(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-536893(P2020-536893A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】ロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態
(51)【国際特許分類】
C07D 498/18 20060101AFI20201120BHJP
A61K 31/439 20060101ALI20201120BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
C07D498/18
A61K31/439
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-520115(P2020-520115)
(86)(22)【出願日】2018年10月4日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月19日
(86)【国際出願番号】IB2018057735
(87)【国際公開番号】WO2019073347
(87)【国際公開日】20190418
(31)【優先権主張番号】62/570,326
(32)【優先日】2017年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/727,734
(32)【優先日】2018年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】ボウルズ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,ピーター・ロバート
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA03
4C072AA06
4C072BB03
4C072BB06
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4C086MA01
4C086MA04
4C086NA03
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンゾオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル(ロルラチニブ)遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)に関する。本発明はまた、形態24を含む医薬組成物、および哺乳動物における異常な細胞増殖、例えばがんの処置において、形態24およびこのような組成物を使用する方法にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
8.8、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折(PXRD)パターンを有する、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンゾオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル(ロルラチニブ)遊離塩基水和物の結晶形態。
【請求項2】
9.7°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項1に記載の結晶形態。
【請求項3】
10.9°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する、請求項1または2に記載の結晶形態。
【請求項4】
40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む13C固体NMRスペクトルを有する、請求項1、2または3に記載の結晶形態。
【請求項5】
−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む19F固体NMRスペクトルを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項6】
40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの2またはそれより多くの共鳴(ppm)値を含む13C固体NMRスペクトルを有する、ロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態。
【請求項7】
128.1ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体NMRスペクトルを有する、請求項6に記載の結晶形態。
【請求項8】
145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む13C固体NMRスペクトルを有する、請求項6または7に記載の結晶形態。
【請求項9】
−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む19F固体NMRスペクトルを有する、請求項6、7または8に記載の結晶形態。
【請求項10】
−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む19F固体NMRスペクトルを有するロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態。
【請求項11】
実質的に純粋である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
治療有効量の請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるがんを処置する方法。
【請求項14】
前記がんが、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)またはc−ros腫瘍遺伝子1受容体チロシンキナーゼ(ROS1)によって媒介される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
哺乳動物におけるがんを処置する方法における、請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態の使用。
【請求項16】
前記がんが、ALKまたはROS1によって媒介される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)である、請求項14に記載の方法または請求項16に記載の使用。
【請求項18】
哺乳動物におけるがんを処置するための医薬品の製造における、請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態の使用。
【請求項19】
医薬品として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態。
【請求項20】
哺乳動物におけるがんの処置で使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンゾオキサジアザ−シクロテトラデシン−3−カルボニトリル(ロルラチニブ)遊離塩基水和物の新しい結晶形態(形態24)、形態24を含む医薬組成物、ならびに形態24およびこのような組成物を、哺乳動物における異常な細胞増殖、例えばがんの処置に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラ−ヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンゾオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル(PF−06463922)は、式(I):
