(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
呼吸装置は、異なる電源を用いた装置の異なる動作を可能にするコンポーネントを含む。例えば、呼吸治療の制御のための呼吸治療装置は、第1の電力または第2の電力を受容する電力入力回路を含み得る。第1の電力は、接続可能な低電力電源によって提供され得、第2の電力は、接続可能な高電力電源によって提供され得る。電力入力回路へ接続された呼吸装置のコントローラは、電源のうち1つを検出することと、この検出に基づいて第1の動作モードおよび第2の動作モードのうち1つを選択的に起動させることとを行うように、構成され得る。第1の動作モードは、例えば呼吸治療装置を用いたデータ設定またはデータ転送のための第1の電力を用いた非治療モードであり得、第2の動作モードは、第2の電力を用いた治療モードであり得る。
前記電力入力回路は、第1の供給インターフェースと、第2の供給インターフェースとを含み、第1の供給インターフェースおよび第2の供給インターフェースのうち少なくとも1つは、無線電力インターフェースを含む、請求項1に記載の呼吸治療装置。
前記第1の動作モードは、呼吸治療装置のプロセッサに対するデータ通信の送信および/または受信のための通信モードを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記通信モードは、動作制御設定、診断用データ、利用量データ、および/または動作データのうち1つ以上を呼吸治療装置のメモリから取り出すためのダウンロード動作を含む、請求項7または8に記載の呼吸治療装置。
前記治療モードは、ユーザのために呼吸インターフェースへのガス流れを生成するために送風機のモータへ給電することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記コントローラは、検出された電圧と所定の閾値とを比較するように、かつ第1の動作モードおよび第2の動作モードのうち1つをこの比較に基づいて起動させるように構成され、前記検出された電圧は、低電力電源および高電力電源のうちいずれかからの電力を示す、請求項1〜14のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
コントローラによって第2の動作モードを起動させることは、ユーザのためにガス流れを呼吸インターフェースへ生成するために送風機のモータ回路へ供給電力を経路設定するように構成された切替回路を含み、前記切替回路は、コントローラへ接続される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記入力電力回路は、第1の動作モードおよび第2の動作モードにおいてコントローラへの給電を行う電圧調整器を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
モータを含む送風機をさらに含み、前記モータは、モータの速度を調整するようにコントローラへ接続されたモータ制御回路を含み、前記モータは、第2の動作モードにおいてコントローラによって起動されたスイッチを介して入力電力回路の電源線へさらに接続される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記コントローラは、プロセッサとメモリとを含み、前記プロセッサは、第1の動作モードおよび第2の動作モードにおいて呼吸治療装置の動作を制御するようにプログラムされる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記低電力電源は、約5ワット〜20ワットの範囲の電力を生成し、前記高電力電源は、約20ワット〜110ワットの範囲の電力を生成する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の呼吸治療装置。
前記電力インターフェースは、呼吸治療システム用の外部電力インターフェースのみを提供する、単一の電力インターフェースである、請求項26〜28のいずれか一項に記載の呼吸治療システム。
ユニバーサルシリアルバスケーブルおよびユニバーサルシリアルバス電源を用いて呼吸治療デバイスの作動モードを給電することを含む呼吸治療デバイスのための方法であって、前記作動モードは、呼吸治療デバイスのデータにアクセスしかつ/またはダウンロードすることを含む、方法。
ユニバーサルシリアルバスケーブルおよびユニバーサルシリアルバス電源によって作動モードに給電されるように構成される呼吸治療装置であって、前記作動モードは、呼吸治療装置のメモリから、データにアクセスしかつ/またはデータをダウンロードすることを含む、方法。
前記ユニバーサルシリアルバス電源は、低電力電源であり、前記呼吸治療装置は、ユニバーサルシリアルバス電源と接続されるユニバーサルシリアルバスケーブルへの接続のための外部インターフェースを含む、請求項33に記載の呼吸治療装置。
無線電力伝送装置を用いて呼吸治療デバイスの作動モードを給電することを含む呼吸治療デバイスのための方法であって、前記作動モードは、呼吸治療デバイスのデータにアクセスすることを含む、方法。
無線電力伝送装置によって作動モードに給電されるように構成される呼吸治療装置であって、前記作動モードは、呼吸治療装置のメモリにアクセスすることを含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本技術の実施例の詳細な説明
本技術についてさらに詳細に説明する前に、本技術は、本明細書中に記載される異なり得る特定の実施例に限定されるのではないことが理解されるべきである。本開示中に用いられる用語は、本明細書中に記載される特定の実施例を説明する目的のためのものであり、限定的なものではないことも理解されるべきである。
【0038】
上記したように、治療システムの設定は、(このような工程を1日に複数回、週間労働時間において複数回行い得る)第三者(例えば、HME提供業者または臨床医)によって行われ得る。そのため、設定を行う者にとって、効率向上が少しでもできれば、提供業者によって極めて価値がある。
【0039】
背景として、本技術の呼吸装置(例えば、RPTデバイス)の動作には、電力が必要である。典型的には、RPTデバイスに必要な電力提供のために、多様な出力(すなわち、最大電力)(例えば、約20〜120W)の電源が用いられる。一例として、ResMed社のAirSense(登録商標)10デバイスの場合、(ACコンセントからでもまたは電池からでも)90ワット電源で動作する。いくつかの場合において、より小型のまたはよりポータブル性の高いRPTデバイスへの給電用途には、20ワット電源で充分であり得る。いくつかの場合において、65ワット電源が、RPTデバイスの給電に用いられ得る。
【0040】
そのため、このような電源の場合、主電力から90WDC電力への変換のために例えばAC/DC変換器が必要になり得るため、典型的には嵩高かつ邪魔になることがあり得る。そのため、提供業者は、設定手順の実行のためだけのために電源ユニットをユーザのパッケージングから取り出さざるをえない場合があり、その後も機器を再度パッケージングする必要が出てくる。患者のデバイスから独立して電源設定を行うことも、例えば複数の製造において複数組の電源が必要になり得、これらの複数の製造それぞれにおいて複数の製品バリエーションが存在する可能性があるため、望ましくない場合がある。
【0041】
有利なことに、本技術の呼吸装置は、異なる電力レベルを提供し得る異なる種類の電源との使用に合わせて構成され得る。本呼吸装置は、異なる電力接続に応じて異なる作動モードを選択および提供し得る。このような作動モード選択は、入力電力回路(例えば、本明細書中により詳細に記載のような検出回路)と共に具現され得る。このような作動モード選択は、例えばユーザ/ヘルスケア機器提供業者が呼吸デバイスを患者に合わせて迅速かつ簡便に設定することを支援するように、具現され得る。このような配置構成は、設定実行において(有効な呼吸治療提供のための電力と比較して)低電力レベルしか必要ではないことにより、実現される。
【0042】
例えば、接続先電源がRPTデバイスの治療動作への給電のために充分な電力を提供するように構成されていないため、RPTデバイスは、電力が治療開始には不十分である設定を可能にする「低電力モード」において給電されるように構成され得る。RPTデバイスは、このような外部電源からの接続された電力を検出することと、動作モードおよび電源オンにすべきそのサブシステムを決定することとを行うように、構成され得る。一実施例において、電源は、RPTの全コンポーネントへの給電に不十分なユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルを通じたRPTの全コンポーネントまたは演算装置(例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップまたはスマートフォン)への給電を行うのに充分な専用モジュール(例えば、ResMed AirSense(登録商標)10デバイス用のResMed90W電源)であり得る。
【0043】
例えば、全動作(例えば90W供給)のための充分な電力を提供するように設計された電源が検出された場合、RPTデバイスは「治療モード」で動作することを選択し得、全動作に充分なように設計されていない電源(例えば、低電力の5または10Wの利用可能性)が検出された場合、RPTは「低電力モード」で動作し得る。
【0044】
このような低電力モードにおいて、RPTデバイスは、第1組のサブシステム(例えば、そのコントローラ(単数または複数)およびメモリならびにいくつかの場合においてそのディスプレイおよび/または入力/出力デバイス)のみを給電し得る。次に、ユーザは、例えばデバイスのメモリにアクセスすることにより、RPTデバイスの1つ以上の設定または動作パラメータを設定または変更することができ得る。このようなパラメータ変更は、RPTディスプレイ/入力デバイスそのものの利用により、または外部デバイス(例えば、タブレットコンピュータ)のユーザインターフェースにおける変更実行により、可能になり得る。後者の場合、当該外部デバイスは、パラメータ変更(単数または複数)についてRPTの通信デバイスおよび外部デバイス(例えば、有線データ接続または無線データ接続)を介してRPTへ通信する。
そのため、低電力モードにおいて、コントローラは、治療生成コンポーネント(単数または複数)の動作(単数または複数)の起動を行わない。
【0045】
例えば、このような電力動作に充分なように設計された電源が検出された場合、選択された治療モードにおいて動作する際、RPTデバイスは、治療において利用可能なまたは必要なサブシステム(例えば、圧力システム、加湿器およびヒータ(単数または複数)(例えば、加熱管))をさらに電源オンにし得る。典型的には、高電力電源が接続されており、電力を提供できる場合、非治療(または低電力)モードの動作/機能も、治療モードにおいて利用可能である(例えば、(例えばデバイスのメモリへのアクセスおよび当該データのデバイスへの転送またはデバイスからの転送、デバイスからのデータ(例えば、使用量、動作(例えば、エラー、診断)または他のデータ)のダウンロードによる)RPTデバイスの1つ以上の設定または動作パラメータの設定または変更)。そのため、低電力モードは、データ転送モードまたはデータアクセスモードであり得る。
【0046】
選択された非治療(または低電力)モードにおいて動作する際、RPTデバイスを電源に繋ぐだけで、例えば電力転送媒体(例えば、USBケーブル、ライトニングケーブル、無線プロトコル(例えば、Qi)など)を通じてRPT装置を用いた非治療動作を可能にすることができる。
【0047】
