(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
肺使用のために正確かつ反復可能な投薬量を対象者に送達するための液滴送達装置および関連する方法が開示される。液滴送達装置は、ハウジング、貯蔵部、及び噴出器機構、及び少なくとも1つの差圧センサーを含む。差圧センサーがハウジング内の所定の圧力変化を感知すると、液滴送達装置は使用者によって自動的に呼吸作動する。次いで、液滴送達装置を作動させて、使用者の肺系を標的とするように、呼吸可能なサイズ範囲内、例えば約5μm未満の平均放出液滴直径を有する液滴の流れを生成する。
前記ハウジングおよび噴出器機構は、前記アパーチャプレートの前記出口側が前記空気流の方向に垂直であり、かつ前記液滴の流れが前記空気流の方向に平行に放出されるように配向される、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記ハウジングおよび前記噴出器機構は、前記アパーチャプレートの前記出口側が前記空気流の方向に平行であり、かつ前記液滴の流れが前記空気流の方向に実質的に垂直に放出されるように配向され、前記液滴の放出流が前記ハウジングから排出される前に約90度軌跡を変化して前記ハウジングを通って導かれるように前記ハウジングに関して方向付けられる、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記空気入口流れ要素が、前記空気流の方向に沿って前記アパーチャプレートの前記出口側にインラインで又は当該出口側の前方に配置される、請求項4に記載の液滴送達装置。
前記空気入口流れ要素が、貫通して形成されて使用中に前記液滴送達装置内の内部圧力抵抗を増加または減少させるように構成された1つまたは複数の開口を備える、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記アパーチャプレートが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ニッケル、ニッケルコバルト、ニッケルパラジウム、パラジウム、プラチナ、それらの合金、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料から構成される、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記複数の開口のうちの1つ以上が異なる断面形状または直径を有し、それにより異なる平均放出液滴直径を有する放出液滴を提供する、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記貯蔵部が前記噴出器機構に結合されて結合貯蔵部/噴出器機構モジュールを形成し、前記結合貯蔵部/噴出器機構モジュールが前記ハウジングと取り外し可能に結合されている、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記装置が、赤外線送信機、光検出器、追加の圧力センサー、及びそれらの組み合わせから選択される1つ又は複数のセンサーを更に備える、請求項1に記載の液滴送達装置。
前記肺の疾患、障害、または状態が、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、結核、慢性気管支炎、および肺炎から選択される、請求項19に記載の方法。
前記治療剤が、硫酸アルブテロール、臭化イプラトロピウム、トブラマイシン、プロピオン酸フルチカゾン、フルチカゾンフロエート、チオトロピウム、グリコピロレート、オロダテロール、サルメテロール、ウメクリジニウム、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項20に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0054] 肺胞を通じて肺の深部肺領域へ薬剤を効果的に送達することは、特に、限られた肺容量および呼吸流路の狭窄を有する小児および老人ならびに病的状態の患者にとって常に問題とされる。狭窄した肺の通路は、深い吸気を制限すると共に、投薬された用量と吸気/呼気サイクルとの同期を制限する。肺胞気道における最適な堆積のためには、空気力学的直径が1〜5μmの範囲である液滴が最適であり、約4μm未満の液滴は肺の肺胞領域に効果的に到達することが知られるのに対し、約6μmより大きな液滴は舌に堆積したり、喉に打ち付けられて気管支通路を覆う。より深く肺に浸透する、例えば約1μm未満のより小さい液滴は、吐き出されてしまう傾向がある。
【0026】
[0055] 本開示の特定の態様は、インライン液滴送達装置またはソフトミスト吸入器(SMI)装置として本明細書で説明される、吸入治療薬の送達のための電気的な完全デジタルプラットフォームに関する。この装置は、投薬精度、投薬の信頼性、および患者への送達を改善することにより、現在の吸入送達システムに対する大幅な改善をもたらす。特定の実施形態では、本開示の装置は、コンプライアンスを強化すると共に最終的に疾患関連の罹患率を低減するように設計された完全に統合された監視機能を含む。
【0027】
[0056] 本開示の特定の態様では、本開示の装置が治療および/または予防での使用に特に適している対象疾患には、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が含まれる。
【0028】
[0057] 喘息は、一時的な気道狭窄を特徴とする気道の慢性炎症性疾患であり、患者は咳、喘鳴、息切れおよび胸部圧迫の頻発する発症を経験する。これらの発症は通常、広範囲であるが変動する気流閉塞に関連し、しばしば自然にまたは治療により可逆的である。喘息の発作は、アレルゲン、空気中の刺激物、薬物、極端な気象条件、運動、ストレスなど、無数の要因によって引き起こされる。
【0029】
[0058] 喘息治療の目標は、症状を軽減し、将来の発症または発作を防止することである。防止は、可能であればトリガーとなる露出を排除または削減することに基づく。薬物療法の主力は吸入薬によるものである。薬は2つのカテゴリに分類される:(a)急性症状と悪化を迅速に緩和するもの(つまり、短時間作用型の気管支拡張剤)、(b)長期的な制御を提供するもの(つまり、吸入ステロイド)。長時間作用型の気管支拡張薬は重要な薬であるが、吸入ステロイドを使用しても症状が継続する場合には使用すべきではない。重度の持続性喘息のための他の薬物療法として、アジュバント療法(つまり注射によるオマリズマブ(omalizumab))を利用できる。アルブテロール(albuterol)などの短時間作用型ベータ2アゴニスト(SABA)は、急性症状を和らげ、運動誘発性気管支収縮(EIB)などを予防するために選択される薬物である。
【0030】
[0059] 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道および/または肺胞の異常が原因であることが多い持続的な呼吸器症状および空気流れの制限を特徴とする。COPDには、慢性気管支炎と肺気腫が含まれ、これらはCOPDの同一個人によく見られる。COPDの病因は、喫煙、大気汚染物質への環境曝露および遺伝学に関連している。典型的に、症状には、呼吸困難、喀痰(痰)を伴うまたは伴わない慢性的な咳、喘鳴、疲れが含まれる。
【0031】
[0060] 喘息と同様に、治療のための最も一般的で重要な薬物は吸入により送達される。COPDの症状のある患者は、維持気管支拡張薬を受けるべきである。一般に、長時間作用型の気管支拡張薬が使用されるが(つまり、1日1回または1日2回)、短時間作用型の気管支拡張薬(例えば、アルブテロールとイプラトロピウムの単独または併用)が引き続き使用されている。短時間作用型の気管支拡張薬は、必要に応じて、または定期的に使用され得る。長時間作用型の気管支拡張薬は、長時間作用型のベータアゴニスト(LSBA)と長時間作用型のムスカリンアンタゴニスト(LAMA)の2つのクラスに分類され、これらは、単独または組み合わせて使用され得る。COPDの悪化を経験した長時間作用型の気管支拡張薬の患者は、吸入コルチコステロイドを維持療法に加え得る。さらに、吸入コルチコステロイドと気管支拡張薬の併用にもかかわらず、COPD患者において慢性気管支炎と重度の空気流れ制限を伴う悪化が見られる場合、経口PDE4阻害薬を使用することもある。
【0032】
[0061] 以下の表は、喘息およびCOPDのために最も一般的に使用される吸入薬を要約している。
【表1】
【0033】
[0062] 喘息およびCOPDの両方の治療の主力は、吸入薬である。吸入された薬の効能は、それらを送達するために使用される装置によって著しく影響を受ける可能性がある。吸入薬物を送達するために使用される市販の装置は、1)噴霧器、2)加圧定量吸入器(MDI)、3)乾燥粉末吸入器(DPI)である。これらの装置はそれぞれ数十年前のものであり、大きな制限がある。
【0034】
[0063] 本開示の特定の態様では、インライン液滴滴送達装置、またはソフトミスト吸入器(SMI)装置(これらの用語は、本明細書では互換的に使用される)が開示される。SMIは、現在利用可能な肺薬液送達装置の制限を克服する新しい吸入薬液送達装置である。
【0035】
[0064] 特定の態様では、本開示は、対象者の肺系への液滴の放出流として流体を送達するための液滴送達装置、及び肺系への安全で適切で再現性のある投薬量を送達する方法に関する。また、本開示は、適切かつ反復可能で使用中に高い割合の液滴が気道内の所望の場所、例えば対象者の肺胞気道に送達されるような液滴の放出流の態様で、所定量の流体を送達することができる液滴送達装置およびシステムを含む。
【0036】
[0065] 本開示は、液滴の放出流として流体を対象者の肺系に送達するためのインライン液滴送達装置を提供し、当該装置は、ハウジングと、マウスピースと、多量の流体を貯蔵するための貯蔵部と、圧電アクチュエータおよびアパーチャプレートを含む噴出器機構と、を備え、噴出器機構は、約6ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の平均放出液滴直径を有する液滴の流れを噴出するように構成される。
【0037】
[0066] 本明細書でさらに詳細に示されるように、液滴送達装置は、インライン配置で構成され、ハウジング、その内部構成要素、および様々な装置構成要素(例えば、マウスピース、空気入口流れ要素など)が実質的にインラインまたは平行な構成(例えば、空気流路に沿って)で配向され、小型のハンドヘルド装置を形成する。特定の実施形態において、ハウジングと噴出器機構とは、アパーチャプレートの出口側が空気流の方向に垂直であって液滴の流れが気流の方向に平行に放出されるように配向される。他の実施形態では、ハウジングと噴出器機構とは、アパーチャプレートの出口側が気流の方向に平行であって液滴の流れが気流の方向に実質的に垂直に放出されるように配向され、それにより、放出された液滴流れは、ハウジングからの放出の前に、およそ90度軌道を変化して導かれる。
【0038】
[0067] 特定の実施形態では、噴出器機構は、インライン液滴送達装置のハウジング内に配置され、マウスピース内の所定の圧力変化を検出する少なくとも1つの差圧センサーによって電気的に呼吸により作動する。本明細書でさらに詳細に説明するように、特定の実施形態では、このような所定の圧力変化は、装置のユーザーによる吸気サイクル中に検知されてもよい。
【0039】
[0068] いくつかの態様では、液滴送達装置は、ハウジングの空気流入口で空気流内に配置された空気入口流れ要素であって、アパーチャプレートの出口側を横切る非乱流(つまり、層流および/または遷移的な)空気流を促進し、使用中に放出された液滴流れが液滴送達装置を通って流れる保証するのに十分な空気流を提供するように構成された空気入口流れ要素を更に含む。いくつかの実施形態では、空気入口流れ要素は、マウスピース内に配置されてもよい。本明細書でさらに詳細に説明されるように、空気入口流れ要素は、気流の方向に沿って、またはインラインで、アパーチャプレートの出口側の後ろに配置されてもよいし、気流の方向に沿ってアパーチャプレートの出口側の前に配置されてもよい。特定の実施形態では、空気入口流れ要素は、それを通して形成され、使用中に液滴送達装置内の内部圧力抵抗を増加または減少させるように構成された1つまたは複数の開口を備える。例えば、空気入口流れ要素は、1つまたは複数の開口のアレイを備える。一実施形態では、空気入口流れ要素は、1つ以上のバッフルを含み、例えば、1つ以上のバッフルは、1つ以上の空気流開口を含む。
【0040】
[0069] 本開示の特定の態様によれば、肺への効果的な堆積は、概して、直径が約5−6μm未満の液滴を求める。理論に制限されることを意図するものではないが、流体を肺に送達するために、液滴送達装置は、装置からの噴出が可能となるのに十分な大きさの運動量であって、舌または咽喉の後部に堆積するのを防ぐのに十分な小ささの運動量を与えなければならない。直径約5−6μm未満の液滴は、それ自身の運動によってではなく、気流の動きと液滴を運ぶ混入空気の動きとによってほぼ完全に運ばれる。
【0041】
[0070] 特定の態様では、本開示は、約5−6μm、好ましくは5μm未満の呼吸可能範囲内の液滴の流れを噴出するように構成された噴出器機構を含み、提供する。噴出器機構は、圧電アクチュエータに直接的または間接的に結合されたアパーチャプレートを備える。特定の実施形態では、アパーチャプレートは、圧電アクチュエータに結合されたアクチュエータプレートに結合されてもよい。アパーチャプレートは、概して、その厚さを通して形成された複数の開口を含み、圧電アクチュエータは、アパーチャプレートの一方の表面に接触する流体を有するアパーチャプレートを、患者が吸入するときにアパーチャプレートの開口を通って肺への液滴の指向性エアロゾル流を発生させる周波数および電圧で、直接的または間接的に(例えば、アクチュエータプレートを介して)振動させる。アパーチャプレートがアクチュエータプレートに結合される他の実施形態では、アクチュエータプレートは、指向性エアロゾル流またはエアロゾル液滴のプルームを生成する周波数および電圧で圧電発振器によって振動させられる。
【0042】
[0071] 特定の態様では、本開示は、液滴の放出流として被験体の肺系に流体を送達するためのインライン液滴送達装置に関する。液滴の放出流には、噴出器機構を使用して液滴を形成することができる範囲の粘度を有する溶液、懸濁液、または乳剤が含まれるが、これらに限定されない。特定の観点では、治療剤は、代替投薬経路および標準吸入技術と比較して、高用量濃度および高い有効性で送達され得る。
【0043】
