(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-534173(P2020-534173A)
(43)【公表日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】クイック・ロボット・アーム・ツール・チェンジャー
(51)【国際特許分類】
B25J 15/04 20060101AFI20201030BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-537125(P2020-537125)
(86)(22)【出願日】2018年9月10日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月21日
(86)【国際出願番号】NO2018050226
(87)【国際公開番号】WO2019054880
(87)【国際公開日】20190321
(31)【優先権主張番号】20171482
(32)【優先日】2017年9月14日
(33)【優先権主張国】NO
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520088982
【氏名又は名称】ブインド、クイエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブインド、クイエル
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707GS01
3C707GS12
(57)【要約】
本発明は、第1のパーツ(10a)と第2のパーツ(10b)とを含むツール・ホルダー(10)を開示しており、くさび形状のロッキング・メカニズムが、第1のパーツ(10a)の第1の表面の上に部分的に配置されており、第2のパーツ(10b)の第2の表面の上に配置されているくさび形状のロッキング・メカニズムのさらなるパーツと接合されるように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパーツ(10a)と第2のパーツ(10b)とを含むツール・ホルダー(10)であって、前記第1のパーツ(10a)および前記第2のパーツ(10b)は、インターフェースを介して接続可能および分離可能になっており、前記インターフェースは、前記第1のパーツ(10a)の上の第1の表面が前記第2のパーツ(10b)の上の第2の表面に向けて操作可能に面することによって構成されており、
− くさび形状のエレメントが、前記第1の表面から外向きに突出しており、
− 前記第2の表面の上に配置されているくさび形状の窪み部が、前記第1の表面および前記第2の表面を操作可能に接合するときに、前記第1の表面の上の突出しているくさび形状の前記エレメントを受け入れるように適合されており、
− 前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの長手方向の長さは、前記第1の表面の少なくとも1つの幅に等しく、
− 前記第2の表面の上の前記窪み部の対応する長手方向の長さは、前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記長手方向の長さに適合されており、前記第2の表面の上の対応する適合された前記長さは、前記第2の表面の前記少なくとも1つの幅にさらに等しく、
− 前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの長手方向の側部表面は、内向きに傾けられており、前記第2の表面の上の前記窪み部の対応して傾けられた長手方向の側部表面に適合されている、ツール・ホルダー(10)。
【請求項2】
前記第1のパーツ(10a)の上の前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記傾けられた側部表面は、真っ直ぐなライン(22)に沿って走っており、前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上の前記窪み部の前記傾けられた側部表面は、対応する真っ直ぐなライン(22)に沿って走っている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項3】
前記第1のパーツ(10a)の上の前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記傾けられた側部表面は、湾曲したライン(22)に沿って走っており、前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上の前記窪み部の前記傾けられた表面は、対応する湾曲したライン(22)に沿って走っている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項4】
前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部は、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側部表面の上の前記窪み部の第1の端部において、より小さい第1の開口部を備えて配置されており、
前記第1の開口部よりも幅の広い第2の開口部は、前記第2の本体部(10b)の上の側部表面の上の、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部の反対側に位置付けされた第2の端部の中に配置されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項5】
前記第1のパーツ(10a)の前記第1の側部の上の突出しているくさび形状の前記エレメントは、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部の前記第1の開口部およびそれぞれの第2の開口部の寸法に適合されている、請求項4に記載のツール・ホルダー。
【請求項6】
スプリング荷重式のロッキング・ピン(21)が、くさび形状の前記窪み部のより幅の広い前記第2の開口部に隣接しているエリアにおいて、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上の前記窪み部の内側に配置されている、請求項4に記載のツール・ホルダー。
【請求項7】
前記第1のパーツ(10a)の上の突出している前記エレメントの上のロッキング開口部(15)は、前記第1のパーツ(10a)および前記第2のパーツ(10b)がロッキング位置において接合されているときに、前記ロッキング・ピン(21)を受け入れるように適合されている、請求項4および5に記載のツール・ホルダー。
