特表2020-536190(P2020-536190A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-536190柱と梁を接合するための接合部コア及びこれを用いた柱と梁の接合方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-536190(P2020-536190A)
(43)【公表日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】柱と梁を接合するための接合部コア及びこれを用いた柱と梁の接合方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20201113BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   E04B1/24 M
   E04B1/24 L
   E04B1/58 508S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-538502(P2020-538502)
(86)(22)【出願日】2018年3月26日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月2日
(86)【国際出願番号】KR2018003533
(87)【国際公開番号】WO2019059480
(87)【国際公開日】20190328
(31)【優先権主張番号】10-2017-0122432
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520098280
【氏名又は名称】ガウリアン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GAURIAN CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ジュホ
(72)【発明者】
【氏名】パク,クヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンスク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドウファン
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AB16
2E125AG03
2E125AG12
2E125AG32
2E125AG43
2E125BB09
2E125BB18
2E125BB22
2E125BB25
2E125BB29
2E125BB33
2E125BB35
2E125BB36
2E125BD01
2E125BE08
2E125BF01
2E125CA05
2E125CA13
2E125CA14
(57)【要約】
【課題】簡単な工程でも優れた剛性を確保することができ、溶接も必要としない、柱と梁を接合するための接合部コアを提供する。
【解決手段】柱と梁を接合するための接合部コアであって、閉断面を有する中間柱、ダイヤフラム、及び内部補強材を含み、前記ダイヤフラムにはスリットが形成されていて前記内部補強材が挿入され、前記ダイヤフラムに挿入された内部補強材が前記中間柱と結合することを特徴とする柱と梁の接合部コアを提供する。本発明によれば、閉断面柱と梁の接合時に、従来に比べて高い剛性が確保される。また、閉断面柱と梁の接合時に、溶接無しで組立が可能なため、工程を短縮させ、容易に接合可能であり、品質も均一になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と梁を接合するための接合部コアであって、
閉断面を有する中間柱、
ダイヤフラム、及び
内部補強材を含み、
前記ダイヤフラムにはスリットが形成され前記内部補強材が挿入され、
前記ダイヤフラムに挿入された内部補強材が前記中間柱と結合することを特徴とする柱と梁の接合部コア。
【請求項2】
前記ダイヤフラムの各辺にスリットが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項3】
前記内部補強材が前記ダイヤフラムのスリットに結合することを特徴とする、請求項2に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項4】
前記ダイヤフラムの各角部に“L”字状にスリットが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項5】
前記内部補強材が“L”字状であり、前記ダイヤフラムのスリットに結合することを特徴とする、請求項4に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項6】
前記ダイヤフラムの各辺にスリットが2個ずつ形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項7】
前記内部補強材は上部及び下部のそれぞれに2個ずつの突出部を有し、前記突出部が前記2個のスリットにそれぞれ結合することを特徴とする、請求項6に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項8】
