(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-500170(P2021-500170A)
(43)【公表日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】人体に導入するための生体適合性複合材料
(51)【国際特許分類】
A61L 27/18 20060101AFI20201204BHJP
A61L 27/58 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/28 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/40 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/56 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/14 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/22 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/24 20060101ALI20201204BHJP
A61L 27/54 20060101ALI20201204BHJP
A61L 29/08 20060101ALI20201204BHJP
A61L 29/06 20060101ALI20201204BHJP
A61L 29/12 20060101ALI20201204BHJP
A61L 29/14 20060101ALI20201204BHJP
A61L 29/16 20060101ALI20201204BHJP
【FI】
A61L27/18
A61L27/58
A61L27/28
A61L27/40
A61L27/56
A61L27/14
A61L27/22
A61L27/20
A61L27/24
A61L27/54
A61L29/08
A61L29/06
A61L29/12
A61L29/14 500
A61L29/16
A61L29/14 400
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-523247(P2020-523247)
(86)(22)【出願日】2018年10月26日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月24日
(86)【国際出願番号】EP2018079394
(87)【国際公開番号】WO2019081700
(87)【国際公開日】20190502
(31)【優先権主張番号】102017009989.8
(32)【優先日】2017年10月26日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501479868
【氏名又は名称】カール・フロイデンベルク・カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Carl Freudenberg KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カール−ハインツ ヘッフェルス
(72)【発明者】
【氏名】ドゥニ レベル
(72)【発明者】
【氏名】ディアク グラファーレント
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ カウル
(72)【発明者】
【氏名】角前 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター ゲルマン
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AB11
4C081AC08
4C081BA16
4C081CA16
4C081CA27
4C081CD08
4C081CD09
4C081CD11
4C081CD12
4C081CD15
4C081CE02
4C081DA03
(57)【要約】
本発明は、人体に完全に、または部分的に導入するための生体適合性複合材料(1)であって、エラストマー材料を含む少なくとも1つの層(2)と、この層(2)に配置されて複合材料(1)の表面を形成する少なくとも1つのテキスタイルシート材料(3)とを含み、ここで、テキスタイルシート材料(3)が、エラストマー材料でできた層(2)に少なくとも部分的に埋め込まれた生体吸収性繊維を有する、生体適合性複合材料(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に完全に、または部分的に導入するための生体適合性複合材料(1)であって、エラストマー材料を含む少なくとも1つの層(2)と、この層(2)に配置されて前記複合材料(1)の表面を形成する少なくとも1つのテキスタイルシート材料(3)とを含み、前記テキスタイルシート材料(3)は、前記エラストマー材料でできた層(2)に少なくとも部分的に埋め込まれた生体吸収性繊維を有することを特徴とする、生体適合性複合材料(1)。
