mm〜約1500mm、約290mm〜約1500mm、約300mm〜約1500mm、約350mm〜約1500mm、約400mm〜約1500mm、約450mm〜約1500mm、約500mm〜約1500mm、約550mm〜約1500mm、約600mm〜約1500mm、約650mm〜約1500mm、約700mm〜約1500mm、約750mm〜約1500mm、約800mm〜約1500mm、約900mm〜約1500mm、約9500mm〜約1500mm、約1000mm〜約1500mm、約1250mm〜約1500mm、約60mm〜約1400mm、約60mm〜約1300mm、約60mm〜約1200mm、約60mm〜約1100mm、約60mm〜約1000mm、約60mm〜約950mm、約60mm〜約900mm、約60mm〜約850mm、約60mm〜約800mm、約60mm〜約750mm、約60mm〜約700mm、約60mm〜約650mm、約60mm〜約600mm、約60mm〜約550mm、約60mm〜約500mm、約60mm〜約450mm、約60mm〜約400mm、約60mm〜約350mm、約60mm〜約300mm、又は約60mm〜約250mmであってよい。
【0055】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント構造体2000は、フレーム2110の支持面2130の第2の曲率半径の10%以内(例えば約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、又は約5%以下)の第1の曲率半径R1を示すように、冷間形成される。例えば、フレーム2110の支持面2130は、1000mmの曲率半径を示し、デッドフロント構造体2000は、約900mm〜約1100mmの曲率半径を有するように冷間形成される。
【0056】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板2010の第1の主面2050及び/又は第2の主面2060は、本明細書に記載されるような機能性コーティング層を含む。上記機能性コーティング層は、第1の主面2050及び/又は第2の主面2060の少なくとも一部分を覆ってよい。例示的な機能性コーティングは、眩しさ軽減コーティング又は表面、防眩性コーティング又は表面、耐擦傷性コーティング、反射防止コーティング、ハーフミラーコーティング、及び清掃が容易なコーティングのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0057】
図21を参照すると、デッドフロント物品2000等の冷間形成されたデッドフロント物品を含むディスプレイ組立体を形成するための方法2200が示されている。ステップ2210では、上記方法は、デッドフロント構造体2000等のデッドフロント物品を、支持体の湾曲面に対して湾曲させるステップを含む。一般に、湾曲支持体は、車両ディスプレイの外周及び湾曲形状を画定する、フレーム2110等のディスプレイのフレームであってよい。一般に、フレームは湾曲支持面を含み、デッドフロント物品2000の主面2050及び2060のうちの1つは、湾曲支持面に接触するように配置される。
【0058】
ステップ2220では、上記方法は、湾曲デッドフロント物品を支持体に固定して、デッドフロント物品を、支持体の湾曲面に一致するように曲げる(又は一致させる)ステップを含む。このようにして、図18に示すようなデッドフロント物品2000が、概ね平坦なデッドフロント物品から湾曲デッドフロント物品へと形成される。この構成では、平坦なデッドフロント物品を湾曲させることにより、支持体に面した主面に湾曲形状を形成しながら、フレームの反対側の主面にも対応する(ただし相補的な)湾曲を形成する。出願人は、デッドフロント物品を湾曲フレーム上で直接曲げることによって、(他のガラス曲げプロセスでは典型的には必要である)別個の湾曲ダイ又は鋳型が必要なくなると考えている。更に、出願人は、デッドフロントを湾曲フレーム上で直接成形することによって、複雑度が低い製造プロセスで広範な湾曲半径を達成できると考えている。
【0059】
いくつかの実施形態では、ステップ2210及び/又はステップ2220で印加される力は、真空設備によって印加される空気圧であってよい。他のいくつかの実施形態では、フレーム及びデッドフロント物品を取り囲む気密エンクロージャに真空を印加することによって、空気圧差分を形成する。具体的実施形態では、気密エンクロージャは、プラスチックバッグ又はパウチ等の可撓性ポリマーシェルである。他の実施形態では、オートクレーブ等の過圧デバイスを用いてデッドフロント物品及びフレームの周りに上昇した空気圧を生成することによって、空気圧差分を形成する。出願人は更に、空気圧が(接触ベースの曲げ方法に比べて)均質で極めて均一な曲げ力を提供し、これが更にロバストな製造プロセスにつながることを発見した。様々な実施形態では、空気圧差分は0.5〜1.5大気圧(atm)、具体的には0.7〜1.1atm、より具体的には0.8〜1atmである。
【0060】
ステップ2230では、ステップ2210及び2220の間、デッドフロント物品の温度を、外側ガラス基板の材料のガラス転移温度未満に維持する。従って方法2200は冷間形成又は冷間曲げプロセスである。特定の実施形態では、デッドフロント物品の温度は500℃、400℃、300℃、200℃、又は100℃未満に維持される。ある特定の実施形態では、曲げの間、デッドフロント構造体は室温以下に維持される。ある特定の実施形態では、デッドフロント物品は、曲げの間、ガラスを湾曲形状へと熱間形成する場合のように、加熱素子、炉、オーブンによって能動的に加熱されない。
【0061】
上述のように、コストが高い及び/又は時間がかかる加熱ステップを排除すること等の加工上の利点を提供することに加えて、本明細書に記載の冷間形成プロセスは、熱間形成プロセスによって達成できるものより優れていると考えられる多様な特性を有する湾曲デッドフロント物品を生成すると考えられる。例えば出願人は、少なくともいくつかのガラス材料に関して、熱間形成プロセス中の加熱が、湾曲ガラス基板の光学特性を低下させるため、本明細書に記載の冷間曲げプロセス/システムを利用して形成された湾曲ガラスベースのデッドフロント物品は、湾曲ガラス形状と、熱間曲げプロセスによって達成できるとは考えられない改善された光学品質との両方を提供すると考えている。
【0062】
更に、様々なコーティング及び層のために使用される多くの材料(例えば防眩性コーティング、反射防止コーティング等)を、典型的には湾曲面上へのコーティングに適していないスパッタリングプロセス等の堆積プロセスによって適用する。更に、デッドフロントインク/顔料材料等の多くのコーティング材料は、熱間曲げプロセスに関連する高温に耐えることもできる。よって、本明細書に記載の特定の実施形態では、層2020を冷間曲げの前に外側ガラス基板2010に適用する。よって出願人は、本明細書に記載のプロセス及びシステムによって、典型的な熱間形成プロセスとは対照的に、1つ以上のコーティング材料をガラスに適用した後でガラスを曲げることができると考えている。
【0063】
ステップ2240では、湾曲デッドフロント物品を湾曲支持体に取り付ける、又は固定する。様々な実施形態では、湾曲デッドフロント物品と湾曲支持体との間の取り付けは、接着材料によって達成できる。このような接着剤としては、デッドフロント物品をディスプレイ組立体に対して(例えばディスプレイのフレームに対して)所定の位置に接着するための、いずれの好適な光学的に透明の接着剤が挙げられる。一例では、接着剤として、3M Corporationから商標名8215として入手できる、光学的に透明の接着剤が挙げられる。接着剤の厚さは、約200μm〜約500μmであってよい。
【0064】