【請求項8】
フェイルセーフ・ボタン(18)が、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側部表面の上に配置され、前記適合されたロッキング孔部(15)からの前記ロッキング・ピン(21)の認可されていない解放を防止するように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項9】
少なくとも1つの入口開口部(12)が、前記第1のパーツ(10a)の前記本体部の側部表面の上に配置され、前記第1のパーツ(10a)の前記第1の表面の上の出口開口部(13)と流体連通している、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項10】
少なくとも1つの入口開口部(16)が、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上に配置され、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側面の上の出口開口部と流体連通しており、
前記第1のパーツ(10a)の上の前記出口開口部(13)は、前記第1のパーツ(10a)が前記第2のパーツ(10b)と接合されているときに、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上の前記入口開口部(16)と流体連通している、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項11】
前記第1のパーツ(10a)の上の少なくとも1つの電気的接続ポイント(14)が、前記第1のパーツ(10a)がロッキング位置において前記第2のパーツ(10b)と接合されているときに、前記第2のパーツ(10b)の上の対応する少なくとも1つの電気的接続ポイント(17)に電気的に接続されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項12】
コンピューターが、前記ツール・ホルダーの取り付けられたツールへの流体および/または電力を制御するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のツール・ホルダー。
【請求項13】
前記ツール・ホルダー(10)は、ハンドヘルド式ドリルに接続されるように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項14】
前記ツール・ホルダーは、前記ツール・ホルダーによって保持され得るアイテムを交換することを必要とするマシンに接続可能であるように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの端部においてロボット・アームに取り付け可能なツール・ホルダーに関し、ツール・ホルダーは、ロッキング・メカニズムを構成するくさび形状のエレメントとともに配置されている。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットは、異なる産業の中で幅広く使用されている。コンピューター・サイエンス、人工知能、およびセンサー技術における最近の発展は、ロボット技術の新たなフロンティアを広げている。いくつかのロボットは、車の塗装のような特殊な自律的なタスクを実施することを専門にしている。他のものは、より一般的なタイプのものであり、ロボットの動作のそれぞれの段階における特定の必要および用途または特定のタスクにしたがって、さまざまなツールを変更することができる。ロボット・システムは、一般論として、ソフトウェアを走らせるコンピューター・システムを含み、ソフトウェアは、異なる変更可能なツールを保持するマニピュレーターの動作を構成し、操作し、および活性化する。マニピュレーターに接続されている、空間内の移動の特定の自由度を備えたアームを使用することが一般的である。マニピュレーターは、マニピュレーターに取り付けられているツールおよびセンサーを制御してそれらと相互作用する先進器具であることが可能である。
【0003】
本発明の文脈において、ロボット・アームに接続され得る、および/または、ロボット・アームから切り離され得る、簡単なおよび複雑なマニピュレーター、ならびに、簡単なツールが、以下の開示の中で「ツール」として説明されている。さらに、本明細書で定義されているようなロボット・アームと「ツール」との間の接続は、ロボット・アームへの/ロボット・アームからのツールのクイック・ロッキングおよび/またはそれぞれのアンロッキングのための手段を提供するツール・ホルダーを介している。
【0004】
ロボットは、ツールを自動的に変更するように構成され得る。たとえば、それぞれのツールは、ロボットの傍らに位置付けされたトレイの中に位置付けされ得る。空のビンの上方にロボット・アームを移動させ、取り付けられているツールを解放し、その後に、使用されるべき次のツールを含む次のビンの上方にロボット・アームを移動させ、次のツールをロボット・アームに取り付け、以後同様に続くように、ロボット・アームは構成され得る。
【0005】
ロボット・アームの移動は、ロボット・アームが偶然に人にぶつかる場合には、人間にとって有害になる可能性がある。したがって、産業用ロボットは、人間がロボット・アームの届く範囲内に入ることを防止するフェンスの内側に位置付けされることが多い。結果的に、たとえば、フェンスの外側に位置付けされている接続されたコンピューター端末を介する以外に、人間は、ロボットの動作に介入または相互作用することができないこととなる。
【0006】
Universal Robots社は、たとえば、フェンスの後ろに位置付けされることを必要としない協働ロボットを開発している。ロボット・アームが人間の身体または任意の他の障害物に偶然にぶつかる場合には、ロボット・アームの中のセンサーが、事件を検出することとなり、ロボット・アームの移動が自動的に停止する。ロボットは、障害物を除去したときに、自動的に作業を再開することが可能である。そのような作業環境において、人間は、たとえば、それぞれのツールを選択および変更するときに、ならびに/または、ロボット・アクションおよび移動、および、それぞれのツールの使用を制御するコンピューターの中の対応するプログラムを開始もしくは修正するときに、ロボットとの協働的な関係に参加するかまたはそのような関係にあることが可能である。このように、人間のオペレーターは、動作の間に遭遇するそれぞれの必要性または予期しない問題に依存して、ロボットの動作に相互作用して介入することが可能であり、人間のオペレーターは、それに気付くことなどに熟練している。いくつかの場合には、この能力は、産業用ロボットの使用のエリア、および/または、ロボットの動作技能を広げることが可能である。しかし、協働ロボットは、人間からの干渉なしに、自律的なやり方で動作するように構成され得るということがさらに明白である。
