(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-534470(P2020-534470A)
(43)【公表日】2020年11月26日
(54)【発明の名称】3段階の比例制御弁
(51)【国際特許分類】
F02M 59/36 20060101AFI20201030BHJP
F02M 59/46 20060101ALI20201030BHJP
【FI】
F02M59/36 F
F02M59/36 E
F02M59/46 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-515756(P2020-515756)
(86)(22)【出願日】2018年8月22日
(85)【翻訳文提出日】2020年3月16日
(86)【国際出願番号】US2018047461
(87)【国際公開番号】WO2019060078
(87)【国際公開日】20190328
(31)【優先権主張番号】15/709,758
(32)【優先日】2017年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516312497
【氏名又は名称】スタナダイン エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003018
【氏名又は名称】特許業務法人アドバンス
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ リチャード パウロ
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066AB02
3G066AC09
3G066AD01
3G066BA17
3G066BA35
3G066CA04U
3G066CE22
(57)【要約】
高圧燃料ポンプ用の電磁閉弁ソレノイド作動スプール式入口制御弁は、3段階のポンプ動作を実現するために、3つの入口供給ポートと入口逆止弁をと備えたスリーブに対して可変に配置可能である。3段階は、低圧供給ポンプからコモンレールへの低圧フロー、コモンレールへのフローなし、コモンレールへの計測された量のフローである。スプール弁は、スプール弁の前端の流体ボリュームに流体接続された軸方向に延びる内部通路と、ポートを流体接続するように選択的に整列可能なスプール弁の後端の制御ポートとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給圧力で供給燃料を受け取るための入口プレナム(112)、供給プランジャがポンピング段階とチャージング段階の間を往復するポンプ室に供給燃料を供給するための入口通路(122)、およびポンプ室から排出弁までの出口通路を含む、高圧燃料供給ポンプへの流体接続用の比例入口制御弁において、
弁軸(104)を規定し、前記円筒形弁スリーブの先端のドレインポート(110)から軸方向に離間された計量ポート(108)から軸方向に離間され、前記円筒形弁スリーブ後端に配置されたバイパスポート(106)を含む、円筒形弁スリーブ(102)であって、前記ドレインポート、前記計量ポート及び前記バイパスポートが入口プレナムに燃料を供給し、前記ドレインポートがスプリング力(SI)で付勢された漏れ逆止弁(114)の開閉を行う、円筒形弁スリーブと、
前記円筒形弁スリーブの前端に位置し、ポンピングチャンバへの入口通路への開口部(120)を規定する入口弁シート(118)と、
付勢力(SI)で逆止弁を前記入口弁シートに押し付けるように構成された関連するスプリング(126)を備えた入口逆止弁(124)と、
前記円筒形弁スリーブ内で、前記入口逆止弁に軸方向に変位するように配置され、前記入口逆止弁に対面する前端(130)と、計量スプリング(134)およびバイパススプリング(136)の付勢力を受ける後端(132)とを有するスプール弁(128)であって、
