(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-533693(P2020-533693A)
(43)【公表日】2020年11月19日
(54)【発明の名称】保護傾斜面を有するヒートシンク
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20201023BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20201023BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20201023BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20201023BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H01L23/36
H05K7/20 E
G06F1/20 B
G06F1/18 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-514256(P2020-514256)
(86)(22)【出願日】2018年9月19日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月9日
(86)【国際出願番号】US2018051771
(87)【国際公開番号】WO2019060429
(87)【国際公開日】20190328
(31)【優先権主張番号】62/561,273
(32)【優先日】2017年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン キース ロイド
(72)【発明者】
【氏名】ブルース リード
(72)【発明者】
【氏名】サイード ムハンマド ハサン アリ
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA11
5E322AB04
5E322AB07
5E322AB11
5E322BA01
5E322BA03
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5E322FA04
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5F136BA03
5F136BA32
5F136BC07
5F136EA35
(57)【要約】
【解決手段】コネクタシステムは、熱伝導性ヒートシンク及びコネクタが取り付けられるケージアセンブリを含む。ヒートシンクは、基部と、基部から下向きに延在する傾斜面と、基部から下向きに延在する台座と、を含む。熱界面材料は、台座の下面に配設される。モジュールは、ケージアセンブリに挿入され、かつコネクタ及びヒートシンクに接続され得る。モジュールによって生成された熱エネルギーは、ヒートシンクに伝達され、このヒートシンクは、対流により熱を放散させる。傾斜面は、モジュールをケージアセンブリに挿入する間、モジュールによる係合を形成する熱界面材料の先端縁部を保護する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタシステムであって、
上壁と、下壁と、前記上壁と前記下壁との間に延在する側壁と、を含むケージアセンブリであって、前記上壁、下壁及び側壁が、前端部及び後端部を有するポートを形成し、前記上壁が、内部を通るヒートシンク孔を有する、ケージアセンブリと、
前記上壁上に配設された熱伝導性のヒートシンクであって、該ヒートシンクが、基部と、該基部の下面から延在する傾斜面であって、該傾斜面が、前記下面から先端部まで延在する前面を有し、該前面の少なくとも一部分が、角度付けされている、傾斜面と、前記基部の下面から延在する台座と、を備え、該台座が、下部平面を有し、前記傾斜面が、前記台座の前方にあり、前記基部の下面が、前記上壁に近接し、前記傾斜面及び前記台座が、前記ヒートシンク孔を通って前記ポート内に延在する、ヒートシンクと、
前記台座の下面上に配設された熱界面材料であって、前記傾斜面に近接する先端縁部を有する、熱界面材料と、を備え、
コネクタが、前記ケージアセンブリに取り付けられ得、モジュールが、前記ヒートシンク及び前記コネクタへの接続のために前記ポート内に取り付けられ得る、コネクタシステム。
【請求項2】
前記熱界面材料が、熱伝導性接着剤によって前記台座に固定されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項3】
前記壁が、熱伝導性である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項4】
前記傾斜面及び前記台座が、前記下壁の一部分によって分離されており、そのため空間が、前記傾斜面と前記台座との間に提供され、前記熱界面材料の先端縁部が、前記空間内に提供されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項5】
前記台座の前面が、円弧状である、請求項4に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
前記台座の前面が、1.0mm〜1.5mmの半径を有する、請求項4に記載のコネクタシステム。
【請求項7】
