特表2020-537166(P2020-537166A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2020-537166系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-537166(P2020-537166A)
(43)【公表日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/12 20060101AFI20201120BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   G01R33/12 Z
   H02K15/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-542493(P2020-542493)
(86)(22)【出願日】2019年7月2日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月16日
(86)【国際出願番号】CN2019094314
(87)【国際公開番号】WO2020011059
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】201810766938.2
(32)【優先日】2018年7月13日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】507190994
【氏名又は名称】上海交通大学
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI JIAO TONG UNIVERSITY
(71)【出願人】
【識別番号】520135460
【氏名又は名称】江蘇龍城精鍛有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LONGCHENG PREC FORGING CO. LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】趙 震
(72)【発明者】
【氏名】胡 成亮
(72)【発明者】
【氏名】湯 敏俊
(72)【発明者】
【氏名】湯 暁峰
(72)【発明者】
【氏名】成 錦盛
(72)【発明者】
【氏名】孫 偉
【テーマコード(参考)】
2G017
5H615
【Fターム(参考)】
2G017AC06
2G017CA02
2G017CB03
2G017CB16
2G017CB21
2G017CC02
5H615AA01
5H615BB02
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP04
5H615SS10
5H615SS57
(57)【要約】
順に固設された励磁電源接続機構と、ロータ磁場検出機構と、測定位置調整機構と、締め付け機構とを含み、前記ロータ磁場検出機構は、検出箱、並びに順に検出箱内に設けられた位置決めベース、調整リング、軸スリーブ及び系列化溝付き透磁性リングを含み、前記調整リング及び軸スリーブにより異なる型番の被測ロータを位置決めすることにより、系列化測定が達成される系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置。本発明は、クローポール型発電機ロータを直接に被測物として、締め付け機構により測定過程におけるロータの位置変動による影響を低減し、インデックスプレートの角度を調整することにより、測定位置が容易に変更され、同一ロータに対する複数回の測定が容易であり、システム誤差が解消され、被測ロータを破壊しない条件下でより便利に一連の異なる型番のロータの測定を達成することができ、測定結果がより敏感で被測ロータの優劣をより直接に反映することができ、測定プロセスが簡単で、コストが低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に固設された励磁電源接続機構と、ロータ磁場検出機構と、測定位置調整機構と、締め付け機構と、を含み、
前記ロータ磁場検出機構は、検出箱、並びに順に検出箱内に設けられた位置決めベース、調整リング、軸スリーブ及び系列化溝付き透磁性リングを含み、前記調整リングが前記軸スリーブの孔軸に組み合わせて使用され、前記調整リング及び軸スリーブにより異なる型番の被測ロータを位置決めすることにより、系列化測定が達成されることを特徴とする、系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置。
【請求項2】
前記励磁電源接続機構は、高さ調整スライダーを介してガイドポストに可動に設けられたシリンダ、前記シリンダの操作端に接続された電源コネクタ及び引出導線を含み、
前記電源コネクタ及び引出導線の両極は、前記ロータ磁場検出機構における直流磁気特性測定器の励磁電流出力ポートの正負極に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出箱は、蓋板と、底板と、スリーブ筒と、を含み、