接着材料は、多様な方法で塗布できる。一実施形態では、アプリケータガンを用いて接着剤を塗布し、ローラ又はドローダウンダイを用いて均一にする。様々な実施形態では、本明細書に記載の接着剤は構造接着剤である。特定の実施形態では、構造接着剤としては、以下のカテゴリのうちの1つ以上から選択される接着剤が挙げられる:(a)強化エポキシ(Masterbond EP21TDCHT‐LO、3M Scotch Weld Epoxy DP460オフホワイト);(b)可撓性エポキシ(Masterbond EP21TDC‐2LO、3M Scotch Weld Epoxy 2216 B/Aグレー);(c)アクリル(LORD Adhesive 410/Accelerator 19 w/ LORD AP 134プライマ、LORD Adhesive 852/LORD Accelerator 25GB、Loctite HF8000、Loctite AA4800);(d)ウレタン(3M Scotch Weld Urethane DP640ブラウン);及び(e)シリコーン(Dow Corning 995)。場合によっては、シート状のフォーマットで入手できる構造接着剤(例えばBステージエポキシ接着剤)を利用してよい。更に、3M VHBテープ等の感圧構造接着剤を利用してよい。このような実施形態では、感圧接着剤の利用により、硬化ステップを必要とすることなく、湾曲デッドフロント物品をフレームに接着できる。
【0065】
1つ以上の実施形態では、本方法は、湾曲デッドフロントをディスプレイに固定するステップ2240を含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、ステップ2210の前にディスプレイをデッドフロント物品に固定するステップ、並びにステップ2210においてディスプレイ及びデッドフロント物品の両方を湾曲させるステップを含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、湾曲ディスプレイを車両内装システム100、200、300内に配置する、又は組み付けるステップを含む。
【0066】
図22を参照すると、湾曲デッドフロント物品を利用したディスプレイを形成するための方法2300が図示及び説明されている。いくつかの実施形態では、ステップ2310において、デッドフロント物品のガラス基板(例えば外側ガラス基板2010)を湾曲形状へと形成する。ステップ2310での成形は、冷間形成又は熱間形成であってよい。ステップ2320では、1つ以上のデッドフロントインク/顔料層(例えば層2020)を成形後のガラス基板に適用して、湾曲デッドフロント物品を提供する。次にステップ2330では、湾曲デッドフロント物品を、ディスプレイ組立体2100のフレーム2110、又は車両内装システムに関連付けることができる他のフレームといったフレームに取り付ける。
【0067】
基板材料
本明細書に記載のデッドフロント構造体の様々なガラス基板、例えば外側ガラス基板2010は、ポリマー(例えばPMMA、ポリカーボネート等)又はガラスといったいずれの透明材料から形成してよい。好適なガラス組成物としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、ボロアルミノシリケートガラス、アルカリ含有アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ボロシリケートガラス、及びアルカリ含有ボロアルミノシリケートガラスが挙げられる。
【0068】
特段の指定がない限り、本明細書で開示されているガラス組成物は、酸化物ベースで分析したモルパーセント(モル%)で記述される。
【0069】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約66モル%〜約80モル%、約67モル%〜約80モル%、約68モル%〜約80モル%、約69モル%〜約80モル%、約70モル%〜約80モル%、約72モル%〜約80モル%、約65モル%〜約78モル%、約65モル%〜約76モル%、約65モル%〜約75モル%、約65モル%〜約74モル%、約65モル%〜約72モル%、又は約65モル%〜約70モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のSiOを含んでよい。
【0070】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約4モル%超、又は約5モル%超のAlを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約7モル%超かつ約15モル%まで、約7モル%超かつ約14モル%まで、約7モル%〜約13モル%、約4モル%〜約12モル%、約7モル%〜約11モル%、約8モル%〜約15モル%、9モル%〜約15モル%、約9モル%〜約15モル%、約10モル%〜約15モル%、約11モル%〜約15モル%、又は約12モル%〜約15モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のAlを含む。1つ以上の実施形態では、Alの上限は約14モル%、14.2モル%、14.4モル%、14.6モル%、又は14.8モル%であってよい。
【0071】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のガラス層は、アルミノシリケートガラス物品として、又はアルミノシリケートガラス組成物を含むものとして記載される。このような実施形態では、ガラス組成物又はガラス組成物から形成された物品は、SiO及びAlを含み、ソーダライムシリケートガラスではない。これに関して、ガラス組成物又はガラス組成物から形成された物品は、約2モル%以上、2.25モル%以上、2.5モル%以上、約2.75モル%以上、約3モル%以上のAlを含む。
【0072】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はB(例えば約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%〜約5モル%、約0モル%〜約4モル%、約0モル%〜約3モル%、約0モル%〜約2モル%、約0モル%〜約1モル%、約0モル%〜約0.5モル%、約0.1モル%〜約5モル%、約0.1モル%〜約4モル%、約0.1モル%〜約3モル%、約0.1モル%〜約2モル%、約0.1モル%〜約1モル%、約0.1モル%〜約0.5モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のBを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はBを略含まない。
【0073】
本明細書中で使用される場合、組成物の成分に関する句「略含まない(substantially free)」は、該成分が、初期バッチ生成中に能動的又は意図的に該組成物に添加されないものの、不純物として約0.001モル%未満の量で存在し得ることを意味する。
【0074】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は任意にP(例えば約0.01モル%以上)を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、2モル%以下、1.5モル%以下、1モル%以下、又は0.5モル%以下の、ゼロでない量のPを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はPを略含まない。