【0003】
【化1】
【0004】
で表され、これには、WHO Drug Information、29巻、4号、541頁(2015)に記載されたように、国際一般名(INN)としてロルラチニブが指定されている。ロルラチニブは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)およびc−ros腫瘍遺伝子1(ROS1)受容体チロシンキナーゼの有力な大環状阻害剤である。ロルラチニブは、ALK G1202RおよびROS1G2032RなどのALKおよびROS1の野生型および耐性突然変異型の両方に対してナノモルレベルでの効力を実証する。これは、血液脳関門を通過するように設計され、ALK陽性NSCLC異種移植片モデルおよび頭蓋内ALK陽性腫瘍モデルにおいて抗腫瘍活性を実証した。
【0005】
無定形固体としてのロルラチニブの遊離塩基の調製は、国際特許公開WO2013/132376号および米国特許第8,680,111号に開示されている。ロルラチニブ遊離塩基の酢酸溶媒和物および2つの水和物の形態の調製は、国際特許公開WO2014/207606号に開示されている。ロルラチニブの無水結晶性遊離塩基(形態7)の調製は、国際特許公開第2017/021823号に開示されている。ロルラチニブの結晶性マレイン酸塩の調製は、国際特許公開WO2017/175091号に開示されている。前述の文書のそれぞれの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
【0006】
ALKおよびROS1の染色体再編成は、それぞれNSCLC症例の推測で2〜7%および1〜3%を占める非小細胞肺がん(NSCLC)の別個の分子サブタイプを定義する。(Sodaら、Identification of the transforming EML4-ALK fusion gene in non-small cell lung cancer, Nature 2007;448:561〜566;Rikovaら、Global survey of phosphotyrosine signaling identifies oncogenic kinases in lung cancer、Cell 2007;131:1190〜1203;Bergethonら、ROS1 rearrangements define a unique molecular class of lung cancers、J Clin Oncol.2012;30(8):863〜70)。
【0007】
ALK/ROS1/c−MET阻害剤であるクリゾチニブは、進行中または転移性のALK−またはROS1陽性NSCLCを有する患者にとって標準的な第1選択療法である。他のチロシンキナーゼ阻害剤で臨床的に観察されるように、獲得耐性を付与するALKおよびROS1における突然変異が、クリゾチニブに加えて、第2世代ALK阻害剤、例えばセリチニブ、アレクチニブ、およびブリガチニブでも観察されている(Gainorら、Molecular Mechanisms of Resistance to First- and Second-Generation ALK Inhibitors in ALK-Rearranged Lung Cancer、Cancer Discov. 2016;6(10):1118〜33;Awadら、Acquired Resistance to Crizotinib from a Mutation in CD74-ROS1、N Engl J Med 2013;368:2395〜2401)。したがって、ALKおよびROS1の野生型および突然変異型に対して新規の活性プロファイルを有する化合物を同定する必要が未だある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許公開WO2013/132376号
【特許文献2】米国特許第8,680,111号
【特許文献3】国際特許公開WO2014/207606号
【特許文献4】国際特許公開第2017/021823号
【特許文献5】国際特許公開WO2017/175091号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】WHO Drug Information、29巻、4号、541頁(2015)
【非特許文献2】Sodaら、Identification of the transforming EML4-ALK fusion gene in non-small cell lung cancer, Nature 2007;448:561〜566
【非特許文献3】Rikovaら、Global survey of phosphotyrosine signaling identifies oncogenic kinases in lung cancer、Cell 2007;131:1190〜1203
【非特許文献4】Bergethonら、ROS1 rearrangements define a unique molecular class of lung cancers、J Clin Oncol.2012;30(8):863〜70
【非特許文献5】Gainorら、Molecular Mechanisms of Resistance to First- and Second-Generation ALK Inhibitors in ALK-Rearranged Lung Cancer、Cancer Discov. 2016;6(10):1118〜33
【非特許文献6】Awadら、Acquired Resistance to Crizotinib from a Mutation in CD74-ROS1、N Engl J Med 2013;368:2395〜2401
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、無水ロルラチニブ遊離塩基(形態7)およびロルラチニブ酢酸溶媒和物(形態3)に関連する望ましい特性、例えば水溶液ベースの製剤(例えば、局所製剤)中での改善された物理的安定性を有し、さらに、高い吸湿性や複数の温度遷移などの好ましくない特性を有するロルラチニブ水和物(形態1)に関連する改善された特性を有する、ロルラチニブ遊離塩基水和物の新規の結晶形態である形態24を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の簡潔な概要
一形態において、本発明は、新規のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)を提供する。形態24は、以下の方法:(1)粉末X線回折(PXRD)(2θ);(2)
13C固体NMR分光法(ppm);または(3)
19F固体NMR分光法(ppm)の1つまたはそれより多くによって特徴付けられる。
【0012】
第1の形態において、本発明は、
(1)以下を含む、粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ):
(a)°2θ±0.2°2θで示される表1に記載のピークからなる群から選択される1、2、3、4、5つ、または5つより多くのピーク;(b)°2θ±0.2°2θで示される表1に記載の特徴的なピークからなる群から選択される1、2、3、4または5つのピーク;または(c)
図1に示されるのと本質的に同じである2θ値におけるピーク;もしくは
(2)以下を含む、
13C固体NMRスペクトル(ppm):
