【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、コネクタを第1の物体内に固定する方法が提供され、コネクタは、固体状態の熱可塑性材料を含む。本方法は、
コネクタを第1の物体と物理的に接触させるステップと、
コネクタの熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり、第1の物体に対して流動するまで、近位回転軸を中心にコネクタを第1の物体に対して回転させ、コネクタによって第1の物体に相対力を及ぼすステップと、
コネクタの回転を停止させるステップであって、結果、流動部分がコネクタを第1の物体に対して固定する、停止させるステップと
を含み、以下の条件、すなわち、
A.コネクタの最遠位端が近位回転軸上の接点とは異なるように、コネクタが成形されること、
B.コネクタが、回転中に第1の物体に対して圧迫される位置に巨視的な表面粗さを有すること、
C.コネクタが、熱可塑性材料とは異なる第2の材料の一部分を含み、上記第2の材料が固体であり、(工程中に)流動性にならず、上記部分が、遠位端まで延伸するか、または軸に垂直な中央平面を通って延伸する、または両方で延伸すること、
D.回転ステップ中、コネクタが軌道運動を受けること、
E.コネクタが、内側部分と、遠位に面する接続突起を有する近位接続部分とを有し、回転ステップ中、接続突起が、第1の物体の近位に面する端面に対して圧迫され、内側部分の表面部分が、近位に面する端面の(遠位方向において)下にある第1の物体構造に対して圧迫されること、
F.第1の物体が、繊維または発泡材料の構造を含み、流動部分が、それぞれ、繊維の構造または発泡材料の細孔に流されること
のうちの少なくとも1つが満たされる。
【0013】
名前付き条件A〜Fは個別に実現することができる。代替的に、名前付き条件のすべての組み合わせ、すなわち、AB,ABC,ABCD,ABCDE,ABCDF,ABCDEF,ABD,ABDE,ABDF,ABDEF,ABE,ABF,ABEF,AC,ACD,ACDE,ACDF,ACDEF,ACE,ACF,ACEF,AD,ADE,ADF,ADEF,AE,AF,AEF,BC,BCD,BCDE,BCDF,BCDEF,BCE,BCF,BCEF,BD,BDE,BDF,BDEF,BE,BF,BEF,CD,CDE,CDF,CDEF,CE,CF,CEF,DE,DF,DEF,EFが可能である。
【0014】
相対力は押圧力であってもよい。
相対力を及ぼすステップは、特に、コネクタまたは少なくともその遠位部分を第1の物体内に前進させることができる。
【0015】
条件Aを参照すると、最遠位端は、例えば、
例えば円形の隆起によって形成される遠位縁部によって形成される円形接触線、
鋸歯構造、
円周とは別様に延伸する縁部、
例えば円形またはリング状領域などの研磨領域、
スリーブ状部分(チューブ部分)が本体から遠位方向に延伸する中空スリーブ状遠位端であって、実施形態におけるそのような本体は、ヘッド部分を形成することができる、中空スリーブ状遠位端、
条件Cの意味での第2の材料からの切断/打ち抜き構造
のうちの1つを形成することができる。
【0016】
特に、実施形態(任意の条件を参照する)では、第1の物体は、第1の構築層、芯地層、および例えばまた、第2の構築層を有する軽量構築要素であってもよく、第1の構築層および該当する場合は第2の構築層(複数可)は、芯地層よりも薄く、密度が高く(また、芯地層の(平均)硬度が定義されている限り、一般に硬質である)、該当する場合、第1の構築層および第2の構築層は芯地層を挟む。(備考として、これが条件Fと組み合わされる場合、これは、芯地が繊維および/または発泡材料の構造を含む可能性があることを意味する。)少なくとも条件Aが満たされる場合、実施形態において、方法は、第1の構築層の一部分を打ち抜くステップを含み得る。この目的のために、コネクタは、例えば、例としてスリーブ状遠位端、または例えば周方向打ち抜き縁部などの他のものによる、上記のオプションの1つによる遠位打ち抜き構造を備える。
【0017】
このような打ち抜きステップは、回転運動の開始前、開始中、またはその後に実行することができる。後者の場合、工程パラメータは、第1の構築層の一部が打ち抜かれるまで、コネクタの遠位端の機械的抵抗が十分に強いままであり(かつ、完全に液化されない)ように制御される。例えば、打ち抜きステップが完了するまで、回転速度を低下させることができる。