前記スリーブ筒は、ネジを介して底板に固定接続され、前記蓋板が前記スリーブ筒の上端に置かれ、ねじ接続により溝付き透磁性リングを締め付けることにより、前記溝付き透磁性リングが衝撃磁場により振動が防止されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記被測クローポール型発電機ロータは、ロータ軸と、軸受スリーブと、ペアクローポールと、ファンブレードと、軸受と、励磁コイルコレクタと、を含み、
前記位置決めベースの中心に貫通孔が設けられ、前記貫通孔の直径が被測クローポール型発電機ロータ軸の1〜2倍であり、調整リング孔軸に適合することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記調整リングの外径は、D調整リング=(1.05〜1.1)Dであり、Dが具体的な被測クローポール型発電機ロータの外径であり、高さは、H調整リング=0.5H1−minであり、H1−minが被測される一連のクローポール型発電機ロータ軸の下端長さHのうちの最小値であり、前記調整リングは、内部貫通孔を介して軸スリーブの孔軸に接続され、調整リングの下端は、環状構造を介して位置決めベースの孔軸に接続され、この環状構造は、内径が位置決めベースの中心貫通孔の直径と同じであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記軸スリーブは、内径d軸スリーブがロータ軸の直径と同じであり、具体的には、階段状の大端及び小端を含み、大端の外径は、クローポール型発電機ロータ軸受スリーブの1〜2倍であり、小端の直径は、調整リングの貫通孔の直径と同じであり、大端の高さは、h軸受スリーブ=η(H−H調整リング)であり、ηが係数であり、小端の高さは、調整リングの高さと同じであり、常磁性材料で作成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記系列化溝付き透磁性リングの高さは、H透磁性リング=h+h+hであり、ここで、h=0.8Hであり、Hが測定されるクローポール型発電機ロータ16の上下端面間の距離であり、hが0.1H以上であり、h=H調整リング+h軸スリーブ+0.1Hであり、
前記系列化溝付き透磁性リングには測定コイルの巻取りに用いられる4つの求心係溝が設けられ、4つの前記求心係溝の間の夾角は、それぞれ2α、90°、2β及び90°であり、αとβは、│α−β│=(1〜2)°、α+β=90°を満たし、4つの係溝の幅は、t=κ(Sクローポール/h)であり、ここで、κ=0.165〜0.185であり、Sクローポールが被測クローポール型発電機ロータを構成するクローポールボスの断面積であり、係溝の周方向の幅は5〜6mmであり、係溝的の径方向の深さtは4〜5mmであり、tは5mm以上であり、溝付き透磁性リング13の内径と被測ロータの外径の片辺隙間は、0.2〜0.4mmであり、溝付き透磁性リング13の外径は、D透磁性リング=d+2t+2t+2tであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記測定コイルは、互いに直列接続され、対応する取り付け方法は、任意の係溝を出発点として、時計回りに導線を目的巻数取り付けた後、隣接する係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付け、さらに、次の係溝に導入し、時計回りに同じ巻数取り付け、最後に4番目の係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付けることであり、最初に導入される導線の一端及び最後に引き出される導線の一致端を測定コイルの正負両極とし、
前記コイルの目的巻数の最大値は、一般式:nmax=φmax/(4.8h×t)により算出され、ここで、φmaxが直流磁気特性測定器の磁束の最大測定レンジであり,測定された4つの求心係溝に対応する平面の測定結果の平均値を算出することにより、ロータの実際の測定過程における耐障害性が達成されることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記系列化溝付き透磁性リング13の総高さH透磁性リング及び外径D透磁性リングは固定値であり、つまり、溝付き透磁性リング13の総高さH透磁性リングは、全ての型番の被測クローポール型発電機ロータに対応する溝付き透磁性リング高さのうちの最大値、外径D透磁性リングも全ての型番の被測クローポール型発電機ロータに対応する溝付き透磁性リングの外径のうちの最大値とされる。被測クローポール型発電機ロータ16のロータ外径D、ロータ端面の高さH及びロータ軸下端の長さHに基づいて、それとフィットする溝付き透磁性リング13、調整リング12及び軸スリーブ17の主要な幾何学的パラメータを算出することができることを特徴とする、請求項1又は7に記載の装置。
【請求項10】