[0072] 特定の実施形態では、本開示のインライン液滴送達装置は、被験体の肺系に治療剤を送達することによって、様々な疾患、障害、および状態を治療するために使用され得る。これに関して、インライン液滴送達装置は、局所的に肺系に、及び全身に体内へ治療薬を送達するために使用され得る。
【0044】
[0073] より具体的には、インライン液滴送達装置は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、結核、慢性気管支炎、または肺炎といった、肺疾患または障害の治療または予防のために、対象者の肺系へ液滴の放出流として治療剤を送達するために使用され得る。特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、COPD薬物、喘息薬、又は抗生物質などの治療薬を送達するために使用され得る。非限定的な例として、そのような治療剤としては、硫酸アルブテロール、臭化イプラトロピウム、トブラマイシン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、チオトロピウム、グリコピロレート、オロダテロール、サルメテロール、ウメクリジニウム、及びそれらの組み合わせが使用され得る。
【0045】
[0074] 他の実施形態では、インライン液滴送達装置は、小分子、治療用ペプチド、タンパク質、抗体、及び肺系を介した他の生体工学的分子を含む治療剤の全身送達のために使用され得る。非限定的な例として、インライン液滴送達装置は、例えば真性糖尿病、慢性関節リウマチ、プラーク乾癬、クローン病、ホルモン補充、好中球減少症、吐き気、インフルエンザ等を誘発する兆候の治療または予防のための治療薬を全身的に送達するために使用され得る。
【0046】
[0075] 非限定的な例として、治療用ペプチド、タンパク質、抗体、及び他の生体工学的分子は、インスリン、ワクチン(Prevnor−Pneumonia、Gardasil−HPV)、抗体(キートルダ(Keytruda)(ペンブロリズマブ(pembrolizumab))、オプジーボ(Opdivo)(ニボルマブ(nivolumab))、アバスチン(Avastin)(ベバシズマブ(bevacizumab))、ヒュミラ(Humira)(アダリムマブ(adalimumab))、レミケード(Remicade)(インフリキシマブ(infliximab))、ハーセプチン(Herceptin)(トラスツズマブ(trastuzumab)))、Fc融合タンパク質(エンブレル(Enbrel)(エタネルセプト(etanercept))、オレンシア(Orencia)(アバタセプト(abatacept)))、ホルモン(エロンバ(Elonva)−長時間作用型FSH、成長ホルモン)、酵素(プルモザイム(Pulmozyme)−rHu−DNAase−)、他のタンパク質(凝固因子、インターロイキン、アルブミン)、遺伝子治療およびRNAi、細胞治療(プロベンジ−前立腺癌ワクチン)、抗体薬物コンジュゲート−アドセトリス(conjugates−adcetris(HLのためのブレンツキシマブ ベドチン(Brentuximab vedotin))サイトカイン(cytokines)、抗感染剤、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド(例えば、遺伝子ベクター)、又はそれらの任意の組み合わせ、又はフルナーゼ(Flonase)(フルチカゾンプロピオン酸(fluticasone propionate)もしくはアドベア(Advair)(フルチカゾンプロピオン酸およびサルメテロールキシナホ酸)のような固体液滴または懸濁液を含む。
【0047】
[0076] 他の実施形態では、本開示のインライン液滴送達装置は、禁煙または医療または獣医学的処置に必要とされる状態のための高度に制御された投薬量の送達のため、水−ニコチン共沸混合物を含むニコチン溶液を送達するために使用され得る。さらに、流体は、発作および他の状態の治療のために、マリファナに含まれるTHC,CBD、又は他の化学物質を含んでもよい。
【0048】
[0077] 特定の実施形態では、本開示のインライン薬液送達装置は、監視または他の方法で制御された鎮痛薬の高度に制御された投薬のための麻薬などの定期的および制御された物質を送達するために使用されてもよい。特定の実施形態では、非限定的な例として、投薬は、医師または薬剤師による装置への指示によってのみ可能とされてもよいし、患者のスマートフォン上のGPS位置によって確認される患者の居住地などの特定の場所でのみ投薬が可能にされてもよいし、投薬スケジュール、量、乱用のコンプライアンスなどの遵守を監視することによって制御されてもよい。特定の実施形態では、制御された薬剤の高度に制御された投薬のこのメカニズムは、制御された物質の乱用または過量を防止することができる。
【0049】
[0078] 薬物および他の医薬品の送達のための肺経路の特定の利点は、低分子から非常に大きなタンパク質まで及ぶ広範な物質の送達に適した非侵襲性で針を使用しない送達システムを含み、消化管と比較して低いレベルの代謝酵素であり、吸収される分子が初回通過効果を生じないことを含む。(A. Tronde et al., J Pharm Sci, 92 (2003) 1216-1233; A.L. Adjei et al.., Inhalation Delivery of Therapeutic Peptides and Proteins, M. Dekker, New York, 1997)。さらに、経口的にまたは静脈内に投薬される薬物は、身体を通して希釈されるが、肺に薬物が直接投薬されることにより、標的部位(肺)に、同じ静脈内投薬量よりも約100倍高い濃度が提供され得る。これは、例えば、薬剤耐性菌、薬剤耐性結核の治療に特に重要であり、ICUにおいて増加する問題である薬剤耐性細菌感染に対処するために重要である。
【0050】
[0079] 薬剤を肺に直接投薬することの別の利点は、血流中の薬物の高い毒性レベルに関連する副作用を最小限に抑えることができることである。例えば、トブラマイシンの静脈内投薬は、腎臓に対して毒性となる非常に高い血中濃度を導くためめ、その使用は制限されているが、吸入による投薬は、腎臓機能に対する重度の副作用なしに肺機能を有意に改善する。(Ramse et al., Intermittent administration of inhaled tobramycin in patients with cystic fibrosis. N Engl J Med 1999;340:23-30; MacLusky et al., Long-term effects of inhaled tobramycin in patients with cystic fibrosis colonized with Pseudomonas aeruginosa. Pediatr Pulmonol 1989;7:42-48; Geller et al., Pharmacokinetics and bioavailablility of aerosolized tobramycin in cystic fibrosis. Chest 2002;122:219-226.)
【0051】
[0080] 上述のように、肺気道の深部に液滴を効果的に送達するには、直径約5−6ミクロン未満の液滴、具体的には約5ミクロン未満の質量平均空気力学的直径(MMAD)を有する液滴が求められる。質量平均空気力学的直径は、質量による液滴の50%がより大きく、50%がより小さい直径として定義される。本開示の特定の態様では、肺胞気道に堆積させるために、このサイズ範囲の液滴は、装置からの放出を可能にするのに十分高いが、舌(軟口蓋)または咽喉への堆積を克服するのに十分低い運動量を有していなければならない。
【0052】
[0081] 本開示の他の態様では、本開示の液滴送達装置を使用してユーザーの肺系への送達のための液滴の放出流を生成するための方法が提供される。特定の実施形態では、液滴の放出流は、制御可能で規定された液滴サイズ範囲において生成される。一例として、液滴サイズ範囲は、噴出された液滴の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、約50%から約90%、約60%から約90%、約70%から約90%、約70%から約95%などは、約6μm、好ましくは約5μm未満の呼吸可能範囲にある。
【0053】
[0082] 他の実施形態では、液滴の放出流は、気道の複数の領域(口、舌、喉、上気道、下気道、肺の深部など)を標的とするため、複数の直径を有する液滴が生成されるように、1つ以上の直径を有してもよい。一例として、液滴直径として、約1μm以上約200μm以下、約2μm以上約100μm以下、約2μm以上約60μm以下、約2μm以上約40μm以下、約2μm以上約20μm以下、約1μm以上、約5μm以下、約1μm以上約4.7μm以下、約1μm以上約4μm以下、約10μm以上約40μm以下、約10μm以上約20μm以下、約5μm以上約10μm以下、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、液滴の少なくとも一部分は呼吸可能な範囲の直径を有するが、他の液滴は、呼吸不能な位置を標的とするために他のサイズの直径を有し得る(例えば、約5μmより大きい)。この点に関して例示的に放出された液滴流は、呼吸可能範囲(約5μm未満)に50%から70%の液滴を有し、呼吸可能範囲外(約5μm以上約10μm以下、約5μm以上約20μm以下など)に30%から50%の液滴を有してもよい。
【0054】
[0083] 別の実施形態では、本開示の液滴送達装置を使用して、安全で、適切で、反復可能な薬剤の用量を肺系に送達するための方法が提供される。本方法は、肺の深部および肺胞気道を含む、対象者の肺系の所望位置に液滴の放出流を送達する。
【0055】
[0084] 本開示の特定の態様では、対象者の肺系へ液滴の放出流を送達するためのインライン液滴送達装置が提供される。インライン液滴供給装置は、概して、ハウジングと、ハウジングの空気出口側に配置されたマウスピースと、一定量の流体を受容するために、ハウジング内に配置される又はハウジングと流体連通している貯蔵部と、貯蔵部と流体連通する噴出器機構と、ハウジング内に配置された少なくとも1つの差圧センサーとを含む。ハウジング、その内部構成要素、およびさまざまな装置構成要素(たとえば、マウスピース、空気入口流れ要素など)は、小型のハンドヘルド装置を形成するように、実質的にインラインまたは並列構成(たとえば、空気流路に沿って)で配置されている。差圧センサーは、ハウジング内の所定の圧力変化を検知すると噴出器機構を作動させるように構成され、噴出器機構は、液滴の放出流の制御可能なプルームを生成するように構成される。
【0056】
[0085] 特定の実施形態では、マウスピースは、ハウジングと接合され(および随意的に取り外し可能および/または交換可能)、ハウジングに一体化され、またはハウジングの一部とすることができる。他の実施形態では、マウスピースは、薬液送達アンプルと接合され(および随意的に取り外し可能および/または交換可能)、薬液送達アンプルに一体化され、または薬液送達アンプルの一部とすることができる。
【0057】
[0086] 液滴の放出流には、噴出器機構を使用して液滴を形成することができる範囲の粘度を有する溶液、懸濁液、または乳剤が含まれるが、これらに限定されない。噴出器機構は、その厚さを通して形成された複数の開口を有するアパーチャプレートに直接的または間接的に結合された圧電アクチュエータを含んでもよい。圧電アクチュエータは、アパーチャプレートを周波数で直接的または間接的に振動させて、それにより液滴の放出流を生成するように動作可能である。
【0058】
[0087] 特定の実施形態では、ハウジングと噴出器機構とは、アパーチャプレートの出口側が空気流の方向に垂直であって液滴流れが気流の方向に平行に放出されるように配向される。他の実施形態では、ハウジングと噴出器機構とは、アパーチャプレートの出口側が空気流の方向に平行で液滴流れが空気流の方向に実質的に垂直に放出されるように配向され、それにより、液滴の放出流は、ハウジングからの放出の前に、ハウジングを通って約90度軌道を変化して導かれる。
【0059】
[0088] 特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、薬液貯蔵部の表面内に埋め込まれた噴出器機構(例えば、貯蔵部/噴出器機構モジュールの組み合わせ)を有する別個の薬液送達アンプルと、差圧センサー、マイクロプロセッサー、および3つのAAAバッテリーを含むハンドヘルドベースユニット(例えばハウジング)から構成される。特定の実施形態では、ハンドヘルドベースユニットは、マウスピース(随意的に取り外し可能)、随意的なマウスピースカバー、および随意的な噴出器プレートシールも含む。マイクロプロセッサーは、Bluetooth(登録商標)技術を介して送信できる量送達、量計測、およびソフトウェア設計モニタリングパラメータを制御する。噴出器機構は、高度な精度と再現性を備えた事前定義された範囲で放出される液滴流れを作成することにより、肺への液滴の送達を最適化する。初期の液滴研究では、装置から放出された液滴の少なくとも65%から70%が呼吸可能な範囲(1−5μmなど)にあることが示されている。
【0060】
[0089] 特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、処方薬または店頭薬に適するように、周期的な基準、例えば毎日、毎週、毎月、又は必要に応じてなどのいずれかで交換可能または使い捨て可能な結合貯蔵部/噴出器機構モジュール(例えば薬液送達アンプル)を含んでもよい。貯蔵部は、手動またはマイクロポンプによって駆動される中空注入シリンジのような適切な注入手段を使用することによって、患者に投薬するための薬局で予め充填して貯蔵されてもよいし、又は薬局もしくは他の場所で充填されてもよい。シリンジは、剛性容器または他の折りたたみ可能なまたは折りたたみできない容器の中へ、又はそこから流体を圧送することによって、貯蔵部を満たしてもよい。特定の態様では、こうした使い捨て/交換可能な結合貯蔵部/噴出器機構モジュールは、その使用時間が短いため、アパーチャプレート上の表面堆積物または表面微生物汚染の蓄積を最小にして防止することができる。
【0061】
[0090] 本開示の特定の態様では、噴出器機構、貯蔵部、およびハウジング/マウスピースは、約5μm未満の液滴直径を有するプルームを生成するように機能する。上述のように、特定の実施形態では、貯蔵部および噴出器機構モジュールは、装置ハウジングおよび貯蔵部内の電子機器によって電力供給され、単回投薬、数回投薬、または数百回投薬に十分な薬液を運ぶことができる。
【0062】