(a)ppm±0.2ppmで示される表2に記載の値からなる群から選択される1、2、3、4、5つ、または5つより多くの共鳴(ppm)値;(b)ppm±0.2ppmで示される表2に記載の特徴的な値からなる群から選択される1、2、3、4または5つの共鳴(ppm)値;または(c)本質的に
図2に示されるのと同じである共鳴(ppm)値;もしくは
(3)以下を含む、
19F固体NMRスペクトル(ppm):
(a)ppm±0.2ppmで示される表3に記載の値からなる群から選択される1、2または3つの共鳴(ppm)値;または(b)本質的に
図3に示されるのと同じである共鳴(ppm)値;
または互いに矛盾しない条件で、前述の実施態様(1)(a)〜(c)、(2)(a)〜(c)または(3)(a)〜(b)のいずれか2つまたは3つの組合せ
を有することを特徴とするロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を提供する。
【0013】
別の形態において、本発明は、さらに、本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)は、哺乳動物における異常な細胞増殖、例えばがんの処置に使用することができる。
【0015】
一形態において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における異常な細胞増殖を処置する方法であって、治療有効量のロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)を哺乳動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0016】
別の形態において、本発明は、医薬品として使用するための、特定には、ヒトを含む哺乳動物における異常な細胞増殖の処置で使用するための、ロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)を提供する。
【0017】
別の形態において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞増殖を処置する方法であって、治療有効量の本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)を含む医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0018】
別の形態において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞増殖を処置する方法における、本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによる、ロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)、またはこのような形態24を含む医薬組成物の使用を提供する。
【0019】
さらに別の形態において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞増殖を処置するための医薬品の製造における、本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)の使用を提供する。
【0020】
別の形態において、本発明は、医薬品として使用するための、本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)、またはこのような形態24を含む医薬組成物を提供する。
【0021】
別の形態において、本発明は、哺乳動物における異常な細胞増殖の処置で使用するための、本明細書に記載される形態または実施態様のいずれかによるロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態(形態24)、またはこのような形態24を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
本明細書に記載の形態それぞれの多くの実施態様において、異常な細胞増殖は、がんである。一部のこのような実施態様において、異常な細胞増殖は、ALKまたはROS1によって媒介されるがんである。一部の実施態様において、異常な細胞増殖は、ALKによって媒介されるがんである。他の実施態様において、異常な細胞増殖は、ROS1によって媒介されるがんである。さらなる実施態様において、異常な細胞増殖は、少なくとも1つの遺伝子操作されたチロシンキナーゼ、例えば遺伝子操作されたALKまたは遺伝子操作されたROS1キナーゼによって媒介されるがんである。一部のこのような実施態様において、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、神経芽細胞腫、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)および胃がんからなる群から選択される。具体的な実施態様において、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。特定の実施態様において、がんは、ALKまたはROS1によって媒介されるNSCLCであり、より特定には、遺伝子操作されたALKまたは遺伝子操作されたROS1によって媒介されるNSCLCである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のPXRDパターンである。
【
図2】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の
13C炭素CPMASスペクトルである。ハッシュ記号でマークされたピークは、スピニングサイドバンドである。
【
図3】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の
19フッ素MASスペクトルである。ハッシュ記号でマークされたピークは、スピニングサイドバンドである。
【
図4】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のコーティングなしプロトタイプ錠剤のPXRDパターンである。
【
図5】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のコーティングなしプロトタイプ錠剤の
13炭素CPMASスペクトルである。
【
図6】ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のコーティングなしプロトタイプ錠剤のフッ素MASスペクトルである。ハッシュ記号でマークされたピークは、スピニングサイドバンドである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、本明細書に記載される以下の本発明の実施態様の詳細な説明および実施例を参照することにより、より容易に理解することができる。本明細書において使用される用語は、単に具体的な実施態様を説明する目的のためであり、限定することを意図しないことが理解されると予想される。さらに、本明細書において具体的に定義されない限り、本明細書において使用される用語は、関連分野において公知のその従来の意味を与えることになることが理解されるものとする。
【0025】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り複数形の指示対象を含む。例えば、「1つの(a)」置換基は、1つまたはそれより多くの基を含む。
【0026】
用語「約」は、当業者が検討するときに値が容認された標準誤差の範囲内に入ることを意味する。
