(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-535286(P2020-535286A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を安定化するための方法、安定化プラスチック組成物、ならびにそれから生成される成形コンパウンドおよび成形部品
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20201106BHJP
C08K 5/053 20060101ALI20201106BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20201106BHJP
C09K 15/08 20060101ALI20201106BHJP
C09K 15/06 20060101ALI20201106BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/053
C08K5/13
C09K15/08
C09K15/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2020-517918(P2020-517918)
(86)(22)【出願日】2018年9月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月25日
(86)【国際出願番号】EP2018075971
(87)【国際公開番号】WO2019063550
(87)【国際公開日】20190404
(31)【優先権主張番号】102017217312.2
(32)【優先日】2017年9月28日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】515230084
【氏名又は名称】フラウンホーファー−ゲゼルシャフト ツゥア フェアデルング デア アンゲヴァンドテン フォァシュング エー.ファウ.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】プフェンドナー ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】メッチ−ズィリゲン エルケ
【テーマコード(参考)】
4H025
4J002
【Fターム(参考)】
4H025AA12
4H025AA18
4J002BB121
4J002EC036
4J002EC056
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4J002FD078
4J002GB00
4J002GG00
4J002GL00
4J002GN00
(57)【要約】
本発明は、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材または事前損傷プラスチックの酸化、熱及び/又は化学線劣化を安定化させる方法に関する。本発明に従う方法では、構成成分として少なくとも1種のアルジトール又はシクリトールがハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入され、任意選択で少なくとも1種の一次酸化防止剤及び/又は少なくとも1種の二次酸化防止剤がハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。プラスチックリサイクル材は、本発明に従う方法によって非常に有効性で非常に環境に優しく費用のかからない方式で、酸化、熱及び/又は化学線劣化を安定化される。本発明は、対応するリサイクル材ベースのプラスチック組成物並びにそれから生成される成形コンパウンド及び成形部品に関する。本発明はさらに、安定剤組成物並びにハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の酸化、熱及び/又は化学線劣化を安定化させる使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための方法であって、少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール(構成成分(A))が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される、方法。
【請求項2】
少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトールに加えて、少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤(構成成分(B))が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の一次酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、アミン、ラクトンおよびそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1種の二次酸化防止剤が、リン化合物、特に、ホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特に、スルフィドおよびジスルフィド、ならびにそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1種のアルジトールが、分子式
HOCH2[CH(OH)]nCH2OH、
R1−OCH2[CH(OH)]nCH2OH、または
HOCH2[CH(OH)]n[CH(OR1)]CH2OH
(式中、n=2〜6であり、好ましくは、n=3〜5であり、R1は、任意選択で置換された糖残基である)
を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種のアルジトールが、トレイトール、エリスリトール、ガラクトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルトール、ラクチトール、マルチトール、マルトトリトールならびにポリオール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物を含む群から選択され、少なくとも1種のアルジトールが、好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトールおよびそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1種のシクリトールが、イノシトール、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンズリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、シケリトール、クエブラキトール、キナ酸、シキミ酸およびバリエノールを含む群から選択され、少なくとも1種のシクリトールが、好ましくは、ミオ−イノシトールであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることを特徴とする、請求項2から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
構成成分(A)および構成成分(B)が、95:5〜5:95、好ましくは90:10〜90:10、特に好ましくは80:20〜20:80の重量比で、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることを特徴とする、請求項2から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
構成成分(A)および(B)が、
固体として存在する構成成分(A)および(B)を、固体として存在するハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材と混合し、それによって生成された混合物を溶融し、続いて冷却する;または
固体として存在する構成成分(A)および(B)を溶融し、こうして生成された溶融物を、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の溶融物に導入する
ように、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることを特徴とする、請求項2から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
95.0〜99.99重量部、好ましくは99.0〜99.98重量部のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に対して、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.02〜1.0重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/またはシクリトール(構成成分(A))が導入されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に対して、
(C)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール、ならびに
(D)0.04〜6重量部、好ましくは0.06〜1重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤
が導入されることを特徴とする、請求項2から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材が、
a)オレフィンまたはジオレフィンの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレン、特に、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m−PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび統計的またはブロック構造の形態の対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン−アクリルエステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン−アクリル酸グリシジルアクリレートおよび対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリプロピレン−g−アクリル酸およびポリエチレン−g−アクリル酸、
b)再生利用ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルナフタリン、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンイソプレン、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)、スチレンアクリロニトリルアクリレート(ASA)、スチレンエチレン、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエンへのスチレン、SBSまたはSEBSへの無水マレイン酸を含むスチレン無水マレイン酸ポリマー、ならびにメチルメタクリレート、スチレンブタジエンおよびABS(MABS)のグラフトコポリマー、
c)不飽和エステルの再生利用ポリマー、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドおよび対応するコポリマー、例えば、ポリアクリロニトリル−ポリアルキルアクリレート、
d)不飽和アルコールの再生利用ポリマーおよび誘導体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
e)再生利用ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン(POM)および対応するコポリマー、例えば、ブタナールとのコポリマー、
f)再生利用ポリフェニレンオキシド、およびポリスチレンまたはポリアミドとのそのブレンド、
g)環状エーテルの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
h)ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルおよび芳香族または脂肪族イソシアネートの再生利用ポリウレタン、特に、直鎖状ポリウレタン、ポリ尿素、
i)再生利用ポリアミド、例えば、ポリアミド−6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、ならびに例えば、テレフタル酸および/もしくはイソフタル酸ならびに脂肪族ジアミンから、または脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン酸もしくはセバシン酸および芳香族ジアミン、例えば1,4−もしくは1,3−ジアミノベンゾールから製造された(セミ−)芳香族ポリアミド、例えば、ポリフタルアミド、
j)再生利用ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリヒダントイン、
