(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2020-537815(P2020-537815A)
(43)【公表日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】フレキシブル太陽電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/18 20060101AFI20201127BHJP
H01L 31/076 20120101ALI20201127BHJP
【FI】
H01L31/04 460
H01L31/06 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2019-570572(P2019-570572)
(86)(22)【出願日】2019年3月14日
(85)【翻訳文提出日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】CN2019078134
(87)【国際公開番号】WO2020029581
(87)【国際公開日】20200213
(31)【優先権主張番号】201810904936.5
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201910132351.0
(32)【優先日】2019年2月22日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】516082763
【氏名又は名称】中国科学院蘇州納米技術与納米▲ファン▼生研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】ロン,ジュンファ
(72)【発明者】
【氏名】ルー,シュロン
(72)【発明者】
【氏名】フゥァン,シンピン
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュェフェイ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151AA08
5F151CB14
5F151CB21
5F151DA04
5F151DA15
5F151FA06
5F151FA14
5F151FA18
5F151GA02
5F151GA05
5F151GA12
5F151GA20
5F151HA01
(57)【要約】
【課題】本発明はフレキシブル太陽電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】前記製造方法は裏面電極にフレキシブル基板を製造することにより、前記太陽電池ユニット及びフレキシブル基板を一時的基板に移動させ、フレキシブル太陽電池の製造を完了させた後、さらに、一時的基板をフレキシブル基板から分離する。それにより電池を製造する過程に複雑なボンディング及びディボンディング操作を減少させ、製造効率を向上させることができ、ボンディングに必要な高温の条件の電池に対する損害を回避する。そして、該過程は迅速で、電池を損害しにくい。前記フレキシブル太陽電池における正面電極、裏面電極及びフレキシブル基板はいずれも電気めっき方法により製造することができ、相対コストが低く、産業化の大規模製造に有利である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル太陽電池の製造方法であって、
基板に分離層を製造することと、
前記分離層に太陽電池をフリップチップ成長することと、
前記太陽電池の裏面に裏面電極を製造することと、
前記裏面電極に金属薄膜を製造することと、
前記金属薄膜を一時的基板にボンディングすることと、
前記分離層と前記太陽電池を分離することと、
前記太陽電池の正面に正面電極を製造することと、
前記一時的基板と前記金属薄膜をデボンディングすることと、
を含む、
ことを特徴とするフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記分離層は腐食障壁層であり、前記分離層と前記太陽電池を分離する方法は、
湿式剥離方式を採用し前記基板を腐食し除去することと、
湿式剥離方式を採用し前記腐食障壁層を剥離し除去することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項3】
前記分離層は犠牲層であり、前記分離層と前記太陽電池を分離する方法は、湿式剥離方式を採用し前記犠牲層を除去することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項4】
前記太陽電池の正面に正面電極を製造した後、前記製造方法は、さらに、前記正面電極に反射防止膜を製造することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項5】
前記太陽電池は多接合太陽電池である、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項6】