前記中間柱の外壁に結合する外部補強材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項9】
前記内部補強材に、前記ダイヤフラムの移動を止めるためのストッパー部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項10】
前記内部補強材及び前記外部補強材が前記中間柱にボルト結合することを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項11】
前記梁の前記外部補強材と接する側の端部にスティフナーが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の柱と梁を接合するための接合部コア。
【請求項12】
請求項1による接合部コアを用いる柱と梁の接合方法であって、
内部補強材、ダイヤフラム、中間柱及び外部補強材を組み立てて接合部コアを形成する段階、
前記接合部コアを、閉断面を有する下部柱と組み立てる段階、
前記接合部コアと前記下部柱との結合体を現場に運搬して梁を結合させる段階、
前記接合部コアに上部柱を結合させる段階、及び
前記接合部コアに梁を結合させる段階を含み、溶接をしないで柱と梁の接合が可能であることを特徴とする柱と梁の接合方法。
【請求項13】
前記接合部コアによって前記下部柱、上部柱及び梁が1地点で接合されて1層ずつ施工可能であることを特徴とする、請求項12に記載の柱と梁の接合方法。
【請求項14】
前記接合部コアに梁を結合させる段階後に、前記上部柱、下部柱、中間柱内にコンクリートを打設する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の柱と梁の接合方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱と梁の接合部コアに関し、特に、柱と梁を接合するとき、従来に比べて耐力特性に優れ、組み立てやすく、溶接無しにも接合が可能な柱と梁の接合部コア及びこれを用いた柱と梁の接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の施工では多くの柱と梁が必要である。通常、柱と梁は金属で作られる。例えば柱は中空で角形の金属管であり、梁はH形鋼であってもよい。
【0003】
このような柱と梁を互いに連結させて建築物の骨組みを作った後、これによって建築物の施工を行うことができる。
【0004】
このように建築物の施工には多くの柱と梁が使用され、これらが連結される必要があるので、これらを接合させるための接合部コアに関する様々な技術が知られている。
【0005】
これに関し、柱と梁の接合部位において局部座屈などが生じ、骨組みがエネルギーをある程吸収した後に接合部の脆性破壊が発生する現象が起きることもある。特に、既存の地震被害の事例を見ると、接合部での破壊、梁での局部座屈後に接合部で脆性破壊が発生することが確認された。
【0006】
特に、鉄骨構造の耐モーメントフレームみの場合、モーメント接合で処理するために柱フランジ−梁フランジを溶接又は工場で処理しているため、溶接以外の接合方法が考慮される必要がある。
【0007】
一方、ウェブ(web)とフランジ(flange)を含んで構成されるH形鋼柱のような場合、開断面の形態であるため接合の処理が簡単であり、閉断面鋼管柱の場合は、鋼管が有する閉断面という形態的特徴のため、接合の処理が難しく、強度と剛性を確保し難い。
【0008】
これらの点を考慮して、現在用いられている接合方法としては、ダイヤフラム(diaphragm)という補強手段を用いて、柱面の変形を防止し、梁による曲げ荷重に対応し、梁とのモーメント接合を可能にすることによって接合部を補強する方法が多く用いられている。
【0009】
ダイヤフラムは、貫通型ダイヤフラム形式、内部ダイヤフラム形式、外部ダイヤフラム形式などがあるが、貫通型ダイヤフラム形式と内部ダイヤフラム形式は、鋼管柱を切断した後、梁フランジ位置にダイヤフラムを貫通させたり、鋼管内部にダイヤフラムを当ててさらに溶接させたりする形式である。このような形式は外観が単純であるが、溶接に高度の技術を要し、溶接検査による品質管理に困難が多い。外部ダイヤフラム形式は、鋼管の外部に傾斜を持つダイヤフラムを補強、溶接する形式であり、溶接作業が容易であるが、鋼材量が相対的に多く要され、ダイヤフラムの製作、加工に高コストがかかり、接合部周辺の外観も複雑になる。
【0010】
何よりも、このような従来のダイヤフラムを用いる方式では、16種もの多数の工程が必要であり、しかも溶接が必須である。
【0011】
したがって、簡単な方式で優れた剛性を維持できる接合部コアが要求されている。
【0012】
一方、従来の柱−梁接合部の場合、柱に2〜3つの層を施工可能にするために、ブラケットを取り付けて梁を接合する。この場合は、柱と柱を連結する方式、柱と梁を連結する方式の両方式を共に使用する。しかし、このように2〜3層の柱を一度に建てて梁を設置する場合、高所作業によって作業者に危険が生ずる。
