特表2020-537164(P2020-537164A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-537164充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-537164(P2020-537164A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/26 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   G01F23/26 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-541857(P2020-541857)
(86)(22)【出願日】2018年10月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月10日
(86)【国際出願番号】EP2018077360
(87)【国際公開番号】WO2019096493
(87)【国際公開日】20190523
(31)【優先権主張番号】102017127145.7
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520128303
【氏名又は名称】べディア モトーレンテヒニック ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルトハイス,ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】コドル,ゲオルク
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AB02
2F014EA10
2F014GA01
(57)【要約】
第1測定素子(5)と、第2測定素子(6)であって、前記第2測定素子(6)の第1部分(6a)と、前記第2測定素子(6)の第2部分(6b)、との間に電位勾配が形成されるように、前記第2測定素子が構成されている第2測定素子(6)と、前記第2測定素子(6)に関連付けられ、第1電圧(U)と、前記第1電圧(U)とは任意選択的に異なる第2電圧(U)とを生成して、これらを前記第2測定素子(6)に印加するように設計された電圧生成手段(7)と、前記電圧生成手段(7)に関連付けられ、前記第1電圧と前記第2電圧(U,U)が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに交代で印加されるように、前記電圧生成手段(7)の動作を制御するように設計された制御手段(8)と、を備えたことを特徴とする、充填媒体で充填可能な充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルを静電容量的に測定するための装置(1)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1測定素子(5)と、
配置されている第2測定素子(6)であって、前記第2測定素子(6)の第1部分(6a)と、前記第2測定素子(6)の第2部分(6b)と、の間に電位勾配が形成されるように、前記第2測定素子が構成されている、第2測定素子(6)と、
前記第2測定素子(6)に関連付けられ、第1電圧(U)と、前記第1電圧(U)とは任意選択的に異なる第2電圧(U)とを生成して、これらを前記第2測定素子(6)に印加するように設計された電圧生成手段(7)と、
前記電圧生成手段(7)に関連付けられ、前記第1電圧と前記第2電圧(U,U)が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに交代で印加されるように前記電圧生成手段(7)の動作を制御するように設計された制御手段(8)と、
を備えたことを特徴とする、充填媒体で充填可能な充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルを静電容量的に測定するための装置(1)。
【請求項2】
前記第1電圧と前記第2電圧(U,U)が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに交代で印加されているときに、前記第1測定素子と第2測定素子(5,6)との間の電荷を測定するように設計されている測定デバイス(9)により特徴付けられる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記測定デバイス(9)に関連付けられ、かつ前記第1電圧と前記第2電圧(U1,)が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに交代で印加されているときに、前記充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルの観点から、測定された前記電荷を評価するように設計された評価デバイス(10)により特徴付けられる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1測定素子(5)と前記第2測定素子(6)が並んで配置され、前記第1測定素子(5)と前記第2測定素子(6)がキャパシタ組立体を形成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1測定素子(5)が板状もしくはプレート様、または管状またはチューブ様に設計され、前記第2測定素子(6)が、板状もしくはプレート様、またはロッド形状もしくはロッド様に設計されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第2測定素子(6)が測定用抵抗器として設計されるか、または少なくとも1つのこのような抵抗器を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記測定用抵抗器が抵抗素子として設計され、前記抵抗素子は、前記第2測定素子(6)の長手軸に沿って連続的に延在するようにして形成または配置され、とりわけ前記第2測定素子(6)の基板素子(18)の上に形成または配置されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記測定用抵抗器が複数の個別の抵抗素子により形成され、前記複数の個別の抵抗素子が、前記第2測定素子(6)の長手軸に沿って、前記第2測定素子(6)の基板素子(18)の上に、配置または形成されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第2測定素子(6)には、前記第2測定素子(6)の電気絶縁体を形成する絶縁材料からなる絶縁コーティング(17)が、少なくとも部分的に、とりわけ完全に設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)が、前記第2測定素子(6)の第1自由端部の領域内に形成されるか、または前記第2測定素子(6)の第1自由端部により形成され、かつ前記第2測定素子(6)の前記第2部分(6b)が、前記第2測定素子(6)の第2自由端部の領域内に形成されるか、または前記第2測定素子(6)の第2自由端部により形成されることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第2測定素子(6)の第1電圧印加部が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)の領域内に形成されるか、または前記第1部分(6a)により形成され、かつ