前記金属薄膜を一時的基板にボンディングする方法は、低温状態で低温ボンディング接着剤を利用し前記金属薄膜と前記一時的基板をボンディングする、
ことを特徴とする請求項1に記載のレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項7】
前記低温ボンディング接着剤は低温硬化シリカゲルである、
ことを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項8】
前記一時的基板と前記金属薄膜をデボンディングする方法は、低温接着剤の洗浄剤を利用し前記低温ボンディング接着剤を溶解させ除去することを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記裏面電極に金属薄膜を製造する方法は、
電気めっき工程を利用し前記裏面電極に電気めっきにより金属薄膜を形成することと、
前記金属薄膜の表面に対して機械化学研磨処理を行うことと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法により製造されるフレキシブル太陽電池である、
ことを特徴とするフレキシブル太陽電池。
【請求項11】
フレキシブル太陽電池の製造方法であって、
第1硬質基板に反転された太陽電池ユニットを製造することと、
前記太陽電池ユニットの裏面に積層設置された裏面電極及びフレキシブル基板を製造することと、
前記フレキシブル基板を接着剤が塗布された第2硬質基板に接着し、焼成により前記接着剤を硬化して、前記フレキシブル基板を第2硬質基板に接着することと、
前記第1硬質基板を前記太陽電池ユニットから分離することと、
前記太陽電池ユニットの正面に正面電極を製造することと、
前記第2硬質基板を剥離することと、を含む、
ことを特徴とするフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項12】
第1硬質基板に反転された太陽電池ユニットを製造する方法は、
第1硬質基板に腐食障壁層を製造することと、
前記腐食障壁層に反転された太陽電池ユニットを製造することと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記太陽電池ユニットの裏面に積層設置された裏面電極及びフレキシブル基板を製造する方法は、
前記太陽電池ユニットの裏面に裏面シード層を電気めっきすることと、
前記裏面シード層に裏面電極を電気めっきすることと、
前記裏面電極に金属薄膜を電気めっきしてフレキシブル基板を形成することと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記金属薄膜は銅薄膜であり、前記第2硬質基板はホウケイ酸ガラスである、
ことを特徴とする請求項13に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記接着剤は剥離可能なシリカゲルであり、前記剥離可能なシリカゲルは前記第2硬質基板に対する接着強度が前記フレキシブル基板に対する接着強度より大きい、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記第1硬質基板を前記太陽電池ユニットから分離する方法は、湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層における第1硬質基板を腐食し除去することを含み、
湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層における第1硬質基板を腐食し除去した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、湿式剥離工程を利用し前記太陽電池ユニットにおける腐食障壁層を除去することを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記太陽電池ユニットの正面に正面電極を製造する方法は、
前記太陽電池ユニットの正面に正面シード層を電気めっきすることと、
前記正面シード層に正面電極を電気めっきすることと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記太陽電池ユニットの正面に正面電極を製造した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、前記太陽電池ユニットの正面電極及び前記太陽電池ユニットの正面の前記正面電極により覆われない領域に反射防止層を製造することを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【請求項19】
前記太陽電池ユニットは多接合太陽電池である、
