(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-536018(P2020-536018A)
(43)【公表日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】液体を分配するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20201113BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D47/34 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-519065(P2020-519065)
(86)(22)【出願日】2018年10月3日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月22日
(86)【国際出願番号】EP2018076924
(87)【国際公開番号】WO2019068774
(87)【国際公開日】20190411
(31)【優先権主張番号】62/567,706
(32)【優先日】2017年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】509103532
【氏名又は名称】ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルムス・ヨハネス・ヨセフ・マース
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ナーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・ヴァン・メリック
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PC07
3E014PD12
3E014PE11
3E014PE30
3E014PF10
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LC01
3E084LD22
(57)【要約】
本発明は、液体分配装置(2)と、分配される液体を溜めるための1つ又は複数の容器(3)とを備え、液体分配装置は、取り外し可能に容器の1つに接続されている、液体分配システムに関する。液体分配システムは、少なくとも1つの容器の再充填を防止するための手段を含んでいる。再充填防止手段は、容器の首に固定され得るとともに、首によって定義される充填口をほぼ完全に閉じることができる制限要素(7)を含み得る。
本発明は、分配される液体で少なくとも1つの容器を満たす工程と、液体分配装置を提供する工程と、液体分配装置を少なくとも1つの容器に接続する工程と、液体分配装置を作動させる工程とを備え、満たした後、容器の再充填を防止するための手段が容器に設けられる、液体を分配する方法にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体分配装置と、
分配される液体を溜めるための少なくとも1つの容器と
を備え、
前記液体分配装置は、第1接続手段を含み、
前記少なくとも1つの容器は、第2接続手段を含み、
前記第1及び第2接続手段は、協調して前記液体分配装置を前記少なくとも1つの容器に取り外し可能に接続するように配置された
液体分配システムであって、
前記少なくとも1つの容器の再充填を防止するための手段によって特徴付けられる、
液体分配システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの容器は、前記液体のための充填口を定義する首を有し、
前記再充填防止手段は、前記充填口をほぼ完全に閉じる制限要素を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液体分配システム。
【請求項3】
前記制限要素は、前記充填口の断面積よりも実質的に小さい断面積を有する開口を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の液体分配システム。
【請求項4】
前記制限要素の前記開口を閉じるバルブによって特徴付けられる、
請求項3に記載の液体分配システム。
【請求項5】
前記開口は、前記容器内に延びる狭い導管の一部を形成する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の液体分配システム。
【請求項6】
前記制限要素は、前記少なくとも1つの容器の首に固定されている
ことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの容器の前記充填口は、キャップによって閉じられており、
輸送又は保管状態の時、前記液体分配装置は、前記容器又は前記容器のキャップの外側に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の液体分配システム。