【0013】
一方、コンクリート充填鋼管(CTF,Concrete−Filled Steel Tube)とは、閉断面鋼管部材であり、曲げモーメントを負担する鋼管が外側に、軸力を負担するコンクリートが内側にあるので、鋼管が内部コンクリートを拘束すると同時に、コンクリートは鋼管の局部座屈を防ぐ効果があり、強度及びエネルギー吸収能力に優れた構造システムである。
【0014】
CFT構造は、閉鎖型の鋼管柱の内部にコンクリートを充填した構造であり、剛性、耐力、変形などに関して構造的に安定であり、耐火、施工などにおいて優れた長所を有する構造である。このようなCFT構造は、その素材である鋼管が、特別な製作設備を備えた大型工場で特別な溶接過程によって生産される必要があるため、高い製作コストがかかるという短所があり、このような経済的な問題によってCFT構造の適用には限界がある。CFT構造は、構造的な安定性、施工性などの利点にもかかわらず、未だその適用には制限がある実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、従来とは違い、簡単な工程でも優れた剛性を確保できる、閉断面鋼管柱と梁を連結するための接合部コア及びこれを用いた柱と梁の接合方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、溶接無しにも閉断面鋼管柱と梁を連結できる接合部コア及びこれを用いた柱と梁の接合方法を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、既存CFT柱に比べて、閉断面鋼管の内部まで設置されたボルトによって座屈耐力を高め、コンクリートと閉断面鋼管の付着力を向上させることができる柱と梁の接合方法を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、コンクリート充填柱に適用する場合、コンクリートの拘束力を増大させることができる組立式閉鎖型鉄骨部材を提供できる接合部コアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述した目的を達成するための本発明では、次のような構成からなる接合部コアを提供する。
【0020】
柱と梁を接合するための接合部コアであって、
閉断面を有する中間柱、
ダイヤフラム、及び
内部補強材を含み、
前記ダイヤフラムにはスリットが形成されていて前記内部補強材が挿入され、
前記ダイヤフラムに挿入された内部補強材が前記中間柱と結合されることを特徴とする柱と梁の接合部コア。
【0021】
内部補強材は板状であり、閉断面鋼管形状の中間柱の内面にそれぞれ取り付けられるように4枚で構成されてもよい。内部補強材は貫通型ダイヤフラムに拘束させて、柱面の変形防止と接合部の力の伝達を円滑に誘導する機能を果たす。内部補強材にはボルト結合のための貫通孔が多数形成される。
【0022】
ダイヤフラムは、板状の鋼材で形成される貫通型ダイヤフラムであり、四角形に形成されることが好ましい。ダイヤフラムは、接合部の力の流れを円滑にさせる。ダイヤフラムの中央には貫通孔が形成されることが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、ダイヤフラムには内部補強材が挿入される貫通スリットが形成されてもよい。
【0024】
本発明の他の実施形態において、ダイヤフラムには各角部に“L”字状にスリットが形成され、これに応じて内部補強材も“L”字状に形成されてもよい。
【0025】
本発明のさらに他の実施形態では、ダイヤフラムのスリットが1辺に2個ずつ形成されてもよい。この場合、内部補強材は上部及び下部のそれぞれに2個ずつの突出部が形成された構造からなり、この2個の突出部がダイヤフラムの1辺ごとに形成された2個のスリットにそれぞれ結合されてもよい。
【0026】
なお、ダイヤフラムは中間柱の上部及び下部にそれぞれ結合されるように2個からなることがより好ましい。このとき、下部ダイヤフラムは下部フランジの圧縮力に抵抗し、上部ダイヤフラムは、上部フランジ引張力の発生時に内部補強材及び柱面に抵抗して高い耐力を発揮する。
【0027】
内部補強材がダイヤフラムと結合する時、ダイヤフラムの垂直方向位置決めを助けるために、内部補強材にはストッパー部が形成されることが好ましい。ストッパー部は、好ましい実施形態として段差部からなる。すなわち、内部補強材の長さ方向の一定位置で幅を異ならせることによって段差が形成され、この部分にダイヤフラムがかかってそれ以上移動しないようにできる。
【0028】
中間柱は閉断面の鋼管形状である。中間柱の内面には内部補強材が結合し、外面には外部補強材が結合する。この結合のためにボルト孔が多数形成される。中間柱の上部及び下部にはそれぞれダイヤフラムが結合する。
【0029】
一方、中間柱の外壁に結合する外部補強材は接合部コアの剛性をより高くする。外部補強材にもボルト結合のための貫通孔が多数形成される。
【0030】
本発明に係る接合部コアに連結される梁は一般にH形鋼梁であるが、これに限定されるものではない。梁の構造的な特徴によってスティフナーを設置してもよい。
【0031】