前記第2測定素子(6)の第2電圧印加部が、前記第2測定素子(6)の前記第2部分(6b)の領域内に形成されるか、または前記第2部分(6b)により形成されることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
測定素子(6)であって、前記測定素子(6)の第1部分(6a)と、前記測定素子(6)の第2部分(6b)との間に、電位勾配が形成されるように構成された測定素子(6)と、
前記測定素子(6)に関連付けられ、第1電圧(U)と、前記第1電圧(U)とは任意選択的に異なる第2電圧(U)とを生成して、これらを前記測定素子(6)に印加するように設計された電圧生成手段(7)と、
前記電圧生成手段(7)に関連付けられ、また前記第1電圧と前記第2電圧(U,U)が、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに、交代で印加されるように、前記電圧生成手段(7)の動作を制御するように設計された制御手段(8)と、
を備え、
充填媒体(2)で充填可能な充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルを静電容量的に測定するための、とりわけ請求項1〜11の何れか一項に記載の装置(1)のための、測定組立体(12)。
【請求項13】
第1測定素子(5)を提供するステップと、
第2測定素子(6)を提供するステップであって、前記第2測定素子(6)の第1部分(6a)と前記第2測定素子(6)の第2部分(6b)との間に電位勾配が形成されるように、前記第2測定素子(6)が構成されている、ステップと、
第1電圧(U)と、前記第1電圧(U)とは任意選択的に異なる第2電圧(U)と、を提供または生成するステップと、
生成された前記第1電圧(U)と前記第2電圧(U)とを、前記第2測定素子(6)の前記第1部分(6a)と前記第2部分(6b)とに、交代で印加するステップと、
前記第2測定素子(6)に、前記第1電圧(U)および前記第2電圧(U)が存在するときまたは、前記第1電圧(U)および前記第2電圧(U)が交代で印加されているときに、前記第1測定素子(5)と前記第2測定素子(6)の間の電荷を測定するステップと、
前記第2測定素子(6)に、前記第1電圧(U)および前記第2電圧(U)が存在するときまたは、前記第1電圧(U)および前記第2電圧(U)が交代で印加されているときに、充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルの観点から、測定された前記電荷を評価するステップと、
を含むことを特徴とする、充填媒体(2)で充填可能な充填容量部(3)の中にある充填媒体(2)の充填レベルを静電容量的に測定するための方法。
【請求項14】
前記方法が、請求項1〜11の何れか一項に記載の装置(1)を用いて実行されることを特徴にする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充填媒体で充填することのできる填容量部の中にある充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
充填媒体で充填することのできる充填容量部の中にある充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための装置および方法そのものは既に知られている。このような装置および方法は、充填媒体で充填された充填容量部の中に配置された測定デバイスの測定素子に係る電気容量であって、充填媒体の充填レベルに応じて変化する電気容量を評価するという原理に基づくものである。
【0003】
これまでは、このような装置や方法では、測定される充填レベルが、充填レベルに応じて変化する電気容量から(直接)得られる場合が通常であった。この場合、充填媒体は電気キャパシタの誘電体を通常形成し、また各キャパシタの電極は測定デバイスの測定素子から通常形成される。この場合、充填レベルの測定を可能にするためには、充填媒体の複素比誘電率(以下、単に誘電率と呼ぶこととする)を知る必要があり、複素比誘電率の実数部分は充填媒体の誘電率を表しており、また複素比誘電率の虚数部分は充填媒体の(特定の)電気伝導性を表している。
【0004】
充填媒体の誘電率が未知のときにも充填レベルの測定を行うことを可能にするためには、充填媒体の充填レベルと誘電率に関して互いに異なる方法で依存する2つの静電容量が提供される場合がある。数学的に考えて、2つの線形独立なシステムが提供される。また別の手法として、充填媒体の誘電率定数を決定するためだけに機能する基準測定素子を提供する方法がある。したがって、この手法では、追加の測定素子が提供されることになり、この素子が充填レベルを測定する実際の測定素子を構成する。
【0005】
上記の手法は、必要とされるデバイスが多数の電気キャパシタから構成されなければならず、特に電気キャパシタに必要とされている「デカップリング」に起因して、通常は、比較的複雑な設計をもつ測定デバイスになりがちなため、改善が必要である。加えて、基準測定素子を備える測定デバイスは、最大充填レベルと最小充填レベルの間での限られた測定しかできない場合が多い。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、充填媒体で充填することのできる充填容量部の中にある充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための比較的改善された装置を提供することである。
【0007】
この目的は、請求項1に記載の装置によって達成される。従属請求項は、装置の可能な実施形態に関する。
【0008】
本明細書に記載の装置(以下、単に「本装置」とよぶ)は、充填媒体で充填することのできる充填容量部の中の充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するために通常使用され、したがって充填媒体で充填されているまたは充填可能な充填容量部の中にある充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するように設計されている。
【0009】
本装置を用いて充填レベルが測定される充填媒体は、導電性でも非導電性でも構わない。充填媒体は、必ずしもそうである必要はないが、通常は流体であって、したがって、「充填媒体」という用語には、原則として、気体と固体もまた含まれる。
【0010】
