(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-536334(P2020-536334A)
(43)【公表日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】エンティティに関連付けられた温室効果ガスの排出を追跡するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20201113BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2020-520044(P2020-520044)
(86)(22)【出願日】2018年10月2日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月29日
(86)【国際出願番号】CA2018051235
(87)【国際公開番号】WO2019068178
(87)【国際公開日】20190411
(31)【優先権主張番号】62/567,392
(32)【優先日】2017年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520116698
【氏名又は名称】ダイナサート インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジ、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン、ラストン イェルーン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】
本明細書では、エンティティによって直接的または間接的に生成された少なくとも1つの排出種類を追跡するために使用することができる方法、デバイス、およびシステムについて様々な実施形態を説明する。例示的な一実施形態では、システムは、エンティティに結合された排出追跡デバイスを含み、排出追跡デバイスは、1回目に受信する第1排出データと、1つ以上の排出低減ステップの実施後、2回目に受信する第2排出データとを受信する。システムは、排出追跡デバイスと通信する外部プロセッサをさらに含み、この外部プロセッサは、排出ベースラインを判断するために第1の排出データを分析し、第2排出出力値を判断するために第2の排出データを分析し、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて、少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、
前記エンティティに通信可能に結合され、前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた排出データであって、1回目に受信した第1排出データと2回目に受信した第2排出データとを含む排出データを受信するように構成された少なくとも1つの排出追跡デバイスであって、前記第2排出データが、前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される、少なくとも1つの排出追跡デバイスと、
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスと通信する外部プロセッサであって、
1回目に受信した前記第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、
2回目に受信した前記第2排出データを分析して、第2排出出力値を判断し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成された外部プロセッサとを備えるシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記少なくとも1つの排出種類に対応する二次データを受信するために1つ以上の二次排出ソースとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の二次排出ソースが前記エンティティ内に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記外部プロセッサが、前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、前記少なくとも1つの排出低減ステップが、前記比較に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記外部プロセッサが、前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記外部プロセッサが、前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記少なくとも1つの排出種類が1つ以上の排出センサによって前記エンティティ内で監視されているか否かを判断し、前記エンティティが監視されていると判断された場合、前記1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記エンティティが監視されていないと判断した場合、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エンティティが監視されていると判断した場合、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、
通信ネットワークと、
非一時的なコンピュータメモリと、
前記非一時的なコンピュータメモリおよび前記通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた排出データであって、1回目に受信した第1排出データと2回目に受信した第2排出データであって、前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される第2排出データとを含む排出データを受信し、
1回目に受信した前記第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、
2回目に受信した前記第2排出データを分析して、第2排出出力値を判断し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている、システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの排出種類に対応する二次データを受信するために1つ以上の二次排出ソースとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の二次排出ソースが前記エンティティ内に配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、前記少なくとも1つの排出低減ステップが、前記比較に基づく、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの排出種類が1つ以上の排出センサによって前記エンティティ内で監視されているか否かを判断し、前記エンティティが監視されていると判断された場合、前記1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記エンティティが監視されていないと判断した場合、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記エンティティが監視されていると判断した場合、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡する方法であって、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信することと、
1回目に受信した前記第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データを2回目に受信することであって、前記第2排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2排出データを分析することと、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む方法。
【請求項28】
前記第1排出データおよび前記第2排出データを受信するために、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記エンティティ内に配置され、前記第1排出データおよび前記第2排出データを受信する1つ以上の排出監視デバイスであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの排出種類に対応する第1二次データを1回目に受信し、前記少なくとも1つの排出種類に対応する第2二次データを2回目に受信するために1つ以上の二次ソースとインタフェースすることをさらに含み、前記第1排出データが前記第1二次データに基づいており、前記第2排出データが前記第2二次データに基づいている、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の二次排出ソースが前記エンティティ内に配置される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較することと、前記比較に基づいて、前記少なくとも1つの排出低減ステップを判断することとをさらに含む請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、
通信ネットワークと、
非一時的なコンピュータメモリと、
前記非一時的なコンピュータメモリおよび前記通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信し、
排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断するために、1回目に受信した前記第1排出データを分析し、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨し、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データであって、前記少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される第2排出データを2回目に受信し、
第2排出出力値を判断するために、2回目に受信した前記第2排出データを分析し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている、システム。
【請求項38】
前記少なくとも1つのプロセッサが、請求項28〜36のいずれか1項に定義される方法を実行するようにさらに構成されている、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡する方法をプロセッサに実行させるコンピュータ可読命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、
前記方法が、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信することと、
1回目に受信した前記第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データを2回目に受信することであって、前記第2排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2排出データを分析することと、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記方法は、請求項28〜36のいずれか1項に従ってさらに定義される、請求項39に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年10月3日に出願された米国仮特許出願第62/567,392号からの優先権を主張するものである。
【0002】
説明する実施形態は、エンティティに関連する排出を追跡するシステムおよび方法に関し、特に、エンティティに関連付けられた温室効果ガスの排出を追跡するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
施設からの温室効果ガス排出を分析および報告する従来のシステムは、通常、例えば調査によって、ユーザーから排出関連情報を受信することに依拠している。その結果、従来のシステムは通常、不正確で非効率的である。そのようなシステムの適用性を拡大するとともに、改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態では、エンティティによって生成される少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムが提供され、エンティティは、上記少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成する。システムは、エンティティに通信可能に結合され、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた排出データであって、1回目に受信した第1排出データと2回目に受信した第2排出データとを含む排出データを受信するように構成された少なくとも1つの排出追跡デバイスであって、第2排出データが、少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される、少なくとも1つの排出追跡デバイスと、少なくとも1つの排出追跡デバイスと通信する外部プロセッサであって、1回目に受信した第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、2回目に受信した第2排出データを分析して、第2排出出力値を判断し、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成された外部プロセッサとを備える。
【0005】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの排出追跡デバイスが、エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースするように構成されている。
【0006】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つの排出追跡デバイスが、エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている。
【0007】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも1つの排出追跡デバイスが、少なくとも1つの排出種類に対応する二次データを受信するために1つ以上の二次排出ソースとインタフェースするように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二次排出ソースがエンティティ内に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、外部プロセッサは、排出ベースラインを少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、少なくとも1つの排出低減ステップは、比較に基づく。
【0010】
