(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-501035(P2021-501035A)
(43)【公表日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】アンプルから流体を抽出するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 5/24 20060101AFI20201211BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20201211BHJP
【FI】
A61M5/24 520
A61M5/31 540
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-543721(P2020-543721)
(86)(22)【出願日】2018年10月29日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月12日
(86)【国際出願番号】EP2018079543
(87)【国際公開番号】WO2019086368
(87)【国際公開日】20190509
(31)【優先権主張番号】17199154.0
(32)【優先日】2017年10月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520152803
【氏名又は名称】ユーロトロール・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】EUROTROL B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】マース、バルトロメウス・ヘンリクス・アントニウス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD07
4C066EE06
4C066FF01
4C066GG11
4C066HH05
4C066HH12
4C066JJ07
4C066MM05
(57)【要約】
アンプルから流体を抽出するためのデバイスは、アンプル(3)を囲むように構成されているプランジャ本体(2)と、プランジャ本体(2)に対して移動可能であるシリンジ本体(4)とを備えている。シリンジ本体(4)は、ピストン部材(6)と、ピストン部材(6)の周りに同心状に構成されている外側管状ケーシング(8)とを備えている。ピストン部材(6)は、プランジャ本体(2)内に収容可能であり、アンプル(3)内に挿入されるように構成されている挿入端(10)と、外側管状ケーシング(8)に取り付けられている放出端(12)と、挿入端(10)と放出端(12)との間に伸長する管腔(14)とを備えている。プランジャ本体(2)及びシリンジ本体(4)は、動作中にアンプル(3)を通してピストン部材(6)を移動させ、管腔(14)を通してアンプル(3)から流体を押し出すように構成されているデバイス(1)の作動構成を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンプルから流体を抽出するためのデバイスであって、
アンプル(3)を囲むように構成されているプランジャ本体(2)と、シリンジ本体(4)とを備え、前記プランジャ本体(2)は、前記シリンジ本体(4)に対して移動可能であり、前記シリンジ本体(4)は、ピストン部材(6)と、前記ピストン部材(6)の周りに同心状に構成されている外側管状ケーシング(8)とを有し、
前記ピストン部材(6)は、前記プランジャ本体(2)内に収容可能であり、前記アンプル(3)内に挿入されるように構成されている挿入端(10)と、前記外側管状ケーシング(8)に取り付けられている放出端(12)と、前記挿入端(10)と前記放出端(12)との間に伸長する管腔(14)とを備え、
前記プランジャ本体(2)及び前記シリンジ本体(4)は、動作中に前記アンプル(3)を通して前記ピストン部材(6)を移動させ、前記管腔(14)を通して前記アンプル(3)から流体を押し出すように構成されている前記デバイス(1)の作動構成を形成する、デバイス。
【請求項2】
前記デバイス(1)は、前記ピストン部材(6)の前記放出端(12)に接続可能な取り付け部分(18)を有する容器部(16)をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記容器部(16)は、前記取り付け部分(18)の反対側に穴(20)を備える、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイス(1)は、動作中に、前記プランジャ本体(2)の内面(2a)と密封係合する第1の密封面(26)と、前記アンプル(3)の外面(3a)と密封係合するように構成されている第2の密封面(28)と、前記ピストン部材(6)の外面(6a)と密封係合する第3の密封面(30)とを有する密封部材(24)をさらに備える、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記密封部材(24)は、前記第1、第2及び/又は前記第3の密封面(26、28、