(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
FcγRIIに特異的に結合するFN3ドメイン、それらのコンジュゲート及び抗体融合体、その分子をコードする単離されたヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、並びにそれらの作製及び使用方法。
場合により残基位置11、14、17、46、73、及び/又は86に置換を有する、Tencon27(配列番号5)又はTencon(配列番号4)に基づく、請求項1に記載の単離されたFN3ドメイン。
前記FN3ドメインが、配列番号23、24、25、26、27、28、又は29のポリヌクレオチド配列によってコードされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単離されたFN3ドメイン。
前記検出可能な標識が、アウリスタチン、モノメチルアウリスタチンフェニルアラニン、ドラスタチン(dolostatin)、化学療法剤、薬剤、増殖阻害剤、毒素、又は放射性同位体である、請求項6に記載の単離されたFN3ドメイン。
前記半減期延長部分が、アルブミン結合分子、ポリエチレングリコール(PEG)、アルブミン、アルブミン変異体、又は免疫グロブリンのFc領域である、請求項6に記載の単離されたFN3ドメイン。
請求項1に記載の単離されたFN3ドメインを生成する方法であって、前記FN3ドメインが発現される条件下で、請求項14に記載の宿主細胞を培養することと、前記FN3ドメインを精製することとを含む、前記方法。
ポリペプチドの抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)活性を増強する方法であって、前記ポリペプチドにFcγRII結合FN3ドメインをコンジュゲートすることと、前記ポリペプチドの増強されたADCP活性を測定することとを含む、前記方法。
重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む、抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む、多重特異性分子。
前記抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体、及び前記FcγRII結合FN3ドメインが、ペプチド結合を介して共有結合している、請求項21に記載の多重特異性分子。
前記FcγRII結合FN3ドメインが、前記重鎖若しくはその断片のC末端、前記重鎖若しくはその断片のN末端、前記軽鎖若しくはその断片のC末端、又は前記軽鎖若しくはその断片のN末端に結合されている、請求項21又は22に記載の多重特異性分子。
前記抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプである、請求項21〜23のいずれか一項に記載の多重特異性分子。
前記抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体が、OX40、CD27、CD40、CD137、又はGITRに結合する、請求項21〜25のいずれか一項に記載の多重特異性分子。
前記FN3ドメインが、配列番号23、24、25、26、27、28、又は29のポリヌクレオチドによってコードされている、請求項21〜27のいずれか一項に記載の多重特異性分子。
対象において癌を治療する方法であって、治療的有効量の、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を含む、単離された多重特異性分子を、前記対象に投与して、前記癌を治療することを含む、前記方法。
前記FcγRII結合FN3ドメインが、前記重鎖若しくはその前記断片の前記C末端、前記重鎖若しくはその前記断片の前記N末端、前記軽鎖若しくはその前記断片の前記C末端、又は前記軽鎖若しくはその前記断片の前記N末端に結合されている、請求項36又は37に記載の方法。
前記抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4アイソタイプであり、場合によりエフェクタサイレントFcを含む、請求項36〜38のいずれか一項に記載の方法。
前記抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体が、OX40、CD27、CD40、CD137、又はGITRに結合する、請求項36〜39のいずれか一項に記載の方法。
前記固形腫瘍が、黒色腫、肺癌、扁平非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌(stomach cancer)、卵巣癌、胃癌(gastric cancer)、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌、食道又は胃腸管の癌、乳癌、卵管癌、脳腫瘍、尿道癌、泌尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は癌の転移性病変である、請求項43に記載の方法。
癌の治療において使用するための、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を含む、単離された多重特異性分子。
前記癌が、黒色腫、肺癌、扁平非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌(stomach cancer)、卵巣癌、胃癌(gastric cancer)、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌、食道又は胃腸管の癌、乳癌、卵管癌、脳腫瘍、尿道癌、泌尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移性病変である、癌の治療において使用するための、請求項45に記載の多重特異性分子。
癌の治療のための薬剤の製造における、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を含む、単離された多重特異性分子の使用。
前記癌が、黒色腫、肺癌、扁平非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌(stomach cancer)、卵巣癌、胃癌(gastric cancer)、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌、食道又は胃腸管の癌、乳癌、卵管癌、脳腫瘍、尿道癌、泌尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は前記癌の転移性病変である、請求項47に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ以上の細胞の組み合わせ、及びこれに類するものなどが含まれる。
【0025】
「フィブロネクチンIII型(FN3)ドメイン」(FN3ドメイン)は、フィブロネクチン、テネイシン、細胞内細胞骨格タンパク質、サイトカイン受容体及び原核生物酵素を含むタンパク質に頻繁に生じるドメインを指す(Watanabe、Suzuki et al.(1990)J Biol Chem 265:15659−15665、Bork and Doolittle(1992)Proc Natl Acad Sci U S A 89:8990−8994、Meinke、Gilkes et al.(1993)J Bacteriol 175:1910−1918)。例示的なFN3ドメインとしては、ヒトテネイシンCに存在する15個の異なるFN3ドメイン、ヒトフィブロネクチン(human fibronectin、FN)に存在する15個の異なるFN3ドメイン、及び例えば米国特許第8,278,419号に記述される非天然の合成FN3ドメインがある。個々のFN3ドメインは、ドメイン番号及びタンパク質名によって称される(例えばテネイシンの3番目のFN3ドメイン(TN3)、又はフィブロネクチンの10番目のFN3ドメイン(FN10))。
【0026】
「OX−40」は、ヒトOX40(例えば、配列番号1のアミノ酸配列を有するCD134)を指す。
【0027】
「FcγRIIA」は、配列番号2のアミノ酸配列を有するヒトFcγRIIAを指す。
【0028】
「FcγRIIB」は、配列番号3のアミノ酸配列を有するヒトFcγRIIBを指す。
【0029】
「FcγRII」は、FcγRIIA及びFcγRIIBの両方を指す。
【0030】
「Tencon」は、配列番号4を有し、米国特許出願公開第2010/0216708号に記載される合成フィブロネクチンIII型(FN3)ドメインを指す。
【0031】
「Tencon27」は、配列番号5の配列を有し、US9200273に記載される合成FN3ドメインを指す。
【0032】
配列番号1(OX40)
MCVGARRLGRGPCAALLLLGLGLSTVTGLHCVGDTYPSNDRCCHECRPGNGMVSRCSRSQNTVCRPCGPGFYNDVVSSKPCKPCTWCNLRSGSERKQLCTATQDTVCRCRAGTQPLDSYKPGVDCAPCPPGHFSPGDNQACKPWTNCTLAGKHTLQPASNSSDAICEDRDPPATQPQETQGPPARPITVQPTEAWPRTSQGPSTRPVEVPGGRAVAAILGLGLVLGLLGPLAILLALYLLRRDQRLPPDAHKPPGGGSFRTPIQEEQADAHSTLAKI
【0033】
配列番号2(FcγRIIA)
MTMETQMSQNVCPRNLWLLQPLTVLLLLASADSQAAPPKAVLKLEPPWINVLQEDSVTLTCQGARSPESDSIQWFHNGNLIPTHTQPSYRFKANNNDSGEYTCQTGQTSLSDPVHLTVLSEWLVLQTPHLEFQEGETIMLRCHSWKDKPLVKVTFFQNGKSQKFSHLDPTFSIPQANHSHSGDYHCTGNIGYTLFSSKPVTITVQVPSMGSSSPMGIIVAVVIATAVAAIVAAVVALIYCRKKRISANSTDPVKAAQFEPPGRQMIAIRKRQLEETNNDYETADGGYMTLNPRAPTDDDKNIYLTLPPNDHVNSNN
【0034】
配列番号3(FcγRIIB)
MGILSFLPVLATESDWADCKSPQPWGHMLLWTAVLFLAPVAGTPAAPPKAVLKLEPQWINVLQEDSVTLTCRGTHSPESDSIQWFHNGNLIPTHTQPSYRFKANNNDSGEYTCQTGQTSLSDPVHLTVLSEWLVLQTPHLEFQEGETIVLRCHSWKDKPLVKVTFFQNGKSKKFSRSDPNFSIPQANHSHSGDYHCTGNIGYTLYSSKPVTITVQAPSSSPMGIIVAVVTGIAVAAIVAAVVALIYCRKKRISALPGYPECREMGETLPEKPANPTNPDEADKVGAENTITYSLLMHPDALEEPDDQNRI
【0035】
配列番号4(Tencon)
LPAPKNLVVSEVTEDSLRLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAINLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVKGGHRSNPLSAEFTT
【0036】
配列番号5(Tencon27)
LPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVKGGHRSNPLSAIFTT
【0037】
「センチリン」とは、ヒトテネイシンCに存在する15個の異なるFN3ドメインのコンセンサス配列に基づいたFN3ドメインのことを指す。
【0038】
「抗体」は、広い意味を持ち、マウス、ヒト、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体、抗体断片、二重特異性又は多重特異性抗体、二量体、四量体、又は多量体抗体、一本鎖抗体、ドメイン抗体、並びに、必要とされる特異性の抗原結合部位を含む免疫グロブリン分子の、任意の他の改変された構成を含む、免疫グロブリン分子を含む。「完全長抗体分子」は、ジスルフィド結合によって相互に接続されている2本の重鎖(heavy chain、HC)及び2本の軽鎖(light chain、LC)、並びにこれらの多量体(例えば、IgM)から構成される。各重鎖は、重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)、並びに重鎖定常領域(ドメインCH1、ヒンジ、CH2、及びCH3からなる)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)及び軽鎖定常領域(constant region、CL)から構成される。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(freamework region、FR)が散在しており相補性決定領域(complementarity determinig region、CDR)と呼称される超可変領域に更に分類され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシル末端に向かって以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRセグメントで構成される。
【0039】
「相補性決定領域(CDR)」は、抗体における「抗原結合部位」である。CDRは、様々な用語を用いて定義され得る:(i)VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HCDR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)存在する相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づく(Wu et al.(1970)J Exp Med 132:211−50)(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991)。(ii)VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(L1、L2、L3)存在する、「高頻度可変領域(hypervariable region)」、「HVR」、又は「HV」は、Chothia and Leskにより定義されるとおり、構造が高頻度可変性である抗体可変ドメインの領域を指す(Chothia et al.(1987)J Mol Biol 196:901−17)。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位についての標準的番号及び定義を提供する。CDR、HV及びIMGTの標記の対応関係については、(Lefranc et al.(2003)Dev Comp Immunol 27:55−77)に記載されている。本明細書で使用されている「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、及び「LCDR3」という用語は、本明細書において別途記載のない限り、上掲のKabat、Chothia、又はIMGTにより記載されている方法のいずれかにより定義されるCDRを含む。
【0040】
免疫グロブリンは、重鎖定常領域アミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てることができる。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。任意の脊椎動物種の抗体軽鎖は、定常領域のアミノ酸配列に基づいて、2つのはっきりと異なるタイプ、即ちカッパ(κ)及びラムダ(λ)のうち1つに割り当てることができる。
【0041】
「抗体断片」とは、重鎖及び/又は軽鎖抗原結合部位、例えば、重鎖相補性決定領域(heavy chain complementarity determining region、HCDR)1、2、及び3、軽鎖相補性決定領域(light chain complementarity determining region、LCDR)1、2、及び3、重鎖可変領域(VH)、又は軽鎖可変領域(VL)を保持する免疫グロブリン分子の一部を指す。抗体断片は、周知のFab、F(ab’)2、Fd、及びFv断片、並びに、1個のVHドメイン又は1個のVLドメインからなるドメイン抗体(domain antibody、dAb)を含む。VH及びVLドメインは互いに、合成リンカーを介して結合し、様々なタイプの一本鎖抗体設計を形成することができ、VH及びVLドメインが、個別の一本鎖抗体構築物により発現される場合では、VH/VLドメインが分子内、又は分子間で対形成し、一価の抗原結合部位、例えば一本鎖Fv(single chain Fv、scFv)又は二重特異性抗体を形成することができ、これらは、例えば国際公開第1998/44001号、同第1988/01649号、同第1994/13804号、及び同第1992/01047号に記載されている。
【0042】
「モノクローナル抗体」とは、抗体重鎖からのC末端リジンの除去などの、可能な周知の変更、又は、アミノ酸の翻訳後修飾、例えば、メチオニン酸化、若しくはアスパラギン若しくはグルタミンアミド分解による変更を除いて、各重鎖及び各軽鎖に、1個のアミノ酸組成を有する抗体集団を指す。モノクローナル抗体は通常、1個の抗原性エピトープに特異的に結合するが、二重特異性又は多重特異性モノクローナル抗体は、2つ以上の異なる抗原性エピトープに特異的に結合する。モノクローナル抗体は、抗体集団内で不均一なグリコシル化を有し得る。モノクローナル抗体は、単一特異性若しくは多重特異性、又は一価、二価、若しくは多価であり得る。二重特異性抗体は、モノクローナル抗体という用語に含まれる。
【0043】
「ヒト化抗体」とは、抗原結合部位が非ヒト種に由来し、可変領域フレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する、抗体を指す。ヒト化抗体は、フレームワーク内に置換を含む可能性があることから、フレームワークは、発現したヒト免疫グロブリン又はヒト免疫グロブリン生殖系列遺伝子の配列の正確なコピーでなくてもよい。
【0044】
「ヒト抗体」とは、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指し、ヒト対象に投与されたときに免疫応答が最小限に抑えられるように最適化される。抗体が定常領域又は定常領域の一部を含む場合、定常領域もヒト起源の配列に由来する。
【0045】
ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合のヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領域又は軽鎖可変領域を含む。そのような系の例示的なものには、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及び本明細書に記載されるヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するマウス又はラットなどといった、ヒト以外の遺伝子導入動物を含む。「ヒト抗体」は、抗体及びヒト免疫グロブリン座を得るために用いられる系間の違い、体細胞変異の導入、又はフレームワーク若しくは抗原結合部位、又はこれらの両方への意図的な置換の導入により、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子と比較したときにアミノ酸の相違を含み得る。典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされているアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。場合によっては、「ヒト抗体」は、例えば、(Knappik et al.(2000)J Mol Biol 296:57−86)に記載されている、ヒトフレームワーク配列分析により誘導される、コンセンサスフレームワーク配列、又は、例えば、(Shi et al.(2010)J Mol Biol 397:385−96)、及び国際公開第2009/085462号に記載されている、ファージに表示されるヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリに組み込まれた、合成HCDR3を含有してもよい。
