【実施例】
【0240】
活動性全身性エリテマトーデスを有する対象におけるウステキヌマブの、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の概念実証試験
概要
STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)は、ヒトインターロイキン(IL)−12及びIL−23サイトカインの共有p40サブユニットに対して高親和性及び特異性で結合する完全ヒトG1κモノクローナル抗体である。IL−12/23p40サブユニットへのウステキヌマブの結合は、天然キラー及びCD4
+T細胞の表面におけるIL−12又はIL−23のIL−12Rβ1受容体への結合を遮断し、IL−12及びIL−23特異的細胞内シグナル伝達及びその後の活性化及びサイトカイン産生を阻害する。IL−12及びIL−23の異常な調節は、全身性エリテマトーデス(SLE)を含む複数の免疫介在性疾患に関連している。したがって、IL−12及びIL−23の阻害は、SLEの治療に有効である可能性を有する。
【0241】
目的及び仮説
主目的
主目的は、活動性SLEを有する対象の疾患活動性の低下によって測定される、ウステキヌマブの有効性を評価することである。
【0242】
副次的目的
副次的目的は、以下を評価することである。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの安全性及び忍容性。
・SLEを有する対象における健康に関連する生活の質に対するウステキヌマブ投与の効果。
・SLEの皮膚症状に対するウステキヌマブの効果。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの薬物動態及び免疫原性。
【0243】
探索的目的
探索的目的は、以下を評価することである。
・ウステキヌマブの長期投与中の安全性及び有効性。
・ウステキヌマブの長期投与中のコルチコステリドの低減。
・SLEの改善及び/又は悪化に対する感度を高める可能性がある臨床応答の更なる複合臨床エンドポイント又は臨床的応答の計算方法。
・ループス疾患に関連するバイオマーカー(遺伝的、全身性、及び皮膚関連)。
【0244】
仮説
仮説は、ウステキヌマブを用いた投与が、第24週目の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K)応答者指標(SRI−4)総合的活動性指標(composite measure)によって測定されるプラセボよりも有意に優れていることである。
【0245】
試験設計の概要
CNTO1275SLE2001は、活動性SLEを有する対象における標準的治療背景に付加されたウステキヌマブの有効性及び安全性の第2a相、概念実証、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。登録すべき対象は、従来の治療(例えば、免疫調節薬、抗マラリア薬、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)にもかかわらず、全身性エリテマトーデス国際協力クリニック(Systemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)基準及び全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K)スコア≧6に従ってSLEを有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(抗核抗体[ANA]、抗二重鎖デオキシリボ核酸(抗dsDNA)抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、スクリーニング中に観察される少なくとも1つのブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、無作為化の前に、0週目に臨床的SLEDAI−2Kスコア≧4(検査室結果を除く)を有する必要がある。
【0246】
およそ100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容するように、3:2の比で割り当てることになる。0週目の無作為化後、対象は、6mg/kgのウステキヌマブに近似する初期体重範囲ベースのIV用量を受けることになる(ウステキヌマブ260mg[体重≧35kg〜≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体重>55kgかつ≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kgの後、8週毎に(q8w)90mgをSC投与されることになる。
【0247】
24週目に、プラセボを受けた対象はクロスオーバーし、全ての対象は、24、32、及び40週目に、ウステキヌマブ90mgのSCを受け、続いて、最後の試験薬のSC投与後に、盲検様式で16週間(およそ5半減期)、安全性経過観察を56週目まで受けることになる。
【0248】
プラセボ比較物(標準的治療背景療法に付加された)は、SLEを有する対象におけるウステキヌマブの有効性及び安全性の評価のために、24週目まで使用されることになる。24週目から40週目まで、プラセボ群はクロスオーバーして、ウステキヌマブ90mgのSCを受容することになる(q8w)。このクロスオーバー設計により、プラセボ対象は、試験薬を受容し、SLEを有する対象におけるIV負荷用量を伴わずにウステキヌマブ90mgのSCを使用した経験を提供することを可能にする。40週間投与期間は、SLE集団におけるウステキヌマブの潜在的臨床応答の長期的な安全性及び経時変化を理解するのに有用であろう。
【0249】
全ての合理的な努力は、プロトコルに定義されるように、付随する薬剤を安定した状態に保つために行われるべきである。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録から開始した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおして記録されなければならない。
【0250】
皮膚疾患を有する全ての対象は、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアリングを使用して評価される。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しないであろう。
【0251】
中間解析(IA)は、対象のおよそ1/3及び2/3が24週に達したときに行われることになる。第1のIAでは、顕著な効能の評価のみが行われるであろう。第2のIAでは、顕著な効能並びに処置無効が分析されるであろう。データベースロック(DBL)は、24週目及び最後の対象の第56週目の来院後、又は主要試験からの最終の対象の16週目の安全性経過観察のための来院で行われることになる。加えて、独立したデータモニタリングリング委員会(DMC)は、被検者のおよそ1/3及び2/3が24週目に達した時点で、並びに24週目のDBL時に、公式審査を含む中間安全性データを定期的に審査することになる。DMCは、その試験が、無効又は安全性の懸念のために中止されるべきか、又はデータが顕著な有効性を実証する予め定められた基準を満たしているかどうかに関する推奨を行うであろう。概要の内容、DMCの役割及び責任、並びに一般的な手順(コミュニケーションを含む)は、DMCの手順書(DMC charter)に定義されているであろう。
【0252】
補正された試験設計は、104週を通してウステキヌマブ90mg、q8w SC投与を非盲検で提供し続けるであろう。対象が、下記を含む試験組み入れ基準(セクション4.1.3):
・40週目の来院時又はその前に、永続的に中断された試験処置を有してはならないこと、及び
・40週目の来院後、およそ8週間(±2週間)でq8週の試験処置を継続することができること、
あるいは、
・40週目の来院後、16週間(±2週間)以下の試験処置を再開することができること、を満たす場合、対象は、104週目まで試験処置を継続することが適格であろう。
【0253】
最終的な対象の56週目の来院後、又は最後の対象の16週目の安全性経過観察のための来院後の計画されたDBLに加えて、後続試験の終了時に(後続試験の16週目の安全性経過観察後に)追加的なDBLが存在することになる。
【0254】
対象集団
適格な対象のスクリーニングは、無作為化のための来院(0週目)の前6週間以内に実施しなければならない。標的試験集団は、従来の治療(例えば、免疫調節剤抗、マラリア薬、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)に関わらず、SLICC基準及びSLEDAI−2Kスコア≧6に従ったSLEを有する対象である。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、試験薬剤の初回投与の前にスクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを有しなければならない。
【0255】
加えて、試験参加について適格であるために、対象は、0週目(無作為化前)の臨床的特徴について臨床的SLEDAI−2Kスコア≧4を有し(試験室結果は除外)、治験依頼者及び/又は治験依頼者が選択した独立した審査官(複数可)によるスクリーニングループス評価の審査及び確認後の試験無作為化の承認を受けなければならない。
【0256】
活動性皮膚ループスを有する主要試験に登録しているSLE対象(円板状エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、脱毛症、又はSLE頬部紅斑、若しくは紅斑及び/又は鱗屑によって特徴付けられる他のSLE皮膚病変を有する対象を含む)を、CLASIスコアリングを使用して評価するであろう。加えて、同意を提供する対象は、皮膚生検及び/又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループスサブ試験に登録されることになる。皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、生検を受ける必要がなく、活動性疾患の特定された病変又は領域における変化を実証するために写真のみを許可してもよい。
【0257】
投与量及び投与
全ての対象は、0週目に試験薬剤(プラセボ又はウステキヌマブ)の体重範囲に基づくIV投与を受容し、続いて、8週目及び16週目におけるプラセボ又はウステキヌマブのSC投与、続いて、全ての対象が、24、32、及び40週目におけるウステキヌマブ投与を受けている。プロトコルで定義されたように、併用治療を少なくとも28週目まで安定して維持するために、ある程度の調節が、28週目を超えて8週目の安全性経過観察又はプロトコルで定義された後続試験を可能にすることを伴って、薬剤を安定させた状態に維持するために、全ての妥当な努力を行うべきである。併用薬投与量は低減されてもよく、又は異常な検査室値、副作用、同時病気、又は手術治療の性能のために一時的に中断され得るが、変化及び変化及び理由は、対象の医療記録において明確に文書化されているべきである。併用薬が、プロトコル毎に許容された無作為化後に調節された場合、対象の第12週目の来院までに、対象をベースライン(0週目)の投与量レベルに戻すためにあらゆる努力がなされるべきであるか、又は薬剤の使用の増加は、対象を治療不成功と見なす場合がある。
【0258】
後続試験中に登録された対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を、8週間毎に104週まで受け続けることになる。コルチコステロイドを除いて、併用薬は、後続試験を通して安定した用量で維持されるべきである。
【0259】
0週目から最長24週目(盲検試験薬投与期)
群1:対象は、0週目に約6mg/kgのウステキヌマブの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目及び16週目にウステキヌマブ90mgのSC投与を受ける。
【0260】
群2:対象は、0週目にプラセボの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目及び16週目にプラセボのSC投与を受ける。
【0261】
24週目〜40週目(クロスオーバー投与期)
群1:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目に受け、続いて40週までq8w投与を受ける。
【0262】
群2:プラセボ投与群における対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目にクロスオーバーし、続いて40週までq8w投与を受ける。
【0263】
40週後から16週の経過観察(安全性経過観察期)
群1及び2:後続試験に参加しない対象は、44週目での安全性経過観察のための来院及び8週並びに16週の安全性経過観察に戻ると全性フォローアップ訪問のために戻ると予測される。
【0264】
後続試験(48週目/56週目〜120週目)
後続試験組込み基準(セクション4.1.3)を満たす対象は、安全性の経験を広げ、ウステキヌマブ90mgにq8wで曝露されたループス患者における有効性を維持する目的で、更なる1年の非盲検のウステキヌマブ投与を受けることになる。48週目又は56週目から開始した後続試験における投与を継続した対象は、104週目を介して非盲検のウステキヌマブSC投与を受けることになる。SLEにおけるウステキヌマブの開発が終了した場合、後続試験も中断されることになる。
【0265】
有効性の評価
本試験の一次有効性エンドポイントは、プラセボ治療と比較して、ウステキヌマブを受けた対象に対する、24週目における複合SRI−4応答と比較することである。
【0266】
有効性評価及び患者報告生活の質尺度としては、下記が含まれる。
・SLEDAI−2K
・S2K RI−50
・BILAG
・CLASI
・医師の疾患活動性の全般的評価
・患者の疾患活動性の全般的評価
・ショートフォーム36質問票
・疲労重症度スケール
・患者の疼痛評価
【0267】
薬物動態及び免疫原性評価
血清サンプルを使用して、ウステキヌマブの薬物動態、並びにウステキヌマブ(ウステキヌマブに対する抗体)の免疫原性を評価するであろう。
【0268】
バイオマーカー評価及び血清学的マーカー
皮膚生検、血液、血清、及び尿の収集、調製、保管、及び輸送は、検査室マニュアルに詳述されている。バイオマーカーとしては、炎症マーカー、リボ核酸(RNA)、細胞表面マーカー、自己抗体、T細胞並びにB細胞レパートリー、標的特異マーカー、及びループスの発症及び進行に関与する可能性があるバイオマーカーの他のカテゴリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0269】
血清分析
血清は、可溶性CD40リガンド(sCD154)、インターロイキン(IL)−6、IL−12p40、IL−17、IL−21、IL−22、IL−23p19、C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、B細胞活性化因子(BAFF)、インターフェロン、自己抗体、及び他の炎症関連分子が挙げられるが、これらに限定されない特定のタンパク質のレベルについて分析されるであろう。
【0270】
皮膚生検分析
皮膚生検は、細胞、分子、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0271】
全血遺伝子発現分析
全血は、RNA、フローサイトメトリー、T細胞並びにB細胞レパートリー、及びエピジェネティクス分析(例えば、デオキシリボ核酸[DNA]メチル化)のために、全対象から採取されるであろう。
【0272】
血清学的マーカー
自己抗体(例えば、ANA、抗dsDNAなど)、補体C3及びC4は、事象の表(表1)に記載されるように採取されるであろう。
【0273】
薬理遺伝学的(DNA)評価
DNAサンプルは、この試験(CNTO1275SLE2001)に関連する研究に使用されるであろう。特定のゲノム検査は、対象の同意を得るために行われるであろう(この試験の一部に参加している対象は、別個インフォームドコンセントに署名しなければならない。この手順は、ループスで役割を果たし得る特定の標的遺伝子について分析され得る血液サンプルを採取することを伴うであろう。いかなるゲノム評価も、遺伝子検査に関する現行の対象の機密保持規定を厳守して実行されるであろう。ゲノム検査の参加を拒むことは、臨床試験の残りに参加することを不適格にするものではない。
【0274】
皮膚ループスサブ試験
皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることになる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の特定された皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しないであろう。
【0275】
同意を提供する対象は、皮膚生検及び/又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループスサブ試験に登録されることになる。同意する対象からの生検サンプル(2つのサンプル、4mmのサイズ)は、活動性皮膚疾患の1つの病変又は領域から、0週目及び24週目の投与の前に、採取されるであろう。写真及び皮膚生検は、活動性疾患の異なる領域を標的とすることができるが、経過観察写真又は生検は、最初に0週目に評価された活動性疾患の同じ領域を再評価するべきである。皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、生検を受ける必要がなく、活動性疾患の特定された病変又は領域における変化を実証するために写真のみを許可してもよい。生検に不適切と思われる皮膚ループスを有する対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症)もまた、サブ試験に登録することができ、写真撮影によって評価することができる。
【0276】
皮膚生検採取とは無関係に、皮膚ループスサブ試験に参加する対象は、写真が活動性疾患の特定された病変又は領域から採取されることに同意するよう求められることになる。写真は、探索目的のためだけのものである。写真は、臨床応答の定性的評価を支援するために使用されるであろう。本試験に関与する対象の機密保護が維持され、具体的には、本試験における対象の写真は、個人を特定することができないように、対象の顔又は身体の適切な部分を遮断することなく公開されることはないか、ないしは別の方法で公表されることはない。
【0277】
安全性の評価
安全性の評価には、バイタルサイン、全身の身体検査及び皮膚評価、有害事象(AE)、重篤なAE、併用薬調査、妊娠検査、急性輸液反応、化学検査及び血液検査、並びにウステキヌマブに対する抗体が挙げられる。胸部X線及び結核、ヒト免疫不全ウイルス、B型肝炎、及びC型肝炎検査は、スクリーニング時に必要とされるであろう。試験の最後に持続しているあらゆる臨床上の有意な異常は、解決まで又は臨床上安定したエンドポイントに達するまで、治験責任医師によって追跡されるであろう。対象の日誌カードは、本試験の主要部分中の試験来院時の間で生じる薬剤変更を捕らえるために使用されるであろう。試験薬剤の最終投与の最長16週間後に採取された安全性データを評価するであろう。
【0278】
統計的方法
試料サイズ決定
およそ100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容するように、3:2の比で割り当てることになる。ウステキヌマブで処置されたおよそ60人の対象及びプラセボで処置されたおよそ40人の対象を、0.1のアルア水準で、プラセボと比較して奏効率の有意差を検出するためにおよそ80%の検定力を与えるように見積もられる(プラセボ及びウステキヌマブにおけるそれぞれ35%及び60%奏効率を仮定し、これは、プラセボに対する25%の絶対的増加又は2.79のオッズ比と解釈される)。
【0279】
効力解析
この試験の主要エンドポイントは、24週目のSLE疾患活動性の複合尺度(SLE応答者指標[SRI]−4応答)を有する対象の比率である。一次分析は、主要エンドポイントに基づくものであり、修正した治療意図の原理による(intent-to-treat(mITT))集団に対して行われ、これは、少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての無作為化された対象が、投与前に少なくとも1回の測定を有し、かつ少なくとも1つのベースライン後のSRI−4測定値を有することを含む。
【0280】
対象が24週目に少なくとも1つのSRI−4構成要素についてのデータを有する場合は、最終観測代入(LOCF)手順を使用して、欠落しているSRI−4構成要素を帰属させる。対象が24週目に任意のSRI構成要素についてのデータを有しない場合、対象はSRI−4応答を達成しなかったと見なされる。
【0281】
加えて、ベースライン時よりも24週目により高い免疫調節剤の用量を受けるか、又はコルチコステロイドによる禁止された処置(用量又はタイミング)を開始したか、あるいは有効性の欠如のために試験薬剤を中断したなどの、様々な治療失敗基準のいずれかを満たす対象は、24週目に、主要エンドポイント、SRI−4応答を達成しなかったと見なされるであろう。
【0282】
ベースライン階層化及びベースラインSLEDAIを調整するロジスティック回帰が、主要エンドポイントを分析するために使用されるであろう。ベースラインSLEDAI値は、0週目の注入前に採取された最も近い非欠損測定値として定義される。有意な非正規性が観察される場合、適切なノンパラメトリック試験を使用して、処置間の差異を評価することになる。
【0283】
一次分析が0.1(両側)の有意水準で統計的有意性を達成し、かつウステキヌマブがプラセボ処置に対して良好な効果を示す場合には、試験はポジティブと見なされるであろう。
【0284】
安全性の分析
安全性は、AE、SAE、合理的に関連するAE、感染、及び急性輸液反応の発生率及び種類の分析によって評価される。安全性評価はまた、検査室パラメータの分析、及び検査室パラメータ(血液学及び化学)におけるベースラインからの変化、並びに異常な検査室パラメータ(血液学及び化学)の発生率も含む。
【0285】
【表2】
【0286】
【表3】
【0287】
【表4】
【0288】
【表5】
【0289】
【表6】
【0290】
【表7】
【0291】
【表8-1】
【0292】
【表8-2】
【0293】
1.導入
STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)は、ヒトインターロイキン(IL)−12及びIL−23サイトカインの共有p40サブユニットに対して高親和性及び特異性で結合する完全ヒトG1κモノクローナル抗体である。IL−12/23p40サブユニットへのウステキヌマブの結合は、天然キラー及びCD4
+T細胞の表面におけるIL−12又はIL−23のIL−12Rβ1受容体への結合を遮断し、IL−12及びIL−23特異的細胞内シグナル伝達及びその後の活性化及びサイトカイン産生を阻害する。IL−12及びIL−23の異常な調節は、全身性エリテマトーデス(SLE)を含む複数の免疫介在性疾患に関連している。したがって、IL−12及びIL−23の阻害は、SLEの治療に有効である可能性を有する。
【0294】
全身性エリテマトーデスは、ほとんど全ての器官系に影響を及ぼし得る未知の病因の複雑で慢性の不均質な自己免疫疾患であり、漸増及び漸減疾患過程に従う。全身性エリテマトーデスは、男性よりも女性ではるかに頻繁に発症し、いくつかの研究では9倍以上頻繁に発症し、15歳〜45歳の妊娠可能年齢で現れることが多い。この疾患は、アフリカ系カリブ人、アジア系、及びヒスパニック系集団においてより多く見られる。SLEでは、免疫系は、身体の細胞及び組織を攻撃し、結果として、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓、及び神経系を害し得る炎症並びに組織損傷をもたらす。器官を脅かす疾患で存在するSLEと診断された対象の約半分は、器官関与が存在しない対象を診断するのに数年を要する場合がある。新たに診断されたループス患者の主な症状のいくつかは、不整脈(62%)及び皮膚症状(新たな光過敏症;20%)、持続的な発熱及び倦怠感が続く
39。ループスの推定年間発生率は、100,000人当たり1.8〜7.6の症例で変動し、世界中の罹患率は、100,000人当たり14〜172の症例の範囲である
39。軽度疾患を有する患者は、大部分は皮膚発疹及び関節痛を有し、より積極的な治療を必要とし;レジメンとしては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、又はキナクリン)、及び/又は低用量コルチコステロイドが挙げられる。より重度の疾患患者は、潜在的な腎不全、心内膜炎若しくは心筋炎、肺炎、妊娠合併症、脳卒中、神経学的合併症、血管炎、及び出血又は感染症の関連するリスクを伴う血球減少症を含む、関与する器官系に応じて、様々な重篤な状態を経験し得る。より重篤な疾患に対する一般的な治療としては、メトトレキサート(MTX)、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、高用量コルチコステロイド、生物学的B細胞細胞傷害剤、又はB細胞調節因子、及び他の免疫調節剤が挙げられる。深刻なSLEを有する患者は、10〜30年の寿命の短縮を有し、主に、疾患の、標準的なケア療法の、及び/又は加速性アテローム性動脈硬化症の合併症に起因する。加えて、SLEは、生活の質、仕事の生産性、及び医療費に実質的な影響を及ぼす。SLEの既存の療法は、一般に、細胞毒性又は免疫調節性のいずれかであり、顕著な安全性リスクを有し得る。SLEのためのより新しい治療は、標準的なケア療法をわずかに超える利益しか提供していない。したがって、高い安全性リスクを負うことなく、この疾患において有意な利益を提供することができる新たな代替的処置に対する、大きな未解決の必要性が存在する。
【0295】
ループスを有する患者の長期転帰は、器官病変を有するかどうか、特定の検査室尺度(抗リン脂質抗体など)、人種、性別、同意の年齢、保険医療へのアクセス、治療の遵守、教育、及び他の併存症の存在を含む、様々な要因に依存する。SLEと診断された患者の約5%のみが、治療なしの自然寛解を示すであろう。様々な新たな治療薬は、難治性ループスを有する対象の治療について評価されているが、今日までは、この疾患を有する患者のための標準治療の現在考慮されているこれらの薬剤を超える顕著な臨床的有効性をほとんど実証していない。
【0296】
この試験では、標的集団は、従来の治療(例えば、免疫調節薬、抗マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)にもかかわらず、全身性エリテマトーデス国際協力クリニック(Systemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC))基準及び全身性エリテマトーデス疾患活動性指標(SLEDAI)