前記傾斜面の先端部が、第1の距離で前記下面から離間されており、前記台座の下面が、第2の距離で前記下面から離間されており、前記第2の距離が、前記第1の距離よりも大きい、請求項5に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
前記第2の距離が、0.10mm〜0.20mmの第1の距離よりも大きい、請求項4に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
前記ケージアセンブリが、第1の画定された上壁に接続された第2の上壁を更に含み、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁及び前記側壁が、ヒートシンクアセンブリ保持空間を形成し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクアセンブリ保持空間内に着座しており、
前記ヒートシンク及び前記ケージアセンブリと係合されている、取り付けブラケットを、更に備える、請求項6に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
前記取り付けブラケットが、少なくとも1つの付勢要素を含み、前記少なくとも1つの付勢要素が、前記第2の上壁と係合されている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
前記傾斜面の先端部が、第1の距離で前記下面から離間されており、前記台座の下面上の前記熱界面材料の下面が、第2の距離で前記下面から離間されており、前記第2の距離が、前記第1の距離未満である、請求項5に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
前記ケージアセンブリが、第1の画定された上壁に接続された第2の上壁を更に含み、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁及び前記側壁が、ヒートシンクアセンブリ保持空間を形成し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクアセンブリ保持空間内に着座しており、
前記ヒートシンク及び前記ケージアセンブリと係合されている、取り付けブラケットを、更に備える、請求項11に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
前記取り付けブラケットが、少なくとも1つの付勢要素を含み、該少なくとも1つの付勢要素が、前記第2の上壁と係合されている、請求項12に記載のコネクタシステム。
【請求項14】
前記傾斜面の先端部が、第1の距離で前記下面から離間されており、前記台座の下面上の前記熱界面材料の下面が、第2の距離で前記下面から離間されており、前記第2の距離が、前記第1の距離未満である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項15】
前記ケージアセンブリが、第1の画定された上壁に接続された第2の上壁を更に含み、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁及び前記側壁が、ヒートシンクアセンブリ保持空間を形成し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクアセンブリ保持空間内に着座しており、
前記ヒートシンク及び前記ケージアセンブリと係合されている、取り付けブラケットを、更に備える、請求項14に記載のコネクタシステム。
【請求項16】
前記取り付けブラケットが、少なくとも1つの付勢要素を含み、該少なくとも1つの付勢要素が、前記第2の上壁と係合されている、請求項15に記載のコネクタシステム。
【請求項17】
前記ケージアセンブリが、第1の画定された上壁に接続された第2の上壁を更に含み、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁及び前記側壁が、ヒートシンクアセンブリ保持空間を形成し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクアセンブリ保持空間内に着座しており、
前記ヒートシンク及び前記ケージアセンブリと係合されている、取り付けブラケットを、更に備える、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項18】
前記取り付けブラケットが、少なくとも1つの付勢要素を含み、該少なくとも1つの付勢要素が、前記第2の上壁と係合されている、請求項17に記載のコネクタシステム。
【請求項19】
前記ケージアセンブリが、前記側壁に接続されており、かつ前記第1の画定された上壁から離間されている第2の上壁を更に含み、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁、及び前記側壁が、第2のポートを形成し、第2のモジュールが、前記コネクタへの接続のために前記第2のポート内に取り付けられ得る、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項20】
前記ケージアセンブリが、第1の画定された上壁に接続された第2の上壁であって、前記第1の画定された上壁、前記第2の上壁及び前記側壁が、ヒートシンクアセンブリ保持空間を形成し、前記ヒートシンクが、前記ヒートシンクアセンブリ保持空間内に着座している、第2の上壁と、