このような低電力動作は、在宅医療機器(HME)提供業者の臨床医にとって特に有利であり得る。これらの動作により、特定の電源の必要無くRPTデバイスの設定の簡潔化または高速化が可能になる。このような動作により、例えばメンテナンスのためのRPTデバイスからのデータダウンロードも、特定の電源の必要無くより容易かつ迅速に可能になり得る。例えば、ハードウェア障害の場合、治療コンポーネントは低電源では起動されないため、技術者は、デバイスへのさらなる損害の危険性無くRPTデバイスを診断することができ得る。例えば高電力電源が不要な低電力データケーブルを介したソフトウェアアップロードにより、RPTのソフトウェアのアップグレードも可能であり得る。
【0048】
本明細書中により詳細に記載のように、いくつかのバージョンにおいて、接続された電源の検出は、接続された電源の電圧の検出を通じて具現され得る。
【0049】
治療システム
よって、一形態において、本技術は、呼吸障害の治療のための装置を含む。装置は、加圧呼気ガス(例えば、空気)の流れを患者インターフェース3000への空気送達管を介して患者1000へ供給するための送風機または流れ生成器を含み得る。
【0050】
治療法
一形態において、本技術は、呼吸器疾患の治療方法を含む。本方法は、患者1000の気道の入口へ陽圧または高流量を付加するステップを含む。
【0051】
OSAのための経鼻CPAP
一形態において、本技術は、経鼻持続陽圧呼吸または高流量治療を患者へ付加することにより、患者中の閉塞性睡眠時無呼吸を治療する方法を含む。
【0052】
本技術の特定の実施形態において、陽圧における空気供給が鼻孔の片方または双方を介して患者の鼻通路へ提供される。
【0053】
患者インターフェース3000
図3を参照して、本技術の一態様による非侵襲的患者インターフェース3000は、以下の機能様態を含む:シール形成構造3100、プレナムチャンバ3200、位置決めおよび安定化構造3300、および空気回路4170への接続のための接続ポート。いくつかの形態において、機能様態が、1つ以上の物理的コンポーネントによって提供され得る。いくつかの形態において、1つの物理的コンポーネントは、1つ以上の機能様態を提供し得る。使用時において、シール形成構造3100は、気道への陽圧での空気供給を促進するように、患者の気道の入口を包囲するように配置される。患者インターフェース3000は、吐き出された二酸化炭素の押し出しを可能にするように構成および配置された通気部3400を含み得る。患者インターフェース3000は、前額支持部3700を含み得る。他の種類の患者インターフェースも実装され得る(例えば、高流量治療インターフェース(例えば、鼻カニューレ))。
【0054】
RPTデバイス4000
図4Aを参照して、RPTデバイス4000のような呼吸治療装置は、機械コンポーネントおよび空気圧式コンポーネント4100、電気部品4200を含み得、1つ以上のアルゴリズム4300(
図4Dに示す)を実行するようにプログラムされ得る。
図4Aのバージョンに示すように、RPTデバイスは、外部ハウジング4010を有する。外部ハウジング4010は、外部ハウジング4010の上部4012と、外部ハウジング4010の下部4014との2つの部分によって形成される。
代替形態において、外部ハウジング4010は、1つ以上のパネル(単数または複数)4015を含み得る。RPTデバイス4000は、RPTデバイス4000の1つ以上の内部コンポーネントを支持するシャーシ4016を含む。一形態において、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるかまたはシャーシ4016の一部として形成される。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含み得る。
【0055】
図4Bを参照して、RPTデバイス4000の空気圧経路は、入口空気フィルタ4112、入口マフラー4122、空気を陽圧で供給することが可能な制御可能(流量または圧力)デバイス4140(好適には、送風機4142)、および出口マフラー4124を含む。1つ以上の圧力センサおよび流量センサが、空気圧経路内に設けられる。
【0056】
空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置された空気圧経路の一部を含み得る。
【0057】
図4Cを参照して、RPTデバイス4000の電子コンポーネント4200は、電源4210、1つ以上の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240、治療デバイス4245、1つ以上の保護回路4250、メモリ4260、変換器4270、データ通信インターフェース4280、および1つ以上の出力デバイス4290を含み得る。電気部品4200は、
図4Aに図示のようにシングルプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に取り付けられ得る。一代替形態において、RPTデバイス4000は、1つよりも多くのPCBA4202を含み得る。
【0058】
図4Dを参照して、RPTデバイス4000の中央コントローラ4230は、1つ以上のアルゴリズムモジュール4300を実行するようにプログラムされ、一具現例において、アルゴリズムモジュール4300には動作モード検出モジュール4309、事前処理モジュール4310、治療エンジンモジュール4320、圧力制御モジュール4330、または故障状態検出モジュール4340のモードが含まれる。
【0059】
本技術のいくつかの態様によれば、中央コントローラ4230は、故障状態アクションモジュール4340を任意選択的に省略し得る。さらに、障害検出は、中央コントローラ4230と別個に任意選択的に付加された障害軽減集積回路により行われ得る。
【0060】
一形態において、RPTデバイス4000は、人工呼吸器と相互交換的に表現され得る。
【0061】
RPTデバイス機械および空気圧式コンポーネント4100
空気フィルタ(単数または複数)4110
図4Bを参照して、本技術の一形態によるRPTデバイスは、空気フィルタ4110または複数の空気フィルタ4110(例えば、フィルタ4112および4114)を含み得る。
【0062】
マフラー(単数または複数)4120
本技術の一形態において、入口マフラー4122は、空気圧経路内において送風機4142の上方に配置される。
図4Bを参照されたい。
【0063】
本技術の一形態において、出口マフラー4124は、空気圧経路内において送風機4142と患者インターフェース3000との間に配置される。
図4Bを参照されたい。
【0064】
圧力デバイス4140
図4Bを参照して、本技術の一形態において、空気の流れを陽圧において生成する流れまたは圧力デバイス4140は、制御可能な送風機4142である。例えば、送風機は、ボリュート内に収容された1つ以上のインペラを備えたブラシレスDC電気モータ4144を含み得る。送風機は、空気供給の送達を、例えば約120リットル/分で、約4cmH
2O〜約20cmH
2Oの範囲の陽圧で、または他の形態において約30cmH
2Oまで行うことができる。
【0065】
流れまたは圧力デバイス4140は、治療デバイスコントローラ4240の制御下にある。
【0066】
変換器(単数または複数)4270
図4Bを続けて参照して、本技術の一形態において、1つ以上の変換器4270が、圧力デバイス4140の上流に配置され得る。1つ以上の変換器4270は、空気圧経路中の当該ポイントにおける空気流れの各特性を測定するように構築および配置される。
【0067】
本技術の一形態において、1つ以上の変換器4270が、圧力デバイス4140の下流、および空気回路4170の上流に配置され得る。1つ以上の変換器4270は、空気圧経路中の当該ポイントにおける空気流れの各特性を測定するように構築および配置される。
【0068】
本技術の一形態において、1つ以上の変換器4270は、患者インターフェース3000の近隣に配置される。
【0069】
アンチスピルバック弁4160
アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に流れる危険性を低減させるように、構築および配置され得る。
【0070】
空気回路4170
図4Bを参照して、本技術の一態様による空気回路4170は、空気または呼吸可能なガスの流れが、空気圧ブロック4020と患者インターフェース3000との間で移動するように、構築および配置される。
【0071】
酸素送達
図4Bを続けて参照して、本技術の一形態において、補充用酸素4180が、空気圧経路における任意のポイントへ送達され得る。
【0072】
RPTデバイス電気部品4200
RPTデバイス
1つ以上の電源4210
図4Cおよび
図6〜
図10を参照して、電源4210(PS1)からの電力は、典型的なRPTデバイス4000のその他のコンポーネント(例えば、入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイス4245、および出力デバイス4290、ヒータ(単数または複数))へ供給される。
【0073】
本技術の一形態において、電源4210は、加湿器なしにRPTデバイス4000に電力を供給する。本技術の別の形態において、電源4210から、電力がRPTデバイス4000および加湿器5000双方へ提供される。さらに別の形態において、電源4210からの電力は、RPTデバイス4000、加湿器5000および空気回路4170へ提供される。空気回路4170は、加熱要素を含む。
【0074】
本技術の一形態において、電源4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010に対して内部にある。本技術の別の形態において、電源4210は、RPTデバイス4000(本明細書中にRPTと称されることもある)の外部ハウジング4010の外部にある。
【0075】
しかし、
図6〜
図9に示すように、RPTは、異なる電源と共に動作するように構成され得る。例えば、RPTは、2つの異なる電源(例えば、変動するかまたは異なる電力出力レベルを備えた2つの電源)と共に動作するように構成され得る。さらに、RPTは、RPTへ接続された異なる電源に応じて異なる動作を提供するように構成され得る。いくつかのバージョンにおいて、本明細書中により詳細に記載のように、デバイスの動作モードは、RPTへ取り付けられた電源の種類(または電力レベル)に応じてRPTのコントローラまたはプロセッサによって決定され得る。
【0076】
例えば、電源4210(PS1)は、負の再生電流をブロックし得る主電力切り換えモード電源を含み得る。いくつかのバージョンにおいて、電源4210は、20ワットを超える電力(例えば、およそ20〜120ワットの範囲の最大電力)を提供するように構成された高電力電源(例えば、内部または外部電源)であり得る(例えば、90ワット電源、100ワット電源、65ワット電源または20ワット電源)。よって、いくつかのバージョンにおいて、このような電源は、例えば(このような電源を用いた治療を提供することが可能な)より小型のよりポータブル性の高いRPTデバイスの場合、20ワットであり得る。いくつかのバージョンにおいて、RPTデバイスの治療モードのためのこのような電源は、65ワット電源であり得る。外部電源は、例えば電源をRPTへ接続させるケーブルにより、RPTのインターフェース6711(例えば、データおよび電力用のワイヤを有する電力または統合的データ/電力インターフェース6711Bのみのためのワイヤ(単数または複数)を有する電力インターフェース6711A)へプラグインされ得る。任意選択的に、インターフェース6711は、例えば電力供給用の単一のインターフェースであり得るため、他の外部電力インターフェース(コネクタまたはポート)は、RPTデバイス動作用のRPTデバイス上に設けられない。本明細書中により詳細に記載のように、インターフェース6711(例えば、USBインターフェース(例えば、USB型Cインターフェース))は、電力および/またはデータインターフェースとして機能し得、例えば低電力(例えば、約20ワットよりも低い電力(例えば、5ワット))または高電力(例えば、約20ワット〜100ワット以上の範囲の電力)を受容し得る。次に、外部電源(または内部電源)も、主電力コンセントへプラグインされ得る。内部電源の場合、内部電源のAC入力を主要コンセントへ接続させるようにケーブルを主要コンセントへプラグインすることができ、RPTの電力バスとより直接的に統合される。内部または外部電源は、AC主要入力からRPTへの給電のためのDC出力への変換を行うAC/DC変換器であり得る。
