特表2020-536773(P2020-536773A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

特表2020-536773準静的および動的耐衝撃性を有する表示モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-536773(P2020-536773A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】準静的および動的耐衝撃性を有する表示モジュール
(51)【国際特許分類】
   B32B 17/10 20060101AFI20201120BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20201120BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20201120BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   B32B17/10
   C03C27/12 Z
   C03C27/12 Q
   G06F3/041 460
   G09F9/00 302
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2020-520600(P2020-520600)
(86)(22)【出願日】2018年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月9日
(86)【国際出願番号】US2018055030
(87)【国際公開番号】WO2019074935
(87)【国際公開日】20190418
(31)【優先権主張番号】62/571,017
(32)【優先日】2017年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バビー,シン
(72)【発明者】
【氏名】グロス,ティモシー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カラウシュ,ユスフ カイエド
(72)【発明者】
【氏名】ゾービ,サム サマー
【テーマコード(参考)】
4F100
4G061
5G435
【Fターム(参考)】
4F100AA03B
4F100AA03E
4F100AG00A
4F100AG00C
4F100AG00D
4F100AK01B
4F100AK01E
4F100AK09B
4F100AK09E
4F100AK12B
4F100AK12E
4F100AK12J
4F100AK23B
4F100AK23E
4F100AK25B
4F100AK25E
4F100AK51B
4F100AK51E
4F100AK53B
4F100AK53E
4F100AK68B
4F100AK68E
4F100BA03A
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100CB00B
4F100CB00E
4F100CB05B
4F100CB05E
4F100DJ01B
4F100DJ01E
4F100GB48
4F100JK07A
4F100JK07B
4F100JK07C
4F100JK07D
4F100JK10
4F100JK17
4F100JN01B
4F100YY00
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
4F100YY00E
4G061AA01
4G061AA25
4G061BA03
4G061CB04
4G061CB16
4G061CB19
4G061CB20
4G061CD02
4G061CD18
5G435AA07
5G435HH05
(57)【要約】
表示モジュールは、約25μmから約200μmの厚さ、約20GPaから約140GPaの弾性率、並びに、第1および第2の主面を含むカバー要素と、(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部とを含み、基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものである。更に、表示モジュールは、準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の前記第2の主面で約3700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
前記基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、
前記第1の接着剤は、前記積層部を前記カバー要素の前記第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
前記表示モジュールは、
準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性、または、
ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性
の1つ以上を有するものである表示モジュール。
【請求項2】
前記表示モジュールは、準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約3200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、前記第1の接着剤は、更に、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素は、更に、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、請求項1または2に記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記積層部は、
(c)約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaの中間層弾性率を有し、更に、ガラス組成を有する構成要素を含む中間層と、
(d)前記中間層を前記基材に接合する第2の接着剤であって、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから約50μmの厚さを有する第2の接着剤と
を更に含むものであり、
前記表示モジュールは、準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約4200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、
前記第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素および前記中間層は、更に、各々、約75μmから約150μmの厚さを有するものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記第1および第2の接着剤は、各々、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、請求項4に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記表示モジュールは、ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約11000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、
前記第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素および前記中間層は、更に、各々、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、請求項4または5に記載の表示モジュール。
【請求項7】
ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約9000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである、
、請求項1から6のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【請求項8】
前記準静的押込み試験中に測定された約750N/mm以上の剛性を更に有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示モジュール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2017年10月11日出願の米国仮特許出願第62/571、017号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、可撓性表示モジュールおよび物品に関し、特に、ガラス含有カバーを含む可撓性表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
従来は剛性である製品および構成要素を、新たな利用例のために可撓性にすることが考えられている。例えば、可撓性電子装置は、薄く軽量で可撓性である特性を提供して、湾曲した表示装置およびウェアラブル装置を含む新たな利用例で用いる機会を提供しうる。これらの可撓性電子装置の多くは、これらの装置の電子部品を保持搭載する可撓性基板を組み込んだものである。金属膜は、熱安定性および耐化学性を含むいくつかの利点を有するが、コストが高く、光学透明性が不足するという欠点を有する。ポリマー膜は、低コストおよび耐衝撃性を含む、いくつかの利点を有するが、光学透明性が不十分で、熱安定性が不十分で、更に、気密性および繰返し疲労性能が限られる。
【0004】
これらの電子装置のいくつかは、可撓性表示部も用いうる。可撓性表示部での利用で、光学透明性および熱安定性は、望ましい特性であることが多い。更に、可撓性表示部、特に、タッチスクリーン機能を有するか、および/または、折り畳み可能な可撓性表示部は、小さい曲率半径における耐破損性を含む高い耐疲労性および耐穿刺性を有するべきである。更に、可撓性表示部は、表示部の意図した利用例に応じて、消費者が容易に曲げたり、折り畳んだりできるべきである。
【0005】
いくつかの可撓性のガラスおよびガラス含有材料は、可撓性で折り畳み可能な基板および表示部での利用に、多数の望ましい特性を提供する。しかしながら、これまで、これらの利用例でガラス材料を利用するように取り組んできたが、困難であった。概して、ガラス基板は、非常に薄い厚さレベル(<25μm)で製作されて、更に小さい曲率半径を実現しうる。これらの「薄い」ガラス基板には、耐穿刺性が限られるという問題がある。一方、ガラス基板を厚くすることで(>150μm)、耐穿刺性を高めたガラス基板を製作しうるが、このような基板は、適切な耐疲労性、および、曲げられた時の機械的信頼性が不十分となる。
【0006】