【0046】
ヒト免疫グロブリン配列に由来するヒト抗体は、ファージディスプレイ組み込み合成CDR及び/又は合成フレームワークなどの系を用いて生成することもでき、インビトロでの突然変異導入に供して抗体特性を改善した結果、インビボにおけるヒト抗体生殖系列レパートリーでは発現されない抗体を得ることもできる。
【0047】
抗原結合部位が非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。
【0048】
「抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体」、又は抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体とは、TNFRスーパーファミリーメンバーに特異的に結合する抗体を指す。例示的なTNFRスーパーファミリーメンバーは、腫瘍壊死因子受容体1(CD120a)、腫瘍壊死因子受容体2(CD120b)、リンパ球β受容体(CD18)、OX40(CD134)、CD40、Fas受容体(CD95)、Decoy受容体3(TR6)、CD27、CD30、4−1BB(CD137)、細胞死受容体4(TRAILR1)、細胞死受容体5(TRAILR2)、Decoy受容体1(TRAILR3)、Decoy受容体2(TRAILR4)、RANK(CD265)、オステオプロテゲリン、TWEAK受容体、TACI(CD267)、BAFF受容体(CD268)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(CD270)、神経成長因子受容体(CD271)、B細胞成熟抗原(CD269)、グルココルチコイド誘導性TNFR関連(CD357)、TROY(TRADE)、細胞死受容体6(CD358)、細胞死受容体3(Apo−3)及びエクトジスプラシンA2受容体(XEDAR)である。
【0049】
「結合する」、「結合」、「特異的に結合する」又は「特異的な結合」とは、特異的な抗原(FcγRIIなど)と、約1×10
−6M以下、例えば約1×10
−7M以下、約1×10
−8M以下、約1×10
−9M以下、約1×10
−10M以下、約1×10
−11M以下、約1×10
−12M以下、又は約1×10
−13M以下の解離定数(K
D)で結合する本発明の分子(FN3ドメインなど)の能力のことを指す。代替的に、「結合する」とは、標準的なELISAアッセイにおいて陰性対照よりも少なくとも5倍高い特異的抗原に結合する本発明の分子の能力を指す。しかしながら、FcγRIIに結合する本発明の単離された分子は、他の関連する抗原、例えば、マカカ・ファシキュラリス(Macaca Fascicularis)(カニクイザル、cyno)、又はパン・トログロダイテス(Pan troglodytes)(チンパンジー)などの他種由来の同じ所定の抗原(ホモログ)に対して交差反応性を有し得る。
【0050】
「多重特異性」とは、2つ以上の異なる抗原、又は同じ抗原内の2つ以上の異なるエピトープに結合する分子を指す。
【0051】
「二重特異性」は、2つの異なる抗原、又は同じ抗原中の2つの異なるエピトープと特異的に結合する抗体を指す。二重特異性分子は、他の関連抗原、例えば、ヒト又はサル、例えば、Macaca fascicularis(カニクイザル、cyno)、Pan troglodytes(チンパンジー、chimp)、又はCallithrix jacchus(コモンマーモセット、marmoset)などの、他の種(ホモログ)からの同じ抗原に対し交差反応性を有し得る、あるいは、2つ以上の異なる抗原間で共有されるエピトープに結合し得る。
【0052】
「組み換え体」とは、組み換え手段によって調製、発現、作製、又は単離された抗体及び他のタンパク質を指す。
【0053】
「単離された」とは、組み換え細胞などの分子が産生されるシステムに関係する他の成分から実質的に分離及び/又は精製されている、分子の均質な集団(例えば、合成ポリヌクレオチド又はFN3ドメインなどのポリペプチド)に加えて、少なくとも1つの精製又は単離工程に供されたタンパク質を指す。「単離されたFN3ドメイン」とは、他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含まないFN3ドメインを指し、より高い純度、例えば80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の純度まで単離されたFN3ドメインを包含する。
【0054】
「ベクター」は、生物系内で複製可能な、又はそのような系間を移動することができる、ポリヌクレオチドを指す。ベクターポリヌクレオチドは典型的に、生物系においてこれらのポリヌクレオチドの複製又は維持を促進するように機能する複製起点、ポリアデニル化シグナル又は選択マーカーなどのエレメントを含んでいる。このような生物系の例としては、細胞、ウイルス、動物、植物、及びベクターを複製することができる生物学的成分を利用する再構成生物系を挙げることができる。ベクターを構成するポリヌクレオチドは、DNA若しくはRNA分子又はこれらのハイブリッド分子であり得る。
【0055】
「発現ベクター」は、発現ベクター中に存在するポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドの翻訳を指令するために、生物系又は再構成された生物系において利用できるベクターを指す。
【0056】
「ポリヌクレオチド」は、糖−リン酸骨格鎖又は他の同等の共有結合化学によって共有結合されたヌクレオチド鎖を含む合成分子を指す。
【0057】
「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結されてポリペプチドを形成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を指す。約50個未満のアミノ酸からなる小さいポリペプチドは「ペプチド」と呼ばれる場合もある。
【0058】
「試料」は、対象から単離された類似の流体、細胞、又は組織に加えて、対象の体内に存在する流体、細胞、又は組織の収集物を指す。例示的な試料は、組織生検、穿刺吸引、外科的に切除された組織、器官培養物、細胞培養物、及び生物学的流体、例えば、細胞培養物及び血液、血清及び漿膜液、血漿、リンパ液、尿、唾液、嚢胞液、涙液、糞便、喀痰などの体液、分泌組織及び器官の粘膜からの分泌液、膣分泌液、腹水、胸膜腔、心膜腔、腹膜腔、腹腔、及び他の体腔の流体、気管支洗浄によって回収された流体、滑液、対象又は生物源、例えば、細胞及び器官の培養培地(細胞又は器官の馴化培地を含む)、洗浄液などと接触した液体溶液である。
【0059】
「対象」は、任意のヒト又は非ヒト動物を含む。「非ヒト動物」は、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、爬虫類などの哺乳動物及び非哺乳動物などの全ての脊椎動物を包含する。記載されている場合を除き、「患者」及び「対象」という用語は、互換的に使用される。
【0060】
「アゴニスト」とは、TNFRスーパーファミリーメンバーの少なくとも1つの生物活性を誘導する分子を指し、分子は、TNFRスーパーファミリーメンバーの天然リガンドにより誘導されるアゴニストに結合する。例示的なアゴニスト活性としては、インビトロアッセイにて、NFκB誘導性プロモータの制御下で発現した、分泌胚アルカリホスファターゼ(secreted embryonic alkaline phosphatase、SEAP)の産生の誘導、樹状細胞(dendritic cell、DC)でのCD80、CD83、CD86、及びHLA−DR表面発現の増加により評価される、DC分化の誘導、B細胞の細胞増殖の増加又はB細胞でのCD23、CD80、CD83、CD86、及びHLA−DR表面発現の増加により評価されるB細胞の活性化、以前に抗原に曝露した患者から単離したPBMCによるインターフェロン−γ(IFN−γ)産生により評価される、抗原特異的T細胞のリコール応答の誘導、並びに活性化T細胞若しくはIFN−γの増殖の誘導又は活性化T細胞によるTNF−α産生が挙げられる。アゴニスト活性(例えば、アゴニズム)は、架橋依存性であり得る、又は抗体架橋とは無関係であり得る。
【0061】
「増強したアゴニスト活性」又は「増強したアゴニズム」は、参照分子又は陰性対照と比較したときの試験分子のアゴニズムの改善を指す。「増強した」とは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、若しくはそれ以上の増強であり得るか、又は陰性対照と比較したときの試験分子によって媒介される統計学的に有意な増強であり得る。
【0062】
「架橋」とは、FcγR、例えばFcγRIIB cis又はtransへの抗体結合、及び、その後のTNFRアゴニスト活性の誘導により誘導される、TNFRスーパーファミリーメンバーを発現する細胞上での、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のハイオーダーでの多量体化を指す。架橋は、架橋剤として抗ヒトF(ab’)2を使用すること、又はRaji細胞などのFcγRIIBを発現する細胞を使用することによりインビトロで評価することができる。
【0063】
「抗体架橋とは独立したアゴニスト活性」とは、抗体が、FcγR、例えば、FcγRIIBを発現しているRaji細胞などの、架橋剤の非存在下で溶液中にアゴニスト活性を示すことを意味する。
【0064】
本明細書全体をとおして、抗体の定常領域におけるアミノ酸残基の番号は、特に明示的に指定しない限り、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)に記載されるEUインデックスに従っている。
【0065】
従来の1文字及び3文字のアミノ酸コードを、表1に示すとおりに本明細書で使用する。
【0067】
物質の組成
本発明は、FcγRII結合FN3ドメイン及びそれらの融合タンパク質を提供する。FN3ドメインは、例えば、造影剤及び/又は治療薬として有用である。
【0068】
Tencon配列に基づいたライブラリからのFcγRII結合FN3ドメインの単離
Tencon(配列番号4)は、ヒトテネイシン−Cからの15個のFN3ドメインのコンセンサス配列から設計された天然に存在しないフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインである(米国特許公開第2010/0216708号)。Tenconの結晶構造は、FN3ドメインの特徴である7個のβ鎖をつなぐ6回表面露出ループを示し、β鎖は、A、B、C、D、E、F、及びGと呼ばれ、ループは、AB、BC、CD、DE、EF、及びFGループと呼ばれる(Bork and Doolittle(1992)Proc Natl Acad Sci USA 89:8990−8994)。これらのループ又は各ループ内の選択された残基を、フィブロネクチンIII型(FN3)ドメインのライブラリを構築するためにランダム化することができ、これらを用いてFcγRIIに結合する新規分子を選択することができる。表2は、Tencon(配列番号4)の各ループ及びβ鎖の位置及び配列を示す。これにより、Tencon配列に基づいて設計されたライブラリは、無作為化FGループ、又は無作為化BC及びFGループを有し得る。Tencon BCループは、長さがアミノ酸7個であり、このため、1、2、3、4、5、6、又は7個のアミノ酸を、BCループで多様化させてTencon配列に基づいて設計したライブラリにおいて無作為化してもよい。Tencon FGループは、長さがアミノ酸7個であり、このため、1、2、3、4、5、6、又は7個のアミノ酸を、FGループで多様化させてTencon配列に基づいて設計したライブラリにおいて無作為化してもよい。Tenconライブラリにおけるループでの更なる多様性は、ループでの残基の挿入及び/又は欠失によって達成され得る。例えば、FG及び/又はBCループを、アミノ酸1〜22個伸長させてもよく、又はアミノ酸1〜3個減少させてもよい。TenconにおけるFGループは、長さがアミノ酸7個であり、抗体重鎖における対応するループは、残基4〜28個の範囲である。最大の多様性を提供するために、FGループを、残基4〜28個の抗体CDR3の長さの範囲に対応するように、配列並びに長さを多様化させてもよい。例えば、追加の1、2、3、4、又は5個のアミノ酸によってループを伸長させることにより、FGループの長さを更に多様化させることができる。Tencon配列に基づいて設計されたライブラリはまた、FN3ドメインの側面を形成するランダム化された代替表面を有してもよく、それらは2本以上のβ鎖と少なくとも1つのループを含んでもよい。そのような1つの代替表面は、C及びFのβ鎖、並びにCD及びFGループのアミノ酸によって形成される(C−CD−F−FG表面)。Tenconの代替的なC−CD−F−FG表面に基づいたライブラリの設計については、米国特許出願公開第2013/0226834号に記載されている。Tencon配列に基づいて設計されたライブラリはまた、11、14、17、37、46、73、又は86番目の位置(残基の番号付けは配列番号4に対応する)の残基で置換を有し、改善された熱安定性を示すTencon変異体などのTencon変種に基づいて設計されたライブラリを含む。例示的なTencon変異体が米国特許出願公開第2011/0274623号に記載されており、配列番号4のTenconと比較したとき、E11R、L17A、N46V、E86Iの置換を有するTencon27(配列番号5)が含まれる。
【0070】
Tenconに基づくライブラリは、ランダムな、又は定義されたアミノ酸の組を用いて、選択された残基位置でランダム化することができる。例えば、ランダムな置換を有するライブラリ内の変異体を、天然に存在する20種全てのアミノ酸をコードするNNKコドンを用いて作製することができる。他の多様化スキームにおいて、アミノ酸Ala、Trp、Tyr、Lys、Thr、Asn、Lys、Ser、Arg、Asp、Glu、Gly、及びCysをコードするために、DVKコドンを使用することができる。代替的に、20種全てのアミノ酸残基を生じさせ、同時に停止コドンの頻度を低減するために、NNSコドンを使用することもできる。多様化させる位置で偏りのあるアミノ酸分布を有するFN3ドメインのライブラリは、例えばSlonomics(登録商標)技術(http:_//www_sloning_com)を用いて合成することができる。この技術は、何千もの遺伝子合成プロセスにおいて充分な普遍的構成単位として機能する、既製の二本鎖トリプレットのライブラリを用いたものである。トリプレットのライブラリは、あらゆる所望のDNA分子を構築するために必要な、全ての考えられる配列組み合わせを示す。コドン指定は、周知のIUBコードによる。
【0071】
本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、RepAをコードするDNA断片に、足場タンパク質をコードするDNA断片をライゲートして、インビトロ翻訳後に形成される、それぞれのタンパク質がそれがコードするDNAに安定に会合する(米国特許第7,842,476号;Odegrip et al.(2004)Proc Natl Acad Sci U S A 101,2806−2810)タンパク質−DNA複合体のプールを作製するために、cisディスプレイを用いてTenconライブラリなどのFN3ライブラリを産生すること、並びに当該技術分野において既知の及び実施例で記述される任意の方法によってFcγRIIに対する結合に関してライブラリをアッセイすることによって単離することができる。使用することができる例示的な周知の方法は、ELISA、サンドイッチイムノアッセイ、並びに競合及び非競合アッセイである。同定されたFcγRII結合FN3ドメインは、それらの所望の特性について更に評価することができる。
【0072】
FcγRII結合FN3ドメイン
本発明は、単離されたFcγRII結合FN3ドメインを提供する。いくつかの実施形態では、単離されたFN3ドメインは、配列番号4のTenconアミノ酸配列又は配列番号5のTencon27配列に基づき、配列番号4又は配列番号5は、残基位置11、14、17、37、46、73、及び/又は86において置換を場合により有する。
【0073】
本発明は、配列番号16のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号23のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0074】
本発明は、配列番号17のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号24のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0075】
本発明は、配列番号18のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号25のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0076】
本発明は、配列番号19のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号26のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0077】
本発明は、配列番号20のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号27のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0078】
本発明は、配列番号21のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号28のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0079】
本発明は、配列番号22のアミノ酸配列を含む単離されたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、配列番号29のポリヌクレオチド配列によりコードされる。
【0080】
本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、熱安定性を改善するため、並びに熱によるフォールディング及びアンフォールディングの可逆性を改善するためなどのそれらの特性を改善するために改変することができる。タンパク質及び酵素の見かけの熱安定性を高めるために、高度に類似した熱安定性配列との比較に基づく合理的設計、ジスルフィド架橋を安定化する設計、α−へリックス性向を高める突然変異、塩架橋の操作、タンパク質の表面電荷の変化、定方向進化、及びコンセンサス配列の組成を含むいくつかの方法が応用されている(Lehmann and Wyss,Curr Opin Biotechnol,12,371−375,2001)。高熱安定性は、発現したタンパク質の収率を増加させ、溶解度又は活性を改善し、免疫原性を減少させ、製造におけるコールドチェーンの必要性を最小化することができる。Tencon(配列番号4)の熱安定性を改善するために置換することができる残基は、11、14、17、37、46、73、及び/又は86番目の残基位置であり、米国特許出願公開第2011/0274623号に記載されている。これらの残基に対応する置換を、本発明のFcγRII結合FN3ドメインに組み込むことができる。
【0081】
タンパク質安定性及びタンパク質不安定性の測定は、タンパク質完全性の同じ又は異なる態様として見ることができる。タンパク質は、熱、紫外線又は電離放射線、溶液中の場合には周囲の浸透圧モル濃度及びpHの変化、小さな孔寸法での濾過によって課される力学的剪断力、紫外線放射、γ線照射によるなどの電離放射線、化学的若しくは熱脱水、又はタンパク質構造の破壊を引き起こし得る他の任意の作用若しくは力によって引き起こされる変性に対して感受性がある、又は「不安定」である。分子の安定性は、標準方法を用いて決定することができる。例えば、分子の安定性は、標準方法を用いて、分子の半分がアンフォールドされるセ氏での温度(℃)である、熱融解(「T
