(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-534064(P2020-534064A)
(43)【公表日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】加湿エーロゾルを患者インターフェースに投与するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20201030BHJP
A61M 13/00 20060101ALI20201030BHJP
【FI】
A61M15/00 A
A61M13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-515733(P2020-515733)
(86)(22)【出願日】2018年9月17日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2018075082
(87)【国際公開番号】WO2019053264
(87)【国際公開日】20190321
(31)【優先権主張番号】17191624.0
(32)【優先日】2017年9月18日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プールマン,ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】イワチェンコ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】パンカラ,ヘレナ
(57)【要約】
本発明は、患者インターフェース(114)に加湿エーロゾル(112)を投与するための方法、装置(110)及びその使用に関する。本明細書中において、方法は、a)加湿エーロゾル(112)を含む第1ガス流(118)を提供して誘導する工程と、b)加湿呼吸ガス(128)を含む第2ガス流(126)を提供して誘導する工程と、c)熱平衡液(136)の液流(134)を提供して誘導する工程と、d)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を平行に誘導することによって、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を熱平衡させ、前記熱平衡液(136)の前記液流(134)によって少なくとも部分的に包囲されるように、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を誘導する工程と、e)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を混合することによって、前記加湿エーロゾル(112)を含む富化呼吸ガス(142)を得る工程と、f)前記加湿エーロゾル(112)を含む前記富化呼吸ガス(142)を前記患者インターフェース(114)に投与する工程とを備える。本発明による方法及び装置は、このように、乾燥又は再乾燥した粉末エーロゾルを患者インターフェース(114)に投与することを回避できる。結果的に、最終的には閉塞を起こしかねない望ましくない粉末材料の蓄積がない。特に、装置(110)は、早産児の呼吸補助に特に役立つことができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿エーロゾル(112)を患者インターフェース(114)に投与するための方法であって、
a)加湿エーロゾル(112)を含む第1ガス流(118)を提供して誘導する工程と、
b)加湿呼吸ガス(128)を含む第2ガス流(126)を提供して誘導する工程と、
c)熱平衡液(136)の液流(134)を提供して誘導する工程と、
d)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を平行に誘導することによって、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を熱平衡させ、前記熱平衡液(136)の前記液流(134)によって少なくとも部分的に包囲されるように、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を誘導する工程と、
e)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を混合することによって、前記加湿エーロゾル(112)を含む富化呼吸ガス(142)を得る工程と、
f)前記加湿エーロゾル(112)を含む前記富化呼吸ガス(142)を前記患者インターフェース(114)に投与する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記第2ガス流(126)は、前記第1ガス流(118)を少なくとも部分的に包囲するように誘導される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1ガス流(118)は、工程a)に従って、第1温度で提供され、前記第2ガス流(126)は、工程b)に従って、第2温度で提供され、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)は、工程e)に従って、共通温度で混合され、前記共通温度は、前記第1温度及び前記第2温度よりも低い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記共通温度は、換気回路によって少なくとも部分的に換気される患者の呼吸のために決定される温度に調整される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ガス流(118)は、工程a)に従って、相対湿度100%で提供され、前記第2ガス流(126)は、工程b)に従って、相対湿度100%で提供され、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)は、工程e)に従って、相対湿度100%で混合される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱平衡液(136)の前記液流(134)は、流れ方向に低い圧力を印加して誘導される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱平衡液(136)は、水、水溶液、非水系液体、又は非水溶液のうちの1つから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
乾燥エーロゾル(154)は、工程a)よりも先に加湿され、乾燥呼吸ガス(158)は、工程b)よりも先に加湿される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
加湿エーロゾル(112)を患者インターフェース(114)に投与するための装置(110)であって、
加湿エーロゾル(112)を含む第1ガス流(118)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第1チューブ(116)と、
加湿呼吸ガス(128)を含む第2ガス流(126)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第2チューブ(124)と、
熱平衡液(136)を含む液流(134)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第3チューブ(132)であって、前記第1チューブ(116)、前記第2チューブ(124)、及び前記第3チューブ(132)が相互に同軸配置で提供され、前記第3チューブ(132)が前記第1チューブ(116)及び前記第2チューブ(124)を覆う少なくとも1つの第3チューブ(132)と、