11スコア≧6に従ってSLEを有する対象である。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(抗核抗体[ANA]、抗二重鎖デオキシリボ核酸[抗dsDNA]抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、スクリーニング中の少なくとも1つのブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)
38A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、臨床的特徴(検査室結果を除く)について、0週目で≧4のSLEDAIスコアを有さねばならない。この疾患活動性レベルは、全身性ループス
36についての実験療法を調査した従来の試験と一致する。
【0297】
1.1.背景
今日までに、ウステキヌマブは、慢性中程度から重度のプラーク乾癬及び/又は活動性乾癬性関節炎を含む成人患者の治療のために、北米、ヨーロッパ、南米、及びアジア太平洋地域の国々を含む世界中で販売承認を受けている。ウステキヌマブはまた、クローン病(CD)についての第3相試験においても評価されている。
【0298】
1.2.研究の全体的な根拠
1.2.1.全身性エリテマトーデスにおける抗IL−12/23p40療法の使用に関する科学的根拠
全身性エリテマトーデスは、破壊的自己抗体を産生する、調節不全Bリンパ球を示す、複合免疫媒介性炎症性障害である。しかしながら、SLEのためのB細胞標的化療法(例えば、ベリムマブ)は、限定された標準的なケア制御を超える、適度な臨床結果のみを示しており
22、これは、更なる免疫経路がSLEの病因において重要な役割を果たすことを示唆している。SLEにおける慢性免疫活性化は、局所炎症に積極的に寄与する炎症性サイトカインの産生の増加、及び組織損傷を媒介するプロセスにつながる。例えば、多くのSLE患者は、血液細胞において観察される特徴的なI型インターフェロンシグネチャを有する
2。インターフェロンシグネチャは、ループス家系においてより頻繁に発生することが観察されており、SLE
.の発症のリスク因子であり得る
23。いくつかの研究は、患者の血清及び組織の両方におけるIL−12、IL−6、及びIL−23の上昇も報告しており
4、20、24、26、30、44、SLEにおける炎症性環境が、Tヘルパー(Th)1及びTh17細胞を誘発しやすいことを示唆している。血清中のIL−17のレベルの増加は、SLE患者で観察されているが
3、31、36、44、45、46、IL−17レベルと疾患活動性との相関は、強くはない
37、46。SLEにおいてIL−12/IL−23/Th17経路への直接の遺伝的リンクは確立されていないが
18、28、29、SLEにおける遺伝子ワイド関連解析は、白人及びアジア人種の両方の感受率遺伝子としてIL−12シグナル伝達を媒介するSTAT4を同定している1
2、16。活動性SLEを有する患者では、p19、p40、及びp35のメッセンジャーRNAレベルは、非活動性SLE患者におけるレベルと比べて有意に高かった
14。ウステキヌマブを用いたIL−12/23p40の標的化は、3つの別個の症例報告において、皮膚ループスの顕著な改善と関連付けられることが示されている
5、6、43。総合すれば、SLE病因におけるIL−12及びIL−23サイトカイン経路の重要性を実証するための累積証拠が存在し、この疾患における介入療法としての、ウステキヌマブの更なる臨床的検討を正当化している。
【0299】
加えて、2つの疾患関連グループ、Alliance for Lupus Research及びLupus Research Instituteは、独立して、市販されているループス薬候補の大規模なセットの科学的審査を委託され、ループス薬候補の中から、ウステキヌマブが推奨され、その分子機構に基づいて評価されており、これは、活動性SLEを有する対象におけるウステキヌマブの有効性及び安全性を評価するために、プラセボ制御臨床試験の科学的根拠を更に支持している。
【0300】
1.1.2.1.全身性エリテマトーデスの活動性皮膚症状を有する対象のサブグループ
ウステキヌマブ治療に応答する難治性皮膚ループスを有する患者の上述した症例報告は、皮膚病変に対するウステキヌマブの効果の評価を促す。SLEにおける皮膚症状の比較的一般的な発生、活動性疾患の特定された病変又は領域の繰り返しパンチ生検及び/又は写真の実現可能性、並びに皮膚エリテマトーデス(CLE)特異的疾患評価ツールの利用可能性を考えると、この患者集団は、SLE及び皮膚疾患の症状に対するウステキヌマブの効果に関する有用なデータを提供し得る。皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることになる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の可能な採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の特定された病変若しくは領域の写真(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループスサブ試験のいずれかについて、皮膚疾患を有する、登録されるべき予め指定された数の対象は存在しない。
【0301】
1.3.投与レジメンの正当化
この試験についての投与レジメンは、中等度から重度に活動性のCD(C0743T26、CNTO1275CRD3001、及びCNTO1275CRD3002)の治療におけるウステキヌマブの使用による経験に基づいて選択された。CD及びSLEは両方とも免疫介在性炎症性疾患であり、これらは一般に、メトトレキサート(MTX)、アザチオプリン、及びコルチコステロイドなどの免疫調節剤で一般に治療され、したがってこの指標は、ループスにおけるウステキヌマブのリスク評価に有用なモデルとして機能する。投与量の理論的根拠は変更されていないが、追加の安全性及び有効性情報は、ウステキヌマブ第3相CD(UNITI)試験から入手可能となっており、これは、更に1年にわたって、ウステキヌマブ90mgのSCのq8wで更に延長して治療を行うためのプロトコルの修正を支援する。UNITI CD試験からのこれらの結果は、このセクションで後にまとめられる。
【0302】
投与量の理論的根拠は変更されていないが、いくつかの追加の安全性及び有効性情報は、ウステキヌマブ第3相CD(UNITI)試験から入手可能となっており、これは、この試験で計画された治療延長を支援する。UNITI CD試験からのこれらの結果は、このセクション(セクションで後にまとめられる(セクション1.3)。
【0303】
第2b相用量範囲の試験C0743T26では、6mg/kgの単回IVウステキヌマブの用量は、CDを有する対象で試験した最大負荷用量であった。この試験では、6mg/kgのIV用量が、8週目までの臨床応答を誘導するのに有効であることが示され、他の治療群と概ね同等の安全性プロファイルで十分に忍容された。また、ウステキヌマブCD試験からの結果はまた、IV負荷用量が、IL−12及びIL−23阻害後の臨床応答の迅速な開始をもたらし得ることも示唆している。第3相試験CNTO1275CRD3001及びCNTO1275CRD3002では、体重範囲投与量アプローチ(ウステキヌマブ260mg[体重≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体重>55kgかつ≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kg])を使用して、6mg/kgのIV負荷用量を概算した。体重範囲に基づく投与量は、用量計算を単純化し、投与中の誤差の可能性を低減するために、患者への完全なバイアルの投与を可能にする。この体重範囲投与量は、6mg/kgの体重調整された投与量で観察されたものと同様の薬剤曝露を達成することが意図される。したがって、この試験では、0週目における体重範囲に基づくIV負荷用量の戦略を評価して、以前の研究から得られたデータに基づいて安全性リスクの増加に関する重大な懸念を引き起こすことなく、薬剤の疾患活性を迅速に低減する能力を評価することができる。
【0304】
8週間毎に(q8w)90mgのSCのウステキヌマブ維持投与レジメンを、CDを有する対象において試験した(C0743T26)。C0743T26試験の結果は、ウステキヌマブ90mgのSC q8wが、対象を臨床寛解で維持するのに安全かつ有効であったことを示唆している。q8w投与頻度は、十分なウステキヌマブ曝露を維持して、ウステキヌマブによる治療が持続的な臨床応答を提供できるかどうかを判定するように選択される。加えて、SC投与は、IV投与と比較してより便利であると考えられる。最後のウステキヌマブ試験用量後の16週間の経過観察期間を選択して、薬剤除去及び適切な安全性経過観察のために5を超える半減期を可能にした。
【0305】
加えて、2011年に開始されたCDを有する対象における3つの第3相試験も、更なる安全性及び有効性データを最近提供した;UNITI−1、UNITI 2、及びIMUNITI。UNITI−1及びUNITI−2は、8週間の誘導試験であり、設計において同一であるが、別個の患者集団を試験した。UNITI−1は、抗TNF薬に失敗であったか、又は不耐性であった対象を試験し、一方で、UNITI−2は、TNFアンタゴニストに失敗しなかったが、従来の免疫調節剤又はステロイド療法に失敗した対象を試験した。IM−UNITI試験は、UNITI−1及びUNITI−2試験の両方から登録された患者の維持治療を評価した。UNITI試験は、プラセボ、130mgのIV、又は約6mg/kgのIVのいずれかに無作為化した1,367人の対象を試験した。治療の8週後、UNITI−1及びUNITI−2試験の両方の対象は、誘導応答者におけるプラセボと比較して、8週又は12週毎に90mgの2つの維持レジメンを評価したIM−UNITIに参加することができた。IM−UNITI試験は依然として長期後続試験期に進行中であるが、3つ全ての試験の主要な結果が公表されており
7、これらの結果は、活動性の中等度から重度のCDを有する患者において、ウステキヌマブの承認を支持した。誘導において承認された用量は、6mg/kgに近似する単回IV体重ベース用量であり、承認された維持用量は、承認領域に応じて8週毎又は12週毎に90mgである。これらの試験の結果は、類似の用量が評価されている点で、CNTO1275SLE2001 SLE試験に特に関連している。加えて、SLE集団と同様に、UNITI試験に登録されたCD患者の約1/3は、併用する免疫調節剤(例えば、MTX、AZA、6−MP)を使用し、約46%はグルココルチコイドを併用していた。これらの試験の結果は、主要文献
7において詳細に審査され、最重要点が以下に提示される:
・2つのUNITI誘導試験では、主要エンドポイント及び全ての主要な二次エンドポイントは、6mg/kg用量を含む試験された両方の用量について満たされた。
・IM−UNITI維持試験では、90mgの8週毎又は12週毎のレジメン毎の両方は、44週目のプラセボと比較して、応答の維持又は寛解の達成においてプラセボよりも優れていた。
・重要なことに、両方の維持用量の安全性プロフィールは、44週間にわたってプラセボに匹敵し、新たな安全性シグナルは特定されなかった。安全性プロフィールは、乾癬の指標で見られるものと類似していた。
【0306】
要約すると、これらのCD試験は、IL−12/23の作用を阻害するためのウステキヌマブの高レベルの全身曝露を確実にするにするために、6mg/kgに近似する体重範囲ベースのIV負荷用量、続いて90mgのSC q8wを含むこの概念実証SLE試験の計画された投与レジメンを支持している。
【0307】
非盲検、90mgのSC q8wのウステキヌマブ投与量は、24週目から開始して40週目まで、患者に提供されるであろう。補正された試験計画によって、40週目の来院後に、およそ8週目(±2週間)にq8w試験処置を継続することができるか、又は対象の40週目の来院が、90mgのSC q8wのウステキヌマブ処置を104週目まで継続することが適格であるために、16週間以下(±2週間)で試験処置を再開することができる対象は、更なる16週の経過観察期間に続く。
【0308】
2.目的及び仮説
2.1.目的
主目的
主目的は、活動性SLEを有する対象の疾患活動性の低下によって測定される、ウステキヌマブの有効性を評価することである。
【0309】
副次的目的
副次的目的は、以下を評価することである。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの安全性及び忍容性。
・SLEを有する対象における健康に関連する生活の質に対するウステキヌマブ投与の効果。
・SLEの皮膚症状に対するウステキヌマブの効果。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの薬物動態及び免疫原性。
【0310】
試験的目的
探索的目的は、以下を評価することである。
・ウステキヌマブの長期投与中の安全性及び有効性。
・ウステキヌマブの長期投与中のコルチコステリドの低減。
・SLEの改善及び/又は悪化に対する感度を高める可能性を有する応答を計算するための追加の複合臨床エンドポイント又は方法。
・ループス疾患に関連するバイオマーカー(遺伝的、全身性、及び皮膚関連)。
【0311】
2.2.仮説
仮説は、ウステキヌマブが、24週目の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K)応答者指標(SRI−4)総合的活動性指標(composite measure)によって測定されるプラセボよりも有意に優れていることである。
【0312】
3.試験計画及び理論的根拠
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。主要試験は、主要試験の8週目及び16週目の安全性経過観察のための来院を介したスクリーニングとして、元のプロトコルから定義される。主要試験の8週目及び16週目の安全性経過観察のための来院が、最初のプロトコルにおいて、48週目及び56週目の来院として以前に記載されたものであることに留意されたい。しかしながら、この補正により、48週目及び56週目の来院は、後続試験に参加している対象に対する処置のための来院を説明するためにのみ使用されるであろう。後続試験(組み入れ基準を満たす対象に適用可能)は、48週目又は56週目の来院から後続試験の16週目の安全性経過観察のための来院までと定義される。
【0313】
3.1.試験デザインの概要
CNTO1275SLE2001は、活動性SLEを有する対象における標準的治療背景療法に付加されたウステキヌマブの有効性及び安全性の第2a相、概念実証、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。18〜75歳の対象は、従来の治療(例えば、免疫調節剤抗、マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)に関わらず、SLICC基準及びSLEDAI−2Kスコア≧6に従ったSLEを有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに彼らの医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、スクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、無作為化の前に、0週目に臨床的SLEDAI−2Kスコア≧4(検査室結果を除く)を有する必要がある。
【0314】
対象の無作為化は、セクション8に記載されるように、皮膚生検収集の同意(y/n)、及び他の特徴(例えば、ループス腎炎[y/n]の存在、ベースラインSLE薬剤及びSLEDAIスコア)、部位/領域、及び人種、又は併用薬の存在)に従って階層化される。
【0315】
約100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容するように、3:2の比により無作為に割り当てることになる。0週目の無作為化後、対象は、6mg/kgのウステキヌマブに近似する初期体重範囲ベースのIV用量(ウステキヌマブ260mg[体重≧35kg〜≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体重>55kgかつ≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kg])を受け、続いて90mgのSCがq8wで投与されることになる(セクション6)。24週目に、プラセボを受容した対象はクロスオーバーし、全ての対象は、24、32、及び40週目に、ウステキヌマブ90mgのSCを受容し、続いて、最後の試験薬のSC投与後に、盲検様式で16週間(およそ5半減期)、安全性経過観察を56週目まで受けることになる。
【0316】
プラセボ比較物(標準的治療背景療法に付加された)は、SLEを有する対象におけるウステキヌマブの有効性及び安全性の評価のために、24週目まで使用されることになる。24週目から40週目まで、プラセボ群は、ウステキヌマブ90mgのSC q8wにクロスオーバーすることになる。このクロスオーバー設計により、プラセボ対象は、試験薬を受容し、SLEを有する対象におけるIV負荷用量を伴わずにウステキヌマブ90mgのSCを使用した経験を提供することを可能にする。40週間投与期間は、SLE集団におけるウステキヌマブの潜在的臨床応答の長期的な安全性及び経時変化を理解するのに有用であろう。
【0317】
全ての合理的な努力は、プロトコルに定義されるように、付随する薬剤を安定した状態に保つために行われるべきである。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録から開始した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおして記録されなければならない。
【0318】
皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることになる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の特定された皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しないであろう。
【0319】
中間解析(IA)は、対象の約1/3及び2/3が24週に達したときに行われることになる。第1のIAでは、顕著な有効性の証拠のみが評価されるであろう。第2のIAでは、顕著な有効性の証拠並びに処置無効が分析されるであろう。領域にわたるプラセボ効果の変動は、中間解析に組み込まれることになる。データベースロック(DBL)は、24週目及び最後の対象の第56週目の来院後又は主要試験からの最終の対象の16週目の安全性経過観察のための来院で行われることになる。加えて、独立したデータモニタリングリング委員会(DMC)は、被検者のおよそ1/3及び2/3が24週目に達した時点で、並びに24週目のDBL時に、公式審査を含む中間安全性データを定期的に審査することになる。DMCは、その試験が、無効又は安全性の懸念のために中止されるべきか、又はデータが顕著な有効性を実証する予め定められた基準を満たしているかどうかに関する推奨を行うであろう。概要の内容、DMCの役割及び責任、並びに一般的な手順(コミュニケーションを含む)は、DMCの手順書(DMC charter)に定義されているであろう。
【0320】
補正された試験設計は、104週目までのウステキヌマブ90mg、q8w SC投与を非盲検で提供し続けるであろう(後続試験)。対象が、下記の試験組み入れ基準を満たす場合(セクション4.13):
・40週目の来院時又はその前に、永続的に中断された試験処置を有してはならないこと、及び
・40週目の来院後、約8週間(±2週間)でq8週の試験処置を継続することができること、
あるいは、
・40週目の来院後、16週間(±2週間)以下の試験処置を再開することができること、を満たす場合、対象は、104週目まで試験処置を継続することが適格であろう。
【0321】
最終的な対象の56週目の来院後又は最後の16週目の安全性経過観察のための来院後の計画されたDBLに加えて、後続試験の16週目の安全性経過観察後に、追加的なDBLが存在することになる。
【0322】
主要な試験設計の図が
図1に提供され、後続試験の図が
図2に提供されている。
【0323】
3.2.試験計画の理論的根拠
盲検、対照、試験期/期間、治療群
積極的治療がないときに起こり得る臨床的エンドポイントにおける変化の頻度及び大きさを確立するために、プラセボ対照が使用される。無作為化は、治療群に対する対象の評価における偏りを最小限に抑え、既知及び未知の対象属性(例えば人口統計学的及びベースライン特性)が治療群全体に均等にバランスがとれるようにする可能性を高め、治療群にわたる統計的比較の妥当性を高めるために、使用される。盲検処置は、データ収集中及び臨床的エンドポイントの評価中の潜在的な偏りを低減するために使用される。
【0324】
DNA及びバイオマーカーの採取
遺伝的変異は、薬物分布及び応答における個人差に寄与する重要な要素であり得ることが知られており、疾患感受性及び予後を知るマーカーの役割を果たし得る。薬理遺伝学的研究は、臨床的結果における個人差を説明するのに役立つ可能性があり、また、薬物に対して異なる応答をする母集団サブ群を特定するのに役立つ可能性がある。薬理遺伝学的構成要素の目標は、デオキシリボ核酸(DNA)を採取して、ウステキヌマブの薬物動態、薬力学、有効性、安全性、又は忍容性に影響を与え得る遺伝因子を特定し、また、SLEに関係する遺伝因子を特定することである。
【0325】
バイオマーカーサンプルは、臨床転帰における個体間変動の作用機序を評価するために採取され、これは、薬物に異なる応答を示す集団サブグループを特定するのに役立ち得る。バイオマーカー分析の目的は、ウステキヌマブの薬力学を評価し、かつ薬物臨床応答関係の評価を助けることである。
【0326】
DNA及びバイオマーカーサンプルはまた、新たな問題に対処するのに役立て、より安全で、より効果的で、最終的に個別化された療法の開発を可能にするために使用されてもよい。
【0327】
4.対象集団
標的試験集団は、従来の治療(例えば、免疫調節剤抗、マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)に関わらず、SLICC基準及びSLEDAI−2Kスコア≧6に従ったSLEを有する対象である。対象は、スクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに彼らの医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要があり、かつ彼らは、0週目の無作為化の前に、臨床的SLEDAI−2Kスコア≧4(検査室の結果を除外する)も有する必要がある。
【0328】
この試験に対象を登録するための組み入れ基準及び除外基準は、以下の2つのサブセクションに記述される。組み入れ又は除外基準について疑問がある場合、治験責任医師は、この研究に対象を登録する前に適切な治験依頼者担当者に相談しなければならない。
【0329】
活動性皮膚ループスを有する主要試験に登録しているSLEの対象(円板状エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、又はSLE頬部紅斑、若しくは紅斑及び/又は鱗屑によって特徴付けられる他のSLE皮膚病変を有する対象を含む)を、CLASIスコアリングを使用して評価するであろう。加えて、同意を提供する対象は、皮膚生検及び/又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループスサブ試験に登録されることになる。同意する対象からの生検サンプル(2つのサンプル、4mmのサイズ)は、活動性皮膚疾患を実証する病変から、0週目及び24週目の投与の前に、採取されるであろう。皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、生検を受ける必要がなく、活動性疾患の特定された皮膚病変又は領域における変化を実証するために写真のみを許可してもよい。生検に不適切と思われる皮膚ループスを有する対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症)もまた、サブ試験に登録することができ、写真撮影によって評価することができる。
【0330】
対象がスクリーニングに失敗し、治験責任医師が対象を再スクリーニングすることを望む場合、これは、治験依頼者及び/又はその指定者によって論議されるべきである。1つの再スクリーニングのみが対象毎に許容される(セクション9.1.2を参照)。
【0331】
後続試験集団は、40週目の投与前又はその時点で、永続的に試験処置を中断していない対象、及び治験責任医師が、継続したウステキヌマブ治療に対する潜在的リスクを上回る潜在的な利益が存在すると判断した対象から構成されることになる。
【0332】
対象選択の統計的考慮事項の論議については、セクション11.2のサンプルサイズ決定を参照する。
【0333】
4.1.組み入れ基準
4.1.1.全ての対象に適用可能な組み入れ基準
可能性のある対象はそれぞれ、この試験に登録されるために、下記の基準全てを満たす必要がある。
1.対象は、18歳(又は現地の要件にしたがって18歳以上)〜75歳、及び少なくとも35kgの体重でなければならない。
2.対象は、SLEについてのSLICC分類基準を第1の用量の最低3ヶ月間満たすために、確認された医療履歴を有する必要がある(表3)。
本試験に登録するために適格な対象は、以下のうちの1つ又は両方に基づいて、SLE25についてのSLICC分類基準を満たすことによってSLEを有すると見なされる必要がある。
・少なくとも1つの臨床基準及び少なくとも1つの免疫学的基準を有する4つの基準を満たすこと、又は
・免疫学的変数の少なくとも1つの存在下でのループス腎炎の診断があることである。
【0334】
【表9-1】
【0335】
【表9-2】
3.試験登録のために適格であるために、対象は以下を有する必要がある:
・以下:ANA、及び/又は抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体のいずれかを含む、医療履歴における自己抗体についての、少なくとも1つの十分に文書化された(対象のファイル、委託医師紹介状、又は検査成績書)の、明確に陽性の確認された試験(セクション9.1.2)。
・スクリーニング中に検出された、ANA及び/又は抗dsDNA抗体及び/又は抗スミス抗体を含む、少なくとも1つの明確に陽性の自己抗体試験(セクション9.1.2)。
・試験薬剤の初回投与の前のスクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコア。
4.スクリーニング中に観察されたSLEDAI−2Kスコア≧6に基づく活動性疾患を実証し、無作為化の前に約2〜6週間評価した。臨床的特徴についてのSLEDAI−2K≧4(すなわち、検査室結果を除くSLEDAI)もまた、試験薬剤の初回投与の前に0週目に有さねばならない。