【請求項2】
前記エラストマー材料でできた層(2)への前記生体吸収性繊維の埋め込みが、前記テキスタイルシート材料(3)を、エラストマー前駆体材料、たとえば未加硫シリコーン層に適用し、この層に押し込むことによって得られたことを特徴とする、請求項1記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項3】
前記テキスタイルシート材料(3)が不織布であることを特徴とする、請求項1または2記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項4】
前記テキスタイルシート材料が、50μm〜300μm、有利には70〜250μm、より好ましくは100〜200μmの平均孔径を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項5】
前記身体への導入後、前記テキスタイルシート材料(3)の生体吸収に基づき、前記エラストマー材料でできた層(2)内に、経時的に空洞が形成されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項6】
DIN 53504 S2に基づき200mm/分の速度で測定して、50%〜500%、有利には200%〜500%、より好ましくは400%〜500%の弾性率を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項7】
前記複合材料(1)の表面上の前記テキスタイルシート材料(3)の割合が、50%超、より好ましくは70%超、さらにより好ましくは90%超、特に約100%であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項8】
前記生体吸収性繊維が、天然高分子系、タンパク質、ペプチド、糖、キトサン、キチン、ゼラチン、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、プルラン、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリエステルアミドならびにそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択される生体吸収性繊維材料を有し、かつ/または、それぞれ前記生体吸収性繊維の総質量を基準として、少なくとも70質量%および/または少なくとも80質量%および/または少なくとも90質量%および/または少なくとも95質量%が前記材料からなることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項9】
前記生体吸収性繊維の中および/または上に、抗菌剤、麻酔剤、抗炎症剤、抗瘢痕剤、抗線維化剤、化学療法剤およびロイコトリエン阻害剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬剤が存在することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項10】
前記生体吸収性繊維が、連続フィラメントおよび/または5mm、たとえば5mm〜10cmの最小長さを有するステープルファイバーとして形成されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項11】
前記テキスタイルシート材料(3)が、回転紡糸法で製造された不織布であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項12】
前記エラストマー材料でできた層(2)がシリコーンエラストマーを有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項13】
身体アクセス用の医療デバイスとして、特にカテーテルとして形成され、以下の特徴:
a.前記エラストマー材料でできた層が、シェル(4)の形状で形成されているという特徴、
b.前記シェル(4)の外側に、前記生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料(3)がコーティングとして配置されているという特徴
を有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)。
【請求項14】
以下の工程:
a.担体層を提供する工程;
b.生体適合性エラストマー前駆体材料、特に未加硫シリコーンを前記担体層の片側に適用する工程;
c.生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料を前記エラストマー前駆体材料に適用する工程であって、前記テキスタイルシート材料の前記繊維を前記エラストマー前駆体材料に少なくとも部分的に浸透させる工程;
d.前記エラストマー前駆体材料を架橋してエラストマー材料を形成する工程