前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を受け入れて混合し、前記加湿エーロゾル(112)を含む富化呼吸ガス(142)を得るための少なくとも1つの混合室(120)であって、前記加湿エーロゾル(112)を含む前記富化呼吸ガス(142)を投与するための少なくとも1つの出口(150)を有する少なくとも1つの混合室(120)と、を備える装置(110)。
【請求項10】
前記第1チューブ(116)は、前記第2チューブ(124)の内側に配置されている、請求項9に記載の装置(110)。
【請求項11】
前記第3チューブ(132)は、前記第1チューブ(116)及び前記第2チューブ(124)を直接的又は間接的に覆うジャケットを形成している、請求項9又は10に記載の装置(110)。
【請求項12】
前記第1チューブ(116)は第1軸を有し、前記第2チューブ(124)は第2軸を有し、前記第3チューブ(132)は第3軸を有し、前記第1軸、前記第2軸、及び前記第3軸は相互に一致している、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項13】
前記第3チューブ(132)は、前記熱平衡液(136)を受け入れるための少なくとも1つの取込口(138)と、前記熱平衡液(136)を供給するための少なくとも1つの出口(140)とを有し、前記装置(110)はさらに、前記取込口(138)での圧力と比較して低い圧力を前記出口(140)に印加するように設計されているポンプユニットを備える、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項14】
前記第1チューブ(116)、前記第2チューブ(124)、及び前記第3チューブ(132)の少なくとも1つは、可撓チューブである及び/又はその長さに沿って一定の断面を有する、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項15】
乾燥エーロゾル(154)を加湿するように構成されている少なくとも1つの第1加湿器(152)と、乾燥呼吸ガス(158)を加湿するように構成されている少なくとも1つの第2加湿器(156)とをさらに備える、請求項9から14のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項16】
請求項9から15のいずれか一項に記載の装置(110)の早産児の呼吸補助における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿エーロゾルを患者インターフェースに投与するための方法、装置、及びその使用に関する。さらに特には、方法及び装置は、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを患者インターフェースに提供するよう設計されてもよい。
【背景技術】
【0002】
例えば国際公開第2015/132172号に記載されているように、「エーロゾル化可能材料」と表すこともできる、粉末物質の粒子を含む、乾燥材料、好適には医薬品は、粒子をガス流内に取り込むため、圧縮されたキャリアガスによってエーロゾル化装置で処理され、これにより、「粉末エーロゾル」とも称される所望のエーロゾルへと変換される。この状態で、乾燥材料の粒子はキャリアガスのボリューム全体にわたって分布しており、均一で微細に分散される形態であることが好ましい。
【0003】
このような種類の装置は、典型的に、正常に呼吸している患者、人工呼吸器装着患者、又は換気補助下にある患者への医薬品の吸入投与に使用される。正常に呼吸している患者への典型的な例として、手持ち型乾燥粉末吸入器又は定量噴霧吸入器が挙げられる。人工呼吸器又は換気補助を受ける患者には、換気回路が使用される。この目的のため、患者インターフェースは換気回路に一体化又は取り付けられ、換気回路は、概して、人工呼吸器と、人工呼吸器から患者インターフェースへガスを誘導し、戻すよう適合されているチューブとを備える。特に、適切なマウスピース、呼吸マスク、鼻カニューレ、又は気管カニューレが、患者インターフェースの一部となっており、又はそれに取り付け可能である。液体エーロゾルの連続的な吸入投与は、近年、集中治療室における人工呼吸を受ける患者への標準的な治療であると考えられることができる。
【0004】
医薬品は、例えば米国特許出願公開第2010/006095号明細書に開示されているように、乾燥粉末吸入器を使用して、吸入可能な乾燥粉末の形態で投与できる。しかしながら、粉末エーロゾル、特に、吸湿性粉末エーロゾルの吸入は、特に口腔粘膜において、不耐性、不適合性、又は他の副作用をもたらし得る。G.ペールマン他、早期新生児への高濃縮組換型サーファクタントタンパク質C(rSP−C)サーファクタントの吸入投与のための新規の連続的粉末エーロゾル化器(CPA)、JAMP、Vol.26、No.6、2013年に記載のように、両方とも湿潤である換気回路及び気道内に乾燥粉末エーロゾルを投与することは、最終的にチューブ又は気道における空気の通り道の閉塞につながりかねない、粉末材料の望ましくないかなりの堆積をもたらし得る。これらの閉塞は、このようにして、患者が窒息に至ってしまうほどの呼吸の著しい障害となり得る。特に、典型的には、早産児の呼吸補助に使用される小断面等の小断面は、高い窒息のリスクをはらむ。加えて、このような望ましくない堆積は、実際に対象器官に到達したかもしれない投与される物質の正確な投与量の決定を困難又は不可能にさえし得る。
【0005】
国際公開第2015/132172号は、エーロゾルを加湿するよう構成されている加湿器を開示している。特に、温度を調整することにより、事前に乾燥した粒子の表面に薄い液状膜を生じさせる。結果として、こうしていなければ装置の壁又は口腔粘膜に堆積したであろう乾燥粒子が、この薄い液状膜を利用して簡単に流れ去ることができる。ここで、エーロゾル化装置と関連して加湿器を使用してもよく、加湿されたエーロゾルは、能動的に呼吸する患者又は人工呼吸器装着患者のいずれの患者にも提供されてよい。
【0006】
米国特許出願公開第2014/216446号明細書は、患者の機械式呼吸及び/又は人工呼吸補助のために治療効果のある物質を含有する呼吸ガス流を提供する装置を開示している。ここで、装置は、少なくとも1つの第1ラインと、少なくとも1つの第2ラインとを有し、第1ラインを通して装置の稼働中に第1ガス流が流れる。第1ライン及び第2ラインは、共通セクションを有し、共通フローセクションの領域において、水蒸気透過膜により互いに接続されている。さらに、装置の稼働中に第2ラインを流れる第2ガス流が提供される。
【0007】
国際公開第2012/025496号は、乾燥した吸入可能粒子をキャリアガス中に懸濁させ、水蒸気を加え、粒子上に水の結露を発生させることで得ることのできる治療効果のある物質を含むエーロゾル化加湿粒子に関する。さらに、これらの粒子を生成する方法及びこのような方法を行うために役立つ装置がそれに開示されている。
【0008】
加えて、国際公開第2008/030592号、国際公開第2014/095858号、米国特許第5031612号明細書、及び英国特許第2465358号明細書が、本発明の技術的背景に寄与する方法及び装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、熱、特に太陽放射の発生等により、加湿エーロゾル粒子が、その後部分的に再乾燥するかもしれないという影響を回避するには、念入りにエーロゾル粒子を加湿したとしても十分ではないこともあり得る。