用語「本質的に同じ」は、本明細書で使用される場合、特定の方法にとって典型的なばらつきが考慮に入れられることを意味する。例えば、X線回折ピークの位置を参照すれば、用語「本質的に同じ」は、ピーク位置および強度における典型的なばらつきが考慮に入れられることを意味する。当業者は、ピークの位置(2θ)は、多少のばらつき、典型的には大きくとも±0.2°2θのばらつきを示すと予想されることを理解しているものと予想される。さらに、当業者は、関連するピーク強度は、装置間のばらつきに加えて、結晶性の程度、好ましい方向、調製されたサンプル表面、および他の当業者公知の要因に起因するばらつきを示すと予想され、さらに、単に定性的な尺度として解釈されると予想されることを理解しているものと予想される。同様に、
13Cおよび
19F固体NMRスペクトル(ppm)は、ばらつき、典型的には大きくとも±0.2ppmのばらつきを示す。
【0027】
用語「結晶性」は、本明細書で使用される場合、規則的に繰り返された分子または外側の面の整列を有することを意味する。結晶形態は、熱力学的な安定性、物理的なパラメーター、X線構造および製造プロセスで異なる可能性がある。
【0028】
用語「無定形(amorphous)」は、無秩序な固体状態を指す。
用語「溶媒和物」は、本明細書で使用される場合、結晶格子中で、化学量論量または非化学量論量の、溶媒、例えば水、酢酸、メタノールなど、またはそれらの混合物が、非共有結合による分子間力で結合したものを意味する。
【0029】
用語「水和物」は、水を含む溶媒和物を具体的に記載するのに使用することができる。
用語「チャネル水和物(channel hydrate)」は、結晶構造中の1次元のチャネルまたは2次元の面に水が充填された化学量論的または非化学量論的な水和物を記載するのに使用することができる。非化学量論的な水和物の結晶格子中の水の量は、周囲の雰囲気における水の分圧、および温度に応じて様々であり得る。
【0030】
本明細書に記載される発明は、具体的に本明細書で開示されていないいかなる要素も存在しないなかで実施されることが好適な場合がある。したがって、例えば、本明細書におけるいずれの場合においても、用語「含む」、「本質的にからなる」および「からなる」のいずれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えることができる。
【0031】
一形態において、本発明は、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を提供する。本明細書で開示されるように、形態24は、水溶液ベースの製剤、例えば局所製剤中での改善された物理的安定性を有するロルラチニブ遊離塩基水和物の結晶形態である。本明細書に記載される方法は、実質的に純粋であり、これまでに開示された無水遊離塩基(形態7)および溶媒和型(形態1、2および3)などの代替形態を実質的に含まないロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を提供する。本明細書に記載される形態それぞれの好ましい実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、実質的に純粋である。
【0032】
用語「実質的に純粋な」は、本明細書で使用される場合、結晶形態が、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%の示された結晶形態(例えば、形態24)を含有することを意味する。代替として、「実質的に純粋な」は、結晶形態が、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満の、他の多形体、溶媒和形態または無定形形態などの不純物を含有することを意味することが理解されると予想される。
【0033】
本明細書に記載されるように、形態24は、PXRD、ならびに
13Cおよび
19F固体NMR分光法で特徴付けられた。このような結晶形態はさらに、追加の技術、例えばラマン分光法、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)または示差熱分析(DTA)によって特徴付けることができる。動的蒸気吸着(DVS)方法は、温度および相対湿度(RH)の様々な条件下における形態24の吸着/脱離挙動を調査するのに使用することができる。
【0034】
本発明の形態それぞれの一部の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、その粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる。本発明の形態それぞれの他の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、その
13C固体NMRスペクトルによって特徴付けられる。本発明の形態それぞれのさらに他の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、その
19F固体NMRスペクトルによって特徴付けられる。ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、これらの技術のそれぞれを単独で、または組み合わせて使用して、これまでに記載されたロルラチニブの固体形態(例えば、形態1、2、3および7)と比べて、本明細書で同定された特徴的なピークによって固有に同定することができる。
【0035】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、これらの方法の2または3つの組合せによって特徴付けられる。本明細書において、以下の2つまたはそれより多くを含む例示的な組合せが提供される:粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ);
13C固体NMRスペクトル(ppm);または
19F固体NMRスペクトル(ppm)。技術の他の組合せが、本明細書で開示されるロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を固有に特徴付けるのに使用できることが理解されるであろう。
【0036】
一実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における1つまたはそれより多くのピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における2つまたはそれより多くのピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値における3つまたはそれより多くのピークを含むPXRDパターンを有する。
【0037】
別の実施態様において、形態24は、8.8、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。一部のこのような実施態様において、形態24は、9.7°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する。他のこのような実施態様において、形態24は、10.9°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークをさらに含むPXRDパターンを有する。
【0038】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、形態24は、9.7°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、形態24は、10.9°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、形態24は、17.6°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、形態24は、18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。