いくつかの実施形態では、外部プロセッサが、排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、外部プロセッサが、排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では少なくとも1つの排出追跡デバイスが、少なくとも1つの排出種類が1つ以上の排出センサによってエンティティ内で監視されているか否かを判断し、エンティティが監視されていると判断された場合、1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、エンティティが監視されていないと判断した場合、少なくとも1つの排出追跡デバイスが、エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、エンティティが監視されていると判断した場合、少なくとも1つの排出追跡デバイスが、1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態では、エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される。
【0017】
別の態様では、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態では、エンティティによって生成される少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムが提供され、エンティティは、上記少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成する。このシステムは、通信ネットワークと、非一時的なコンピュータメモリと、非一時的なコンピュータメモリおよび通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた排出データであって、1回目に受信した第1排出データと2回目に受信した第2排出データであって、少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される第2排出データとを含む排出データを受信し、1回目に受信した第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、2回目に受信した第2排出データを分析して、第2排出出力値を判断し、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースするように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの排出種類に対応する二次データを受信するために1つ以上の二次排出ソースとインタフェースするように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二次排出ソースがエンティティ内に配置される。
【0022】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、排出ベースラインを少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、少なくとも1つの排出低減ステップが、比較に基づく。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの排出種類が1つ以上の排出センサによってエンティティ内で監視されているか否かを判断し、エンティティが監視されていると判断された場合、1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、エンティティが監視されていないと判断した場合、少なくとも1つのプロセッサが、エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、記エンティティが監視されていると判断した場合、少なくとも1つのプロセッサが、1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される。
【0029】
いくつかの実施形態では、エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される。
【0030】
別の態様では、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態では、エンティティによって生成される少なくとも1つの排出種類を追跡する方法が提供され、エンティティは上記少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成する。この方法は、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信することと、1回目に受信した第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データを2回目に受信することであって、第2排出データが、少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、第2排出出力値を判断するために2回目に受信した第2排出データを分析することと、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、この方法は第1排出データおよび第2排出データを受信するために、エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサとインタフェースすることをさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、エンティティ内に配置され、第1排出データおよび第2排出データを受信する1つ以上の排出監視デバイスであって、少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスとインタフェースすることをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、この方法は、少なくとも1つの排出種類に対応する第1二次データを1回目に受信し、少なくとも1つの排出種類に対応する第2二次データを2回目に受信するために1つ以上の二次ソースとインタフェースすることをさらに含み、第1排出データが第1二次データに基づいており、第2排出データが第2二次データに基づいている。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二次排出ソースがエンティティ内に配置される。
【0035】
いくつかの実施形態では、この方法は、排出ベースラインを少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較することと、比較に基づいて、少なくとも1つの排出低減ステップを判断することとをさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、この方法は、排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成することをさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、この方法は、排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断することをさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される。
【0040】
別の態様では、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態では、エンティティによって生成される少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムが提供され、エンティティは、上記少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成する。このシステムは、通信ネットワークと、非一時的なコンピュータメモリと、非一時的なコンピュータメモリおよび通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信し、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断するために、1回目に受信した第1排出データを分析し、少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨し、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データであって、少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される第2排出データを2回目に受信し、第2排出出力値を判断するために、2回目に受信した第2排出データを分析し、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている。
【0041】
別の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、上述の方法または本明細書の教示による他の方法を実行するように構成されている。
【0042】
別の態様では、本明細書で説明する少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された少なくとも1つの排出種類を追跡する方法をプロセッサに実行させるコンピュータ可読命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、方法が、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1排出データを1回目に受信することと、1回目に受信した第1排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2排出データを2回目に受信することであって、第2排出データが、少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、第2排出出力値を判断するために2回目に受信した第2排出データを分析することと、排出ベースラインおよび第2排出出力値に基づいて少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む、コンピュータ可読媒体が提供される。
【0043】
いくつかの実施形態では、命令は、上記で定義された方法または本明細書の教示による他の方法をプロセッサに実行させる。
【0044】
本出願の他の特徴および利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本出願の好ましい実施形態を示しているが、詳細な説明から、本出願の趣旨および範囲内で、様々な変更および修正が当業者に明らかになるので、単なる例示として与えられていることを理解されたい。
【0045】
本明細書で説明する様々な実施形態をよりよく理解し、これらの様々な実施形態を実施する方法をより明確に示すために、例として、少なくとも1つの例示的な実施形態および図を示す添付の図面を参照し、これらの図をここで簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】排出追跡プラットフォームのブロック図の例である。
【
図2A】排出追跡プラットフォームのブロック図の別の例である。
【
図2B】排出追跡プラットフォームのブロック図のさらなる例である。
【
図2C】排出追跡プラットフォームのブロック図の別の例である。
【
図3】排出追跡プラットフォームのブロック図の例である。
【
図4】エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出を追跡するプロセスの例である。
【
図6】エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出を追跡するプロセスの例である。
【
図7】エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出を追跡するプロセスの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
当業者は、以下に記載される図面が例示のみを目的とすることを理解するであろう。図面は、いかなる方法でも出願人の教示の範囲を制限することを意図するものではない。また、説明を単純かつ明確にするために、図に示される要素は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。例えば、明確にするために、いくつかの要素の寸法は、他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合、対応する要素または類似の要素を示すために、参照番号を複数の図で繰り返し用いる場合がある。
【0048】
特許請求する主題の少なくとも1つの実施形態の例を提供するために、様々な装置またはプロセスを以下で説明する。以下で説明する実施形態は、特許請求する主題を限定するものでなく、特許請求する主題は、以下で説明するものとは異なるプロセス、装置、デバイス、またはシステムをカバーすることができる。特許請求する主題は、以下で説明する任意の1つの装置、デバイス、システムまたはプロセスのすべての特徴を有する装置、デバイス、システムまたはプロセスに限定するものでも、以下で説明する複数の、またはすべての装置、デバイス、システムまたはプロセスに共通する特徴に限定するものでもない。以下に説明する装置、デバイス、システム、またはプロセスは、特許請求する主題の実施形態ではない可能性がある。本書面で特許請求していない、以下で説明する装置、デバイス、システム、またはプロセスで開示される主題は、別の保護手段、例えば継続中の特許出願の主題である可能性があり、出願人、発明者、または所有者は、本書面での開示により、そのような主題を放棄、部分放棄、または一般に提供することを意図するものではない。
【0049】
さらに、説明を単純かつ明確にするために、適切と見なされる場合、対応する要素または類似の要素を示すために、参照番号を複数の図で繰り返し用いる場合があることが理解されよう。さらに、本明細書で説明される例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が述べられる。しかしながら、本明細書で説明される例示的な実施形態は、これらの特定の詳細無しに実施されてもよいことが当業者には理解されるであろう。他の例では、本明細書で説明される例示的な実施形態を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、および構成要素は詳細には説明されない。また、本明細書は、本明細書で説明される例示的な実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0050】
本明細書で使用される「結合された」または「結合する」という用語は、その用語が使用される状況に応じて、いくつかの異なる意味を有する可能性があることにも留意されたい。例えば、結合するという用語は、機械的または電気的な意味合いを持つ場合がある。例えば、本明細書で使用する「結合された」または「結合する」という用語は、2つの要素またはデバイスを互いに直接接続したり、具体的な状況に応じて、電気要素、電気信号、または例えばワイヤまたはケーブル等であるがこれらに限定されない機械的要素によって、1つ以上の中間要素またはデバイスを介して互いに接続したりできることを示す。
【0051】
本明細書で使用される「実質的に」、「約」、「およそ」等の程度の用語は、最終結果が大幅に変更されないように、修飾される用語の妥当な量の偏差を意味することに留意されたい。偏差が、修飾する用語の意味を否定するものでなければ、これらの程度の用語は、修飾する用語の偏差を含むと解釈されるべきである。
【0052】
さらに、本明細書において端点による数値範囲の記述には、その範囲内に含まれるすべての数と端数が含まれる(例えば、1から5には、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、5が含まれる)。また、すべての数およびその端数は、「約」という用語によって修飾されると推定され、「約」は、最終結果が大幅に変更されなければ、参照される数値の、特定の量までの変動を意味する。
【0053】