更に、これらの可撓性ガラス材料を、電子部品(例えば、薄膜トランジスタ(「TFT」)、タッチセンサなど)、更なる層(例えば、ポリマー電子素子パネル)、および、接着剤(例えば、エポキシ、光学的に透明な接着剤(「OCA」)も含むモジュールのカバー要素として用いると、これらの様々な部品および素子間の相互作用により、最終製品、例えば、電子表示装置内でモジュールを使用する間に存在する複雑な応力状態が高まりうる。このような複雑な応力状態は、カバー要素が経験する応力レベル、および/または、応力集中要因を増加させうる。したがって、これらのカバー要素は、モジュール内の結合および/または層間剥離破損モードの影響を受け易いことがありうる。更に、このような複雑な相互作用により、消費者がカバー要素を曲げたり、折り畳んだりするのに必要な曲げる力が高まりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、様々な電子装置での利用、特に、可撓性電子表示装置での利用、更に、折り畳み可能な表示装置での利用に、可撓性のガラス含有材料、および、これらの材料を用いたモジュール設計が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様によれば、表示モジュールを提供し、それは、約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものである。更に、表示モジュールは、準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する。
【0009】
本開示の第2の態様によれば、表示モジュールを提供し、それは、約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、基板は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものである。更に、表示モジュールは、ペン落下試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素の第2の主面で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する。
【0010】
本開示の第3の態様によれば、表示モジュールを提供し、それは、約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものである。表示モジュールは、準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する。更に、表示モジュールは、準静的押込み試験中に測定された約750N/mm以上の剛性を有する。
【0011】
更なる特徴および利点を、以下の詳細な記載に示し、それは、部分的には、当業者にはその記載から容易に明らかであるか、または、次の詳細な記載、請求項、および、添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を行うことで分かるだろう。例えば、様々な特徴を、以下の実施形態により組み合わせうる。
【0012】
実施形態1 表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、
第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
表示モジュールは、準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである表示モジュール。
【0013】
実施形態2 準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約3200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する、実施形態1に記載の表示モジュール。
【0014】
実施形態3 第1の接着剤は、更に、約5μmから約25μmの厚さを有し、カバー要素は、更に、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態2に記載の表示モジュール。
【0015】
実施形態4 第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態1から3のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0016】
実施形態5 積層部は、
(c)約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaの中間層弾性率を有し、更に、ガラス組成を有する構成要素を含む中間層と、
(d)中間層を基材に接合する第2の接着剤であって、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから約50μmの厚さを有する第2の接着剤と
を更に含むものである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0017】
実施形態6 準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する、実施形態5に記載の表示モジュール。
【0018】
実施形態7 第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、カバー要素および中間層は、更に、各々、約75μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態6に記載の表示モジュール。
【0019】
実施形態8 第1および第2の接着剤は、各々、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態5から7のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0020】
実施形態9 表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、
第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
表示モジュールは、ペン落下試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素の第2の主面で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである表示モジュール。
【0021】
実施形態10 ペン落下試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素の第2の主面で約9000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである、実施形態9に記載の表示モジュール。
【0022】
実施形態11 第1の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、カバー要素は、更に、各々、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態10に記載の表示モジュール。
【0023】
実施形態12 第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態9から11のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0024】
実施形態13 積層部は、
(c)約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaの中間層弾性率を有し、更に、ガラス組成を有する構成要素を含む中間層と、
(d)中間層を基材に接合する第2の接着剤であって、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから約50μmの厚さを有する第2の接着剤と
を更に含むものである、実施形態9から12のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0025】
実施形態14 ペン落下試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素の第2の主面で約11000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである、実施形態13に記載の表示モジュール。
【0026】
実施形態15 第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、カバー要素および中間層は、更に、各々、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態14に記載の表示モジュール。
【0027】
実施形態16 第1および第2の接着剤は、各々、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態13から15のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0028】
実施形態17 表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、
第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
表示モジュールは、準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、
更に、準静的押込み試験中に測定された約750N/mm以上の剛性を有する表示モジュール。
【0029】
実施形態18 準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約3200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、
更に、準静的押込み試験中に測定された約1000N/mm以上の剛性を有する、実施形態17に記載の表示モジュール。
【0030】
実施形態19 第1の接着剤は、更に、約5μmから約25μmの厚さを有し、カバー要素は、更に、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態18に記載の表示モジュール。
【0031】
実施形態20
第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態19に記載の表示モジュール。
【0032】
実施形態21 表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
基材は、約100μmから1500μmの厚さを有するものであり、
第1の接着剤は、積層部をカバー要素の第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
更に、表示モジュールは、
準静的押込み試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性、