一方、本発明は、前述の接合部コアを用いて次の段階からなる柱と梁の接合方法を提供する。
【0032】
内部補強材、ダイヤフラム、中間柱及び外部補強材を組み立てて接合部コアを形成する段階、
前記接合部コアを閉断面の下部柱と組み立てる段階、
前記接合部コアと前記下部柱との結合体を現場に運搬して梁を結合させる段階、
前記接合部コアに上部柱を結合させる段階、及び
前記接合部コアに梁を結合させる段階を含み、溶接無しで柱と梁の接合が可能であることを特徴とする柱と梁の接合方法。
【0033】
このとき、工場では接合部コアまでのみ事前製作し、それを現場に運搬し、以降の工程は現場で行ってもよい。
【0034】
この時、各結合工程はボルトだけで、好ましくは一方向のみから結合可能なワンウェイボルトだけで行うことができるので、溶接が不要である。
【0035】
一方、本発明では、前記接合部コアに梁を結合させる段階後に、前記上部柱、下部柱、中間柱内にコンクリートを打設する段階をさらに含むことができる。
【0036】
この場合、閉断面鋼管内部へのコンクリート打設によるコンクリートとボルトとの付着力によって、より高い構造性能を発揮することになる。また、閉断面鋼管内部へのコンクリート打設に当たって既存の鋳型工程が省かれ、工期短縮が可能である。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、閉断面鋼管と梁の接合時に従来に比べて高い剛性が確保される。また閉断面鋼管と梁の接合時に溶接無しで組立可能なため、工程を短縮させ、容易に接合可能であり、品質も均一になる。
【0038】
また、本発明によれば、接合部コアによって下部柱、上部柱、梁が1地点で接合されて1層ずつの施工が可能である。これによって、低い作業位置を確保できるので、作業が非常に安全であり、面積の大きい建築物では効率的な分離施工によって工期短縮も可能である。
【0039】
また、本発明によれば、既存CFT柱に比べて、閉断面鋼管内部まで設置されたボルトによって座屈耐力が増大し、コンクリートと閉断面鋼管との付着力も向上する。
【0040】
また、本発明によれば、コンクリートの充填性及び施工性を確保することができる。
【0041】
また、本発明によれば、溶接作業が省かれ、製作方式が簡便化する。
【0042】
また、本発明によれば、鉄筋の配筋、鋳型作業が不要であり、工期が短縮する。
【0043】
また、本発明によれば、一般のRCとSRC構造に比べて、柱断面の縮小によって有効空間が増大し、別途の仕上げが不要なので、柱仕上げのある建物に経済的な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の第1実施形態によって接合部コアを用いて柱と梁を結合させる概念を示す分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態によるダイヤフラムの斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態による接合部コアの分解斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態による接合部コアの平面図である。
図5】本発明の第1実施形態によって柱、梁、接合部コアが結合した状態を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態によってストッパー部が形成された内部補強材を示す正面図である。
図7図6(a)による内部補強材のストッパー部にダイヤフラムが結合した状態を示す正面図及び部分拡大図である。
図8】本発明の第1実施形態においてストッパーが2カ所に形成された場合、接合部コアの分解斜視図である。
図9図6(b)による内部補強材のストッパー部にダイヤフラムが結合した状態を示す正面図及び部分拡大図である。
図10】本発明の第1実施形態によって接合部コアによって結合した柱と梁の様々な例を示す斜視図である。
図11】本発明の第1実施形態によって接合部コアによって結合した柱と梁の様々な例を示す斜視図である。
図12】本発明の第1実施形態によって接合部コアによって結合した柱と梁の様々な例を示す斜視図である。
図13】本発明の第2実施形態によるダイヤフラムの斜視図である。
図14】本発明の第2実施形態による接合部コアの斜視図である。
図15】本発明の第2実施形態による接合部コアの平面図である。
図16】本発明の第3実施形態によるダイヤフラムの斜視図である。
図17】本発明の第3実施形態による接合部コアの斜視図である。
図18】本発明の第3実施形態による接合部コアの平面図である。
図19】本発明の第3実施形態に用いられる内部補強材の斜視図である。
図20】本発明によって接合部コアを用いて柱と梁を結合させる概念を示す分解斜視図である。
図21】本発明の接合部コアによって柱と梁を結合した後、コンクリート打設を行った状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0046】
図1は、本発明の第1実施形態によって接合部コアを用いて柱と梁を結合させる概念を示す分解斜視図であり、図2はダイヤフラムの斜視図であり、図3は接合部コアの分解斜視図である。