流体状の充填媒体は特に作動液、例えば、特にエンジン等のモーターなどの機械の作動液で、例えば燃料とすることができ、またはこの種の作動液を含むことができる。この場合、本装置は特にエンジンのモーターに係る充填レベルセンサーとして使用することができるため、そのようなものとして見なし、また記載される場合がある。
【0011】
充填可能な若しくは充填された充填容量部、本装置を用いて測定されるその充填レベルは、充填容量部の容器または入れ物の幾何/構造的な寸法により通常定められる。したがって、本装置を用いて充填レベルが測定される充填媒体は、容器または入れ物の中に存在する。このような容器または入れ物は例えばタンクとすることができる。
【0012】
本装置は、充填レベルを判断するために機能する以下に説明される部品または部材を備える。
【0013】
本装置の第1の部品は第1測定素子である。第1測定素子は、第1測定電極と呼ばれるか、またはそのようなものとしてみなされる。下記から明らかであるが、第1測定素子は、キャパシタ組立体の第1電極として使用または形成され、このキャパシタ組立体は本装置の第1測定素子と第2測定素子により形成される。第1測定素子は通常、導電性を呈する。第1測定素子はしたがって、金属などの導電性材料から構成されるか、または導電性の材料を含む。
【0014】
本装置の第2の部品は第2測定素子である。第2測定素子は、第2測定電極と呼ばれるか、またはそのようなものとしてみなされる。下記から明らかであるが、第2測定素子は、キャパシタ組立体の第2電極として使用または形成され、このキャパシタ組立体は第1測定素子と第2測定素子により形成される。第1測定素子とは対照的に、またはこれと比較して、第2測定素子は、小さな或いは著しく小さな導電性を通常は有する。
したがって、第1測定素子と比較して、またはこれとは対照的に、第2測定素子は、特に導電性の著しく小さい材料から構成されるか、または特に導電性の著しく小さな導電性材料構造から構成されるか、或いは、導電性が特に著しく小さい材料を含むか、または導電性が特に著しく小さな材料構造を含んでいる。
【0015】
本装置が作動しているとき、これら2つの測定素子は通常、充填容量部の中に少なくとも部分的に配置されているか、または充填レベルに応じて、充填容量部の中に少なくとも部分的に浸されている。
【0016】
2つの測定素子は通常、隣り合うように形成されるかまたは配置される。2つの測定素子が隣り合う配置または構成は、通常、第1測定素子と第2測定素子がキャパシタ組立体またはキャパシタを形成するようにして、選択される。この場合、第1測定素子はキャパシタまたはキャパシタ組立体の第1電極を形成し、またこの場合、第2測定素子はキャパシタまたはキャパシタ組立体の第2電極を形成する。間隙またはすき間がこれら2つの測定素子の間に形成されており、この間隙またはすき間には、充填レベルに依存した方法などにより、充填レベルに応じて、充填媒体が充填可能であるか充填されている。
【0017】
第1測定素子および/または第2測定素子は分割化させて形成することができ、つまり第1測定素子および/または第2測定素子を形成する複数の測定素子分割部を備えることができる。第1測定素子が、第1測定素子を形成する複数の測定素子分割部により形成されるか、または第1測定素子を形成する複数の測定素子分割部を含む場合、および/または、第2測定素子が、第2測定素子を形成する複数の第2測定素子分割部により形成されるか、または第1測定素子を形成する複数の第1測定素子分割部を含む場合、関連する第1測定素子分割部および第2測定素子分割部は通常、これらの配置がキャパシタまたはキャパシタ組立体を形成するようにして、配置される。
【0018】
第1測定素子または第2測定素子の幾何的/構造的な設計は、第1測定素子と第2測定素子がキャパシタまたはキャパシタ組立体を形成する限り、原理的には好きなように選択することができる。通常は、これら2つの測定素子は何れも細長く形成されており、前記測定素子が何れも明確な長手軸を有するようにして形成される。したがって、第1測定素子と第2測定素子がキャパシタまたはキャパシタ組立体を形成する限り、第1測定素子と第2測定素子について、あらゆる所望の幾何的/構造的な構成を想定することができる。第1測定素子は、例えば、板状もしくはプレート様、または管状またはチューブ様に設計することができる。第2測定素子は、例えば、板状もしくはプレート様、またはロッド形状もしくはロッド様に設計することができる。
【0019】
例えば板状もしくはプレート様、または管状またはチューブ様に設計された第1測定素子は、第1測定素子および/または第2測定素子を受け入れる本装置の筐体構造体の任意選択的な一体化部分を形成することができる。例えば、板状もしくはプレート様、またはロッド形状もしくはロッド様に設計された第2測定素子は、第1測定素子および/または第2測定素子を受け入れる本装置の筐体構造体の中に受け入れることができる。この場合、第1測定素子/第2測定素子が板状もしくはプレート様のとき、例えば、平行な配置を考えることができる。第1測定素子が板状もしくはプレート様で、第2測定素子がロッド形状もしくはロッド様の実施形態の場合、例えば、同軸状の配置を考えることができる。
【0020】
それぞれの測定素子は、特に回路基板などの基板素子の上に設けられた導電性を多少有する特定の構造体により形成することもできる。高い電気伝導性を持つ導電性構造体(第1導電性構造体)が第1測定素子を構成して、これと比較して(著しく)低い電気伝導性を持つ導電性構造体(第2導電性構造体)が第2測定素子を構成することができる。これに関連して、いわゆる指間状の配置または構造体を考えることができる。したがって、第1/第2導電性構造体はそれぞれ、互いが相補的となるようにして、平行に、また互いが指状に組み合うようにして配置されるように設計することができる。この場合、各第1/第2導電性構造体の配置は、2つの(直接的に)隣接する第2導電性構造体の間に形成された2つの間隙の中に、第1導電性構造体がそれぞれ、少なくとも部分的に、組み入るようにして配置または設計されるように選択することができる。
【0021】
第2測定素子は(本装置の運転時)、ポテンシャル勾配、つまり電位ポテンシャルの勾配が、第2測定素子の第1部分と第2測定素子の第2部分の間に形成され、特に第2測定素子の第1自由端部と、第2測定素子の第1自由端部とは反対側に配置されている、第2測定素子の第2自由端部との間に電位勾配が形成されるようにして、構成される。その結果、第2測定素子の第1部分は、第2測定素子の第1自由端部の領域内、または第2測定素子の第1自由端部により形成されるか、および/または、第2測定素子の第2部分は、第2測定素子の第2自由端部の領域内、または第2測定素子の第2自由端部により形成することができる。第2測定素子の前記部分の間に形成された電位勾配は、通常は充填媒体の充填レベルには依存しない。第2測定素子の測定領域は通常、第2測定素子の前記部分の間に延在している。
【0022】
第2測定素子は測定用抵抗器として設計されるか、または少なくとも1つのこのような抵抗器を備えることができる。したがって、第2測定素子の前記部分の間における電位勾配の形成は、測定用抵抗器として設計されるか、または少なくとも1つのこのような抵抗器を備える第2測定素子に基づくことができる。測定用抵抗器の抵抗(値)は十分に大きいため、第2測定素子の前記部分の間には対応する電位勾配が形成可能であるか、形成されている。