前記スリーブ筒の上端は、溝付き透磁性リングの孔軸の隙間に嵌合し、下端は、位置決めベースの孔軸の隙間に嵌合し、前記スリーブ筒の下端に測定位置調整機構が回転するための扇型溝が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記測定位置調整機構は、異形スプラインシャフト、その支持ベース、及び調整取手付きのインデックスプレートを含み、前記インデックスプレートに位置制限孔が設けられ、スリーブ筒の下端の外縁の位置制限孔にピンを介して接続されることを特徴とする、請求項1又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記締め付け機構は、固定ベースと、三角支持ベースと、油圧シリンダと、コンロッド構造と、締め付けボールとを含み、油圧シリンダは、コンロッド構造を押し付けることにより、締め付けボールが被測クローポール型発電機ロータのロータ軸の上端に接触し、軸方向の圧力を加えて被測ロータを締め付けることにより、被測ロータが測定過程において衝撃磁場により振動することが防止され、測定誤差がさらに低減されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気特性測定技術に関し、具体的には、系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のクローポール型発電機ロータの特性の評価方法では、発電機の発電効率を測定する装置を利用することにより回転速度−電流関係曲線を得ている。しかしながら、このような方法には、使用される測定台の構造が比較的に複雑で高価であり、測定中に発電機全体の組立及び解体過程を完成させる必要があり、測定プロセス全体として複雑であり、人工で組み立てる過程において制御できない影響因子が導入されてしまうなどの問題がある。従来の磁気特性の測定方法は、標準試料を作製する必要があり(「GB/T13012−2008 軟磁性材料の直流磁気特性の測定方法」)、かつクローポールの製造過程に引き起こされる特性の不均一が見落とされやすいため、測定結果はクローポールで組み立てられたロータ全体の磁気特性を完全に反映することができない。クローポール型発電機ロータ磁気特性を直接測定する方法を研究することにより、上記問題を克服することができ、モータ組立前の各部材の検出に適し、ロータ組立及びクローポール製造プロセスのロータ磁気特性に対する影響の法則の分析に適用できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の上記問題に鑑みてなされたものであり、クローポール型発電機ロータその自体の励磁コイルを利用して、系列化溝付き透磁性リング及び角度調整可能なインデックスプレートを設計することにより測定位置を変化させ、1回で複数の位置で測定することによりシステム誤差を解消する系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
上記目的を達成するための本発明に係る系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置は、順に固設された励磁電源接続機構と、ロータ磁場検出機構と、測定位置調整機構と、締め付け機構と、を含み、
前記ロータ磁場検出機構は、検出箱、並びに順に検出箱内に設けられた位置決めベース、調整リング、軸スリーブ及び系列化溝付き透磁性リングを含み、前記調整リングが前記軸スリーブ孔軸に組み合わせて使用され、前記調整リング及び軸スリーブにより異なる型番の被測ロータを位置決めすることにより、系列化測定が達成される。
【0005】
前記励磁電源接続機構は、高さ調整スライダーを介してガイドポストに可動に設けられたシリンダ、前記シリンダの操作端に接続された電源コネクタ及び引出導線を含み、
前記電源コネクタ及び引出導線の両極は、前記ロータ磁場検出機構における直流磁気特性測定器の励磁電流出力ポートの正負極に接続される。
【0006】
前記被測クローポール型発電機ロータは、ロータ軸と、軸受スリーブと、ペアクローポールと、ファンブレードと、軸受と、励磁コイルコレクタと、を含み、
前記位置決めベースの中心に貫通孔が設けられ、前記貫通孔の直径が被測クローポール型発電機ロータ軸の1〜2倍であり、調整リング孔軸に適合する。
【0007】
前記系列化溝付き透磁性リングには測定コイルの巻取りに用いられる4つの求心係溝が設けられ、前記測定コイルは、互いに直列接続され、測定された4つの求心係溝に対応する平面の測定結果の平均値を算出することにより、ロータの実際の測定過程における耐障害性が達成され、対応する取り付け方法は、任意の係溝を出発点として、時計回りに導線を目的巻数取り付けた後、隣接する係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付け、さらに、次の係溝に導入し、時計回りに同じ巻数取り付け、最後に4番目の係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付けることであり、最初に導入される導線の一端及び最後に引き出される導線の一致端を測定コイルの正負両極とし、