【0018】
打ち抜きステップは、回転運動によって支援されることに加えて、またはその代替として、コネクタの振動によって支援されることが可能である。
【0019】
本発明の任意の態様の任意の実施形態では、コネクタは、遠位区画および近位区画を有することができる。遠位区画は、回転を停止させるステップの後、第1の物体内に突出するコネクタの区画/部分であり、一方、近位区画は、第1の物体内に貫入しない、すなわち、取り付け位置(コネクタが第1の物体に固定される位置)の周囲の領域内で第1の物体によって画定される表面の近位にある。例えば、コネクタが、遠位に面する停止面(以下を参照)を有するヘッド部分を含む実施形態では、ヘッド部分は近位区画を形成し、停止面の遠位にある部分は遠位区画を形成する。
【0020】
条件Aを満足する実施形態において、または、より一般的には本発明の任意の実施形態において、遠位区画は、回転軸を中心とした回転対称とは異なる形状を有する遠位区画表面を画定することができる。
【0021】
遠位区画が、回転軸を中心とした回転対称とは異なる形状を有する遠位区画表面を画定するという条件は、条件A〜Fとは無関係に満たすことができる。すなわち、当該条件は、条件A〜Fのいずれか1つもしくは上記でリストされている任意の組み合わせと組み合わされてもよく、または加えて場合によっては、条件A〜Fのいずれも満たされなくてもよい。このような非対称性と回転との組み合わせ(例えば、この非対称性は、コネクタが鋸歯構造を有するか、または縁部が周方向と異なる様態で延伸する場合に常に満たされる)は、コネクタの、第1の物体に対する切断/打ち抜きまたは特に材料除去効果に寄与する。
【0022】
条件Bを参照すると、巨視的な表面粗さは、例えば射出成形によって要素を製造するときに生じる残留(微視的)粗さよりも大きい粗さである。例えば、そのような粗化部分の粗さ(R
a、算術平均粗さ)は、少なくとも10μm、または少なくとも20μm、またはさらには少なくとも50μmであり得る。
【0023】
粗さは、コネクタ表面の一部、特に本質的に遠位に面する端面の部分(これは、粗面部分がテーパ区画の半径方向外面部分の一部である可能性を含む)、もしくは、工程中に構造に対して圧迫される部分に制約することができ、または、コネクタ表面全体、もしくは、工程の終わりに第1の物体に入るコネクタの部分の表面全体に関係し得る。
【0024】
条件Cを参照すると、本明細書の第2の材料は、特に非液化可能材料であり、「非液化可能」とは「工程中に適用される条件下で液化可能でない」ことを意味する。したがって、本明細書では、一般に「非液化可能」材料は、工程中に到達する温度、したがって特にコネクタの熱可塑性材料が液化する温度では液化しない材料である。これは、非液化可能材料が、工程中に到達しない温度、一般的には工程中に液化する1つまたは複数の熱可塑性材料の液化温度よりはるかに高い温度(例えば少なくとも80℃)において液化することが可能であるという可能性を排除しない。液化温度は結晶性ポリマーの融解温度である。非晶質熱可塑性物質の場合、液化温度(「本明細書では融解温度」とも呼ばれる)は、熱可塑性物質が十分に流動可能になる、ガラス転移温度より高い温度であり、「流動温度」と呼ばれることがあり(押し出しが可能である最低温度として定義されることもある)、例えば、熱可塑性材料の、粘度が10
4Pa*s未満(実施形態において、特に繊維強化剤を実質的に含まないポリマーでは10
3Pa*s未満))に低下する温度である。
【0025】
例えば、非液化可能材料は、アルミニウムもしくは鋼鉄のような金属、セラミック材料、または木材、または、硬質プラスチック、例えば、液化可能部分の融解温度/ガラス転移温度よりも相当に高い融解温度(および/またはガラス転移温度)、例えば少なくとも50℃または80℃または100℃だけ高い融解温度および/またはガラス転移温度を有する強化もしくは非強化熱硬化性ポリマーまたは強化もしくは非強化熱可塑性物質であり得る。特別な例では、第2の(非液化可能)材料は、マトリックス材料が熱可塑性材料と同じであるが、充填材含有量(例えば、繊維含有量)が実質的に、例えば少なくとも熱可塑性材料より10〜15%(体積)だけ高い、充填ポリマーであってもよい。
【0026】
一群の実施形態では、非液化可能材料は、遠位切断縁部などの遠位切断/打ち抜きおよび/または材料除去特徴部を形成する。特にこれらの実施形態では、方法は、いくらかの時間の後、コネクタの遠位端が熱可塑性材料によって形成されるように、相対力を及ぼすステップ中に非液化可能材料の本体を熱可塑性材料に対して後退させるステップを含むことができる。