k)脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸およびジオールの、またはヒドロキシカルボン酸の再生利用ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸、
l)再生利用ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびそのブレンド、例えば、PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、
m)再生利用セルロース誘導体、例えば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、
n)ならびに上で名前を挙げたポリマーのうちの2種以上の混合物、組合せまたはブレンド
を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール(構成成分(A));ならびに
(B)少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなるプラスチック組成物。
【請求項15】
(A)0.01〜5.0重量部、好ましくは0.02〜1.0重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/またはシクリトール、ならびに
(B)95.0〜99.99、好ましくは99.0〜99.98重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなることを特徴とする、請求項14に記載のプラスチック組成物。
【請求項16】
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール(構成成分(A));
(B)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤(構成成分(B));ならびに
(C)少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなる、請求項14または15に記載のプラスチック組成物。
【請求項17】
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール、
(B)0.04〜6重量部、好ましくは0.06〜1重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤、ならびに
(C)91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなることを特徴とする、請求項16に記載のプラスチック組成物。
【請求項18】
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール、
(B1)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤、
(B2)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の二次酸化防止剤、ならびに
(C)91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなることを特徴とする、請求項16または17に記載のプラスチック組成物。
【請求項19】
UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン化防止剤、核生成剤、核生成防止剤、強化剤、可塑剤、離型剤、レオロジー改質剤、チキソトロープ剤、鎖延長剤、光学光沢剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、架橋剤、架橋防止剤、親水化剤、疎水化剤、アンカー剤、分散剤、相溶剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、膨張剤、劣化添加剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、かぶり防止剤、フィラー、強化材料およびそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項14から18のいずれか1項に記載のプラスチック組成物。
【請求項20】
a)酸捕捉剤、好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル−2−乳酸カルシウム、ハイドロタルサイト、特に、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛をベースとする合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム、アルカリ土類炭酸塩、特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびドロマイト、ならびに水酸化物、特にブルーサイト、
b)光安定剤、好ましくは、ヒンダードアミンの群からの光安定剤、
c)分散剤、
d)フィラー不活性化剤、ならびに
e)それらの混合物
を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤を追加的に含むことを特徴とする、請求項14から19のいずれか1項に記載のプラスチック組成物。
【請求項21】
少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材が、好ましくはポリオレフィンリサイクル材であることを特徴とする、請求項14から20のいずれか1項に記載のプラスチック組成物。
【請求項22】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法を使用して製造することができることを特徴とする、請求項14から21のいずれか1項に記載のプラスチック組成物。
【請求項23】
例えば、電機産業用、建設業用、輸送業用、医療用途用、家庭用電化製品用、自動車部品用、消費者向け製品用、包装用、家具用および/または織物用の、押出、射出成形、吹込み成形、カレンダー加工、圧縮プロセス、紡績プロセスおよび/または回転成形によって製造された、特に、射出成形部品、箔、フィルム、ラッカー、コーティング、発泡体、繊維、ケーブル、チューブ、セクション、中空体、リボン、膜、例えば、ジオメンブレン、滑沢剤、着色剤および/または接着剤の形態の、請求項14から21のいずれか1項に記載のプラスチック組成物から製造することができる成形コンパウンドまたは成形部品。
【請求項24】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための安定剤組成物であって、
(A)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤;ならびに
(B)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール
を含む、安定剤組成物。
【請求項25】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための、少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトールの使用。
【請求項26】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための、
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール;
(B)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤
を含むまたはこれらからなる安定剤組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材(recyclate)または事前損傷プラスチックを酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための方法に関する。本発明に従う方法では、構成成分として少なくとも1種のアルジトールまたはシクリトールが、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入され、任意選択でこれに加えて、少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。プラスチックリサイクル材は、本発明に従う方法によって、高度の有効性を有し、非常に環境にやさしく、費用のかからない方式で、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化することができる。本発明は加えてまた、対応するリサイクル材ベースのプラスチック組成物、ならびにそれから生成される成形コンパウンドおよび成形部品に関する。本発明はさらにまた、安定剤組成物、ならびにハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックリサイクル材は成長市場であり、天然資源の再生利用管理における重要な要素であり、次いで、理想的にはリサイクル材は、同一または少なくとも匹敵する特性プロファイルによって、新しいプラスチックの代わりになることが意図されている。しかしながら、製造由来または古いプラスチック由来のリサイクル材では、1回目の加工ステップ(例えば、コンパウンディング、射出成形)の間に機械化学、化学または光誘導プロセスに起因したポリマー鎖の不可逆変化が起こる(例えば、R.Pfaendnerら、Angew.Makromol.Chemie 1995、232、193〜227;J.Pospisilら、Pol.Degr.Stab.1995を参照されたい)。酸素の存在下では、新しい化学基がポリマー鎖中に生成される、および/またはポリマーの組成がラジカル反応によって変化する。これらの新しく形成された基の濃度は、使用の長さおよび使用領域(UV光、高温、接触媒体)により増加する。リサイクル材の構造不均質性は、機械特性などのプラスチック特性に影響する。
【0003】
劣化生成物がさらなる酸化の開始点としてまたは分解促進剤(prodegradant)として作用するため、リサイクル材または事前損傷プラスチックは、新しい材料よりも酸化感受性であることがさらに当てはまる(A.S.Maxwell、Pol.Eng.Sci.2008、381〜385;I.H.Craig、J.R.White、J.Mater.Sci.2006、41、993〜1006)。選択された安定剤による事後安定化は、プラスチックリサイクル材の品質改善を達成する重要な方法である。使用される安定剤は、リサイクル材をさらなる酸化(または光酸化)損傷から保護する。しかしながら、リサイクル材のための最適化された安定剤組成物は、記載された構造偏倚に起因して、新しい生成物の安定化組成物とは異なる(例えば、R.Pfaendner、Kunststoffe International 12/2015、41〜44を参照されたい)。
【0004】
新しいプラスチック生成物とプラスチックリサイクル材との間の現在認識されている差異に起因して、特別なリサイクル材安定剤組成物が知られるようになっており、また市販製品として利用可能である(例えば、PolyAd Services GmbH、BensheimのRecyclostabシリーズ)。リサイクル材の要件を考慮した公知の技術的安定化解決法は、例えば、
− フェノール系酸化防止剤、ホスファイトおよび脂肪酸塩からなる安定化組成物(EP0662101)
− フェノール系酸化防止剤、ホスファイトおよび金属酸化物、例えば酸化カルシウムからなる安定化組成物(US6,525,158、US6,251,972)
− フェノール系酸化防止剤および多官能性エポキシドからなる安定化組成物(EP0702704)
− 大環状ピペリジンによる安定化(US5,789,470)
− 2級芳香族アミンおよび多官能性エポキシドからなる安定化組成物(WO97/30112)
− ヒドロキシルアミンによる損傷ポリオレフィンの変色(EP470048)
− リサイクル材膜のための酸化防止剤、離型剤、ブロッキング防止剤、UV安定剤および帯電防止剤の混合物(DD288161)
− フェノール系酸化防止剤およびホスファイト/ホスホナイトからなる混合プラスチックの安定化組成物(EP0506614)
である。
【0005】
公知の解決法にも関わらず、プラスチックリサイクル材を安定化させるための特に高い性能もしくは効果的で、環境にやさしく、費用のかからない選択肢またはそのために使用可能な安定剤組成物への必要性がなお存在している。
【0006】
