特表2021-502100(P2021-502100A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-502100新規抗PD−1配列を用いた二重特異性および単一特異性抗体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-502100(P2021-502100A)
(43)【公表日】2021年1月28日
(54)【発明の名称】新規抗PD−1配列を用いた二重特異性および単一特異性抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20201225BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20201225BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20201225BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20201225BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20201225BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20201225BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20201225BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20201225BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20201225BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20201225BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20201225BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20201225BHJP
【FI】
   C12N15/13
   C07K16/28ZNA
   C12N15/63 Z
   C12N1/19
   C12N1/15
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12P21/08
   C07K16/46
   A61P35/00
   A61K39/395 N
   A61K47/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】176
(21)【出願番号】特願2020-526039(P2020-526039)
(86)(22)【出願日】2018年11月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月7日
(86)【国際出願番号】US2018059887
(87)【国際公開番号】WO2019094637
(87)【国際公開日】20190516
(31)【優先権主張番号】62/598,938
(32)【優先日】2017年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/583,438
(32)【優先日】2017年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/658,227
(32)【優先日】2018年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】510089100
【氏名又は名称】ゼンコア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,マシュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】デスジャルレイス,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ヘドバット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ボンゾン,クリスティーン
(72)【発明者】
【氏名】ニスタール,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】マッチャール,ウメーシュ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA88X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C085AA14
4C085BB36
4C085CC23
4C085EE01
4C085GG06
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA40
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本発明は、二重特異性の、ヘテロ二量体チェックポイント抗体に関する。
【選択図】図1A、図 1 B、図 1 C、図 1 D
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗PD−1モノクローナル抗体であって、
a)N末端からC末端に向かってVH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖と、
b)N末端からC末端に向かってVL−CLを含む軽鎖と、を含み、
VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3が、図24のXENP26940由来のCDRおよび図40のXNE28652由来のCDRからなる群から選択される、抗体。
【請求項2】
前記VHおよびVLが、XENP26940由来のVHおよびVL、ならびにXENP28652由来のVHおよびVLからなる群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
前記ヒンジ−CH2−CH3が、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4由来のFcドメインからなる群から選択されるFcドメインである、請求項1または2に記載の抗体。
【請求項4】
前記Fcドメインが、バリアントヒトIgG1ドメインである、請求項3に記載の抗体。
【請求項5】
前記バリアントヒトIgG1ドメインが、アミノ酸置換427L/434Sを含む、請求項4に記載の抗体。
【請求項6】
前記バリアントヒトIgG1ドメインが、図5に示されているものから選択される切除バリアントを含む、請求項4または5に記載の抗体。
【請求項7】
Fcドメインが、S228Pアミノ酸置換を含むバリアントヒトIgG4ドメインである、請求項3に記載の抗体。
【請求項8】
XNE26940およびXENP28652からなる群から選択される、請求項1に記載の抗体。
【請求項9】
a)請求項1〜8のいずれかに記載の前記重鎖をコードする第1の核酸と、
b)請求項1〜8のいずれかに記載の前記軽鎖をコードする第2の核酸と、を含む、核酸組成物。
【請求項10】
a)請求項9に記載の前記第1の核酸を含む第1の発現ベクターと、
b)請求項9に記載の前記第2の核酸を含む第2の発現ベクターと、を含む、発現ベクター組成物。
【請求項11】
請求項9に記載の前記第1および第2の核酸を含む、発現ベクター。
【請求項12】
請求項10に記載の発現ベクター組成物または請求項11に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項13】
抗PD−1抗体を作製する方法であって、前記抗体が発現される条件下で請求項12に記載の宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することと、を含む、方法。