を含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)を製造する方法。
【請求項15】
特にインプラントとしての、たとえば、ボイスプロテーゼとしての、かつ/または身体アクセス用の、たとえば、カテーテルもしくはフィステルアダプターとしての、人体に完全に、または部分的に導入するための医療デバイスを製造するための、請求項1から13までのいずれか1項記載の生体適合性複合材料(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に完全に、または部分的に導入するための、特に人体へ移植するための複合材料に関する。本発明はさらに、複合材料を製造する方法、および人体に完全に、または部分的に導入するための医療デバイス、特にインプラントを製造するためのその使用に関する。
【0002】
人体に導入される材料には、高い要求、たとえば良好な生体適合性が課せられる。生体適合性とは、生物学的環境における材料の特性を指し、状況に適合した所定の機能を実行するのと同時に、材料に対するレシピエントの身体の応答を受容することができることである。これは、医療デバイスについて、DIN EN ISO 10993規格に基づく承認の一環として検査される。以下では、DIN EN ISO 10993(年度)に基づく試験に合格したものを「生体適合性」材料と解釈する。
【0003】
人体に永続的に留まる材料には特に高い要求が課せられる。たとえば、インプラントは、体内に埋め込まれた材料として永続的に、または少なくとも数日間にわたって体内に留まる必要があるので、高い要件を満たさなければならない。医療用インプラントには、身体機能をサポートまたは代用する役割があり、プラスチック製のインプラントでは、場合により機能しなくなった身体部分の形状が修復または変更される必要がある。
【0004】
インプラントによく使用されるシリコーンには、基本的に生体適合性があるものの、望ましくない免疫応答が時々発生する。移植後にレシピエントの身体の免疫系が活性化され、異物を吸収しようとする。異物の特性により免疫細胞が吸収に達しない場合、身体はインプラントを繊維状シェルで包み始め、それによって周囲の組織から分離する。この分離は、瘢痕組織でできた被膜が硬化し、周囲の組織の変形につながる場合には、少なくとも問題となる。
【0005】
インプラントの表面と構造とが、インプラントを備えたレシピエントの身体の扱いにとって重要であることが知られている。たとえば、構造化表面は、レシピエントの身体でより大きな受容性を示し、上記の被膜形成の発生がより少ない(米国特許出願公開第2012/0209381号明細書(Allergan)、被膜収縮が少ない構造化表面)。通常使用される構造化材料の欠点は、自己組織とインプラントとの直接的な相互作用を可能にしないため、それらが移植部位で100%固定されないことである。
【0006】
別のアプローチは、レシピエントの身体と相互作用し得るインプラントの表面に生体適合性材料を使用することである。これらは、自己細胞によって分解され、代謝または排泄される生体吸収性材料であり得る。これらの材料が支持構造として考案される場合、細胞はこれらの構造に移動して、新しい自己組織を構築することができる。その間に支持構造材料は吸収される。
【0007】
現在、このアプローチを追求する製品は市場にない。これはおそらく、吸収の過程でインプラントが機能を失ってしまうと考えられるからである。
【0008】
この点を踏まえて、本発明の課題は、上記の欠点を少なくとも部分的に克服し、特に、人体に導入した場合、免疫系によって良好に受け入れられ、良好な長期安定性を有する、人体に完全に、または部分的に導入するための複合材料を提供することである。
【0009】
この課題は、エラストマー材料を含む少なくとも1つの層と、この層に配置されて複合材料の表面を形成する少なくとも1つのテキスタイルシート材料(textiles Flaechengebilde)とを含む、人体に完全に、または部分的に導入するための生体適合性複合材料によって解決され、ここで、テキスタイルシート材料は、エラストマー材料でできた層に少なくとも部分的に埋め込まれた生体吸収性繊維を有する。
【0010】
本発明による複合材料では、テキスタイルシート材料とエラストマー材料との間の結合は、エラストマー材料でできた層に少なくとも部分的に埋め込まれている生体吸収性繊維を介して媒介され得る。
【0011】
この埋め込みは、たとえば、テキスタイルシート材料を、エラストマーの前駆体材料、たとえば未加硫シリコーン層に適用し、これを層に押し込むことによって得ることができる。この押し込みは、テキスタイルシート材料の繊維を前駆体層に導入するためにある。引き続き、たとえば、前駆体を加硫してエラストマー材料を形成することによって、複合材料を固化させ、そのエラストマー部分を硬化させることができる。
【0012】
生体吸収性繊維をエラストマー材料でできた層に埋め込むことによって、高い層接着力を有する安定した複合材料を得ることができる。ここで、高い層接着力とは、複合材料を通常の方法で取り扱うことができ、たとえば、エラストマー材料とテキスタイルシート材料との間の接着力がなくなることなく、人体に導入できることを意味する。