ここで、リサイクル材は、既にライフサイクルを経ており、既にコンパウンドされて成形プラスチック部品に形成されており、したがって、機械、化学、化学線および/または酸化負荷に曝されている。これによる特定の欠陥により、リサイクル材の繰り返し加工による基礎となるプラスチック材料への大きすぎる損傷をさらに起こすポリマー鎖が生じる。ここで、ポリマー中に存在する損傷点は、ポリマーの加速および拡大された劣化の開始点として機能する。分子量の低下、分子量分布の広幅化、機械特性の低下および光感受性の上昇が、特に繰り返し加工された場合に再生利用プラスチックで生じる特に典型的な現象である。したがって、全体的に悪化した特性プロファイルは、繰り返し加工に、より不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、このことから出発して、本発明の目的は、プラスチックリサイクル材が、非常に効果的で、環境にやさしく、費用のかからない方式で、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化され得る、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を安定化するための方法を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴によるハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を安定化するための方法に関して、請求項11の特徴によるプラスチック組成物に関して、請求項18の特徴によるプラスチック組成物から製造することができる成形コンパウンドまたは成形部品に関して、請求項19の特徴による安定化組成物に関して、および請求項20の特徴による安定剤組成物の使用に関して達成される。ここで、それぞれの従属請求項は、有利なさらなる発展形を示す。
【0009】
したがって、本発明によると、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための方法であって、少なくとも1種のアルジトールまたはシクリトール(以下、「構成成分(A)」とも呼ばれる)が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される、方法が提供される。
【0010】
プラスチックリサイクル材の基礎を形成する熱可塑性プラスチックは、概して、それらの製造の間にそれらに添加された一次および/または二次酸化防止剤を既に有しているため、したがって、これらのリサイクル材の再加工における再度の一次および/または二次酸化防止剤は、消費されたまたは使用済みプラスチック、つまりリサイクル材の再加工に必要不可欠ではない。驚くべきことに、プラスチックリサイクル材に少なくとも1種のアルジトールまたはシクリトールを混入させれば、一次および/または二次酸化剤の存在下、相乗的方式で、特に高い安定化効果を達成するのに十分であることが見出だされた。
【0011】
本発明によると、プラスチックリサイクル材は、DIN EN 15347:2007規格による用語の定義に従う再生利用プラスチックとして理解される。多くの種類のプラスチックリサイクル材についてさらに関連する国際規格が存在する。例えば、DIN EN 15353:2007は、PETプラスチックリサイクル材に関連する。PSリサイクル材は、DIN EN 15342:2008に詳細に記載されている。PEリサイクル材は、DIN EN 15344:2008において処理される。PPリサイクル材は、DIN EN 15345:2008において特徴付けられている。対応する特定のプラスチックリサイクル材のために、本特許出願は、これらの国際規格の定義を組み込む。
【0012】
新しいプラスチックとは異なり、プラスチックリサイクル材は、通常、事前損傷を有する、すなわち、酸化または(光)酸化プロセスによって新しい化学基がポリマー鎖に生成されている。ポリオレフィンでは、例えば、それらは主に、新しい生成物に存在しないまたは非常に低い度合いでのみ存在するカルボニル基である。したがって、カルボニル基の濃度は同時に、ポリマーの事前損傷の測定値である。カルボニル基の濃度は、公知の分析方法、例えば、E.Richaudら、Pol.Degr.Stab.2009、94、410〜420に記載されているものなどの赤外分光法に従って決定することができる。ここで、1720cm
−1の範囲のカルボニル振幅の吸収の測定が行われる。
【0013】
「ハロゲンフリー」は、本発明によると、熱可塑性プラスチックが1%未満のハロゲン化ポリマー、例えば、PVCまたはPVDCを含有すると理解される。ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、好ましくは、0.5%未満、特に好ましくは0.1%未満のハロゲン化ポリマーを含有する。ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、非常に特に好ましくは、ハロゲン化ポリマーをまったく含有しない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本方法の好ましい実施形態は、少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトールに加えて、少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤を、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入する方法を提供する。
【0015】
本発明に従う方法では、アルジトールまたはシクリトール(構成成分(A))ならびに任意選択で少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤(構成成分(B))が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。ここで、構成成分(A)および(B)は、プラスチックリサイクル材に個々に、すなわち、互いに別々に導入されてもよく、または構成成分(A)および(B)は、構成成分(A)および(B)を含む組成物の形態でもしくは構成成分(A)および(B)からなる組成物の形態で一緒にプラスチックリサイクル材に導入されてもよい。
【0016】
− 少なくとも1種の一次酸化防止剤、または
− 少なくとも1種の二次酸化防止剤、または
− 少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤
が、構成成分(B)として使用される。
【0017】
少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤が使用される場合、それらもまた、プラスチックリサイクル材に個々にもしくは互いに別々に、または混合物の形態で一緒に導入することができる。
【0018】
本発明に従って使用される構成成分(A)および任意選択で構成成分(A)に加えて使用される構成成分(B)は、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の安定剤として作用または一緒に作用し、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の酸化、熱および/または化学線劣化が阻害または防止される。言い換えると、プラスチックは、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材への構成成分(A)および任意選択で追加的に構成成分(B)の導入によって、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化される。
【0019】
ここで、本発明は、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を安定化するために、アルジトール(糖アルコール)および/またはシクリトールが、単独でまたは一次および/もしくは二次酸化防止剤と一緒に使用されることを特に特徴とする。
【0020】
糖アルコールまたはポリオールは、これまでハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を安定化するために使用されてこなかった。糖アルコールおよびポリオールは、従来技術によると、熱安定剤として金属石けんを含む組成物中のポリ塩化ビニル(PVC)および他のハロゲン化ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)の熱安定化のための配合物の唯一の構成成分である。ハロゲン化ポリマーにおけるポリオールのこの安定化効果は、キレート形成およびPVC劣化を促進する亜鉛化合物の非活性化が起こること(H.O.Wirth、H.Andreas、Pure Appl.Chem.1977、49、627〜648;T.Iida、K.Goto、J.Appl.Pol.Sci.1980、25、887〜900を参照されたい)、または反応が、Znを含まないPVCにおけるHCl捕捉剤としてそれとともに達成されること(J.Steenwijkら、Pol.Degr.Stab.2006、2233〜2240を参照されたい)で説明される。
【0021】
しかしながら、非ハロゲン化プラスチックにおいてまたはリサイクル材においてさえ、安定剤としての効果に関しては、PVCなどの非ハロゲン化ポリマーの熱安定化におけるポリオールの効果の公知の機序から結論づけることができない。これらの公知の機序は、むしろハロゲン化ポリマーにのみ適用することができ、ハロゲンフリーポリマーに移行することはできない。この点で、アルジトール(糖アルコール)および/またはシクリトールもまた、それ自体でまたはそれらが一次および/もしくは二次酸化防止剤と一緒に使用された場合、ハロゲンフリーポリマーリサイクル材を安定化し得ることを本発明によって見出すことができたことは、予測できず、むしろ非常に驚くべきことである。
【0022】
驚くべきことに、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の酸化、熱および/または化学線劣化に対する非常に効果的な安定化が、少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトールを、単独でまたは少なくとも1種の一次酸化防止剤および/もしくは少なくとも1種の二次酸化防止剤と一緒に導入することによって達成され得ることが、本発明により見出だされた。加えて、アルジトールまたはシクリトールは、非常に環境にやさしく、費用のかからない化合物である。したがって、本発明に従う方法によって、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を、非常に効果的で、環境にやさしく、費用のかからない方式で、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化することができる。
【0023】
ここで、本発明者らは、プラスチックリサイクル材に混入されるアルジトールおよび/またはシクリトールが、ここで、既に存在する損傷点(概してカルボニル基)と反応して、新しいコンパウンドを加工する場合、ヘミアセタールまたは完全なアセタールが形成し得ると推論する。したがって、プラスチックの損傷点は、効果的にマスクされ、さらなる劣化の開始点としてもはや利用可能ではない。したがって、本発明に従う方法によって、または本発明に従う添加剤組成物によって、プラスチックリサイクル材の損傷点は排除することができる。
【0024】
このため、リサイクル材の最初の適用から存在する一次および二次酸化防止剤は、多くの場合、使用の間に完全には消費されていないと想定され得るため、プラスチックリサイクル材へのアルジトールまたはシクリトールの添加は単独で効果的な安定剤である。
【0025】
本発明に従う方法において使用されるハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材は、好ましくは、ポリオレフィンリサイクル材、例えば、ポリプロピレンリサイクル材またはポリエチレンリサイクル材である。
【0026】
本発明に従う組成物は、事前損傷リサイクル材、特に、カルボニル基の含有量が、赤外分光の吸収によって決定して、少なくとも0.01mol/kgになり、好ましくは0.02mol/kg超であり、特に好ましくは0.05mol/kg超であるポリオレフィンリサイクル材を安定化するために、さらに特に好適である。
【0027】
本発明に従う方法の好ましい変形例では、少なくとも1種の一次酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン、ラクトンおよびそれらの混合物を含む群から選択される。
【0028】
例えば、フェノール系酸化防止剤として、
アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状または分枝状ノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物;
アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール;
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシルフェニル)アジペート;
トコフェロール、例えば、α−、β−、γ−、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE);
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;
アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒヒドロキシ−5’−メチルベンジル)6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン;
O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート;
