特表2021-501038(P2021-501038A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-501038医療器具を移動させるための医療機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-501038(P2021-501038A)
(43)【公表日】2021年1月14日
(54)【発明の名称】医療器具を移動させるための医療機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/221 20060101AFI20201211BHJP
【FI】
   A61B17/221
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-544153(P2020-544153)
(86)(22)【出願日】2018年11月14日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月1日
(86)【国際出願番号】EP2018081207
(87)【国際公開番号】WO2019096835
(87)【国際公開日】20190523
(31)【優先権主張番号】102017010535.9
(32)【優先日】2017年11月14日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520154265
【氏名又は名称】ウロメド クルト ドレーヴス カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM32
4C160NN03
4C160NN10
4C160NN11
(57)【要約】
医療器具(2)を医療機器(1)を用いて機器長手方向と長手方向のまわりに横方向の回転方向において操作機構(3)によって移動させるため、前記医療器具(2)は少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)と結合され、前記操作機構(3)は少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)を有しているか、または、これと結合されている。前記操作機構(3)は、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)とともに前記機器長手方向と当該長手方向のまわりで回転方向とに移動可能であり、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)と前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)との間の磁気的連結によって後者を医療器具(2)とともに対応的に移動させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作機構(3)を用いて医療器具(2)を機器長手方向に移動させ、且つ当該長手方向のまわりに横方向の回転方向に移動させるための医療機器(1)、好ましくは医療用内視鏡で使用するための医療機器において、
前記医療器具(2)が少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を含み、または、これと結合されていること、
前記操作機構(3)が少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)を含み、または、これと結合されていること、
前記操作機構(3)が、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)と機械的に連結されて前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を磁気連結によって前記回転方向にのみ移動させることができるか、或いは、機械的連結なしに前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を前記機器長手方向と前記回転方向とに磁気連結によって移動させることができること、
を特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記医療機器(1)が長尺の外側チューブ(6)を有し、該外側チューブを前記医療器具(2)が貫通していることを特徴とする、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記医療器具(2)が前記医療機器(1)内でその長手方向に変位可能に且つその長手軸線のまわりに回転可能に支持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記操作機構(3)にスケール機構(27,30,28,29)が付設され、該スケール機構が、機器長手方向および/またはこれに対し横方向の回転方向における前記医療器具(2)の少なくとも1つの移動の大きさを検出または表示することができることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項5】
前記医療機器(1)が、その操作を可能にする、または、少なくとも容易にする近位端部と、前記医療器具(2)を含んでいる遠位端部とを有し、
前記医療器具(2)が、前記機器(1)の前記遠位端部から突出する、または、これから案内可能な作業端を有し、且つこの作業端に前記機器(1)の前記近位端部側で接続する領域でもって、器具受容体(10)から機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能であり、
前記器具受容体(10)内で前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)が前記医療器具(2)と連結され、
前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)が前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)によって取り囲まれ、該少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が、前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)に対し機器長手方向およびこれに対し横方向の回転方向に移動可能であり、且つ前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)と磁気的に相互作用する、
ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が回転スライダ(7)によって受容され、該回転スライダが、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)とともに前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)のまわりを前記機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項7】