【0077】
このような外部または内部電源は、電源の入力を出力DC信号(例えば、12ボルト、24ボルトまたは30ボルト)へ変換するように構成され得るが、好適にはおよそ24ボルトであり得る。いくつかのバージョンにおいて、外部電源は、DC/DC変換器であり得る(例えば、12ボルトおよび/または24ボルトDCの入力を受容し、これをRPT用の12ボルトまたは24ボルトのDC電力信号へ変換し得る変換器)。典型的例において、外部電源からの出力DC電力信号は、24ボルト信号であり得る。
【0078】
このような電源について、送風機のモータ(例えば、治療デバイスコントローラ4240および任意の必要なセンサ(単数または複数)を含む治療デバイス4245)への給電により例えば加圧された呼吸可能なガスの流れをデバイスから提供している際に特にその治療モード(単数または複数)においてRPTの動作に充分な電力を提供できる点において、このような電源は、高電力を生成する電源としてみなされ得る。治療デバイス4245は、加湿(例えば、湿度コントローラ5250およびヒータ5240)および/または他のヒータデバイス(例えば、チューブヒータ)を任意選択的に含み得る。典型的には、このような高電力電源は、RPTの全動作への給電においてシステムとして充分である。
【0079】
しかし、いくつかのバージョンにおいて、本明細書中により詳細に記載のように、他の電源が、任意選択的に本技術のRPTと共に使用され得る。例えば、RPTは、インターフェースを介して代替電源4210−ALT(PS2)と接続するように構成され得る。このような代替電源は、RPTの全動作への給電に不十分な電力を生成しかつRPTの治療動作への給電において特に不十分であるため、低電力または省電力電源とみなされ得る。このような外部低電力電源は、(例えば約5ワット〜15ワット)の範囲の電力(例えば、約10ワットまたは5ワットの最大電力)を提供するように構成され得る。典型的例において、このような低電力外部電源からの出力DC電力信号は、5ボルト信号であり得る。典型的には、このような低電力外部電源は、コントローラおよびメモリ(例えば、中央コントローラ4230)への給電に充分であり、RPTの通信回路(例えば、データ通信インターフェース4280)へも給電し得る。いくつかの場合において、このような低電力外部電源は、1つ以上の出力デバイス4290(例えば、ディスプレイ)およびRPTの1つ以上の入力デバイス4220(例えば、キーパッド)への給電にも充分であり得る。
【0080】
低電力外部電源は、例えば電源からRPTへの接続を行うケーブルにより、インターフェース6711へプラグインされ得る(例えば、RPTのデータおよび電力用のワイヤを有する電力または統合的データ/電力インターフェース6711B専用のワイヤ(単数または複数)を有する電力インターフェース6711A)。いくつかのこのような場合において、低電力外部電源は、高電力外部電源と同様に構成され得る(例えば、同じケーブルまたはカプラインターフェース)ため、前者および後者を同じインターフェースへプラグインすることができる(例えば、いずれかを単一のインターフェース6711へ異なる時期にプラグインすることができる)。インターフェース6711または統合的データ/電力インターフェース6711Bは、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタポートであり得る(例えば、A型、B型またはC型コネクタポート、マイクロUSBコネクタポート、ライトニングコネクタポート、または他の適切なコネクタポート)。よって、いくつかの場合において、このようなケーブル接続は、RPT用の電力転送導管としてだけではなくデータ転送導管/バスとしても機能し得る。例示的な低電力外部電源を挙げると、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)ハブ、USBポート電源アダプタ、処理デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ)のUSBポートがある。よって、USBケーブルまたはライトニングケーブルは、RPTデバイスおよび代替電源4210−ALTの接続に用いられ得る。
【0081】
いくつかのバージョンにおいて、RPTは、無線電力を受容するように、インターフェース6711(例えば、
図8に示す無線電力インターフェース6711C)を介して代替電源4210−ALTへ接続するように構成され得る。このような場合、代替電源4210−ALTは、無線電源であり得る。例えば、このようなインターフェースは、電磁誘導、共振誘導連結器、磁界共鳴または誘導電力転送(IPT)により電力を受容し得る。このような場合、インターフェースは、受信コイルおよび受信回路を含み得る。これらの受信コイルおよび受信回路は、代替電源4210−ALTの伝達コイルから磁界を受容することにより、RPT内にDC電力を生成する。伝達コイルは、代替電源がインターフェース4211の近隣にある場合に上記したように代替電源がRPTデバイス4000用の低電力電源または省電力電源として機能することができるように、代替電源によって操作され得る。いくつかのこのようなバージョンにおいて、代替電源4210−ALTは、Qi基準に従って構成された電源であり得る。いくつかのバージョンにおいて、コイルは平面状になっていてよい。よって、RPTは、例えばRPTの下部ハウジング上の1組の平面受信コイルを有し得、これにより、電力転送用の平面コイルにより無線代替電源を介して設定され得る。上記したように、このような無線外部電源は、例えばコントローラ(例えば、メモリ(例えば、中央コントローラ4230))への給電に充分であり得、RPTの通信回路(例えば、データ通信インターフェース4280)へも給電し得る。しかし、このような無線外部電源は、RPTのディスプレイおよび入力デバイスへの給電を行うようにも任意選択的に構成され得る。
【0082】
いくつかの形態において、RPTデバイスは、例えば
図7に示すように複数の電源4210へ同時に接続するように構成され得る(例えば、電源4210(PS1)および4210−ALT(PS2))。このような配置構成において、RPTデバイスは、1つの電源を別の電源よりも優先させるように構成され得る(例えば、より高電力が可能な電源が好ましい場合)。
【0083】
さらに、RPTデバイスは、第1の電源からの電力を受容しつつ、第2の電源を通じて接続された外部デバイスと通信するように構成され得る。例えば、RPTデバイスは、高電力の(例えば、主電力切り換えモード)電源と、低電力の電源(例えば、タブレットコンピュータからのもの)と同時に接続され得る。この構成において、RPTデバイスは、高電力電源から電力を受容し、タブレットコンピュータと通信するように構成され得る。例えば、ユーザは、RPTデバイスが高電力電源から給電される間、タブレットコンピュータを用いて設定手順を行い得る。RPTデバイスは、例えば高電力電源の接続解除時に低電力電源からの電力の受容を開始するように、さらに構成され得る。
【0084】
入力デバイス(複数または単数)4220
入力デバイス4220(
図4Cに示す)は、人間のRPTデバイス4000と相互作用を可能にするための、1つ以上のボタン、スイッチまたはダイヤルを含み得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、タッチスクリーンを介してアクセスすることが可能な物理的デバイスまたはソフトウェアデバイスであり得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態において外部ハウジング4010に物理的に接続させてもよいし、あるいは、別の形態において中央コントローラ4230と電気接続された受信器と無線通信してもよい。
【0085】
一形態において、入力デバイス4220は、人間が値および/またはメニュー選択肢を選択することを可能にするように、構築および配置され得る。
【0086】
中央コントローラ4230
本技術の一形態において、中央コントローラ4230(
図4Cに示す)は専用電子回路であり、入力デバイス4220からの入力信号(単数または複数)を受信することと、出力信号(単数または複数)を出力デバイス4290および/または治療デバイスコントローラ4240および/または加湿器コントローラへ提供することとを行うように構成される。
【0087】
一形態において、中央コントローラ4230は、特定用途向け集積回路である。別の形態において、中央コントローラ4230は、個別電子コンポーネントで形成されてよい。
【0088】
本技術の一形態において、中央コントローラ4230(
図4Cに示す)は、x86 INTELプロセッサのようなRPTデバイス4000の制御に適したプロセッサ4230Pまたはマイクロプロセッサであってよい。
【0089】
本技術の別の形態によるRPTデバイス4000の制御に適した中央コントローラ4230は、ARM HoldingsからのARMCortex−Mプロセッサに基づいたプロセッサを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSからのSTM32シリーズのマイクロコントローラが用いられ得る。
【0090】
本技術のさらなる代替形態において、中央コントローラ4230は、ARM9ベースの32ビットRISC CPUのファミリから選択された部材を含み得る。例えば、ST MICROELECTRONICSからのSTR9シリーズのマイクロコントローラが用いられ得る。
【0091】
本技術の特定の代替形態において、16ビットのRISC CPUが、RPTデバイス4000のための中央コントローラ4230として用いられ得る。例えば、マイクロコントローラのMSP430ファミリ(製造元:TEXAS INSTRUMENTS)からのプロセッサが用いられ得る。
【0092】
中央コントローラ4230は、1つ以上の変換器4270、および1つ以上の入力デバイス4220から入力信号(複数または単数)を受信するように、構成される。中央コントローラ4230は、例えば入力電力回路6710の動作と関連して動作モード検出モジュール4309を具現するために、上記したような1つ以上のデジタルまたはアナログ入力ポートと共にも構成され得る。
【0093】
中央コントローラ4230は、出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ4240、データ通信インターフェース4280および加湿器コントローラ5250のうち1つ以上へ出力信号(単数または複数)を提供するように、構成される。よって、中央コントローラ4230は、例えば入力電力回路6710のスイッチング動作に関連して動作モード検出モジュール4309を具現するために、上記したような1つ以上のデジタルまたはアナログ出力ポートと共にも構成され得る。
【0094】
中央コントローラ4230、または多数のそのようなプロセッサは、本明細書中に記載の1つ以上の方法を具現するように、構成される(例えば、コンピュータで読出可能な記録媒体のような(例えば、メモリ4260)中に記録されたコンピュータプログラムとして表現された1つ以上のアルゴリズム4300(
