【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは、種々の処理条件および賦形剤を試験した後、薬物層状化により、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を含む固形剤形を調製するための有利な方法を見出した。この方法では、確実に、固形剤形を迅速かつ簡易に調製し、調製に使用される抗体またはそれらの機能的断片の安定性および活性を保持し、かつ分解時に制御された方式で固形剤形から最適量の抗体またはその機能的断片を確実に回収できる。さらに、この方法では、規定された期間、例えば、1日を通して、固形剤形から確実に持続的な制御された放出を行う持続放出固形剤形を調製することができ、かつ患者の消化管内の標的部位の前で放出することを防ぐ遅延放出経口剤形を調製することができる。
【0014】
したがって、本発明は、薬物層状化により調製される、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を活性剤として含む固形剤形を調製するための新規方法を提供する。本発明は、以下の項目1〜161で定義される主題に関する:
[項目1]i)不活性コアユニット、ii)薬物層状化により不活性コアユニット上に堆積される、活性剤としての少なくとも1つの抗体またはその機能的断片、緩衝液、および少なくとも1つのポリマーバインダーを含む薬物コーティングを含む固形剤形を調製するための方法であって、本方法は、以下のステップを含む:
a)少なくとも1つの抗体またはその機能的断片、緩衝液、および水溶液または懸濁液としての少なくとも1つのポリマーバインダーを含む活性剤コーティング液を調製すること、
b)スプレーコーティング、好ましくは流動層スプレーコーティングを使用して、不活性コアユニットを活性剤コーティング液で層状化すること;および
c)ステップb)と同時に、またはステップb)の完了後、湿潤薬物層状化不活性コアユニットを乾燥させ、乾燥固形剤形を生じさせること。
[項目2]ステップa)の間に、粉末の形態の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を、少なくとも1つのポリマーバインダーを加える前または後に水溶液または懸濁液に加える、項目1に記載の方法。
[項目3]少なくとも1つの抗体またはその機能的断片が、ステップa)の活性剤コーティング液に溶解される、項目1または2に記載の方法。
[項目4]活性剤コーティング液が、使用される溶媒の100%が水である水性懸濁液である、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]ステップb)の間に流動層スプレーコーティングまたはパンスプレーコーティング、好ましくは流動層スプレーコーティングが使用される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]活性剤コーティング液が、トップスプレーまたはボトムスプレー流動層スプレーコーターを使用して不活性コアユニットに噴霧される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]活性剤コーティング液が、0.01〜100mg/ml、好ましくは0.1〜50mg/ml、より好ましくは0.5〜50mg/ml、さらにより好ましくは1〜50mg/ml、さらにより好ましくは1〜30mg/ml、さらにより好ましくは1〜25mg/ml、さらにより好ましくは5〜25mg/ml、最も好ましくは約25mg/ml、あるいは最も好ましく約15mg/mlの少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]活性剤コーティング液が、活性剤コーティング液中のポリマーバインダー固形物の総重量に対して、5〜300重量%、好ましくは20〜200重量%、より好ましくは50〜150重量%、さらにより好ましくは50〜115重量%、さらにより好ましくは85〜115重量%、最も好ましくは約90〜105重量%、あるいは最も好ましくは約45〜60重量%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]活性剤コーティング液が以下を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法:
i)0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜7重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、さらにより好ましくは0.1〜3.5重量%、さらにより好ましくは0.5〜2.5重量%、最も好ましくは約1.4重量%、あるいは最も好ましくは約4.7重量%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片;
ii)0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、さらにより好ましくは1〜3重量%、さらにより好ましくは2〜3重量%、最も好ましくは約2.5重量%のポリマーバインダー、あるいは最も好ましくは約7〜7.5重量%のポリマーバインダー;および
iii)0〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜2重量%、さらにより好ましくは0.1〜1重量%、さらにより好ましくは0.2〜0.6重量%、最も好ましくは約0.25重量%の粘着防止剤。
[項目10]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)0.5〜5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)1〜5重量%のポリマーバインダー;および
iii)0〜1.25重量%の粘着防止剤。
[項目11]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)0.5〜2.5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)1〜3重量%のポリマーバインダー;および
iii)0.2〜0.6重量%の粘着防止剤。
[項目12]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)約2.5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)約2.5重量%のポリマーバインダー;および
iii)約0.25重量%の粘着防止剤。
[項目13]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)約1.5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)約2.5重量%のポリマーバインダー;および
iii)約0.25重量%の粘着防止剤。
[項目14]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)0.01〜5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)0.5〜10重量%のポリマーバインダー;および
iii)0.01〜5重量%の粘着防止剤。
[項目15]活性剤コーティング液が以下を含む、項目9に記載の方法:
i)0.5重量%の抗体またはその機能的断片;
ii)1〜3重量%のポリマーバインダー;および
iii)0.2〜0.6重量%の粘着防止剤。