5.SLICC、SLEDAI、及びBILAG評価からのデータは、治験依頼者及び/又は治験依頼者に選択された独立した審査官(複数可)によって審査かつ判断される。試験薬剤の初回投与を受ける対象者については、承認は治験依頼者及び/又は治験依頼者が選択した独立した審査官によって受領されなければならない。
6.経口コルチコステロイドを使用する場合、対象は、試験薬剤の初回投与前に、この薬剤を少なくとも6週間受け、かつ少なくとも4週間にわたって、平均用量の≦20mg/日のプレドニゾンに相当する安定な用量で受けていなければならない。現在コルチコステロイドを使用していない場合、試験薬剤の初回投与前の少なくとも6週間にわたって、経口コルチコステロイドを受けていてはならない。
7.抗マラリア薬(例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、又はキナクリドン)を使用する場合、対象は、試験薬剤の初回の投与前の≧8週間この薬剤を使用し、かつ少なくとも6週間にわたって安定用量を受けていなければならない。
8.免疫調節剤(ミコフェノール酸モフェチル[MMF]/ミコフェノール酸[MPA]≦2g/日、アザチオプリン/6メルカプトプリン(AZA/6MP)≦2mg/kg/日、及び/又は葉酸を併用する[推奨≧5mg/週]MTX≦25mg/週)を使用する場合、対象は、試験薬剤の初回投与の少なくとも6週間前に安定投与量を受けなければならない。
9.NSAID又は他の鎮痛剤による定期的な治療を受けている場合、対象は、試験薬剤の初回投与の少なくとも2週間前に、安定した投与量を受けていなければならない。
10.無作為化の前に、女性は以下のいずれかでなければならない:
妊娠する可能性がない場合:月経前、閉経後(少なくとも12ヶ月間無月経の>45歳)、永久不妊(例えば、卵管閉塞、子宮摘出術、両側卵管摘出術)、又はそうでなければ妊娠不能ではないこと。
妊娠の可能性があり、臨床試験に参加している対象に対する避妊法の使用に関する現地の規制に一致する、非常に効果的な避妊方法を実践している場合:例えば、確立された経口使用、排卵の抑制に関連する注射又は埋め込みホルモン法による避妊、子宮内装置又は子宮内システムの配置;男性パートナーの断種(精管切除したパートナーは、その対象の唯一のパートナーであるべきである);真の禁欲(これが対象の好みの通常の生活様式と一致している場合)。
注記:試験開始後に妊娠の可能性が変更する場合(例えば、異性と性的関係を持たない女性が性的に活動的になり、初経前の女性が初経を経験する)、上述のように、非常に有効な避妊方法を開始しなければならない。
11.妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時に血清妊娠検査β−ヒト線毛性性腺刺激ホルモン[β−hCG]に陰性、及び試験薬剤の初回投与前0週目に尿妊娠検査に陰性でなければならない。
12.妊娠の可能性がある女性は、試験中及び最後の試験薬剤を受けてから4ヶ月間は、非常に有効な避妊方法を継続する意思がなければならない。また、妊娠の可能性がある女性は、試験期間中及び試験薬剤の最後の投与を受けてから4ヶ月間は、生殖補助医療の目的で卵(卵子、卵母細胞)を提供しないことに同意しなければならない。
13.妊娠の可能性がある女性と性的に活動的であり、精管切除を受けていない男性は、試験中及び試験剤の最後の投薬後4ヶ月間は、例えば、殺精子剤フォーム/ジェル/フィルム/クリーム/座薬付きのコンドーム又はパートナーによる殺精子剤フォーム/ジェル/フィルム/クリーム/座薬付きの閉塞キャップ(隔壁又は頚管/ボールトキャップ)の使用といった、受胎調節の障壁法を使用することに同意する必要があり、また全ての男性は、精子の提供をしてはならない。
14.以下の結核(tuberculosis、TB)スクリーニング基準に従って適格であると考えられること:
a.スクリーニング前に、潜在性又は活動性TBの病歴がないこと。潜在性TBの病歴を有し、潜在性TBの治療を現在受けている対象については、試験薬剤の最初の投与の前に潜在性TBに対する治療を開始するか、又は試験薬剤の最初の投与前の3年以内に潜在性TBに適切な治療を完了したことを実証する。以前の抗結核治療の妥当性を検証し、適切な文書を提供することは、治験責任医師の責任である。
b.医療履歴及び/又は身体的検査の際に活動性TBを示唆する徴候又は症状を有しないこと。
c.活動性TBを有する人と最近密接な接触がなかったこと、又はそのような接触があった場合は、TB専門医師に紹介して追加評価を受け、保証された場合は、研究薬剤の初回投与前に、潜在性TBのための適切な治療を受けること。
d.試験薬剤の初回投与前6週間以内に、陰性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有するか、又は活動性TBが除外され、潜在性TBのための適切な治療が研究薬剤の初回投与前に開始されている、新たに同定された陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有すること。QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験がその国で承認/登録されていないか、又はツベルクリン皮膚検査が現地の健康機関によって義務付けられている場合には、試験薬剤の初回投与の6週間以内に、ツベルクリン皮膚検査陰性、又は活動性TBが除外され、潜在性TBに対する適切な治療が試験薬剤の初回投与の前に開始された、新たに同定されたツベルクリン皮膚検査陽性が更に必要とされる。
i.持続的に不確定なQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有する対象は、潜在的TBが除外され、彼らの胸部X線写真がTB(活動性又は陳旧性、非活動性TB)を示唆する異常を示さず、対象が治験責任医師によって判断されるようなTBの更なる危険因子を有しない場合、潜在性TBのための治療なしに登録され得る。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
ii.QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験及びツベルクリン皮膚検査は、潜在性TBの履歴及び潜在性TBのための進行中の治療、又は上記のように十分な治療を完了したという文書を有する対象に対しては、スクリーニング時に必要とされない。潜在性TBのための更なる治療を開始するために、上記のように十分な治療を完了したことを実証した対象は必須ではない。
e.QuantiFERON(登録商標)−TB Gold及びTB皮膚反応以外のTB試験によってTBに対して陽性であり、かつ胸部X線写真上にTBの証拠を有さない対象は、このプロトコルに照らして潜在的なTB陽性と見なされ、TB専門家による評価を受け、TBに対する治療を受ける必要があり、本試験に適格になるようにTBについての治療を受ける必要がある。
f.試験薬剤の初回投与の前3ヶ月以内に行った胸部X線写真(前後方向の像及び側面像の両方)があり、適格な放射線医又は呼吸器科医の読み取りを受け、現在活動性のTB又は古い非活動性TBの証拠がないこと。
15.スクリーニングにおいて、以下のパラメータ内の検査結果を有すること:
ヘモグロビン ≧8.5g/dL (SI:≧85g/L)
リンパ球 ≧0.5×103/μL (SI:≧0.5GI/L)
好中球 ≧1.0×103/μL (SI:≧1.0GI/L)
血小板 ≧75×103/μL (SI:≧75GI/L)
血清クレアチニン ≦1.8mg/dL (SI:≦159μmol/L)
白血球 ≧2.0×103/μL (SI:≧2.0GI/L)
【0336】
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、及びアルカリホスファターゼのレベルは、試験を実施する検査室については、正常値上限(ULN)範囲の2倍以内でなければならない。1.5〜2×ULNの範囲内の対象については、対象は、治験責任医師が異常若しくは正常からの逸脱を臨床的に有意でないか、又は試験下の集団に適切かつ妥当であると判断した場合にのみ、対象は含まれてもよい。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
【0337】
他のマークされた疾患関連検査室異常を有する対象は、治験責任医師が、異常若しくは正常からの逸脱を臨床的に有意でないか、又は試験中の集団に適切かつ妥当であると判断した場合にのみ含まれてもよい。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
16.対象は、このプロトコルに指定された禁止事項及び制限事項を守る意思があり、それが可能でなければならない。
17.それぞれの対象は、各自が研究の目的とそれに必要な手順を理解し、研究に参加する意思があることを示す、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する必要がある。
18.研究のために任意選択のDNAサンプルを提供することに同意する場合は、各対象は別々のインフォームドコンセントフォームに署名しなければならない(現地の規制が許す場合)。任意選択のDNA研究試料に対して許諾を拒否しても、この試験への参加から対象を除外することはない。
【0338】
4.1.2.皮膚ループスサブ試験のための追加の組み入れ基準
皮膚ループスサブ試験に登録するために、SLE対象は、以下に列挙される基準に加えて、以前に列挙された全ての組み入れ基準(セクション4.1.1)を満たさなければならない。
1.スクリーニング時の活動性CLE、並びに試験登録前に実証された皮膚疾患の診断を有し、これには、円板状エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、又はSLE頬部紅斑、又は紅斑及び/若しくはスケールによって特徴付けられるものを含む他のSLE皮膚病変を有する対象が含まれる。
2.CLEのための全身性、局所的、又は病変内の薬剤を服用する対象は、初回の試験薬剤投与前の4週間にわたって、安定した用量又は治療レジメンでなければならない。
3.皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した被験者は、0週目及び24週目の投与前に、活動性CLE標的病変の生検を提供するように求められるであろう。活動性CLE病変は、以前に瘢痕化された組織を除いて、スケール及び/又は紅斑によって特徴付けられる。加えて、表1に定義されたスケジュールに従って、活動性疾患の皮膚病変又は領域の写真を収集するために、別個の同意が得られるであろう。
4.生検に不適切と思われる皮膚ループスを有する対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症)もまた、サブ試験に登録することができ、写真撮影によって評価することができる。
【0339】
4.1.3.後続試験(48週目又は56週目の来院)に入る全ての対象に適用可能な組み入れ基準
後続試験のための組み入れ基準を満たさないいかなる対象も、主要試験設計(表1)についての時間及び事象のスケジュールに従う必要があり、また、それらの40週目又は最終試験投与後の8週目及び16週目に行われる安全性経過観察の来院を受けねばならない。
1.対象は、40週目の来院時又はその前に、試験処置が永続的に中断されていなければならず、40週目の来院後に約8週間(±2週間)でq8w SC投与を継続することができるか、あるいは40週目の来院から16週間(±2週間)以下で56週目に投与を再開することができるかのいずれかである。
2.治験責任医師の判断において、ウステキヌマブ長期治療を継続する潜在的な利益が、対象に対する潜在的リスクを上回る。
3.各対象は、後続試験に参加する合意を示す、改訂されたインフォームドコンセントに署名しなければならない。
【0340】
4.2.除外基準
以下の基準のうちのいずれかを満たす任意の潜在的な対象は、この研究の参加から除外される:
1.関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、RA/ループスの重なり、乾癬、又は活動性ライム病が挙げられるが、これらに限定されない、有効性の評価を混乱させ得る他の炎症性疾患を有すること。
2.研究中に登録されている間、又は試験薬剤の最後の投与を受けた4ヶ月以内に、妊娠している、授乳している、又は妊娠を計画している。
3.試験薬剤の初回投与の前に過去3ヶ月以内に、シクロスポリンA、又は組み入れ基準に記載されているもの以外の他の全身性免疫調節剤の全身性又は局所用クリーム/軟膏製剤を受けていること(セクション4.1)。コルチコステロイドはこの基準には含まれない。コルチコステロイドに関するセクション4.3及び8.3を参照されたい。
4.試験薬剤の初回投与前の3ヶ月以内に、単一のB細胞標的化剤を受けているか、あるいは試験薬剤の初回投与前の6ヶ月以内に、ベリムマブ又はエプラツズマブを含む2つ以上の以前のB細胞標的化療法を受けているか、あるいは試験薬剤の初回投与前の12ヶ月以内にB細胞枯渇療法(例えば、リツキシマブ)を受けているか、又はそのような治療後に継続したB細胞枯渇の証拠を有すること。
5.ウステキヌマブをこれまでに受けていた場合。
6.試験薬剤の初回投与前にトシリズマブ、アレファセプト、エファリズマブ、ナタリズマブ、アバタセプト、アナキンラ、ブロダルマブ、セクキヌマブ、イキセキズマブ、又はTNF、IL−1、IL−6、IL−17、若しくはインターフェロン経路の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない除外基準#4には記載されていないループスのための先行する免疫調節生物学的療法を、5半減期未満又は3ヶ月未満のいずれか長い方の期間受けていた場合。
7.ヒト免疫グロブリン(Ig)タンパク質(例えば、静脈内Ig)に対する既知の過敏症を有する場合。
8.スクリーニングの開始から90日以内に経口シクロホスファミド、又は180日以内にIVシクロホスファミドを使用した場合。
9.スクリーニングの前に、ヒストプラスマ症又はコクシジオイデス症を含む活発な肉芽腫性感染症の病歴がある。潜在的TBの病歴の適格性に関する情報は、組み入れ基準を参照されたい。
10.12ヶ月間のスクリーニングにおいて、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille Calmette Guerin、BCG)ワクチン接種を有していた。
11.TBを含む悪性疾患又は現在の活動性感染症の異常な示唆を示す、試験薬剤の最初の投与の3ヶ月前の胸部X線写真を有する。
12.スクリーニング前の6ヶ月以内に非結核性のマイコバクテリア感染症又は日和見感染症(例えば、サイトメガロウイルス、肺気胞症、アスペルギロシス症)を有していたこと。
13.試験薬剤の最初の投与前の3ヶ月以内、試験中、又は試験薬剤の最後の投与後3ヶ月以内に、任意のライブウイルス又は細菌ワクチン接種を受けたか、又は受けることが望まれる。BCGワクチン接種基準については、除外基準10及び禁止/制限基準8を参照されたい。
14.深刻な感染症を有する(限定するものではないが、肝炎、肺炎、敗血症、若しくは腎盂腎炎を含むが、これらに限定されない)か、又は感染症のために入院されているか、又は試験薬剤の最初の投与前の2ヶ月以内に感染用の静脈内抗生物質で治療された。それほど重篤でない感染症(例えば、急性上気道感染症、単純尿路感染症)の場合は、治験責任医師の裁量により、必ずしも除外とは見なされない。
15.慢性腎臓感染症、慢性胸部感染症(例えば、気管支拡張症)、副鼻腔炎、再発性尿路感染症(例えば、再発性腎盂腎炎)、開放性、排出性、又は感染性の皮膚創傷、又は潰瘍を含むがこれらに限定されない、慢性又は再発性の感染症の病歴がある、又は継続している。
16.対象が、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)抗体陽性であるか、スクリーニング時にHIV検査結果が陽性であること。
17.B型肝炎感染を有する。対象は、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)のスクリーニングを受けなければならない。最低でも、これには、HBsAg(HBV表面抗原)、抗HBs(HBV表面抗体)、及び総抗HBc(総HBVコア抗体)を試験することを含む。
18.スクリーニング前に2つの負のHCV RNA試験結果を有することがない限り、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体に対して血清陽性である対象は、スクリーニング前に6ヶ月間離れており、スクリーニング時に第3の負のHCV RNA試験結果を有する。
19.過去4ヶ月以内に最近の単皮膚分節性帯状疱疹の発疹を経験した対象は除外される。過去5年以内に、多皮膚分節性帯状疱疹又は中枢神経系(CNS)帯状疱疹を有するものは除外される。
20.薬剤誘発性ループスの発生の履歴又は疑いがある対象。
21.尿タンパク質>4g/日又はタンパク質/クレアチニン比>4を有する場合。
22.先天性補体欠乏症又は分類不能型免疫不全を有する場合。
23.最近の生検及び/又は活動性尿沈渣などの他の評価において報告されている重度の活動性ループス腎炎、急速に増加するクレアチニン、又は重度の若しくは急速に進行する腎炎を示唆する他の因子を含む、末期の腎疾患、又は重度な若しくは急速な進行性の糸球体腎炎を有する場合(組み入れ基準#15における血清クレアチニンの制限もまた参照されたい)。
24.発作、精神病、横断性脊髄炎、CNS血管炎、及び視神経炎が挙げられるが、これらに限定されない重度のCNSループスを有する場合。
25.重篤、進行性、又は制御されていない、肝臓、血液学的、胃腸、内分泌、肺、心臓、神経系/脳、又は精神疾患、又はその現在の徴候と症状を有する場合。
26.リンパ腫、又は異常な大きさ若しくは位置のリンパ性増殖性疾患、臨床的に有意な巨脾症、又は意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症の病歴などの、リンパ増殖性疾患の可能性のあるリンパ腫、又は徴候と症状を含む、リンパ増殖性疾患の既知の病歴を有する場合。
27.対象が、スクリーニング前に5年以内に悪性疾患の病歴を有する(例外は、外科的に硬化された子宮頸部の場で、試験薬剤の最初の投与及び癌の少なくとも3ヶ月前の再発の証拠なしで治療された皮膚の扁平上皮癌及び基底細胞癌である)。
28.既知のアレルギー、過敏症、又はウステキヌマブ、その賦形剤若しくはラテックス(注射器針カバーに含まれる、セクション14.1を参照のこと)に対する不耐性を有する場合。
29.現在、ハチ毒免疫療法(ミツバチ、アシナガバチ、ススメバチホーネット、又はアカヒアリ)を受容している場合。
30.5半減期又は3ヶ月以内のいずれか長い方の期間に、他の除外基準で以前に定義されていない治験薬(セクション4.3、禁止/制限No.3に指定された治験ワクチン又は他の薬剤を含む)を受けていたか、又は計画された第1の用量の試験薬の3ヶ月以内に侵襲性治験医療装置を使用しているか、若しくは介入試験で現在登録されている場合。
31.治験責任医師及び/又は治験依頼者の意見において、参加が、対象の最善に利益ではない(例えば、健康を損なう)か、又は医療的経過観察に対する非遵守の以前のパターン若しくは試験来院スケジュールを遵守する可能性が低いことを含む、プロトコル指定された評価を妨げ、制限し、又は混乱させ得る、任意の条件を有すること。
32.スクリーニング前1ヶ月以内に大手術(例えば、全身麻酔を必要とする)を受けたか、又は手術から完全に回復していないか、又は対象が試験に参加する予定の期間若しくは最後の容量の試験薬投与後1ヶ月以内に大手術を計画した場合。
注:局所麻酔下で施行される軽微な外科的処置が計画されている対象は、参加可能である。
33.移植器官を有する(試験薬剤の最初の投与の3ヶ月前に実施された角膜移植を除く)。
34.過去3年以内に薬物乱用(薬物又はアルコール)問題を抱えていたか又は抱えている。
35.不良な忍容性、又は静脈へのアクセスが困難であるために、複数の静脈穿刺を受ける意思がない、又は受けることができない。
36.対象が、治験責任医師又は試験実施機関の被雇用者(すなわち、治験責任医師が試験を実施するために役割又は責任を委託した職員)治験責任者又は試験実施機関の指示に基づいて提案された試験若しくは他の試験に直接的に関与している者、並びにそのような被雇用者又は治験責任者の家族である場合。
37.自治体の規制によって許可されていない限り、裁判所又は当局の命令で施設の住人である場合。
注記:治験責任医師は、全ての試験登録基準がスクリーニング時に満たされていることを確実にするべきである。スクリーニング後であるが、試験薬の最初の投与量が、全ての適格性基準を満たすことができないように、スクリーニング後であるが、第1の用量の試験薬が投与される前に、対象の状態が変化する場合(検査結果又は追加の医療記録の受領を含む)、対象は、研究への参加から除外されるべきである。治験依頼者は、いかなる操作上又は安全性上の理由に対しても、対象を中断させる権利を留保する。
【0341】
4.3.禁止及び制限
潜在的な対象は、試験における連続擦る投与に適格であるために、試験(後続試験を含む)の過程中に以下の禁止及び制限を遵守することができなければならない。
1.女性が妊娠の可能性がある場合は、試験中及び最後の試験薬剤を受けてから4ヶ月間は、非常に有効な避妊方法を継続しなければならない。この制限に対する例外は、対象又は男性パートナーが生殖不能である場合、この状況は、避妊を必要としない。女性は、試験中、及び試験薬剤の最後の用量を受けた後4ヶ月間、生殖補助の目的で卵(卵子、卵母細胞)を提供してはならない。
2.また、男性の場合には、試験中及び試験薬剤の最後の用量を受けた後4ヶ月間は、有効な避妊方法を使用するべきであり、かつ精子を提供してはならない。この制限に対する例外は、対象又は女性パートナーが生殖不能である場合、この状況は、避妊を必要としない。
3.組み入れ/排除基準において明示的に許容されるもの以外の追加の免疫抑制剤又は免疫調節剤の使用は禁止され、これらには、限定されないが、以下が含まれる:
・TNFαの低減を標的とした生物学的薬剤(インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブぺゴール、エタネルセプト、yisaipu、CT−P13[Remsima(登録商標)]及びアダリムマブが挙げられるが、これらに限定されない)
・B細胞枯渇剤(抗CD20[例えば、リツキシマブ]、抗B細胞活性化因子[BAFF]、Bリンパ球刺激剤[BLyS]、[例えば、ベリムマブ]、又は抗CD22[例えば、エプラツズマブ]としても知られる)
・インターロイキン−1阻害剤(例えば、カナキヌマブ)
・インターフェロン阻害剤
・IL−1ra(例えば、アナキンラ)
・トシリズマブ、又はIL−6又はIL−6受容体を標的とする任意の他の生物学的標的化
・トファシチニブ又は任意の他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
・アバタセプト
・抗IL−17剤(例えば、ブロダルマブ、セクキヌマブ、及びイキセキズマブ)
・レフルノミド
・シクロスポリンA(経口又は局所軟膏/クリーム製剤)
・タクロリムス又はピクロリムス、経口又は局所製剤
・Toll様受容体阻害剤
・サリドマイド又はレナリドミド
・ダプソン
・注射による副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
4.シクロホスファミド、クロラムシル、ナイトロジェンマスタード、又は他のアルキル化剤が挙げられるが、これらに限定されない、細胞傷害性薬剤の使用は、禁止される。
5.高用量のコルチコステロイドの複数回の投与、及び中効力又は高効力の局所コルチコステロイドの開始は、第8.3.節に定義されるように、試験中に禁じられている。
6.進行中の免疫調節療法に加えて、新しい許可された免疫調節剤(MTX、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、ミコフェノール酸モフェチル/ミコフェノール酸)の開始が禁じられている。
7.第1の用量の試験薬剤後に、新しいアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)又はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤治療が、28週目までループス関連疾患の治療のために開始されることは許可されない。
8.研究中に生ウイルス又は生細菌ワクチン接種を受けないことに同意しなければならない。対象はまた、試験薬剤の最後の投与を受けた後、12ヶ月間のBCGワクチン接種、又は試験薬剤の最後の投与を受けた3ヶ月間の任意の他の生ワクチンを受容しないことにも同意しなければならない。
9.試験薬剤以外の治験医療装置又は治験薬を、研究期間にわたって受けないことに同意しなければならない。
10.伝統的な薬剤(例えば、ハーブ/ループスの活動化を誘発するか、又はSLEの症状を緩和することができる補完療法の使用と、伝統的な薬剤(例えば、ハーブ/代替製剤[例えば、エキナシア(Echinacea)]、漢方薬、鍼、アーユルベーダ(ayurvedic))は、40週目まで禁止されている。
11.試験対象は、過剰な日光曝露を回避するべきであり、試験中に商業的な紫外線日焼け療法又は紫外線光線療法に関わり得ない。
12.皮膚コンシーラー又は局所用日焼け製剤は、皮膚疾患の活動性を不明瞭にする可能性のために回避されるべきである。
13.サルファベース抗生物質は、妥当な場合であっても、一般的には回避されるべきである。
【0342】
5.処置割り付け及び盲検化
5.1.無作為化の手順
この試験を行う上で、動的中央無作為化が実施される。対象は、試験前に、自動ウェブ応答システム(IWRS)で実施された最小化無作為化アルゴリズムに基づいて、2つの処置群のうちの1つに割り当てられる。動的中央無作為化は、対象の分布を標的としてバランスを取り、試験レベルにおいて、かつ各個々の層別因子:皮膚生検(y/n、yについてn<16のとき)、ループス腎炎の存在(y/n)、ベースラインSLE薬剤及びSLEDAI−2Kスコア(組み合せ因子)
*、部位、領域(およそ4つのカテゴリ)、及び人種(3つのカテゴリー)のレベル内で無作為化比率(3:2)を得る。アルゴリズムに基づいて、各対象は、高確率で最小の総不均衡スコアを生成する治療群に割り当てられ、ここで、総不均衡スコアは、各層別因子及び全試験についての不均衡スコアの加重平均である。IWRSは、対象に対する処置割り当てを決定する固有の処置コードを割り当てることになる。
*ベースラインSLE薬剤及びSLEDAI−2Kスコアは、以下を含む、組み合わせ因子として計算される。
・SLEDAI−2Kスコア(<10又は≧10)が、
・ベースラインの薬剤と組み合わされる。
−高投薬は、≧15mg/週のMTX、又は≧1.5mg/kg/日のAZA/6−MP、又は≧1.5g/日のMMF/MPA、及び/又は≧15mg/日プレドニゾンとして定義される。
−低投薬は、<15mg/週のMTX、又は<1.5mg/kg/日のAZA/6−MP、又は<1.5g/日のMMF/MPA、及び/又は<15mg/日プレドニゾンとして定義される。
【0343】
5.2.盲検
治験責任医師には無作為化コードは提供されない。このコードは、IWRS内に維持される。このコードは、治験責任医師が個々の対象に対する盲検を破ることを可能にする機能を有する。
【0344】