前記側壁に接続されており、かつ前記第2の上壁から離間されている第3の上壁であって、前記第2の上壁、及び前記第3の上壁、並びに前記側壁が第2のポートを形成し、第2のモジュールが、前記コネクタへの接続のために前記第2のポート内に取り付けられ得る、第3の上壁と、を更に含み、
前記ヒートシンク及び前記第2の上壁と係合されている取り付けブラケットを、更に備える、請求項1に記載のコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2017年9月21日に出願された、米国仮特許出願第62/561,273号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、電気コネクタの分野に関し、より具体的には、熱エネルギーを管理するように構成された入力/出力(input/output、I/O)コネクタの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
入力/出力(I/O)コネクタは、一般に、コンピュータ、ルータ、及びスイッチのボックス又はラック間の接続性を提供するために使用される。I/Oコネクタの一般的に使用される形式としては、プラグ脱着可能な小型フォームファクタ(Small form-factor pluggable 、SFP)、プラグ脱着可能なクワッド小型フォームファクタ(Quad small form-factor pluggable、QSFP)、ミニSAS、ミニSAS HD、及びPCIe 8xコネクタ、が挙げられる。これらのコネクタは、標準的な本体によって画定され、供給業者を問わず信頼性のある性能を提供することを目的としたプラグ及びレセプタクルを含む。
【0004】
典型的なI/Oコネクタシステムは、ケーブルアセンブリ及び基板取り付け用コネクタを含む。一般にケーブルの両端に一対のプラグコネクタを含む、ケーブルアセンブリは、所望の距離にわたって信号を伝送するように構成されている。基板取り付け用コネクタは、典型的には、プラグコネクタを受容し、かつプラグコネクタと嵌合するように構成されたレセプタクルを有する、パネル内に位置決めされたレセプタクルである。
【0005】
データレートが増加するにつれて、克服することが困難な1つの問題は、プラグコネクタ間で信号を伝送するために使用される媒体の物理的制限である。受動ケーブルは、例えば、より短い距離に対して費用効果があるが、信号周波数が増加するにつれて、距離に関して制限される傾向がある。アクティブ銅及び光ファイバーケーブルは、より長い距離にわたって信号を伝送するのによく適しているが、電力を必要とするため、コネクタシステムが適切に設計されていない場合には、熱問題を生じさせる傾向がある。しかしながら、アクティブケーブルアセンブリの使用の増加に関する主な問題のうちの1つは、このようなアセンブリの使用がシステムにかける熱負荷の増加である。ガイドフレーム又はケージの内部に設置されたモジュールを冷却しようとすることは、比較的困難である。このため、特定の個人は、I/Oコネクタで使用されるレセプタクルシステムにおける熱管理の改善を評価するであろう。
【0006】
様々な構成が、I/Oコネクタ、特にラックタイプ取り付けシステムにおける熱エネルギーを管理するために使用されてきた。典型的には、ラックは、上部ポート及び下部ポートを伴って構成されたケージを含む。これらの配置では、上部ポートは、ラックの外部に幾分露出しているが、下部ポートは、外部可視性を有さずに位置決めされる。これらの配置では、ヒートシンクは、上部ポート内に位置決めされたモジュールと係合するように容易に適合させることができるが、下部ポート内に位置決めされたものと係合するように適合させることができない。これらの場合では、方向付けされた空気流、及びモジュールに係合し、熱エネルギーを外部に位置決めされたヒートシンクに導くように適合された熱伝導性ばねフィンガなどの他の熱伝達方法などの、他の熱管理構造が用いられている。これらの方法は、高価であり、特に高密度アーキテクチャにおいて、隣接して位置決めされたI/Oコネクタのための貴重な空間制限オプションを使用する場合がある。
【発明の概要】
【0007】
コネクタシステムは、熱伝導性ヒートシンク及びコネクタが取り付けられるケージアセンブリを含む。ヒートシンクは、基部と、基部から下向きに延在する傾斜面と、基部から下向きに延在する台座と、を含む。熱界面材料は、台座の下面に配設される。モジュールは、ケージアセンブリに挿入され、かつコネクタ及びヒートシンクに接続され得る。モジュールによって生成された熱エネルギーは、ヒートシンクに伝達され、ヒートシンクは対流によって熱を放散させる。傾斜面は、モジュールをケージアセンブリに挿入する間、モジュールによる係合から、熱界面材料の先端縁部を保護する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、一例として例示され、添付図面に限定されるものではなく、図面中、同様の参照番号は、類似の要素を示す。
【0009】
【
図5】コネクタシステムのヒートシンクアセンブリの一実施形態の分解斜視図である。
【
図6】
図5のヒートシンクアセンブリの斜視図である。
【
図7】
図5のヒートシンクアセンブリのヒートシンクの斜視図である。
【
図8】コネクタシステムのヒートシンクアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【