本明細書で説明されるデバイス、システム、および方法の様々な実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装されてもよい。これらの実施形態は、プログラム可能なデバイス上で実行されるコンピュータプログラムを使用して部分的に実装することができ、各プログラム可能なデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ、オペレーティングシステム、1つ以上のデータストア(揮発性メモリまたは不揮発性メモリまたは他のデータ記憶要素またはそれらの組み合わせを含む)、少なくとも1つの通信インタフェース、および本明細書で説明する実施形態の少なくとも1つの機能を実装するために必要な他の任意の関連するハードウェアおよびソフトウェアを含む。例えば、限定はしないが、コンピューティングデバイスは、本明細書に記載の方法を実行するように構成することができるサーバー、ネットワーク機器、埋め込みデバイス、コンピュータ拡張モジュール、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、パーソナルデータアシスタント、携帯電話、スマートフォンデバイス、タブレットコンピュータ、無線デバイス、または他の任意のコンピューティングデバイスであってもよい。特定の実施形態は、コンピューティングデバイスのアプリケーションに依存する。
【0054】
いくつかの実施形態では、通信インタフェースは、ネットワーク通信インタフェース、USB接続、または当業者に知られている別の適切な接続であってよい。他の実施形態では、通信インタフェースは、プロセス間通信(IPC)用のもの等のソフトウェア通信インタフェースであってもよい。さらに他の実施形態では、ハードウェア、ソフトウェア、およびそれらの組み合わせとして実装される通信インタフェースの組み合わせがあり得る。
【0055】
本明細書で説明する実施形態の少なくともいくつかでは、プログラムコードを入力データに適用して、本明細書で説明する機能の少なくとも一部を実行し、出力情報を生成することができる。出力情報は、表示またはさらなる処理のために、1つ以上の出力デバイスに適用されてもよい。
【0056】
プログラムを使用する、本明細書で説明される実施形態の少なくともいくつかは、高級手続き型の、またはオブジェクト指向のプログラミングおよび/またはスクリプト言語、あるいはその両方で実装されてもよい。したがって、プログラムコードは、オブジェクト指向プログラミングの当業者に知られているように、C、Java、SQLまたは他の任意の適切なプログラミング言語で記述されてもよく、モジュールまたはクラスを含み得る。ただし、他のプログラムは、必要に応じてアセンブリ、機械語、またはファームウェアで実装できる。どちらの場合でも、言語はコンパイルされた言語または逐次解釈された言語である。
【0057】
コンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば、ROM、磁気ディスク、光ディスク等であるがこれらに限定されないコンピュータ可読媒体)、または汎用もしくは専用コンピューティングデバイスによって読み取り可能なデバイスに格納されてもよい。プログラムコードは、コンピューティングデバイスによって読み取られると、本明細書で説明される方法の少なくとも1つを実行するために、新規の、具体的な事前定義された方法で動作するようにコンピューティングデバイスを構成する。
【0058】
さらに、本明細書で説明する実施形態のシステム、プロセス、および方法に関連付けられたプログラムのいくつかは、1つ以上のプロセッサに対するコンピュータ使用可能命令を保持するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品で配布することができる。媒体は、1つ以上のディスケット、コンパクトディスク、テープ、チップ、および磁気もしくは電子ストレージ等であるがこれらに限定されない非一時的な形態を含む、様々な形態で提供することができる。代替実施形態では、媒体は、性質が一時的なものであってもよく、有線送信、衛星送信、インターネット送信(例えば、ダウンロード)、媒体、デジタル信号およびアナログ信号等であるがこれらに限定されない。コンピュータで使用可能な命令は、コンパイルされたコードおよびコンパイルされていないコードを含む、様々なフォーマットであってよい。
【0059】
本明細書で開示される様々な実施形態は、概して、エンティティに関連付けられた排出を追跡するシステムおよび方法に関する。具体的には、システムおよび方法は、エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出の追跡に関連している。温室効果ガス排出のいくつかの非限定的な例には、とりわけ、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートのうち1つ以上が含まれる。
【0060】
まず、例示的な実施形態による排出追跡プラットフォーム100が示されている
図1を参照する。排出追跡プラットフォーム100は、排出追跡システム110および1つ以上のエンティティ105を備える。
【0061】
エンティティは、温室効果ガスを排出する任意の施設または資産と定義できる。エンティティのいくつかの非限定的な例には、住宅105a(例えば、一戸建て住宅、タウンハウス、マンション、アパートの建物等)、産業施設105b(例えば、工場)、商業施設105c(例えば、医療用建物、教育用建物等)、発電施設105d、鉄道輸送手段105e、海上輸送手段105f、航空輸送手段105g、路上および路外輸送手段105h、および農業施設105iが含まれる。
【0062】
排出追跡システム110は、互いに、かつ1つ以上のエンティティ105に通信可能に結合された1つ以上のデバイスを備える。本明細書に示される様々な実施形態では、排出追跡システム110は、1つ以上のエンティティ105に関連付けられた1つ以上の温室効果ガス排出を追跡するように構成されている。
【0063】
本明細書に示す様々な実施形態では、エンティティの稼働が温室効果ガス排出の直接的または間接的な生成をもたらす場合、温室効果ガス排出は、エンティティ105と共に生成される、またはエンティティ105に関連付けられたと見なされる。例えば、産業施設105b等のエンティティの場合、エンティティ105bに関連付けられた温室効果ガス排出には、エンティティ105b自体の稼働中に排出された温室効果ガスと、エンティティ105bによる電力消費に起因する発電施設105d等の他の任意のエンティティによって排出された温室効果ガスとが含まれる。
【0064】
本明細書に示される様々な実施形態では、追跡は、本明細書で論じられるように様々なステップを含み得る。エンティティ105に関連付けられた温室効果ガス排出関連情報の監視、測定、分析、報告等のステップを含む追跡のいくつかの非限定的な例。
【0065】
一例では、排出追跡システム110は、エンティティ105からの温室効果ガス排出を監視および/または測定し、収集したデータをログに記録し、編集し、リアルタイムの排出測定値を生成し、エンティティ105からの総排出を判断し、収集したデータ、測定値、および計算結果を第2デバイスに転送するように構成された第1デバイスを含む。
【0066】
この例では、第2デバイスは、第1デバイスからデータ、測定値、および計算結果を受信し、受信した情報の分析を行い、適合性を検証するために排出出力の変化を判断し、トレードに必要な温室効果ガスのクレジットまたは、またはオフセット(例えば、カーボンクレジット等)の量を判断し、温室効果ガス排出クレジットのトレードを促進または仲介し、排出低減努力および排出低減技術を監視し、対応する報告を生成して伝送するように構成されている。
【0067】
別の例では、排出追跡システム110は、先の例の第1デバイスと第2デバイスの両方の機能を実行することができる単一のデバイスを含む。排出追跡システム110は、特に
図3〜
図7に関連して、以下でさらに詳細に説明される。
【0068】
排出追跡プラットフォームの異なる例を示す
図2A〜
図2Cを簡単に参照する。
図2Aは、一例による排出追跡プラットフォーム200Aを示す。
図2Bは、別の例による排出追跡プラットフォーム200Bを示す。
図2Cは、さらなる例による排出追跡プラットフォーム200Cを示す。
【0069】
図2Aに示すように、排出追跡プラットフォーム200Aは、エンティティ205、ネットワーク215、および排出追跡システム210Aを備える。本実施形態では、排出追跡システム210は、排出追跡デバイス220Aおよび外部処理デバイス225を備える。
【0070】
ネットワーク215は、インターネット、イーサネット、基本電話サービス(POTS)回線、公衆交換電話網(PSTN)、総合デジタル通信網(ISDN)、デジタル加入者線(DSL)、同軸ケーブル、光ファイバー、衛星、モバイル、ワイヤレス(例えば、Wi−Fi、WiMAX)、SS7信号網、固定回線、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、およびこれらの組み合わせを含むその他の、データを運ぶことができる任意のネットワークであってもよい。ネットワーク215はまた、例えば、CD ROM、DVD、SDカード、外部ハードドライブ、USBドライブ等の記憶媒体を含み得る。
【0071】
図示の実施形態では、排出追跡システム220Aは、エンティティ205の施設内に配置され、外部処理デバイスは、排出追跡デバイス220Aとは離れて配置される。排出追跡デバイス220Aは、外部処理デバイス225に、ネットワーク215を介して通信可能に結合されている。
【0072】
図2Bに示す実施形態では、排出追跡プラットフォーム200Bは、エンティティ205、ネットワーク215、および排出追跡システム210Bを備える。本実施形態では、排出追跡システム210Bは、排出追跡デバイス220Bおよび外部処理デバイス225を備える。
【0073】
図示の実施形態では、排出追跡システム220Bは、エンティティ205の施設と同じ物理的場所になく、エンティティ205に、ネットワーク215を介して通信可能に結合されている。さらに、排出追跡デバイス220Bは、外部処理デバイス225に、ネットワーク215を介して通信可能に結合されている。
【0074】
図2Cに示す実施形態では、排出追跡プラットフォーム200Cは、エンティティ205、ネットワーク215、および排出追跡システム210Cを備える。本実施形態では、
図2Aおよび
図2Bの排出追跡デバイス220A、220B等の排出追跡デバイス、および
図2Aおよび
図2Bの外部処理デバイス225等の外部処理デバイスの機能は、組み合わされて、
図2Cにおいて排出追跡システム210Cとして示される1つのハードウェアユニットとなっている。
【0075】
排出追跡システム210Cは、エンティティ205の施設と同じ物理的場所に配置されていても、されいなくてもよい。排出追跡システム210Cは、エンティティ205に、ネットワーク215を介して通信可能に結合されている。
【0076】
図2A〜
図2Cの様々な実施形態では、排出追跡システム210A、210B、および210Cは、エンティティ205に関連付けられた、1つ以上の温室効果ガスに対応する温室効果ガス排出を追跡するように構成されている。上述のように、追跡は、エンティティ205に関連付けられた温室効果ガス排出を監視、測定、分析、および報告する1つ以上の非限定的なステップを含み得る。
【0077】
図2A、
図2Bのデバイス220A、220B等の排出追跡デバイスが、
図2A、
図2Bの外部処理デバイス225等の外部処理デバイスから離れている実施形態では、排出追跡デバイス220A、220Bは、排出データを監視、測定、分析、および報告する1つ以上の非限定的なステップを実行し、外部処理デバイス225は、排出データを監視、測定、分析、および報告する他の非限定的なステップを実行するように構成されてもよい。
【0078】
例えば、ある場合には、排出追跡デバイス220A、220Bは、監視ステップおよび測定ステップを実行するように構成されてもよく、外部処理デバイス225は、分析ステップおよび報告ステップを実行するように構成されてもよい。別の場合には、排出追跡デバイス220A、220Bは、監視ステップを実行するように構成されてもよく、外部処理デバイス225は、測定ステップ、分析ステップ、および報告ステップを実行するように構成されてもよい。さらなる場合において、排出追跡デバイス220A、220Bは、監視ステップ、測定ステップ、および分析ステップを実行するように構成されてもよく、外部処理デバイス225は、報告ステップを実行するように構成されてもよい。
【0079】
次に、例示的な実施形態による排出追跡プラットフォーム300が示されている
図3を参照する。排出追跡プラットフォーム300は、エンティティ305、ネットワーク315および排出追跡システム310を含む。排出追跡プラットフォームは、排出トレードシステム330、規制システム340および外部二次システム360をさらに備える。
【0080】
図示の実施形態では、エンティティ305は、排出監視システム355を含む。排出監視システム355は、エンティティ305に関連付けられた温室効果ガス排出に関連する情報を監視および/または他の方法で提供するための、複数の一次ソース350および内部二次ソース352を含む。
【0081】
一次ソース350は、エンティティ305からの温室効果ガス排出を直接監視することができる1つ以上のユニット、デバイス、および/またはシステムと定義される。一次ソース350は、1つ以上のセンサ370(例えば、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ等)、排出監視デバイス375(例えば、連続排出監視システム、すなわちCEM、携帯型排出監視システムすなわちPEM等)および/または、エンティティ305からの1つ以上の種類の温室効果ガス排出を直接監視できる他の任意のシステムまたは機器を含んでもよい。
【0082】
エンティティ305は、1つ以上の種類の温室効果ガス排出を直接測定するように構成された1つ以上のセンサ370を有することができる。例えば、エンティティ305は、とりわけ、窒素酸化物(NO
x)、二酸化炭素(CO
2)、酸素(O
2)、メタン(CH
4)、一酸化炭素(CO)、および非メタン揮発性有機化合物(CH)等の温室効果ガス排出を監視できる1つ以上のセンサを有することができる。
【0083】
図示の実施形態では、排出追跡システム310は、ネットワーク315を介してセンサ370と通信し、センサ370から1つ以上の検出された温室効果ガス排出情報を受信するように構成されている。いくつかの場合には、排出追跡システム310は、排出追跡デバイス320および離れて配置された外部処理デバイス325を含み、そのような実施形態では、排出追跡デバイス320は、センサ370と通信可能に接続し、検出された温室効果ガス排出情報を受信する。
【0084】
いくつかの場合には、排出追跡デバイス320は、エンティティ305の施設内に配置されている。他のいくつかの場合には、排出追跡デバイス320は、エンティティ305の外部に配置される。排出追跡デバイス320は、有線接続または無線接続のいずれかによってセンサ370に接続されてもよい。
【0085】
排出追跡システム310は、センサ370からの出力接続を介してセンサ370とインタフェースすることができる。例えば、排出追跡システム310は、センサ370のシリアル出力ポートとインタフェースする。センサ370からの補助出力が利用できない場合等のいくつかの場合には、排出追跡システム310は、センサ370の回路基板を介してセンサ370とインタフェースすることができる。例えば、排出追跡システム310は、(例えば、直接スプライシングを介して)センサ370の回路基板に直接配線される。
【0086】
排出追跡システム310は、センサ370からの電気信号の形で、監視された排出データを受信するように構成されてもよい。次に、ミッション追跡システム310は、受信した信号を処理して、エンティティ305からの排出出力を示す値すなわち測定値に変換する。排出追跡システム310はさらに、判断された排出値または出力を編集、記録、および分析するように構成されている。