M」)温度を測定することによって決定することができる。一般的には、T
mが高いほど、分子はより安定している。熱に加えて、化学環境もまた、タンパク質が特定の三次元構造を維持する能力を変化させる。
【0082】
化学変性も同様に、様々な方法によって測定することができる。化学変性剤には、塩酸グアニジニウム、チオシアン酸グアニジニウム、尿素、アセトン、有機溶媒(DMF、ベンゼン、アセトニトリル)、塩(硫酸アンモニウム、臭化リチウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム)、還元剤(例えば、ジチオスレイトール、β−メルカプトエタノール、ジニトロベンゼン、及び水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物)、非イオン性及びイオン性洗浄剤、酸(例えば、塩酸(hydrochloric acid、HCl)、酢酸(CH
3COOH)、ハロゲン化酢酸)、疎水性分子(例えば、リン脂質)、及び標的化変性剤が挙げられる。変性の程度の定量化は、標的分子の結合能などの機能的特性の喪失、又は凝集傾向、これまで溶媒が到達できなかった残基の露出、若しくはジスルフィド結合の破壊若しくは形成などの物理化学的特性に依存し得る。
【0083】
本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、例えば、価数を増加させ、このため標的分子結合の結合力を増加させるために、又は2つ以上の異なる標的分子に同時に結合する二重特異性又は多重特異性の足場を作製するために、単量体、二量体、又は多量体として作製され得る。二量体及び多量体は、例えばアミノ酸リンカー、例えばポリグリシン、グリシン及びセリン、又はアラニン及びプロリンを含むリンカーを含めることによって単特異性、二重特異性、又は多重特異性タンパク質足場を連結させることによって作製され得る。例示的なリンカーとしては、GSGS、(配列番号6)、GGGSGGGS(配列番号7)、GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号8)、APAP(配列番号9)、APAPAPAPAP(配列番号10)、APAPAPAPAPAPAPAPAPAP(配列番号11)、APAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAPAP(配列番号12)、AEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKEAAAKAAA(配列番号13)andGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号14)が挙げられる。二量体及び多量体を、NからC−方向に互いに連結させてもよい。ポリペプチドを新規な連結された融合ポリペプチドに連結するための天然に存在するペプチドリンカー及び人工ペプチドリンカーの使用は、文献において周知である(Hallewell,Laria et al.(1989)J Biol Chem 264:5260−5268、Alfthan,Takkinen et al.(1995)Protein Eng.8:725−731、Robinson and Sauer(1996)Biochemistry 35:109−116、米国特許第5,856,456号)。
【0084】
FcγRII結合FN3ドメインコンジュゲート
本発明は、異種分子にコンジュゲートしたFcγRII結合FN3ドメインも提供する。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、ポリペプチドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、抗体にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、半減期延長部分にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、検出可能な標識にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、細胞毒性薬物にコンジュゲートされる。コンジュゲートは、FN3ドメインとのペプチド結合を介してもよく、標準的なクローニング及び発現技術によって生成され得る。代替的に、周知の化学カップリング方法を用いて、組み換え技術によって産生された本発明のFN3ドメインにその部分を結合させることができる。異種分子にコンジュゲートした本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、いくつかの周知のアッセイによって機能性に関して比較され得る。例えば、Fcドメイン及び/又はFcドメイン変異体を組み込むことにより変化した特性を、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、又はFcRn受容体などの可溶性型受容体を用いるFc受容体結合アッセイにおいてアッセイしてもよく、又は例えばADCC若しくはCDCを測定する周知の細胞系アッセイを用いて、又はインビボモデルにおける本発明の分子の薬物動態特性を評価してアッセイしてもよい。
【0085】
半減期延長部分
例示的な半減期延長部分としては、アルブミン、アルブミン変異体、アルブミン結合タンパク質及び/又はドメイン、トランスフェリン、並びにそのフラグメント及び類似体、並びにFc領域がある。例示的なアルブミン変異体の1つに、配列番号15に示されるものがある。ヒトFc領域のアミノ酸配列は周知のものであり、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE Fc領域を含んでいる。
【0086】
配列番号15
DAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQCPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGL
【0087】
抗体定常領域の全て又は一部を、本発明のFcγRII結合FN3ドメインに結合させて、半減期を延長してもよく、また抗体様特性、特にC1q結合などのFcエフェクタ機能、補体依存性細胞障害性(complement dependent cytotoxicity、CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞障害性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)、貪食、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)のダウンレギュレーションなどの、Fc領域に関連する特性を付与してもよく、これらの活性に関与するFcにおける残基を修飾することによって更に修飾されてもよい(論評に関しては、(Strohl(2009)Curr Opin Biotechnol.20:685−691)を参照されたい)。
【0088】
PEG5000又はPEG20,000などのポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)分子、例えばラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ステアリン酸エステル、アラキジン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレイン酸エステル、アラキドン酸エステル、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸などの異なる鎖長の脂肪酸及び脂肪酸エステル、ポリリジン、オクタン、炭水化物(デキストラン、セルロース、オリゴ糖又は多糖)などの他の半減期延長部分を、所望の特性を得るために本発明のFcγRII結合FN3ドメインに組み込むことができる。
【0089】
例えば、システイン残基を分子のC末端に組み込むか、又は、分子のFcγRII結合面から離れる方向に面した残基位置にシステインを組み込み、周知の方法によってPEG化基をシステインに結合させることによって、本発明のFcγRII結合FN3ドメインにPEG化部分を付加することができる。
【0090】
検出可能な標識
検出可能な標識にコンジュゲートされた本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、例えば、対象からの試料などの組織又は細胞試料上のFcγRIIの発現を評価するために、又は対象のリンパ球などのFcγRII発現細胞を検出するためのインビボ撮像に使用されてもよい。
【0091】
検出可能な標識は、本発明のFcγRII結合FN3ドメインと結合させた場合に、FN3ドメインを、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、又は化学的手段によって検出可能なものとすることができる組成物を含む。
【0092】
例示的な検出可能な標識としては、放射性同位体、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、蛍光染料、電子密度試薬、酵素(例えば、一般的にELISAにおいて使用される)、ビオチン、ジゴキシゲニン、ハプテン、発光分子、化学発光分子、蛍光色素、フルオロフォア、蛍光消光剤、有色分子、放射性同位体、シンチラント(cintillants)、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、抗体又はその断片、ポリヒスチジン、Ni
2+、Flagタグ、mycタグ、重金属、酵素、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、電子供与体/受容体、アクリジニウムエステル、及び比色基質が挙げられる。
【0093】
検出可能な標識は、例えば、検出可能な標識が放射性同位体であるときなど、自発的にシグナルを発し得る。検出可能な標識はまた、外部フィールドによって刺激されるので、信号を放出してもよい。
【0094】
例示的な放射性同位体は、γ放出、オージェ放出、β放出、アルファ放出、又はポジトロン放出性の放射性同位体であり得る。例示的な放射性同位体としては、
3H、
11C、
13C、
15N、
18F、
19F、
55Co、
57Co、
60Co、
61Cu、
62Cu、
64Cu、
67Cu、
68Ga、
72As、
75Br、
86Y、
89Zr、
90Sr、
94mTc、
99mTc、
115In、
1231、
1241、
125I、
1311、
211At、
212Bi、
213Bi、
223Ra、
226Ra、
225Ac、及び
227Acが挙げられる。
【0095】
例示的な金属原子は、20超の原子番号を有する金属、例えば、カルシウム原子、スカンジウム原子、チタン原子、バナジウム原子、クロム原子、マンガン原子、鉄原子、コバルト原子、ニッケル原子、銅原子、亜鉛原子、ガリウム原子、ゲルマニウム原子、ヒ素原子、セレン原子、臭素原子、クリプトン原子、ルビジウム原子、ストロンチウム原子、イットリウム原子、ジルコニウム原子、ニオブ原子、モリブデン原子、テクネチウム原子、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、銀原子、カドミウム原子、インジウム原子、スズ原子、アンチモン原子、テルル原子、ヨウ素原子、キセノン原子、セシウム原子、バリウム原子、ランタン原子、ハフニウム原子、タンタル原子、タングステン原子、レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、水銀原子、タリウム原子、鉛原子、ビスマス原子、フランシウム原子、ラジウム原子、アクチニウム原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、ユウロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子、ホルミウム原子、エルビウム原子、ツリウム原子、イッテルビウム原子、ルテチウム原子、トリウム原子、プロトアクチニウム原子、ウラン原子、ネプツニウム原子、プルトニウム原子、アメリシウム原子、キュリウム原子、バーケリウム原子、カリホルニウム原子、アインスタイニウム原子、フェルミウム原子、メンデレビウム原子、ノーベリウム原子、又はローレンシウム原子である。
【0096】
いくつかの実施形態では、金属原子は、20超の原子番号を有するアルカリ土類金属であり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、金属原子は、ランタニドであり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、金属原子は、アクチニドであり得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、金属原子は、遷移金属であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、金属原子は、卑金属であり得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、金属原子は、金原子、ビスマス原子、タンタル原子、及びガドリニウム原子であり得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、金属原子は、53(即ち、ヨウ素)〜83(即ち、ビスマス)の原子番号を有する金属であり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、金属原子は、磁気共鳴映像法に好適な原子であり得る。
【0104】
金属原子は、+1、+2、又は+3の酸化状態の形態の金属イオン、例えば、Ba
2+、Bi
3+、Cs
+、Ca
2+、Cr
2+、Cr
3+、Cr
6+、Co
2+、Co
3+、Cu
+、Cu
2+、Cu
3+、Ga
3+、Gd
3+、Au
+、Au
3+、Fe
2+、Fe
3+、F
3+、Pb
2+、Mn
2+、Mn
3+、Mn
4+、Mn
7+、Hg
2+、Ni
2+、Ni
3+、Ag
+、Sr
2+、Sn
2+、Sn
4+、及びZn
2+であり得る。金属原子は、金属酸化物、例えば、酸化鉄、酸化マンガン、又は酸化ガドリニウムを含み得る。
【0105】
好適な色素としては、例えば、5(6)−カルボキシフルオレセイン、IRDye 680RDマレイミド、又はIRDye 800CW、ルテニウムポリピリジル色素などの任意の市販の色素が挙げられる。
【0106】
好適なフルオロフォアは、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyante、FITC)、フルオレセインチオセミカルバジン、ローダミン、テキサスレッド、CyDyes(例えば、Cy3、Cy5、Cy5.5)、Alexa Fluors(例えば、Alexa488、Alexa555、Alexa594、Alexa647)、近赤外(near infrared、NIR)(700〜900nm)蛍光染料、並びにカルボシアニン及びアミノスチリル染料である。
【0107】
本発明はまた、対象におけるFcγRII発現細胞を検出する方法も提供し、方法は、
配列番号16、17、18、19、20、21又は22のアミノ酸配列を含むFcγRII結合FN3ドメインを検出可能な標識にコンジュゲートしてコンジュゲートを形成することと、
このコンジュゲートを対象に投与することと、
コンジュゲートが結合しているFcγRII発現細胞を可視化することとを含む。
【0108】
本発明はまた、試料中のFcγRII発現細胞を検出する方法も提供し、方法は、
試料を得ることと、
試料を、配列番号16、17、18、19、20、21又は22のアミノ酸配列を含むFcγRII結合FN3ドメイ接触させることと、
FcγRII結合FN3ドメインの結合を検出することとを含む。
【0109】
細胞毒性剤
細胞毒性剤にコンジュゲートされたFcγRII結合FN3ドメインは、例えば、これらの細胞毒性剤の全身投与が正常細胞に許容されないレベルの毒性を生じうる場合に、細胞毒性剤のFcγRII発現細胞、及びその細胞内蓄積部への標的化送達に使用することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、細胞毒性剤は、ダウノマイシン、ドキソルビシン、メトトレキサート、ビンデシン、ジフテリア毒素などの細菌毒素、リシン、ゲルダナマイシン、マイタンシノイド、又はカリケアマイシンである。細胞毒性物質は、チューブリン結合、DNA結合、又はトポイソメラーゼ阻害を含む機構によりその細胞毒性又は細胞増殖抑制作用をもたらすことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、細胞毒性物質としては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、アレウリテス・フォルディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、フィトラカ・アメリカナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・カランティア(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコテセンなどの酵素活性を有する毒素がある。
【0112】
いくつかの実施形態では、細胞毒性剤は、
212Bi、
131I、
131In、
90Y、及び
186Reなどの放射性核種である。
【0113】
いくつかの実施形態では、細胞毒性剤は、ドラスタチン又はドラスタチンのペプチド類似体及び誘導体、アウリスタチン又はモノメチルアウリスタチンフェニルアラニンである。例示的な分子は、米国特許第5,635,483号及び同第5,780,588号に開示されている。ドラスタチン及びオーリスタチンは、微小管の動力学、GTPの加水分解、並びに核及び細胞分裂と干渉することが示されており(Woyke et al(2001)Antimicrob Agents Chemother 45:3580−3584)、抗癌及び抗カビ活性を有することが示されている。ドラスタチン及びアウリスタチン薬物部分は、ペプチド薬物部分のN(アミノ)末端若しくはC(カルボキシル)末端を介して(国際公開第02/088172号)、又はFN3ドメインに組み込まれた任意のシステインを介して、本発明のFN3ドメインに結合することができる。
【0114】
本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、既知の方法を用いて検出可能な標識又は細胞毒性剤にコンジュゲートされ得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識又は細胞毒性剤は、キレート剤と錯体を形成している。
【0116】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、リンカーを介して本発明のFcγRII結合FN3ドメインにコンジュゲートされる。
【0117】
検出可能な標識又は細胞毒性剤は、既知の方法を用いて、本発明のFcγRII結合FN3ドメインに直接、又は間接的に連結され得る。好適なリンカーは、当該技術分野において既知であり、例えば、補欠分子族、非フェノールリンカー(N−スクシミジル−ベンゾアートの誘導体;ドデカボラート)、大環状及び非環式の両キレート剤のキレート部分、例えば、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10,四酢酸(DOTA)の誘導体、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の誘導体、S−2−(4−イソチオシアナトベンジル)−1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)の誘導体、及び1,4,8,11−テトラアザシクロドデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)の誘導体、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミダートHCl)、活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベラート)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイソシアナート(例えば、トルエン2,6−ジイソシアナート)、及びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)、並びに他のキレート部分が挙げられる。好適なペプチドリンカーは周知である。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、腎クリアランスを介して血液から除去される。