【0075】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上のROの総量(これは、LiO、NaO、KO、RbO、及びCsOといったアルカリ金属酸化物の総量である)を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%〜約20モル%、約8モル%〜約18モル%、約8モル%〜約16モル%、約8モル%〜約14モル%、約8モル%〜約12モル%、約9モル%〜約20モル%、約10モル%〜約20モル%、約11モル%〜約20モル%、約12モル%〜約20モル%、約13モル%〜約20モル%、約10モル%〜約14モル%、又は11モル%〜約13モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の、ROの総量を含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、RbO、CsO、又はRbO及びCsOの両方を略含まなくてよい。1つ以上の実施形態では、ROは、LiO、NaO、及びKOだけの総量を含んでよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、LiO、NaO、及びKOから選択された少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含んでよく、ここで該アルカリ金属酸化物は、約8モル%以上の量で存在する。
【0076】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上のNaOを含む。1つ以上の実施形態では、上記組成物は、約8モル%〜約20モル%、約8モル%〜約18モル%、約8モル%〜約16モル%、約8モル%〜約14モル%、約8モル%〜約12モル%、約9モル%〜約20モル%、約10モル%〜約20モル%、約11モル%〜約20モル%、約12モル%〜約20モル%、約13モル%〜約20モル%、約10モル%〜約14モル%、又は11モル%〜約16モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のNaOを含む。
【0077】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約4モル%未満のKO、約3モル%未満のKO、又は約1モル%未満のKOを含む。いくつかの例では、ガラス組成物は、約0モル%〜約4モル%、約0モル%〜約3.5モル%、約0モル%〜約3モル%、約0モル%〜約2.5モル%、約0モル%〜約2モル%、約0モル%〜約1.5モル%、約0モル%〜約1モル%、約0モル%〜約0.5モル%、約0モル%〜約0.2モル%、約0モル%〜約0.1モル%、約0.5モル%〜約4モル%、約0.5モル%〜約3.5モル%、約0.5モル%〜約3モル%、約0.5モル%〜約2.5モル%、約0.5モル%〜約2モル%、約0.5モル%〜約1.5モル%、又は約0.5モル%〜約1モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のKOを含んでよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はKOを略含まなくてよい。
【0078】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はLiOを略含まない。
【0079】
1つ以上の実施形態では、上記組成物中のNaOの量は、LiOの量より多くてよい。いくつかの例では、NaOの量は、LiO及びKOの合計量より多くてよい。1つ以上の代替実施形態では、上記組成物中のLiOの量は、NaOの量、又はNaO及びKOの合計量より多くてよい。
【0080】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%〜約2モル%の、ROの総量(これはCaO、MgO、BaO、ZnO、及びSrO等のアルカリ土類金属酸化物の総量である)を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約2モル%以下のゼロではない量のROを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%〜約1.8モル%、約0モル%〜約1.6モル%、約0モル%〜約1.5モル%、約0モル%〜約1.4モル%、約0モル%〜約1.2モル%、約0モル%〜約1モル%、約0モル%〜約0.8モル%、約0モル%〜約0.5モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のROを含む。
【0081】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約1モル%未満、約0.8モル%未満、又は約0.5モル%未満のCaOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はCaOを略含まない。
【0082】
いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、約0モル%〜約7モル%、約0モル%〜約6モル%、約0モル%〜約5モル%、約0モル%〜約4モル%、約0.1モル%〜約7モル%、約0.1モル%〜約6モル%、約0.1モル%〜約5モル%、約0.1モル%〜約4モル%、約1モル%〜約7モル%、約2モル%〜約6モル%、又は約3モル%〜約6モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内の量のMgOを含む。
【0083】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のZrOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%〜約0.2モル%、約0.01モル%〜約0.18モル%、約0.01モル%〜約0.16モル%、約0.01モル%〜約0.15モル%、約0.01モル%〜約0.14モル%、約0.01モル%〜約0.12モル%、又は約0.01モル%〜約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のZrOを含む。
【0084】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のSnOを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%〜約0.2モル%、約0.01モル%〜約0.18モル%、約0.01モル%〜約0.16モル%、約0.01モル%〜約0.15モル%、約0.01モル%〜約0.14モル%、約0.01モル%〜約0.12モル%、又は約0.01モル%〜約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のSnOを含む。
【0085】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ガラス物品に色又は色合いを付与する酸化物を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラス組成物は、ガラス物品を紫外線照射に暴露したときにガラス物品の脱色を防止する酸化物を含む。このような酸化物の例としては、限定するものではないが、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、W、及びMoの酸化物が挙げられる。
【0086】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Feとして表されるFeを含み、ここでFeは、約1モル%以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、ガラス組成物はFeを略含まない。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満のFeを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%〜約0.2モル%、約0.01モル%〜約0.18モル%、約0.01モル%〜約0.16モル%、約0.01モル%〜約0.15モル%、約0.01モル%〜約0.14モル%、約0.01モル%〜約0.12モル%、又は約0.01モル%〜約0.10モル%、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内のFeを含む。
