(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-501954(P2021-501954A)
(43)【公表日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】業績ランキングデータセットを生成するためのコンピュータで実施される方法、システム、コンピュータプログラム及びデータキャリア
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20201218BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-544119(P2020-544119)
(86)(22)【出願日】2018年11月6日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月15日
(86)【国際出願番号】EP2018080332
(87)【国際公開番号】WO2019091974
(87)【国際公開日】20190516
(31)【優先権主張番号】01339/17
(32)【優先日】2017年11月7日
(33)【優先権主張国】CH
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520154885
【氏名又は名称】ジャン, シャン
【氏名又は名称原語表記】JIANG, Shan
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シャン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
本発明は、ランキングデータセット(40)を生成する、コンピュータで実施される方法に関し、データ処理システム(1)が、本発明による方法を実行するための手段と、命令を含むコンピュータプログラムであって、このプログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに本発明による方法を実行させる、コンピュータプログラムと、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読データキャリアとを備える。ランキングデータセット(40)は、機能エンティティ(6)の業績を少なくとも1つの別の機能エンティティ(6)と比較してランク付けするための、機能エンティティ(6)の業績を表す少なくとも1つの業績値を含む。本発明による方法は、機能エンティティ(6)の業績についての本質的に一様に報告されたデータを含む報告ソース(51、52、53)から、少なくとも1つの報告業績指標を取得するステップと、機能エンティティ(6)に関する、本質的にランダムに生じる情報をもたらす補助情報ソース(21、22、23、24)から、少なくとも1つの補助業績指標を特定するステップと、少なくとも1つの報告業績指標を、少なくとも1つの補助業績指標と組み合わせてメタ業績変数を生成するステップと、このメタ業績変数から少なくとも1つの業績値を得るステップとを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能エンティティ(6)の業績をランク付けするための、前記機能エンティティ(6)の業績を表す少なくとも1つの業績値を含むランキングデータセット(40)を、少なくとも1つの別の機能エンティティ(6)と比較して生成する、コンピュータで実施される方法であって、
前記機能エンティティ(6)の業績についての本質的に一様に報告されたデータを含む報告ソース(51、52、53)から、少なくとも1つの報告業績指標を取得するステップと、
前記機能エンティティ(6)に関する、本質的にランダムに生じる情報をもたらす補助情報ソース(21、22、23、24)から、少なくとも1つの補助業績指標を特定するステップと、
前記少なくとも1つの報告業績指標を、前記少なくとも1つの補助業績指標と組み合わせてメタ業績変数を生成するステップと、
前記メタ業績変数から少なくとも1つの業績値を得るステップと、
を含む、コンピュータで実施される方法。
【請求項2】
前記報告ソース(51、52、53)が、前記少なくとも1つの報告業績指標を含む質問表、チェックリスト及び技術報告書のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補助情報ソース(21、22、23、24)が、前記少なくとも1つの補助業績指標を伝達するニュースチャネル、警告チャネル、通信チャネル、データライン及びログファイルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記メタ業績変数を、メタ値(w、o、c、s)の少なくとも1つ又はセットをそれぞれ含む行列、ベクトル及びスカラ値のうちの少なくとも1つとしてもたらすステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも一時的に前記業績値(w、o、c、s)が、前記機能エンティティの1次元ランキングを可能にする指標数(43)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
生成するステップであり、
a.第1の時間間隔での前記機能エンティティ(6)の現在の業績値(A)、
b.第2の時間間隔での前記機能エンティティ(6)のピーク業績値(B)、
c.前記第1の時間間隔での機能エンティティの群の現在の群業績値(C)、
d.前記第2の時間間隔での機能エンティティの前記群のピーク群業績値(D)
のうちの少なくとも1つを生成するステップをさらに含み、
前記第1の時間間隔が前記第2の時間間隔よりも短い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第3の時間間隔に満たないうちからリストアップされている機能エンティティを前記ランキングから除外するステップであり、前記第3の時間間隔が、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうちの少なくとも一方よりも長い、除外するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
機能エンティティの少なくとも2つの群をそれぞれの群ピーク業績値(D)に基づいてソートするステップと、
機能エンティティの少なくとも2つの群が同じ群ピーク業績値を有する場合に、エンティティの前記少なくとも2つの群をそれぞれの現在の群業績値(C)に基づいてランク付けするステップと、
をさらに含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
機能エンティティの群の中の少なくとも2つの機能エンティティを、それぞれのピーク業績値(B)に基づいてランク付けするステップをさらに含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
同じピーク業績値(B)を有する少なくとも2つの機能エンティティを、それぞれの現在の業績値(A)によってランク付けするステップをさらに含む、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ランキングリストの最下位及び/又は最上位の前記ランキングから複数の機能エンティティを除外するステップであり、それにより、前記ランキングリストの機能エンティティの数が所定のランキングリスト制限値を超えないようにする、除外するステップをさらに含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