【0087】
排出追跡システム310は、受信された信号が正確であることを保証するためにセンサ370を検証するように構成されてもよい。排出追跡システム310は、認証のためにセンサ370をチェックすることによってこれを達成することができる。センサ370が規制機関によって認証されていることが判明した場合、それ以上の検証は要求されないかもしれない。一方、センサ370が認証されていないと排出追跡システム310が判断した場合、排出追跡システム310は、例えば、較正チェックを実行することによって、センサ370を検証してもよい。
【0088】
図示のように、監視システム355内の一次ソース350は、排出監視デバイス375も含んでもよい。排出監視デバイス375は、エンティティ305からの温室効果ガス排出を測定することができる任意のシステムまたはデバイスであってもよい。排出監視デバイス375は、センサ370よりも複雑なシステムであり、通常、エンティティ305からの2種類以上の温室効果ガス排出を監視するように構成されているという点で、センサ370とは異なる。一方、各センサ370は、エンティティ305からの固有の種類の温室効果ガス排出を監視する。
【0089】
排出監視デバイス375は、認証されたシステムであっても、認証されていないシステムであってもよい。排出監視デバイス375は、第三者または相手先商標製造会社(OEM)の測定機器であってもよい。上述のように、排出監視デバイス375は、とりわけ、認証された連続排出監視システム(CEMシステム)、認証された携帯型排出監視システム(PEMシステム)を含んでもよい。
【0090】
CEMシステムは、排出ユニットまたはエンティティ305のガス状廃棄排出中の1つまたはいくつかの特定の化合物を分析するように構成された機器およびプログラムを含むシステムとして定義することができる。CEMシステムは、単位時間あたりに排出される特定の化合物の量を定量化し、排出を報告するための情報を処理する。排出は、例えば、エンティティ305によって要求される方法を含む、任意の方法で報告することができる。別の例では、排出は、政府機関等の規制当局によって規定された方法で報告できる。一例では、排出は環境保護法、オンタリオ規則194/05(O.Reg.194/05)で規定された方法で報告される。PEMシステムは、他の監視されたパラメータとの相関に基づいて汚染物質の濃度と排出量を予測できるシステムとして定義できる。
【0091】
図示の実施形態では、排出追跡システム310は、ネットワーク315を介して排出監視デバイス375とインタフェースし、エンティティ305によって生成された1つ以上の種類の温室効果ガス排出に対応する温室効果ガス排出データを受信するように構成されている。排出追跡システム310は、有線または無線接続を介して排出監視デバイス375に結合されてもよい。
【0092】
排出追跡システム310は、排出監視デバイス375から、電気信号の形で、監視されている各温室効果ガス排出の排出データを受信してもよい。そのような場合、排出追跡システム310は、監視された温室効果ガスの種類ごとに受信信号を処理し、エンティティ305によって生成されたその温室効果ガスの総排出出力を示す値すなわち測定値を生成することができる。値すなわち測定値は、監視された排出データのヒステリシスまたは統計分析に基づいて判断される。
【0093】
いくつかの場合には、排出監視デバイス375自体が、監視された、エンティティ305からの温室効果ガスの種類ごとの総排出出力を計算し、総排出データを排出追跡システム310に伝送することができる。そのような場合、排出追跡システム310は、適合および/または報告の目的で、監視された各温室効果ガスの、受信した総排出出力データを記録、編集、および分析する。
【0094】
排出追跡システム310は、排出監視デバイス375を検証して、デバイス375から受信した信号およびデータが正確であることを保証するように構成されてもよい。排出追跡システム310は、認証のために排出監視デバイス375をチェックすることによってこれを達成することができる。排出監視デバイス375が規制機関によって認証されていることが判明した場合、それ以上の検証は要求されないかもしれない。一方、排出監視デバイス375が認証されていないと排出追跡システム310が判断した場合、排出追跡システム310は、例えば、較正チェックを実行することによって、排出監視デバイス375を検証してもよい。
【0095】
一例では、排出追跡システム310は、一組の試験信号をセンサ370および/または排出監視デバイス375に伝送することにより、センサ370および/または排出監視デバイス375から受信したデータを検証する。試験信号は、これらの試験信号がセンサ370および/または排出監視デバイス375のスペクトル内にあるように選択される。例えば、ある場合において、一組の試験信号は、1つの試験信号がセンサ370および/または排出監視デバイス375のスペクトルの下端にあり、別の試験信号がセンサ370および/または排出監視デバイス375のスペクトルの上端にあり、他の試験信号はスペクトル内にあるように選択される。別の場合には、2つの試験信号が選択され、センサ370および/または排出監視デバイス375に伝送され、第1試験信号はセンサ370および/または排出監視デバイス375のスペクトルの下端にあり、第2試験信号はセンサ370および/または排出監視デバイス375のスペクトルの上端にある。
【0096】
試験信号は、試験信号に対する応答がセンサ370および/または排出監視デバイス375の動作パラメータの一部であり、排出追跡システム310によって予測できるように選択される。排出追跡システム310は、次にセンサ370および/または排出監視デバイス375からの試験信号に対する応答を監視し、その応答を予測された応答と比較する。実際の応答が予測された応答と一致する場合、排出追跡システム310は、センサ370および/または排出監視デバイス375を検証する。
【0097】
別の例では、排出追跡システム310は、センサ370および/または排出監視デバイス375の既知のパラメータを測定し、既知の値を測定値と比較することにより、センサ370および/または排出監視デバイス375から受信したデータを検証して、センサ370および/または排出監視デバイス375の精度を判断する。例えば、サーミスタの抵抗を測定することにより、排出追跡システム310によってサーミスタを検証することができる。サーミスタの抵抗は、サーミスタの主要な動作パラメータであるため、既知の値である。排出追跡システム310は、サーミスタの既知の抵抗値を測定された抵抗値と比較し、比較に基づいてサーミスタが故障しているか否かを判定する。
【0098】
排出監視デバイス375が、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された2種類以上の温室効果ガス排出を監視するように構成されている、いくつかの場合には、排出追跡システム310は、排出監視デバイス375に、選択した種類の温室効果ガスのみに関する生の排出データおよび/または総排出出力測定値データを伝送するように促すように構成されてもよい。他のいくつかの場合には、排出追跡システム310は、注目するデータ、すなわち、選択された種類の温室効果ガスに関する生の排出データおよび/または総排出出力測定値データを、監視された温室効果ガスのすべての種類について受信した混合データのストリームから抽出すなわちフィルタリングするように構成されている。
【0099】
図示されているように、監視システム355はまた、内部二次ソース352を含む。内部二次ソース352は、エンティティ305に関連付けられた1種類以上の温室効果ガス排出を推定するために使用できる二次データを提供する、エンティティ305の施設内の1つ以上のユニット、デバイス、および/またはシステムと定義できる。内部二次ソース352は、エンティティ305によって生成される温室効果ガス排出の量を直接監視しない。
【0100】
車両等のエンティティの内部二次ソース352の例には、車両の燃料レベル、ブレーキ寿命、タイヤ空気圧等を判断するために使用される1つ以上のデバイスが含まれ得る。これらのソースからのデータは、車両からの温室効果ガス排出を推定するために排出追跡システム310によって使用することができる。
【0101】
別の例では、車両の内部二次ソース352は、車両のエンジンのパラメータを監視するように構成された1つ以上のデバイスを含んでもよい。このようなデバイスには、エンジンコントロールモジュール(engine control module,ECM)を介してエンジンデータを捕捉するために、エンジンのオンボードダイアグノーシス(on−board diagnostics,OBD)ポートに接続されたトランスポンダが含まれる場合がある。トランスポンダは、J1939,ISO15765−4等のプロトコルを使用してOBDポートに接続できる。OBDポートを介したECMからのエンジン運転データは、車両からの温室効果ガス排出を推定するために、排出追跡システム310によって使用することができる。
【0102】
ECMがない場合、またはECMが必要なデータを提供しない場合、内部二次ソース352は、エンジンの運転を監視する、車両または車両のエンジンに接続された他のセンサまたはデバイスを含んでもよい。これらのセンサまたはデバイスからのデータは、車両からの温室効果ガス排出を推定するために排出追跡システム310によって使用することができる。
【0103】
エンティティ305が
図1の発電施設105d等の発電施設である別の例では、内部二次ソース352は発電施設のプログラム論理制御(PLC)と対話し、監視するように構成された1つ以上のデバイスを含み得る。
【0104】
エンティティ305が
図1の製造施設、または産業施設105b等の産業施設である別の例では、内部二次ソース352は、施設で使用される方法およびプロセスを監視するように構成された1つ以上のデバイスを含んでもよい。
【0105】
同様に、エンティティ305が、工場、または
図1の産業施設105b等の産業施設である別の例では、二次システム360は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF
6)、および三フッ化窒素(NF
3)等のフッ化ガスの排出を監視するように構成された1つ以上のセンサを含む。
【0106】
図3に示された実施形態におけるエンティティ305は、センサ370および排出監視デバイス375等の一次ソース350、ならびに内部二次ソース352を含むように示されているが、すべてのエンティティ305が、温室効果ガス排出を監視するための、これらの一次ソースおよび二次ソースを含まなくてもよいことが理解されるだろう。いくつかの場合には、エンティティ305は、一次ソース350または内部二次ソース352のみを含み、両方は含まなくてもよい。同様に、いくつかの場合には、エンティティ305は、センサ370または排出監視デバイス375のみを含み、両方は含まなくてもよい。
【0107】
他のいくつかの例では、エンティティ305は、図示された一次ソース350および二次ソース352のいずれも備えていなくてもよい。そのような場合、排出追跡デバイス320は、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された温室効果ガス排出を推定するために、外部二次システム360とインタフェースするように構成されてもよい。
【0108】
外部二次システム360は、内部二次ソース352に類似しているが、その位置に関して内部二次ソース352とは異なる。内部二次ソース352と同様に、外部二次システム360から受信したデータを使用して、エンティティ305の温室効果ガス排出を推定できる。
【0109】
内部二次ソース352は、エンティティ305の施設内に存在するソースとして説明されているが、外部二次システム360は、エンティティ305の施設内に配置されていないセンサ、ユニット、デバイス、および/またはシステムを含む。いくつかの場合には、外部二次システム360は、異なるエンティティに配置されてもよい。例えば、エンティティ305が発電所である場合、発電所に接続された世帯からの電力消費データを使用して、発電所からの二酸化炭素排出を推定することができる。この例では、発電所に接続された世帯での電力消費を監視するために使用されるデバイスまたはシステムは、外部二次システム360を構成する。
【0110】
いくつかの場合には、外部二次システム360は、エンティティ305の一次ソース350および内部二次ソース352の1つ以上から排出関連データを受信し、格納する1つ以上のサーバーまたはデータベースを含んでもよい。例えば、ある世帯の住居等のエンティティ305では、住居での電力消費を測定するように構成されたデバイスまたはシステムは、電力消費データをクラウドサーバーに伝送するようにさらに構成されてもよい。この例では、世帯の電力消費データを含むクラウドサーバーは、外部二次システム360を構成する。
【0111】
図示の実施形態では、プラットフォーム300は、規制当局、または規制当局から情報を受信する第三者によって操作され、メンテナンスされる任意のサーバーまたはサーバーの組み合わせとして定義できる規制システム340も含む。規制当局には、任意の地域、地方、連邦、および/または国際の(例えば、国連)の組織が含まれてもよい。規制システム340は、1つ以上の温室効果ガスに対応する、標準、税法、彫像、規制、方針等の規制情報を提供するように構成されている。
【0112】
規制システム340によって提供される情報のいくつかの非限定的な例には、エンティティからの温室効果ガス排出の許容できる量および許容できない量、様々なエンティティからの温室効果ガスの排出を低減または最小化する技術、特定の温室効果ガス排出レベルに関連付けられた罰金または罰則、温室効果ガス排出レベルを低減するために利用できるクレジット、温室効果ガスクレジットの税への影響、温室効果ガスクレジットトレードに関するトレード方針等が含まれる。
【0113】
排出追跡システム310は、ネットワーク315を介して規制システム340と対話して、追跡(例えば、測定、報告等)の目的で適切な規制情報を受信する。規制システム340は、既存の規制の変更または新しい規制の導入に基づいて絶えず更新されている。
【0114】
図示のように、プラットフォーム300は、排出トレードまたはトレードシステム330も含み、これは、供給者と購入者との間の温室効果ガス排出クレジットのトレードを容易にするように構成されたサーバーまたはサーバーの組み合わせとして定義できる。トレードシステム330は、個人がプラットフォームに登録してトレードを実行することを可能にするウェブサイト、アプリケーション、中央フォーラム、交換プラットフォーム、または他の任意のプラットフォームを含んでもよい。いくつかの場合には、トレードシステム330は、個人がそれぞれの口座を登録および作成できるプラットフォームを含む。
【0115】
トレードシステム330は、ネットワーク315を介して規制システム340と対話する。規制システム340は、トレードシステム330を管理し、温室効果ガス排出クレジットをトレードするためのフレームワークをトレードシステム330に提供する。同様に、排出追跡システム310は、ネットワーク315を介してトレードシステム330と対話し、トレードシステム330上の個人に、排出クレジット利用可能性、排出報告、およびプラットフォームでのトレードに有用であり得る他のデータを提供する。
【0116】
図示の実施形態では、プラットフォーム300は、単一のデバイス、または複数のデバイスの組み合わせであってもよい排出追跡システム310を備える。図示の実施形態では、排出追跡システムは、排出追跡デバイス320および外部処理デバイス325を含む。
【0117】
排出追跡デバイス320は、プロセッサおよびメモリを含む任意のネットワーク化されたコンピューティングデバイスであってもよい。排出追跡デバイス320は、ネットワーク315を介してプラットフォーム300上の他のシステムおよびデバイスと対話する。
【0118】