30)に上設けられた1つ以上の周方向リッジ(32)を備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記密封部材(24)及び前記プランジャ本体(2)は、単一のコンポーネントに一体化される、請求項4又は5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ピストン部材(6)の前記挿入端(10)は、前記アンプル(3)の壁部を通して貫通するための貫通部分(10a)を備える、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記貫通部分(10a)は、段階的な直径プロフィールを備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ピストン部材(6)の外径は、前記アンプル(3)の内大径と実質的に等しいか、又はそれより小さい、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記管腔(14)の内径は、前記アンプル(3)の内大径の予め定められた割合未満である、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記管腔(14)の内径は、前記アンプル(3)の内径の予め定められた割合よりも大きい、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記管腔(14)は、フィルタ部材(34)を備える、請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プランジャ本体(2)及び前記シリンジ本体(4)によって形成される前記作動構成は、前記プランジャ本体(2)と前記シリンジ本体(4)との間にスライド構成を備える、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プランジャ本体(2)及び前記シリンジ本体(4)によって形成される前記作動構成は、前記プランジャ本体(2)と前記シリンジ本体(4)との間にねじ切り構成をさらに備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ピストン部材(6)及び前記シリンジ本体(4)の前記外側管状ケーシング(8)は、別個の要素である、請求項1〜14のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記プランジャ本体(2)又は前記シリンジ本体(4)は、前記シリンジ本体(4)に対する前記プランジャ本体(2)の変位を妨げるように構成されている離脱可能な固定部材(36)を備える、請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てガラス、プラスチック又は金属アンプルのようなアンプルから流体を抽出するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許公報US6,099,510は、密封されたガラスアンプルから液体を引き出すためのデバイスを説明している。デバイスは、アンプルの先端が上方を指すように、密封されたガラスアンプルを直立又はわずかに傾斜したポジションに保持するフレームを含む。アンプルの首部の領域においてアンプルの先端を割るために、アンプルの先端部分に対して押圧する要素が設けられる。デバイスはさらに、アンプルの底部とその中の液体の表面との間の領域中のガラスアンプルに導入される引き出し要素を含み、これは液体を引き出すためのカニューレを含む。
【0003】
米国特許公報US5,628,353は、密封されたガラスアンプルから液体を引き出すための方法及びシステムを開示している。アンプルは、アンプル底部を上に向けて直立ポジションで支持体に保持され、底部は、引き出し要素を挿入することによって機械的に割られる。アンプルの液体内容物は、ガラスアンプルの破片のないゾーンから吸い込まれる。
【0004】
国際特許出願WO2017/021949は、医療用アンプル及びバイアルと共に直接使用するためのシリンジを説明している。シリンジは、シリンジバレルと、開口端と、壊れた/開いたアンプルの薬剤含有部分を収容するための中空内部容積とを有するシリンジプランジャとを備える。アンプルインターフェース要素は、医療用アンプルを中空内部容積内に保持するように、アンプルの外面と中空内部容積の表面との間に配備されるように構成される。使用する際、既に開封されたアンプル内に含まれる薬剤は、シリンジプランジャがシリンジバレルから引き出されるときに生成される真空圧によって、シリンジプランジャ中の通路を通ってシリンジバレル中に引き込まれる。
【0005】
米国特許公報US4,596,561は、バレル、ノズル及び針運搬フェルールを有する事前充填単回シリンジを開示している。栓デバイスが設けられたシャフトはピストン部材として機能する。
【0006】