【0027】
条件Dを参照すると、軌道運動は、平行軌道軸を中心とした回転軸の回転を含むことができ、軌道軸を中心とした上記回転は、回転軸を中心とした回転よりもはるかに遅く、特に少なくとも一桁遅い。
【0028】
この態様による本発明は、特に、工程中にコネクタが押し込まれる物体の比較的硬質の表面に対して、コネクタが二重の機能、すなわち、例えば、コネクタが第1の物体の表面に押し込まれるようにするため、および/または、第1の物体内の空孔が生成もしくは拡大されるようにするために、初期段階において、第1の物体の部分を分離(切断/打ち抜き)する機能、および/または、第1の物体から材料を除去する機能を有する可能性がある場合に有利であり得るという洞察に基づく。次に、さらなる段階中に、コネクタの熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり、コネクタを固定する役割を果たす。
【0029】
これらの第1の段階および/または第2の段階は、明確に連続的であってもよく、またはそれらは重なり合ってもよい。
【0030】
条件Eを参照すると、この条件による手法は、構造が相互貫入し、その後、近位端面と、物体内の他のより深い位置の両方において固定するために再固化するために、熱可塑性材料が液化され得るという新規の手法をもたらす。特に、物体が、第1の近位構築層を有する軽量構築要素である場合、接続突起のある接続部分は、第1の構築層の寸法安定性が使用されるように、コネクタを(通常は寸法的に安定した)第1の構築層内に近位から固定する。
【0031】
また、接続部分は、内側部分から半径方向外向きに延伸することができる。結果、接続部分は、近位に面する表面における近位からの固定に加えて、固定のフットプリントを強化する。
【0032】
さらに、第1の物体が第1の構築層と第2の構築層の両方を有する軽量構築要素である場合、条件Eによる手法は、コネクタが、第1の構築層において近位から接続部分によって、および、第2の構築層内でまたは第2の構築層に隣接して内側部分の遠位部分によっての両方で固定されることを可能にすることができる。
【0033】
再び条件Eを参照すると、内側部分は、例えば、チューブ状遠位端を有することができ、例えば、全体をチューブ状にすることによって、または、近位の塊状部分および遠位のチューブ状部分を有することによって、条件Aを満たすことができる。これとは独立して、接続部分は、内側部分の周りに近位フランジを形成することができる。接続部分は、そのようなフランジから遠位に延伸する周方向隆起として、遠位に面する接続突起を有することができる。そのようなフランジはまた、安定性を向上させ、かつ/または、例えば、釘と同様に、さらなる物体を第1の物体に固定するために使用可能なヘッド部分の機能を有することもできる。
【0034】
条件A〜Eにはすべて、第1の物体の材料へと作用するコネクタ機能を強化する効果がある。
【0035】
一群の実施形態において、第1の物体は、第1の外側構築層(本明細書では第1の構築層とも呼ばれる)および芯地層を有する軽量構築要素であり、第1の外側構築層は芯地層よりも薄く、密度が高い(かつ一般にまた、芯地層の(平均)硬度が定義されている限り、より硬質でもある)。第1の物体は、例えば、第1の構築層と同じ材料の第2の構築層をさらに有することができ、第1の構築層および第2の構築層は芯地層を挟む。
【0036】
芯地層は、例えば、大部分が中空空間になっている巨視的な専用構造を含むことができ、結果、芯地層の密度は比較的小さい。例えば、芯地層は、第1の外側構築層と第2の外側構築層との間に垂直に延伸する壁(軸に平行に延伸する壁)を含むことができる。実施形態では、そのような壁はハニカム構造を形成する。
【0037】
この実施形態群では、コネクタを第1の物体と接触させるステップは、コネクタを第1の構築層と接触させるステップを含むことができる。
【0038】
この実施形態群では、コネクタを第1の構築層と接触させるステップの前に、第1の構築層に、事前に形成された空孔(パイロット穴)を設けることができる。代替的に、特に、コネクタを接触させるステップの前に、第1の構築層を完全なままにしておくことができ、結果、コネクタの最遠位端が第1の構築層に接触し、第1の構築層に切り込み/穴を開け、および/または、第1の構築層から材料を除去する。