前記コイルの目的巻数の最大値は、一般式:nmax=φmax/(4.8h×t)より算出され、ここで、φmaxが直流磁気特性測定器の磁束の最大測定レンジである。
【0008】
前記測定位置調整機構は、異形スプラインシャフト、その支持ベース、及び調整取手付きのインデックスプレートを含み、前記インデックスプレートに位置制限孔が設けられ、スリーブ筒の下端の外縁の位置制限孔にピンを介して接続される。
【0009】
前記締め付け機構は、固定ベースと、三角支持ベースと、油圧シリンダと、コンロッド構造と、締め付けボールとを含み、油圧シリンダは、コンロッド構造を押し付けることにより、締め付けボールが被測クローポール型発電機ロータのロータ軸の上端に接触し、軸方向の圧力を加えて被測ロータを締め付けることにより、被測ロータが測定過程において衝撃磁場により振動することが防止され、測定誤差がさらに低減される。
【発明の効果】
【0010】
発電機特性測定台によりクローポール型発電機ロータ特性を評価する従来の方法と比較すれば、本発明では新しい技術を提供し、測定評価過程において、発電機を繰り返し組立・解体する必要がなく、測定結果がより敏感でクローポール型発電機ロータの優劣をより直接に反映することができ、測定プロセスが全体として簡単で、測定コストを大幅に削減することができる。また、材料の磁気特性測定からみて、現在の中国基準「GB/T 13012−2008 軟磁性材料直流磁気特性の測定方法」に規定の環状試料方法及び透磁率計測定方法と比較すれば、本発明では、クローポール型発電機ロータを直接に被測物として、締め付け機構により測定過程におけるロータの位置変動による影響を低減し、標準試料の加工履歴の検出結果に対する影響が小さくなり、より便利になり、モータ組立前の各部材の検出が実現され、ロータ組立及びクローポール製造プロセスのロータ磁気特性に対する影響の法則の分子に適用できる。さらに、インデックスプレートの角度を調整することにより、測定位置が容易に変更され、同一ロータに対する複数回の測定が容易であり、システム誤差が解消される。標準化されたパッド及び透磁性リングを交換することにより、一連の異なる型番のロータの測定が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の構造の概略図である。
図2】調整可能な位置決め機構の構造概略図である。
図3】被測クローポール型発電機ロータの構造概略図である。
図4】位置決めベースの部品概略図である。
図5】調整リングの部品概略図である。
図6】軸スリーブの部品概略図である。
図7】系列化溝付き透磁性リングの部品概略図である。
図8】スリーブ筒の部品概略図である。
図9】測定位置調整機構及びインデックスプレートの構造概略図である。
図10】実施例の全体磁化曲線の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施例に係る系列化クローポール型発電機ロータ向けの磁気特性測定装置を示す図である。この磁気特性測定装置は、順に固設された励磁電源接続機構と、ロータ磁場検出機構と、測定位置調整機構と、締め付け機構と、を含む。
【0013】
図1に示すように、励磁電源接続機構は、高さ調整スライダー7を介してガイドポスト9に可動に設けられたシリンダ6、シリンダ6の操作端に接続された電源コネクタ及び引出導線8を含む。電源コネクタ及び引出導線8の両極は、ロータ磁場検出機構における直流磁気特性測定器の励磁電流出力ポートの正負極に接続され、電源コネクタは、作動時に被測ロータ上のスリップリングに接触し、電源コネクタの一端がシリンダに接続され、異なる被測クローポール型発電機ロータに適合するようにシリンダの伸縮性により電源コネクタとスリップリングとの接触状態及び電源コネクタの高さを調整する。
【0014】
図2に示すように、ロータ磁場検出機構は、蓋板14と、底板1と、スリーブ筒15とからなる検出箱、及び順に検出箱内に設けられた位置決めベース10、調整リング12、軸スリーブ17、系列化溝付き透磁性リング13を含む。位置決めベース10は、スリーブ筒15の下端に固定され、調整リング12は、位置決めベース10に嵌め込み、調整リング12及び軸スリーブ17により異なる型番の被測ロータ16を位置決めすることにより、系列化測定が達成される。
【0015】
スリーブ筒15の下端外縁に2つの位置制限孔が設けられる。隣接する位置制限孔の位置の夾角は30度である。
【0016】
スリーブ筒15は、ネジを介して底板1に固定接続され、蓋板14は、スリーブ筒15の上端に置かれ、ねじ接続により溝付き透磁性リング13を締め付けることにより透磁性リング13の衝撃磁場による振動が防止される。
【0017】
スリーブ筒15及び位置決めベース10の下端のいずれにも40°の扇型溝が設けられることにより、測定位置調整機構の回転が容易になる。いずれも常磁性材料で作製される。
【0018】
図3に示すように、被測クローポール型発電機ロータ16は、ロータ軸16−1と、軸受スリーブ16−2と、ペアクローポール16−3と、ファンブレード16−4と、軸受16−5と、励磁コイルコレクタ16−6と、を含む。