前記回転スライダ(7)が、前記受容体(10)と、前記機器長手方向において近位端部側に設けられ、手置き体として利用可能な延長部分(22)との間で、変位可能で且つ回転可能であり、前記延長部分が前記受容体(10)内で受容可能であることを特徴とする、請求項6に記載の医療機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)と前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)とは、反対磁極(N極NおよびS極S)でもって相互作用するように配置されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項9】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が棒状磁石によって形成され、該棒状磁石の反対極(N極N−S極S)がそれぞれ前記機器長手方向に方向づけられていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項10】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が円形磁石によって形成され、該円形磁石の反対極(N極N−S極S)がそれぞれ前記機器長手方向に対し横方向に方向づけられていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項11】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が永久磁石であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項12】
前記医療器具(2)が内視鏡で使用可能な医療器具、医療用結石捕獲バスケット、またはポリープループのような医療用ループであることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項13】
前記操作機構(3)が少なくとも1つの中空室(35,35’)を含み、該中空室内に前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が長手方向に変位可能に配置されていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が長手方向において遠位端部方向に変位することにより、スケール要素(33,33’)が遠位端部方向に変位可能であることを特徴とする、請求項13に記載の医療機器。
【請求項15】
前記中空室(35,35’)内にして前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)から遠位端部側に、前記スケール要素(33,33’)の、近位端部方向に予め弾性付勢されている部分が配置されていることを特徴とする、請求項13または14に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作機構を用いて医療器具を、好ましくは結石捕獲バスケットを機器長手方向に移動させ、且つ当該長手方向のまわりに横方向の回転方向に移動させるための医療機器、好ましくは医療用内視鏡で使用するための医療機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた種類の医療機器はすでに公知である(非特許文献1を参照)。この公知の機器は、その操作のために、両手操作または把持を必要とする。すなわち第1の手で操作することにより結石捕獲バスケットを機器から走出させ、またはこれに走入させ、そして第2の手で操作することにより結石捕獲バスケットを開閉させる。しかしながら、このような機器操作は煩雑に感じることがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.youtube.com/watch?v=2BhfMzx5pNE
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、医療器具を比較的簡単に操作機構を用いて片手操作により機器長手方向にも当該長手方向に対し横方向の回転方向にも移動可能であるように、冒頭で述べた種類の医療機器を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、冒頭で述べた種類の医療機器において、
医療器具が少なくとも1つの第1の磁気要素を含み、または、これと結合されていること、
操作機構が少なくとも1つの第2の磁気要素を含み、または、これと結合されていること、
前記操作機構が、前記少なくとも1つの第2の磁気要素と機械的に連結されて前記少なくとも1つの第1の磁気要素を磁気連結によって回転方向にのみ移動させることができるか、或いは、機械的連結なしに前記少なくとも1つの第1の磁気要素を機器長手方向と前記回転方向とに磁気連結によって移動させることができること、
によって解決される。
【0006】
なお、「医療機器」とは、好ましくはたとえば腎石、尿管内の石、または他の結石を除去するために使用できる医療用内視鏡で使用するための機器である。貫通器具を貫通させるため、医療機器は長尺の外側チューブを有している。
【0007】
「医療器具」とは、医療機器の外側チューブ内で受容できる貫通器具、すなわち医療機器の外側チューブの内部に配置される貫通器具、好ましくは結石捕獲バスケットである。医療器具は医療機器内で、特に外側チューブ内で軸線方向に変位可能(長手方向に変位可能)に、且つその長手軸線のまわりに回転可能に支持されている。器具の軸線方向への変位と長手軸線のまわりでの回転とは、その中に設けられている操作機構を用いて実現させる。
【0008】
本発明によれば、医療器具を比較的簡単に操作機構を用いて片手操作により機器長手方向にも当該長手方向に対し横方向の回転方向にも移動させることができるという利点が得られる。
【0009】
磁気的に連結される2つの要素を本発明に従って使用することには、利用者の力の作用が強すぎることによる遠位端部側作業要素の破損を阻止する安全機構としてもこれら相互作用する磁気要素が機能するという格別な付加的利点がある。すなわち、市販の器具では、利用者が結石を捕獲した後に作業要素(たとえば結石捕獲バスケット)を強すぎる力の作用で近位端部側方向において外側チューブ内へ引き戻したとすると、作業要素が破損することがある。このような力の作用が強すぎる事例において、本発明に従って相互作用する第1および第2の磁気要素を使用すると、これら要素の磁気相互作用が中断され、操作要素は磁気相互作用の解消のもとにさらに近位端部側方向へ変位される。
【0010】
少なくとも1つの第2の磁気要素と少なくとも1つの第1の磁気要素との間に前記機器長手方向において機械的連結が存在すると、少なくとも1つの第1の磁気要素は磁気連結によって前記回転方向でのみ移動することができる。このような機械的連結がなければ、少なくとも1つの第1の磁気要素は磁気連結によって前記機器長手方向にも当該回転方向にも移動することができる。