[項目16]活性剤コーティング液が、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、さらにより好ましくは1〜5重量%、最も好ましくは約4.5重量%、あるいは最も好ましくは約15重量%の緩衝液を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目17]スプレーコーティングの間、スプレーノズルでの噴霧空気圧は、200kPa未満、好ましくは100kPa、より好ましくは10〜100kPa、さらにより好ましくは10〜50kPa、さらにより好ましくは25〜50kPa、さらにより好ましくは約25kPaである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目18]流動層スプレーコーターが使用され、スプレーコーターでは入口空気温度が65℃未満、好ましくは25℃〜60℃、より好ましくは35℃〜55℃、さらにより好ましくは40℃〜50℃、さらにより好ましくは42℃〜50℃である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目19]活性剤コーティング液は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、さらにより好ましくは1〜5重量%、さらにより好ましくは1〜3重量%、さらにより好ましくは約2.5重量%、あるいは、最も好ましくは約7〜7.5重量%のポリマーバインダーを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]不活性コアユニットが、不活性ペレット、ミニ錠剤、錠剤、顆粒、コア、ビーズ、ミニ球体または球体である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]不活性コアユニットが、主要構成成分として、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖類、シリカ、酒石酸、炭酸カルシウム、またはそれらの組み合わせを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目22]不活性コアユニットは、少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.7、より好ましくは少なくとも0.8、さらにより好ましくは少なくとも0.9、さらにより好ましくは少なくとも0.95の球形度を有するペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目23]不活性コアユニットは、中央粒子径が50〜10000μm、好ましくは100〜3000μm、より好ましくは350〜2000μm、さらにより好ましくは500〜1500μm、最も好ましくは700〜1200μmのペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]不活性コアユニットは、ペレットの少なくとも85%が、50〜3000μm、好ましくは100〜1500μm、より好ましくは350〜1400μm、さらにより好ましくは500〜1200μm、最も好ましくは700〜1200μmの粒子径を有するような粒子径分布を有するペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目25]不活性コアユニットは、微結晶セルロース、スクロース、デンプン、マンニトール、炭酸カルシウム、シリカ、酒石酸、乳糖、またはそれらの組み合わせからなる球体を含むペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目26]不活性コアユニットが、微結晶セルロースからなる球体を含むペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目27]不活性コアユニットが、薬理学的に不活性あり、主要構成成分として、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖類、シリカ、酒石酸またはそれらの組み合わせを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目28]不活性コアユニットが、微結晶セルロース、スクロース、デンプン、マンニトール、炭酸カルシウム、シリカ、酒石酸、乳糖、またはそれらの組み合わせからなる(好ましくは微結晶セルロース)球形の形態のペレットである、項目1〜27のいずれか一項に記載の方法。
[項目29]不活性コアユニットが薬学的に不活性である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目30]不活性コアユニットが少なくとも1つの活性剤を含む、項目1〜26のいずれか一項に記載の方法。
[項目31]少なくとも1つの活性剤が、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の形態である、項目30に記載の方法。
[項目32]少なくとも1つの抗体またはその機能的断片が、薬物コーティング中の少なくとも1つの抗体と同一であるか、または異なる、項目31に記載の方法。
[項目33]不活性コアユニットの少なくとも1つの活性剤が、水性環境での固形剤形の浸漬時に、薬物コーティング中の少なくとも1つの抗体と同時に放出される、項目30〜32のいずれか一項に記載の方法。
[項目34]不活性コアユニットの少なくとも1つの活性剤の放出が、水性環境での固形剤形の浸漬時に、薬物コーティング中の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片よりも遅く、かつ/またはより速い/遅い放出速度で始まる、項目30〜32のいずれか一項に記載の方法。
[項目35]ペレットが、球体上に堆積されたコーティング(例えば、密封コーティング)を含む、項目20〜35のいずれか一項に記載の方法。
[項目36]薬物コーティング中のポリマーバインダーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC);ポリビニルピロリドン(PVP);ヒドロキシプロピルセルロース(HPC);マクロゴールポリ(ビニルアルコール)グラフト共重合体(例えば、Kollidon(登録商標)IR);およびそれらの組み合わせ、好ましくはHPMCまたはMC;より好ましくはHPMCから選択される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目37]薬物コーティング中のポリマーバインダーが即時放出薬物コーティングに好適である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目38]湿潤薬物層状化不活性コアユニットが、好ましくは流動層の入口空気流を使用して、ステップb)と同時に乾燥される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目39]入口空気の温度は、65℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下、より好ましくは40〜50℃、さらにより好ましくは約45℃である、項目38に記載の方法。
[項目40]薬物コーティング中のポリマーバインダーが、少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダーを含む、項目1〜35のいずれか一項に記載の方法。
[項目41]薬物コーティング中のポリマーバインダーが、持続放出薬物コーティングに好適である、項目40に記載の方法。
[項目42]少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダーが、水性懸濁液(水性分散液)の形態で活性剤コーティング液に添加される、項目40または41に記載の方法。
[項目43]湿潤薬物層状化不活性コアユニットが、ステップb)が完了した後に乾燥される、項目40または42のいずれか一項に記載の方法。
[項目44]乾燥温度が65℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下であり、乾燥が好ましくはオーブンまたは流動層設備、より好ましくは大規模流動層設備で実施される、項目43に記載の方法。
[項目45]湿潤薬物層状化不活性コアユニットを30分〜30時間、好ましくは約30分〜24時間乾燥させる、項目43または44に記載の方法。
[項目46]少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダーが、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(例えば、Eudragit(登録商標)NM 30D、Eudragit(登録商標)NE 30D);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1(例えば、Eudragit(登録商標)RS 30D);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2(例えば、Eudragit(登録商標)RL 30D);エチルセルロース(例えば、Surelease(登録商標)またはAquacoat(登録商標)ECD)、ポリ酢酸ビニル(例えば、Kollicoat(登録商標)SR 30D);およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目40〜45のいずれか一項に記載の方法。