【0013】
そのうえ、本発明による複合材料は、人体に完全に、または部分的に導入した場合、多数の更なる利点を提供する。
【0014】
生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料から形成された表面を有することが複合材料にとって有利である。なぜなら、こうして、周囲の組織との生体適合性を高める相互作用が可能になるからである。テキスタイルシート材料は、その繊維構造に基づき三次元構造を有している。上記で説明したように、構造化表面は、望ましくない免疫応答の発生頻度を最小限に抑えることができるため、そのような表面は、生体系としての身体と相互作用するインプラントやその他の医療デバイスに非常に適している。不織布が特に好ましい。なぜなら、繊維がランダム構造として存在し、強力な三次元構造を有しているからである。
【0015】
表面の三次元構造の現れ方の可能な尺度は、テキスタイルシート材料の平均孔径である。有利には、テキスタイルシート材料は、50μm〜300μm、有利には70〜250μm、より好ましくは100〜200μmの平均孔径を有する。細孔径の測定は、エラストマー材料に導入される前に行われる。ASTM E 1294(1989)に準拠して測定される。
【0016】
生体吸収性繊維は、体内に導入された後、経時的に吸収され得る。ここで、生体吸収性繊維がエラストマー層内にも存在することが有利である。なぜなら、生体吸収の際に、複合材料の表面上の動的に変化する三次元構造に匹敵する、エラストマー材料でできた層における空洞を形成するからである。したがって、経時的に、エラストマー材料でできた層に空洞が設けられる。空洞の形成は、一般に連続的に行われ、ここで、有利には、テキスタイルシート材料の半分超、より好ましくは75質量%超、特に90質量%超が60日後に吸収される。こうして、エラストマー材料でできた層は、徐々に複合材料の表面層になり、上記の利点を有する永続的な構造を与えることができる。動的に変化する表面は、早くも吸収中に、自己細胞に三次元環境を提供し、この環境は、自己細胞によりコロニー化され、通常の創傷治癒プロセスを通じて変質しうる。この結果、本発明による複合材料は、身体組織の内殖と、ひいては自己組織によってテキスタイルシート材料を少しずつ置き換えることを可能にする。
【0017】
本発明による複合材料の更なる利点は、少なくとも体内への導入後初めて、生体吸収性コーティングによってエラストマー材料の表面が体内で組織から分離され得ることで、移植後のその受容性と組織適合性とが高められる。
【0018】
そのうえ、本発明による複合材料は、エラストマー材料を使用することにより、優れた弾性を有し得ることを特徴とする。こうして、身体の外側と内側との変形力に十分に適応することが保証され得る。高い弾性が特に有利であるのは、たとえばインプラントとしての複合材料が、身体の可能な限り小さい開口部を通して体内に導入される場合である。その高い弾性により、複合材料を強く変形させることができ、たとえば引き伸ばすことができるため、小さな身体の開口部を通して体内に取り込むことができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、複合材料は、DIN 53504 S2に基づき200mm/分の速度で測定して、50%〜500%、有利には200%〜500%、より好ましくは400%〜500%の弾性率を有することを特徴とする。本発明による複合材料がそのような高い弾性率を有し得ることは、当業者にとって驚くべきことであった。特に、コーティングの層間剥離が引張応力下で発生すると予想されていた。これを回避できるという事実は、おそらく本発明による複合材料の高い層接着力に帰せられる。
【0020】
複合材料が人体に留まる時間が長いほど、有利な効果が顕著になる。
【0021】
当然のことながら、三次元構造の表面によって引き起こされる効果は、インプラントの表面上のテキスタイルシート材料の割合が高いほど顕著になる。したがって、本発明の有利な実施形態では、複合材料の表面上のテキスタイルシート材料の割合は、50%超、より好ましくは70%超、さらにより好ましくは90%超、特に100%である。上記の値は、人体に導入される前の状態に関する。
【0022】
生体吸収性繊維には、多種多様な繊維材料が含まれ得る。有利には、繊維は、天然高分子系、タンパク質、ペプチド、糖、キトサン、キチン、ゼラチン、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、プルラン、ヒアルロン酸、ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ無水物、ポリリン酸エステル、ポリエステルアミドならびにそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択される生体吸収性繊維材料を有し、かつ/または、それぞれ生体吸収性繊維の総質量を基準として、少なくとも70質量%および/または少なくとも80質量%および/または少なくとも90質量%および/または少なくとも95質量%が前記材料からなる。