【請求項8】
前記制限要素は、前記液体分配装置に取り外し可能に接続されている
ことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項9】
それぞれが前記液体分配装置に逐次接続されるように配置された複数の容器によって特徴付けられる、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項10】
前記液体分配装置は、標準的な浸漬管の自由直径よりも小さな自由直径を有する液体入口開口を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項11】
前記液体分配装置は、第1キーイング機構を含み、
前記少なくとも1つの容器又は前記再充填防止手段は、前記第1キーイング機構と協調する第2キーイング機構を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項12】
前記第1及び第2キーイング機構は、前記液体分配装置の低部から突出するピン、及び前記容器の上部又は前記再充填防止手段の上部に形成された凹部か、又はその逆を含む
ことを特徴とする請求項11に記載の液体分配システム。
【請求項13】
前記凹部は、前記制限要素に形成されている
ことを特徴とする請求項12に記載の液体分配システム。
【請求項14】
前記液体分配装置及び/又は前記少なくとも1つの容器は、少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチック材料、特にリサイクルされた消費者プラスチック廃棄物でできている
ことを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項か、又は請求項1のプリアンブルに記載の液体分配システム。
【請求項15】
前記液体分配装置は、未使用のプラスチック材料で作られたばね付勢アクチュエータを含む
ことを特徴とする請求項14に記載の液体分配システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの容器は、分配される前記液体を溜めるための内側容器と、外側容器とを含み、
前記内側容器と前記外側容器との間に定義される空間に空気が入り込むことを可能にする孔が前記外側容器に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の液体分配システム。
【請求項17】
前記内側容器がリサイクルされたプラスチック材料でできている
ことを特徴とする請求項14及び請求項16に記載の液体分配システム。
【請求項18】
分配される液体で少なくとも1つの容器を満たす工程と、
液体分配装置を提供する工程と、
前記液体分配装置を前記少なくとも1つの容器に接続する工程と、
前記液体分配装置を作動させる工程と
を備えた液体を分配する方法であって、
満たした後、前記容器の再充填を防止するための手段が前記容器に設けられる
ことを特徴とする液体を分配する方法。
【請求項19】
前記再充填防止手段は、前記液体分配装置が前記容器に接続される前に前記少なくとも1つの容器上に配置されている
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
満たした後に前記容器がキャップによって閉じられる
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記液体分配装置は、輸送又は保管のために、前記容器又は前記キャップの外側に取り外し可能に接続されている
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記再充填防止手段は、前記液体分配装置に取り外し可能に接続されているとともに、前記液体分配装置が前記少なくとも1つの容器に接続される時、前記少なくとも1つの容器上に配置される
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記容器から前記液体が分配された後、前記液体分配装置は、前記容器から外されるとともに、液体で満たされた新たな容器に接続される、
ことを特徴とする請求項18から請求項22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記液体分配装置及び/又は前記少なくとも1つの容器は、少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチック材料、特にリサイクルされた消費者プラスチック廃棄物でできている
ことを特徴とする請求項18から請求項23までのいずれか1項か、又は請求項18のプリアンブルに記載の方法。
【請求項25】