【0010】
そのため、本発明は、当該課題を少なくとも部分的に回避する患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための方法及び装置を供給することを目的とする。それ故、その投与の全体においてエーロゾル粒子を加湿された状態に保つことができる方法及び装置を採用することが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
当該課題は、独立請求項の特徴を有する患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための方法、装置、及びその使用によって解決される。分離した形態で又はいかなる任意の組み合わせで実施されてもよい好適な実施形態は、従属請求項の主題となる。
【0012】
以下で使用される「有する」、「備える」、若しくは「含む」という用語、又はそれらの他の任意の文法的なバリエーションは、包括的に使用される。このように、これらの用語は、これらの用語で紹介される特徴のほか、さらなる特徴が本文脈で説明される実体に存在しない状況及び1以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指す。一例として、「AがBを有する」、「AがBを備える」、及び「AがBを含む」という表現は、B以外にAの中にその他の要素が存在しない状況(すなわち、Aは唯一かつ排他的にBからなる状況)及びB以外に実体Aの中に1以上のさらなる要素、例えば要素C、要素CとD、又はさらなる要素、が存在する状況の両方を指してもよい。
【0013】
さらに、以下で使用されるように、「好適」、「より好適」、「特に」、「さらに特に」、「具体的に」、「より具体的に」、又は同様の用語は、代替的な可能性を制限することなく、選択的な特徴と併せて使用される。このように、これらの用語で紹介される特徴は、選択的な特徴であり、いかなる場合であっても請求項の範囲を制限する意図はない。本発明は、当業者には認識されるような、代替的特徴を使用して行われてもよい。同様に、「本発明の実施形態において」又は同様の表現により紹介される特徴は選択的な特徴を意図しており、本発明の代替的な実施形態に関していかなる制限もなく、本発明の範囲に関していかなる制限もなく、また、このように紹介された特徴を本発明の他の選択的又は非選択的特徴と組み合わせる可能性に関していかなる制限もない。
【0014】
第1の態様で、本発明は、患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与する方法を述べる。
【0015】
本明細書中に使用される「粉末エーロゾル」という用語は、気相に懸濁される粉末物質の粒子を含むエーロゾル化可能材料を指し、粒子は特に、例えば肺サーファクタント等の医薬品の粒子であってもよい又は医薬品の粒子を含んでもよい。粒子をこの状態に変換するには、粒子をガス流内に取り込むため、圧縮されたキャリアガスによってエーロゾル化装置でエーロゾル化可能材料が処理されている。この状態で、乾燥材料の粒子は、好適には、キャリアガスのボリューム全体にわたって分布しており、特に、均一で微細に分散される形態が好ましい。
【0016】
さらに本明細書中で使用される「加湿エーロゾル」という用語は、加湿粒子を生成する形で処理された事前に乾燥した粒子を含む事前乾燥粉末エーロゾルを指す。ここで、加湿エーロゾルは、高い相対湿度を呈してもよく、本方法が適用されてもよい温度に対し、好適には少なくとも50%の相対湿度、より好適には少なくとも130%の相対湿度、特に100%の相対湿度であってよい。好適には、この温度は、例えば30℃から42℃の間等、体温に近くてよい。上述のように、加湿エーロゾルを生成するために適用されてもよい国際公開第2015/132172号の方法及び加湿器等の既知及び装置方法が存在する。
【0017】
一般的に使用されるように、「相対湿度」という用語は、水蒸気とキャリアガスの混合体、例えば呼吸ガス内に存在する水蒸気の相対的な量を指す。このように、混合体の相対湿度は、好適には、典型的に任意の温度に対する飽和湿度に対する水蒸気の比率を示すパーセント値で表されてもよい。ここで、水蒸気は100%を超える相対湿度でエーロゾル粒子の表面に凝縮してもよく、エーロゾル粒子の表面に結合した水分は、相対湿度が100%を下回ると蒸発してもよい。それ故、蒸気の形態の水分とエーロゾル粒子の表面に結合する水分との間に動的平衡が相対湿度100%で存在し、実際のところは、当業者には既知のように相対湿度100%程度の範囲で動的平衡は存在する。さらに、混合体内に冷たい加湿エーロゾルを供給することで、エーロゾル粒子の表面から水蒸気の蒸発の増加が起こってもよく、このようにして、粒子の再乾燥が結果として生じる。
【0018】
さらに、「換気回路」という用語は、人工呼吸器から患者へ及び患者から人工呼吸器へ戻すようにして提供される呼吸ガスを換気するように構成される装置を指し、この結果、患者の呼吸路は除かれる。本明細書中で使用される「患者」という用語は、特に、いかなる年齢の人間をも指し、特に、早産児も含む。さらに、「換気」という用語は、呼吸ガスの動きを完成させるプロセスに関連し、特に、吸気と呼気の交互ステップを介して行われる。追加の補助なしに循環を行うことができる正常に呼吸している患者と対照的に、人工呼吸器の対象となる患者には、換気回路を介して人工呼吸器から少なくとも部分的に提供される呼吸ガスが必要である。本明細書中で使用される、「患者インターフェース」という用語は、換気回路と患者の呼吸路との間の接続を提供するように構成されるユニットを指し、そのため、一般的に、患者に隣接して配置される。この目的のために、患者インターフェースは、換気回路に一体化又は取り付けられてもよく、換気回路は、概して、人工呼吸器から患者インターフェースへと逆向きにガスを誘導するように適合されている人工呼吸器及びチューブを備えてもよい。特に、適切なマウスピース、呼吸マスク、鼻カニューレ、又は気管カニューレが、患者インターフェースの一部とされ、又はそれに取り付けられてもよい。しかしながら、患者インターフェースの他の構成もまた実行可能であってよい。
【0019】
一般的に既知のように、呼吸ガスは、加えて、好適には加湿エーロゾルで富化できるキャリアガスの機能を果たしてもよく、このようにして、結果的に「加湿エーロゾルの投与」という言葉で説明されてもよいプロセスとなる。本明細書中における、「投与」という用語は、特に、期間ごとに加湿エーロゾルが含む医薬品を所定量提供することにより、呼吸ガス及び呼吸ガスに含まれる加湿エーロゾルの調節された適用を許容するプロセスを指す。本明細書中に使用されるように、「呼吸ガス」という用語は、患者の換気に適した組成からなるガス混合体を指し、特に、空気又は酸素富化空気である。
【0020】
加湿された事前乾燥エーロゾル粒子は、熱、特に太陽放射の発生等により、部分的に再乾燥し得ることが加湿エーロゾルの研究により明らかになっている。しかしながら、エーロゾルを乾燥させる他の理由もまた発生し得る。特に、相対湿度100%で提供された完全に加湿されたエーロゾルの温度が上昇し得る形で、熱は、換気回路における温度上昇を引き起こしてもよい。上述のように、加湿エーロゾルは温度上昇につれて徐々に水分を失ってもよく、このようにして、エーロゾルが連続的に乾燥することに繋がる。連続的にどんどん乾燥する粉末エーロゾルの投与は、このようにして、乾燥エーロゾルの投与の場合と同様になり、最終的にはチューブ又は気道における空気の通り道の閉塞につながることもある、かなりの量の堆積した粉末材料を結果として生じ得る。この結果は、特に堆積した乾燥粉末が洗い流されることができない事実に起因し得る。上記にすでに示したように、これらの閉塞は、このようにして、患者が窒息に至ってしまうほどの呼吸の著しい障害を結果として生じる恐れがある。