【0011】
本発明の合目的な更なる構成によれば、操作機構にスケール機構またはスケール要素が付設され、該スケール機構またはスケール要素が、機器長手方向および/またはこれに対し横方向の回転方向における医療器具の少なくとも1つの移動の大きさを検出または表示することができるのが好ましい。医療器具の運動の大きさを機器長手方向においてもこれに対し横方向の回転方向においても2つのスケールを用いて表示し、これによってこの大きさを2つの座標で検出するのが有利である。これは、特に、当該医療器具を用いて個体の中空空間から体の一部分または結石(たとえば胆石または腎石)を取り出すような事例において有用である。この場合、このような取り出しの前に、少なくとも、除去すべきそれぞれの体の一部分またはそれぞれの結石がどの程度のサイズを持っているについてのおおよその情報を提供するのが有利である。これは、前記スケール機構または前記スケール要素を、いわば、除去すべきそれぞれの体の一部分またはそれぞれの結石の寸法を測るために利用できることを意味している。
【0012】
本発明の他の合目的な更なる構成によれば、本発明による医療機器は、
医療機器が、その操作を可能にする、または、少なくとも容易にする近位端部または端部領域と、医療器具を含んでいる遠位端部または端部領域とを有し、
医療器具が、前記機器の遠位端部から突出する、または、これから案内可能(突出可能)な作業端を有し、且つこの作業端に前記機器の近位端部側で接続する領域でもって、器具受容体から機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能であり、
器具受容体内で少なくとも1つの第1の磁気要素が医療器具と連結され、
少なくとも1つの第1の磁気要素が少なくとも1つの第2の磁気要素によって取り囲まれ、該少なくとも1つの第2の磁気要素が、少なくとも1つの第1の磁気要素に対し機器長手方向およびこれに対し横方向の回転方向に移動可能であり、且つ少なくとも1つの第1の磁気要素と磁気的に相互作用する、
という構成要件を含んでいる。
【0013】
これにより、総じて特に簡単に構成される本発明による医療機器の利点が得られる。
【0014】
合目的には、少なくとも1つの第2の磁気要素は回転スライダによって受容され、該回転スライダは、少なくとも1つの第2の磁気要素とともに少なくとも1つの第1の磁気要素のまわりを機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能である。これにより、少なくとも1つの第2の磁気要素は有利な態様で特に簡単に少なくとも1つの第1の磁気要素に対し相対的に機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも移動することができる。
【0015】
好ましくは、回転スライダは、受容体と、機器長手方向において近位端部側に設けられ、手置き体として利用可能な延長部分との間で、変位可能で且つ回転可能であり、延長部分は受容体内で受容可能である。この処置は、本発明による医療機器の片手操作を容易にさせる。
【0016】
合目的には、少なくとも1つの第1の磁気要素と少なくとも1つの第2の磁気要素とは、反対磁極でもって相互作用するように配置されている。これにより、少なくとも1つの第1および第2の磁気要素の特に簡単な実現という利点が得られる。
【0017】
合目的には、磁気要素は棒状磁石によって形成され、該棒状磁石の反対極(N極−S極)はそれぞれ機器長手方向に方向づけられている。これとは択一的に、それぞれの磁気要素は円形磁石によって形成され、該円形磁石の反対極(N極−S極)はそれぞれ機器長手方向に対し横方向に方向づけられている。両ケースとも、簡潔に構成される磁気要素が提供される。
【0018】
好ましくは、それぞれの磁気要素は永久磁石によって形成されている。これにより、特に簡潔に実現される磁気要素という利点がもたらされる。しかしこの代わりに、磁気要素の1つまたは他の磁気要素またはすべての磁気要素をそれぞれ電磁要素によって実現することも基本的には可能である。
【0019】
医療器具として、好ましくは内視鏡で使用可能な医療器具、医療用結石捕獲バスケット、またはポリープループ(ポリープ切除スネア)のような医療用ループ(医療用スネア)が用いられる。これによって本発明は医学の広範囲で使用可能であり、たとえば胆のうおよび腎臓の分野並びに胃腸学の分野で使用可能である。
【0020】
医療器具は、有利には、可撓性または曲げ弾性があるように形成されているシャフト部分を有している。シャフト部分の可撓性は、医療機器の外側チューブを通じて器具を挿入させてこのチューブによって器具を手術個所まで変位させることを可能にさせる。器具との組み合わせで使用される機器も、有利には同様に、外側チューブによって形成させることができる、または、このようなものを含む可撓性のシャフト部分を有する。
【0021】
操作を可能にする、または、少なくとも容易にさせる、医療機器の近位端部または近位端部領域は、ハンドグリップであってよく、または、ハンドグリップを含んでいてよい。ハンドグリップはたとえば終端グリップ部分を含むことができる。ハンドグリップは、好ましくは片手操作のために形成されている。このことは、ハンドグリップで実行されるすべての機能は、機器の保持およびその中に設けられている操作要素の操作をも含めて、片手で操作できることを意味している。
【0022】
有利な実施態様では、操作機構に、結石捕獲バスケットで捕獲された結石の長さまたはサイズを表示できるスケール要素が付設されている。このため、スケール要素上に配置されるスケールは、回転スライダとカバーパイプとの間で遠位端部方向に強制誘導され、回転スライダが近位端部方向において最大に変位したときに変位する。この効果は、操作機構内で予め弾性付勢されて最大で近位端部方向に変位する、L字状の横断面を備えたスケール要素を使用することによって達成される。この場合、スケールは回転スライダとカバーパイプとの間に配置されているので、この位置でスケールは利用者には見えない。第2の磁気要素は、スケール要素の近位端部側に配置されている。結石が結石捕獲バスケットで受容され、回転スライダが利用者によって最大で近位端部側方向に移動されると、第1の磁気要素の磁力が、第2の磁気要素を、その最大近位端部側位置から遠位端部側にある位置で保持する。対応的に、予緊張力を形成するために使用される弾性要素が圧縮されて、スケールが回転スライダとカバーパイプとの間で遠位端部方向において移動し、その結果スケールが利用者に見えるようになる。このように、本発明によれば、少なくとも1つの第2の磁気要素が遠位端部方向において長手方向に移動することにより、スケール要素は遠位端部方向に移動可能である。
【0023】
加えて、スケール要素は、スケールを含んでいて、医療器具の長手方向に対し平行に、または、医療器具のシャフト領域に対し平行に配置されている第1の部分を有している。第1の部分は、たとえば医療器のカバーパイプ上に載置され、これに対し少なくとも部分的に形状補完的であってよい。したがって第1の部分は、たとえばカバーパイプの筒状形状に適合している部分円状の横断面を有することができる。スケール要素の第1の部分は、少なくとも部分的に、カバーパイプと操作機構または該操作機構の回転スライダとの間に配置されている。第1の部分の近位端部には、スケール要素の第2の部分が配置されている。