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート;
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール;
トリアジン化合物、例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;
ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩;
アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート;
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル;
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル;
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard(登録商標)XL−1、Addivantにより販売);
アスコルビン酸(ビタミンC)
を使用することができる。
【0029】
特に好ましいフェノール系酸化防止剤は、以下の構造である:
【0031】
さらに好ましいフェノール系酸化防止剤は、持続可能な原材料をベースとしたフェノール系酸化防止剤、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、トコトリエノール、トコモノエノール、カロテノイド、ヒドロキシチロソール、フラボノール、例えば、クリシン、ケルセチン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジン、ナリンジン、モリン、ショウノウ油、フィセチン、アントシアニン、例えば、デルフィニジンおよびマルビジン、クルクミン、カルノシン酸、カルノソール、ローズマリン酸、タンニンならびにレスベレラトロールである。
【0032】
フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートまたはオクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが、非常に特に好ましくは、一次酸化防止剤として使用される。
【0033】
例えば、アミン系酸化防止剤として、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレン−ジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(diamin)、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルオールスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノ−フェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチル−フェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラ−メチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチル−フェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トルイル)ビグアナイド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシル−ジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、ならびにそれらの混合物または組合せ
を使用することができる。
【0034】
好ましいアミン系酸化防止剤には、
N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレン−ジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
が含まれる。
【0035】
さらに好ましいアミン系酸化防止剤は、
ヒドロキシルアミンまたはN−オキシド(ニトロン)、例えば、N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジステアリルヒドロキシルアミン、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロンおよび式:
【0036】
【化3】
#1 アルキル
に従うGenox EP(Addivantにより販売)
である。
【0037】
好ましいラクトンは、
ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、3−(4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−(2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン)、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン
である。
【0038】
本発明に従う方法のさらに好ましい変形例は、少なくとも1種の二次酸化防止剤が、リン化合物、特に、ホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特に、スルフィドおよびジスルフィド、ならびにそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする。
【0039】
例えば、ホスファイトまたはホスホナイトとして、
トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル))ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン
を使用することができる。
【0040】
特に好ましいホスファイト/ホスホナイトは、
【0042】
ホスファイトトリス−(2,4−d−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが、特に好ましくは、二次酸化防止剤として使用される。
【0043】
好ましい硫黄化合物は、
ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルジチオプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、3−(ドデシルチオ)−1,1’−[2,2−ビス[[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ]メチル]−1,3−プロパンジイル]プロパン酸エステル
である。
【0044】
さらに好ましい実施形態では、構成成分(B)は、一次酸化防止剤および二次酸化防止剤の両方を含む。この場合、構成成分(B)が、フェノール系酸化防止剤およびホスファイトまたはホスホナイトを含むことが特に好ましい。
【0045】
さらに好ましい実施形態では、構成成分(A)および(B)は、持続可能な原材料を含む。
【0046】
本発明に従う方法のさらに好ましい変形例によると、少なくとも1種のアルジトールは、分子式
HOCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、
R
1−OCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、または
HOCH
2[CH(OH)]
n[CH(OR
1)]CH
2OH
(式中、n=2〜6であり、好ましくは、n=3〜5であり、R
1は、任意選択で置換された糖残基である)
を有する。
【0047】
少なくとも1種のアルジトールは、好ましくは、トレイトール、エリスリトール、ガラクトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルトール、ラクチトール、マルチトール、アルトリトール、イジトール、マルトトリトールならびにポリオール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種の好ましいアルジトールは、特に好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトールおよびそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種のアルジトールは、非常に特に好ましくは、マンニトールまたはエリスリトールである。マルチトールは、さらに、グルコースの水和によって技術的に得られ、マルチトールに加えて、ソルビトール、アルジトール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖も含む、いわゆるシロップとして存在し得る。ここで、アルジトールは、様々な光学異性体、例えば、DもしくはL体またはメソ体で存在していてもよい。
【0048】
ヘプチトールおよびオクチトールの例は、メソ−グリセロ−アロ−ヘプチトール、D−グリセロ−D−アルトロ−ヘプチトール、D−グリセロ−D−マンノ−ヘプチトール、メソ−グリセロ−グロ−ヘプチトール、D−グリセロ−D−ガラクト−ヘプチトール(ペルセイトール)、D−グリセロ−D−グルコ−ヘプチトール、L−グリセロ−D−グルコヘプチトール、D−エリスロ−L−ガラクト−オクチトール、D−スレオ−L−ガラクト−オクチトールである。
【0049】
好ましいアルジトールの構造および凝固点は、以下の表1で見ることができる。
【0051】
上で名前を挙げたアルジトールに代えてまたはこれに加えて、シクリトール、すなわち環状ポリオールを、本発明に従う方法において(または本発明に従うプラスチック組成物、成形コンパウンド、または成形部品もしくは安定化組成物のために)使用することができる。
【0052】
少なくとも1種のシクリトールは、特に、イノシトール(ミオ、シロ−、D−キロ−、L−キロ−、ムコ−、ネオ−、アロ−、エピ−およびシス−イノシトール)、1,2,3,4−テトラヒドロキシシクロヘキサン、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシシクロヘキサン、クエルシトール、ビスクミトール、ボルネシトール、コンズリトール、オノニトール、ピニトール、ピンポリトール、クエブラキトール、シケリトール、キナ酸、シキミ酸およびバリエノールを含む群から選択することができ、ここで、ミオ−イノシトールが好ましい。
【0053】
本発明の目的では、構成成分(B)として含有されるアルジトールまたはシクリトールは、構成成分(B)として合計でのそれらの重量部に関して理解されることになり、含有されるアルジトールおよび/またはシクリトールの総量は常にこの意味で理解されることになる。
【0054】
本発明に従う方法の特に好ましい変形例は、少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤が、ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックに導入されることを特徴とする。これは、少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤が、構成成分(A)として使用されることを意味する。この方式で、ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックの、酸化、熱および/または化学線劣化に対するさらにより効果的な安定化を達成することができる。
【0055】
本発明に従う方法のさらに好ましい変形例では、構成成分(A)および構成成分(B)は、5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10、特に好ましくは20:80〜80:20の重量比で、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。
【0056】
構成成分(A)が一次酸化防止剤および二次酸化防止剤の両方を含む場合、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤との比は、好ましくは90:10〜10:90、特に好ましくは80:20〜20:80、非常に特に好ましくは70:30〜30:70である。
【0057】
本発明に従う方法のさらに好ましい変形例は、構成成分(A)および(B)が、
固体として存在する構成成分(A)および(B)を、固体として存在するハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材と混合し、それによって生成された混合物を溶融し、続いて冷却する;または
固体として存在する構成成分(A)および(B)を溶融し、こうして生成された溶融物を、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材の溶融物に導入する
ように、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることを特徴とする。
【0058】
粉末として、圧縮され、ペレット、溶液またはフレークとして存在し得る構成成分(A)および(B)は、好ましくはポリマーと混合されて安定化され、ポリマーマトリックスが溶融物に移され、続いて冷却される。これに代えて、添加剤を、溶融状態のポリマー溶融物に導入することも同様に可能である。