図9】
図8のヒートシンクアセンブリのヒートシンクの斜視図である。
【
図10】内部に取り付けられた
図5のヒートシンクアセンブリを有し、ガスケットがヒートシンクに取り付けられたヒートシンクアセンブリハウジングの底面図である。
【
図11】ヒートシンクアセンブリハウジングの断面図である。
【
図12】コネクタシステムの本体の拡大斜視図である。
【
図13】コネクタシステムの下部カバーの拡大斜視図である。
【
図14】コネクタシステムの後方パネルの拡大斜視図である。
【
図15】ヒートシンクアセンブリハウジングの拡大斜視図である。
【
図16】ヒートシンクと係合されている下部モジュールの部分側面図である。
【
図17】ヒートシンクと更に係合されている下部モジュールの部分側面図である。
【
図18】ヒートシンクと係合された、修正された下部モジュールの部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、異なる形態の実施形態が可能であり、具体的な実施形態が図面で示され、また本明細書で詳細に説明されるが、本開示は、本開示の原理の例証であるとみなされ、図示され、かつ本明細書で説明されるものに本開示を限定することを意図しないという理解の下で行われる。したがって、特記しない限り、本明細書に開示された特徴を組み合わせて、簡潔にするために別途示されなかった、追加の組み合わせを形成してもよい。いくつかの実施形態では、図面において実施例として示される1つ以上の要素は、本開示の範囲内の代替的な要素で排除及び/又は置換され得ることが更に理解されるであろう。
【0011】
コネクタシステム20は、ケージアセンブリ22を提供し、その中でヒートシンクアセンブリ24及び積層コネクタ26が取り付けられ、下部嵌合プラグモジュール28の積層コネクタ26への接続、及びヒートシンクアセンブリ24との係合を提供し、上部嵌合プラグモジュール(図示せず)の積層コネクタ26への接続を更に提供する。積層コネクタ26は、複数の横方向に離間したウエハを有し、回路基板(図示せず)上に位置決めされる。光パイプ32は、ケージアセンブリ22内に配設され、下部モジュール28と積層コネクタ26との間の接続状態、及び上部モジュールと積層コネクタ26との間の接続状態の指標を提供する。
【0012】
図5、
図8、及び8に示されるように、ヒートシンクアセンブリ24は、熱伝導性材料から形成され、ヒートシンク34と、ヒートシンク34上に配設された取り付けブラケット36と、を含む。
【0013】
図5〜
図9に示されるように、一実施形態では、ヒートシンク34は、基部38と、基部38の上面38aから上向きに延在する複数のフィン40と、基部38の平坦又は平面の下面38bから下向きに延在する傾斜面42及び台座44と、を含む。フィン40は、基部38から離れる方向に熱を伝導させ、対流によって熱を放散するように配置される。
【0014】
傾斜面42の前端部42aは、基部38の前端部38cに近接しているが、離間している。傾斜面42は、基部38の下面38bに対して角度付けされた前面52を有する。
図17及び
図18を参照すると、前面52は、基部38の下面38bから、距離D1で下面38bからオフセットされる先端部54まで延在する。前面52の少なくとも一部分は、基部38の下面38bに対して角度付けされ、先端部54から延在する。複数の角度付き表面は、前面52として提供されてもよい。前面52は、基部38の下面38bと角度付き部分との間に延在する平面垂直部分を含んでもよい。傾斜面42は、傾斜面42の後縁部において平面58を更に有し、これは、基部38の下面38bに対して垂直又は角度付けされてもよい。
【0015】
台座44は、傾斜面42の後方に位置決めされる。台座44は、前端部60と、前端部60から延在する平坦又は平面の水平下面62と、下面62から後方に延在する後面と、を有する。台座44の後面は、基部38の後端部38dに近接しているが、離間している。いくつかの実施形態では、台座44の後面は、湾曲している。台座44の下面62は、下面38bから、距離D2でオフセットされる。
【0016】
第1のノッチ又は凹部46は、台座44内に形成され、下面38bから上向きに延在し、第2のノッチ又は凹部48は、基部38内に形成され、下面38bから上向きに延在する。凹部46、48は、ヒートシンク34を対称にするような様式で、ヒートシンク34の中心線にわたってオフセットされる。
【0017】
熱伝導性材料から形成された熱界面材料(thermal interface material、TIM)66が、台座44の下面62上に提供されて、ヒートシンク34と下部モジュール28との間の熱抵抗を低減させる。結果として、熱界面材料66は、平坦又は平面の下面67を形成し、これが先端縁部68a及び後縁部68bを有する。示される実施形態では、熱界面材料66は、圧縮性材料から形成されるが、他の材料も想到され、一般的に圧縮性の程度及び熱伝導性材料のタイプによって変化し得る。熱界面材料66は、高い熱抵抗に起因する、ヒートシンク基部38と下部モジュール28との間の乾式接合部から別様にもたらされ得る、不十分な冷却に有効である。熱界面材料66の下面67は、距離D2よりも大きい距離D3で、下面38bからオフセットされる。
【0018】
図16及び