ことを特徴とする請求項11に記載のフレキシブル太陽電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池の技術分野に関し、特にフレキシブル太陽電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル太陽電池は柔軟性に優れ、動力対質量比が高く携帯しやすいなどの利点を備えるため、様々分野において広範な市場を有する。従来技術において、フレキシブル電池は大面積生産が困難で、コストがずっと高い。主な原因は以下の通りである。フレキシブル電池の材料、特に多接合フレキシブル太陽電池の材料自身は脆質であり、面積が大きいと破砕しやすく、フレキシブル太陽電池のエピタキシャル層の部分を硬質基板に移動させることにより該問題を解決しにくく、例えば、従来技術は二次一時的ボンディングの方法を採用し大面積の多接合フレキシブル太陽電池を製造することが多く、具体的には、エピタキシャル基板に反転された太陽電池ユニットをエピタキシャル成長することにより、それから、太陽電池ユニットの裏面に電子ビーム蒸着工程又はマグネトロンスパッタリング工程により裏面電極を製造した後、裏面電極に1つの一時的基板を一回目に一時的ボンディングすることにより、それから太陽電池ユニットの正面におけるエピタキシャル基板を分離し、太陽電池ユニットの正面に電子ビーム蒸着工程又はマグネトロンスパッタリング工程により正面電極を製造し、次に、前記正面電極に2回目に別の一時的基板をボンディングし、それから一番目の一時的基板と裏面電極をデボンディングした後、前記裏面電極にフレキシブル基板を製造し、最後に2番目の一時的基板と前記太陽電池ユニットをデボンディングし必要な多接合フレキシブル太陽電池を取得する。
【0003】
上記二次一時的ボンディング方法は以下の欠点を有する。共に2回のボンディング操作があり、工程が複雑で、繰り返したボンダによるボンディング及びデボンディング試薬などの補助手段によるデボンディングを行わなければならず、製造コストが高く、製造効率が低い。一番目のボンディング操作は電池表面粗さに対する要求が高く、電池表面粗さを十分に小さくしなければならず、デボンディングが複雑である。そのボンディング操作は高温で行わなければならず、材料の熱膨張係数が異なるため、高温条件でウエハの反りが発生しやすく、歩留まり率を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを鑑みて、上記問題を解決するために、本発明はフレキシブル太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はフレキシブル太陽電池の製造方法を提供する。基板に分離層を製造することと、前記分離層に太陽電池をフリップチップ成長することと、前記太陽電池の裏面に裏面電極を製造することと、前記裏面電極に金属薄膜を製造することと、前記金属薄膜を一時的基板にボンディングすることと、前記分離層と前記太陽電池を分離することと、前記太陽電池の正面に正面電極を製造することと、前記一時的基板と前記金属薄膜をデボンディングすることと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記分離層は腐食障壁層であり、前記分離層と前記太陽電池を分離する方法は、湿式剥離方式を採用し前記基板を腐食し除去することと、湿式剥離方式を採用し前記腐食障壁層を剥離し除去することと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記分離層は犠牲層であり、前記分離層と前記太陽電池を分離する方法は、湿式剥離方式を採用し前記犠牲層を除去することを含む。
【0009】
好ましくは、前記太陽電池の正面に正面電極を製造した後、前記製造方法は、さらに、前記正面電極に反射防止膜を蒸着することを含む。
【0010】
好ましくは、前記太陽電池は多接合太陽電池である。
【0011】
好ましくは、前記金属薄膜を一時的基板にボンディングする方法は、低温状態で低温ボンディング接着剤を利用し前記金属薄膜と前記一時的基板をボンディングすることを含む。
【0012】
好ましくは、前記低温ボンディング接着剤は低温硬化シリカゲルである。
【0013】
好ましくは、前記一時的基板と前記金属薄膜をデボンディングする方法は、低温接着剤の洗浄剤を利用し前記低温ボンディング接着剤を洗浄し除去することを含む。
【0014】
好ましくは、前記裏面電極に金属薄膜を製造する方法は、電気めっき工程を利用し前記裏面電極に電気めっきにより金属薄膜を形成することと、前記金属薄膜の表面に対して機械化学研磨処理を行うことと、を含む。
【0015】
本発明は上記フレキシブル太陽電池の製造方法により製造されるフレキシブル太陽電池を提供する。
【0016】
本発明はフレキシブル太陽電池の製造方法を提供する。前記製造方法は、第1硬質基板に反転された太陽電池を製造することと、前記太陽電池ユニットの裏面に積層設置された裏面電極及びフレキシブル基板を製造することと、前記フレキシブル基板を接着剤が塗布された第2硬質基板に接着し、焼成により前記接着剤を硬化して、前記フレキシブル基板を第2硬質基板に接着することと、前記第1硬質基板を前記太陽電池ユニットから分離することと、前記太陽電池ユニットの正面に正面電極を製造することと、前記第2硬質基板を剥離することと、を含む。