[項目47]少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダーと少なくとも1つの抗体またはその機能的断片との比(w/w)によって、少なくとも1つの抗体または機能的断片の放出速度を変更させて、それにより、比率が高くなることで放出速度を遅くさせる、項目40〜46のいずれか一項に記載の方法。
[項目48]少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダー(S)および少なくとも1つの抗体またはその機能的断片(A)が、0.5〜100、好ましくは10〜30、より好ましくは15〜25のS/A(w/w)の比で活性剤コーティング液中に存在する、項目40〜47のいずれか一項に記載の方法。
[項目49]活性剤コーティング液が粘着防止剤をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目50]粘着防止剤が、コロイド状二酸化ケイ素、メソポーラスシリカ、グリセロールモノステアレート(GMS)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクから選択され、好ましくはメソポーラスシリカまたはGMS、より好ましくはメソポーラスシリカである、項目49に記載の方法。
[項目51]活性剤コーティング液が、ポリマーバインダー固形分の総重量に対して、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%、または5〜50重量%の粘着防止剤を含む、項目49または50に記載の方法。
[項目52]活性剤コーティング液が可塑剤をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目53]可塑剤は、クエン酸トリエチル(TEC)、ポリエチレングリコール、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸ブチル、ポリソルベート、1,2−ポリプロピレングリコール、およびセバシン酸ジブチル(DBS)からなる群から選択される、項目52に記載の方法。
[項目54]活性剤コーティング液が、活性剤コーティング液中のポリマーバインダー固形分の総重量に対して、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは約20〜25重量%の可塑剤を含む、項目52または53に記載の方法。
[項目55]活性剤コーティング液が、合体促進剤(coalescence enhancer)を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目56]合体促進剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、モノステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノパルミテート、セチルアルコールまたはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール90)、およびこれらの組み合わせ、好ましくはポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、28、40、60、65、80、81および85;ポロキサマー、例えばポロキサマー124、181、188、237、331、338および407;アルキルポリグルコシド(例えば、オクチルグルコシドおよびデシルマルトシド);またはプロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール90)からなる群から選択され、より好ましくは、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール90)である、項目55に記載の方法。
[項目57]活性剤コーティング液が、活性剤コーティング液中の持続放出ポリマーバインダー固形分の総重量に対して、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%の合体促進剤を含む、項目55または56に記載の方法。
[項目58]緩衝液(緩衝液塩)が、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、コハク酸緩衝液、リン酸緩衝液、ヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)緩衝液、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは少なくとも1つの抗体またはその機能的断片と適合するpHの緩衝液、あるいは、好ましくは生理学的pHの緩衝液である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目59]固形剤形が、ペレット、ビーズ、球体、ミニ球体、顆粒、錠剤またはミニ錠剤であり、好ましくはペレットである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目60]ステップc)後の薬物コーティングが、0.5〜300μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜50μm、さらにより好ましくは1〜30μmの平均厚さを有する、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目61]ステップc)後の、薬物がコーティングされ、乾燥させた固形剤形が、0.01〜25重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、さらにより好ましくは0.5〜5重量%、さらにより好ましくは0.7〜3重量%、さらにより好ましくは0.9〜2.5重量%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目62]薬物コーティングが、乾燥薬物コーティングの総重量に対して、0.5〜60重量%の抗体またはその機能的断片、1〜90重量%バインダー、0.001〜70重量%の緩衝液および0〜20重量%の粘着防止剤;好ましくは5〜50重量%の抗体またはその機能的断片、10〜90重量%のバインダー、0.1〜60重量%の緩衝液および0〜15重量%粘着防止剤;より好ましくは、10〜50重量%の抗体またはその機能的断片、20〜85重量%のバインダー、0.1〜60重量%の緩衝液および0.5〜10重量%の粘着防止剤;最も好ましくは、20〜50重量%の抗体またはその機能的断片、30〜80重量%のバインダー、1〜60重量%の緩衝液および0〜8重量%の粘着防止剤を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目63]ステップc)後に、次のステップをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法:
d)ステップc)の固形剤形を、スプレーコーティング(好ましくは流動層スプレーコーティング)を使用して持続放出コーティング液で層状化することにより、持続放出コーティングの形態で少なくとも1つの追加のコーティングを塗布すること、次いで、好ましくは、流動層またはオーブンを使用して、湿潤層状化固形剤形を乾燥させること。
[項目64]持続放出コーティング液が、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(例えば、Eudragit(登録商標)NM 30D、Eudragit(登録商標)NE 30D);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1(例えば、Eudragit(登録商標)RS 30D);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2(例えば、Eudragit(登録商標)RL 30D);エチルセルロース(例えば、Surelease(登録商標)またはAquacoat(登録商標)ECD)、ポリ酢酸ビニル(例えば、Kollicoat(登録商標)SR 30D);およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つの持続放出ポリマーを含む、項目63に記載の方法。