【0019】
図4に示すように、位置決めベース10の中心には貫通孔が設けられ、この貫通孔の直径は、被測クローポール型発電機ロータ軸16−1の2−3倍であり、かつ調整リング12の孔軸に適合する。
【0020】
図5に示すように、調整リング12の外径は、D調整リング=(1.05〜1.1)Dであり、Dが具体的な被測クローポール型発電機ロータ16の外径であり、高さは、H調整リング=0.5H1−minであり、H1−minが被測される一連のクローポール型発電機ロータ軸16−1の下端長さHのうちの最小値である。調整リング12は、内部貫通孔を介して軸スリーブ17の孔軸に接続され、調整リング12の下端は、環状構造を介して位置決めベース10の孔軸に接続され、この環状構造は、内径が位置決めベース10の中心貫通孔の直径と同じであり、常磁性材料で作製される。
【0021】
図6に示すように、軸スリーブ17は、内径d軸スリーブがロータ軸16−1の直径と同じであり、具体的には、階段状の大端及び小端を含む。大端の外径は、クローポール型発電機ロータ軸受スリーブ16−2の2倍であり、小端の直径は、調整リング12の貫通孔の直径と同じであり、大端の高さはh軸受スリーブ=η(H−H調整リング)であり、係数ηが0.8〜0.9であり、小端の高さは調整リング12の高さと同じである。軸スリーブ17は、常磁性材料で作製される。
【0022】
図7に示すように、測定時に溝付き透磁性リング13がそこに置かれた被測クローポール型発電機ロータ16を効果的に被覆することを保証するために、系列化溝付き透磁性リング13の高さは、H透磁性リング=h+h+hとされ、ここで、h=0.8Hであり、Hが測定されるクローポール型発電機ロータ16の上下端面間の距離であり、hが0.1H以上であり、h=H調整リング+h軸スリーブ+0.1Hである。
【0023】
溝付き透磁性リング13には、測定コイルの巻取りに用いられる4つの求心係溝11が設けられ、4つの求心係溝11の間の夾角は、それぞれ2α、90°、2β及び90°であり、αとβは、│α−β│=(1〜2)°、α+β=90°を満たす。4つの係溝の幅は、t=κ(Sクローポール/h)であり、ここで、κ=0.165〜0.185であり、Sクローポールが被測クローポール型発電機ロータを構成するクローポールボスの断面積である。係溝の周方向の幅は5〜6mmである。係溝的の径方向の深さtは4〜5mmであり、tは5mm以上である。溝付き透磁性リング13の内径と被測ロータの外径の片辺隙間は、0.2〜0.4mmであり、溝付き透磁性リング13の外径は、D透磁性リング=d+2t+2t+2tであり、その材料は、高透磁率及び高飽和の磁気誘導強度を有する軟磁性材料である。
【0024】
測定コイルは、互いに直列接続され、磁束を計算する際に、測定された4つの平面の測定結果に対して平均値を算出することにより、ロータの実際の測定過程における耐障害性が達成される。これに対応する取り付け方法は、任意の係溝を出発点として、時計回りに導線を目的巻数取り付けた後、隣接する係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付け、さらに、次の係溝に導入し、時計回りに同じ巻数取り付け、最後に4番目の係溝に導入し、反時計回りに同じ巻数取り付けることである。最初に導入される導線の一端及び最後に引き出される導線の一致端を測定コイルの正負両極とする。
【0025】
コイルの目的巻数の最大値は、一般式:nmax=φmax/(4.8h×t)により算出され、ここで、φmaxが直流磁気特性測定器の磁束の最大測定レンジである。
【0026】
適合の系列化クローポール型発電機ロータ16を実現するために、系列化溝付き透磁性リング13の総高さH透磁性リング及び外径D透磁性リングは固定値であり、つまり、溝付き透磁性リング13の総高さH透磁性リングは、全ての型番の被測クローポール型発電機ロータに対応する溝付き透磁性リング高さのうちの最大値、外径D透磁性リングも全ての型番の被測クローポール型発電機ロータに対応する溝付き透磁性リングの外径のうちの最大値とされる。被測クローポール型発電機ロータ16のロータ外径D、ロータ端面の高さH及びロータ軸下端の長さHに基づいて、それとフィットする溝付き透磁性リング13、調整リング12及び軸スリーブ17の主要な幾何学的パラメータを算出することができる。
【0027】
系列化クローポール型発電機ロータ16の型番パラメータ(単位mm)は、表1示すとおりである。
【表1】
【0028】
調整リング12の幾何学的パラメータ(単位mm)は、表2示すとおりである。
【表2】
【0029】
軸スリーブ17の幾何学的パラメータ(単位mm)は、表3示すとおりである。
【表3】
【0030】
溝付き透磁性リング13の幾何学的パラメータ(単位mm)は、表4示すとおりである。
【表4】
【0031】