[0091] また、本開示は、使用される場所の高度に影響されないインライン液滴送達装置を提供する。特定の実施態様では、インライン液滴送達装置は、例えば、4psiより大きい圧力差が存在し得る飛行機において移動する間など、ユーザーが海面から海中および高地に移動するときに生じ得る圧力差に影響されないように構成される。本明細書でさらに詳細に説明されるように、本開示の特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、水分または流体が貯蔵部の中へ通過するのを阻止しながら、貯蔵部内外への空気の自由な交換を提供する超疎水性フィルターを随意的にスパイラル蒸気バリアと共に含み、これにより、アパーチャプレート表面上の流体漏れまたは堆積が低減または防止される。
【0063】
[0092] 特定の態様では、本開示の装置は、差圧センサーを使用して、吸入の始まりに応答して圧電噴出器を開始することにより、患者/装置の調整の必要性を排除する。装置は、薬液送達の手動による開始を必要としない。噴射駆動のMDIとは異なり、本開示の装置からの液滴は、エアロゾル形成プロセスからの固有速度がほとんどない、又はまったくなく生成され、マウスピースを通過するユーザーの吸気によってのみ肺に吸い込まれる。液滴は、混入空気に乗り、肺への沈着が改善される。
【0064】
[0093] 特定の実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、薬液アンプルがハンドヘルドベースユニットに結合されると、電池を含むベースと薬液貯蔵部に埋め込まれた噴出器機構との間に電気的接触がなされる。特定の実施形態では、視覚的表示、例えば、一連の3つのユーザー可視LEDライトの水平表示、およびハンドヘルドベースユニット内の小型スピーカを介した音声表示は、ユーザー通知を提供し得る。一例として、装置は、例えば、高さ2.0〜3.5cm、幅5〜7cm、長さ10.5〜12cmであり得、空の薬液アンプルおよび電池が挿入された状態で、約95グラムの重さであり得る。
【0065】
[0094] 本明細書に記載されるように、特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、ベースユニットに薬液アンプルを挿入すること、マウスピースカバーを開くこと、および/またはオン/オフスイッチ/スライドバーを切り替えることによって、使用のために起動され、作動され得る。特定の実施形態では、ビジュアルおよび/またはオーディオインジケーターを使用して、例えば、オン、オフ、スタンバイ、準備などの装置のステータスを示すことができる。例として、1つまたは複数のLEDライトが、装置が使用可能であることを示すために、緑色または緑色で点灯および/または点滅してもよい。他の実施形態では、ビジュアルおよび/またはオーディオインジケーターを使用して、服用した回数、残りの用量の数、使用説明書などを含む薬液アンプルの状態を示すことができる。例えば、LEDビジュアルスクリーンは、貯蔵部内の残りの投薬量を示す投薬カウンター数値表示を示し得る。
【0066】
[0095] 本明細書でさらに詳細に説明するように、本開示のインライン液滴送達装置のハウジングのマウスピースを通してユーザーが吸入する使用中、ハウジング内の差圧センサーは、例えば、マウスピースの後部にあるベンチュリプレート全体の圧力降下を測定することによって、吸気流れを検出する。閾値の圧力低下(例えば、8slm)が達成されると、マイクロプロセッサーは噴出器機構を作動させ、ユーザーがマウスピースを介して吸入する装置の空気流に液滴の放出流を生成する。特定の実施形態では、投薬が開始されたことを示すために、オーディオおよび/またはビジュアルインジケーターが使用されてもよく、例えば、1つまたは複数のLEDが緑色に点灯してもよい。次に、マイクロプロセッサーは、所望の投薬量、例えば、1−1.45秒を達成するように、開始後の指定された時間に噴出器を停止させる。特定の実施形態では、本明細書でさらに詳細に説明するように、装置は、適切な投薬を容易にするビジュアルおよび/またはオーディオインジケーターを設けてもよく、例えば、装置は、投薬の開始後に肯定的なチャイム音を発し、指定された時間、例えば10秒間息を止めることを始めるように指示してもよい。息を止めている期間中は、たとえば、3つの緑色のLEDが点滅してもよい。さらに、呼吸停止のカウントダウンのオーディオインジケーターを使用して、適切な時間に患者に息を吐き、吸い込み、呼吸を止めるように指示する音声コマンドがあってもよい。
【0067】
[0096] 投薬に続いて、インライン液滴送達装置は、例えば、マウスピースカバーを閉じる、オン/オフスイッチ/スライドバーを切り替える、不使用からタイムアウトする、薬液アンプルを取り外すことなどによって、任意の適切な方法でオフにして停止されてもよい。必要に応じて、オーディオおよび/またはビジュアルインジケーターは、1つまたは複数の赤いLEDライトを点滅させたり、マウスピースカバーを閉じる音声コマンドを提供したりするなどして、ユーザーに装置の停止を促してもよい。
【0068】
[0097] 特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は、不使用時にアパーチャプレートをシールしてアパーチャプレートの状態を保護し、貯蔵部内部の流体の汚染および蒸発を最小化および防止する噴出器機構閉鎖システムを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、装置は、カバーが閉じているときにアパーチャプレートの出口側面をシールするようなサイズおよび形状のゴムプラグを含むマウスピースカバーを含み得る。他の実施形態では、マウスピースカバーは、カバーが閉じられているときに、スライドを引き起こして、アパーチャプレートの出口側面をシールしてもよい。他の実施形態および構成、例えば、手動スライド、カバー、およびプラグなども想定される。特定の態様では、マイクロプロセッサーは、噴出器機構閉鎖、アパーチャプレートシールなどが適所にあることを検出して装置を停止させる。
【0069】
[0098] 装置のいくつかの特徴は、特定の液滴サイズの正確な投薬を可能にする。液滴サイズは、高精度に形成されたメッシュの穴の直径によって設定される。例として、アパーチャプレートの穴のサイズは、1μmから6μm、2μmから5μm、3μmから5μm、3μmから4μmなどの範囲であり得る。噴出割合、1秒当たりの液滴は、マイクロプロセッサーによって作動される例えば108kHzのアパーチャプレート振動の周波数によって概ね固定される。特定の実施形態では、吸入の開始の検出と完全な液滴の生成との間には50ミリ秒未満の遅れがある。
【0070】
[0099] 特定の液滴サイズの正確な投薬を可能にする本開示の装置の他の態様は、吸入サイクルの初期の呼吸可能範囲内の液滴の生成を含み、それにより吸入の終わりに口または上気道に堆積される薬物製品の量を最小限にする。加えて、薬剤アンプルの設計により、ユーザーの介入なしにアパーチャプレートの表面を濡らして排出する準備ができるため、振ることやプライミングの必要を無くすことができる。さらに、薬物アンプルの通気孔構成と噴出器機構閉鎖システムの設計により、貯蔵部からの液体の蒸発は、一月あたり150μLから350μL未満に制限される。
【0071】
[00100] 装置は、FDA承認装置で現在使用されている材料で構築することができる。標準的な製造方法を採用して、抽出物を最小限に抑えることができる。
【0072】
[00101] 液滴送達装置のハウジングを形成するために、任意の適切な材料が使用され得る。特定の実施形態では、材料は、装置の構成要素または噴出される流体(例えば、薬液または薬剤構成要素)と相互作用しないように選択されるべきである。例えば、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、フェノール、ポリカーボネート、ポリイミド、芳香族ポリエステル(PET、PETG)などのガンマ線適合性ポリマー材料を含む、製薬用途での使用に適したポリマー材料を使用することができる。
【0073】
[00102] 薬液アンプルは、意図された医薬用途に適した任意の材料で構築され得る。特に、薬液接触部分は、例えば、硫酸アルブテロールおよび臭化イプラトロピウムなどの所望の活性剤と適合性のある材料から作成されてもよい。例として、特定の実施形態では、薬液は、薬液貯蔵部の内側と、アパーチャプレートおよび圧電素子の内面とにのみ接触する。圧電噴出器機構をベースユニットに含まれるバッテリーに接続するワイヤーは、薬液との接触を回避するために、薬物アンプルシェルに埋め込まれてもよい。圧電噴出器は、柔軟なブッシングによって薬液貯蔵部に取り付けられ得る。ブッシングが薬液流体と接触する可能性がある場合、例えば圧電ネブライザで使用されるものなどの目的のために当技術分野で知られている任意の適切な材料が使用され得る。
【0074】
[00103] 特定の実施形態では、装置マウスピースは、取り外し可能、交換可能であり得、洗浄され得る。同様に、装置のハウジングとアンプルは湿った布で拭くことにより洗浄され得る。特定の実施形態では、マウスピースは、ハウジングと接合され(および任意選択で取り外し可能および/または交換可能)、ハウジングに統合され、またはハウジングの一部であってもよい。他の実施形態では、マウスピースは、薬液送達アンプルと接合され(および任意選択で取り外し可能および/または交換可能)、薬液送達アンプルに統合され、または薬液送達アンプルの一部であってもよい。
【0075】
[00104] 繰り返しとなるが、液滴送達装置のマウスピースを形成するために、任意の適切な材料が使用され得る。特定の実施形態では、材料は、装置の構成要素または放出される流体(例えば、薬液または薬剤構成要素)と否定的に相互作用しないように選択されるべきである。例えば、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、フェノール、ポリカーボネート、ポリイミド、芳香族ポリエステル(PET、PETG)等のようなガンマ線適合性ポリマー材料を含む、医薬用途での使用に適したポリマー材料を使用することができる。マウスピースは、取り外し可能、交換可能、および滅菌可能であり得る。この機能は、マウスピース内のエアロゾル化薬物の蓄積を最小限に抑える機構を提供し、交換、消毒、および洗浄を容易にすることによって、薬液送達の衛生を改善する。一実施形態では、マウスピースチューブは、本明細書で説明されるように、ポリカーボネート、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの滅菌可能で透明なポリマー組成物から形成されてもよい。
【0076】
[00105] 本開示の特定の態様では、使用中に静電気の蓄積による放出された液滴の堆積を減らすように、マウスピースなどの気流経路に沿ったハウジングの内面など、ハウジングの1つまたは複数の部分に静電コーティングが塗布され得る。あるいは、ハウジングの1つ以上の部分は、電荷散逸性ポリマーから形成され得る。例えば、導電性フィラ―は市販されており、導電性フィラ―が、PEEK、ポリカーボネート、ポリオレフィン(ポリプロピレンまたはポリエチレン)、またはポリスチレン若しくはアクリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体のようなスチレン等の医療用途に使用される一般的なポリマーに配合されてもよい。あるいは、特定の実施形態では、マウスピースなどの気流経路に沿ったハウジングの内面などのハウジングの1つまたは複数の部分を、抗菌コーティングでコーティングするか、または疎水性コーティングでコーティングして、使用中の排出された液滴の堆積を減らすことができる。そうした目的で知られている任意の適切なコーティング、例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))を使用することができる。
【0077】
[00106] 標準的な吸入サイクル中に得られる圧力変化を測定するための、例えば、±5SLM、10SLM、20SLMなどの適切な感度を有する任意の適切な差圧センサーが使用され得る。例えば、Sensirion社の圧力センサー、SDP31またはSDP32(US 7,490,511 B2)は、これらの適用に特に適している。
【0078】
[00107] 特定の態様では、装置内のマイクロプロセッサーは、所望のパラメータ、例えば、所望の投薬量を達成するための圧電作動の持続時間などに基づいて、噴出器機構の正確なタイミングおよび作動を保証するようにプログラムされ得る。特定の態様では、装置には、メモリ(装置、スマートフォン、アプリ、コンピューターなど)を含む、またはメモリと相互作用し、各噴出イベントの日時と、ユーザーのモニタリングを容易にするために用量吸入中のユーザーの吸入流量と、薬液アンプルの使用状況のモニタリングとを記録する。例えば、マイクロプロセッサーおよびメモリは、投薬された用量および特定の薬物アンプルに残っている用量をモニタリングすることができる。特定の実施形態では、薬液アンプルは、識別可能な情報を含む構成要素を備えてもよく、ベースユニットは、個々のアンプルの固有電気抵抗、RFIDチップ、または他の読み取り可能マイクロチップ(暗号認証マイクロチップなど)に基づいて、識別可能な情報を「読み取り」して薬液アンプルがベースユニットに挿入されたことを感知するための構成要素を備え得る。投薬カウントとロックアウトとが、マイクロプロセッサーに事前にプログラムされてもよい。
【0079】
[00108] 本開示の特定の実施形態では、圧力センサーによって生成される信号は、噴出器機構の起動および作動のためのトリガーを提供し、それにより、患者の吸入(吸気)サイクルのピーク期間でまたはピーク期間中に液滴および送達液滴を生成する。そして、液滴のプルームの最適な堆積と、ユーザーの肺気道への薬剤の送達とを保証する。
【0080】
[00109] 本開示の特定の態様によれば、インライン液滴送達装置は、薬液の実際の送達に日付およびタイムスタンプを付けることができる信頼性のあるモニタリングシステムを提供し、たとえば、自己監視または介護者と家族の関与を通じて喘息患者に利益をもたらす。子供の喘息薬の使用を親が知ることができることは明らかである。このような情報にアクセスできる医師は、喘息とCOPDの患者を支援するための設備が整っている。公共政策の決定を助けるために、喘息の患者集団における環境条件の影響のモニタリングを検討することも可能である。
【0081】
[00110] 本明細書でさらに詳細に説明するように、本開示のインライン液滴送達装置は、吸気気流を検出し、(装置、スマートフォン、アプリ、コンピューターなどの)メモリに吸気流れを記録/格納することができる。事前設定された閾値(たとえば、8〜10slm)が、決められた期間(たとえば、1〜1.5秒)にわたる薬剤の送達を開始させる。吸気流れは、流れが止まるまで頻繁にサンプリングされる。送達が開始された回数が組み込まれ、装置の投薬カウンターLEDに表示される。Bluetooth(登録商標)機能により、データのワイヤレス送信が可能にされる。