排出追跡デバイス320は、エンティティ305の監視システム355と対話し、生の排出データ(例えば、上述のようにセンサ370からの電気信号)、総排出出力測定値(例えば、上述のように排出測定デバイス375からの)、二次排出関連データ(例えば、二次内部ソース352からの)、またはこれらの組み合わせのうち、1つ以上を受信するように構成されている。
【0119】
いくつかの場合には、排出追跡デバイス320は、規制システム320によって、エンティティ305からの特定の種類の温室効果ガス排出を監視することが要求される。そのような場合、排出追跡デバイス320は、エンティティ305の監視システム355から受信したすべてのデータから、特定の種類の温室効果ガス排出に対応する、関係のある連排出関連情報を抽出する。任意選択で、排出追跡デバイス320は、特定の種類の温室効果ガス排出のみを監視、および/または特定の種類の温室効果ガス排出に関連する排出データのみを転送するように監視システム355を促すことができる。
【0120】
様々な場合において、エンティティ305の監視システム355は、時々更新されてもよい。これは、エンティティ305の施設内に、新規の、技術的に進歩したセンサ370、排出監視デバイス375、および/または二次ソースを組み込むために行われてもよい。このような変更は、規制システム340によって要求される場合がある。あるいは、そのような変更は、エンティティ305の定期的な更新およびメンテナンスの一部であってもよい。そのような場合、排出追跡デバイス320は、エンティティ305の監視システム355に導入された任意の新規の、または追加のシステムまたはデバイスとインタフェースするように構成されている。これは、排出追跡デバイス320のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを更新することによって達成することができる。
【0121】
上述したように、排出追跡デバイス320は、監視システム355から生データを受信し、このデータを処理して、1つ以上の種類の温室効果ガス排出の総排出出力測定値を生成することができる。例えば、排出追跡デバイス320は、生の排出データの一部として、1つ以上のセンサ370によって監視される電気信号を受信してもよい。このような場合、排出追跡デバイスは、受信したデータを処理し、受信したデータに対応する値を計算または生成する。この値は、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された特定の種類の温室効果ガスの総排出を示す。別の例では、排出追跡デバイス320は、1つ以上の内部二次ソース352から二次データを受信してもよく、排出追跡デバイス320は、その後、受信した二次データを処理して、エンティティ305によって直接的または間接的に生成される温室効果ガス排出を推定してもよい。
【0122】
いくつかの場合には、排出追跡デバイス320は、監視システム355自体から、例えば排出監視デバイス375等から総排出出力測定値を受信してもよい。そのような場合、排出追跡デバイス320は、外部処理デバイス325による分析のために、受信した測定値を格納し、編集する。
【0123】
上述のように、排出追跡デバイス320はまた、センサ370、排出監視デバイス375、および内部二次ソース352を含む監視システム355を監査するように構成されている。監視システム355を監査することの利点は、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された温室効果ガス排出の正確かつ一貫した監視および測定を保証することである。
【0124】
様々な場合において、排出追跡デバイス320は、生データ、二次データ、および測定データを含む排出データを外部処理デバイス325と互換性のあるフォーマットに変換するように構成されている。排出追跡デバイス320はまた、外部処理デバイス325、規制システム340、エンティティ305、または他の任意の注目団体によって規定され得る任意の方法または形式で、排出データを格納およびカタログ化するように構成されている。
【0125】
排出追跡デバイス320は、元の形式または変換された形式で、排出データを外部処理デバイス325に伝送するように構成されている。いくつかの場合には、排出追跡デバイス320は、送信前に排出データを暗号化することができる。
【0126】
外部処理デバイス325は、コンピュータ、ワークステーション、サーバー、またはこれらの組み合わせ等の、プロセッサおよびメモリを含む任意のネットワーク化されたコンピューティングデバイスであってもよい。外部処理デバイス325は、ネットワーク315を介してプラットフォーム300の他のシステムまたはデバイスと対話するように構成されている。
【0127】
外部処理デバイス325は、生データ、測定値、二次データおよび/または分析等を含む排出データを排出追跡デバイス320から受信するように構成されている。外部処理デバイス325はさらに、受信したデータを分析および処理し、適切な排出報告を生成するように構成されている。
【0128】
例えば、外部処理デバイス325は、受信したデータを分析して、エンティティ305からの総排出を2つの別々の時刻に比較し、その期間におけるエンティティ305からの温室効果ガス排出の改善を判断することにより、エンティティ305の温室効果ガス排出オフセットまたはクレジットを判断するように構成されてもよい。
【0129】
一方、外部処理デバイス325はまた、所定の時間にエンティティ305からの総排出出力を分析し、エンティティ305からの温室効果ガス排出の生成を低減するために、エンティティに対して変更を推奨するように構成されてもよい。
【0130】
いくつかの場合には、外部処理デバイス325は、受信したデータを分析し、データの改ざんを検出するように構成されてもよい。これは、エンティティ305に関する受信データを、そのエンティティ305に関して利用可能な履歴トレンドと比較することで行われてもよい。受信したデータに加えて、外部処理デバイス325は、受信したデータに基づいて監視システム355を監査することもできる。
【0131】
外部処理デバイス325はまた、排出データおよび分析に基づいて報告を生成するように構成されている。報告は、規制システム340、エンティティ305に対して、または別の注目団体の要求に応じて生成され得る。いくつかの場合には、外部処理デバイス325は、規制システム340またはエンティティ305によって提供されてもよい報告テンプレートを受信し得る。そのような場合、外部処理デバイス325は、テンプレートに基づいて報告を生成するように構成されている。
【0132】
外部処理デバイス325は、監視されている温室効果ガス排出の種類、エンティティの排出ベースライン、生成された排出量、監視期間、税務目的の総排出、ベースラインからの変動、政府または業界標準、標準からの変動、トレードに利用可能なカーボンオフセットの量、過剰排出の埋め合わせをするために必要なカーボンオフセットの量、適合性ステータス、監視システム355の検証情報等を含む様々な報告を生成してもよい。
【0133】
いくつかの場合には、生成された報告は、エンティティ305または個人が、トレードシステム330でトレードするために使用する。他のいくつかの場合には、生成された報告は、税務目的等のためにエンティティ305または個人によって使用される。
【0134】
外部処理デバイス325はまた、排出追跡デバイス320と通信して、エンティティ305内で、どの温室効果ガス排出を追跡すべきかに関して排出追跡デバイス320に指示するように構成されている。さらに、外部処理デバイス325はまた、排出追跡デバイス320と通信して、どのデータを抽出して外部処理デバイス325に伝送するかに関して排出追跡デバイス320に指示するように構成されている。
【0135】
いくつかの場合には、外部処理デバイス325は、エンティティ305または個人が、アカウントを作成することによって排出追跡システム310に登録することを可能にする。外部処理デバイス325は、個人が2つ以上の排出追跡デバイス320を自分のアカウントに登録することを可能にしてもよい。例えば、個人が所有または管理するいくつかのエンティティ305からの温室効果ガス排出を追跡したい場合、個人はエンティティごとに1つの排出追跡デバイス320を使用することを選択してもよい。個人が車両、家、および工場を所有するシナリオでは、個人は自身のアカウントに3つの排出追跡デバイス320を登録し、各排出追跡デバイス320は、車両、家、および工場の各々を一意に監視するように構成されてもよい。個人はまた、自身のアカウントから様々な排出追跡デバイス320をアクティブまたは非アクティブにすることができる。
【0136】
別の例では、個人が2つ以上のエンティティ305を所有または管理する場合、個人は、すべてのエンティティ305に対して同じ排出追跡デバイス320を使用することができる。いくつかの場合には、排出追跡デバイス320の目的は、アカウントから再定義または変更することができる。これにより、排出追跡デバイス320は、1つのエンティティの監視を停止し、個人が所有する別のエンティティの監視を開始することができる。
【0137】
次に、例示的な実施形態による、
図3の排出追跡システム310等の排出追跡システムのブロック
図500を示す
図5を参照する。システム500は一例として提供されており、異なる構成要素を有する、または本明細書に記載されている構成要素の構成とは異なる構成を有する、システム500の他の実施形態があり得る。システム500は、当業者に一般に知られているように、システム500の様々な構成要素に接続されたいくつかの電源(すべてが図示されているわけではない)をさらに含む。一般に、オペレータ等のユーザーは、システム500の排出追跡ユニット510と対話して、エンティティに関連付けられた1つ以上の種類の温室効果ガス排出の追跡を開始することができる。
【0138】
排出追跡ユニット510は、インタフェースユニット502、処理ユニット504、ディスプレイ506、ユーザーインタフェース508、入出力(I/O)ハードウェア512、通信モジュール514、電源ユニット516、およびメモリユニット518を含む。
【0139】
メモリユニット518は、オペレーティングシステム520、様々なプログラム522、入力モジュール524、排出出力生成モジュール526、排出オフセット測定モジュール528、1つ以上のデータベース530、報告生成モジュール532、および監査モジュール534を実装するためのソフトウェアコードを含む。
【0140】
処理ユニット504は、排出追跡ユニット510の動作を制御する。処理ユニット504は、当業者に知られているように、排出追跡ユニット510の構成、目的、および要件に応じて十分な処理能力を提供できる任意の適切なプロセッサ、コントローラ、またはデジタル信号プロセッサとすることができる。例えば、処理ユニット504は、高性能汎用プロセッサであってもよい。代替実施形態では、処理ユニット504は、2つ以上のプロセッサを含むことができ、各プロセッサは、異なる専用タスクを実行するように構成することができる。代替の実施形態では、専用ハードウェアを使用して、処理ユニット504によって提供される機能のいくつかを提供することが可能であってもよい。
【0141】
ディスプレイ506は、排出追跡ユニット510の構成に応じて視覚情報を提供する任意の適切なディスプレイとすることができる。例えば、排出追跡ユニット510がデスクトップコンピュータである場合、ディスプレイ506は、陰極線管、フラットスクリーンモニタ、LCDディスプレイ等であってもよい。他の場合には、ディスプレイ506は、ラップトップ、タブレット、またはLCDベースのディスプレイ等のハンドヘルドデバイスに適したディスプレイとすることができる。
【0142】
ユーザーインタフェース508は、排出追跡ユニット510の特定の実装に応じて、マウス、キーボード、タッチスクリーン、サムホイール、トラックパッド、トラックボール、カードリーダー、音声認識ソフトウェア等の少なくとも1つを含むことができる。いくつかの場合には、これらの構成要素の一部を互いに統合できる。
【0143】
インタフェースユニット502は、排出追跡ユニット510が他のデバイスまたはコンピュータと通信することを可能にする任意のインタフェースであってもよい。いくつかの場合には、インタフェースユニット502は、シリアルポート、パラレルポート、またはUSB接続を提供するUSBポートのうちの少なくとも1つを含むことができる。インタフェースユニット502はまた、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イーサネット、ファイアワイヤ、モデムまたはデジタル加入者線接続のうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの要素の様々な組み合わせを、インタフェースユニット502内に組み込むことができる。
【0144】
I/Oハードウェア512はオプションであり、例えば、マイクロフォン、スピーカ、およびプリンタのうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。
【0145】
通信モジュール514は、有線または無線接続機能を含むことができる。通信モジュール514は、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、または802.11n等の標準に従って、CDMA、GSM、GPRS、またはBluetoothプロトコルを利用して通信する無線機を含むことができる。通信モジュール514は、排出追跡ユニット510が他のデバイスまたはコンピュータと通信するために使用され得る。
【0146】
電源ユニット516は、当業者に知られているように、排出追跡ユニット510の実装に応じて、電源アダプタまたは充電式バッテリパック等の排出追跡ユニット510に電力を提供する任意の適切な電源とすることができる。
【0147】
メモリユニット518は、RAM、ROM、1つ以上のハードドライブ、1つ以上のフラッシュドライブ、またはディスクドライブ等のいくつかの他の適切なデータ記憶要素を含むことができる。メモリユニット518は、当業者に一般的に知られているように、オペレーティングシステム520およびプログラム522を格納するために使用される。例えば、オペレーティングシステム520は、排出追跡ユニット510に様々な基本的な操作プロセスを提供する。プログラム522は、ユーザーが排出追跡ユニット510と対話して、データの閲覧および操作、ならびに場合によってはメッセージの送信等の様々な機能を実行できるように、様々なユーザープログラムを含む。
【0148】
メモリユニット518はまた、入力デバイス、すなわち入力モジュール524、排出出力生成モジュール526、排出オフセット測定モジュール528、報告生成モジュール532および監査モジュール534のうちの1つからデータを受け入れてもよい。メモリユニット518は、受信したデータを使用して、排出記録を定義し、格納する。
【0149】
各排出記録は、エンティティで監視された排出の種類、エンティティの識別子、監視の時間、およびエンティティの監視された温室効果ガス排出に対応して判断された温室効果ガス排出出力を特定してもよい。排出記録は、排出監視のソース(例えば、1つ以上のセンサ370、排出監視デバイス375、内部二次ソース352および/または外部二次ソース360)、およびソースから受信した排出データをさらに含んでもよい。
【0150】
一実施形態では、メモリユニット518は、顧客情報を受信し、顧客記録を作成する。本実施形態では、排出追跡ユニット510は、本明細書で論じられるように、顧客がアカウントを登録および作成することを可能にする。各顧客記録には、とりわけ、顧客識別子(例えば、名前、住所等)、顧客が所有または管理するエンティティの数および識別子、エンティティに関連付けられた温室効果ガスの排出を監視するために利用可能なソース、ソースから受信した排出データ、排出データに対応する排出出力値、排出オフセット測定値、排出報告、監査データ等の1つ以上の種類の情報を含めることができる。
【0151】