請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載の前記液体分配システムか、又は請求項18から請求項24までのいずれか1項に記載の前記方法において使用するための液体分配装置。
【請求項26】
請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載の前記液体分配システムか、又は請求項18から請求項24までのいずれか1項に記載の前記方法において使用するための容器。
【請求項27】
充填口を定義する首、前記首に固定された制限要素、及び前記充填口を閉じるキャップによって特徴付けられる請求項26に記載の容器。
【請求項28】
請求項2から請求項17までのいずれか1項に記載の前記液体分配システムか、又は請求項27に記載の前記容器において使用するための制限要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体分配装置と、分配される液体を溜めるための少なくとも1つの容器とを備え、液体分配装置は、第1接続手段を含み、少なくとも1つの容器は、第2接続手段を含み、第1及び第2接続手段は、協調して液体分配装置を少なくとも1つの容器に取り外し可能に接続するように配置された液体分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような液体分配システムは、例えば下記の特許文献1,2等から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,178,702号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/082289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日、消費財はますますインターネットで購入されている。これは、衣料品、靴及び電子機器だけでなく、日常の買い物にも当てはまる。この進展は、製品の設計に影響を与える。製品は、少量又は個別に、場合によっては他のタイプの商品と組み合わせて出荷する必要がある。さらに、購入前の商品の物理的な検査が不可能であるとともに、消費者と関連メーカーとの間のリンクとなる小売店が存在しないので、製品を改ざんできないようにし、消費者が注文した正しい商品を消費者が入手できることを保証することがますます重要になっている。
今日の製品設計におけるもう一つの課題は、持続可能性である。
【0005】
本発明の目的は、電子商取引及び持続可能性の両方の要求を満たす液体分配システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によれば、本発明の目的は、少なくとも1つの容器の再充填を防止するための手段を有する液体分配システムを提供することで達成される。このような再充填防止手段は、容器内の製品が、消費者が注文した実際の製品、通常はブランド製品であることを保証することに効果的である。さらに、再充填防止手段は、容器輸送中の液体の漏出を回避又は少なくとも低減するようにも機能する。
【0007】
少なくとも1つの容器が液体のための充填口を定義する首を有している時、再充填防止手段は、充填口をほぼ完全に閉じる制限要素を含んでいることが好ましい。容器の口のサイズを小さくすることにより、首を通して容器内に液体を導入することをほぼ不可能にし、商業的見地から再充填を魅力的でなくなる。
【0008】
明らかに、液体を分配できるようにするために開口は残っていなければならないが、制限要素に含まれる開口は、充填口の断面積よりもかなり小さな断面積を有する。
【0009】
本発明の一実施形態において、システムは、制限要素の開口を閉じるバルブを含んでいる。このようなバルブは、一方向バルブであることがあり、液体を容器内に導入できないことを確実にするが、それと同時に、容器から分配装置への液体の無制限の流れを可能にする。
【0010】
再補充をさらに防止するために、開口は、容器内に延びる狭い導管の一部を形成することがある。これにより、制限要素を通って容器に入る液体の流れがさらに妨げられる。
【0011】
制限要素が取り外されることを防止するために、制限要素が少なくとも1つの容器の首に固定されることが好ましい。これにより、容器が個別に売られることが可能となる。また、例えば先の購入品から等の消費者が既に所有している液体分配装置に容器を接続することが可能となる。
【0012】
一実施形態において、少なくとも1つの容器の充填口はキャップによって閉じられており、輸送又は保管状態の時、液体分配装置は、容器又はその容器のキャップの外側に接続される。容易に組み立てられたシステムを輸送する代わりに、輸送及び操作中に容器又はその容器のキャップの外側に装置を取り外し可能に接続することにより、すべての容器を、それらが液体分配装置と組み合わせて販売されるか否かに関わらず、同じ方法により充填でき、閉じることができ、取り扱うことができる。
【0013】