通常の状況下では、盲検は、全ての対象が、56週目で試験を完了するまで、又は試験の参加が終了し、データベースが画定するまで解除されるべきではない。そうでない場合には、対象の治療ステータスを知ることによって特定の緊急治療/一連の対処が示され得る場合に限り、盲検は解除されるべきである。そのような場合、治験責任医師は緊急時にIWRSに連絡することにより治療の内容を判断することができる。治験責任医師は、盲検を解除する前に、可能であれば治験依頼者又は被指名人に連絡して、具体的な状況について検討することが推奨される。治験依頼者又はその被指名人との電話連絡は、毎日24時間、週7日間可能である。盲検が解除された場合、治験依頼者には可及的速やかに通知しなければならない。非盲検の日付及び理由は、IWRSによって文書化されなければならない。IWRSから受け取ったコード解除を示す文書は、セキュリティが確実な方法で対象の情報源文書と共に保持される。
【0345】
処置割当てが非盲検であった対象は、試験薬剤の更なる投与から中断されてよく、安全性経過観察のために戻るべきである。
【0346】
一般に、無作為化コードは、試験が完了し、臨床データベースが閉じられている場合にのみ、完全に開示されるであろう。治験依頼者は、24週の評価まで、及び計画された分析のためにデータベースがクリーニングされて確定するまで、盲検化される。臨床現場、対象、治験責任医師、及び施設担当者は、56週目のデータが画定されるまで、試験の終了まで盲検化されたままであろう。処置割り当てを潜在的に非盲検とすることができるデータは、特別な注意を払って取り扱うことになる。
【0347】
6.投与量及び投与
6.1.IV投与
IV投与の場合、試験薬剤は、1時間以上の期間にわたって各対象に投与される。
【0348】
ウステキヌマブ5mg/mL最終バイアル入り製品(FVP)は、30mLバイアルに、1用量強度単回使用の滅菌溶液として供給される(すなわち、公称容量26mL中に130mg)。ウステキヌマブに加えて、この溶液は、10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのL−メチオニン、及び20μg/mLのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウム塩、二水和物を、pH6.0で含有する。防腐剤は存在しない。
【0349】
FVP(IV)のプラセボは、26mLの公称容量を有する30mLバイアルに、単回仕様の滅菌溶液として供給される。プラセボの組成は、10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのL−メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物、pH6.0である。防腐剤は存在しない。
【0350】
体重範囲に基づく投与量は、用量計算を単純化し、投与中の誤差の可能性を低減するために、患者への完全なバイアルの投与を可能にするであろう。この体重範囲に基づくIV投与量は、6mg/kgの体重調整された投与量で観察されたものと同様の薬剤曝露を達成することが意図される。同等の数のバイアルは、その体重範囲に基づいてプラセボを受ける対象に投与されるであろう。体重範囲用量は、以下に基づく。
・体重≧35kg〜≦55kg:260mgのウステキヌマブ(2バイアル)
・体重>55kg〜≦85kg:390mgのウステキヌマブ(3バイアル)
・体重>85kg:520mgのウステキヌマブ(4バイアル)
【0351】
6.2.SC投与
ウステキヌマブはまた、SC投与のための1mLの公称容量中で、90mgの強度で、単回使用のラテックスを含まないプレフィルドシリンジ(PFS)として供給される。PFS中の各1mLのウステキヌマブ溶液は、6.7mMのL−ヒスチジン、7.6%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80の公称賦形剤濃度をpH6.0で有する90mgのウステキヌマブを含有する。防腐剤は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0352】
プラセボ投与は、ウステキヌマブ投与のそれぞれと同様の外観を有する。液体プラセボはまた、1mLのPFS中に供給され、pH6.0で10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80を有する。防腐剤は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0353】
0週目から最長24週目(盲検試験薬投与期)
群1:対象は、0週目に約6mg/kgのウステキヌマブの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目及び16週目にウステキヌマブ90mgのSC投与を受ける。
【0354】
群2:対象は、0週目にプラセボの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目及び16週目にプラセボのSC投与を受ける。
【0355】
24週目〜40週目(クロスオーバー投与期)
群1:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目に受け、続いて40週までq8w投与を受ける。
【0356】
群2:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目にクロスオーバーし、続いて40週までq8w投与を受ける。
【0357】
40週後から16週の経過観察(安全性経過観察期)
群1及び2:後続試験に参加しない対象は、44週目での安全性経過観察のための来院及び8週並びに16週の安全性経過観察に戻ると全性フォローアップ訪問のために戻ると予測される。
【0358】
後続試験(48週目/56週目〜120週目)
後続試験組込み基準を満たす対象は、安全性の経験を広げ、ウステキヌマブ90mgにq8wで連続して曝露されたループス患者における有効性を維持する目的で、非盲検のウステキヌマブ投与を受けることになる。48週目又は56週目から開始した後続試験における投与を継続した対象は、104週目を介して非盲検のウステキヌマブSC投与を受けることになる。SLEにおけるウステキヌマブの開発が終了した場合、後続試験も中断されることになる。
【0359】
7.治療コンプライアンス
試験担当者は、全ての試験薬剤投与のログを維持する。各対象への試験薬剤供給は、目録に記入し、報告する。スクリーニング時に施される全ての進行中の療法を記録しなければならない。
【0360】
処置スケジュールの遵守は、強く促される。処置は、健康関連又は安全性上の理由のために中断され得ることが理解される。0、24、及び48週目の来院は、活動性SLEに対する治療としてのウステキヌマブの有効性及び安全性を評価するために必須である。
【0361】
したがって、いずれかの理由で、予定された来院において、対象がある用量の試験薬剤を受け取ることができない場合、対象は、予定された評価のために全ての努力を行なわなければならない。32週目の来院まで、来院及び試験薬剤の投与は、予定された来院日の±7日以内に(0週に対して)行われるべきである。32週目の来院後には、試験薬剤の投与は、予定された来院日の±2数週間以内に(0週に対して)行われるべきである。試験薬剤投与は、約8週間離して行われるように計画され、14日間離して行うことはできない。処置での遅延がある場合、対象は、ベースライン来院(0週目)に対して通常の試験スケジュールを再開せねばならない。
【0362】
全ての対象は、治験依頼者によって指名された監視担当者によってモニターされるであろう。これらのモニタリング来院の間、全ての手順は、プロトコルを遵守するために評価されるであろう。対象のチャートを審査し、正確性を確保するために、以前のデータ入力と比較することになる。治験依頼者は、上記の時間枠に対するいかなる逸脱に関しても連絡しなければならない。
【0363】
8.併用療法
スクリーニングに入る前に最大90日間投与された全ての試験前療法は、スクリーニング時に記録されなければならない。有効な既存の治療法の修正は、対象が試験に入る明示的な目的のために行われるべきではない。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録から開始した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおして記録されなければならない。
【0364】
全ての妥当な努力は、少なくとも28週目まで併用薬剤を安定に保持するために、また可能な場合には、主要試験の8週目の安全性経過観察、又は後続試験まで(適用可能であれば)を通じて、同時に安定した薬剤を維持するために行われるべきである。コルチコステロイドを除いて(コルチコステロイドの漸減に関しては、セクション8.3を参照されたい)、全ての他の併用薬剤は、試験全体を通して安定した用量で維持されるべきである。併用薬投与量は低減されてもよく、又は異常な検査室値、副作用、同時病気、又は手術治療の性能のために一時的に中断され得るが、変化及び変化及び理由は、対象の医療記録において明確に文書化されているべきである。併用薬が、プロトコル毎に許容された無作為化後に調節された場合、対象の第12週目の来院までに、対象をベースライン(0週目)の投与量レベルに戻すためにあらゆる努力がなされるべきであるか、又は薬剤の使用の増加(ベースラインに対する)は、対象を治療不成功と見なす場合がある。セクション8.3定義されるように、正当な理由によるコルチコステロイド調節は許可される。
【0365】
治験依頼者は、禁止療法が施されるいかなる事例も事前に(又はその後できるだけ早く)通知されなければならない。
【0366】
試験薬剤とは異なる全ての薬理学的療法(ワクチン、ビタミン、ハーブ栄養補助薬を含む全ての処方薬又は一般用医薬品)を記録しなければならない。対象の日誌カードは、本試験の主要部分中の試験来院時の間で生じる対象に投与される薬剤変更を捕らえるために使用される、これらの変更も記録されねばならない。
【0367】
8.1.免疫調節剤
免疫調節剤を受容する場合、対象は、スクリーニングから28週目まで安定した投与を受けるべきである。対象は、スクリーニングから28週目までの間、MMF/MPA(≦2g/日)、アザチオプリン/6−メルカプトプリン(≦2mg/kg/日)及び/又は葉酸(推奨≧5mg/週)MTX(≦25mg/週を受容することができる。12週目から28週目までの免疫調節剤の低減は、対象が容認できない副作用を生じた場合にのみ許容され、このことは、対象の臨床データの解釈に影響を及ぼす可能性があることを意味する。(ベースライン用量に対して)より高い用量の免疫調節剤又は新たな免疫調節剤を、12週目の来院と24週目の来院との間の既存の治療レジメンに付加することにより、対象は、主要エンドポイント分析の目的のために治療失敗と見なされることになる。試験処置の永続的中断は、(ベースラインに対して)増加した免疫調節剤用量を受けた対象について考慮されなければならない。28週目以降には、免疫調節剤は、8週目の安全性経過観察又は後続試験(該当する場合)まで可能な限り安定したままであるべきである。しかしながら、用量調整は、許容できない副作用に対して派可能である。
【0368】
8.2.抗マラリア薬
ヒドロキシクロロキン、クロロキン、又はキナクリンによる安定な処置は、8週目の安全性経過観察まで許容される。28週目以降には、抗マラリア薬の導入又は投与量を調節することが可能である。国の管理の下で医薬品グレードの成分を使用して許可を受けた調剤薬局によって製造された抗マラリア薬(例えば、キナクリン)が許容される。
【0369】
8.3.コルチコステロイド治療
不必要な用量変化が抑制され、任意の用量調整が増分で行われるべきである。8週目の安全性経過観察まで又は後続試験(該当する場合)までのコルチコステロイドの変更は、医療の必要性のために許容されるが、調節の程度及びタイミングは、特に12週目〜28週目の期間の間、試験結果に影響を及ぼし得るため、慎重に考慮すべきである。
【0370】
経口コルチコステロイド
*
経口コルチコステロイドを使用する場合、試験薬剤の初回投与前に、この薬剤を少なくとも6週間受け、かつ少なくとも4週間にわたって、平均用量≦20mgのプレドニゾン/日に相当する安定な用量で受けていなければならない。5mg以下のプレドニゾン(等量/日)から25mg/日の最大容量までのコルチコステロイド用量調節(増加又は減少)は、6週目まで許容される。6週目から12週目に、コルチコステロイド用量の増加は認められず、この窓内では、ベースライン用量に向かって最大5.0mgのプレドニゾン(等量/日)調節の漸減のみが、12週目の来院まで許容される。SLE疾患の治療のためのコルチコステロイドの用量の更なる調節は、12週目と28週目との間では許容されない。28週目以降、8週目の安全性経過観察までのコルチコステロイド投与量の変更は、医療の必要性のために許容されるが、調節の程度及びタイミングは、これが試験に影響を及ぼし得るために注意深く考慮されるべきである。40mg/日以上の経口コルチコステロイドの用量増加は、医療用モニターで考察されるべきであり、試験薬剤投与の中断をもたらし得る。
【0371】
対象は、手術前の予防療法(ストレス用量のコルチコステロイド)又は限定された感染症の治療、喘息の憎悪、又は慢性閉塞性肺疾患の治療などの理由から、経口コルチコステロイドの短いコース(2週間以下)を受容し得る。
【0372】
SLE以外の理由でステロイドの複数のコースを必要とする可能性がある対象は、試験参加から除外されるべきである。
【0373】
後続試験における経口コルチコステロイド投与量の漸進的減少(週1回の当初用量の10〜20%以下の推奨される減少)は、試験の治験責任医師の裁量で48週目後に開始するよう促される。可能な場合、コルチコステロイドの完全な離脱を含む、コルチコステロイドの最低の考えられる維持投与量への漸減が推奨される。ステロイドの漸減の期間中に、必要に応じて、ステロイド欠乏症の症状(例えば、アジソン病症状)について、試験スタッフによって対象が教育及び監視されるべきであることが推奨される。
【0374】
コルチコステロイドを漸減している間に、対象がそれらの疾患活動性の悪化を経験する場合、治験責任医師によって必要と見なされるならば、更なる用量減少を一時停止させることができ、及び/又はその経口コルチコステロイド用量を一時的に増加させることができる。コルチコステロイドの漸減が中断されている対象については、治験責任医師により、4週間以内に漸減を再開するよう促される。
【0375】
コルチコステロイド投与量の増加の場合には、平均用量は、医療的に必要でない限り、ベースライン用量を上回って増加されるべきではないことが推奨される。いかなるコルチコステロイドの増加も、対象を治療失敗又はステロイド漸減失敗と見なし得る裁量が使用されるべきである。40mg/日以上の持続的な経口コルチコステロイド用量は、試験薬剤の中断をもたらし得る。
【0376】
*必要に応じて、コルチコステロイドの直腸投与は、短期間であり、局所製剤を使用しなければならない。
【0377】
硬膜外、静脈内、筋肉内、関節内、及び病巣内コルチコステロイド
コルチコステロイドの硬膜外、IV、IM、IA、又は病巣内投与は、試験薬剤の初回投与前の4週間以内には極力避け、28週目までSLEの治療には許可されていない。注射によって投与されるACTHなどの内因性ステロイドの放出を誘発する薬物は、試験薬剤の初回投与前の3ヶ月以内かつ試験全体にわたって許容されない。SLE以外の指標に使用される短期(≦2週間)硬膜外、IV、IM、IA又は病巣内コルチコステロイドは、治療医師の意見において、適切な代替物が存在しない状況に限定されるべきである。臨床的に必要であれば、合計1回又は2回のIA注入が、最長16週目の投与まで許容され得るが、これは、後続の評価のためにそれらの関節を評価不能にする。SLE以外の条件では、コルチコステロイド療法は、治療医師の意見において、適切な代替物が存在しない状況に限定されるべきである。24週間の期間中の>625mgのプレドニゾン等量/日の合計で2日以上の静脈内コルチコステロイドは、統計分析計画(SAP)に従って治療失敗について評価されるであろう。
【0378】
吸入コルチコステロイド
SLE以外の状態の治療のために気管支又は鼻吸入によって投与されるコルチコステロイドは、必要に応じて与えられてもよい。
【0379】
皮膚ループスサブ試験でのコルチコステロイドの使用
皮膚ループスサブ試験の対象について、強力な局所コルチコステロイドの使用、又は病巣内コルチコステロイド注射の使用の開始、又はそのベースラインからの増加は、許容されず、8週目の安全性経過観察又は後続試験において回避されるべきである。
【0380】
8.4.非ステロイド性抗炎症薬
アスピリン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤を含むNSAIDで治療された対象、及び他の鎮痛剤は、研究が行われている国で承認された通常の市販用量を受けるべきである。NSAID及び他の定期的に投与される鎮痛剤の処方は、試験薬の最初の投与前の少なくとも2週間調節されるべきではなく、28週目まで、対象が容認できない副作用を生じた場合にのみ変更されてもよい。16週目から28週目後に、新しいNSAIDを治療レジメンに付加することは許可されていない。NSAID療法における微量調節は、28週目後に許容されるが、任意のNSAIDSの使用が可能な限り安定したままであることが推奨され、いかなる顕著な変更も記録するべきである。
【0381】
8.5.抗高血圧性薬
対象は、高血圧及びループスの治療のために、ARB又はACE阻害剤の安定した用量を受けることが許容される。第1の用量の試験薬剤後に、新しいARB又はACE阻害剤治療が、28週目までループス関連疾患の治療のために開始されることは許可されない。対象は、無作為化と28週目との間にいかなる新たなARB又はACE阻害剤治療も開始するべきではない。新しい又は調節されたARB又はACE阻害剤療法は、28週目以降も許容される。
【0382】
8.6.局所的薬剤
局所的な薬剤が許可されるが、局所用化合物は、禁止薬を含むことができない。シクロスポリンAの局所軟膏又はクリームは、28週目まで禁止されている。しかしながら、眼用使用は許容される。試験の来院の日を除いて、低効力の局所ステロイドが許容される。8週目の安全性経過観察をまで全ての対象に対して、中等度から高い効力の局所コルチコステロイドは禁止され、高効力の局所コルチコステロイドは、後続試験中に許容されない。皮膚ループスサブ試験の対象については、標的病変の局所処置は、皮膚ループスサブ試験期間中に安定したままであるべきである。試験来院前の72時間は、評価下の病変に局所的薬剤は適用されるべきではない。
【0383】
9.研究評価
9.1.研究手順
9.1.1.概要
時間及び事象スケジュールは、有効性、薬物動態、ウステキヌマブに対する抗体、薬力学、薬理遺伝学、健康関連生活の質、安全性、及び本試験に適用可能な他の測定値の頻度及びタイミングをまとめる。
【0384】
治験責任医師によって必要と判断されるか、又は地方規制によって必要とされる場合、追加の血清又は尿妊娠検査が実施されて、対象の試験への参加中の任意の時点で妊娠がないことを確証することができる。
【0385】
試験の主部分の過程で各対象から採取される全血量は、約640mLであろう。48週目〜120週目の後続試験において採取される全血量は、約250mLである。
【0386】
反復又は予定されていないサンプルは、安全性上の理由で、又は特定のサンプルの採取又は分析に関する技術的問題のために採取され得る。
【0387】
全血サンプルは、試験の薬理遺伝学的要素に参加することに同意した対象から収集されることになる。DNA抽出に失敗した場合、対象から代替の薬理ゲノム学的血液試料が要求され得る。別個のインフォームドコンセントは、代替サンプルを得るために必要とされない。
【0388】
皮膚ループスサブ試験に参加することに同意した対象は、0週目及び24週目に皮膚生検サンプルの採取を可能にするように要求される。更に、時間及び事象スケジュール(表1)に記載されているように、活動性疾患の標的の皮膚病変又は領域の写真が撮影されることになる。皮膚ループス試験に関する更なる詳細については、セクション9.7を参照されたい。
【0389】
9.1.2.スクリーニングフェーズ
9.1.2.1.スクリーニング手順
書面によるインフォームドコンセントは、任意のスクリーニングデータが収集される前に、治験責任医師によって取得及び審査されなければならない。
【0390】
スクリーニング手順は、時間及び事象スケジュール(表1)に示されるように実行される。スクリーニングのための来院は、無作為化のための来院(0週目)の前6週間以内に実施しなければならない。加えて、試験参加について適格であるために、対象は、0週目の臨床的特徴についてSLEDAIスコア≧4を有し、治験依頼者及び/又は治験依頼者が選択した独立した審査官(複数可)によるスクリーニングループス評価の審査及び確認後の試験無作為化の承認を受けなければならない。
【0391】
対象は、どのように日誌カードを完成させるかについて訓練を受けるであろう。日記カードは、スクリーニング期間中に完成させように対象に配布される。
【0392】
妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時に血清β−hCG妊娠検査に陰性、及び無作為化前の尿β−hCG妊娠検査に陰性でなければならない。妊娠の可能性がある女性及び男性は、非常に有効な避妊方法を使用することに同意しなければならず(組み入れ基準、セクション4.1を参照されたい)、試験期間中及び最後の試験薬剤投与後から4ヶ月間は、避妊方法の使用を継続しなければならない。各対象によって使用される避妊法(複数可)は、文書化されなければならない。
【0393】
対象の適格性を確立する全てのスクリーニング評価は、対象が無作為化され得る前に、治験責任医師によって実施及び審査される。SLICC基準は、正式に評価されていない場合があるが、登録に適格であるためには、対象が試験薬剤の初回投与前に最低でも3ヶ月間、SLICC基準を満たすのに十分なSLEの症状(対象ファイルで文書化されている)を実証しなければならない。本試験に登録するために適格な対象は、(組み入れ基準#2に記載されるように)以下のうちの1つ又は両方に基づいて、SLEについてのSLICC分類基準を満たすことによってSLEを有すると見なされる必要がある。
・少なくとも1つの臨床基準及び少なくとも1つの免疫学的基準を有する4つの基準を満たすこと、又は
・免疫学的変数の少なくとも1つの存在下でのループス腎炎の診断があることである。
【0394】
対象はまた、1つの十分に文書化された(対象のファイル、医師の紹介状、又は検査室の結果)明確に要請のANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体に関する医療履歴値を有しなければならない。ANAの陽性試験(例えば、HEp−2力価によるANA、酵素結合免疫吸着アッセイによるANA)又は抗dsDNA(例えば、Farrアッセイ又はELISAによる抗dsDNA)の医療履歴文書は、試験の日付及び種類、試験検査室名、数値基準範囲、及び提供された値が陰性/境界域又は境界線に対して陽性であることを説明する手がかりを含む必要がある。検査室の基準範囲内に定義されるような、明らかに要請の値のみが許容可能であり、境界値は許容されないであろう。
【0395】
加えて、SLE疾患活動性の安定性を評価するために、対象は、従来の治療(例えば、免疫調節薬、抗マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)にもかかわらず、SLEDAI−2Kスコア≧6を実証しなければならない。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)を有する必要がある。対象はまた、試験薬剤の初回投与の前に観察された、少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコアを実証しなければならない。
【0396】
9.1.2.2.再試験
対象がICFに署名し、少なくとも1つのエントリ要件を満たすことができなかった場合、サンプル採取又は分析性能において疑われる誤差がある場合に、スクリーニング検査室試験(複数可)の1回の再試験が許容されるか、又は必要に応じてスクリーニング期間中に試験エントリ手順を繰り返してもよい。中央検査室試験に代えて治験を実施する(local)試験を使用する要求は、再試験の前に医療用モニターと共に論じられるべきである。これは、追加の試験室値が範囲外であることが見出されるかどうかにかかわらず、再試験のために完了するために1回のみの追加の採血を含む。再試験手順の目標は、対象がスクリーニングウィンドウ内の無作為化のために適格であるか、又はスクリーニングが失敗したかどうかを評価することである。再試験後にエントリ基準を満たさないか、又は繰り返し手順後の疾患活動性基準を満たさない試験室値を有する対象は、スクリーニング失敗と見なされるべきである。これに対する例外は、陽性QuantiFERON(登録商標)−TB Gold、C型若しくはB型肝炎、又はHIV試験であり、サンプル採取又は分析性能において疑われる誤差がない限り、これらの試験は、適格基準を満たすために繰り返されなくともよい。
【0397】
9.1.2.3.再スクリーニング
対象がスクリーニングに失敗し、治験責任医師が対象を再スクリーニングすることを望む場合、これは、治験依頼者及び/又はその指定者によって論議されるべきである。対象毎に、1回の再スクリーニングが可能である。再スクリーニングされた対象者は、新しい対象番号が割り当てられ、インフォームドコンセントプロセスを受け、次いで新しいスクリーニング段階を再開する。
【0398】
9.1.3.二重盲検処置期間
9.1.3.1.0週目/無作為化の日
0週目に、適格な対象を、ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを盲検様式で受容するように、IWRSによって3:2の比で割り当てることになる。評価は、時間及び事象スケジュール(表1)に示されるように実行される。皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、ベースラインの、処置前の写真及び/又は採取された皮膚生検を有するであろう。スクリーニング中に配布された対象の日誌カードは、0週目に審査され、新しいカードは、試験の主部分までの後続する4週間中に薬剤変更を記録するために、各試験の来院時に提供される。
【0399】
9.1.3.2.プラセボ対照処置期間(24週目まで)
無作為化及びIV注入による試験薬剤の初回投与の後、対象は、第24週目まで盲検の試験薬剤投与SC q8wを有することになる。評価は、時間及び事象スケジュール(表1)に示されるように実行される。
【0400】
9.1.4.クロスオーバー処置(40週目まで)
24週目に、プラセボ群における対象は、ウステキヌマブ投与を受けるためにクロスオーバーし、全ての対象は、40週目までSC投与q8wを受容し続ける。全ての対象は、セクション9.1.3.2に記載されているように、プラセボ対照処置期間中に受容された試験処置に盲検化され続ける。
【0401】
9.1.5.後続試験(48週目/56週目〜104週目)