国際特許公報WO01/00261は、事前充填薬剤容器から薬剤を移送するための液体移送デバイスを開示している。ピストンは、デバイスのバレルにスライドしてかつ密封して係合するようにプランジャ上に設けられる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、使い捨てガラス、プラスチック又は金属アンプルのようなアンプルから試料流体を抽出するためのデバイスを提供することを目的とし、デバイスは、デバイスによって提供される密封環境内で安全にアンプルを開封し、その後、アンプル中に含まれる流体の汚染を防止しながら効率的な方法で空にすることを可能にする。
【0008】
本発明にしたがうと、シリンジ本体と、アンプルを囲むように構成されているプランジャ本体とを備え、プランジャ本体はシリンジ本体に対して移動可能である、上記の序文で定義したタイプのデバイスが提供される。シリンジ本体は、ピストン部材と、ピストン部材の周りに同心状に構成されている外側管状ケーシングとを備える。ピストン部材には、プランジャ本体内に収容可能であり、アンプル内に挿入されるように構成されている挿入端が設けられる。ピストン部材には、外側管状ケーシングに取り付けられている又は接続されている放出端と、挿入端と放出端との間に伸長する管腔又は通路とが更に設けられる。デバイスのプランジャ本体及びシリンジ本体は、動作中にアンプルの内部を通してピストン部材を移動させ、管腔を通してアンプルから試料流体を押し出すように構成されている協働作動構成を形成する。
【0009】
本発明の実施形態は、アンプルの安全で信頼性の高い開封と、その後、流体の汚染のリスクなしにアンプルから流体を提供することとを可能にする。さらに、デバイスのユーザは、アンプルの頂部を割った後に鋭い縁で指を切ることによる人身傷害のような、アンプルを使用する際に通常伴われる危険からも保護される。
【0010】
添付の図面を参照して、本発明を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態にしたがうデバイスの3次元断面図を示している。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態にしたがうデバイスの部分断面図を示している。
【
図3】
図3は、アンプルが空になったポジションにおける本発明のデバイスのさらなる実施形態の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、測定機器を試験する及び/又は調整するような品質管理用途に適用することができる。
図1は、本発明の実施形態にしたがうアンプルから流体を抽出するためのデバイス1の3次元断面図を示す。
図1では、流体のような試料を含むアンプル3又は気密密封されたバイアル3を収容することができるシリンジ状デバイス1が描かれている。アンプル3は、ガラス、プラスチック、又はアルミニウムのような金属でできた使い捨てアンプルであってもよい。ここで使用されるように、アンプル3という用語は、アンプル、バイアル、又はカープルのような任意のタイプの流体容器として理解されるべきである。アンプル3は、典型的には、様々な汚染物質、空気の侵入等から保護されたままにしておかなければならない化学薬品又は医薬品の流体を含むことができ、例えば、サービス提供時又は治療時に医療器具を試験及び/又は調整するために使用される。デバイス1は、シリンジ本体4と、アンプル3を囲むように構成され、シリンジ本体4に対して移動可能なプランジャ本体2とを備える。プランジャ本体2は、例えば、アンプル3の外部衝撃を回避することができるように、アンプル3のための保護環境又は囲いを提供する。シリンジ本体4には、細長いピストン部材6と、ピストン部材6の周りに同心状に構成されている外側管状ケーシング8(又はハウジング)が設けられている。外側管状ケーシング8及びピストン部材6の同心構成は、細長い環状空洞9を提供し、その中に、プランジャ本体2が収容可能であり、例えば、プランジャ本体2の操作部15に(トルク)力又は圧力を及ぼすことによって、示すように、方向「D」に直線的にそこを通って移動することができる。示すように、プランジャ本体2は、環状空洞9内に収容可能な円筒体として具現化することができる。
【0013】
実施形態では、ピストン部材6及びシリンジ本体4の外側管状ケーシング8は、別個の要素であってもよく、ピストン部材6は、例えば、ねじ切りされた又はスナップフィット接続によって、離脱可能な様式で外側管状ケーシング8に接続されてもよい。代替的な実施形態では、ピストン部材6及び外側管状ケーシング8は、例えば圧縮成形又は射出成形によって単一部品として製造することができる一体構成からなる。
【0014】
有利な実施形態では、シリンジ本体4及びプランジャ本体2の両方が、例えば射出成形技術に適したプラスチック素材で作られる。デバイス1内(及びアンプル3内)の液体の視認性を可能にするために、シリンジ本体4、プランジャ本体2、又はシリンジ本体4及びプランジャ本体2の両方は、透明素材から(部分的に)作られてもよい。プランジャ本体2の素材及び/又は構造は、デバイス1の実際の使用(冷却及び/又は加熱)中にアンプル3と環境との間の熱交換を可能にするように選択されてもよいことに留意されたい。これは、高い熱伝導率を有する素材を選択することによって、又はプランジャ本体2(の壁)に1つ以上の穴を設けることによって達成することができる。
【0015】