【0087】
ガラス組成物がTiOを含む場合、TiOは、約5モル%以下、約2.5モル%以下、約2モル%以下、又は約1モル%以下の量で存在してよい。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はTiOを略含まなくてよい。
【0088】
ある例示的なガラス組成物は、約65モル%〜約75モル%のSiO、約8モル%〜約14モル%のAl、約12モル%〜約17モル%のNaO、約0モル%〜約0.2モル%のKO、及び約1.5モル%〜約6モル%のMgOを含む。任意に、SnOは、本明細書の他の箇所で開示されている量で含まれていてよい。
【0089】
強化基板
1つ以上の実施形態では、基板は、本明細書に記載のデッドフロント物品の実施形態のうちのいずれの(外側ガラス基板2010又は他のガラス基板等の)ガラス材料を含む。1つ以上の実施形態では、このようなガラス基板は強化されていてよい。1つ以上の実施形態では、本明細書に記載のデッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板は、表面からある圧縮深さ(DOC)まで延在する圧縮応力を含むように強化してよい。圧縮応力領域は、引張応力を呈する中央部分によってバランスが取られている。DOCでは、応力が正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へと移行する。
【0090】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載のデッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板は、ガラスの複数の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して機械的に強化でき、これにより圧縮応力領域と、引張応力を呈する中央領域とを生成する。いくつかの実施形態では、ガラス基板は、ガラス転移温度を超える温度までガラスを加熱した後急速に冷却することによって、熱的に強化できる。
【0091】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載のデッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板は、イオン交換によって化学強化できる。イオン交換プロセスでは、ガラス基板の表面又はその付近のイオンを、価数又は酸化状態が同一の、比較的大きなイオンで置換(即ち交換)する。ガラス基板がアルカリアルミノシリケートガラスを含む実施形態では、物品の表面層のイオン、及び比較的大きなイオンは、1価のアルカリ金属陽イオン、例えばLi、Na、K、Rb、及びCsである。あるいは、表面層の1価陽イオンを、Ag等の、アルカリ金属陽イオン以外の1価陽イオンで置換してよい。このような実施形態では、交換によってガラス基板内に入る1価イオン(又は陽イオン)が応力を生成する。
【0092】
イオン交換プロセスは典型的には、ガラス基板中の比較的小さなイオンと交換されることになる比較的大きなイオンを含有する溶融塩浴(又は2つ以上の溶融塩浴)中にガラス基板を浸漬することによって実施される。なお、水性溶融塩浴も利用してよい。更に、1つ以上の浴の組成は、2つ以上のタイプの比較的大きなイオン(例えばNa及びK)を含んでいても、又は単一の比較的大きなイオンを含んでいてもよい。浴の組成及び温度、浸漬時間、1つ以上の塩浴中に浸漬するガラス基板の個数、複数の塩浴の使用、アニーリングや洗浄等の追加のステップを含むがこれらに限定されない、イオン交換プロセスに関するパラメータは、一般に、デッドフロント構造体の1つ以上のガラス層の組成(上記物品及び存在するいずれの結晶相の構造を含む)、並びに強化によって得られるデッドフロント構造体の1つ以上のガラス層の所望のDOC及びCSによって決定されることは、当業者には理解されるだろう。
【0093】
例示的な溶融塩浴の組成は、比較的大きなアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、及び塩酸塩を含んでよい。典型的な硝酸塩としては、KNO、NaNO、LiNO、NaSO、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融塩浴の温度は、典型的には約380℃〜約450℃であり、浸漬時間は、ガラスの厚さ、浴の温度、及びガラス(又は1価イオン)の拡散性に応じて約15分〜約100時間である。しかしながら、上述のものとは異なる温度及び浸漬時間も使用可能である。
【0094】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板を、約370℃〜約480℃の、100%のNaNO、100%のKNO、又はNaNOとKNOとの組み合わせの溶融塩浴に浸漬してよい。いくつかの実施形態では、デッドフロント構造体の1つ以上のガラス層を、約5%〜約90%のKNO及び約10%〜約95%のNaNOを含む溶融混合塩浴に浸漬してよい。1つ以上の実施形態では、ガラス基板を、第1の浴に浸漬した後で第2の浴に浸漬してよい。第1及び第2の浴は、互いに異なる組成及び/又は温度を有してよい。第1及び第2の塩浴中での浸漬時間は様々であってよい。例えば、第1の浴中での浸漬は、第2の浴中での浸漬より長くてよい。
【0095】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板を、温度が約420℃未満(例えば約400℃又は約380℃)の、NaNO及びKNO(例えば49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、又は約4時間以下にわたって浸漬してよい。
【0096】
イオン交換条件を調整することにより、結果として得られるデッドフロント構造体の1つ以上のガラス層の表面又はその付近の応力プロファイルの「スパイク(spike)」を提供する、又は勾配を増大させることができる。スパイクは、より高いCS値をもたらすことができる。このスパイクは、本明細書に記載のデッドフロント構造体の1つ以上のガラス層に使用されるガラス組成物の独特な特性により、単一の浴又は複数の浴によって達成でき、ここで上記1つ以上の浴は単一の組成又は混合組成を有する。
【0097】
デッドフロント物品を形成するために使用されるガラス基板内に、2つ以上の1価イオンが交換によって入る1つ以上の実施形態では、異なる複数の1価イオンを、ガラス基板内の異なる複数の深さまで交換してよい(そして、ガラス基板内の異なる複数の深さにおいて異なる複数の大きさの応力を生成してよい)。その結果として、複数の応力生成イオンの相対的な深さを決定して、異なる複数の応力プロファイルの特徴を得ることができる。
【0098】
CSは、株式会社折原製作所(日本)製のFSM‐6000等の市販の機器を用いた表面応力測定(FSM)によるもの等の、当該技術分野で公知の手段を用いて測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光係数(stress optical coefficient:SOC)の精密測定に依存する。SOCは、「ガラスの応力光係数の測定のための標準試験法(Standard Test Method for Measurement of ガラス Stress‐Optical Coefficient)」というタイトルのASTM規格C770‐98(2013)(その内容は、参照によりその全体が本出願に援用される)に記載されるファイバ法及び4点曲げ法、並びにバルクシリンダ法によって測定される。本明細書中で使用される場合、CSは、圧縮応力層内で測定された最高圧縮応力値である「最大圧縮応力(maximum compressive stress)」であってよい。いくつかの実施形態では、最大圧縮応力は、ガラス基板の表面に位置する。他の実施形態では、最大圧縮応力は、表面下の深さにおいて発生してもよく、これにより圧縮応力は「埋没したピーク(buried peak)」のようになる。