【0059】
さらなる構成成分がハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に添加される場合、それらは、液体、粉末、ペレットもしくは圧縮生成物の形態で別々に、または上記の通りの本発明に従う添加剤組成物と一緒に、ポリマーに混合することができる。
【0060】
UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン化防止剤、核生成剤、核生成防止剤、強化剤、可塑剤、離型剤、レオロジー改質剤、チキソトロープ剤、鎖延長剤、光学光沢剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止手段、カップリング手段、架橋手段、架橋防止手段、親水化剤、疎水化剤、結合剤、分散剤、相溶剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、膨張剤、劣化添加剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、かぶり防止剤、フィラー、強化材料およびそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤を、好ましくは追加的に、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入することができる。
【0061】
a)酸捕捉剤、好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル−2−乳酸カルシウム、ハイドロタルサイト、特に、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛をベースとする合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム、アルカリ土類炭酸塩、特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびドロマイト、ならびに水酸化物、特にブルーサイト、
b)光安定剤、好ましくは、ヒンダードアミンの群からの光安定剤、
c)分散剤、
d)フィラー不活性化剤、ならびに
それらの混合物
を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤が、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に追加的に導入されることがさらに好ましい。
【0062】
好適な光安定剤は、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、安息香酸のエステル、アクリレート、オキサミドおよび2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,−5−トリアジンをベースとする化合物である。
【0063】
好適な2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールは、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−フェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール];ポリエチレングリコール300との2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのエステル交換の生成物;[R−CH
2CH
2−COO−CH
2CH
2]
2(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール)である。
【0064】
好適な2−ヒドロキシベンゾフェノンは、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノンの4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ−および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体である。
【0065】
好適なアクリレートは、例えば、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンである。
【0066】
好適な安息香酸のエステルは、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートである。
【0067】
好適なオキサミドは、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよび2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとのその混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物である。
【0068】
好適な2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンは、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル−1,3,5−トリアジンである。
【0069】
好適な金属不活性化剤は、例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイル−ビス−フェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキシリルジヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドである。
【0070】
好適なヒンダードアミンは、例えば、1,1−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバゼート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバゼート、1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン、ビス(1−アシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバゼート 1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、(33a)ビス(1−ウンデカニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジン、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート 1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメンチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンおよびコハク酸の縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの直鎖状または環状縮合生成物、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンおよびエピクロロヒドリン(epichlorhydrine)の反応生成物である。
【0071】
ここで、立体障害N−H、N−アルキル、例えば、N−メチルまたはN−オクチル、N−アルコキシ誘導体、例えば、N−メトキシまたはN−オクチルオキシ、シクロアルキル誘導体、例えば、N−シクロヘキシルオキシおよびN−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)アナログもまた、各々、上で示される構造に含まれる。
【0072】
好ましいヒンダードアミンは、さらに以下の構造:
【0074】
好ましいオリゴマーおよびポリマーヒンダードアミンは、以下の構造:
【0076】
上で名前を挙げた化合物において、nはそれぞれ3〜100を意味する。
【0077】
好適な分散剤は、例えば、
ポリアクリレート、例えば、長鎖側基を有するコポリマー、ポリアクリレートブロックコポリマー、アルキルアミド:例えば、N,N’−1,2−エタンジイルビスオクタデカンアミドソルビタンエステル、例えば、モノステアリルソルビタンエステル、チタネートおよびジルコネート、官能基を有する反応性コポリマー、例えば、ポリプロピレン−co−アクリル酸、ポリプロピレン−co−無水マレイン酸、ポリエチレン−co−グリシジルメタクリレート、ポリスチレン−alt−無水マレイン酸−ポリシロキサン:例えば、ジメチルシランジオール(dimethylsilandiole)−エチレン−オキシドコポリマー、ポリフェニルシロキサンコポリマー、両親媒性コポリマー:例えば、ポリエチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド、デンドリマー、例えば、ヒドロキシル基を含有するデンドリマー
である。
【0078】
好適な核生成剤は、例えば、滑石、単官能および多官能カルボン酸、例えば、安息香酸、コハク酸、アジピン酸のアルカリまたはアルカリ土類塩、例えば、安息香酸ナトリウム、グリセロール酸亜鉛(zink)、ヒドロキシ−ビス(4−tert−ブチル)安息香酸アルミニウム、ベンジリデンソルビトール、例えば、1,3:2,4−ビス(ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ならびにトリスアミドおよびジアミド、例えば、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド(tricyclohexylami)、トリメシン酸トリ(4−メチルシクロ−ヘキシルアミド)、トリメシン酸トリ(tert.ブチルアミド)、N,N’,N’’−1,3,5−ベンゾールトリイルトリス(2,2−ジメチル−プロパンアミド)または2,6−ナフタリンジカルボン酸−シクロヘキシルアミドである。
【0079】
好適な核生成防止剤は、例えば、アジン染料、例えば、ニグロシン、イオン性液体および/またはリチウム塩である。
【0080】
好適な難燃剤は、例えば、
a)無機難燃剤、例えば、Al(OH)
3、Mg(OH)
2、AlO(OH)、MgCO
3、層状ケイ酸塩、例えば、モンモリロナイトまたはセピオライト、非改質または有機改質複塩、例えば、Mg−Al−シリケート、POSS(多面体オリゴマーシルセスキオキサン)化合物、ハンタイト、ハイドロマグネサイトまたはハロイサイトおよびSb
2O
3、Sb
2O
5、MoO
3、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、
b)窒素を含有する難燃剤、例えば、メラミン、メレム、メラム、メロン、メラミン誘導体、メラミン縮合生成物またはメラミン塩、ベンゾグアナミン、ポリイソシアヌレート、アラントイン、ホスファセン、特に、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、リン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、メラミン金属ホスフェート、例えば、メラミンアルミニウムホスフェート、メラミン亜鉛ホスフェート、メラミンマグネシウムホスフェート、ならびに対応するピロリン酸塩およびポリリン酸塩、ポリ−[2,4−(ピペラジン−1,4−イル)−6−(モルホリン−4−イル)−1,3,5−トリアジン]、ポリリン酸アンモニウム、ホウ酸メラミン、臭化水素酸メラミン、
c)ラジカル形成剤、例えば、アルコキシアミン、ヒドロキシルアミンエステル、アゾ化合物、スルフェンアミド、スルフェンイミド、ジクミルまたはポリクミル、ヒドロキシイミドおよびそれらの誘導体、例えば、ヒドロキシイミドエステルまたはヒドロキシイミドエーテル、
d)リンを含有する難燃剤、例えば、赤リン、ホスフェート、例えば、レゾルシンジホスフェート、ビスフェノール−A−ジホスフェートおよびそれらのオリゴマー、トリフェニルホスフェート、エチレンジアミンジホスフェート、ホスフィネート、例えば、次亜リン酸の塩およびそれらの誘導体、例えば、アルキルホスフィン酸塩、例えば、ジエチルホスフィン酸アルミニウムまたはジエチルホスフィン酸亜鉛またはホスフィン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウム、ホスホン酸エステル、メタンホスホン酸のオリゴマーおよびポリマー誘導体、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスホリルフェナントレン−10−オキシド(DOPO)およびそれらの置換化合物、
e)任意選択でSb
2O
3および/またはSb
2O
5との組合せで、塩素および臭素をベースとするハロゲン化難燃剤、例えば、ポリ臭化ジフェニルオキシド、例えば、デカブロモジフェニルオキシド、トリス(3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル−ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、テトラブロモフタル酸、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭化ジフェニルエタン、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、エチレン−ビス−(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモ−ビスフェノールA、臭化ポリスチレン、臭化ポリブタジエンまたはポリスチレン臭化ポリブタジエンコポリマー、臭化ポリフェニレンエーテル、臭化エポキシ樹脂、ポリペンタブロモベンジルアクリレート、