前記スプール弁は、前記スプール弁の前端の流体ボリュームに流体的に接続された軸方向に延びる内部通路(138)と、前記スプール弁の後端の制御ポート(142)とを含み、前記入口弁シートの開口部を通って流れる流体が前記流体ボリュームを通って流れるように、前記バイパスポートを前記内部通路及び前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能であり、前記計量ポートを前記内部通路と前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能にするとともに、前記流体ボリュームが常に前記ドレインポートと前記入口弁シートと流体連通したままにする、前記スプール弁(128)と、
前記スプール弁の後端に磁気的に結合され、前記計量スプリング、前記入口逆止弁スプリングおよび前記バイパススプリングと前記ソレノイドとによって加えられる力の組み合わせにより、前記バイパスポート及び前記計量ポートを開閉するように、且つ前記入口弁シートに対して前記入口逆止弁を開閉するように、前記スプール弁を選択的に位置決めする比例ソレノイドアクチュエータ(144)と、を備える比例入口制御弁。
【請求項2】
前記スプール弁の選択的に位置決めが、
(i)低圧供給ポンプからコモンレールへの低圧フローを提供するポンプバイパス段階、
(ii)コモンレールにゼロフローを提供するゼロ正味ポンプフロー段階、および
(iii)コモンレールに高圧で計量された量のフローを供給する計量段階、
の3段階のうちのいずれか1つに配置する、請求項1に記載の比例入口制御弁。
【請求項3】
供給圧力で供給燃料を受け取るための入口プレナム(112)、供給プランジャがポンピング段階とチャージング段階の間を往復するポンプ室に供給燃料を供給するための入口通路(122)、およびポンプ室から排出弁までの出口通路を含む、高圧燃料供給ポンプへの流体接続用の比例入口制御弁において、
弁軸(104)を規定し、前記円筒形弁スリーブの先端のドレインポート(110)から軸方向に離間された計量ポート(108)から軸方向に離間され、前記円筒形弁スリーブ後端に配置されたバイパスポート(106)を含む、円筒形弁スリーブ(102)であって、前記ドレインポート、前記計量ポート及び前記バイパスポートが入口プレナムに燃料を供給し、前記ドレインポートがスプリング力(SI)で付勢された漏れ逆止弁(114)の開閉を行う、円筒形弁スリーブと、
前記円筒形弁スリーブの前端に位置し、ポンピングチャンバへの入口通路への開口部(120)を規定する入口弁シート(118)と、
付勢力(SI)で逆止弁を前記入口弁シートに押し付けるように構成された関連するスプリング(126)を備えた入口逆止弁(124)と、
前記円筒形弁スリーブ内で、前記入口逆止弁に軸方向に変位するように配置され、前記入口逆止弁に対面する前端(130)と、計量スプリング(134)およびバイパススプリング(136)の付加付勢力を受ける後端(132)を有するスプール弁(128)と、
前記スプール弁は、外面と、前記スプール弁の前端の流体ボリュームに流体的に接続された軸方向に延びる内部通路(138)であって、
前記スプール弁の後端で前記外面を介する制御ポート(142)を含み、前記入口弁シートの開口部を通って流れる流体が前記流体ボリュームを通って流れるように、前記バイパスポートを前記内部通路及び前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能であり、前記計量ポートを前記内部通路と前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能にするとともに、前記流体ボリュームが常に前記ドレインポートと前記入口弁シートと流体連通したままにする、前記スプール弁と、
前記スプール弁の後端に磁気的に結合され、前記スプール弁を下記3段階の1つに選択的に位置決めする比例ソレノイドアクチュエータ(144)と、を備える比例入口制御弁、
スプリング力とソレノイド作動の組み合わせにより前記スプール弁が前記制御ポートが前記バイパスポートと一致する第1位置に移動し、前記スプール弁の外面が前記計量ポートを覆い、前記入口逆止弁が開き漏れ逆止弁が閉じるバイパス段階、
スプリング力とソレノイド作動の組み合わせにより、前記スプール弁の外面が前記バイパスポートと前記計量ポートを覆い、第2の位置にスプール弁が移動し、前記入口逆止弁が割れて開き、チャージング段階では前記漏れ逆止弁が閉じられ、ポンピング段階では前記漏れ逆止弁が開くゼロ燃料供給段階;