【0082】
[00111] 装置のBluetooth(登録商標)通信は、日付、時刻、セッションごとの操作回数をユーザーのスマートフォンに通信し得る。ソフトウェアプログラミングは、チャート、グラフィック、投薬リマインダー、および警告を、患者やデータへの許可を与えられた人に提供し得る。ソフトウェアアプリケーションは、本開示の装置を使用する複数の薬物(例えば、アルブテロール、吸入ステロイドなど)を組み込んでもよい。
【0083】
[00112] 特定の実施形態では、モニタリング能力は、喘息悪化またはCOPDの早期検出、および悪化を低減するであろう早期介入につながるはずである。悪化は、救急薬の必要性の増加を通じて検出されよう。病気の悪化には特定可能なトリガーが複数あるが、維持薬へのアドヒアランスの欠如が原因で悪化が生じることがある。悪化の予防や早期介入は、生活の質や健康資源の利用に重大なプラスの影響を与えることができる。最後に、データをモニタリングすることで、病状の改善と維持薬の削減の可能性をサポートすることができる。
【0084】
[00113] また、本開示の装置は、オーディオおよびビジュアルインジケーターを含む指定された指示をユーザーに提供して、装置の適切な使用および適切な投薬を容易にすることができる。たとえば、COPDや喘息の患者が炎症を起こして狭まった下気道領域に薬物を送達する必要がある場合、通常、薬物粒子をゆっくりと着実に吸入した後、約10秒間息を止めて沈降を生じさせる。診療所では、これらの患者を指導し、吸入後に息を止めるように促すことができる。しかしながら、医療現場以外では、吸入器の不適切な使用がしばしば生じる。
【0085】
[00114] 本開示の装置は、吸入サイクルの正しい部分の間に液滴を分注するように構成され、例えば適切な装置の使用で患者を助けるために、例えば吸入後の正しい時間呼吸を止めるように指示することによる、指示および/または指導機能を含み得る。本開示の装置は、吸入中の空気流をモニタリングすることができると共に、(測定された流量に基づいて)吸入の終わりを検出して患者に合図して吸入終了後の一定期間呼吸を止めさせることができる内部センサー/制御を有するので、この二重機能を可能にする。
【0086】
[00115] 例示的な一実施形態では、患者は、吸入の終わりにオンになり、例えば10秒など、定められた期間(すなわち、所望の息止めの期間)後にオフになるLEDで、息を止めるように指導されてもよい。あるいは、吸入後にLEDが点滅し、息止め期間が終了するまで点滅し続けてもよい。この場合、装置内の処理は、吸入の終了を検出し、LEDをオンにし(またはLEDの点滅などを引き起こし)、定められた期間待機した後に、LEDをオフにする。同様に、装置は、音声指示、たとえば、1つ以上のバースト音(たとえば、1000Hzの50ミリ秒パルス)、息を止める音声での指示、音声でのカウントダウン、音楽、曲、メロディーなどを吸入の終わりに発して、音声信号の間、患者の呼吸を止めるように患者に合図することもできる。必要に応じて、装置は呼吸停止期間中または終了時に振動してもよい。
【0087】
[00116] 特定の実施形態では、装置は、息止め期間が始まったとき、および息止め期間が終わったときにユーザーに通知するために、上記したオーディオおよびビジュアル方法(または音、光および振動)の組み合わせを提供する。または、息を止めている間に進行状況を表示する(視覚的または音声によるカウントダウンなど)。
【0088】
[00117] 他の態様では、本開示の装置は、より長く、より深く吸入するなどの指導を提供してもよい。指導を提供するために、吸入(または投薬)中の平均ピーク吸気流れを利用してもよい。たとえば、患者は、装置、電話、またはクラウドに保存されている吸気(投薬)中に測定された平均ピーク吸気流れの90%に到達するまで、より深い呼吸指令を聞き得る。
【0089】
[00118] さらに、カメラ、スキャナー、または他のセンサーを含む画像キャプチャー装置、例えば、限定されるものではないが、電荷結合素子(CCD)が、放出されたエアロゾルプルームを検出および測定するために設けられてもよい。これらの検出器、LED、デルタPトランスデューサー、CCD装置のすべては、例えば、Blootooth(登録商標)を介して装置のマイクロプロセッサーまたはコントローラーに制御信号を提供し、液滴の噴出をモニタリング、検知、測定、および制御するため、並びに患者の遵守、治療時間、投薬量、使用履歴を報告するため使用される。
【0090】
[00119] ここで図面を参照し、同様の構成要素は同様の参照番号で例示する。
[00120]
図1Aおよび1Bは、本開示の例示的なインライン液滴送達装置を示している。
図1Aは、閉位置にあるマウスピースカバー102を有するインライン液滴送達装置100を示しており、
図1Bは、開位置にあるマウスピースカバー102を有するインライン液滴送達装置100を示している。図示されるように、液滴送達装置は、インライン配向で構成され、小刀ハンドヘルド装置を提供するように、ハウジング、その内部構成要素、および様々な装置構成要素(例えば、マウスピース、空気入口流れ要素など)が実質的にインラインまたは(例えば、空気流路に沿った)並列構成で配向されている。
【0091】
[00121]
図1Aおよび1Bに示されるように、インライン液滴送達装置100は、ベースユニット104および薬液送達アンプル106を含む。この実施形態に示され、本明細書でさらに詳細に論じられるように、薬液送達アンプル106は、ベースユニットの前面にスライドする。特定の実施形態において、マウスピースカバー102は、薬液送達アンプル106の挿入を容易にするプッシュ要素102aを含み得る。また、1つ以上の気流入口または開口部110が示されている。一例として、装置の反対側に空気流入口があってもよいし、装置の同じ側に複数の空気流入口があってもよいし、またはそれらの組み合わせ(図示せず)があってもよい。また、インライン液滴送達装置100は、装置の気流出口側にマウスピース108を含む。
【0092】
[00122]
図2を参照して、
図1Aおよび
図1Bの例示的なインライン液滴送達装置の分解図が示されており、電源/作動ボタン201と、電子回路基板202と、噴出器機構および貯蔵部(不図示)を備える薬液送達アンプル106と、関連する接点203aを有する電源203(例えば、随意的に再充電可能なAAAバッテリー3つ)と、を含むハウジングの内部構成要素を含む。特定の実施形態では、貯蔵部は、交換可能、使い捨て可能、または再利用可能であり得る単一ユニット用量または複数ユニット用量であり得る。また、1つ以上の圧力センサー204および任意のスプレーセンサー205も示されている。特定の実施形態において、装置は、薬液送達アンプル106をベースユニットに挿入する際の装置の作動を容易にするために、様々な電気接点210および211を含み得る。同様に、特定の実施形態では、装置は、ベースユニットへの薬液送達アンプル106の挿入を容易にするために、スライド212、ポスト213、ばね214、およびアンプルロック215を含み得る。
【0093】
[00123] 構成要素は、ハウジング内にパッケージ化され得、概してインライン構成で配向され得る。ハウジングは、使い捨てまたは再利用可能、単回用量または複数回用量であり得る。ハウジングを形成するための様々な構成は本開示の範囲内であるが、
図2に示すように、ハウジングは、上部カバー206と、底部カバー207と、内部ハウジング208とを含み得る。ハウジングはまた、電源ハウジングまたはカバー209を含み得る。
【0094】
[00124] 特定の実施形態では、装置は、例えば、指示および通信をユーザーに提供するために、音声および/または視覚表示を含み得る。そのような実施形態では、装置は、スピーカまたはオーディオチップ(図示せず)、1つまたは複数のLEDライト216、およびLCDディスプレイ217(LCD制御ボード218およびレンズカバー219とインターフェースする)を含み得る。ハウジングは、ハンドヘルドであってもよく、例えば、対象者のスマートフォン、タブレット、またはスマート装置(図示せず)との通信のために、Bluetooth(登録商標)通信モジュールまたは同様の無線通信モジュールを介して他の装置と通信するように構成されてもよい。
【0095】
[00125] 特定の実施形態では、空気入口流れ要素(図示せず、例えば、
図5A〜5C及び
図11A〜18Dを参照)は、ハウジングの空気流入口で空気流れ内に配置され、アパーチャプレートの出口側を横切る非乱流(つまり、層流および/または遷移的な)空気流を促進し、十分な気流を提供して、放出される液滴流れが使用中に液滴送達装置を流れることを保証するように構成され得る。いくつかの実施形態では、空気入口流れ要素は、マウスピース内に配置されてもよい。本実施形態の態様はさらに、本明細書でさらに詳細に説明されるように、異なるサイズの開口部およびさまざまな構成を有する層流要素を配置して内部圧力抵抗を選択的に増加または減少させることによって、粒子送達装置の内部圧力抵抗をカスタマイズすることを可能にする。
【0096】
[00126] 非限定的な例として、アンプルを挿入して使用するまで及び装置の電源を切ることの例示的な方法は、以下のように実行され得る。
【0097】
1.まず新しいアンプルを挿入して装置のスライドガイドに押し込むと、装置のドアが開き、アンプルがスライドしてアンプル位置1にカチッと収まる。この設定では、アンプルのアパーチャプレートシールまたはカバーが開いており、装置とアンプルの電気接点が接触する。システムの電源がオンになり、呼吸作動の準備が整う。装置のドアが開くと、ビープ音が鳴り、LEDインジケーターが緑色または点滅して、システムがオンでありマウスピースから吸入する投薬の準備ができたことをユーザーに通知する。
【0098】
2.患者が吸入すると、事前設定された圧力値に達し、ハウジング内に配置された圧力センサー(デルタPセンサーなど)によって検出され、第2のオーディオインジケーターまたはLEDインジケーターによって、投薬が開始されたことが示される。投薬が開始されて送達された後、例えば1〜5秒(または他の定められた投薬時間)のスプレーサイクル時間が終了するまで、別のオーディオおよび/またはLEDインジケーターが起動され得る。さらに、必要に応じて、投薬が送達されると、LCDに表示される投薬カウンターは、LCDに表示される投薬の数の減少により投薬が送達されたことを示す。
【0099】
3.更なる投薬が必要なく、たとえば15秒の時間が経過した場合、装置の電源がオフになりそうであることをユーザーに警告するために、オーディオおよび/またはLEDインジケーターが起動され、その後、装置は、低電力、スリープモードに移行し得る。
【0100】
4.更なる投薬が必要ない場合は、装置のドアを閉じてアンプルを非使用位置に押し、アパーチャプレートのシールまたはカバーを閉じ、装置をスリープモードにする。さらに、スライド機構がオン/OFFスイッチから圧力を解放すると、システムはオフになる。
【0101】
5.患者が追加の投薬を適用する準備ができると、装置のドアが開き、アンプルがマウスピースに向かってスライドする。マウスピースは、ばね式気候によって非使用位置から使用位置に押され、それによってアパーチャプレートシールまたはカバーが開く。
【0102】
[00127] より具体的には、薬液アンプルの挿入の動作モードおよび装置の動作の特定の例示的な実施形態が、
図3A−1〜
図3C−3に示されている。
図3A−1および
図3A−2を参照して、まず薬液アンプル(1)を挿入して装置スライドガイド(1a)に押し込むと、装置ドア(2)が開き、アンプルがスライドしてアンプル位置1にカチッと収まる。楕円形のボタン(アンプルロック)(1b)がカチッと音を立てて戻り、アンプルが所定の位置にロックされる。この設定では、アパーチャプレートのシールが開いており、装置とアンプルの4つの電気接点が接触しており、システムの電源が入っており、呼吸を作動させる準備ができている。前面の2つの接点(3)は、圧電素子を作動させる回路を完成させる。一方、背面の2つの接点(4)は、アンプルID、薬剤の種類、投薬量など、アンプルに関する特定の情報を提供するために使用される。
【0103】
[00128]
図3B−1及び
図3B−2を参照して、アンプル位置1(A)が示されている。楕円形のボタン(1b)がアンプルを所定の位置に固定し、4つの電気接点、前部(3)と背部(4)を接続して電気回路が完成する。アンプルが位置1にあるとき、オン/OFFボタン(1c)を起動する電子部品が、バネ式スライド機構(5)によって押される。
図3B−1は、オンモードでのバネ式スライド機構(5)とオン/OFFボタン(1c)との底面図を提供する。
図3B−2は、バネ式スライド(5)のサイドブラケットの分解図(5a)と、装置のスロット(5b)を通るそれらの位置(5a−矢印)を示しており、装置のドアが開いたときにアンプル(5c)に接触してアンプルを前方に押し、オン/OFFボタン(1d)に接触するとオン/OFFスイッチ(1c)がアクティブになる。装置のオン/OFFボタン(1c)は、マウスピースカバー(2)が閉じているときにスライド(5)によってアクティブになり、アンプルを位置2に押し戻す。ここで、アパーチャプレートシールが閉じた位置にあり、オン/OFFスイッチの圧力が解放されると、装置への電源がオフになる。
【0104】
[00129]
図3C−1、
図3C−2、および
図3C−3を参照し、アンプルが挿入された装置の断面図が示され、アンプルのスライド機構とオン/OFFスイッチの位置がより良く示されている。
図3C−1は、マウスピースカバーが開位置にあり、オン/OFFスイッチがオンの位置にある、アンプル位置1を示す。
図3C−2は、マウスピースカバーが閉位置にあり、オン/OFFスイッチがオフの位置にある、アンプル位置2を示す。
図3C−3は、マウスピースカバーが開位置にあり、オン/オフスイッチがオフ位置にある、アンプル位置2を示す。
【0105】
[00130] しかしながら、本開示の装置および方法はそのように限定されず、動作方法の様々な修正および拡張が本開示の範囲内であると想定されることに留意されたい。
【0106】
[00131] 別の実施形態において、
図4Aおよび4Bは、本開示の代替的なインライン液滴送達装置を示しており、
図4Aは、閉位置にあるマウスピースカバー402を有するベースユニット404を備えたインライン液滴送達装置400を示し、