【0099】
DOCは、強化方法及び条件に応じて、FSMで、又は散乱光偏向鏡(SCALP)(エストニアのタリンにあるGlasstress Ltdから入手可能なSCALP‐04散乱光偏光器等)で測定してよい。ガラス基板をイオン交換処理によって化学強化する場合、どのイオンが交換によってガラス基板内に入るかに応じて、FSM又はSCALPを用いてよい。ガラス基板内の応力が、ガラス基板内へのカリウムイオンの交換によって生成される場合は、FSMを用いてDOCを測定する。上記応力が、ガラス基板内へのナトリウムイオンの交換によって生成される場合は、SCALPを用いてDOCを測定する。ガラス基板内の応力が、ガラス内へのカリウム及びナトリウム両方のイオンの交換によって生成される場合は、ナトリウムイオンの交換深さがDOCを示し、カリウムイオンの交換深さが圧縮応力の大きさの変化(ただし圧縮応力から引張応力への応力の変化ではない)を示すと考えられるため、DOCはSCALPで測定され、上記ガラス基板内でのカリウムイオンの交換深さはFSMで測定される。中心張力又はCTは最大引張応力であり、SCALPで測定される。
【0100】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント構造体の1つ以上の層を形成するために使用されるガラス基板は、(本明細書に記載されているように)上記ガラス基板の厚さtの小部分として記載されるDOCを呈するよう強化してよい。例えば、1つ以上の実施形態では、DOCは、約0.05t以上、約0.1t以上、約0.11t以上、約0.12t以上、約0.13t以上、約0.14t以上、約0.15t以上、約0.16t以上、約0.17t以上、約0.18t以上、約0.19t以上、約0.2t以上、約0.21t以上であってよい。いくつかの実施形態では、DOCは、約0.08t〜約0.25t、約0.09t〜約0.25t、約0.18t〜約0.25t、約0.11t〜約0.25t、約0.12t〜約0.25t、約0.13t〜約0.25t、約0.14t〜約0.25t、約0.15t〜約0.25t、約0.08t〜約0.24t、約0.08t〜約0.23t、約0.08t〜約0.22t、約0.08t〜約0.21t、約0.08t〜約0.2t、約0.08t〜約0.19t、約0.08t〜約0.18t、約0.08t〜約0.17t、約0.08t〜約0.16t、又は約0.08t〜約0.15tであってよい。いくつかの例では、DOCは、約20μm以下であってよい。1つ以上の実施形態では、DOCは、約40μm以上(例えば約40μm〜約300μm、約50μm〜約300μm、約60μm〜約300μm、約70μm〜約300μm、約80μm〜約300μm、約90μm〜約300μm、約100μm〜約300μm、約110μm〜約300μm、約120μm〜約300μm、約140μm〜約300μm、約150μm〜約300μm、約40μm〜約290μm、約40μm〜約280μm、約40μm〜約260μm、約40μm〜約250μm、約40μm〜約240μm、約40μm〜約230μm、約40μm〜約220μm、約40μm〜約210μm、約40μm〜約200μm、約40μm〜約180μm、約40μm〜約160μm、約40μm〜約150μm、約40μm〜約140μm、約40μm〜約130μm、約40μm〜約120μm、約40μm〜約110μm、又は約40μm〜約100μm)であってよい。
【0101】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント構造体の1つ以上の層を形成するために使用されるガラス基板は、200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約900MPa以上、約930MPa以上、約1000MPa以上、又は約1050MPa以上のCS(これはガラス基板の表面又はある深さにおいて認められ得る)を有してよい。
【0102】
1つ以上の実施形態では、デッドフロント構造体の1つ以上の層を形成するために使用されるガラス基板は、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約45MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約75MPa以上、約80MPa以上、又は約85MPa以上の最大引張応力又は中心張力(CT)を有してよい。いくつかの実施形態では、上記最大引張応力又は中心張力(CT)は、約40MPa〜約100MPaであってよい。
【0103】
本開示の態様(1)は、ディスプレイ用のデッドフロント物品であって、上記デッドフロント物品は:ガラス層の視聴者側の第1の表面と、上記第1の表面の反対側の第2の表面とを備える、基板;及び上記基板の上記第2の表面の少なくとも第1の部分上に配置された、半透明黒色層を備え、上記半透明黒色層は、上記ディスプレイが非起動状態のときに上記ディスプレイをぼかし、上記ディスプレイが起動状態のときに上記ディスプレイの視聴を可能とするよう構成される、デッドフロント物品に関する。
【0104】
本開示の態様(2)は、上記半透明黒色層が、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで、上記ガラス層の上記第2の表面上に印刷される、態様(1)のデッドフロント物品に関する。
【0105】
本開示の態様(3)は、上記半透明黒色層が、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを混合することによって生成されたリッチブラックである、態様(2)のデッドフロント物品に関する。
【0106】
本開示の態様(4)は、黒色のレベルが少なくとも50%である、態様(3)のデッドフロント物品に関する。
【0107】
本開示の態様(5)は、上記半透明黒色層が、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、及びイエローを混合することによって生成されたコンポジットブラックである、態様(2)のデッドフロント物品に関する。
【0108】
本開示の態様(6)は、上記半透明黒色層がCIE L*a*b*色空間に従った中程度の黒色であり、a*及びb*のうちの一方又は両方が約−2〜約2である、態様(1)〜(5)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0109】
本開示の態様(7)は、L*が0〜40である、態様(6)のデッドフロント物品に関する。
【0110】
本開示の態様(8)は、L*が5〜20である、態様(7)のデッドフロント物品に関する。
【0111】
本開示の態様(9)は、上記基板と上記半透明黒色層との組み合わせが、約400nm〜約700nmの波長範囲にわたって、約1〜約40%の平均透過率を備える、態様(1)〜(8)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0112】
本開示の態様(10)は、上記半透明黒色層の平均厚さが最大5μmである、態様(1)〜(9)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0113】