ペン落下試験におけるカバー要素への衝撃により、カバー要素の第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素の第2の主面で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性、および、
準静的押込み試験中に測定された約750N/mm以上の剛性
の少なくとも1つを有するものである表示モジュール。
【0033】
ここまでの概略的記載および次の詳細な記載の両方が、例示的なものにすぎず、請求項の本質および特徴を理解するための概観および枠組みをを提供することを意図すると、理解すべきである。添付の図面は、更なる理解のために提供されたものであり、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を示し、明細書の記載と共に、様々な実施形態の原理および動作を説明する役割を果たす。本明細書で用いるような方向を表す用語、例えば、上に、下に、右、左、前、後ろ、最上部、底部などは、図示した図面との関係で記載したものにすぎず、絶対的な向きを意味することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】本開示のいくつかの態様による3層表示モジュールの断面図である。
図1B】本開示のいくつかの態様による5層表示モジュールの断面図である
図2】本開示のいくつかの態様による準静的および動的耐衝撃性を測定するペン落下試験装置内の表示モジュールを示している。
図3A】本開示のいくつかの態様による表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力と、60Nのピーク荷重までのモデル化した準静的押込み試験でモジュールに加えられた荷重との関係を示すプロットである。
図3B】本開示のいくつかの態様による60Nのピーク荷重までのモデル化した準静的押込み試験を行った表示モジュールについて、荷重と変形との関係を示すプロットである。
図4図3Aに概略的に示した準静的押込み試験で試験したモジュールの一部について、ピーク破損荷重を示すプロットである。
図5A】本開示のいくつかの態様による表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力と、ペン落下高さが25cmであるペン落下試験でモデル化した衝撃位置からの距離との関係を示すプロットである。
図5B】本開示のいくつかの態様による表示モジュールのカバー要素の第1の主面での最大主応力と、ペン落下高さが25cmであるペン落下試験でモデル化した衝撃位置からの距離との関係を示すプロットである。
図6A】本開示のいくつかの態様による表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力と、ペン落下高さが25cmであるペン落下試験でモデル化した衝撃からの時間との関係を示すプロットである。
図6B】本開示のいくつかの態様による表示モジュールのカバー要素の第2の主面での変形と、ペン落下高さが25cmであるペン落下試験でモデル化した衝撃からの時間との関係を示すプロットである。
図7図3Aから6Bに示した表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力を、これらの試料で観察された最も低い最大主応力からの増分をパーセントで表した値と共に示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、請求した本発明による実施形態を詳細に記載し、添付の図面に例を示す。全図を通して、同じ、または、類似の部分を称するには、可能な限り同じ参照番号を用いている。本明細書において、範囲を、「約」1つの特定の値から、および/または、「約」他の特定の値までと表しうる。そのように範囲を表した場合には、他の実施形態は、その1つの特定の値から、および/または、他方の特定の値までを含む。同様に、値の前に「約」を付けて、概数で表した場合には、その特定の値が他の実施形態を形成することが理解されよう。本明細書において、数値または範囲の端点を、「約」を付けて記載したかに関わらず、その数値または範囲の端点は、「約」で修飾されたものと、「約」で修飾されないものとの2つの実施形態を含むことを意図している。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関係でと、他方の端点とは独立にの両方で重要であることも理解されよう。
【0036】
本明細書で用いたような「略」、「実質的に」、および、それらの変化形は、記載した特徴が、値または記載内容に等しいか、略等しいと示すことを意図する。例えば、「略平坦な」面は、平坦か、または、略平坦な面を表すことを意図する。更に、「略」という用語は、2つの値が等しいか、略等しいと示すことを意図する。いくつかの実施形態において、「略」という用語は、値が、互いに約5%以内、または、互いに約2%以内など、互いに約10%以内であることを表しうる。
【0037】
本開示の表示モジュールおよび物品は、他の特徴および利点の中で、予想しないような高い準静的および動的耐衝撃性を提供する。これらのモジュールは、このような耐衝撃性レベルを、接着剤およびカバー要素の厚さの設計、および、モジュール内の層数を通して達成する。更に、これらのモジュールに関連する耐衝撃属性を高めることは、機械的な信頼性および耐穿刺性にも貢献しうる。機械的な信頼性について、本開示の表示モジュールは、撓み、曲げ、または、他の態様で変形された場合に、ガラス含有カバー要素での破損を回避するように構成される。例えば、表示モジュールは、耐穿刺性が特に望まれる位置である、折り畳み可能な電子表示装置のユーザに向いた部分のカバーか、装置自体の内部に配置されて、その上に電子部品が配置される基板モジュールか、または、表示装置の他の部分の1つ以上として用いうる。その代わりに、本開示の表示モジュールを、表示部を有さないが、ガラスまたはガラス含有層を有益な特性のために用い、折り畳み自在な表示部と同様にきつい曲率半径まで折り畳まれるか、または、他の態様で曲げられる装置で用いうる。耐穿刺性は、表示モジュールを、ユーザが装置と相互作用する位置である装置の外側で用いる場合に、特に有益である。
【0038】
より具体的には、本開示の表示モジュールおよび物品は、モジュール内で用いられるカバー要素、接着剤および中間層の材料の物性および厚さを制御することによって、上記利点のいくつか、または、全てを実現しうる。例えば、これらの表示モジュールは、モデル化した、または、実際の準静的押込み試験または動的ペン落下試験で測定したカバー要素の主面での引張応力の削減を特徴とする高められた耐衝撃性を示しうるもので、それは、中間層の厚さの増加、中間層の弾性率の増加、および/または、第1の接着剤の弾性率の増加により実現される。このように準静的および動的荷重に関連した引張応力が低下することで、利用例で生じた衝撃がモジュールに加えられた時にも、モジュールの信頼性、特に、カバー要素の耐破損性が高まりうる。更に、本開示の実施形態および概念は、当業者に、カバー要素の主面での引張応力を削減するように表示モジュールを設計するための枠組みを提供し、それは、これらのモジュールを、曲げ、および、折り畳みの程度および回数が異なる利用例を含む様々な利用例で用いる場合の信頼性、製造容易性、および、適切性にも貢献しうる。
【0039】
図1Aを参照すると、本開示のいくつかの態様による3層モジュールとして例示的な形状で表した表示モジュール100aを示している。モジュール100aは、カバー要素50、第1の接着剤10a、および、基材60を含む。更に、接着剤10aおよび基材60を含むものを積層部90aとして示している。更に、カバー要素50は、厚さ52、第1の主面54、および、第2の主面56を有する。厚さ52は、約25μmから約200μmの範囲、例えば、約25μmから約175μmまで、約25μmから約150μmまで、約25μmから約125μmまで、約25μmから約100μmまで、約25μmから約75μmまで、約25μmから約50μmまで、約50μmから約175μmまで、約50μmから約150μmまで、約50μmから約125μmまで、約50μmから約100μmまで、約50μmから約75μmまで、約75μmから約175μmまで、約75μmから約150μmまで、約75μmから約125μmまで、約75μmから約100μmまで、約100μmから約175μmまで、約100μmから約150μmまで、約100μmから約125μmまで、約125μmから約175μmまで、約125μmから約150μm、および、約150μmから約175μmまでの範囲でありうる。他の態様において、厚さ52は、約25μmから150μmまで、約50μmから100μm、または、約60μmから80μmまでの範囲でありうる。カバー要素50の厚さ52を、上記範囲の間の範囲である他の厚さにも設定しうる。表示モジュール100aのいくつかの態様は、そのような電子装置利用で用いられる他のガラスカバー要素の厚さと比べて比較的薄い、例えば、約75μmから約125μmの厚さのカバー要素50を組み入れる。そのような比較的薄いカバー要素50を用いることで、予想に反して、準静的および動的衝撃に対する抵抗を高めうるもので、それは、準静的押込み試験またはペン落下試験で衝撃が加えられた時に、カバー要素50の第1および第2の主面54、56で観察される引張応力の削減として現れる。
【0040】
図1Aの表示モジュール100aは、カバー要素50を含み、カバー要素の弾性率は、約20GPaから140GPaの範囲、例えば、約20GPaから約120GPaまで、約20GPaから約100GPaまで、約20GPaから約80GPaまで、約20GPaから約60GPaまで、約20GPaから約40GPaまで、約40GPaから約120GPaまで、約40GPaから約100GPaまで、約40GPaから約80GPaまで、約40GPaから約60GPaまで、約60GPaから約120GPaまで、約60GPaから約100GPaまで、約60GPaから約80GPaまで、約80GPaから約120GPaまで、約80GPaから約100GPa、および、約100GPaから約120GPaまでである。カバー要素50は、ガラス組成を有する構成要素であるか、または、ガラス組成を有する少なくとも1つの構成要素を含みうる。後者の場合には、カバー要素50は、ガラス含有材料を含むの1つ以上の層を含みうるもので、例えば、要素50は、ポリマーマトリックス中の第2相のガラス粒子で構成されたポリマー/ガラス複合材でありうる。いくつかの態様において、カバー要素50は、約50GPaから約100GPa、若しくは、これらの間の任意の弾性率の値または値の範囲を特徴とするガラス要素である。他の態様において、カバー要素の弾性率は、約20GPa、30GPa、40GPa、50GPa、60GPa、70GPa、80GPa、90GPa、100GPa、110GPa、120GPa、130GPa、140GPa、若しくは、これらの値の間の任意の弾性率の値または値の範囲である。
【0041】