【請求項14】
癌の治療を必要とする患者における癌を治療する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の抗体を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項15】
ヘテロ二量体二重特異性抗体であって、
a)第1の単量体であって、
i)ヒトPD−1に結合する一本鎖Fvドメイン(scFv)であって、
1)第1の可変重鎖ドメイン(VH1)、
2)scFvリンカー、および
3)第1の可変軽鎖ドメイン(VL1)を含む、前記scFvドメインと、
ii)第1のバリアントFcドメインと、を含む、第1の単量体と、
b)第2の単量体であって、
i)第2の可変重鎖ドメイン(VH2)−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖、を含む、第2の単量体と、
c)第2の可変軽鎖ドメイン(VL2)および定常軽鎖ドメイン(CL)を含む軽鎖と、を含み、
前記第1の可変重鎖ドメインおよび前記第1の可変軽鎖ドメインが、図15のXENP25806由来の1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、図15のXENP25812由来の1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、図15のXENP25813由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、および図15のXENP25819由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からなる対から選択される配列を有する、第1の抗原結合ドメイン(ABD1)を形成し、前記第2の可変重鎖ドメインおよび前記第2の可変軽鎖ドメインが、ヒトCTLA−4、ヒトLAG−3、ヒトTIM−3、ヒトTIGIT、ヒトBTLA、およびヒトICOSから選択される抗原に結合する、第2のABD(ABD2)を形成する、ヘテロ二量体二重特異性抗体。
【請求項16】
前記第1の単量体が、N末端からC末端に向かって、VH1−scFvリンカー−VL1−ヒンジ−バリアントFcドメインを含む、請求項15に記載のヘテロ二量体二重特異性抗体。
【請求項17】
前記第1の単量体が、N末端からC末端に向かって、VL1−scFvリンカー−VH1−ヒンジ−バリアントFcドメインを含む、請求項16に記載のヘテロ二量体二重特異性抗体。
【請求項18】
前記ABD2が、ヒトCTLA−4に結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項19】
前記ABD2が、ヒトLAG−3に結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項20】
前記ABD2が、ヒトTIM−3に結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項21】
前記ABD2が、ヒトTIGITに結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項22】
前記ABD2が、ヒトICOSに結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項23】
前記ABD2が、ヒトBTLAに結合する、請求項15〜17のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項24】
前記抗CTLA−4 ABD2が、配列表の配列番号38134および38138、36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807、ならびに36811および36815、の対から選択される配列を有する、請求項18に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項25】
前記抗LAG−3 ABD2が、配列番号32755および32760、36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959、の対から選択される配列を有する、請求項19に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項26】
前記抗TIM−3 ABD2が、配列番号36508および36513、35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される配列を有する、請求項20に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項27】
前記抗TIGIT ABD2が、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択される配列を有する、請求項21に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項28】
前記抗ICOS ABD2が、
a)US2018/0127501からの配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358の対、
b)図49のXENCS500のVHおよびVLの配列、
c)図49のXENCS501のVHおよびVLの配列、からなる群から選択される配列を有する、請求項22に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項29】
前記抗BTLA ABD2が、配列番号20936および20941、36707および36711、36715および36719、36723および36727ならびに36761および36735の対から選択される配列を有する、請求項23に記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項30】
前記第2のバリアントFcドメインが、アミノ酸置換N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含み、前記第1および第2のバリアントFcドメインが、それぞれアミノ酸置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含み、前記第1のバリアントFcドメインが、アミノ酸置換S364K/E357Qを含み、第2のバリアントFcドメインが、アミノ酸置換L368D/K370Sを含み、付番は、KabatにあるようなEUインデックスに従って行われる、請求項15〜29のいずれかに記載のヘテロ二量体抗体。
【請求項31】
a)請求項15〜30のいずれかに記載の前記第1の単量体をコードする第1の核酸と、
b)請求項15〜30のいずれかに記載の前記第2の単量体をコードする第2の核酸と、
c)請求項15〜30のいずれかに記載の前記軽鎖をコードする第3の核酸と、を含む、核酸組成物。
【請求項32】
a)請求項31に記載の前記第1の核酸を含む第1の発現ベクターと、
b)請求項31に記載の前記第2の核酸を含む第2の発現ベクターと、
c)請求項31に記載の前記第3の核酸を含む第3の発現ベクターと、を含む、発現ベクター組成物。
【請求項33】
請求項32に記載の発現ベクター組成物を含む、宿主細胞。
【請求項34】
ヘテロ二量体抗体を作製する方法であって、前記抗体が発現される条件下で請求項33に記載の宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することと、を含む、方法。
【請求項35】
癌の治療を必要とする患者における癌を治療する方法であって、請求項15〜30のいずれかに記載の抗体を前記患者に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
I.優先権主張