制限要素は、液体分配装置に取り外し可能に接続されていてよい。これにより、液体分配システムが組み立てられる時、容器の首に制限要素が自動的に挿入されて固定され得る。
【0014】
本発明のシステムは、それぞれが前記液体分配装置に逐次接続されるように配置された複数の容器を含んでいてよい。これにより、1つの装置を繰り返し使用でき、第1容器が空になった時に廃棄する必要がない。これにより、より効率的に資源を使用し、廃棄物を削減できる。
【0015】
一実施形態において、液体分配装置は、標準的な浸漬管の自由直径よりも小さな自由直径を有する液体入口開口を有している。これにより、装置に浸漬管が取り付けられて、その装置が例えば競合ブランドの容器等の再充填防止手段を有しない異なる容器と組み合わされて使用されることを防ぐ。
【0016】
競合によってシステムの一部が使用されることを防ぐために、液体分配装置及び少なくとも1つの容器又は再充填防止手段は、協調キーイング機構をさらに含んでいてよい。
【0017】
一実施形態において、キーイング機構は、液体分配装置の低部から突出されたピンと、容器又は再充填防止手段の上部に形成された凹部とを含んでいてよい。ピン及び凹部の位置を変えることにより、異なるブランドに分配システムを提供することができる。
【0018】
制限要素に凹部が形成される時、容器の設計はキーイング機構の影響を受けない。
【0019】
本発明の別の態様によれば、液体分配装置及び/又は少なくとも1つの容器は、少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチック材料、特にリサイクルされた消費者プラスチック廃棄物でできている。リサイクルされたプラスチック材料を分配装置及び容器の大部分に使用することにより、資源の使用がさらに減少される。
【0020】
一実施形態において、液体分配装置は、未使用のプラスチック材料で作られたばね付勢アクチュエータを含む。この未使用材料は、リサイクル材料と比較して優れた特性を有していることがあり、分配システムのいくつかの高いストレスを受ける部分にとって重要性を持つ場合がある。
【0021】
液体分配システムの更なる実施形態において、少なくとも1つの容器は、分配される液体を溜めるための内側容器と、外側容器とを含み、内側容器と外側容器との間に定義される空間に空気が入り込むことを可能にする孔が外側容器に形成されている。このような容器(「バッグ−イン−ボトル(bag−in−bottle)」としても知られるとともに、商標Flair(登録商標)で本出願人によって販売されている容器)は、液体が環境に触れることを防ぎ、液体の品質を保証する。さらに、この構造は、すべての液体が内側容器から分配された時に外側容器がほぼ完全に空気で満たされているので、再充填をさらに防ぐ。この空気は、内部容器への液体の進入をさらに妨げる。
【0022】
システムの一実施形態において、内側容器はリサイクルされたプラスチック材料によってできていてよい。内側容器は、外側容器よりもシステムの美観への影響が少ない。外側容器は、未使用プラスチック材料でできていてよい。
【0023】
本発明は、分配される液体で少なくとも1つの容器を満たす(分配される液体を少なくとも1つの容器に充填する)工程と、液体分配装置を提供する工程と、液体分配装置を少なくとも1つの容器に接続する工程と、液体分配装置を作動させる工程とを備えた液体を分配する方法に関する。このような方法は、少なくとも暗黙的に、上述の引用された2つの先行技術文献に開示されている。
【0024】
本発明の一態様によれば、満たした後(充填後)、容器の再充填を防止するための手段が容器に設けられる。このような再充填防止手段の利点は、上記において詳細に説明されている。
【0025】
再充填防止手段は、容器が依然として自由にアクセス可能であるので、液体分配装置が容器に接続される前に少なくとも1つの容器上に配置されている。
【0026】
一実施形態において、容器を満たした後に容器がキャップによって閉じられる。従って、適合する分配装置を既に所有する消費者に容器が別個に販売されてよい。
【0027】
別の実施形態において、液体分配装置は、輸送又は保管のために、容器又はキャップの外側に取り外し可能に接続されていてよい。これにより、システム全体が全体として販売されるが、エンドユーザーが受け取った後にのみ組み立てられる。
【0028】
別の実施形態において、再充填防止手段は、液体分配装置に取り外し可能に接続されるとともに、液体分配装置が少なくとも1つの容器に接続される時、少なくとも1つの容器上に配置される。これにより、充填後に容器に対して、1つの操作、すなわち再充填防止手段を含む分配装置を容器上に配置することを行うだけでよい。
【0029】
本発明の別の態様によれば、液体分配装置及び/又は少なくとも1つの容器は、少なくとも部分的に、リサイクルされたプラスチック材料、特にリサイクルされた消費者プラスチック廃棄物でできている。リサイクル材料を使用することの利点は、上記で説明されている。