f)任意選択で、シリカなどの担体材料上の、ホウ酸塩、例えば、ホウ酸亜鉛またはホウ酸カルシウム、
g)硫黄を含有する化合物、例えば、元素硫黄、ジスルフィドおよびポリスルフィド、チウラムスルフィド、ジチオカルバメート、メルカプトベンゾチアゾールおよびスルフェンアミド、
h)ドリップ防止剤、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、
i)ケイ素を含有する化合物、例えば、ポリフェニルシロキサン、
j)炭素変形物、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、膨張黒鉛またはグラフェン、
k)ならびにそれらの組合せまたは混合物
である。
【0081】
好適なフィラーおよび強化剤は、例えば、合成または天然材料、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラスファイバー、ガラス球(中密または中空)、滑石、雲母、カオリン、硫酸バリウム、金属酸化物および金属水酸化物、黒色炭素、黒鉛、カーボンナノチューブ、グラフェン、木粉または天然物の繊維、例えば、セルロースまたは合成繊維である。さらに好適なフィラーには、ハイドロタルサイトまたはゼオライトまたはフィロシリケート、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、雲母、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、加水黒雲母、マガディアイト(magadite)、イライト、カオリナイト、珪灰石、アタパルジャイトである。
【0082】
好適な顔料は、無機または有機性のものであり得る。無機顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化鉄、群青、黒色炭素であり、有機顔料は、例えば、アントラキノン、アンタントロン、ベンズイミダゾロン、キナクリドン、ジケトピロロピロール(diketoptyrrolopyrrols)、ジオキサジン、イナントロン、イソインドリン、アゾ化合物、ペリレン、フタロシアニンまたはピラントロンである。さらに好適な顔料には、金属ベースの効果顔料または金属酸化物ベースのパールグロス顔料が含まれる。
【0083】
ポリエステルまたはポリアミドなどの重縮合ポリマーの直鎖状分子量構造の好適な鎖延長剤は、例えば、ジエポキシド、ビス−オキサゾリン(oxazonlines)、ビス−オキサゾロン、ビス−オキサジン、ジイソシアネート(diisoscyanates)、ジアンヒドリド、ビス−アシルラクタム、ビス−マレイミド、ジシアネート、カルボジイミドである。さらに好適な鎖延長剤には、ポリマー化合物、例えば、ポリスチレンポリアクリレートポリグリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、ポリスチレン無水マレイン酸コポリマーおよびポリエチレン無水マレイン酸コポリマーが含まれる。
【0084】
好適な光学光沢剤は、例えば、ビスベンゾオキサゾール、フェニルクマリンまたはビス(スチリル)ビフェニルおよび特に、式:
【0086】
好適なフィラー不活性化剤は、例えば、ポリシロキサン、ポリアクリレート、特にブロックコポリマー、例えば、ポリメタクリル酸ポリアルキレン(polyalkyene)オキシドまたはポリグリシジル(メタ)アクリレート、ならびに例えば、以下の構造:
【0087】
【化11】
の、例えば、スチレンおよびエポキシドとのそれらのコポリマーである。
【0088】
好適な帯電防止剤は、例えば、エトキシル化アルキルアミン、脂肪酸エステル、アルキルスルホネートおよびポリマー、例えば、ポリエーテルアミドである。
【0089】
好適なオゾン化防止剤には、上で名前を挙げたアミン、例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンが含まれる。
【0090】
好適な離型助剤は、例えば、モンタンワックスである。
【0091】
プラスチックリサイクル材への構成成分(A)および(B)ならびに任意選択で追加の添加剤の混入は、典型的な加工方法によって行われ、ポリマーは溶融され、本発明に従う添加剤組成物および任意選択でさらなる添加剤と、好ましくはミキサー、混練機および押出機によって混合される。一軸押出機、二軸押出機、遊星歯車押出機、リング押出機などの押出機、および好ましくは真空脱気を備えた共混練機が、加工機械として好ましい。ここで、加工は、大気下または任意選択で窒素下などの不活性ガス条件下で行うことができる。
【0092】
構成成分(A)および(B)は、さらに、いわゆるマスターバッチ、または例えば、ポリマー中に10〜90%の、構成成分(A)および(B)を含む安定剤組成物を含む濃縮物の形態で製造および導入することができる。
【0093】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材が、
a)オレフィンまたはジオレフィンの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレン、特に、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m−PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび統計的またはブロック構造の形態の対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン−アクリルエステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン−アクリル酸グリシジルアクリレートおよび対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリプロピレン−g−アクリル酸およびポリエチレン−g−アクリル酸、
b)再生利用ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルナフタリン、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンイソプレン、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)、スチレンアクリロニトリルアクリレート(ASA)、スチレンエチレン、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエンへのスチレン、SBSまたはSEBSへの無水マレイン酸を含むスチレン無水マレイン酸ポリマー、ならびにメチルメタクリレート、スチレンブタジエンおよびABS(MABS)のグラフトコポリマー、
c)不飽和エステルの再生利用ポリマー、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドおよび対応するコポリマー、例えば、ポリアクリロニトリル−ポリアルキルアクリレート、
d)不飽和アルコールの再生利用ポリマーおよび誘導体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
e)再生利用ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン(POM)および対応するコポリマー、例えば、ブタナールとのコポリマー、
f)再生利用ポリフェニレンオキシド、およびポリスチレンまたはポリアミドとのそのブレンド、
g)環状エーテルの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
h)ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルおよび芳香族または脂肪族イソシアネート(isocynates)の再生利用ポリウレタン、特に、直鎖状ポリウレタン、ポリ尿素、
i)再生利用ポリアミド、例えば、ポリアミド−6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、ならびに例えば、テレフタル酸(terepththalic acid)および/もしくはイソフタル酸ならびに脂肪族ジアミンから、または脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン酸もしくはセバシン酸および芳香族ジアミン、例えば1,4−もしくは1,3−ジアミノベンゾールから製造された(セミ−)芳香族ポリアミド、例えば、ポリフタルアミド、
j)再生利用ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリヒダントイン、
k)脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸およびジオールの、またはヒドロキシカルボン酸の再生利用ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサン(dimethylocyclohexane)テレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸、
l)再生利用ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびそのブレンド、例えば、PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、
m)再生利用セルロース誘導体、例えば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、
n)ならびに上で名前を挙げたポリマーのうちの2種以上の混合物、組合せまたはブレンド
を含む群から選択されることがさらに好ましい。
【0094】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材は、特に好ましくは、オレフィンまたはジオレフィンのポリマー、例えば、ポリエチレン、特に、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m−PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび統計的またはブロック構造の形態の対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン−アクリルエステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン−アクリル酸グリシジルアクリレートおよび対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリプロピレン−g−アクリル酸およびポリエチレン−g−アクリル酸を含む群から選択される。
【0095】
ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、非常に特に好ましくは、ポリオレフィンリサイクル材である。ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材は、例えば、特にポリプロピレンリサイクル材であるポリプロピレンまたは特にポリエチレンリサイクル材であるポリエチレンであり得る。
【0096】
本発明に従う方法において、0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜1重量部のアルジトールまたはシクリトールが、好ましくは、95〜99.99、好ましくは99〜99.98部のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。
【0097】
本発明に従う方法において、
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール、ならびに
(B)0.04〜6重量部、好ましくは0.06〜1重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤
が、さらに好ましくは、91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入される。
【0098】
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール、
(B1)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤、
(B2)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の二次酸化防止剤
が、91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材に導入されることがさらに好ましい。
【0099】
本発明は、