【0017】
好ましくは、第1硬質基板に反転された太陽電池ユニットを製造する方法は、第1硬質基板に腐食障壁層を製造することと、前記腐食障壁層に反転された太陽電池ユニットを製造することと、を含む。
【0018】
好ましくは、前記太陽電池ユニットの裏面に積層設置された裏面電極及びフレキシブル基板を製造する方法は、前記太陽電池ユニットの裏面に裏面シード層を電気めっきすることと、前記裏面シード層に裏面電極を電気めっきすることと、前記裏面電極に金属薄膜を電気めっきしてフレキシブル基板を形成することと、を含む。
【0019】
好ましくは、前記金属薄膜は銅薄膜であり、前記第2硬質基板はホウケイ酸ガラスである。
【0020】
好ましくは、前記接着剤は剥離可能なシリカゲルであり、前記剥離可能なシリカゲルは前記第2硬質基板に対する接着強度が前記フレキシブル基板に対する接着強度より大きい。
【0021】
好ましくは、前記第1硬質基板を前記太陽電池ユニットから分離する方法は、湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層における第1硬質基板を腐食し除去することと、を含み、湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層における第1硬質基板を除去した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、湿式剥離工程を利用し前記太陽電池ユニットにおける腐食障壁層を腐食し除去することと、を含む。
【0022】
好ましくは、前記太陽電池ユニットの正面に正面電極を製造する方法は、前記太陽電池ユニットの正面に正面シード層を電気めっきすることと、前記正面シード層に正面電極を電気めっきすることと、を含む。
【0023】
好ましくは、前記太陽電池の正面に正面電極を製造した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、前記太陽電池ユニットの正面電極及び前記太陽電池ユニットの正面の前記正面電極により覆われない領域に反射防止層を製造することを含む。
【0024】
好ましくは、前記太陽電池は多接合太陽電池である。
【発明の効果】
【0025】
本発明により提供されるフレキシブル太陽電池及びその製造方法は、従来技術の複数回のボンディング、繰り返したエピタキシャル層の移動を行わなければならない解決手段に比べ、ボンディング及びデボンディングの操作を減らし、製造効率を向上させ、産業化の適用価値があり、ボンディングに必要な高温条件で電池に損傷を与えることを回避することができる。フレキシブル太陽電池の製造を完了させた後、一時的基板をフレキシブル基板から直接分離し、過程が迅速で、電池に損傷を与えにくい。そして、前記フレキシブル太陽電池における正面電極、裏面電極及びフレキシブル基板はいずれも電気めっき方法により製造されることができ、相対コストが低く、設備要求が低い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施例1により提供されるフレキシブル太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例1の裏面電極に金属薄膜を製造するフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例1のフレキシブル太陽電池の工程フローチャートである。
【
図4】本発明の実施例1のフレキシブル太陽電池の電池ユニットの構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施例2により提供されるフレキシブル太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【
図6】
図5に対応するフレキシブル太陽電池の工程フローチャートである。
【
図7】本発明の実施例2により提供される太陽電池ユニットの構造を示す図である。
【
図8】本発明の実施例2の例示的に製造されたフレキシブル太陽電池のAM1.5Gスペクトルにおける電流密度と電圧の関係を示した曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にし、図面に合わせて本発明の具体的な実施様態を詳しく説明する。これらの好ましい実施様態の例を図面に示す。図面に示し及び図面により説明された本発明の実施様態は例示的なもので、本発明はこれらの実施様態に限定されない。
【0028】
ここで、説明しなければならないのは、必要としない細部により本発明を明瞭にしないことを回避するため、図面に本発明による解決手段に密接に関連している構造及び/又は処理ステップのみを示し、関連がほとんどないその他の細部を省略する。
【実施例1】
【0029】
図1及び
図3に示すように、本実施例はフレキシブル太陽電池の製造方法を提供し、以下を含む。
【0030】