【0021】
代替的に又は追加的に、100%の加湿エーロゾルの第1流と100%の加湿キャリアガスの第2流が、患者インターフェースに隣接して配置されてもよい混合室で混合体へと混合されるまで別々に誘導されたとしても、別々に誘導された流れが異なる温度を呈してもよい場合、同様の影響が観察できてもよい。この場合、混合体の露点を超えて混合室内の混合体の共通温度がむしろ上昇しやすくなる可能性があり、このようにして、結果的に粒子の表面の水分を失うこととなる。この影響は、特に小断面からなるため、早産児の呼吸補助に典型的に使用される鼻プロングでは特に危険性があり、このようにして、幼児の窒息のリスクが高まる。
【0022】
結果的に、100%の相対湿度を呈するガス状流が通路に沿って冷却される際、低下する温度によって余剰となった蒸気が利用できる表面に蓄積してもよい限り、この流れの相対湿度は通路に沿って常に100%となる。さらに、このような流れの2つ、加湿エーロゾルを含む富化キャリアガスを含んでもよい第1流及び第2流呼吸ガス、が混合されてもよい場合、100%の相対湿度がこの場合保持されるため、混合室に到着した時に流れの温度が同じであると特に有利であることができる。結果的に、エーロゾル粒子の再乾燥が起こらなくてもよい。このように、その混合よりも先に2つの流れを熱的に平衡させることが提案される。加えて、第1流と第2流との間の所望する熱平衡を達成できるようにするため、環境的加熱又は冷却に対する熱的遮蔽とガス経路に沿った一定の温度勾配の適用からなる液体流が適用される。
【0023】
患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための方法は、このようにして、下記の工程a)乃至f)からなる。
a)加湿エーロゾルを含む第1ガス流を提供して誘導する工程と、
b)加湿呼吸ガスを含む第2ガス流を提供して誘導する工程と、
c)熱平衡液の液流を提供して誘導する工程と、
d)第1ガス流及び第2ガス流を平行に誘導することによって、第1ガス流及び第2ガス流を熱平衡させ、熱平衡液の液流によって少なくとも部分的に包囲されるように、第1ガス流及び第2ガス流を誘導する工程と、
e)第1ガス流及び第2ガス流を混合することによって、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを得る工程と、
f)加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを患者インターフェースに投与する工程。
【0024】
本明細書中において、示される工程は任意の順番で行われてよいが、好適には、全ての示される工程は少なくとも部分的に並行してあらかじめ形成されていてもよい。さらに、当該文書に記載があろうとなかろうと追加の方法工程が行われてもよい。
【0025】
工程a)及びb)によると、加湿エーロゾルを含む第1ガス流と、加湿呼吸ガスを含む第2ガス流のそれぞれが提供されて誘導、好適には、別々に提供されて別々に誘導され、工程d)により、特に工程e)よりも先に、第1ガス流及び第2ガス流を平行に誘導することにより、第1ガス流及び第2ガス流が熱的に平衡される。加湿呼吸ガスを含む第2ガス流と比較して加湿エーロゾルを含む第1ガス流がより小さな流量を呈してもよい、特に好適な実施形態では、少なくとも部分的に、好適には、全体的に流れの横方向において、それが第1ガス流を包囲してもよいような形で第2ガス流が誘導されてもよい。しかしながら、他の構成もまた実行可能であってよい。
【0026】
工程c)によると、第1流及び第2流の熱平衡は、少なくとも部分的に、好適には、全体的に流れの横方向において、それが第1ガス流及び第2ガス流の両方を包囲してもよいような形で別々に提供されて別々に誘導される熱平衡液の液流によってサポートされる。特に、液流は、逆流構成の形態で適用されてもよく、このようにして、熱平衡の有効性を増加させる。ここで、「逆流」という用語は、第1流及び第2流の方向と比較して液流が反対の方向をとってもよい構成のことを指す。しかしながら、第1ガス流、第2ガス流、及び液流を平行に流すこともまた実行可能であってもよい。本明細書中で使用されている「熱平衡液」という用語は、概して、第1流と第2流との間の熱平衡を達成するためのサポートとして使用されるように適合されている液体物質を指す。この点について、液流は、周囲からの熱進入に対してエーロゾル及び呼吸ガスを遮蔽するよう構成されてもよい。それ故、液流は、好適には、高い熱容量を呈してもよい液体を含んでよい。この目的のため、熱平衡液は、好適には水又は水溶液の1つから選択されてもよい。しかしながら、非水系液体又は非水溶液等のその他の種類の液体も使用できる。
【0027】
特に好適な実施形態では、熱平衡液の液流は、例えば、液流に低い圧力を印加することに適合されていてもよいポンプユニットを使用することで、流れ方向に低い圧力を印加することにより誘導されてもよく、このようにして、それを押すことに代えて、熱平衡液を吸うことができる。この構成は、熱平衡液、すなわち水又は水溶液が、工程f)によって患者インターフェースに投与される第1ガス及び/又は第2ガス流内に入り込む可能性を回避するのに役立ってもよい。本実施形態の結果として、液流中において低い圧力が発生してもよく、このようにして、さもなくば患者の窒息という結果となる可能性がある換気回路への熱平衡液の進入を抑制する。
【0028】
液流は、特に、第1流及び第2流の両方をいかなる周囲環境からも可能な限り遮蔽するよう構成されていてもよく、このようにして、第1流によって生成される混合体及び第2流の共通温度をかなり正確に設定することを可能にする。この目的のために、第1ガス流は、工程a)の間に、第1温度で提供されてもよく、第2ガス流は、工程b)の間に、第2温度で提供されてもよい一方で、第1ガス流及び第2ガス流は、工程e)の間に、共通温度で混合できるような形で、工程d)により誘導される。本明細書中、第1ガス流と第2ガス流との混合に使用される共通温度は、好適には、第1温度及び第2温度よりも両方とも低くてもよい。特に好適な実施形態では、共通温度は、加えて、温度計又は熱電対の使用等により、患者の呼吸のために決定できる、特に、±1℃、好適には±0.5℃、より好適には±0.3℃の範囲内の温度に調節されてもよい。しかしながら、温度を決定するためのその他の方法もまた実行可能であってよい。この正確に調整された温度の結果として、混合中の加湿エーロゾルの再乾燥は実質的に回避されてもよく、このようにして、さらに患者インターフェースの閉塞を抑制する。加えて、結果として生じる混合体も100%の相対湿度を有するように、工程e)の間に第1ガス流及び第2ガス流が混合できれば、特に好ましいかもしれない。
【0029】
工程f)により、好適には100%の相対湿度を呈する加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスは、このようにして、患者インターフェースに投与されてもよく、これによって、特に、期間ごとに呼吸ガスを加湿エーロゾルからなる医薬品の所定量と共に提供することで、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスの管理投与を可能とし、実質的に、本発明による装置に再乾燥したエーロゾルの堆積が残存しない。
【0030】