図4Dに示す))。いくつかの場合において、既述のように、かかるプロセッサ(複数または単数)は、RPTデバイス4000と一体化され得る。しかし、いくつかのデバイスにおいて、プロセッサ(複数または単数)は、例えば本明細書中に記載の方法のいずれかを呼吸治療送達の直接制御無く行う目的などのために、RPTデバイスの流れ生成コンポーネントと別個に実装され得る。例えば、かかるプロセッサは、本明細書中に記載のセンサのいずれかなどからの保存データの分析による人工呼吸器または他の呼吸関連発症についての制御設定の決定の目的のために、本明細書中に記載の方法のいずれかを行い得る。このようなプロセッサは、本明細書中により詳細に記載のような異なる種類の電源に関する異なる動作モードに関連する方法のうちいずれかも行い得る。
【0095】
治療デバイス4245
本技術の一形態において、治療デバイス4245(
図4Cに示す)は、中央コントローラ4230の制御下において患者1000へ治療を送達させるように構成される。治療デバイス4245は、制御可能な流れまたは圧力デバイス4140(例えば、陽圧デバイス4140)であり得る。このようなデバイスは、送風機(例えば、サーボ制御型送風機)と共に実装され得る。このような送風機は、ボリュート中のインペラを有するモータと共に実装され得る。
【0096】
治療デバイスコントローラ4240
本技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240(
図4Cに示す)は治療制御モジュール4330(
図4Dに示す)であり、中央コントローラ4230によって、もしくはそれと連動して実行されるアルゴリズム4300の機能を具現する。いくつかの場合において、治療デバイスコントローラ4240は、モータ駆動で実装され得る。
【0097】
本技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、専用モータ制御集積回路である。例えば、一形態において、ONSEMIによって製造されたMC33035ブラシレスDCモータコントローラが用いられる。
【0098】
保護回路4250
好適には、本技術によるRPTデバイス4000は、1つ以上の保護回路4250(
図4Cに示すような)を含む。
【0099】
本技術による保護回路4250の一形態は、電気保護回路である。
【0100】
本技術による1つの形態の保護回路4250は、温度または圧力安全回路である。
【0101】
本技術のいくつかのバージョンにおいて、保護回路4250は、過渡吸収ダイオード回路4400を含み得る。回路は、例えば送風機モータからの回転運動エネルギーから生成または変換されたエネルギーを吸収するように構成され得る。本技術の別の態様によれば、保護回路4250は、障害軽減集積回路を含み得る。
【0102】
メモリ4260
本技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260(
図4Cに示す)(好適には、不揮発性メモリ)を含む。いくつかの形態において、メモリ4260は、電池式スタティックRAMを含み得る。いくつかの形態において、メモリ4260は、揮発性RAM(例えば、DRAM、SRAMまたはFRAM)を含み得る。
【0103】
好適には、メモリ4260は、PCBA4202(
図4Aに示す)上に配置される。メモリ4260は、EEPROMまたはNANDフラッシュの形態をとり得る。
【0104】
追加的にまたは代替的に、RPTデバイス4000は、取り外し可能なメモリ4260(例えば、セキュアデジタル(SD)規格に従って作製されたメモリカード)を含む。
【0105】
本技術の一形態において、メモリ4260は、コンピュータで読出可能な記録媒体として機能する。この記録媒体上に、本明細書中に記載の1つ以上の方法を表現するコンピュータプログラム命令(例えば、1つ以上のアルゴリズム4300)が記録される。
【0106】
変換器4270
変換器4270(
図4Cに示す)は、デバイスの内部であってもよいし、あるいはRPTデバイスの外部であってもよい。外部変換器は、例えば、空気回路上に配置してもよいし、あるいは空気送達回路、および/または患者インターフェースの一部を形成してもよい。外部変換器は、非接触センサの形態をとり得る(例えば、データRPTデバイスを送るかまたは移動させるドップラーレーダー移動センサ)。
【0107】
流れ
本技術による流量変換器4274(
図4Cに示す)は、差圧変換器(例えば、SENSIRIONからのSDP600シリーズ差圧変換器)に基づき得る。差圧変換器は空気圧回路と流体連通し、圧力変換器それぞれの1つは、流れ制限要素内のそれぞれの第1の点および第2の点へ接続される。
【0108】
使用時において、流れ変換器4274からの総流量Qtを示す信号は、中央コントローラ4230によって受信される。しかし、このような流れ信号の生成または流れの推定のために他のセンサを実装してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、マスフローセンサ(例えば、ホットワイヤマスフローセンサ)が、流れ信号を生成するように実装され得る。任意選択的に、例えば米国特許出願第12/192,247号に記載の方法のいずれかに記載の上記した他のセンサの1つ以上の信号から流れを推定することができる。本明細書中、同文献を参考のため援用する。
【0109】
圧力
本技術による圧力変換器4272(
図4Cに示す)は、空気圧回路と流体連通して配置され得る。適切な圧力変換器の一実施例として、HONEYWELL ASDXシリーズからのセンサがある。別の適切な圧力変換器として、GENERAL ELECTRICからのNPAシリーズからのセンサがある。
【0110】
使用中において、圧力変換器4272からの信号は、中央コントローラ4230によって受信され得る。一形態において、圧力変換器4272からの信号は、フィルタリングされた後、中央コントローラ4230によって受信される。
【0111】
モータ速度
本技術の一形態において、モータ速度変換器4276(
図4Cに示す)からのモータ速度信号が生成される。モータ速度信号は、好適には治療デバイスコントローラ4240によって提供される。モータ速度は、例えば速度センサ(例えば、ホール効果センサ)によって生成され得る。
【0112】
温度
温度変換器4278(
図4Cに示す)は、空気圧回路中のガスの温度を測定し得る。温度変換器4278の一例として、熱電対または抵抗温度検出器(RTD)がある。
【0113】
データ通信システム
本技術の好適な一形態において、データ通信インターフェース4280(
図4Cに示す)が設けられ、中央コントローラ4230へ接続される。データ通信インターフェース4280は、好適には遠隔外部通信ネットワーク4282へ接続可能である。データ通信インターフェース4280は、好適にはローカル外部通信ネットワーク4284へ接続可能である。好適には、遠隔外部通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286へ接続可能である。好適には、ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288へ接続可能である。データ通信インターフェースは、データ/電力インターフェース6711Bおよび/または無線通信インターフェース(例えば、無線プロトコル(例えば、Bluetooth、WIFI、BluetoothLE)を用いたトランシーバー)を任意選択的に含み得る。いくつかのバージョンにおいて、データ通信インターフェースは、例えばセルラー無線プロトコル(例えば、GSM、CDMAおよびLTEセルラー)に従って、セルラー通信またはモバイル通信を具現し得る。
【0114】
一形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。別の形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230と別個になっている集積回路である。
【0115】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282はインターネットである。データ通信インターフェース4280は、インターネットへ接続するために、(例えば、イーサネットまたは光ファイバーを介して)有線通信を用得るかまたは無線プロトコルを用い得る。
【0116】
一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、1つ以上の通信規格(例えば、ブルートゥースまたはコンシューマー赤外線プロトコル)を用いる。
【0117】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、1つ以上のコンピュータ(例えば、ネットワーク化コンピュータのクラスタ)である。一形態において、遠隔外部デバイス4286は、物理的コンピュータではなく仮想コンピュータであり得る。いずれの場合も、このような遠隔外部デバイス4286は、適切に権限を付与された人間(例えば、臨床医)からのアクセスが可能であり得る。
【0118】
好適にはローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットまたはリモートコントロールである。
【0119】
任意選択のディスプレイ、警報を含む出力デバイス
本技術による出力デバイス4290(
図4Cに示す)は、視覚、音声および触覚ユニットのうち1つ以上の形態をとり得る。視覚ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであり得る。
【0120】
ディスプレイドライバ4292
ディスプレイドライバ4292(
図4Cに示す)は、ディスプレイ4294上へ表示されるべき文字、記号または画像を入力として受信し、ディスプレイ4294にこれらの文字、記号または画像を表示させるコマンドへ変換する。
【0121】
ディスプレイ4294
ディスプレイ4294(
図4Cに示す)は、ディスプレイドライバ4292から受信されたコマンドに応答して、文字、記号または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ4294は8セグメントディスプレイであり得、その場合、ディスプレイドライバ4292は、各文字または記号(例えば、数字「0」)を、特定の文字または記号を表示するために各8個のセグメントを活性化させるべきかを示す8個の論理信号へ変換する。
【0122】
入力電力回路6710
上記したような異なる電源からの電力の受容に対応するために、RPTは、入力電力回路6710を含み得る。入力電力回路6710は典型的には、電源(PS1および/またはPS2)用のインターフェース6711(例えば、電力インターフェース6711A、データ/電力インターフェース6711Bおよび/または無線電力インターフェース6711C)へ接続される。入力電力回路6710は、電源に応じて1つ以上の電源の電力をRPTのコンポーネントのいくつかまたは全てに受容および経路設定させるための回路コンポーネントを含み得る。例えば、回路6710により、電力の経路設定を例えば電力レールを介して電源4210から行うことができ、これにより、例えば高電力電源(PS1)がRPTへ接続された際にRPTのコンポーネント(例えば、治療生成コンポーネント)全てへの給電が可能になる。
【0123】
回路6710により、RPTのコンポーネントのサブセットへの給電のみのために、代替電源4210−ALT(PS2)からの電力を例えば電力レールを介してRPTのコンポーネントのサブセットへ経路設定することもできる。このようなサブセットは、RPTの低電力コンポーネントであり得る。例えば、コンポーネントのサブセットを挙げると、コントローラ(例えば、中央コントローラ4230またはRPTの他のプロセッサコンポーネント)がある。このようなサブセットは、例えばRPTに対するデータ送受信の有線通信または無線通信のための通信回路(例えば、通信インターフェース4280)を含み得る。このようなサブセットからは、典型的には治療または治療デバイスおよび/または加熱コンポーネントを用いた他の動作時において用いられるRPTのより高電力消費のコンポーネント(例えば、治療デバイス)は除外される(例えば、モータインバータブリッジ、モータおよび/または治療デバイスコントローラ)および加熱コンポーネント(例えば、加湿器ヒータ、チューブヒータ)。