図4Bは、開位置にあるマウスピースカバー402を有するベースユニット404を備えた液滴送達装置400を示す。図示されるように、液滴送達装置は、インライン配向で構成され、ハウジング、その内部構成要素、および様々な装置構成要素(例えば、マウスピース、空気入口流れ要素など)が小型のハンドヘルド装置を形成するように実質的にインラインまたは(例えば、空気流路に沿った)並列構成で配向されている。
【0107】
[00132]
図4Aおよび4Bに示される実施形態では、インライン液滴送達装置400は、ベースユニット404および薬液送達アンプル406を含む。この実施形態に示され、本明細書でさらに詳細に説明されるように、薬液送達アンプル406は、ベースユニットの前面にスライドする。特定の実施形態では、マウスピースカバー402は、アパーチャプレートプラグ412を含み得る。また、マウスピース408における1つ以上の空気流入口または開口部410も示されている。例として、装置の反対側に複数の空気流入口があってもよいし、装置の同じ側に複数の空気流入口があってもよいし、またはそれらの組み合わせ(図示せず)であってもよい。また、インライン液滴送達装置400は、装置の気流出口側にマウスピース408を含む。
【0108】
[00133]
図5を参照して、
図4Aおよび
図4Bの例示的なインライン液滴送達装置の分解図が示されており、電子回路基板502と、随意的な通気孔431および蒸気バリア432を有するトップカバー430、噴出器機構434、薬液貯蔵部435、電気接点436、並びに1つ又は複数のセンサーポート437を備える薬液送達アンプル406と、電源503(例えば、随意的に再充電可能であるAAAバッテリー3つ)と、を含むハウジングの内部構成要素を示している。特定の実施形態では、装置は、薬液送達アンプル406をベースユニット404に挿入することで装置の起動を容易にするために、様々な電気接点442およびセンサーポート444も含み得る。同様に、特定の実施形態では、装置は、薬液送達アンプル406のベースユニット404への挿入および検出を容易にするために、抵抗器またはチップ504を含み得る。
【0109】
[00134] 特定の実施形態では、貯蔵部は、交換可能、使い捨て可能、または再利用可能であり得る単一ユニット用量または複数ユニット用量であり得る。
図5に示されるように、特定の実施形態において、薬液送達アンプルはまた、マウスピース408およびマウスピースカバー402を備え得る、またはこれらと接合され得る。図示されるように、アパーチャプレートは空気流の方向に垂直で、液滴流れは空気流の方向に平行に放出される。マウスピースカバー402は、アパーチャプレートプラグ412をさらに含み得る。
【0110】
[00135] 構成要素は、ハウジングにパッケージ化されて概してインライン構成で配向されてもよい。ハウジングは、使い捨てまたは再利用可能、単回用量または複数回用量であり得る。ハウジングを形成するための様々な構成が本開示の範囲内であるが。
図5に示されるように、ハウジングは、トップカバー506、ボトムカバー507、および内部ハウジング508を備え得る。また、装置は、例えば、ベースユニット404内に挿入されたときに薬液送達アンプル406の取り外しを容易にするために、ハウジングの側面に配置される1つ以上のアンプル取り外しボタン550を含んでもよい。
【0111】
[00136] 特定の実施形態では、装置は、例えば、指示および通信をユーザーに提供するために、音声および/または視覚表示を含んでもよい。そうした実施形態では、装置は、スピーカまたはオーディオチップ520、1つまたは複数のLEDライト516、および(LCD制御ボード518およびレンズカバー519とインターフェースされた)LCDディスプレイ517を含み得る。ハウジングは、ハンドヘルドであってもよく、例えば、対象者のスマートフォン、タブレット、またはスマート装置(図示せず)との通信のために、Bluetooth(登録商標)通信モジュールまたは同様の無線通信モジュールを介して他の装置と通信するように構成され得る。
【0112】
[00137]
図6を参照して、
図4Aおよび
図4Bのインライン装置の断面図が示されており、薬液貯蔵部435の内部の例示的な構成およびその噴出器機構434との関係を示している。図示されるように、薬液貯蔵部435は、貯蔵部内に保持される流体容積が注ぎ込まれて使用時にアパーチャプレートの放出面に向けられるように寸法および形状が定められている。より具体的には、図示されるように、薬液貯蔵部の底面は、使用中に薬液貯蔵部内の流体の流れを促進するように、噴出器機構に向かって傾斜され得る。理論による制限を意図することなく、そのような構成は、噴出器機構が気流の方向に対して垂直に方向付けられる装置の方向付けに特に適している可能性がある。しかしながら、本開示はそのように限定されず、アンプルの様々な形状、サイズおよび構成が本開示の範囲内であると想定されることに留意されたい。
【0113】
[00138]
図7は、薬液送達アンプルが挿入されていない
図4Aおよび
図4Bの実施形態のベースユニット404を示している。薬液送達アンプルが挿入されていない場合、アンプルを所定の位置に案内するためのトラック40、電気接点442、およびセンサーポート444が示される。また、取り外しボタン450が示されている。
【0114】
[00139]
図8Aおよび8Bは、マウスピースカバー402が取り付けられて閉位置にある薬液送達アンプル406を正面図(
図8A)および背面図(
図8B)で示す。
図8Bは、アンプルの電気接点436およびセンサーポート437、ならびに挿入中のトラック440へのアンプルの配置を容易にするための突出スライド452を示す。例として、薬液送達アンプル406がベースユニット404に挿入されると、突出スライド452はトラック440と結合し、センサーポート437はセンサーポート444と結合し、電気接点436は電気接点442と結合する。薬液送達アンプルはベースユニットに押され、突出スライドとトラックとが互いに係合した状態で所定の場所に固定される。使用中、制御ボードに配置された圧力センサーは、圧力感知ポート(マウスピース内など)を介して装置内の圧力変化を感知する。圧力変化の検出を容易にするために、ベースユニットは、基準または周囲圧力の感知を容易にするために、第2の圧力感知ポートおよび外部チャネル(図示せず)を含む。
【0115】
[00140] 本明細書で説明されるように、薬液貯蔵部および/または薬液送達アンプルは、通気などを促進させるために、様々な通気孔および/または蒸気バリアを含み得る。
図9A〜
図9Cには、例えば、4psiより大きい圧力差が存在し得る飛行機において移動する間など、ユーザーが海面から海中および高地に移動するときに生じ得る圧力差に影響されないように構成された例示的な貯蔵部またはアンプルが示されている。図示されるように、
図9Aは、例示的なアンプル900の斜視図を示す。
図9Bおよび9Cは、斜視上および下から見たアンプル900の分解図を示す。
図9Bおよび9Cを参照して、アンプル900は、概して、上部カバー901と下部カバー902とを含む。アンプル900は、1つ以上の通気孔906を覆う1つ以上の超疎水性フィルター904を含むように構成されてもよく、流体貯蔵部ハウジングは、スパイラルチャネル(または同様の形状)の蒸気バリア905を含んでもよく、蒸気バリア905は、流体貯蔵部への及び流体貯蔵部からの空気の自由な交換を提供すると同時に、水分または流体が貯蔵部に入るのを防ぎ、それにより流体の漏れやアパーチャプレート表面への堆積を低減または防止する。必要に応じて、1つ又は複数のOリング903または同様のシーリング機構を使用して、蒸気バリア905に接続される上部カバー901と下部カバー902との間にシールを形成する。限定することを意図するものではないが、超疎水性フィルターおよび通気孔は、概して、流体貯蔵部内の無菌環境を維持しながら、通気および流体貯蔵部内の空気圧の平衡を可能にすることができる。スパイラルチャネルの蒸気バリアは、概して、流体貯蔵部への及び流体貯蔵部からの(例えば、通気孔を介した)水分の移動を防止する。
【0116】
[00141] 一態様によれば、本開示のインライン液滴送達装置は、装置の空気流入口で空気流内に配置され、アパーチャプレートの出口側を横切る非乱流(つまり、層流および/または遷移的な)空気流を促進し、十分な気流を提供して、放出される液滴流れが使用流に液滴送達装置を流れることを保証するように構成された空気入口流れ要素(例えば、
図10A〜10Cおよび12A〜19Dを参照)を含み得る。いくつかの実施形態では、空気入口流れ要素は、マウスピース内に配置されてもよい。さらに、本実施形態の態様は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、異なるサイズの開口および様々な構成を有する層流要素の配置を可能にして、内部圧力抵抗を選択的に増加または減少させることによって、液滴送達装置の内部圧力抵抗をカスタマイズすることもできる。
【0117】
[00142] 本開示のインライン液滴送達装置の特定の実施形態によれば、装置は、装置の空気流入口で空気流中に配置され、アパーチャプレートの出口側を横切る非乱流(つまり、層流および/または遷移的な)空気流を促進し、十分な気流を提供して、放出される液滴流れが使用流に液滴送達装置を流れることを保証するように構成された空気入口流れ要素を含み得る。いくつかの実施形態では、空気入口流れ要素は、マウスピース内に配置されてもよい。さらに、空気入口流れ要素は、異なるサイズの開口部とさまざまな構成を設計して内部圧力抵抗を選択的に増加または減少させることにより、内部デバイスの圧力抵抗のカスタマイズを可能にする。
【0118】
[00143] 本明細書でさらに詳細に説明するように、空気入口流れ要素は、空気流の方向に沿って開口プレートの出口側の後方に配置されてもよいし、または空気流の方向に沿ってインラインでまたは開口プレートの出口側の前方に配置されてもよい。特定の実施形態では、空気入口流れ要素は、貫通して形成され、使用中に液滴送達装置内の内部圧力抵抗を増加または減少させるように構成された1つまたは複数の開口を備える。例えば、空気入口流れ要素は、1つまたは複数の開口のアレイを備える。一実施形態では、空気入口流れ要素は、1つ以上のバッフルを含み、例えば、1つ以上のバッフルは、1つ以上の空気流開口を含む。
【0119】
[00144] 特定の実施形態では、空気入口流れ要素は、肺気道の深部に放出された液滴の送達を促進する深い吸入に必要なピーク吸入流を達成するための最適な気道抵抗を提供するように設計および構成される。空気入口流れ要素は、エアロゾルプルーム出口ポートを横切る層流を促進するようにも機能し、空気流再現性、安定性に寄与し、送達される用量の最適精度を保証する。
【0120】
[00145] 理論に制限されることを意図することないが、本開示の態様に従って、本開示の空気入口流れ要素における流れ制限部(例えば、開口部、穴、流れブロックなど)のサイズ、数、形状および配向は、インライン液滴送達装置内に所望の圧力降下を提供するように構成され得る。特定の実施形態では、ユーザーの呼吸または呼吸の知覚に強く影響を与えるほど大きくない圧力降下を提供することが概して望まれ得る。
【0121】
[00146] 特定の実施形態では、肺の差異および若年者および老人、小さい人および大きい人、及び様々な肺疾患状態に関連する吸気流速に対応するために、異なる構成、サイズ、および形状の流れ制限部(例えば、開口部、穴、流れブロックなど)を有する空気流流れ要素の使用、または調整可能な開口の使用が要求され得る。例えば、患者によってアパーチャが(おそらく、回転可能なスロットリングを有することによって)調節可能である場合、アパーチャの穴の設定を読み取ってその位置をロックしてアパーチャの穴の大きさ、つまり流量計測の意図しない変更を防止する方法が提供される。圧力検出は流量測定の正確な方法であるが、他の実施形態は、例えば、流量に比例して熱を失う熱ワイヤー若しくはサーミスタタイプの流量測定方法、動翼(タービン流量計技術)、又はバネ負荷プレートを使用することによってもよく、こうした例に限定されない。
【0122】
[00147] 例えば、
図10A〜10Cは、本開示の特定の例示的な空気入口流れ要素を示す。
図10A〜10Cはまた、基準圧力感知のための圧力センサー、マウスピース、および空気チャネルの位置を示す。しかしながら、本開示はそのように限定されず、本明細書で説明されるものを含む他の構成が本開示の範囲内であると考えられる。そのように限定されないが、
図10A〜10Cの空気入口流れ要素は、
図1A,
図1Bのインライン液滴送達装置との使用に特に適している。
【0123】
[00148] より具体的には、
図10Aは、マウスピースカバー1001と、マウスピース1002と、薬液貯蔵部1004および噴出器機構1005を備える薬液送達アンプル1003とを含む、本開示のインライン液滴送達装置1000の部分断面を示す。図視されるように、液滴送達装置は、マウスピース1002の空気入口に穴1006aのアレイを有する空気入口流れ要素1006を含む。マウスピース内の圧力の変化を感知するために使用され得る圧力センサーポート1007も示されている。
図10Bを参照して、装置1000の正面図が示されており、第2の圧力センサーポート1008は、基準または周囲圧力の感知を提供するために示されている。
【0124】
[00149]
図10Cは、マウスピース1002および内部ハウジング1011を含む部分分解図を示している。図示されるように、マウスピース1002は、穴1006aのアレイを有する吸気流要素1006と、圧力センサーポート1007とを含む。さらに、マウスピース1002は、使用中に装置の空気流への液滴流れの放出を可能にする噴出器機構と整列するように、例えばマウスピースの上面に配置された噴出ポート1114を含む。他のセンサーポート1115は、所望のセンサー機能、例えばスプレー検出を可能にするために、マウスピースに沿って必要に応じて配置され得る。また、マウスピースは、挿入時にベースユニットと接合する位置決めバッフル1116を含み得る。内部ハウジング1011は、基準または周囲圧力の感知を容易にするための圧力センサーボード1009および外側チャネル1010を含む。内部ハウジングは、装置内(例えば、マウスピースまたはハウジング内)の圧力変化の感知を容易にする第1の圧力感知ポート1112と、基準または周囲圧力の感知を容易にする第2の圧力感知ポート1113とをさらに含む。
【0125】
[00150] これに関して、
図11Aは、穴の数(29個の穴、23個の穴、17個の穴)の関数として、
図10A〜10Cのものと同様の例示的な空気入口流れ要素を通る差圧と流量との関係を示す。
図11Bを参照して、流量が差圧の平方根の関数としてプロットされるとき、穴の大きさの関数としての差圧に対する流量は、線形関係を有することが示されている。穴の数は17穴で一定に保たれている。これらのデータは、空気入口流れ要素の設計を選択して所望の耐圧を提供する方法を提供すると共に、例示的な液滴送達装置で測定されるような流量と差圧との関係のモデルを提供する。