【0039】
上記の意味での軽量構築要素である代わりに、第1の物体は、構築/工学の任意の他の物体であってもよい。例えば、第1の物体は、例えば第1の物体の近位に面する表面を構成する繊維の構造を含んでもよい。実施形態におけるそのような繊維の構造は、その下のより硬質の構造を被覆する被覆層を形成することができる。
【0040】
実施形態では、特に、ただし条件Aおよび/または条件Bおよび/または条件Eが満たされている場合に限り、コネクタは、近位に向かって連続的に増大する断面(テーパなど)を有する領域を有することができ、当該領域は、回転中に第1の物体に押し込まれる。任意選択的に、そのような領域は、均質な包絡回転面を有する、リブおよび溝の構造を有することができる。
【0041】
さらなるオプションによれば、ここでもまた、特に、ただし条件Aおよび/または条件Bおよび/または条件Eが満たされている場合に限り、コネクタは脆弱化特徴部(例えば周方向内側および/または外側の溝による崩壊ゾーン)を有することができ、回転させるステップは、流動部分の半径方向外向きの流れを強化するために、コネクタが脆弱化特徴部の位置において崩壊するまで実行される。
【0042】
ここで条件Fを参照すると、材料の第1のカテゴリは、圧縮不織繊維などの不織繊維である。この材料は、優れた含浸および低コストを含むその特性に起因して、軽量構造において人気が高まっている。ただし、この種の素材に関して固定することは困難である。本書に記載されている手法は、この材料内での固定に適していることが分かっている。
【0043】
条件Fが満たされている場合に使用されるコネクタは、第1の物体の形状に応じて、比較的平坦であり得る、すなわち、その半径方向の延長(幅)は、液化可能材料を含み、固定のために第1の物体に押し込まれる固定部分の軸方向の延長よりも大きくなり得る。特に、コネクタは、少なくとも1つの周方向隆起によって形成された固定部分を有する円盤状部分を有することができる。
【0044】
実施形態では、特にコネクタが円盤状部分を有する場合、その遠位表面が第1の物体の材料に対して圧迫され、第1の物体をわずかに圧縮するまで、固定過程を実行することができる。結果、遠位表面は自然な停止面として機能する。
【0045】
実施形態では、回転の開始前に、コネクタは、軸方向の動きによって第1の物体の材料に押し込まれ得る。結果、局所的に、固定部分(複数可)の位置において、繊維構造が圧縮されて、圧縮部分が生じる。これは、第1の物体の材料と固定部分(複数可)の熱可塑性材料との間の摩擦が強化され、エネルギー吸収を強化すると同時に、回転運動において引っ張られているに過ぎない繊維に対する抵抗も強化されるという点で、固定過程を支援することができる。
【0046】
回転の開始前にコネクタ固定部分が物体に対して圧迫される実施形態では、これは、コネクタの遠位端面も第1の物体の材料に対して圧迫され、材料をわずかに圧縮する程度まで行うことさえできる。次に、回転が始まると、遠位に突出する固定部分は、第1の物体の材料内に完全に貫入する。
【0047】
条件Fを満足する手法による固定は、固定部分(複数可)が深さについて効果的にコネクタを固定するという点で、単なる表面的な接続とは異なり得る。これは、固定部分が固定過程において定位置に留まり、固定過程の終了後も、第1の物体の材料へと延伸して存在することを意味するが、もっとも無論、液化および再固化に起因して形状は変化する。
【0048】
本明細書において説明されている手法が魅力的である別の材料群は、発泡材料、特に発泡ポリマーフォームである。この方法は、工程中に適用される条件下で固体のままであるが、熱可塑性材料が貫入した構造を有する発泡材料と、液化し、例えば、コネクタの熱可塑性材料に溶接されるかまたは少なくとも熱可塑性材料と混合されている発泡材料の両方によって使用され得る。本発明の異なる態様による手法に起因して、従来技術とは対照的に、溶接または接着接合に加えて、第1の物体のコネクタ相互貫入構造の熱可塑性材料によって、ポジティブフィット接続も生成される。
【0049】
コネクタによって引き起こされる第1の物体に対するコネクタの固定は、
第1の物体の、例えばその芯地の、繊維間の空間の、および/または、第1の物体がフォームを含む場合は細孔の流動部分の相互貫入構造であって、流動部分の再固化後にポジティブフィット接続が生じる、相互貫入構造、
第1の物体の材料とコネクタの材料との間の溶接