図17に最もよく示されているように、第1の実施形態では、距離D1は、距離D2未満、例えば、0.10mm〜0.20mmであり、0.15mmであってもよく、そのため傾斜面42の先端部54が台座44の下面62に対して離間した関係にある。この実施形態では、傾斜面42及び台座44は、基部38の下面38bの一部分によって互いに分離され、そのため空間70が、形成される。傾斜面42の後面58は、先端部54から基部38の下面38bまで延在する。この実施形態では、台座44の前端部60は、基部38の下面38bから台座44の下面62まで下向きに延在する湾曲面であり、そのため先端縁部68aが空間70内にあり、基部38の下面38bに近接していてもよい。一実施形態では、この前方湾曲面は、半径R、例えば1.0mm〜1.5mm湾曲しており、1.25mmであってもよい。熱界面材料66は、台座44の前端部60及び下面62上に提供され、台座44の後面64上に提供されてもよい。
【0019】
使用中、下部モジュール28は、ケージアセンブリ22に挿入され、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、最初に傾斜面42の角度付き前面52に接触し、傾斜面42に沿って摺動し、かつ先端部54を通過する。次いで、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、円弧状前端部60の領域内の最大先端部を覆う熱界面材料66と係合し、そのため下部モジュール28が円弧状前端部60に沿ってスライドし、それにより、下部モジュール28と熱界面材料66との間の最小限の係合を提供する。このように、本質的に摺動接触のみが、下部モジュール28と台座44の円弧状前端部60との間に存在する。熱界面材料66の先端縁部68aは、熱界面材料66の先端縁部68aが空間70内に位置決めされ、ケージアセンブリ22への挿入中に下部モジュール28の経路から完全に外に位置決めされるので、下部モジュール28の先端挿入縁部72との係合から保護される。下部モジュール28は、ヒートシンク34及び下部モジュール28が完全に係合するまで、ケージアセンブリ22に挿入され続ける。
【0020】
図18に最もよく示されるように、一実施形態では、距離D1は、距離D3よりも大きく、そのため傾斜面42の先端部54は、熱界面材料66の下面67に対して離間した関係にある。第1の代替案では、傾斜面42及び台座44は、基部38の下面38bの一部分によって互いに分離され、そのため空間70が、形成される。傾斜面42の後面58は、先端部54から基部38の下面38bまで延在する。この第1の実施形態では、台座44の前端部60は、基部38の下面38bから台座44の下面62まで下向きに延在し、湾曲面であってもよい。熱界面材料66は、台座44の前端部60上に提供され、そのため先端縁部68aが空間70内にあり、基部38の下面38bに近接していてもよく、台座44の下面62上に更に提供されてもよく、台座44の後面64上に提供されてもよい。第2の代替案では、傾斜面42及び台座44は、基部38の下面38bの一部分によって互いに分離されず、そのため空間70が排除される。傾斜面42の後面58は、先端部54から台座部44の下面62まで延在する。熱界面材料66は、熱界面材料66の先端縁部68aが傾斜面42の後面58に当接又は近接するように、台座44の前端部60及び下面62上に提供され、台座部44の下面62上に更に提供され、台座44の後面64上に提供され得る。
【0021】
使用中、下部モジュール28は、ケージアセンブリ22に挿入され、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、最初に傾斜面42の角度付き前面52に接触し、傾斜面42に沿って摺動し、かつ先端部54を通過する。次いで、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、先端縁部68aに接触することなく、台座44上の熱界面材料66の先端縁部68aを越えて摺動し、次いで、下部モジュール28がケージアセンブリ22に完全に挿入されるまで、熱界面材料66を越えて更に摺動する。下部モジュール28がケージアセンブリ22内に完全に挿入されると、下部モジュール28と熱界面材料66との間の接触を提供するために、下部モジュール28は、下部モジュール28の上面28a内に凹部74を含む。傾斜面42は、下部モジュール28の凹部74が傾斜面42と整列するときに凹部74内に落下し、これによって台座44上の熱界面材料66が移動して、下部モジュール28の上面28aの非凹部分と接触する。この係合により、下部モジュール28とヒートシンク34との間の熱伝達が改善される。凹部74は、下部モジュール28が引き抜かれることを可能にし、かつ除去時に下部モジュール28が傾斜面42にスナップ嵌めされるのを防止するための、斜平面又はアール面を含み得る。熱界面材料66の先端縁部68aは、熱界面材料66の先端縁部68aが傾斜面42の先端部54の上方にあり、ケージアセンブリ22への挿入中に下部モジュール28の経路から完全に外にあるため、下部モジュール28の先端挿入縁部72との係合から保護される。
【0022】
使用中、熱界面材料66は、下部モジュール28とヒートシンク34との間に配設されて、下部モジュール28から、ヒートシンク34を通って、ケージアセンブリ22から出る熱伝達を支援する。
【0023】
熱界面材料66は、熱伝導性接着剤によってヒートシンク34に典型的に固定される。
【0024】
図5〜