104週目までの後続試験に参加する資格を有する対象は、対象の40週目の来院後およそ8週間(±2週間)でウステキヌマブ90mg、q8wのSC投与を継続するか、あるいは対象の40週目の来院から16週間(±2週間)以下で56週目にウステキヌマブの投与を再開する。
【0402】
9.1.6.試験参加から離脱した対象
試験参加から離脱した対象は、いかなる経過観察評価に対しても戻るように要求されないであろう。
【0403】
9.1.7.処置後の安全性経過観察
40週目に又は40週目前に試験薬剤を永続的に中断するか、若しくは彼らが後続試験に参加しているが、試験参加から離脱していない場合には、104週目に又は104週目前に永続的に中断する対象は、適切な時間及び事象スケジュール(表1及び表2)に示される来院スケジュール及び評価に従って、最後の試験薬剤投与後に、約16週間(5半減期)、約16週間(5半減期)見守るべきである。経過観察のための来院は、最後の試験薬剤投与後の約8週間及び16週間行われるべきである。40週目前又は40週目の時点で試験薬剤を永続的に中断する対象は、後続試験に参加することが適格ではないことになる。
【0404】
電話による連絡は、対象が経過観察を受けないでいるか、又は同意を取り下げない限り、試験薬剤の最後の投与後、最長16週間、試験中断の理由を決定するために行われる。中断のための情報が電話での連絡により得られる場合、ソースドキュメントでの審査を行うために通話内容を書き取った記録がなければならない。対象が死亡した場合、死亡の日付及び原因が収集され、文書化される。
【0405】
9.2.有効性
全ての効能評価は、治験責任医師又は副治験責任医師によって一貫して実施されて、経時的な同等の尺度を達成するべきである。治験依頼者又は治験依頼者によって指名された独立した審査官(複数可)による独立した判定は、重要なループス評価(例えば、SLEDAI、BILAG、及びCLASI)のために実行される。これらのデータは、これらのデータが収集され、評価全体にわたる不一致の調整を必要とし得る全ての来院において審査される。
【0406】
9.2.1.評価
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。
【0407】
9.2.1.1.SLEDAI−2K及びS2K RI−50
SLE疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K/S2K RI−50[ベースライン])が確立され、妥当性が確認されたSLE活動性指標である。これは、9つの器官系における24の特徴の存在に基づくものであり、以前の30日間のSLE患者における疾患活動を測定する。これは、特徴にしたがって重み付けされる。スクリーニング時には、特徴は、より高いスコアを有するより重篤な特徴が、過去30日以内に存在するならば、評価医師によって特徴がスコアリングされ、次いで、単純に付加して、0〜105の範囲である総SLEDAI−2kスコアを決定する
33。ベースラインにおいて、SLEDAI−2Kで評価された特徴は、以下に記載されるS2K RI−50指標と比較するために使用される。
【0408】
SLEDAI−2Kは、SLEDAI−2K応答者指標(S2K RI−50[経過観察])
35に適合かつ展開されており、これは、SLEDAI−2K評価の間の24の疾患特徴における部分的な改善を文書化することができる尺度である
34。50%の改善の閾値は、臨床的に有意な改善を反映すると判断され、特徴の重みの半分としてスコアリングされる。「初回来院時に記述子が存在するものとして記録される場合、3つの状況のうちの1つは、次のとおりであり得る:(1)記述子が、経過観察において完全寛解を達成する場合、スコアは「0」であり、(2)記述子が、経過観察において最低50%の改善を達成しない場合、スコアは、その対応するSLEDAI−2K値と同一であり、あるいは(3)記述子が、≧50%まで改善するが(S2k RI−50の定義に従って)、完全寛解を達成していない場合、スコアは、SLEDAI−2Kに割り当てられるスコアの半分として評価される。」
32。S2K RI−50スコアは、0〜105の範囲である24の採点項目の合計である。
【0409】
9.2.1.2.BILAG
BILAG
13,17指標は、治療の変更又は強化の必要性に基づいて、対象をスコアリングする。評価医師は、以下の9つの器官/システムドメインに分割された97の項目を評価するであろう。
・体質性
・皮膚粘膜
・神経精神
・筋骨格
・心呼吸器
・胃腸
・眼
・腎
・血液学
【0410】
評価医師は、各項目を過去4週間のその存在と見なすべきであり、答えは、0=存在せず、1=改善中、2=同じ、3=悪化、又は4=指定された参考のための来院と比べて新しいと見なすべきである。各器官/システムドメインは、器官/システム固有の項目及びドメインに固有の基準に基づいて、BILAG A、B、C、D、又はEとして分類される。
【0411】
9.2.1.3.CLASI
皮膚エリテマトーデスの活動性は、CLASIによって測定されるであろう。CLASIは、評価する医師が、全身性関与を伴うか又は伴わないCLE患者の皮膚に引き起こされる疾患活動性及び損傷を評価するために使用される器具である。CLASIは、2つのスコアからなり、第1のスコアは、疾患の活動性を要約し、第2のスコアは、疾患によって行われる損傷の尺度である。活動性は、紅斑、スケール/過角化症、粘膜の関与、急性脱毛、及び非瘢痕性脱毛症に基づいてスコアリングされる。損傷は、色素沈着症及び瘢痕性脱毛症を含む瘢痕化に関してスコアリングされる。スコアは、症状の程度に基づいて単純な付加によって計算される
1。より高い活動性及び損傷スコアは、悪化した疾患活動性を示す。
【0412】
9.2.1.4.医師の疾患活動性の全般的評価
医師は、対象の評価とは無関係に、医師の疾患活動性の全般的評価
8を完了しなければならない。評価は、視覚的アナログスケール(VAS;0〜10cm)で記録されるであろう。評価のスケールは、「ループス活動性がない」(0)から非常に活動性のループス」(10)までの範囲である。
【0413】
医師評価者は、好ましくは、所与の対象についての全ての試験来院において同じ人物であるべきである。
【0414】
9.2.1.5.患者の全般的評価
対象は、患者の疾病活動性の全般的評価、及び患者の疼痛評価を、医師の疾患活動性の全般的評価とは無関係に完成させねばならない。
【0415】
9.2.1.5.1患者の疾患活動性の全般的評価
疾患活動性の全般的評価は、視覚的アナログスケール(VAS;0〜10cm)で記録されるであろう。評価のスケールは、「非常に良い」(0)から「非常に悪い」(10)までの範囲である。
【0416】
9.2.1.5.2.患者の疼痛評価
患者の疼痛評価は、患者が報告した疼痛強度を評価するために使用される。患者は、過去1週間の彼らの平均的な疼痛を視覚的アナログスケール(VAS;0〜10cm)で記録されるように依頼されるであろう。器具のアンカーは、「疼痛なし」を表す0から「最悪の可能な疼痛」を表す10を含む。
【0417】
9.2.1.6.ショートフォーム−36
RANDショートフォーム(SF)−36質問票は、36項目を有する自己管理マルチドメインスケールである。8つの健康ドメインは、機能する範囲を網羅する:
・身体機能の制限
・通常の役割活動の制限
・身体の痛み
・全般的な精神的健康状態(心理的窮迫及び健康な状態)
・活力(エネルギー及び疲労)
・身体的又は精神的健康問題による社会的機能の制限
・個人的又は感情的な問題による日常的役割の活動の制限
・全般的な健康状態の認識。
【0418】
サブスケールは、0〜100でスコアリングされる。スコアリングは、身体的側面のサマリースコア並びに精神的側面のサマリースコア、合計スコア、及びサブスケールスコアをもたらす。より高いスコアは、より良好な転帰を表す。14歳を超える人が適切であり、5〜10分で完了することができる。翻訳は、ほとんどの言語で利用可能であり、器具は、広範な言語及び文化的な検証を受けている。バージョン2アキュートは、本試験で使用されるであろう。
【0419】
SF−36によって測定される概念は、任意の年齢、疾患、又は治療群に特有ではなく、異なる疾患の相対的な負担と、異なる治療の利益との比較を可能にする
42。サブスケールのいずれかにおける3店の変化又は側面スコアについての5点の変化は、臨床的に意味のある変化に関連付けられる
27、41、40。SF−36は、精神測定学的特性の証拠を提供するために臨床試験において広く使用されている。身体的及び精神的側面のサマリースコアの信頼性推定値は、初期の研究
21において0.90を超えており、後の研究で更に確認されている。いくつかの他の全身性健康調査との比較を通して構築物の検証を確立した。
【0420】
9.2.1.7.疲労重症度スケール
疲労重症度スケール(FSS)は、7回の応答選択肢(1=全く同意しない、7=完全に同意)を使用して、疲労の重症度及び日常生活へのその影響を評価するように設計された9項目質問票である。これは、対象によって5分以内に完了することができる。63の合計可能スコアの36を超えるスコアは、疲労の重症度を増加させることを反映している。このスケールは、SLEで使用するために開発された
19。このスケールのスコアは、患者が報告した疼痛、睡眠、うつ病、及びSF−36の各サブスケールと相関させる。FSSは、高い内部整合性を示し、SLE対象の試験において対照から患者を差異化させる。器具は元々の英語版から翻訳され、いくつかの言語で利用可能である。
【0421】
9.2.2.定義
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。
【0422】
9.2.2.1.SRI−4
全身性エリテマトーデス活性指標2000 SRI−4応答は、SLEDAI 2Kスコア(セクション9.2.1.1)における少なくとも4点減少を必要とする複合エンドポイントとして定義され、医師の疾患活動性スコアの全般的な評価(PGA)(セクション9.2.1.4)のベースラインから悪化がなく(<10mmの増加)、及び新しいBILAGドメインAがなく、かつ1超の新しいBILAGドメインBスコア(セクション9.2.1.2)
9がない。SRI−5及びSRI−6は、同様に、それぞれSLEDAI 2Kにおける≧5点の減少又は≧6点の減少を必要とする応答で定義される。SRI−5及びSRI−6は、同様に、それぞれSLEDAI 2Kにおける≧5点の減少又は≧6点の減少を必要とする応答で定義される。
【0423】
9.2.2.2.BILAGベースの複合ループス評価
BILAGベースの複合ループス評価(BICLA)は、3つの評価ツール:(1)BILAG−2004指標、(2)SLEDAI指標、及び(3)PGAにわたって応答基準を満たすための患者を必要とする。患者は、以下の要件に基づいて応答者又は非応答者として識別される:
39
【0424】
【表10】
【0425】
9.2.2.3.フレア
この試験についてのフレアは、以下のように定義される。
・SLEDAIフレア:SLEDAI−2Kスコアにおける少なくとも4+点の増加(重度のフレアを含む)
・重度SLEDAIフレア:SLEDAI−2Kスコアにおける少なくとも7+点の増加
・BILAGフレア:少なくとも1つの新しいBILAG A又は2つのBILAG Bスコア(スコア<Bから)
【0426】
9.2.2.4.S2K RI−50応答
S2K RI−50応答は、SLEDAI−2Kスコアにおけるベースラインからの少なくとも6点の減少として定義される。
【0427】
9.2.2.5.PGA中の悪化なし
PGAにおける悪化は、100mmのVASで10mm未満の増加と定義される。
【0428】
9.2.3.エンドポイント
主要エンドポイント
この試験の主要エンドポイントは、24週目に複合SRI−4応答を有する対象の割合である。
【0429】
主要な二次エンドポイント
主要な二次エンドポイントは、以下に指定されるように重要な順序で列挙される。
1.24週目でのSLEDAI−2Kにおけるベースラインからの変化。
2.24週目でのPGAにおけるベースラインからの変化。
3.24週目におけるBICLA応答を有する患者の割合。
【0430】
他のエンドポイント
フレア:
4.12週目〜24週目及び24週目〜主要試験の8週目の安全性経過観察の来院/48週目並びに48週目〜から104週目までの第1のフレア(SLEDAIフレア、重度SLEDAIフレア、BILAGフレア)への時間。
5.12週目〜24週目の自由来院及び24週目〜主要試験の8週目の安全性経過観察の来院/48週目並びに48週目〜から104週目までのフレア(SLEDAIフレア、重度SLEDAIフレア、BILAGフレア)の数。
【0431】
SLE疾患活動性:
6.SRI−4、SRI−5、SRI−6における応答、S2K RI−50応答及びBICLAを有する対象の経時的な割合。
7.SLEDAI、BILAG、PGA、及び患者の疾患活動性の全般的な評価(PtGA)における経時的な悪化がない対象の割合。
8.SLEDAI(4、5、及び6点)、BILAG、及びPGAにおける経時的な改善を有する対象の割合。
9.SLEDAI−2K、S2K RI−50、PGAにおける経時的なベースラインからの絶対変化。
10.血清学的活動性(例えば、ANA、抗dsDNA,他の自己抗体、C3、C4)又はSLEDAI機能測定値の経時的な変化率。
11.器官ドメインによる経時的なBILAGのシフトテーブル。
12.皮膚疾患を有する対象におけるCLASIスコア(活動性及び損傷)の経時的な変化率。
【0432】
PROの転帰:
13.患者報告転帰(PRO)(疼痛VASスケール、FSS、SF−36身体的並びに精神的側面のサマリースコア及び個々のドメイン)における経時的な変化。
14.PRO(すなわち、FSS、SF−36における改善)における臨床的に(最小限の臨床的に重要な差)を経時的に有する対象の割合。
15.24週目のPtGAにおけるベースラインからの変化。
【0433】
服薬:
16.主12週目から要試験の8週目の安全性経過観察の来院/48週目までの選択されたSLE投薬における意味のある変化を有する対象の割合。
17.後続試験に参加する対象に対する、48週目から104週目までのコルチコステロイド用量における変化。
新しいエンドポイント(複数可)の展開及び分析は、別個の技術レポートに含まれる。
【0434】
9.3.薬剤動態及び免疫原性
血清サンプルを使用して、ウステキヌマブの薬物動態(PK)、並びにウステキヌマブ(ウステキヌマブに対する抗体)の免疫原性を評価するであろう。PK及び免疫原性分析のために採取された血清は、試験期間中又は試験期間後に生じる懸念に対処する安全性又は有効性の態様を評価するために、更に使用されてもよい。これらの血清サンプルについては遺伝子解析は行われない。対象の秘密が保持される。
【0435】
9.3.1.血清採取及び取り扱い
血清ウステキヌマブ濃度及びウステキヌマブに対する抗体を決定するために、時間及び事象スケジュールに示される時点で静脈血サンプルを採取する。また、血清サンプルは、試験の参加を早期に中止した対象の最終来院時にも採取すべきであろう。PK及び免疫原性が評価される来院において、十分な体積の1回の採血を使用することができる。各サンプルは、3つのアリコート(血清ウステキヌマブ濃度用の1つのアリコート、ウステキヌマブに対する抗体用の1つのアリコート、及びバックアップとして1つのアリコート)に分割する。試験薬剤投与が予定されたときに、来院時の試験薬剤投与前にサンプルを採取せねばならない。血液サンプル採取の正確な日付及び時間は、検査室の要請文書で記録されなければならない。
【0436】
9.3.2.分析手順
血清サンプルを分析して、治験依頼者の生物分析施設によるか、又は治験依頼者の監視下で、検証され、特異的、かつ高感度のイムノアッセイ法を使用して、ウステキヌマブ濃度を決定する。対象のアイデンティティが隠された状態で、治験依頼者又はその被指名人は、これらのサンプルをアッセイする。
【0437】
9.3.3.免疫原性評価
ウステキヌマブに対する抗体は、全ての対象から採取された血清サンプルにおいて検証されたイムノアッセイ法を使用して検出される。ウステキヌマブに対する抗体について陽性である血清サンプルは、ウステキヌマブに対する抗体が、インビトロでのウステキヌマブの生物学的効果を無効にすることができるかどうか(すなわち、ウステキヌマブに対する中和抗体[NAbs])を決定するために更に特性化されるであろう。これらのサンプルは、治験依頼者又は治験依頼者の被指名人により試験されることになる。
【0438】
9.4.バイオマーカー
皮膚生検、血液、血清、及び尿の採取、調製、保管、及び輸送は、時間及び事象スケジュール(表1)並びに検査室マニュアルに詳述されている。バイオマーカーとしては、炎症性マーカー、RNA、細胞表面マーカー、自己抗体、T細胞並びにB細胞レパートリー、標的特異マーカー、及びループスの発症及び進行に関与する可能性があるバイオマーカーの他のカテゴリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0439】
血清分析
血清は、可溶性CD40リガンド(sCD154)、インターロイキン(IL)−6、IL−12p40、IL−17、IL−21、IL−22、IL−23p19、C−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、BAFF、インターフェロン、自己抗体、及び他の炎症関連分子が挙げられるが、これらに限定されない特定のタンパク質のレベルについて分析されるであろう。
【0440】
尿サンプル
尿サンプルは、SLEに関連性を有すると考えられる排泄物タンパク質又は他のマーカーについて評価されるであろう。
【0441】
皮膚生検分析
皮膚生検は、細胞、分子、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0442】
全血遺伝子発現分析
全血は、RNA、フローサイトメトリー(選択された部位からのサンプルを中央検査室又は他の分析検査室で分析する)、T細胞及びB細胞レパートリー(特定のT細胞及びB細胞受容体のみの核酸分析[RNA及びDNA])及びエピジェネティクス分析(例えば、DNAメチル化)について分析される。
【0443】
9.5.薬理学的評価
DNAサンプルは、この試験(CNTO1275SLE2001)に関連する研究に使用されるであろう。特定のゲノム検査は、対象の同意を得るために行われるであろう(この試験の一部に参加している対象は、別個ICFに署名しなければならない。この手順は、ループスで役割を果たし得る特定の標的遺伝子について分析され得る血液サンプルを採取することを伴うであろう。いかなるゲノム評価も、遺伝子検査に関する現行の対象の機密保持規定を厳守して実行されるであろう。ゲノム検査の参加を拒むことは、臨床試験の残りに参加することを不適格にするものではない。
【0444】
9.6.血清学的マーカー
自己抗体のサンプル(ANA、抗dsDNA、抗スミスを含む)、補体C3、C4、及び他の検体のサンプルは、事象の表(表1)及びセクション9.8の安全性評価(臨床検査室試験)に記載されるように採取される。
【0445】
9.7.皮膚ループスサブ試験
皮膚疾患を有する対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることになる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、事象の表(表1)に示したように実施される、0週目及び24週目での試験薬剤投与前の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む追加の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しないであろう。
【0446】
任意の生検採取に同意した対象は、0週目の活動性標的病変から切除された2つの皮膚生検(4mm)と、続いて24週目における同じ病変の2つの追加的な生検(皮膚疾患の活動性に無関係に有する(皮膚ループスサブ試験マニュアル)。皮膚生検は、細胞、分子、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0447】
皮膚生検採取とは無関係に、皮膚ループスサブ試験に参加する対象は、写真が活動性疾患の特定された皮膚病変又は領域から採取されることに同意するよう求められることになる。生検に適していない皮膚ループス(例えば、を有する同意対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症)は、写真撮影によって評価されてもよい。写真は、探索目的のためだけのものである。写真は、臨床応答の定性的評価を支援するために使用されるであろう。写真及び皮膚生検は、活動性疾患の異なる領域を標的とすることができるが、経過観察写真又は生検は、最初に0週目に評価された活動性疾患の同じ領域を再評価するべきである。本試験に関与する対象の機密保護が維持され、具体的には、本試験における対象の写真は、個人を特定することができないように、対象の顔又は身体の適切な部分を遮断することなく公開されることはないか、ないしは別の方法で公表されることはない。
【0448】
9.8.安全性の評価
安全性の評価には、バイタルサイン、全身の身体検査及び皮膚評価(S2K RI−50及びCLASI評価中に判断された)、有害事象、併用薬調査、妊娠検査(セクション12.3.3を参照)、投与反応、化学検査及び血液検査、並びにウステキヌマブに対する抗体が挙げられる。胸部X線及びTB、HIV、B型肝炎、及びC型肝炎検査は、スクリーニング時に必要とされるであろう(表1)。結核スクリーニング基準のセクション4.1を参照されたい。対象の日誌カードは、本試験の主要部分中の試験来院時の間で生じる薬剤変更を捕らえるために使用されるであろう。
【0449】
試験の最後に持続しているあらゆる臨床上の有意な異常は、解決まで又は臨床上安定したエンドポイントに達するまで、治験責任医師によって追跡されるであろう。
【0450】
本研究は、後続試験について表1及び表2に提供される時点による安全性及び忍容性の以下の評価を含むであろう。
【0451】
有害事象
有害事象(AE)は、対象によって(又は適切な場合、介護者によって)報告され、治験責任医師によって追跡されるであろう。
【0452】
感染症
対象には、感染の徴候及び症状の警告カードが提供され、予定された来院の間に部位に接触するように指示されることになる。各施設の訪問において、治験責任医師又は他の施設担当者は、感染のいずれかの徴候又は症状について対象を評価し、施設訪問の間で発生し得る感染症又は他のAEの症状を尋ねる必要がある。
【0453】
試験薬剤は、臨床的に重要な活動性感染を有する対象に投与されるべきではない。重篤な及び/又は重度の感染が完全に解決されるまで、試験薬剤による治療を中止するべきである。対象が、敗血症又は肺炎が挙げられるが、これらに限定されない重篤な又は重度の感染を発症する場合、試験処置の中止を考慮しなければならない。処置は、日和見的感染を発症する対象に対して、永続的に中断されなければならない。活動性の水痘帯状疱疹感染、又は水痘の病歴を有さない対象における水痘帯状疱疹感染については、対象は、感染の症状について評価されるべきであり、対象が適切な治療を受けたか、及び/又は回復したか、又は感染症状がない場合には、治験依頼者との話し合い後に試験投与を継続してもよい。
【0454】
臨床検査
血清化学及び血液学の血液サンプルは、時間及び事象スケジュールに従って採取される(表1及び後続試験については表2)。治験責任医師は、検査室レポートを利用可能な直後に審査しなければならず、この審査を文書化し、試験中に生じるいかなる臨床的に関連する変化も記録しなければならない。クームスの直接試験、尿試験紙法、尿沈降顕微鏡検査、及び尿妊娠検査は、現場スタッフ又は治験を実施する(local)検査室によって行われる。治験依頼者の承認により、治験を実施する検査室の使用もまた、処置又は安全性経過観察の開始が時間的に重要であり、中央検査機関(central laboratory)の結果が、試験薬剤処置を提供することが必要である前に利用可能であることが予想されない場合、又は安全性上の理由のために措置を講じる必要がある場合には、許容され得る。
【0455】
中央検査機関によって分析されたスクリーニング検査室試験の1回の再試験は、サンプル採取又は分析性能における誤差が疑われる場合に許容される。
・血液学パネル
−ヘモグロビン
−ヘマトクリット値
−白血球(WBC)百分率数(好塩基球、好酸球、リンパ球、単球、好中球)
−血小板数
−B細胞枯渇療法に以前に曝露された対象に対してのみ、スクリーニング中のCD19 B細胞分析(セクション4.1.3)
−クームスの直接試験(利用可能な場合、治験を実施する(local)検査室)
・血清検査室
−Igアイソタイププロファイル(IgG、IgM、IgAレベル)
−C3及びC4補体
−ANA
−抗dsDNA
−ループス抗凝固因子、抗カルジオリピン、及び抗β
2−糖タンパク質−I抗体を含む抗リン脂質抗体
−抗スミス、抗シェーグレン症候群関連抗原A(SSA[抗Ro]及びB(SSB[抗LA])、抗リボ核タンパク質(抗RNP)を含む他の自己抗体
・凝固検査室
−プロトロンビン時間
−部分トロンボプラスチン時間
−国際正規化比
・血清化学的パネル
【0456】
【表11】
・尿分析−フレッシュスポット尿
・尿試験紙法を使用した検尿。尿サンプルは、中央検査室で更に分析される。
・尿タンパク質/クレアチニン比
9は、対象から採取されたスポット尿のアリコートを使用して、中央検査室で分析される。
・尿スコア顕微鏡法(スポット尿サンプルを使用する治験を実施する(local)検査室評価)
−赤血球
−WBC、尿路感染が存在する/不在であることに留意して
−上皮細胞
−結晶
−赤血球、WBC、又はヘム顆粒円柱
−細菌
・妊娠の可能性がある女性のみに対する血清及び尿妊娠検査
・ウイルス血清学(HIV抗体、HBsAg、抗HBs、総抗HBc、及びC型肝炎ウイルス抗体)
バイタルサイン
体重及び体温を評価する。血圧及び心拍数測定を評価する。
【0457】
身体検査
全身の診察は、処置前及び試験中に、表1に示されるように、後続試験については、表2に示されるように実施される。
【0458】
9.9.サンプルの採取及び取り扱い
サンプル採取の正確な日付及び時間は、検査室の要請文書で記録されなければならない。
【0459】
全てのサンプル採取のタイミング及び頻度についての時間及び事象スケジュール(表1及び後続試験については表2)を参照されたい。
【0460】
サンプルの収集、取り扱い、及び輸送のための指示は、サンプル採取及び取り扱いのために提供される検査室マニュアルに見られる。
【0461】
10.対象の完了/離脱
10.1.完了
後続試験に入らない対象は、主要試験の16週間の安全性経過観察までに評価を完了した場合、主要試験を完了したと見なされる。後続試験に登録した対象は、主要試験の8週間の安全性経過観察のための来院までに評価を完了した場合、この試験の主要部分を完了したと見なされる。8週目又は16週目の安全性経過観察のための来院前に何らかの理由で試験処置を永続的に中断する対象は、試験の主要部分を完了しているとは見なされないであろう。後続試験に登録した対象は、120週目までに評価を完了した場合には、後続試験を完了したと見なされるであろう。
【0462】
研究処置の中断
対象の試験処置が、40週目前に、又は40週目で中断しなければならない場合(後続試験に参加していない対象について)若しくは104週目より前に中断しなければならない場合(後続試験に参加している対象について)、これは、対象の試験からの自動的な離脱の結果にはならず、経過観察評価は、試験薬剤の最後の投与後約8週間及び16週間取得されるべきである。
