(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
環Aはフェニル基、ピリジル基、キノリニル基、キノキサリニル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル基、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサゾリル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル基、1H−インダゾリル基、ベンゾ[d]イソオキサゾリル基、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジル基、1Hベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジル基、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル基、1H−インダゾリル基及びベンゾ[d]トリアゾリル基から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【発明を実施するための形態】
【0032】
定義と説明
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学的判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
【0033】
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物の中性の形態と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウムの塩あるいは類似の塩を含む。本発明の化合物に比較的に塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物の中性の形態と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、更にアミノ酸(たとえばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、ベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
【0034】
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい。
【0035】
塩の形態以外、本発明によって提供される化合物は、プロドラッグの形態も存在する。本明細書で記載される化合物のプロドラッグは、生理条件で化学的変化が生じて本発明の化合物に転化しやすい。また、プロドラッグ薬物は、体内環境で化学又は生物化学の方法で本発明の化合物に転換される。
【0036】
本発明の一部の化合物は、非溶媒和物の形態又は溶媒和物の形態で存在してもよく、水和物の形態を含む。一般的に、溶媒和物の形態は非溶媒和物の形態と同等であり、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【0037】
本明細書に記載された化合物がオレフィン系の二重結合又はほかの幾何学的不斉中心を含有する場合、別途に定義しない限り、これらは、E、Z幾何異性体を含む。同様に、すべての互変異性形態も本発明の範囲内に含まれる。
【0038】
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、すべてのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(−)−及び(+)−鏡像異性体、(R)−及び(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、及びそのラセミ混合物ならびにほかの混合物、たとえばエナンチオマー又はジアステレオマーを多く含有する混合物を含み、すべてのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル基などの置換基にほかの不斉炭素原子が存在してもよい。すべてのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0039】
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
【0040】
別途に説明しない限り、用語「シス−トランス異性体」又は「幾何異性体」とは二重結合又は環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによる。
【0041】
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
【0042】
別途に説明しない限り、「(D)」又は「(+)」は右旋を、「(L)」又は「(−)」は左旋を、「(DL)」又は「(±)」はラセミを表す。
【0043】
別途に説明しない限り、
【化24】
で一つの立体中心の絶対配置を、
【化25】
で一つの立体中心の相対配置を、
【化26】
で
【化27】
を、或は、
【化28】
で
【化29】
を表す。
【0044】
本発明の化合物は、特定のものが存在してもよい。別途に説明しない限り、用語「互変異性体」又は「互変異性体の形態」とは室温において、異なる官能基の異性体が動的平衡にあり、かつ快速に互いに変換する。互変異性体が可能であれば(溶液において)、互変異性体の化学的平衡に達することが可能である。たとえば、プロトン互変異性体(proton tautomer)(プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomer)とも呼ばれる)は、プロトンの移動を介する相互変換、たとえばケト−エノール異性化やイミン−エナミン異性化を含む。原子価互変異性体(valence tautomer)は、一部の結合電子の再構成による相互変換を含む。中では、ケト−エノール互変異性化の具体的な実例は、ペンタン−2,4−ジオンと4−ヒドロキシ−3−ペンテン−2−オンの二つの互変異性体の間の相互変換である。
【0045】
別途に説明しない限り、用語「一つの異性体を豊富に含む」、「異性体が豊富に含まれる」、「一つの鏡像異性体を豊富に含む」又は「鏡像異性体が豊富に含まれる」とは、含まれる一つの異性体又は鏡像異性体の含有量が100%未満で、かつ当該異性体又は鏡像異性体の含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上である。
【0046】
別途に説明しない限り、用語「異性体の過剰量」又は「鏡像異性体の過剰量」とは、二つの異性体又は二つの鏡像異性体の間の相対百分率の差の値である。たとえば、その一方の異性体又は鏡像異性体の含有量が90%で、もう一方の異性体又は鏡像異性体の含有量が10%である場合、異性体又は鏡像異性体の過剰量(ee値)は80%である。
【0047】
光学活性な(R)−及び(S)−異性体ならびにD及びL異性体は、不斉合成又はキラル試薬又はほかの通常の技術を用いて調製することができる。本発明のある化合物の一つの鏡像異性体を得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要の鏡像異性体を提供する。或は、分子に塩基性官能基(たとえばアミノ基)又は酸性官能基(たとえばカルボキシ基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、更に本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーの分割を行った後、回収して単離された鏡像異性体を得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって行われ、前記クロマトグラフィー法はキラル固定相を使用し、かつ任意に化学誘導法(たとえばアミンからカルバミン酸塩を生成させる。)と併用する。本発明の化合物は、当該化合物を構成する一つ又は複数の原子には、非天然の比率の原子同位元素が含まれてもよい。たとえば、三重水素(
3H)、ヨウ素−125(
125I)又はC−14(
14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。また、たとえば、水素を重水素で置換して重水素化薬物を形成し、重水素と炭素からなる結合は水素と炭素からなる結合よりも強固で、未重水素化薬物と比べ、重水素化薬物は毒性・副作用の低下、薬物の安定性の増加、治療効果の増強、薬物の生物半減期の延長などの優勢がある。本発明の化合物のすべての同位元素の構成の変換は、放射性の有無を問わず、いずれも本発明の範囲内に含まれる。用語「薬学的に許容される担体」とは本発明の有効量の活性物質を送達することができ、活性物質の生物活性を干渉せず、かつ宿主又は患者に毒・副作用がない任意の製剤又は担体媒体を指し、代表的な担体は水、油、ミネラル、クリームベース、洗剤ベース、軟膏ベースなどを含む。これらのベースは懸濁剤、増粘剤、皮膚透過促進剤などを含む。これらの製剤は化粧品分野又は局部薬物分野の技術者に周知である。
【0048】
用語「賦形剤」とは通常の場合、有効な薬物組合物を調合するとき必要な担体、希釈剤及び/又は媒体を指す。
【0049】
薬物又は薬理学的活性剤について、用語「有効量」又は「治療有効量」とは毒性がなく期待の効果が得られる薬物又は薬剤の充分な使用量を指す。本発明における経口投与剤形について、組成物における一つの活性物質の「有効量」とは、当該組成物におけるもう一つの活性物質と併用する時、期待の効果に必要な使用量を指す。有効量の確定は人によるが、被投与者の年齢及び基本状況、そして具体的な活性物質で決まり、特定のケースにおける適切な有効量は当業者が通常の試験によって決めてもよい。
【0050】
用語「活性成分」、「治療剤」、「活性物質」又は「活性剤」とは、化学的実体で、有効に目的の障害、疾患又は病症を治療することができる。
【0051】
「任意の」又は「任意に」とは後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合及びその事項又は状況が生じない場合を含むことを意味する。
【0052】
用語「置換された」とは、特定の原子における任意の一つ又は複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基が酸素(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。酸素置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換された」とは、置換されてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
【0053】
変量(たとえばR)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0〜2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0054】
連結基の数が0の場合、たとえば−(CRR)
0−は、当該連結基が単結合であることを意味する。
【0055】
そのうちの一つの変量が単結合の場合、それで連結している2つの基が直接連結しており、たとえばA−L−ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA−Zになる。
【0056】
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、たとえばA−XにおけるXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。一つの置換基の結合は一つの環における一つ以上の原子に連結する場合、このような置換基はこの環における任意の原子と結合してもよい。たとえば、構造単位
【化30】
の置換基Rは、シクロヘキシル基又はシクロヘキサジエンにおける任意の位置に置換されることを表す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された基に連結するか明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合してもよい。たとえば、ピリジル基は置換基として、ピリジン環における任意の炭素原子を通して置換された基に連結する。挙げられた連結基に対してその連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意で、たとえば、
【化31】
における連結基Lは−M−W−で、この時−M−W−は左から右への読む順と同様の方向で環Aと環Bを連結して
【化32】
を構成してもよく、左から右への読む順と反対の方向で環Aと環Bを連結して
【化33】
を構成してもよい。前述の連結基、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
【0057】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子団(すなわちヘテロ原子を含有する原子団)を指し、炭素(C)及び水素(H)以外の原子及びこれらのヘテロ原子を含有する原子団を含み、たとえば酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、−O−、−S−、=O、=S、−C(=O)O−、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)、−S(=O)
2−、及び任意に置換された−C(=O)N(H)−、−N(H)−、−C(=NH)−、−S(=O)
2N(H)−又は−S(=O)N(H)−を含む。
【0058】
別途に定義しない限り、「環」は置換又は無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基或はヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、連結環、スピロ環、縮合環又は架橋環を含む。環における原子の数は、通常、環の員数と定義され、たとえば「5〜7員環」とは環状に並ぶ5〜7個の原子を表す。別途に定義しない限り、当該環は任意に1〜3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5〜7員環」はたとえばフェニルピリジン及びピペリジル基を含む。一方、用語「5〜7員のヘテロシクロアルキル基環」はピリジル基及びピペリジル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」は更に少なくとも一つの環を含む環系を含み、その中の各「環」はいずれも独立に上記定義に準じる。
【0059】
別途に定義しない限り、用語「ヘテロ環」又は「ヘテロ環基」とは安定したヘテロ原子又はヘテロ原子団を含有する単環又は二環又は三環で、飽和、部分不飽和又は不飽和(芳香族)のものでもよく、炭素原子と1、2、3又は4個の独立にN、O及びSから選ばれる環ヘテロ原子を含み、ここで、上記任意のヘテロ環がベンゼン環と縮合して二環を形成してもよい。窒素及び硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNO及びS(O)pで、pは1又は2である)。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちN又はNRで、ここで、RはH又は本明細書で定義されたほかの置換基である)。当該ヘテロ環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子の側基に結合して安定した構造を形成してもよい。形成した化合物が安定したものであれば、ここに記載されたヘテロ環は炭素又は窒素の位置における置換が生じてもよい。ヘテロ環における窒素原子は任意に第四級アンモニウム化されてもよい。一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるS及びO原子の合計が1を超える場合、これらのヘテロ原子はお互いに隣接しない。もう一つの好適な形態は、ヘテロ環におけるS及びO原子の合計が1以下である。本明細書で用いられるように、用語「芳香族ヘテロ環基」又は「ヘテロアリール基」とは、安定した5、6、7員の単環又は二環或は7、8、9又は10員の二環ヘテロ環基の芳香環で、炭素原子と1、2、3又は4個の独立にN、O及びSから選ばれる環ヘテロ原子を含む。窒素原子は、置換されたものでも無置換のものでもよい(すなわちN又はNRで、ここで、RはH又は本明細書で定義されたほかの置換基である)。窒素及び硫黄のヘテロ原子は、任意に酸化されてもよい(すなわちNO及びS(O)pで、pは1又は2である)。注意すべきなのは、芳香族ヘテロ環におけるS及びO原子の合計が1以下であることである。架橋環もヘテロ環の定義に含まれる。一つ又は複数の原子(すなわちC、O、N又はS)が2つの隣接しない炭素原子又は窒素原子と連結すると架橋環になる。好適な架橋環は、一つの炭素原子、二つの炭素原子、一つの窒素原子、二つの窒素原子及び一つの炭素−窒素基を含むが、これらに限定されない。注意すべきなのは、一つの架橋はいつも単環を三環に変換させることである。架橋環において、環における置換基も架橋に現れてもよい。