【0023】
本発明の更なる実施形態では、繊維材料は、完全に上記の材料からなり、ここで、慣用の助剤、たとえば触媒残留物が繊維材料中に含まれていてもよい。
【0024】
本発明の特に好ましい実施形態では、繊維は、生体吸収性繊維材料としてゼラチンのみを有し、かつ/または、それぞれ生体吸収性繊維の総質量を基準として、少なくとも70質量%および/または少なくとも80質量%および/または少なくとも90質量%および/または少なくとも95質量%がゼラチンからなる。本発明によれば、ブタゼラチンはウシ海綿状脳症(BSE)の媒介物ではないことから好ましい。
【0025】
そのうえ、生体吸収性繊維は、通常、水を含んでいる。たとえば、1質量%〜15質量%の量で含む。
【0026】
本発明の更なる好ましい実施形態では、生体吸収性繊維は、少なくとも1つの親水性添加剤をさらに含む。これも有利には生体吸収性である。有利には、親水性添加剤は、以下のものからなる群から選択される:カルボマー[9003−01−4]、酢酸エテニルエステル、1−エテニル−2−ピロリジノンを有するポリマー[25086−89−9]、1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマー[9003−39−8]、セルロースヒドロキシプロピルメチルエーテル[9004−65−3]、ポリカルボフィル[9003−97−8]、1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマー[9003−39−8]、メチルセルロース(E 461)、エチルセルロース(E 462)、ヒドロキシプロピルセルロース(E 463)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(E 464)、メチルエチルセルロース(E 465)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(E 466)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースグリコレート=カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテート(たとえば、Chisso、Eastmanから入手可能)、セルロースアセテートブチレート(たとえば、Eastman、FMCから入手可能)、セルロースアセテートマレエート、セルロースアセテートフタレート(たとえば、Eastman、FMC、Parmentierから入手可能)、セルロースアセテートトリメリテート(たとえば、Eastman、Parmentierから入手可能)、セルロース脂肪酸エステル(セルロースジラウレート、セルロースジパルミテート、セルロースジステアレート、セルロースモノパルミテート、セルロースモノステアレート、セルローストリラウレート、セルローストリパルミテート、セルローストリステアレート、寒天[9002−18−0]、アルギン酸[9005−32−7]、アルギン酸アンモニウム[9005−34−9]、アルギン酸カルシウム[9005−35−0]、セルロース、カルボキシメチルエーテル、カルシウム塩[9050−04−8]、セルロース、カルボキシメチルエーテル、ナトリウム塩[9004−32−4]、カラギーナン[9000−07−1]、カラギーナン[9062−07−1]、カラギーナン[11114−20−8]、カラギーナン[9064−57−7]、セルロース[9004−34−6]、キャロブガム[9000−40−2]、コーンスターチおよびアルファ化デンプン、デキストリン[9004−53−9]、セルロース、2−ヒドロキシエチルエーテル[9004−62−0]、ヒドロキシエチルメチルセルロース[9032−42−2]、セルロース、2−ヒドロキシプロピルエーテル[9004−64−2]、セルロース、2−ヒドロキシプロピルエーテル(低置換)[9004−64−2]、ヒドロキシプロピルデンプン[113894−92−1]、エテノール、ホモポリマー[9002−89−5]、アルギン酸カリウム[9005−36−1]、ヒアルロン酸ナトリウム[9067−32−7]、デンプン[9005−25−8]、アルファ化デンプン[9005−25−8]、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール。ここで、上記の親水性添加剤は、たとえば、それぞれ生体吸収性繊維の総質量を基準として、0.1質量%〜30質量%、有利には0.5質量%〜20質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%の量で存在する。本発明によれば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリエチレンオキシドおよびポリエチレングリコールが特に好ましい。
【0027】