さらに上記の通り、第1ガス流及び第2ガス流の両方とも、それぞれ工程a)又は工程b)の間に100%の相対湿度で提供されてもよい。この目的のため、特に、第1加湿器を乾燥エーロゾルに適用し、第2加湿器を乾燥呼吸ガスに適用するようにして、事前乾燥呼吸ガスが工程b)よりも先に加湿されてもよい間に、事前乾燥エーロゾルが、工程a)よりも先に加湿されてもよい。本明細書中で使用される、乾燥エーロゾル及び乾燥呼吸ガスに対する「乾燥」という用語は、100%未満の相対湿度をエーロゾル及び呼吸ガスが有する状態を指し、このようにして、それらがより多くの水蒸気を取り込み、少なくともさらに加湿されるようにできる。
【0031】
さらなる態様では、本発明は、患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための装置を参照する。従って、装置は、
− 加湿エーロゾルを含む第1ガス流を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第1チューブと、
加湿呼吸ガスを含む第2ガス流を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第2チューブと、
− 熱平衡液を含む液流を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第3チューブであって、第1チューブ、第2チューブ、及び第3チューブが相互に同軸配置で提供され、第3チューブが第1チューブ及び第2チューブを覆う少なくとも1つの第3チューブと、
− 第1ガス流及び第2ガス流を受け入れて混合し、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを得るための少なくとも1つの混合室であって、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを投与するための少なくとも1つの出口を有する少なくとも1つの混合室とを備える。
【0032】
本明細書中で使用される「チューブ」という用語は、ガス及び/又は液体の流れを受け入れて誘導するように構成されている中空で細長い物体を指す。ここで、本明細書中で言及されるチューブのいずれか1つ又はそれぞれは、パイプ等の剛体チューブ、又は好適には半剛体チューブ又はさらに好適には、ホース又はスリーブ等の可撓チューブであってもよい。このような形で、可撓チューブを使用することで、本発明による装置は、有利には、より容易に患者の要件に調整できてもよい。チューブ内の実質的に一定の液又はガス流を可能にし、その結果、潜在的な堆積のリスクを低減するため、チューブのいずれか1つ又はそれぞれは、このようにして、その長さに沿って実質的に一定の断面を有してもよい。
【0033】
さらに、各チューブは軸を有してもよく、2つの、又は好適には、全ての3つの異なるチューブの軸が相互に一致してもよく、このようにして、第1チューブ、第2チューブ、及び第3チューブの3軸構成を提供する。本明細書中の第3チューブは、好適には、特に、第1チューブ及び第2チューブの両方を覆うジャケット又はシースの形態で、第1チューブ及び第2チューブを覆ってよい。この種の構成は、特に、各チューブ内の第1ガス流及び第2ガス流の両方を効率的に冷却することを達成するために有利であってもよい。加湿エーロゾルを受け入れて誘導するように構成されている第1チューブが加湿呼吸ガスを受け入れて誘導するように構成されている第2チューブに比べてより小さな流量を呈してもよい、特に好適な実施形態では、第1チューブは第2チューブの内側に位置してもよく、このようにして、第2ガス流が、少なくとも部分的に、好適には完全に第1ガス流を包囲できる。この特に好適な実施形態において、第2チューブは、第2チューブの内側に配置されている第1チューブをすでに覆っているため、第3チューブが第2チューブのみを直接的に覆うことができれば十分としてもよい。しかしながら、特に1つを超える第1チューブ及び/又は1つを超える第2チューブ及び/又は1つを超える第3チューブが採用されてもよい場合に、他の構成も実行可能であってもよい。
【0034】
第1チューブは加湿エーロゾルを含む第1ガス流を受け入れて誘導するように構成されているが、第2チューブは加湿呼吸ガスを含む第2ガス流を受け入れて誘導するように構成されている。特定の実施形態では、装置は、このようにして、さらに乾燥エーロゾルを加湿するよう構成されている少なくとも1つの第1加湿器と、乾燥呼吸ガスを加湿するよう構成されている少なくとも1つの第2加湿器とを備えてもよい。ここで、1つの又は両方の加湿器は、国際公開第2015/132172号の開示に従って選択してもよい。しかしながら、他の構成及び他の種の加湿器もまた実行可能であってよい。
【0035】
第3チューブが、熱平衡液を受け入れるための取込口と、熱平衡液を供給するための出口とを備えてもよい、さらに好適な実施形態では、装置はさらに、第3チューブの取込口での圧力と比較して第3チューブの出口では低い圧力を印加するよう構成されていてもよいポンプユニットを備え、このようにして、それを第3チューブ内に押し入れることに代えて、第3チューブを通して熱平衡液を吸うことを可能にする。上記の通り、この構成は、熱平衡液、すなわち水、水溶液、非水系液体、又は非水溶液が、第1チューブ及び/又は第2チューブ内に入り込む可能性の回避に役立ててもよい。本実施形態の結果として、液流中において発生してもよい低い圧力が、このようにして、そうしなければ、患者の窒息という結果となるかもしれない換気回路への熱平衡液の進入を抑制してもよい。
【0036】
本明細書中において、混合室は、第1ガス流及び第2ガス流を受け入れて混合し、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを得ることに適切であってよく、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを投与するための少なくとも1つの出口を有する、いかなる考え得る形態を取ってもよい。特に好適な実施形態では、混合室は患者インターフェースと同一であってもよく、出口は加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを患者の呼吸路へ又は患者インターフェースと患者の呼吸路との間に配置されてもよい追加の装置へ投与するよう構成されてもよい。代替的な実施形態では、混合室の出口は、加湿エーロゾルを含む富化呼吸ガスを、患者インターフェースへ又は出口と患者インターフェースとの間に配置されてもよい追加の装置へ投与するよう構成されてもよい。
【0037】
装置についてのさらなる詳細については、本明細書中の他の部分にある方法及び実施形態例の説明を参照してもよい。
【0038】
さらなる態様では、本発明は、早産児の呼吸補助において患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための装置の使用について言及する。すでに上述のように、早産児の呼吸補助で典型的に使用されているもののような小断面は、特に、本発明による装置によって達成可能な著しく低減された高窒息リスクから利益を得てもよい。
【0039】
それ故、本発明による方法及び装置は、このようにして、乾燥又は再乾燥した粉末エーロゾルの投与を回避することを特に可能にする。結果として、最終的にチューブ又はそれに続いて気道における空気の通り道の閉塞に繋がりかねない粉末材料の望ましくない堆積が発生しないかもしれない。有利には、患者の窒息に至るほどの呼吸における障害がないことは、このような種の堆積がないことに起因してもよい。特に、早産児の呼吸補助で典型的に使用されているもののような小断面は、著しく低減された高窒息リスクから利益を得てもよい。このような望ましくない堆積がないことは、実際に対象器官に到達したかもしれない投与される物質の正確な投与量を決定することをさらに容易にしてもよい。