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール(構成成分(A));ならびに
(B)少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなるプラスチック組成物にさらに関する。
【0100】
この場合、任意選択でリサイクル材に既に含有されている一次および/または二次酸化防止剤を除いて、さらなる一次および/または二次(フレッシュ)酸化防止剤は、プラスチック組成物と混合されない。
【0101】
リサイクル材に含有される一次および/または二次酸化防止剤ならびにそれらの劣化生成物は、必要であれば、当業者によく知られた従来の分析方法によって、例えば、HPLCなどのクロマトグラフィー法によって、任意選択で好適な溶媒によるポリマーからの抽出および溶媒の除去による後続の濃縮の後に決定され得る。
【0102】
本発明は加えてまた、
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール;
(B)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤;ならびに
(C)少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなるプラスチック組成物に関する。
【0103】
好ましい実施形態では、プラスチック組成物は、プラスチック組成物が、
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトール;
(B)0.04〜6重量部、好ましくは0.06〜1重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤、ならびに
(C)91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなることを特徴とする。
【0104】
本発明に従う組成物は、好ましくは、少なくとも1種の一次酸化防止剤および少なくとも1種の二次酸化防止剤を含む。
【0105】
さらに好ましい実施形態は、プラスチック組成物が、
(A)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール;
(B1)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の一次酸化防止剤;
(B2)0.02〜3重量部、好ましくは0.03〜0.5重量部の少なくとも1種の二次酸化防止剤;ならびに
(C)91〜99.94重量部、好ましくは98.5〜99.91重量部の少なくとも1種のハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材
を含むまたはこれらからなることを特徴とする。
【0106】
さらに好ましい実施形態によると、本発明に従うプラスチック組成物は、UV吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、フィラー不活性化剤、オゾン化防止剤、核生成剤、核生成防止剤、強化剤、可塑剤、離型剤、レオロジー改質剤、チキソトロープ剤、鎖延長剤、光学光沢剤、抗菌活性剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤、架橋剤、架橋防止剤、親水化剤、疎水化剤、アンカー剤、分散剤、相溶剤、酸素捕捉剤、酸捕捉剤、膨張剤、劣化添加剤、消泡剤、消臭剤、マーキング剤、かぶり防止剤、フィラー、強化材料およびそれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤を追加的に含む。
【0107】
プラスチック組成物が、
a)酸捕捉剤、好ましくは、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアロイル−2−乳酸カルシウム、ハイドロタルサイト、特に、アルミニウム、マグネシウムおよび亜鉛をベースとする合成ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ゼオライト、アルカリ土類酸化物、特に、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルカリ土類炭酸塩、特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびドロマイト、ならびに水酸化物、特にブルーサイト、
b)光安定剤、好ましくは、ヒンダードアミンの群からの光安定剤、
c)分散剤、
d)フィラー不活性化剤、ならびに
それらの混合物
を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤を追加的に含むことがさらに好ましい。
【0108】
安定剤としてアルジトールまたはシクリトールさえリサイクル材に添加されれば、好ましい実施形態において、さらなる添加剤は、特に酸捕捉剤である。好ましい酸捕捉剤は、上で定義されている。
【0109】
本発明に従うプラスチック組成物は、好ましくは、ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックを、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための、本発明に従う方法を使用して製造され得るまたは製造されている。
【0110】
本発明に従う方法に関して記載されるすべての好ましい変形例、例示的な実施形態およびコメント(例えば、使用される可能な構成成分および添加剤に関して)はまた、本発明に従うプラスチック組成物に適宜当てはまる。
【0111】
本発明に従うプラスチック組成物の好ましい実施形態によると、少なくとも1種の一次酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン、ラクトンおよびそれらの混合物を含む群から選択される。
【0112】
フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが、特に好ましくは、一次酸化防止剤として、本発明に従うプラスチック組成物に含まれる。
【0113】
本発明に従うプラスチック組成物のさらに好ましい実施形態は、少なくとも1種の二次酸化防止剤が、リン化合物、特に、ホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特に、スルフィドおよびジスルフィド、ならびにそれらの混合物を含むから選択されることを特徴とする。
【0114】
ホスファイトであるトリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが、特に好ましくは、二次酸化防止剤として、本発明に従うプラスチック組成物に含まれる。
【0115】
さらに好ましい実施形態によると、少なくとも1種のアルジトールは、分子式
HOCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、
R
1−OCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、または
HOCH
2[CH(OH)]
n[CH(OR
1)]CH
2OH
(式中、n=2〜6であり、好ましくは、n=3〜5であり、R
1は、任意選択で置換された糖残基である)
を有する。
【0116】
少なくとも1種のアルジトールは、好ましくは、トレイトール、エリスリトール、ガラクトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルトール、ラクチトール、マルチトール、マルトトリトールならびにポリオール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種の好ましいアルジトールは、特に好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトールおよびそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種のアルジトールは、非常に特に好ましくは、マンニトールであり、またはシクリトールはミオ−イノシトールである。
【0117】
さらに好ましい実施形態では、構成成分(A)および構成成分(B)は、95:5〜5:95、好ましくは90:10〜9010、特に好ましくは80:20〜20:80の重量比でプラスチック組成物に含まれる。
【0118】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材が、
a)オレフィンまたはジオレフィンの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレン、特に、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m−PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび統計的またはブロック構造の形態の対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン−アクリルエステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン−アクリル酸グリシジルアクリレートおよび対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリプロピレン−g−アクリル酸およびポリエチレン−g−アクリル酸、
b)再生利用ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルナフタリン、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレン、スチレンイソプレン、スチレンイソプレンスチレン(SIS)、スチレンブタジエンアクリロニトリル(ABS)、スチレンアクリロニトリルアクリレート(ASA)、スチレンエチレン、対応するグラフトコポリマー、例えば、ブタジエンへのスチレン、SBSまたはSEBSへの無水マレイン酸を含むスチレン無水マレイン酸ポリマー、ならびにメチルメタクリレート、スチレンブタジエンおよびABS(MABS)のグラフトコポリマー、
c)不飽和エステルの再生利用ポリマー、例えば、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリブチルアクリレート、ポリラウリルアクリレート、ポリステアリルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミドおよび対応するコポリマー、例えば、ポリアクリロニトリル−ポリアルキルアクリレート、
d)不飽和アルコールの再生利用ポリマーおよび誘導体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、
e)再生利用ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン(POM)および対応するコポリマー、例えば、ブタナールとのコポリマー、
f)再生利用ポリフェニレンオキシド、およびポリスチレンまたはポリアミドとのそのブレンド、
g)環状エーテルの再生利用ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
h)ヒドロキシ末端ポリエーテルまたはポリエステルおよび芳香族または脂肪族イソシアネートの再生利用ポリウレタン、特に、直鎖状ポリウレタン、ポリ尿素、
i)再生利用ポリアミド、例えば、ポリアミド−6、6.6、6.10、4.6、4.10、6.12、12.12、ポリアミド11、ポリアミド12、ならびに例えば、テレフタル酸(terepththalic acid)および/もしくはイソフタル酸ならびに脂肪族ジアミンから、または脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン酸もしくはセバシン酸および芳香族ジアミン、例えば1,4−もしくは1,3−ジアミノベンゾールから製造された(セミ−)芳香族ポリアミド、例えば、ポリフタルアミド、
j)再生利用ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリ(エーテル)ケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリヒダントイン、
k)脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸およびジオールの、またはヒドロキシカルボン酸の再生利用ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、ポリヒドロキシナフタレート、ポリ乳酸、
l)再生利用ポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびそのブレンド、例えば、PC/ABS、PC/PBT、PC/PET/PBT、
m)再生利用セルロース誘導体、例えば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、
n)ならびに上で名前を挙げたポリマーのうちの2種以上の混合物、組合せまたはブレンド
を含む群から選択されることがさらに好ましい。