最高ランク及び/又は最低ランクの機能エンティティを、指標付けされた所定の数の機能エンティティを含むランキング指標を形成するように選択するステップをさらに含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜12の少なくともいずれか一項に記載の方法を実行するための手段を含む、データ処理システム(1)。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令がコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1〜12の少なくともいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読データキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のランキングデータセットを生成する、詳細には、機能エンティティをその業績に応じてランク付けするための、コンピュータで実施される方法に関する。さらに、本発明は、請求項13に記載のデータ処理システムに関する。さらに、本発明は、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品に関する。最後に、本発明は、請求項15に記載のコンピュータ可読データキャリアに関する。
【0002】
機能エンティティは、特定の出力を生み出す任意の種類の技術的プロセスによって表すこと又は構成することができる。機能エンティティは、風力タービン、太陽光発電所、水精製所、又はこのような設備の組合せ等の、例えばウィンドパーク、又は特定の出力を生み出すためにこれらの設備を運用する会社の資産のような、特定のタイプの設備であり得る。この出力は、再生可能なエネルギー、廃棄物管理、リサイクリング等に取り組む「グリーン分野」の会社によって提供される有用なもの、例えば電気、ガス又は水の供給であり得る。
【0003】
機能エンティティの業績並びに対応するデータ処理システム、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータ可読データキャリアに応じて、機能エンティティをランク付けするためのランキングデータセットを生成する方法は、従来技術により知られている。
【0004】
従来技術による業績測定の一例は、機能エンティティの業績の評価を助ける、いわゆる重要業績評価指標(KPI)である。業績又は成功は、通常、特定の出力等の運用目標の達成又は目標に向かって成される進展の度合いで定義される。KPIを決定するには、特定の業績指標が機能エンティティの業績を計算するための値として測定されなければならない。この業績指標は、定量的又は定性的測定を行うための数値によって提示することができる。入力指標により、特定の出力を生み出すために使用される資源の量を測定することができる。プロセス指標は、機能エンティティのプロセスの効率を評価する助けになり得る。出力指標は、機能エンティティの出力等を定量化する助けになり得る。
【0005】
機能エンティティが、測定及び制御アルゴリズム並びに他のIT動作を一般に含む、製造プロセス、エネルギー及び/又は物質を変換するプロセス等の技術的プロセスに基づいている、又は関連している場合に、機能エンティティの業績を評価するために定義されているKPIは一般に、信頼性、可用性、保守性、及び安全性(RAMS)のような要因を含み、ここで信頼性は、特定の標準に従って確実に機能する機能エンティティの能力として定義される。可用性は、機能エンティティを機能状態に保持する能力を表す。保守性は、機能エンティティを維持するための労力によって決まる。
【0006】
特に「グリーン分野」における機能エンティティの業績を評価する際の主な要因は、機能エンティティの信頼性である。その理由は、現代文明が信頼性及び持続性のある水、エネルギー及び消費可能な物資並びに衛生に強く依存しているという点で、これらの機能エンティティの目的及び出力が現代文明の基本的な需要に密接に結びついているからである。信頼性の判定は、所望の、又は必要な期間に所定の条件のもとで機能するための機能エンティティの能力を判定する信頼性工学と連携して進められることが多い。信頼性は通常、信頼性が1から故障の確率を引いたものに等しいということから、故障の確率すなわち故障の頻度を補完するものとして定義される。
【0007】
故障の確率は通常、いわゆる平均故障間隔(MTBF)によって測定され、このMTBFは、標準的な運用中の機能エンティティの固有の各故障の間の期間を保全していると考えられる。例えば、MTBFは、機能エンティティの故障の発生間の算術平均時間として定義される。機能エンティティのMTBFに基づいて、その機能エンティティの可用性、したがって機能エンティティの業績を判定することができる。互いに比較可能である場合には、機能エンティティは、それぞれのMTBFに従ってランク付けすることができる。
【0008】
RAMS等のKPIを従来技術により暗に決定する方法は通常、機能エンティティの運用に伴う定量的又は定性的リスクの評価を行うことを目的とする。このようないわゆるリスク評価では、機能エンティティを運用する理論的リスク(R)を得るために、故障の損失の確率(p)を表すMTBFのようなパラメータに、故障によって生じる推定される大きさの潜在的損失(L)が乗算される。機能エンティティは複雑な技術システムを伴う、又は備えることが多いので、リスクの評価では、信頼性工学及び安全工学の両方、並びに環境影響の分析を考慮に入れなければならない。従来技術によれば、このようなリスク評価は通常、エネルギー工学の分野で、特に原子力発電所、石油プラットホーム及び製油所で、並びに輸送の分野で、例えば飛行機旅行、鉄道等で行われている。
【0009】
機能エンティティの、特に技術システムの複雑さの故に、従来技術によれば、運用にかかわる定量的なリスクの評価は、定量的リスク評価(QRA)ソフトウェアによって実行される。このようなソフトウェアは、技術部門並びに財政部門で使用される。技術部門では、QRAは主として、機能エンティティの故障の影響を潜在的死亡(PLL)を含めてモデル化することを目的とするのに対し、財政部門では、QRAは通常、資産又は投資等の金銭的価値の単独損失予測の決定に関連する。興味深いことに、技術的にも財政的にもQRAは、上記のMTBFと関連して規定された機能エンティティの信頼性の決定に強くかかわる。
【0010】
会議資料「An Overview of Leading Software Tools for QRA」、American Society of Safety Engineers −Middle East Chapter (161 ); 7th Professional Development Conference & Exhibition;2005年、3月18〜22日、バーレーン王国、の中でSteve Lewisは、陸上及び沖合の石油及びガス施設のQRAを引き受けるために現在使用可能なソフトウェアツールについての包括的な調査の知見を提示している。その調査に含まれるソフトウェアツールは、リスク尺度、リスク提示、物理的効果モデル化、影響、脆弱性、段階的拡大モデル化、頻度モデル化、費用便益分析、感度及び不確実性の分析、炭化水素及び非炭化水素の危険を包含する、80個の計算要件を含むことを可能にする。その範囲から、ツール、特別に設計された事業リスク分析、保守性分析、構造的応答分析、避難モデル、及び人的要因分析が除外された。
【0011】