【0023】
本装置のさらなる素子は電圧生成手段であって、電圧生成手段は第2測定素子に関連付けられ、つまり特に第2測定素子に電気的に接続されているか接続可能となっている。電圧生成手段は第1電圧と第2電圧を提供または生成し、これらを第2測定素子に印加するように設計されている。それぞれの電圧を提供または生成するため、電圧生成手段を、電圧供給ネットワークなどの内部若しくは外部電圧(供給)源に接続させることができる。第1電圧は(大きさを)第2電圧と同じにすることができる。しかし第1電圧は、任意選択的に(その大きさを)第2電圧とは異なるものとすることができ、あるいは第2電圧は、任意選択的に(その大きさを)第1電圧とは異なるものとすることができる。したがって電圧生成手段は、任意選択的に、少なくとも2つの同一もしくは異なる電圧を生成するように設計することができる。
【0024】
第1/第2電圧をそれぞれ第2測定素子に印加するため、第2測定素子には電気接点などの隔てられた電圧印加部を設けることができ、ここに電圧生成手段により提供または生成された電圧が印加可能であるか印加される。第1電圧印加部は第2測定素子の上記第1部分の領域内、特に第2測定素子の第1自由端部の領域内に配置されるかまたはこれにより形成され、また第2電圧印加部は第2測定素子6の上記第2部分の領域内、特に第2測定素子の第2自由端部の領域内に配置されるかまたはこれにより形成される。
【0025】
電圧生成手段により提供または生成された電圧は、何れも特に大きさと時間で定められた電圧パルスの形態で提供または生成することができる。したがって、電圧生成手段は、所定の電圧パルスを提供または生成するように設計することができる。このように設計された電圧生成手段は、例えばパルス発生器として設計することができるか、またはパルス発生器を備えることができる。第1電圧パルスは第2電圧パルスと同一にすることができる。しかし、第1電圧パルスは、任意選択的に、第2電圧パルスと(その大きさが)異なるもの、または第2電圧パルスは、任意選択的に、第1電圧パルスと(その大きさが)異なるものとすることができる。したがって電圧生成手段は、任意選択的に、少なくとも2つの同一もしくは異なる電圧パルスを生成するように設計することができる。
【0026】
本装置のさらなる素子は制御手段であって、制御手段はハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実装され、また電圧生成手段に関連付けられている。制御手段は、ハードウェア、および/または、ソフトウェアとして実装されている電圧生成手段の一部を構成することができる。制御手段は、第1電圧および第2電圧が、第2測定素子に交代で印加されるか印加可能なように、つまり第2測定素子のそれぞれの第1電圧印加部および第2電圧印加部に交代で印加されるようにして、電圧生成手段の動作を制御するように設計されている。第2測定素子での第1電圧および第2電圧の交代での印加または存在、つまり第2測定素子のそれぞれの電圧印加部での第1電圧および第2電圧の交代での印加または存在は、第2測定素子のそれぞれの電圧印加部に、所定の(大きさの)電圧または電圧パルスが、交代で印加されることを意味するものとして特に理解される。この場合、第1電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加されているときに、第2電圧が前記第2測定素子の第2電圧印加部に印加されるか、または、第2電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加されているときに、第1電圧が前記第2測定素子の第2電圧印加部に印加される。
【0027】
制御手段はしたがって、電圧生成手段の動作を、第1電圧と第2電圧が第2測定素子に交代で印加されるように、つまり第1電圧と第2電圧が第2測定素子のそれぞれの電圧印加部に交代で印加されるように、制御するように設計されている。したがって、第1時間間隔において第1電圧が、そして次の第2時間間隔において第2電圧が、第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、また第1時間間隔において第2電圧が、そして次の第2時間間隔において第1電圧が、第2測定素子の第2電圧印加部に印加されるが、逆の場合も同じである。次の第3時間間隔において、第1電圧が再び第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、また第2電圧が再び第2測定素子の第2電圧印加部に印加され、これが繰り返される。
【0028】
充填媒体で充填されているかまたは充填可能な充填容量部内の充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定する改善された原理は、このように設計された装置を用いて実行することができる。下記に認められる通り、本装置を用いて実行可能な静電容量的な充填レベル測定の原理は、充填媒体の充填レベルに応じて変化する第1測定素子と第2測定素子の間の電荷または電気容量の検知と評価に特に基づくものであって、この測定から充填媒体の充填レベルを推測して、これを判断することができる。
【0029】
この場合、第2測定素子は、第2測定素子に沿って、または第2測定素子の測定領域に沿って、電位勾配を生成する充填レベルに依存しない電圧分配器として通常機能する。第2測定素子に沿う、または第2測定素子の測定領域に沿う、充填レベルに依存しない電圧分配により、第1測定素子と第2測定素子の間の電気容量または電荷が、充填レベルに応じて重み付けされることとなる。第1測定素子と第2測定素子の間の電荷は特に、充填媒体の充填レベル、電位勾配に沿う電位に依存しており、充填媒体の誘電率は、上記の通り、充填媒体の複素比誘電率として理解され、この複素比誘電率の実部は充填媒体の誘電率を表し、また複素比誘電率の虚数部分は充填媒体の(特定の)電気伝導性を表しているが、これは本装置を用いて実行されるか実行可能な充填レベルの判断とは無関係であるため、無視することができる。したがって、本装置を用いて行われるまたは行うことのできる充填レベルの判断を、充填媒体の誘電率とは独立に行うことができ、つまり充填媒体の誘電率を判断することなく行うことができる。
【0030】
本装置はさらにハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実行される測定デバイスを備えることができる。測定デバイスは、第2測定素子、特に第2測定素子の第1電圧印加部と第2電圧印加部にそれぞれ、第1電圧および第2電圧が存在するとき、またはこれらが交代で印加されているときに、第1測定素子と第2測定素子の間の、可変する電気容量または電荷を測定するように設計されている。測定デバイスはしたがって、第1電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、第2電圧が第2測定素子の第2電圧印加部に印加されているときに、第1測定素子と第2測定素子との間の第1電荷を測定し、また第2電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、第1電圧が第2測定素子の第2電圧印加部に印加されているときに、第1測定素子と第2測定素子との間の第2電荷を測定するように設計されている。