スプリング力とソレノイドの比例通電との組み合わせにより、前記スプール弁が前記入口逆止弁に接触せず、前記外面が前記バイパスポートを覆い、前記計量ポートを可変的に開放し、且つチャージング段階とポンピング段階の間、前記漏れ逆止弁が閉じられる可変の第3の位置に変位する、計量段階。
【請求項4】
前記バイパススプリングは、前記計量スプリングの自由長およびスプリング定数よりも長い自由長および低いスプリング定数を有する、請求項3に記載の比例入口制御弁。
【請求項5】
前記バイパススプリング(136)が前記スプール弁(128)に連続的に作用し、前記計量スプリング(134)がゼロ燃料および計量段階の間のみ前記スプール弁(128)に作用する、請求項3に記載の比例入口制御弁。
【請求項6】
前記ゼロ燃料供給段階および計量段階において、磁力が、前記計量スプリング(134)、前記入口逆止弁スプリング(126)および前記バイパススプリング(136)の組み合わされた付勢力と釣り合っている、請求項5に記載の比例入口制御弁。
【請求項7】
前記バイパススプリング(136)のスプリング率が、前記入口逆止弁スプリング(128)のスプリング率よりも大きく、その結果、前記第1段階において、バイパススプリング(136)の力がスプール弁(128)に作用して、前記入口逆止弁スプリング(126)が前記入口逆止弁に加えた力に反してイ前記入口逆止弁(124)を開く、請求項5に記載の比例入口制御弁。
【請求項8】
前記バイパススプリング(136)は、前記バイパス段階で前記計量スプリングが前記スプール弁(128)から軸方向に離間するように、前記計量スプリング(134)の自由長とスプリング定数よりも長い自由長と低いスプリング定数を持ち、
前記ゼロ燃料段階では、前記磁力が前記バイパススプリング(136)を前記スプール弁(128)の前記計量スプリング(134)との接触によって定義される限界まで圧縮し、前記スプール弁(128)の第2位置を確立し、さらに、
前記接触時に、前記計量スプリング(134)のより高いスプリング定数は、前記スプール弁(128)が前記第2の位置から外れるのを制限する、請求項5に記載の比例入口制御弁。
【請求項9】
計量段階の間、前記ソレノイド電流の連続制御が前記スプール弁(128)に加えられる磁力を変化させ、前記計量スプリングの付勢力に対して前記スプール弁(128)の比例変位を生じさせ、前記スプール弁の内部通路(138)への前記計量ポート(108)を可変的に開く、請求項5に記載の比例入口制御弁。
【請求項10】
前記バイパススプリング(136)は、前記バイパス段階で前記計量スプリングが前記スプール弁(128)から軸方向に離間するように、前記計量スプリング(134)の自由長とスプリング定数よりも長い自由長と低いスプリング定数を持ち、
前記ゼロ燃料段階では、前記磁力が前記バイパススプリング(136)を前記スプール弁(128)の前記計量スプリング(134)との接触によって定義される限界まで圧縮し、前記スプール弁(128)の第2位置を確立し、さらに、
前記接触時に、前記計量スプリング(134)のより高いスプリング定数は、前記スプール弁(128)が前記第2位置から外れるのを制限する、請求項7に記載の比例入口制御弁。
【請求項11】
計量段階中、計量段階の間、前記ソレノイド電流の連続制御が前記スプール弁(128)に加えられる磁力を変化させ、前記計量スプリングの付勢力に対して前記スプール弁(128)の比例変位を生じさせ、前記スプール弁の内部通路(138)への前記計量ポート(108)を可変的に開く、請求項10に記載の比例入口制御弁。
【請求項12】
漏れ逆止弁(114)および関連する漏れ弁スプリング(116)が、前記入口逆止弁(124)に対して前記入口逆止弁スプリング(126)によって加えられるスプリング力に等しいスプリング力で前記ドレインポート(110)を閉じるように付勢する、請求項3に記載の比例入口制御弁。
【請求項13】
漏れ逆止弁(114)および関連する漏れ弁スプリング(116)が、前記入口逆止弁(124)に対して前記入口逆止弁スプリング(126)によって加えられるスプリング力に等しいスプリング力で前記ドレインポート(110)を閉じるように付勢する、請求項7に記載の比例入口制御弁。