その資料の中で、ここでは沖合リスクに関連しているモデル化リスクの複雑さが、本願の意味で機能エンティティと考えられ得るほとんどの組織でそれ自体のスプレッドシートモデルを開発して、適切なレベルの細部まで理解できる方法、仮定及びデータを利用することにつながっている、と結論づけられている。次いで、複数の施設を有する組織が、適応性がありながらスプレッドシートよりも強固である手法を必要としている。そのような手法は、その組織自体のモデルを開発する際に見つかることがある。さらに、スプレッドシートモデルは統合QRAモデルと比較され、ここで、ほとんどの計算が「オフライン」ではなく、ソフトウェア内の「オンライン」で行われる。
【0012】
さらに、スプレッドシートモデルは、分析者の個性的な、及び他者が誤りなしに更新することが困難な、分析者による誤りが多くなりがちという不利点を有し、検査することが困難なことがあるマクロプログラミングを含み、妥当性確認を実証するのに時間がかかり、且つあまり洗練されていない、と結論づけられ、一方で統合モデルは、使用及び理解するのが困難であり、制御及び適応性を欠き、さらには隠れた仮定及び計算方法の故に透明性を欠くことが分かっている。
【0013】
さらに、その資料では特に議題にされていないが、従来技術によるQRAソフトウェアツールの上記の不利点が明らかに示すのは、保守性分析、構造的応答分析、避難モデル、及び人的要因分析が調査にそもそも含まれていなかったことである。それゆえに、機能エンティティの業績を評価するためのコンピュータで実施される方法の主な不利点は、この方法が、モデルの運用性及び複雑さの低減のために、QRAの多数のあり得る要因を除外することである。しかし、このような除外により、機能エンティティの包括性、並びに時間的な、運用上の、及び構造的な変化への適応性が犠牲になり、したがって知られている方法での問題の妥当性が犠牲になる。
【0014】
本発明の1つの目的は、上で概説した従来技術による方法の不利点のいくつかを回避する、又は少なくとも低減する、機能エンティティの業績を評価する方法を提供することである。これらの不利点を考慮して、本発明は特に、リスク評価及び管理のための総体的で適応性のある手法を提供することを目的とする。
【0015】
これらの目的は、それぞれ独立請求項1に記載のコンピュータで実施される方法によって、請求項13に記載のデータ処理システムによって、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品によって、及び請求項15に記載のコンピュータ可読データキャリアによって、少なくとも一部分は解決される。
【0016】
特に、これらの目的は、本発明によれば、機能エンティティの業績をランク付けするための、その機能エンティティの業績を表す少なくとも1つの業績値を含むランキングデータセットを、少なくとも1つの別の機能エンティティと比較して生成する、コンピュータで実施される方法によって少なくとも部分的に解決され、この方法は、
・機能エンティティの業績についての本質的に一様に報告されたデータを含む報告ソースから、少なくとも1つの報告業績指標を取得するステップと、
・機能エンティティに関する、本質的にランダムに生じる情報をもたらす補助情報ソースから、少なくとも1つの補助業績指標を特定するステップと、
・少なくとも1つの報告業績指標を、少なくとも1つの補助業績指標と組み合わせてメタ業績変数を生成するステップと、
・メタ業績変数から少なくとも1つの業績値を得るステップと
を含む。
【0017】
本発明によるデータ処理システムは、本発明による方法を実行する手段を備える。
【0018】
本発明によるコンピュータプログラムは命令を含み、この命令がコンピュータによって実行されると、コンピュータに本発明による方法を実行させる。
【0019】
本発明によるコンピュータ可読データキャリアが、本発明によるコンピュータプログラムを記憶する。言い換えると、本発明によるデータキャリアは、コンピュータによって実行されるとコンピュータに本発明による方法を実行させる命令を含む、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を備える。
【0020】
本発明による解決策は、技術的又は財政的な決定を容易にするだけでなく、さらに、機能エンティティの技術ベースの比較を、デバイス、機械及び装置のレベルから、主要な工場及び建築物、設備、並びに環境技術にかかわる会社のレベルまで可能にするが、この方法は、当然ながらこれらに限定されない。本発明による方法は、QRAソフトウェアを含む、ある程度標準化されたソースを介して得られた報告業績指標と、他のソースからの補助業績指標とを、これらから実際のランク付けのための業績値を得るために、組み合わせることを可能にする。このように組み合わせることは、選択的及び主観的な情報、並びに報告業績指標の不完全であるかもしれないモデリングの影響を、補助業績指標を用いてその関連性を軽減又は確認することによって、除去又は少なくとも均衡させる助けになる。
【0021】
本発明によるこのような指標の組合せはさらに、以前に除外された、又は少なくともQRAに関し十分と見られなかった態様を含むこと、特に、持続可能性、並びに環境、社会及び統治(ESG)と呼ばれる機能エンティティの倫理的影響を評価する際の要因を含むことを可能にする。環境要因には、気候変動及び、従来技術によれば通常は外部要因であるとして除外された、資源の枯渇が含まれる。社会的関心事には、機能エンティティを運用する要員の主要な採用方針、並びに人権、消費者保護及び動物愛護の態様が含まれる。企業統治の関心事には、会社の役員、株主及び出資者を含む、機能エンティティを運用している意思決定者の権利及び責任に関する調査が包含される。
【0022】
そのため、本発明による方法は、機能エンティティの業績についての中立の比較及び展望を実現する。中立の比較及び展望は、機能エンティティの信頼性を評価するために重要である。その理由は、機能エンティティが我々の社会の機能及び将来の発展に必要な基本的な資源をもたらすからである。それゆえに、本発明による方法は、意思決定者が、有用なもの及び効果的な資源管理を確実に実現する能力に関して、機能エンティティの適正さを評価することを可能にし、ひいては投資等の財政上の決定を容易にする。このことは特に、来るべき「グリーン分野」で重要である。その理由は、ここで、最近の研究及び開発による多くの新しい技術及び概念が、小規模の研究所又は試作品段階からより大きい規模まで、我々の社会の繁栄及び持続可能性のために妥当になるレベルで使用されるように、獲得されているからである。
【0023】
上述の解決策は、要望に応じて、本発明による方法の以下の別の実施形態と組み合わせることができ、これらの実施形態はそれぞれ、それ自体で有益である。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、報告ソースは、少なくとも1つの報告業績指標を含む質問表、チェックリスト及び技術報告書のうちの少なくとも1つを含む。それゆえに報告ソースは一方であり得、我々はよく、MTBF等の固有のレベルと、ESGリスク要因を含む、機能エンティティが機能することに含まれる運用上及び人的要因に関する外部レベルとについての両方で、通常の業績指標を取得していた。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、補助情報ソースは、少なくとも1つの補助業績指標を伝達するニュースチャネル、警告チャネル、通信チャネル、データライン及びログファイルのうちの少なくとも1つを含む。ログファイル、データライン、通信チャネル、警告チャネル及びニュースチャネルは、機能エンティティの運用に関する負又は正の結果を暗示するいかなる情報も抽出するようにスキャンすることができる。このような情報は、報告ソースから取得された情報を補完するために使用される。