[項目65]ステップd)後の固形剤形が、ステップd)前の固形剤形に対して、1〜35重量%、好ましくは2.5〜25重量%、例えば4.5〜25重量%、5〜20重量%、または10〜20重量%のポリマー重量の増加を含む、項目63または64に記載の方法。
[項目66]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液の総重量に対して、0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%、さらにより好ましくは5〜10重量%、さらにより好ましくは6〜9重量%、例えば約7〜9重量%、約6〜8.5重量%、6.5〜8重量%、約7〜7.5重量%、または約8重量%の持続放出ポリマーを含む、項目63〜65のいずれか一項に記載の方法。
[項目67]ステップd)において、乾燥中、流動層またはオーブンの温度が40〜65℃、好ましくは約40〜60℃である、項目63〜66のいずれか一項に記載の方法。
[項目68]持続放出コーティング液が粘着防止剤をさらに含む、項目63〜67のいずれか一項に記載の方法。
[項目69]持続放出コーティング液が可塑剤をさらに含む、項目63〜68のいずれか一項に記載の方法。
[項目70]可塑剤は、クエン酸トリエチル(TEC)、ポリエチレングリコール、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸ブチル、ポリソルベート、1,2−ポリプロピレングリコール、およびセバシン酸ジブチル(DBS)からなる群から選択される、項目63〜69のいずれか一項に記載の方法。
[項目71]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%、より好ましくは約20〜25重量%の可塑剤を含む、項目63〜70のいずれか一項に記載の方法。
[項目72]持続放出コーティング液が、合体促進剤を含む、項目63〜71のいずれか一項に記載の方法。
[項目73]合体促進剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、モノステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノパルミテート、セチルアルコールまたはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール90)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、28、40、60、65、80、81および85;ポロキサマー、例えばポロキサマー124、181、188、237、331、338および407;アルキルポリグルコシド(例えば、オクチルグルコシドおよびデシルマルトシド);またはプロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール90);より好ましくは、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90)である、項目63〜72のいずれか一項に記載の方法。
[項目74]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%の合体促進剤を含む、項目63〜73のいずれか一項に記載の方法。
[項目75]ステップd)の間スプレーコーター内では、入口空気温度が65℃以下、好ましくは35〜60℃であり、ノズルでの噴霧圧力が25〜100kPaである、項目63〜74のいずれか一項に記載の方法。
[項目76]少なくとも1つの持続放出ポリマーがポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1(例えば、Eudragit(登録商標)RS 30D);またはポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2(例えば、Eudragit(登録商標)RL 30D)またはそれらの混合物であり、湿潤層状化固形剤形は、流動層またはオーブン内で、35〜45℃、好ましくは約40℃で、30分〜30時間、好ましくは30分〜24時間乾燥される、項目63〜75のいずれか一項に記載の方法。
[項目77]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液の総質量に対して、約6〜8.5重量%、好ましくは6.5〜8重量%、より好ましくは約7〜7.5重量%のポリマーを含む、項目76に記載の方法。
[項目78]スプレーコーティングの間、入口空気温度が約40℃である、項目76または77に記載の方法。
[項目79]スプレーコーティングの間、スプレーノズルでの噴霧空気圧が約25〜100kPa、好ましくは25〜50kPaである、項目76〜78のいずれか一項に記載の方法。
[項目80]ステップd)後の固形剤形が、ステップd)前の固形剤形に対して、16.5〜20重量%、好ましくは約19重量%のポリマー重量の増加を含み、かつ合体促進剤を含まない、項目76〜79のいずれか一項に記載の方法。
[項目81]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜10重量%の合体促進剤を含む、項目76〜79に記載の方法。
[項目82]合体促進剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、モノステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノパルミテート、セチルアルコールまたはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、28、40、60、65、80、81および85;ポロキサマー、例えばポロキサマー124、181、188、237、331、338および407;アルキルポリグルコシド(例えば、オクチルグルコシドおよびデシルマルトシド);またはプロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90);より好ましくは、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90)である、項目81に記載の方法。
[項目83]ステップd)後の固形剤形が、ステップd)前の固形剤形に対して、3〜10重量%、好ましくは約5〜20重量%の持続放出コーティングのポリマー重量の増加を含む、項目81または82に記載の方法。
[項目84]湿潤固形剤形が約40℃で乾燥される、項目81〜83のいずれか一項に記載の方法。
[項目85]持続放出コーティングが粘着防止剤をさらに含む、項目81〜84のいずれか一項に記載の方法。
[項目86]粘着防止剤がメソポーラスシリカである、項目85に記載の方法。
[項目87]持続放出コーティングが、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜25重量%、好ましくは約10重量%の粘着防止剤を含む、項目85または86に記載の方法。
[項目88]持続放出コーティングが可塑剤をさらに含み、可塑剤が好ましくはDBSまたはTEC、より好ましくはTECである、項目76〜87のいずれか一項に記載の方法。
[項目89]持続放出コーティングが、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜35重量%、好ましくは15〜25重量%、より好ましくは約20重量%の可塑剤を含む、項目88に記載の方法。
[項目90]少なくとも1つの持続放出ポリマーがエチルセルロース水性分散液であり、湿潤層状化固形剤形が55〜65℃、好ましくは約60℃で、最大で30時間、好ましくは30分〜24時間、より好ましくは約30分〜24時間乾燥させる、項目63〜75のいずれか一項に記載の方法。
[項目91]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液の総質量に対して、6〜9重量%(w/w)、好ましくは約8重量%のポリマーを含む、項目90に記載の方法。
[項目92]スプレーコーティングの間、流動層コーターが使用され、入口空気温度が好ましくは約55〜60℃である、項目90または91に記載の方法。