ピストン部材6は、プランジャ本体2内に収容され、アンプル3の内部に挿入されるように構成される挿入端10を備える。例示的な実施形態では、挿入端10は、アンプル3を収容するために使用され、保護囲いを提供するように構成されているプランジャ本体2の保管空間5内に収容可能である。ピストン部材6には、挿入端10の反対側に放出端12をさらに設けられ、放出端12は、外側管状ケーシング8、例えば、そのベース部分8aに取り付けられるか、又は接続される。ピストン部材6は、挿入端10と放出端12との間に伸長する管腔14(又は通路)をさらに備え、アンプル3の内容物がそこを通って輸送されることを可能にする。
【0016】
プランジャ本体2及びシリンジ本体4は、動作中にアンプル3を通してピストン部材6を移動させ、アンプル3から管腔14を通して放出端12に向かって流体を押し出すように構成されている、デバイス1の協働作動構成を形成する。
【0017】
本発明にしたがうと、プランジャ本体2は、プランジャ本体2の操作部15に力又は圧力を加えることによって、外側管状ケーシング8のベース部分8aに向かって環状空洞9内に移動するように配置される。そうすると、ピストン部材6は、アンプル3の壁部又は底部7を通して押し出され、続いて、アンプル3の内部へとより深く移動するにつれて、アンプル3に含まれる試料流体を、管腔14を通して放出端12へと押し出す又は促す(正の変位作用)。アンプル3の壁部7は、例えば、壁部7の特別な形状又は印刷された破断線のような追加の特徴によって、ピストン部材6の挿入端10による圧力がいったん加えられると、制御された方法で割れるように準備される。より一般的には、壁部7は、機械的、熱的又は化学的に処理されて、壁部7のエリアにおけるアンプル3の局所的な弱化を提供してもよい。例えば、壁部7は、刻まれ(ダイヤモンド切削工具を使用するリングの切削)、化学的にエッチングされ、又はレーザ切削されてもよい。プランジャ本体2が環状空洞9内にその最大挿入深さまでいったん挿入されると、プランジャ本体2は、環状空洞9から後退して
図1に描くようなコンフィギュレーションに戻ることができる。実施形態のグループでは、デバイス1は、ピストン部材6の放出端12に接続可能な取り付け部分18を有する容器部16をさらに備える。容器部16は、管腔14のフラッシングを可能にし、放出端12を汚染することなくアンプル3からの試料流体で完全に充填されることを可能にするように構成される。例示的な実施形態では、容器部16は、取り付け部分18の反対側に穴20を備え、試料流体がデバイス1から放出される前に、空気又は流体が管腔14及び容器部16から除去されることを可能にする。
【0018】
実施形態では、容器部16は、管腔14の内径と同様の直径の細長い通路として具現化されてもよい容器管腔22を備える。さらなる実施形態では、容器部16は、管腔14の内径よりも実質的に大きい内径を有する保管チャンバ22を備える。
【0019】
例示的な実施形態では、取り付け部分18は、外側管状ケーシング8の放出端12又はベース部分8aの対応するルアー型接続部分に協働して接続される雄又は雌ルアー型接続部分を含む。代替の例示的な実施形態では、取り付け部分18は、外側管状ケーシング8の放出端12又はベース部分8aとねじ係合している。取り付け部分18の放出端12へのルアー及びねじ型の接続の各々は、デバイス1からの試料流体の漏れを防止する信頼性の高い密封接続を提供する。
【0020】
本発明にしたがうと、新しい未開封のアンプル3をデバイス1内で安全に開封し、続いて試料流体を放出することができる。
図1に示し、上述した実施形態は、2段階プロセスを通してアンプル3を開封すること及び空にすることの両方を可能にする。
図3は、アンプル3が空にされたポジションにある本発明のデバイス1のさらなる実施形態(容器部16のない実施形態)の断面図を示す。第1の段階は、シリンジ本体4とプランジャ本体2との間のねじ係合を通した、プランジャ本体2の保護保管空間5中のアンプル3を制御して開封することを表す。第2の段階は、いったんアンプル3が挿入端10によって開封/貫通された、アンプル3からの試料流体の放出を表し、試料流体の放出は、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間のスライド係合、すなわち線形スライド係合を通して開始することができる。
【0021】
デバイス1の特定の利点は、新しい未開封のアンプル3をデバイス1のプランジャ本体2内に保管することができ、その後、プランジャ本体2を管状外側ケーシング8、すなわち環状空洞9内に直線的に移動させることを通して開封し、空にすることができることである。デバイス1の外側でアンプル3を割る又は開封し、次いで開封されたアンプルをデバイス1に保管する必要は全くない。反対に、本発明のデバイス1は、デバイス1の外側でアンプル3を割る又は開封する必要性を明確に回避し、その結果、アンプル3に含まれる試料流体の汚染及び/又は空気侵入の可能性が最小化される。代わりに、プランジャ本体2は、未開封のアンプル3のための保護環境を提供し、デバイス1自体の中でアンプル3の開封すること及び空にすることを可能にするように構成される。アンプル3内に含まれる試料流体の品質は、デバイス1によって可能な限り保護され、維持されることができ、その結果、アンプル3から放出される流体は、(例えば、空気侵入によって引き起こされる)汚染物質を含まない。さらに、本発明の実施形態はまた、ユーザ又は居合わせた人の(鋭い(ガラス)縁部による切断、ガラス破片を吸入する又は眼に入るような)人的傷害をもたらすことがある割る行為が必要とされないため、アンプル3のユーザに改善された安全性を提供する。