図7に示されるような一実施形態では、フィン40は、伸長され、基部38の前端部38cから基部38の後端部28dまで延在し、そのため細長いチャネル76が形成され、前端部38cから後端部38dまで延在する。この構成では、空気流AFは、チャネル76を介して一方向経路に制限される。
【0025】
図8及び
図9に示されるような代替的な実施形態では、ヒートシンク34は、交差するチャネル76を有するフィン40の配列を含み、柱状配置を作り出す。この構成では、空気流AFは、一方向経路に限定されるものではなく、多方向性となり得、フィン40の周りを流れ、淀みの可能性を最小限に抑える最小抵抗の流路を見出すことができる。この配置は、空気に露出され得るフィン40の最大表面積を提供する。
【0026】
更に別の実施形態では、フィン40は、除去され、ヒートシンク34は、基部38と、基部38の平坦又は平面の下面38bから下向きに延在する傾斜面42及び台座44と、を含む。ヒートシンク34は、液体冷却を提供するための構造を含む。
【0027】
図5に示されるような実施形態では、取り付けブラケット36は、フレーム78、及びフレームから延在する付勢要素80、82を含む。例示の実施形態に示されるように、フレーム78は、前壁84、後壁86、前壁84と後壁86との間に延在する側壁88、90、側壁88、90の間に延在する中央壁92から形成される。壁84、86、88、90、92は、同じ水平面内に延在する。前開口部94は、前壁84、中央壁92、及び前壁84と中央壁92との間の側壁88、90の部分によって画定される。後開口部96は、後壁86、中央壁92、及び後壁86と中央壁92との間の側壁88、90の部分によって画定される。保持クリップ98は、前壁84及び後壁86から延在する。前付勢要素80は、フレーム78の平面に対してある角度で延在し、前壁84から延在し、前開口部94と重なり合う。後付勢要素82は、フレーム78の平面に対してある角度で延在し、中央壁90から延在し、後開口部96と重なり合う。付勢要素80、82は、フレーム78に対して屈曲されて、フレーム78の平面と整列することができる。付勢要素を有する他の形態の取り付けブラケットが、提供される場合がある。
【0028】
取り付けブラケット36は、保持クリップ98によってヒートシンク34上に取り付けられ、そのためフレーム78が、フィン40の上面に当接し、付勢要素80、82が、フィン40から上向きに延在する。非屈曲状態では、付勢要素80、82は、フィン40に対して角度付けされる。付勢要素80、82は、フィン40と係合するように屈曲させることができる。保持クリップ98は、ヒートシンク34のフィン40と係合して、取り付けブラケット36をヒートシンク34に固定する。フィン40がヒートシンク34から排除される場合、フレーム78は、基部38の上面38aに当接し、付勢要素80、82は、基部38から上向きに延在する。
【0029】
図面では、特定のケージアセンブリ22が示されているが、他の形態がヒートシンク34と共に使用され得ることを理解されたい。
【0030】
示されるように、ケージアセンブリ22は、本体120と、下部カバー122と、後部パネル124と、筐体を形成するように構成された中間区分又はヒートシンクアセンブリハウジング126と、を含む。本体120、下部カバー122、後部パネル124、及びヒートシンクアセンブリハウジング126は、熱伝導性である。本体120、下部カバー122、及び後部パネル124は、内部に取り付けられた構成要素のためのシールドアセンブリを形成する。ヒートシンクアセンブリハウジング126は、ケージアセンブリ22内のヒートシンクアセンブリ24のための取り付け部を提供する。
【0031】
図12に示されるように、本体120は、上壁128と、両側の側縁部においてそこから下向きに延在する側壁130、132と、を含み、そのため略U字形通路134が、開放前端部136から開放後端部138に形成され、壁128、130、132は、その中を通る開口部140を有して、空気流AFが内部を通ることを可能にし得る。一実施形態では、各側壁130、132は、切欠き142、144を有し、これは前端部136から所定の長さで後向きに延在し、それぞれの側壁130、132の下端部146から所定の高さまで上向きに延在する。
【0032】
図13に示されるように、下部カバー122は、下壁148と、その両側の縁部においてそこから上向きに延在する側壁150、152と、を含み、そのため略U字形通路154が、開放前端部156から開放後端部158まで形成される。
【0033】
図14に示されるように、後パネル124は、後壁160と、後壁160の上縁部から前方に延在する上部タブ162と、後壁160の両側の側縁部から前方に延在する側部タブ164、166と、を有する。後壁は、内部を通る空気流AFを可能にするために、内部を通る複数の開口部168を有してもよい。
【0034】
本体120、下部カバー122、及び後側パネル124を筐体に組み立てるために、下部カバー122の側壁150は、本体120内の切欠き142内に着座し、下部カバー122の側壁152は、本体120内の切欠き144内に着座し、本体120及びカバー122は、互いに好適に固定される。例えば、本体120上のロッキングフィンガは、本体120及びカバー122を共に固定するために、下部カバー122上のスロットに挿入することができる。後パネル124上のタブ162、164、166は、本体120のそれぞれの壁128、130、132と係合し、本体に好適に固定される。下部カバー122の下壁148は、本体120の上壁128の全長に延在せず、そのため下部開口部170が、ケージアセンブリ22の後部内に提供される。