[項目93]スプレーコーティングの間、スプレーノズルでの噴霧空気圧が25〜100kPa、好ましくは約25〜50kPaである、項目90〜92のいずれか一項に記載の方法。
[項目94]ステップd)後の固形剤形が、ステップd)前の固形剤形に対して3〜30重量%、好ましくは約15〜25重量%の持続放出コーティングを含み、かつ合体促進剤を含まない、項目90〜93のいずれか一項に記載の方法。
[項目95]持続放出コーティング液が、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜15重量%、好ましくは約10重量%の合体促進剤を含む、項目90〜94のいずれか一項に記載の方法。
[項目96]合体促進剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、モノステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノパルミテート、セチルアルコールまたはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、28、40、60、65、80、81および85;ポロキサマー、例えばポロキサマー124、181、188、237、331、338および407;アルキルポリグルコシド(例えば、オクチルグルコシドおよびデシルマルトシド);またはプロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90);より好ましくは、プロピレングリコールモノラウレート(例えば、ラウログリコール(商標)90)である、項目95に記載の方法。
[項目97]ステップd)後の固形剤形が、ステップd)前の固形剤形に対して、3〜20重量%のポリマー重量の増加を含む、項目95または96に記載の方法。
[項目98]湿潤固形剤形を約60℃で30分〜24時間、好ましくは30分〜10時間乾燥させる、項目95〜97のいずれか一項に記載の方法。
[項目99]持続放出コーティングが可塑剤をさらに含む、項目90〜98のいずれか一項に記載の方法。
[項目100]可塑剤が、TECまたはDBS、好ましくはDBSである、項目99に記載の方法。
[項目101]持続放出コーティングが、持続放出コーティング液中の持続放出ポリマー固形分の総重量に対して、5〜35重量%、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは約25重量%の可塑剤を含む、項目90〜100のいずれか一項に記載の方法。
[項目102]持続放出コーティングまたは薬物コーティング中の持続放出ポリマーバインダーが、少なくとも1つの抗体またはその断片の放出プロファイルを生じさせ、連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させたときに、固形剤形中の少なくとも1つの抗体またはその断片の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の実質的に一定の放出速度での持続放出が、4〜30時間、好ましくは8〜24時間、より好ましくは16〜24時間、さらにより好ましくは24時間にわたって達成される、項目40〜101のいずれか一項に記載の方法。
[項目103]ステップd)後の固形剤形の総重量に対する持続放出コーティングの量、または薬物コーティングの総重量に対する薬物コーティング中の持続放出ポリマーバインダーの量は、固形剤形からの少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の放出速度と直接相関し、これにより、薬物コーティング中のより多くの量の持続放出コーティングまたはより多くの量の持続放出ポリマーバインダーが、より遅い放出速度となる、項目40〜102のいずれか一項に記載の方法。
[項目104]ステップa)の活性剤コーティング液および/またはステップd)の持続放出コーティング液が、少なくとも1つの界面活性剤を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目105]活性剤コーティング液および/または持続放出コーティング液が、0.005〜2.0重量%、0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.8重量%、さらにより好ましくは約0.1〜0.5重量%の界面活性剤を含む、項目104に記載の方法。
[項目106]界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート28、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、モノステアリン酸グリセリル、ポリエトキシル化ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド、D−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸塩、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノパルミテート、セチルアルコール、オレイルアルコール、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキルポリ(エチレンオキシド)、アルキルグリコシド、アルキルポリグルコシド、オクチルグルコシド、デシルマルトシド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目104または105に記載の方法。
[項目107]ステップa)の活性剤コーティング液および/またはステップd)の持続放出コーティング液が、酸化防止剤、保湿剤、保護コロイド、染料、充填剤、プロテアーゼ阻害剤、透過促進剤、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのさらなる賦形剤を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目108]固形剤形が、治療有効用量の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を単一ユニット用量として投与することができるある量の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目109]機能的抗体断片が、Fab断片、F(ab‘)2断片、Fab‘断片、scFv、dsFv、VHH、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、Fc融合タンパク質またはミニボディである、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目110]少なくとも1つの抗体またはその機能的断片は、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)に特異的な抗体およびそれらの機能的断片、α4β7インテグリンに特異的な抗体およびそれらの機能的断片、CD3、CD4またはCD20に特異的な抗体およびそれらの機能的断片、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン12(IL−12)、インターロイキン13(IL−13)、インターロイキン23(IL−23)、またはそれらの受容体に特異的な抗体およびそれらの機能的断片、CXCL10/IP−10に特異的な抗体およびそれらの機能的断片、ならびにp40タンパク質サブユニットに特異的な抗体およびそれらの機能的断片から選択される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目111]抗体またはその機能的断片が、クローン病または潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)の治療での使用に好適である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目112]少なくとも1つの抗体またはその機能的断片が、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、ビシリズマブ、エルデルマブ、アブリルマブ、カナキヌマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、ナタリズマブ、エトロリズマブ、プリリキシマブ、ベドリズマブ、およびそれらの機能的断片から、最初に出願されたPCT/EP2017/056218の請求項2、PCT/EP2017/056246の請求項2、PCT/EP2017/056237の請求項2、および/またはPCT/EP2017/056227の請求項2に開示されているアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変ドメインおよび/または重鎖可変ドメインを有する抗TNFα抗体またはそれらの機能的断片から、最初に出願されたPCT/EP2017/056218の請求項4、PCT/EP2017/056246の請求項5および6、PCT/EP2017/056237の請求項5および6、および/またはPCT/EP2017/056227の請求項4による重鎖可変ドメインアミノ酸配列および/または軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗TNFα抗体またはそれらの機能的断片から、およびこれらの組み合わせから選択される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目113]抗体またはその機能的断片が、TNFαに特異的な抗体およびそれらの機能的断片から選択される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目114]TNFαに特異的な抗体またはその機能的断片は、インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブおよびその機能的断片;最初に出願されたPCT/EP2017/056218の請求項2、PCT/EP2017/056246の請求項2、PCT/EP2017/056237の請求項2、および/またはPCT/EP2017/056227の請求項2に開示されているアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変ドメインおよび/または重鎖可変ドメインを有する抗TNFα抗体またはそれらの機能的断片;最初に出願されたPCT/EP2017/056218の請求項4、PCT/EP2017/056246の請求項5および6、PCT/EP2017/056237の請求項5および6、ならびに/またはPCT/EP2017/056227の請求項4の重鎖可変ドメインアミノ酸配列および/または軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗TNFα抗体またはそれらの機能的断片、およびこれらの組み合わせから選択される、項目113に記載の方法。
[項目115]ステップa)およびステップc)中の任意の時点で、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の温度が、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の融解温度(Tm)より低い、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目116]ステップa)およびステップc)中の任意の時点で、抗体またはその機能的断片の温度が65℃未満、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下、より好ましくは約45〜50℃である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目117]ステップd)が、65℃以下、好ましくは60℃以下の温度で実施される、項目63〜116のいずれか一項に記載の方法。
[項目118]ステップd)が、固形剤形中の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の融解温度(Tm)より低い温度で実施される、項目63〜117のいずれか一項に記載の方法。
[項目119]ステップa)およびステップd)中の任意の時点で、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の温度が、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の融解温度(Tm)より低い、項目63〜116のいずれか一項に記載の方法。
[項目120]ステップd)中にエチルセルロース水性分散液が使用され、ステップd)が65℃より低い、好ましくは60℃以下の温度で実施される、項目63〜119のいずれか一項に記載の方法。
[項目121]ステップd)中にポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1(例えば、Eudragit(登録商標)RS 30D);またはポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2(例えば、Eudragit(登録商標)RL30D)、またはそれらの混合物の水性分散液が使用され、ステップd)は、55℃より低い、好ましくは50℃以下、より好ましくは45℃以下の温度で実施される、項目63〜119のいずれか一項に記載の方法。
[項目122]固形剤形が、持続放出剤形であり、これにより、連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させたときに、少なくとも5時間、好ましくは少なくとも10時間、より好ましくは少なくとも12時間、さらにより好ましくは少なくとも15時間、さらにより好ましくは少なくとも20時間、最も好ましくは少なくとも24時間の期間にわたって、少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の持続放出が可能になる、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目123]ステップc)の乾燥後、またはステップd)として持続放出コーティングの形態の少なくとも1つの追加のコーティングが塗布される場合ステップd)の後に、固形剤形の水分が、ステップc)後またはステップd)後の固形剤形の総重量に対して、それぞれ10重量%未満、好ましくは8重量%未満、より好ましくは5重量%未満、さらにより好ましくは3重量%未満、さらにより好ましくは1.5重量%未満、最も好ましくは1重量%未満である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目124]固形剤形が経口投与用を目的としている、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目125]ステップc)の後、またはステップd)として持続放出コーティングの形態の少なくとも1つの追加のコーティングが塗布される場合ステップd)の後に、遅延放出コーティングの形態の少なくとも1つの追加のコーティングを塗布するステップをさらに含み、固形剤形は経口投与用である、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目126]遅延放出コーティングが、スプレーコーティング、好ましくは流動層スプレーコーティングによって塗布される、項目125に記載の方法。
[項目127]遅延放出コーティングが、pH依存的に崩壊するコーティング材料、時間依存的に崩壊するコーティング材料、腸内環境内の酵素的トリガーにより崩壊するコーティング材料、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの構成成分を含む、項目125または126に記載の方法。