【0060】
ヘテロ環化合物の実例は、アクリジニル、アゾシニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフリル基、ベンゾメルカプトフリル基、ベンゾメルカプトフェニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサゾリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾテトラゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリニル基、カルバゾリル基、4aH−カルバゾリル基、カルボリニル基、クロマニル、クロメン、シンノリニルデカヒドロキノリニル基、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフリル基、フリル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリル基、1H−インダゾリル基、インドールアルケニル、ジヒドロインドリル基、インドリジニル基、インドリル基、3H−インドリル基、イソベンゾフリル基、イソインドリル基、イソジヒドロインドリル基、イソキノリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、メチレンジオキシフェニル基、モルホリル基、ナフチリジニル基、オクタヒドロイソキノリニル基、オキサジアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基、1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリル基、ヒドロキシインドリル基、ピリミジニル基、フェナントリジニル基、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、ベンゾヒポキサンチニル基、フェノキサジニル基、フタラジニル基、ピペラジル基、ピペリジル基、ピペリドニル基、4−ピペリドニル基、ピペロニル基、プテリジニル基、プリニル基、ピラニル基、ピラジニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリル基、ピリダジル基、ピロロオキサゾール、ピロロイミダゾール、ピロロチアゾール、ピリジル基、ピロリジル基、ピロリニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、キナゾリニル基、キノリニル基、4H−キノリジジニル基、キノキサリニル基、キヌクリジン環基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラゾリル基,6H−1,2,5−チアジアジニル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、チアントレニル基、チアゾリル基、イソチアゾリルチエニル基、チエノオキサゾリル基、チエノチアゾリル基、チエノイミダゾリル基、チエニル基、トリアジル基、1H−1,2,3−トリアゾリル基、2H−1,2,3−トリアゾリル基、4H−1,2,4−トリアゾリル基、4H−1,2,4−トリアゾリル基及びキサンテニル基を含むが、これらに限定されない。更に、縮合環及びスピロ環の化合物を含む。
【0061】
特別に定義しない限り、用語「炭化水素基」又はその下位概念(たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基など)そのもの又はほかの置換基の一部として直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素原子団或はその組合せを表し、完全飽和のもの(たとえばアルキル基)、単不飽和又は多不飽和のもの(たとえばアルケニル基、アルキニル基、アリール基)でもよく、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)又は多価のもの(たとえばメチン基)でもよく、2価又は多価の原子団を含んでもよく、所定の数の炭素原子を有する(たとえばC
1−C
12は1〜12個の炭素原子を表し、C
1−12はC
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9、C
10、C
11及びC
12から、C
3−12はC
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
9、C
10、C
11及びC
12から選ばれる)。「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基は鎖状及び環状を含み、具体的にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されず、前記芳香族炭化水素基は6〜12員の芳香族炭化水素基、たとえばベンゼン、ナフタレンなどを含むが、これらに限定されない。一部の実施例において、用語「炭化水素基」は直鎖、分枝鎖の原子団或はその組合せを表し、完全飽和、単不飽和又は多不飽和のものでもよく、2価又は多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の実例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、(シクロヘキシル)メチル基、シクロプロピルメチル基、及びn−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などの原子団の同族体及び異性体などを含むが、これらに限定されない。不飽和炭化水素基は一つ又は複数の二重結合又は三重結合を有し、実例は、ビニル基、2−プロペニル基、ブテニル基、クロチル基、2−イソペンテニル基、2−(ブタジエニル)基、2,4−ペンタジエニル基、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル基、1−及び3−プロピニル基、3−ブチニル基、及びより高級の同族体と異性体を含むが、これらに限定されない。
【0062】
特別に定義しない限り、用語「ヘテロ炭化水素基」又はその下位概念(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基など)そのもの又はもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素原子団或はその組合せを表し、所定の数の炭素原子及び一つ以上のヘテロ原子からなる。一部の実施例において、用語「ヘテロアルキル基」そのもの又はもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖の炭化水素原子団或はその組合せを表し、所定の数の炭素原子及び一つ以上のヘテロ原子からなる。一つの典型的な実施例において、ヘテロ原子はB、O、N及びSから選ばれ、その中では、窒素及び硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロ原子又はヘテロ原子団はヘテロ炭化水素基の内部の任意の箇所に位置してもよく、当該炭化水素基の分子のほかの部分に付着する箇所を含むが、用語「アルコキシ基」、「アルキルアミノ基」及び「アルキルチオ基」(又はチオアルコキシ基)は通常の表現で、それぞれ一つの酸素原子、アミノ基又はイオン原子を通して分子のほかの部分と連結するアルキル基を指す。実例は、−CH
2−CH
2−O−CH
3、−CH
2−CH
2−NH−CH
3、−CH
2−CH
2−N(CH
3)−CH
3、−CH
2−S−CH
2−CH
3、−CH
2−CH
2、−S(O)−CH
3、−CH
2−CH
2−S(O)
2−CH
3、−CH=CH−O−CH
3、−CH
2−CH=N−OCH
3及び-CH=CH−N(CH
3)−CH
3を含むが、これらに限定されない多くとも二個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、−CH
2−NH−OCH
3が挙げられる。
【0063】
別途に定義しない限り、用語の「環状炭化水素基」、「ヘテロ環状炭化水素基」又はその下位概念(たとえばアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基など)そのもの又はほかの用語と合わせて、環化した「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を表す。また、ヘテロ炭化水素基又はヘテロ環状炭化水素基(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基)について、ヘテロ原子は当該基が分子のほかの部分に付着した位置を占めてもよい。環状炭化水素基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロ基の非制限的な実例は、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)基、1−ピペリジニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基、4−モルホリニル基、3−モルホリニル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロフリルインドール−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル基、テトラヒドロチエン−3−イル基、1−ピペラジニル基及び2−ピペラジル基を含む。
【0064】
特別に定義しない限り、用語「アルキル基」は直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を表し、単置換のもの(たとえば−CH
2F)でも多置換のもの(たとえば−CF
3)でもよく、1価のもの(たとえばメチル基)、2価のもの(たとえばメチレン基)又は多価のもの(たとえばメチン基)でもよい。アルキル基の例は、メチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基(たとえば、n−プロピル基やイソプロピル基)、ブチル基(たとえば、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基)、ペンチル基(たとえば、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)などを含む。
【0065】
特別に定義しない限り、「アルケニル基」とは鎖の任意の箇所に1つ又は複数の炭素−炭素二重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよい。アルケニル基の例は、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基などを含む。
【0066】
特別に定義しない限り、用語「アルキニル基」は鎖の任意の箇所に1つ又は複数の炭素−炭素三重結合があるアルキル基をいうが、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよい。アルキニル基の例は、エチニル基、プロパギル基、ブチニル基、ペンチニル基などを含む。
【0067】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキル基」は任意の安定した環状又は多環炭化水素基を含み、炭素原子のいずれも飽和のもので、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよい。このようなシクロアルキル基の実例は、シクロプロピル基、ノルボルナニル基、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどを含むが、これらに限定されない。
【0068】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルケニル基」は任意の安定した環状又は多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つ又は複数の不飽和の炭素−炭素二重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよい。このようなシクロアルケニル基の実例は、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0069】
特別に定義しない限り、用語「シクロアルキニル基」は任意の安定した環状又は多環炭化水素基を含み、当該炭化水素基は環の任意の箇所に1つ又は複数の炭素−炭素三重結合を含有し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよい。
【0070】
別途に定義しない限り、用語「ハロ」又は「ハロゲン」そのもの又はもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基とポリハロアルキル基を含む。例えば、用語「ハロ(C
1−C
4)アルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、4−クロロブチル基及び3−ブロモプロピル基などを含むが、これらに限定されない。別途に定義しない限り、ハロアルキル基の実例は、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基及びペンタクロロエチル基を含むが、これらに限定されない。
【0071】
「アルコキシ基」とは酸素橋で連結された特定の数の炭素原子を有する上記アルキル基を表し、別途に定義しない限り、C
1−6アルコキシ基は、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5及びC
6のアルコキシ基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基及びS−ペントキシ基を含むが、これらに限定されない。
【0072】