このような、標準的報告書及びQRA方式等の報告ソースは、機能エンティティの動的な結果を無視すると、静的特性を有し、少なくとも1つの補助業績指標を含むことは、機能エンティティを運用する際のリスクの発生に対する動的な影響を考える助けになり、したがって機能エンティティの信頼性を評価する助けになる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、本発明による方法はさらに、メタ業績変数を、メタ値の少なくとも1つ又はセットをそれぞれ含む行列、ベクトル及びスカラ値のうちの少なくとも1つとしてもたらすステップをさらに含む。例えば、機能エンティティの運用に含まれるリスク、特にESGリスクは、4次元までのメタ値、すなわち、RAMS及び/又はESG問題に対応すること、独自性、循環、及び重大度、過去及び未来の業績、によって定量化されることがある。例えば、公開会社等の機能エンティティに関係するニュースは、好ましくはリアルタイムで、それぞれのニュースソースをスキャン及び選別することによって抽出される。これらのソースには、主要金融ニュースメディア、例えばFinancial Times、Sina Finance等、ウェブポータル、例えばChina Daily、地方自治体及び政府のウェブサイト、NGOウェブサイト、質疑応答ウェブサイト、公共オンラインフォーラム等が含まれる。このことは、情報の取り入れを広範にすることの、したがって、リスク評価の総体的な手法を達成することの助けになる。
【0027】
例えば所定のRAMS及び/又はESGテーマによる、所定のキーワードの辞書を使用することによって、負のニュース等のリスク暗示を含む抽出情報が、タイプスタンプ、出版日及び情報の内容の要約等の、関連する機能エンティティに関係する情報と共に記録される。この情報は、所定のRAMS及びESG問題から成る辞書、並びに対象の技術部門及び経済部門のそれぞれの重みテーブルの助けを借りて処理される。その識別情報には、国内法、規則、方針、動的持続可能性開発指標等が含まれ得る。
【0028】
情報循環の評価では、それぞれの循環メタ値の3つの定量的レベル内で測定することができる、情報が広まる程度を捕捉する。第1に、最も高いレベルでは、情報が、国の報道機関、技術、金融でよく知られているメディア、ニュースポータルの高いビュー、及びソーシャルメディアに広く広がったニュースによって広められる。第2に、メディアレベルには、重要なローカルメディア、並びに技術及び金融のメディアが含まれる。第3に、最も低いレベルには、小さな地理的領域だけをカバーするメディアが含まれる。
【0029】
情報の独自性の評価が、(a)報告されたイベントが他の情報ソース、例えば、過去2カ月等の所定の独自性期間中のニュースによってカバーされているかどうか、(b)情報又はニュースが以前のイベントのエスカレーションを報告しているかどうか、(c)新しい問題がそのイベントについて報告されているかどうか、(d)イベントに関連する情報又はイベントについての報道が、前記の独自性期間中に行われなかったか、例えば、過去2カ月を超えて起きなかったかどうかに基づいて、それぞれの独自性メタ値を用いて計算される。その評価に基づいて、特定の独自性値がその情報と関連付けられる。例えば、
・(a)だけが当てはまる場合、独自性値は0であり、
・(a)と(b)の両方が当てはまる場合、独自性値は1であり、
・(a)と(c)の両方が当てはまる場合、独自性値は1であり、
・(a)(b)(c)が当てはまる場合、独自性値は2であり、
・(d)が当てはまる場合、独自性値は3である。
【0030】
重大度の評価には、情報の根底をなすイベントの影響を、対応する重大度メタ値によって決定することが含まれる。様々な影響は、特定の部門のRAMS及びESG問題の所定の重みテーブルで考慮される。イベントの重大度は、問題の重み及び重大度によって決まる。問題の重大度は、3つの要因、すなわち、イベントの負の結果の程度、イベントのランダム性、及びそのようなイベントがどれくらいの頻度で同一の機能エンティティで、又は同じ業界の会社等の少なくとも類似している機能エンティティで起きるか、によって決まる。次に、所定の重大度レベル、例えば3つのレベルの重大度が問題に、その重大度を表現するために割り当てられる。複数の問題がそのイベントに関連している場合、その問題は、重大度レベルが最も高いと考えられる。したがって、イベントの重大度は、問題の重みと問題の重大度の積として表現される。それゆえに、本発明による方法では、負のニュース等の負の、又は好ましくない結果を暗示する情報のリスク定量化値wは、情報の根底をなすイベントの循環と独自性と重大度の乗算によって計算することができる。
【0031】
すでに上記のように本発明は、リスクの静的評価だけでなく動的評価を行うことも目指しているので、動的リスク評価を実施するためのアルゴリズムの例示的な実施形態では、以下のことを考慮に入れている。
1)現在のリスクは、現在及び以前の情報によって決まる。
2)イベントの根底をなすものに関係するさらなる、又は新しい情報が見いだされない場合、リスクは低減する、及び/又は
3)情報の影響は、現在のリスクがすでに高い場合には低下する。
【0032】
例えば、特定の時点tの機能エンティティiは、f
i(t)で定義されるリスクを有する。個数mの情報、例えば、時点(例えば特定の日)tに機能エンティティに関するニュースがある。ニュースは、n(≦m)個のニュースの追加の定量化値をw
t,nとして示す。上の項目2)で概説した原理に基づいて、
a)k個の期間(例えば日)中の特定のイベントに関する何らかのさらなる情報がなければ、時点t以来の最後のk個の期間中のリスクの低下は、次式(1)〜(5)によって計算することができる。
f
i(t+k)=f
i(t)+k/20、0<f
i(t)<25の場合 (1)
f
i(t+k)=f
i(t)−0.41k、25<f
i(t)の場合 (2)
b)時点tにおいて機能エンティティに関する少なくとも1つのニュースがあれば、
【数1】
ここで、
g(x)=100x/(10+x) (4)
g
−1(x)=10x/(100−x) (5)
である。
【0033】
式(1)及び(2)は、さらなる負の情報が現れなければリスクは線形に低下するという仮定を捕える。上の例で選ばれたパラメータを使用すると、特定のリスクは、2つのさらなる期間の最大で、例えば複数年で0の値まで低下することになる。式(4)及び(5)は、リスクの値を[0,100]の範囲に限定している。これらの2つの式は、fに対するwの低減する限界効果も保証している。式(1)〜(5)に基づいて、本発明による方法は、RAMS及び/又はESGリスクを、機能エンティティのリスクの相対的レベルを表す、等しい長さの4つのレベルに設定することを可能にする。
【0034】
さらに、本発明によるメタ値が、機能エンティティ間のネットワーク効果を表すために、すなわち機能エンティティがどの程度に互いに接続されているか、及び/又は独立しているかを表すために使用される。例えば、ネットワーク効果は、機能エンティティを所有する会社間の所有関係に起因して生じ得る。例えば、小さいネットワークは3つの機能エンティティを含むことがあり、2つのエンティティは、別のエンティティからの出力に依存し、或いは別のエンティティによって所有される。
【0035】
さらに、本発明によるメタ値を使用すると、部門のRAMS及び/又はESGリスクを計算することが可能になる。これらの部門は、例えばChina Securities Indexによる分類方式で定義された、特定のカテゴリの機能エンティティを含み得る。例えば、1つの部門s(t)のリスクが、その部門の、露出が最も多く時価総額が最大の上位20社の平均リスクとして、次式(6)により計算され、
s(t)=avg(f
i(t)) (6)