【0007】
ロボットを使用するときに、たとえばワーク・ピースに対するツールの位置決めの正確性が、課題である可能性がある。ロボット・アームの移動において、および、ロボット・アームに対するワーク・ピースの位置決めにおいて、公差が存在しており、それは、最終的な作業結果の公差要求が高い場合には、極めて正確であることを必要とする可能性がある。同じ問題が、ツールをハンドリングすることに関して生じる可能性がある。ツール・ホルダーの設計は、ツール・ホルダーがグリップすることができるツールの一部に適合されることを必要とし、さらに、ツールの動作の間に着実に保持することができることを必要とする。ツールとツール・ホルダーとの間のカップリング・インターフェースにかかる歪みは、どのようにロボット・アームがツールを移動させるかということに依存して、異なる方向に変化する可能性がある。また、それは、ツールとワーク・ピースとの間の動作的な接続がどのように機能しているかということに依存している。たとえば、孔部をドリル加工することは、ほとんど、垂直方向に歪みを提供しており、一方、ミーリング動作、トリミング動作、またはカッティング動作などは、ほとんどすべての垂直方向に、および/または、ツール・アクセルに対して任意の配向に、歪みを提供することとなる。ツールが動作の間にツール・ホルダーおよびロボット・アームにしっかりと固定されていない場合には、ツール動作の正確性が損なわれる可能性がある。
【0008】
先行技術では、人間の手を模倣することを試みるツール・ホルダー設計の例が存在している。人工的な手の有益な態様は、たとえば、手がツールをグリップすることができる位置へツール・ホルダーを移動させるときに、手からフィードバックを受け取る能力である。手を位置決めする正確性は、それほど正確である必要はない。その理由は、ツールをグリップしているときの手からのフィードバックが、正しい位置および最終的な最適なグリッピング位置へと手をガイドする際に、ロボットを助けることとなるからである。しかし、人工的な手は、人工的な手の表面とツールとの間のインターフェースの中に誘発される歪みに耐えるには十分に強くない可能性がある。手のような人工的な人間の複雑性は、非常に高い可能性があり、それによって、人工的な手を作製するコストが、非常に高い可能性があり、それは、人工的な手をロボットの任意の一般的な用途に適用することを困難にする。人工的な手は、通常、非常に特殊なタイプの使用および動作のために予約されている。
【0009】
協働ロボットの中で使用されるツール・ホルダーに関するさらなる課題は、ツールを変更する動作が、人間によって、ならびに、ロボットによって制御されているツール・ホルダーのロッキングおよびアンロッキング機能性を提供するデバイスまたはデバイスのアッセンブリによって、実施されることが可能であるべきであるということである。これは、人間の手、ならびに、ロボットまたはロボット・アーム自身の中の機械的なおよび/もしくは電子的なデバイスまたは油圧構成体が、ツール・ホルダーへツールを接続するかまたはツール・ホルダーからツールを解放する動作を実行することができるべきであるということ意味している。
【0010】
米国特許第4636135A号は、産業用ロボットのツールをグリップし、保持し、および変更するためのツール・ホルダーBを開示しており、それは、ロボット・アームのロータリー・リスト・ジョイント(5)に固定されるのに適切である。ツール・ホルダーBは、上流パーツCおよび下流パーツDを含み、上流パーツCは、ロボット・アームのリスト・ジョイント(5)に固定されることができ、下流パーツDは、ツールに固定されることができる。下流パーツDは、ボール形状のパーツで終了する外向きに突出しているアームを含み、ボール形状のパーツは、ボール形状のパーツの周りをグリップするように適合されたデバイスを含む上流パーツCの適合された円筒形状のパーツの中へ挿入される。油圧駆動式アクチュエーターが、グリッピングを活性化することが可能である。油圧駆動式アクチュエーターを停止または逆転することは、グリッピングを解放することが可能である。それによって、ツールは、ロッキング/アンロッキング・デバイスを活性化/非活性化することによって、ロボット・アームからロックまたはアンロックされ得る。
【0011】
それは、ツールのロッキング動作およびアンロッキング動作が容易であって労力がかからないべきであるという点において、協働ロボット・ツール・ホルダー設計に関する課題である。人間、および、人間の手がロックに働かさなければならない力は、労力がかからないべきであり、一方、取り付けられているツールが使用されているときに、ロックは、ツールの任意のぐらつきに耐えるべきである。さらに、ぐらつきに耐えるしっかりとしたグリッピングは、ロックされているときにロックをジャミング(jamming)する大きさのものであるべきではなく、それによって、ロボット・アームからツールをアンロックすること、すなわち、分離することを困難にする。したがって、ロボットの任意のタイプの動作にかかわらず、ツール・ホルダーは、労力のかからないロッキング動作およびアンロッキング動作を可能にするべきであり、同時に、ツールの周りをしっかりグリップすることができるべきであり、ロックされているときにツール・ホルダーによって保持されているツールのロボット・アームの周りの任意の種類のぐらつきを防止する。
【0012】
ドリルなどのようなハンドヘルド式の電気駆動ツールが、先行技術において知られているような複数の異なる変更可能なツールとともに使用される。本発明によるロボット・アームのツール・ホルダーに関して適用される同じ設計原理が、ハンドヘルド式ドリルまたは任意の他のタイプのハンドヘルド式のモーター駆動機器とともに使用され得るということは本発明の範囲内である。
【0013】
本発明によるロボット・アームのツール・ホルダーに関して適用される同じ設計原理は、アイテムを同じアイテムと交換すること、または、複数の異なるアイテムの間の任意の1つの他のアイテムと交換することが行われる、任意のタイプのマシンの中で使用され得る。
【0014】