のうちの1つまたは複数に起因し得る。この場合、(摩擦に起因する)機械的回転エネルギーの吸収はまた、第1の物体の材料の一部を流動可能にする。
【0050】
この目的のために、特に、第1の物体は、流動部分が固定される領域を有することができ、この領域は、液化可能材料からは構成されず、非液化可能な、貫入可能材料を含む。これに適した貫入可能材料は、少なくとも本発明による方法の条件下では固体である。例えば、この材料は、剛性であり得、実質的に弾性的に柔軟ではなく(エラストマー特性がない)、塑性変形可能でなく、弾性的に圧縮可能ではないか、または、ごくわずかにしか圧縮可能でないものであり得る。それはさらに、液化した材料が流れ込むことができるか、または固定のために押し込まれ得る実際のまたは潜在的な空間を含む。それは、例えば、繊維状もしくは多孔性であるか、または、例えば、適切な機械加工またはコーティングによって製造される貫入可能な表面構造(貫入のための実際の空間)を含む。代替的に、貫入可能材料は、液化熱可塑性材料の静水圧下でそのような空間を発現させることが可能である。これは、貫入可能材料が、周囲条件下にあるときは貫入可能がないか、または、ごくわずかしか貫入可能でない可能性があることを意味する。この特性(潜在的な貫入するための空間があること)は、例えば、機械的抵抗に関する不均質性を意味する。この特性を有する材料の例は、多孔質材料であり、その細孔は、細孔から押し出すことができる材料によって充填されており、これは、構成成分間の界面接着が、貫入する液化材料によって及ぼされる力よりも小さい、軟質材料と硬質材料との複合材料、または不均質材料(木材など)である。したがって、一般に、貫入可能材料は、構造(細孔、空洞などの「空の」空間)または材料組成(変位可能な材料または分離可能な材料)に関して不均質性を含む。
【0051】
貫入可能材料の領域が、例えば、例として非液化可能材料のコーティングとして、または他の不均質な混合物の一部として、コネクタの材料との溶接を行うことができる熱可塑性液化可能材料を含むことも除外されない。
【0052】
方法に加えて、本発明は、方法を実行するためのコネクタにも関する。そのようなコネクタは、軸(前に本明細書に記載の方法の実施形態における回転軸に対応する)を有し、熱可塑性材料を含むことができる。それはさらに、ツールが係合するための係合構造、例えば、係合開口部を有する。このような係合構造は、軸を中心とした回転対称とは異なる。
【0053】
特に、方法を参照して本明細書において説明されているように構成される。これは特に、A、B、C、またはEの1つ以上の条件を満たしていることを意味し、可能性として、方法を参照して本明細書において説明されている特性を有する。
【0054】
本発明の他の態様によれば、コネクタを第1の物体内に固定する方法が提供され、第1の物体は、第1の構築層、芯地層、および第2の構築層を有する軽量構築要素であり、第1の構築層および第2の構築層は、芯地層よりも薄く、密度が高く(また、芯地層の(平均)硬度が定義されている限り、一般により硬質である)、第1の構築層および第2の構築層は芯地層を挟む。コネクタは、固体状態の熱可塑性材料を含む。本方法は、
コネクタを第1の物体と物理的に接触させるステップと、
コネクタの熱可塑性材料の流動部分が流動可能になり、第1の物体に対して流動するまで、近位回転軸を中心にコネクタを第1の物体に対して回転させ、コネクタによって第1の物体に相対力を及ぼすステップと、
コネクタの回転を停止させるステップであって、結果、流動部分がコネクタを第1の物体に対して固定する、停止させるステップと
を含み、
工程は、相対力を監視することを含み、コネクタの回転を停止させるステップは、押圧力に関する所定の条件が満たされたとき、例えば押圧力が閾値を超えたときに実行される。
【0055】
加えて、または代替として、工程は、距離制御を使用することを含んでもよく、すなわち、コネクタが所定の位置に到達すると直ちに回転が停止し、結果、コネクタが第2の構築層も貫通することを除外することができる。
【0056】
第1の物体として第1の構築層および芯地層を有する軽量構築要素を使用することを含む本発明の異なる態様のすべての実施形態において、方法は、
回転および/または相対的な力の作用によって、芯地層に対して第1の構築層の一部を変位させ、および/または、コネクタが第1の物体と物理的に接触している位置(取り付け位置)または当該位置の近傍において相対力が加えられる結果として第1の外側構築層が貫通されるようにするステップと