【0463】
以下のいずれかが生じる場合、対象の試験処置は、永続的に中止されなければならない。
1.喘鳴を伴う気管支痙攣及び/又は補助換気を必要とする呼吸困難、若しくは収縮期血圧における40mmHg超の減少を伴う症候性低血圧をもたらす、試験薬剤注入又は注射に一次的に関連するAE。
2.対象が、試験薬剤の投与の離脱に同意した場合。
3.試験期間内、又は最後の試験薬剤注射後16週間以内の妊娠及び妊娠する計画がある場合。
4.禁止された薬剤又は処置(セクション4.3に従って)を開始した場合。
5.再発性又は残存病変の証拠なしで治療される、2つ以下の局所的な基底細胞皮膚癌を除く、悪性疾患。
6.日和見感染症。
7.治験責任医師又は治験依頼者の医療用モニターが、それが対象の最善の利益であると見なされる場合。
8.対象が、以下のTB基準に従って不適格であると見なされる場合。
・活動性TBの診断がなされること。
・対象が、経過観察評価質問及び/若しくは身体検査に基づき活動性TBを示唆する症状を有するか、又は活動性TBを有する人と最近密接に接触していて、追加の評価を受け続けることができないか、若しくは続けないこと。
・継続スクリーニングを受ける対象は、活動性TBが除外され得、潜在性TBのための適切な治療が、試験薬剤の次の投与前に又はそれと同時に開始され、完了まで継続され得ない限り、現在の活動性TBの兆候を有する胸部X線写真、及び/又は陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験、及び/又はQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験が承認/登録されていない結果である国における要請のツベルクリン皮膚検査結果、及び/又は繰り返し検査時に未定のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有する。
・潜在性TBのための治療を受けている対象は、この治療を早期に中断するか、又は治療に不適合である。
9.全体的な臨床評価に基づいて、ベースラインからのSLE疾患活性の有意な悪化、又は、16週目から開始した2回以上の連続する来院に対して高い疾患活動性を有するか、又は対象が、16週目以降に既存の治療レジメンに新しい免疫調節剤を付加する必要がある場合。
【0464】
加えて、試験薬剤処置の永続的中断は、下記の対象者について考慮されなければならない。
・免疫調節剤用量の増加を(ベースラインに対して)受けた対象。
・重篤又は重度として報告される以下の有害事象のいずれかを発症する対象:試験薬剤急性輸液反応、注射部位反、又は感染症。
【0465】
10.3.試験からの離脱
以下の理由のいずれかの場合、対象は試験から離脱させられる。
・フォローアップの喪失
・同意の撤回
・死亡
【0466】
対象がフォローアップまで失われた場合、対象に接触し、中止/離脱の理由を決定するために、試験実施機関の担当者によってあらゆる合理的な努力が行われなければならない。以下のように取られた測定値は文書化されなければならない。
【0467】
対象が試験を完了する前に離脱する場合、離脱の理由は、文書化されるべきである。離脱した対象に割り当てられた試験薬は、別の対象に割り当てられなくてもよい。本試験から離脱する対象は交代されない。
【0468】
試験から離脱する対象者は、任意の研究サンプルに関する以下の選択肢を有する。
・採取されたサンプルは、任意の研究サンプルに対して、対象の元のインフォームドコンセントに従って保持され、使用される。
・対象は、任意の研究サンプルについて同意を撤回してもよく、その場合、サンプルは破棄され、更なる試験は行わない。サンプル破棄プロセスを開始するために、治験責任医師は、任意の研究サンプルの同意の撤回を治験依頼者試験現場担当者(又は適切な被指名人)に通知し、サンプル破棄を要求しなければならない。治験依頼者試験現場担当者は、次に、サンプル破棄を実行するためにバイオマーカー担当者に連絡する。要請があれば、治験責任医師は、サンプルが破棄されたことを治験依頼者から確認書を受領するであろう。
【0469】
主要試験に残ったまま任意選択の研究サンプルからの撤回
対象は、試験に残ったまま、任意選択の研究試料についての同意を撤回することができる。そのような場合、任意の研究試料が破棄される。試料破壊プロセスは、上記のように進む。
【0470】
将来の研究における試料の使用の撤回
対象は、研究のためにサンプルを使用するための同意を撤回することができる(セクション16.2.5、追加的な将来の研究のためのサンプルの長期保持を参照)。そのような場合、試料は、臨床試験に必要とされなくなった後に破棄される。研究のための試料保持の詳細は、任意の研究試料について、主ICF及び別個のICFに提示される。
【0471】
11.統計的方法
統計解析は、治験依頼者によって、又は治験依頼者の権限のもとで行われる。効力及び安全性データを分析するために使用される統計的方法の一般的な記述が、下記に示される。統計解析計画には、具体的な詳細が提供される。
【0472】
11.1.対象情報
少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての対象について、記述統計が、以前の療法及び基礎両方を含む、人工統計データ及びベースライン特性のために提供されるであろう。無作為化され、少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての対象は、その割り当てられた処置群に従って、有効性分析に含まれる。安全性分析集団は、少なくとも1用量の試験薬剤を受けた対象を含み、受けた実際の試験薬剤に従って分析されるであろう。
【0473】
11.2.サンプルサイズの決定
サンプルサイズの計算は、主要エンドポイントの、24週目におけるSRI−4応答者の比率に基づく。ウステキヌマブで処置された約60人の対象及びプラセボで処置された約40人の対象を、0.1のアルア水準で、プラセボと比較して奏効率の有意差を検出するために約80%の検定力を与えるように見積もられる(プラセボ及びウステキヌマブにおけるそれぞれ35%及び60%奏効率を仮定し、これは、プラセボに対する25%の絶対的増加又は2.79のオッズ比と解釈される)。プラセボに対する35%応答者率の仮定は、同様のSLE集団が処置された以前の試験基づく
36。最近の試験は、特定の領域において非常に高いプラセボ率を示し、したがって、試験のための検定力(power)は、低減され得る。
14
【0474】
α=0.1(両側)における有意な処置差を検出するための検定力は、様々な仮定下で計算される(表4を参照されたい)。
【0475】
【表12】
【0476】
11.3.有効性分析
全ての有効性分析は、修正した治療意図の原理による(intent-to-treat)(mITT)解析セットで実施される。mITT解析セットは、無作為化され、少なくとも1用量の試験薬剤を受けた全ての対象を含む。有効性分析は、割り当てられた処置群に従って計算される。
【0477】
11.3.1.主要エンドポイント分析
この試験の主要エンドポイントは、24週目のSLE疾患活動性の複合尺度(SRI−4応答)を有する対象の比率である(セクション9.2.2.1.)。一次分析は、主要エンドポイントに基づくものであり、(mITT)集団に対して行われ、これは、少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての無作為化された対象が、投与前に少なくとも1回の測定を有し、かつ少なくとも1つのベースライン後のSRI−4測定値を有することを含む。
【0478】
対象が24週目に少なくとも1つのSRI−4構成要素についてのデータを有する場合は、最終観測代入手順を使用して、欠落しているSRI−4構成要素を帰属させる。対象が24週目に任意のSRI構成要素についてのデータを有しない場合、対象はSRI−4応答を達成しなかったと見なされる。加えて、以下の基準のうちのいずれか1つを満たす対象は、一次のエンドポイント、24週目におけるSRI−4応答を達成しないと見なされる(完全な詳細は、SAPに提供される):
・12週目のラインと24週目の来院との間に、免疫調節剤の用量がベースラインよりも高いか、又は新たな免疫調節剤が既存の治療レジメンに付加されていること。
・12週目以前の既存の治療レジメンへの新たな免疫調節剤の付加及び対象が、12週目以降に免疫調節剤をなお受けていること。
・経口、IV若しくはIM、又はSLEに対する他の種類のコルチコステロイド投与の禁止された用量若しくは禁止された使用で治療を開始するか、あるいは、12週目と24週目との間にベースラインを超えるSLEに対する経口コルチコステロイドの用量を増加させること。
・ARB又はACE阻害剤療法を受けていなかった対象で、その後、12週目と24週目との間に新たなARB又はACE阻害剤療法を開始した対象。同等の薬剤に対するARB又はACE阻害剤を代用する対象は、治療失敗とは見なされない。
・24週目以前に、SLEの悪化のAEに対する有効性の欠如により、試験薬剤を中断すること。
【0479】
別の適応症のために全身性コルチコステロイドを使用する対象については、有効性測定は、処置の開始前の最後の観察から、処置の開始後2週間の期間にわたって繰り越される。2週間の期間後、対象の計算値が測定される。
【0480】
他の状況は、16週目以降にNSAIDを開始する対象、又は、硬膜外、IV、IM、IA、若しくは病巣内、吸入コルチコステロイド、及び局所薬を使用する対象などの、主要エンドポイントを混乱させる場合がある。データ取扱規則は、統計的分析プランにおいて指定される。
【0481】
ベースライン階層化及びベースラインSLEDAIを調整するロジスティック回帰が、主要エンドポイントを分析するために使用されるであろう。ベースラインSLEDAI値は、0週目の注入前に採取された最も近い非欠損測定値として定義される。有意な非正規性が観察される場合、適切なノンパラメトリック試験を使用して、処置間の差異を評価することになる。
【0482】
一次分析が0.1(両側)の有意水準で統計的有意性を達成し、かつウステキヌマブがプラセボ処置に対して良好な効果を示す場合には、試験はポジティブと見なされるであろう。
【0483】
一次分析に加えて、感度分析を実行して、異なるデータ取扱規則による効果を探索する。必要と見なされれば、主要エンドポイントは、プロトコル集団毎に分析される。プロトコル集団毎の組み入れ/除外規則の詳細は、SAPに提供される。
【0484】
領域に基づくサブグループ分析が実行される。これは、有効性を評価する際の潜在的な地域差、及び特定の領域における高いプラセボ奏効率に起因する。他の選択されたベースライン特性による主要エンドポイントのサブグループ分析が提示される。詳細は、SAPに概説される。
【0485】
11.3.2.主要な二次分析
・24週目でのSLEDAI−2Kにおけるベースラインからの変化。
・24週目でのPGAにおけるベースラインからの変化。
・週目でBICLA応答を有する対象の比率。
【0486】
連続応答は、固定因子としての処置群及び共変数としてのベースライン層別化(例えば、領域)を有する共分散モデルの分析を使用して分析される。正規化仮定が違反している場合、ノンパラメトリック方法が採用される。
【0487】
11.3.3.他の計画された有効性分析
セクション9.2.3に列挙される他の有効性エンドポイントについて、以下の統計的方法を適用する。
【0488】
バイナリデータは、一次有効性分析と同じ統計的方法を使用して分析される。連続応答は、固定因子としての処置群及び共変数としてのベースライン層別化(例えば、領域)を有する共分散モデルの分析を使用して分析される。正規化仮定が違反している場合、ノンパラメトリック方法が採用される。ログランク検定は、終点に至るまでの期間(time to an event)によって定義されたエンドポイントを比較するために使用される。
【0489】
11.3.4.後続試験における有効性分析
SRI−4、SLEDAI−2K、PGA、コルチコステロイド投与量の低減、及び経時的なフレアの評価を含む有効性の長期評価もまた、後続試験に参加する対象に対して行われる。
【0490】
11.4.中間解析
中間解析(IA)は、対象の約1/3及び2/3が24週に達したときに行われることになる。第1のIAでは、顕著な有効性の証拠のみが評価されるであろう。第2のIAでは、顕著な有効性の証拠並びに処置無効が分析されるであろう。領域にわたるプラセボ効果の変動は、中間解析に組み込まれることになる。IAに関する詳細は、IA統計分析プランに記載されている。
【0491】
11.5.薬物動態分析
血清ウステキヌマブ濃度を、各処置群について経時的にまとめる。相加平均、標準偏差、中央値、四分位範囲、最小値、及び最大値を含む記述統計は、各サンプリング時点で計算される。
【0492】
可能であれば、非線形混合効果モデリングを用いた母集団PK解析を使用して、現在の試験におけるウステキヌマブ動態(disposition)特性を特徴付けることができる。体重及びウステキヌマブに対する抗体などの重要な変数の母集団PKパラメータ推定に及ぼす影響を評価することができる。詳細は、母集団PK解析計画に提供され、母集団PK解析の結果は別の技術報告に提示される。
【0493】
11.6.免疫原性分析
ウステキヌマブに対する抗体の発生率及び力価は、ウステキヌマブの少なくとも1回の投与を受け、かつウステキヌマブに対する抗体の検出に適切なサンプルを有する対象(すなわち、ウステキヌマブの初回投与後に取得された少なくとも1つのサンプルがある対象)についてまとめられる。
【0494】
ウステキヌマブに対するNAbの発生率は、抗体に対して陽性であり、NAbについて評価可能なサンプルを有する対象についてまとめられる。
【0495】
11.7.バイオマーカー分析
処置された、及び未処置のSLE対象からの以下の結果をまとめる:
・個々の血清及び尿マーカーの濃度。
・RNAシークエンシング及び免疫組織化学法により、皮膚生検組織内の選択されたバイオマーカーの結果。
・全血遺伝子発現プロファイリング、フローサイトメトリー、T細胞並びにB細胞レパートリー、及びエピジェネティクスによる結果。
・データの評価に続いて、追加的な探索的分析を実行することができる。
【0496】
他の進行中の臨床試験から収集されたサンプルもまた、バイオマーカーデータ分析に含まれてもよい。バイオマーカー分析の結果は、別個の報告で提示され得る。
【0497】
11.8.薬理遺伝学的分析
DNA研究は、この試験に関する、1つ又は2つ以上の候補遺伝子の解析、又は(必要に応じて)ゲノム全体にわたる遺伝子マーカーの解析からなってもよい。
【0498】
ゲノム解析の結果は、他の供給源から採取されたものを含むサンプルの総数が適切であると、別個の報告で提示される。
【0499】
11.9.薬物動態及び薬力学分析
データが許可される場合、血清ウステキヌマブ濃度と有効性又は薬力学的尺度との間の関係をグラフで分析することができる。
【0500】
11.10.安全性分析
安全性分析は、いずれかの試験薬剤のうちの少なくとも1用量を受けた全ての対象の集団に基づくであろう。対象は、実際に受けた処置によってまとめられる。
【0501】
有害事象(AE)
AEを特定するために使用される報告者が使用した用語(verbatim terms)は、医薬品規制用語集(Medical Dictionary for Regulatory Activities)を使用してコード化される。処置期間中の発症を伴う全ての報告されたAE(すなわち、処置期間中に発生したAE、及びベースラインから悪化したAE)は、分析に含まれる。各AEについて、所与の事象の少なくとも1つの発生を経験する対象の割合は、処置群によってまとめられる。日常的な安全性評価が行われる。有害事象、重篤なAE(SAE)、合理的に関連するAE、及び重症度によるAEは、処理群によってまとめられる。
【0502】
感染、急性輸液反応、及び注射部位反応の発生及び種類を、この試験について分析する。急性輸液反応は、検査室の異常を除いて、試験薬剤の注入中又は注入後1時間以内に起こるAEとして定義される。
【0503】
これらの死亡した対象、又は有害事象により治療を中断した対象、又は重度若しくは重篤な有害事象を経験した対象に対して特別な注意が払われる(例えば、必要に応じて、要約書、リスト表、及び説明書作成が提供され得る)。
【0504】
臨床検査
検査室試験の種類によって、検査室データをまとめる。参照範囲及び有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)は、検査室データの概要に使用される。記述統計は、ベースライン及び各計画された時間点における各検査室の検体について計算される。ベースライン結果からの変化は、治療前対治療後のクロス集計で提示される(検査室基準範囲に基づいて、正常範囲より下、正常範囲内、及び正常範囲を超えるクラスを有する)。ベースラインは、無作為化処置の初回用量の前の最後の測定値として定義される。最大CTCAEグレードによる対象の数及び割合は、各検査室検体の各処置群についてまとめられる。検査室パラメータ及び選択された検査室パラメータ(血液学及び化学)におけるベースラインからの変化、並びにCTCAE毒性等級付けに基づく異常な検査室パラメータ(血液学及び化学)を有する対象の数は、まとめられた処置群である。SAEのリストも提供される。全ての安全性分析は、いずれかの試験薬剤のうちの少なくとも1用量を受けた対象の集団に基づくであろう。対象は、実際に受けた処置によってまとめられる。
【0505】
尿タンパク質及びクレアチニン測定を使用して、尿タンパク質対クレアチニン比を計算する。記述統計は、ベースライン及び各計画された時間点におけるこれらの比について計算される。
【0506】
バイタルサイン
各計画された時間点におけるバイタルサイン測定値及びベースラインからのそれらの変化は、記述統計を使用してまとめられる。ベースラインは、無作為化処置の初回用量の前の最後の測定値として定義される。
【0507】
11.11.データ監視委員会
独立したDMCを設立して、継続してデータを監視し、この試験に登録した対象の継続した安全性を確実にし、中間有効性解析を実行した。この委員会は、対象の1/3及び2/3が24週目に達したときを含む、中間データを審査するために、少なくとも2回開かれる。各審査後に、DMCは、安全性に関する懸念のために試験を停止すべきかどうかを、治験依頼者委員会に勧告する。第1回目のIAでは、治験依頼者には、次の試験に進むために顕著な有効性も通知される。第2回目のIAでは、治験依頼者には、顕著な有効性並びに無用性について通知される。詳細は、別個のDMC許可証及びIA統計計画書に提供される。
【0508】
DMCは、治験依頼者とは独立した3〜6人の構成員を有する。DMCは、少なくとも1人の該当する治療分野の医療専門家と、少なくとも1人の統計学者とからなるであろう。DMCの責任、権限、及び手順は、その許可証に文書化される。
【0509】
DMCは、本試験における主要エンドポイントの評価後に、もはや活動しない。
【0510】
12.有害事象の報告
臨床試験からの安全性情報の適時の、正確、かつ完全な報告及び分析は、対象、治験責任医師、及び治験依頼者の保護にとって重要であり、世界中の規制機関によって命じられている。治験依頼者は、安全性情報の適切な報告を確実にするために世界的な規制要件に準拠して標準業務手順書を確立し、治験依頼者又はその関連会社によって行われる全ての臨床試験は、これらの手順書に従って行われる。
【0511】
12.1.定義
12.1.1.有害事象の定義及び分類
有害事象
有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)を投与された臨床試験対象における任意の好ましくない医療上の出来事である。有害事象は、必ずしも治療と因果関係を有するわけではない。したがって、有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候(例えば、臨床検査値の異常)、症状又は疾患のことであり、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品のとの因果関係の有無は問わない。(医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonisation[ICH]による定義)
【0512】
これには、新たな発症又はベースライン状態からの重症度若しくは頻度における悪化である任意の発症、あるいは検査室試験の異常を含む診断手順の異常な結果が含まれる。
【0513】
注記:治験依頼者は、ICFの署名から開始して、有害事象を収集する(最後の有害事象記録の時間については、セクション12.3.1の全ての有害事象を指す)。
【0514】
重篤な有害事象
ヒト使用のための医薬品の安全性情報監視のICH及びEUガイドライン(ICH and EU Guidelines on Pharmacovigilance for Medicinal Products for Human Use)に基づく重篤な有害事象は、下記の用量に関係なく、好ましくないあらゆる医療上の出来事:
・死に至るもの
・生命を脅かすもの
(ここでいう「生命を脅かすもの」とは、その事象の発現時点において対象が死の危険にさらされている場合をいう。仮にもっと重度であれば死を招いたかもしれないという意味ではない。)
・入院又は現行の入院期間の延長が必要となるもの
・永続的又は重大な障害/機能不全に至るもの
・先天異常/先天性欠損を来すもの
・医薬品を介した任意の感染因子の疑いのある伝播を来すもの
・医学的に重要な状態を来すもの
*
【0515】
*医学的及び科学的判断は、直ちに生命を脅かしたり、又は死や入院に至らなくとも、対照を危険にさらす恐れがあったり、又は上記の定義に挙げられている他の結果の1を防止するための介入が必要となり得る重要な医学的事象などの他の状況においても適切であるかどうかを決定する際に、医学的及び科学的判断を実行するべきである。これらは通常、重篤であると見なされるべきである。
【0516】
試験薬剤と事象(例えば、アナフィラキシーからの死)との間の因果関係を示唆する証拠が存在する重篤な有害事象が発生した場合、事象は重篤かつ予測できない治験薬との関連が疑われる有害反応として報告されなければならない。
【0517】
未記載の(予測できない)有害事象/安全に関する参考情報
性質又は重症度が適用可能な製品参照安全性情報と一致しない場合、有害事象は、列挙されていないと考えられる。
【0518】
薬剤の使用に関連する有害事象
因果関係が考えられ、確率が高いか、又は定義によって非常に高い場合、有害事象が薬剤の使用に関連していると考えられる。
【0519】
12.1.2.因果関係定義
関連なし
薬剤の使用に関連しない有害事象。
【0520】
ほぼ関連なし
代替的な説明がより可能性が高い有害事象、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複数可)、又は時間の関係は、因果関係がおそらくないことを示唆する。
【0521】
可能性あり
薬剤の使用に起因し得る有害事象。代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複数可)は決定的ではない。時間の関係は合理的であり、したがって、因果関係を除外することができない。
【0522】
多分関連あり
薬剤の使用に起因し得る有害事象。時間の関係は、暗示的である(例えば、薬剤の投与中断によって確認される)。代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複数可)は可能性が低い。
【0523】
非常に可能性が高い
有害事象は、可能な有害反応として列挙され、代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複数可)によって合理的に説明することができない。時間の関係は、非常に暗示的である(例えば、薬剤の投与中断及び再開によって確認される)。
【0524】
12.1.3.重症度基準
重症度グレードの評価は、以下の一般的なカテゴリー記述子を使用して行われる:
【0525】
軽度:
容易に許容され、最小限の不快感を引き起こし、日常活動を妨害しない症状の認識。
【0526】
中等度:
通常の活動の妨害を引き起こすような十分な不快感が存在する。
【0527】
重度:
機能の重大な障害又は機能不全を引き起こす、極度な苦痛。正常な日常活動が妨害される。
【0528】
治験責任医師は、対象が直接経験していない事象の重症度(例えば、検査室の異常)を評価する際に臨床的判断を使用するべきである。
【0529】
12.2.特別な報告状況
緊急報告及び/又は安全性評価を必要とし得る治験依頼者試験薬に対する関心の安全性事象としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・治験依頼者試験薬の過剰投与
・治験依頼者試験薬の乱用/誤用の疑い
・治験依頼者試験薬への不注意又は偶発的曝露
・治験依頼者製剤に関与する投薬エラー(治験依頼者試験薬への対象/患者の曝露を伴うか又は伴わない、例えば、名前の混乱)
・特別な関心の有害事象:任意の新たに特定された悪性疾患、日和見感染症(すなわち、通常は病原性でないか、又は免疫適格宿主において侵襲性感染を引き起こさない生物による感染)、又はこの臨床試験に参加している対象における試験薬剤の初回投与後に起こる活動性TBの症例は、処置後に治験責任医師によって報告されなければならない。治験責任医師はまた、ほとんどの国では、活動性TBが報告可能な疾患と見なされることも助言されている。これらの事象は、SAEの定義を満たす場合にのみ重篤であると見なされるべきである。
【0530】
特別な報告状況も記録されるべきである。重篤な有害事象の基準を満たす任意の特別な報告状況を記録する必要がある。
【0531】
12.3.手順
12.3.1.全ての有害事象
重篤であるか非重篤であるかにかかわらず、全ての有害事象及び特別な報告状況は、署名され、かつ日付を記入したICFが取得された時間から、対象の最後の試験関連処置の完了まで(安全性の経過観察のための連絡を含み得る)報告される。試験薬の最後の投与後16週間以内に、治験責任医師に自発的に報告されたものを含む重篤な有害事象は、重篤な有害事象フォームを使用して報告されなければならない。治験依頼者は、プロトコルに指定された時間枠を越えて、治験担当医師によって自発的に報告される任意の安全性情報を評価する。
【0532】
重篤な有害事象の定義を満たす全ての事象は、それらがプロトコル特異的評価であるかどうかにかかわらず、重篤な有害事象として報告される。
【0533】
全ての有害事象は、試験薬剤に対する重篤性、重症度、又は推定される関係にかかわらず、ソース文書内の医療専門用語を使用して記録されなければならない。可能な場合はいつでも、徴候及び症状が、一般的な病因のために、診断を行うべきである(例えば、咳、鼻音、くしゃみ、咽頭炎、及び鼻詰まりが「上気道感染」として報告されるべきである)。治験責任医師は、試験療法に対する有害事象の関係に関する意見を記録しなければならない。有害事象管理に必要な全ての測定は、ソース文書に記録され、治験依頼者命令に従って報告されなければならない。
【0534】