【0031】
通常、測定デバイスはさらに、第2測定素子の各電圧印加部に、第1電圧および第2電圧が存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、第1測定素子と第2測定素子の間の、測定された電荷を表す測定信号を生成するように設計されている。測定信号は少なくとも2つの部分信号を含むことができ、第1部分信号は、第1電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、また第2電圧が第2測定素子の第2電圧印加部に印加されているときの、第1測定素子と第2測定素子の間の電荷を表しており、また第2部分信号は、第2電圧が第2測定素子の第1電圧印加部に印加され、第1電圧が第2測定素子の第2電圧印加部に印加されているときの、第1測定素子と第2測定素子の間の電荷を表している。
【0032】
本装置はさらにハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実行される評価デバイスを備えることができる。評価デバイスを測定デバイスに関連付けることができる。評価デバイスは、第2測定素子、特に第2測定素子のそれぞれの電圧印加部に、第1電圧および第2電圧が存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、測定された電荷を評価するか、または充填容量部の中にある充填媒体の充填レベルを考えて前記測定信号を評価するように、設計されている。測定された電荷または測定信号を評価するため、評価デバイスには好適な評価ロジックまたは好適な評価アルゴリズムを含むことができる。
【0033】
第2測定素子は上記の通り、通常は細長くなるように設計されるが、上記の通り、測定用抵抗器として設計することができ、または少なくとも1つのこのような抵抗器を備えることができる。
【0034】
測定用抵抗器は抵抗素子などとして設計することができ、抵抗素子は、第2測定素子の長手軸に沿って連続的に延在し、特に第2測定素子の基板素子の上に設けられるようにして、形成または配置されるが、この基板素子は、例えば回路基板とすることができる。第1測定素子および、これに対応して測定用抵抗器または抵抗素子として設計された第2測定素子の等価回路図は、「無限」数のRC素子を有するRCチェーンを構成する。
【0035】
場合によっては、測定用抵抗器を、複数の個別の導電性、特に金属製の面素子により形成することも考えられ、各面素子は、第2測定素子の基板素子上で、第2測定素子の長手軸または第2測定素子に沿って配置または形成されており、この基板素子は、上記の通り、回路基板とすることができ、これら面素子は何れも、個別の抵抗素子および第2測定素子の各電圧印加部と接続されている。この場合、通常、それぞれの面素子と抵抗素子の交互的な配置が考えられる。第1測定素子とこれに対応して設計された第2測定素子の等価回路図は、電気抵抗器により接続された複数の個別の静電容量面を表している。
【0036】
したがって一般的に、測定用抵抗器は通常細長く、つまり第2測定素子の長手軸方向に少なくとも部分的に延在する場合がある。
【0037】
具体的な設計な何であれ、例えば基板素子を少なくとも部分的に、場合によっては完全にコーティングする場合であっても、この基板素子は、上記の通り、回路基板とすることができ、測定用抵抗器、ひいては第2測定素子は、適当な材料で形成することができる。コーティングは、第2測定素子の前記部分の間を(第2測定素子の長手方向に)連続的にまたは不連続的に延在することができる。コーティングは、コーティングを形成する材料塗布を可能にする、特に種々の化学的および/または物理的な、蒸着または塗布またはコーティング技術を用いて達成することができる。単なる例として、堆積、蒸着またはプリントについて記載される。
【0038】
第2測定素子は、第2測定素子の電気絶縁体を形成するプラスチック材料などの好適な絶縁材料からなる絶縁コーティングを、少なくとも部分的に、特に完全な形で(追加で)設けることができる。第2測定素子はこのようにして充填媒体から絶縁することが可能で、つまり、例えば充填媒体と第2測定素子との間に電気接触が存在しない。このような絶縁性コーティングにより達成される第2測定素子の絶縁は、通常は、本装置を導電性の充填媒体と共に使用する場合にだけ必要となる。したがって、絶縁性コーティングは原則、任意選択的なものである。
【0039】
本装置に加えて、本発明はまた、充填媒体で充填されているかまたは充填可能な充填容量部内の充填レベルを静電容量的に測定するための、特に記載されている本装置のための測定組立体に関する。測定組立体は、第2測定素子の第1部分と第2部分との間、通常は第2測定素子の第1電圧印加部と第2測定素子の第2電圧印加部との間に、電位勾配が形成されるように構成された測定素子(これは本装置と共に本装置の第2測定素子を形成する)と、第2測定素子に関連付けられ、かつ第1電圧と、前記第1電圧とは任意選択的に異なる第2電圧を生成し、前記各電圧を前記第2測定素子に交代的に印加するように設計された電圧生成手段に加えて、前記電圧生成手段に関連付けられ、かつ前記第1電圧と前記第2電圧が前記第2測定素子の前記第1部分と前記第2部分に交代で印加されるようにして、前記電圧生成手段の動作を操作するように設計されている制御手段が備えられている。
【0040】
測定組立体はさらに、前記第2測定素子の前記第1部分と前記第2部分に、前記第1電圧および前記第2電圧が交代で印加されているときに、前記第1測定素子と前記第2測定素子の間の電荷を測定するように設計されている測定デバイスと、測定デバイスに関連付けられ、前記第2測定素子、特に前記第2測定素子のそれぞれの電圧印加部に、第1電圧および第2電圧が交代で印加されているときに、充填容量部の中の充填媒体の充填レベルの観点から、測定された電荷を評価するように設計されている評価デバイスと、を備えることができる。
【0041】
測定組立体の個々の部品、複数の部品、または全ての部品を、構造的に組み合わせることにより、別々に取り扱うことのできる組立体を構成することができ、例えば、測定組立体の筐体の内部または表面に配置または形成することができる。
【0042】
本装置に関連してなされたすべての記載、測定組立体に対しても同様に適応される。
【0043】
本装置と測定組立体に加えて、本発明はまた、充填媒体で充填されているかまたは充填可能な充填容量部内にある充填媒体の充填レベルを静電容量的に測定するための方法に関する。
この方法は特に以下のステップ:
第1測定素子を提供するステップと、