【0127】
[00151] 特定の非限定的な例示的な空気入口流れ要素は、それぞれ直径1.9mmの29個の穴であってよい。しかし、本開示はこうした例に限定されない。例えば、空気入口流れ要素は、例えば、直径0.1mmから空気入口チューブの断面直径(例えば、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm等)に等しい直径までの範囲の孔直径を有することができ、孔の数は、1から所望の空気流制限を達成するための孔の数、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、29、30、60、90、100、150等の範囲であり得る。
【0128】
[00152]
図12A〜
図19Dは、本開示の空気入口流れ要素の代替的な実施形態を示す。また、
図12〜
図19Dは、マウスピース内の装置の空気流内の空気入口流れ要素の例示的な配置、ならびに空気入口流れ要素を含むマウスピースの薬液送達アンプルへの接合を示している。
【0129】
[00153]
図12Aは、装置の空気流出口側で接合されたマウスピースを備えた例示的な薬液送達アンプルを示す。マウスピースには、側部に2つの空気流入口を含むが、空気流に対する抵抗を提供する内部空気入口流れ要素はない。
図12Bは、正面断面を示し、
図12Cは側面断面を示し、
図12Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
図13Aおよび薬液送達アンプルへの14Aは、側部に2つの空気流入口を有するが空気流に対する抵抗を提供する内部空気入口流れ要素がない、同様に構成されたマウスピースを示す。また、
図13Bおよび
図14Bは正面断面を示し、
図13Cおよび14Cは側面断面を示し、
図13Dおよび
図14Dは、実施形態間の構成の違いを示すために例示的な寸法で同じ図を示している。例えば、
図12の実施形態は、長さ6.6mm、高さ2mmの開口部を有し、
図13の実施形態は、長さが7.9mmで高さが2.5mmの開口部を有し、
図14の実施形態は、長さが8.1mmで高さが3mmの開口部を有する。もちろん、本開示はこれらの特定の寸法に限定されず、様々な寸法および空気流入開口部の数が本開示の範囲内であると想定される。
【0130】
[00154]
図15Aは、装置の空気流出口側で接合されたマウスピースを備えた例示的な薬液送達アンプルを示す。マウスピースは、マウスピースの外側にある2つの空気流入口と、空気流の抵抗とモデリングを提供する更なる空気流入口を有する2つの内部バッフルと、を含む。
図15Bは正面断面を示し、15Cは側面断面を示し、
図15Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
図16Aは、マウスピースの外側に2つの空気流入口と、空気流の抵抗およびモデリングを提供する更なる空気流入口を備えた2つの内部バッフルとを含む同様に構成されたマウスピースを示す。しかしながら、
図16Aの内部バッフルは、
図16A(高さ10mm)は、
図15A(高さ5mm)よりも大きい。
図16Bは正面断面を示し、
図16Cは側面断面を示し、
図16Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
【0131】
[00155]
図17Aは、装置の空気流出口側で接合されたマウスピースを備えた例示的な薬液送達アンプルを示す。マウスピースは、マウスピースの外側にある2つの空気流入口と、2つの更なる空気流入口を有して空気流の制限およびモデリングを提供する実質的に同心のバッフル(マウスピースの上部と下部で円を形成する2つの円弧)とを含む。
図17Bは正面断面を示し、
図17Cは側面断面を示し、
図17Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
図18Aは、実質的に同心の内部バッフルを有する同様に構成されたマウスピースを示すが、内部バッフルは、空気流の抵抗およびモデル化を提供するために4つの空気流入口を含む。
図18Bは正面断面図を示し、18Cは側面断面図を示し、
図18Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
【0132】
[00156]
図19Aは、装置の空気流出口側で接合されたマウスピースを備えた例示的な薬液送達アンプルを示す。マウスピースは、マウスピースの外側にある2つの空気流入口と、2つの更なる空気流入口を有して空気流の抵抗とモデリングを提供する実質的に同心のバッフルとを含む。さらに、同心のバッフルとマウスピースの壁との間のマウスピースの内部領域には、空気流入口の上方に配置されたアレイ要素が含まれ、空気流に対する追加の抵抗とモデリングを提供する。アレイ要素は、空気流の方向と平行に配置される。また、
図19Bは正面断面図を示し、19Cは側面断面図を示し、
図19Dは、例示的な寸法で同じ図を示す。
【0133】
[00157] 本開示によれば、内部空気入口流れ要素の存在は、例示的な流体溶液(脱イオン水およびアルブテロール溶液)の噴霧効率を概ね改善することが見出された。例えば、30SLMでの
図20に示すように、内側空気入口流れ要素により、スプレー効率が47%から66%に向上し、内部空気流入口を噴出流から離して配置すると、スプレー効率が80%以上に向上する。マウスピースと薬液貯蔵部は単一のユニットであり、噴出前(W1)、噴出後(W2)、およびマウスピースの乾燥後(W3)に重さを測り、マウスピースからユーザーに送達するために排出された薬液の割合を測定し得る。スプレー効率=(W1−W2)/(W1−W3)
【0134】
[00158] 本開示の特定の態様では、インライン装置は、アパーチャプレートの表面を保護し、蒸発損失を最小化し、装置が閉じられて使用されていないときの汚染を最小化するように構成され得る。例えば、本明細書に記載されるように、貯蔵部/アンプルが閉位置にあるとき、噴出器機構のアパーチャプレートの表面は、ハウジングまたはマウスピースカバーに対して閉鎖/密閉され得る。しかし、特定の実施形態では、貯蔵部/アンプルが噴出器機構のアパーチャプレートの表面のシールを容易にするためにOリングまたはガスケットを含む場合、開位置と閉位置との間の貯蔵部/アンプルのスライドは、特定の態様では、開閉時に圧縮ばねで克服する必要がある摩擦を生じさせる。
【0135】
[00159] 一実施形態では、アンプルが閉じられたときに最後の数ミリメートルでアンプルと装置ハウジングとの間に圧縮力を加えることにより、アンプルのOリングと装置ハウジングとの間の摩擦を低減することができる。これにより、圧縮ばねが最大の力を提供する開く間の最初の数ミリメートルの高い摩擦、及びアンプルドアがほとんど閉じる最後の数ミリメートルの高い摩擦は制限され、ドアの抵抗はユーザーが適用するのに容易となる。ドアがほぼ閉じているときに加えられる力によって、ドアヒンジでの反力が最小限に抑えられ、装置の堅牢性が向上する。短い距離でOリングに圧力が加えられるため、Oリング(またはガスケット)の摩耗も減少する。
【0136】
[00160] 限定されないが、特定の実施形態では、アンプルの閉位置への動作の最後の数ミリメートルの間に圧縮シール力を加えることは、アンプルが閉位置に近づくときに反対側の面(アンプルに対する装置、または装置に対するアンプル)の縁(budge)と係合するアンプルトラックのアンプル側または装置側のいずれかに傾斜部(ramp)を利用することによって達成され得る。また、これは、アンプルが閉位置に近づくと作動する一対の傾斜であり得る。特定の態様では、アンプルと装置の間の接触点は、Oリングの圧力の中心と整列され、均一な密封圧力を作り出すことが好ましい。良好なシーリングのために十分な圧縮を実現するために、傾斜部によって生成される垂直方向の総移動量は0.1mmの範囲内だけあればよいことに注意されたい。
【0137】
[00161] アンプルが装置に向かって固定的に移動することによって生成される密封力の代わりに、柔軟な圧縮要素によって、アンプルが閉位置に近づくにつれて上昇する下向きの力が加えられてもよい。非限定的な例として、これは、傾斜部がアンプルの閉位置に到達したときに出会うカンチレバー(リーフ)スプリングを含む、柔軟なゴム状材料または金属またはプラスチックのスプリングと交差する傾斜部であり得る。
【0138】
[00162] Oリングに加えられる圧縮力は、大きい必要はないが、コンプライアントOリングが装置表面の表面粗さに対してシールするのに十分である。特定の実施形態では、より柔軟な材料は、シールするためにより少ない圧縮力を必要とするであろう。同様に、Oリングは、アンプルの滑り摩擦を低減するために、テフロンコーティングまたはテフロンでカプセル化された材料などの滑りやすい材料から作成され得る。同様に、シールは、表面のリップシールによって行うことができる。
【0139】
[00163]
図21A〜
図21Cは、「閉」位置にあるときにアンプルを押し下げてOリングを圧縮するアンプルリップの傾斜部構造を示す例示的な実施形態を示す。図示のように、傾斜部のサイズは非常に誇張されていることに注意されたい。一実施形態では、傾斜部は、約0.1から0.2mmの高さとすることができる。
図21Aは、装置の本体の一部であるトラックに係合しているリップを有するアンプルを示す端面図を示す。
図21Bは、アンプルが閉位置から開位置にどのように移動するかを示している。マウスピースとユーザーが右側にある。
図21Cは、アパーチャプレートシールに力を加えるためにリップ上に傾斜部を有するトラックにあるアンプルの側面図を示し、閉位置および開位置を示している。
【0140】
[00164] 他の実施形態では、アパーチャプレートの表面は、マウスピースカバーによって保護されてもよい。例えば、
図21Dに示されるように、マウスピースカバー2100は、カバーが閉じられたときにアパーチャプレート2104の表面に対して結合シールを形成するように特定のサイズおよび形状であるアパーチャプレートプラグ2102を含み得る。特定の実施形態では、アパーチャプレートプラグ2102は、プラグがアパーチャプレートの表面に直接圧力をかけることなく、アパーチャプレートの周りのハウジングの表面に対してシールを形成するように、段付き形状を有し得る。
【0141】
[00165] 特定の実施形態では、本明細書に示されるように、貯蔵部/カートリッジモジュールは、噴出器機構機能、薬液識別、および患者投薬間隔に関する情報などの主要パラメータを含む、ハウジング電子機器によって読み取られる情報を所持することができる構成要素を含み得る。一部の情報は工場でモジュールに追加され、一部は薬局で追加される。特定の実施形態では、工場によって置かれた情報は、薬局による変更から保護されてもよい。モジュール情報は、モジュールジオメトリにエンコードされた印刷バーコードまたは物理バーコード(ハウジングのセンサーによって読み取られるフランジの光透過穴など)として所持し得る。情報は、ハウジング内の電子機器と通信するモジュール上のプログラム可能またはプログラム不可能なマイクロチップによっても所持され得る。
【0142】
[00166] 例として、工場または薬局でのモジュールプログラミングは、装置によって読み取られ、Bluetooth(登録商標)を介して関連するユーザーのスマートフォンに通信され、ユーザーにとって正しいものとして検証され得る薬液コードを含み得る。ユーザーが誤った、ジェネリック、破損したなどのモジュールを装置に挿入した場合、スマートフォンは装置の操作をロックアウトするように促してもよい。これにより、受動吸入器では不可能なユーザーの安全性とセキュリティの方法を提供することができる。他の実施形態では、装置の電子機器は、限られた期間(おそらく1日、または数週間、または数ヶ月)に使用を制限して、装置のハウジング内の薬物の老化または汚染または粒子の蓄積に関する問題を回避することができる。
【0143】
[00167] インライン液滴送達装置は、本明細書で説明されるように、装置のアクティブ化、スプレー検証、患者の順守、診断メカニズムを容易にするために、またはデータストレージ、ビッグデータ分析のための大規模ネットワークの一部として、および相互作用して相互接続された対象者のケアおよび治療のために使用される装置のために、さまざまなセンサーおよび検出器をさらに含むことができる。さらに、ハウジングは、その表面にLEDアセンブリを含み、例えば、オン/レディ、エラーなどの様々なステータス通知を示してもよい。
【0144】
[00168] 噴出された液滴のプルームが対象の気道に吸入される際に通って出る液滴送達装置のハウジングの空気流出口は、限定されないが、円形、楕円形、長方形、六角形、または他の形状を有することができ、チューブの長さの形状は、やはり限定されないが、直線、曲線、またはベンチュリ型の形状を有することができる。
【0145】
[00169] 別の実施形態(図示せず)では、層流要素の空気入口側に、又は気流内のハウジング116の内部に、ミニファン又は遠心送風機が配置されてもよい。ミニファンは、概して、プルームの出力に追加の空気流および圧力を提供し得る。肺の出力が低い患者の場合、この追加のプルームは、液滴の放出流が装置を通って対象者の気道に確実に押し込まれるようにすることができる。特定の実施形態では、この追加の気流源は、液滴をプルーム出口ポートからきれいに掃除することを保証し、液滴プルームを気流に広げて粒子間の分離を大きくする機構を提供する。ミニファンによって提供される空気流は、キャリアガスとしても作用し、適切な薬の希釈および送達を保証する。
【0146】
[00170] 他の実施形態では、インライン液滴送達装置の内部圧力抵抗は、空気口のグリッドまたは開口の様々な構成を含むマウスピースチューブの設計を変更することによって個々のユーザーまたはユーザーグループにカスタマイズされ、使用者が吸入するときに装置を通る空気流の抵抗が増加し、又は低下する。例えば、異なる空気進入口の大きさ及び数を使用して、異なる抵抗値を達成し、それにより異なる内部装置圧力値を達成してもよい。この特徴は、粒子送達装置の気道抵抗を個々の患者の健康状態または状態に容易かつ迅速に適応させ、カスタマイズするための機構を提供できる。
【0147】
[00171] 本開示の別の態様では、特定の実施形態では、インライン液滴送達装置は様々な自動化、監視、および診断機能を提供する。一例として、上述のように、装置作動は、自動的な対象者呼吸作動によって提供されてもよい。さらに、特定の実施形態では、装置は、装置が適切な粒子生成を生成し、対象者への適切な投薬に提供されることを確実にするために自動スプレー検証を提供してもよい。これに関して、粒子送達装置は、そのような機能を容易にするために1つまたは複数のセンサーを備えてもよい。