図1Aに示した表示モジュール100aのある態様において、カバー要素50は、ガラス層を含みうる。他の態様において、カバー要素50は、2つ以上のガラス層を含みうる。したがって、厚さ52は、カバー要素50を構成する個々のガラス層の厚さの合計を反映する。カバー要素50が2つ以上の個々のガラス層を含む、それらの態様において、個々の各ガラス層の厚さは、1μm以上である。例えば、モジュール100aで用いられるカバー要素50は、3つのガラス層を含みうるもので、各ガラス層は、約8μmの厚さを有し、カバー要素50の厚さは約24μmになる。しかしながら、カバー要素50は、多数のガラス層の間に挟まれた他の非ガラス層(例えば、コンプライアンスを有するポリマー層)を含みうることも理解すべきである。モジュール100aの他の利用例において、カバー要素50は、ガラス含有材料を含む1つ以上の層を含みうるもので、例えば、要素50は、ポリマーマトリックス中の第2相のガラス粒子で構成されたポリマー/ガラス複合材でありうる。
【0042】
図1Aにおいて、ガラス材料を有するカバー要素50を含む表示モジュール100aは、無アルカリアルミノケイ酸、ホウケイ酸、アルミノホウケイ酸、および、ケイ酸塩ガラス組成物から製作しうる。カバー要素50は、含アルカリアルミノケイ酸、ホウケイ酸、アルミノホウケイ酸、および、ケイ酸塩ガラス組成物からも製作しうる。ある態様において、アルカリ土類改質剤を、カバー要素50の上記組成物の任意のものに追加しうる。いくつかの態様において、以下のようなガラス組成物が、1つ以上のガラス層を含むカバー要素50に適する:(モル%で表した)50から75%のSiO、5から20%のAl、8から23%のB、0.5から9%のMgO、1から9%のCaO、0から5%のSrO、0から5%のBaO、0.1から0.4%のSnO、0から0.1%のZrO、および、0から10%のNaO、0から5%のKO、および、0から10%のLiO。いくつかの態様において、以下のようなガラス組成物が、1つ以上のガラス層を含むカバー要素50に適する:(モル%で表した)64から69%のSiO、5から12%のAl、8から23%のB、0.5から2.5%のMgO、1から9%のCaO、0から5%のSrO、0から5%のBaO、0.1から0.4%のSnO、0から0.1%のZrO、および、0から1%のNaO。他の態様において、以下のようなガラス組成物が、カバー要素50に適する:(モル%で表した)約67.4%のSiO、約12.7%のAl、約3.7%のB、約2.4%のMgO、0%のCaO、0%のSrO、約0.1%のSnO、および、約13.7%のNaO。更なる態様において、以下のようなガラス組成物も、カバー要素50に用いられるガラス層に適する:(モル%で表した)68.9%のSiO、10.3%のAl、15.2%のNaO、5.4%のMgO、および、0.2%のSnO。他の態様において、カバー要素50は、以下のようなガラス組成(「ガラス1」)を用いうる:(モル%で表した)約65%のSiO、約5%のB、約14%のAl、約14%のNaO、および、約2モル%のMgO。更なる態様において、以下のようなガラス組成物も、カバー要素50に用いられるガラス層に適する:(モル%で表した)68.9%のSiO、10.3%のAl、15.2%のNaO、5.4%のMgO、および、0.2%のSnO。限定するものではないが、傷の生成を最小にしつつ薄い厚さレベルに容易に製造すること、曲げる間に生じる引張応力を相殺する圧縮応力領域の生成を容易にすること、光学透明性、および、耐腐食性を含む様々な基準を用いて、ガラス材料を含むカバー要素50の組成を選択しうる。
【0043】
折り畳み可能なモジュール100aで用いられるカバー要素50は、様々な物理的な形および形状を採用しうる。断面で見た場合、単層または多層としての要素50は、平坦または平面でありうる。いくつかの態様において、要素50を、最終的利用例に応じて、非直線で構成されたシート形状に製作しうる。例えば、楕円の表示部およびベゼルを有する携帯表示装置は、略楕円のシート形状を有するカバー要素50を用いうる。
【0044】
再び、図1Aを参照すると、表示モジュール100aは、約100μmから1600μmの厚さ92aを有する積層部90aを更に含み、第1の接着剤10aは、積層部90aをカバー要素50の第2の主面56に接合するように構成されて、第1の接着剤10aは、厚さ12a、および、約0.001GPaから約10GPa、例えば、約0.001GPaから約8GPaまで、約0.001GPaから約6GPaまで、約0.001GPaから約4GPaまで、約0.001GPaから約2GPaまで、約0.001GPaから約1GPaまで、約0.01GPaから約8GPaまで、約0.01GPaから約6GPaまで、約0.01GPaから約4GPaまで、約0.01GPaから約2GPaまで、約0.1GPaから約8GPaまで、約0.1GPaから約6GPaまで、約0.1GPaから約4GPaまで、約0.2GPaから約8GPaまで、約0.2GPaから約6GPa、約0.5GPaから約8GPaまでの弾性率を特徴とする。表示モジュール100aの第1の態様のいくつかの実施形態によれば、第1の接着剤10aは、約0.001GPa、0.002GPa、0.003GPa、0.004GPa、0.005GPa、0.006GPa、0.007GPa、0.008GPa、0.009GPa、0.01GPa、0.02GPa、0.03GPa、0.04GPa、0.05GPa、0.1GPa、0.2GPa、0.3GPa、0.4GPa、0.5GPa、0.6GPa、0.7GPa、0.8GPa、0.9GPa、1GPa、2GPa、3GPa、4GPa、5GPa、6GPa、7GPa、8GPa、9GPa、10GPa、若しくは、これらの弾性率の値の間の任意の値または値の範囲の弾性率を特徴とする。
【0045】
再び、図1Aに示した表示モジュール100aを参照すると、第1の接着剤10aは、約5μmから約60μm、例えば、約5μmから約50μmまで、約5μmから約40μmまで、約5μmから約30μmまで、約5μmから約20μmまで、約5μmから約15μmまで、約5μmから約10μmまで、約10μmから約60μmまで、約15μmから約60μmまで、約20μmから約60μmまで、約30μmから約60μmまで、約40μmから約60μmまで、約50μmから約60μmまで、約55μmから約60μmまで、約10μmから約50μmまで、約10μmから約40μmまで、約10μmから約30μmまで、約10μmから約20μmまで、約10μmから約15μmまで、約20μmから約50μmまで、約30μmから約50μmまで、約40μmから約50μmまで、約20μmから約40μm、および、約20μmから約30μmの厚さ12aを特徴とする。他の実施形態は、約5μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、若しくは、これらの厚さの値の間の任意の値または値の範囲の厚さ12aを特徴とする第1の接着剤10aを有する。いくつかの態様において、第1の接着剤10aの厚さ12aは、約5μmから50μmである。表示モジュール100aのいくつかの態様は、そのような電子装置利用で用いられる従来の接着剤の厚さと比べて比較的薄い、例えば、約5μmから約25μmの厚さの接着剤10aを組み入れる。そのような比較的薄い接着剤10aを用いることで、予想に反して、準静的および動的衝撃に対する抵抗を高め、それは、準静的押込み試験またはペン落下試験で衝撃が加えられた時に、カバー要素50の第1および第2の主面54、56で観察される引張応力の削減として現れる。
【0046】
図1Aに示した表示モジュール100aのいくつかの実施形態において、第1の接着剤10aは、更に、約0.1から約0.5、例えば、約0.1から約0.45まで、約0.1から約0.4まで、約0.1から約0.35まで、約0.1から約0.3まで、約0.1から約0.25まで、約0.1から約0.2まで、約0.1から約0.15まで、約0.2から約0.45まで、約0.2から約0.4まで、約0.2から約0.35まで、約0.2から約0.3まで、約0.2から約0.25まで、約0.25から約0.45まで、約0.25から約0.4まで、約0.25から約0.35まで、約0.25から約0.3まで、約0.3から約0.45まで、約0.3から約0.4まで、約0.3から約0.35まで、約0.35から約0.45まで、約0.35から約0.4、および、約0.4から約0.45までのポアソン比を特徴とする。他の実施形態は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5のポアソン比、若しくは、これらの値の間の任意のポアソン比または比の範囲を特徴とする。いくつかの態様において、第1の接着剤10aのポアソン比は、約0.1から約0.25である。
【0047】
ここまでに概説したように、図1Aに示した表示モジュール100aは、ある物性(例えば、約0.001GPaから10GPaの弾性率)を有する接着剤10aを含む。モジュール100aでの接着剤10aとして用いうる例示的接着剤は、光学的に透明な接着剤(「OCA」)(例えば、Henkel Corporation LOCTITE(登録商標)液体OCA)、エポキシ、および、積層部90a(例えば、基材60)をカバー要素50の第2の主面56に接合するのに適する材料であると当業者が分かる他の接合剤を含む。モジュール100aの接着剤10aとして用いうる他の例示的接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、および、合成樹脂の1つ以上を含む。
【0048】
再び、図1Aを参照すると、折り畳み可能なモジュール100aの積層部90aは、ガラス組成を有する構成要素、第1および第2の主面64、66、並びに、厚さ62を有する基材60を更に含む。基材60は、ガラス組成を有する構成要素を含むことで、いくつかの実施形態において、約20GPaから140GPa、例えば、約20GPaから約120GPaまで、約20GPaから約100GPaまで、約20GPaから約80GPaまで、約20GPaから約60GPaまで、約20GPaから約40GPaまで、約40GPaから約120GPaまで、約40GPaから約100GPaまで、約40GPaから約80GPaまで、約40GPaから約60GPaまで、約60GPaから約120GPaまで、約60GPaから約100GPaまで、約60GPaから約80GPaまで、約80GPaから約120GPaまで、約80GPaから約100GPa、および、約100GPaから約120GPaまでの弾性率を有する。基材60は、ガラス組成を有する構成要素であるか、または、ガラス組成を有する少なくとも1つの構成要素を含みうる。後者の場合、基材60は、ガラス含有材料を含む1つ以上の層を含み、例えば、基材60は、ポリマーマトリックス中の第2相のガラス粒子で構成されたポリマー/ガラス複合材でありうる。いくつかの態様において、基材は、約50GPaから約100GPa、若しくは、これらの間の任意の弾性率の値または値の範囲を特徴とするガラス要素である。他の態様において、基材60の弾性率は、約20GPa、30GPa、40GPa、50GPa、60GPa、70GPa、80GPa、90GPa、100GPa、110GPa、120GPa、130GPa、140GPa、若しくは、これらの値の間の任意の弾性率の値または値の範囲である。更に、いくつかの実施形態において、基材60は、ガラス組成について、カバー要素50と略同様か、または、同じである。