親水性添加剤を使用する利点は、それらを用いて、たとえば10秒未満、有利には5秒未満、より好ましくは2秒未満の特に高い初期湿潤性を達成できることである。高い初期湿潤性は、複合材料が人体に導入される前に有効成分溶液でテキスタイルシート材料を浸すことができるようにするために有利である。
【0028】
特に、人体における本発明による複合材料の使用に関して、生体吸収性繊維の中および/または上に、抗菌剤、麻酔剤、抗炎症剤、抗瘢痕剤、抗線維化剤、化学療法剤およびロイコトリエン阻害剤からなる群から選択される1つまたは複数の薬剤が存在する場合、特に好都合であり得る。ここで、感染を回避するために、抗菌物質および/または抗生物質が特に適している。
【0029】
生体吸収性繊維は、連続フィラメントまたはステープルファイバーであってもよく、ここで、連続フィラメントとは、理論的に無制限の長さを有する繊維を意味し、ステープルファイバーとは、制限された長さを有する繊維を意味すると理解される。本発明の好ましい実施形態では、生体吸収性繊維は、連続フィラメントおよび/または5mm、たとえば5mm〜10cmの最小長さを有するステープルファイバーとして形成されている。実際の試験では、このような長い繊維は、エラストマー材料でできた層に特に良好に浸透できることが示された。
【0030】
本発明の更なる好ましい実施形態では、テキスタイルシート材料は、10〜300g/m
2、有利には50〜200g/m
2、より好ましくは70〜150g/m
2の坪量を有する。これは有利であることが証明された。なぜなら、これらの坪量を有するシート材料は、三次元形状のエラストマー材料でできた多種多様な層に、しわを生じることなく適用できるようにするために十分な安定性を有するからである。
【0031】
そのうえ、上記の坪量により、機械的強度に優れたテキスタイルシート材料を得ることができる。たとえば、20mmの幅で測定されたテキスタイルシート材料に、少なくとも0.5〜100N、有利には1.0〜50N、より好ましくは2.0〜30Nの最大引張力を与えることができる。これは、テキスタイルシート材料の加工には最小限の最大引張力が必要とされるので有利である。
【0032】
テキスタイルシート材料が吸収される期間は、さまざまなパラメーターに依存し、とりわけ、テキスタイルシート材料の厚さにも依存する。このことを踏まえて、2mm未満、有利には5〜700nmの平均厚さを有するテキスタイルシート材料を設計することが、多くの場合に好都合であることが証明された。
【0033】
テキスタイルシート材料は、原則として1つ以上の繊維層を含むことができる。特に好ましくは、それは1つの繊維層のみを含む。なぜなら、複数の繊維層の間でしばしば発生する接着の問題を回避することができるからである。
【0034】
テキスタイルシート材料はさらに、たとえば、織物、編物または不織布としての、多種多様な構成で存在してもよい。ここで、上述のように、本発明によれば、不織布、特に回転紡糸法で製造された不織布が特に好ましい。回転紡糸法では、不織布の製造は、たとえば、溶融液、溶液、分散液または懸濁液として存在してもよい、繊維材料を含む流体を提供し、回転紡糸によって流体を紡糸し、伸張し、不織布へと集積することによって行うことができる。この技術では、60℃までの低温で加工することができる。これにより、生体高分子と有効成分との特に穏やかな処理が可能になる。
【0035】
本発明により特に好ましい不織布は、国際公開第2008/107126号、国際公開第2009/036958号、欧州特許出願公開第2409718号明細書、欧州特許出願公開第2042199号明細書、欧州特許第2129339号明細書、カナダ国特許発明第2682190号明細書に記載されている不織布である。上記の刊行物は、参照により本発明に組み込まれる。
【0036】
エラストマー材料でできた層は、多種多様なエラストマー材料を有していてもよい。これらの材料のうち、シリコーンエラストマー、特に医療グレードのシリコーンエラストマーが、比較的不活性であり、身体と反応しないので、特に好ましい。有利には、シリコーンエラストマーからなる層は、少なくとも70質量%および/または少なくとも90質量%および/または少なくとも95質量%が上記のエラストマー材料からなる。エラストマー材料からなる層は、特に非常に好ましくは、100質量%まで医療グレードのシリコーンエラストマーからなり、ここで、従来の添加剤が含まれていてもよい。
【0037】
エラストマー材料を含む層の厚さは、使用する材料と使用目的とによって異なり得る。一般に、100μm〜5000μm、有利には100μm〜4000μm、より好ましくは100μm〜3000μmの範囲の厚さが好ましいことが証明された。エラストマー材料でできた層は、原則として1つ以上の層を含むことができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、複合材料は担体層を有する。これは、有利には、テキスタイルシート材料とは反対側のエラストマー材料を含む層の側に配置される。有利には、担体層は生体適合性材料からなる。なぜなら、これは、複合材料中に留まることができ、人体に導入されるときの要件を満たすからである。この理由により、担体層は、有利には、エラストマー材料、特にシリコーンからなる。他の担体層、たとえば、フィルム、プレートまたは成形体を使用することも考えられる。