ここで、iはその部門の、露出が最も多く時価総額が最大の上位20社の平均リスクである。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも一時的に業績値は、機能エンティティの1次元ランキングを可能にする指標数を含む。1次元ランキングは、上述のようにメタ値及び重み係数によって精製することができる。1次元ランキングに基づいて、同じ又は異なる種類の様々な機能エンティティのリスクを互いに容易に比較することができる。この比較は、単独の機能エンティティ、一群の機能エンティティ、又はいくつかの機能エンティティを含む部門の総合リスク評価の助けになり得る。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、業績データセットを提供することは、
・機能エンティティの第1の時間間隔での現在の業績値A、
・機能エンティティの第2の時間間隔でのピーク業績値B、
・機能エンティティの群の第1の時間間隔での現在の群業績値C、
・機能エンティティの群の第2の時間間隔でのピーク群業績値D、
のうちの少なくとも1つを生成するステップをさらに含み、
第1の時間間隔は第2の時間間隔よりも短い。
【0038】
そのため、本発明は、例えば機能エンティティ及び機能エンティティの部門のリスクとしての業績値を更新することを可能にし、例えば、
・Aは、単独のエンティティの現在の指標数であり(月ごとに更新)、
・Bは、単独のエンティティのピークの指標数であり(過去2年)、
・Cは、エンティティの一部門又は一群の現在の指標数であり(月ごとに更新)、
・Dは、エンティティの一部門又は一群のピークの指標数である(過去2年)。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することは、ランキングから、第3の時間間隔に満たないうちからリストアップされている機能エンティティを除外するステップをさらに含み、第3の時間間隔は、第1の時間間隔及び第2の時間間隔のうちの少なくとも一方よりも長い。例えば、第3の時間間隔は第2の時間間隔よりも長く、例えば3年である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することは、
・機能エンティティの少なくとも2つの群をそれぞれの群ピーク業績値Dに基づいてソートするステップと、
・機能エンティティの少なくとも2つの群が同じ群ピーク業績値を有する場合に、エンティティの少なくとも2つの群をそれぞれの現在の群業績値Cに基づいてランク付けするステップと
をさらに含む。
【0041】
言い換えると、このような選択ステップでは、D
iに基づいて、最低から最高までの部門が上から下へランク付けされる。2つの部門が同じ値でランク付けされる場合、低いC
iを有する部門が別の部門よりも高く、すなわち別の部門の上にランク付けされる。このことは、決定的でないリスク評価及びランキングを回避する助けになる。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することはさらに、機能エンティティの一群の中の少なくとも2つの機能エンティティを、それぞれのピーク業績値Bに基づいてランク付けするステップをさらに含む。言い換えると、このようなランキングステップでは、各部門で、B
iに基づいて、最低から最高まで、機能エンティティが上から下へランク付けされる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することはさらに、同じピーク業績値Bを有する少なくとも2つの機能エンティティを、それぞれの現在の業績値Aによってランク付けするステップをさらに含む。言い換えると、このようなランキングステップでは、親指標の新しい序列が形成される。2つの機能エンティティが同じレベルにランク付けされた場合、A
iが低い方のものが、前記2つの機能エンティティのうちの最上位になるように選択される。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することは、ランキングリストの最下位及び/又は最上位のランキングから機能エンティティを除外するステップをさらに含み、それにより、ランキングリストの機能エンティティの数が所定のランキングリスト制限値を超えないようにする。そのため、例えば、B
iが最も高い機能エンティティを削除することにより、特定の数の機能エンティティ、例えば40個の機能エンティティがデータセットに残る。次に、複数の構成要素が同じB
i、及びA
iを40番目のランク及びその周辺で有する場合、分析者は決定的な評価を行い、好ましい総合業績、例えば、よりよい持続可能性、RAMS及び/又はESGの管理及び業績を有する機能エンティティを選択することができる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、ランキングデータセットを提供することは、最高ランク及び/又は最低ランクの機能エンティティを、指標付けされた所定の数の機能エンティティを含むランキング指標を形成するように選択するステップをさらに含む。言い換えると、特定の数、例えば上位40個の機能エンティティが、特定の標準的RAMS及び/又はESG指標を表しているとして、本発明による方法に従って処理される親指標に含められるすべての機能エンティティから選択され得る。
【0046】
その結果、本発明は、以前に決定された信頼性、可用性、保守性及び安全性に関連した値又は指標のうちの少なくとも1つ、及び/又は定量的リスク評価における少なくとも1つのパラメータを再評価することを可能にする。この再評価は、運用、状態、推奨、保守方策の変更についての、及び/又は指標付けされた又は指標から除外された機能エンティティを修正する方法についての、意思決定の助けになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下では、本発明の例示的な実施形態を添付の図面と併せて説明する。
【
図1】本発明の一実施形態によるシステムの構成要素を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるリスク評価・ランキング方式を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるリスク定量化の方法のステップを示す概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態による方法の例示的な連続したステップを示す概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による例示的なランキングアルゴリズムを示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態による方法を用いて生成されたランキングデータセットの概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態による方法において実行されるアプリケーションステップを示す概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態による方法において情報を集めるためのパターンの概略図である。
【
図9】本発明の一実施形態により実行される、分析を統合するための連続したステップの概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態による方法において評価報告書を作成するステップの概略図である。
【