排出追跡ユニット510は、顧客が入力モジュール524を介してユニット510と通信することを可能にする。顧客は、遠隔でログインして自分のアカウントを表示できる。顧客はまた、温室効果ガス排出のエンティティおよび種類に関して排出追跡ユニット510の目的および機能を定義して監視することができる。顧客はさらに、排出報告に含めるカテゴリを定義し、1つ以上の排出報告の生成を要求できる。
【0152】
入力モジュール524は、エンティティからの1つ以上の種類の排出に関連付けられた排出データを受信するために、メモリユニット518およびデータベース530のうちの少なくとも1つと対話する。入力モジュール524は、1つ以上のセンサ370、排出監視デバイス375、内部二次ソース352および/または外部二次ソース360等の1つ以上のソースとインタフェースし、エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出に対応する排出データを受信してもよい。いくつかの場合には、入力モジュール524は、ユーザーがエンティティからの温室効果ガス排出に対応する排出データを手動で入力できるユーザーインタフェース508を介して排出データを受信してもよい。入力モジュール524は、顧客アカウントを作成する目的で顧客登録情報を受信するために、パーソナルコンピュータ、電話等の1つ以上のクライアントデバイスとインタフェースしてもよい。
【0153】
排出出力生成モジュール526は、メモリユニット518およびデータベース530のうちの少なくとも1つと対話して、排出データを処理して排出出力値を判断してもよい。排出出力生成モジュール526は、プログラム522に基づいて排出データを処理してもよい。いくつかの場合には、排出データは、
図3の規制システム340等の規制システムによって規定された規制に基づいて処理されてもよい。
【0154】
排出出力測定モジュール528は、メモリユニット518およびデータベース530のうちの少なくとも1つと対話して、排出出力生成モジュール526から生成された排出出力を様々な時点で処理し、エンティティに関連付けられた温室効果ガス排出における変化(例えば、改善、悪化等)の測定値を生成する。排出出力生成モジュール528は、
図3のトレードシステム330等のトレードシステムを使用してトレードすることができる排出オフセットを生成する。いくつかの場合には、モジュール528によって生成された排出オフセット測定値に基づいて、税金の付与、クレジット、罰金、罰則、またはその他の何らかの結果が生じる可能性がある。
【0155】
データベース530は、規制標準、報告テンプレート、履歴トレンド等のシステム500のデータを格納するために使用することができる。データベース530はまた、動的にリンクされたライブラリー等、プログラム522またはオペレーティングシステム520の動作に必要な他の情報を格納することもできる。
【0156】
報告生成モジュール532は、メモリユニット518およびデータベース530の少なくとも1つと対話して、モジュール526によって生成された排出出力値およびモジュール528によって生成された排出オフセット測定値に基づいて1つ以上の報告を生成する。報告生成モジュール532は、データベース530に格納されたテンプレートに基づいて排出報告を作成することができる。
【0157】
監査モジュール534は、メモリユニット518およびデータベース530のうちの少なくとも1つと対話して、様々なデータおよび測定値、ならびにそのようなデータおよび測定値を取得する方法およびプロセスを監査する。監査モジュール534は、センサ370、排出監視デバイス375、内部二次ソース352および/または外部二次ソース360等の様々なソースを監査する。監査モジュール534はまた、排出データ、ならびに計算または推定された排出出力値およびオフセット測定値を監査する。監査モジュール534はまた、適合のために、報告を監査する。
【0158】
排出追跡ユニット510は、本明細書で論じられるように、
図3の排出追跡システム310等の排出追跡システムの他の機能を実行するようにさらに構成されている。
【0159】
再び、本明細書に開示された農業分野における様々な実施形態の例示的な用途を示す
図3を参照する。農業エンティティには、1つ以上の農場と、農業作業で使用されるその他の構造物が含まれる場合がある。そのような構造物には、家族や労働者を収容するための建物だけでなく、家畜、機械(例えば、トラクター、コンバイン、収穫機)、作物等を収容するための建物がある。そのような構造物は、種子、干し草、飼料、穀物、肥料、農薬、農業で使用される他の化学物質等を格納してもよい。いくつかの場合には、農業エンティティは、
図1の路上および路外エンティティ105h、住宅エンティティ105a、産業エンティティ105b等の他のエンティティを含み得る。
【0160】
農業エンティティでは、温室効果ガス排出のソースが多数存在する場合がある。例えば、肥料、農薬等に使用される化学物質は、温室効果ガス排出の直接的なソースとなる場合がある。同様に、硫化アンモニア、硝酸カリウム、カリ、硫化水素、炭等、1つ以上の化学物質を含む他の物質も、温室効果ガスの排出に寄与する場合がある。
【0161】
農業機械の使用および操作も、温室効果ガスの排出に直接的または間接的に寄与する場合がある。同様に、農場および建物内およびその周辺における路上および/または路外車両等の車両の使用も、温室効果ガスの排出に寄与する場合がある。さらに、納屋や建物等の農業構造物の稼働も、温室効果ガスの排出に直接的または間接的に寄与する場合がある。
【0162】
本明細書に開示される排出追跡システム310は、上記で論じた様々なソースから生じる温室効果ガス排出の量を判断するために使用することができる。例えば、センサ370、二次ソース352、二次システム360等を使用して温室効果ガス排出の量を判断するために、システム355等の排出監視システムを使用することができる。
【0163】
一例では、肥料、農薬または他の化学物質の使用に起因する温室効果ガス排出の量は、規制システム340と共に排出追跡システム310によって判断されてもよい。この場合、規制システム340は、肥料、農薬等で使用される化学物質と肥料、農薬等から生じる温室効果ガス排出との間の相関を提供するように構成されてもよい。そのような相関情報は、研究または実験に基づいて政府機関または第三者によって利用可能としてもよい。非限定的な例では、規制システム340は、特定の種類の肥料の100キログラムごとに生じる温室効果ガス排出が約2グラムの亜酸化窒素であることを提供するように構成されてもよい。
【0164】
いくつかの場合には、規制システム340は、肥料の種類、肥料の濃度、肥料の保管施設(例えば、屋外保管、屋内保管)等、他の任意のそのような要因を考慮して、より具体的な排出関連情報を提供してもよい。規制システム340は、農薬および/または他の化学物質と温室効果ガス排出との間の相関を提供するように同様に構成されてもよい。
【0165】
肥料、農薬等と温室効果ガス排出との間の相関情報が規制システム340から受信されると、排出追跡システム310は、この情報を使用して、そのような化学物質の使用に起因して農業エンティティによって生成される温室効果ガスの量を判断できる。排出追跡システム310は、規制システム340から受信した情報を、農場のサイズだけでなく、肥料、農場で使用される農薬の数量、量、重量等の農業エンティティの詳細に適用することによって、判断するように構成してもよい。
【0166】
いくつかの場合には、排出追跡システム310は、農業エンティティによって生成された下水廃水の毒性特性に基づいて、農業エンティティからの温室効果ガス排出の量を判断するように構成されてもよい。毒性特性は、
図3の内部二次ソース352および/または外部二次システム360を使用して判断されてもよい。いくつかの場合には、毒性特性は、第三者分析に基づいて判断されてもよく、
図5の排出追跡ユニット510等の排出追跡ユニットに直接提供されてもよい。
【0167】
一例では、排出追跡ユニット内の、農家のプロファイル記録は、1つ以上の農場、家畜、1つ以上の車両、および納屋等の1つ以上の建物等のエンティティを含む。このような場合、温室効果ガス排出のソースは多数存在する場合がある。例えば、牛または牛のげっぷ、家畜廃棄物の管理、および/またはバイオマスの燃焼は、メタンを生成する場合がある。肥料や農薬を使用すると、亜酸化窒素が生成される場合がある。農場で採用されている農業システムも、温室効果ガスの排出をもたらす場合がある。さらに、車両や農機具での炭素系燃料の燃焼や建物での電気の使用も、温室効果ガスの排出に寄与する場合がある。このような場合、この農家に関連付けられた温室効果ガスの総排出または対応するプロファイル記録は、これらのエンティティのそれぞれから生じる温室効果ガスの排出に基づいて判断される。
【0168】
次に、本明細書における教示による、
図3の排出追跡システム310等の排出追跡システムによって実行されるプロセス400を示す
図4を参照する。
【0169】
プロセスはステップ402で開始する。ステップ404で、排出追跡システム310は、1回目に第1排出データを受信する。第1排出データは、
図3のエンティティ305等のエンティティによって直接的または間接的に生成された1つ以上の異なる種類の温室効果ガス排出に対応する。第1排出データは、
図3の監視システム310等の監視システムから受信してもよい。
【0170】
いくつかの場合には、第1排出データは、エンティティ305内のセンサ、排出測定デバイス等の一次ソースから受信される。他のいくつかの場合には、第1排出データは、エンティティ305内の内部二次ソースから受信される。いくつかのさらなる場合には、第1排出データは、
図3の外部二次システム360等の外部二次ソースから受信されてもよい。第1排出データは、これらのソースの組み合わせから受信してもよい。
【0171】
第1排出データには、エンティティから生成される温室効果ガス排出の量を判断するために使用できるデータが含まれる。第1排出データには、温室効果ガス排出を直接監視するセンサ、CEM、PEM等のデバイスからの直接データを含めることができる。第1排出データは、データを分析して、エンティティから生成される温室効果ガスの排出の量を推定できる二次ソースからのデータを含んでもよい。二次ソースは、エンティティの施設内に配置しても、エンティティの遠隔に配置してもよい。
【0172】
ステップ406において、排出追跡システム310は、1回目に受信した第1排出データを分析して、第1排出出力値を判断する。第1排出出力値は、エンティティによって直接的または間接的に生成された特定の温室効果ガスの排出の量を示す。
【0173】
1回目に受信した排出データからの、この排出出力値が、排出ベースラインを形成する。ベースラインは、比較のためにいくつかの方法で使用できる。例えば、ベースラインを業界標準と比較して、カーボンオフセットを判断できる。ベースラインを使用して、新しい技術または用途を使用する前後の排出出力値を比較することにより、当該技術または用途が排出を低減するか否かを判断できる。
【0174】
二次ソースから排出データが受信される場合、ヒステリシスまたは統計分析を行って、第1排出出力値を判断できる。一次ソースから排出データを受信した場合、適切なプロセスまたは計算を使用して、受信した排出データを排出出力値に変換できる。
【0175】
ステップ408で、排出追跡システム310は、ステップ404で第1排出データが受信されたのと同じ1つ以上の温室効果ガスに対応する第2排出データを、第2時刻に受信する。第2排出データは、第1排出データに関連して上述した方法のいずれかで受信される。
【0176】
第2排出データは、監視対象エンティティ305内または監視対象エンティティ305での温室効果ガスの生成に影響を与える別のエンティティ内で特定の変更を実施した後に受信される。例えば、監視対象エンティティ305は、エンティティ305によって生成されるCO
2の量を除去または低減するためにCO
2スクラバを装備してもよい。別の例では、監視対象エンティティ305ならびに監視対象エンティティ305での温室効果ガス生成に影響を与える他のエンティティは、非効率的/古い機器を除去するためにメンテナンスおよび修理を受ける場合がある。そのような排出低減変化は、排出追跡システム310、規制システム340、または他の任意の第三者システムによって推奨される場合がある。
【0177】
ステップ410で、排出追跡システム310は、2回目に受信した第2排出データを分析して、第2排出出力値を判断する。本明細書の様々な教示に基づいて、排出データを排出出力値に変換してもよい。
【0178】
ステップ412で、排出追跡システム310は、第1排出出力値および第2排出出力値に基づいて排出オフセット測定値を判断する。排出オフセット測定値は、エンティティによって1回目と2回目との間で直接的または間接的に生成された総排出の変化を示す。
【0179】
排出オフセット測定値は、エンティティ305によって生成された温室効果ガス排出が1回目から2回目までに低減した場合の排出クレジットである。一方、排出オフセット測定値は、エンティティ305によって生成された温室効果ガス排出が1回目から2回目に増加した場合の排出超過である。
【0180】
排出オフセット測定値は、地域、州、または国の温室効果ガス排出フレームワークを管理する規制や標準に基づく、トレード、助成金の受領、および/または他のマネタイゼーション(monetization)方法に使用できる。同様に、排出オフセット測定値がマイナスの場合は、実施されている排出フレームワークに基づいて罰金や罰則が科される可能性がある。プロセスはステップ414で終了する。
【0181】
次に、本明細書の教示による、
図3の排出追跡システム310等の排出追跡システムによって実行されるプロセス600が示されている
図6を参照する。プロセス600は、
図4のプロセス400に類似しており、ステップ616およびステップ618のみが異なる。
【0182】
ステップ616で、排出追跡システム310は、1回目に受信した第1排出データに基づいて生成された第1排出出力値が、確立された規制内であるか否かを判断する。確立された規制は、
図3の規制システム340等の規制システムによって利用可能とされてもよい。確立された規制は、排出追跡システム310で受信および格納されてもよく、規制への変更に基づいて絶えず更新されてもよい。
【0183】
第1排出出力値が、確立された規制内にないことが確立された場合、プロセスはステップ618に進む。そうでない場合、プロセスはステップ404に進む。
【0184】
ステップ618で、排出追跡システム310は、監視されているエンティティ、または監視対象エンティティによって直接的または間接的に生成される温室効果ガスに影響を与える他のエンティティ内で実施され得る1つ以上の排出低減技術を推奨する。
【0185】
いくつかの場合には、排出追跡システム310は、規制システム340から1つ以上の排出低減技術のリストを受信する。規制システム340は、当該技術分野での研究開発に基づいて定期的に更新することができる排出低減技術のデータベースを含んでもよい。規制システム340は、地方自治体、国家および/または国際政府機関によってメンテナンスおよび更新されてもよい。
【0186】
いくつかの場合には、排出追跡システム310は、第1排出出力値等の排出出力値を規制システム340に伝送することができ、規制システム340は、エンティティの種類、監視されている温室効果ガス排出、生成された排出出力値、排出の埋め合わせに必要なオフセット量等の要因に基づいて適切な排出低減技術を推奨することができる。
【0187】
他のいくつかの場合には、排出追跡システム310は、規制システム340から多くの排出低減技術の推奨を受信してもよく、排出追跡システム310は、エンティティの種類、監視されている温室効果ガス排出、生成された排出出力値、排出の埋め合わせに必要なオフセット量等の要因に基づいて適切な排出低減技術をショートリストに入れることができる、
【0188】
さらにいくつかの他の場合には、排出追跡システム310自体が排出低減技術を備えていてもよく、エンティティの種類、監視されている温室効果ガス排出、生成された排出出力値、排出の埋め合わせに必要なオフセット量等の要因に基づいて1つ以上の適切な技術を推奨してもよい。次に、プロセスは、上述のようにステップ408〜ステップ412に進む。