したがって、改善されたツール・ホルダーの必要性が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明のさらなる目的は、先行技術に対する代替例を提供することである。
【0016】
とりわけ、迅速で労力のかからないツールの変更を提供するツール・ホルダーを提供することを、本発明の目的として見ることが可能であり、ここで、2つのパーツの間に配置されているくさび形状のエレメントの配置によってロック/アンロックされているツール・ホルダーの2つのパーツの間のインターフェースによって、ツール・ホルダーがツールを保持している。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の態様は、互いに向かい合う表面を有する第1のパーツおよび第2のパーツを含むツール・ホルダーであって、
第1のパーツおよび第2のパーツそれぞれの上の相補的なくさび形状のエレメントが、接合されるように構成されており、また、解放可能なロッキング・メカニズムとして機能するように構成されている、ツール・ホルダーを提供することである。
【0018】
したがって、上記に説明されている物体およびいくつかの他の物体は、
第1のパーツと第2のパーツとを含むツール・ホルダーであって、第1のパーツおよび第2のパーツは、インターフェースを介して接続可能および分離可能になっており、インターフェースは、第1のパーツの上の第1の表面が第2のパーツの上の第2の表面に向けて操作可能に面することによって構成されており、
くさび形状のエレメントが、第1の表面から外向きに突出しており、
第2の表面の上に配置されているくさび形状の窪み部が、第1の表面および第2の表面を操作可能に接合するときに、第1の表面の上の突出しているくさび形状のエレメントを受け入れるように適合されており、
第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の長さは、第1の表面の少なくとも1つの幅に等しく、
第2の表面の上の窪み部の対応する長手方向の長さは、第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の長さに適合されており、第2の表面の上の対応する適合された長さは、第2の表面の少なくとも1つの幅にさらに等しく、
第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の側部表面は、内向きに傾けられており、第2の表面の上の窪み部の対応して内向きに傾けられた長手方向の側部表面に適合されている、ツール・ホルダーを提供することによって、本発明の第1の態様の中に取得されることが意図される。
【0019】
本発明のそれぞれの態様は、他の態様のいずれかとそれぞれ組み合わせられ得る。これらの態様および本発明の他の態様は、以降に説明されている実施形態から明らかになることとなり、また、それを参照して解明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで、本発明によるツール・ホルダーが、添付の図を参照して、より詳細に説明されることとなる。添付の図は、本発明の実施形態の例を図示しており、添付の請求項のセットの範囲の中に入る他の可能な実施形態に限定するものとして解釈されるべきではない。
【0021】
【
図2a】本発明の実施形態の例の第1のパーツを図示する図である。
【
図2b】本発明の実施形態の例の第2のパーツを図示する図である。
【
図3】本発明の実施形態の例のそれぞれのパーツのアッセンブリを図示する図である。
【
図4】本発明の実施形態の例のさらなる詳細を図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は特定の実施形態に関連して説明されてきたが、それは、決して提示された例に限定されるものとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項セットによって記載されている。特許請求の範囲の文脈において、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」の用語は、他の可能なエレメントまたはステップを除外しない。「a」または「an」などのような参照を述べることは、複数形を除外するものとして解釈されるべきではない。また、図の中に示されているエレメントに関して、特許請求の範囲の中の参照記号の使用は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。そのうえ、異なる請求項の中に述べられている個々の特徴は、場合によっては、有利に組み合わせられ得り、異なる請求項の中でこれらの特徴を述べることは、特徴の組み合わせが可能でなく有利でないということを除外しない。
【0023】
ロボット・アームを介して制御されるツールのそれぞれの動作は、通常、ツールを動作させることができるように、先行技術において知られているように、電力および/または油圧流体および/または圧縮空気などの供給を必要とすることとなる。通常、これは、ロボットおよびロボット・アームを介して供給され、ロボット・アーム移動を制御するコンピューターの中で走る(実行される)プログラムは、加えて、電気、油圧流体、および圧縮空気などのフローを調整するように構成され得り、それによって、ツール自身の動作態様を制御する。
【0024】
本発明によるツール・ホルダー10の例が、
図3に示されており、第1のパーツ10aおよび第2のパーツ10bを含み、第1のパーツ10aおよび第2のパーツ10bは、第2のパーツ10bの第2の表面に面する第1のパーツ10aの第1の表面によって構成されるインターフェースにおいて、一緒にロックされている。第1のパーツ10aは、たとえば、ロボット・アームに接続され得り、一方、第2のパーツ10bは、ツールに取り付けられ得り、または、その逆も同様である。
【0025】
図2aは、第1のパーツ10aの実施形態の例の詳細を図示しており、一方、
図2bは、第2のパーツ10bの実施形態の例の詳細を図示している。
【0026】
電気、油圧流体、圧縮空気などの供給は、それぞれのツールの異なる用途に適切な異なる形態でエネルギーを伝送する方式である。電気は、たとえば、電気モーターを回すために使用され得る。送達される電力の量は、回転速度を調整することが可能であり、および/または、電気モーターのトルクを増加させることなどが可能である。同じことが、他のタイプのエネルギー供給源にも当てはまる。下記の説明において、ツールに「供給されるエネルギー」という用語は、上記に議論されている異なるタイプの供給源の非限定的な例を表している。