を含むことができる。
【0057】
特に、第1の構築層が取り付け位置の周りに平面を画定する場合、方法は、第1の構築層を平面に対して、取り付け位置において遠位方向に向かって変位させるステップを含むことができる。
【0058】
変位させるステップにおいて、第1の外側構築層の変位される部分は、第1の外側構築層から分離することができる、すなわち、工程における第1の外側構築層は、単に変形されるのとは対照的に、破壊される。しかし、実施形態では、変位される部分は、連続したままであってもよい、すなわち、第1の構築層から分離され、全体として変位されてもよい。これは、第1の外側構築層から分離されて変位されることに加えて、変位される部分も変形する可能性を排除しない。
【0059】
特に、変位させるステップは、変位された部分を第1の外側構築層から打ち抜く、または取り除くステップを含むことができる。
【0060】
変位させるステップは、遠位方向に向かって当該部分を変位させるステップを含むことができ、結果、当該部分の遠位において芯地の材料が圧縮される。芯地のそのような圧縮は、追加の固定安定性をもたらす可能性があることが判明している。
【0061】
特別な実施形態群では、コネクタは、崩壊ゾーンを設けられ、崩壊ゾーンの遠位の一部分が、コネクタの残りの部分(第1のタイプの崩壊ゾーン、遠位崩壊のためのゾーン)に対して変形されること可能である。特に、このような部分は、崩壊ゾーンから外側に曲げられる可能性があり、結果、コネクタはより大きいフットプリントを得る。そのような崩壊ゾーンは、例えば、実施形態では、スリーブ状部分の周りに延在する、スリーブ厚さが減少したゾーンによる実施形態に従って、断面積が低減したゾーンによって形成されてもよい。
【0062】
実施形態では、コネクタは、ヘッド部分または他の横方向に突出する近位特徴部を備える。このような横方向に突出する特徴部は停止特徴部として機能することができる、すなわち、ヘッド部分の遠位に面する肩部(または他の横方向に突出する近位特徴部)が、第1の構築層、またはコネクタによって第1の物体に結合される第2の物体の近位面と物理的に接触すると直ちに、エネルギー入力を停止することができる。
【0063】
実施形態では、第1の構築層は、いくらかの多孔性を有してもよく、および/またはコネクタの材料に溶接することが可能な構成成分を有してもよい。そのような実施形態では、ヘッド部分(または他の横方向に突出する近位の特徴部)の遠位に面する端面は、(上記)熱可塑性)材料から作られてもよく、回転ステップの最後の段階中に少なくとも部分的に流動可能にすることができ、結果、ヘッド部分(または他の横方向に突出する近位特徴部)の材料は、第1の構築層の材料に貫入する(かつ/または第1の構築層の材料に溶着する)。任意選択的に、この目的のために、ヘッド部分は、工程中に生じる溶融物を閉じ込めるための小さい遠位凹状特徴部を有することができる。
【0064】
コネクタがヘッド部分(など)を有しないが、例えば、わずかにテーパ状である場合、第1の構築層の多孔性および/または溶接可能性も固定に寄与し得、結果、コネクタの材料が開口部の口と接触して流動可能になり、当該開口部の口を通じてコネクタは延伸し、そのような流動可能材料は、それぞれ、第1の構築層に相互貫入し、および/または第1の構築層を溶接することができる。
【0065】
第1の物体に接合される第2の物体は、開口部を有する部分、任意選択的にそのような開口部を有する概して平坦なシート部分を含むことができる。そのようなシート部分は、第1の構築層の近位面に直に相対し、それと物理的に接触することができる。代替的に、薄いシートまたは膜などのさらなる部品が、第1の物体とシート部分との間に配置されてもよい。処理後にコネクタが通って延伸する開口部は、貫通開口部であってもよく、または側面に開いている凹部(スリットなど)であってもよい。
【0066】
実施形態では、そのような第2の物体を第1の物体に結合することは、以下の方策のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0067】
開口部の周りの第2の物体は、第1の構築層の平面から外方に近位に向かって突出する区画を有し、コネクタの一部分(例えば、周縁の横方向に突出する特徴部(カラー/ヘッドなど))は、固定過程の終わりに向かって縁部と接触するようになり、結果、コネクタに結合されたエネルギーが、縁部と熱可塑性材料との間に発生する摩擦熱に起因して熱可塑性材料の一部を流動可能にし、流動可能材料は、縁部の周りを流れて、熱可塑性材料に縁部を少なくとも部分的に埋め込む。結果、追加の接続、ならびに、縁部およびコネクタの形状に応じて、シーリングも達成される。