第2測定素子であって、前記第2測定素子の第1部分、特に前記第2測定素子の第1電圧印加部と、前記第2測定素子の第2部分、特に前記第2測定素子の第2電圧印加部との間に電位勾配が形成されるように、前記第2測定素子が構成されている、第2測定素子を提供するステップと、
第1電圧、および/または、前記第1電圧とは任意選択的に異なる第2電圧、を提供または生成するステップと、
生成された前記第1電圧と前記第2電圧とを、前記第2測定素子の前記第1部分と前記第2部分とに、交代で印加するステップと、
前記第2測定素子に、前記第1電圧および前記第2電圧が存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、前記第1測定素子と前記第2測定素子の間の電荷を測定するステップと、
前記第2測定素子に、前記第1電圧および前記第2電圧が存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、充填容量部内の充填媒体の充填レベルの観点から、測定された前記電荷を評価するステップと、
を含んでいる。
【0044】
本方法は特に記載されている装置を用いて実施されるが、本装置に関連してなされるすべての記載は、本方法にも同様にして適応される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明は、図面に示される実施形態を参照して、以下により詳細に説明される。
図1図1は、充填媒体で充填されているかまたは充填可能な充填容量部内の充填レベルを静電容量的に測定するための装置の概略図である。
図2図2は、充填媒体で充填されているかまたは充填可能な充填容量部内の充填レベルを静電容量的に測定するための装置の概略図である。
図3図3は、さらなる実施形態に係る測定素子の概略図である。
図4図4はさらなる実施形態に係る測定素子の概略図である。
図5図5はさらなる実施形態に係る測定素子の概略図である。
図6図6はさらなる実施形態に係る測定素子の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1図2は何れも、充填媒体2で充填されているかまたは充填可能な充填容量部3内の充填レベルを静電容量的に測定するための装置1の概略図である。
充填容量部3は、容器4の幾何/構造的な寸法により形成され、例えば、特に容器4の壁または壁部4a〜4cにより形成される。
【0047】
一実施形態において、充填媒体2は燃料等の流体である。したがって、例えば、一実施形態において、容器4はタンクである。容器4の壁は4a〜4cと記される。
【0048】
本装置1は、以下詳細に説明される2つの測定素子5,6を備えている。
【0049】
一実施形態において、第1測定電極とも記載または呼ばれる第1測定素子5が、例えば、本装置1の筐体構造体14の壁などにより形成される。第1測定素子は導電性であるか、または導電性の性質を示すため、したがって、第1測定素子5は金属等の導電性材料から形成されている。第1測定素子5のポテンシャルはUと記される。
【0050】
図面に示されている本装置1の作動状態において、第2測定電極とも記載または呼ばれる第2測定素子6が、第1測定素子5に隣接するように配置されている。したがって、第2測定素子6は、本装置1の筐体構造体14により形成された受け入れスペース15の中または内部に受け入れられている。
【0051】
これら2つの測定素子5,6は細長くなるように設計され、また平行に配置されており、例えば、2つの測定素子5,6の長手軸(図示せず)がそれぞれ平行になるように配向される。
【0052】
2つの測定素子5,6が、キャパシタ組立体16またはキャパシタを形成するように、並んで配置されていることは明らかである。この場合、第1測定素子5はキャパシタ組立体16の第1電極を形成し、この場合、第2測定素子6がキャパシタ組立体16の第2電極を形成する。間隙またはすき間(受け入れスペース15を参照)がこれら2つの測定素子5,6の間に形成されており、この間隙またはすき間には、充填レベルに依存した方法などにより、充填レベルに応じて、充填媒体2が充填可能であるか充填されている。
【0053】
2つの測定素子5,6が充填容量部3の中に配置され、または充填レベルに応じて、充填媒体2の中に少なくとも部分的に浸されることは明らかである。
【0054】
第2測定素子6は第1測定素子5と比較して、またはこれとは対照的に、導電性が(著しく)小さいか、または第1測定素子5とは対照的な(著しく)小さい導電性を有する。したがって、第1測定素子5と比較して、またはこれとは対照的に、第2測定素子6は、導電性が(著しく)小さい材料から形成されるか、または導電性が(著しく)小さな材料構造で形成される。
【0055】
図1図2に図示の通り、第2測定素子6に(任意選択的な)絶縁コーティング17を設けることが可能か、またはこのようなコーティングで覆うことが出来る。絶縁コーティング17は充填媒体2が導電性でないときは省略することができるため、絶縁コーティング17は原則的には任意選択的である。
【0056】
本装置1の運転時、ポテンシャル勾配、つまり電位の勾配が、第2測定素子6の第1部分6aと第2測定素子6の第2部分6bの間に形成され、特に第2測定素子6の第1自由端部と、第2測定素子6の第1自由端部とは反対側に配置されている、第2測定素子6の第2自由端部との間に電位勾配が形成されるようにして、第2測定素子6が構成される。各図面に図示の実施形態において、第2測定素子6の第1部分6aは、第2測定素子6の第1自由端部の領域内、または第2測定素子6の第1自由端部により形成される。各図面に図示の実施形態において、第2測定素子6の第2部分6bは、第2測定素子6の第2自由端部の領域内、または第2測定素子6の第2自由端部により形成される。第2測定素子6の前記部分6a,6bの間に形成された電位勾配は、通常は充填媒体2の充填レベルには依存しない。第2測定素子6の測定領域はこれら2つの部分6a,6bの間に延在している。
【0057】
第2測定素子6は測定用抵抗器として設計される。したがって、第2測定素子6の前記部分6a,6bの間の電位勾配の形成は、測定用抵抗器として設計された第2測定素子6に基づくものである。測定用抵抗器の抵抗(値)は十分に大きいため、第2測定素子6の前記部分6a,6bの間には対応する電位勾配が形成される。
【0058】
測定用抵抗器は抵抗素子として設計することができ、特に、例えば第2測定素子6の回路基板など、基板素子18の上で第2測定素子6の長手軸に沿って、連続的に延在するようにして形成または配置される。第1測定素子5および、これに対応して測定用抵抗器または抵抗素子として設計された第2測定素子6の等価回路図は、「無限」数のRC素子のあるRCチェーンを構成する。
【0059】
以下から明らかなように、図5に図示の実施形態に関連して、場合によっては、測定用抵抗器を、複数の個別の導電性、特に金属製の面素子F〜Fにより形成することを考えることができ、各面素子F〜Fは、第2測定素子6の対応する基板素子18上で第2測定素子6の長手軸に沿って配置または形成されており、これら面素子はそれぞれ個別の抵抗素子R〜Rに接続されている。第1測定素子5とこれに対応して設計された第2測定素子6の等価回路図は、電気抵抗器により接続された複数の個別の静電容量面を表示している。