【0124】
図9に示すように、いくつかの場合において、入力電力回路6710は、1つ以上の検出回路を含み得る。検出回路9002は典型的には、RPT中のコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)へ接続される。検出回路9002は、入力電力回路へ接続された電源の種類を検出するように構成され得る。例えば、いくつかの場合において、入力電力回路は、電圧検出器または電圧センサ回路を含み得る。このような電圧検出器/センサは、RPTへ接続された電源に関するまたはこの電源に固有の電圧を検出するように構成され得る。よって、電圧検出器は、この接続された電源によって生成される識別電圧または供給電圧を検出し得る。例えば、例示的な24ボルト電源(PS1)の接続の場合、電圧検出器は、24ボルト電源を示す比例電圧を検出し、このような電圧を示す信号を生成し得る。RPTのコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)は、入力ポート(例えば、デジタルまたはアナログ入力ポート)において受信し、この信号から高電力電源の接続を決定し得る。5ボルト電源(PS2)の接続の場合、電圧検出器は、5ボルト電源を示す比例電圧を検出し、このような電圧を示す信号を生成し得る。RPTのコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)は、この信号を同じまたは別の入力ポート(例えば、デジタルまたはアナログ入力ポート)において受信し、この信号から低電源の接続を決定し得る。
【0125】
一実施例において、検出器/センサは、オペアンプと共に実装され得る。オペアンプは、比較器として構成され、電源と関連付けられた電圧または入力電圧と、異なる電源(例えば、6ボルト閾値または7ボルト閾値または他の値)を区別するように選択された適切な閾値電圧レベルとを比較する。次に、比較器からの出力信号をコントローラまたは中央コントローラ4230の入力ポートへ入力することにより、電源が示され得る。例えば、比較器から高(真の)出力信号が得られた場合、これは、閾値を超える電圧(例えば、高電力電源電圧などの低電源の低電圧よりも高い電圧)が検出されたことを示している。次に、このような(高い真の)出力信号を取り出して、例えばコントローラのデジタル入力ポートにおいてコントローラに対して高電力電源が接続された旨を示すことができる。比較器からの低出力信号は、閾値よりも低い電圧(例えば、高電力電源電圧の高電圧よりも低い電圧)を示し得る。次に、このような低(偽)信号を例えばコントローラのデジタル入力ポートにおいて取り出して、低電力電源が接続された旨をコントローラに示すことができる。このような決定のためにコントローラに対して信号を生成するために、比較器を用いた他の適切な比較も実装可能である。
【0126】
いくつかのバージョンにおいて、電圧検出器/センサは、接続された電源(例えば、PS1またはPS2)からの供給された電圧に比例する電圧を生成し得る。このような電圧は、コントローラのサンプラーまたはサンプリング回路によってコントローラのアナログ入力ポート(例えば、中央コントローラ4230)においてサンプリングされ得る。次に、コントローラは、サンプリングされた値と、コントローラの1つ以上のプログラムされた閾値とをデジタル的に比較して、どの電源が接続されたかを決定し得る。
【0127】
いくつかのバージョンにおいて、入力電力回路6710は、検出された電源種類または検出された電力レベルに基づいて電力をアクティブに経路設定する1つ以上の切替回路9004も含み得る。このようなスイッチは、RPTの1つ以上の電力/電圧レールおよびRPTのコントローラへ接続され得る。例えば、特定の電源が検出回路へ接続されたことをコントローラが検出したのに基づいて、コントローラは、1つ以上のスイッチを起動させて、接続された電源からの電力を電圧レールを介して選択的に許容して、電流を特定のコンポーネントまたはRPTのコンポーネントのサブセットへ供給することができる。この点について、コントローラの出力ポートからの出力信号(例えば、デジタル出力信号)により、1つ以上のトランジスタ(例えば、半導体型トランジスタ)を起動させて、RPTのレール(単数または複数)上の電力を電源から送るかまたは開始させることができる。例えば、このようなスイッチの1つ以上により、代替電源がRPT4000のインターフェース6711へ接続されたときに代替電源4210−ALT(PS2)からの供給ラインがRPTの治療および/または加熱デバイスへ接続される事態を回避することができる。同様に、このようなスイッチのうちこのような1つ以上により、電源がRPT4000のインターフェース6711へ接続されたときに電源4210(PS1)からの供給ラインが治療および/またはRPTの加熱デバイスへ接続される事態を許容することができる。
【0128】
いくつかの場合において、入力電力回路6710は、RPTのコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)に給電し得る1つ以上の電圧調整器モジュール(単数または複数)9006またはVRM(PPM(プロセッサ電力モジュール)(例えば、降圧形コンバータ)とも呼ばれる)を含み得る。このような電圧調整器モジュール(単数または複数)は、電源(PS1およびPS2)のいずれかまたは両方からの供給電力をコンポーネントおよび/または入力電力回路のトレースが受容できるように、接続され得る。このような電圧調整器モジュール(単数または複数)は、コントローラおよびRPTの他の低電力コンポーネントへ接続されてもよい。よって、電圧調整器は、電源4210または代替電源4210−ALTがRPT4000へ接続または連結されているかに関係無く、コントローラ(例えば、中央コントローラ4230)および任意選択的に(通信回路(例えば、データ通信インターフェース4280))への給電を行い得る。任意選択的に、いくつかのバージョンにおいて、このような電圧調整器モジュール(単数または複数)は、ディスプレイ/ディスプレイドライバ(例えば、出力デバイス4290)および入力デバイス4220への給電も行い得る。本技術の例示目的のため、簡潔なバージョンの
図9には図示していないが、いずれかまたは両方の電源による電圧調整器のうち1つ以上への給電を可能にするためのさらなる回路コンポーネントを設けてもよいことが理解される。
【0129】
RPTデバイスアルゴリズム
上記したように、中央コントローラは、呼吸治療デバイスの機能を実行するためのプロセスにおいて、アルゴリズムと共に実装され得る。以下の例示的なプロセスモジュールのうち任意の1つ以上が含まれてよい。
【0130】
動作モード検出モジュール4309
図10を参照して示すように、RPTのコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)は、RPTへ接続されている電源が異なる電源(例えば、PS1orPS2)のうちどちらなのかに応じて異なる動作モードを選択できるように、構成され得る。このようなモード選択は、入力電力回路6710(例えば、上記したようなその検出回路9002)に関連してコントローラによって具現され得る。このような動作モード選択の実行は、ユーザ/ヘルスケア機器提供業者が(治療動作を除外する「低電力モード」において)容易に利用可能な電力接続を用いて患者用の呼吸デバイスを迅速かつ簡便に設定すること、データをダウンロードすること、ソフトウェアをアップロードすることなどを支援するように、行われ得る。
【0131】
例えば、RPTデバイス4000のコントローラ(例えば、中央コントローラ4230)は、
図10のフローチャートに示すモード選択方法を具現し得る。この点について、コントローラへの初期給電は、10002において例えば電源(PS1)または代替電源(PS2)のいずれかの接続により行われ得る。任意選択的に、電源接続後にRPTを起動(オンにする)ために、ボタンがRPT上に設けられ得る。上記したように、これは、入力電力回路6710の電圧調整器モジュール9006によって給電され得る。
【0132】
次に、10004において、コントローラは、RPTへ接続された電源を検出し得る。例えば、上記したように、コントローラは、例えば電力レベルの種類の検出により電源(4210または4210−ALT)を検出し得る。このような検出は、検出回路9002(例えば、電圧検出器/センサ)による電圧検出により行われ得る。このような検出は、所定の基準電圧と感知された電圧との間の比較に基づき得る。このような比較は、高電力電源が接続された(例えば、治療動作に充分な電源)かまたは低電力電源が接続された(例えば、治療動作には不充分な電源)かを特定するように、機能し得る。
【0133】
よって、10006において、コントローラは、特定の動作モードを検出に基づいて起動させ得る。例えば、高電力電源が検出された場合、コントローラは、治療動作(例えば、前処理モジュール4310および治療エンジンモジュール4320および制御モジュール4330に関連して述べた動作)を許容または実行させ得る。同様に、高電力電源が検出された場合、コントローラは、治療コンポーネント(例えば、治療デバイス4245)(例えば、モータコントローラおよび送風機のモータ)および/または加熱コントローラおよび加熱コンポーネント(例えば、加湿器5000用のものおよび加熱管(単数または複数))を起動させ得る。このような起動は、このようなコンポーネント用の入力電力回路6710の切替回路9004の1つ以上のスイッチの起動を含み得る。この目的のため、RPTのコントローラは、利用可能な電力を外部電源から検出することと、そのサブシステムのうちどれをオンにするかを決定することとを行うように構成され得る。サブシステム(単数または複数)のうちどれをオンにするかの決定は、サブシステム優先度の所定の階層および接続された電源の決定された電力出力に基づき得る。
【0134】
低電力電源が検出された場合、コントローラは、非治療動作(例えば、特定の高電力治療コンポーネントの使用を伴わない動作)を許容または実行させ得る。このような低電力モード(単数または複数)において、RPTデバイスは、第1組のサブシステム(例えば、コントローラ(単数または複数)およびメモリならびにいくつかの場合においてそのディスプレイ)のみに給電を行い得る。このようなモード(単数または複数)において、コントローラ(単数または複数)は、データアクセスのためだけに動作し得る(例えば、ダウンロード動作およびアップロード動作(例えば、パラメータ設定、ソフトウェアアップグレード、診断アクセス))。このような起動を挙げると、このような低電力コンポーネント(例えば、ディスプレイまたは入力デバイス)用の入力電力回路6710の切替回路9004の1つ以上のスイッチの起動がある。したがって、呼吸治療デバイスの作動モードは、ユニバーサルシリアルバスケーブルおよびユニバーサルシリアルバス電源を用いて給電され得、作動モードは、呼吸治療デバイスのデータまたはメモリにアクセスすることを包含し得る。あるいは、呼吸治療デバイスの作動モードは、無線電力伝送装置を用いて給電され得、作動モードは、呼吸治療デバイスのデータまたはメモリにアクセスすることを包含し得る。
【0135】
このような低電力動作モードの場合、次に、ユーザは、例えば内蔵ディスプレイを用いてまたはRPTデバイス4000とのデータ通信(有線または無線)のためにRPTデバイスへ接続された外部デバイス(例えば、タブレットコンピュータ)を通じて、RPTデバイス上の1つ以上の設定を変更するかまたはRPTデバイスのデータへアクセスすることができる。
【0136】
事前処理モジュール4310