【0119】
ポリペプチド及び抗体コンジュゲート
FcγRII結合FN3ドメインを任意のポリペプチドにコンジュゲートさせて、FcγRII結合特性をポリペプチドに提供してもよい。例えば、改変されたエフェクタサイレントFcを有する抗体は、ADCP活性を選択的にレスキューするために、本発明のFcγRII結合FN3ドメインにコンジュゲートさせることができる。腫瘍抗原に結合するポリペプチドは、ADCPを介して腫瘍細胞を排除するために、本発明のFcγRII結合FN3ドメインにコンジュゲートさせることができる。
【0120】
本発明は、ポリペプチドにFcγRII結合FN3ドメインをコンジュゲートすることと、ポリペプチドの増強されたADCP活性を測定することを含む、ポリペプチドの抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)活性を増強する方法も提供する。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号16、17、18、19、20、21又は22のポリペプチド配列を含む。「増強したADCP」は、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、若しくはそれ以上の増強であり得るか、又は陰性対照と比較したときの試験分子によって媒介される統計学的に有意な増強であり得る。ADCP活性は、既知のプロトコル及び本明細書に記載のものを使用して測定することができる。
【0121】
多重特異性分子
本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供する。抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体へのFcγRII結合FN3ドメインのコンジュゲーションは、抗体のアゴニスト活性を増強し、エフェクタFc抗体においてADCP活性を提供する。
【0122】
いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体と、FcγRII結合FN3ドメインとが、ペプチド結合を介して共有結合している。
【0123】
いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、重鎖若しくはその断片のC末端に結合される。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、重鎖若しくはその断片のN末端に結合される。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、軽鎖若しくはその断片のC末端に結合される。いくつかの実施形態では、FcγRII結合FN3ドメインは、軽鎖若しくはその断片のN末端に結合される。
【0124】
いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、IgG1アイソタイプである。いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、IgG2アイソタイプである。いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、IgG3アイソタイプである。いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、IgG4アイソタイプである。いくつかの実施形態では、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体は、エフェクタサイレントFcを含む。「エフェクタサイレント」は、バックグラウンドにわたって測定可能なADCC、ADCP及びCDCを有さない抗体を指す。ADCC、ADCP及びCDCは、既知の方法及び本明細書に記載される方法を使用して測定することができる。抗体の、活性化FcγRへの結合を低下させた後、エフェクタ機能を低下させるために変異可能なfc位置としては、位置214、233、234、235、236、237、238、265、267、268、270、295、297、309、327、328、329、330、331、及び365が挙げられる。単独で、又は組み合わせで加えることができる例示的な変異は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4における、変異K214T、E233P、L234V、L234A、G236の欠失、V234A、F234A、L235A、G237A、P238A、P238S、D265A、S267E、H268A、H268Q、Q268A、N297A、A327Q、P329A、D270A、Q295A、V309L、A327S、L328F、A330S、及びP331Sである。ADCCが低下した抗体をもたらす例示的な変異の組み合わせは、IgG1における変異L234A/L235A、IgG2におけるV234A/G237A/P238S/H268A/V309L/A330S/P331S、IgG4におけるF234A/L235A、IgG4におけるS228P/F234A/L235A、全てのIgアイソタイプにおけるN297A、IgG2におけるV234A/G237A、IgG1におけるK214T/E233P/L234V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、IgG2におけるH268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1におけるS267E/L328F、IgG1におけるL234F/L235E/D265A、IgG1におけるL234A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及び、IgG4におけるS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sである。IgG2由来の残基117〜260及びIgG4由来の残基261〜447を有するFcなどのハイブリッドIgG2/4 Fcドメインを使用してもよい。CDCが低下した抗体をもたらす例示的な変異は、K322A変異である。
【0125】
いくつかの実施形態では、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子は、OX40に結合する。いくつかの実施形態では、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子は、CD27に結合する。いくつかの実施形態では、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子は、CD40に結合する。いくつかの実施形態では、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子は、CD137に結合する。いくつかの実施形態では、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子は、GITRに結合する。
【0126】
本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号16のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号23のポリヌクレオチドによってコードされている。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号17のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号24のポリヌクレオチドによってコードされる。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号25のポリヌクレオチドによってコードされている。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号26のポリヌクレオチドによってコードされる。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号27のポリヌクレオチドによってコードされる。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号21のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号28のポリヌクレオチドによってコードされる。本発明は、重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、このFN3ドメインは、配列番号22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FN3ドメインは、配列番号29のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0127】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号30及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号46及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0128】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号32及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号48及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0129】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号33及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号49及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0130】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号34及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号50及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0131】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号35及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号51及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0132】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号36及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号52及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0133】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号37及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号53及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0134】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号38及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号54及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0135】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号39及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号55及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0136】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号40及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号56及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0137】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号30及び41のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号46及び57のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0138】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号30及び42のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号46及び58のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0139】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号43及び31のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号59及び47のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0140】
本発明は、重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子も提供し、この多重特異性分子は、配列番号39及び42のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号55及び58のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0141】
本発明は、抗体をFcγRIIB結合FN3ドメインにコンジュゲートして、操作された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体を生成することと、操作された抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体の増強したアゴニスト活性を測定することとを含む、抗TNFRスーパーファミリーメンバー抗体のアゴニスト活性を増強する方法も提供する。
【0142】
ポリヌクレオチド、ベクター及び宿主細胞
本発明は、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子をコードする核酸を、インビトロ転写/翻訳のために使用される直鎖DNA配列、その組成物の真核生物、原核生物、又はフィラメントファージでの発現、分泌、及び/又は提示と適合するベクター、又はその標的化突然変異源を含む、単離されたポリヌクレオチドとして、又は発現ベクターの一部として、又は直鎖DNA配列の一部として、提供する。ある特定の例示的なポリヌクレオチドが本明細書に開示されているが、遺伝コードの縮重又は所与の発現系におけるコドンの選択性を考慮すると、本発明のFN3ドメイン又は多重特異性分子をコードする他のポリヌクレオチドも本発明の範囲内に含まれる。
【0143】
本発明は配列番号16のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号23のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0144】
本発明は配列番号17のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号24のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0145】
本発明は配列番号18のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号25のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0146】
本発明は配列番号19のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号26のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0147】
本発明は配列番号20のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号27のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0148】
本発明は配列番号21のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号28のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0149】
本発明は配列番号22のFcγRII結合FN3ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。本発明は、配列番号29のポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0150】
本発明はまた、配列番号30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42又は43のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0151】
本発明は、配列番号46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58又は59のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【0152】
本発明のポリヌクレオチドは、自動ポリヌクレオチド合成装置での固相ポリヌクレオチド合成などの化学合成により産生され、完全な一本鎖又は二本鎖分子に構築され得る。代替的に、本発明のポリヌクレオチドは、PCRに続いて通常のクローニングを行うなどの他の技術により産生され得る。所与の既知の配列のポリヌクレオチドを産生又は取得するための技術は、当該技術分野で周知である。
【0153】
本発明のポリヌクレオチドは、プロモータ又はエンハンサ配列、イントロン、ポリアデニル化シグナル、RepA結合を促進するcis配列等などの、少なくとも1つの非コード配列を含み得る。ポリヌクレオチド配列はまた、例えば、タンパク質の精製又は検出を容易にするためのヒスチジンタグ又はHAタグなどのマーカー又はタグ配列、シグナル配列、RepA、Fcなどの融合タンパク質パートナー、又はpIX若しくはpIIIなどのバクテリオファージコートタンパク質をコードした更なるアミノ酸をコードする更なる配列を含んでもよい。
【0154】