[項目128]pH依存的に崩壊するコーティング材料は、ポリ酢酸ビニルフタレート、トリメリト酸酢酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースHP−50、HP−55、またはHP−55S、酢酸フタル酸セルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート(HPMCAS)、ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)1:1(Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L30D−55)、ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:1(Eudragit(登録商標)L−100、Eudragit(登録商標)L12.5)、ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2(Eudragit(登録商標)S−100、Eudragit(登録商標)S12,5、Eudragit(登録商標)FS30D)、およびこれらの組み合わせから選択され、時間依存的に崩壊するコーティング材料は、ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート)2:1(例えば、Eudragit(登録商標)NM 30D);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.1(例えば、Eudragit(登録商標)RS 30D);エチルセルロース(例えば、Surelease(登録商標)またはAquacoat(登録商標)ECD);ポリ(エチルアクリレート、メチルメタクリレート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)1:2:0.2(例えば、Eudragit(登録商標)RL 30D);ポリ酢酸ビニル(Kollicoat(登録商標)SR 30Dなど);およびその組み合わせから選択され、腸内環境内の酵素的トリガーにより崩壊するコーティング材料は、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、ペクチン、グアーガム、キトサン、イヌリン、ラクツロース、ラフィノース、スタキオース、アルギン酸塩、デキストラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクタン、アミロース、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、curdulan、レバン、アミロペクチン、デンプン、難消化性デンプン、アゾ結合分裂細菌によって分解されるアゾ化合物、およびこれらの組み合わせから選択される、項目127に記載の方法。
[項目129]遅延放出コーティングが、pH依存的に崩壊する少なくとも1つのコーティング材料と、腸内環境内での酵素的トリガーにより崩壊する少なくとも1つのコーティング材料との組み合わせを含む、項目125〜128のいずれか一項に記載の方法。
[項目130]遅延放出コーティングが、少なくとも1つの腸溶性ポリマー(好ましくはポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2(例えば、Eudragit(登録商標)S))と、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、キトサン、デキストラン、アラビノガラクタン、アミロース、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、curdulan、レバン、アミロペクチン、デンプン、難消化性デンプン、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの多糖類(好ましくは難消化性デンプン)との組み合わせを含む、項目125〜129のいずれか一項に記載の方法。
[項目131]遅延放出コーティングが、i)pH8に調整された部分的に中和された腸溶性ポリマー、例えば、pH8に調整され、部分的に中和されたポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート1:2(Eudragit(登録商標)S)、および緩衝塩を含む、内部コーティング、およびii)少なくとも1つの腸溶性ポリマー(好ましくはポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2(例えば、Eudragit(登録商標)S))と、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、キトサン、デキストラン、アラビノガラクタン、アミロース、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、curdulan、レバン、アミロペクチン、デンプン、難消化性デンプン、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの多糖類(好ましくは難消化性デンプン)との組み合わせを含む外側コーティング、を含む、項目125〜130のいずれか一項に記載の方法。
[項目132]少なくとも1つの構成成分、例えば、少なくとも1つの腸溶性ポリマー(好ましくはポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2(例えば、Eudragit(登録商標)S))と、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、キトサン、デキストラン、アラビノガラクタン、アミロース、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、curdulan、レバン、アミロペクチン、デンプン、難消化性デンプン、およびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの多糖類(好ましくは難消化性デンプン)の組み合わせは、有機溶媒、有機溶媒の混合物、または少なくとも1つの有機溶媒と水の混合物に分散され、例えば、スプレーコーティング、好ましくは流動層スプレーコーティングにより固形剤形に塗布される、項目130または131に記載の方法。
[項目133]この組み合わせが、有機溶媒に溶解された腸溶性ポリマーと少なくとも1つの多糖類の水性再分散物と混合することにより調製される、少なくとも1つの有機溶媒と水の混合物に分散される、項目132に記載の方法。
[項目134]遅延放出コーティングがスプレーコーティング、好ましくは流動層スプレーコーティングによって塗布される、項目125〜133のいずれか1つに記載の方法。
[項目135]回腸終末部、回結腸領域、上行結腸、横行結腸または下行結腸で始まる少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の標的放出のための遅延放出コーティングを含む、項目125〜134のいずれか一項に記載の方法。
[項目136]固形剤形中に二量体およびその他の凝集体として存在する抗体またはその機能的断片の総含有量の割合は、抗体またはその機能的断片を活性剤コーティング液に添加するときに、二量体および他の凝集体として存在する全抗体またはその機能的断片の割合の15%超、好ましくは12%、より好ましくは10%、さらにより好ましくは8%、さらにより好ましくは7%、さらにより好ましくは5%、さらにより好ましくは3%、2%、または1.5%を超えない、上記項目のいずれ一項に記載の方法。
[項目137]完全長抗体またはその機能的断片の断片として固形剤形中に存在する抗体またはその機能的断片の総含有量の割合が、抗体またはその機能的断片を活性剤コーティング液に添加するときと比較して、実質的に増加することのない、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目138]完全長抗体またはその機能的断片の断片として固形剤形中に存在する抗体またはその機能的断片の総含有量の割合は、抗体またはその機能的断片を活性剤コーティング液に添加するときに、全長抗体またはその機能的断片の断片として存在する抗体またはその機能的断片の総含有量の割合の15%超、好ましくは12%、より好ましくは10%、さらにより好ましくは8%、さらにより好ましくは7%、さらにより好ましくは5%、さらにより好ましくは3%、2%、または1.5%を超えないものとする、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目139]固形剤形が、即時放出薬物コーティングを含み、連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させて1時間以内に、最も外側のコーティングである薬物コーティングからの少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも99%の回収が可能になる、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目140]薬物コーティング中のポリマーバインダーが、少なくとも1つの持続放出ポリマーバインダーを含み、連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させて、4時間、または6時間、または8時間、または10時間、または12時間、または14時間、または16時間、または18時間、または20時間、または22時間、または24時間、または26時間、または28時間、または30時間など以内に、薬物コーティングから、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも93%、最も好ましくは少なくとも95%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の回収が可能になる、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目141]好ましくは、ヒト患者への経口投与に好適である少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の総量を含む、例えば、サシェ/スティックパック、ストロー装置(XStraw(登録商標))、錠剤/ミニ錠剤またはカプセルなどの、多粒子薬物送達システムを提供するさらなるステップを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
[項目142]項目1〜141のいずれか一項に記載の方法で得ることができる固形剤形。
[項目143]胃腸疾患、好ましくはIBD、結腸直腸癌、小腸癌、セリアック病、胃腸感染症(例えば、クロストリジウム・ディフィシル感染症)、より好ましくはIBDの局所治療において使用するための、項目142に記載の固形剤形。
[項目144]IBDがクローン病または潰瘍性大腸炎である、項目143に記載の使用のための固形剤形。
[項目145]患者の回腸終末部、回腸結腸領域、上行結腸、横行結腸または下行結腸での局所治療に使用するための項目142〜144のいずれか一項に記載の固形剤形。
[項目146]複数の固体剤形を含む多粒子薬物送達システムであって、固体剤形の各々が、項目1〜141のいずれか一項に記載の方法により得ることができ、多粒子薬物送達システムは、好ましくは、サシェ/スティックパック、ストロー装置(XStraw(登録商標))、カプセル、または錠剤/ミニ錠剤である、システム。
[項目147]複数の固形剤形ユニットを含む多粒子薬物送達システムであって、各固形剤形ユニットは、i)不活性コアユニット、およびii)少なくとも1つの抗体またはその機能的断片、緩衝液および少なくとも1つのポリマーバインダー、ならびに任意により粘着防止剤および/または界面活性剤を含む薬物コーティングを含み、かつ好ましくは、所定の軸および同じ所定の断面プロファイルを有し、これらの固形剤形ユニットの数の少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは95%は、0.7〜1.7のアスペクト比中央値を有し、アスペクト比は、所定の軸に沿った固形剤形ユニットの長さを最小断面寸法で除したものと定義される固形剤形ユニットを含む、システム。
[項目148]アスペクト比中央値が、0.8超、好ましくは0.9超、1.6未満、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.4、さらにより好ましくは1.3未満、さらにより好ましくは1.2未満、最も好ましくは約1である、項目147に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目149]固形剤形ユニットが、0.9未満、好ましくは0.8未満、より好ましくは0.7未満、さらにより好ましくは0.6未満、最も好ましくは0.5未満のアスペクト比の範囲を有する、項目147または148による多粒子薬物送達システム。
[項目150]固形剤形ユニットから、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の回収が可能になる、項目147〜149のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目151]連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させて、30分以内、または1時間以内、または2時間以内に、固形剤形ユニットから少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%の回収が可能になる(即時放出)、項目147〜150のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目152]多粒子薬物送達システムに含まれる固形剤形ユニットが、持続放出固形剤形ユニットである、項目147〜150のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目153]連続撹拌下において、水溶液中に固形剤形を連続的に浸漬させて、4時間、または6時間、または8時間、または10時間、または12時間、または14時間、または16時間、または18時間、または20時間、または22時間、または24時間、または26時間、または28時間、または30時間、または32時間、または34時間、または36時間など以内に、固形剤形ユニットから、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも93%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%の少なくとも1つの抗体またはその機能的断片の回収が可能になる(持続放出)、項目150または152に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目154]固形剤形ユニットが、抗体またはその機能的断片、緩衝液、およびスプレーコーティングにより不活性コアユニットに塗布される薬物コーティング中の少なくとも1つのポリマーバインダーを含む、項目147〜153のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目155]固形剤形ユニットが、持続放出コーティングの形態の少なくとも1つの追加のコーティングを含み、持続放出コーティングが、好ましくは、項目64〜75のいずれか一項に定義される特性を有する、項目147または154のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目156]固形剤形ユニットが、項目1〜141のいずれか一項に記載の方法に従って薬物層状化により調製される固体剤形である、項目147または155のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目157]圧縮、カプセル化によって複数の固形剤形ユニットから調製される、項目147〜156のいずれか一項による多粒子薬物送達システム。
[項目158]少なくとも1つの抗体またはその機能的断片は、項目109〜114のいずれか一項で定義されたとおりであり、かつ/または、緩衝液は、項目58で定義されたとおりであり、かつ/または、少なくとも1つのポリマーバインダーは、項目36〜37、項目46〜48のいずれか一項で定義されたとおりであり、かつ/または、任意の粘着防止剤および/または界面活性剤および/またはさらなる添加剤は、項目49〜50、52〜53、55〜56、および106のいずれか一項で定義されたとおりである、項目147〜157のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目159]単一剤形ユニットが項目61、62、および108のいずれか一項で定義された特性を有する、項目147〜158のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目160]多粒子薬物送達システムまたは個々の固形剤形ユニットが、さらなるコーティングとして塗布される遅延放出コーティングをさらに含み、遅延放出コーティングが、好ましくは、項目126〜135のいずれか一項で定義されたとおりである、項目147〜159のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システム。
[項目161]項目147〜160のいずれか一項に記載の多粒子薬物送達システムに含まれる単一剤形ユニットからなる、固形剤形。