【0030】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明のいくつかの例示的な実施形態によって本発明を例示する。その中では、対応する要素は、「100」だけ増加された参照番号によって特定される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明による液体分配システムの第1実施形態の分解側面図である。
【
図2】液体分配システムの代替的な実施形態の
図1に対応する図である。
【
図3】液体分配システムの代替的な実施形態の
図1に対応する図である。
【
図4】液体分配システムの代替的な実施形態の
図1に対応する図である。
【
図5】液体分配システムの代替的な実施形態の
図1に対応する図である。
【
図6】液体分配システムの代替的な実施形態の
図1に対応する図である。
【
図7】本発明の実施形態による再充填防止手段を含む容器の縦断面図である。
【
図8】
図7の再充填防止手段の細部VIIIの拡大図である。
【
図9】本発明の更なる実施形態の
図7に対応する図である。
【
図10】本発明の更なる実施形態の
図8に対応する図である。
【
図11】本発明の更なる実施形態の
図7に対応する図である。
【
図12】本発明の更なる実施形態の
図8に対応する図である。
【
図13】
図9,10に示される再充填防止手段の斜視図である。
【
図15】
図14においてXVとして特定される細部の拡大図である。
【
図16】再充填防止手段が分配装置に接続される
図1に示される分配装置の底面図である。
【
図17】
図16の線XVII−XVIIに沿う分配装置の斜視断面図である。
【
図18】
図17において矢印XVIIIによって特定される細部の拡大図である。
【
図19】再充填防止手段が無い
図16−18の分配装置の底面図である。
【
図20】
図19においてXXとして特定される細部の拡大図であり、標準的な浸漬管の挿入を防ぐために入口開口の自由断面積がどのように減少されるかを示している。
【
図21】
図19に対応する図であり、更なる実施形態を示している。
【
図22】
図20に対応する図であり、更なる実施形態を示している。
【
図23】再充填防止手段を含む
図11の容器の上面図であり、容器の開口のあり得る構成を示している。
【
図25】
図23に対応する図であり、さらに別の実施形態を示している。
【
図26】
図24に対応する図であり、さらに別の実施形態を示している。
【
図27】
図7,8に示されるタイプの制限要素を含むキャップを示している。
【
図29】容器の上に配置されている
図27のキャップを示している。
【発明を実施するための形態】
【0032】
液体分配システム1は、液体分配装置2と、分配される液体を溜めるための容器3とを備えている(
図1)。分配装置2は、例えば内側に延びるラグ(lugs)23(
図17,18)等の第1接続手段4を有しており、容器3は、例えば突状のリブ等の第2接続手段5を有している。第2接続手段5は、第1接続手段4と協調して、分配装置2と容器3との間の取り外し可能な接続を形成する。このような第1及び第2接続手段の例は、上述の国際公開第2008/082289号に開示されている。本発明に係る液体分配システム1は、容器3の再充填を防止する手段6(再充填防止手段)を含んでいる。
【0033】
例示される実施形態において、これらの再充填防止手段は、容器3の首9によって定義される充填口8内に挿入された制限要素7を備えている。制限要素7は、ほぼ完全に充填口8を閉鎖している。制限要素7は、首9に隣接する充填口の直径に実質的に対応する外径を有するプラグ10を含んでいる。プラグ10の外面上において離間された突起11(
図13,13A)は、首9に制限要素7を固定するのに役に立つ。
【0034】
制限要素7の中央部には、開口12が形成されている(
図14,15)。この開口12は、充填口8の断面積よりも実質的小さい断面積を有している。開口12は、プラグ10から容器3の内部に向けて下方に延びる狭い導管13の一部を形成する。例示される実施形態において、開口12は、バルブ14によって閉じられている。このバルブは、ディスク15を含んでいる。ディスク15は、複数の湾曲された接続アーム17によってリング16に接続されている。接続アーム17は、ディスク15の円周の一部に沿って延在するとともに、ディスク15に取り付けられた一端と、リング16に取り付けられた他端とを有している。分配装置2の作動によりディスク15に吸引力が加えられる時、開口12を取り囲む弁座18からディスク15が持ち上げられるとともに、アーム17が伸びて上方に旋回する。このようにして、液体は、容器3から導管13を通って開口12、次いで装置2に引き込まれ得る。
【0035】