別途に定義しない限り、用語「アリール基」とは、多不飽和の芳香族炭化水素置換基を表し、単置換のものでも多置換のものでもよく、1価のもの、2価のもの又は多価のものでもよく、単環又は多環(たとえば1〜3個の環で、ここで、少なくとも1個の環が芳香族のものである)でもよく、一つに縮合してもよく、共役結合してもよい。用語の「ヘテロアリール基」とは1〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)である。一つの例示的な実例において、ヘテロ原子はB、N、O及びSから選ばれ、その中では、窒素及び硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロアリール基はヘテロ原子を通して分子のほかの部分と連結してもよい。アリール基又はヘテロアリール基の非制限的な実施例は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピラジニル基、オキサゾリル基、フェニルオキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾチアゾリル基、プリニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キノリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、3−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、ピラジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、2−フェニル−4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ベンゾチアゾリル基、プリニル基、2−ベンゾイミダゾリル基、5−インドリル基、1−イソキノリル基、5−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、3−キノリル基及び6−キノリル基を含む。上記アリール基及びヘテロアリール基の環系の置換基はいずれも後記の許容される置換基から選ばれる。
【0073】
別途に定義しない限り、アリール基はほかの用語と合わせて使用する場合(たとえばアリーロキシ基、アリールチオ基、アルアルキル基)上記のように定義されたアリール基及びヘテロアリール基環を含む。そのため、用語「アルアルキル基」とはアリール基がアルキル基に付着した原子団(たとえばベンジル基、フェネチル基、ピリジルメチル基など)を含み、その炭素原子(たとえばメチレン基)がたとえば酸素に置換されたアルキル基、たとえばフェノキシメチル基、2−ピリジルオキシメチル3−(1−ナフトキシ)プロピル基などを含む。
【0074】
用語「脱離基」とは別の官能基又は原子で置換反応(たとえば求核置換反応)で置換されてもよい官能基又は原子を指す。たとえば、代表的な脱離基は、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、塩素、臭素、ヨウ素、たとえばメタンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル基、たとえばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基などのアシルオキシ基を含む。
【0075】
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基、トリクロロアセチル基又はトリフルオロアセチル基)のようなアシル基、t−ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基及び9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリフェニルメチル(Tr)基、1,1−ビス(4´−メトキシフェニル)メチル基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基及びt−ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基及びt−ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(たとえばアセチル基)のようなアシル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル(PMB)基、9−フルオレニルメチル(Fm)基及びジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基及びt−ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
【0076】
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0077】
本発明で使用される溶媒は市販で得られる。本発明は以下のような略号を使用する:aqは水を、HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N´,N´−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートを、EDCはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N´−エチルカルボジイミド塩酸塩を、m−CPBAは3−クロロペルオキシ安息香酸を、eqは当量、等量を、CDIはカルボニルジイミダゾールを、DCMはジクロロメタンを、PEは石油エーテルを、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを、DMSOはジメチルスルホキシドを、EtOAcは酢酸エチルを、EtOHはエタノールを、MeOHはメタノールを、CBzはベンジルオキシカルボニル基で、1種類のアミン保護基を、BOCはt−ブトキシカルボニル基で、1種類のアミン保護基を、HOAcは酢酸を、NaCNBH
3はシアンホウ素水化ナトリウムを、r.t.は室温を、O/Nは一夜を、THFはテトラヒドロフランを、Boc
2Oはジ−tert−ブチルジカーボネートを、TFAはトリフルオロ酢酸を、DIPEAはジイソプロピルエチルアミンを、SOCl
2は塩化チオニルを、CS
2は二硫化炭素を、TsOHはトルエンスルホン酸を、NFSIはN−フルオロ−N−(ベンゼンスルホニル)ベンゼンスルホンアミドを、NCSは1−クロロピロリジン−2,5−ジオンを、n−Bu
4NFはフッ化テトラブチルアンモニウムを、iPrOHは2−プロパノールを、mpは融点を、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを、NBSはN−ブロモスクシンイミドを表す。
【0078】
化合物は人工的に又はChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。中間体の合成は次のとおりである。
【0079】
具体的な実施形態
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
【0081】
化合物ビス(ピナコラート)ジボロン(25.61 g、100.85 mmol、0.65 eq) 、(1,5)−シクロオクタジエンメトキシイリジウム二量体(308.56 mg、465.48 μmol、0.003 eq) 及び4,4´−ジ−tert−ブチル−2,2´ビピリジン(249.88 mg、930.96 μmol、0.006 eq) をn−ヘキサン(250 mL)に溶解し、反応液は窒素ガスの保護下、50℃で暗赤色になるまでに撹拌した。上記の溶液に化合物3C−1を入れ、次に反応液を窒素ガスの保護下、50℃で3時間撹拌した。LCMSは、化合物3Cホウ酸エステルの加水分解物に完全になったことが示された。反応液をろ過し、減圧濃縮し、粗化合物3Cを得、精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0082】
関連特性データ:
LCMS m/z:206.1[M+H](ホウ酸エステルがホウ酸に加水分解したことを示した)。
1 H NMR(400 MHz、CDCl
3):δ 7.83(s,1H)、7.70(s,1H)、1.37(s,12H)。
【0084】
化合物5E−1(0.5 g、2.39 mmol,1eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(668.12 mg、2.63 mmol、1.1 eq)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(87.51 mg、119.59 μmol,0.05eq) 、酢酸カリウム(352.11 mg、3.59 mmol、1.5 eq) を10 mLのジオキサンに溶解し、窒素ガスの保護下、80℃で、12時間反応した。LCMSは、産物に完全になったことが示された。反応液をろ過し、減圧濃縮し、粗化合物5Eを得、精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0085】
関連特性データ:
LCMS m/z:257.2 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CDCl
3):δ 8.87(d,J=4.8 Hz、2H)、8.61(s,1H)、8.15(dd,J=20.4、8.4 Hz、2H)、1.40(s,12H)。
【0087】
化合物6F−1(0.5 g、2.39 mmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(769.43 mg、3.03 mmol、1.2 eq)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(92.38 mg、126.25 μmol、0.05 eq) 、酢酸カリウム(743.43 mg、7.57 mmol、3 eq) を5 mLのジオキサンに溶解し、窒素ガスの保護下、80℃で、12時間反応した。LCMSは、産物に完全になったことが示された。反応液をろ過し、減圧濃縮し、粗化合物6Fを得、精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0088】
関連特性データ:
LCMS m/z:246.1 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CDCl3):δ 8.97(s,1H)、8.36(s,1H)、8.15(dd,J=8.0、23.6 Hz、2H)、1.35(s,12H)。
【0090】
化合物7G−1(0.135 g、681.75 μmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(190.43 mg、749.92 μmol、1.1 eq)、酢酸カリウム(743.43 mg、7.57 mmol、3 eq)、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(31.21 mg、34.09 μmol、0.05 eq)、PCy3(19.12 mg、68.17 μmol、22.10 μL、0.1 eq)を2 mLのジオキサンに溶解した。窒素ガスの保護下、80℃で、12時間攪拌した。LCMSは、産物に完全になったことが示された。反応液をろ過し、減圧濃縮し、粗化合物7Gを得、精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0091】
関連特性データ:
LCMS m/z:164.1 [M+H](化合物8Hの加水分解のMS);
1 H NMR(400 MHz、CDCl3):δ 8.59(d,J=6.8 Hz、1H)、8.39(d,J=6.8 Hz、1H)、7.62(s,1H)、8.36(s,1H)、1.40(s,12H)。
【0093】
ビス(ピナコラート)ジボロン(718.40 mg、2.83 mmol、1.2 eq)の1,4−ジオキサン(3 mL)溶液に、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(345.00 mg、471.51 μmol、0.2 eq)、酢酸カリウム(694.12 mg、7.07 mmol、3.0 eq)及び化合物8H−1(500 mg、2.36 mmol、1.0 eq)を入れ、混合物を窒素ガスの保護下、90℃に加熱し、10時間撹拌した。混合物をろ過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル勾配溶出、体積比20/1から10/1まで)によって精製し、化合物8Hを得た。
【0094】
関連特性データ:
LCMS m/z:260.1 [M+H]。
【0096】
第一工程(化合物9I−2の合成)
【化40】
【0097】
化合物9I−1(5 g、26.59 mmol、1 eq)のオルトギ酸トリエチル(50 mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(228.96 mg、1.33 mmol、0.05 eq)を入れ、110℃で、12時間撹拌し、反応させた。反応液を室温に冷却し、濃縮し、スピン乾燥し、水(50 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でPH 9に調整し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(30 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル勾配溶出、体積比3/1から純酢酸エチルまで)によって精製し、化合物9I−2を得た。
【0098】
関連特性データ:
LCMS m/z:197.9 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CDCl3):δ 8.80(s,1H)、8.32(d,J=1.2 Hz、1H)、7.73(t,J=13.8 Hz,1H)、7.35(dd,J=1.6、9.6 Hz、1H)。
【0099】
第二工程(化合物9Iの合成)
【化41】
【0100】
窒素ガスの保護下、化合物9I−2(0.5 g、2.52 mmol、1 eq)、ボロン酸ピナコールエステル(705.31 mg、2.78 mmol、1.1 eq)、Pd(dppf)
2Cl
2.CH
2Cl
2(103.10 mg、126.25 μmol、0.05 eq)及び酢酸カリウム(371.71 mg、3.79 mmol、1.5 eq)のジオキサン(5 mL)溶液を80℃で、12時間撹拌した。LCMSで反応が完成したことが示された。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥され、粗化合物9Iを得た。
【0101】
関連特性データ:
LCMS m/z:197.9 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CDCl
3):δ 8.81(s,1H)、8.53(s,1H)、7.75(t,J=9.6 Hz、1H)、7.58(t,J=9.6 Hz,1H)、1.37(s,12H)。
【0103】
化合物13J−1(50 mg、239.19 μmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(66.81 mg、263.10 μmol、1.1 eq)、酢酸カリウム(46.95 mg、478.37 μmol、2 eq)及びPd(dppf)
2Cl
2(15.59 mg、23.92 μmol、0.1 eq)を1,4−ジオキサン(2 mL)に入、混合物を窒素ガスの保護下、80℃に加熱し、80℃で10時間撹拌し、LC−MSは、原料が消失したことを示し、13Jに相応するホウ酸のMS値が検出され、TLCの経験に基づいて産物がホウ酸エステルであると判断した。ろ過し、濃縮し、化合物13Jの粗化合物を得た。粗化合物を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0104】
関連特性データ:
LCMS m/z:175.1 [M+H]。
【0106】
原料14K−1(200 mg、956.74 μmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(267.25 mg、1.05 mmol、1.1 eq)、酢酸カリウム(187.79 mg、1.91 mmol、2 eq)、Pd(dppf)
2Cl
2(62.36 mg、95.67 μmol、0.1 eq)を1,4−ジオキサンに入れ、混合物を窒素ガスの保護下、80℃に加熱し、80℃で4時間撹拌し、LC−MSが原料が消失したことを示し、14Kに相応するホウ酸のMS値が検出された。ろ過し、濃縮し、シリカゲル分取用プレート(SiO
2、EA/PE=3/1)によって精製し、14Kを得た。
【0107】
関連特性データ:LCMS m/z:175.2 [M+H]。
【0109】
第一工程(化合物17M−2の合成)
【化45】
【0110】
化合物17M−1(5 g、20.83 mmol、2.92 mL、1 eq)及びヨウ化ナトリウム(62.45 mg、416.63 μmol、0.02 eq)の濃硫酸(20 mL)溶液にグリセロール(2.88 g、31.25 mmol、2.34 mL、1.5 eq)を入れ、110℃で5時間攪拌反応し、その後120℃に加熱し、12時間撹拌反応した。反応液を氷水(30 mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(25 mL × 3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(25 mL × 2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥し、粗化合物17M−2を得た。
【0111】
関連特性データ:
LCMS m/z:275.9 [M+H]。
【0112】
第二工程(化合物17Mの合成)
【化46】
【0113】
窒素ガスの保護下、化合物17M−2(1 g、3.62 mmol、1 eq)、ボロン酸ピナコールエステル(4.60 g、18.11 mmol、5 eq)、酢酸カリウム(1.07 g、10.87 mmol、3 eq)及びPd(dbcp)
2Cl
2(118.05 mg、181.13 μmol、0.05 eq)のジオキサン溶液(50 mL)を90℃で、30分間攪拌反応した。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥し、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=40/1、100−200メッシュのシリカゲル)によって精製し、粗化合物17Mを得た。
【0114】
関連特性データ:
LCMS m/z:324.1 [M+H]。
【0116】
原料18N−1(500 mg、2.40 mmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(610.27 mg、2.40 mmol、1 eq)、Pd(dppf)
2Cl
2(175.85 mg、240.32 μmol、0.1 eq)、酢酸カリウム(471.70 mg、4.81 mmol、2 eq)を1,4−ジオキサン(22 mL)に溶解し、混合物を窒素ガスの保護下、90℃に加熱し、90℃で10時間撹拌し、LC−MSは、原料が消失したことを示し、18Nに相応するホウ酸のMS値が検出され、TLCの経験に基づいて産物がホウ酸エステルであると判断した。ろ過し、濃縮し、化合物18Nの粗化合物を得た。
【0117】
関連特性データ:
LCMS m/z:174.2 [M+H]。
【0119】
化合物19O−1(2.0 g、10.15 mmol、1 eq)の1,4−ジオキサン(30 mL)溶液にボロン酸ピナコールエステル(3.09 g、12.18 mmol、1.2 eq)及び酢酸カリウム(2.99 g、30.45 mmol、3 eq)を入れ、混合物を窒素で三回置換し、Pd(PPh
3)
2Cl
2(712.47 mg、1.02 mmol、0.1 eq)を入れ、システムを窒素で数回置換した後、90℃に加熱し、1.5時間攪拌した。LC−MSが原料が消失したことを示し、19Oに相応するホウ酸のMS値を検出し、TLCの経験に基づいて産物がホウ酸エステルであると判断した。反応液を冷却した後ろ過し、濃縮し、化合物19Oの粗化合物を得た。粗化合物を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0120】
関連特性データ:
LCMS m/z:163.3 [M+H]。
【0122】
第一工程(化合物21Q−2の合成)
【化50】
【0123】
−5℃で、化合物21Q−1(4 g、18.14 mmol、1 eq)の塩酸塩水溶液(5 mL、重量含有量24%)にゆっくり亜硝酸ナトリウム(1.31 g、19.05 mmol、1.05 eq)の水溶液(2 mL)を滴下し、30分間撹拌し、固体酢酸ナトリウムを入れ、PH 5に調整し、0℃で、反応液にtert−ブチルメルカプタン(1.64 g、18.14 mmol、2.04 mL、1 eq)のエタノール溶液(20 mL)を入れ、続いて1時間撹拌反応した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液に氷水を入クエンチングし、沈殿が生じ、ろ過し、ケーキを水で洗浄し、乾燥した。化合物21Q−2の粗化合物を得た。粗化合物を更なる精製をせずに次の工程で直接に使用した。
【0124】
関連特性データ:
LCMS m/z:322.9 [M+H]。
【0125】
第二工程(化合物21Q−3の合成)
【化51】
【0126】
化合物21Q−2(3 g、9.14 mmol、1 eq)のジメチルスルホキシド(35 mL)溶液にカリウムtert−ブトキシド(10.26 g、91.40 mmol、10 eq)を入れ、25℃で30分間攪拌した。TLCが原料が消失したことを示し、LCMSは産物が生成したことを示した。反応液に水(50 mL)を入れ希釈し、酢酸エチル(35 mL × 3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(35 mL × 2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥され、粗化合物21Q−3の粗化合物を得た。粗化合物を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0127】
関連特性データ:
LCMS m/z:232.9 [M+H]。
【0128】
第三工程(化合物21Qの合成)
【化52】
【0129】
化合物21Q−3(0.5 g、2.16 mmol、1 eq)、ボロン酸ピナコールエステル(877.63 mg、3.46 mmol、1.6 eq)、酢酸カリウム(635.97 mg、6.48 mmol、3 eq)及びPd(dppf)
2Cl
2(79.03 mg、108.00 μmol、0.05 eq)のジメチルスルホキシド(2 mL)溶液をマイクロ波において、120℃で1時間攪拌反応した。LCMSは産物を生成されたことを示され。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜5/1)によって精製し、粗化合物21Qを得、次の工程で直接に使用した。
【0130】
関連特性データ:
LCMS m/z:279.1 [M+H]。
【0132】
第一工程(化合物22R−2の合成)
【化54】
【0133】
化合物22R−1(1 g、5.08 mmol、1 eq)のアセトニトリル溶液(10 mL)にNCS(745.49 mg、5.58 mmol、1.1 eq)を入れ、60℃で5時間攪拌反応した。LC−MSは原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液を室温に冷却し、水(20 mL)を入れて希釈し、酢酸エチル(20 mL × 3)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(20 mL × 2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥され、粗化合物22R−2を得た。
【0134】
関連特性データ:
LCMS m/z:232.9 [M+H]。
【0135】
第二工程(化合物22Rの合成)
【化55】
【0136】
窒素ガスの保護下、化合物22R−2(0.2 g、864.02 μmol、1 eq)、ボロン酸ピナコールエステル(438.81 mg、1.73 mmol、2 eq)、酢酸カリウム(169.59 mg、1.73 mmol、2 eq)及びPd(dppf)
2Cl
2(56.31 mg、86.40 μmol、0.1 eq)のジオキサン溶液(10 mL)を90℃で、12時間攪拌反応した。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜5/1)によって精製し、粗化合物22Rを得た。
【0137】
関連特性データ:
LCMS m/z:279.1 [M+H]。
【0139】
原料23S−1(500 mg、2.34 mmol、1 eq)、ビス(ピナコラート)ジボロン(652.39 mg、2.57 mmol、1.1 eq)、Pd(dppf)
2Cl
2(170.89 mg、233.56 μmol、0.1 eq)、酢酸カリウム(458.43 mg、4.67 mmol、2 eq)を1,4−ジオキサン(22 mL)で溶解し、混合物を窒素ガスの保護下、80℃に加熱し、80℃で10時間攪拌した。LC−MSは原料が消失し、産物を生成されたことが示された。ろ過し、濃縮し、粗化合物23Sを得、粗化合物を更なる精製をせずに次の工程で直接に使用した。
【0140】
関連特性データ:
LCMS m/z:262.0 [M+H]。
【0142】
第一工程(化合物34−2の合成)
化合物34−1(2.0 g、9.64 mmol、1 eq)及びDMF−DMA(1.72 g、14.46 mmol、1.5 eq)をメタノール(50 mL)で溶解し、反応液を70℃に加熱し、6.5時間攪拌した。LC−MSは原料が消失し、産物を生成されたことが示された。冷却し、減圧でメタノールを留去し、化合物34−2を得た。粗化合物を更なる精製をせずに次の工程で直接に使用した。
【0143】
関連特性データ:
LCMS m/z:264.0 [M+H]。
【0144】
第二工程(化合物34−3の合成)
化合物34−2(2.49 g、9.48 mmol、1 eq)をメタノール(40 mL)に溶解し、0°Cに冷却し、窒素ガスの保護下、ピリジン(1.50 g、18.97 mmol、1.53 mL、2 eq)及びヒドロキサム酸(1.39 g、12.33 mmol、1.3 eq)を入れ、混合物をゆっくり25℃に加熱した後、4時間攪拌した。その後、70℃に加熱し、1時間攪拌した。LC−MSは原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液を濃縮した後、酢酸エチル(20 mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15 mL)を入れ、混合液を酢酸エチル(20 mL × 3)で抽出し、有機相を合わせた後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルカラム(PE:EA=8/1〜6/1)によって精製し、化合物34−3を得た。
【0145】
関連特性データ:
LCMS m/z:234.1 [M+H]。
【0147】
合成実施例1では、出発原料として(1−1)を使用し、詳細な合成経路1を以下に示した。
【化59】
【0148】
第一工程(化合物1−2の合成)
原料1−1(15.0 g、72.11 mmol、1 eq)はメタノール(350 mL)に溶解し、0〜3℃に冷却し、それにバッチでメチルメルカプタンナトリウム(6.30 g、89.89 mmol、5.73 mL、1.25 eq)を分割して入れ、15分間以内に完了した後、反応液の内部温度は15℃に上昇した。この時黄色い固体がますます析出し、混合物を25℃で15分間撹拌した。混合物を氷水(400 mL)に注ぎ、撹拌し、固体を吸引ろ過した後、酢酸エチル(400 mL)に溶解し、水(100 mL)で、水相を合わせた後、酢酸エチル(100 mL)で二回抽出した。酢酸エチル相を合わせた後、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、化合物1−2を得た。
【0149】
関連特性データ:
LCMS m/z:219.9 [M+H]。
【0150】
第二工程(化合物1−3の合成)
化合物1−2(15.7 g、71.48 mmol、1 eq)、4−フルオロフェニルボロン酸(12.00 g、85.77 mmol、1.2 eq)、炭酸ナトリウム(22.7 g、214.17 mmol、3 eq)を1,4−ジオキサン(200mL)及び水(20 mL)に入れ,混合物を窒素で三回置換し、Pd(PPh
3)
2Cl
2Pd(PPh3)4(4 g、3.46 mmol、4.84e−2 eq)を入れ、システムを再度に窒素で数回置換した後、90〜100℃に加熱し、12時間攪拌した。冷却し、減圧で1,4−ジオキサンを留去し、水(200 mL)及び酢酸エチル(300 mL)で残渣を希釈し、水相を分離した後、酢酸エチル(200 mL)で二回抽出し、酢酸エチル層を合わせて塩水(200 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、前のバッチと合わせた後濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(10:1、400 mL)でスラリー化し、濾過し、乾燥し、化合物1−3を得、次の工程で直接に使用した。
【0151】
関連特性データ:
LCMS m/z:280.2 [M+H]。
【0152】
第三工程(化合物1−4の合成)
化合物1−3(17.4 g、50.04 mmol、1 eq)をアセトニトリル(350 mL)に入れ、0℃以下に冷却し、窒素ガスの保護下、バッチでNBS(11.5 g、64.61 mmol、1.29 eq)を入れた。混合物はすぐに暗褐色になり、混合物を25℃にゆっくり加熱し、15時間反応した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウム溶液(200 mL)でクエンチングし、析出した黄色い固体をろ過し、水(30 mL)で洗浄し、部分の化合物1−4を得た。濾液を酢酸エチル(100 mL)で1回抽出し、有機相を水(100 mL)で1回、塩水(100 mL)で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、黄色い固体を得、アセトニトリル(200 mL)でスラリー化し、ろ過し、乾燥し、製品を得、2つの固体を合わせ、真空で乾燥され、すなわち化合物1−4であった。
【0153】
関連特性データ:
LCMS m/z:358.1 [M+H]。
【0154】
第四工程(化合物1−5の合成)
化合物1−4(14.2 g、39.64 mmol、1 eq)はメタノール(150 mL)に懸濁し、その中に鉄粉(11.0 g、196.97 mmol、4.97 eq)を入れ、0〜15℃で濃塩酸(60 mL、15.24 eq)を滴下し、滴下は15分間以内に完了し、その後、反応液を25〜30℃に加熱し、14時間攪拌し、鉄粉(2.2 g、39.39 mmol)及び濃塩酸(10 mL、2.54 eq)を追加し、反応液を25〜30℃で2時間攪拌した。混合物を珪藻土でろ過し、メタノールで(20 mL)洗浄し、濾液を20%水酸化ナトリウム溶液(300 mL)でPH 8に調整し(この時、青い固体が析出し、ろ過し、固体を得る。)、濾液に酢酸エチル(500 mL)を入れ、30分間攪拌した後、再度に珪藻土でろ過し、有機相を分離し、食塩水(200 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過濃縮し、固体を得、2つの固体を合わせ、真空で乾燥した化合物、すなわち化合物1−5であった。
【0155】
関連特性データ:
LCMS m/z:328.0 [M+H]。
【0156】
第五工程(化合物1−6の合成)
化合物1−5(21.0 g、63.98 mmol、1 eq)をエタノール(250 mL)に懸濁し、窒素ガスの保護下、この懸濁物に40%アセトアルデヒド溶液(13.88 g、95.63 mmol、12.5 mL、1.49 eq)に入れ、反応液を90〜100℃で2時間攪拌し、25℃に冷却し、固体が析出するとろ過し、固体をエタノール(20 mL)で洗浄し、真空で乾燥し、化合物1−6を得た。
【0157】
関連特性データ:
LCMS m/z:351.0 [M+H]。
1 H NMR(DMSO−d6、400 MHz) δ 9.33(s,1H)、9.07(d,J=1.6 Hz、1H)、7.95−7.92(m,2H)、7.42−7.37(m,2H)、2.61(s,3H).
【0158】
第六工程(化合物1−7の合成)
室温で化合物1−6(10 g、28.55 mmol、1 eq)のジクロロメタン(200 mL)混合物にm−クロロペルオキシ安息香酸(17.39 g、85.66 mmol、純度85%、3.0 eq)を入れ、混合物を室温で10分間攪拌し、ジクロロメタン(150 mL)を入れ、ろ過した後の濾液を水(100 mL × 3)、飽和亜硫酸ナトリウム溶液(50 mL × 3)、食塩水(50 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム固体で乾燥し、濾過濃縮した後、化合物1−7を得た。
【0159】
関連特性データ:
LCMS m/z:383.9 [M+1]。
【0160】
第七工程(化合物1−8の合成)
化合物1−7(7.8 g、20.41 mmol、1 eq)のイソプロパノール(300 mL)の混合物にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.59 g、51.02 mmol、8.89 mL、2.5 eq)及び2,4−ジメトキシベンジルアミン(4.09 g、24.49 mmol、3.69 mL、1.2 eq)を入れ、混合物を80℃に加熱し、80℃で8時間攪拌した。TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)は原料が完全に消失し、新しいスポットが形成され、反応が完了したことが示された。混合物を濃縮し、エタノール(20 mL)を入れ、大量の黄色い固体が出、ろ過し、固体をエタノール(10 mL × 3)で洗浄し、固体を得る。濾液を濃縮した後、黄色い固体を得、エタノール(10 mL × 3)で洗浄し、2つの固体を合わせ、真空で乾燥した化合物、すなわち化合物1−8であり、次の工程で直接に使用した。
【0161】
第八工程(化合物1−9の合成)
化合物1−8(1.0 g、2.13 mmol、1.0 eq)に1,4−ジオキサン(10 mL)及び水(2 mL)を入れ、再度に化合物2,6−ジメチル−4−ピリジンボロン酸(386.03 mg、2.56 mmol、1.2 eq、化合物1A)、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(348.02 mg、426.16 μmol、0.2 eq)及び炭酸カリウム(883.50 mg、6.39 mmol、3.0 eq)を入れ、窒素ガスの保護下、混合物を90℃に加熱し、90℃で30分間攪拌した。混合物は濃縮した後、カラム(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル 体積比1/1)によって精製し、黄褐色の油状物質を得、すなわち化合物1−9である。
【0162】
関連特性データ:
LCMS m/z:496.1 [M+H]。
【0163】
第九工程(実施例1の合成)
化合物1−9(200 mg、403.59 μmol、1 eq)をトリフルオロ酢酸(3 mL)に入れ、混合物を70℃に加熱し、70℃で2時間攪拌し、濃縮し、逆相カラム((カラム:フィロメン Luna Phenyl−Hexyl 150 × 30 mm 5 um;移動相:[水(10 mM 炭酸水素アンモニウム)−アセトニトリル];B%:35%〜65%、3分))によって精製し、実施例1を得た。
【0164】
関連特性データ:
LCMS m/z:346.0 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CD3OD) δ 8.87(d,J=2.0 Hz、1H)、8.77(d,J=2.0 Hz、1H)、7.45−7.30(m,2H)、6.98(m,2H)、6.92(s,2H)、2.38(s,6H)。
【0165】
表1の実施例化合物の調製は、前述の実施例1の経路1の類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程8において、原料1Aの代わりに出発原料として以下の表のホウ酸誘導体を使用し、相応化合物を得る。
【0167】
化合物の塩酸塩の調製、実施例6を例として:
25℃で、反応瓶にアセトニトリル200 mL、水200 mLを入れ、その後、実施例6のフリーベース(6 g)を入れた後、1M希塩酸を入れ、pHを3〜5に調整した。反応液を25℃で0.5時間続いて攪拌した。実施例6の塩酸塩を得た。
【0168】
産物LCMS m/z:[M+H] 358.2
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d6) δ=9.24(t,J=3.6Hz、1H)、9.12(d,J=2.0 Hz、1H)、8.87(s,1H)、8.59(t,J=5.2Hz、1H)、7.84(t,J=8.4 Hz、1H)、7.58−7.55(m,2H)、7.50(d,J=15.6 Hz、1H)、7.27(t,J=9.2 Hz、2H)
【0170】
(1−6)を出発原料として実施例2を合成した、詳しい合成経路:
【化61】
【0171】
第一工程(化合物10−2の合成)
化合物1−6(1.0 g、2.86 mmol、1 eq)に1,4−ジオキサン(20 mL)及び水(4 mL)を追加した溶液にフェロセン塩化パラジウム(208.94 mg、285.54 μmol、0.1 eq)、炭酸カリウム(789.30 mg、5.71 mmol、2 eq)、2−メチル−6−トリフルオロメチル−4−ピナコールボレート(983.71 mg、3.43 mmol、1.2 eq)を入れ、窒素ガスで三回置換し、90℃で2時間攪拌した。LCMSで完全に反応したことが示された時、反応液を濃縮し、粗化合物を得、粗化合物をシリカゲルカラム(100〜200メッシュのシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 体積比10/1から5/1までの勾配溶出)によって精製し、化合物10−2を得た。
【0172】
関連特性データ:
LCMS m/z:431.0 [M+H]。
【0173】
第二工程(化合物10−3の合成)
10℃で、化合物10−2(1.45 g、3.37 mmol、1 eq)のジクロロメタン(2 mL)溶液にm−クロロペルオキシ安息香酸(1.71 g、8.42 mmol、純度85%、2.5 eq)を入れ、反応液を25℃で20分間撹拌した。LCMSで完全に反応したことが示され、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム(20 mL)、飽和亜硫酸ナトリウム(20 mL)を入れ、ジクロロメタン(30 mL×2)で抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧で濃縮乾固し、化合物10−3を得た。
【0174】
関連特性データ:
LCMS m/z:463.0 [M+H]。
【0175】
第三工程(化合物10−4の合成)
化合物10−3(1.57 g、3.40 mmol、1 eq)のイソプロパノール(20 mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン((877.61 mg、6.79 mmol、1.18 mL、2 eq)、2,4−ジメトキシベンジルアミン(851.54 mg、5.09 mmol、767.15 μL、1.5 eq)を入れ、反応液を85℃で17時間攪拌した。LCMSで完全に反応したことが示され、反応液を濃縮乾固し、水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗化合物10−4(2.4 g)を得た。
【0176】
関連特性データ:
LCMS m/z:550.0 [M+H]。
【0177】
第四工程(実施例10の合成)
化合物10−4(2.4 g、4.37 mmol、1 eq)のトリフルオロ酢酸(20 mL)溶液を90℃で2時間攪拌反応した。減圧で濃縮乾固し、飽和炭酸カリウム溶液でpH8に調整し、酢酸エチル(30 mL × 2)で抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過濃縮し、分取用クロマトグラフィーカラムによって精製し、実施例10を得た。
【0178】
関連特性データ:
LCMS m/z:400.0 [M+H];
1 H NMR(DMSO−d6)δ 9.10(d,J=1.6 Hz、1H)、9.01(d,J=1.6 Hz、1H)、7.69(s,2H)、7.42(s,2H)、7.36−7.34(m,2H)、7.14−7.09(m,2H)、2.48(s,3H)。
【0180】
(11−1)を出発原料として実施例11を合成した、詳しい合成経路:
【化63】
第一工程(化合物11−2の合成)
【0181】
化合物11−1(0.4 g、2.19 mmol、1 eq)、4−フルオロフェニルアセチレン(525.11 mg、4.37 mmol、500.11 μL、2 eq)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(306.83 mg、437.15 μmol、0.2 eq)、ヨウ化第一銅(83.25 mg、437.15 μmol、0.2 eq)及びトリエチルアミン(884.70 mg、8.74 mmol、1.22 mL、4 eq)のN,Nジメチルホルムアミド(10 mL)溶液を真空で窒素ガスで三回置換し、その後、窒素ガスの雰囲気下において、25℃で1.5時間撹拌した。LC−MSで完全に反応したことが示された後、水20 mL及び酢酸エチル30 mLを反応液に入れ、層を別々に抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した後の残渣をシリカゲルカラム(移動相:石油エーテル/酢酸エチル 体積比9/1〜6/1)によって精製し、化合物11−2を得た。
【0182】
関連特性データ:
LCMS m/z:223.0 [M+H];
1 H NMR(DMSO−d6)δ 8.8(d,J=4.8 Hz、1H)、8.0(d,J=7.6 Hz、1H)、7.7(dd,J=5.6、8 Hz、2H)、7.4(dd,J=4.8、7.6 Hz、1H)、7.1(t,J=8.4 Hz、2H)。
【0183】
第二工程(化合物11−3の合成)
化合物11−2(0.44 g、1.98 mmol、1 eq)のN,N−ジメチルホルムアミド(10 mL)及びアンモニア(10 mL)に溶液に、炭酸カリウム(355.75 mg、2.57 mmol、1.3 eq)を入れ、得られた混合液を80℃で16時間攪拌した。LCMSで完全に反応したことが示された時、反応液を25℃に冷却し、その後、30 mLの水を入れ希釈し、40 mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を水で二回洗浄し、毎回20 mLで、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、真空で化合物12−3を濃縮し、化合物11−3を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0184】
関連特性データ:
LCMS m/z:240.2 [M+H]。
【0185】
第三工程(化合物11−4の合成)
0℃で、化合物12−3(0.4 g、1.67 mmol、1 eq)のアセトニトリル(30 mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(357.08 mg、2.01 mmol、1.2 eq)を入れ、得られた混合物を25℃で2.5時間撹拌した。LCMSで完全に反応したことが示された時、反応液を濃縮し、得られた残渣を混合液(20 mL、ジクロロメタン/石油エーテル=1/5)でスラリー化し、化合物11−4を得、化合物11−4を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0186】
関連特性データ:
LCMS m/z:319.8 [M+H]。