【請求項14】
弁軸(104)を規定し、前記円筒形弁スリーブの先端のドレインポート(110)から軸方向に離間された計量ポート(108)から軸方向に離間され、前記円筒形弁スリーブ後端に配置されたバイパスポート(106)を含む、円筒形弁スリーブ(102)と、
前記円筒形弁スリーブの前端に位置し、送達通路への開口部(120)を画定する入口弁シート(118)と、
前記入口弁シートに対して逆止弁を付勢する、関連するスプリング(126)を備えた入口逆止弁(124)と、
前記円筒形弁スリーブ内で、前記入口逆止弁に軸方向に変位するように配置され、前記入口逆止弁に対面する前端(130)と、後端(132)とを有するスプール弁(128)であって、
前記スプール弁は、前記スプール弁の前端の流体ボリュームに流体的に接続された軸方向に延びる内部通路(138)と、前記スプール弁の後端の制御ポート(142)とを含み、前記バイパスポートを前記内部通路及び前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能であり、前記計量ポートを前記内部通路と前記流体ボリュームに流体接続するように選択的に調整可能にするとともに、前記流体ボリュームが常に前記ドレインポートと前記入口弁シートと流体連通したままにする、前記スプール弁(128)と、
スプール弁の後端(132)に位置し、前記スプール弁を前記入口逆止弁に向かって軸方向に付勢するバイパススプリング(136)および計量スプリング(134)であって、前記バイパススプリング(136)が前記計量スプリング(134)の自由長より長い自由長とスプリング定数よりも低いスプリング定数とを有する、前記バイパススプリングおよび前記計量スプリングと、
前記スプール弁の後端に磁気的に結合され、前記計量スプリング、前記入口逆止弁スプリングおよび前記バイパススプリングと前記ソレノイドとによって加えられる力の組み合わせにより、前記バイパスポート及び前記計量ポートを開閉するように、且つ前記入口弁シートに対して前記入口逆止弁を開閉するように、前記スプール弁を選択的に位置決めする比例ソレノイドアクチュエータ(144)と、を備える比例入口制御弁。
【請求項15】
前記バイパススプリング(136)のスプリング率が前記入口逆止弁スプリング(126)のスプリング率よりも大きく、前記ソレノイドに通電されていない状態では、前記バイパススプリング(136)の力が前記スプール弁(128)に作用して、前記入口逆止弁スプリング(126)が入口に加える力に逆らって前記入口逆止弁(124)を開く、請求項14に記載の比例入口制御弁。
【請求項16】
漏れ逆止弁(114)および関連する漏れ弁スプリング(116)が、前記入口逆止弁(124)に対して前記入口逆止弁スプリング(126)によって加えられるスプリング力に等しいスプリング力で前記ドレインポート(110)を閉じるように付勢する、請求項15に記載の比例入口制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コモンレール燃料システム用のプランジャ型高圧ポンプに燃料を送達するための多段制御弁に関する。
【0002】
自動車用途のコモンレール燃料供給システムは、3つの動作条件に対応しなければならない。すなわち、低圧供給ポンプからコモンレールへの低圧フローを提供するリンプホームまたはバイパス燃料供給条件、コモンレールにゼロフローを提供するゼロ正味フロー条件、コモンレールに高圧で計測された量のフローを供給するための計量条件、である。
【0003】
一般に、コモンレール燃料ポンプへの燃料供給は、デジタル制御弁によって実施される。この場合、弁のデフォルトは開いているので、リンプホームの状況では、燃料は低圧供給回路からポンピングチャンバを介してポンプ吐出弁に、そしてコモンレールに直接流すことができる。ゼロ燃料状態は設計上の考慮事項ではない。これは、弁があらゆる動作状態に対してゼロリークを持っていると想定されるためである。弁をデジタル的に閉じると、漏れがゼロになる。弁の開閉時間をデジタルで計時することにより、計量は制御される。