図11】本発明によるシステム及び方法を実施するデバイスの例示的な実施形態を示す図である。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態によるシステム1の構成要素を図示する概略図を示す。機能エンティティの建設、運用及び保守に伴うリスクの包括的な分析を行えるようにするために、システム1は計算フレームワーク2を備える。フレームワーク2は、機能エンティティ6(
図3参照)の特定の群又は部門5に関連する、外部リスク評価及びランキングの手段3並びに内部業績評価の手段4を備える。例えば、外部リスク評価及びランキングの手段3、信頼できる外部RAMS及び/又はESGリスクに関する情報、一方、内部業績評価の手段4、信頼できる機能エンティティの内部RAMS及び/又はESGリスクについての情報。分析の後、システムは、機能エンティティ6に関連する特定の尺度を決定するに際しての支援、例えば、RAMS関連パラメータを強化するための助言及び/又は制御命令、並びに、ESGインデックスファンド/ETF(受動的)又はESGテーマファンド(能動的)等のESG投資ソリューションを提供する。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態によるリスク評価・ランキング方式10を図示する概略図を示す。リスク評価・ランキング方式10は、モデルビューコントローラ(MVC)ソフトウェアアーキテクチャパターンとして実施され、ウェブモジュール11、アプリケーションモジュール12、アプリケーション構成要素13、コントローラモジュール14、ウィジェット15、計算モデル16、及びビュー又はグラフィックユーザインターフェース(GUI)モジュール17を含み、これらは無線及び/又は有線接続、バスシステム、拡張プログラムインターフェース(API)等のインターフェース手段18によって互いに接続されている。ウェブモジュール11及びアプリケーション構成要素13を介して、アプリケーションモジュール12は、機能エンティティ6それぞれについての情報を集めるか供給される。コントローラモジュール14は、ウィジェット15、計算モデル16、及びGUI 17への情報の配送を制御する。
【0050】
MVCフレームワークの形のリスク評価・ランキング方式10の主要な構成要素は、モデルすなわち計算モデル16、コントローラすなわちコントローラモジュール14、及びビューすなわちGUI 17である。計算モデル16は、パターンの中心構成要素である。計算モデルは、いずれのユーザインターフェースとも、すなわちコントローラモジュール14及びGUI 17のいずれとも独立して、問題領域についてアプリケーションモジュール12で実施されるリスク評価・ランキング方式10の挙動を表現する。計算モデル16は、アプリケーションモジュール12のデータ、論理及び規則を直接管理する。GUI 17は、htmlウェブページ、チャート及び/又は図等の、アプリケーションモジュール12の出力をもたらす。コントローラモジュール14は、ユーザからの入力を受け入れ、その入力をコントローラモジュール14及び/又はGUI 17への命令に変換する。
【0051】
さらに、例えば「index.php」の形のウェブモジュール11は、アプリケーションモジュール12への入口を提供することができる。フレームワーク2が起動すると、ウェブモジュール11は構成ファイルをロードし、アプリケーションコンテナを初期化し、アプリケーションモジュール12を実行する。アプリケーションがあれば、ウェブモジュール11は、カーネルを通して入って来る要求に対処し、関連する応答をクライアント又はクライアントデバイスに返して、クライアント又はクライアントデバイスがアプリケーションを使用できるようにする(
図11参照)。例えば質問表を介して、報告業績指標を得るために、ウェブモジュール11は、テキストボックス、選択ボックス、格付けスコアボックス、及びアプリケーションモジュール12によって処理されるべき文書をアップロードするためのアップロードボックスを含み得る。ランキング自動化のために、ウェブモジュール11は、機能エンティティの少なくとも1つの識別子又は識別子のリスト、及び/又はアップロード及び/又はダウンロード装置、そのような識別子及び/又は識別子のリストをそれぞれ含む。ウェブモジュールはさらに、アプリケーションモジュール12によって操作されるようにするために選択されるべき、例えば月及び年を通しての期間を選択するための選択ボックスを含む。補助業績指標を集めるためにウェブモジュール11は、アプリケーションモジュール12によって処理されるべき文書をアップロードするためのテキストボックス、アップロードボックスを含む。
【0052】
ウィジェット15は、限定された機能を有する小さなアプリケーションであり、ユーザ又はユーザデバイスによってウェブページ内にインストールし実行することができる(
図11参照)。異なる種類のウィジェットが、本発明に従って提供される。例えば、ウィジェット15のうちの少なくとも1つが、期間(月/年)を挿入するためのカレンダウィジェットであり得る。ウィジェット15のうちの別の1つが、例えば、評価報告書(
図10参照)の少なくとも1つの構成要素の形でユーザに結果を示すために開発されることがある。アプリケーション構成要素13は、アプリケーションの多くの部分に使用できる独立した機能を有する。例えば、オブジェクト関係マッピング(ORM)構成要素が、データベースを連結及び操作するために使用されることがある(
図11参照)。ORM構成要素は、形を処理するための要求構成要素、ウェブ要求をフィルタリングするためのミドルウェア構成要素、電子メールを処理するためのイベント構成要素等を使用する。
【0053】
本発明による方法は、本明細書に記載の機能エンティティのリスク駆動ランキングを行うために、リスク評価・ランキング方式10で実施される。リスク定量化は、機能エンティティについての情報を本発明による方法に従って組み合わせることに基づく。定量的リスクを、その要因に基づいて機能エンティティをランク付けするために与える、特に様々なソースからの負のニュースである情報が分析され、及び/又は少なくとも1つの補助業績指標として使用され、又はその情報から少なくとも1つの補助業績指標が得られる。さらに、業績指標を包含する質問表等の情報の報告ソースは、その情報から少なくとも1つの報告される業績指標を得るために使用される。このような質問表の一例が、さらに後で示される。このような報告ソースは、内部業績評価の手段4によって表される。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態によるリスク定量化の方法のステップS1〜S5を図示する概略図を示す。
・第1のステップS1で、ウェブモジュール11は、情報の補助ソース21〜24をスキャンするが、その数は、本明細書に示された4つのソースに限定されると理解されてはならない。例えば、第1の補助情報ソース21はウェブポータルであり;第2の補助情報ソース22は、それだけには限らないが、テレビニュースチャネル、標準的な公式放送ネットワークのゴールデンアワーニュース放送、ラジオチャネル、新聞、ブログ等を含む、主流媒体チャネル等のニュース媒体チャネルであり;第3の補助情報ソース23は政府のウェブサイトであり;第4の補助情報ソース24はNGOウェブサイト等である。言い換えると、本発明による方法では、補助情報ソース21〜24は、好ましくは本質的にリアルタイムで選別される。
・第2のステップS2で、ウェブモジュール11によって集められた情報は、その情報から特定の数の、例えば45個のイベントを含むイベントデータセット30が抽出されるようにフィルタリングされる。特定の数のイベントから、イベントに関連したリスク問題が特定されて、例えば29個のリスク問題を含む問題データセット31が形成される。このフィルタリングは、それだけには限らないが、自然言語処理を含む任意の種類の選別動作を含むことができ、この自然言語処理は、集められた情報から負のイベント、特にRAMS/ESG問題を抽出するための人工知能(AI)アルゴリズムを含み得る。