【0039】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。さらに別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。一部のこのような実施態様において、PXRDパターンは、表1に記載のピークからなる群から選択される2θ値における1つまたはそれより多くの追加のピークをさらに含む。
【0040】
具体的な実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、(a)°2θ±0.2°2θで示される表1に記載のピークからなる群から選択される1、2、3、4、5つ、または5つより多くのピーク;(b)°2θ±0.2°2θで示される表1に記載の特徴的なピークからなる群から選択される1、2、3、4または5つのピーク;または(c)
図1に示されるのと本質的に同じである2θ値におけるピークを含むPXRDパターンを有する。
【0041】
一実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、128.1、136.2および145.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される1つまたはそれより多くの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、128.1、136.2および145.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される2またはそれより多くの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、128.1、136.2および145.3ppm±0.2ppmからなる群から選択される3またはそれより多くの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0042】
一部の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。一部のこのような実施態様において、形態24は、128.1ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む
13C固体NMRスペクトルを有する。他のこのような実施態様において、形態24は、145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む
13C固体NMRスペクトルを有する。さらに他のこのような実施態様において、形態24は、128.1および145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値をさらに含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0043】
別の実施態様において、形態24は、40.2、41.2、128.1および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。別の実施態様において、形態24は、40.2、41.2、136.2および145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。別の実施態様において、形態24は、40.2、41.2、128.1、136.2および145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0044】
具体的な実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、(a)ppm±0.2ppmで示される表2に記載の値からなる群から選択される1、2、3、4、5つ、または5つより多くの共鳴(ppm)値;(b)ppm±0.2ppmで示される表2に記載の特徴的な値からなる群から選択される1、2、3、4または5つの共鳴(ppm)値;または(c)本質的に
図2に示されるのと同じである共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0045】
一実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体NMRスペクトルを有する。
別の実施態様において、形態24は、(a)ppm±0.2ppmで示される表3に記載の値からなる群から選択される1、2または3つの共鳴(ppm)値;または(b)本質的に
図3に示されるのと同じである共鳴(ppm)値を含む
19F固体NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0046】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、互いに矛盾しない上述した実施態様の2つまたは3つの組合せを特徴とする。
ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を固有に特徴付けるのに使用できる例示的な実施態様を以下に提供する。
【0047】
一実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0048】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0049】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0050】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、8.8、9.7、10.9、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0051】
さらに別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体NMRスペクトルを有する。
【0052】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0053】
別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、128.1および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0054】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、136.2および145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0055】
さらに別の実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、40.2、41.2、128.1、136.2および145.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0056】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、(a)8.8、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターン;および(b)40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトルを有する。
【0057】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、(a)8.8、17.6および18.8°2θ±0.2°2θの2θ値におけるピークを含む粉末X線回折パターン;および(b)−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体NMRスペクトルを有する。