【0004】
米国特許公開第2016/0010607号は、常開状態にある比例ソレノイド作動式入口制御弁を開示している。バイパスおよびゼロフロー条件を達成するには、ソレノイドを完全に通電する必要があり、これには高い電力消費が必要である。また、バイパス状態でソレノイド6に停電が発生した場合、そのシステムは非常に限られた流量を提供する(低圧の流れが逆止弁5および11の開放圧力に打ち勝たなければならないため)。ゼロフロー条件の場合、米国公開番号2016/0010607のシステムは、ボア27と21の一致クリアランス、および/またはピストン13によって弁5を選択的に開く手順に依存している。テストしてみると、この条件での制御性が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、多段スプール弁を使用することによる、制御への異なるアプローチに依存する。これには、段階のハードウェア関係がより明確であるという利点があるが、費用対効果の高い許容範囲では、スプール弁が漏れるという事実を考慮する必要がある。
【0006】
本開示によれば、3つの条件(リンプホーム、低圧供給ポンプからコモンレールへの低圧フロー、コモンレールへのフローなし、高圧でのコモンレールへの計測された量のフロー)に関連する3段階の高圧ポンプ(HPP)動作を実施するために、スプール型入口制御弁は、3つの入口供給ポートおよび入口逆止弁に対して可変に位置決め可能である。
【0007】
スプール弁は、スプール弁の前端の流体ボリュームに流体接続された軸方向に延びる内部通路と、スプール弁の後端の制御ポートとを含む。そしてスプール弁は、内部通路と流体ボリュームとともにバイパスポートを流体接続するように選択的に整列可能であり、且つ、内部通路と流体ボリュームとともに計量ポートを流体接続するように選択的に整列可能である。流体ボリュームは常にドレインポートと入口弁シートとに流体連通し、入口弁シートの開口部を流れる流体は流体ボリュームを通って流れる。スプール弁の後端に磁気的に結合された比例ソレノイドなどの比例アクチュエータは、スプール弁の選択的可変変位を提供する。これにより、スプリングとソレノイドとによって加えられる力の組み合わせにより、スプール弁を選択的に位置決めしてバイパスポートと計量ポートとを開閉し、入口弁に対して入口逆止弁を開閉する。
【0008】
本発明では、供給燃料送達の全体の電力消費は、必要な燃料流量に比例するが、米国公開第2016/0010607号に開示されたシステムの電力消費は反比例する。したがって、本発明は、エンジンにより低い寄生ロードを課し、特定の燃料消費を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明による入口制御弁を実施することができる燃料供給システムの概要を示す。
【
図2】
図2は、本発明の制御弁の一実施形態の全体構成を示す。
【
図3】
図3は、ソレノイド電流と、
図2に示した制御弁のスプール弁の変位またはストロークとの間の関係を示したグラフである。
【
図4】
図4は、ポンプバイパスの第一段階のスプール弁の位置を示している。
【
図5】
図5は、第2段階である、ポンプのチャージングおよびポンピング段階中のスプール弁のゼロ燃料位置を示している。
【
図6】
図6は、第2段階である、ポンプのチャージングおよびポンピング段階中のスプール弁のゼロ燃料位置を示している。
【
図7】
図7は、ポンプのチャージングおよびポンピング段階中のスプール弁の入口計量位置の第3段階を示している。
【
図8】
図8は、ポンプの充填およびポンピング段階中のスプール弁の入口計量位置の第3段階を示している。
【0010】
図1に示されるように、燃料供給システム10は、燃料タンク14からの燃料を加圧し、それを比較的低い供給圧力で高圧ポンプ16に供給する低圧供給ポンプ12を含む。次いで、次に、燃料は、アキュムレータ18の影響下で入口制御弁20に移動する。制御弁20は、燃料を供給圧力で入口通路22を介してポンピングチャンバ24に送り、エンジンカムシャフト26は、ポンピングピストンつまりプランジャ28を上方へ、ポンピングストローク分、および下方へチャージストローク分、往復駆動する。出口通路30は、エンジン燃料噴射器に供給する高圧燃料をコモンレール36に送るために、ポンピングチャンバ24から吐出弁32および関連する過圧逃し弁34まで延びている。