本発明はまた、少なくとも1つの本発明のポリヌクレオチドを含むベクターも提供する。そのようなベクターは、プラスミドベクター、ウイルスベクター、バキュロウイルス発現ベクター、トランスポゾンに基づいたベクター、又は任意の手段によって所与の生物若しくは遺伝子的バックグラウンドに本発明のポリヌクレオチドを導入するために好適な他の任意のベクターであり得る。そのようなベクターは、そのようなベクターによってコードされるポリペプチドの発現を制御、調節、誘発、又は許容することができる核酸配列エレメントを含む発現ベクターであり得る。このようなエレメントは、転写エンハンサ結合部位、RNAポリメラーゼ開始部位、リボソーム結合部位、及び所与の発現系においてコードされたポリペプチドの発現を促進する他の部位を含み得る。このような発現系は、当該技術分野において公知の細胞に基づく系、又は無細胞系であり得る。
【0155】
また、本発明は、本発明のベクターを含む宿主細胞を提供する。本発明のポリペプチドは、場合により、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞又は不死化細胞のクローン性集団によって産生させることができる。例えば、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(1987−2001);Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,Antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989);Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994−2001);Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997−2001)を参照されたい。
【0156】
発現用に選択される宿主細胞は、哺乳動物起源であり得るか、又はCOS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、He G2、SP2/0、HeLa、骨髄腫、リンパ腫、酵母、昆虫若しくは植物細胞、又はその任意の誘導体、不死化若しくは形質転換細胞から選択され得る。代替的に、宿主細胞は、ポリペプチドをグリコシル化することができない種又は生物、例えば、BL21、BL21(DE3)、BL21−GOLD(DE3)、XL1−Blue、JM109、HMS174、HMS174(DE3)、及び天然若しくは改変大腸菌種(E.coli spp)、クレブシエラ種(Klebsiella spp)、又はシュードモナス種(Pseudomonas spp)の菌株のいずれかなどの原核細胞又は生物から選択され得る。
【0157】
本発明は、本発明の単離された宿主細胞を、本発明の単離されたFN3ドメインが発現されるような条件下で培養することと、FN3ドメインを精製することとを含む、本発明のFcγRII結合FN3ドメインを産生する方法も提供する。
【0158】
このFcγRII結合FN3ドメインは、周知の方法、例えばプロテインA精製、硫酸アンモニウム、又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン若しくは陽イオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、アフィニティクロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ、及びレクチンクロマトグラフィ、又は高速液体クロマトグラフィ(high performance liquid chromatography、HPLC)によって、組み換え細胞培養物から精製することができる。
【0159】
抗イディオタイプ抗体
本発明は、本発明のFcγRII結合FN3ドメインに結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【0160】
本発明は、配列番号16、17、18、19、20、21又は22のFcγRII結合FN3ドメインに特異的に結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【0161】
キット
本発明は、本発明のFcγRII結合FN3ドメインを含むキットも提供する。
【0162】
このキットは、治療的使用のために、及び診断キットとして使用することができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、キットは、本発明のFcγRII結合FN3ドメインと、FN3ドメインを検出するための試薬とを含む。キットは、使用説明書;他の試薬、例えば、標識、キレート化、ないしは別の方法のカップリングに有用な試薬、放射線防護組成物、撮像、診断、又は治療目的のための投与のための、本発明のFcγRII結合FN3ドメインを調製するためのデバイス又は他の材料、医薬的に許容される担体、及び対象に投与するためのデバイス又は他の材料を含む、1つ以上の他の構成要素を含み得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号16、17、18、19、20、21又は22のFcγRII結合FN3ドメインを含む。
【0165】
FcγRII結合FN3ドメイン及び重鎖及び軽鎖と、FcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子の使用
FcγRII結合FN3ドメインは、NK細胞及びT細胞を除いて、エンドサイトーシス及び貪食作用に関与する活性化された免疫細胞、並びに白血球をモニタするために有用である。
【0166】
本発明のFN3ドメインを使用して細胞内ドメイン内に免疫受容体チロシンリン系活性化モチーフ(ITAM)を含有するヒトFcγRIIAをブロッキングすることは、小胞体(endoplasmic reticulum、ER)からカルシウムを放出させる下流シグナル伝達事象を遮断し得る。本発明のFN3ドメインを使用してFcγRIIAをブロッキングすることは、RA、乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、又は糖尿病を有する過剰活性化患者の免疫応答を低下させることができる。
【0167】
細胞FγRに結合する抗体は、ウイルス感染又は悪性細胞の除去につながる炎症誘発性反応を効率的に誘導するが、これは自己免疫応答中の健康な組織の破壊にもつながり得る。したがって、抗体特異性、並びに細胞FcγRとの相互作用を通じて炎症誘発性反応を効率的に引き起こす抗体アイソタイプへのクラスの切り替えは、厳密に制御されなければならない。いくつかの中枢性及び末梢性チェックポイントは、B細胞発生全体にわたって存在し、自己反応性抗体の生成を防止する。本発明のFN3ドメインを使用してFcγRIIBをブロッキングすることは、LYNによるFcγRIIBの細胞質尾部におけるITIM(免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ)のリン酸につながる受容体の潜在的架橋を遮断することができる。このシグナルカスケードは、SRC−相同−2−ドメイン含有イノシトール−5−リン酸(SHIP)の動員及びPtdIns(3,4,5)P3のホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸(PtdIns(4,5)P2)への加水分化をもたらし、最終的に、BTK及びPLCγなどのタンパク質を含有するプレクストリン相同(PH)ドメイン含有タンパク質の動員を阻害する。したがって、本発明のFN3ドメインを使用してFcγRIIBをブロッキングすることは、ヒト免疫応答を回避するために使用する免疫応答の癌細胞又は慢性ウイルス感染阻害の能力を低下させ得る。
【0168】
本発明は、自己免疫疾患を治療するために、治療的有効量の本発明のFcγRII結合FN3ドメインを、それを必要する対象に投与することを含む、自己免疫疾患の治療方法も提供する。いくつかの実施形態では、本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、配列番号16、17、18、19、20、21又は22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FcγRIIは、FcγRIIBである。
【0169】
いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、関節リウマチ(rheumatoid arthritis、RA)である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、乾癬である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、クローン病である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、糖尿病である。
【0170】
本発明は、ウイルス感染を治療するために、治療的有効量の本発明のFcγRII結合FN3ドメインを、それを必要する対象に投与することを含む、ウイルス感染の治療方法も提供する。いくつかの実施形態では、本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、配列番号16、17、18、19、20、21、又は22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FcγRIIは、FcγRIIBである。
【0171】
本発明は、癌を治療するために、治療的有効量の本発明のFcγRII結合FN3ドメインを、それを必要する対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。いくつかの実施形態では、本発明のFcγRII結合FN3ドメインは、配列番号16、17、18、19、20、21、又は22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、FcγRIIは、FcγRIIBである。
【0172】
本発明は、治療的有効量の重鎖若しくはその断片及び軽鎖若しくはその断片と、本発明のFcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子を、それを必要する対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。いくつかの実施形態では、FcγRIIは、FcγRIIBである。
【0173】
本発明は、治療的有効量の重鎖及び軽鎖と、本発明のFcγRII結合FN3ドメインとを含む抗腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー抗体を含む多重特異性分子を、それを必要する対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。いくつかの実施形態では、FcγRIIは、FcγRIIBである。
【0174】
いくつかの実施形態では、TNFRスーパーファミリーメンバーは、OX40、CD27、CD40、CD137、又はGITRである。
【0175】
いくつかの実施形態では、癌は、固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、固形腫瘍は、黒色腫、肺癌、扁平非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer、NSCLC)、非扁平NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃癌、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮細胞癌、食道又は胃腸管の癌、乳癌、卵管癌、脳腫瘍、尿道癌、泌尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は癌の転移性病変である。
【0176】
TNFR1/2/TNF−α、CD70/CD27、CD137/4−1BB、OX40/OX40L、CD40/CD40L、GITR/GITRLを含む、TNFRスーパーファミリーメンバー及びこれらのリガンドの多くは、癌治療の標的として示唆されており、TNFRスーパーファミリーメンバーを標的化するいくつかのアゴニスト抗体、例えば、抗CD40、抗OX40、抗GITR、抗CD27、抗CD137抗体が、様々な充実性腫瘍、並びに、ヘム悪性腫瘍(非ホジキンリンパ腫及びB細胞悪性腫瘍など)に対して臨床開発されている。場合によりエフェクタ機能と一体となった、アゴニスト活性の増強という点で改善された性質を有する、本発明の抗CD40、抗OX40、抗GITR、抗CD27、抗CD137、及び他の抗TNFRスーパーファミリーメンバーの抗体は、充実性腫瘍を含む様々な癌の治療において、治療的に有効であると予測することができる。
【0177】
医薬組成物/投与
本発明は、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子と、医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物も提供する。治療用途では、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、医薬的に許容される担体中に活性成分として、有効量の抗体又はFcドメイン含有分子を含有する医薬組成物として調製することができる。例示的な医薬的に許容される担体は、生理学的に適合性の溶剤、分散媒体、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤などであり、例えば、塩、緩衝液、抗酸化剤、糖類、植物油又はピーナッツオイルなどの水性若しくは非水性担体、防腐剤、湿潤剤、界面活性剤若しくは乳化剤、又はそれらの組み合わせである。
【0178】
使用され得る例示的な緩衝液は、酢酸、クエン酸、ギ酸、コハク酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、ホウ酸、トリス緩衝剤、HEPPSO及びHEPESである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の緩衝液の濃度は、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM又は約50mMであってもよい。
【0179】
使用され得る例示的なアミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、グリシン、アルギニン、リシン、L−ロイシン、トリロイシン、アラニン、グルタミン酸、L−スレオニン及び2−フェニルアミンである。医薬組成物中のアミノ酸の濃度は、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、約31mM、約32mM、約33mM、約34mM、約35mM、約36mM、約37mM、約38mM、約39mM、約40mM、約41mM、約42mM、約43mM、約44mM、約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM又は約50mMであってもよい。
【0180】
使用され得る例示的な界面活性剤は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート−20又はポリソルベート−80);ポリオキサマー(例えば、ポロキサマー188);トリトン;オクチル配糖体ナトリウム(sodium octyl glycoside);ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−又はステアリル−スルホベタイン;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−又はステアリル−サルコシン;リノレイル−、ミリスチル−又はセチル−ベタイン;ラウロアミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノレアミドプロピル−、ミリストアミドプロピル−、パルミドプロピル−又はイソステアラミドプロピル−ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル);ミリストアミドプロピル−、パルミドプロピル−又はイソステアラミドプロピル−ジメチルアミン;ナトリウム=メチルココイル−又はジナトリウム=メチルオレイル−タウレート;並びにMONAQUA(商標)シリーズ(Mona Industries,Inc.(Paterson,N.J.))、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、及びエチレンとプロピレングリコールとのコポリマー(例えば、PLURONICS(商標)、PF68など)である。医薬組成物中の界面活性剤の濃度は、約0.01%w/v、0.02%w/v、0.03%w/v、0.04%w/v、0.05%w/v、0.06%w/v、0.07%w/v、0.08%w/v、0.09%w/v又は0.1%w/vであってもよい。
【0181】
使用され得る例示的な糖類は、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール(sylitol)、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール又はイソマルツロースなどの、単糖類、二糖類、三糖類、多糖類、糖アルコール、還元糖、非還元糖である。医薬組成物中の糖類の濃度は、約100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM又は約500mMであってもよい。
【0182】
使用され得る例示的な塩は、酸付加塩及び塩基付加塩である。酸付加塩としては、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの無毒性無機酸由来、並びに、例えば脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸類などの無毒性有機酸由来のものが挙げられる。塩基付加塩としては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属由来、並びに、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの非毒性有機アミン類由来のものが挙げられる。医薬組成物中の塩の濃度は、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM又は約100mMであってもよい。
【0183】
使用され得る例示的な抗酸化剤は、アスコルビン酸、メチオニン、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、レシチン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediamine tetraacetic acid、EDTA)、ソルビトール及び酒石酸である。
【0184】
使用され得る例示的な防腐剤は、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサール又はそれらの混合物である。
【0185】
医薬組成物中の医薬的に許容される担体(単数又は複数)の量は、担体(単数又は複数)の活性及び製剤の所望の特性、例えば安定性及び/又は最小酸化に基づいて実験的に決定され得る。したがって、このような医薬製剤中の本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子の濃度は、約0.5重量%未満から、通常は少なくとも約1重量%まで、最大で15又は20重量%まで変動し得、また、選択される具体的な投与方法に従って、必要とされる用量、流体体積、粘度などに主に基づいて選択され得る。
【0186】
例示的な医薬組成物は、20mMのL−ヒスチジン、100mMのNaCl、15mMのL−メチオニン及び0.02%のポリソルベート80を含む。これらの医薬組成物は滅菌され、一般には粒子状物質を含まない。これらは、通常の周知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。
【0187】
治療用途のための、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子の投与のモードは、錠剤、カプセル剤、液剤、粉剤、ゲル、粒子としての製剤を使用し、注射器、埋め込み式デバイス、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプに入れられた又は当該技術分野において周知の、当業者によって認識される他の手段に含まれ得る製剤を用いた、非経口投与、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は皮下、肺、経粘膜投与(経口、鼻腔内、膣内、直腸)などの、抗体を宿主に送達する任意の好適な経路であり得る。部位特異的投与は、例えば、腫瘍内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、血管内、膀胱内、病巣内、腟内、直腸内、口腔内、舌下、鼻腔内、又は経皮送達によって達成され得る。
【0188】
本発明の本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、例えば、静脈内(i.v.)注入又はボーラス注射により非経口的に、筋肉内又は皮下又は腹腔内になど任意の好適な経路によって対象に投与することができる。静脈内注入は、例えば、15、30、60、90、120、180、若しくは240分間にわたって、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時間にわたって行ってもよい。
【0189】
対象に投与される用量は、治療されている疾患を緩和する又は少なくとも部分的に停止させるために十分(「治療的有効量」)なものであり、時に、0.005mg〜約100mg/kg、例えば、約0.05mg〜約30mg/kg若しくは約5mg〜約25mg/kg、又は約4mg/kg、約8mg/kg、約16mg/kg、若しくは約24mg/kg、又は例えば約1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10mg/kgであり得るが、更に多量、例えば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50、60、70、80、90、若しくは100mg/kgであってもよい。
【0190】
例えば、50、100、200、500、若しくは1000mgの一定の単位用量を与えてもよく、又は患者の表面積に基づいて、例えば、500、400、300、250、200、若しくは100mg/m
2の用量を与えてもよい。通常、1〜8用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8)が患者を治療するために投与されるが、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又はそれよりも多い用量を与えてもよい。
【0191】
本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子の投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月以上後に繰り返すことができる。治療コースを繰り返してもよく、長期にわたる投与も同様に可能である。繰り返し投与は、同一用量であっても異なる用量であってもよい。例えば、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、静脈内注入により8mg/kg又は16mg/kgで1週間間隔で8週間にわたり投与され、8mg/kg又は16mg/kgで2週間毎に更に16週間の投与が続き、その後、8mg/kg又は16mg/kgで4週間毎の投与を続けて行うことができる。
【0192】
例えば、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、1日当たり約0.1〜100mg/kg、例えば0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90又は100mg/kgの量の1日投薬量として、治療の開始後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40日目のうちの少なくとも1日に、又は代替として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20週目のうちの少なくとも1週に、又はこれらの任意の組み合わせで、24、12、8、6、4、又は2時間毎の単一用量又は分割用量を使用して、又はこれらの任意の組み合わせで、提供され得る。
【0193】
また、本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、癌の発現リスクを低下させる、癌の進行における事象の発生の開始を遅延させる、及び/又は癌が寛解期にあるときの再発リスクを低下させるために予防的に投与されてもよい。
【0194】
本発明のFcγRII結合FN3ドメイン又は多重特異性分子は、保存のために凍結乾燥し、使用に先立って好適な担体中で再構成することができる。この技術は、従来のタンパク質調製物に関して有効であることが示されており、周知の凍結乾燥及び再構成技術を用いることができる。
【0195】
本発明は一般論として記述されてきたが、本発明の実施形態は、特許請求の範囲の範囲を限定するように解釈されるべきではない以下の実施例で更に開示される。
【0196】
実施例1.FcγRIIに結合するフィブロネクチンIII型(FN3)ドメインの選択
FcγRII結合FN3ドメインを、安定化されたTencon27(配列番号5)に基づいてライブラリから選択した。
【0197】
抗原を、1×PBS中の抗原に対して10倍モル過剰のビオチンを用いて、SureLINKビオチンキット(KPL#86−00−01)で標識した。パンニングを、特異的結合クローンを富化する5回の連続ラウンドの開始をとおして行った。ビーズに結合したビオチン化(biotinylated、bt)FcγRIIB、ライブラリブロッキングにおいて過剰の非標識化FcγRIIAを有するビーズに結合したbt−FcγRIIB、陽性選択ビーズに結合したbt−FcγRIIBの前に陰性選択ビーズに結合したbt−FcγRIIA、及びエピトープブロッキングパンニングを含む複数のパンニングアプローチを実行した。
【0198】
FN3ドメインパニング出力を、3回及び5回のラウンドでELISAによって、FcγRIIA及びFcγRIIBへの結合についてスクリーニングした。具体的には、出力物質をPCRにより増幅し、Clontech InFusionシステム(Clontech#639649)を使用して、pET15E大腸菌発現ベクター[BL21コンピテント細胞(Agilent#230132)]にサブクローニングした。次いで、サブクローニングされたFN3ドメイン発現プラスミドをカルベニシリン寒天プレート上で一晩選択した。各パニング及びライブラリから約100個のコロニーをパンニングされた各ライブラリから採取し(4回のパンニング法から合計で約4000個)、増殖のためにスケーリングし、発現を誘発させ、単離して、一次ELISAスクリーニングのために溶解させた。
【0199】
一次ELISAについては、Maxisorp96ウェルプレートに、ウェル当たり100μLのストレプトアビジン(Promega;PBS中5μg/mL)を充填し、次いで4℃で一晩保持した。翌日、ストレプトアビジンでコーティングしたプレートを、3×TBSTで洗浄し、次いで、250μLのStarting BlockT20(Pierce−cat#37543)で遮断した。1時間のインキュベーション後、全てのプレートを、1×TBSTで3回洗浄し、bt−FcγRIIA、bt−FcγRIIB、又はbt−HSA(陰性スクリーニング)(全て1μg/mLで)のいずれかのウェル当たり100μLで充填し、室温で1時間保持した。前に溶解したFN3ドメインを3500rpmで10分間遠心分離し、Starting Block T20中で1:10に希釈し、100μLずつプレートに添加した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを1×TBSTで3回洗浄し、ウェルに、Tencon27に対するHRPコンジュゲートウサギポリクローナル抗体100μLを充填した。室温での最終的な1時間のインキュベーション後、プレートを1×TBSTで3回洗浄し、ウェル当たり100μLの化学発光基質POD(Roche)で充填し、Perkin Elmer Envisionプレートリーダーで読み取った。陽性結合コロニー(HSAと比較すると、FcγRIIA又はFcγRIIBへの5倍高い結合を示すクローン)をSangerシーケンシングにかけ、同定されたコード配列をアミノ酸配列にインシリコ翻訳した。配列固有のFN3ドメインをBL21細胞で発現させ、ニッケルセファロースプレートを使用して精製した。希釈系列における精製されたFN3ドメインの抗原結合を実施した。具体的には、ELISAフォーマットでは、ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Promega#Z7041)を使用して、1μg/mLのbt−FcγRIIB、bt−FcγRIIA、又は粘着性FN3ドメインbt−HSAに対する陰性対照としてのいずれかの50μLを捕捉した。このFN3ドメインに10μMで添加した後、128pMまで1:5で希釈し、Tencon27及びPOD基質に対するHRPコンジュゲートウサギポリクローナル(Roche#11582950001)を使用して結合について検出した。結合曲線及びEC50値を、X=log(x)変換及びPrism GraphPadの非線形回帰(曲線勾配)計算を使用して計算した。
【0200】
精製されたFN3ドメインを、Superdex 75 5/150GLカラム(SE Lifesciences#28−9205−04)を使用して、1×PBS中のサイズ排除クロマトグラフィHPLC(Agilent 1100)によって評価した。光散乱のために補正されたモニタされた吸光度(280nm)によってモノマー含有量を定量化した。モノマーTencon27を参照対照として使用して、溶出時間に基づいて、同様の見かけサイズを有するFN3ドメインを同定した。適切な時間におけるモノマー物質の割合は、OpenLab ECM(Agilent Systems)を使用した積分分析によって計算された。一般に50%面積を超えるTencon27から約+/−1分の予想時間範囲のピークを有するクローンを、モノマーとしてまとめた。時間範囲の可視ピークを有さないクローンを、モノマーではないとみなした。
【0201】
初期結合及びサイズ排除クロマトグラフィ、並びにその後のNFκBレポータアッセイに基づいて、FcγRIIに結合する7つのFN3を更に特性化した。これらのFN3ドメインは、多様化Cストランド、CDループ、Fストランド及びFGループを有する米国特許出願公開第US2013/0226834号に記載されるTencon代替C−CD−F−FG表面ライブラリに由来するものである。選択されたFN3ドメインのアミノ酸及びcDNA配列を、それぞれ表3及び表4に示す。
図1は、FN3ドメインのアミノ酸配列のアラインメントを示す。FcγRIIa及びFcγRIIbへの結合についてのEC50を、表5に示す。表5に示されるクローンから、R2BS6、R2B12、R2B29及びR2B56は、モノマーであった。
【0205】
実施例2:OX40−FcγRII mAbtyrinの生成
mAbtyrinを生成するために、選択FcγRII FN3ドメインを、IgG2σアイソタイプ(野生型IgG2と比較したとき、置換V234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331Sを有するエフェクタFc)としてクローン化した抗OX40抗体OX40SF2IgG2sigma(HC配列番号30、LC配列番号31)の重鎖のC末端で操作した。FcγRIIへの結合、NF−κBレポータアッセイにおけるアゴニズム、及び候補mAbtyrinのADCC/ADCPエフェクタ活性を評価した。親抗体OX40SF2IgG2sigmaを、実験における対照として使用した。表6は、生成されたmAbtyrinを示す。
【0207】
hcOX40SF2IgG2sigma_HC(配列番号30)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0208】
OX40SF2_LC(配列番号31)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGAAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYINYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0209】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS6_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS6 FN3ドメイン)(配列番号32)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVQYAAWYLPRHHEASNPLSAIFTT
【0210】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS9_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS9 FN3ドメイン)(配列番号33)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFWIYYLEYWRGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVQIHGVKGGQYSYPLSAIFTT
【0211】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS12_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS12 FN3ドメイン)(配列番号34)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFLIAYAEYWEGGEAVVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVQINGVKGGFWSIPLSAIFTT
【0212】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS26_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS26 FN3ドメイン)(配列番号35)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIAYIEYWTGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVWIHGVKGGAWSSPLSAIFTT
【0213】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS29 FN3ドメイン)(配列番号36)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIYYWEYRVGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVYINGVKGGEESRPLSAIFTT
【0214】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS39_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS39 FN3ドメイン)(配列番号37)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFLIQYQESEKVGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYTVSIYGVSHGPWYNYGEWRSNPLSAIFTT
【0215】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS56_HC−Cアミノ酸(hcOX40SF2IgG2sigma_HC+リンカー+R2BS56 FN3ドメイン)(配列番号38)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFSIAYWEYRKGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVLIYGVKGGWQSKPLSAIFTT
【0216】
hcOX40SF2IgG2sigma_HC cDNA(配列番号46)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA
【0217】
OX40SF2_Lc cDNA(配列番号47)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCTAGCAGCCTGAGCGCTAGCGTGGGCGACAGAGTGACCATCACCTGCAAGGCCAGCCAGGATGTGGGAGCCGCCGTGGCCTGGTATCAGCAGAAGCCCGGAAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACTGGGCCAGCACCAGACACACCGGCGTGCCTAGCAGGTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTTACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCCCGAGGATTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACATCAACTACCCCCTGACCTTCGGCGGCGGCACCAAAGTGGAGATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0218】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS6_HC−C cDNA(配列番号48)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTCCTGATCCAGTACCAGGAATCTGAAAAAGTTGGTGAAGCGATCGTGCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATACACCGTTTCTATCTACGGTGTTCAATATGCGGCGTGGTATCTGCCGCGTCACCACGAGGCGAGCAACCCGCTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0219】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS9_HC−C cDNA(配列番号49)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTCTGGATTTATTACCTGGAGTATTGGCGTGGCGGTGAAGCGATCGTTCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATATTTCGTTCAAATTCACGGCGTTAAGGGCGGTCAATATAGTTATCCACTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0220】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS12_HC−C cDNA(配列番号50)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTTCTGATCGCGTATGCGGAATATTGGGAGGGCGGTGAAGCGGTCGTTCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATATTTCGTTCAAATCAATGGCGTTAAGGGTGGTTTCTGGAGTATCCCACTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0221】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS26_HC−C cDNA(配列番号51)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTTCCGATCGCGTATATCGAGTATTGGACTGGCGGTGAAGCGATCGTTCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATATTTCGTTTGGATTCACGGCGTTAAGGGTGGTGCGTGGTCCAGCCCGCTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0222】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−C cDNA(配列番号52)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCCGCCCCCAAGAACCTGGTGGTGAGCAGGGTGACCGAGGACAGCGCCAGGCTGAGCTGGACAGCTCCTGACGCCGCCTTCGACAGCTTCCCCATCTATTACTGGGAGTACAGGGTGGGCGGAGAGGCCATCGTGCTGACAGTGCCCGGCAGCGAGAGGAGCTACGACCTGACCGGCCTGAAGCCTGGCACCGAGTACTTCGTGTACATCAACGGCGTGAAGGGCGGCGAGGAATCCAGACCCCTGAGCGCCATCTTCACCACC