【0060】
具体的な設計な何であれ、測定用抵抗器、ひいては第2測定素子6は、基板素子18を金属などの適当な材料で、少なくとも部分的に、また場合によっては完全にコーティングすることによって形成することができる。コーティング11は、第2測定素子6の前記部分6a,6bの間を(第2測定素子の長手方向に)連続的にまたは不連続的に延在することができる。コーティング11は、コーティング11を形成する材料塗布を可能にする、特に種々の化学的および/または物理的な、蒸着または塗布またはコーティング技術を用いて達成することができる。図1および図2に示された実施形態において、例えば、測定用抵抗器を形成するコーティング11は、印刷技術、特にスクリーン印刷技術を用いて、基板素子18に塗布される。
【0061】
図1および図2に示された実施形態において、第2測定素子6は、第2測定素子6の電気絶縁体を形成するプラスチック材料などの好適な絶縁材料からなる絶縁コーティング17を追加で設けることができる。第2測定素子6はこのようにして充填媒体2から絶縁されており、つまり、例えば充填媒体2と第2測定素子6との間に電気接触が存在しない。
【0062】
本装置1は、第2測定素子6に関連付けられ、つまり特に第2測定素子6に電気的に接続されている電圧生成手段7をさらに備えることができる。電圧生成手段7は、第1電圧Uおよび第2電圧Uを提供または生成し、またこれらを第2測定素子6に印加するように設計されている。それぞれの電圧U,Uを提供または生成するため、電圧生成手段7を、電圧供給ネットワークなどの内部若しくは外部電圧(供給)源(図示せず)に接続させることができる。第1電圧Uは第2電圧Uと同一にすることができる。しかし、第1電圧Uは、任意選択的に、第2電圧Uと(その大きさが)異なるもの、または第2電圧Uは、任意選択的に、第1電圧Uと(その大きさが)異なるものとすることができる。したがって電圧生成手段7は、任意選択的に、少なくとも2つの同一もしくは異なる電圧U,Uを生成するように設計することができる。
【0063】
第1/第2電圧U,Uをそれぞれ第2測定素子6に印加するため、第2測定素子6には電気接点などの隔てられた電圧印加部が設けられ、ここに電圧生成手段7により提供または生成された電圧U,Uが印加可能であるか印加される。第1電圧印加部は第2測定素子6の上記第1部分6aの領域内に配置されるかまたはこれにより形成され、また第2電圧印加部は第2測定素子6の上記第2部分6bの領域内に配置されるかまたはこれにより形成される。
【0064】
電圧生成手段7により提供または生成された電圧U,Uは、何れも特に大きさと時間で定められた電圧パルスの形態で提供または生成される。したがって、電圧生成手段7は、所定の電圧パルスを提供または生成するように設計することができる。このように設計された電圧生成手段7は、例えばパルス発生器として設計することができる。しかし、第1電圧パルスは、任意選択的に、第2電圧パルスと(その大きさが)異なるもの、または第2電圧パルスは、任意選択的に、第1電圧パルスと(その大きさが)異なるものとすることができる。第1電圧パルスは第2電圧パルスと同一にすることができる。したがって電圧生成手段7は、任意選択的に、少なくとも2つの同一もしくは異なる電圧パルスを生成するように設計することができる。
【0065】
本装置1はまた、ハードウェア、および/または、ソフトウェアとして実装され、電圧生成手段7に関連付けられている制御手段8をさらに備える。制御手段8は、第1電圧Uおよび第2電圧Uが、第2測定素子6に交代で印加されるように、つまり第2測定素子6の第1電圧印加部および第2電圧印加部に交代で印加されるようにして、電圧生成手段7の動作を制御するように設計されている。第2測定素子6での第1電圧Uおよび第2電圧Uの存在または交代での印加、つまり第2測定素子6のそれぞれの電圧印加部での第1電圧Uおよび第2電圧Uの存在または交代での印加は、第2測定素子6のそれぞれの電圧印加部に、所定の(大きさの)電圧U,Uまたは電圧パルスが、交代で印加されることを意味するものとして特に理解される。この場合、図1に示されている通り、第1電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加されているときに、第2電圧Uが前記第2測定素子6の第2電圧印加部に印加されるか、または、図2に図示の通り、第2電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加されているときに、第1電圧Uが前記第2測定素子6の第2電圧印加部に印加される。
【0066】
制御手段8はしたがって、電圧生成手段7の動作を、第1電圧Uと第2電圧Uが第2測定素子6に交代で印加されるように、つまり第1電圧Uと第2電圧Uが第2測定素子6のそれぞれの電圧印加部に交代で印加されるように制御するように設計されている。したがって、第1時間間隔(図1を参照)において第1電圧Uが、次の第2時間間隔(図2を参照)において第2電圧Uが、第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、また第1時間間隔(図1を参照)において第2電圧U2が、次の第2時間間隔(図2を参照)において第1電圧U1が、第2測定素子6の第2電圧印加部に印加される。また次の第3時間間隔において、第1電圧Uが再び第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、また第2電圧Uが再び第2測定素子6の第2電圧印加部に印加され、これが繰り返される。
【0067】
本装置1を用いて実行することのできる静電容量的な充填レベル測定の原理は、特に第1測定素子5と第2測定素子6の間の電気容量または電荷の検知と評価に基づいたものであって、この電気容量または電荷は充填媒体2の充填レベルに応じて変化し、この測定から充填媒体2の充填レベルを推測してこれを判断することができる。
【0068】
この場合、第2測定素子6は、第2測定素子6に沿って、または第2測定素子6の測定領域に沿って、電位勾配を生成する充填レベルに依存しない電圧分配器として通常機能する。第2測定素子6に沿う、または第2測定素子6の測定領域に沿う、充填レベルに依存しない電圧分配により、第1測定素子5と第2測定素子6の間の電気容量または電荷が、充填レベルに応じて重み付けされることとなる。したがって、第1測定素子5と第2測定素子6の間の電荷は特に、充填媒体2の充填レベル、電位勾配に沿う電位、に依存しているが、充填媒体2の誘電率は、本装置1を用いて実行することのできる充填レベルの判断とは無関係であるため、無視することができる。したがって、本装置1を用いて実行することのできる充填レベルの判断は、充填媒体2の誘電率とは独立にすることが可能である。
【0069】