【0022】
従来型のガラスアンプル3を本発明のデバイス1の実施形態と組み合わせて使用するとき、アンプル3の内部の流体へのアクセスを取得するためにアンプル3の上部(その首部)を割る必要はもはやないことに留意されたい。これは、流体へのアクセスがアンプル3の壁部7から提供されるので、流体でほぼ完全に充填された(アンプル3内に未使用の容積がない)アンプル3を使用できるという追加の利点を有する。
【0023】
安全面について、デバイス1がアンプル3を開封して空にするためにまだ使用されていないことを保証するために、プランジャ本体2又はシリンジ本体4が、シリンジ本体4に対するプランジャ本体2の変位を妨げるように構成されている離脱可能なロック部材36を備える実施形態が提供される。ロック部材36はまた、不正開封防止デバイスとして有利に使用されてもよい。この実施形態では、アンプル3は、ロック部材36を取り外した後にデバイス1を使用することによってのみ空にすることができる。
図1の実施形態では、固定部材36は、例えば、プランジャ本体2及びシリンジ本体4の相互移動を防止するロック組み立てを用いて、そこから引き剥がされるように構成される、外側管状ケーシング8の円周リム部分8bとして実現される。いったんロック部材36が離脱されると、プランジャ本体2は、もはやシリンジ本体4に対して固定されず、プランジャ本体2は、アンプル3を開封し、試料流体を放出するために、環状空洞9内に移動可能である。
【0024】
有利な実施形態では、プランジャ本体2及びシリンジ本体4によって形成される作動構成は、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間のスライド構成を備え、スライド構成は、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間のスライド接触又は係合を可能にする。この実施形態では、プランジャ本体2は、例えば入れ子式に外側管状ケーシング8を通ってスライドすることができ、プランジャ本体2を移動させるために適用される力に依存して、環状空洞9を通るプランジャ本体2の変位速度を変化させることができる。外側管状ケーシング8を通してプランジャ本体2をスライドさせることによって、ピストン部材6がアンプル3を通して移動すると、アンプル3からの流体をデバイス1からゆっくりと又は迅速に放出することができる。
【0025】
試料流体の実際の放出が可能になる前に、プランジャ本体2、すなわち保管空間5内に存在するか又は貯蔵されている新しい又は密封されたアンプル3を最初に開封する必要がある。この目的のために、プランジャ本体2及びシリンジ本体4によって形成される作動構成は、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間にねじ切り構成を備え、ねじ切り構成が、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間のねじ係合を可能にする実施形態が提供される。この実施形態では、ねじ切り構成は、シリンジ本体4に対するプランジャ本体2のより良好に制御された相互変位、したがって、シリンジ本体4に対するピストン本体2の回転を通したピストン部材6の挿入端10による壁部7のより良好に制御された貫通を可能にする。ねじ係合は、壁部7を貫通するための直接的な直線運動動作と比較して、プランジャ本体2の比較的容易な回転を通して、シリンジ本体4に対するプランジャ本体2の比較的遅いが強制的な変位を提供するように構成されることができる。
【0026】
図1中に描くように、プランジャ本体2とシリンジ本体4との間のねじ係合は、プランジャ本体2上に構成されている雄ねじ11によって達成することができ、雄ねじ11は、外側管状ケーシング8の内側突起13と協働係合する。逆に、別の実施形態では、外側管状ケーシング8が、プランジャ本体2上の外側突起と協働係合する雌ねじを備えることが考えられる。
【0027】
図1の実施形態に示すように、上述したスライド構成の実施形態とねじ切り構成の実施形態の両方を組み合わせることができ、新しい又は未開封のアンプル3を開封し、その後そこから試料流体を放出するための特に便利で効果的なデバイス1を提供する。
【0028】
デバイス1の動作の例として、最初に、プランジャ本体2及びシリンジ本体4は、外側管状ケーシング8の内側突起13と協働するプランジャ本体2上の雄ねじ11を使用して、
図1に描いたようなデバイス1の拡張コンフィギュレーションにおいてねじ係合される。拡張コンフィギュレーションは、プランジャ本体2が外側管状ケーシング8、すなわち内部空洞9への最小挿入深さにあることに対応することに留意されたい。この最小挿入深さでねじ係合が起こる。次いで、アンプル3がプランジャ本体2によって囲まれていると仮定すると、プランジャ本体2の操作部15の回転は、ピストン部材6の挿入端10がアンプル3の壁部又は底部7に隣接する点まで、環状空洞9内に変位/移動することを可能にする。この隣接点において、プランジャ本体2をさらに回転させることにより、挿入部10が制御された方法で壁部7を貫通又は破ることが可能になる。有利には、ねじ係合は、挿入端10が壁部7を貫通すると、プランジャ本体2の内部空洞9内への衝撃的な移動を実際に防止し、その結果、アンプル3からの試料流体の突然の又は衝撃的な放出が回避される。さらなる回転によって、挿入端10は、アンプル3の内部へとさらに移動し、その結果、試料流体は、放出端12から放出される。
【0029】
ここで、アンプル3内の挿入端10のある位置では、プランジャ本体2上の雄ねじ11のようなねじ切り係合端は、プランジャ本体2に沿った、限られた長さにしか及ばず、したがって、雄ねじ11の長さは、内部空洞9内へのプランジャ本体2の最大挿入深さよりもかなり短い。雄ねじ11がもはや内側突起13を係合しなくなると、もはやプランジャ本体2を回転させる必要がなく、プランジャ本体2を内部空洞9内のさらに先へと自由にスライドさせることを可能にする。したがって、この点で、スライド係合は、ねじ係合が終了すると起こり、プランジャ本体2は、デバイス1の押し縮めコンフィギュレーションまで内部空洞9内に移動することができ、すなわち、プランジャ本体2は、内部空洞9の最大挿入深さに向かってさらに挿入される。
【0030】
上記から、ねじ係合がプランジャ本体2とシリンジ本体4との間のスライド係合の形態を意味することも容易に理解されるが、これは、プランジャ本体2の回転によって達成されることに留意されたい。しかしながら、上述のスライド構成及び係合は、プランジャ本体2の回転を必要としないものとして解釈すべきである。
【0031】
ユーザがデバイス1から一定量の流体を容易かつ適切に投与するのを助けるために、プランジャ本体2には、例えば測定ラインが設けられる。代替的に又は追加的に、プランジャ本体2とシリンジ本体4との組み合わせには、(デバイス1から放出される予め定められた量の流体に対して触覚フィードバックを提供する)機械的戻り止めが設けられてもよい。上述したような回転インプリメンテーションのケースでは、様々な部品(例えば、ねじ係合のピッチ)の寸法は、全回転毎に標準量の放出流体を提供するように選択することができる。
【0032】
先に述べたように、プランジャ本体2は、アンプル3のための保護囲いを提供して、例えば、保管及び輸送中の外部衝撃による損傷を防止するだけでなく、デバイス1の内部汚染を最小限に抑える。アンプル3とデバイス1との間の密封係合をさらに改善するために、本発明のデバイス1の実施形態の、特にその密封部材24の部分断面図を示す
図2を参照する。特に、アンプル3とデバイス1との間の密封係合をさらに改善するために、デバイス1が、プランジャ本体2の内面2aと密封係合する第1の密封面26を有する密封部材24をさらに備える実施形態が提供される。密封部材24は、アンプル3の外面3aと密封係合するように構成されている第2の密封面28をさらに備え、第3の密封面30は、ピストン部材6の外面6aと密封係合して設けられる。
【0033】
密封部材24は、アンプル3、プランジャ本体2、及びピストン部材6と同時に密封係合するように構成されている「3つの」密封面26、28、30を提供し、これらの密封面は、動作中にアンプル3に含まれる流体試料の汚染を防止する。さらに、密封面26、28、30は、漏れを防止し、アンプル3からの流体試料の放出を促進する。
【0034】
有利な実施形態では、密封部材24は、第1、第2及び/又は第3の密封面26、28、30に設けられた1つ以上の周方向リッジ32を備える。周方向リッジ32は、追加の密封係合を提供するだけでなく、デバイス1内での密封部材24のポジショニングを促進するために必要とされる場合に摩擦係合を増大させる。例えば、
図2に示されるような密封部材24の実施形態では、第1の密封面26は、プランジャ本体2の内面2aと密封係合する1つ以上の周方向リッジ32が設けられる。周方向リッジ32は、密封部材24がプランジャ本体2内でより緊密な嵌合を示すように、密封部材24とプランジャ本体2との間の摩擦係合をさらに増加させる。このようなより緊密な嵌合は、ピストン部材6の外面6aが第3の密封面30に沿って移動するとき、密封部材24の静的ポジショニングを促進する。密封部材24はまた、デバイス1の組み立てに有利である。プランジャ本体2の保管空間5は、アンプル3の外形に適合する内壁を有する(使用されるアンプル3の特定のタイプに応じて変化できる)。したがって、組み立ては、プランジャ本体2を直立に保持し、アンプル3を挿入して、簡単に開始することができる。密封部材24は、プランジャ本体2への挿入の前に、又はアンプル3がプランジャ本体2に挿入された後に、アンプル3の底部に適用することができる。次いで、シリンジ本体4は、(例えば、デバイス1をその保管コンフィギュレーションにロックするために固定部材36を使用して)伸長したポジションでプランジャ本体2に取り付けられる。次いで、容器部16は、ピストン部材6の放出端12に取り付けられるか、又はプランジャ本体2に嵌合する前にシリンジ本体4に既に取り付けられている。