【0011】
制御弁20は、コモンレールに供給される燃料の量を決定する。制御弁に磁気的に結合された比例ソレノイドアクチュエータ38が制御弁部材40を可変的に変位させ、それにより磁力と、対向するスプリングまたはスプリング42、44との組み合わせが、スリーブ48に形成された入口弁シートに対して、制御弁部材40を選択的に配置して入口逆止弁46を開閉する。
【0012】
所望のレール圧力は、電子制御ユニット(ECU)50内の閉フィードバックループによって制御される。これは、制御弁20の動作とポンピングピストン28の動作とを調整することで達成される。ポンピングピストン28がエンジンカムシャフト26によって上向きの動きで駆動されると制御弁20が閉じる。
【0013】
図2〜
図8は、高圧ポンプ(HPP)動作の3段階(低圧供給ポンプからコモンレールへの低圧フロー、コモンレールへのゼロフロー、高圧でコモンレールに流れる計量されたフロー)を実施するのに適した改良されたスプール型入口制御弁100を開示している。
【0014】
図2は、制御弁の全体構成を示し、
図3は、制御弁の全体構成を示す。
図3は、ソレノイド電流とスプール制御弁の変位またはストロークとの関係をグラフで示している。
図4は、段階1(HPPバイパス段階)のスプール弁の位置を示す。
図5および
図6は、段階2(ゼロ燃料供給段階)のスプール弁の位置を示す。
図7及び
図8は、段階3(入口計量段階)のスプール弁の位置を示している。動作は、
図1に関して上述したポンピングおよびチャージング段階を参照して説明される。
【0015】
図2に示されるように、円筒状の弁スリーブ102は、弁軸104を画定し、スリーブの後端にバイパスポート106を有し、バイパスポート106は、中間計量ポート108から軸方向に間隔をあけられている。ドレインポート110は、閉鎖力を加えるスプリング116で付勢された漏れ逆止弁114の開閉を受ける。入口弁シート118は、スリーブの前端に位置し、ポンピングチャンバへの入口通路122への流れ開口部120を画定する。関連するスプリング126を備えた入口逆止弁124は、好ましくは漏れ逆止弁114の閉止力に等しい閉止力で逆止弁を付勢するように適合されている。
【0016】
スプール弁128は、弁スリーブ102内で軸方向に変位するように配置され、入口逆止弁124に対向する前端130と、計量スプリング134およびバイパススプリング136の付勢力を受ける軸後端132とを有する。スプール弁は、外面と、スプール弁の前端の流体ボリューム140に流体接続された軸方向に延びる内部通路138と、スプール弁の後端の外面を通る制御ポート142とを含む。スプール弁部132に作用するソレノイド144に印加される電流に応答して、制御ポート142はスリーブ102内で選択的に整列可能であり、バイパスポート106を内部通路138および流体ボリューム140と流体接続し、流体的に選択的に整列可能である。流体ボリューム140は、ドレインポート110および入口弁シート118と常に流体連通し、流体が入口弁シートの開口部120を通っていずれかの方向に流れるようになっている。また、流体が流体ボリューム140を通って流れる。
【0017】
図3は、3段階の場合のスプール弁のストロークに伴うステップ変化と通電電流の範囲を示している。
【0018】
段階1(
図4)
HPPバイパス状態の場合、ポンピングプランジャーは往復運動するが、ポンプは機能的に動作不能であると想定される。スプリング力とソレノイド作動との組み合わせにより、制御ポート142がバイパスポート106と整列する第1位置にスプールポート128を変位し、スプール弁外面が計量ポート108を覆い、入口逆止弁124が開き、漏れ逆止弁114が閉じられる。
【0019】
弁電流はゼロに設定される、すなわち、ソレノイド144は非アクティブである。スプリング136の力はスプリング126の力よりも大きく、スプール弁128を動かしてポート106を露出させ、同時に入口逆止弁124を開く。ポート106を通る入口フローは、通路138を通り、開口部120および入口通路122を通ってポンピングチャンバに移動する。プレナム112の入口圧力は出口逆止弁32(