治験依頼者は、規制当局への有害事象の適切な報告の責任を負う。治験依頼者はまた、治験責任医師(及び必要な場合、治験施設の所長)に、列挙されておらず(予想されず)かつ試験薬の使用に関連する全ての重篤な有害事象を報告する。治験責任医師(又は必要な場合、治験依頼者)は、別途必要とされ、IEC/IRBによって文書化されない限り、プロトコルを承認した適切な独立倫理委員会/施設内審査委員会(Independent Ethics Committee/Institutional Review Board)(IEC/IRB)に報告しなければならない。
【0535】
対象には、「ウォレット(試験)カード」を提供しなければならず、このカードを、以下を示す試験の持続時間にわたって携帯する指示されなければならない。
・試験番号
・現地の言語(複数可)において、対象が臨床試験に参加していることの記述
・治験責任医師の名前及び24時間の連絡先電話番号
・実際の治験の治験依頼者の名前及び24時間の連絡先電話番号(医療スタッフのみ)
・施設番号
・対象番号
・盲検の緊急制動を行うために必要な任意の他の情報
【0536】
12.3.2.重篤な有害事象
試験中に生じる全ての重篤な有害事象は、試験施設担当者が、その事象の認識後24時間以内に、適切な治験依頼者連絡担当者に報告されなければならない。
【0537】
重篤な有害事象に関する情報は、重篤有害事象フォームを使用して治験依頼者に送信され、これは、試験施設から医師によって全て記入及び署名され、24時間以内に治験依頼者に送信されなければならない。重篤な有害事象の初期及び経過観察報告は、ファクシミリ(ファックス)によって行われるべきである。
【0538】
試験の終了までに解明されていないか、又は試験における対象の参加の中断時に解明されていない全ての重篤な有害事象は、以下のいずれかが生じるまで追跡されなければならない。
・事象が解消すること
・事象が安定化すること
・ベースライン値/状態が利用可能である場合、事象はベースラインに戻ること
・事象が、試験薬剤以外の薬剤、又は試験行為に無関係な因子に起因し得ること。
・いかなる追加情報も得られる可能性が低くなること(対象又は医療従事者が、追加情報を提供することを断り、経過観察の取り組みによる適切な注意の表明後に追跡不能となった場合)。
【0539】
医薬品による感染因子の疑わしい伝播は、重篤な有害事象として報告される。試験における対象の参加の過程で生じる入院(又は入院の延長)を必要とするいずれの事象も、以下の入院を除いて重篤な有害事象として報告されなければならない:
・急性疾患又は有害事象を治療することを意図しない入院(例えば、長期療養施設における配置待機などの社会的理由)
・試験への参入前に計画された手術又は処置(文書化されなければならない)。
【0540】
試験薬剤の最後の投与から16週間以内の試験における対象の死亡の原因は、事象が予測されるか、又は試験薬剤に関連しているかどうかに関わらず、重篤な有害事象であると見なされる。
【0541】
12.3.3.妊娠
全ての妊娠の最初の報告は、適切な妊娠通知フォームを使用して、その事象の認識の24時間以内に、研究施設担当者によって治験依頼者に報告されなければならない。これは、積極的な自宅での店頭販売の妊娠検査の対象報告を含む。異常な妊娠結果(例えば、自然流産、死産、及び先天異常)は、重篤な有害事象と見なされ、重篤有害事象フォームを使用して報告されなければならない。試験中に妊娠するいかなる対象も、更なる試験処置を中止しなければならず、最後の試験投与後4ヶ月間続けなければならない。
【0542】
精子に対する試験薬の影響は不明であるため、試験に含まれる男性対象のパートナーにおける妊婦は、適切な妊娠通知フォームを使用して、その事象の認識から24時間以内に、試験施設担当者によって報告されるであろう。
【0543】
妊娠の結果及び乳児のいかなる出生後遺症の結果に関する情報も追跡することが必要とされる。
【0544】
13.製品品質の苦情処理
製品品質の苦情(PQC)は、製造、ラベル付け、又は包装に関連する製品欠陥のあらゆる疑い、すなわち、製品のラベル付け又は包装の整合性を含む、製品の同一性、品質、耐久性、又は信頼性に対するあらゆる不満として定義される。PQCは、製品の安全性及び有効性に影響を及ぼし得る。試験からのPQC性情報の適時の、正確、かつ完全な報告及び分析は、対象、治験責任医師、及び治験依頼者の保護にとって重要であり、世界中の規制機関によって命じられている。治験依頼者は、PQC情報の適切な報告を確実にするために世界的な規制要件に準拠して手順書を確立し、治験依頼者又はその関連会社によって行われる全ての試験は、これらの手順書に従って行われる。
【0545】
13.1.手順
全ての初期PQCは、事象を認識した後24時間以内に、研究施設担当者によって治験依頼者に報告されなければならない。
【0546】
欠陥が重篤な有害事象と組み合わされる場合、試験施設担当者は、重篤な有害事象報告タイムラインに従ってPQCを治験依頼者に報告しなければならない(セクション12.3.2.の重篤な有害事象を参照されたい)。疑わしい製品のサンプルは、治験依頼者によって要求される場合、更なる調査のために保持されるべきである。
【0547】
14.試験薬物情報
14.1.試験薬の物理的記述
14.1.1.IV投与
ウステキヌマブ5mg/mL(FVP)(IV)は、30mLバイアルに、1用量強度単回使用の滅菌溶液として供給される(すなわち、公称容量26mL中に130mg)。ウステキヌマブに加えて、この溶液は、10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのL−メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、二水和物を、pH6.0で含有する。防腐剤は存在しない。
【0548】
FVP(IV)のプラセボは、26mLの公称容量を有する30mLバイアルに、単回仕様の滅菌溶液として供給される。プラセボの組成は、10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのL−メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物、pH6.0である。防腐剤は存在しない。
【0549】
14.1.2.SC投与
ウステキヌマブはまた、SC投与のための1mLの公称容量中で、90mgの強度で、単回使用のラテックスを含まないPFSとして供給される。PFS中の各1mLのウステキヌマブ溶液は、6.7mMのL−ヒスチジン、7.6%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80の公称賦形剤濃度をpH6.0で有する90mgのウステキヌマブを含有する。防腐剤は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0550】
プラセボ投与は、ウステキヌマブ投与のそれぞれと同様の外観を有する。液体プラセボはまた、1mLのPFS中に供給され、pH6.0で10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80を有する。防腐剤は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0551】
結論
全身性エリテマトーデスを有する患者におけるウステキヌマブの安全性及び有効性:第2相、無作為化、プラセボ対照試験の結果
背景/目的:
IL−12/23経路は、全身性エリテマトーデス(SLE)の病因に関与している。抗IL−12/IL−23p40抗体ウステキヌマブは、乾癬、乾癬性関節炎、及びクローン病の治療に使用される。ここでは、ウステキヌマブの安全性及び有効性を、活動性SLEを有する患者において評価した。
【0552】
方法:
第2相、プラセボ対照試験は、従来の療法にもかかわらず、SLICC基準及び活動性疾患(SLEDAI−2K≧6及び≧1のBILAG A及び/又は≧2のBILAG Bスコア)によって、血清陽性(ANA、抗dsDNA、及び/又は抗スミス抗体)SLEを有する成人102人で実施した。患者(n=102)を無作為化(3:2)して、0週目に約6mg/kgのウステキヌマブ静脈内(IV)又はプラセボを受容し、次いで、ウステキヌマブ90mg又はプラセボの皮下(SC)注射をq8wで、標準的なケアに加えた。層別因子は、皮膚生検(はい/いいえ)、疾患特徴、(例えば、LN、ベースライン併用SLE薬、SLEDAIスコアの存在)、施設/領域、及び人種に同意した。24週目に、プラセボ患者に、ウステキヌマブ(90mg、SC、q8w)にクロスオーバーさせた。主要エンドポイントは、24週目のSLE応答指標(SRI−4)応答であった。24週目における主要な副次的エンドポイントには、SLEDAI−2Kにおけるベースラインからの変化、医師の全般的評価(Physician's Global Assessment)(PGA)におけるベースラインからの変化、及びBICLA応答を有する患者の比率が含まれた。エンドポイント分析には、≧1用量の試験薬剤を受け、投与前に≧1回の測定を有し、かつ≧1回のベースライン後測定を有した全ての患者が含まれた。SLE疾患活性度尺度に対する修正した治療意図の原理による(mITT)解析を実施して、24週目と48週目との間のウステキヌマブによる応答の維持を評価した。プラセボからSCウステキヌマブへとクロスオーバーさせた対象もまた、疾患活動性の尺度に対するデノボ臨床応答について評価した。安全性は56週目まで評価した。欠測データ及び治療失敗を有する患者は、非応答者として解釈された。
【0553】
結果:
患者の人口統計及び疾患特性は、処置群間でバランスがとれていた(女性=91%、平均年齢=41(18〜66)歳、平均SLEDAI−2K=10.9)。24週目において、ウステキヌマブ群の患者の61.7%は、12週目に開始するウステキヌマブの好ましい治療効果を伴い、プラセボ群における33.3%に対比してSRI−4応答を有した(p=0.0057)。ウステキヌマブ群の患者は、プラセボに対比して、SLEDAI−2Kにおける0週目から24週目までのより大きな中央値改善を有した(表5)。更に、SLEDAI−2K(24週での65%対1年目での66.7%)、PGA(24週目での67.9%対1年目での75%)、及び活動性関節(24週目での86.5%対1年目での86.5%)応答の割合もまた、ウステキヌマブ群において24週目から1年目まで持続した(表6)。CLASI奏効率(24週目での53.1%対28週目での67.7%)は28週目までに頭打ちになり、ウステキヌマブ群(68.6%)において1年にわたって維持した(表6)。BICLA非応答者間でBiLAGが悪化しない患者の比率に顕著な差が認められたが、24週目にBICLA複合応答を達成した患者の割合に差は観察されなかった。新しいBILAGフレアのリスク(≧1の新しいBILAG A又は≧2の新しいBILAG B)は、プラセボに対比してウステキヌマブ群では有意に低かった(HR 0.12[95% CI 0.01−0.94];p=0.0119)。また、ウステキヌマブは、プラセボと対比して筋骨格及び粘膜皮膚疾患の特徴における改善も実証した。抗dsDNA及びC3レベルにおける改善もまた、ウステキヌマブを用いて、24週目にも留意された。24週目までに、ウステキヌマブ患者の78%及びプラセボ患者の67%は、≧1の有害事象を有した(表5)。24週目でSCウステキヌマブにクロスオーバーされたプラセボ患者(n=33)の中で、54.5%は1年目にSRI−4応答を達成した。24週目にSCウステキヌマブにクロスオーバーされたプラセボ患者はまた、ベースラインSLEDAI−2Kからの≧4点の改善を有する患者の比率(24週目での46%対1年目での55%)、ベースラインからの≧30%の改善を有する患者の比率(24週での56%対1年目での77%)、ベースラインにおける活動性関節の数において≧50%の改善を有する患者の比率(24週目での61%対1年目での82%)、及びベースラインCLASI活動性スコアから≧50%の改善を有する患者の比率(24週目での35%対1年目での47%)を含む多数の有効性尺度に対するより大きな奏効率を実証した。ウステキヌマブ曝露患者のうちの、81.7%は≧1のTEAEを有し、15.1%は≧1のSAEを有し、7.5%は1年目までに≧1の重篤な感染を有した(表7)。試験において観察された死亡、悪性腫瘍、日和見感染、又は結核症例は存在しなかった。ウステキヌマブ安全性プロフィールは、他の疾患における以前の試験と一致した。
【0554】
結論
ウステキヌマブは、プラセボと比較して、活動性SLEにおける多くの臨床及び検査室パラメータにおいて有意に良好な有効性、及び24週目での同等の安全性を示した。ウステキヌマブはまた、1年目まで、全体的な持続した臨床利益及び器官特異的SLE活動性尺度を提供した。疾患活動性尺度に対する奏効率におけるデノボ増加が、24.目にプラセボからSCウステキヌマブにクロスオーバーさせた患者において観察された。ウステキヌマブの安全性プロファイルもまた、他の適用症と一致した。したがって、ウステキヌマブは、SLEの治療のための新規な作用機序を有する臨床的に証明された安全な、かつ臨床的に証明された有効な療法である。
【0555】
【表13】
【0556】
【表14】
【0557】
【表15】
【0558】
【表16】
【0559】
参照文献
1.Albrecht J,Taylor L,Berlin JA,et al.The CLASI(Cutaneous Lupus Erythematosus Disease Area and Severity Index):an outcome instrument for cutaneous lupus erythematosus.J Invest Dermatol.2005;125(5):889−894。
2.Bennett L,Palucka AK,Arce E,et al.Interferon and granulopoiesis signatures in systemic lupus erythematosus blood.J Exp Med.2003;197:711−723。
3.Chen XQ,Yu YC,Deng HH,et al.Plasma IL−17A is increased in new−onset SLE patients and associated with disease activity.J Clin Immunol.2010;30:221−225。
4.Crispin JC,Oukka M,Bayliss G,et al.Expanded double negative T cells in patients with systemic lupus erythematosus produce IL−17 and infiltrate the kidneys.J Immunol.2008;181:8761−8766。
5.Dahl C,Johansen C,Kragballe K,Olesen AB.Ustekinumab in the treatment of refractory chronic cutaneous lupus erythematosus:a case report.Acta Derm Venereol.2013;93:368−369。
6.De Souza A,Ali−Shaw T,Strober BE,Franks Jr AG.Successful treatment of subacute lupus erythematosus with ustekinumab.Arch Dermatol.2011;147:896−898。
7.Feagan,BG,Sandborn WJ,Gasink C,et al.Ustekinumab as Induction and Maintenance Therapy for Crohn’s Disease.N Engl J Med.2016;375(20):1946−1960。
8.Felson DT,Anderson JJ,Boers M,et al.American College of Rheumatology preliminary definition of improvement in rheumatoid arthritis.Arthritis Rheum.1995;38(6):727−735。
9.Fine DM,Ziegenbein M,Petri M,et al.A prospective study of protein excretion using short−interval timed urine collections in patients with lupus nephritis.Kidney Int.2009;76(12):1284−1288。
10.Furie RA,Petri MA,Wallace DJ,et al.Novel evidence−based systemic lupus erythematosus responder index.Arthritis & Rheumatism.2009;61(9):1143−1151。
11.Gladman DD,Ibanez D,Urowitz MB.Systemic lupus erythematosus disease activity index 2000.J Rheumatol.2002;29(2):288−291。
12.Han JW,Zheng HF,Cui Y,et al.Genome−wide association study in a Chinese Han population identifies nine new susceptibility loci for systemic lupus erythematosus.Nat Genet.2009;41:1234e7。
13.Hay EM,Bacon PA,Gordon C,et al.The BILAG index:a reliable and valid instrument for measuring clinical disease activity in systemic lupus erythematosus.Quart J Medicine.1993;86:447−458。
14.Huang X,Hua J,Shen N,Chen S.Dysregulated expression of interleukin−23 and interleukin−12 subunits in systemic lupus erythematosus patients.Mod Rheumatol.2007;17(3):220−223。
15.Illei,G.,Wang,L.,Greth,W.,& Khamashta,M.(2015).The effect of geography on the efficacy of sifalimumab,an anti−interferon alpha monoclonal antibody,in moderate to severe systemic lupus erythematosus.Gaithersburg:MedImmune.Clin Exp Rheumatol.2015;33(3 Suppl.90):abstr P5.10(11th International Congress on Systemic Lupus Erythematosus,2−6 September 2015,Vienna,Austria)。
16.International Consortium for Systemic Lupus Erythematosus Genetics(SLEGEN),Harley J,Alarcon−Riquelme M,et al.Genome−wide association scan in women with systemic lupus erythematosus identifies susceptibility variants in ITGAM,PXK,KIAA1542 and other loci.Nat Genet.2008;40(2):204−210。
17.Isenberg DA,Rahman A,Allen E,et al.BILAG 2004.Development and initial validation of an updated version of the British Isles Lupus Assessment Group’s disease activity index for patients with systemic lupus erythematosus.Rheumatology.2005;44:902−906。
18.Kim HS,Kim I,Kim JO,Bae JS,Shin HD,Bae SC,No association between interleukin 23 receptor gene polymorphisms and systemic lupus erythematosus.Rheumatol Int.2009;30:33−38。
19.Krupp LB,LaRocca NG,Muir−Nash J,Steinberg AD.The fatigue severity scale:application to patients with multiple sclerosis and systemic lupus erythematosus.Arch Neurol.1989;46(10);1121−1123。
20.Linker−Israeli M,Deans RJ,Wallace DJ,et al.Elevated levels of endogenous IL−6 in systemic lupus erythematosus.A putative role in pathogenesis.J Immunol.1991;147:117−123。
21.McHorney CA,Ware JE Jr,Lu JF,Sherbourne CD.The MOS 36−item Short−Form Health Survey(SF−36):III.Tests of data quality,scaling assumptions,and reliability across diverse patient groups.Med Care.1994;32(1):40−66。
22.Navarra SV,Guzman RM,Gallacher AE,et al.Efficacy and safety of belimumab in patients with active systemic lupus erythematosus:a randomised,placebo−controlled,phase 3 trial.Lancet.2011;377:721−731。
23.Niewold TB,Hua J,Lehman TJA,Harley JB,Crow MK.High serum IFN−α activity is a heritable risk factor for systemic lupus erythematosus.Genes Immuno.2007,8(6):492−502。
24.Oh SH,Roh HJ,Kwon JE,et al.Expression of interleukin−17 is correlated with interferon−α expression in cutaneous lesions of lupus erythematosus.Clin Exp Dermatol.2011;36:512−520。
25.Petri M,Orbai AM,Alarcon GS,et al.Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus.Arthritis Rheum.2012;64(8):2677−2686。
26.Qiu F,Song L,Yang N,Li X.Glucocorticoid downregulates expression of IL−12 family cytokines in systemic lupus erythematosus patients.Lupus.2013;22(10):1011−1016。
27.Samsa G,Edelman D,Rothman ML,et al.Determining clinically important differences in health status measures:a general approach with illustration to the Health Utilities Index Mark II.Pharmacoeconomics.1999;15(2):141−155。
28.Sanchez E,Rueda B,Callejas JL,et al.Analysis of interleukin−23 receptor(IL23R)gene polymorphisms in systemic lupus erythematosus.Tissue Antigens.2007;70:233−237。
29.Sestak AL,Furnrohr BG,Harley JB,Merrill JT,Namjou B.The genetics of systemic lupus erythematosus and implications for targeted therapy.Ann Rheum Dis.2011;70(S1):i37−i43。
30.Shah K,Lee WW,Lee SH,et al.Dysregulated balance of Th17 and Th1 cells in systemic lupus erythematosus.Arthritis Res Ther.2010;12:R53。
31.Tanasescu CE,Balanescu P,Balanescu R,et al.IL−17 in cutaneous lupus erythematosus.Eur J Intern Med.2010;21:202−207。
32.Touma Z,Gladman DD,Ibanez D,Urowitz MB.Development and initial validation of the systemic lupus erythematosus disease activity index 2000 responder index 50.J Rheumatol.2011;38:2;doi:10.3899/jrheum.100724。
33.Touma Z,Gladman DD,Urowitz MB.SLEDAI−2K for a 30 day window.Lupus.2010a:19(1):49−51.Epub 2009 Nov 12。
34.Touma Z,Urowitz M,Ibanez D,Gladman D.SLEDAI−2K 10 days versus SLEDAI−2K 30 days in a cross−sectional and longitudinal evaluation.Lupus.The 9th International Congress on SLE June 24−27 2010c,Vancouver,Canada.Abstract PO2.D.6。
35.Touma Z;Urowitz M,Gladman D.SLEDAI−2K Responder Index−50(SRI−50).Lupus.The 9th International Congress on SLE June 24−27 2010b,Vancouver,Canada.Abstract PO2.D.7。