図4Dを参照して、例えば、動作モード検出モジュールに基づいて治療モードが起動された後、本技術による事前処理モジュール4310は、変換器(例えば、圧力変換器4272または流量変換器4274)からの生データを入力として受信し、好適には、1つ以上の出力値を計算するための1つ以上のプロセスステップを行う。これらの出力値は、別のモジュール(例えば、治療エンジンモジュール4320)への入力として用いられる。
【0137】
本技術の一形態において、出力値は、インターフェースまたはマスク圧力Pm、呼吸流量Qrおよび漏洩流量Qlを含む。
【0138】
本技術の多様な形態において、事前処理モジュール4310は、以下のアルゴリズムのうち1つ以上を含む:圧力補償アルゴリズム4312、通気流量アルゴリズム4314、漏洩流量アルゴリズム4316、呼吸流量アルゴリズム4318、およびジャミング検出アルゴリズム4319。
【0139】
圧力補償
本技術の一形態において、圧力補償アルゴリズム4312(
図4Dに示す)は、空気圧ブロックの出口の近位の空気圧経路中の圧力を示す信号を入力として受信する。圧力補償アルゴリズム4312は、圧力低下を空気回路4170において推定し、患者インターフェース3000中の推定圧力Pmを出力として提供する。
【0140】
通気流れ
本技術の一形態において、通気流量計算のための通気流量アルゴリズム4314(
図4Dに示す)は、患者インターフェース3000中の推定圧力Pmを入力として受信し、患者インターフェース3000中の通気孔3400からの空気の通気流量Qvを推定する。
【0141】
漏洩流れ
本技術の一形態において、漏洩流量アルゴリズム4316(
図4Dに示す)は、総流量Qtおよび通気流量Qvを入力として受信し、多数の呼吸サイクルが含まれるに十分長い期間(例えば、10秒)にわってQt−Qvの平均を計算することによって、漏洩流量Qlを出力として提供する。
【0142】
一形態において、漏洩流量アルゴリズム4316は、漏洩流量Qlを出力として提供し、漏洩コンダクタンスを計算することおよび漏洩流量Qlを漏洩コンダクタンスおよびインターフェース圧力Pmの関数となるように決定することにより、患者インターフェース3000中の総流量Qt、通気流量Qv、および推定圧力Pmを入力として受信する。一具現例において、漏洩コンダクタンスは、ローパスフィルタされた非通気流量Qv−Qtの商と、マスク圧力Pmのローパスフィルタされた平方根として計算され、ローパスフィルタ時定数は、いくつかの呼吸サイクル(例えば、約10秒)を含むだけの充分な値を有する。
【0143】
呼吸流れ
本技術の一形態において、呼吸流量アルゴリズム4318は、総流量Qt、通気流量Qvおよび漏洩流量Qlを入力として受信し、通気流量Qvおよび漏洩流量Qlを総流量Qtから減算することにより、患者への呼吸流量Qrを推定する。
【0144】
ジャミング検出
漏洩が最近変更され、漏洩流アルゴリズム4316がこの変化について完全に補償されていない場合、「ジャミング」という状態が存在する。この「ジャミング」という状態は、米国特許第6,532,957号、米国特許第6,810,876号または米国特許出願公開第2010/0101574A1号に記載の方法に基づいて決定され得る。本明細書中、同文献を参考のため援用する。ジャミング状態において、呼吸流れベースラインがある程度不正確になることが通常あり、その場合、流れ形状の歪みおよび流れ検出の限界への影響の原因になる。ジャミングは、補償されていない漏洩の範囲を示すために取り出され得、ジャミング検出アルゴリズム4319(
図4Dに示す)によって計算される。
【0145】
治療エンジンモジュール4320
本技術の一形態において、治療エンジンモジュール4320(
図4Dに示す)は、患者インターフェース3000中の圧力Pm、患者への空気呼吸流量Qr、漏洩流量Ql、ジャミング変数のうち1つ以上を入力として受信し、1つ以上の治療パラメータを出力として提供する。
【0146】
本技術のいくつかのバージョンにおいて、治療パラメータは、CPAP治療圧力Ptまたは2レベル圧力治療である。
【0147】
本技術の一形態において、治療パラメータは、圧力補助のレベル、および目標換気のうち1つ以上である。
【0148】
フェイズ決定
本技術の一形態において、RPTデバイス4000は、フェイズを決定しない。
【0149】
本技術の一形態において、フェイズ決定アルゴリズム4321(
図4Dに示す)は、呼吸流量Qrを示す信号を入力として受信し、患者1000の呼吸サイクルのフェイズの推定(Φ)を提供する。相変化の速度は、呼吸数を示す。
【0150】
波形決定
本技術の一形態において、治療制御モジュール4330は、治療デバイス4245を制御して、患者の呼吸サイクルにわたってほぼ一定の気道陽圧を提供する。
【0151】
本技術の一形態において、治療制御モジュール4330は、相に対する所定の圧力波形に従って気道陽圧が得られるように、治療デバイス4245を制御する。一形態において、波形は、相の全値においてほぼ一定レベルに維持される。一形態において、波形は方形波であり、相のいくつかの値において値がより高くなり、相の他の値において値がより低くなる。いくつかの場合において、治療デバイスは、高流量治療を提供するように制御され得る。
【0152】
本技術の一形態において、波形決定アルゴリズム4322(
図4Dに示す)は、現在の患者換気Ventを示す値を入力として受信し、出力として圧力対フェイズの波形を提供する。
【0153】
一形態において、波形は方形波であり、吸気に対応する相の早期値において値が1であり、呼気に対応する相の後期値において値が0である。他の形態において、波形は、より「平滑かつ快適」波形であり、相の早期値において1まで徐々に上昇し、相の後期値において徐々に0まで低下する。
【0154】
換気決定
本技術の一形態において、換気決定アルゴリズム4323(
図4Dに示す)は、呼吸流量Qrを入力として受信し、患者換気Ventを示す測定を決定する。
【0155】
一形態において、換気決定アルゴリズム4323は、患者換気の現在値Ventをローパスフィルタリングされた絶対呼吸流れ値Qrの1/2として決定する。
【0156】
吸気流制限の決定
本技術の一形態において、プロセッサは、吸気流量制限の検出のための1つ以上の吸気流量制限アルゴリズム4324(
図4Dに示す)を実行する。
【0157】
一形態において、吸気流制限アルゴリズム4324は、呼吸流量信号Qrを入力として受信し、呼吸の吸気部分が吸気流制限を示す範囲の計量を出力として提供する。
【0158】
吸気流制限アルゴリズム4324は、以下の3種類の吸気流制限のうち少なくとも1つの尺度を計算する:通常平坦型、M字型および「逆椅子型」。
【0159】
無呼吸および呼吸低下の検出
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、無呼吸および/または呼吸低下の検出のための1つ以上の無呼吸および/または呼吸低下アルゴリズム4325(
図4Dに示す)を実行する。
【0160】
いびきの検出
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、いびきの検出のための1つ以上のいびきアルゴリズム4326(
図4Dに示す)を実行する。
【0161】
EPAPの決定
本技術の一形態において、上気道閉塞(「UAO」)の複数の異なる特徴が存在する場合、EPAPが事前設定された最小値であるminimum EPAPを上回って、上部気道閉塞の重篤度に大きく比例する程度まで上昇する。UAOを示す特徴が無い場合、EPAPは、事前設定されたminimum EPAPまで徐々に低下する。この低下は、送達されたEPAPを最小化させる傾向を持つ。任意の所与の時期において、EPAPは、EPAPを上昇させる方向の力とEPAPを低下させる方向の力との間のバランスである。略均衡に到達した場合、中程度のUAOの時々のインジケータに起因してEPAPが上方移動し、この上方移動は、UAOのインジケータが無い場合に発生する低下によって均衡がとられる。
【0162】
EPAP調節アルゴリズム4327(
図4Dに示す)がEPAPの増加を規定する場合、この増加は瞬時には発生し得ない。このようなEPAPの上昇は、中央コントローラ4230によって制御され得、RPTデバイス4000が吸気状態にあると思われる期間のみに発生するようにタイミングがとられる。かかる技術の例について、米国特許出願公開第2011/0203588A1中に開示がある。本明細書中、同文献を参考のため援用する。
【0163】
目標換気4328の決定
いくつかの場合において、ターゲット換気は、典型的な最近の換気のパーセンテージ(例えば、90%)へ設定され得る。典型的な最近の換気は、時定数として3分(換気フィルタ)を瞬間換気へ適用して、一次元ローパスフィルタの出力として計算される。
【0164】
治療パラメータの決定
中央コントローラ4230は、治療パラメータの決定のための1つ以上のアルゴリズム4329(
図4Dに示す)を実行する。
【0165】
制御モジュール4330
本技術の一形態による治療制御モジュール4330は、ターゲット治療圧力Ptを入力として受信し、治療デバイス4245を制御して、その圧力を送達させる。
【0166】
本技術の別の形態による治療制御モジュール4330は、EPAP、波形値および圧力補助レベルを入力として受信し、ターゲット治療圧力Ptを計算し、治療デバイス4245を制御して、この圧力を送達させる。
【0167】
本技術の別の形態による治療制御モジュール4330は、EPAP、波形値、ターゲット換気および瞬間換気を入力として受信し、ターゲット換気および瞬間換気から圧力補助レベルを計算し、EPAP、波形値および圧力補助を用いてターゲット治療圧力Ptを計算し、治療デバイス4245を制御して、この圧力を送達させる。
【0168】
故障状態の検出
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、故障状態の検出のための1つ以上の方法を実行し得る。1つ以上の方法によって検出された故障状態は、以下のうち少なくとも1つを含み得る:
● 停電(電力無しまたは電力不足)
● 変換器故障の検出
● コンポーネントの存在を検出できない
● 動作パラメータが推奨範囲から外れている(例えば、圧力、流量、温度、PaO
2)
● 検出可能な警告信号を生成するための試験警告の不履行。
【0169】
故障状態が検出されると、対応するアルゴリズム信号は、以下のうち1つ以上により、故障の存在を信号伝達する:
● 可聴、視覚および/または動力学的(例えば、振動的)警告の開始
● 外部デバイスへのメッセージ送信
● インシデントのロギング
【0170】
本技術の別の態様によれば、中央コントローラ4230は、故障状態を検出するソフトウェアモジュールを省略し得る。むしろ、上記したように、故障状態の検出を中央コントローラ4230と別の障害軽減集積回路によって独占的に取り扱うことができる。いくつかの場合において、障害軽減集積回路は、同様に中央コントローラ内において処理されるアルゴリズムを備えた障害検出/軽減モジュールに対する冗長バックアップとして機能し得る。
【0171】
治療デバイス4245
本技術の好適な形態において、治療デバイス4245(
図4Cに示す)は、患者1000への治療送達の際、治療制御モジュール4330の制御下にある。
【0172】
好適には、治療デバイス4245は、陽圧空気デバイス4140である。
【0173】
加湿器5000
本技術の一形態において、水リザーバと加熱プレートとを含む加湿器5000(
図5に示す)が提供される。
【0174】
例示的なRPTデバイスの使用例(単数または複数)