【0068】
第2の物体は、第1の構築層と接触するところに熱可塑性材料を有し、この熱可塑性材料の少なくとも一部は第1の構築層に対して流動し、結果、第1の構築層の表面の構造が相互貫入され、および/または、第1の構築層の材料との溶接が形成され、結果、追加の接続および場合によってはシーリングも達成される。
【0069】
コネクタの横方向に突出した特徴部と第2の物体の近位面との間、および/または第2の物体と第1の構築層との間、および接着剤が配置される。このような接着剤は、硬化性接着剤であってよい。機械的エネルギーの影響に起因して、最初に粘度が低下し得、結果、接着剤が第1の物体、第2の物体、および/またはコネクタの構造に流れ込み得る。加えて、または代替として、機械的エネルギーは硬化過程を加速させることができる。硬化性接着剤に加えて、またはその代わりとして、熱可塑性接着剤(ホットメルト接着剤)も使用されてもよい。
【0070】
コネクタの流動可能な固化した材料は、例えば、第2の物体内の開口部が回転対称ではなく、結果、回転運動に対してポジティブフィットが生成されるという点において、第2の物体とのポジティブフィット接続を引き起こす。
【0071】
記載されている種類のヘッド部分を有する代わりに、コネクタは、コネクタの近位面が第1の構築層の近位面と同一平面上になるまで、または、コネクタの近位面の少なくとも一部分が第1の構築層の近位面と同一平面上になるまで挿入されるように成形されてもよい。
【0072】
実施形態では、コネクタは、半径方向外側に向かって突出し、第1の構築層に対してコネクタをシールするように、残りの第1の構築層の縁部に対して圧迫されるように成形された近位カラー状突起を有することができる。
【0073】
特に、締結具受け入れ部分(例えば、近位に向かって開いているねじ穴を含んでもよい)などのコネクタの機能部分が、固定過程の後、それが第1の構築層の近位面の遠位にある、すなわち、第1の物体の「中」にあるように配置することができる。
【0074】
すべての実施形態において、方法は、エネルギー伝達を停止させるステップの後、しばらくの間押圧力を維持する追加のステップを含むことができる。これは、少なくとも、流動部分が、コネクタの寸法および第1の物体の熱伝導特性に依存するその流動能力を失うまで行われ得、この時間は、場合によって、典型的には数秒以内であり得る。
【0075】
一般に、コネクタは、第1の物体に第2の物体を接続するための古典的なコネクタであってよい。この目的のために、コネクタは、上述のように、例えば、コネクタが通して到達する開口部を有する第2の物体が第1の物体とヘッド部分との間に締結されるように、遠位に面する肩部を画定するヘッド部分を備えることができる。代替的に、コネクタは、雌ねじまたは雄ねじなどの接続構造、バヨネット結合構造、クリックイン接続を可能にする構造、または任意の他の適切な接続構造を備えてもよい。これらの場合、接続構造は、任意選択的に、コネクタの、熱可塑性材料ではない部分の一部として形成されてもよい。
【0076】
そのような古典的なコネクタであることに加えて、またはその代替として、コネクタは、それ自体が専用の機能を有する第2の物体の一体部分であってもよい。例えば、コネクタは、そのような第2の物体の表面から突出する接続ペグであってもよい。コネクタはまた、例えば、センサもしくはアクチュエータもしくは光源および/または他の要素など、比較的小さいさらなる物体を第1の物体に接続してもよく、これらのさらなる物体は、コネクタの本体に統合されてもよい。
【0077】
特に一群の実施形態では、コネクタは、固定構造に加えて、機能的構造を含むことができる。
【0078】
熱可塑性材料の流動部分は、工程中に、機械的エネルギーの影響に起因して、液化して流動させられる熱可塑性材料の部分である。流動部分は、一体片である必要はなく、例えば、コネクタの遠位端およびより近位の場所にある、互いに分離した部分を含んでもよい。
【0079】
押圧力に対して対抗力を加えるために、第1の物体は支持体に対して配置されてもよい。
【0080】