【0024】
スケール要素の第2の部分は、第1の部分の長手方向に対し実質的に直角に配置され、よって医療器具の長手方向に対しても実質的に直角に配置されている。スケール要素はたとえば実質的にL字状の要素から、たとえば薄鋼板要素、プラスチック要素、またはセラミックス要素から形成されてよい。この事例では、L字形状の短い端部はスケール要素の第2の部分を形成し、長い端部は第1の部分を形成する。これに関連して、「L字形状」とはL状横断面を備えた形状を言う。スケール要素は好ましくは1つの部材から形成されている。しかし、いずれの場合もスケール要素の第1の部分と第2の部分とは互いに相対的に変位可能ではない。
【0025】
スケール要素の第2の部分は、完全に回転スライダとカバーパイプとの間に配置されている。第2の部分の遠位端部側には、好ましくは半径方向において第1の部分の一部分の横には、弾性要素が配置されている。弾性要素は、第2の部分に遠位端部方向から予緊張力を作用させる。第2の部分の近位端部側には、第2の磁気要素が配置されている。換言すれば、スケール要素の第2の部分は弾性要素と第2の磁気要素との間に配置されている。したがって、少なくとも1つの第2の磁気要素を遠位端部方向において長手方向に変位させることにより、スケール要素は遠位端部方向に変位可能である。したがって、中空室内には、少なくとも1つの第2の磁気要素の遠位端部側には、スケール要素の、近位端部方向に弾性で予緊張せしめられている部分が配置されている。
【0026】
弾性要素と、第2の磁気要素(またはその磁気成分)と、スケール要素の第2の部分とは、好ましくは回転スライダまたは操作要素の中空室内に配置されている。第2の磁気要素とスケール要素の第2の部分とは、中空室の内部において医療機器の長手軸線に対し平行に長手方向へ変位可能である。この長手方向への変位によって弾性要素は圧縮可能である。換言すれば、操作機構は少なくとも1つの中空室を有し、この中空室内に少なくとも1つの第2の磁気要素が長手方向に変位可能に配置されている。
【0027】
結石捕獲バスケットが結石を受容しておらず、よって結石捕獲バスケットを完全に外側チューブ内へ引き込み可能であるような静止状態では、第2の部分と第2の磁気要素(またはその磁気成分)とは、弾性要素によって近位端部方向に作用する弾性力により近位端部領域内へ、好ましくは中空室の近位端部へ変位している。これに対し、結石捕獲バスケット内に結石が受容されていて、回転スライダがその最大近位端部側位置へ変位されると、第2の磁気要素(またはその磁気成分)は、第1の磁気要素(引張り・変位ストランドとの連結によりもはやその近位端部側位置へ引き戻し不能である)との磁気的相互作用により中空室内部で遠位端部側位置へ変位せしめられる。
【0028】
本発明は、関連した観点において、好ましくは医療用内視鏡で使用するための医療機器、好ましくはここで述べているような磁気連結式の機器であって、前記医療器具を機器長手方向におよび当該長手方向に対し横方向の回転方向において操作機構を用いて移動させるための前記機器において、該危機がグリップ部分を有し、該グリップ部分がその近位端部に開口部を有し、該開口部内に挿入補助要素を挿入可能であり、且つ前記開口部内で前記挿入補助要素をクランプ式にロック可能であることを特徴とする前記機器に関する。
【0029】
本発明は、本発明による医療機器と挿入補助要素とを含む医療システムであって、前記挿入補助要素が好ましくは医療機器のグリップ部分の近位端部側開口部内でロック可能である前記医療システムにも関する。
【0030】
挿入補助要素は、医療器具を内視鏡の作業通路内に挿入する前に、作業通路の近位端部側入口接続部内または作業通路内へ差し込むことができる。それ故、挿入補助要素は機器内の開口部から取り出し可能である。挿入補助要素はホッパー状に形成されていて、医療器具の遠位端部を入口接続部に挿入するのを容易にする。挿入補助要素を機器の近位端部にリバーシブルにロックすることは、医療機器の無菌外装部を近位端部においてわずかだけ開口させれば挿入補助要素へのアクセスが得られるという利点をもたらす。挿入補助要素を入口接続部上に差し込むため、機器の遠位端部領域または医療器具が汚染される危険がなければ、まず医療機器を横に置いていてよい。次に、遠位端部領域を同様に無菌外装部から取り出し、作業通路内へスムーズに挿入することができる。
【0031】
この目的のため、挿入補助要素は通常その近位端部領域で筒状に形成されている。挿入補助要素の遠位端部領域は、遠位端部方向にホッパー状に(テーパ状に)収束する部分を含んでいる。遠位端部側でテーパ状部分に続いて、挿入補助要素は他の筒状部分を有している。この他の筒状部分は、挿入補助要素の近位端部領域よりも短い外周を有する。適当な挿入補助要素は当業者に公知である。
【0032】
ハンドグリップの近位端部側開口部でのリバーシブルなロックのため、挿入補助要素は隆起状のリブを有することができ、これらのリブはそれぞれ挿入補助要素の周部に沿って延在し、好ましくは近位端部領域において周部に沿って延在する。対応的に、ハンドグリップはこれらの実施形態において近位端部側開口部にクランプ要素を有し、該クランプ要素を用いて挿入補助要素をロックすることができる。好ましくは、クランプ要素は通常の態様でリブの間に係合し、挿入補助要素を開口部から出入させる際にリブを越えて滑動する。開口部が好ましくは少なくとも部分的に挿入補助要素の横断面に対し形状補完的に形成されていることは明らかである。好ましくは、開口部は実質的に円形または部分円状であり、この場合円の内径は挿入補助要素の外径に対応している。開口部は、好ましくは医療機器の長手方向に対し横方向に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
次に、図面を用いて本発明を実施形態に関し詳細に説明する。
【0034】
図1】本発明の1実施形態による医療機器を、実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示した斜視図である。
図2図1の医療機器を幾分変形した実施形態を、同様に実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示した平面図である。
図3図2に図示した本発明による医療機器の断面図である。
図4】本発明のさらに他の実施形態による医療機器を、同様に実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示した平面図である。
図5図4に図示した本発明による医療機器の実施形態の断面図である。
図6図5に記入した切断線I−Iによる拡大断面図である。
図7図5に記入した切断線I−Iによる他の拡大断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態による医療機器を、同様に実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示した平面図である。