【0049】
図1Aに示した表示モジュール100aの実施形態において、基材60は、約100μmから約1500μm、例えば、約100μmから約1250μmまで、約100μmから約1000μmまで、約100μmから約750μmまで、約100μmから約500μmまで、約100μmから約400μmまで、約100μmから約300μmまで、約100μmから約200μm、500μmから約1500μm、例えば、約500μmから約1250μmまで、約500μmから約1000μmまで、約500μmから約750μmまで、約750μmから約1500μmまで、約750μmから約1250μmまで、約750μmから約1000μmまで、約1000μmから約1500μmまで、約1000μmから約1250μm、若しくは、これらの厚さの値の間の任意の厚さ、または、厚さの範囲の厚さ62を有する。更に、基材60が厚さ62の場合、ある実施形態において、表示モジュール100aを、ある程度まで曲げるか、撓ませるか、他の態様で機械的に変形して、例えば、約10mm以上、または、5mm以上の曲率半径にしうる。
【0050】
いくつかの実施形態において、モジュール100aの基材60として用いるのに適した材料は、電子素子102を搭載するのに適し、折り畳み可能な電子装置モジュール100aに関する曲げ操作が行われても高い機械的一体性および可撓性を有する様々な熱硬化性材料および熱可塑性材料、例えば、ポリイミドを含む。例えば、基材60は、有機発光ダイオード(「OLED」)表示パネルでありうる。基材60用に選択された材料も、高い熱安定性を有し、モジュール100aの利用環境、および/または、処理条件に関連する物性変化および/または劣化を阻止しうる。
【0051】
図1Aに示した表示モジュール100aの積層部90aは、基材60に連結された1つ以上の電子素子(不図示)も含みうる。これらの電子素子は、従来のOLEDを含む表示装置で採用された従来の電子素子でありうる。例えば、積層部90aの基材60は、タッチセンサ、偏光子などの形態および構造の1つ以上の電子素子、並びに、他の電子素子を、接着剤、または、これらの素子を基材60に接合する他の化合物と共に、含みうる。更に、電子素子は、基材60内に、および/または、その主面64、66の1つ以上の上に位置しうる。
【0052】
図1Bに更に示すように、表示モジュール100bは、更に(つまり、第1の接着剤10aおよび基材60に追加で)、約25μmから約200μmの厚さ72および約20GPaから約140GPaの中間層弾性率を有する中間層70を含む積層部90bを有する5層モジュールとして例示的な形態で示されており、中間層70は、ガラス組成を有する構成要素を更に含み、更に、(d)中間層70を基材60に接合する第2の接着剤10bを更に含み、第2の接着剤10bは、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから約50μmの厚さ12bを有する。別段の記載がない限りは、中間層70を、カバー要素50と同じか、または、同様の組成、厚さ、および、弾性率で構成しうる。更に、別段の記載がない限りは、第2の接着剤10bを、第1の接着剤10aと同じか、または、同様の組成、厚さ、および、弾性率で構成しうる。概して、表示モジュール100a、100bの構成は、本開示の原理によれば、任意の層数を有する表示モジュールを用いうることを示している。
【0053】
ここで図2を参照すると、ペン落下試験装置200を示している。本明細書で用いるように、ペン落下試験装置200を用いて「ペン落下試験」を行い、カバー要素の主面54、56で観察される応力状態を特徴とする表示モジュール100a、100b(図1Aおよび1Bを参照)の耐衝撃性を評価した。本明細書で記載し称したように、ペン落下試験は、カバー要素50の露出面、つまり、主面54に(つまり、25cmの固定高さでのペン落下からの)荷重を加えて、表示モジュール100a、100b試料を試験するように行われる動的試験である。表示モジュール100a、100bの反対側の面は、例えば、主面66において(図1Aおよび1Bを参照)、アルミニウム板(400番の紙やすりで表面粗さに研磨した6063アルミニウム合金)によって支持される。ペン落下試験によれば、1つの管を用いて、ペンを試料まで導き、管の長軸が試料の最上面と略垂直になるようにして、管を試料の最上面と接触するように配置する。各管は、2.54cm(1インチ)の外径、1.4cm(9/16インチ)の内径、および、90cmの長さを有する。アクリロニトリルブタジエン(「ABS」)シムを用いて、ペンを、各試験について、25cmの望ましい高さ(基材の表面の上方のボールの高さ)に保持する。各落下後に、管を試料に対して再配置して、ペンを、試料上の異なる衝撃位置に導く。ペン落下試験で用いたペンは、0.35mmの直径のボールペン先212、および、キャップを含めて5.7グラムの質量を有する。図2に示したペン落下試験によれば、キャップをペンの最上端部(つまり、ペン先と反対側の端部)に取り付けた状態で、ボールペン先212が試験試料、つまり、表示モジュール100a、100bと相互作用しうるように落下させる。
【0054】
有利なように、図2のペン落下試験装置を用いて行ったペン落下試験を、FEA技術を用いてモデル化し、カバー要素50の主面54、56で生じた引張応力を、25cmの固定ペン落下高さに基づいて推定した。本開示の分野の当業者なら更に理解するように、このモデル化を行うのにある仮定を行った。特に、カバー要素50および基材60は、71GPaの弾性率、および、0.22のポアソン比を有すると仮定した。更に、第1および第2の接着剤について、典型的光学接着剤は、0.3GPaの弾性率、および、0.49のポアソン比を示すものと仮定した。更に、ペン落下試験のモデル化について、更に以下のような仮定を行った:ペン先212をペン先の変形がない剛体としてモデル化し、モジュール100aの1/4対称片を用い、分析中にモジュール100aの全ての界面は完全に接合されて層分離がないと仮定し、ペン落下試験装置200との関係で記載したアルミニウム支持板は、剛体アルミニウム板としてモデル化し、モジュール100aとアルミニウム支持板の接触は摩擦がないと仮定し、ペン先212は、モジュール100aのカバー要素50に侵入しないと仮定し、モジュール100aの要素について、線形弾性または超弾性物性を用い、大きい変形アプローチを用い、更に、モジュール100aは、模擬試験中、室温とした。
【0055】
表示モジュール100a、100bのある実施形態において(図1Aおよび1Bを参照)、モジュールは、25cmのペン落下高さでモデル化したペン落下試験でカバー要素に衝撃を加えた時に(図2を参照)、カバー要素50の第1の主面54で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素50の第2の主面56で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を示しうる。予想に反して、そのようにペン落下試験のモデル化によって分かるように、接着剤10a、10bの厚さ12a、12b、および、カバー要素50の厚さ52を調節して、モジュール100aの耐衝撃性を更に高めて、ペン落下試験でカバー要素に衝撃を加えた時に、カバー要素50の第1の主面54で約4000MPa未満の引張応力、および、カバー要素50の第2の主面56で約9000MPa未満の引張応力としうる。表示モジュール100aの態様は、そのような電子装置利用で用いられる従来の接着剤の厚さと比べて、比較的薄い厚さ12a、例えば、約5μmから約25μmの厚さの第1の接着剤10aも組み込みうる。同様に、表示モジュール100aは、そのような電子装置利用で用いられる他のガラス含有カバー要素の厚さと比べて、比較的薄い厚さ52、例えば、約75μmから約150μm、または、約50μmから約150μmの厚さのカバー要素50も組み込みうる。そのように第1の接着剤10aおよびカバー要素50のモデリングおよび設計を行って、カバー要素50の第1の主面54での引張応力を、約4000MPa未満、3900MPa未満、3800MPa未満、3700MPa未満、3600MPa未満、3500MPa未満、3400MPa未満、3300MPa未満、3200MPa未満、3100MPa未満、3000MPa未満、更に、低く削減しうる。同様に、カバー要素50の第2の主面56での引張応力を、約12000MPa未満、11000MPa未満、10000MPa未満、9000MPa未満、8000MPa未満、7500MPa未満、7000MPa未満、6500MPa未満、6000MPa未満、5500MPa未満、5000MPa未満、4500MPa未満、4000MPa未満、3500MPa未満、3000MPa未満、更に、低く削減しうる。
【0056】
再び図2を参照すると、ペン落下試験装置200を示している。本明細書で用いるように、「準静的押込み試験」は、ペン落下試験装置200を用いて、カバー要素の主面54、56で観察された応力状態を特徴とする表示モジュール100a、100b(図1Aおよび1Bを参照)の耐衝撃性を評価した。本明細書において記載し称したように、準静的押込み試験は、カバー要素50の露出面、つまり、主面54に60Nの一定の荷重を加えて、表示モジュール100a、100b試料を試験するように行われる準静的試験である。表示モジュール100a、100bの反対側の面は、例えば、主面66において(図1Aおよび1Bを参照)、アルミニウム板(400番の紙やすりで表面粗さに研磨した6063アルミニウム合金)によって支持される。準静的押込み試験で用いたペンは、0.5mmの直径のボールペン先212、および、キャップを含めて5.7グラムの質量を有する。図2に示した準静的押込み試験によれば、ペンを、60Nの一定の荷重でか、または、5Nで始まり破損するまで荷重を高めて、カバー要素50の露出面に直接当てる。
【0057】
有利なように、図2のペン落下試験装置を用いて行った準静的押込み試験を、FEA技術を用いてモデル化し、カバー要素50の主面54、56で生じた引張応力を、60Nの加えた荷重に基づいて推定した。本開示の分野の当業者なら更に理解するように、このモデル化を行うのにある仮定を行った。特に、カバー要素50および基材60は、71GPaの弾性率、および、0.22のポアソン比を有すると仮定した。更に、第1および第2の接着剤について、典型的光学接着剤は、0.3GPaの弾性率、および、0.49のポアソン比を示すものと仮定した。更に、準静的試験のモデル化について、更に以下のような仮定を行った:ペン先212をペン先の変形がない剛体としてモデル化し、モジュール100a、100bの1/4対称片を用い、分析中にモジュール100a、100bの全ての界面は完全に接合されて層分離がないと仮定し、ペン落下試験装置200との関係で記載したアルミニウム支持板は、剛体アルミニウム板としてモデル化し、モジュール100a、100bとアルミニウム支持板の接触は摩擦がないと仮定し、ペン先212は、モジュール100a、100bのカバー要素50に侵入しないと仮定し、モジュール100a、100bの要素について、線形弾性または超弾性物性を用い、大きい変形アプローチを用い、更に、モジュール100a、100bは、模擬試験中、室温とした。