ステップS01において、基板10に分離層20を製造する。前記基板10が採用するのは半導体材料GaAsであり、GaAs材料バンドギャップは太陽のスペクトルにマッチングし、効率的な多接合太陽電池の成長に有利である。前記分離層20は犠牲層であり、前記犠牲層の材料はA1Asであり、前記犠牲層は前記基板と前記太陽電池を分離する場合に除去しなければならない構造である。
【0031】
ステップS02において、前記分離層20に太陽電池30をフリップチップ成長する。高い光電変換効率の太陽電池30を取得するために、前記太陽電池30は3接合、4接合又はより多い接合に配置されてもよく、電池を異なる帯域の光を吸収させる。本実施例において、前記太陽電池30の各接合はいずれも1つの電池ユニットである。
【0032】
図4に示すように、各電池ユニットはいずれも窓層100、エミッタ領域110、ベース領域120及び裏面電界層130を有し、前記窓層100が所在する面は前記太陽電池30の正面であり、前記裏面電界層130が所在する面は前記太陽電池30の裏面である。前記太陽電池30を製造する場合、前記太陽電池30はフリップチップ成長し、即ち、太陽電池30の各電池ユニットを製造する場合、順に基板に窓層100、エミッタ領域110、ベース領域120及び裏面電界層130を製造する。
【0033】
ステップS03において、前記太陽電池30の裏面に裏面電極40を蒸着する。裏面電極40の材料はTi/Pt/Auである。蒸着工程の具体的な方法は、電子ビームを利用しTi/Pt/Auを蒸発し、それを太陽電池30の裏面に蒸着し、裏面電極40を形成し、それから裏面電極40を高速アニーリングし、太陽電池30とオーミックコンタクトを形成させる。
【0034】
ステップS04において、前記裏面電極40に金属薄膜50を製造し、フレキシブル基板とする。
図2に合わせて、本実施例の前記裏面電極40に金属薄膜50を製造する方法は、具体的には、以下を含む。
【0035】
ステップS041において、電気めっき工程を利用し前記金属薄膜50を前記裏面電極40に蒸着する。前記金属薄膜50の材質はCuであり、金属Cuは優れた延性を有し、フレキシブル基板とすることができる。
【0036】
ステップS042において、前記金属薄膜50の表面に対して機械化学研磨処理を行う。ボンディング操作の操作表面粗さに対する要求が高く、表面粗さをできる限り小さくしなければならないため、前記金属薄膜50に対して機械化学研磨処理を行うことができ、処理が完了した後、前記金属薄膜50の厚さは10〜20μmである。当然ながら、前のステップの電気めっき工程により製造された金属薄膜50は十分に平らであり、その表面粗さを十分に小さくしボンディング操作の要求を満たす場合、ステップS042を実行せずに前記金属薄膜50の表面に対して機械化学研磨処理を行う。
【0037】
ステップS05において、前記金属薄膜50を一時的基板70にボンディングする。前記ボンディング工程は真空環境で行い、高真空はボンディング界面の気体分子の排出に役立ち、接触面積を増加させ、低温ボンディング接着剤60を採用し前記金属薄膜50を一時的基板70に結合させ、前記一時的基板70は太陽電池の熱膨張係数に近い材料であり、GaAs又はガラスであってもよい。前記低温ボンディング接着剤60は熱硬化温度が90℃であり、熱安定性温度が300℃の低温硬化シリカゲルである。
【0038】
ステップS06において、前記分離層20と前記太陽電池30を分離し、本実施例において、前記分離層20は犠牲層であり、前記犠牲層と前記太陽電池30を分離させる方法は湿式剥離工程であり、湿式剥離工程により犠牲層を腐食させ、前記基板10と前記太陽電池30の分離を実現することができ、分離した後の前記基板10に損害を与えることがなく、再利用することができる。
【0039】
ステップS07において、前記太陽電池30の正面に正面電極80を蒸着する。基板を分離した後、前記太陽電池30の正面を露出させ、正面に正面電極80を蒸着し、正面電極80の材料はAuGe/Ni/Auであり、蒸着後にアニーリングせずに太陽電池30とオーミックコンタクトを形成することができ、AuGe/Ni/Auは櫛形構造となり、光を通して太陽電池30に照射するだけではなく、電流収集を実現することもできる。一度に製造された電池が大きいと、太陽電池30にアイソレーション溝をエッチングすることができ、太陽電池30を必要な大きさに分割する。
【0040】
ステップS08において、前記正面電極80に反射防止膜90を蒸着する。反射防止膜90は正面電極80を覆い、電池表面の光に対する反射を大幅に低下させ、より多いの光エネルギーは電池に吸収されることができ、太陽電池30のエネルギー変換率を向上させる。
【0041】
ステップS09において、前記一時的基板70と前記金属薄膜50をデボンディングする。金属薄膜50と一時的基板70の間に応力が存在するため、低温接着剤の洗浄剤において、低温ボンディング接着剤が次第に溶解するに従い、金属薄膜50と一時的基板70の間に格子定数と熱膨張係数の差による応力が存在するために、金属薄膜50と一時的基板70を分離し、即ち、前記フレキシブル太陽電池を取得することができ、分離後の前記一時的基板70は破壊することがなく、再利用することができる。