次に、本明細書中に記載の例示的な装置実装により、例えばデバイス設定または診断に関連して向上したRPTデバイス動作を得ることができる。例えば、ユーザは、タブレットコンピュータまたは同様にRPTデバイスへの接続を例えばUSBケーブルを介して行うことができる。よって、電力がタブレットのみから得られる場合、RPTデバイスは、(当該タブレットのUSB電源を用いて)RPTデバイスへ電力提供するタブレットケーブルを介して動作することができる。このケーブルは、例えばUSB型Cコネクタを用いて、RPTデバイスの単一の電力インターフェース(ポート)へ接続することができる。RPTデバイスは、低電力または高電力が単一の電力インターフェースにおいて(インターフェースの電源線(単数または複数)/ピン(単数または複数)を介して)得られるかを検出し、選択されたモードにおいてこの電力検出に従って動作する。タブレットの場合、RPTデバイスは、典型的には低電力モードを検出する。低電力モードにおいて、RPTデバイスは、単一の電力インターフェースを介して(インターフェースのデータ線(単数または複数)/ピン(単数または複数)を介して)タブレットとデータ通信を行って、例えばRPTデバイス、患者設定、RPTデバイスの構成データをタブレットにアップロードするかまたはタブレットエラーログ、使用量ログまたは診断用データをRPTデバイスへダウンロードすることができる。現在、USB型Cケーブルは、5ワット(低電力モード)〜100ワット(高電力モード)を提供することができる。そのため、同一種類のケーブルを単一の電力ポート/インターフェースに繋いだ場合も、例えばタブレットが接続解除されたときに単一のインターフェースへ接続される適切なより高電力の電源から高電力を得ることができる。よって、RPTデバイスは、同じケーブルカプラおよびインターフェース構成と共に、20ワットを超え得る高電力モードにおいて動作することができる。CPAP型RPTデバイスの場合、100ワットが治療提供に充分であり得るが、RPTデバイスは、約65ワットまたは約90ワットでの治療動作も提供することができる。RPTデバイスの消費電力は典型的には検出された睡眠障害呼吸イベント数(例えば、無呼吸/低呼吸指数)に依存し得る提供治療圧力に依存する。圧力RPTデバイスは、このようなイベントおよび加湿器から生成される湿度を回避しなければならない。加湿器から生成される湿度は、周囲湿度および温度(低温の空気の場合、ずっと高い加湿が必要になる)に依存し得る。高流量治療型RPTデバイスの場合、300ワット電力までの電源が必要になり得る。
【0175】
上記したように、RPTデバイスは、各異なる電源が異なる時期にRPTデバイスへ接続されたときに単一の電力インターフェースを介して複数の電源と接続するように構成され得る。よって、異なる電源は典型的には、電力インターフェースが単一の電力インターフェースを介してこれらの電源のうち1つへ接続されるかまたは単一の電力インターフェース(すなわち、同一ポート)を介してその他の電源へ接続されるように、(異なる時期に)順次用いられ得る。あるいは、1つよりも多くの電源を単一の電力インターフェースへ同時に並列接続してもよいし、あるいはデュアルインターフェースによって同時に並列接続してもよく、論理コントローラは、そのうちどれを用いるかを決定するために用いられ得る。例えば、コンピューティングデバイス(例えば、タブレット)は、USBケーブルとの単一のインターフェースを介してRPTデバイスへ接続され得る。高電力を演算装置を介して同一USBケーブルを介してRPTへ提供できるように、演算装置(例えば、タブレット)を高電力電源(例えば、主電源)へ接続してもよい。その後、コントローラは、単一のインターフェースから利用可能な所与の電力が有る場合の可能な動作を決定し得る。同様に、高電力電源からのケーブルをデュアルインターフェースの第1の入力(例えば、電力および/またはデータ)へ接続させることができ、同時に、低電力電源からの別のケーブルをデュアルインターフェースの第2の入力(例えば、電力および/またはデータ)へ接続させることができる。よって、上記したように、1つよりも多数の電源(例えば、双方の電源)を電力インターフェース(単数または複数)へ同時に接続することができるように、電力インターフェースを複数の電力インターフェースとして実装することができる。次に、RPTデバイスのコントローラは、上記した検出回路に基づいて、提供可能な動作を決定し得る。これらの提供可能な動作は、接続された電源のうち少なくとも1つが充分に高い最大電力を有する場合における治療モード動作のうちいくつかまたは全てを含む。RPTデバイス上の別個の電力インターフェースの例を挙げると、有線電源用の有線インターフェース(例えば、USB型C)および無線電源用の無線電力インターフェースがある。
【0176】
用語集
本技術の開示目的のため、本技術の特定の形態において、以下の定義のうち1つ以上が適用され得る。本技術の他の形態において、別の定義も適用され得る。
【0177】
一般
空気:本技術の特定の形態において、患者へ供給される空気は、大気であってよく、本技術の他の形態において、大気は、酸素が補給されたものであってよい。
【0178】
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP治療は、空気または呼吸可能なガスの供給を、雰囲気に対して連続的に陽圧において、好適には、患者の呼吸サイクルにわたってほぼ一定して気道入口へ付加することを意味するものとしてとられる。いくつかの形態において、気道入口における圧力は、単一の呼吸サイクルにおいて数水柱センチメートルだけ異なる(例えば、吸息時に高くなり、呼息時に低くなる)。いくつかの形態において、気道への入口における圧力は、呼息時において若干上昇し、吸息時において若干低下する。いくつかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間において変動する(例えば、部分的な上気道閉塞の兆候の検出に応答して増加され、部分的な上気道閉塞の通知の不在時において低減される)。
【0179】
RPTデバイスの態様
空気回路:RPTデバイスと患者インターフェースとの間への空気または呼吸可能なガスの供給を送達させるように使用時に構築および配置された導管またはチューブ。詳細には、空気回路は、空気圧ブロックの出口および患者インターフェースと流体接続し得る。空気回路は、空気送達管と呼ばれ得る。いくつかの場合において、吸息および呼息のための回路の別個の肢があり得る。他の場合において、単一の肢が用いられる。
【0180】
APAP:自動の気道陽圧。SDB発症の兆候の存在または不在に応じた、下限と上限との間で連続的に調節可能な気道陽圧。
【0181】
送風機または流れ生成器:周囲圧力を超える圧力において空気流れを送達させるデバイス。
【0182】
コントローラ:入力に基づいて出力を調節するデバイスまたはデバイスの一部。例えば、1つの形態のコントローラは、デバイスへの入力を構成する制御下の変数(すなわち、制御変数)を有する。デバイスの出力は、制御変数の現在の値およびこの変数の設定点の関数である。サーボ人工呼吸器は、換気を入力として有し、目標換気を設定点として有し、圧力補助レベルを出力として有するコントローラを含み得る。他の形態の入力は、以下のうち1つ以上であり得る:酸素飽和(SaO2)、二酸化炭素(PCO2)の部分的圧力、移動、フォトプレチィスモグラフィからの信号、及びピーク流れ。コントローラの設定点は、以下のうち1つ以上であり得る:固定点、変数点、または学習された点。例えば、人工呼吸器中の設定点は、患者の測定された換気の長期平均であり得る。別の人工呼吸器は、経時的に変化する換気設定点を持ち得る。圧力コントローラは、空気を特定の圧力にて送達させるように送風機またはポンプを制御するように、構成され得る。コントローラは、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたはプロセッサを含み得るかまたはマイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたはプロセッサであり得る。
【0183】
治療:本文脈における治療は、以下のうち1つ以上であり得る:陽圧治療、高流量治療、酸素治療、二酸化炭素治療、死腔制御、および薬剤投与。
【0184】
モータ:電力から部材の回転運動への変換を行うデバイス。本文脈において、回転部材はインペラであり、所定位置において固定軸周囲において回転して、回転軸に沿って移動する空気へ圧力増加を付与する。
【0185】
気道陽圧(PAP)デバイス:空気供給を陽圧において気道へ提供するデバイス。
【0186】
変換器:1つの形態のエネルギーまたは信号を別のものへ変換するデバイス。変換器は、機械エネルギー(例えば、運動)を電気信号へ変換するセンサまたは検出器であり得る。変換器の例を挙げると、圧力センサ、流れセンサ、二酸化炭素(CO
2)センサ、酸素(O
2)センサ、労作センサ、運動センサ、ノイズセンサ、プレチスモグラフおよびカメラがある。
【0187】
ボリュート:遠心ポンプのケーシングであり、インペラによってポンプされている空気を受容し、空気の流量を低下させ、圧力を増加させる。ボリュートの断面は、吐出ポートに近づくにつれて増加する。
【0188】
呼吸サイクルの態様
無呼吸:無呼吸とは、所定の閾値を下回った流れが例えば10秒間の継続期間の期間にわたって継続した場合に発生したと言われるであろう。閉塞性無呼吸とは、患者の努力にもかかわらず、何らかの気道閉塞により空気の流れが許されないときに発生すると言われる。中枢性無呼吸とは、呼吸努力の低下または呼吸努力の不在に起因して無呼吸が検出された状態を指すと言われる。
【0189】
呼吸速度:患者の自発呼吸速度であり、通常は毎分あたりの呼吸回数で測定される。
【0190】
負荷サイクル:吸息時間Tiの合計呼吸時間Ttotに対する比。
【0191】
努力(呼吸):好適には、呼吸努力は、呼吸しようとしている人の自発呼吸によって行われる動きを指すと言われる。
【0192】
呼吸サイクルの呼気部分:呼気流れの開始から吸気流れの開始までの期間。
【0193】
流量制限:好適には、流量制限は、患者による努力の増大が流量の対応する増大を引き起こさない患者の呼吸における状況であると解釈される。呼吸サイクルの吸気部分において流量制限が発生した場合、当該流量制限は吸気流量制限と称することができる。呼吸サイクルの呼気部分において流量制限が発生した場合、当該流量制限は呼気流量制限と称することができる。
【0194】
流れ制限吸気の波形の種類:
(i)平坦化:上昇の後に比較的平坦な部位が続いた後、下降が発生すること。
(ii)M字型:立ち上がりにおいて1つおよび立ち下がりにおいて1つの2つの局所的ピークを持ち、これら2つのピークの間に比較的平坦な部位がある。
(iii)椅子状:単一の局所的ピークを持ち、このピークが立ち上がり部分に発生した後、比較的平坦な部位が続く。
(iv)逆椅子状:比較的平坦な部位の後に単一の局所的ピークが続き、このピークが立ち下がり部分に発生する。
【0195】
呼吸低下:好適には、呼吸低下は、流れの中断ではなく、流れの低下を意味する。一形態において、閾値を下回った流量低下が継続期間の期間にわたって続いた場合、呼吸低下が発生したと言われる。成人の一形態において以下のうちいずれかが発生した場合、呼吸低下と見なされ得る:
(i)患者呼吸の30%の低下が少なくとも10秒+関連する4%の脱飽和、または、
(ii)患者呼吸の(50%未満の)低下が少なくとも10秒間継続し、関連して脱飽和が少なくとも3%であるかまたは覚醒が発生する。
【0196】
呼吸サイクルの吸気部分:好適には、吸気流れの開始から呼気流れの開始までの期間が、呼吸サイクルの吸気部分としてとられる。
【0197】
開通性(気道):気道が開いている度合いまたは気道が開いている範囲。気道開通性とは、開口である。気道開通性の定量化は、例えば開通性を示す値(1)と、閉鎖を示す値(0)と共に行われ得る。
【0198】
呼気終末陽圧(PEEP):肺中の大気を越える圧力であり、呼気終了時に存在する。
【0199】
ピーク流量(Qpeak):呼吸流量波形の吸気部分における流量最大値。
【0200】
呼吸気流量、空気流量、患者の空気流量、呼吸気空気流量(Qr):これらの同義語は、RPTデバイスの呼吸空気流量の推定を指すものとして理解され得、通常リットル/分で表される患者の実際の呼吸流量である「真の呼吸流量」または「真の呼吸気流量」と対照的に用いられる。
【0201】