【0058】
表示モジュール100a、100b(図1Aおよび1Bを参照)のある実施形態において、モジュールは、60Nの固定荷重でモデル化した準静的押込み試験でカバー要素に衝撃を加えた時に(図2を参照)、カバー要素50の第2の主面56で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を示しうる。予想に反して、そのように準静的押込み試験のモデル化によって分かるように、接着剤10a、10bの厚さ12a、12b、および、カバー要素50の厚さ52を調節して、モジュール100a、100bの耐衝撃性を更に高めて、準静的押込み試験でカバー要素に衝撃を加えた時に、カバー要素50の第2の主面56で約3200MPa未満の引張応力としうる。表示モジュール100aの態様は、そのような電子装置利用で用いられる従来の接着剤の厚さと比べて、比較的薄い厚さ12a、例えば、約5μmから約25μmの厚さの第1の接着剤10aも組み込みうる。同様に、表示モジュール100aは、そのような電子装置利用で用いられる他のガラス含有カバー要素の厚さと比べて、比較的薄い厚さ52、例えば、約75μmから約150μm、または、約50μmから約150μmの厚さのカバー要素50も組み込みうる。そのように第1の接着剤10aおよびカバー要素50のモデリングおよび設計を行って、カバー要素50の第2の主面56での引張応力を、約4700MPa未満、4600MPa未満、4500MPa未満、4400MPa未満、4300MPa未満、4200MPa未満、4100MPa未満、4000MPa未満、3900MPa未満、3800MPa未満、3700MPa未満、3600MPa未満、3500MPa未満、3400MPa未満、3300MPa未満、3200MPa未満、3100MPa未満、3000MPa未満、更に、低く削減しうる。
【0059】
更に、図1Aおよび1Bを参照すると、表示モジュール100a、100bのカバー要素50は、本開示のある態様において、第1および/または第2の主面54、56からカバー要素50の選択された深さまで延伸する1つ以上の圧縮応力領域(不図示)を有するガラス層または要素を含みうる。更に、モジュール100a、100bのある態様において、(例えば、主面54、56に垂直または略垂直な)要素50の縁部から選択された深さまで延伸する縁部圧縮応力領域(不図示)も生成されうる。例えば、ガラスカバー要素50に含まれる圧縮応力領域または複数の領域(および/または、縁部圧縮応力領域)をイオン交換(「IOX」)処理で形成しうる。他の例として、ガラスカバー要素50は、1つ以上のそのような圧縮応力領域を、ガラス層および/または領域についての熱膨張率(「CTE」)の不一致を通して生成するのに用いうる様々な調整されたガラス層および/または領域を含みうる。
【0060】
IOX処理で形成された1つ以上の圧縮応力領域を有するカバー要素50を含む表示モジュール100a、100bのそれらの態様において、圧縮応力領域は、複数のイオン交換可能な金属イオン、および、複数のイオン交換された金属イオンを含みうるもので、イオン交換された金属イオンは、圧縮応力領域で圧縮応力を生じるように選択される。圧縮応力領域を含むモジュール100aのいくつかの態様において、イオン交換された金属イオンは、イオン交換可能な金属イオンの原子半径より大きい原子半径を有する。イオン交換可能なイオン(例えば、Naイオン)は、イオン交換処理が行われる前のガラスカバー要素50に存在する。イオン交換するイオン(例えば、Kイオン)は、ガラスカバー要素50に取り込まれ、要素内で最終的に圧縮応力領域になる領域内のイオン交換可能なイオンのいくつかと置換されうる。イオン交換するイオン、例えば、Kイオンのカバー要素50への取り込みは、(例えば、完全なモジュール100aを形成する前の)要素50を、イオン交換すれるイオンを含む溶融塩浴(例えば、溶融KNO塩)に浸漬することによって行いうる。この例において、Kイオンは、Naイオンより大きい原子半径を有し、例えば、圧縮応力領域に存在する場合には、局所的圧縮応力をガラスカバー要素50で生じ易い。
【0061】
図1Aおよび1Bに示した表示モジュール100a、100bのカバー要素50に用いられるイオン交換処理条件に応じて、イオン交換するイオンは、カバー要素50の第1の主面54から第1のイオン交換深さ(不図示、「DOL」)まで与えられて、イオン交換圧縮深さ(「DOC」)を確立しうる。本明細書で用いるように、DOCは、本明細書に記載の化学的に強化されたアルカリアルミノケイ酸ガラス物品中で、圧縮応力から引張応力に変化する深さを意味する。DOCを、イオン交換処理に応じて、表面応力メータ(FSM、Orihara Industrial Co.,Ltd.(日本)が製造したFSM−6000などの市販の器具を用いる)、または、散乱光偏光器(SCALP)を用いて測定しうる。イオン交換でカリウムをガラス物品に取り込んで、ガラス物品に応力を生じる場合には、FSMを用いてDOCを測定する。イオン交換でナトリウムをガラス物品に取り込んで、ガラス物品に応力を生じる場合には、SCALPを用いてDOCを測定する。イオン交換でカリウムとナトリウムの両方をガラス物品に取り込んで応力を生じる場合には、ナトリウムの交換深さはDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは、(圧縮応力から引張応力への変化ではない)圧縮応力の大きさの変化を示すと考えられるので、SCALPを用いてDOCを測定し、FSMを用いて、そのようなガラス物品のカリウムの交換深さを測定する。(表面CSを含む)圧縮応力を、FSMによって測定する。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関する応力光学係数(SOC)の正確な測定に依存する。更に、SOCは、「Standard Test Method for Measurement of Glass Stress−Optical Coefficient」という名称でASTM規格C770−16に記載の手順C(ガラスディスク法)に基づいて測定され、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。同様に、第2の圧縮応力領域を、要素50内に、第2の主面56から第2のイオン交換深さまで生じうる。100MPaを大きく超えるDOL内の圧縮応力レベルは、そのようなIOX処理で実現され、2000MPaまでもの高レベルでありうる。カバー要素50内の圧縮応力領域での圧縮応力レベルは、折り畳み可能な電子装置モジュール100aを曲げるとカバー要素50で生じる引張応力を相殺するように作用しうる。
【0062】
再び、図1Aおよび1Bを参照すると、いくつかの実施形態において、表示モジュール100a、100bは、1つ以上の縁部圧縮応力領域を、カバー要素50内で第1および第2の主面54、56に垂直な縁部で含み、各領域は、100MPa以上の圧縮応力によって画定される。そのような縁部圧縮応力領域は、カバー要素50の形状または形に応じて、カバー要素50の縁部か、主面とは異なる表面領域かのいずれかに生成されると理解すべきである。例えば、楕円形のカバー要素50を有する表示モジュール100a、100bのいくつかの実施形態において、縁部圧縮応力領域は、要素の主面に垂直な(または、略垂直な)要素の外縁部から内側に向かって生成される。主面54、56に近接する圧縮応力領域を生成するのに用いた処理と同様の性質のIOX処理を用いて、これらの縁部圧縮応力領域を生成しうる。より具体的には、カバー要素50の任意のそのような縁部圧縮応力領域を用いて、例えば、カバー要素50(および、モジュール100a、100b)への任意の縁部に亘る準静的または動的衝撃、および/または、カバー要素50の主面54、56での非均一な曲げを介して要素の縁部で生じた引張応力を相殺しうる。その代わりに、または、追加で、理論に縛られるものではないが、カバー要素50で任意のそのような縁部圧縮応力領域を用いて、モジュール100a、100b内の要素50の縁部で、または、縁部への衝撃または摩耗の悪影響を相殺しうる。
【0063】
再び、図1Aおよび1Bを参照すると、要素50内の領域または層同士のCTEの不一致を介して形成された1つ以上の圧縮応力領域を有するカバー要素50を含む表示モジュール100a、100bのそれらの態様において、これらの圧縮応力領域は、要素50の構造を調整することで生成される。例えば、要素50内でのCTEの差は、要素内で、1つ以上の圧縮応力領域を生成しうる。一例において、カバー要素50は、クラッド領域または層に挟まれたコア領域または層を含みうるもので、各クラッド領域または層は、要素の主面54、56と略平行である。更に、コア層のCTEが、クラッド領域または層のCTEより大きくなるように(例えば、コアおよびクラッド層または領域の組成を制御することによって)調整する。製作処理後のカバー要素50を冷却した後に、コア領域または層とクラッド領域または層のCTEの差は、冷却された時に不均一な体積収縮を生じ、それは、クラッド領域または層内の主面54、56の下での圧縮応力領域の生成に現れるカバー要素50での残留応力の発生につながる。換言すれば、コア領域または層、並びに、クラッド領域または層は、高温で、互いに密着され、次に、これらの層または領域は、低い温度まで冷却されて、低CTEのクラッド領域(または、層)と比べて、高CTEのコア領域(または、層)の体積変化が大きいことで、圧縮応力領域を、カバー要素50内のクラッド領域または層に生じる。
【0064】
更に、CTEにより生じた圧縮応力領域を含む図1Aおよび1Bに示したモジュール100a、100bのカバー要素50を参照すると、CTEに関する圧縮応力領域は、各々、第1の主面54から第1のCTE領域深さに、第2の主面56から第2のCTE領域深さに達し、それにより、主面54、56の各々に関連する各圧縮応力領域について、CTEに関係するDOLをクラッド層または領域で確立する。いくつかの態様において、これらの圧縮応力領域の圧縮応力は、150MPaを超えうる。コア領域(または、層)とクラッド領域(または、層)のCTE値の差を最大化することで、製作後の要素50を冷却した時に圧縮応力領域で生じる圧縮応力の大きさを増加させうる。そのようなCTEに関係する圧縮応力領域を有するカバー要素50を含む表示モジュール100a、100bのある実施形態において、カバー要素50は、コア領域の厚さをクラッド領域の厚さの合計で割った値である厚さの比について、3以上の厚さの比を有するコア領域およびクラッド領域を用いる。したがって、コア領域の大きさ、および/または、CTEを、クラッド領域の大きさ、および/または、CTEに対して最大化することで、表示モジュール100a、100bの圧縮応力領域で観察される圧縮応力レベルの大きさを増加させうる。
【0065】