36.Van Vollenhoven RF,Petri MA,Cervera R.et al.Belimumab in the treatment of systemic lupus erythematosus:high disease activity predictors of response.Ann Rheum Dis.2012;71(8):1343−1349。
37.Vincent FB,Northcott M,Hoi A,et al.Clinical associations of serum interleukin−17 in systemic lupus erythematosus.Arthritis Res Ther.2013;15:R97。
38.Wallace DJ,Strand D,Furie V,et al.Evaluation of Treatment Success in Systemic Lupus Erythematosus Clinical Trials:Development of the British Isles Lupus Assessment Group−based Composite Lupus Assessment Endpoint.Arthritis Rheum.2011;63(S10):S885。
39.Wallace DJ.Lupus:The essential clinician’s guide.New York,NY:Oxford University Press,Inc;2008。
40.Ware JE.SF−36 Health Survey Update.Spine.2000;25(24):3130−3139。
41.Ware JE,Kosinski M,Keller SK.SF−36 Physical and Mental Health Summary Scales:A User’s Manual.Boston,MA:The Health Institute,1994。
42.Ware JE Jr,Sherbourne CD.The MOS 36 item short−form health survey(SF 36),I:conceptual framework and item selection.Med Care.1992;30(6):473−483。
43.Winchester D,Duffin KC,Hansen C.Response to ustekinumab in a patient with both severe psoriasis and hypertrophic cutaneous lupus.Lupus.2012;21:1007−1010。
44.Wong CK,Lit LCW,Tam LS,et al.Hyperproduction of IL−23 and IL−17 in patients with systemic lupus erythematosus:implications for Th17−mediated inflammation in auto−immunity.Clin Immunol.2008;127:385−393。
45.Yang X,Wang H,Zhao X,et al.Th22,but not Th17 might be a good index to predict the tissue involvement of systemic lupus erythematosus.J Clin Immunol.2013;33:767−774。
46.Zhao XF,Pan HF,Yuan H,et al.Increased serum interleukin 17 in patients with systemic lupus erythematosus.Mol Biol Rep.2010;37:81−85。
【0560】
【表17】
【0561】
付録2:QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験
The QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験は、TBスクリーニングのためのインターフェロン−γ(IFN−γ)系血液アッセイのうちの1つである(Cellestis,2009)。これは、標準フォーマットで最近同定された結核菌(M. tuberculosis)特異抗原ESAT−6及びCFP−10、並びにインチューブ形式のTB7.7(p4)を利用して、感染した個体におけるインビトロでの細胞媒介性免疫応答を検出する。QuantiFERON(登録商標)−TB Goldアッセイは、合成M.tuberculosis特異抗原で刺激したときに、増感T細胞によって産生されるIFN−γの量を測定する。結核菌感染者では、増感Tリンパ球は、M.tuberculosis特異抗原による刺激に応答してIFN−γを分泌し、したがって、QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験は、陽性であるべきである。試験に使用される抗原は、BCGにおいては見られないM.tuberculosisに特異的であるため、試験は、ツベルクリン皮膚検査とは異なり、BCGワクチン接種によって交絡されない。しかしながら、3つのマイコバクテリウム(Mycobacterium)種、マイコバクテリウム・カンサシ(M. kansasii)、マイコバクテリウム・マリヌム(M. marinum)、及びマイコバクテリウム・ツルガイ(M. szulgai)といくつかの交差反応性がある。したがって、陽性試験は、M.tuberculosis感染の不在下で、これら3種のマイコバクテリウムのうちの1種を感染させた結果であり得る。
【0562】
活動性TBを有する対象におけるQuantiFERON−(登録商標)−TBゴールド試験(標準フォーマット)の研究では、感度はおよそ89%であることが示されている(Mori et al,2004)。健康なBCG−ワクチン接種個体における試験の特異性は、98%超であることが実証されている。対照的に、ツベルクリン皮膚検査の感度及び特異性は、活動性TB及び健康なBCG−ワクチン接種若年成人を有する日本の患者の研究において、それぞれ約66%及び35%のみであることに留意された。しかしながら、ツベルクリン皮膚検査の感度及び特異性は、研究されている集団に依存し、ツベルクリン皮膚検査は、BCG−ワクチン接種されていない健常な若年成人において最良に機能する。
【0563】
免疫抑制集団におけるQuantiFERON(登録商標)−TBゴールドアッセイの性能を調査する限定された数の公表された研究からのデータは、QuantiFERON(登録商標)−TBゴールド試験の感度が、免疫抑制患者においてもツベルクリン皮膚検査よりも良好であることを示唆している(Ferrara et al,2005;Kobashi et al,2007;Matulis et al,2008)。潜在感染を検出するためのIFN−γベースの試験の能力は、ゴールドスタンダード診断試験の欠如により、研究が困難であった。しかしながら、いくつかのTBアウトブレイク研究は、試験が、接触がTB初発症例(index TB case)に達した曝露の程度と、ツベルクリン皮膚検査よりも良好に相関したことを実証した(Brock et al,2004;Ewer et al,2003)。加えて、TB接触トレーシング試験は、陽性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有し、潜在性TB感染のために治療されなかった患者が、陽性のツベルクリン皮膚検査及び陰性のQuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験結果を有する患者よりも、長期追跡調査中に活動性TBを発症する可能性がはるかに高かったことを示している(Higuchi et al,2007;Diel et al,2008)。
【0564】
活動性又は潜在性M.tuberculosis感染に対する新たなIFNγベースの血液試験の性能は、免疫抑制集団において十分に検証されていないが、これらの新たな試験は、ツベルクリン皮膚検査よりも、少なくとも、同じくらい、感受性、及び明確に具体的ではない場合には、これらの新たな試験は、少なくとも、それ以上、感受性、及び明確により特異的であると専門家は考えている(Barnes,2004;personal communication,April,2008 TB Advisory Board)。
【0565】
QuantiFERON(登録商標)−TB Goldのインチューブ試験の実施
この試験のために、QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験インチューブ形式が提供される。インチューブ形式は、試験の特異性を増加させると考えられる、1つの追加のM.tuberculosis特異的抗原、TB7.7(p4)を含有する。
【0566】
インチューブ形式を使用して試験を実施するために、血液は、標準的な静脈穿刺を通して、M.tuberculosis特異抗原を既に含有する供給管に引き込む。対象毎におよそ3本のチューブが必要であり、それぞれ1mLの血液を必要とする。1つのチューブは、M.tuberculosis特異的抗原を含有し、残りのチューブは陽性対照試薬及び陰性対照試薬を含有する。血液を抗原と完全に混合することが、インキュベーション前に必要である。次いで、血液を37℃で16〜24時間インキュベートし、その後、管を2000〜3000gでおよそ15分間遠心分離する。遠心分離後、血漿を各チューブから採取し、凍結し、ドライアイス上で中央検査室に搬送する。中央検査室は、分光光度法及びコンピュータソフトウェア分析を使用して、血漿中に存在するIFN−γの量を定量化する。
【0567】
中央検査室は、各対象について結果を分析及び報告し、施設は結果の通知を受ける。不確定な結果を有する対象には、試験を繰り返すべきである。
【0568】
ローカルガイドラインへのアドヒアランス
免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインは、潜在性TBの容認可能な抗結核治療レジメンに関して相談する必要がある。免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインが存在しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0569】
QuantiFERON(登録商標)−TB Gold試験が承認/登録されていない国では、ツベルクリン皮膚検査が更に必要とされている。
【0570】
参考文献
Barnes PF.Diagnosing latent tuberculosis infection:Turning glitter to gold[editorial].Amer J Respir Crit Care Med.2004;170:5−6.
Brock I,Weldingh K,Lillebaek T,et al.Comparison of tuberculin skin test and new specific blood test in tuberculosis contacts.Am J Respir Crit Care Med.2004;170:65−69.
Cellestis.QuantiFERON−TB Gold clinicians guide and QuantiFERON−TB Gold In−Tube Method package insert.Downloaded from www.cellestis.com,February 2009.
Diel R,Loddenkemper R,Meywald−Walter K,Niemann S,Nienhaus A.Predictive value of a whole blood IFN−λ assay for the development of active tuberculosis disease after recent infection with mycobacterium tuberculosis.Am J Respir Crit Care Med.2008;177:1164−1170.
Ewer K,Deeks J,Alvarez L,et al.Comparison of T−cell−based assay with tuberculin skin test for diagnosis of Mycobacterium tuberculosis infection in a school tuberculosis outbreak.Lancet.2003;361:1168−73.
Ferrara G,Losi M,Meacci M,et al.Routine hospital use of a new commercial whole blood interferon−γ assay for the diagnosis of tuberculosis infection.Am J Respir Crit Care Med.2005;172:631−635.
Higuchi K,Nobuyuki H,Mori T,Sekiya Y.Use of QuantiFERON−TB Gold to investigate tuberculosis contacts in a high school.Respirology.2007;12:88−92.
Kobashi Y,Mouri K,Obase Y,et al.Clinical evaluation of QuantiFERON−TB−2G test for immunocompromised patients.Eur Respir J.2007;30:945−950.
Matulis G,Juni P,Villiger PM,Gadola SD.Detection of latent tuberculosis in immunosuppressed patients with autoimmune diseases:performance of a Mycobacterium tuberculosis antigen−specific interferon λ assay.Ann Rheum Dis.2008;67:84−90
Mori T,Sakatani M,Yamagishi F,et al.Specific detection of tuberculosis infection:An interferon−γ−based assay using new antigens.Am J Respir Crit Care Med.2004;170:59−64.
【0571】
付録3:ツベルクリン皮膚検査
マントーツベルクリン皮膚検査の施行
マントーツベルクリン皮膚検査(CDC、2000)は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染した人を特定する標準的な方法である。複数の穿刺試験(Tine及びHeaf)は、皮内注射されたツベルクリンの量が正確に制御することができないため、ヒトが感染しているかどうかを判定するために使用されるべきではない。ツベルクリン皮膚検査は、妊娠過程全体にわたって安全かつ信頼性が高い。0.1mLのツベルクリンの皮内注射を前腕の内側表面に配置することによって、マントーツベルクリン皮膚検査を実施する。この検査は、世界保健機関によって推奨されるように、標準的な精製タンパク質誘導体(PPD)Sの5ツベルクリン単位(TU)、又はPPD RT23、Statens Seruminstitutの2TUのいずれかと少なくとも同じ強度を有するツベルクリンを用いて実施しなければならない。1 TU又は250 TUのPPD強度は許容できない(Menzies,2000)。注射は、針ベベルを上向きにした使い捨てのツベルクリン注射器を使用して、皮膚の表面の真下で行われるべきである。これは、直径6mm〜10mmの皮膚(皮内丘疹)のはっきりと区別される青白い隆起部を作り出すはずである。針刺し創を防止するために、針は、使い捨て注射器から再キャップされ、意図的に屈曲若しくは破壊されるか、又は取り外されるべきではなく、ないしは別の方法で手で操作されるべきではない。それらが使用された後、使い捨て針及び注射器は、廃棄のために耐穿刺性容器内に配置されるべきである。感染制御(例えば、手袋の使用)のための普遍的予防策に関する施設ガイドラインに従うべきである。訓練された医療従事者、好ましくは治験責任医師は、注射の48〜72時間後に、マントー試験対する反応を読み取るべきである。対象自身でツベルクリン検査結果を読み取ることを、決して許可するべきではない。対象が計画された読み取りのために来院しなかった場合、陽性反応は、試験後に最長1週間まで測定可能であり得る。しかしながら、72時間以内に戻ることができない対象が試験が陰性である場合、ツベルクリン検査を繰り返すべきである。注射部位の周囲の硬結(触診可能な隆起した硬化領域)の面積は、ツベルクリンへの反応部である。標準化のために、硬結の直径は、前腕の長軸に対して横方向(垂直)に測定されるべきである。紅斑(発赤)は測定されるべきではない。全ての反応は、陰性として分類されたものであっても、ミリメートル単位で記録されるべきである。
【0572】
ツベルクリン皮膚検査結果の解釈
米国及び多くの他の国では、ツベルクリン皮膚検査に対する陽性の最も保存的な定義は、免疫不全患者のために確保されており、この定義は、対象がベースラインにおいて免疫不全でない場合であっても、潜在性TBを検出する可能性を最大化するために、この試験において適用されるべきである。
【0573】
米国及びカナダでは、皮内ツベルクリン皮膚検査に反応して5mm以上の硬結は、潜在性又は活動性TBのいずれかの陽性結果及び証拠であると見なされる。
【0574】
米国及びカナダ以外の国では、免疫不全患者に対する各国毎のガイドラインが、ツベルクリン皮膚検査結果の解釈について相談するべきである。免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインが存在しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0575】
潜在性結核の治療
免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインは、潜在性TBの容認可能な抗結核治療レジメンに関して相談する必要がある。免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインが存在しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0576】
参考文献
Centers for Disease Control and Prevention.Core curriculum on tuberculosis:What the clinician should know(Fourth Edition)。Atlanta,GA:Department of Health and Human Services;Centers for Disease Control and Prevention;National Center for HIV,STD,and TB Prevention;Division of Tuberculosis Elimination;2000:25−86。
Menzies RI.Tuberculin skin testing.Reichman LB,Hershfield ES(eds).Tuberculosis,a comprehensive international approach.2nd ed.New York,NY:Marcel Dekker,Inc;2000:279−322。
【0577】
付録4:HBVスクリーニング及びモニタリング
対象は、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)のスクリーニングを受けなければならない。最低でも、これには、HBsAg(HBV表面抗原)、抗HBs(HBV表面抗体)、及び総抗HBc(HBVコア抗体の合計)を試験することを含む。
1)全てのHBVスクリーニング検査(すなわち、HBsAg、抗HBc、及び抗HBs)に関して陰性である対象が、この試験に適格である。
2)表面抗原検査が陰性(HBsAg−)で、かつコア抗体検査陽性(抗HBc+)で表面抗体検査陽性(抗HBs+)である対象は、この試験に適格である。
3)表面抗体検査のみが陽性(抗HBs+)の対象は、この試験に適格である。
4)表面抗原検査が陽性(HBsAg+)である対象は、他のB型肝炎検査の結果にかかわらず、この試験には不適格である。
5)コア抗体検査のみが陽性(抗HBc+)の対象は、更にB型肝炎ウイルスデオキシリボ核酸の存在について更なる検査(HBV DNA試験)を受けなければならない。HBV DNAの検査が陽性であれば、その対象はこの試験に適格ではない。HBV DNAの検査が陰性であれば、その対象はこの試験に適格である。HBV DNAの検査ができない場合には、その対象はこの試験に適格ではない。
【0578】
HBVの検査結果によりこの試験に不適格となった対象については、B型肝炎ウイルス感染の治療に関して専門家と医師とが相談することが推奨される。
【0579】
【表18】
【0580】
本発明の更なる実施形態
本明細書の他の箇所の開示に従う、本発明の特定の更なる実施形態を以下に記載する。本明細書に開示される本発明に関連するものとして上述された本発明の実施形態の特徴は、これらの番号付けされた更なる実施形態のうちのそれぞれ1つ1つにもまた関係する。
1.SLEなどのループスを有する対象又は患者を、静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)で投与される臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で治療する際に使用するための抗IL−12及び/又はIL−23抗体、若しくは抗IL−12/23p40抗体。
2.臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量でSLEを有する対象又は患者を治療する際に使用するための抗IL−12/IL−23p40抗体であって、抗体が、下記を含む、重鎖及び軽鎖と共に重鎖及び軽鎖可変領域を含み、
(i)重鎖が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRHI)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と、を含むか、あるいは、
(ii)重鎖可変領域が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号8のアミノ酸配列を含むか、あるいは、
(iii)重鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖が、配列番号11のアミノ酸配列を含む、抗IL−12/IL−23p40抗体。
3.初回投与が、0週目に静脈内(IV)用量であり、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、初回SC用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)SC用量で投与される、実施形態2に記載の使用。
4.初回IV用量が、6.0mg/kg±1.5mg/kgであり、SC用量が、90mgである、実施形態3に記載の使用。
5.初回IV用量が、体重が≧35kg〜≦55kgまでの患者に対しては260mgであり、体重が>55kg〜≦85kgまでの患者に対しては390mgであり、体重が>85kgの患者に対しては20mgである、実施形態4に記載の使用。
6.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI−4応答)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
7.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、新しいブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)フレアのリスクにおける、≧1の新しいBILAG Aドメインスコア又は≧2の新しいBILAG Bドメインスコアとして定義される、統計的に有意な低減を有するものとして特定される、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
8.プラセボで治療された患者と比べて、抗体による治療を受けた患者について、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%の改善を有する患者の比率の統計的に有意な増加がある、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
9.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、ベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
10.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、1年の治療を通じて持続される治療の24週目までに、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定され、疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI−2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI−4応答)、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%の改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
11.IV投与で使用するための抗体が、10mMのL−ヒスチジン、8.5%(w/v)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
12.SC投与で使用するための抗体が、6.7mMのL−ヒスチジン、7.6%(w/v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
13.使用が、ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を更に含む、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。
14.追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノール酸、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20抗体、リツキシマブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択される、実施形態1〜5のいずれかに記載の使用。