図9図8に図示した本発明による医療機器の実施形態の断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による医療機器を、同様に実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示した平面図である。
図11図10に図示した本発明による医療機器の実施形態の断面図である。
図12図11の部分拡大図である。
図13図11の他の部分拡大図である。
図14図11のさらに他の部分拡大図である。
図15図11のさらに他の部分拡大図である。
図16】本発明のさらに他の実施形態による医療機器の平面図であり、図17Bに認められるL字状横断面を備えたスケール要素を有し、該スケール要素を用いて結石捕獲バスケットに受容された結石の長さを測定可能であり、この場合医療器具が外側チューブ内に完全に戻し引き込まれている医療機器の平面図である(A:近位端部側部分、B:遠位端部領域)。
図17A図16に図示した本発明による医療機器の実施形態の近位端部側部分の断面図である。
図17B図17Aに図示した回転スライダの拡大断面図である。
図18図16図17に図示した実施形態の平面図であり、結石が遠位端部側結石捕獲バスケットで受容されている平面図である(A:近位端部側部分、B:遠位端部領域)。
図19A図16図18に図示した実施形態の近位端部側部分の断面図であり、図示していない態様で結石が遠位端部側の結石捕獲バスケットに受容されている断面図である。
図19B図19Aに図示した回転スライダの拡大断面図である。
図20図16図17に示した実施形態による医療機器の斜視図であり、医療器具が完全に外側チューブ内に戻し引き込まれている位置で示した斜視図である(A:近位端部側部分、B:遠位端部領域)。
図21図18図19に示した実施形態による医療機器の斜視図であり、結石が遠位端部側の結石捕獲バスケットに受容されている斜視図である(A:近位端部側部分、B:遠位端部領域)。
図22】他の実施形態による医療機器の近位端部側部分の斜視図であり、近位端部に固定補助要素が配置され、固定補助要素が(A)で終端グリップ部分から取り出され、(B)で終端グリップ部分内に挿入されている斜視図である。
図23図22に図示した本発明による医療機器の実施形態を側方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図面に詳細に立ち入る前にまず注意しておくと、すべての図面において同じまたは互いに対応する装置或いは構成要素には同じ参照符号が付されている。
【0036】
図1は本発明の1実施形態による医療機器1の斜視図であり、実際に使用されるサイズとは異なるサイズで示してある。医療機器1は医療器具2を含んでおり、医療器具はここではたとえば胆石または腎石を捕獲するための結石捕獲バスケット2として図示されている。この医療器具2は、医療機器1の操作機構3を用いて片手運動で機器長手方向と当該長手方向に対し横方向の回転方向とに運動させることができる。操作機構3は、ここでは、後でより詳細に明らかになるように、回転スライダ7を含んでいる。
【0037】
前述した結石捕獲バスケット2は複数のバスケットストランド4から成り、これらバスケットストランドは引張り・変位ストランド5でもって外側チューブ6によって受容されており、該外側チューブ6内で引張り・変位ストランド5は外側チューブ6の長手方向において変位可能である。引張り・変位ストランド5が(図1において左側に図示した)機器遠位端部側のほうへ変位することにより、バスケットストランド4が外側チューブ6から抜け出して、結石捕獲バスケット2を開くことができる。引張り・変位ストランド5が逆方向の(図1において右側に図示した)機器近位端部側の方向に運動することにより、または、引張り・変位ストランド5が外側チューブ6内へ引き込まれることにより、バスケットストランド4はその引張り・変位ストランド5でもって再び閉じることができ、これによりたとえば結石を結石捕獲バスケット2内に受容させて、これによって固持させることができる。
【0038】
医療機器1は遠位端部側に設けられる機器先端部8を含み、機器先端部8には機器近位端部側でカバーパイプ9が接続し、カバーパイプ9は機器先端部8の延長部分として形成されていてよい。
【0039】
図1から明らかに見て取れるように、医療器具2の外側チューブ6は機器先端部8によってしっかりと受容されている。この外側チューブ6の内部で案内されている引張り・変位ストランド5は、前述のカバーパイプ9の内部に進入して延在し、そこで受容体10によってしっかりと受容され、受容体10は上述した回転スライダ7によって取り囲まれて、これとともに操作機構3を形成している。このような状況は、図1の医療機器1を機器近位端部において幾分構成を変えて示した図2および図3においてかなり概略的に示されている。
【0040】
引張り・変位ストランド5は、図3の断面図から明らかにわかるように、受容体10内において、該受容体にねじ止めされているクランプ部材11によって該受容体10から引き出されたりその中へ引き込まれたりしないように固定されている。受容体10には、その遠位端部および近位端部にロック要素12,13が結合され、ロック要素12,13は図1に図示したピン14または15を備え、ピン14または15はカバーパイプ9に設けた(図示していない)スリットによって案内のために受容されている。この場合、両ピン12,13はその端部でもってカバーパイプ9の外周から幾分突出している。ピン14,15の、カバーパイプ9の外周から突出している部分は、回転スライダ7の内周に周回するように設けた溝16または17によって受容されている。この機械的連結により、回転スライダ7は受容体10に対し相対的に機器長手方向に対し横方向に回転でき、且つ受容体10とともに機器長手方向に変位することができる。
【0041】
前述した回転スライダの回転運動を引張り・変位ストランド5の回転運動に変換するため、したがって医療用結石捕獲バスケット2の対応する回転運動に変換するため、本発明によれば、引張り・変位ストランド5を固持している受容体10は、少なくとも1つの第1の磁気要素を備え、図1によれば直径方向に対向しあっている2つの第1の磁気要素18,19を備えている。これら磁気要素18,19は、ここでは個別の棒状の永久磁石によって形成され、これら永久磁石は受容体10に固定して装着され、たとえば接着によって装着されている。磁極、すなわちN極(N)およびS極(S)の方向は、ここでは機器長手方向に延びている。
【0042】