【0027】
図1は、本発明によるツール・ホルダー10を含むロボット・アーム11の例を図示している。ツール・ホルダーは、ロボット・アームの遠位端部とそれ自身のツールとの間に位置付けされている。
【0028】
供給されるエネルギーの任意の輸送は、ツール・ホルダー10を介して、ならびに/または、ツール・ホルダー10をバイパスするチューブおよび/もしくは電気ケーブル(図示せず)を介して通過することが可能である。ツールがツール・ホルダー10を介してロボット・アームに取り付けられているときには、クイック・ロッキング/アンロッキング構成体が、それぞれのチューブおよびケーブルなどを接続することを迅速かつ容易にすることが可能である。
【0029】
図1に図示されているツール・ホルダー10は、2つのパーツを含み、
図2aに図示されている第1のパーツ10a、および、
図2bに図示されている第2のパーツ10bを含む。
図2aおよび
図2bが一緒に見られた際の図示は、第1および第2のパーツが互いにアンロックされて分離されているときのツール・ホルダー10を示している。
図3は、第1のパーツ10aおよび第2のパーツ10bがロッキング位置において一緒に接合されている状況を図示している。
【0030】
図2aを参照すると、第1のパーツ10aは、たとえば、第1のパーツ10aの本体部の側部表面の上に位置付けされた開口部12を備えて配置されており、開口部12は、入口部となるように構成され得る。入口部12は、油圧流体または加圧空気、水などのような流体を受け入れることが可能である。入口部12は、第1のパーツ10aの本体部の内側のチャネルを介して、第1のパーツ10aの第1の表面(たとえば、底部表面)の上の出口部13と連通することが可能である。
【0031】
図2bを参照すると、第2のパーツ10bは、たとえば、第2のパーツ10bの本体部の第2の表面(たとえば、上部表面)の上に位置付けされている開口部16を備えて配置されており、開口部16は、入口部となるように構成され得る。入口部16は、油圧流体または加圧空気、水などのような流体を受け入れることが可能である。入口部16は、第2のパーツ10bの本体部の内側のチャネルを介して、第2のパーツ10bの側部表面の上に位置付けされている出口部19と連通することが可能である。
【0032】
図3に図示されているように、2つのパーツ10aおよび10bを一緒に接合するときには、第1のパーツ10aの第1の表面の上の出口開口部13は、第2のパーツ10bの第2の表面の上の入口開口部16の上方に配向されることとなる。それによって、開通した流体経路が、第1のパーツ10aの本体部の側部表面の上の入口部12から、第2のパーツ10bの本体部の側部表面の上の出口開口部19へ確立される。
【0033】
たとえば、第1のパーツ10aがロボット・アーム11に接続されている場合には、チュービングが、ロボットから入口部12へ接続され得る。
【0034】
たとえば、第2のパーツ10bが、油圧流体が動作することを必要とするツールに接続されている場合には、チュービングが、出口部19に接続され得り、次いで、第2のパーツ10bに接続されているツールに接続され得る。
【0035】
たとえば油圧流体を供給するようにロボットを構成する1つの理由は、ロボットがロボットからツールへの油圧流体ストリームを制御するように構成され得るということである。次いで、流体は、スイッチ・オンまたはスイッチ・オフされ得り、流体ストリーム速度が制御され得り、流体体積が制御などされ得る。
【0036】
図2aを参照すると、開口部14aは、たとえば反対側の極性の電力信号ラインを受け入れるように構成され得る。これらのラインは、第1のパーツ10aの本体部を通して反対側へガイドされ、反対側には、電気接点14が配置されている。
【0037】
図2bを参照すると、電気接触ピン17が、第2のパーツ10bの本体部の中の適合された場所に位置付けされている。接触ピン17は、第2のパーツの本体部の内側の電気信号ラインに接続されており、第2のパーツ10bに接続されているツール(図示せず)に接続され得る。第1および第2のパーツ10aおよび10bが一緒に接合されているときには、電気的接続、たとえば、電力接続が、第1のパーツの上の接触ポイント14aと第2のパーツ10bに接続されているツールとの間に確立されている。
【0038】
図2aに図示されている実施形態の例では、第1の表面の対角線に沿って第1のパーツ10aの第1の表面から外向きに突出しているくさび形状の物体またはエレメントが存在している。第2のパーツ10bの第2の表面の上の対角線に沿って配置されている第2のパーツ10bの第2の表面の中(上)に、適合された相補的なくさび形状の内向きに突出する窪み部またはエレメントが存在している。
【0039】
くさび形状のエレメントは、第1および第2の表面の完全な対角線を横切って配置されている。また、くさび形状のエレメントは、くさび形状の配置の両方の端部において、カットオフされるように配置されている。それによって、くさび形状のエレメントに起因してより大きい端部表面を有するくさび形状の物体の反対側端部と比較して、突出しているくさび形状の物体の一方の端部において、より小さい端部表面が存在することとなる。それに対応して、窪み部の一方の端部において、より幅の狭い開口部が存在することとなり、第2のパーツ10bのくさび形状の窪み部の他方の端部において、より幅の広い開口部が存在することとなる。
【0040】
第1のパーツ10aの第1の表面の上の突出しているくさび形状の物体の長手方向への側面は、内向きに傾けられている。
【0041】
対応する配置が、第2のパーツ10bの第2の表面の中(上)に配置されている窪み部に対して作製される。窪み部の側面は、第1のパーツ10aの物体の側部表面と同じ量だけ傾けられている。
【0042】
したがって、ツール・ホルダー10の第1のパーツ10aおよび10bを接合するときに、第1のパーツ10aのくさび形状の物体は、小さい方の端部表面が第2のパーツ10bのくさび形状の窪み部の広い方の側部開口部の中へ入る状態で挿入される。完全に挿入されたときに、第1のパーツ10aは、第2のパーツ10bの上で中心を合わせられ得る。傾けられた表面は、互いに接続された2つのパーツを維持および保持する。
【0043】
ロッキング、すなわち、2つのパーツを一緒にしっかりと維持するロッキングは、より大きい開口部を有するくさび形状の窪み部の側に配置されているスプリング荷重式の外向きに突出しているロッキング・ピン21によって実現される。第1のパーツ10aを挿入するときに、第1のパーツ10aの突出している物体は、ロッキング・ピン21と接触することとなり、ロッキング・ピンを内向きに押すこととなり、すなわち、ロッキング・ピン21のスプリングが圧縮されることとなる。