【0189】
いくつかの場合には、ステップ412で生成された排出オフセット測定値は、ステップ618で推奨される排出低減技術の検証を提供するために排出追跡システム310によって使用されてもよい。例えば、排出追跡システム310は、ステップ618で推奨される排出低減技術の種類およびステップ412で判断された排出オフセット測定値を監視および記録するように構成されてもよい。
【0190】
ステップ618で推奨されるすべての排出低減技術が監視対象エンティティまたは監視対象エンティティに影響を与える他のエンティティによって実施されるとは限らないため、プロセス600は、監視対象エンティティ、または監視対象エンティティに影響を与える他のエンティティによって実際に実施された排出低減技術に関する情報を受信するオプションのステップを有してもよい。そのような場合、排出追跡システム310は、排出オフセット測定値を、実施された排出低減技術にマッピングするように構成されている。
【0191】
いくつかの場合には、実施された技術は、外部二次システム340等の外部二次システムのデータベースまたはサーバーに記録されてもよく、排出追跡システム310によって外部二次システム340から受信されてもよい。
【0192】
排出追跡システム310によって推奨され得る排出低減技術の一例は、炭素吸収源である。炭素吸収源は、ガスの分子構造を変化させることにより、炭素(または他のガス)を物理的に除去する方法である。これは自然な、または人工的な方法で行うことができる。例えば、CO
2を除去する自然な方法は光合成によるもので、より多くの木や植物を植えること等によって達成できる。CO
2を除去または低減する人工的な方法は、カーボンスクラバデバイスを実装することによる。
【0193】
代替的に、または付加的に、排出追跡システム310は、炭素排出を低減するためのメンテナンスプログラムを推奨してもよい。例えば、排出追跡システム310は、車両または機械等のエンティティ上で動いている部品に定期的に油をさすことを推奨してもよい。この技術は、エンティティの効率を向上させ、エンティティによる、時間の経過にわたるエネルギー消費を低減する。このエネルギーの低減は、エンティティによる温室効果ガス排出の低減に対応する場合がある。
【0194】
いくつかの場合には、外部二次システム360は、エンティティ305に関連付けられた温室効果ガス排出を改善するために実装された様々なメンテナンスプログラムを記録するために使用されるメンテナンスプログラムデータベースを装備してもよい。そのようなデータは、新しいメンテナンスプログラム(例えば、定期メンテナンス、可動部品に油をさすこと等)が実施されるたびに記録されてもよい。そのような場合、排出追跡システム310は、外部二次システム360とインタフェースし、実際に実施された排出低減技術を判断する。このデータは、エンティティの排出出力値を判断するために使用される排出データの一部になる。
【0195】
次に、本明細書の教示による、
図3の排出追跡システム310等の排出追跡システムによって実行されるプロセス700が示されている
図7を参照する。
【0196】
プロセスはステップ702で開始する。ステップ704で、排出追跡システム310は、エンティティ305等のエンティティとインタフェースして、エンティティ305によって直接的または間接的に生成される温室効果ガス排出の量を監視する。排出追跡システム310は、所定のスケジュールに基づいてアクティブにされ、エンティティ305による温室効果ガス排出を追跡できる状態にしてもよい。あるいは、排出追跡システム310は、オペレータの介入に基づいて、アクティブにされ、エンティティ305による温室効果ガス排出を追跡できる状態にしてもよい。
【0197】
ステップ706で、排出追跡システム310は、エンティティ305が、
図3の一次ソース350等の一次ソースによる温室効果ガス排出について直接監視されているか否かを判断する。排出追跡システム310は、エンティティ305が一次ソース350の存在を判断するために、1つ以上のセンサ370および/または排出監視デバイス375(CEM、PEM等)を備えているか否かを判断することができる。
【0198】
エンティティ305が一次ソースによって監視されていないと判断された場合、プロセスはステップ708に進む。そうでない場合、プロセスはステップ712に進む。
【0199】
ステップ708で、排出追跡システム310は、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された温室効果ガス排出を、二次ソースによって監視できるか否かを判断する。
【0200】
このステップでは、排出追跡システム310は、エンティティ305によって直接的または間接的に生成された温室効果ガス排出の量を判断(例えば推定)するために使用できる排出データを提供するために、
図3の内部二次ソース352および外部二次システム360等の内部または外部二次ソースが利用可能であるか否かを判断できる。
【0201】
二次ソースを使用して、温室効果ガス排出についてエンティティ305を追跡できないと判定された場合、プロセスはステップ710に進む。そうでない場合、プロセスはステップ712に進む。
【0202】
ステップ710で、排出追跡システム310は、エンティティ305に関連付けられた温室効果ガス排出を監視するために必要な、センサ、CEM、PEM等の一次ソースの数を判断するように構成されている。排出追跡システム310は、エンティティ305の種類、エンティティ305のサイズまたは質量、エンティティ305の年数、エンティティ305の履歴排出トレンド、エンティティ305によって生成された温室効果ガス排出の数、1日を通しての温室効果ガス排出の変動の程度、温室効果ガス排出の濃度の変動の程度、エンティティ305内の温室効果ガスのソースの数等の1つ以上の要因に基づいてこの判断を行うことができる。
【0203】
いくつかの場合には、排出追跡システム310は、監視対象エンティティ305に関連付けられている温室効果ガス排出に影響を与える1つ以上の他のエンティティを監視するために必要なセンサ、CEM、PEM等の一次ソースの数を判断するようにも構成されている。ステップ710から、方法はステップ704に進む。
【0204】
次に、ステップ712で、排出追跡システム310は、エンティティ305に関連付けられた温室効果ガス排出を監視する一次ソースおよび二次ソースからなる監視システムが認証されているか否かを判断する。このチェックは、エンティティ305に関連付けられた温室効果ガス排出の正確で一貫した監視および測定を保証するために有利な場合がある。このステップで、排出追跡システム310は、監視システム内の排出データのソースのすべてが認証されているか否かを判断する。
【0205】
監視システムが認証されていないと判断された場合、プロセスはステップ714に進む。そうでない場合、プロセスはステップ716に進む。ステップ714で、排出追跡システム310は、規制標準に対する適合性について、認証されていない排出データのソースを監査する。排出追跡システム310は、
図3の規制システム340等の規制システムから、標準関連情報を受信してもよい。
【0206】
排出追跡システム310は、排出データのソースが標準に適合しているか否かを判断するために、様々なテストまたはチェックを使用してもよい。例えば、排出追跡システム310は、監視システムを監査するために、本明細書で論じられるように較正チェックを実行することができる。排出追跡システム310は、代替的または付加的に、必要なチェックを提供するために第三者の標準測定会社または標準測定システムに依拠してもよい。次に、プロセスはステップ714からステップ716に進む。
【0207】
プロセス700のステップ716およびステップ718は、
図4および
図6のステップ404およびステップ406に類似している。ステップ716で、排出追跡システム310は、エンティティ305に関連付けられた1つ以上の温室効果ガス排出に対応する排出データを受信する。718で、排出追跡システム310は、受信した排出データに基づいて排出出力値を判断する。
【0208】
次に、ステップ720で、排出追跡システム310は、エンティティ305に関連付けられた1つ以上の温室効果ガス排出について生成された排出出力値に基づいて適切な報告を生成するように構成されている。例えば、排出追跡システム310は、監視されている温室効果ガス排出の種類、エンティティの排出ベースライン、生成された排出の量、監視期間、税務目的の総排出出力、政府または業界標準、標準からの変動、過剰排出の埋め合わせに必要なカーボンオフセットの量等を示す1つ以上の報告を生成することができる。プロセスはステップ722で終了する。
【0209】
いくつかの場合には、プロセス700は、
図7のステップ712の後、
図4のステップ404〜ステップ412に進んでもよい。他のいくつかの場合には、プロセス700は、
図7のステップ712の後、
図6のステップ616およびステップ618を含むステップ404〜ステップ412に進むことができる。
【0210】
本明細書で説明される例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が本明細書で述べられている。しかしながら、これらの実施形態は、これらの特定の詳細無しに実施されてもよいことが当業者には理解されるであろう。他の例では、実施形態の説明を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、および構成要素は詳細には説明されない。さらに、この説明は、決してこれらの実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、これらの様々な実施形態の実施を単に説明するものと見なされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2019年8月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、前記システムは、前記エンティティに通信可能に結合された少なくとも1つの排出追跡デバイスと、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスと通信する外部プロセッサとを備え、
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスは、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の一次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を直接的に測定することができる1つ以上の一次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、前記1つ以上の一次ソースから、前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた一次排出データであって、1回目に受信した第1の一次排出データと2回目に受信した第2の一次排出データとを含む一次排出データを受信し、ここで、前記第2の一次排出データは、前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信され、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されていない場合、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の二次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を間接的に測定することができる1つ以上の二次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、前記1つ以上の二次ソースから、前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた二次排出データであって、1回目に受信した第1の二次排出データと2回目に受信した第2の二次排出データとを含む二次排出データを受信し、ここで、前記第2の二次排出データは、前記少なくとも1つの排出種類に対応する前記少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信されるように構成され、
前記外部プロセッサは、
1回目に受信した前記第1の一次排出データと前記第1の二次排出データのうち少なくとも1つを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、
2回目に受信した前記第2の一次排出データと前記第2の二次排出データのうち少なくとも1つを分析して、第2排出出力値を判断し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記1つ以上の一次ソースが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサを備え、前記1つ以上の排出センサが、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成され、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の一次ソースが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスを備え、前記1つ以上の排出監視デバイスが、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成され、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記1つ以上の排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記少なくとも1つの排出種類に対応する二次排出データを受信するために前記1つ以上の二次ソースとインタフェースするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ内に配置される1つ以上の内部二次排出ソースを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ外に配置される1つ以上の外部二次排出ソースを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記外部プロセッサが、前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、前記少なくとも1つの排出低減ステップが、前記比較に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記外部プロセッサが、前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記外部プロセッサが、前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されていない場合、前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの排出追跡デバイスが、前記1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、
通信ネットワークと、
非一時的なコンピュータメモリと、