しかしながら、分配装置が駆動されない限り、ディスク15は接続アーム17によって弁座18に向けて付勢されて、バルブ14は閉鎖され続ける。このようにして、容器3から液体が漏れない。さらに、ディスク15が弁座に押付けられて容器3への入口を閉じるので、開口12を通して容器3を再充填する試みは失敗する。
【0036】
制限要素107の他の実施形態において、バルブ114は、実質的にカップ形状であり、導管113の幅広部分118内に受け入れられ、そこでバルブ114は複数のラグ(lugs)145によって保持される(
図7,8,27)。この場合、バルブ114は、移動可能ではなく、導管113と外部との間の接続を作り出すように変形可能とされている。この場合、分配装置2の動作により吸引力が加わった時、カップ形状のバルブ114は、いくらか収縮し、従ってカップ形状のバルブ114の側壁と幅広部分118の側壁との間に狭いスリット形状の開口112を作り出す。ここで再び、吸引力が加わらない限り、バルブ114は閉じ続けられ、液体が容器3から漏れることを妨げたり、容器3に再充填されようとする液体の容器3内への導入を妨げたりする。
【0037】
これら2つの実施形態において、導管13,113は比較的短く、容器3の上部内にのみ延びる。
【0038】
制限要素207のさらに別の実施形態では、導管213は容器203のほぼ底部220にまで延びるのに十分に長い(
図11)。この実施形態において、開口212は、他の2つの実施形態よりもさらに小さく、バルブによって閉鎖されない。この場合、導管213の長さは、再充填に対して十分な障害を形成する。長く狭い導管213を通して液体を導入しようした時、抵抗がとても大きいため、有効な量の液体を再充填することができない。この実施形態において、導管213は、例えば切り欠き219を有する断面(
図23,24)、楕円形の断面等の非円形の断面を有することができる。また、導管213は、非常に小さな断面を有することができる(
図25,26)。
【0039】
容器のほぼ底220にまで延びる導管213を有する制限要素207の実施形態は、容器203が標準的な容器、すなわち単一壁の容器(single−wall container)である時に特に有用である。
【0040】
有利な実施形態において、容器3は、いわゆる「バッグ−イン−ボトル(bag−in−bottle)」又はFlair(登録商標)タイプ容器である。そのようなFlair(登録商標)タイプ容器は、分配される液体を収容する可撓性の内側容器(バッグ)と、より強いとともにより硬く安定性を提供する外側容器(ボトル)とを有する。内側容器と外側容器との間の空間に空気が入り込み、液体が分配された時に残る空間を満たすことができる。このFlair(登録商標)タイプ容器においては、液体が空気と接することがないため、液体の品質が保証される。さらに、その装置は、内側容器には空気がないので、どのような位置でも使用することができる。Flair(登録商標)タイプ容器は空気孔21を有しており、この場合は底部20に配置されている(
図7,9)。制限要素7は分配装置2が作動しない時に液体のいかなる流れも遮断するので、孔21に空気弁を設ける必要はない。
【0041】
分配装置は、例えば上記の2つの先行技術において開示されているタイプのトリガスプレー器、出願人のOpUs予圧トリガスプレー器2(
図1)若しくはOpAd予圧トリガスプレー器102(
図2)、他のタイプのトリガスプレー器202,302(
図3,4)、ハンドポンプ402(
図5)又は
図6に示されるような幾つかの他のタイプの分配装置502等のいかなるタイプの分配装置であり得る。
【0042】
例示される実施形態において、分配装置2は、第1接続手段4を含む外側リム22を備え、この実施形態においては、外側リム22は、周方向に離間された3つの突起23を備える(
図16)。装置2は、容器3の首9を密封係合するように意図された内側リム24をさらに含む(
図17,18)。装置2は、平な底25を有しており、装置2を容器3に接続したり、装置2を容器3から取り外したりする時に、装置2を首9の上で回転させることができるようにする。底にある入口26は、液体が装置2、ポンプ室27に引き込まれることを可能にする。利用者がトリガ29を作動させる時にポンプ室27内でピストン28が往復動する。ピストン及びトリガはスプリング(図示せず)によって戻される。ピストンを動かすと液体が加圧され、液体は、予圧弁30を通過して、ノズル32につながる導管31に流れ込む。
【0043】
分配装置2が適合しない容器、すなわち異なるブランドの液体で満たされている容器と組み合わされて使用されることを防止するため、分配装置2及び容器3又は制限要素7は、協調キーイング機構を含む。例示される実施形態において、分配装置2は、底25から突出するピン33の形の第1キーイング機構を含む。第2キーイング機構は、制限要素7の上面にある凹部34である。この場合、凹部34が環状であるため、分配装置2は任意の回転位置において容器3に接続できる。他のブランドの液体に関して、ピン及び凹部の異なる半径位置(radial position)を選択し得る。このようにして、分配装置2が適合する容器3との組み合わせにおいてのみ使用できることを保証することができる。