【0044】
第1のパーツ10aが完全に挿入されるときに、ロッキング・ピン21は、第1のパーツ10aの本体部の中の適合された孔部15の下方に位置付けされることとなる。次いで、ロッキング・ピン21と接触しているスプリングは、適合された孔部15の中へ上向きにロッキング・ピンを押すこととなる。次いで、くさび形状のエレメントの傾けられた側部表面、および、活性化されたロッキング・ピン21は、第1のパーツ10aおよび第2のパーツ10bを一緒にしっかりと維持することとなる。次いで、それは、ツールが、本発明によるツール・ホルダー10を使用してロボット・アームに取り付けられ得るということにつながる。
【0045】
くさび形状のエレメントの上に傾けられた側部表面を有する技術的効果は、第1のパーツ10aの物体がくさび形状の窪み部の中へ内向きに移動させられるときに、くさび形状の協働するエレメントの側部表面の傾斜が、2つのエレメントが互いに近くに移動することを強要することとなるということである。第1のパーツ10aの物体が完全に挿入されるときに、傾斜は、第1のパーツ10aの物体を窪み部の底部表面と完全に接触した状態にさせることとなる。
【0046】
ツール・ホルダー10の第2のパーツ10bから第1のパーツ10aをアンロックするときに、第2のパーツ10bの本体部の側部表面の上のオープン・キャビティーの内側に、ロッキング・ピン21を取り囲む円筒形状の物体20の例が、
図2bに図示されている。円筒形状の物体20は、ロッキング・アクティベーターである。ロッキング・アクティベーター20が下向きに引っ張られるときに、ロッキング・ピン21が、第1のパーツ10bの上の適合された開口部15から外へ下向きに引っ張られる。次いで、ツール・ホルダーのくさび形状のエレメントを互いから離れるように押すことによって、ツール・ホルダーの第1のパーツ10aは、ツール・ホルダーの第2のパーツ10bから解放され得る。次いで、それは、本発明によるツール・ホルダーを使用するときに、ツールがロボット・アームから解放され得るということにつながる。
【0047】
図2bを参照すると、第2のパーツ10bの本体部の側面の上に配置されているフェイルセーフ・ボタン18が存在している。これは、ロッキング・アクティベーターが偶然に活性化されることを防止するロッキング・ピンである。たとえば、人間の手がロッキング・アクティベーター20を活性化させる場合には、ロッキング・アクティベーター20を下向きに押すことができるように、第2の手または指が、フェイルセーフ・ボタン18を押す必要がある。
【0048】
また、ロッキング・アクティベーター20およびフェイルセーフ・ボタン20を動作させることは、たとえば、ロボットによって制御される油圧動作式のアームによって行われ得る。また、ロッキング・アクティベーター20およびフェイルセーフ・ボタン18を動作させるように別のロボットを構成することも可能である。次いで、1つのロボットが、別のロボットを支援することが可能である。
【0049】
第1のパーツ10aの上の突出しているくさび形状の物体が、第2のパーツ10bの上のくさび形状の窪み部の内側にあるときには、2つのくさび形状のエレメントの長手方向に沿った相対的な移動が、くさび形状の形態の内側でエレメントを互いに近くに移動させることが可能である。これは、2つのエレメントのジャミングを引き起こすことが可能であり、それによって、ツール・ホルダーをアンロックするときに、2つのエレメントを互いから離れるようにスプリットすることが困難になる可能性があり、または、少なくとも、そのためにいくらかの力を必要とすることとなる。
【0050】
ツール・ホルダーの用途、すなわち、取り付けられたツールが、ツール・ホルダーにかかる力が低い環境の中にあることが知られている場合には、この問題は起こらない可能性がある。しかし、ツール・ホルダーのジャミングのリスクが存在している場合には、
図4は、ツール・ホルダーをジャミングする任意の可能性を軽減するツール・ホルダーの実施形態の例を図示している。
【0051】
図4は、第2のパーツ10bの第2の表面の上の窪み部の傾けられた側部表面(周辺部)22が、どのように所定の曲率を伴って配置されているかということを図示しており、その曲率は、一方の側部の凸形側部表面が窪み部の長手方向に沿って他方の側部において反転されているということを提供する。
図4では、複数のベクトル23が窪み部の側部の一方の凸形側部表面(周辺部)22に対して垂直になっているということが図示されている。適合された湾曲した側部表面(周辺部)を備えた物体が、窪み部の側部表面と完全に接触した状態になっており、物体が、第2のパーツ10bの第2の表面の平面の中で移動しているときに、その移動は、側部表面によって停止され、力が、第2のパーツ10bの本体部の中へ伝達される。物体の移動の方向は、多くの方向になる可能性がある。窪み部の側部表面(周辺部)22が真っ直ぐなラインである場合には、ベクトル23は、すべて平行になることとなる。
【0052】
たとえば、窪み部の内側の物体の移動に起因して、ベクトル23のうちの1つの方向になっていない、第2のパーツ10bの本体部に作用する力ベクトルを分解するときに、力ベクトルの成分は、物体と窪み部との間の側部表面の方向に沿って平行になることとなる。側面22の湾曲が真っ直ぐなラインである場合には、側部表面方向に沿っている力成分が、くさび形状の窪み部の中または外に物体を移動させることが可能である。物体がくさびの中へ内向きに移動する場合には、ジャミングが起こる可能性がある。反対に、力は、また、くさびから外へ物体を移動させるように作用する可能性があり、それは、不安定なロッキングを結果として生じさせる可能性がある。
【0053】
側面(周辺部)22が湾曲している、すなわち、凸形になっている場合には、上記に議論されているようなベクトルの分解は、異なる大きさのベクトル成分が物体と窪み部との間のインターフェースの方向に沿っていることを結果として生じさせることとなる。これは、
図4に図示されているようなベクトル23が異なる方向を有することとなるという事実に起因している。物体からインターフェースの上に作用し、ベクトル23の方向に作用する力は、第2のパーツ10bの本体部によって完全に受け止められることとなる。作用する力とベクトル23との間に所定の角度が存在する場合には、作用するベクトルの方向に対して他のベクトルよりも平行になっているいくつかのベクトルが存在することとなる。したがって、より平行なベクトルは、側部表面(周辺部)22のこれらのパーツにおいて、第2のパーツ10bの本体部へ異なる方向に力を伝達することとなるということを示す。