【0058】
さらなる実施態様において、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)は、(a)40.2、41.2および136.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体NMRスペクトル;および(b)−104.0ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体NMRスペクトルを有する。
【0059】
別の形態において、本発明は、本明細書に記載の実施態様のいずれかに従って特徴付けられたロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0060】
別の形態において、本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける異常な細胞増殖を処置する方法であって、治療有効量の本発明の医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0061】
用語「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、処置される障害の症状の1つまたはそれより多くをある程度緩和すると予想される、投与される化合物の量を指す。がんの処置に関して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを低減する、(2)腫瘍転移を抑制する(すなわち、ある程度減速する、好ましくは止める)、(3)腫瘍増殖または腫瘍侵襲をある程度抑制する(すなわち、ある程度減速する、好ましくは止める)、および/または(4)がんに関連する1つまたはそれより多くの兆候または症状をある程度緩和する(または、好ましくは取り除く)作用を有する量を指す。
【0062】
「哺乳動物」は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは動物対象を指す。特定の好ましい実施態様において、哺乳動物は、ヒトである。
用語「処置する」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、このような用語が適用される障害もしくは状態、またはこのような障害もしくは状態の1つまたはそれより多くの症状を、回復させる、軽減する、その進行を抑制する、または予防することを意味する。用語「処置」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、上記の「処置する」の定義通りの処置する行為を指す。用語「処置する」はまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント療法も含む。
【0063】
「異常な細胞増殖」は、本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、正常な調節メカニズム(例えば、接触阻止の喪失)とは無関係の細胞増殖を指す。異常な細胞増殖は、良性(非がん性)であってもよいし、または悪性(がん性)であってもよい。本明細書で提供される方法の多くの実施態様において、異常な細胞増殖は、がんである。
【0064】
「がん」は、本明細書で使用される場合、異常な細胞増殖によって引き起こされるあらゆる悪性および/または侵襲的な増殖または腫瘍を指す。用語「がん」は、これらに限定されないが、体内の特定の部位で発生する原発性がん、がんが生じた場所から他の体の部分に拡がった転移がん、寛解後の元の原発性がんからの再発、および後続のがんと異なるタイプの以前のがんの病歴を有するヒトにおける新しい原発性がんである二次原発性がんを含む。
【0065】
一部の実施態様において、異常な細胞増殖は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介されるがんである。一部のこのような実施態様において、ALKは、遺伝子操作されたALKである。他の実施態様において、異常な細胞増殖は、ROS1キナーゼによって媒介されるがんである。一部のこのような実施態様において、ROS1キナーゼは、遺伝子操作されたROS1キナーゼである。多くの実施態様において、異常な細胞増殖は、がんであり、特定にはNSCLCである。一部のこのような実施態様において、NSCLCは、ALKまたはROS1によって媒介される。具体的な実施態様において、がんは、遺伝子操作されたALKまたは遺伝子操作されたROS1によって媒介されるNSCLCである。
【0066】
ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の水吸着/脱離の挙動から、この構造は徐々に、相対湿度の変化の結果として異なるレベルの水を吸着/脱離させることが解明された。このような水プロファイルは、チャネル(可変)水和物に典型的である。分析から、この構造は、非常にゆっくりかつ徐々に水を吸着および脱離するため、全ての湿度レベルに対する吸着および脱離プロセスの両方が、容易に平衡に到達しなかったことが示される。観察された挙動は、形態24の異なるバッチで再現可能であることが見出された。水レベルは、同様に試験された形態24の乾燥状態と湿潤状態との間で変化する。これらの2つの状態間の形態24の質量の変化は1%未満であった。高い相対湿度に曝露されると、構造は経時的に徐々に重量を増加させるが、一または半水和物形態の化学量論的な水レベルは達成されなかった。一部の場合において、形態24は、非化学量論的な水和物または非化学量論的なチャネル水和物と称される場合がある。
【0067】
本発明の医薬組成物は、例えば、経口投与に好適な形態、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、持続放出製剤、液剤、懸濁剤、非経口の注射に好適な形態、例えば滅菌液剤、懸濁剤もしくは乳剤、局所投与に好適な形態、例えば軟膏剤もしくはクリーム剤、または直腸内投与に好適な形態、例えば坐剤であってもよい。医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に好適な単位剤形の形態であってもよい。医薬組成物は、従来の医薬用担体または賦形剤と、活性成分として本発明に係る化合物とを含むと予想される。加えて、医薬組成物は、他の薬剤または医薬物質、担体、アジュバントなどを含んでいてもよい。
【0068】
例示的な非経口投与形態としては、滅菌水溶液、例えば、プロピレングリコールまたはデキストロース水溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液が挙げられる。このような剤形は、必要に応じて、好適に緩衝化されていてもよい。
【0069】
好適な医薬用担体は、不活性希釈剤または増量剤、水および様々な有機溶媒を含む。医薬組成物は、必要に応じて、例えば香味料、結合剤、賦形剤などの追加成分を含有していてもよい。したがって、経口投与の場合、様々な賦形剤、例えばクエン酸を含有する錠剤を、様々な崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸および特定の複合ケイ酸塩と共に、さらに結合剤、例えばスクロース、ゼラチンおよびアカシアと共に採用してもよい。加えて、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクは、錠剤形成目的で有用であることが多い。類似のタイプの固体組成物はまた、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセルで採用されてもよい。好ましい材料としては、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。経口投与のために水性懸濁液またはエリキシルが望ましい場合、そこに含まれる活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組合せなどの希釈剤と共に、様々な甘味剤または矯味矯臭剤、着色物質または色素、必要に応じて、乳化剤または懸濁化剤と組み合わせることもできる。