【0223】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS39_HC−C cDNA(配列番号53)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTCCTGATCCAGTACCAGGAATCTGAAAAAGTTGGTGAAGCGATCGTGCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATACACCGTTTCTATCTACGGTGTGAGCCACGGCCCGTGGTATAATTATGGCGAGTGGCGTTCTAACCCGCTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0224】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS56_HC−C cDNA(配列番号54)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCGGCGCCGAAAAACCTGGTTGTTTCTCGTGTTACCGAAGACTCTGCGCGTCTGTCTTGGACCGCGCCGGACGCGGCGTTCGACTCTTTTAGCATTGCGTACTGGGAGTATCGTAAAGGCGGTGAAGCGATCGTTCTGACCGTTCCGGGTTCTGAACGTTCTTACGACCTGACCGGTCTGAAACCGGGTACCGAATATTTCGTTCTGATCTATGGTGTCAAGGGCGGTTGGCAATCCAAACCACTGTCTGCGATCTTCACCACC
【0225】
mAbtyrinを発現するために、重鎖及び軽鎖を発現する構築物を、製造業者の指示に従ってExpi293F細胞(Life Technologies)で一過性にトランスフェクトした。簡潔に言えば、Expi293F細胞を、各IgGの重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を1:3の比でコードする発現構築物でコトランスフェクトした。37℃で5日間発現した後、遠心分離及び0.2μmの濾過により上清を清澄化し、mAbtyrinをプロテインA親和性クロマトグラフィにより精製した。精製されたmAbtyrinのSDS−PAGE分析により、非還元(non-reducing、NR)条件における予想された170kDaのタンパク質バンド及び還元(reducing、R)条件における60kDの重鎖並びに25kDaの軽鎖タンパク質バンドが明らかになった。
【0226】
溶液中におけるmAbtyrinの凝集状態を、サイズ排除クロマトグラフィにより評価した。簡潔に言えば、抗体をTSKgel G3SWカラム(Tosoh Bioscience LLC)に注入し、それらのサイズをクロマトグラフィにより解明した。全てのmAbtyrinは、約16分で溶出したタンパク質ピークを有する類似のクロマトグラフィプロファイルを示し、一方、抗体は、約17分で溶出したタンパク質ピークを示した。
【0227】
実施例3:OX40−FcγRII mAbtyrinの特性化
生成されたmAbtyrinを、それらのFcγRへの結合及びアゴニスト活性について特性化した。親OX40抗体OX40SF2IgG2sigmaを、アッセイをとおしてコンパレータとして使用した。
【0228】
HEK293f細胞上で発現されたFcγR上のmAbtyrinの結合
フローサイトメトリ染色
ヒトFcγRI(NM_000566)(配列番号:44)、FcγRIIA(NM_021642)(配列番号:2)、FcγRIIB(NM_004001)(配列番号:3)、及びFcγRIIIA(NM_000569)(配列番号:45)をコードするcDNAを発現するプラスミド(Origene)を、ExpiFectamine293トランスフェクションキット(Life Technologies)により、Expi293F細胞に一過的にトランスフェクションした。トランスフェクションの48時間後にフローサイトメトリアッセイを実施した。トランスフェクションしたFc受容体の発現を確認するために、特異的抗体:FcγRIについては10.1(BD Pharmingen)、FcγRIIAについてはIV.3(StemCell Technologies)、FcγRIIBについては(社内で調製)2B6(Veri et al.(2007)Immunology 121:392−404)、及びFcγRIIIAについては3G8(BD Pharmingen)を、陽性対照としてフローサイトメトリ染色に用いた。
【0229】
1ウェル当たり2×10
5個の細胞を96ウェルプレートに播種し、4℃にて30分間、BSA染色緩衝液(BD Biosciences,San Jose,USA)にてブロッキングした。細胞を、氷上で4℃で1.5時間、試験mAbtyrinと共にインキュベーションした。BSA染色緩衝液で2回洗浄した後、細胞を、R−PE標識抗ヒト又は抗マウスIgG二次抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories)と共に4℃で45分間、インキュベートした。細胞を、染色緩衝液で2回洗浄し、その後、1:200希釈したDRAQ7生/死細胞染色試薬(Cell Signaling Technology,Danvers,USA)を含有する150μLのStain Buffer中に再懸濁した。染色された細胞のPE及びDRAQ7シグナルを、Miltenyi MACSQuantフローサイトメータ(Miltenyi Biotec,Auburn,USA)によってそれぞれB2及びB4チャンネルを使用して検出した。生細胞をDRAQ7除外でゲートし、収集された少なくとも10,000の生細胞イベントについて、幾何平均蛍光シグナルを測定した。解析にはFlowJoソフトウェア(Tree Star)を使用した。データを、平均蛍光シグナルに対する抗体濃度の対数としてプロットした。GraphPad Prism 6(GraphPad Software,Inc.)によって非線形回帰分析を行い、EC
50値を算出した。
【0230】
約90〜700ng/mlのEC
50値を有するFcγRIIAを発現するHEK293F細胞に結合したmAbtyrin(表7)及び約500〜1900ng/mlのEC
50値を有するFcγRIIBを発現するHEK293F細胞に結合したmAbtyrin(表7)。予想されるように、OX40SF2IgG2sigmaは、FcγRIIA又はFcγRIIBのいずれかに対する結合活性を示さなかった。FcγRI及びFcγIIIAに対する結合は、これらの構築物について試験しなかった。
【0231】
配列番号44のFcγRI
MWFLTTLLLWVPVDGQVDTTKAVITLQPPWVSVFQEETVTLHCEVLHLPGSSSTQWFLNGTATQTSTPSYRITSASVNDSGEYRCQRGLSGRSDPIQLEIHRGWLLLQVSSRVFTEGEPLALRCHAWKDKLVYNVLYYRNGKAFKFFHWNSNLTILKTNISHNGTYHCSGMGKHRYTSAGISVTVKELFPAPVLNASVTSPLLEGNLVTLSCETKLLLQRPGLQLYFSFYMGSKTLRGRNTSSEYQILTARREDSGLYWCEAATEDGNVLKRSPELELQVLGLQLPTPVWFHVLFYLAVGIMFLVNTVLWVTIRKELKRKKKWDLEISLDSGHEKKVISSLQEDRHLEEELKCQEQKEEQLQEGVHRKEPQGAT
【0232】
配列番号45のFcγRIIIA
MAEGTLWQILCVSSDAQPQTFEGVKGADPPTLPPGSFLPGPVLWWGSLARLQTEKSDEVSRKGNWWVTEMGGGAGERLFTSSCLVGLVPLGLRISLVTCPLQCGIMWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGLFGSKNVSSETVNITITQGLAVSTISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVKTNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK
【0234】
Raji細胞上のmAbtyrinの結合
Raji細胞は、優勢にFcγRIIBを発現するB細胞に由来する細胞株である。Raji細胞上のmAbtyrinの結合を、FcγRに結合するmAbtyrinの試験について記載したフローサイトメトリアッセイによって検討した。ヒトIgG(γ)に対するPE標識ヤギF(ab’)
2を使用して、mAbtyrinの結合をフローサイトメトリによって検出した。
【0235】
表8は、10μg/mlの抗体濃度における結合及び平均シグナルのEC
50値を示す。研究された全てのmAbtyrinは、Raji細胞に対する用量依存的に増加した結合を示したが、OX40SF2IgG2sigmaは結合を示さなかった。10μg/mLの濃度で、全てのmAbtyrinは、OX40SF2IgG2sigmaと比較して少なくとも6倍高い結合シグナルを示した。mAbtyrinの中で、OX40SF2IgG2sigma_R2BS29は、Raji細胞に対する最も強力な結合を示した。
【0237】
HEK−Blue:OX40細胞上のmAbtyrinの結合
細胞上に発現されたOX40に対するmAbtyrinの結合を、FcγRに結合するmAbtyrinの試験について記載したフローサイトメトリアッセイによって検討した。NF−κB誘導性プロモータ(IFN−β最小プロモータ)の制御下で分泌型胚アルカリホスファターゼ(SEAP)レポータ遺伝子を発現するように改変されたHEK−Blue(商標)Null1細胞に、OX40発現プラスミド(pUNO1−hOX40)をトランスフェクションし、ヒトOX40を発現する安定なHEK−Blueレポータ細胞株(HEK−Blue:OX40)を樹立した。mAbtyrinをHEK−Blue:OX40細胞と共にインキュベートし、ヒトIgG(γ)に対してPE標識ヤギF(ab’)
2を使用して、フローサイトメトリによって結合を検出した。
【0238】
研究した全てのmAbtyrinは、1μg/mでOX40SF2IgG2sigmaと比較した場合に、HEK−Blue:OX40と同等の結合を示した(表9)。
【0240】
mAbtyrinのアゴニスト活性
mAbtyrinのアゴニスト活性を、HEK−BlueNF−κBレポータアッセイを用いて評価した。簡潔に言えば、200μL培地に再懸濁した、1×10
5個のHEK−Blue:OX40細胞を、96ウェルアッセイプレートの各ウェルに分け、OX40リガンド又はmAbtyrinを添加した。架橋効果を試験するために、1μLのプロテインG磁気ビーズ(Pierce)又は1×10
5個のRaji細胞のいずれかを、同じアッセイウェルに添加した。37℃で一晩インキュベーションした後、Quanti−Blue検出キット(Invivogen)を使用して、誘導により分泌されたアルカリホスファターゼ(SEAP)レポータ遺伝子発現を定量化することにより、mAbtyrinのアゴニスト活性を評価した。簡潔に言えば、40μLの細胞培養上清を160μLのQuanti−Blue試薬と混合し、適切な青色が生じるまで、37℃でインキュベーションした。SpectraMaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を使用して、650nmにおけるODを測定した。mAbtyrinのアゴニスト活性を、1μg/mLのOX40リガンドにより誘導される活性に対する活性(%)として、正規化した。
【0241】
OX40リガンドの確立されたHEK−Blue:OX40細胞株からの用量依存的に刺激されたレポータ遺伝子発現は、トランスフェクトされたOX40の機能的発現を示す。
【0242】
試験された全てのmAbtyrinは、OX40SF2IgG2sigmaについて観察されたものと同様の、HEL−Blueにおける弱い架橋非依存的アゴニスト活性を示した。Raji細胞との架橋は、試験されたmAbtyrinのアゴニスト活性を増強したが、OX40SF2IgG2sigmaに影響を及ぼさなかった。FcγRIIB又はFcγRIIA結合抗体(それぞれ、2B6及びIV.3)のいずれか、又は対応するFN3ドメイン(それぞれ、R2b29及びR2BS26)を用いて、mAbtyrinのOX40SF2IgG2sigma_R2BS9_HC−C及びOX40SF2IgG2sigma_R2BS26_HC−CとFcγRとの相互作用をブロッキングすることにより、mAbtyrinのアゴニスト活性を低下させた。これは、Raji細胞上のFcγRII FN3ドメインとFcγRとの相互作用が、mAbtyrinのアゴニスト活性を増強するために必要であることが示された。表10は、1μg/mlのOX40リガンドに対する活性パーセントとして表されたRaji細胞との架橋を伴うか、又は伴わない1μg/mlのmAbtyrinのアゴニスト活性並びに架橋時のアゴニズムの増強の倍率を示す。表11は、抗FcγRII mAb又は対応するFN3ドメインでプレブロッキングした後の、選択mAbtyrinのアゴニスト活性を示す。
【0245】
Raji細胞と同様に、Daudi細胞も、B細胞に由来し、かつ優勢にFcγRIIBを発現する。OX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−Cは、Daudi細胞への結合を実証した。Daudi細胞との架橋は、Daudi細胞上のFcγRII受容体がmAbtyrinのアゴニズムを促進するために架橋活性を提供したことを示すOX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−Cのアゴニスト活性を促進した。表12は、Daudi細胞を使用して、架橋を伴うか又は架橋を伴わないmAbtyrinのアゴニスト活性及びOX40リガンドと比較したときの活性パーセントとして表される架橋時のアゴニズム増強の倍率を示す。
【0247】
mAbtyrinのエフェクタ機能
生成されたmAbtyrinのADCC及びADCP活性を評価した。
ADCCアッセイ
製造元(Promega)により指示されるとおりに、ADCCレポータバイオアッセイにより、mAbtyrinのADCC活性を評価した。簡潔に言えば、96ウェルプレートにプレートしたウェル当たり25,000個のHEK−Blue:OX40細胞を、FcγRIIIA受容体の活性化がルシフェラーゼレポータの発現につながる操作されたエフェクタ細胞と一晩混合した。mAbtyrinをこの細胞に添加し、37℃で6時間インキュベートした。次いで、Bio−Gloルシフェラーゼ試薬を添加し、ルシフェラーゼシグナルをEnvisionにより定量化した。mAbtyrinのADCC活性を、試験抗体を添加しない活性化に対して、ルシフェラーゼシグナルの活性化が何倍であるかとして表した。
【0248】
ADCPアッセイ
GFPを発現するOX40標的細胞株を、Turbo GFP形質導入粒子(Sigma Aldrich)をHEK−Blue:OX40細胞を感染させることにより樹立した。安定なGFP発現細胞を、ピューロマイシンを用いて選択した。CD16が枯渇(depletion)していない、陰性ヒト単球濃縮キット(StemCell technologies)を使用して、ヒトCD14
+CD16
+単球をPBMC(Biologics Specialty)から単離した。10%FBSを含有するX−VIVO−10培地(Lonza)に、単離した単球を蒔き、25ng/mLのマクロファージコロニー刺激因子(R&D Systems)を7日間添加することで、単球をマクロファージに分化させた。IFNγ(50ng/mL;R&D Systems)を、分化の最後の24時間の間添加した。ADCPアッセイのため、1×10
5個/ウェルの分化したマクロファージを、96ウェルU底プレートで、200μL培地(DMEM+10% FBS)中、0.25×10
5個/ウェルのGFP発現HEK−Blue:OX40細胞(4:1比)と混合した。試験mAbtyrinを添加し、37℃のインキュベータ内で24時間プレートをインキュベートした。次いで、Accutase(Sigma)を使用して細胞を剥離し、BSA染色バッファに再懸濁させた。Alexa Fluor 647(Invitrogen)を連結した抗CD11b及び抗CD14抗体(BD Biosciences)により、マクロファージを染色した。Miltenyi MACSQuantフローサイトメータ(Miltenyi Biotec,Auburn,USA)を使用するフローサイトメトリにより、GFP陽性HEK−Blue:OX40標的細胞及びAlexa647陽性マクロファージを識別した。FlowJoソフトウェア(Tree Star)を使用してデータを分析し、以下の式:殺傷された標的細胞の割合=((抗体濃度が最小の場合のGFP
+、CD11b
−、CD14
−細胞の割合)−(抗体濃度が試験濃度の場合のGFP
+、CD11b
−、CD14
−細胞の割合))/(抗体濃度が最小の場合のGFP
+、CD11b
−、CD14
−細胞の割合)×100を使用して、GFP蛍光の減少を測定することにより、ADCPが介在する細胞殺傷を測定した。
【0249】
結果
mAbtyrinもOX40SF2IgG2sigmaも、エフェクタサイレントFcのために、ADCC活性を有しなかった。このデータは、同定されたFN3ドメインが、FcγRIIIAとの相互作用を有しなかったこと、及び親抗体のC末端へのFN3の添加が、ADCCに影響を及ぼさなかったことを示した(データは示さず)。全ての試験されたmAbtyrinは、OX40発現細胞の有意なADCPを媒介したが、一方OX40SF2IgG2sigmaはADCPを媒介しなかった。表13は、ADCPアッセイにおいて、1μg/mlの試験mAbtyrinによって殺傷されたOX40細胞の割合を示す。mAbtyrinのADCP活性は、おそらくは、mAbtyrinのマクロファージ上のFcγRIIAとの相互作用によって媒介された。
【0251】
実施例4:様々な構成を有するmAbtyrinの生成及び特性化
FcγRII FN3ドメインの配置がmAbtyrin特性に影響を及ぼすかどうかを評価するために、R2BS29 FN3ドメインを、抗OX40抗体への異なる位置で操作した。抗体重鎖のC末端にFN3ドメインを結合させる以外に、OX40抗体の軽鎖のC末端にFN3ドメインを有するmAbtyrin(LC−C構築物)、軽鎖のN末端にFN3ドメインを有するmAbtyrin(LC−N)構築物、又は重鎖のN末端にFN3ドメインを有するmAbtyrin(HC−N構築物)を生成した。mAbtyrinを、野生型IgG1又はエフェクタサイレントIgG2sigmaとしてクローン化した。mAbtyrinを、Expi293F細胞中に重鎖及び軽鎖構築物をトランスフェクトし、続いてプロテインA親和性クロマトグラフィによってmAbtyrin精製を行うことによって生成した。精製されたmAbtyrinのSDS−PAGE分析により、非還元(NR)条件下で、予想される170kDaのタンパク質バンドが明らかになった。