【0039】
本発明の更なる目的は、人体に完全に、または部分的に導入するための医療デバイスとしての、特にインプラントとしての、たとえばボイスプロテーゼとしての、かつ/または身体アクセス用の、たとえば、カテーテルもしくはフィステルアダプターとしての複合材料の形成である。ここで、インプラントとは、体内に埋め込まれた材料であり、永続的に、または少なくとも一定期間、たとえば数日〜10年間は体内に留まる必要があるものを意味すると理解される。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態では、複合材料は、身体アクセス用の医療デバイスとして、特にカテーテルとして形成され、以下の特徴を有する:
− エラストマー材料でできた層が、シェルの形状で形成されているという特徴、
− シェルの外側に、生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料がコーティングとして配置されているという特徴。
【0041】
このようなインプラントの場合、コーティングにより表面全体を形成することができるため、上記の利点を特に効率的に利用することができる。したがって、本発明により好ましくは、この実施形態では、コーティングはシェルの外側を完全に覆う。
【0042】
軟部組織インプラントは、その形状とサイズとに応じて人体における空洞を満たすことができるような形状になっていることが適切である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による複合材料は、以下の工程を含む方法を用いて製造することができる:
1.担体層を提供する工程;
2.生体適合性エラストマー前駆体材料、特に未加硫シリコーンを担体層の片側に適用する工程;
3.生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料をエラストマー前駆体材料に適用する工程であって、テキスタイルシート材料の繊維をエラストマー前駆体材料に少なくとも部分的に浸透させる工程;
4.エラストマー前駆体材料を架橋してエラストマー材料を形成する工程。
【0044】
第1の方法工程は、担体層の提供を含む。有利には、担体層として生体適合性材料が使用される。なぜなら、これは複合材料中に留まることができ、人体に導入されるときの要件を満たすからである。この理由により、担体層は、有利には、エラストマー材料、特にシリコーンからなる。他の担体層、たとえば、フィルムまたは成形体を使用することも考えられる。
【0045】
第2の方法工程は、生体適合性エラストマー前駆体材料、特に未加硫シリコーンを、担体層の片側に適用することを含む。エラストマー前駆体材料として、未加硫および/または完全には加硫されていないシリコーンなどの多種多様な材料を使用することができる。これらの材料は、加硫の形で架橋することによってエラストマー材料に変換することができる。担体層にシリコーンとエラストマーシリコーン前駆体材料とを使用する場合、両方の層が同じ特性を有するので、層間で特に均一な結合が形成されることが有利である。
【0046】
第3の方法工程は、生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料をエラストマー前駆体材料に適用することであって、テキスタイルシート材料の繊維を少なくとも部分的にエラストマー前駆体材料に浸透させることを含む。エラストマー前駆体材料へのテキスタイルシート材料の繊維の浸透は、たとえば、テキスタイルシート材料とエラストマー前駆体材料とでできた複合体に圧力を加えることによって達成することができる。このために、エラストマー前駆体材料は、有利には200mPa
*s〜4000mPa
*s、より好ましくは300mPa
*s〜3000mPa
*s、特に500mPa
*s〜2000mPa
*sの粘度を有する。テキスタイルシート材料として、好ましくは、上記のテキスタイルシート材料が使用される。ここで、ゼラチンの繊維を含むシート材料が特に好ましい。
【0047】
第4の方法工程は、エラストマー前駆体材料を架橋してエラストマー材料を形成することを含む。シリコーン前駆体材料を使用すると、加熱によって簡単に架橋することができる(加硫)。ゼラチンを含むテキスタイルシート材料の存在下でも架橋が機能することは当業者にとって驚くべきことであった。なぜなら、ゼラチンは多数の官能基を有することが知られているからである。後者は、触媒毒として当業者に知られている。
【0048】
架橋工程の後に担体層を除去することが考えられる。しかしながら、生体適合性担体層を使用する場合、これは複合材料中に留まっていることが好ましい。
【0049】
既に上記で説明したように、本発明による複合材料は、人体に完全に、または部分的に導入するための医療デバイスとしての形成に非常に適している。