【0148】
[00172] 例えば、マウスピースに配置された気流センサーは、マウスピースの内外を流れる吸気および呼気の流量を測定し得る。このセンサーは、薬物送達を妨げない、又は残留物の貯まり場、細菌の増殖、若しくは汚染を促進する場所とならないように配置される。流量制限部(例えば、空気入口流れ要素)の下流にある差圧(またはゲージ圧)センサーは、マウスピースの内部と外部空気圧との圧力差に基づいて空気流を測定する。吸入(吸気流)の間、マウスピースの圧力は周囲圧力よりも低くなり、呼気(吐気流)の間、マウスピースの圧力は周囲の圧力よりも大きくなる。吸気サイクル中の圧力差の大きさは、送達チューブの空気入口端部における気流および気道抵抗の大きさの尺度である。
【0149】
[00173] また、液滴送達装置をスマートフォンまたは他の同様のスマートデバイス(図示せず)にリンクするために、Bluetooth(登録商標)通信モジュールまたは同様の無線通信モジュールが設けられてもよい。Bluetooth(登録商標)接続は、装置の使用に関する患者の教練を提供して容易にすることができる様々なソフトウェアまたはアプリケーションの実装を容易にする。効果的な吸入薬治療への大きな障害は、規定のエアロゾル療法への患者の抵抗、又は吸入器装置の使用における誤りであった。スマートフォン画面に患者の吸気サイクル(流量対時間)および総体積のプロットをリアルタイムで表示することにより、患者は、事前に決められて医師のオフィスでの教練過程においてスマートフォンに記録した総吸気量の目標に達するように挑戦するであろう。ブルートゥース(登録商標)接続は、患者のケアに使用される可能性のあるコンプライアンス情報や診断データの保存と達成手段(スマートフォンやクラウドなどの大規模なデータ貯蔵ネットワーク上)を提供することで、規定の薬物療法への患者の能動的な参加を容易にして服薬遵守を促進する。
【0150】
[00174] より具体的には、特定の実施形態では、液滴送達装置は、LEDおよび光検出器機構を介して自動噴霧検証を提供し得る。例えば、液滴のプルームを検出し、それによってスプレーの検出および検証に使用することができる赤外線送信機(例えば、IR LED、または280nm未満のUV LED)126、及び赤外線またはUV(280nm未満のカットオフを有するUV)光検出器が、装置の液滴噴出側に沿って取り付けられてもよい。 IRまたはUV信号は、エアロゾルプルームと相互作用し、液滴のプルームが放出されたことを確認するため、ならびに対応する放出された薬剤の投薬量の尺度を提供するために使用することができる。例としては、限定するものではないが、スペクトルの太陽ブラインド領域におけるエアロゾルプルーム検証のため、8、10、及び12度の狭い視野角を有する赤外線850nmエミッター(MTE2087シリーズ)またはGaN光検出器を有する275nmUV LEDが挙げられる。あるいは、用途によっては、280nm以下のLED(例えば、260nmのLED)が、スペーサチューブ128の消毒に使用されてもよい。
【0151】
[00175] 一例として、放出流中の薬剤の濃度は、ベールの法則式(吸光度=eLc)に従って作成することができる。ここで、eは、モル吸光係数(またはモル減光係数)であって特定の化合物または配合物に関連する定数であり、Lは、LEDエミッターと光検出器との間の経路長または距離であり、cは、溶液の濃度である。この実施態様は、薬物濃度の尺度を提供し、検証および患者の服薬遵守を監視するため、ならびに薬物の有効な送達を検出するための手段および方法に使用され得る。
【0152】
[00176] 別の実施形態では、液滴が異なる吸入流量で可変的に希釈されていない領域において、スプレーを横切る850nM〜950nMの光の透過を測定することにより、スプレー検証および投薬検証が監視され得る。検出器からの平均信号と交互信号を測定して、光路(平均信号)を校正および確認し、スプレー(交互信号)を検出する。実際には、交互信号は、検出器とアナログコンバーターとの間の100Hzローパスフィルターによって測定することができ、信号を1秒あたり100〜500回サンプリングし、100mS期間の平均と範囲(最大値と最小値の差)を計算し、そしてこれらの値をプリセット値と比較して、適切な動作とスプレーの有無を確認する。
【0153】
[00177] この方法には、以下の優れた利点がある。つまり、低電力消費(エミッターに対して1mA未満)、迷光の影響を受けない(検出器の可視光ブロック)、100Hzローパスフィルターによりデジタルノイズまたは100kHzピエゾドライブに対する比較的な耐性がある、平均信号レベルを使用して、光路を調整し、LEDまたは検出器への薬物沈着によって引き起こされる減衰を調整できる、および、ロバストに測定される正の信号を有するシンプルなハードウェア、という利点がある。
【0154】
[00178] また、このシステムでは、平均信号レベルが低下した場合にエミッターへの電力を増加させることにより、光信号強度を簡単に調整することができる。実際には、これは、エミッター電流のパルス幅変調を使用して平均エミッター電力を調整することを意味する。パルスは100kHzなどの高レートである必要があり、このノイズは100Hzローパスフィルターで除去することができる。公称動作では、10mAの10%デューティサイクルを使用して、1mAの平均電流を達成できる。このシステムは、平均電流を10mAに増加させ、薬物沈着による減衰を最大10倍まで補正する能力を備えている。
【0155】
[00179] ±20度の角度を有して10mm離間された950nMのエミッターおよび検出器での動作において、0.5mAエミッターパワー、10Kコレクター抵抗、100Hzローパスフィルターの場合、平均信号出力は2ボルトで、交流成分のピークツーピーク値はスプレーなしで4mV、スプレー中で40mVである。制限されることを意図するものではなく、実際には、バルク減衰により大きなシフトが発生するため、スプレーの開始時と終了時に一時的に大きなピークツーピーク値が存在し得る。ここでの抵抗のサイズは、エミッターの連続動作に対してであり、PWMではない。
【0156】
[00180] 本開示の別の態様では、液滴送達装置は、呼吸補助気流への治療用薬剤のインライン投薬を提供するために、人工呼吸器または携帯型持続気道陽圧(CPAP)機などの呼吸補助装置と関連してまたは一体化して使用され得る。
【0157】
[00181] 例えば、気管内(ET)チューブを有する人工呼吸器は、意識不明の患者の肺へ分泌物が侵入するのを阻止するため、及び/又は患者の呼吸のために使用される。ETチューブは、膨らませることができるバルーンで喉頭のすぐ下の気管の内側を封止する。しかしながら、人工呼吸器の使用に起因する一般的な望ましくない副作用には、人工呼吸器を48時間以上使用している患者の約1/3に発生する人工呼吸器補助肺炎(VAP)がある。結果として、VAPは高い罹患率(20%から30%)および健康管理システム費用の増加と関連する。(Fernando, et al., Nebulized antibiotics for ventilation-associated pneumonia: a systematic review and meta-analysis. Critical Care 19:150 2015)
【0158】
[00182] 肺経路を介したトブラマイシン投薬は、一般に、VAPを治療するための静脈内投薬よりも優れていると考えられており、噴霧器が、典型的には、連続的な液滴のプルームを人工呼吸器気流中に生成することによって抗生物質を送達するために使用される。経口または静脈内投薬抗生物質に対する吸入の主な利点は、高濃度の抗生物質を直接肺に送達することができることである。しかしながら、噴霧器ミストの連続的な発生は、吸入サイクルと呼気サイクルとの間で確認することができない不正確な投薬を提供する。
【0159】
[00183] したがって、本開示の実施形態が提供され、インライン液滴送達装置が、人工呼吸器(例えば、GE Carescape R860)と直列に配置されている。インライン液滴送達装置は、トブラマイシンなどの治療薬を含む、本明細書に記載の液滴プルームを生成し、当該液滴プルームは気管内チューブの患者側端部近くの人工呼吸器気流に入る。こうした実施形態では、人工呼吸器は、吸入空気プルームを供給し、患者に近い単一気管内チューブに合流する別のチューブ内の呼気空気流を除去して吸入と呼気とデッドボリュームの混合を最小化する。インライン液滴送達装置は、チューブの側壁に付着し得る液滴の損失を最小限に抑えるために、気管内チューブの患者側端部の近くに配置してもよい。気管内チューブの患者側端部は、患者の喉に配置され、チューブの端部近くのバルーンで定位置に保持される。
【0160】
[00184] インライン液滴送達装置の作動は吸入サイクルの開始時に開始される。インライン液滴送達装置は、電池式の自己起動式であってもよいし、呼気作動式であってもよいし、又は人工呼吸器の一部である電子機器に接続されてもよい。システムは、投薬頻度および持続時間が人工呼吸器または装置のいずれかにおいて設定され得るように構成され得る。同様に、プルーム生成のタイミングおよび期間は、装置によって決定され得るか、または人工呼吸器によって開始され得る。例えば、装置は、連続した10回の呼吸毎に1回、または大体1分に1回、0.5秒の間投薬するようにプログラムされてもよい。インライン薬液送達装置は、独立した方法で動作してもよく、または直接的な電気的接続によって、またはBluetoothもしくは同様の無線プロトコルを介して投薬のタイミングを人工呼吸器に伝達してもよい。
【0161】
[00185] 本開示の別の態様は、例えば夜間の連続的または定期的投薬が有益である場合に、治療薬を送達するために従来の携帯用CPAP装置と共に使用されてもよいシステムを提供する。別の実施形態では、本開示のインライン液滴送達装置は、多くの場合、携帯型CPAP装置と関連して使用されて、睡眠中の心臓事象を予防および治療する。
【0162】
[00186] 一般的に、CPAP装置は、睡眠中に患者に陽圧を供給するためにマスクを使用する。 CPAP装置と組み合わせた液滴送達装置の適用は、肺炎、心房細動、心筋梗塞、または継続的または定期的に夜間に薬を投薬することが望ましい疾患、状態、もしくは障害などの疾患、状態、又は障害の外来治療のため、抗生物質や心臓用薬などの治療薬の連続投薬において効率的な方法を提供し得る。
【0163】
[00187] 睡眠時無呼吸(SA)においては、呼吸していない期間およびそれに伴う血中酸素レベルの低下がある。当然のことながら、心不全または「心臓発作」は睡眠時無呼吸に関連する。この関連は、低酸素レベルに関連する心臓へのストレスと、身体が心臓からの血圧および心拍出量の増加を必要とするときの心臓へのストレスの増加の両方に起因すると考えられている。さらに、高齢者や太りすぎの成人では睡眠時無呼吸のリスクが高くなる。したがって、SAを有する人は、SAが心臓にストレスを与え、SAに関連する危険因子が心臓発作の危険因子と非常に類似しているので、一般集団よりも心臓発作のリスクが高い。
【0164】
[00188] 2016年のJournal of New Englandは、睡眠時無呼吸の2700人の男性に対するCPAPの効果の4年間の研究を発表し、CAPAがいびきと昼間の眠気を有意に減少させ、健康に関連した生活の質と気分を改善することを示した。(R. Doug McEvoy, et al. CPAP for Prevention of Cardiovascular Events in Obstructive Sleep Apnea, N. ENGL. J. MED. 375;10 nejm.org 2016年9月8日)。しかしながら、CPAPの使用は心臓事象の数を有意に減少させなかった。この記事は、「閉塞性睡眠時無呼吸は心血管疾患患者の間で一般的な状態であり、そのような患者の40から60%が罹患している」と述べた。
【0165】
[00189] これらの心臓事象の多くは、適切な薬物の投薬によって少なくすることができる。例えば、メトプロロールのようなベータ遮断薬は、そのような症状の死を防ぐのに十分な程度まで心房細動および心筋梗塞の影響を減らすことができる。
【0166】
[00190] 本開示の特定の態様では、CPAP装置を使用して心臓事象の存在を感知し、肺内送達を介して改善薬を投薬することによって、人々の集団における有害な心臓事象を軽減する要求に対処している。具体的には、心臓事象は、心臓状態を検出および評価するための従来から利用可能な手段によって検出することができる。これらには、心拍数モニタ(胸部のゴムバンドで固定された電気センサー、耳たぶ、指、又は手首の光学モニタなど)、自動血圧計カフ、又は指もしくは耳の血中酸素飽和度モニタなどが含まれる。モニタが悪条件を検出すると、特定の用量の適切な薬物がCPAPチューブまたはマスクを介して本開示の粒子送達装置によって投薬され、薬物が吸入され、肺への深層吸入によって血液プルームに運ばれる。肺投薬は、5ミクロン未満のサイズの液滴の生成、及び吸入サイクルの開始時における液滴の送達の両方によって最適化される。
【0167】
[00191] 例えば、本開示の液滴送達装置は、睡眠中の心臓事象を補助するためのCPAP装置を有してもよい。本明細書に記載された本開示の特定の態様では、患者は睡眠中にCPAPマスクを適所につけてCAPA装置を使用することができ、加圧空気がCPAP装置によってマスクに送られる。心臓の状態は、指、つま先、耳たぶ、又は手首での心拍の光学的測定によって監視される。液滴送達装置は、CPAP装置とCPAPマスクとの間でチューブに沿って配置されてもよく、あるいは代替としてCPAPマスクの空気流入口に配置されてもよい。呼吸は、CPAP装置からCPAPマスクまでのチューブ内の気流測定によって監視される。気流速度および方向は、わずかな量の気流制限を加えるスクリーンの両側の圧力を測定することによって測定することができる。典型的には、吸気時に流量が増加する連続的な正の空気流が生じる。制御器は、心房細動の増加などの異常な心臓状態を検出し、CPAP供給チューブ内の気流によって検出されるように吸入サイクルの開始時に抗不整脈薬の液滴の放出を開始する。情報は患者のスマートフォンに記録され格納されてもよく、必要であれば、心臓事象が検出された(例えば、Bloutooth(登録商標)又は他の無線通信手段を介して送信された)場合、様々な警報が鳴らされてもよい。さらに、患者の状態および薬の調剤はスマートフォンのアプリを介して監視され、患者及び医療提供者に患者の状態の正確な記録が提供されてもよい。
【0168】