【0187】
第四工程(実施例11の合成)
化合物11−4(0.05 g、157.16 μmol、1 eq)及び2−メチル−6−クロロ−4−ピリジンボロン酸(47.81 mg、188.59 μmol、1.2 eq)のジオキサン(10 mL)及び水(2 mL)の混合液を真空で窒素ガスで三回置換し、リン酸カリウム(66.72 mg、314.32 μmol、2 eq)及び[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリド(20.49 mg、31.43 μmol、0.2 eq)を入れ、窒素ガスの保護下、得られた混合液を90℃で2時間撹拌した。LCMSで反応が完成したことが示され、反応液を真空で濃縮した後の得られた残渣をシリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製し、その後、残渣を分取用(フェロメンSynergi C18 150×30 mm × 4 μm;移動相:[水(0.05%塩酸)−アセトニトリル];20%−41%、7分)によって更に精製し、実施例11を得た。
【0188】
関連特性データ:
LCMS m/z:364.9 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d6) δ=9.23(dd,J=1.4、8.4 Hz、1H)、9.14(d,J=4.8 Hz、1H)、7.84(dd,J=4.4、8.4 Hz、1H)、7.50−7.43(m,2H)、7.29(t,J=8.8 Hz、2H)、7.15(s,1H)、7.10(s,1H)、2.37(s,3H)。
【0190】
実施例12の調製は、前述の実施例11の経路と類似した工程を参照して実施できる相違点は工程4において、原料2B(2−メチル−6−クロロ−4−ピリジンボロン酸)の代わりに原料6Fを使用して相応的な実施例12を得たことにある。
【0191】
関連特性データ:
LCMS m/z:357.3 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.90(dd,J=1.6、4.4 Hz、1H)、8.77−8.68(m,2H)、8.45(s,1H)、7.74(d,J=9.2 Hz、1H)、7.56(dd,J=4.4、8.4 Hz、1H)、7.50−7.37(m,5H)、7.14−7.02(m,2H)。
【0192】
表2の実施例化合物の調製は、前述の実施例1の経路1の類似した工程を参照して実施できる。相違点は工程8において、原料1Aの代わりに出発原料として以下の表のホウ酸誘導体を使用し、相応化合物を得る。
【0193】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0195】
(24−1)を出発原料として実施例24を合成した、詳しい合成経路:
【化66】
【0196】
第一工程(化合物24−2の合成)
p−フルオロフェニルアセチレン(722.04 mg、6.01 mmol、687.65 μL、1.1 eq)のN,N−ジメチルホルムアミド(20 mL)溶液に、化合物24−1(1.0 g、5.46 mmol、1 eq)、トリエチルアミン(1.66 g、16.39 mmol、2.28 mL、3.0 eq) 、ヨウ化第一銅(208.14 mg、1.09 mmol、0.2 eq)及びビス(トリフェニルホスホニウム)パラジウムジクロリド(767.08 mg、1.09 mmol、0.2 eq)を入れ、窒素ガスで数回置換した後、反応液を90℃に加熱し、3時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことを示され、混合物に水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(50 mL × 2)で抽出し、合わせた有機相を水(30 mL × 2)及び飽和食塩水(30 mL)で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した後、カラム(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製し、化合物24−2を得た。
【0197】
関連特性データ:
LCMS m/z:223.1 [M+H]
+。
【0198】
第二工程(化合物24−3の合成)
化合物24−2(1.1 g、4.95 mmol、1 eq)のN,N−ジメチルホルムアミド(10 mL)溶液にアンモニア(18.59 g、148.50 mmol、20.43 mL、重量含有量28%、30 eq)及び炭酸カリウム(1.37 g、9.90 mmol、2.0 eq)を入れ、混合物を80℃に加熱し、80℃で15時間撹拌した。LCMSは産物を生成されたことを示され、混合物に水(50 mL)を入れ、酢酸エチル(15 mL × 3)で抽出し、合わせた有機相を水(20 mL × 3)及び飽和食塩水(20 mL)で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、化合物24−3の粗化合物を得た。
【0199】
関連特性データ:
LCMS m/z:240.1 [M+H]
+。
【0200】
第三工程(化合物24−4の合成)
0℃で、窒素ガスの雰囲気下において、化合物24−3(1.0 g、4.18 mmol、1 eq)のアセトニトリル(5 mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(818.33 mg、4.60 mmol、1.1 eq)を入れ、混合物を25℃に加熱し、25℃で1時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物を濃縮した後、水(20 mL)を入れ、酢酸エチル(15 mL × 3)で抽出し、合わせた有機相を飽和亜硫酸ナトリウム(15 mL × 2)溶液及び飽和食塩水(15 mL)で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濾液を濃縮した後、化合物24−4の粗化合物を得た。粗化合物を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0201】
関連特性データ:
LCMS m/z:318.0 [M+H]
+。
【0202】
第四工程(実施例24の合成)
化合物2B(159.38 mg、628.65 μmol、1.0 eq)のジオキサン(10 mL)及び水(2 mL)の混合物に化合物24−4(200 mg、628.65 μmol、1 eq)、リン酸カリウム(400.32 mg、1.89 mmol、3.0 eq)及び1,1’−ジ−tert−ブチルホスフィノフェロセンパラジウムジクロリド(81.94 mg、125.73 μmol、0.2 eq)を入れ、窒素ガスの雰囲気下において、混合物を90℃に加熱し、1時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物をろ過し濾液を濃縮した後の残渣をTLC分取用プレート(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=2/1)によって精製し、実施例24を得た。
【0203】
関連特性データ:
LCMS m/z:365.1 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、CDCl
3) δ=8.73(d,J=3.0 Hz、1H)、7.74(d,J=8.0 Hz、1H)、7.46(dd,J=4.2、8.6 Hz、1H)、7.29−7.14(m,2H)、6.98−6.83(m,3H)、6.79(s,1H)、6.14(br s,2H)、2.34(s,3H)。
【0205】
実施例25の調製は、前述の実施例24の経路と類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程1において、原料24−1の代わりに原料4−クロロ−5−シアノピリミジンを使用し、相応的な実施例25を得たことにある。
【0206】
関連特性データ:
LCMS m/z:366.2 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=9.80(s,1H)、9.26(s,1H)、7.99(s,2H)、7.37(dd,J=5.6、8.8 Hz、2H)、7.15(t,J=9.2 Hz、2H)、7.11(s,1H)、7.06(s,1H)、2.36(s,3H)。
【0208】
(1−8)を出発原料として実施例26を合成した、詳しい合成経路:
【化69】
【0209】
第一工程(化合物26−1の合成)
窒素ガスの保護下、化合物1−8(0.9 g、1.92 mmol、1 eq)、ボロン酸ピナコールエステル(2.43 g、9.59 mmol、5 eq)、Pd(dbcp)
2Cl
2(124.99 mg、191.77 μmol、0.1 eq)及び酢酸カリウム(564.63 mg、5.75 mmol、3 eq)のジオキサン(20 mL)溶液を90℃で30分間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10:1〜5:1、100〜200メッシュのシリカゲル)によって精製し、化合物26−1を得た。
【0210】
関連特性データ:
LCMS m/z:517.3 [M+H]
+。
【0211】
第二工程(化合物26−3の合成)
窒素ガスの保護下、化合物26−1(0.2 g、132.58 μmol、1 eq)、化合物26−2(64.30 mg、265.16 μmol、2 eq)、Pd(dbcp)
2Cl
2(8.64 mg、13.26 μmol、0.1 eq)及び炭酸カリウム(54.97 mg、397.74 μmol、3 eq)のジオキサン(2 mL)及び水(0.4 mL)溶液を90℃で30分間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液を室温に冷却し、ろ過し、濾液をスピン乾燥した。粗化合物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1〜1/1、100〜200メッシュのシリカゲル)によって精製し、化合物26−3を得た。
【0212】
関連特性データ:
LCMS m/z:552.2 [M+H]
+。
【0213】
第三工程(実施例26の合成)
化合物26−3(0.06 g、103.63 μmol、1 eq)のトリフルオロ酢酸(3 mL)溶液を70℃で30分間攪拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応液を濃縮し、スピン乾燥し、水(10 mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液でPH 9に調整し、酢酸エチル(15 mL × 3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(15 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥した。粗化合物を分取用薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製し、実施例26を得た。
【0214】
関連特性データ:
LCMS m/z:402.1 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=9.02−8.97(m,2H)、8.85(d,J=2.0 Hz、1H)、8.31−8.26(m,1H)、7.84(d,J=1.8 Hz、1H)、7.72(d,J=1.8 Hz、1H)、7.62−7.57(m,3H)、7.39(dd,J=5.6、8.8 Hz、2H)、7.05(t,J=9.0 Hz、2H)。
【0216】
実施例27の調製は、前述の実施例24の経路と類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程1において、出発原料24−1の代わりに出発原料2−ブロモ−3−シアノピリジンを使用し、同時にp−フルオロフェニルアセチレンの代わりにフェニルアセチレンを使用し、工程4において、原料2Bの代わりに原料6Fを使用し、相応的な実施例27を得たことにある。