本開示の態様(11)は、上記半透明黒色層の平均厚さが少なくとも1μmである、態様(1)〜(10)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0114】
本開示の態様(12)は、上記半透明黒色層の少なくとも一部分上にコーティングされた不透明層を更に備え、上記不透明層の光密度は3超である、態様(1)〜(11)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0115】
本開示の態様(13)は、上記不透明層が、グラフィック又はロゴの部分を画定するように、上記半透明黒色層に配設される、態様(12)のデッドフロント物品に関する。
【0116】
本開示の態様(14)は、上記基板の、上記第1の表面と上記第2の表面との間の平均厚さが、0.05mm〜2mmである、態様(1)〜(13)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0117】
本開示の態様(15)は、上記ガラス層の上記第1の表面上に位置する機能層を更に備える、態様(1)〜(14)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0118】
本開示の態様(16)は、上記表面機能層の平均厚さが5nm〜750nmである、態様(15)のデッドフロント物品に関する。
【0119】
本開示の態様(17)は、上記表面機能層が、眩しさ軽減、耐擦傷性、反射防止、ハーフミラーコーティング、又は清掃が容易な表面のうちの少なくとも1つを提供する、態様(15)又は(16)のデッドフロント物品に関する。
【0120】
本開示の態様(18)は、上記基板が強化ガラス材料を含む、態様(1)〜(17)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0121】
本開示の態様(19)は、上記ガラス層が、第1の曲率半径で湾曲している、態様(1)〜(18)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0122】
本開示の態様(20)は、上記第1の曲率半径が約60mm〜約1500mmである、態様(19)のデッドフロント物品に関する。
【0123】
本開示の態様(21)は、上記基板が、上記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を備える、態様(19)又は(20)のデッドフロント物品に関する。
【0124】
本開示の態様(22)は、上記基板がガラスを含み、上記湾曲形状へと冷間形成される、態様(19)〜(21)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0125】
本開示の態様(23)は、上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さが、1.5mm以下である、態様(1)〜(22)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0126】
本開示の態様(24)は、上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さが、0.3mm〜0.7mmである、態様(1)〜(23)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0127】
本開示の態様(25)は、上記基板が幅及び長さを有し、上記幅は約5cm〜約250cmであり、上記長さは約5cm〜約250cmである、態様(1)〜(24)のいずれか1つのデッドフロント物品に関する。
【0128】
本開示の態様(26)は、デッドフロントを有するディスプレイデバイスであって、上記ディスプレイデバイスは:基板;上記基板の第1の表面上に配置された半透明黒色層;及び光源であって、上記基板の上記第1の表面と同じ側に、上記半透明黒色層が上記基板と上記光源との間に配置されるように位置決めされた、光源を備え、上記半透明黒色層は、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで、上記基板の第2の表面上に配置される、ディスプレイデバイスに関する。
【0129】
本開示の態様(27)は、上記半透明黒色層が、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを混合することによって生成されたリッチブラックである、態様(26)のディスプレイデバイスに関する。
【0130】
本開示の態様(28)は、上記黒色のレベルが少なくとも50%である、態様(27)のディスプレイデバイスに関する。
【0131】
本開示の態様(29)は、上記半透明黒色層が、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、及びイエローを混合することによって生成されたコンポジットブラックである、態様(26)のディスプレイデバイスに関する。
【0132】
本開示の態様(30)は、上記半透明黒色層がCIE L*a*b*色空間に従った中程度の黒色であり、a*及びb*のうちの一方又は両方が約−2〜約2である、態様(26)〜(29)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0133】
本開示の態様(31)は、L*が0〜40である、態様(30)のディスプレイデバイスに関する。
【0134】
本開示の態様(32)は、L*が5〜20である、態様(31)のディスプレイデバイスに関する。
【0135】
本開示の態様(33)は、上記ガラス層と上記半透明黒色層との組み合わせが、約400nm〜約700nmの波長範囲にわたって、約1〜約40%の平均透過率を備える、態様(26)〜(32)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0136】
本開示の態様(34)は、光密度が3超の不透明層を更に備える、態様(26)〜(33)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0137】
本開示の態様(35)は、上記不透明層及び上記半透明黒色層が共に、少なくとも1つのアイコンを画定する、態様(34)のディスプレイデバイスに関する。
【0138】
本開示の態様(36)は、上記光源が、上記基板の上記第1の表面と同じ側に位置決めされた動的ディスプレイを備える、態様(26)〜(35)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0139】
本開示の態様(37)は、上記動的ディスプレイが、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、又はDLP MEMSチップのうちの少なくとも1つを含む、態様(36)のディスプレイデバイスに関する。
【0140】
本開示の態様(38)は、上記ディスプレイデバイスが、車両のダッシュボード、車両の中央コンソール、車両の気象若しくはラジオ制御パネル、又は車両の乗客用エンターテインメントパネル上に配置される、態様(26)〜(37)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0141】
本開示の態様(39)は、上記基板が強化ガラス材料から形成され、上記第1の表面と、上記第1の表面の反対側の第2の表面との間の平均厚さが、0.05mm〜2mmである、態様(26)〜(38)のいずれか1つのディスプレイデバイスに関する。
【0142】
本開示の態様(40)は、上記基板の曲率半径が、上記第1の表面及び上記第2の表面のうちの少なくとも一方に沿って60mm〜1500mmである、態様(39)のディスプレイデバイスに関する。
【0143】