【0044】
ここで、制限要素7,207の第1及び第3実施形態は、それらの中心から同じ半径にそれらのそれぞれの凹部34,234を有している。これは、それらが同じ分配装置2と使用され得ることを意味している。一方、制限要素107の第2実施形態は、この位置に凹部を有していない。従って、この実施形態は、この分配装置2と使用することができない。これは、制限要素107が分配装置2の底25までずっと内側リム24内に適切に挿入されることを、突出するピン33が妨げるためである。
【0045】
さらに、分配装置2を提供したメーカーとは異なるメーカーからの液体で満たされた標準容器で分配装置2を使用できるようにするために利用者が浸漬管を分配装置2内に挿入することを妨げるため、入口26は、従来の浸漬管の直径よりも小さな自由な直径を有し得る。これは、
図19,20に示される分配装置2の実施形態において、標準サイズの入口26Aに障害物35を配置することによって達成される。一方、
図21,22の実施形態においては、分配装置2の設計は、より小さなサイズの入口26Bを含むように適合されている。
【0046】
上述のように、制限要素7は、容器3に配置される前に、取り外し可能に分配装置2に接続され得る。これは、
図16−18に示されている。容器3の首9に分配装置2が取り付けられられるとすぐ、制限要素7が首9に押し込まれ、その制限要素7のプラグ10上の突起11が首9の内側に係合し、従って制限要素7が容器3に固定され、充填口8を通してのいかなる液体の流れも阻害される。その後、例えばすべての液体が分配された後など、分配装置2が容器から切り離される時、制限要素7は容器3にロックされ続けられ、自身の制限要素7を有する新たな容器3との組み合わせにおいてその分配装置2が使用され得る。
【0047】
そのような制限要素7を有する容器3は、制限要素、この例において制限要素107の第2の実施形態を、キャップ36に、取り外し可能に接続することによって形成され得る(
図27)。キャップ36は、例えば内側に延びるラグ42等の分配装置2の第1接続手段4と類似する接続手段を有することができ、それにより容器3の首9に密封接続され得る。ここで再び、容器3が液体で満たされた後に(
図29)、その容器3の首9にキャップ36が取り付けられた時、制限要素107が首9の内側に固定される。続いてキャップ36を取り外して容器3を分配装置2に接続した時、制限要素107が容器の首9の内側にロックされたままであり充填口8をブロックする。
【0048】
製造プラントで分配装置2及び容器3を組み立てる代わりに、分配装置は、輸送又は保管のために容器3に緩く接続されてもよく、エンドユーザーによって組み立てられてもよい。このようにして、すべての容器3は、それらの容器3が、分配装置2と組み合わされて供給されるか、又はそのような装置無しで第1容器3の代わりとして供給されるかに関わらず、同じ方法で充填、閉鎖及び取り扱うことができる。このため、別個のコネクタ37を設けることができる(
図28)。このコネクタ37は、容器の首9上の第2接続手段5を模倣するとともに、分配装置2のリム22及びラグ23と接続することができる突出リブ43を有する第1環状部38を含む。コネクタ37は、実質的にL形のストリップ44と、ストリップ44の端部にある第2環状部分39とをさらに有する。第2環状部分39は、キャップ36の3つの開口41内に挿入することができる3つの突起40を有している。これらの3つの開口41は、キャップ36の接続手段のラグ42を形成する結果として形成される。コネクタ37は、容器3に装置2を一時的に接続するために役立つだけでなく、第1環状部分38がリム22に固定されるとともに、L形のストリップ44がトリガ29の背部に係合する時に、トリガーロックを構成することもできる(
図30)。
【0049】
本発明は、複数の容器と組み合わせて、1つの分配装置を2回以上使用されることを可能にする。このようにして、完全に機能している分配装置を廃棄する結果としての不必要な無駄を避けることができる。出所不明の液体で再充填された容器と装置を組み合わせることによるシステムの乱用を防止するため、システムは再充填防止手段を含む。このようにして、分配される液体の品質を保証することができる。さらに、システムは、意図されている容器以外の容器と装置を組み合わせることによる乱用を防止するための様々な規定を含む。容器及び分配装置は、大部分がリサイクルされたプラスチック材料、特にリサイクルされた消費者プラスチック廃棄物でできており、資源の使用及び二酸化炭素排出量をさらに削減する。このようにして、分配装置が長期間使用されている間、空の容器が容易にリサイクルされ得る閉ループシステムが形成される。
【0050】
本発明は、例示された実施形態に限定されない。
【国際調査報告】