【0035】
図15に示されるように、ヒートシンクアセンブリハウジング126は、上壁172及び下壁174を含み、これらは、互いに離間しているが、互いに接続される。示されるように、上壁172及び下壁174は、上壁172の前端部と下壁174の前端部との間に延在する前壁176と、前壁176から離間された位置において、上壁172と下壁174との間に延在する支持壁178(そのうちの1つのみ示される)とによって接続され、前壁176は、空気流AFが内部を通ることを可能にするために、内部を通る複数の開口部180を有する。上壁172及び下壁174は、空気流AFが内部を通ることを可能にするために、内部を通る複数の開口部を有してもよい。ヒートシンク孔184は、下壁174を通じて提供され、かつその前縁部及び後縁部から離間している。第1のタブ186は、下部壁174によって形成され、ヒートシンク孔184に延在する。第2のタブ188は、ヒートシンク孔184の反対側の側部上で下壁174によって形成され、ヒートシンク孔184に延在する。タブ186、188は、ヒートシンク孔184の中心線にわたって互いにオフセットされている。
【0036】
ヒートシンクアセンブリハウジング126は、本体120内に取り付けられ、そのため上壁172及び下壁174の側縁部が、本体120のそれぞれの側壁130、132の内面に近接する。前壁(提供される場合)は、概して、上壁128の前縁部及び本体120の側壁130、132と整列し、下部カバー122の下壁148の前縁部と整列する。上壁172及び下壁174の後端部は、下部開口部170の前縁部と整列するか、又は、概して、整列する。上壁172及び下壁174は、例えば、開口部と着座する係止タブによって、側壁130、132に好適に固定される。ヒートシンクアセンブリハウジング126及び本体120の側壁130、132の部分は、ヒートシンクアセンブリ24が取り付けられるヒートシンクアセンブリ保持空間192を形成する。
【0037】
ヒートシンク34の基部38の下面38bは、下壁174の上面に近接し、傾斜面42及び台座44は、下壁174内のヒートシンク孔184を通って延在し、取り付けブラケット36の付勢要素80、82は、上壁174の下面と係合し、ヒートシンク34の基部38の下面38bを下壁174の上面に対して押し付ける。ヒートシンクアセンブリハウジング126上のタブ188、190は、ヒートシンク34内の凹部46、48内に着座する。
【0038】
下部ポート194は、ヒートシンクアセンブリハウジング126の下壁174と、本体120の側壁130、132の下部と、下部カバー122との間に画定される。下部モジュール28は、本明細書に記載されるように、下部ポート194内に着座する。上部ポート196は、ヒートシンクアセンブリハウジング126の上壁172と、本体120の側壁130、132の上部と、本体120の上壁128と、の間に画定される。上部モジュールは、上部ポート196内に着座する。
【0039】
ガスケット198、200、202は、本体120の前縁部、ヒートシンクアセンブリハウジング126の下部カバー122、及び前壁176(提供される場合)の周囲に固定される。ガスケット198、200、202は、コネクタシステム20が、ラック(図示せず)内に取り付けられたとき、電磁干渉(electromagnetic interference、EMI)シールを提供し、ガスケット198、200、202が、ラックのベゼル(図示せず)と係合する。ガスケット198、200、202は、ポート194、196に延在する弾力的なばねフィンガと、ポート194、196から離れて延在するばねフィンガと、を含む。ポート194、196に延在するばねフィンガは、ポート194、196に挿入されたモジュール28、30と係合するように構成され、外向きに延在するばねフィンガは、ベゼルと係合する。ガスケット202は、ヒートシンクアセンブリハウジング126の前壁176内の開口部180と整列する開口部204を有する。
【0040】
積層コネクタ26とケージアセンブリ22を組み立てるために、積層コネクタ26は、下部開口部170を通ってケージアセンブリ22の内部に挿入される。
【0041】
ヒートシンク34は、下部モジュール28が下部ポート194に挿入され、積層コネクタ26と嵌合されるという事実において、ライディングヒートシンクとして既知である。
【0042】
図16及び
図17内に示される、第1の実施形態に関して、下部モジュール28は、下部ポート194に挿入され、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、最初に傾斜面42の角度付き前面52に接触し、角度付き前面52に沿って摺動し、かつ先端部54を通過する。これにより、ヒートシンク34の前部が上向きに変位されることを引き起こすのに対し、ヒートシンク34の後部は、依然として、ヒートシンクアセンブリハウジング126の下壁174と係合する。ヒートシンクアセンブリハウジング126上のタブ188、190及びヒートシンク34内の凹部46、48は、ヒートシンク34が傾くことを防止する整列機構を提供し、したがって、ヒートシンク34がヒートシンクアセンブリハウジング126内にくさび留めされることを防止する。加えて、タブ188、190及び凹部46、48は、ヒートシンク34を定位置に維持し、ヒートシンク34がヒートシンクアセンブリハウジング126内で前方又は後方に移動することを可能にしない。