・第3のステップで、問題は定量化される。分類モジュール32は、リスクのタイプ(この例では、環境e、社会s、我々の統治gのどれか)を特定するために使用されるが、当然ながら、本発明による方法に従って必要とされるランキングを達成するために望ましい、例えばRAMS範囲からの別のタイプのリスクが含まれてもよい。次に、問題の特定の重みwが、分類モジュール32によるそれぞれの独自性o、循環c、及び重大度sを考慮することによって決定される。第3のステップS3はさらに、RAMS及び/又はESGリスクを例えば4つの次元において、すなわち、第1に負のイベント、特にRAMS/ESG問題に対応すること、第2にその独自性oを評価すること、第3にその循環cを評価すること、及び第4にその重大度sを評価することにおいて定量化するためのAIアルゴリズムも含み得る。
・第4のステップで、ランキングデータセット40を生成するために機能エンティティ6間の特定のネットワーク要因Nを考慮に入れながら、機能エンティティ6に関連するリスクが計算される。
・第5のステップS5で、リスク指標41がランキングデータセット40から得られる。
【0055】
図4は、本発明の一実施形態による方法の例示的な連続したステップを図示する概略図を示す。開始ステップS10で、リスク評価及びランキングのプロセスが始動される。時間指定ステップS11で、評価のための特定の期間、例えば月及び年が選択される。インポートステップS12で、評価されるべき機能エンティティのリストがインポートされる。リスク指標41を生成するために、ランキングステップS5がランキングデータセット40に適用される。それに応じて、ランキングデータセット40は更新される。終了ステップS13で、情報の処理が終了され、結果が所望の形で提示される。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態による例示的なランキングステップS5の根底をなす例示的なランキングアルゴリズムを図示する概略図を示す。ランキングステップS5は、ランキングデータセット40に含まれる親指標、例えば120という数の機能エンティティ6を、例えば40個の機能エンティティ6を含むリスク指標に、単独のエンティティの現在の指標数を示すA(例えば月ごとに更新);単独のエンティティのピークの指標数を示すB(例えば、過去2年);エンティティの部門又は群の現在の指標数を示すC(例えば月ごとに更新);エンティティの部門又は群のピークの指標数を示すD(過去2年)、等のメタ変数を使用することによって、低減するための6つのサブステップS51〜S56を含む。すなわち、
・第1のサブステップS51で、例えば3年未満の除外期間の間にリストアップされている機能エンティティ6が除外される。
・第2のサブステップS52で、D
iに基づいて、最低から最高まで、部門、上から下の範囲。同じランキングが現れる場合、低い方のC
iを有する部門が上になるものとして選択される。
・第3のサブステップS53で、各部門で、B
iに基づいて、最低から最高まで、機能エンティティが上から下へランク付けされる。
・第4のサブステップS54で、親指標の新しい序列が形成される。同じランキングが現れる場合、低い方のA
iを有する機能エンティティが上にランク付けされる。
・第5のサブステップS55で、最高のB
iを有する機能エンティティが、所望の数まで、例えば、残っている機能エンティティ6が40個になるまで削除される。複数の構成要素が同じB
i、及びA
iを40番目のランク及びその周辺で有する場合、分析により個々の評価を行い、よりよい持続可能性、管理及び/又は業績の値を有するものを上になるものとして選択する。
・第6のサブステップS56で、最高数の機能エンティティ6、例えば40個の機能エンティティ6が、ランキングデータセット40から得られたリスク指標41を表すものとして選択される。
【0057】
図6は、本発明の一実施形態による方法を用いて生成された、得られたリスク指標41を含むランキングデータセット40の概略図を示す。リスク指標41は、特定の期間42について生成される。その期間について、リストアップされた機能エンティティ6は、本発明による方法に従って特定のランキング序列43によって計算されたそれぞれの業績値に応じてランク付けされる。機能エンティティ6は、上で説明した群及び部門5に関連付けられる。リスク指標41は、選択された期間42に応じて定期的に更新することができる。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態による方法において実行されるアプリケーションステップS71〜S74を図示する概略図を示す。
・第1のアプリケーションステップS71で、本発明によるシステム1のユーザ、例えば分析者(図示せず)が、外部リスク評価及びランキングの手段3及び内部業績評価の手段4によって情報をアップロードする。
・第2のアプリケーションステップS72で、運用、管理、業績等に関する所定の次元に基づいてリスク問題が分析される。
・第3のアプリケーションステップS73で、運用、管理、業績等に関する所定の次元に基づいて上級分析者が品質検査を行い、分析を整理統合し、フィードバックを特に内部業績評価の手段4によって得る。
・第4のアプリケーションステップS73で、定量的評価の次元と、リスク係合及び分析報告の自動化とが、例えばGUI 17の手段によって可視化される。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態による方法における、ウェブモジュール11及び/又はアプリケーション構成要素13によって情報を集めるためのパターンの概略図を示す。選択された機能エンティティ5のうちの1つでは、例えば、機能エンティティ5を運営している会社から出ている技術報告書51A〜51C、対応するウェブサイト52A〜52C及びサードパーティ評価報告書53A〜53C等の、特定の報告ソース51〜53が利用可能である。これらの報告ソースには、技術情報以外に、指導力及び企業存続可能性戦略、投資委員会、統治、リスク及びコンプライアンス管理、サプライチェーン管理、消費者管理、出資者管理及び意思疎通、環境方針及び報告、労務慣行及び才能開発、地域社会開発等に関する情報が、定性的及び定量的な統治及び管理システム業績の評価の指標として含まれ得る。さらに、ESG業績指標及び定量的評価には、運転免許、消費者を引き付ける力、ブランド及び評判、生産性、人の知的キャビティ、革新、リスクプロファイル、のような要因が含まれる。
【0060】
図9は、品質検査アルゴリズムステップ90で本発明の一実施形態により実行される、分析を統合するための連続したステップの概略図を示し、リスク分析と利得フィードバックを、機能エンティティ5又はその運用者(例えば会社)と報告ソース51〜53を介して係合することによって、統合するときに、好ましくは上級分析者によって実行される第1、第2及び第3の品質設定ステップS91〜S93を含む。すなわち、
・第1の品質検査ステップS91で、機能エンティティに関する開示が、RAMS、ESG、及び他の、財政次元等の次元を含む所定の次元に応じて分析される。
・第2の品質検査ステップS92で、報告ソース51〜53から得られた情報の品質が、対応する評価によって検査され整理統合される。
・第3の品質検査ステップS93で、機能エンティティ及び/又は機能エンティティのそれぞれの運用者が、必要であれば、報告ソース51〜53を介して特定のフィードバックを行うために係合される。
【0061】