【0042】
好ましい実施様態として、本実施例に記載の太陽電池30は3つの電池ユニットを有し、順にそれぞれGaInPサブ電池、GaAsサブ電池及びInGaAsサブ電池である。前記太陽電池30の前記基板における製造順序は、順に前記GaInPサブ電池、前記GaAsサブ電池及び前記InGaAsサブ電池である。前記GaInPサブ電池のバンドギャップは1.88eVであり、前記GaAsサブ電池のバンドギャップは1.42eVであり、前記InGaAsサブ電池のバンドギャップは1.05eVである。前記InGaAsサブ電池はミスマッチ成長する。
【0043】
別の好ましい実施様態として、前の実施様態と異なるのは、前記分離層20は腐食障壁層であり、前記腐食障壁層は前記基板と前記太陽電池を分離する場合に前記太陽電池に損害を与えることを阻止するのに用いられ、前記腐食障壁層の材料はGaInPである。前記分離層20と前記太陽電池30を分離する方法は、湿式剥離の方法を採用し前記基板10を剥離し、基板10を除去する溶液は過酸化水素、水酸化アンモニウム及び水により調和された混合溶液であり、その場合、腐食障壁層の太陽電池30に対する保護役割を果たし、前記基板10を全部腐食したまで、再び湿式剥離の方法を採用し前記腐食障壁層を剥離し、腐食障壁層を除去する溶液は塩酸及びリン酸により調和された混合溶液であってもよく、腐食が完了した後、太陽電池30の正面を露出させる。しかし、このような方法は前記基板10を破壊することになり、前記基板10を再利用することができない。
【0044】
本実施例はフレキシブル太陽電池及びその上記製造方法を提供し、電池を製造する過程において、一次のボンディング及びデボンディングのみを行うことにより、従来技術の二次ボンディング及びデボンディングに比べ、より簡単であり、製造効率を向上させ、デボンディング過程は迅速で電池及び一時的基板70に損害を与えることがなく、電気めっきされた金属薄膜50の延性を利用しフレキシブル基板として、柔軟性に優れるだけではなく、さらに製造コストを低下させ、産業化の適用価値がある。
【実施例2】
【0045】
図5及び
図6に示すように、本実施例は別のフレキシブル太陽電池の製造方法を提供し、前記製造方法は以下を含む。
【0046】
ステップS1において、第1硬質基板に反転された太陽電池ユニット2を製造し、前記太陽電池2は実施例1における太陽電池30の電池ユニットに相当する。
図7に示すように合わせて、前記太陽電池ユニット2は前記第1硬質基板1に順に積層設置された正面コンタクト層21、窓層22、エミッタ領域23、ベース領域24及び裏面コンタクト層25を含み、前記正面コンタクト層21の所在する面は前記太陽電池ユニット2の正面であり、光線は前記太陽電池ユニットの正面から入射しなければならず、前記裏面コンタクト層25の所在する面は前記太陽電池2の裏面である。
【0047】
本実施例において、具体的には、第1硬質基板に反転された太陽電池ユニット2を製造する方法は、
第1硬質基板1に腐食障壁層11を製造することと、
前記腐食障壁層11に反転された太陽電池ユニット2を製造することと、を含む。
【0048】
前記腐食障壁層11は後に湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層11における第1硬質基板1を腐食し除去し、腐食液の前記太陽電池ユニット2に対する腐食を阻止することができ、前記太陽電池ユニット2を保護し、前記腐食障壁層11は実施例1における分離層20に相当する。前記腐食障壁層11の厚さは150〜170nmであり、好ましくは160nmである。
【0049】
具体的には、前記第1硬質基板1はGaAs基板を選択し、前記GaAs基板に順に前記太陽電池ユニット2の正面コンタクト層21、窓層22、エミッタ領域23、ベース領域24及び裏面コンタクト層25をエピタキシャル成長し、反転された太陽電池ユニット2を形成する。本実施例において、前記太陽電池2は多接合太陽電池である。例示的に、GaInP/GaAs/InGaAsの3接合太陽電池であり、GaInP太陽電池、GaAs太陽電池及びInGaAs太陽電池は順に前記第1硬質基板に反転するように成長し、三者のバンドギャップは順にそれぞれ1.9eV、1.42eV及び1.05eVであり、前記InGaAs太陽電池はミスマッチ成長する。
【0050】
ステップS2において、前記太陽電池ユニット2の裏面に積層設置された裏面電極3及びフレキシブル基板4を製造する。前記裏面電極3が前記太陽電池ユニット2の裏面にオーミックコンタクトを形成する。
【0051】
具体的には、前記太陽電池ユニット2の裏面に積層設置された裏面電極3及びフレキシブル基板4を製造する方法は、
前記太陽電池ユニット2の裏面に裏面シード層31を電気めっきすることと、
前記裏面シード層31に裏面電極3を電気めっきすることと、
前記裏面電極3に金属薄膜を電気めっきしてフレキシブル基板4を形成することと、を含む。
【0052】