本明細書において、表現「流動化させることが可能な熱可塑性材料」または略して「液化可能熱可塑性材料」または「液化可能材料」または「熱可塑性物質」は、少なくとも1つの熱可塑性成分を含む材料を記述するために用いられる。この材料は、加熱されたとき、特に摩擦によって加熱されたとき、すなわち、互いに接触している1対の表面の一方に配置され、互いに対して動かされるときに液体(流動可能)になる。状況によっては、例えば、コネクタが相当の負荷を担持しなければならない場合、材料が0.5GPaを超える弾性係数を有することが有利であり得る。他の実施形態では、弾性係数はこの値を下回ってもよい。
【0081】
熱可塑性材料は自動車および航空業界ではよく知られている。本発明による方法の目的のために、特にこれらの産業における適用のために知られている熱可塑性材料を使用することができる。
【0082】
本発明による方法に適した熱可塑性材料は、室温(または方法が実行される温度)において固体である。材料は好ましくは、例えば融解によって、臨界温度範囲を超える温度で固体から液体にまたは流動可能に変換し、例えば結晶化によって再び臨界温度範囲未満に冷却すると固体材料に再変換するポリマー相(特にC、P、SまたはSi鎖系)を含み、結果、固相の粘度は液相の粘度よりも数桁高い(少なくとも3桁)。熱可塑性材料は一般に、共有結合的に架橋されていないか、または融解温度範囲以上に加熱されると架橋接合が可逆的に開くように架橋されているポリマー成分を含む。ポリマー材料は充填剤、例えば熱可塑性を有しないか、または基本ポリマーの融解温度範囲よりも相当に高い融解温度範囲を含む熱可塑性特性を有する材料の繊維または粒子をさらに含むことができる。
【0083】
熱可塑性材料の特定の実施形態は、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)もしくはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミド、例えばポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6、もしくはポリアミド66、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオキシメチレン、もしくはポリカーボネートウレタン、ポリカーボネートもしくはポリエステルカーボネート、もしくはまたアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリルエステル−スチロール−アクリルニトリル(ASA)、スチレン−アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリスチレン、またはこれらのコポリマーもしくは混合物である。
【0084】
熱可塑性ポリマーに加えて、熱可塑性材料はまた、例えばガラス繊維および/または炭素繊維などの強化繊維など、適切な充填剤を含んでもよい。繊維は短繊維であってもよい。長繊維または連続繊維は、特に工程中に液化しない第1の物体および/または第2の物体の部分に使用することができる。
【0085】
繊維材料(存在する場合)は、繊維強化のために知られている任意の材料、特にカーボン、ガラス、ケブラー、セラミック、例えばムライト、炭化ケイ素または窒化ケイ素、高強度ポリエチレン(Dyneema)などであってもよい。
【0086】
繊維の形状を有しない他の充填剤、例えば粉末粒子もまた可能である。
本明細書において、用語「近位」および「遠位」は、方向および位置を指すために使用され、すなわち、「近位」は、そこから操作者または機械が動作する接合の側であり、一方、遠位はその反対側である。本明細書における近位側のコネクタの広がりは「ヘッド部分」と呼ばれ、一方、遠位側の広がりは「足部」になる。
【0087】
本明細書において、一般に、層の「下」という用語は、近位側が工程中にアクセスされる層の側であると定義される場合、この層の遠位の空間を示すことを意味する。したがって、「下」という用語は、製造工程中の地球重力場における向きを指すことを意味するものではない。
【0088】
本発明は、方法に加えて、方法を実行するように構成された機械にも関する。そのような機械は、結合構造を有するツール、ツールを回転させるように構成された回転運動源、および、例えばツールを前方に押すことによって相対力を加えるための相対力機構を備える。機械は、本明細書において説明され、特許請求されているように相対力を制御することを含めて、特許請求され、本明細書において説明される方法を実行するように構成およびプログラムされる。