1回換気量(Vt):余分な努力をせずに通常の呼吸時に吸い込まれたかまたは吐き出された空気の量である。
【0202】
(吸息)時間(Ti):呼吸流量波形の吸気部分の継続期間。
【0203】
(呼息)時間(Te):呼吸流量波形の呼気部分の継続期間。
【0204】
(合計)時間(Ttot):呼吸流量波形の一つの吸気部分の開始と呼吸流量波形の次の吸気部分の開始との間の合計継続期間。
【0205】
典型的な最近の換気:所定の時間スケールにわたる直近値が密集する傾向となる換気値(すなわち、換気の直近値の中心の傾向の度合い)。
【0206】
上気道閉塞(UAO):部分的な上気道閉塞および合計上気道閉塞両方を含む。これは、上気道中の圧力差が増加(スターリングレジスタ挙動)するにつれて流量がわずかに増加するかまたは低下し得る流量制限の状態と関連し得る。
【0207】
換気(Vent):患者の呼吸器系によって行われるガス交換(単位時間当たりの吸気流量と呼気流量の両方を含む)の総量の測定。1分あたりの体積として表される場合、この量は、「分換気」と呼ばれることが多い。分換気は、単に体積として付与されることもあり、1分あたりの体積として理解される。
【0208】
RPTデバイスパラメータ
流量:単位時間あたりに送出される空気の瞬間の量(または質量)。流量および換気量は、単位時間あたりに同じ規模の量または質量を持つが、流量は、かなり短時間にわたって測定される。流量は、患者の呼吸サイクルの吸気部分に対してノミナルに陽圧であり得るため、患者の呼吸サイクルの呼気部分に対して負であり得る。場合によっては、流量について言及した場合、スカラー量(すなわち、大きさのみを有する量)を指す。他の場合において、流量について言及した場合、ベクトル量(すなわち、大きさおよび方向両方を持つ量)を指す。流量、符号Qで示す。総流量Qtは、RPTデバイスから退出する空気の流量である。通気流量Qvは、吐き出されたガスの流出を可能にするために通気部から退出する空気の流量である。漏洩流量Qlは、患者インターフェースシステムからの非意図的な漏洩の流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系中に受容される空気の流量である。
【0209】
漏洩:好適には、「漏洩」という用語は、周囲への空気流れとしてとられる。例えば呼気CO
2のウォッシュアウトを可能にするために、漏洩が意図的に設けられ得る。漏洩は、例えば、マスクと患者の顔との間のシールが不完全であることのように、非意図的であり得る。
【0210】
圧力:単位面積あたりの力。圧力は、多様な単位で測定され得る(例えば、cmH
2O、g−f/cm
2、及びヘクトパスカル)。1cmH
2Oは、1g−f/cm
2に等しく、およそ0.98ヘクトパスカルである。本明細書において、他に明記無き限り、圧力はcmH
2Oの単位で付与される。OSAの経鼻CPAP治療の場合、治療圧力に言及された場合、約4〜20cmH
2Oまたは約4〜30cmH
2Oの範囲の圧力を指す。患者インターフェース中の圧力には、記号Pmが付与される。
【0211】
音響パワー:単位時間あたりに音波によって搬送されるエネルギー。音響パワーは、音圧を波面面積で乗算した値の2乗に比例する。音響パワーは通常は、デシベルSWL(すなわち、10
−12ワットとしてとられる基準パワーに相対するデシベル)で表される。
【0212】
音圧:音波が媒体中を通過した結果発生する、所与の時刻における周囲圧力からの局所的逸脱。音響パワーは通常は、デシベルSPL(すなわち、ヒトの聴覚の閾値としてみなされる通常は20×10
−6パスカル(Pa)としてとしてとられる基準パワーに相対するデシベル)で表される。
【0213】
人工呼吸器の用語
適応サーボ人工呼吸器:一定の目標換気を持つのではなく変更が可能な人工呼吸器。変更可能な目標換気は、患者の何らかの特性(例えば、患者の呼吸特性)から学習され得る。
【0214】
バックアップレート:人工呼吸器のパラメータであり、(トリガされない場合に)人工呼吸器から患者へ送達される最小呼吸速度(典型的には、1分あたりの呼吸数)を確立させる。
【0215】
サイクル:人工呼吸器の吸気フェイズの終了。自発呼吸をしている患者へ人工呼吸器から呼吸を送達する場合、呼吸サイクルの吸気部分の終了時において、当該人工呼吸器は、呼吸送達を停止するようサイクルされると言われる。
【0216】
EPAP(またはEEP):人工呼吸器が所与の時期に達成しようとする所望のマスク圧力の生成のために、呼吸内において変化する圧力が付加されるベース圧力。
【0217】
IPAP:呼吸の吸気部分時に人工呼吸器が達成しようとする所望のマスク圧力。
【0218】
圧力補助:人工呼吸器吸気時における当該人工呼吸器呼気時における圧力増加を示す数であり、吸気時の最大値と、呼気時の最小値との間の圧力差を主に意味する(例えば、PS=IPAP−EPAP)。いくつかの文脈において、圧力補助とは、(人工呼吸器が実際に達成する差ではなく)人工呼吸器が達成しようとする差を意味する。
【0219】
サーボ人工呼吸器:患者換気を有しかつ目標換気を有する人工呼吸器であり、患者換気を目標換気に近づけるために圧力補助レベルを調節する。
【0220】
自発/タイミング(S/T):自発呼吸している患者の呼吸の開始を検出しようとする、人工呼吸器または他のデバイスのモード。しかし、デバイスが所定期間の間に呼吸を検出できない場合、デバイスは、呼吸送達を自動的に開始する。
【0222】
トリガ:人工呼吸器が自発呼吸する患者へ空気の呼吸を送達する場合、患者自身が呼吸サイクルの呼吸部分を開始したとき、当該人工呼吸器が呼吸送達を行うようトリガされたと言う。
【0223】
人工呼吸器:患者が呼吸動作の一部または全てを行い際に圧力補助を提供する機械的デバイス。
【0224】
人工呼吸器吸気および人工呼吸器呼気:患者の吸気および呼気それぞれに適した人工呼吸器からの圧力送達が必要であると人工呼吸器がみなす期間。患者/人工呼吸器の同期の質および上気道閉塞に応じて、これらは、実際の患者吸気または呼気に対応していてもよいし、対応していなくてもよい。
【0225】
呼吸器系の解剖学的構造
横隔膜:シート状の筋肉であり、胸郭下部上に延びる。横隔膜は、心臓、肺および肋骨を含む胸腔を腹腔から分離させる。横隔膜が収縮すると、胸腔の容量が増加し、肺中に空気が引き込まれる。
【0226】
喉頭:声帯ひだを収容する喉頭または発声器であり、咽頭の下部(下咽頭)を気管へ接続させる。
【0227】
肺:ヒトにおける呼吸臓器。肺の伝導性ゾーンは、気管、気管支、気管支、および終末細気管支を含む。呼吸領域は、呼吸細気管支、肺胞管および肺胞を含む。
【0228】
鼻腔:鼻腔(または鼻窩)は、顔の中央の鼻の上方および後方の空気が充填された大きな空間である。鼻腔は、鼻中隔と呼ばれる垂直フィンによって2つに分割される。鼻腔の側部には、鼻甲介または鼻介骨と呼ばれる3つの水平伸長物がある。鼻腔の前方には鼻があり、後方は後鼻孔を介して鼻咽頭内に繋がる。
【0229】
咽頭:鼻腔の直接下側(下方)に配置されかつ食道および喉頭の上方に配置された咽喉の部分。咽頭は、従来から以下の3つの部分へ区分される:鼻咽頭(上咽頭)(咽頭の鼻部分)、口咽頭(中咽頭)(咽頭の口部分)、および咽喉(下咽頭)。
【0230】
他の注意事項
本特許文書の開示の一部は、著作権保護が与えられる内容を含む。著作権所有者は、何者かが本特許文書または本特許開示をファックスにより再生しても、特許局および特許庁の特許ファイルまたは記録に記載されるものであれば目的のものであれば異論は無いが、その他の目的については全ての著作権を保持する。
【0231】
他に文脈から明確に分かる場合および一定の範囲の値が提供されていない限り、下限の単位の1/10、当該範囲の上限と下限の間、および記載の範囲の他の任意の記載の値または介在値に対する各介在値は本技術に包含されることが理解される。介在範囲中に独立的に含まれるこれらの介在範囲の上限および下限が記載の範囲における制限を特に超えた場合も、本技術に包含される。記載の範囲がこれらの制限のうち1つまたは双方を含む場合、これらの記載の制限のいずれかまたは双方を超える範囲も、本技術に包含される。
【0232】
さらに、本明細書中に値(単数または複数)が本技術の一部として具現される場合、他に明記無き限り、このような値が近似され得、実際的な技術的実行が許容または要求する範囲まで任意の適切な有効桁までこのような値を用いることが可能であると理解される。
【0233】
他に明記しない限り、本明細書中の全ての技術用語および科学用語は、本技術が属する分野の当業者が一般的に理解するような意味と同じ意味を持つ。本明細書中に記載の方法および材料に類似するかまたは等しい任意の方法および材料を本技術の実践または試験において用いることが可能であるが、限られた数の例示的方法および材料が本明細書中に記載される。
【0234】
特定の材料が構成要素の構築に好適に用いられるものとして記載されているが、特性が類似する明白な代替的材料が代替物として用いられる。さらに、それとは反対に記載無き限り、本明細書中に記載される任意および全ての構成要素は、製造可能なものとして理解されるため、集合的にまたは別個に製造され得る。
【0235】
本明細書中及び添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形である「a」、「an」および「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されない限り、その複数の均等物を含む点に留意されたい。
【0236】
本明細書中に記載される公開文献は全て、これらの公開文献の対象である方法および/または資料の開示および記載のために参照により援用される。本明細書中に記載の公開文献は、本出願の出願日前のその開示内容のみのために提供するものである。本明細書中のいずれの内容も、本技術が先行特許のためにこのような公開文献に先行していないと、認めるものと解釈されるべきではない。さらに、記載の公開文献の日付は、実際の公開文献の日付と異なる場合があり、個別に確認が必要であり得る。
【0237】
さらに、本開示の解釈において、全ての用語は、文脈に沿って広範かつ合理的に解釈されるべきである。詳細には、「comprises」および「comprising」という用語は、要素、構成要素またはステップを非排他的な意味合いで指すものとして解釈されるべきであり、記載の要素、構成要素またはステップが明記されていない他の要素、構成要素またはステップと共に存在、利用または結合され得ることを示す。
【0238】
詳細な説明において用いられる見出しは、読者の便宜のためのものであり、本開示または特許請求の範囲全体において見受けられる内容を制限するために用いられるべきではない。これらの見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の制限の範囲の解釈において用いられるべきではない。
【0239】
本明細書中の技術について、特定の実施形態を参照して述べてきたが、これらの実施形態は本技術の原理および用途を例示したものに過ぎないことが理解されるべきである。いくつかの場合において、用語および記号は、本技術の実施に不要な特定の詳細を示し得る。例えば、「first(第1の)」および「second(第2の)」(など)という用語が用いられるが、他に明記無き限り、これらの用語は任意の順序を示すことを意図しておらず、別個の要素を区別するために用いられる。さらに、本方法におけるプロセスステップについての記載または例示を順序付けて述べる場合があるが、このような順序は不要である。当業者であれば、このような順序が変更可能でありかつ/またはその態様を同時にまたはさらに同期的に行うことが可能であることを認識する。
【0240】
よって、本技術の意図および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態において、において多数の変更例が可能であり、また、他の配置が考案され得ることが理解されるべきである。