[00192] 睡眠時無呼吸、人工呼吸器の使用、またはCPAP装置に一般的に関連する他の疾患もまた、患者の状態を非侵襲的に監視し、本開示の粒子送達装置を介した適切な改善薬の肺投薬を提供するシステムから利益を受け得る。例えば、糖尿病患者は、わずかなインスリン過剰摂取による低血糖が意識喪失につながることをしばしば懸念している。この場合、異常に低い心拍数、呼吸、又は血圧が検出され、糖またはインスリンが液滴を介して肺系に投薬され得る。
【0169】
[00193] 限定することなく、以下は、本開示のインライン液滴送達装置の例示的な動作パラメータである。
1.マウスピースカバーが開かれたときに装置はオンになる。
a)左の緑色のLEDが常にオンになり、装置がオンでエラー状態でない間は点滅しない。エラー状態の場合、LEDが異なってもよい(5−9セクション後参照)。
b)キャップが閉じられたときに装置はオフになる(ライト及びすべての作動)。
【0170】
2.呼吸作動:
a)マウスピースが開かれてから装置は1/4秒後に呼吸作動する準備ができていなければならない。
b)音声中に圧力センサーが読み取られ、音声中に分注を始めることができる。
c)分注が始まると、3つの緑色のLEDがオンになる。分注完了後の1秒後にチャイムが鳴り、3つの緑色のLEDが9秒間点滅する。
d)分注完了して10秒後に「キャップを占めてください」と始まる。
e)1回目の分注が完了した後、および圧力が非常に低いレベルに低下した(最初の吸入が終了した)後、1秒(またはそれ以上)経つと、2回目の呼吸作動が可能になる。ユーザーは、1回目の分注が完了した後にキャップボタン(またはキャップを閉じてから開く)を押して装置をリセットし、2回目の呼吸作動分注を行うこともできる。
f)装置は8分ごとに「ウェイクアップ」し、カートリッジが所定の位置にあり、キャップが閉じていることを確認する。ユーザーは、装置がキャップをチェックするために起動したことを知らない。
g)キャップが開くたびに4回の分注が許可される(子供の安全)。
【0171】
3.投薬カウンター:
a)新しいカートリッジが接続されると200にリセットされる。
b)分注が完了すると、そのカートリッジのカウンターが増加する。
c)装置がオンのとき、投薬カウンターLEDが点灯する。投薬カウンターが16投薬未満のときに青色LEDが点滅する。
d)室内テストのために投薬カウンターをリセットする方法が必要とされる(今回はリセット抵抗付きのカートリッジである)。
【0172】
4.音声:
a)キャップを開いてから約0.25秒後に「完全に息を吐いて、深く吸入してください」という声が始まる。
b)分注が行われてから1秒後にチャイムが鳴り、「息を止めてください。6、5、4、3、2、1」と表示される。1秒後に「キャップを閉じてください」
c)音量調節ボタンは、装置の電源がオンのときにいつでも調整できる。
d)音声レベルはメモリに保持される。
e)新しいカートリッジが接続されると、音声レベルが高に設定される。
f)エラーメッセージの音声は常に最大音量になる。
【0173】
5.装置はオンのままである。
a)「息を止める」の最後の部分の後、装置が5秒以上オンのままになっている場合、装置は「オフ」の状態になり、キャップが閉じられてオフになるまでその状態を維持する。
b)「オフ」の状態では、装置は3つの赤色LEDを点滅させ、3回の激しいブザーを鳴らし、「キャップを閉じてください」(最大音量)という音声が流れる。3回のブザーと音声パターンが3回繰り返され、装置がオフになる。このパターンは8分ごとに3サイクル実行される。その後、パターンは1時間ごとに実行される。
【0174】
6.カートリッジなし:
a)装置の電源が入っており、カートリッジが1秒以内に検出されない場合(カートリッジがないか、接続が正しくないため)、装置は赤色LED(中央)を点滅させる。ブザーと音声で「カートリッジがありません」と報知する。シーケンスが3回繰り返され、音声の終わりと次のブザーとの間に3秒の休止がある。その後、装置は、キャップが開かれるまでオフになり、カートリッジがまだない場合は「カートリッジなし」と表示される。
【0175】
7.カートリッジが空:
a)カートリッジに残っている投薬量が16以下の場合、装置がオンになると、左側のLEDが黄色になる。放出後、3つの黄色LEDが点灯し、16回、8回、6回、又は4回の投薬が残っている場合、音声は「5、4、3、2、1」の後に「まもなくカートリッジを交換してください」と報知する。投薬回数が2回以下の場合、「カートリッジを交換してください」と報知する。
b)カートリッジに残っている投薬量がゼロの場合、装置がオンのとき、すべてのLEDが赤色になる。「カートリッジが空です」と言う音声が鳴る。
c)新しいカートリッジが挿入されるとカウンターはリセットされる。
d)カートリッジカウンターが0の場合、10回の「救助」投薬が利用できる。装置は「救助」投薬で正常に動作する。
【0176】
8.バッテリー低下:
a)分注中のバッテリー電圧が3.1ボルトを下回ると、「バッテリー低下」のフラグが設定される。フラグはメモリに位置する。
b)分注終了の0.1秒前にバッテリー電圧が2.9ボルトを下回ると、「バッテリー不良」のフラグが設定される。
c)「バッテリー低下」フラグは、装置の電源が入っているときにバッテリーの電圧が4.5ボルト以上になるとリセットされる。「バッテリー不良」フラグは、装置の電源をオンにしたときに4.0ボルトを超えるバッテリー電圧が検出されるとリセットされる。
d)「バッテリー低下」フラグがオンの場合、装置は黄色のバッテリーLEDを点滅させ、オンにすると「バッテリーを交換してください」という音声が流れる。「バッテリー低下」フラグの間は、装置は分注を行う。
e)「バッテリー不良」フラグがオンの場合、装置は赤色のバッテリーLEDを点滅させ、「使用前にバッテリーを交換してください」と表示する。装置は3つすべてのLEDを点滅させ、「バッテリー不良」状態の間は分注を行わない。
【0177】
9.蒸発/カートリッジの有効期限:
a)カートリッジが装置によって最初に検出されてからカートリッジが装置上にない合計時間と、カートリッジが装置に接続されている間にキャップが閉じられていない合計時間とによって、カートリッジが蒸発している累積時間が測定される。
b)カートリッジの蒸発時間が75時間を超えると、カートリッジの投薬カウンターが0に設定され、すべてのLEDが赤く点灯する。「カートリッジを交換してください」と音声が報知する。投薬カウンターが0に設定されている場合、10回の救助投薬が許可される。
c)IDチップを備えたカートリッジには、総蒸発時間と分注された総薬液とが保存される。
【0178】
10.スマートフォンとの通信:
a)スマートフォンの通信は、装置の電源が入っている場合にのみ開始できる。機器の電源が切れるとき、および現在の通信が完了したときに、通信が終了する。分注中に通信は行われない。
【0179】
[00194] 投薬均一性試験:
[00195] 本開示で
図4Aおよび
図4Bに示されるように、本開示のインライン液滴送達装置の送達された薬液の均一性を比較するために試験を行った。
【0180】
[00196] 送達用量均一性(DDU)試験を実施して、MDIのマウスピースから放出された薬物の量を測定し、それを特定の目標送達用量(TDD)と比較した。
【0181】
[00197] 試験は、USP(米国薬局方)ユニットスプレー<601>サンプリング装置に記載されているような装置で行われた。試験は、試験中の空気流量と合計空気量(装置から吸引)の最適化された条件の下で実行された。収集量は、28.3SLPMの一定流量で2Lを超えないように設定された。総空気量は、28.3SLPMの一定流量で3秒間作動する装置に基づいて、1.42Lと定めた。
【0182】
[00198] 試験は以下のように行われた:
[00199] USP <601>は、送達された投薬量の均一性を試験するために、28.3リットル/分(LPM)の空気流量を推奨する。真空ポンプが作動している状態で、流量制御バルブを調整して空気の流れを28.3SLPMに設定し、タイマーを3秒に設定した。
【0183】
[00200] 装置をモデルXS204メトラー・トレドスケールに置き、秤量した。装置をサンプリング装置に配置した。ボタンを押してソレノイドを作動させた。28.3SLPMの気流がマウスピースを3秒間通過した。投薬が完全に排出されることを保証するには、3秒の期間で十分であった。次に、装置をマウスピースアダプターから取り外し、重量を測定した。重量の差は、装置から送達された投薬量を表す。
【0184】
[00201] 10個の個別の薬液カートリッジのスプレー内容均一性試験の要約を表3に提供する。この試験は、適切な数(n=10)の容器に対するラベル表示と一致するスプレー当たりの薬液の均一性を実証するように設計されている。この試験の主な目的は、同じ容器内および複数の容器間でスプレー内容の均一性を保証することである。各カートリッジについて、最大レベルの薬液充填(3.0ml)と最小レベルの薬物充填(0.45ml)で試験を行った。薬液充填の最大レベルは、患者が使用していない新しいカートリッジを表す。薬液充填の最小レベルは、患者によって使用され、残りの10用量の投薬しか残っていないカートリッジを表す。薬液は1.5秒かけて投薬された。試験では、例示的な装置とコンビベントレスピマット(Combivent Respimat)で、硫酸アルブテロールを8.000μg/mlの濃度で使用した。
【0186】
[00202] いずれの分析も、装置に対するラベル表示の80から120パーセントの範囲外とならなかった。いずれの分析も、装置のラベル表示の75から125パーセントの範囲外とならなかった。最初(n=10の分析)および終了(n=10の分析)からの各カートリッジの平均は、装置のラベル表示の85から115パーセントの範囲内であった。すべての装置は、FDA/CDERおよびUSPの吸入器の要件を満たしていた。
【0187】
[00203] 本開示の例示的な装置のマウスピースから放出された薬物の量を測定するために送達用量均一性(DDU)試験を行い、特定の目標送達用量(TDD)と比較した。装置の目標用量は10.5μLであった。試験は、USPユニットスプレー<601>サンプリング装置に記載されているような装置で実行された。試験は、試験中の空気流量と合計空気量(装置から吸引)の最適化された条件の下で実行された。試験は、同じ容器内(薬液カートリッジの最初と最後)、複数の容器間(N=10)、および200回の投薬でスプレー含有量の均一性を示した。装置の200サンプルにわたる平均および中央値の送達投薬量は0.33%以内であった。FDA/CDERのすべての承認基準、「業界向けガイダンス:点鼻薬および吸入薬、懸濁液、およびスプレー製剤−化学、製造、および管理文書」およびUSP<601>「エアロゾル、点鼻薬、定量吸入器、およびドライパウダー吸入器」が満たされた。
【0188】
[00204] カスケードインパクタ(Cascade Impactor test)試験
[00205] 本開示の
図4Aおよび4Bに示されるように、本開示のインライン液滴送達装置を評価するために試験を行った。試験では、装置の総薬液質量出力率、エアロゾル粒子サイズ分布、総薬液呼吸可能質量、送達効率、再現性を評価した。エアロゾルの粒子サイズの特性評価のために、この試験では2つの8段階非生存型アンダーソンカスケードインパクタ(Anderson Cascade Impactor)を使用した。インパクタは、散布された硫酸アルブテロールエアロゾルの粒子サイズの特性評価のために、流量を監視して28.3L/分に制御した。各試験に続いて、インパクタ段階のサンプルが抽出され、溶媒で回収され、UV検出付きDionx Ultimate 3000 HPLC(Thermo Scientific社、カリフォルニア州サニーベール)を使用して医薬品有効成分(API)を分析した。
【0189】
[00206] 本開示の例示的な装置は、9.818μg/mlの濃度で硫酸アルブテロールを使用して評価され、これは8.817μg/mlのアルブテロールに相当する。装置は、各薬液カートリッジに対して3回の試行で試験された。比較装置は、3つのユニットで試験され、単体で試験された。最初の試験は、単一の作動内容を含み、本開示の装置の作動ごとの薬液送達を測定した。3つのカートリッジのそれぞれを30回試験し、結果をHPLCで分析した。カスケードインパクタの試験には、各カートリッジと比較装置の計3回の試験が含まれ、合計12回の試験を行った。試験の前にカスケードインパクタを4℃に冷却し、サンプルを抽出する前に、装置を4℃冷却環境でカスケードインパクタに作動させた。
【0190】
[00207] 研究は、本開示の例示的な装置を使用して、エアロゾル特性および硫酸アルブテロールの送達用量を評価した。単一の作動内容のテストでは、3つのカートリッジをそれぞれ合計30回、単一の作動装置に試験した。これは、作動ごとに薬液送達を収集する47mmフィルター付きの真空管で構成される。次に、フィルターをHPLCで分析して、総薬液含有量を測定した。カスケードインパクタ試験では、合計3つのカートリッジと1つの試験装置を3回繰り返して試験し、濃度9.818μg/mlの硫酸アルブテロールを含む0.600mlの硫酸アルブテロールアンプルを各カートリッジに追加して試験した。
【0191】
[00208] 試験エアロゾルの粒子サイズ分布および呼吸可能な質量を測定するために、吸入器試験サンプルは、各試験の全体にわたって一定の28.3lpmでアンダーソンカスケードインパクタ(ACI)サンプリングを使用して収集された。アンダーソンカスケードインパクタは、試験エアロゾルの粗粒子質量、粗粒子割合、呼吸可能粒子質量、呼吸可能粒子割合、微粒子質量、および微粒子割合を測定するために使用できるFDA承認の装置である。ACIデータは、エアロゾルサイズ分布の質量中央空気力学的直径(MMAD)および幾何標準偏差(GSD)を計算するためにも使用され得る。試験は、1つの呼吸器系薬剤である硫酸アルブテロール(ベータ−アゴニスト気管支拡張薬)を9.818μg/mlの濃度で使用して行った。
【0192】
[00209] 11,880μg/mlの硫酸アルブテロール溶液に調整された本開示のインライン液滴送達装置および比較装置(レスピマット)の口、咽喉、粗粒分、呼吸可能、及び細粒分の用量(平均±SD)が
図22に示されている。
【0193】
[00210] 本明細書で引用されるすべての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0194】
[00211] 本発明を例示的な実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行ってもよく、その要素を同等物で置き換えてもよいことが当業者には理解されよう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。