【0070】
具体的な量の活性な化合物を含む様々な医薬組成物を調製する方法は、公知であるか、または当業者には明白であると予想される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、ペンシルベニア州イースター、第15版(1975)を参照されたい。
【実施例】
【0071】
以下に提供される実施例および調製物は、本発明の特定の形態および実施態様をさらに例示および例証する。本発明の範囲は、以下の実施例の範囲によって限定されないことが理解されると予想される。
【0072】
一般的な方法1.粉末X線回折(PXRD)
図1および4のPXRDデータを、以下の一般的なプロトコールに従って収集した。
機器の方法:
PXRDパターンを、自動サンプルチェンジャー、シータ−シータゴニオメーター、自動ビーム発散スリット、およびPSD Vantec−1検出器を備えた、ブルカー−AXS社(Bruker-AXS Ltd.)のD4粉末X線回折計で収集した。X線管電圧およびアンペア数を、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データ収集日に、回折計を並べ、コランダム参照物質を使用して較正チェックを実行した。0.018度のステップ幅を使用するCuK−アルファ波長、ならびに2.0から65.0度2シータにスキャンするスキャン時間および11.3時間で、データを収集した。低バックグラウンドのキャビティーホルダー中に粉末を入れることによって、サンプル粉末を調製した。サンプル粉末をスライドガラスによってプレスして、適したサンプル高さが確実に達成されるようにした。プロトタイプ25mgのコーティングなし錠剤(ロット00708989−0037−3)サンプルを、適切な高さに加えて滑らかで一様の錠剤表面が得られるように切断した。これを、設置された試料ホルダーにマウントし、青色のタックで固定し、カプトン(Kapton)フィルムで覆った。ブルカーDIFFRACソフトウェアを使用してデータを収集し、DIFFRAC EVAソフトウェア(バージョン3.1)によって分析を実行した。
【0073】
ピークピッキング方法:
収集したPXRDパターンを、ブルカーDIFFRAC EVAソフトウェアにインポートした。手動で行われたピーク選択を慎重にチェックして、全てのピークが捕獲され、全てのピークの位置が正確に割り当てられたことを確認した。25の2シータ度より低い2シータを有するピークのピークリストを、ブルカーソフトウェアから抽出してマイクロソフトエクセル(Microsoft Excel)に送り、ピーク強度を、100%に等しい最大強度のピークに対して正規化した。このデータには、ピークの位置における±0.2°2シータの典型的な誤差が適用される。この測定に関連する軽微な誤差は、(a)サンプル調製(例えば、サンプルの高さ)、(b)機器、(c)較正、(d)オペレーター(ピーク配置を決定するときにこのような誤差が存在することなど)、および(e)材料の性質(例えば好ましい方向および透過性の誤差)などの様々な要因の結果として生じる可能性がある。それゆえにピークは、±0.2°2シータの典型的な関連誤差を有するとみなされる。2つのピークがリスト中でオーバーラップするとみなされる場合(±0.2°2シータ)、強度が低いほうのピークがリストから除去された。より高い強度の隣接するピーク上で、ショルダーとして存在するピークもピークリストから除去された。このショルダーは、隣接するピークの位置から>0.2°2シータであり得るが、それらは、隣接するピークから識別可能とみなされない。絶対的なピークの位置を得るために、粉末パターンは、参照に対して並べられると予想される。これは、室温で解析された同じ形態の結晶構造から、または内部標準、例えばシリカからシミュレートされた粉末パターンのいずれかであり得る。
【0074】
医薬品有効成分(API)のPXRDプロファイルは、
図1に提供され、選択されたピークの位置は、表1に提供される。25mgのコーティングなしプロトタイプの錠剤のPXRDプロファイルは、
図4に提供される。
【0075】
一般的な方法2.固体NMR(ssNMR)分光法:
図2、3、5および6における炭素CPMASおよびフッ素MASssNMRデータを、以下の一般的なプロトコールに従って収集した。
【0076】
機器の方法:
形態24への固体NMR(ssNMR)分析を、ブルカー−BioSpin Avance III 500MHz(
1H周波数)NMR分光計に設置したブルカー−BioSpin CPMASプローブで、周囲温度で遂行した。パックされたローターをマジック角に向け、15.00kHzでスピンした。プロトンデカップリングした交差分極マジック角スピニング実験を使用して、炭素ssNMRスペクトルを収集した。スペクトル獲得中、80〜90kHzの位相変調させたプロトンデカップリング場を適用した。交差分極の接触時間を、2msに設定し、再利用を5秒に遅延させた。十分なシグナル対ノイズ比が得られるように、スキャン数を調整した。結晶性アダマンタンの外部標準を使用し、その高磁場共鳴を29.5ppm(純粋なTMSから決定した場合)に設定した炭素スペクトルを、参照として使用した。プロトンデカップリングした直接極性化マジック角スピニング実験を使用して、フッ素ssNMRスペクトルを収集した。スペクトル獲得中、80〜90kHzの位相変調させたプロトンデカップリング場を適用した。再利用の遅延を、50秒に設定した。十分なシグナル対ノイズ比が得られるように、スキャン数を調整した。50/50体積/体積のトリフルオロ酢酸および水の外部標準を使用し、その共鳴を−76.54ppmに設定した直接極性化フッ素スペクトルを、参照として使用した。
【0077】
ピークピッキング方法:
ブルカー−BioSpin TopSpinバージョン3.2ソフトウェアを使用して、自動ピークピッキングを実行した。一般的に、5%相対強度の閾値を使用して、ピークを予備選択した。自動化ピークピッキングの出力を目視でチェックして、有効性を確認し、必要に応じて調整を手動で行った。
【0078】
本明細書では特定の
13Cおよび
19F固体NMRピーク値が報告されたが、機器、サンプル、およびサンプル調製の差に起因して、これらのピーク値の範囲が存在する。これは、固体NMR分野では、ピーク値における固有の変動のために一般的なことである。
13Cおよび
19F化学シフトのx軸値の典型的なばらつきは、結晶性固体の場合、およそプラスまたはマイナス0.2ppmである。本明細書において報告された固体NMRのピーク高さは、相対強度である。固体NMR強度は、実験パラメーターの実際のセットアップおよびサンプルの熱履歴に応じて様々であり得る。
【0079】
形態24APIの
13C固体NMRスペクトルは、
図2に提供され、選択されたピークの位置は、表2に提供される。形態24APIの
19F固体NMRスペクトルは、
図3に提供され、選択されたピークの位置は、表3に提供される。25mgのコーティングなしプロトタイプの錠剤の
13C固体NMRおよび
19F固体NMRスペクトルは、
図5および6に提供される。
【実施例1】