【0252】
表14は、生成されたmAbtyrinを示す。mAbtyrinを、本明細書に記載のアッセイを使用して、FcγRへのそれらの結合、アゴニズム、エフェクタ機能、及びT細胞活性化について特性化した。OX40SF2IgG1(HC配列番号39;LC配列番号31)又はOX40SF2IgG2sigma(HC配列番号30;LC配列番号31)をアッセイにおける対照として使用した。
【0254】
hcOX40SF2IgG1_HC(OX40SF2 Fv+IgG1定常ドメイン)(配列番号39)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0255】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−N(R2BS29 FN3ドメイン+リンカー+OX40SF2IgG2sigma)(配列番号40):
LPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIYYWEYRVGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVYINGVKGGEESRPLSAIFTTGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0256】
lcOX40SF2_R2BS29_LC−N(R2BS29 FN3ドメイン+リンカー+OX40SF2軽鎖)(配列番号41)
LPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIYYWEYRVGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVYINGVKGGEESRPLSAIFTTGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGAAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYINYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0257】
lcOX40SF2_R2BS29_LC−C(OX40SF2軽鎖+リンカー+R2BS29 FN3ドメイン(配列番号42)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQDVGAAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRHTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYINYPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGECGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSMLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIYYWEYRVGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVYINGVKGGEESRPLSAIFTT
【0258】
hcOX40SF2IgG1_R2BS29_HC−C(SF2IgG1重鎖+リンカー+R2BS29 FN3ドメイン(配列番号43)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFKDYTMHWVRQAPGQGLEWIGGIYPNNGGSTYNQNFKDRVTLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARMGYHGPHLDFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSLPAPKNLVVSRVTEDSARLSWTAPDAAFDSFPIYYWEYRVGGEAIVLTVPGSERSYDLTGLKPGTEYFVYINGVKGGEESRPLSAIFTT
【0259】
hcOX40SF2IgG1 cDNA(配列番号55)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA
【0260】
hcOX40SF2IgG2sigma_R2BS29_HC−N cDNA(配列番号56)
CTGCCCGCCCCCAAGAACCTGGTCGTCAGCAGAGTGACCGAGGACTCCGCCAGACTGAGCTGGACAGCCCCTGACGCCGCCTTCGATTCCTTCCCCATCTACTACTGGGAGTACAGAGTGGGCGGAGAGGCCATCGTGCTGACCGTGCCTGGCTCCGAGAGGTCCTACGACCTGACCGGCCTGAAGCCTGGCACCGAGTACTTCGTGTACATCAACGGCGTGAAGGGCGGAGAGGAGTCCAGACCCCTGAGCGCCATTTTCACCACAGGCGGCGGCGGCTCCGGCGGAGGCGGCTCCGGCGGAGGAGGAAGCGGCGGCGGAGGGAGCCAAGTGCAGCTCGTGCAGTCCGGCGCTGAGGTGAAGAAACCTGGCTCCAGCGTCAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGGCAAGCCCCTGGCCAAGGCCTGGAGTGGATCGGAGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTATAACCAGAATTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTATCACGGCCCCCACCTGGACTTTGACGTGTGGGGCCAGGGCACAACCGTCACCGTGTCCAGCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAACTTCGGCACCCAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGACAGTTGAGCGCAAATGTTGTGTCGAGTGCCCACCGTGCCCAGCACCACCTGCCGCAGCCAGCTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCGCCGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCACGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTTCCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTTCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAACCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACACCTCCCATGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA
【0261】
lcOX40SF2_R2BS29_LC−N cDNA(配列番号57)
CTGCCTGCCCCCAAGAACCTGGTGGTGAGCAGAGTGACCGAGGATAGCGCCAGACTGTCCTGGACAGCCCCCGATGCCGCCTTCGACTCCTTCCCCATCTATTACTGGGAGTACAGGGTGGGAGGCGAGGCCATCGTGCTGACCGTGCCTGGCTCCGAGAGGAGCTACGATCTGACCGGCCTGAAGCCCGGCACCGAGTACTTCGTGTACATCAACGGCGTCAAGGGAGGCGAGGAGAGCAGACCCCTGTCCGCCATCTTCACCACAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGAGGCAGCGGCGGCGGAGGCTCCGGCGGCGGCGGCAGCGATATCCAGATGACCCAGAGCCCCAGCTCCCTGTCCGCTAGCGTGGGCGACAGAGTGACCATCACCTGCAAGGCTAGCCAGGACGTGGGCGCTGCTGTGGCCTGGTATCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACTGGGCCTCCACAAGGCACACCGGAGTGCCCAGCAGATTTTCCGGCAGCGGCAGCGGCACCGATTTCACCCTGACCATCAGCTCCCTGCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACATCAATTACCCCCTGACCTTCGGCGGAGGCACCAAGGTGGAGATCAAACGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0262】
lcOX40SF2_R2BS29_LC−C cDNA(配列番号58)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCCAGCAGCCTGTCTGCCAGCGTGGGCGACAGAGTGACCATCACATGCAAGGCCAGCCAGGACGTGGGAGCCGCCGTGGCTTGGTATCAGCAGAAGCCTGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACTGGGCCAGCACCAGACACACCGGCGTGCCCAGCAGATTTTCTGGCAGCGGCTCCGGCACCGACTTCACCCTGACAATCAGCTCCCTGCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACATCAACTACCCCCTGACCTTCGGCGGAGGCACCAAGGTGGAAATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGAGGAGGATCCATGCTGCCTGCCCCCAAGAACCTGGTGGTGAGCAGGGTGACCGAGGACAGCGCCAGACTGAGCTGGACAGCTCCCGACGCCGCCTTCGACTCCTTCCCCATCTACTACTGGGAGTACAGAGTGGGCGGCGAAGCCATTGTGCTGACCGTGCCCGGCAGCGAGAGGAGCTACGACCTGACCGGCCTGAAGCCCGGCACCGAGTACTTCGTGTACATCAACGGCGTGAAGGGCGGCGAAGAGAGCAGGCCTCTGAGCGCCATCTTCACCACA
【0263】
hcOX40SF2IgG1_R2BS29_HC−C cDNA(配列番号59)
CAGGTGCAGCTGGTCCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACACCTTCAAGGACTACACCATGCACTGGGTGAGACAGGCCCCTGGACAGGGCCTGGAATGGATCGGCGGCATCTACCCCAACAACGGCGGCTCCACCTACAACCAGAACTTCAAGGACAGGGTGACCCTGACCGCCGACAAGAGCACCAGCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGGATGGGCTACCACGGCCCTCACCTGGACTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACAGTGAGCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAAAGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAAGGAGGCGGAGGGAGTGGCGGGGGAGGCTCTGGCGGCGGAGGATCCGGCGGCGGAGGAAGCCTGCCCGCCCCCAAGAACCTGGTGGTGAGCAGGGTGACCGAGGACAGCGCCAGGCTGAGCTGGACAGCTCCTGACGCCGCCTTCGACAGCTTCCCCATCTATTACTGGGAGTACAGGGTGGGCGGAGAGGCCATCGTGCTGACAGTGCCCGGCAGCGAGAGGAGCTACGACCTGACCGGCCTGAAGCCTGGCACCGAGTACTTCGTGTACATCAACGGCGTGAAGGGCGGCGAGGAATCCAGACCCCTGAGCGCCATCTTCACCACC
【0264】
Expi293F細胞上で発現されたFcγ受容体上のmAbtyrinの結合
Expi293F細胞上で一過的に発現されたFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRI及びFcγRIIIAに対するOX40mAb×R2BS29センチリンの結合を、上記のフローサイトメトリによって検討した。R2BS29 FN3ドメインを有するmAbtyrinは、FN3ドメインの位置付けに無関係にFcγRIIA及びFcγRIIBに結合し、FcγRI及びFcγRIIIAへの結合は示さなかった。表15は、Expi293F細胞で発現された様々なFcγRに対するmAbtyrinの結合のEC50値を示す。
【0266】
Raji細胞及びHEK−Blue:OX40細胞へのmAbtyrinの結合
生成されたmAbtyrinは、FN3ドメインの位置付けに無関係にRaji細胞への結合を示したが、一方親エフェクタサイレントmAb OX40SF2IgG2sigmaは結合を示さなかった。全てのmAbtyrinは、FN3ドメインの位置に無関係に、HEKBlue:OX40細胞上に発現されたOX40への結合を実証した。表16は、結合のEC50値を示す。mAbtyrinについての結合の効力は、対応する天然抗体と同等であり、R2BS29 FN3ドメインの様々な位置での抗体上への結合が、それらの標的を認識する抗体に影響を及ぼさなかったことを示唆している。
【0268】
mAbtyrinのアゴニズム
全ての生成されたmAbtyrinは、HEK−Blue:OX40細胞に対する弱い架橋非依存性アゴニスト活性を実証した。プロテインGとの架橋は、mAbtyrinのアゴニスト活性を押し上げた。Raji細胞との架橋は、重鎖又は軽鎖のいずれかにおいてC末端結合FN3ドメインを有するmAbtyrinのアゴニスト活性を押し上げた。しかしながら、Raji細胞は、FN3ドメインが重鎖又は軽鎖のいずれかのN末端に位置付けられたmAbtyrinのアゴニスト活性を有意に押し上げなかった。アゴニズムは、野生型IgG1又はエフェクタサイレントIgG2sigmaとしてクローン化されたmAbtyrinで観察され、アイソタイプが、mAbtyrinを含有するFcγRII FN3ドメインのアゴニズムに影響を及ぼさないことを示した。表17は、アッセイで得られたEC50値を示す。
【0270】
mAbtyrinのエフェクタ機能
mAbtyrinのADCC、ADCP及びCDC活性を評価した。ADCC及びADCPを、上記のプロトコルを用いて評価した。
【0271】
CDCアッセイ
抗OX40抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)活性を、補体が介在する細胞殺傷アッセイにより評価した。簡潔に言えば、ウサギ補体(Cedar Lane Labs)及び試験mAbtyrinと共に、100,000個のHEK−Blue:OX40細胞を96ウェルプレートで1時間、インキュベーションした。溶解させたHEK−Blue:OX40細胞の細胞質基質から上清中に放出された乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase、LDH)の活性を、細胞傷害性検出キット(Roche)により定量化した。補体が介在する細胞傷害を、Triton X−100により溶解されたものに対する細胞傷害性(%)として表した。
【0272】
FN3ドメインは、mAbtyrinのADCC活性に更には影響を与えなかった。全てのエフェクタサイレントIgG2sigma mAbtyrinは、ADCCを示さず、IgG1 mAbtyrinは、OX40SF2IgG1に対する同等のADCCを示した。mAbtyrin上のFN3ドメインは、mAbtyrin上のそれらの位置に無関係にOX40発現細胞の効率的なADCPを促進した。エフェクタサイレントIgG2sigmaとしてクローンされたmAbtyrinは、ロバストなADCPを示したが、一方OX40SF2IgG2sigmaは、ADCPを示さなかった。IgG1 mAbtyrinは、OX40SF2IgG1と同等のADCP活性を示し、一方FN3ドメインが軽鎖のC末端に位置し、OX40SF2IgG1と比較したとき、若干改善された効力を有した。mAbtyrin上のFN3ドメインは、OX40SF2IgG2sigma OX40SF2IgG1と比較したとき、CDCに影響を及ぼさなかった。表18は、各々試験されたmAbtyrinについてのADCC、CDC、及びADCPの程度を示す。
【0274】
T細胞活性化に対するmAbtyrinの効果
T細胞活性化に対するmAbtyrinの効果を評価した。簡潔に言えば、組み換えFcRIIB又はFcRIIAタンパク質をプレート上にコーティングして、架橋活性を提供した。γγT細胞活性化アッセイについては、DPBS中、30ng/mLの抗CD3抗体(OKT3)及び1μg/mLのFcγRIIB又はFcμRIIAタンパク質の100γLを、U底96ウェル組織培養プレートで一晩コーティングした。CD4陽性T細胞を、陰性選択によってPBMCから単離した。OX40発現を、単離されたT細胞を、1μg/mLのPHAの存在下で一晩培養することによって誘導した。アッセイ当日に、プレート中のコーティング溶液を吸引し、プレートをブロックするために、150μLのRPMI培地を添加した。培養したT細胞を、RPMI培養培地で3回洗浄し、25,000〜50,000個のCD4陽性T細胞をアッセイプレート内の各ウェルに播種した。試験mAbtyrinをこの細胞に添加し、プレートを3日間インキュベートした。T細胞活性化を、ヒトIFNγ又はTNFαELISA検出キット(Biolegend)によって定量化されるIFNγ又はTNFα産生の誘導によって評価した。T細胞活性化アッセイの前に、mAbtyrinの固定化FcγRIIB又はFcγRIIAタンパク質に対する結合親和性を、ELISAアッセイによって評価した。このアッセイでは、1日前に、1γg/mLのFcγRIIB又はFcγRIIAタンパク質の100γLをMaxisorp96ウェルプレート上にコーティングした。mAbtyrinをアッセイウェルに添加し、2時間インキュベートした。mAbtyrinの固定化FcγRIIB又はFcμRIIAへの結合を、HRPコンジュゲート抗ヒトIgG(γ)二次抗体によって検出し、TMB基質を使用するELISAアッセイで定量化した。
【0275】
試験した全てのmAbtyrinは、mAbtyrin内のFN3ドメインの位置付けに無関係に、用量依存的な様式で固定化されたFcγRIIB又はFcγRIIAタンパク質への結合を示した。エフェクタサイレントOX40SF2IgG2sigmaは、いずれの受容体にも結合しないことを実証した。OX40SF2IgG1は、固定化されたFcγRIIBへ派結合しないこと、及び固定化されたFcγRIIAへの若干の結合を示した(データを示さず)。
【0276】
この試験条件下では、OX40SF2IgG1もOX40SF2IgG2sigma mAbのいずれも、固定化FcγRIIへの結合の欠如又は低減を示す、このT細胞活性化アッセイにおいて有意なアゴニスト活性を示さなかった。重鎖のC末端に位置付けられたFN3ドメインを有するmAbtyrinは、アイソタイプに無関係に、IFNγ又はTNFα産生を用量依存的に媒介した。mAbtyrin中のN末端へFN3ドメインを位置付けることは、T細胞を活性化する能力を抗体に付与しなかった。表19は、mAbtyrinが、FcγRIIB又はFcγRIIAのいずれかによって架橋された活性化T細胞によるIFNγ又はTNFαの産生を誘導したことを示す。