【0035】
デバイス1の組み立て中に又は組み立て前に、(アンプル3、プランジャ本体2、密封部材24、ピストン部材6のような)滅菌された部品を使用すること、又は組み立て直前にこれらの部品を滅菌することが可能である。これにより、無菌性の程度を損なうことなく、無菌性を必要とする様々な用途のためにデバイスを使用して流体を提供することができる。
【0036】
代替的な実施形態では、プランジャ本体2の操作部15は、保管空間5にアクセスするための離脱キャップ部材を備え、アンプル3をプランジャ本体2に挿入し、又はそこから取り外すことを可能にする。代替実施形態として、離脱キャップは、フリップキャップ構成として実現されてもよく、プランジャ本体と離脱キャップ部材との組み合わせの容易な取り扱いを可能にする。このグループの実施形態は、特定の状況においてアンプル3をデバイス1に容易に挿入することを可能にし、また、空になったアンプル3を新しいアンプル3と交換することによってデバイス1を再使用することを可能にする。デバイス1を使用するために、新しい又は開封されていないアンプル3が提供され、操作部15内のキャップ部材を離脱し、続いて閉じることによって保管空間5に入れられる。キャップ部材、又はデバイス1の他の部分には、不正開封防止密封コンポーネントが設けられてもよい。
【0037】
さらに別の実施形態では、密封部材24及びプランジャ本体2は、単一のコンポーネントに一体化され、すなわち一体構造である。密封部材24は、例えば2コンポーネント射出成形技術を使用してプランジャ本体2と一体化することができる。これは、組み立ての間に単一のコンポーネントのみを取り扱うことを可能にするが、動作中にプランジャ本体2内のアンプル3の底部の十分な密封を依然として提供する。
【0038】
実施形態では、ピストン部材6の挿入端10は、アンプル3の底部7のような、アンプル3の壁部7を貫通するように構成されている貫通部分10aを含む。この実施形態は、ピストン部材6の挿入端10によって、未開封のアンプル3をデバイス1内で効果的に開封することを可能にする。プランジャ本体2を外側管状ケーシング8内に移動させることにより、貫通部分10aは、アンプル3の壁部7を通って付勢される。プランジャ本体2を外側管状ケーシング8内に更に変位させると、挿入端10がアンプル3の内部により深く移動し、試料流体を管腔14内に押し出す。
【0039】
アンプル3内への挿入端10のより容易な挿入を促進するために、貫通部分10aが段階的な又は段付き直径プロフィールを含む実施形態が提供される。このような段階的な直径プロフィールは、貫通部分10aが壁部7を容易に割ると、プランジャ本体2を環状空洞9内に移動させるのに必要な力を低減するように構成することができる。例えば、ピストン部材6の大外径よりも小さい貫通部分10aの外径を含む第1の段階又はステップが提供される実施形態が提供されてもよい。このような第1の段階は、挿入端10によって加えられる押し出し力をアンプル3の壁部7の局所的な部分に集中させる。さらなる実施形態では、貫通部分10aは、約1−7mmの外径を有する第1の段階又はステップと、約7.1から11mmの外径を有する第2の段階/ステップとを含むことが考えられ、これは3mlタイプのアンプル3に典型的である。より小さい又はより大きいタイプのアンプル3が使用される場合(例えば、2、5又は10ml)、もちろん値は異なるかもしれず、例えば、第1の段階は約1−10mmの外形を有し、第2の段階は、約10から14mmの外形を有する。この実施形態では、第1の段階又はステップは、壁部7の貫通を容易にするように最適化されてもよく、第2の段階又はステップは、アンプル3からの正の流体変位のために最適化されてもよい。第2の段階はまた、連続的に増加する直径(傾斜壁)で実現されてもよい。さらに別の実施形態では、貫通部分10aは、管腔14の入口を取り囲む凹部を有する面を有し、これにより、アンプル3に対する貫通作用から生じる砕片を効果的に捕らえ、管腔14の閉塞の可能性を防止することができる。
【0040】
外側管状ケーシング8とプランジャ本体2との間の相対運動を通したアンプル3からの流体変位は、ピストン部材6の外径がアンプル3の内大径と実質的に等しいか又はそれより小さい実施形態を通して改善することができる。この実施形態では、ピストン部材6は、ピストン部材6及びアンプル3の内面に沿った漏れを最小限に抑えるために、アンプル3の内部にぴったりと嵌合するように構成することができる。
【0041】
上述したように、本発明のデバイス1は、例えば、デバイス1からの流体の直接的な放出が必要とされるシリンジ状デバイスとして使用することができる。これは、デバイス1が、家庭及び他の遠隔地のような(制御された)実験室環境の外部の特定のロケーションに運ばれ、訓練されていない人によって使用されることになるポイントオブケア用途において有利であることがある。
【0042】