【0217】
関連特性データ:
LCMS m/z:339.0 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.90(dd,J=1.2、4.0 Hz、1H)、8.74(dd,J=1.2、8.0 Hz、1H)、8.64(s,1H)、8.42(s,1H)、7.71(d,J=9.2 Hz、1H)、7.55(dd,J=4.4、8.4 Hz、1H)、7.47(dd,J=1.6、9.2 Hz、1H)、7.42(s,2H)、7.37(dd,J=2.0、8.0 Hz、2H)、7.25−7.17(m,3H)。
【0219】
(28−1)を出発原料として実施例28を合成した、詳しい合成経路:
【化72】
【0220】
第一工程(化合物28−2の合成)
化合物28−1(5.00 g、24.04 mmol、1 eq)のエタノール(100 mL)溶液に鉄粉(6.71 g、120.19 mmol、5.0 eq)を入れ、その後、0℃で塩酸(36.52 g、360.57 mmol、35.80 mL、重量含有量36%、15 eq)を入れ、0〜15℃で、混合物を10分間撹拌し、次に25℃に加熱し、25℃で10時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物をろ過し、ケーキを水(15 mL × 3)で洗浄し、濾液を合わせた。濾液のpHを10に調整し(NaOH水溶液、6M)、大量の沈殿物が形成され、酢酸エチル(200 mL)を入れ、室温で30分間攪拌し、ろ過し、濾液を得た。濾液を酢酸エチル(50 mL × 4)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、真空で濃縮し、化合物28−2を得た。
【0221】
関連特性データ:
LCMS m/z:178.1 [M+H]
+。
【0222】
第二工程(化合物28−3の合成)
化合物28−2(4.2 g、23.59 mmol、1 eq)のエタノール(40 mL)溶液にグリオキサール(5.13 g、35.39 mmol、4.63 mL、1.5 eq) を入れ、混合物を80℃に加熱し、80℃で2時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。システムに大量の黄色い沈殿物があり、混合物をろ過し、乾燥し、化合物28−3を得た。
【0223】
関連特性データ:
LCMS m/z:200.0 [M+H]。
【0224】
第三工程(化合物28−4の合成)
室温で、化合物28−3(1.0 g、5.00 mmol、1 eq)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に2,4−ジメトキシアニリン(835.92 mg、5.00 mmol、753.08 μL、1.0 eq)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(775.36 mg、6.00 mmol、1.04 mL、1.2 eq)を入れ、混合物を25℃で4時間攪拌し、その後、66℃に加熱し、66℃で1時間攪拌した。TLCは原料が消失したことを示し、LCMSは産物を生成されたことを示した。混合物を濃縮し、化合物28−4を得た。
【0225】
関連特性データ:
LCMS m/z:331.0 [M+H]。
【0226】
第四工程(化合物28−5の合成)
化合物28−4(500 mg、1.51 mmol、1 eq)をトリフルオロ酢酸(3 mL)に入れ、システムを70℃に加熱し、70℃で3時間攪拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物を飽和炭酸ナトリウム水溶液(30 mL)でクエンチングし、酢酸エチル(15 mL × 3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(10 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗化合物を得、カラム(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製し、化合物28−5を得た。
【0227】
関連特性データ:
LCMSm/z:181.1[M+H]。
【0228】
第五工程(化合物28−6の合成)
化合物28−5(200mg、1.11 mmol、1 eq)を1,4−ジオキサン(5 mL)及び水(1 mL)の混合溶媒に溶解し、化合物5−メチル−2−フランピナコールボレート(276.50mg、1.33 mmol、1.2 eq)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(162.07mg、221.49μmol、0.2 eq)及びリン酸カリウム(705.23mg、3.32 mmol、3.0 eq)を入れ、混合物を窒素ガスの雰囲気下において、90℃に加熱し、90℃で1時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物をろ過し得られた濾液、ろ過してケーキを酢酸エチル(15 mL × 3)で洗浄し、濾液を合わせ、濃縮し、濃縮した粗化合物をカラム(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製し、化合物28−6を得た。
【0229】
関連特性データ:
LCMSm/z:227.1[M+H]。
【0230】
第六工程(化合物28−7の合成)
化合物28−6(50mg、221.01μmol、1 eq)のアセトニトリル(3 mL)溶液に、N−ヨードスクシンイミド(59.67mg、265.21μmol、1.2 eq)を入れ、混合物を70℃に加熱し、1時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。混合物を濃縮し、化合物28−7の粗化合物を得た。粗化合物を精製せずに次の工程で直接に使用した。
【0231】
関連特性データ:
LCMSm/z:353.0[M+H]。
【0232】
第七工程(実施例28の合成)
化合物2B(60.48mg、238.55μmol、1.2 eq)を1,4−ジオキサン(3 mL)及び水(0.05 mL)の混合溶媒に入れ、化合物28−7(70mg、198.79μmol、1 eq)、リン酸カリウム(126.59mg、596.37μmol、3.0 eq)及び1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン塩化パラジウム(29.09mg、39.76μmol、0.2 eq)を入れ、混合物を窒素ガスの雰囲気下において90℃に加熱し、2時間撹拌した。LCMSは、原料が消失し、産物を生成されたことが示された。反応が終了した後、混合物をろ過し、ケーキを酢酸エチル(10 mL×3)で洗浄し、合わせた濾液を濃縮し、カラムで精製した後、TLCプレート(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって調製し、粗化合物を得た。粗化合物を逆相分取用によって分離し(カラム:Phenomenex Gemini 150 × 25 mm × 10 μm;移動相:[水(10 mM炭酸水素アンモニウム)−アセトニトリル];B%:30%〜60%、10分)、濃縮し、実施例28を得た。
【0233】
関連特性データ:
LCMS m/z:352.0 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.92(d,J=1.6 Hz、1H)、8.76(s,1H)、7.54(s,2H)、7.21(d,J=13.6 Hz、2H)、6.43(d,J=3.2 Hz、1H)、6.15(s,1H)、2.48(s,3H)、2.10(s,3H)。
【0235】
実施例29の調製は、前述の実施例28の経路と類似した工程を参照して実施でき、28−5を原料とする。相違点は工程5において、5−メチル−2−フランピナコールボレートの代わりに原料1−メチルピラゾール−3−パナコールボレートを使用し、工程7において、原料2Bの代わりに原料6Fを使用し、相応的な実施例29を得たことにある。
【0236】
関連特性データ:
LCMS(M−1):342.2;LCMS m/z:344.1 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.94(d,J=1.8 Hz、1H)、8.80(d,J=1.8 Hz、1H)、8.74(s,1H)、8.48(s,1H)、7.78(d,J=9.0 Hz、1H)、7.55(d,J=2.0 Hz、1H)、7.51−7.42(m,3H)、6.33(d,J=2.0 Hz、1H)、3.61(s,3H)。
【0238】
実施例30の調製は、前述の実施例28の経路と類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程5において、原料5−メチル−2−フランピナコールボレートの代わりに原料2−フランボロン酸を使用し、工程7において、原料2Bの代わりに原料6Fを使用し、相応的な実施例30を得たことにある。
【0239】
第八工程(実施例30の合成)
化合物30−3(0.08 g、186.40 μmol、1 eq)のDMF(2 mL)溶液にNCS(26.13 mg、195.72 μmol、1.05 eq)を入れ、60℃で3時間撹拌した。LCMSは、原料がわずかに残り、産物を生成されたことが示された。反応液を水(10 mL)で希釈し、酢酸エチル(15 mL×3)で抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水(15 mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、スピン乾燥した。粗化合物をTLC薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=25/1)及びHPLC(カラム:Gemini 150 × 25 mm 5 μm;移動相:[水(0.05%アンモニアv/v)−アセトニトリル];B%:20%〜50%、12分)によって精製し、実施例30を得た。
【0240】
関連特性データ:
LCMS m/z:364.1 [M+H]
+;
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.94(d,J=2.0 Hz、2H)、8.81(d,J=1.8 Hz、1H)、8.53(s,1H)、7.90(d,J=9.2 Hz、1H)、7.63(s,2H)、7.57(d,J=9.0 Hz、1H)、6.52−6.46(m,2H)。
【0242】
実施例31の調製は、前述の実施例28の経路と類似した工程を参照して実施でき、28−7を原料とする。相違点は工程7において、原料2Bの代わりに原料6Fを使用し、相応的な実施例31を得たことにある。
【0243】
関連特性データ:
LCMS m/z:344.2 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.89(br d,J=12.4 Hz、2H)、8.76(s,1H)、8.52(s,1H)、7.87(br d,J=8.8 Hz、1H)、7.59−7.47(m,3H)、6.39(s,1H)、6.09(s,1H)、2.00(s,3H)。
【0245】
実施例32の調製は、前述の実施例28の経路と類似した工程を参照して実施でき、28−5を原料とする。相違点は工程5において、原料5−メチル−2−フランピナコールボレートの代わりに原料5−クロロチオフェン−2−ボロン酸を使用し、工程7において、原料2Bの代わりに原料6Fを使用し、相応的な実施例32を得たことにある。
【0246】
関連特性データ:
LCMS m/z:380.1 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=9.02(s,1H)、8.93(d,J=1.8 Hz、1H)、8.80(d,J=1.8 Hz、1H)、8.59(s,1H)、7.98(d,J=9.0 Hz、1H)、7.69−7.56(m,3H)、6.91(d,J=4.0 Hz、1H)、6.45(d,J=4.0 Hz、1H)。
【0248】