ESGの事項を対象とした2次元の概略的な標準質問表の基本構造の形の、報告ソース51〜53の例示的な実施形態を以下に列挙する。すなわち、
次元D1:指導力並びに企業存続可能性戦略及び投資委員会
1.1.役員会及び企業戦略(統治)
1.2.戦略実行及び管理システム:リスク及びコンプライアンス
1.3.戦略実行及び管理システム:顧客窓口及びブランド管理
1.4.戦略実行及び管理システム:サプライチェーン管理及びプライバシー保護
次元D2:出資者管理及び意思疎通(環境方針及び報告、労務慣行及び開発、地域社会管理
2.1.出資者管理及び意思疎通:環境次元
2.2.出資者管理及び意思疎通:労務慣行及び人材開発
2.3.出資者管理及び意思疎通:コーポレートシチズンシップ及び地域社会開発
【0062】
図10は、本発明の一実施形態による方法において評価報告書100を作成するステップの概略図を示す。評価報告書100は、ダッシュボード101、チャート102、テキスト103、報告書104、探索及び編集ツール105によって表示することができ、これらは要望に応じて、分析者のサーバ側110及びクライアントの側120それぞれから、本発明による方法の結果を表示しアクセスするために提供することができる。
【0063】
図11は、本発明によるシステム1及び方法を実施する装置200の例示的な実施形態を示す。装置200は、少なくとも1つのウェブアプリケーションファイアウォールユニット201(WAF)、少なくとも1つのネットワークアドレス変換ユニット202(NAT)、少なくとも1つの弾性ロード平衡化ユニット202(ELB)、少なくとも1つのウェブサーバユニット204、及び少なくとも1つのデータベースサーバユニット205を備え、これらのユニットは、データを転送するための内部データ転送手段206を介して互いに接続されている。少なくとも1つのWAFユニット201、少なくとも1つのNATユニット202、少なくとも1つのELBユニット203、少なくとも1つのウェブサーバユニット204、少なくとも1つのデータベースサーバユニット205、及びそれぞれの内部データ転送手段206は、共に仮想プライベートクラウド207(VPC)を形成する。装置200はさらに、VPC 207にアクセスするための少なくとも1つの統合アダプタ手段を実現する、少なくとも1つのアダプタユニット208を備える。
【0064】
ユーザ又はユーザデバイス300は、少なくとも1つの外部データ転送手段301を介して、少なくとも1つのアダプタユニット208に接続される。ユーザ又はユーザデバイス300は、少なくとも1つの機能エンティティの運用者とすることができ、又は少なくとも1つの機能エンティティそれ自体によって具現化することができる。それゆえに、アダプタユニット208は、装置200とユーザ又はユーザデバイス300との間のデータの交換を内部データ転送手段206及び外部データ転送手段301それぞれを介して可能にする、任意の種類の物理的なアダプタ又は仮想のアダプタによって具現化することができる。内部データ転送手段206及び外部データ転送手段301は、データすなわちデジタル情報を転送できるイーサネット(登録商標)、インターネット、Wi−Fi等の任意の有線及び/又は無線通信ラインを含み得る。
【0065】
アダプタユニット208は、装置200とユーザ又はユーザデバイス300との間でデータを転送できるようにデータを適合させるために構成された、任意の種類の物理的な装置及び/又は仮想の装置とすることができる。したがって、アダプタユニット208は、例えば、ウェブモジュール11、グラフィックユーザインターフェース17及び/又はインターフェース手段18のうちの少なくとも一部分を含み得る。ウェブモジュール11、アプリケーションモジュール12、アプリケーション構成要素13、制御モジュール14、ウィジェット15、計算モデル16、グラフィックユーザインターフェース17、及び/又はインターフェース手段18には、少なくとも1つのウェブサーバユニット204が部分的にホストとして働く。少なくとも1つのデータベースサーバユニット205は、イベントデータセット30、問題データセット31、及び/又はランキングデータセット40のための記憶空間を提供する。例えば、それぞれのデータは、少なくとも1つのデータベースサーバユニット204にそれぞれ配備される、少なくとも1つのMongoDB及び/又はmySQLデータベースに記憶される。
【0066】
動作時、WAFユニット201は、ウェブアプリケーションファイアウォールを設け、その中で、アダプタユニット208の間で送受信される、例えばハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)トラフィックの形の(すなわちウェブアプリケーションの形の)データ転送をフィルタリング、監視、及び/又は阻止する。NATユニット202は、ネットワークアドレス変換を行い、例えばその中で、インターネットプロトコルデータグラムパケットヘッダ中のネットワークアドレス情報を、これらのヘッダがトラフィックルーティングデバイスを通過している間に修正することによって、IPアドレス空間を別のIPアドレス空間に再マッピングする。少なくとも1つのELBユニット203は、弾性ロード平衡化を行い、その中で、処理速度を増大し装置200の安定性を高めるために、入って来るアプリケーショントラフィックを、複数の利用可能ゾーンに配置できる複数のユニット201、202、203に分散させる。
【符号の説明】
【0067】
1 システム
2 フレームワーク
3 外部リスク評価及びランキングの手段
4 内部業績評価の手段
5 機能エンティティの部門
6 機能エンティティ
10 リスク評価・ランキング方式
11 ウェブモジュール
12 アプリケーションモジュール
13 アプリケーション構成要素
14 コントローラモジュール、制御モジュール
15 ウィジェット
16 計算モデル
17 グラフィックユーザインターフェース(GUI)
18 インターフェース手段
21 第1の補助情報ソース
22 第2の補助情報ソース
23 第3の補助情報ソース
24 第4の補助情報ソース
30 イベントデータセット
31 問題データセット
32 分類モジュール
40 ランキングデータセット
41 リスク指標
42 期間
43 ランキング序列
51 第1の報告ソース
52 第2の報告ソース
53 第3の報告ソース
100 評価報告書
101 ダッシュボード
102 チャート
103 テキスト
104 報告書
104 探索及び編集ツール
110 分析者のサーバ側
120 クライアントの側
200 装置
201 WAFユニット
202 NATユニット
203 ELBユニット
204 ウェブサーバユニット
205 データベースサーバユニット
206 内部データ転送手段
207 仮想プライベートクラウド
208 アダプタユニット
300 ユーザ/ユーザデバイス
301外部データ転送手段
S1 スキャンステップ
S2 フィルタリングステップ
S3 定量化ステップ
S4 リスク計算ステップ
S5 ランキングステップ
S10 開始ステップ
S11 時間指定ステップ
S12 インポートステップ
S13 終了ステップ
S51 第1のサブステップ
S52 第2のサブステップ
S53 第3のサブステップ
S54 第4のサブステップ
S55 第5のサブステップ
S56 第6のサブステップ
S71 第1のアプリケーションステップ
S72 第2のアプリケーションステップ
S73 第3のアプリケーションステップ
S74 第4のアプリケーションステップ
S90 品質検査アルゴリズム
S91 第1の品質検査ステップ
S92 第2の品質検査ステップ
S93 第3の品質検査ステップ
E 環境
S 社会
G 統治
N ネットワーク要因
w 問題の重み
o 独自性
c 循環
s 重大度
【国際調査報告】