管腔14の内径がアンプル3の内大径の予め定められた割合(例えば、3分の1)未満である実施形態が提供される。この実施形態は、管腔14の内部容積を最小限にし、管腔14は、主に、アンプル3から放出端12に向かって流体を輸送する役割を果たす。また、管腔14の内部容積を最小化することは、アンプル3からの流体の浪費を低減し、これは、アンプル3からの最大収量が所望される局所的なポイントオブサービス/直接放出の目的に有利である。さらに別の実施形態では、予め定められた割合は、(依然として、管腔14内に比較的小さい容積を提供する)2分の1、又はさらには(管腔14内にさらに小さい容積を提供する)5分の1である。例示的な実施形態では、アンプル3の内径は11.75mm(外径12.75mm、壁厚0.5mm)であり、管腔14の内径は3mmである。様々なサイズのアンプル3について、内径は(標準)外径と同様に変化してもよく:1及び2mlのアンプル3について、標準外径は10.75mmであり;3mlのアンプルについて、12.75mmであり、5mlのアンプルについて、14.75mmであり、10mlのアンプルについて、17.75mmであり、20、25及び30mlのアンプルについて、22.5mmである。壁厚は約0.5mmであるが、これは、より高い容積のアンプル3に対してより高くてもよいことに留意されたい。この実施形態では、針部材(図示せず)が、ピストン部材6の放出端12又は外側管状ケーシング8のベース部分8aに接続されてもよい。
【0043】
さらなる実施形態では、アンプル3に含まれる流体が供給される別のデバイスに接続するように放出端12又はベース部分8aが構成されることも考えられる。例えば、測定装置のケースでは、本発明のデバイス1は、アンプル3から測定装置に直接試験流体又は調整流体を提供するために使用することができ、デバイス1の放出端12は、測定装置の流体入力ポートに接続される。
【0044】
更に別の用途では、本発明のデバイス1は、アンプル3中に含まれる流体の試料を、例えば管腔14内に挿入された外部針によって回収することができるサンプリングデバイスとして使用することができる。したがって、この用途では、デバイス1は、そこから直接放出するために使用されるのではなく、例えば、針が管腔14に挿入される一般的なシリンジを使用して、アンプル3中の流体をそこから回収することができるデバイスとして使用される。シリンジプランジャをシリンジバレルから後退させることにより、その後、管腔14内の流体を一般的なシリンジ内に移送することができる。このような用途を考慮して、管腔14の内径がアンプル3の内大径の予め定められた割合(例えば、3分の1)よりも大きい実施形態がある。この実施形態は、デバイス1から流体を抽出するために、針が管腔14に挿入されることを可能にする。さらなる実施形態では、予め定められた割合は、半分、又は5分の1である。
【0045】
従来技術のデバイスとは対照的に、本発明の実施形態にしたがうデバイス1は、開放環境においてアンプル3を開封しなければならないという望ましくない必要性に対する解決策を提供する。本発明のデバイス1を使用することにより、アンプル3中の試料流体と環境からの空気及び/又は汚染物質との接触が防止される。これを達成するために、プランジャ本体2は、アンプル3のための保護囲い/保管空間5を提供する。プランジャ本体2を外側管状ケーシング8、すなわち環状空洞9内に移動させることにより、挿入端10がアンプル3内に付勢されると、アンプル3の壁部7が貫通/破られる。壁部7を貫通する間、ガラス、プラスチック又は金属の破片のような小さな壁の破片/砕片が、アンプル3中に含まれる流体内に残ることがある。しかしながら、このような壁の破片は、ユーザ又は関連する測定デバイスにとって有害であるかもしれない(ガラス)裂片をもたらす可能性があるので、管腔14を通って移送されるべきではない。アンプル3の壁の破片がデバイス1から放出又は回収されるのを防止するために、管腔14がフィルタ部材34を備え、壁の破片及び砕片が放出されるのをブロックする、(そして、例えば、敏感なセンサをブロックする又は妨害することがある測定装置に至る)実施形態が提供される。有利には、フィルタ部材34は、流体から壁の破片/砕片を濾過するだけでなく、アンプル3からより多くの量の流体を移動させることも可能にする。実施形態では、挿入端10は、フィルタ部材34を備え、フィルタ部材34は、プランジャ本体2に最も近位の管腔14内に構成される。
【0046】
フィルタ部材34を有する本発明のデバイス1の実施形態は、デバイス1と組み合わせたアンプル3が、流体が生きている人間又は動物に投与される用途で使用されるときに、危険な壁の破片及び砕片が人間/動物の身体に入る可能性がないことを保証するので、さらなる利点を有する。
【0047】
フィルタ部材34は、例えば、多孔質素材フィルタ、フェルト又は他の網又はふるいタイプのフィルタ、チャネルの迷路構造を有するフィルタ(例えば、閉鎖蓋の縁部に小さいチャネルを形成する挿入端10の貫通部分10a上の(多段)閉鎖蓋)のような、いくつかの構造的変形で実現することができる。フィルタ素材は多様であってもよく、例えば、ポリマー素材、金属素材を含むが、これらに限定されない。構造的には、フィルタ部材34は、挿入端10に接着、溶接、又はそうでなければ固定されてもよい。
【0048】
本発明は、図面に示されるような多くの例示的な実施形態を参照して上記で説明してきた。いくつかの部分又は要素の修正及び代替の実施が可能であり、添付の特許請求の範囲中で定義される保護の範囲に含まれる。
【国際調査報告】