図1)の開放圧力よりも大きいため、レールはポンプの動作に関係なく加圧される。ポンピングプランジャーがまだ動作していても、入口逆止弁124は開いたままなので、ポンピングは無効になる。
【0020】
段階2(
図5および
図6)
ゼロ燃料供給段階では、スプリング力とソレノイド作動との組み合わせにより、スプール弁128は、スプール弁外面がバイパスポート106および計量ポート108を覆う第2の位置に変位する。入口逆止弁124は入口弁シート118から割れて開いており、漏れチェック弁114は、チャージング段階中に閉じられ、ポンピング段階中に開く。燃料がゼロの状態では、ポンプは動作可能であると見なされ、レールに燃料は移動しない。
【0021】
チャージング段階中、電流は、利用可能な最大電流よりも低い一定状態に設定される。すなわち、ソレノイド144は部分的に通電されている。磁力MFはスプリング136の力よりも大きい。スプール128は、スプリング134に接触するまで移動する。力のバランスは、磁力MFがスプリング136+スプリング134+スプリング126の力のバランスを取り、スプール弁の前端130が弁124を開いたままにする。スプール弁128の外面とスリーブ102の穴との間の半径方向の隙間のために、スプール弁には本質的な漏れがある。チャージング段階中、弁を通る漏れは、入口通路122を通ってポンピングチャンバに到達する。
【0022】
ポンピング段階の間、ポンピングチャンバに蓄積されたボリュームは、入口逆止弁124が開いた状態でシート118を通って流れる。スプール弁128は圧力バランスが取れているため、弁は移動せず、ポート106と108との両方が閉じたままになる。ポンプ圧が漏れ逆止弁114の開放圧力よりも大きい場合、漏れ逆止弁114が開き、燃料が供給圧力でプレナム112に流入する。漏れ逆止弁114の設定圧力は、レールの最小所望圧力よりも低い。好ましくは、漏れ逆止弁114および関連する漏れ弁スプリング116は、入口逆止弁スプリング126によって入口逆止弁124に対して加えられる付勢力に等しいスプリング力でドレインポート110を閉じるように付勢する。
【0023】
チャージング段階およびポンピング段階は、ポンプの入口に戻る漏れフローとともに無限に繰り返される。
【0024】
段階3(
図7および
図8)
計量段階の間、ポンプは動作可能であると想定され、レールに移送される燃料は、ポンピングチャンバに計量される燃料である(ポンピング中に損失がないと仮定する)。
【0025】
スプリング力とソレノイド作動との組み合わせにより、スプール弁128は、スプール弁の前端130が入口逆止弁124に接触せず、外面がバイパスポート106を覆い、可変的に露出する第3の位置に変位する。計量ポート108、および漏れ逆止弁114は、チャージング段階およびポンピング段階の間は閉じられている。
【0026】
チャージング段階中、電流は可変であり、最低電流(
図3の値3MIN)は、利用可能な最大電流まで、段階2中よりも高い。ソレノイド144は部分的にまたは完全に通電されている。スプール弁128は、ポート106および比例開口部108を覆うように移動する。スプール弁128の前端130はもはや入口逆止弁124に接触しないため、入口逆止弁は自由に作動する。また、ポート108は部分的にしか開いておらず、チャージング時間がポンプの速度によって制限されるため、入口通路122を通ってポンピングチャンバに入る燃料の量は、入口逆止弁124の絞り効果によって制限される。スプール弁128の位置は、磁力MFとスプリング134+スプリング136との力バランスの積である。計量ポート108の露出した開口部(弁の絞り)は、スプール弁128の位置に比例する。
【0027】
ポンピング段階の間、プランジャはポンピングチャンバ内の流体カラム(部分的または完全なカラム)を圧縮する。ポンピング室の圧力が、絞りフロー(入口計量フロー)およびスプリング126の力と平衡に達すると、弁124が閉じる。排気圧力は、出口逆止弁32(