本開示の態様(41)は、ディスプレイ用の湾曲デッドフロントを形成する方法であって、上記方法は:湾曲面を有する支持体上でデッドフロント物品を湾曲させるステップであって、上記デッドフロント物品は、ガラス層と、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで上記ガラス層の第1の表面上に配置された半透明黒色層とを備える、ステップ;及び上記湾曲デッドフロント物品を、上記デッドフロントが上記支持体の上記湾曲面の湾曲形状に一致するように、上記支持体に固定するステップを含み、上記デッドフロント物品を湾曲させる上記ステップ及び固定する上記ステップの間、上記デッドフロント物品の最高温度は、上記ガラス層のガラス転移温度未満である、方法に関する。
【0144】
本開示の態様(42)は、上記湾曲デッドフロント物品を固定する上記ステップが:上記支持体の上記湾曲面と上記デッドフロント物品の表面との間に接着剤を塗布するステップ;及び力の印加中に、上記接着剤を用いて、上記デッドフロント物品をフレームの支持面に接着するステップを含む、態様(41)の方法に関する。
【0145】
本開示の態様(43)は、上記ガラス層が強化されている、態様(41)又は(42)の方法に関する。
【0146】
本開示の態様(44)は、上記ガラス層が、上記第1の表面の反対側の第2の表面を備え、上記ガラス層の、上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さは、1.5mm以下である、態様(43)の方法に関する。
【0147】
本開示の態様(45)は、上記デッドフロント物品を湾曲させる上記ステップ及び固定する上記ステップの間、上記デッドフロント物品の最高温度が200℃未満である、態様(41)〜(44)のいずれか1つの方法に関する。
【0148】
そうでないことが言明されていない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、又はステップをある特定の順序に限定するべきであることが、特許請求の範囲若しくは説明中で具体的に言明されていない場合、いずれの特定の順序が推定されることは全く意図されていない。更に、本明細書中で使用される場合、冠詞「a」は1つ以上の構成部品又は要素を含むことを意図したものであり、ただ1つを意味するものとして解釈されることは意図されていない。
【0149】
本開示の実施形態の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を実施できることは、当業者には理解されるだろう。これらの実施形態の精神及び内容を組み込んだ、本開示の実施形態の修正、組み合わせ、部分的組み合わせ及び変形が、当業者には想起され得るため、本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある全てを含むものとして解釈されるものとする。
【0150】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0151】
実施形態1
ディスプレイ用のデッドフロント物品であって、
上記デッドフロント物品は:
基板であって、
上記基板の視聴者側の第1の表面と、
上記第1の表面の反対側の第2の表面と
を備える、基板;及び
上記基板の上記第2の表面の少なくとも第1の部分上に配置された、半透明黒色層
を備え、
上記半透明黒色層は、上記ディスプレイが非起動状態のときに上記ディスプレイをぼかし、上記ディスプレイが起動状態のときに上記ディスプレイの視聴を可能とするよう構成される、デッドフロント物品。
【0152】
実施形態2
上記半透明黒色層は、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで、上記ガラス層の上記第2の表面上に印刷される、実施形態1に記載のデッドフロント物品。
【0153】
実施形態3
上記半透明黒色層は、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを混合することによって生成されたリッチブラックである、実施形態2に記載のデッドフロント物品。
【0154】
実施形態4
黒色のレベルは少なくとも50%である、実施形態3に記載のデッドフロント物品。
【0155】
実施形態5
上記半透明黒色層は、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、及びイエローを混合することによって生成されたコンポジットブラックである、実施形態2に記載のデッドフロント物品。
【0156】
実施形態6
上記半透明黒色層はCIE L*a*b*色空間に従った中程度の黒色であり、a*及びb*のうちの一方又は両方は約−2〜約2である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0157】
実施形態7
L*は0〜40である、実施形態6に記載のデッドフロント物品。
【0158】
実施形態8
L*は5〜20である、実施形態7に記載のデッドフロント物品。
【0159】
実施形態9
上記基板と上記半透明黒色層との組み合わせは、約400nm〜約700nmの波長範囲にわたって、約1〜約40%の平均透過率を備える、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0160】
実施形態10
上記半透明黒色層の平均厚さは最大5μmである、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0161】
実施形態11
上記半透明黒色層の平均厚さは少なくとも1μmである、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0162】
実施形態12
上記半透明黒色層の少なくとも一部分上にコーティングされた不透明層を更に備え、上記不透明層の光密度は3超である、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0163】
実施形態13
上記不透明層は、グラフィック又はロゴの部分を画定するように、上記半透明黒色層に配設される、実施形態12に記載のデッドフロント物品。
【0164】
実施形態14
上記基板の、上記第1の表面と上記第2の表面との間の平均厚さは、0.05mm〜2mmである、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0165】
実施形態15
上記ガラス層の上記第1の表面上に位置する機能層を更に備える、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0166】
実施形態16
上記表面機能層の平均厚さは5nm〜750nmである、実施形態15に記載のデッドフロント物品。
【0167】
実施形態17
上記表面機能層は、眩しさ軽減、耐擦傷性、反射防止、ハーフミラーコーティング、又は清掃が容易な表面のうちの少なくとも1つを提供する、実施形態15又は16に記載のデッドフロント物品。
【0168】
実施形態18
上記基板は強化ガラス材料を含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0169】
実施形態19
上記ガラス層は、第1の曲率半径で湾曲している、実施形態1〜18のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0170】
実施形態20
上記第1の曲率半径は約60mm〜約1500mmである、実施形態19に記載のデッドフロント物品。
【0171】
実施形態21
上記基板は、上記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を備える、実施形態19又は20に記載のデッドフロント物品。
【0172】
実施形態22