両永久磁石18,19に小さな間隔で対向して位置するように少なくとも1つの第2の磁気要素が設けられている。ここでは磁気要素は2つの対応する棒状の永久磁石20または21によって形成され、これら永久磁石は回転スライダ7の内部に受容体10に装着され、たとえば同様に接着によって装着されている。永久磁石20,21の磁極(N極(N)およびS極(S))の方向は、ここでは機器長手方向において永久磁石18または19の磁極(N極(N)およびS極(S))の方向とは逆方向に延びている。これによって、永久磁石18と20および永久磁石19と21はそれぞれ互いに引き寄せ合う。なお、ここでは、永久磁石18と20および19と21はそれぞれ磁気的に同極に互いに方向付けられていてもよく、その結果それぞれN極(N)とS極(S)とは互いに対向しあって設けられる。すなわち回転スライダ7による医療機器または結石捕獲バスケット2の回転運動は、ここでは図1によれば、永久磁石18と20および19と21の磁気連結によって行われ、一方医療機器または結石捕獲バスケット2の長手方向変位は回転スライダ7と前述した受容体10との機械的連結によって行われる。
【0043】
カバーパイプ9には、機器近位端部側に終端グリップ部22が接続している。終端グリップ部22は膨出状に形成され、カバーパイプ9上に変位可能に差し込まれていてよい。この終端グリップ部22はここではその内部にロックローラ24を担持し、ロックローラ24はここではカバーパイプ9の一部として形成されているロック要素板26のロック穴25に当接することができる。
【0044】
図2には、医療機器1がスケール機構を備えていることが図示されている。スケール機構はここでは2つのスケール27と28から成り、これらスケールはたとえばミリメートル/インチまたは角度でメモリを担持し、付加的に寸法記載を備えていてよい。長さを記載するためのスケール27はカバーパイプ9の外面上にある。医療器具または結石捕獲バスケットを医療機器1から走出させて測定する際の基準要素として、ここでは図2で右側に図示した回転スライダ7の外側エッジ30を用いることができる。遠位端部側の機器先端部4に設けられ、角度を検知するために用いられるスケール28を用いて、回転スライダ7の回転を、したがって医療器具または結石捕獲バスケットの回転を検知することができる。この検知のため、このスケール28には、回転スライダ7の外面上にてスケール付近に設けられたポインタ29が属している。
【0045】
図3に図示した、図2に示されている医療機器1の断面図からわかるように、ここでは図1に示した実施形態とは異なり、終端グリップ部22は筒状に形成されている。図1の場合と同様、ここでもロック穴25およびロックローラ24を備えたロック要素板26が設けられている。
【0046】
図4および図5には、本発明の他の実施形態による医療機器1が平面図または断面図で図示されている。ここでは、膨出して形成された終端グリップ部22はロック結合部によってカバーパイプ9上に固持されており、ロック結合部は、終端グリップ部22に設けたロック突起31と、これに嵌合する、カバーパイプ9に設けたロック穴23とから成っている。
【0047】
図6および図7は、図5に記入した切断線I−Iによる拡大断面図である。図6は第1の磁気要素18,19と第2の磁気要素20,21を示しており、これら磁気要素はそれぞれ棒状の永久磁石として受容穴10または回転スライダ7の直径方向に対向している側面に設けられている。永久磁石18,21および19,20の極性は、それらの対向極(N極NおよびS極)が互いに対向しあい、したがって該当する永久磁石が引き寄せ合うようになっている。図7は、互いに90゜ずれている、対応する極性(NとS)を備えた永久磁石18ないし21の2つのセットの十字配置を示している。
【0048】
なお、この代わりに、上述した永久磁石18,21および19,20は原理的には図6および図7の極性とは異なる極性を有していてよく、すなわちそれぞれ同じ極(N極またはS極)でもって互いに対向して配置されていてよい。
【0049】
図8図9図10図11には、本発明による医療機器1の他のいくつかの変形実施形態が図示されている。これらの変形実施形態が医療機器1の前述した実施形態と異なっているのは、主に、それぞれの終端グリップ部22がここではねじ山32によりカバーパイプ9上にねじ止めされていることである。これにより、機器を片手操作している間に手を置くために利用可能な近位端部側機器領域でもって、それぞれの利用者にとって快適な長さと結石捕獲バスケット2に対する所望の開口長さとを簡単に調整することができる。
【0050】
図12図13図14図15は、図11で一点鎖線の円で囲った領域の拡大部分図であり、この領域は、回転スライダ7と受容体10とを含んでいる、医療機器1の操作領域3である。
【0051】
この場合、図12図13は、棒状の永久磁石18,19,20,21を使用した例を示しており、その極性(N極NとS極S)はそれぞれ医療機器1の長手方向に方向づけられている。図12では、互いに対向しあっている永久磁石18,20と19,21はそれらの反対極(N−S)でもって互いに引き寄せ合っている。これに対し、図13では、互いに対向しあっている永久磁石18,20と19,21はそれらの反対極(N−S)でもって互いに反発しあっている。
【0052】
図14図15は、図12図13において永久磁石18ないし21に関し図示した状況に対応する状況を永久円形磁石18ないし21に対し図示したもので、その反対極(N極−S極)はそれぞれ機器長手方向に対し横方向に方向づけられている。この場合、図14は、互いに対向しあっている永久円形磁石18,20と19,21がそれらの反対極(N−S)でもって互いに引き寄せ合っていることを示している。これに対し、図15では、互いに対向しあっている永久円形磁石18,20と19,21がそれらの反対極(N−S)でもって互いに反発しあっている。
【0053】
最後に注意しておくと、本発明は説明した結石捕獲バスケットとは異なる医療器具2でも実現させることができる。すなわち医療器具としてたとえば内視鏡的に使用可能な鉗子のような鉗子、ポリープ用ループのようなループ、或いは、医療用または外科用操作具を使用することができる。
【0054】
少なくとも1つの磁気要素18,19,20,21は、これまでそれぞれ2つまたは4つの磁気要素を含むものとして説明してきた。しかしながら、当該磁気要素はより多くの数量で設けられていてもよく、すなわち好ましくは第1の磁気要素と第2の磁気要素とが常に対を成して設けられていてよい。この場合、冒頭で述べたように、当該磁気要素のいくつか、または複数、またはすべてが電磁要素によって形成されていてよい。
【0055】
図16ないし図21は、操作機構3が、回転スライダ7と、L字状横断面を備えたスケール要素33とを有している、本発明による医療機器1の同じ実施形態を示している。他の点では、ここに図示した実施形態は図10および図11に図示した実施形態の多くの要素に類似している。それ故、そこで説明した要素をもう一度詳細に説明しないことにする。
【0056】
回転スライダ7も、終端グリップ部22も、要素の特に確実な保持および操作を可能にする波形部を有していることが認められる。
【0057】
図16ないし図21では、第1の磁気要素18,19はそれぞれそれらの反対極での磁気的相互作用によって第2の磁気要素20,21内で方向づけられている。
【0058】