【0047】
図1及び図3において、接合部コア10は、内部補強材20、ダイヤフラム30、中間柱40を含んで構成される。
【0048】
内部補強材20は鋼材であり、板状に形成される。第1実施形態において内部補強材20は合計4枚であり、それぞれは、後述する四角鋼管の形態で中間柱40の内面にそれぞれ結合する。内部補強材20にはボルト結合のための孔が多数形成されている。また、内部補強材20の内面にはボルト結合のための突出部が形成されていてもよい。
【0049】
ダイヤフラム30は、図2に示すように、四角形の板状の鋼材であり、一辺の長さは350mmである。ダイヤフラム30の中央には貫通孔32が形成されている。
【0050】
また、ダイヤフラム30には内部補強材20を挿入するための貫通スリット34が形成されている。貫通スリット34は4枚の内部補強材20が全て挿入され得るようにダイヤフラム30の4つの縁にそれぞれ形成される。
【0051】
第1実施形態において、ダイヤフラム30は中間柱40の上部及び下部にそれぞれ結合可能に2個となっている。
【0052】
中間柱40は四角形鋼管を切断した形態である。中間柱40の内面には内部補強材20が結合される。結合のために、中間柱40の4つの面のそれぞれには多数のボルト孔が形成される。ボルト90の孔のサイズは24mmである。
【0053】
中間柱40の上部及び下部にはそれぞれダイヤフラム30が結合する。
【0054】
図面において外部補強材50は板状であり、中間柱40の外壁に結合する。外部補強材50が省かれても接合部コア10は所望の目的を達成できるが、外部補強材50を結合させることによって剛性をより一層増大させることができる。
【0055】
外部補強材50にもボルト90との結合のための貫通孔が多数形成されている。
【0056】
図3で、接合部コア10は、内部補強材20と下部ダイヤフラム30とをまず結合させ、次いで中間柱40を結合させた後、最後に上部ダイヤフラム30を結合させることによって組み立てられる。
【0057】
図4は、本発明の第1実施形態による接合部コアの平面図である。
【0058】
図4では、理解を容易にするためにボルトが結合していない状態を示す。図示のように、ダイヤフラム30の貫通スリット34には内部補強材20が挿入されており、ダイヤフラム30は中間柱40に嵌合された形態を有する。そして、中間柱40の外部には外部補強材50が接合される。
【0059】
図5は、本発明の第1実施形態によって柱、梁、接合部コアが結合した状態を示す斜視図である。
【0060】
図示のように、接合部コア10は、上部柱60及び下部柱70と連結されており、梁80とも結合して、全体的に柱と梁が接合された形態が完成する。接合部コア10に連結される梁80はH形鋼材であるが、これに限定されるものではない。なお、梁80にはスティフナー82が形成され、剛性をさらに高めている。
【0061】
一方、図6は、第1実施形態によってストッパー部22が形成された内部補強材を示す正面図及び部分拡大図であり、図7は、図6のストッパー部にダイヤフラム30が結合した状態を示す正面図である。
【0062】
図6に示すように、内部補強材20がダイヤフラム30の貫通スリット34から挿入される時、ダイヤフラム30の垂直方向の位置決めを助けるために、内部補強材20にはストッパー部22が形成されてもよい。ストッパー部22は段差部で形成される。すなわち、内部補強材20を長さ方向の一定位置でその幅をやや広くすることによって形成される。ストッパー部22は、図6(a)のように1カ所に形成されてもよく、図6(b)のように2カ所に形成されてもよい。
【0063】
図7は、図6(a)のようにストッパー部が1カ所に形成された場合に対する接合部コアの分解斜視図である。ストッパー部22にダイヤフラム30がかかってそれ以上移動できなくなるため、正確な結合位置を確保することができる。
【0064】
図8は、ストッパー部が2カ所に形成された場合の接合部コアに対する分解斜視図であり、図9は、図8によって内部補強材のストッパー部にダイヤフラムが結合した状態を示す正面図及び部分拡大図である。
【0065】
図示のように、ストッパー部22が内部補強材20の上部及び下部にそれぞれ形成された場合、ダイヤフラム30は内部補強材20の上部及び下部からそれぞれ結合しながらストッパー部22にかかり、それ以上の移動ができなくなる。したがって、ダイヤフラム30の位置がより正確に設定することができる。
【0066】
一方、このようにストッパー部22が内部補強材20の上部及び下部にそれぞれ形成された場合には、接合部コア10の組立順序が変更される。すなわち、図8に示すように、下部ダイヤフラム30を下方から押し上げて内部補強材20の下部ストッパー部22に接するように結合させ、次いで中間柱40を結合した後、上部ダイヤフラム30を上方から嵌めて内部補強材20の上部ストッパー部22に結合させることによって組み立てる。
【0067】
図10図12は、接合部コアによって結合した柱と梁の様々な例を示す斜視図である。
【0068】
中間柱40と結合する梁80は、図10では2個、図11では3個、図12では4個などであり、特定の数に限定されない。すなわち、図10図12にそれぞれ示すように、梁80は、中間柱40の対向する両面、又は3面、4面で接合することができる。