【0040】
加えて、異なる温度、共通温度で提供されてもよい第1ガス流及び第2ガス流の混合は、特に、本発明の上述の利点に貢献してもよい。加えて、換気回路によって少なくとも部分的に換気される患者の呼吸のために決定された温度に共通温度を調整することは、さらに加湿エーロゾルが再乾燥することを回避するためのサポートを提供してもよい混合室での正確な温度を結果的にもたらす可能性があり、このようにして、さらに患者インターフェースの閉塞が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下の好適な実施形態の説明において本発明のさらなる選択的な特徴及び実施形態がより詳細に、好適には従属請求項と併せて開示される。ここで、各選択的な特徴は、当業者には認識されるように、分離した形態で実施されてもよいし、いかなる任意の実行可能な組み合わせで実施されてもよい。本発明の適用範囲は、好適な実施形態に限定されてはならないということを強調しておく。実施形態は、図面に模式的に示されている。ここで、これら図面内の同一の参照番号は同一又は機能的に同等の要素を指す。図面は以下の通りである。
【0042】
【
図1A】本発明による患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための装置例の側面図を模式的に示す。
【
図1B】本発明による患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するための装置例の断面図を模式的に示す。
【
図3A】典型的に、本発明による方法及び装置を使用せずに(
図3A;先端技術)、患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するため、早産児の呼吸補助に使用されるものと同等のホルダに挿入された鼻プロング形態の患者インターフェースの断面の画像同士の比較を表す。
【
図3B】典型的に、
図1A及び
図1B又は
図2A及び
図2Bによる方法及び装置例をそれぞれ使用して(
図3B)、患者インターフェースに加湿エーロゾルを投与するため、早産児の呼吸補助に使用されるものと同等のホルダに挿入された鼻プロング形態の患者インターフェースの断面の画像同士の比較を表す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1Aは、本発明による加湿エーロゾル112を患者インターフェース114に投与するための装置例110の側面図を模式的に示す。装置110は、特に、人工呼吸器又は換気補助を受ける患者に使用されてもよく、患者には早産児も含まれるがこれに限らない。
【0044】
図1Aに示されるように、装置例110は、加湿エーロゾル112を含む第1ガス流118を混合室120へ受け入れて誘導するよう、工程a)により、構成されている第1チューブ116を備える。この目的のために、第1ガス流118は、好適には、第1チューブ116の第1取込口122に第1温度T
1及び相対湿度100%で提供されてもよい。
【0045】
図1Aにさらに示されるように、装置例110はさらに、加湿呼吸ガス128を含む第2ガス流126を混合室120に受け入れて誘導するよう、工程b)により、構成されている第2チューブ124を備える。本明細書中において、加湿呼吸ガス128は、患者の換気に適することが可能な組成、特に空気又は酸素富化空気を含んでいてもよい。この目的のため、第2ガス流124は、好適には、第2チューブ124の第2取込口130にて、第2温度T
2であるが、同時に相対湿度100%で提供されてもよい。
【0046】
図1Aにさらに示されるように、装置例110はさらに、熱平衡液136を含む液流134を受け入れて誘導するよう、工程c)により、構成されている第3チューブ132を備える。本明細書中における熱平衡液136は、一般的に、第1ガス流118と第2ガス流126との間の熱平衡を達成するサポートとして使用されるよう適合されている液体物質を指す。この目的のため、熱平衡液136は、特に、水又は水溶液の1つから選ばれてもよい。しかしながら、非水系液体又は非水溶液等の他の種類の液体物質もまた、この目的に適してもよい。
【0047】
好適には、第3チューブ132は、
図1Aにさらに模式的に示されるように、熱平衡液136を受け入れるための取込口138と、熱平衡液136を供給するための出口140を備えてもよい。特に好適な実施形態では、装置110はさらに、第3チューブ132の取込口138において優勢であってもよい圧力p
1に比べて低くてもよい第3チューブ132の出口140における圧力p
2をかけるよう適合されていてもよいポンプユニット(ここには不図示)を備えてもよい。このような形で、熱平衡液136の液流134は、第3チューブ132内に押し込められる代わりに、第3チューブ132内を吸引動作により誘導されてもよい。結果的に、
図1Aに示される構成は、このようにして、そうでなければ、患者が窒息する結果にもなりかねない、第1チューブ116及び/又は第2チューブ124、そして最終的に、患者インターフェース114内への熱平衡液136の入り込みの回避に役立ってもよい。
【0048】
図1Aにさらに模式的に示されるように、液流134は、逆流構成の形態で適用されてもよく、その場合、液流134は、第1流118及び第2流126の方向と比較して逆の方向をとってもよく、このようにして熱平衡の有効性を増すことができる。しかしながら、第1ガス流118、第2ガス流126、及び液流134が平行に流れること(ここには不図示)も実行可能であってよい。
【0049】
いずれかの又は好適には全ての第1チューブ116、第2チューブ124、及び第3チューブ132はパイプ等の剛体チューブから、好適には半剛体チューブから、又はより好適には、ホース又はスリーブ等の可撓チューブから選ばれてもよい。可撓チューブを使用することで、装置110は、有利に、さらに容易に患者の要件に調整可能となってもよい。特に、いずれかの又は好適には全ての第1チューブ116、第2チューブ124、及び第3チューブ132は、特に、第1ガス流118、第2ガス流126及び/又は液流134が第1チューブ116を通して実質的に一定に動くことができるように、その長さに沿って実質的に一定の断面を備えてもよく、これにより、特に第1ガス流118に含まれるエーロゾル112の堆積のリスクを低減する。
【0050】
図1Bは、
図1Aに示された装置110の患者インターフェース114に加湿エーロゾルを投与するための装置110の断面を模式的に示す。そこに示されるように、第1チューブ116、第2チューブ124、及び第3チューブ134は、相互に同軸配置で提供され、第3チューブ132は第1チューブ116及び第2チューブ124を覆う。ここで示される実施形態例では、第1チューブ116は第1軸を有し、第2チューブ124は第2軸を有し、及び第3チューブ132は第3軸を有する。第1軸、第2軸、及び第3軸は相互に一致し、それにより、チューブ116、124、及び132の3軸構成となる。しかしながら、他の構成もさらに実行可能であってよい。
【0051】
図1Aに戻り、そこで、本発明に従い、第1チューブ116を通って誘導される第1ガス流116を少なくとも部分的に包囲してもよい形で第2ガス流126が第2チューブ124を通って誘導されることが示されている。この構成は、好適には、特に
図1Bに示されるような同軸の形で、第1チューブ116を第2チューブ124の内側に位置付けることで達成されてもよい。この実施形態は、特に、加湿エーロゾル112を受け入れて誘導するために構成されている第1チューブ116が、加湿呼吸ガス128を受け入れて誘導するために構成されている第2チューブ124に比べて、より小さい流量を呈する可能性があるときに有利となり得る。