【0080】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンゾオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル(ロルラチニブ)遊離塩基水和物(形態24)の調製
【0081】
【化2】
【0082】
無水ロルラチニブ遊離塩基(形態7)(1.52、3.74mmol)のサンプルを、15mLバイアルに添加した。4.80mLの酢酸イソプロピルおよび0.20mLの水を添加して、およそ0.35の水分活性を得て、混合物を撹拌した。混合物をローラーミキサー上で24時間そのままにしてスラリーにし、その後、真空ろ過を短時間で使用してサンプルを単離して、湿潤した生成物を得た。単離した生成物のサンプルをPXRDを使用して分析し、ロルラチニブの純粋な酢酸イソプロピル溶媒和物であることを確認した。この実験から、湿潤した酢酸イソプロピル溶媒和物の1.49777gの収量が得られ、これは、次の工程へ移行する前に徹底的に乾燥させなかった。酢酸イソプロピル溶媒和物の4つのサンプル(それぞれ306.88、298.74、298.31および303.50mg)を、4つの別個の2mLバイアルに添加した。700μLのトルエンを、マグネチックスターラーバーと共にバイアルのそれぞれに添加し、バイアルをキャップした。混合物を80℃に加熱し、72時間そのままにしてスラリーにし、その後、遠心分離機でのろ過によってスラリーを単離した。サンプルを0.22μmナイロン遠心分離機フィルターに移し、13,200rpm、20℃で10分遠心分離した。単離した生成物をPXRDを使用して分析し、純粋なロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)であることを確認した。
【0083】
ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の特徴付け
PXRDデータ
図1は、一般的な方法1に従って収集したロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のPXRDデータを示す。回折角度2シータ°(°2θ)±0.2°2θにおけるPXRDピークのリストおよびそれらの相対強度は、表1に提供される。形態24と区別される特徴的なPXRDピークは、アスタリスク(
*)によって示される。
【0084】
【表1】
【0085】
ssNMRデータ
図2は、一般的な方法2に従って収集したロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の炭素CPMASスペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で示され、29.5ppmにおける固相アダマンタンの外部サンプルが参照として使用される。形態24のssNMR
13C化学シフト(ppm)のリストは、ppm±0.2ppmで表2に提供される。形態24と区別される特徴的な
13CssNMR化学シフト(ppm)は、アスタリスク(
*)によって示される。
【0086】
【表2】
【0087】
図3は、一般的な方法2に従って収集したロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)のフッ素MAS(ssNMR)スペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で示され、−76.54ppmにおけるトリフルオロ酢酸の外部サンプル(H
2O中の50%V/V)が参照として使用される。
【0088】
形態24の
19FssNMR化学シフト(ppm)は、ppm±0.2ppmで表3に提供される。形態24と区別される特徴的なssNMR
19F化学シフト(ppm)は、アスタリスク(
*)によって示される。
【0089】
【表3】
【実施例2】
【0090】
ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の代表的な医薬製剤
ロルラチニブ遊離塩基水和物の形態24を含むプロトタイプ錠剤は、錠剤化された製剤で一般的に使用される従来の賦形剤を使用して調製することができる。
【0091】
錠剤は、典型的には、1〜30w/w%のAPIを含有する。錠剤増量剤として、微結晶性セルロース(例えば、35〜60%w/w)、無水リン酸水素カルシウム(DCP)(例えば、10〜35%w/w)が使用され得る。DCPの代わりに、他の増量剤、例えば乳糖一水和物も使用され得る。崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、2〜5%w/w)が使用され得る。潤滑剤として、ステアリン酸マグネシウム(0.5〜1.5%w/w)が使用され得る。
【0092】
錠剤は、圧縮の前に乾式造粒プロセスを使用して製造することができる。このプロセスでは、結晶性材料を、上記で概説した典型的な範囲内の所定比率の賦形剤とブレンドし、ブレンドをローラー圧縮機を使用して乾式造粒する。顆粒は、このプロセスの一部として磨砕してもよい。圧縮の前に、顆粒を賦形剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)のいずれかの残りとブレンドする。
【0093】
形態24の代表的な錠剤の製剤は、表4に提供される。
【0094】
【表4】
【0095】
図4は、ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)を含むプロトタイプの25mgのコーティングなし錠剤のPXRDパターンを示す。
図5および6は、それぞれプロトタイプの25mgのコーティングなし錠剤の
13Cおよび
19FssNMRスペクトルを示す。
【実施例3】
【0096】
ロルラチニブ遊離塩基水和物(形態24)の水の吸着/脱離研究
DVS方法を採用して、形態24の吸着/脱離の挙動を研究した。
方法:この方法は、20℃で10%RHの上げ幅での湿度上昇を採用する0%RHから90%RHへの標準的な吸着の試行、それに続く0%RHに下降する脱離試行、および20℃で10%のRH変化幅での0%RHから90%RHの第2の吸着/脱離サイクルを含んでいた。
【0097】
結果:
標準的な方法に基づき、0から90%RHの各湿度段階で、材料は徐々に水の取込み量を増加させた。各相対湿度における水の吸着による特定の増加量は、表5に提供される。
【0098】
【表5】
【0099】
90%RHにおいて、0%RHと比較して有意な質量増加が観察された。両方の吸着サイクルで、各湿度レベルにおける取込み量は、最初の増加を示し、次いで経時的にゆっくりと徐々に増加し続ける。これは、吸着および脱離の速度が、主として結晶の孔を通る水分子の拡散速度によって制限されることを示す可能性がある。類似の挙動が、脱離サイクルで観察された(すなわち、わずかな初期の低下とそれに続く段階的な連続低下)。脱離の等温線は、チャネル水和物に典型的な別の特徴である吸着の等温線に関してヒステリシスをほとんど示さなかった。
【0100】
質量の増加(吸着)および質量の減少(脱離)が、各湿度レベルで徐々に変化し続けたことから、各湿度における平衡が達成されなかったという仮説が立てられた。
参考として、化学量論的に、一水和物は、4.2%の質量変化に相当し、1:3の水:APIの化学量論は、1.4%の質量変化に相当する。形態24で測定された質量変化は理論上計算された化学量論より低かったことから、この構造は、非化学量論的な水和物とみなすことができる。
【0101】
前述のものに、本発明の基礎的な形態から逸脱することなく改変をなすことができる。1つまたはそれより多くの具体的な実施態様を参照しながら本発明を実質的に詳細に説明したが、当業者は、本出願で具体的に開示された実施態様に変化をなすことができ、さらにこれらの改変および改善は、本発明の範囲および本質の範囲内であることを認識していると予想される。
【国際調査報告】