図17A図17Bの断面図では、医療機器1の回転スライダ7が2つの中空室35,35’を有していることが認められる。中空室35,35’は半径方向においてカバーパイプ9の方向に開口している。また、中空室は医療機器1の長手方向に対し平行に、よってカバーパイプ9に対し平行に長手方向に延在している。中空室35,35’内にはそれぞれ弾性要素34または34’、第2の磁気要素20または21、スケール要素33または33’の一部分が配置されている。この場合、弾性要素34または34’はスケール要素33または33’の前記一部分から遠位端部側に配置され、そしてスケール要素33または33’の前記一部分は第2の磁気要素20または21から遠位端部側に配置されている。中空室35,35’の長さは、好ましくはそれぞれ第2の磁気要素20または21と弾性要素34または34’とスケール要素33または33’の組み合わせ長さに対応しており、この場合弾性要素34または34’は完全に圧縮されていない。弾性要素34または34’はこの位置で完全に弛緩している必要はないが、しかし弾性要素34,34’がこの静止位置でほぼまたは完全に弛緩しているのが有利であり、すなわち実質的に完全に弛緩しているのが有利である。これによって、弾性要素34,34’を遠位端部側方向に圧縮可能であることが確保される。
【0059】
図16図17図20に図示した位置では、医療器具2は完全に近位端部側方向において医療機器1の外側チューブ6内へ引き戻されている。この位置を「静止位置」または「静止ポジション」とも記すことにする。医療器具2を外側チューブ6内に完全に引き戻すことは、バスケットストランド4の間に結石42が受容されていない時だけ可能である。この位置で医療機器1をたとえば患者の身体開口部内へ挿入して、手術個所へもたらすことができる。
【0060】
機器先端部分8後方での外側チューブ6の屈曲を阻止するため、図16ないし図23の医療機器1は屈曲防止チューブ40を有している。屈曲防止チューブ40は機器先端部分8のすぐ遠位端部側で外側チューブ6のまわりに設置されてこれを安定化させている。屈曲防止チューブ40は、外側チューブ6の内部に延在しているねじ状の可撓性要素である。屈曲防止チューブ40は外側チューブ6よりも著しく短い。
【0061】
図17および図20では、弾性要素34,34’が実質的に弛緩しており、弾性力が近位端部側方向においてスケール要素33,33’の第2の部分に作用することが認められる。スケール要素33または33’はL字状の横断面を有し、したがって医療機器1の長手軸線に対し平行に延びている第1の部分と、この第1の部分の近位端部を起点としてカバーパイプ9から直角に半径方向に中空室35または35’内へ延びている第2の部分とから構成されている。図示した実施形態では、スケール要素33,33’は1つの部材から作製され、この場合スケール要素33,33’の第1の部分と第2の部分との間に90゜の角度がある。弾性要素34,34’の弾性力は、スケール要素33,33’の第2の部分を第2の磁気要素20または21に対し押圧させる。
【0062】
図18図19図21には、結石捕獲バスケット2が遠位端部側で外側パイプ6から取り出されて結石42を、たとえば腎石をバスケットストランド4の間で受容した位置が示されている。この場合、引張り・変位ストランド5は可能な限り外側チューブ6内に引き戻されており、すなわちバスケットストランド4がほぼその全長で結石42を密に取り囲む程度に引き戻されている。回転スライダ7は、この位置に到達した後、さらに近位端部方向に移動し、その結果第1および第2の軸要素18,19,20,21の磁気相互作用により、且つ弾性要素34,34’の圧縮のもとに、スケール要素33,33’の第2の部分は遠位端部方向に移動する。スケール要素33,33‘が遠位端部方向に変位することにより、回転スライダ7とカバーパイプ9との間にあるスケール要素33,33’の第1の部分の遠位端部側部分が出てきて、その結果スケール要素33,33’上に配置されているスケールを要素の利用者が読み取れる。
【0063】
図22および図23は本発明による他の実施形態による医療機器1を示すもので、図22のAとBはそれぞれ斜視図、図23は側面図である。この実施形態では、近位端部に挿入補助要素36が配置されている。医療機器1は終端グリップ部分22の遠位端部側に外側チューブ6を有し、該外側チューブ内に、ここには図示していない引張り・変位ストランド5が延在している。終端グリップ部分22は本発明による回転スライダ7を含み、回転スライダ7はカバーパイプ9を取り囲み、カバーパイプ9は近位端部側で回転スライダ7から終端グリップ部分22内へ続いている。
【0064】
医療機器22はその近位端部に開口部37を有し、該開口部には挿入補助要素36を挿入可能である。図23で認められるように、挿入補助要素36は筒状の近位端部側領域を有し、その外周には、周回するように延びるリブ39が配置されている。挿入補助要素36を形状およびサイズに関して相補的な開口部37に挿入すると、該開口部37に配置されているクランプ要素38がリブ39の間の中間室に係合し、リブ39を介して滑動する。図22で認められるように、挿入補助要素36は、短い筒状の遠位端部側部分と、これから近位端部側に配置され、遠位端部側へ筒状に集束している部分とを有している。図22のAは、挿入補助要素36が終端グリップ部分22から取り出された位置を示し、図22のBは、挿入補助要素36が終端グリップ部分22でロックされている位置を示している。
【0065】
本発明をいくつかの実施形態について説明したが、もちろん当業者にとっては、本発明をこれら実施形態に限定するのではなく、添付の請求の範囲を逸脱しなければ、個々の構成要件を省略したり、提示した個々の構成要件を別様に組み合わせることを実現できるように変形したりすることが可能である。ここに開示した事項は、提示した個々の構成要件のすべての組み合わせを含んでいる。
【符号の説明】
【0066】
1 医療機器
2 医療器具、結石捕獲バスケット
3 操作機構
4 バスケットストランド
5 引張り・変位ストランド
6 外側チューブ
7 回転スライダ
8 機器先端部分
9 カバーパイプ
10 器具受容体、受容体
11 クランプ部分
12 リング要素
13 リング要素
14 ピン
15 ピン
16 溝
17 溝
18 第1の磁気要素、永久磁石
19 第1の磁気要素、永久磁石
20 第2の磁気要素、永久磁石
21 第2の磁気要素、永久磁石
22 終端グリップ部分
23 ロック開口部
24 ロックローラ
25 ロック開口部
26 ロック要素板
27 スケール
28 スケール
29 ポインタ
30 外側エッジ
31 ロック突起
32 ねじ山
33,33’ スケール要素
34,34’ 弾性要素
35,35’ 中空室
36 挿入補助要素
37 近位端側開口部
38 クランプ要素
39 リブ
40 屈曲防止チューブ
42 結石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
【手続補正書】
【提出日】2019年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作機構(3)を用いて医療器具(2)を機器長手方向に移動させ、且つ当該機器長手方向のまわりに横方向の回転方向に移動させるための医療機器(1)、好ましくは医療用内視鏡で使用するための医療機器において、