実施例33の調製は、前述の実施例28の経路と類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程5において、原料5−メチル−2−フランピナコールボレートの代わりに原料5−クロロチオフェン−2−ボロン酸を使用して相応的な実施例33を得たことにある。
【0249】
関連特性データ:
LCMS m/z:388.0 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、DMSO−d
6) δ=8.94(d,J=1.8 Hz、1H)、8.79(d,J=2.0 Hz、1H)、7.62(s,2H)、7.32(d,J=18.8 Hz、2H)、6.96(d,J=4.0 Hz、1H)、6.30(d,J=4.2 Hz、1H)、3.30(s,3H)。
【0251】
実施例34の調製は、前述の実施例26の経路と類似した工程を参照して実施でき、相違点は工程2において、原料26−2の代わりに原料34−3を使用して相応的な実施例34を得たことにある。
【0252】
関連特性データ:
LCMS m/z:392.1 [M+H];
1 H NMR(400 MHz、CDCl
3) δ=8.94(d,J=1.8 Hz、1H)、8.82−8.71(m,1H)、8.44−8.30(m,2H)、7.51(d,J=1.2 Hz、1H)、7.41(dd,J=5.6、8.8 Hz、2H)、6.99(t,J=8.8 Hz、2H)、6.20(br s,2H)。
【0254】
実験例1:本発明の化合物の体外活性テスト実験
ヒトアデノシンA
2a受容体のカルシウムフロー検出実験
【0255】
細胞由来:
A
2a安定細胞株は、上海薬明康徳公司で構築され、宿主細胞はCHOである。
【0256】
テストキット:
Fluo−4 Directキット(Invitrogen、製品番号F10471)。キット内の蛍光検出試薬(特にカルシウムイオンに結合し、蛍光シグナルの増加を引き起こす)と細胞を適切な時間にインキュベートした後、化合物を入れ、細胞を刺激して細胞内のカルシウムの流れが変化し、それにより蛍光シグナルの変化を引き起こし、化合物の興奮活性又は阻害活性の強さを示すことができる。
【0257】
細胞培地:
F12+10% 牛胎児血清+ジェネティシン300ug/ml+ブラスティシジン2ug/ml
【0258】
化合物を希釈する緩衝液:
Hanks平衡塩緩衝液(Invitrogen)+20mM HEPES、毎回使用前に配合する。
【0259】
アゴニスト:
NECA(Sigma−E2387)
【0260】
参照化合物(アンタゴニスト):
CGS−15943(Sigma−C199)
【0261】
化合物の希釈:
被験化合物をDMSOに溶解して10 mMの母液を調製した。被験化合物をDMSOで0.2 mMに希釈し、参照化合物CGS−15943をDMSOで0.015 mMに希釈した。次に、ECHOで10ポイントの3倍連続希釈し、900nlを化合物プレート(Greiner−781280)に移し、化合物希釈バッファー30μLを入れた。被験化合物の最終出発濃度は1μMで、CGS−15943は0.075uMであった。
【0262】
測定方法:
細胞準備:
凍結したA
2A細胞を取り出し、復活した後、培養培地で1x10
6細胞/mlに再懸濁し、384ウェルポリリジン被覆細胞プレート(Greiner−781946)を20μL/ウェルで接種し、5% CO
2、37℃でインキュベーターで一晩インキュベートした。
【0263】
前日に準備した細胞プレートをインキュベーターから取り出し、ウェルあたり20μL 2 × Fluo−4 DirectTMバッファーを入れ、5% CO
2、37°Cのインキュベーターで50分間インキュベートし、室温で10分間放置した。
【0264】
アゴニストNECAのEC80測定:
アゴニストNECA希釈:0.15 mMの出発濃度のNECAをEchoで10ポイントで3倍連続希釈し、続いて900 nLを相応する化合物プレートに移し、化合物希釈バッファー30 μLを相応する化合物プレートに入れた。最終の出発濃度は750 nMであった。
【0265】
FLIPR機器ソフトウェアを実行し、設定手順に従って、10 μL化合物希釈バッファーを細胞プレートに入れ、蛍光シグナルを読み取った。更に、10 μL既定濃度のアゴニスト参照化合物を細胞プレートに入れ、蛍光シグナルを読み取った。データを読み取った後、ソフトウェアの「Max−Min」及び「Read 90 to Maximum allowed」方法によってデータをエクスポートし、A
2A細胞株のEC80を計算し、6 × EC80濃度のアゴニストを調製した。緩衝塩溶液で相応する細胞の6 × EC80濃度の参照化合物アゴニストを準備し、相応する化合物プレートに30 μL/ウェルを入れ、準備した。
【0266】
被験化合物のIC50の測定:
FLIPR機器ソフトウェアを実行し、設定手順に従って、10 μL既定濃度の試験化合物と参照化合物を細胞プレートに入れ、蛍光シグナルを読み取った。更に、10 μL 6 × EC80濃度の参照化合物アゴニストを細胞プレートに入れ、蛍光シグナルを読み取った。化合物のアゴニスト検出は、ソフトウェアの「Max−Min」、「Read 1 to 90」方法によってデータをエクスポートされた。化合物アンタゴニストの検出は、ソフトウェア「Max−Min」及び「Read 90 to Maximum allowed」方法によってデータをエクスポートされた。データをGraphPad Prism 5.0で解析し、被験化合物IC
50の値を計算した。
【0268】
結論:
表3に示すように、本発明の化合物は優れたアデノシンA
2A受容体拮抗活性を示した。
【0270】
実験材料:
Balb/cマウス(雌、15〜30g、7〜9週齢、上海霊暢実験動物有限公司)を使用した。
【0271】
実験方法:
標準プロトコルで化合物の静脈内及び経口投与後のげっ歯類の薬物動態特性をテストし、実験では、候補化合物を透明な溶液に調製し、マウスに単回静脈注射又は単回経口投与した。静脈内(IV)溶媒は5%DMSO/5%ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート/90%水の混合溶媒であり、経口(PO)溶媒は1%tween80、9%PEG400、90%水(PH=3)混合溶媒であった。48時間以内の全血サンプルを収集し、3000 gを4℃で15分間遠心分離し、上清を分離して血漿サンプルを得、内部標準品を含有するアセトニトリル溶液をボリュームの20倍量を入れ、タンパク質を沈殿させ、遠心分離して上清を得て、等量の水を入れ、再度に遠心分離し、上清を取り、注入し、血漿薬物濃度をLC−MS/MS分析法によって定量的に分析し、薬物動態パラメーター、例えば、ピーク濃度、ピーク時間、クリアランス、半減期、薬物時間曲線下面積、バイオアベイラビリティなどを計算した。
【0273】
結論:
本発明の化合物は、マウスの薬物動態学指標を顕著に改善することができる。
【0274】
実験例3:本発明の化合物の体内薬物効果の試験
【0275】
実験材料:
BALB/cマウス(雌)、マウス結腸癌CT26細胞(中国科学院典型培養物保存委員会細胞バンク)を体外で単層培養し、培養条件は10%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地及び37°C、5%CO
2のインキュベーターで培養した。トリプシン−EDTAで従来の消化し、継代した。細胞が指数増殖期にあり、飽和度が80%〜90%の場合、細胞を収集してカウントする。
【0276】
化合物の調製:
実施例19を量りとって、溶媒(10%PEG400 + 90%(10%Cremophor水溶液))に入れ、それぞれ2.5mg/mL、5mg/mL及び10mg/mLのサンプルを作成した。72μLのCS1003(PD−1抗体)溶液(25mg/ml)を取り、1.728mlダルベッコのリン酸緩衝液(DPBS)を入れ、1mg/ml溶液を調製し、次に16.2ml DPBSを入れ、0.1 mg/ml透明な溶液を調製した。
【0277】
実験操作:
細胞を3×10
6細胞/mLの密度でダルベッコのリン酸緩衝液に再懸濁した。0.1 mL DPBS(3×10
5CT26細胞を含む)を各マウスの右側の背部に皮下接種し、接種当日のマウスの体重によってグルプあたり9匹になるようにランダムにグループに分け、投与を開始し、20日間続けた。実験期間中、毎日重さを測り、動物の健康を監視し、特別な状況がある場合は、直ちに関連するプロジェクトリーダーに通知し、相応する記録を作成する必要がある。毎週2回ノギスで腫瘍体積を測定した。腫瘍体積の計算式はV=0.5×a×b
2で、ここで、a及びbはそれぞれ腫瘍の長径及び短径である。
【0279】
化合物の抗腫瘍効果は、GI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)によって評価した。相対腫瘍増殖率T/C(%)= Vt/Vc×100%(Vt:治療グループの平均腫瘍体積、Vc:陰性対照グループの平均腫瘍体積)。VtとVcは同じ日のデータを取った。
【0280】
GI(%)、腫瘍抑制率。GI(%)=1−Vt/Vc×100%。
【0281】
統計分析は、実験終了時の相対腫瘍体積及び腫瘍重量をSPSSソフトウェアで分析された。2つのグループ間の比較はt−testによって分析され、3つ以上のグループ間の比較はone−way ANOVAによって分析し、分散が均一である場合(F値に有意差はない)、Tukey’s法で分析され、分散が不均一である場合(F値に有意差がある)、Games−Howell法で検定した。P<0.05は有意差があると見なされた。
投与開始後20日目に、溶媒グループの腫瘍体積は847.09±79.65 mm
3に達し、CS1003(1mg/kg)グループの腫瘍体積は487.34±109.07 mm
3であり、その腫瘍抑制率は42.47%(対照グループと有意差なし)であった。溶媒グループと比較して、併用薬の各グループは全部生体内で移植腫瘍の成長を著しく阻害することができ、その内、実施例6の塩酸塩とCS1003の併用の効力は、投与量及び投与頻度に正の関係があった。25 mg/kg、50 mg/kg及び100 mg/kgの実施例6の塩酸塩と1 mg/kgのCS1003の併用のエンドポイントでの腫瘍体積は、312.06±80.17 mm
3、246.48±62.57 mm
3及び233.10±59.55 mm
3で、腫瘍抑制率はそれぞれ63.16%、70.90%及び72.48%であった(P<0.001)。一方、1日2回の実施例6の塩酸塩(50mg/kg)とCS1003の併用の投与はより強い抗腫瘍効果を示し、実験終了時に、このグループの平均腫瘍体積は142.17±40.30 mm
3であり、腫瘍抑制率は83.22%であった(P<0.001)。これにより実施例6の塩酸塩はCS1003と併用する場合、マウス結腸癌細胞CT26の体内同種腫瘍の成長を著しく阻害できることが分かった。
【0282】
実施例6の塩酸塩(50 mg/kg)+CS1003(1 mg/kg)、実施例6の塩酸塩(100 mg/kg)+CS1003、及び実施例6の塩酸塩(50 mg/kg、1日2回)+CS1003は、実施例6の塩酸塩単一薬と比較して、有意差があり、その内、実施例6の塩酸塩50 mg/kgと比較して、3つのグループのP値はそれぞれ0.032、0.023及び0.002であり、実施例6の塩酸塩100mg/kgと比較して、3つのグループのP値はそれぞれ0.038、0.027及び0.002であった。同時に、Q値をキング式で計算して、実施例6の塩酸塩(50 mg/kg)はCS1003と一定の相加効果があるが、実施例6の塩酸塩(100 mg/kg)とCS1003は協同作用を有することが分かった。
【0283】
結論:
本発明の化合物はCS1003と併用する場合は、良い抗腫瘍効果を得、本発明の化合物はCS1003と併用する時、協同作用を有する。
【0284】
実施例4:本発明の化合物の体内薬物効果のPK実験
実験は、実験例3の投与の20日目、投与後の異なる時点(0時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間及び24時間)で、実験の各グループに対して血液及び組織を収集した。
【0286】
結論:
本発明の化合物は、血漿及び腫瘍組織に十分な曝露量がある。