ヒートシンク34の前部が上向きに変位されるとき、前部付勢要素80は、ヒートシンク34と上壁172との間で偏向され、ヒートシンク34上に下向きの反発力を提供する。これにより、下部モジュール28の上面とヒートシンク34との間の一定の接触が維持され、それによって熱伝導接続を作り出す。下部モジュール28が更に下部ポート194に挿入されると、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、次いで台座44の円弧状前端部60の領域内の最大先端部を覆う熱界面材料66と係合し、そのため下部モジュール28は、円弧状前端部60に沿って摺動する。これにより、ヒートシンク34の前部が上向きに更に変位されることを引き起こす。ヒートシンク34が上向きに変位されるとき、前部付勢要素80は、ヒートシンク34と上壁172との間で偏向され、ヒートシンク34上に下向きの反発力を提供する。下部モジュール28が円弧状前端部60にわたって摺動した後、下部モジュール28の上面は、台座44の下面62を覆う熱界面材料66の下面に沿って摺動し、それによってヒートシンク34の後部を上向きに変位させる。ヒートシンク34の後部が上向きに変位されるとき、後部付勢要素82は、ヒートシンク34と上壁172との間で偏向され、ヒートシンク34上に下向きの反発力を提供する。下部モジュール28は、下部モジュール28がケージアセンブリ22内に完全に挿入され、コネクタ26と係合するまで、ヒートシンク34に対して摺動され続ける。
【0043】
図18に示される第2の実施形態に関して、下部モジュール28は、下部ポート194に挿入され、下部モジュール28の先端挿入縁部72は、最初に傾斜面42の角度付き前面52に接触し、角度付き前面52に沿って摺動し、かつ先端部54を通過する。これにより、ヒートシンク34が上向きに変位される。ヒートシンクアセンブリハウジング126上のタブ188、190及びヒートシンク34内の凹部46、48は、ヒートシンク34が傾くことを防止する整列機構を提供し、したがって、ヒートシンク34がヒートシンクアセンブリハウジング126内にくさび留めされることを防止する。加えて、タブ188、190及び凹部46、48は、ヒートシンク34を定位置に維持し、ヒートシンク34がヒートシンクアセンブリハウジング126内で前方又は後方に移動することを可能にしない。ヒートシンク34が上向きに変位されるとき、付勢要素80、82は、ヒートシンク34と上壁172との間で偏向され、ヒートシンク34に下向きの反発力を提供する。これにより、下部モジュール28の上面と傾斜面42の先端部54との間の一定の接触が維持され、それによって熱伝導接続を作り出す。下部モジュール28が下部ポート194に更に挿入されると、下部モジュール28は、次いで下部モジュール28がケージアセンブリ22に完全に挿入され、コネクタ26と係合するまで、台座44上の熱界面材料66を超えて摺動する。下部モジュール28がケージアセンブリ22に完全に挿入されると、下部モジュール28と熱界面材料66との間の接触を提供するために、下部モジュール28内の凹部74が傾斜面42と整列するとき、傾斜面42は、凹部74に落下し、このことは付勢要素80、82がヒートシンク34を下向きに変位することを引き起こし、そのため台座44上の熱界面材料66が、下部モジュール28の上面と接触する。
【0044】
この熱伝導接続により、下部モジュール28内で生成された熱エネルギーが、ヒートシンク34に伝わり、放散されることを可能にする。ケージアセンブリ22を通り、チャネル76を通る空気流AFは、コネクタシステム20から下部モジュール28によって生成された熱エネルギーを放散させる。
図19は、熱流の概略図を示す。
【0045】
空気は、熱エネルギー除去のための経路を提供する開口部140、168、180、204などの様々な開口部を通って流れる。
【0046】
様々な実施形態が想到されるが、下部モジュール28と環境との間の熱経路の図示された構成は、空気流AFが、ケージアセンブリ22の前端部及び後端部、並びに壁内の様々な開口部を通じてケージアセンブリ22に進入し、かつ存在し、チャネル76を通って流れ、ヒートシンク34のフィン40に伝達された熱エネルギーを放散するようなものであることに留意されたい。ケージアセンブリ22を通る空気流AFは、吸入及び排出を画定するファンによって強制され得る。
【0047】
特定の実施形態が図面に例示され、図面に関して説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正を考案し得ることが想定される。したがって、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲は、図面に例示され、図面に関して説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、その修正及び他の実施形態は、本開示及び添付図面の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるであろう。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組み合わせは、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく代替実施形態によって提供されてもよいことを理解されたい。
【国際調査報告】