【0054】
くさび形状のエレメントの湾曲した側部表面(周辺部)22を有する技術的効果は、ツール・ホルダーがより安定することとなるということ、すなわち、ツール・ホルダーのぐらつきのより低い可能性、および、ジャミングのより低い可能性を提供するということである。これは、ツール・ホルダー設計が人間の手によって動作するのにより労力がかからないようになっているということ、および、たとえば、ロボット自身または隣接して位置付けされているロボットによって提供される自律的なロッキング/アンロッキング動作を提供している。
【0055】
くさび形状のエレメントのさらなる技術的効果は、ツールを接続するときに、ツール・ホルダーの第2のパーツ10bに関して第1のパーツ10aを位置決めすることが、非常に正確である必要はないということである。窪み部のより幅の広い開口部の中へ挿入されている第1のパーツ10aの上の突出している物体の端部表面のより小さい幅またはサイズに対して、第2のパーツ10bの上の窪み部のより幅の広い開口部は、より少ない正確性を必要とする。さらに、くさび形状のエレメントの傾けられた側部表面は、第1のパーツ10aを第2のパーツ10bに向けてガイドしており、したがって、連結動作または接合動作の開始時における第1のパーツ10aと第2のパーツ10bとの間の相対的な高さの差は、より少ない正確性を必要とする。
【0056】
本発明の実施形態の例によれば、ツール・ホルダー(10)は、第1のパーツ(10a)と第2のパーツ(10b))とを含み、第1のパーツ(10a)および第2のパーツ(10b)は、インターフェースを介して接続可能および分離可能になっており、インターフェースは、第1のパーツ(10a)の上の第1の表面が第2のパーツ(10b)の上の第2の表面に向けて操作可能に面することによって構成されており、
− くさび形状のエレメントが、第1の表面から外向きに突出しており、
− 第2の表面の上に配置されているくさび形状の窪み部が、第1の表面および第2の表面を操作可能に接合するときに、第1の表面の上の突出しているくさび形状のエレメントを受け入れるように適合されており、
− 第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の長さは、第1の表面の少なくとも1つの幅に等しく、
− 第2の表面の上の窪み部の対応する長手方向の長さは、第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の長さに適合されており、第2の表面の上の対応する適合された長さは、第2の表面の少なくとも1つの幅にさらに等しく、
− 第1の表面の上の突出しているエレメントの長手方向の側部表面は、内向きに傾けられており、第2の表面の上の窪み部の対応して内向きに傾けられた長手方向の側部表面に適合されている。
【0057】
さらに、くさび形状のエレメントの尖った端部はカットされ得り、それによって、カットオフされた尖った端部の反対側端部におけるより大きい端部表面と比較して、一方の端部においてより小さい端部表面を画定する。
【0058】
さらに、第2のパーツ(10b)の第2の表面の上の相補的に配置されたくさび形状の窪み部は、第1のパーツ(10a)の上のくさび形状の物体のカットオフに対応してカットされ得る。
【0059】
さらに、くさび形状のエレメントのそれぞれの側部表面は、傾けられ得る。
【0060】
さらに、くさび形状のエレメントの側面の側面(周辺部)22は、真っ直ぐになっていることが可能である。
【0061】
さらに、くさび形状のエレメントの側面の側面(周辺部)22は、湾曲していることが可能である。
【0062】
さらに、スプリング荷重式のロッキング・ピン(21)が、第2の表面の上の窪み部の内側に配置され得る。
【0063】
さらに、第1のパーツ(10a)の上のくさび形状のエレメントの上のロッキング開口部(15)は、第1のパーツ(10a)および第2のパーツ(10b)が接合されているときに、ロッキング・ピン(21)を受け入れるように適合され得る。
【0064】
さらに、フェイルセーフ・ボタン(18)が、第2のパーツ(10b)の本体部の側部表面の上に配置され、適合されたロッキング孔部(15)からのロッキング・ピン(21)の認可されていない解放を防止するように適合されている。
【0065】
さらに、少なくとも1つの入口開口部(12)が、第1のパーツ(10a)の本体部の側部表面の上に配置され得り、第1のパーツ(10a)の第1の表面の上の出口開口部(13)と流体連通している。
【0066】
さらに、少なくとも1つの入口開口部(16)が、第2のパーツ(10b)の第2の表面の上に配置され得り、第2のパーツ(10b)の本体部の側面の上の出口開口部と流体連通しており、
第1のパーツ(10a)の上の出口開口部(13)は、第1のパーツ(10a)が第2のパーツ(10b)と接合されているときに、第2のパーツ(10b)の第2の表面の上の入口開口部(16)と流体連通している。
【0067】
さらに、第1のパーツ(10a)の上の少なくとも1つの電気的接続ポイント(14)が、第1のパーツ(10a)が第2のパーツ(10b)と接合されているときに、第2のパーツ(10b)の上の対応する少なくとも1つの電気的接続ポイント(17)に電気的に接続され得る。
【0068】
さらに、コンピューターが、ツール・ホルダーの取り付けられたツールへの流体および/または電力を制御するように構成され得る。
【0069】
さらに、ツール・ホルダーは、ハンドヘルド式ドリルに接続されるように適合され得る。
【0070】
さらに、ツール・ホルダーは、同じタイプのアイテムとまたは複数の異なるアイテムの間の任意の他のアイテムとアイテムを交換することを必要とするマシンに接続されるように適合され得る。
【手続補正書】
【提出日】2019年2月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパーツ(10a)と第2のパーツ(10b)とを含むツール・ホルダー(10)であって、前記第1のパーツ(10a)および前記第2のパーツ(10b)は、インターフェースを介して接続可能および分離可能になっており、前記インターフェースは、前記第1のパーツ(10a)の上の第1の表面が前記第2のパーツ(10b)の上の第2の表面に向けて操作可能に面することによって構成されており、
− くさび形状のエレメントが、前記第1の表面から外向きに突出しており、