図8に示すように、スリーブ筒15の上端は、溝付き透磁性リング13の孔軸の隙間に嵌合し、下端は、位置決めベース10の孔軸の隙間に嵌合し、スリーブ筒15の厚さは、一般に10〜15mmである。スリーブ筒15の下端に40°の扇型溝が設けられることにより、測定位置調整機構の回転が容易になる。スリーブ筒15は、常磁性材料で作製される。
【0032】
蓋板14は、常磁性材料で作製され、雌ねじによりスリーブ筒15の上端に接続され、溝付き透磁性リング13を締め付ける。
【0033】
図9に示すように、測定位置調整機構は、異形スプラインシャフト18、その支持ベース19、及び調整取手付きのインデックスプレート20を含む。インデックスプレート20には、位置制限孔が設けられ、スリーブ筒15の下端外縁の位置制限孔にピンを介して接続される。作動時に、調整取手20をスリーブ筒15の位置制限孔まで回転させて位置を制限し、それと固定接続された支持ベース19を駆動し、支持ベース19上の異形キー溝が異形スプラインシャフト18を駆動し、異形スプラインシャフト18が被測ロータ16を目的測定位置まで回転させる。
【0034】
締め付け機構は、固定ベース2と、三角支持ベース3と、油圧シリンダ4と、コンロッド構造5と、締め付けボールと、を含む。油圧シリンダ4は、コンロッド構造5を押し付けることにより、締め付けボールが被測クローポール型発電機ロータ16のロータ軸の上端に接触し、軸方向の圧力を加えて被測ロータを締め付けることにより、被測ロータが測定過程において衝撃磁場により振動することが防止され、測定誤差がさらに低減される。
【0035】
底板1は、位置決めベース、スリーブ筒、締め付け機構及び励磁電源接続機構を固定するものである。
【0036】
本装置は、以下のような方法により測定を行う。
まず、測定前に、直流磁気特性測定器にクローポール型発電機ロータそれ自体の励磁コイルの巻数N1、測定コイルの巻数、溝付き透磁性リングの係溝に取り付けられたコイルの合計,溝付き透磁性リングの係溝の横断面積h×tを入力する必要がある。
【0037】
(ステップ1)
試料を準備する。具体的には、測定されるクローポール型発電機ロータ16を準備し、測定されるクローポール型発電機ロータを検査し、手でロータ軸が締め付けられたか否かを確認し、マルチメータによりその励磁コイル及び引出導線が開回路であるか否かを検査する。
【0038】
(ステップ2)
取り付けおよび位置決めを行う。具体的には、測定されるクローポール型発電機ロータの型番に応じて、溝付き透磁性リング13、調整リング12及び軸スリーブ17を選択し、測定装置となるように取り付け、測定されるクローポール型発電機ロータ16を測定装置内に置き、位置決めの信頼性を確認する。
【0039】
(ステップ3)
配線の接続を行う。具体的には、励磁電源接続機構の電源コネクタ及び引出線と直流磁気特性測定器の励磁電流出力ポートN1の正負極に接続し、測定コイル導線の両極をそれぞれ直流磁気特性測定器の測定電流入力ポートN2の正負極に接続する。
【0040】
(ステップ4)
検出を行う。具体的には、励磁電流範囲(0〜3.75A)及び測定結果採取頻度を設定し、測定し始め、対応する励磁電流−平均磁気誘導強度の関係曲線を得る。
【0041】
(ステップ5)
測定結果を記録する。
【0042】
(ステップ6)
検出を繰り返し行う。具体的には、インデックスプレートの位置制限孔とスリーブ筒上の2番目の位置決め孔とが揃うようにインデックスプレートの調整取手を回転させ、ピンにより接続させ、ステップ4及びステップ5を繰り返す。
【0043】
(ステップ7)
繰り返し測定した結果の平均値を算出し、クローポール型発電機ロータの全体磁化曲線(横座標:励磁電流値、縦座標:平均磁気誘導強度)を取得する。
【0044】
(ステップ8)
測定を必要とするクローポール型発電機ロータ又はクローポール型発電機ロータの型番を交換し、ステップ1からステップ7を繰り返し、全ての被測クローポール型発電機ロータの全体磁化曲線(図10)を取得する。
【0045】
本発明の原理及び趣旨から逸脱しない限り、当業者は、上記実施例に対して局所調整を行うことができる。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に定められ、上記実施例に制限されず、その範囲内の各実施形態は、全て本発明に拘束される。
【符号の説明】
【0046】
1 底板、
2 固定ベース、
3 三角支持ベース、
4 油圧シリンダ、
5 コンロッド構造、
6 シリンダ、
7 高さ調整スライダー、
8 電源コネクタ及び引出導線、
9 ガイドポスト、
10 位置決めベース、
11 求心係溝、
12 調整リング、
13 系列化溝付き透磁性リング、
14 蓋板、
15 スリーブ筒、
16 被測クローポール型発電機ロータ、
16−1 ロータ軸、
16−2 軸受スリーブ、
16−3 ペアクローポール、
16−4 ファンブレード、
16−5 軸受、
16−6 励磁コイルコレクタ、
17 軸スリーブ、
18 異形スプラインシャフト、
19 支持ベース、
20 調整取手付きのインデックスプレート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】