上記基板はガラスを含み、上記湾曲形状へと冷間形成される、実施形態19〜21のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0173】
実施形態23
上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さは、1.5mm以下である、実施形態1〜22のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0174】
実施形態24
上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さは、0.3mm〜0.7mmである、実施形態1〜23のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0175】
実施形態25
上記基板は幅及び長さを有し、上記幅は約5cm〜約250cmであり、上記長さは約5cm〜約250cmである、実施形態1〜24のいずれか1つに記載のデッドフロント物品。
【0176】
実施形態26
デッドフロントを有するディスプレイデバイスであって、
上記ディスプレイデバイスは:
基板;
上記基板の第1の表面上に配置された半透明黒色層;及び
光源であって、上記基板の上記第1の表面と同じ側に、上記半透明黒色層が上記基板と上記光源との間に配置されるように位置決めされた、光源
を備え、
上記半透明黒色層は、CMYKカラーモデルを用いたプリンタで、上記基板の第2の表面上に配置される、ディスプレイデバイス。
【0177】
実施形態27
上記半透明黒色層は、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックを混合することによって生成されたリッチブラックである、実施形態26に記載のディスプレイデバイス。
【0178】
実施形態28
上記黒色のレベルは少なくとも50%である、実施形態27に記載のディスプレイデバイス。
【0179】
実施形態29
上記半透明黒色層は、上記CMYKカラーモデルに従ってシアン、マゼンタ、及びイエローを混合することによって生成されたコンポジットブラックである、実施形態26に記載のディスプレイデバイス。
【0180】
実施形態30
上記半透明黒色層はCIE L*a*b*色空間に従った中程度の黒色であり、a*及びb*のうちの一方又は両方は約−2〜約2である、実施形態26〜29のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0181】
実施形態31
L*は0〜40である、実施形態30に記載のディスプレイデバイス。
【0182】
実施形態32
L*は5〜20である、実施形態31に記載のディスプレイデバイス。
【0183】
実施形態33
上記ガラス層と上記半透明黒色層との組み合わせは、約400nm〜約700nmの波長範囲にわたって、約1〜約40%の平均透過率を備える、実施形態26〜32のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0184】
実施形態34
光密度は3超の不透明層を更に備える、実施形態26〜33のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0185】
実施形態35
上記不透明層及び上記半透明黒色層は共に、少なくとも1つのアイコンを画定する、実施形態34に記載のディスプレイデバイス。
【0186】
実施形態36
上記光源は、上記基板の上記第1の表面と同じ側に位置決めされた動的ディスプレイを備える、実施形態26〜35のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0187】
実施形態37
上記動的ディスプレイは、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイ、LEDディスプレイ、又はDLP MEMSチップのうちの少なくとも1つを含む、実施形態36に記載のディスプレイデバイス。
【0188】
実施形態38
上記ディスプレイデバイスは、車両のダッシュボード、車両の中央コンソール、車両の気象若しくはラジオ制御パネル、又は車両の乗客用エンターテインメントパネル上に配置される、実施形態26〜37のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0189】
実施形態39
上記基板は強化ガラス材料から形成され、上記第1の表面と、上記第1の表面の反対側の第2の表面との間の平均厚さは、0.05mm〜2mmである、実施形態26〜38のいずれか1つに記載のディスプレイデバイス。
【0190】
実施形態40
上記基板の曲率半径は、上記第1の表面及び上記第2の表面のうちの少なくとも一方に沿って60mm〜1500mmである、実施形態39に記載のディスプレイデバイス。
【0191】
実施形態41
ディスプレイ用の湾曲デッドフロントを形成する方法であって、
上記方法は:
湾曲面を有する支持体上でデッドフロント物品を湾曲させるステップであって、上記デッドフロント物品は、
ガラス層と、
CMYKカラーモデルを用いたプリンタで上記ガラス層の第1の表面上に配置された半透明黒色層と
を備える、ステップ;及び
上記湾曲デッドフロント物品を、上記デッドフロントが上記支持体の上記湾曲面の湾曲形状に一致するように、上記支持体に固定するステップ
を含み、
上記デッドフロント物品を湾曲させる上記ステップ及び固定する上記ステップの間、上記デッドフロント物品の最高温度は、上記ガラス層のガラス転移温度未満である、方法。
【0192】
実施形態42
上記湾曲デッドフロント物品を固定する上記ステップは:上記支持体の上記湾曲面と上記デッドフロント物品の表面との間に接着剤を塗布するステップ;及び
力の印加中に、上記接着剤を用いて、上記デッドフロント物品をフレームの支持面に接着するステップを含む、実施形態41に記載の方法。
【0193】
実施形態43
上記ガラス層は強化されている、実施形態41又は42に記載の方法。
【0194】
実施形態44
上記ガラス層は、上記第1の表面の反対側の第2の表面を備え、上記ガラス層の、上記第1の表面と上記第2の表面との間で測定された最大厚さは、1.5mm以下である、実施形態43に記載の方法。
【0195】
実施形態45
上記デッドフロント物品を湾曲させる上記ステップ及び固定する上記ステップの間、上記デッドフロント物品の最高温度は200℃未満である、実施形態41〜44のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0196】
10 車両内装
100、200、300 車両内装システム
110 中央コンソールベース
120、220、320 湾曲面
130、230、330 湾曲ディスプレイ
210 ダッシュボードベース
215 機器パネル
310 ダッシュボードステアリングホイールベース
400 デッドフロント物品、デッドフロント
410 グラフィック
420 電源ボタン
450 基板、ガラス層
460 半透明黒色層
470 外面
480 内面
490 機能表面層
500 不透明層
510 半透明構造体
520 ディスプレイ
530 接着剤
540 非ディスプレイ領域
550 コンピュータモニタ
600 スマートフォン
2000 湾曲デッドフロント物品、デッドフロント物品、湾曲デッドフロント、デッドフロント構造体
2010 湾曲外側ガラス基板
2020 デッドフロント着色層
2030 追加の層
2050 第1の主面
2060 第2の主面
2070 端面又は副面
2100 ディスプレイ組立体
2110 フレーム
2120 ディスプレイモジュール
2130 支持面
R1 第1の曲率半径
図1
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【国際調査報告】