電極を電気めっきしなければならない場合、まずコンタクト層にシード層、例えば、Ni薄膜を電気めっきすることにより、それから、さらにシード層に電気めっきによりオーミックコンタクトの電極を形成し、電極の安定に有利である。例示的に、前記裏面電極3はTi、Pt、Au及びCuなどの金属又は合金であり、前記裏面電極3の厚さは500ナノメートルより小さい。銅に比べて、コバール合金が電池材料の熱膨張係数に近く、応力の電池性能に対する影響を減少させるのに有利であるため、本実施例において、前記金属薄膜はコバール合金薄膜であることが好ましく、前記裏面電極3に電気めっきされた薄膜をフレキシブル基板とすることにより、前記薄膜の厚さは10〜20マイクロンであり、15マイクロンであることが好ましい。さらに、前記フレキシブル基板4の表面にさらに抗酸化処理を行わなければならない。
【0053】
ステップS3において、前記フレキシブル基板4を接着剤が塗布された第2硬質基板5に接着し、焼成により前記接着剤6を硬化して、前記フレキシブル基板4を第2硬質基板5に接着する。前記第2硬質基板5を太陽電池ユニット2のエピタキシャル部分を移動させる一時的基板とし、前記太陽電池ユニット2のエピタキシャル材料の熱膨張係数に近いホウケイ酸ガラスを採用する。
【0054】
さらに、焼成により前記接着剤を硬化する方法は、具体的には、前記第2硬質基板5をホットプレートに置き焼成して前記接着剤6を硬化する。上記ステップは低温の焼成方式を利用し前記接着剤6を硬化し、従来技術のボンディング解決手段を使用せず、高温環境の電池に対する損害を回避する。
【0055】
例示的に、本実施例において、前記接着剤6は剥離可能なシリカゲルであり、前記剥離可能なシリカゲルの前記第2硬質基板5に対する接着強度が前記フレキシブル基板4に対する接着強度より大きいため、後ろのステップは前記フレキシブル基板4から前記第2硬質基板5を直接剥離した際、前記接着剤6はより前記第2硬質基板5に接着する傾向があり、前記第2硬質基板5は前記接着剤6とともに前記フレキシブル基板から剥離することができる。例示的に、前記焼成時間は20分間であることが好ましく、前記焼成温度は90℃より低い。
【0056】
例示的に、本実施例は前記第2硬質基板5に塗布された接着剤6が半固体状になる場合、前記フレキシブル基板4を前記第2硬質基板5の接着剤6に接着し焼成による硬化を行い、接着剤6の硬化後の前記フレキシブル基板4と第2硬質基板5の間の接着が十分に確実であることを保証するだけではなく、その過程において前記フレキシブル基板4を自動で第2硬質基板5における接着剤6により吸着され接触界面における空気を排出し尽くし、よって移動効率及び製品品質を向上させることができる。前記半固体状態とは未硬化状態と完全な硬化状態の間の状態を指す。本実施例におけるフレキシブル基板4及び第2硬質基板5は電池材料の熱膨張係数に近く、製造過程において応力の電池性能に対する影響を大幅に減少させ、フレキシブル電池の品質を向上させる。
【0057】
従来技術における二次一時的ボンディングの方法に比べて、本実施例はフレキシブル太陽電池の正面電極7を製造する前にまず金属薄膜を電気めっきによりフレキシブル基板4を形成し、前記フレキシブル基板4を前記第2硬質基板5に接着してエピタキシャル層の移動を完了させる。前記フレキシブル基板4が前記第2硬質基板5に接触することにより、裏面コンタクト層25の表面粗さが大きすぎることによるエピタキシャル層を移動させた後の正面コンタクト層21の表面の平らでない問題及び裏面コンタクト層25又は裏面電極3における一時的基板に対するボンディングの難しさが大きく、設備に対する要求が高い問題を回避する。また、同様に、金属薄膜を電気めっきするようにフレキシブル基板4を形成した後、さらなる研削及び研磨の方法を選択し前記フレキシブル基板4の表面粗さを低下し続け、表面を滑らか且つ平らにして製造要求に応じる。
【0058】
ステップS4において、前記第1硬質基板1を前記太陽電池ユニット2から分離する。
【0059】
具体的には、前記第1硬質基板1を前記太陽電池ユニット2から分離する方法は、湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層11における第1硬質基板を腐食し除去することを含み、
湿式剥離工程を利用し前記腐食障壁層11における第1硬質基板1を腐食し除去した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに湿式剥離工程を利用し前記太陽電池ユニット2における腐食障壁層11を腐食し除去することを含む。
【0060】
前記ステップS4において、湿式剥離工程によれば、腐食液を採用し第1硬質基板1及び腐食障壁層11に対して選択腐食を行い、約4インチの第1硬質基板及び約160nmの厚さの腐食障壁層11を完全に除去することを実現し、電池に損害を与えることがない。
【0061】
ステップS5において、前記太陽電池2の正面に正面電極7を製造する。
【0062】
具体的には、前記太陽電池2の正面に正面電極7を製造する方法は、
前記太陽電池ユニット2の正面に正面シード層71を電気めっきすることと、
前記正面シード層71に正面電極7を電気めっきすることと、を含む。