【0050】
したがって、本発明の更なる目的は、特にインプラントとしての、たとえば、ボイスプロテーゼとしての、かつ/または身体アクセス用の、たとえば、カテーテルもしくはフィステルアダプターとしての、人体に完全に、または部分的に導入するための医療デバイスを製造するための本発明による複合材料の使用である。
【0051】
本発明の更なる実施形態では、これは、医療デバイス自体も含む。
【0052】
本発明を、以下に例を用いてより詳細に説明する。
【0053】
例:本発明による複合材料の製造
エラストマー前駆体材料の製造のために、以下の出発材料を使用する:MED−6400A(成分A)およびMED−6400B(成分B)NuSil Technologie。成分AとBとは、室温で1:1の質量比で混合する。気泡を生じることなく混合物をさらに加工する。
【0054】
ここで得られたエラストマー前駆体材料を、225cm
2の面積を有する担体層としてのPOMプレートの表面にキャスティングする。エラストマー前駆体材料でコーティングされたプレートを、溶媒の均一化および蒸発のために水平方向で30分間保持する。引き続き、ゼラチンフリースを、コーティングされたプレートの表面に配置する。ゼラチンフリースとシリコーンコーティングされたPOMプレートとから構成される複合材料は、エラストマー前駆体を架橋することによって作製する。このために、次の温度プログラムでプログラム可能なオーブンで操作する:一定の変化(プログラミング)のもとで、室温で30分、75℃で45分および150℃で135分。
【0055】
硬化されたサンプルを冷却した後、POMプレートを剥離することによって、シリコーン/ゼラチン複合不織布が得られる。
【0056】
得られた本発明による複合材料の引張試験は、200mm/分のヘッド速度でDIN 53504 S2に準拠した引張試験機を用いて実施する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】参照としての純粋なシリコーン層の引張試験の結果を示す図である。
【
図2】例1の複合材料の引張試験の結果を示す図である。
【
図3】PBS中37℃で2週間保管した後の、例1の複合材料の表面の顕微鏡写真を示す図である。
【
図4】本発明による複合材料の概略横断面図を示す図である。
【
図5】カテーテルとしての構成における本発明による複合材料の概略横断面図を示す図である。
【
図6】本発明による複合材料の断面図の顕微鏡写真を示す図である。
【0058】
図面の説明
図1は、参照として純粋なシリコーン層を用いた引張試験の結果を示している。エラストマーに典型的な引張−応力曲線の線形プロファイルが確かめられる。0.4MPa〜0.7MPaの最大応力で、最大伸び率が200%〜300%である。
【0059】
図2は、例1の複合材料の引張試験の結果を示している。複合材料中のゼラチンフリースは、約1MPaの高い応力吸収を引き起こし、10〜20%の低い伸び率を示す。最大伸び率(HZD)は、純粋なシリコーン層と比較して400%〜500%と、ほぼ2倍になった。これはおそらく、繊維がエラストマーとは無関係に引き裂かれ、より長く保持されるからである。200%の伸び率から、応力吸収は再び線形に増加する。この範囲ではおそらく、適用された力をエラストマー部分が吸収し、その前は最大200%の伸び率まで不織布により力が吸収されていた。この複合体の最大引張力(HZK)は2.4〜3MPaで、純粋なシリコーン層の最大引張力(HZK)の5倍である。
【0060】
図3は、PBS中37℃で2週間保管した後の例1からの複合不織布の表面の顕微鏡写真を示す。この時点では、架橋繊維はまだ視認できる。
【0061】
図4は、エラストマー材料でできた層(2)と、この層(2)に配置されて複合材料の表面を形成するテキスタイルシート材料(3)とを含む、本発明による複合材料(1)の概略横断面図を示しており、ここで、テキスタイルシート材料(3)は、エラストマー材料でできた層(2)に少なくとも部分的に埋め込まれた生体吸収性繊維を有する。
【0062】
図5は、カテーテルとしての構成における本発明による複合材料(1)の概略横断面図を示している。カテーテルは、エラストマー材料、ここではシリコーンでできたシェル(4)を有している。カテーテルは、シェル(4)の外側に、生体吸収性繊維を有するテキスタイルシート材料(3)を有しており、ここで、生体吸収性繊維は、エラストマー材料でできたシェル(4)を少なくとも部分的に貫通している。
【0063】
図6は、本発明による複合材料の断面図の電子顕微鏡写真を示している。エラストマー材料、ここではシリコーンでできた層に、ゼラチンフリースがテキスタイルシート材料として配置されている。ゼラチンフリースの繊維がシリコーンでできた層にどのように浸透しているのかをはっきりと確かめることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 複合材料、 2 エラストマー材料でできた層、 3 テキスタイルシート材料、 4 シェル
【国際調査報告】