本装置1にはさらに、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実行される測定デバイス9が備えられる。測定デバイス9は、第2測定素子6の電圧印加部に、第1電圧Uおよび第2電圧Uが存在するとき、またはこれらが交代で印加されているときに、第1測定素子5と第2測定素子6の間の、可変する電気容量または電荷を測定するように設計されている。測定デバイス9はしたがって、第1電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、第2電圧Uが第2測定素子6の第2電圧印加部に印加されているときに、第1測定素子5と第2測定素子6との間の第1電荷を測定し、また第2電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、第1電圧Uが第2測定素子6の第2電圧印加部に印加されているときに、第1測定素子5と第2測定素子6との間の第2電荷を測定するように設計されている。
【0070】
測定デバイス9はさらに、第2測定素子6の各電圧印加部に、第1電圧Uおよび第2電圧Uが存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、第1測定素子5と第2測定素子6の間の、測定された電荷を表す測定信号を生成するように設計されている。測定信号は少なくとも2つの部分信号を含むことができ、第1部分信号は、第1電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、また第2電圧Uが第2測定素子6の第2電圧印加部に印加されているときの、第1測定素子5と第2測定素子6の間の電荷を表しており、また第2部分信号は、第2電圧Uが第2測定素子6の第1電圧印加部に印加され、第1電圧Uが第2測定素子6の第2電圧印加部に印加されているときの、第1測定素子5と第2測定素子6の間の電荷を表している。
【0071】
測定デバイス9は、ハードウェア、および/または、ソフトウェアとして実行される評価デバイス10に関連付けられている。評価デバイス10は、第2測定素子6、特に第2測定素子6のそれぞれの電圧印加部に、第1電圧Uおよび第2電圧Uが存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、測定された電荷を表す測定信号を評価するか、または充填容量部3の充填媒体2の充填レベルを考えて前記測定信号を評価するように、設計されている。測定された電荷または測定信号を評価するため、評価デバイス10には好適な評価ロジックまたは好適な評価アルゴリズムを含むことができる。
【0072】
図1および図2は、充填媒体2で充填可能な充填容量部3の中にある充填媒体2の充填レベルを静電容量的に測定するための測定組立体12をさらに示している。測定組立体12は、第2測定素子6、本装置1を形成する測定素子6と、第2測定素子6に関連付けられた電圧生成手段7と、制御手段8と、測定デバイス9と、評価デバイス10と、を備えている。
【0073】
破線で示されたボックス13に表されている通り、測定組立体12の個々の部品、複数の部品、または全ての部品を、構造的に組み合わせることにより、別々に取り扱うことのできる組立体を構成することができ、例えば、測定組立体12の筐体(図示せず)の内部または表面に配置または形成することができる。
【0074】
図1および図2に示された実施形態において、第1測定素子5と第2測定素子6は何れも板状またはプレート様に設計されている。図3は測定素子5,6またはその組立体の断面図であって、対応するキャパシタ組立体16に係る実施形態の概略図を示している。図3の底部にある第1測定素子5は、任意選択的なものであるため、破線で図示されている。
【0075】
図4〜6は第1測定素子5および第2測定素子6またはこれらにより形成されたキャパシタ組立体16に係るさらなる実施形態を示している。
【0076】
図4は測定素子5,6が例えば同軸状に配置されている断面図である。測定素子5,6の同軸状の配置は、第1測定素子5が管状または管様の設計となり、また第2測定素子6がロッド形状またはロッド様の設計となることから生じるものである。
【0077】
図5は(上記の通り)、複数の個別的な、導電性、特に金属製の面素子F〜Fによる第2測定素子の形成に係る単なる概略図であって、各面素子F〜Fは、第2測定素子6の対応する基板素子18上で第2測定素子6の長手軸に沿って配置または形成されており、これら面素子はそれぞれ個別の抵抗素子R〜Rに接続されている。これらの面素子F〜Fと抵抗素子R〜Rから構成される交代的な配置が生じることは明らかである。したがって図5から、第2測定素子6は、分割化されるようにして設計することができ、例えば複数の測定素子分割部を備えることができ、具体的には第2測定素子6を形成する対応する面素子F〜Fおよび抵抗素子R〜Rの形態で備えることができることは明らかである。
【0078】
キャパシタ組立体16の平面図である図6に図示の実施形態から、測定素子5,6はまた、回路基板などの基板素子18の上に設けられた、多少の導電性を持つ特定の構造体から構成することができることは明らかである。高い電気伝導性を持つ導電性構造体(第1導電性構造体19)が第1測定素子5を構成し、これと比較して(著しく)低い電気伝導性を持つ導電性構造体(第2導電性構造体20)が第2測定素子6を構成する。これに関連して、いわゆる指間状の配置または構造体が図6に図示されている。したがって、第1/第2導電性構造体19,20はそれぞれ、互いが相補的となるようにして、平行に、また互いが指状に組み合うようにして配置されるように設計されている。
この場合、各第1/第2導電性構造体19,20の配置は、2つの(直接的に)隣接する第2導電性構造体20の間に形成された2つの間隙の中に、第1導電性構造体19がそれぞれ、少なくとも部分的に、組み入るようにして配置または設計されるように選択される。
【0079】
充填媒体2で充填されているかまたは充填可能な充填容量部3内の充填媒体2の充填レベルを静電容量式に測定する方法は、各図面に図示されている測定組立体12または本装置1を用いて実行することができる。
【0080】
この方法は特に以下のステップを含んでいる:
第1測定素子5を提供するステップと、
第2測定素子6を提供するステップであって、前記第2測定素子6の第1部分6aと前記第2測定素子6の第2部分6bとの間に電位勾配が形成されるように、前記第2測定素子6が構成されている、ステップと、
第1電圧Uと、前記第1電圧Uとは任意選択的に異なる第2電圧Uと、を提供または生成するステップと、
生成された前記第1電圧Uと前記第2電圧Uとを、前記第2測定素子6の前記第1部分6aと前記第2部分6bとに、交代で印加するステップと、
前記第2測定素子6に、前記第1電圧Uおよび前記第2電圧Uが存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、前記第1測定素子5と前記第2測定素子6の間の電荷を測定するステップと、
前記第2測定素子6に、前記第1電圧Uおよび前記第2電圧Uが存在するときまたはこれらが交代で印加されているときに、充填容量部3内の充填媒体2の充填レベルの観点から、測定された前記電荷を評価するステップ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】