図1)が開き、排気量がレールに移動するまで増加する。
【0028】
力バランシング
したがって、バイパスポート106および計量ポート108を覆い隠し、入口逆止弁124を開閉するように、スプリングおよびソレノイドによって加えられる力の組み合わせが入口弁シートに対し、スプール弁を選択的に配置することが理解できる。
【0029】
スプリング136は、磁力MFがゼロであるバイパス段階1の間、スプリング126のバイアスを維持しなければならないため、常にアクティブである。計量スプリング134の自由長はバイパススプリング136の自由長よりも短いため、計量スプリング134はバイパス段階では作動しないが、スプール弁がゼロ燃料供給および計量段階にあるときに作動する。段階2および段階3では、磁力はスプリング134+スプリング126+スプリング136とバランスが取れている。スプリング134はスプリング136よりも高いスプリング定数を持ち、ゼロ燃料段階ではスプリング136よりもはるかに小さく圧縮される。スプリング134は、計量段階でMFの主なバランスになる。
【0030】
より詳細には、バイパス状態(段階1)の間、スプリング136はスプリング126を付勢し、逆止弁124を開いた状態に保つ。この状態では、スプリング136はスプリング126よりも大きな力を持っている。スプリング134はスプール弁128の後端132の壁と接触していないため、軸方向の力を与えていない。
【0031】
段階2のゼロフロー状態では、ソレノイド144によって提供される軸方向に向いた磁力MFは、(136+126)の正味の力に逆らって作用し、スプール弁128を(
図4の左側に)、
図5に)引っ張る。それによりポート106およびポート108および空間Sを閉じる。重要な事項は、スプール弁の後端132の磁気アーマチュアとソレノイド144の極との間の空隙の量である。大きな空隙は、磁力MFをほとんど生成しない(
図4のステージ1の144と132の最小オーバーラップで表される)。これが、
図5及び
図6によると、スプリング136がスプリング134よりも低いスプリング定数を有して、入口逆止弁124をシート118から押し出すことができる理由である。しかしながら、スプリング136の低いスプリング定数は、位置を摩擦力の変化に対して影響を受けやすくし、所定のソレノイド電流に対してスプール弁128が予想されるゼロ流量位置にあるという不確実性を高める(
図3を参照)。解決策は、スプール弁128の後壁が空間Sを閉じてスプリング134に接触するまで磁力MFがスプリング136を圧縮するように、より強いスプリング134を追加する。
【0032】
段階2のゼロフロー状態に対応する磁力MFを生成するための電流の制御により、スプール弁128が計量スプリング134に接触するが、そのより高いスプリング定数はスプール弁のさらなる変位に抵抗し、フローがゼロになるようにスプール弁を適切な位置決めを保証する。実際、段階2の間、計量スプリング134は、スプール弁128に対するセミポジティブ(一時)停止になる(段階3が開始されるまで)。したがって、摩擦力の変動は、スプリング134をほとんど動かさず、スプール弁128の予想される位置を改善する。
【0033】
段階3の計量段階の間、エアギャップはさらに低減され、磁力MFははるかに効果的である。磁力は、スプリング134+スプリング126+スプリング136と釣り合う。スプリング136および134は両方とも圧縮するが、比例反作用力の大部分は計量スプリング134から来る。したがって、計量段階中、ソレノイドの連続制御電流は、スプール弁128に加えられる磁力MFを変化させ、計量スプリング134のバイアスに抗してスプール弁の比例変位を生じさせ、スプールポートの内部通路138への計量ポート108を可変的に開く。
【0034】
本開示の励磁-閉の制御弁では、ソレノイドが故障する段階1のバイパス状態が入口逆止弁124を開くことをさらに理解されたい。他のバイパス状態では、ECUは、チェック弁124を維持する。この構成はまた、スリーブ102のボア内のスプール弁128の一致クリアランスおよび通常のスプール弁128/スリーブ102の摩耗からの漏れの増加とは無関係に、ゼロ燃料段階2を達成する。
【国際調査報告】