【0052】
図1A及び
図1Bに示されるような構成は、このようにして、第1ガス流118及び第2ガス流126を平行に誘導することにより、工程d)によって、第1ガス流118及び第2ガス流126を熱平衡することを可能にする。本明細書中では、第1ガス流118及び第2ガス流126は、熱平衡液136の液流134により少なくとも部分的に包囲されるような形で誘導されてもよい。この目的のために、第3チューブ132は、好適には、第2チューブ124及び結果的に、
図1A及び
図1Bの実施形態例では第2チューブ124の内側に配置されている第1チューブ116の両方を覆うために設計されてもよいジャケット又はシースの形態を有していてもよい。このような種類の構成は特に、第1ガス流118及び第2ガス流126がそれぞれそれらを通って誘導される第1チューブ116及び第2チューブ124を介して対応する通路に沿って第1ガス流118及び第2ガス流126の両方を効果的に冷却することを達成できてもよい。
【0053】
図1Aにさらに示されるように、装置例110はさらに、工程e)によると、一方で、第1チューブ116の第1出口146から第1ガス流118及び第2チューブ124の第2出口148から第2ガス流126を受け入れるように設計され、他方で、受け入れた第1ガス流118及び受け入れた第2ガス流126を混合するように設計された混合室120をさらに備える。それによって、好適には均一で微細に分散した形態で呼吸ガス128のボリューム全体にわたって分布してもよい加湿エーロゾル112を含む富化呼吸ガス142が生成でき、工程f)により1以上の出口150を介して提供することができる。
【0054】
図1Aに模式的に示されるように、混合室120は、この特に好適な実施形態において、富化呼吸ガス142を直接的に又は間接的に投与するための出口150をこのように備える患者インターフェース114と同一であってもよい。本明細書中では、追加パーツ(ここには不図示)が、概して、患者インターフェース114と患者の呼吸路との間に導入されてもよい。この特定の実施形態では、患者インターフェース114は、好適には、さらなる出口144を備えてもよく、さらなる出口144は、患者から受け入れる呼気ガスを外に出すように構成されている。
【0055】
代替的な実施形態(ここには不図示)では、患者インターフェース114は、分離ユニットの形態で混合室120の出口150に取り付けられてもよい。またここで、追加のパーツが、概して、混合室120と患者インターフェース114との間及び/又は患者インターフェース114と患者の呼吸路との間に導入されてもよい。
【0056】
第1チューブ116の第1出口146で第1ガス流118が第3温度T
3となり、第2チューブ124の第2出口148で第2ガス流126が第4温度T
4となり、第1ガス流118及び第2ガス流146が、好適には、混合室120内にて共通温度T
cで混合されると考える。特に好適な実施形態では、共通温度T
cは第3温度T
3及び第4温度T
4の両方と等しくてもよいが、各チューン116及び124に沿って第1ガス流118及び第2ガス流126の両方を冷却するため、共通温度T
cは、第1チューブ116の第1取込口12の第1温度T
1及び第2チューブ124の第2取込口130の第2温度T
2の両方よりも低くてもよい。
【0057】
本明細書中に説明されている温度の調整に加えて、第1ガス流118及び第2ガス流126は、最も好適には、工程e)に従って、全ての関与するガスグロー118及び126の相対湿度100%で混合されてもよい。この特に好適な実施形態に到達するため、工程d)による第1ガス流118及び第2ガス流126の両方の熱平衡は、混合室120内の湿度及び共通温度Tcが上述の値をとってもよい形で行われてもよい。
【0058】
上記のように、この特に好適な実施形態は、実質的に粉末材料の蓄積が発生しないようにできてもよく、これにより、チューブ又は気道における空気の通り道の閉塞を回避する。本発明のこの利点をさらに向上させるため、工程d)による第1ガス流118及び第2ガス流126の両方の熱平衡は、さらに、共通温度T
cが呼吸温度T
bに調整されてもよい形で適用されることができ、呼吸温度T
bは少なくとも部分的に患者インターフェース114を介して換気される患者の呼吸のために決定される。この点について、呼吸温度T
bを決定するために温度計又は熱電対が使用されてもよい。このさらに向上した実施形態において、実際の人工呼吸を受ける患者の呼吸の温度と富化呼吸ガス142の流れの温度とのいかなる差も消してよく、こうして、さらに患者インターフェース114の堆積を避けることに貢献する。
【0059】
図2A及び
図2Bに示されるように、装置例110はさらに、乾燥エーロゾル154を加湿するよう構成されている第1加湿器152と、乾燥呼吸ガス158を加湿するよう構成されている第2加湿器156とを備える。すでに上記で言及したように、乾燥エーロゾル154及び乾燥呼吸ガス158に対する「乾燥」という用語は、100%未満の相対湿度を有してもよいエーロゾル及び呼吸ガスの状態を指すものであり、このようにして、エーロゾル及び呼吸ガスが少なくともさらに加湿されることを可能にする。好適には、乾燥エーロゾル154は、工程a)よりも先に加湿されてもよく、続いて、
図1Aに示されるように、加湿エーロゾル112として第1チューブ116の第1取込口122に誘導されてもよい。同様に、呼吸ガス158は、好適には、工程b)よりも先に加湿されてもよく、続いて、
図1Aにさらに示されるように、加湿呼吸ガス128として第2チューブ124の第2取込口130に誘導されてもよい。
【0060】
図2A及び
図2Bに示されるような特定の実施形態おいて、第1加湿器152及び第2加湿器156の両方とも国際公開第2015/132172号で提案されている構成に選択されている。従って、各加湿器152及び156は、乾燥エーロゾル154又は乾燥呼吸ガス158をそれぞれ加湿するために設計されてもよい水を備える水コンパートメント160を有してもよい。さらに詳細には、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/132172号を参照してもよい。しかしながら、他の種類の加湿器及び代替的な構成も実行可能であってよい。
【0061】
図3A及び
図3Bは、早産児の呼吸補助において患者インターフェース114として使用されるために設計された鼻プロング164が有する空気の通り道162の断面同士の比較を提供している。
【0062】
図3Aに示されるように、本発明による方法及び装置110を適用せずに最先端技術に従い、加湿エーロゾル112を幼児の患者インターフェース114に投与すると、かなりの度合いの望ましくない粉末材料の堆積166が鼻プロング164の空気の通り道162を閉塞することに繋がる可能性がある。ここに示されるように、この効果は特に、幼児の窒息のリスクを高める可能性があるので、危険であり得る。
【0063】
これとは対照的に、本発明に従って幼児の患者インターフェース114に加湿エーロゾル112を投与するための方法及び装置110を適用することにより乾燥エーロゾル154が加湿される場合、実質的に堆積は観察できない。それ故、本発明による方法及び装置110は、加湿エーロゾル112が患者インターフェース114へ向かう途中での少なくとも部分的な再乾燥を回避するためのこの非常に高度な場合においても効果的に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