【0069】
一方、本発明ではダイヤフラムと接合部コアの構造を様々に変形して実施可能である。
【0070】
図13は、本発明の第2実施形態によるダイヤフラムの斜視図であり、図14及び図15は、第2実施形態による接合部コアの斜視図及び平面図である。
【0071】
図13に示すように、第2実施形態においても、ダイヤフラム30は四角形の板状の鋼材である。ダイヤフラム30の中央にも貫通孔32が形成されている。ただし、ダイヤフラム30のスリット34aが4つの角部に“L”字状に形成されている。
【0072】
この場合、内部補強材20aは“L”字状に形成される。
【0073】
ダイヤフラム30は中間柱40の上部及び下部にそれぞれ結合する。
【0074】
このような第2実施形態によれば、ダイヤフラム30と内部補強材20aとの結合が図14及び図15に示すように“L”字状になされるため、締結力をより強化することができる。
【0075】
図16は、本発明の第3実施形態によるダイヤフラムの斜視図であり、図17及び図18は、第3実施形態による接合部コアの斜視図及び平面図であり、図19は、第3実施形態に用いられる内部補強材の斜視図である。
【0076】
図16に示すように、第3実施形態でもダイヤフラム30は四角形の板状の鋼材である。ダイヤフラム30の中央にも貫通孔32が形成されている。ただし、ダイヤフラム30のスリット34bが1辺に2つずつ形成されている。
【0077】
本実施形態において内部補強材20bは上部及び下部のそれぞれに2個ずつの突出部21が形成された構造となる。この2個の突出部21がダイヤフラム30の1辺ごとに形成された2個のスリット34bにそれぞれ結合する。
【0078】
第3実施形態によれば、ダイヤフラム30と内部補強材20bとの結合が各辺に対して2カ所でなされるため、締結力をより強化することができる。
【0079】
以下、前述した本発明の接合部コアの組立工程を、図1を参照して第1実施形態に対して説明する。
【0080】
まず、接合部コア10をなす構成要素、すなわち、内部補強材20、ダイヤフラム30、中間柱40、外部補強材50などは事前に工場で製作する。
【0081】
具体的に、接合部コア10は、既存の溶接と違い、単純な組立で製作することができる。すなわち、レゴのような玩具ブロックのように組み立てることができる。
【0082】
まず、4個の内部補強材20を下部ダイヤフラム30の貫通スリット34に貫通させる。この時、下部ダイヤフラム30の固定位置は内部補強材20のストッパー部22によって正確に決めることができる。
【0083】
次いで、中間柱40を内部補強材20が結合した下部ダイヤフラム30と結合させる。
【0084】
次に、上部ダイヤフラム30を4個の内部補強材20に嵌めて設置する。
【0085】
このように形成された接合部コア10を角形鋼管からなる下部柱70と工場で仮組立した後、外部補強材50を結合させて現場に納品する。
【0086】
または、接合部コアの組立は図20に示す方法で行われてもよい。
【0087】
すなわち、接合部コア10だけを現場に納品した後、現場で下部柱70と仮組立してもよい。
【0088】
このように接合部コア10と柱が連結されると、次に梁80を結合させる。
【0089】
各部品の結合はボルトを締めることによってなされる。この時、ボルト90は、内部補強材20、中間柱40、外部補強材50を同時に結合させてもよく、一部のボルトは内部補強材20と下部柱70だけを結合させてもよい。
【0090】
ボルトは、図1では一般のボルトを示しているが、外側から一方向(one way)にのみ締め付けることで十分の締結力を提供するワンウェイボルト90を使用することがより好ましい。
【0091】
図21は、本発明の実施形態において、それぞれ図1の接合部コアによって柱と梁を結合させた後にコンクリート打設を行った状態を示す図である。
【0092】
このように閉断面鋼管内部にコンクリート100を打設すれば、コンクリート100とボルト90間の付着力によってさらに高い構造性能を発揮するようになる。また、閉断面鋼管内部へのコンクリート打設時に既存の鋳型工程が省かれ、工期短縮が可能である。
【0093】
以上、本発明を、特定の実施形態を用いて具体的に説明してきたが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々に修正及び変形可能であることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明である。したがって、それらの修正例又は変形例も本発明の請求の範囲に属するといえよう。
【符号の説明】
【0094】
10:接合部コア
20,20a,20b:内部補強材
22:ストッパー部
30:ダイヤフラム
32:貫通孔
34,34a,34b:スリット
40:中間柱
50:外部補強材
60:上部柱
70:下部柱
80:梁
82:スティフナー
90:ボルト
100:コンクリート

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】