前記非一時的なコンピュータメモリおよび前記通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の一次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を直接的に測定することができる1つ以上の一次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、前記1つ以上の一次ソースから、前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた一次排出データであって、1回目に受信した第1の一次排出データと2回目に受信した第2の一次排出データとを含む一次排出データを受信し、ここで、前記第2の一次排出データは、前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信され、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されていない場合、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の二次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を間接的に測定することができる1つ以上の二次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、前記1つ以上の二次ソースから、前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた二次排出データであって、1回目に受信した第1の二次排出データと2回目に受信した第2の二次排出データとを含む二次排出データを受信し、ここで、前記第2の二次排出データは、前記少なくとも1つの排出種類に対応する前記少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信されるように構成され、 前記1回目に受信した前記第1の一次排出データと前記第2の一次排出データの少なくとも1つを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断し、
前記2回目に受信した前記第1の二次2排出データと前記第2の二次排出データの少なくとも1つを分析して、第2排出出力値を判断し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている、システム。
【請求項15】
前記1つ以上の一次センサが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサを備え、前記少なくとも一つのプロセッサが、前記1つ以上の排出センサとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の一次センサが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスを備え、前記少なくとも一つのプロセッサが、前記1つ以上の排出監視デバイスとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの排出種類に対応する二次排出データを受信するために前記1つ以上の二次ソースとインタフェースするように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ内に1つ以上の内部二次排出ソースを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ外に1つ以上の外部二次排出ソースを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較するように構成され、前記少なくとも1つの排出低減ステップが、前記比較に基づく、請求項14に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されていない場合、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記エンティティによって必要とされる排出センサの数を判断するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項24】
前記エンティティが監視されていると判断した場合、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記1つ以上の排出センサの精度を検証するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡する方法であって、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の一次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を直接的に測定することができる1つ以上の一次ソースによって監視されているかどうかを判断することと、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の一次排出データを1回目に受信することと、
1回目に受信した前記第1の一次排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の一次排出データを2回目に受信することであって、前記第2の一次排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2の一次排出データを分析することと、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されていない場合、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の二次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を間接的に測定することができる1つ以上の二次ソースによって監視されているかどうかを判断することと、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の二次排出データを1回目に受信することと、
前記1回目に受信した前記第1の二次排出データを分析して、前記排出ベースラインとして指定される前記第1排出出力値を決定することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の二次排出データを2回目に受信することであって、前記第2の二次排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2の二次排出データを分析することと、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む方法。
【請求項28】
前記1つ以上の一次ソースが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出センサであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出センサを備え、前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、前記第1の一次排出データおよび前記第2の一次排出データを受信するために、前記排出センサとインタフェースすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上の一次ソースが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の排出監視デバイスであって、前記少なくとも1つの排出種類を測定するように構成された排出監視デバイスを備え、前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、前記第1の一次排出データおよび前記第2の一次排出データを受信するために、前記排出監視デバイスとインタフェースすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上の二次ソースが、1つ以上の二次排出ソースを備え、前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、前記少なくとも1つの排出種類に対応する前記第1の二次排出データを1回目に受信し、前記少なくとも1つの排出種類に対応する前記第2の二次排出データを2回目に受信するために前記1つ以上の二次ソースとインタフェースすることをさらに含む請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ内に配置された1つ以上の内部二次排出ソースを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上の二次ソースが、前記エンティティ外に配置された1つ以上の外部二次排出ソースを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記排出ベースラインを前記少なくとも1つの排出種類の排出標準と比較することと、前記比較に基づいて、前記少なくとも1つの排出低減ステップを判断することとをさらに含む請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記排出オフセット測定値に関連付けられた少なくとも1つの排出報告を生成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記排出オフセット測定値に基づいて、トレードに利用可能なカーボンクレジットを判断することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの排出種類が、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、オゾン、クロロフルオロカーボン、硫黄酸化物、窒素酸化物、非メタン揮発性有機化合物、アンモニア、およびペルオキシアセチルナイトレートからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記エンティティが、農業施設、産業施設、商業施設、発電施設、商業建物、医療用建物、教育用建物、住宅建物、一戸建て住宅、世帯、鉄道輸送手段、航空輸送手段、海上輸送手段、路上輸送手段、路外輸送手段からなるグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡するシステムであって、
通信ネットワークと、
非一時的なコンピュータメモリと、
前記非一時的なコンピュータメモリおよび前記通信ネットワークに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の一次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を直接的に測定することができる1つ以上の一次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の一次排出データを1回目に受信し、
排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断するために、1回目に受信した前記第1の一次排出データを分析し、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨し、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の一次排出データであって、前記少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信される第2の一次排出データを2回目に受信し、
第2排出出力値を判断するために、2回目に受信した前記第2の一次排出データを分析し、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されていない場合、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の二次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を間接的に測定することができる1つ以上の二次ソースによって監視されているかどうかを判断し、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の二次排出データを1回目に受信し、
前記1回目に受信した前記第1の二次排出データを分析して、前記排出ベースラインとして指定される前記第1排出出力値を決定し、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨し、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の二次排出データを2回目に受信し、ここで、前記第2の二次排出データは、前記少なくとも1つの排出低減ステップの実施後に受信され、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2の二次排出データを分析し、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断するように構成されている、システム。
【請求項39】
前記少なくとも1つのプロセッサが、請求項28〜37のいずれか1項に定義される方法を実行するようにさらに構成されている、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
少なくとも1つの排出種類を含む1つ以上の排出種類を生成するエンティティによって生成された前記少なくとも1つの排出種類を追跡する方法をプロセッサに実行させるコンピュータ可読命令を格納したコンピュータ可読媒体であって、
前記方法が、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の一次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を直接的に測定することができる1つ以上の一次ソースによって監視されているかどうかを判断することと、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の一次排出データを1回目に受信することと、
1回目に受信した前記第1の一次排出データを分析して、排出ベースラインとして指定される第1排出出力値を判断することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の一次排出データを2回目に受信することであって、前記第2の一次排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2の一次排出データを分析することと、
前記エンティティが前記1つ以上の一次ソースによって監視されていない場合、
前記エンティティが、前記少なくとも1つの排出種類のための1つ以上の二次ソースであって、前記少なくとも1つの排出種類を間接的に測定することができる1つ以上の二次ソースによって監視されているかどうかを判断することと、
前記エンティティが前記1つ以上の二次ソースによって監視されている場合、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第1の二次排出データを1回目に受信することと、
前記1回目に受信した前記第1の二次排出データを分析して、前記排出ベースラインとして指定される前記第1排出出力値を決定することと、
前記少なくとも1つの排出種類に対応する少なくとも1つの排出低減ステップを推奨することと、
前記少なくとも1つの排出種類に関連付けられた第2の二次排出データを2回目に受信することであって、前記第2の二次排出データが、前記少なくとも1つの排出低減ステップを実施した後に受信される、受信することと、
第2排出出力値を判断するために2回目に受信した前記第2の二次排出データを分析することと、
前記排出ベースラインおよび前記第2排出出力値に基づいて前記少なくとも1つの排出種類に対応する排出オフセット測定値を判断することとを含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記方法は、請求項28〜37のいずれか1項に従ってさらに定義される、請求項40に記載のコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】