110 装置
112 加湿エーロゾル
114 患者インターフェース
116 第1チューブ
118 第1ガス流
120 混合室
122 第1取込口
124 第2チューブ
126 第2ガス流
128 加湿呼吸ガス
130 第2取込口
132 第3チューブ
134 液流
136 熱平衡液
138 取込口
140 出口
142 富化呼吸ガス
144 さらなる出口
146 第1出口
148 第2出口
150 出口
152 第1加湿器
154 乾燥エーロゾル
156 第2加湿器
158 乾燥呼吸ガス
160 水コンパートメント
162 空気の通り道
164 鼻プロング
166 堆積
【手続補正書】
【提出日】2020年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿エーロゾル(112)を患者インターフェース(114)に投与するための方法であって、
a)加湿エーロゾル(112)を含む第1ガス流(118)を提供して誘導する工程と、
b)加湿呼吸ガス(128)を含む第2ガス流(126)を提供して誘導する工程と、
c)熱平衡液(136)の液流(134)を提供して誘導する工程と、
d)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を平行に誘導することによって、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を熱平衡させ、前記熱平衡液(136)の前記液流(134)によって少なくとも部分的に包囲されるように、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を誘導する工程と、
e)前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を混合することによって、前記加湿エーロゾル(112)を含む富化呼吸ガス(142)を得る工程と、
f)前記加湿エーロゾル(112)を含む前記富化呼吸ガス(142)を前記患者インターフェース(114)に投与する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記第2ガス流(126)は、前記第1ガス流(118)を少なくとも部分的に包囲するように誘導される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1ガス流(118)は、工程a)に従って、第1温度で提供され、前記第2ガス流(126)は、工程b)に従って、第2温度で提供され、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)は、工程e)に従って、共通温度で混合され、前記共通温度は、前記第1温度及び前記第2温度よりも低い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記共通温度は、換気回路によって少なくとも部分的に換気される患者の呼吸のために決定される温度に調整される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ガス流(118)は、工程a)に従って、相対湿度100%で提供され、前記第2ガス流(126)は、工程b)に従って、相対湿度100%で提供され、前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)は、工程e)に従って、相対湿度100%で混合される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱平衡液(136)の前記液流(134)は、流れ方向に低い圧力を印加して誘導される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱平衡液(136)は、水、水溶液、非水系液体、又は非水溶液のうちの1つから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
乾燥エーロゾル(154)は、工程a)よりも先に加湿され、乾燥呼吸ガス(158)は、工程b)よりも先に加湿される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
加湿エーロゾル(112)を患者インターフェース(114)に投与するための装置(110)であって、
加湿エーロゾル(112)を含む第1ガス流(118)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第1チューブ(116)と、
加湿呼吸ガス(128)を含む第2ガス流(126)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第2チューブ(124)と、
熱平衡液(136)を含む液流(134)を受け入れて誘導するための少なくとも1つの第3チューブ(132)であって、前記第1チューブ(116)、前記第2チューブ(124)、及び前記第3チューブ(132)が相互に同軸配置で提供され、前記第3チューブ(132)が前記第1チューブ(116)及び前記第2チューブ(124)を覆う少なくとも1つの第3チューブ(132)と、
前記第1ガス流(118)及び前記第2ガス流(126)を受け入れて混合し、前記加湿エーロゾル(112)を含む富化呼吸ガス(142)を得るための少なくとも1つの混合室(120)であって、前記加湿エーロゾル(112)を含む前記富化呼吸ガス(142)を投与するための少なくとも1つの出口(150)を有する少なくとも1つの混合室(120)と、を備える装置(110)。
【請求項10】
前記第1チューブ(116)は、前記第2チューブ(124)の内側に配置されている、請求項9に記載の装置(110)。
【請求項11】
前記第3チューブ(132)は、前記第1チューブ(116)及び前記第2チューブ(124)を直接的又は間接的に覆うジャケットを形成している、請求項9又は10に記載の装置(110)。
【請求項12】
前記第1チューブ(116)は第1軸を有し、前記第2チューブ(124)は第2軸を有し、前記第3チューブ(132)は第3軸を有し、前記第1軸、前記第2軸、及び前記第3軸は相互に一致している、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項13】
前記第3チューブ(132)は、前記熱平衡液(136)を受け入れるための少なくとも1つの取込口(138)と、前記熱平衡液(136)を供給するための少なくとも1つの出口(140)とを有し、前記装置(110)はさらに、前記取込口(138)での圧力と比較して低い圧力を前記出口(140)に印加するように設計されているポンプユニットを備える、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項14】
前記第1チューブ(116)、前記第2チューブ(124)、及び前記第3チューブ(132)の少なくとも1つは、可撓チューブである、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項15】
前記第1チューブ(116)、前記第2チューブ(124)、及び前記第3チューブ(132)の少なくとも1つは、その長さに沿って一定の断面を有する、請求項9から14のいずれか一項に記載の装置(110)。
【請求項16】
乾燥エーロゾル(154)を加湿するように構成されている少なくとも1つの第1加湿器(152)と、乾燥呼吸ガス(158)を加湿するように構成されている少なくとも1つの第2加湿器(156)とをさらに備える、請求項9から15のいずれか一項に記載の装置(110)。
【国際調査報告】