【0119】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材は、特に好ましくは、オレフィンまたはジオレフィンのポリマー、例えば、ポリエチレン、特に、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDE、HDPEおよびUHMWPE、メタロセンPE(m−PE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシクロオクテン、ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマーおよび統計的またはブロック構造の形態の対応するコポリマー、例えば、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPMまたはEPDM、エチレン−酢酸ビニル(EVA)、エチレン−アクリルエステル、例えば、エチレンブチルアクリレート、エチレン−アクリル酸グリシジルアクリレートおよび対応するグラフトポリマー、例えば、ポリプロピレン−g−無水マレイン酸、ポリプロピレン−g−アクリル酸およびポリエチレン−g−アクリル酸を含む群から選択される。
【0120】
ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材は、非常に特に好ましくは、ポリオレフィン、特に、ポリオレフィンリサイクル材である。ハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、例えば、ポリプロピレン、特にポリプロピレンリサイクル材であり得る。
【0121】
本発明はまた、例えば、電機産業用、建設業用、輸送業用、医療用途用、家庭用電化製品用、自動車部品用、消費者向け製品用、包装用、家具用および/または織物用の、押出、射出成形、吹込み成形、カレンダー加工、圧縮プロセス、紡績プロセスおよびまたは回転成形によって製造された、特に、射出成形部品、箔、フィルム、ラッカー、コーティング、発泡体、繊維、ケーブル、チューブ、セクション、中空体、リボン、膜、例えば、ジオメンブレン、滑沢剤、着色剤および/または接着剤の形態の、本発明に従うプラスチック組成物から製造することができる成形コンパウンドまたは成形部品に関する。
【0122】
本発明はさらにまた、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材、好ましくはハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための安定剤組成物であって、
(A)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/または少なくとも1種の二次酸化防止剤;ならびに
(B)少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトール
を含む、安定剤組成物に関する。
【0123】
本発明に従う方法に関しておよび本発明に従うプラスチック組成物に関して既に記載されているすべての好ましい変形例、例示的な実施形態およびコメント(例えば、使用される可能な構成成分および添加剤に関して)はまた、本発明に従う安定剤組成物に適宜当てはまる。
【0124】
本発明に従う安定剤組成物の好ましい実施形態では、少なくとも1種の一次酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン、ラクトンおよびそれらの混合物を含む群から選択される。
【0125】
好ましいフェノール系酸化防止剤、好ましいアミンおよび好ましいラクトンは各々、本発明に従う方法および本発明に従うプラスチック組成物において名前を挙げたものと同じである。
【0126】
本発明に従う安定剤組成物のさらに好ましい実施形態は、少なくとも1種の二次酸化防止剤が、リン化合物、特に、ホスファイトおよびホスホナイト、有機硫黄化合物、特に、スルフィドおよびジスルフィド、ならびにそれらの混合物を含む群から選択されることを特徴とする。
【0127】
好ましいホスファイトおよびホスホナイトならびに好ましい硫黄化合物は各々、本発明に従う方法および本発明に従うプラスチック組成物において名前を挙げたものと同じである。
【0128】
さらに好ましい実施形態によると、少なくとも1種のアルジトールは、分子式
HOCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、
R
1−OCH
2[CH(OH)]
nCH
2OH、または
HOCH
2[CH(OH)]
n[CH(OR
1)]CH
2OH
(式中、n=2〜5であり、R
1は、任意選択で置換された糖残基である)
を有する。
【0129】
少なくとも1種のアルジトールは、好ましくは、トレイトール、エリスリトール、ガラクトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルトール、ラクチトール、マルチトール、マルトトリトールならびにポリオール末端基を有する水和オリゴ糖および多糖、ならびにそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種の好ましいアルジトールは、特に好ましくは、エリスリトール、マンニトール、イソマルトール、マルチトールおよびそれらの混合物を含む群から選択される。少なくとも1種のアルジトールは、非常に特に好ましくは、マンニトールもしくはエリスリトールであり、またはシクリトールはミオ−イノシトールである。
【0130】
本発明はまた、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための、少なくとも1種のアルジトールおよび/または少なくとも1種のシクリトールの使用に関する。
【0131】
本発明は、ハロゲンフリー熱可塑性プラスチック、好ましくは、ハロゲンフリー熱可塑性リサイクル材を、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するための、本発明に従う安定剤組成物、または、
(A)少なくとも1種のアルジトールおよび/もしくは少なくとも1種のシクリトール;
(B)少なくとも1種の一次酸化防止剤および/もしくは少なくとも1種の二次酸化防止剤
を含むもしくはこれらからなる安定剤組成物の使用にさらに関する。
【0132】
ここで、好ましいハロゲンフリー熱可塑性プラスチックは、本発明に従う方法および本発明に従うプラスチック組成物に関して名前を挙げたものと同じである。
【0133】
安定剤組成物は、特に好ましくは、ポリオレフィンリサイクル材を、酸化、熱および/または化学線劣化に対して安定化するために使用される。
【0134】
本発明に従う方法に関しておよび本発明に従うプラスチック組成物に関しておよび本発明に従う安定剤組成物に関して既に記載されているすべての好ましい変形例、例示的な実施形態およびコメント(例えば、使用される可能な構成成分および添加剤に関して)はまた、本発明に従う安定剤組成物の使用に適宜当てはまる。
【0135】
本発明は、本発明を具体的に示されるパラメーターに制限することなく、以下の実施形態を参照してより詳細に考察されることになる。
【0136】
製造廃棄物の形態のリサイクル材をシミュレーションするために、市販のポリプロピレン(Moplen HP 500N、Lyondell Basell Industries)を粉末に粉砕し、Process 11型(Fisher Scientific)の二軸押出機によって200r.p.m、最大温度230℃で3回加工し、水浴中で冷却し、続いてペレット化した。事前損傷は、このプロセスによって生じ、これは、ISO1133に従って測定したMVR(メルトボリュームレート、230℃/2.16kgで測定)の増加でのポリマーの劣化に相関する。ここで、MVRの増加は、18.1g/10分(1回目の押出後)から25.0g/10分(3回目の押出)と測定される。この増加は、明確な事前損傷を表す。この事前損傷ポリプロピレンを、続いて、表2に示される安定剤を用いて、続く4回目の押出で加工し、MVRを再度決定した。得られたペレットを、続いて、さらなる添加剤なしで加工した(5回目の押出)。
【0137】
ここで、非安定化ポリマーは、なお明確な劣化にかけられることが見出だされる。劣化は、市販の酸化防止剤およびホスファイトの安定剤組合せ(比較例2)または特別なリサイクル材安定剤(比較例3)の添加によって減少し得る。驚くべきことに、フェノール系酸化防止剤およびホスファイトへのアルジトール(マンニトール)の添加により、改善された安定化、すなわち、最も低いMVR値が生じる。さらなる押出ステップはまた、本発明に従う組成物による、最良の安定化効果、すなわち最も低いMVR値を示す。
【0138】
【表2】
AO-1: ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
P-1: トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト
Recyclostab 411: Recyclostab 411は、特にポリオレフィンリサイクル材に推奨されている市販の安定化システムである(製造元: PolyAd Services GmbH、Bensheim、例えば、Compounding World、2016年4月、41〜48を参照されたい)。
【0139】
本発明による以下の例では、様々なアルジトール/シクリトールの効果が、様々な濃度の一次および二次酸化防止剤との組合せで示され、消費後リサイクル材の効果が示される。
【0140】
表3:対流式オーブン中140℃で32日間事前損傷させたポリプロピレンリサイクル材(エイジングMoplen HP 500 Nにより製造(供給元:Lyondell−Basell))を、表に示される添加剤と一緒に溶融物中、二軸マイクロ押出機(MC 5、製造元DSM)中200℃、毎分回転数90の連続モードで30分間輪転させる。力吸収を、各場合において、10、20および30分後に測定する。力は、溶融物の靭性、したがって分子量の尺度である。残留力が高いほど(2分間の溶融時間後=100%)、ポリマーの劣化が小さく、安定化効果が良好である。
【0142】
ここで、本発明による実施例は、すべての測定時間で、比較例よりも高い力、すなわちポリマーのより小さい劣化を有する。
【0143】
表4:地面設置蓄電池箱からの消費後ポリプロピレンリサイクル材(供給元:BSB Braubach)を、表に示される添加剤と一緒に溶融物中、二軸マイクロ押出機(MC 5、製造元DSM)中215℃、毎分回転数90の連続モードで30分間輪転させる。力吸収を、各場合において、10、20および30分後に測定する。力は、溶融物の靭性、したがって分子量の尺度である。残留力が高いほど(2分間の溶融時間後=100%)、ポリマーの劣化が小さく、安定化効果が良好である。
【0145】
ここで、本発明による実施例は、すべての測定時間で、比較例よりも高い力、すなわちポリマーのより小さい劣化を有する。
【0146】
本発明による以下の例(表5)では、表3の加工条件と同様の、アルジトール単独によるリサイクル材の安定化が示される。
【0148】
ここで、本発明による実施例は、すべての測定時間で、比較例よりも高い力、すなわちポリマーのより小さい劣化を有する。
【0149】
本発明による以下の例(表6)では、表4の加工条件と同様の、酸化防止剤を含まないアルジトールによるリサイクル材の安定化が示される。
【0151】
ここで、本発明による実施例は、すべての測定時間で、比較例よりも高い力、すなわちポリマーのより小さい劣化を有する。
【0152】
次いで、消費後蓄電池箱リサイクル材を、Process 11型(Fisher Scientific)の二軸押出機によって200r.p.m.、最大温度230℃で3回押出し、水浴中で冷却し、続いて、ペレット化し、MVRを、各場合において、1回目、2回目および3回目の押出後に決定した(表7)。MVRが低いほど、加工におけるポリマーの劣化が小さく、安定化効果が良好である。
【0154】
ここで本発明による例は、すべての押出後に、比較例よりも小さいMVR値、すなわちより小さい劣化、したがって、改善された安定性を有する。
【0155】
さらなる一連の実験において、対流式オーブン中140℃で32日間事前損傷させたポリプロピレンリサイクル材(エイジングMoplen HP 500 Nにより製造(供給元:Lyondell−Basell))を、表に示される添加剤と一緒に、溶融物中、二軸マイクロ押出機(MC 5、製造元DSM)中200℃で、毎分回転数90の連続モードで30分間、輪転させ、残留安定性百分率を、残留力を参照して決定した(表8)。力は、溶融物の靭性、したがって分子量の尺度である。実験の終了時の残留力が高いほど、ポリマーの劣化が小さく、安定化効果が良好である。
【0157】
ここで、本発明による実施例は、比較例よりも高い残留力、すなわちポリマーのより小さい劣化を有する。
【0158】
ポリプロピレンリサイクル材と同様の方式で、主にLDPEおよびLLDPEを含む包装用フィルム由来の消費後ポリエチレンリサイクル材、主にHDPEを含む中空体由来のポリエチレンリサイクル材、包装用発泡体由来のポリスチレンリサイクル材、電機用途由来のポリアミド−6−リサイクル材、および飲料ボトル由来のPETリサイクル材に各々、本発明による添加剤を加え、押出した。添加剤を含まないリサイクル材と比較して改善した安定性を、すべての場合において見出すことができる。
【国際調査報告】