他の利点の中で、カバー要素50で、(例えば、上記段落で概説したようなIOXまたはCTEに関係するアプローチを介して生成された)圧縮応力領域を用いて、準静的または動的衝撃が表示モジュール100a、100b(図1Aおよび1Bを参照)に加わることで、要素において生じた引張応力、特に、衝撃の性質に応じて主面54、56の1つで最大に達する引張応力を相殺しうる。ある態様において、圧縮応力領域は、約100MPa以上の圧縮応力を、カバー要素50の主面54、56で有しうる。いくつかの態様において、主面での圧縮応力は、約600MPaから約1000MPaである。他の態様において、圧縮応力は、主面で1000MPaを超え、カバー要素50で圧縮応力を生じるのに用いた処理に応じて、2000MPaにもなりうる。本開示の他の態様において、圧縮応力は、要素50の主面で、約100MPaから約600MPaの範囲でもありうる。更なる態様において、モジュール100a、100bのカバー要素50の圧縮応力領域(または、複数の領域)は、約100MPaから約2000MPa、例えば、約100MPaから約1500MPaまで、約100MPaから約1000MPaまで、約100MPaから約800MPaまで、約100MPaから約600MPaまで、約100MPaから約400MPaまで、約100MPaから約200MPaまで、約200MPaから約1500MPaまで、約200MPaから約1000MPaまで、約200MPaから約800MPaまで、約200MPaから約600MPaまで、約200MPaから約400MPaまで、約400MPaから約1500MPaまで、約400MPaから約1000MPaまで、約400MPaから約800MPaまで、約400MPaから約600MPaまで、約600MPaから約1500MPaまで、約600MPaから約1000MPaまで、約600MPaから約800MPaまで、約800MPaから約1500MPaまで、約800MPaから約1000MPa、および、約1000MPaから約1500MPaまでの圧縮応力を示しうる。
【0066】
表示モジュール100a、100b(図1Aおよび1Bを参照)のカバー要素50で用いたそのような圧縮応力領域内で、圧縮応力は、一定か、主面から1つ以上の選択した深さまでの深さの関数として減少または増加しうる。したがって、様々な圧縮応力プロファイルを圧縮応力領域で用いうる。更に、各圧縮応力領域の深さを、カバー要素50の主面54、56から約15μm以下に設定しうる。他の態様において、第1および/または第2の主面54、56からの圧縮応力領域の深さを、カバー要素50の厚さ52の約1/3以下か、カバー要素50の厚さ52の20%以下に設定しうる。
【0067】
再び図1Aおよび1Bを参照すると、表示モジュール100a、100bは、第1および/または第2の主面54、56での最大傷サイズが5μm以下の1つ以上の圧縮応力領域を有するガラス材料を含むカバー要素50を含みうる。最大傷サイズは、約2.5μm以下、2μm以下、1.5μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下、または、更に小さい傷サイズ範囲に抑えうる。ガラスカバー要素50の圧縮応力領域の傷サイズを小さくすることで、衝撃に関係する力が表示モジュール100a、100b(図1A、1B、2を参照)に加えられて引張応力が加えられた時に、要素50が亀裂伝播により破損する可能性を更に削減しうる。更に、モジュール100a、100bのいくつかの態様は、1つ以上の圧縮応力領域を用いずに、(例えば、第1および/または第2の主面54、56での傷サイズが0.5μm以下である)制御された傷サイズ分布を有する表面領域を含みうる。
【0068】
再び、図1Aおよび1Bを参照すると、表示モジュール100a、100bの他の実施形態は、傷サイズを削減するか、および/または、要素50内の傷分布を改良するように調整した様々なエッチング処理を行ったガラス材料を含むカバー要素50を含みうる。これらのエッチング処理を用いて、主面54、56に近接するか、および/または、縁部(不図示)に沿ったカバー要素50内の傷分布を制御しうる。例えば、約15体積%のHF、および、15体積%のHClを含むエッチング液を用いて、ガラス組成を有するカバー要素50の表面に軽いエッチングを行いうる。軽いエッチングの時間および温度は、要素50の組成、および、カバー要素50の表面からの望ましい材料除去レベルに応じて、当業者なら分かるように設定しうる。要素50のいくつかの面は、エッチング手順中に、その表面にマスク層などを用いることで、エッチングされない状態ままにしうることも理解すべきである。特に、この軽いエッチングは、カバー要素50の強度を有利に高める。特に、最終的にカバー要素50として用いられるガラス構造物を切断するのに用いる切断または分離処理は、要素50の表面に傷または他の欠陥を残しうる。これらの傷および欠陥は伝播して、要素50を含むモジュール100a、100bに利用環境および使用により応力が加わる間に、ガラス破損を生じうる。要素50の1つ以上の縁部に軽いエッチングを行う選択的エッチング処理は、少なくともいくつかの傷および欠陥を除去し、それにより、軽いエッチングを行った表面の強度、および/または、耐破損性を高めうる。更に、または、その代わりに、軽いエッチング処理は、カバー要素50の化学的強化(例えば、イオン交換)の後に行いうる。そのように軽いエッチング処理を化学強化後に行うことで、化学強化処理によって導入されるいずれかの傷を削減し、したがって、カバー要素の強度、および/または、耐破損性を高めうる。
【0069】
図1Aおよび1Bに示した表示モジュール100a、100bで用いたカバー要素50は、上記のような強度を高める特徴である(a)IOXに関係する圧縮応力領域、(b)CTEに関係する圧縮応力領域、および、(c)より小さい欠陥サイズを有するエッチングされた表面のうち、1つ以上を含みうると理解すべきである。これらの強度を高める特徴を用いて、利用環境および使用に関連してカバー要素50の表面で生じた引張応力を相殺、または、部分的に相殺しうる。
【0070】
いくつかの実施形態において、図1Aおよび1Bに示した表示モジュール100a、100bを、表示部、プリント回路基板、筐体、または、最終製品である電子装置に関する他の特徴物に用いうる。例えば、表示モジュール100a、100bを、多数の薄膜トランジスタ(「TFT」)を含む電子表示装置で、若しくは、低温ポリシリコン(「LTPS」)バックプレーンを含むLCDまたはOLED装置で用いうる。表示モジュール100a、100bを表示部で用いる場合、例えば、モジュール100a、100bは、略透明でありうる。更に、上記段落で記載したように、モジュール100a、100bは、準静的および動的衝撃について望ましい耐衝撃性を有しうる。いくつかの実施形態において、表示モジュール100a、100bを、ウェアラブル電子装置、例えば、ウォッチ、ワォレット、または、ブレスレットに用いる。本明細書で定義するように、「折り畳み可能」という用語は、完全な折り畳み、部分的な折り畳み、曲げ、撓み、不連続の曲げ、および、多数回の折り畳み可能を含み、更に、装置を折り畳んだ時に、表示部が装置の外側、または、装置を折り畳んだ時に、表示部が装置の内側に位置するように、装置を折り畳みうる。
【実施例】
【0071】
本実施例において、比較例の表示モジュール(比較例1)と、本開示の態様による表示モジュール(例えば、実施例1−1から1−4、2−1、および、2−2)を、準静的押込み試験およびペン落下試験による模擬準静的および動的衝撃を受けるようにモデル化した。更に、実際の準静的押込み試験を、試料のいくつかに行って、破損するまでのピーク荷重値を取得し、破損するまでの実際の押込み荷重は異なることが分かった。これらのモデリング実験測定結果を、図3A〜7に示している。更に、これらのグラフの凡例は、モデル化、および/または、試験した表示モジュールの構成を記載している。例えば、比較例1は、100μmの厚さを有するガラスカバー要素と、PSA材料を含み100μmの厚さを有する第1の接着剤と、ガラス1組成を含み1.1mmの厚さを有する基材とを含むように構成される。基材は、厚さ1.1mmにモデル化したが、積層部上の接着剤層の効果を示すために行われたものである。基材は、1.1mmの厚さを有する必要はなく、その代わりに、他の箇所で記載したように、1.1mm未満の厚さ、例えば、基材62に関連して記載したような厚さを有しうるもので、その場合でも、1.1mmの厚さのガラス基材で観察されたのと同様の傾向となる。
【0072】
図3Aを参照すると、本開示のいくつかの態様による60Nのピーク荷重までのモデル化した準静的押込み試験を行った表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力と、モジュールに加えられた荷重との関係を示すプロットを示している。図面から分かるように、約15μmから約50μmより薄い厚さを有する第1の接着剤を含む3層表示モジュール(実施例1−1から1−4)は、約100μmより厚い厚さを有する最も厚い第1の接着剤を含むモジュール(比較例1)と比べて、カバー要素の第2の主面で最も低い最大主応力レベルを示している。更に、3層表示モジュール(実施例1−1から1−4)は、5層表示モジュール(実施例2−1および2−2)と比べて、カバー要素の第2の主面で低い最大主応力レベルを示している。更に、僅かに厚いカバー要素を有する表示モジュール(実施例1−4、カバー要素の厚さ=130μm)は、比較するように僅かに薄いカバー要素を有して構成された表示モジュール(実施例1−2、カバー要素の厚さ=100μm)と比べて、カバー要素の第2の主面で低い最大主応力レベルを示している。
【0073】
理論に縛られるものではないが、図3Aに示した結果から、感圧接着剤(PSA)材料を含む比較的ソフトな第1の接着剤は、試験装置の穿刺部先端の下で表示部ガラスが局所的に曲がるのを容易にする。先端の半径が小さいと(図2を参照、半径=0.5mm)、非常に局所的な曲げを生じる傾向があり、カバー要素の主面で大きい引張応力を生じる。曲げ応力は、モジュール全体の剛性に関係するので、モジュールの剛性を高めることで、衝撃性能を改良しうると考えられる。
【0074】
ここで、図3Bを参照すると、図3Aの結果を得るのに用いた60Nのピーク荷重までのモデル化した準静的押込み試験を行った表示モジュールについて、荷重と変形との関係を示すプロットである。更に、図3Bに示す荷重と変形との関係を示す曲線のスロープは、表示モジュールの剛性の測定結果である。図3Aに既に示した結果を考慮すると、図3Bに示したように剛性の高いモジュールは、カバー要素の第2の主面での最大主応力の削減性能が高いことが分かる。換言すれば、準静的押込み試験から観察されたカバー要素の第2の主面での最大引張応力は、モジュールの剛性に反比例する。
【0075】