【0063】
前記正面電極7は前記太陽電池ユニット2の正面に櫛状配列され、前記太陽電池ユニット2の正面の前記正面電極7及び正面シード層71により覆わない領域において、正面コンタクト層21を除去して窓層22を露出させ、光に対する遮蔽を回避する。本実施例において、電気めっき方法を利用し正面電極7、裏面電極3及びフレキシブル基板4を製造し、全部電気めっき方式により金属膜層を製造し、従来技術における電子ビーム蒸着又はマグネトロンスパッタリング方式によりオーミックコンタクト電極を製造することに比べ、電気めっき方法は設備に対する要求が低く、必要なコストが低い。
【0064】
例示的に、前記正面電極7はAuGe、Ni、Au及びCuのうちのいずれかの合金又は金属であり、前記正面電極7の厚さは500ナノメートルである。
【0065】
ステップS6において、前記第2硬質基板5を剥離する。上記のように、電気めっきされた金属薄膜を採用しフレキシブル基板4として前記第2硬質基板5に接着し、金属薄膜からなる前記フレキシブル基板4の柔軟性に優れるため、前記フレキシブル基板4から前記第2硬質基板5を直接剥離し、前記太陽電池ユニットに損害を与えることがない。上記電気めっきにより製造された金属薄膜は太陽電池のエピタキシャル層を効果的に支持し、ディボンディング操作によるエピタキシャル層の破裂を回避する。
【0066】
さらに、前記太陽電池ユニットの正面に正面電極7を製造した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、前記太陽電池ユニット2の側壁に前記側壁を覆ったパッシベーション層を製造することを含む。前記パッシベーション層は絶縁材料であり、前記太陽電池ユニットの側壁を保護するのに用いられ、漏電を防止する。例示的に、本実施例において、前記パッシベーション層は窒化ケイ素材料を選択し、前記パッシベーション層の厚さは290nm〜310nmであり、好ましくは300nmである。
【0067】
さらに、前記太陽電池ユニット2の正面に正面電極7を製造した後、前記フレキシブル太陽電池の製造方法は、さらに、前記太陽電池ユニットの正面電極7及び前記太陽電池ユニット2の正面の前記正面電極により覆わない領域に反射防止層8を製造する。
【0068】
前記反射防止層8は太陽電池の表面の光に対する反射を大幅に減少させることができ、より多くの光子は電池により吸収され、光電変換効率を向上させ、前記反射防止層8は実施例1における反射防止膜90に相当する。本実施例において、前記反射防止層8はTiO
2/SiO
2/TiO
2/SiO
2の4層の光学膜により構成される。
【0069】
本発明はさらにフレキシブル太陽電池を提供し、前記フレキシブル太陽電池は上記のフレキシブル太陽電池の製造方法により製造される。
【0070】
図8に示すように、本発明は例示的に4インチのフレキシブル太陽電池を製造し、AM1.5Gスペクトルにおける電流密度と電圧の関係を示した曲線からわかるように、その光電変換効率(Eff)は28.8%を達成し、開路電圧(Voc)は約2.74Vであり、短絡電流密度(Jsc)は約13.07mA/cm
2であり、充填因子(FF)は約80.76%である。
【0071】
本発明の実施例により提供されるフレキシブル太陽電池及びその製造方法は、裏面電極3に製造されたフレキシブル基板4は接着剤6により第2硬質基板5に移動させ、前記接着剤6の硬化は低温の焼成方法により実現され、ボンディングに必要な高温の条件の電池に対する損害を回避し、フレキシブル太陽電池の製造が完了した後、第2硬質基板5をフレキシブル基板4から直接剥離することができ、従来技術の複数回のボンディング、繰り返したエピタキシャル層に対する移動を行わなければならない方法に比べ、ボンダによるボンディングを必要とせず、直接な剥離方式により前記第2硬質基板5を剥離し付加の補助的手段によりデボンディングを必要とせず、同様に製造効率を向上させる。
【0072】
説明しなければならないのは、本文において、例えば、第1及び第2のような関係用語は1つの実体又は操作と別の実体又は操作を区別するもので、これらの実体又は操作の間には必ず如何なるこのような実際の関係又は順序を求め又は暗示するとは限らない。用語「含む」、「含める」又はいずれのその他の変体は非排他的な包含を含むためで、よって一連の要素を含む過程、方法、物品又は設備はそれらの要素を含むだけではなく、明確に列挙されないその他の要素も含み、又はこのような過程、方法、物品又は設備の固有の要素をさらに含む。より多くの制限が存在しない場合、ステートメント「1つ……を含み」により限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は設備にさらに別の同じである要素が存在することを排除しない。
【0073】
上記は本願の具体的な実施様態に過ぎず、当業者であれば、本願の原理を逸脱しない前提において、いくつかの改良及び補正を行うことができ、これらの改良及び補正は本願の保護範囲に属するべきであることを指摘しなければならない。
【国際調査報告】