前記医療器具(2)が少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を含み、または、これと結合されていること、
前記操作機構(3)が少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)を含み、または、これと結合されており前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が前記操作機構(3)の回転スライダ(7)によって受容され、該回転スライダが、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)とともに前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)のまわりを前記機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能であること、
前記操作機構(3)が、前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)と機械的に連結されて前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を磁気連結によって前記回転方向にのみ移動させることができるか、或いは、機械的連結なしに前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)を前記機器長手方向と前記回転方向とに磁気連結によって移動させることができること、
を特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記医療機器(1)が長尺の外側チューブ(6)を有し、該外側チューブを前記医療器具(2)が貫通していることを特徴とする、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記医療器具(2)が前記医療機器(1)内でその長手方向に変位可能に且つその長手軸線のまわりに回転可能に支持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記操作機構(3)にスケール機構(27,30,28,29)が付設され、該スケール機構が、機器長手方向および/またはこれに対し横方向の回転方向における前記医療器具(2)の少なくとも1つの移動の大きさを検出または表示することができることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項5】
前記医療機器(1)が、その操作を可能にする、または、少なくとも容易にする近位端部と、前記医療器具(2)を含んでいる遠位端部とを有し、
前記医療器具(2)が、前記機器(1)の前記遠位端部から突出する、または、これから案内可能な作業端を有し、且つこの作業端に前記機器(1)の前記近位端部側で接続する領域でもって、器具受容体(10)から機器長手方向にもこれに対し横方向の回転方向にも変位可能であり、
前記器具受容体(10)内で前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)が前記医療器具(2)と連結され、
前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)が前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)によって取り囲まれ、該少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が、前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)に対し機器長手方向およびこれに対し横方向の回転方向に移動可能であり、且つ前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)と磁気的に相互作用する、
ことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項6】
前記回転スライダ(7)が、前記受容体(10)と、前記機器長手方向において近位端部側に設けられ、手置き体として利用可能な延長部分(22)との間で、変位可能で且つ回転可能であり、前記延長部分が前記受容体(10)内で受容可能であることを特徴とする、請求項に記載の医療機器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第1の磁気要素(18,19)と前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)とは、反対磁極(N極NおよびS極S)でもって相互作用するように配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項8】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が棒状磁石によって形成され、該棒状磁石の反対極(N極N−S極S)がそれぞれ前記機器長手方向に方向づけられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項9】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が円形磁石によって形成され、該円形磁石の反対極(N極N−S極S)がそれぞれ前記機器長手方向に対し横方向に方向づけられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項10】
それぞれの前記磁気要素(18,19,20,21)が永久磁石であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項11】
前記医療器具(2)が内視鏡で使用可能な医療器具、医療用結石捕獲バスケット、またはポリープループのような医療用ループであることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項12】
前記操作機構(3)が少なくとも1つの中空室(35,35’)を含み、該中空室内に前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が長手方向に変位可能に配置されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一つに記載の医療機器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)が長手方向において遠位端部方向に変位することにより、スケール要素(33,33’)が遠位端部方向に変位可能であることを特徴とする、請求項12に記載の医療機器。
【請求項14】
前記中空室(35,35’)内にして前記少なくとも1つの第2の磁気要素(20,21)から遠位端部側に、前記スケール要素(33,33’)の、近位端部方向に予め弾性付勢されている部分が配置されていることを特徴とする、請求項12または13に記載の医療機器。
【国際調査報告】