− 前記第2の表面の上に配置されているくさび形状の窪み部が、前記第1の表面および前記第2の表面を操作可能に接合するときに、前記第1の表面の上の突出しているくさび形状の前記エレメントを受け入れるように適合されており、
− 前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの長手方向の長さは、前記第1の表面の少なくとも1つの幅に等しく、
− 前記第2の表面の上の前記窪み部の対応する長手方向の長さは、前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記長手方向の長さに適合されており、前記第2の表面の上の対応する適合された前記長さは、前記第2の表面の前記少なくとも1つの幅にさらに等しく、
− 前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの長手方向の側部表面は、内向きに傾けられており、前記第2の表面の上の前記窪み部の対応して傾けられた長手方向の側部表面に適合されており、
前記第1のパーツ(10a)の上の前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記傾けられた側部表面は、湾曲したライン(22)に沿って走っており、前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上の前記窪み部の前記傾けられた表面は、対応する湾曲したライン(22)に沿って走っている、ツール・ホルダー(10)。
【請求項2】
前記第1のパーツ(10a)の上の前記第1の表面の上の突出している前記エレメントの前記傾けられた側部表面は、真っ直ぐなライン(22)に沿って走っており、前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上の前記窪み部の前記傾けられた側部表面は、対応する真っ直ぐなライン(22)に沿って走っている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項3】
前記第2のパーツ(10b)の上の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部は、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側部表面の上の前記窪み部の第1の端部において、より小さい第1の開口部を備えて配置されており、
前記第1の開口部よりも幅の広い第2の開口部は、前記第2の本体部(10b)の上の側部表面の上の、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部の反対側に位置付けされた第2の端部の中に配置されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項4】
前記第1のパーツ(10a)の前記第1の側部の上の突出しているくさび形状の前記エレメントは、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上のくさび形状の前記窪み部の前記第1の開口部およびそれぞれの第2の開口部の寸法に適合されている、請求項4に記載のツール・ホルダー。
【請求項5】
スプリング荷重式のロッキング・ピン(21)が、くさび形状の前記窪み部のより幅の広い前記第2の開口部に隣接しているエリアにおいて、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上の前記窪み部の内側に配置されている、請求項4に記載のツール・ホルダー。
【請求項6】
前記第1のパーツ(10a)の上の突出している前記エレメントの上のロッキング開口部(15)は、前記第1のパーツ(10a)および前記第2のパーツ(10b)がロッキング位置において接合されているときに、前記ロッキング・ピン(21)を受け入れるように適合されている、請求項4および5に記載のツール・ホルダー。
【請求項7】
フェイルセーフ・ボタン(18)が、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側部表面の上に配置され、前記適合されたロッキング孔部(15)からの前記ロッキング・ピン(21)の認可されていない解放を防止するように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項8】
少なくとも1つの入口開口部(12)が、前記第1のパーツ(10a)の前記本体部の側部表面の上に配置され、前記第1のパーツ(10a)の前記第1の表面の上の出口開口部(13)と流体連通している、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項9】
少なくとも1つの入口開口部(16)が、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上に配置され、前記第2のパーツ(10b)の前記本体部の側面の上の出口開口部と流体連通しており、
前記第1のパーツ(10a)の上の前記出口開口部(13)は、前記第1のパーツ(10a)が前記第2のパーツ(10b)と接合されているときに、前記第2のパーツ(10b)の前記第2の表面の上の前記入口開口部(16)と流体連通している、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項10】
前記第1のパーツ(10a)の上の少なくとも1つの電気的接続ポイント(14)が、前記第1のパーツ(10a)がロッキング位置において前記第2のパーツ(10b)と接合されているときに、前記第2のパーツ(10b)の上の対応する少なくとも1つの電気的接続ポイント(17)に電気的に接続されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項11】
コンピューターが、前記ツール・ホルダーの取り付けられたツールへの流体および/または電力を制御するように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のツール・ホルダー。
【請求項12】
前記ツール・ホルダー(10)は、ハンドヘルド式ドリルに接続されるように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【請求項13】
前記ツール・ホルダーは、前記ツール・ホルダーによって保持され得るアイテムを交換することを必要とするマシンに接続可能であるように適合されている、請求項1に記載のツール・ホルダー。
【国際調査報告】