ここで、図4を参照すると、図3A、3Bに概略的に示た準静的押込み試験を用いてモデル化したモジュールの一部について、実験的に特定したピーク破損荷重を示すプロットである。特に、2つの3層モジュール(実施例1−2および1−3)および2つの5層モジュール(実施例2−1および2−2)に、実際の準静的押込み試験を、(60Nの一定の荷重ではなく)荷重を増加させながら行い、破損までの荷重を生成、平均した。これらの試料にフラクトグラフィー分析を行って、全ての試料が2軸破損メカニズムを経験したことが分かった。更に、図4の結果から、3層表示モジュールは、5層表示モジュールと比べて、破損までに非常に高いピーク荷重を示したことが分かる。この結果は、これらの設計物に比較的少量の接着剤が存在することで(つまり、3層モジュールについて1つの接着剤、および、5層モジュールについて2つの接着剤層)、3層表示モジュールは、対応する5層表示モジュールより剛性が高いことによるものだと考えられる。
【0076】
ここで、図5A、5Bを参照すると、図3A、3Bに示した表示モジュールと同じ群の表示モジュールについて、各々、25cmのペン落下高さのペン落下試験でモデル化したようなカバー要素の第2の主面での最大主応力と衝撃位置からの距離との関係、および、第1の主面での最大主応力と衝撃位置からの距離との関係を示すプロットである。図5A、5Bから概して分かるように、カバー要素の第2の主面での引張応力の大きさは、同じ25cmのペン落下高さについて第1の主面で観察された引張応力と比べて非常に大きい。理論に縛られるものではないが、カバー要素の第2の主面で観察される高い引張応力は、カバー要素の局所的2軸曲げによるものであり、第1の主面での多少小さい引張応力は、ペン落下試験(図2を参照)からのペン先とのヘルツ接触に関連すると考えられる。
【0077】
再び、図5Aおよび5Bを参照すると、25cmのペン落下高さでの模擬ペン落下試験の結果によるカバー要素の第2および第1の主面での引張応力の空間変化を示している。特に、第1の接着剤の厚さレベルが薄い表示モジュール(例えば、実施例1−1から1−3、約15から50μmの厚さ)は、両方の主面で、第1の接着剤の厚さが厚い表示モジュール(つまり、比較例1、厚さ=100μm)と比べて、引張応力が低かった。更に、ペン落下試験の結果、3層表示モジュール(実施例1−1から1−4)は、カバー要素の両方の主面で、5層表示モジュール(実施例2−1および2−2)と比べて、低い最大主応力レベルを示すものである。更に、僅かに厚いカバー要素を有する表示モジュール(実施例1−4、カバー要素の厚さ=130μm)は、カバー要素の両方の主面で、比較するように僅かに薄いカバー要素を有して構成された表示モジュール(実施例1−2、カバー要素の厚さ=100μm)と比べて、低い最大主応力レベルを示す。
【0078】
ここで、図6Aおよび6Bを参照すると、図3Aおよび3Bに示した表示モジュールと同じ群の表示モジュールについて、25cmのペン落下高さのペン落下試験でモデル化したようなカバー要素の第2の主面での最大主応力と衝撃からの時間との関係、および、変形と衝撃からの時間との関係を示すプロットである。特に、図6Aおよび6Bは、第2の主面で観察された最大引張応力は、表示モジュールが25cmのペン落下に関連して最も大きく変形した時に生じることを示している。したがって、カバー要素の第2の主面で観察された最大引張応力は、表示モジュールの全体としての剛性の関数である。
【0079】
ここで図7を参照すると、図3A、3Bに示した表示モジュールと同じ群の表示モジュールのカバー要素の第2の主面での最大主応力の棒グラフを、これらの試料で観察された最も低い最大主応力からの応力値の増加をパーセントで表したものと共に示している。つまり、最も性能の高い表示モジュール(つまり、カバー要素の第2の主面で観察された最も低い最大主応力、約7700MPa)である実施例1−1が、このグラフの基準値となる。特に、PSAを含み、15μmの厚さを有する接着剤を含む表示モジュールが、最も高い性能を示した。更に、図7のグラフは、接着剤の厚さを厚くすると(例えば、比較例1、厚さ約100μm)、引張応力が基準条件より約59%増加することを示している。更に、図7のグラフは、3層表示モジュール(実施例1−1から1−4)が、カバー要素の第2の主面で、5層表示モジュール(実施例2−1および2−2)と比べて低い最大主応力レベルを示すことも示している。
【0080】
当業者には、請求項の精神も範囲も逸脱することなく、本開示の折り畳み可能な電子装置モジュールに様々な変更および変形が可能なことが明らかだろう。
【0081】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0082】
実施形態1
表示モジュールにおいて、
約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaのカバー要素弾性率を有するカバー要素であって、更に、ガラス組成を有する構成要素、第1の主面、および、第2の主面を含むカバー要素と、
(a)基材、および、(b)第1の接着剤を有する積層部と
を含み、
前記基材は、ガラス組成、および、約100μmから1500μmの厚さを有する構成要素を含むものであり、
前記第1の接着剤は、前記積層部を前記カバー要素の前記第2の主面に接合し、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから50μmの厚さを有するものであり、
前記表示モジュールは、
準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約4700MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性、または、
ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約12000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性
の1つ以上を有するものである表示モジュール。
【0083】
実施形態2
準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約3200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する、実施形態1に記載の表示モジュール。
【0084】
実施形態3
前記第1の接着剤は、更に、約5μmから約25μmの厚さを有し、
前記カバー要素は、更に、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態2に記載の表示モジュール。
【0085】
実施形態4
前記第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態1から3のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0086】
実施形態5
前記積層部は、
(c)約25μmから約200μmの厚さ、および、約20GPaから約140GPaの中間層弾性率を有し、更に、ガラス組成を有する構成要素を含む中間層と、
(d)前記中間層を前記基材に接合する第2の接着剤であって、約0.001GPaから約10GPaの弾性率、および、約5μmから約50μmの厚さを有する第2の接着剤と
を更に含むものである、実施形態1から4のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0087】
実施形態6
準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約4200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有する、実施形態5に記載の表示モジュール。
【0088】
実施形態7
前記第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素および前記中間層は、更に、各々、約75μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態6に記載の表示モジュール。
【0089】
実施形態8
前記第1および第2の接着剤は、各々、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態5から7のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0090】
実施形態9
ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約11000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである、実施形態5から8のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0091】
実施形態10
前記第1および第2の接着剤は、更に、各々、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素および前記中間層は、更に、各々、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態9に記載の表示モジュール。
【0092】
実施形態11
ペン落下試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第1の主面で約4000MPa未満の引張応力、および、該カバー要素の前記第2の主面で約9000MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有するものである、
、実施形態1から10のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0093】
実施形態12
前記準静的押込み試験中に測定された約750N/mm以上の剛性を更に有する、実施形態1から11のいずれか1つに記載の表示モジュール。
【0094】
実施形態13
準静的押込み試験における前記カバー要素への衝撃により、該カバー要素の前記第2の主面で約3200MPa未満の引張応力を特徴とする耐衝撃性を有し、
更に、前記準静的押込み試験中に測定された約1000N/mm以上の剛性を有する、実施形態12に記載の表示モジュール。
【0095】
実施形態14
前記第1の接着剤は、更に、約5μmから約25μmの厚さを有し、前記カバー要素は、更に、約50μmから約150μmの厚さを有するものである、実施形態13に記載の表示モジュール。
【0096】
実施形態15
前記第1の接着剤は、エポキシ、ウレタン、アクリル酸塩、アクリル、スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル、ケイ酸ナトリウム、光学的に透明な接着剤(OCA)、感圧接着剤(PSA)、ポリマーフォーム、天然樹脂、または、合成樹脂の1つ以上を含むものである、実施形態14に記載の表示モジュール。
【符号の説明】
【0097】
10a 第1の接着剤
10b 第2の接着剤
50 カバー要素
54、64 第1の主面
56、66 第2の主面
60 基材
70 中間層
90a 積層部
100a、100b 表示モジュール
200 ペン落下試験装置
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】