この出願は、2017年11月8日に提出された米国特許出願第62/583,438号、2017年12月14日に提出された第62/598,938号および2018年4月16日に提出された第62/658,227号の優先権を主張し、これらのすべては、その中の図、説明文、および請求の範囲を特に参照して、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
II.配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む。2018年4月16日に作成された上記のASCIIコピーの名前は067461_5215−PR_SL.txtで、サイズは33,716,782キロバイトである。
【背景技術】
【0003】
CTLA−4、PD−1(プログラムされた細胞死1)、TIM−3(T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン3)、LAG−3(リンパ球活性化遺伝子3)、TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)などのチェックポイント受容体は、T細胞やその他の細胞型の活性化、増殖、および/またはエフェクター活性を阻害する。チェックポイント受容体が腫瘍細胞に対する内在性T細胞応答を抑制するという仮説に導かれて、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、イピリムマブ、およびトレメリムマブを含む抗CTLA4および抗PD1抗体の前臨床および臨床試験は、免疫チェックポイント遮断が様々な悪性腫瘍を有する一部の患者において優れた抗腫瘍応答をもたらし、内在性T細胞を刺激して腫瘍細胞を攻撃し、長期の癌寛解をもたらすことを実証した。残念なことに、これらの治療法に応答するのは一部の患者だけであり、適応症および他の要因により異なるが、奏効率は一般に10〜30%の範囲で、場合によっては単剤療法についてより高くなる。これらの剤の治療的組み合わせ、例えばイピリムマブ+ニボルマブはさらに高い奏効率をもたらし、場合によっては60%に近づく。前臨床試験では、抗PD−1抗体および/または抗CTLA−4抗体の間に、LAG−3、TIM−3、BTLA、TIGITなどの最近確認されたチェックポイント受容体の遮断による追加の相乗効果が示されている。多重チェックポイント遮断の可能性は非常に有望であるが、そのような薬剤との併用療法は高い経済的負担を伴うと予想される。さらに、併用療法、例えばニボルマブ+イピリムマブの自己免疫毒性は、単独療法と比較して顕著に上昇し、多くの患者に療法を中止させる。
【0004】
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を試験している、多くの研究(Ahmadzadeh et al., Blood 114:1537(2009)、Matsuzaki et al.,PNAS 107(17):7875−7880(2010)、Fourcade et al.,Cancer Res.72(4):887−896(2012)およびGros et al., J.Clinical Invest.124(5):2246(2014))は、TILが、一般に複数のチェックポイント受容体を発現することを示している。さらに、複数のチェックポイントを発現するTILが、実際には腫瘍反応性が最も高い可能性がある。対照的に、末梢における非腫瘍反応性T細胞は、単一のチェックポイントを発現する可能性がより高い。単一特異性の完全長抗体によるチェックポイントの遮断は、自己免疫毒性に寄与すると想定される自己抗原反応性の単一発現T細胞と比較して、腫瘍反応性TILの脱抑制に関して非差別的である可能性が高い。
【0005】
したがって、本発明は、ヒトPD−1と、第2の、異なるチェックポイント阻害剤タンパク質とに結合する、二重特異性抗体に関する。ヒトPD−1に結合する単一特異性モノクローナル抗体も提供される。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、新規の抗PD−1抗原結合ドメイン(ABD)、ならびにPD−1と、CTLA−4、LAG−3、TIM−3、TIGIT、BTLAおよびICOSからなる群から選択される第2の標的抗原と、に結合する抗PD−1一価モノクローナル抗体およびヘテロ二量体二重特異性抗体の作製におけるそれらの使用、およびこの抗体の作成方法と使用方法に関する。
【0007】
したがって、いくつかの態様において、本発明は、抗PD−1一価モノクローナル抗体を提供する。本態様では、抗PD−1モノクローナル抗体であって、a)N末端からC末端に向かってVH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖と、b)N末端からC末端に向かってVL−CLを含む軽鎖と、を含み、VHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3が、図24のXENP26940由来のCDRおよび図40のXNE28652由来のCDRからなる群から選択される。
【0008】
追加の態様では、抗体は、図24に示されるXENP26940由来のVHおよびVLを有する。
【0009】
さらなる態様では、抗体は、図40に示されるXENP28652由来のVHおよびVLを有する。
【0010】
いずれかの態様では、ヒンジ−CH2−CH3は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4由来のFcドメインからなる群から選択されるFcドメインであり得る。IgG1に由来する場合、Fcドメインは、例えばアミノ酸置換427L/434Sを含むバリアントヒトIgG1ドメインであり得る。さらに、バリアントIgG1 Fcドメインは、図5に示されているものから選択された切除バリアント、特にE233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を含むことができる。FcドメインがバリアントヒトIgG4ドメインである場合、それはS228Pアミノ酸置換を含むことができる。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、重鎖をコードする第1の核酸と、軽鎖をコードする第2の核酸とを含む、核酸組成物を提供する。また、第1の核酸を含む第1の発現ベクターおよび前記第2の核酸を含む第2の発現ベクターを含む発現ベクター組成物、または前記第1および第2の核酸を含む単一の発現ベクターが含まれる。さらに含まれるのは、発現ベクター組成物または発現ベクターを含む、宿主細胞である。抗PD−1抗体を作製する方法も含まれ、前記抗体が発現される条件下で宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することと、を含む。さらに、本発明は、癌の治療を必要とする患者における癌を治療する方法であって、抗体を前記患者に投与することを含む方法を提供する。
【0012】
さらなる態様では、ヘテロ二量体二重特異性抗体が提供される。これらの抗体は、a)第1の単量体であって、i)ヒトPD−1に結合する一本鎖Fvドメイン(scFv)であって、1)第1の可変重鎖ドメイン(VH1)、2)scFvリンカー、および3)第1の可変軽鎖ドメイン(VL1)を含む、前記scFvドメインと、ii)第1のバリアントFcドメインと、を含む、第1の単量体と、b)第2の単量体であって、i)第2の可変重鎖ドメイン(VH2)−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖、を含む、第2の単量体と、c)第2の可変軽鎖ドメイン(VL2)および定常軽鎖ドメイン(CL)を含む軽鎖と、を含み、前記第1の可変重鎖ドメインおよび前記第1の可変軽鎖ドメインが、第1の抗原結合ドメイン(ABD1)を形成し、前記第2の可変重鎖ドメインおよび前記第2の可変軽鎖ドメインが、ヒトCTLA−4、ヒトLAG−3、ヒトTIM−3、ヒトTIGIT、ヒトBTLAおよびヒトICOSから選択される抗原に結合する第2のABD(ABD2)を形成する。ABD1は、図13、15、16、18、20、21、24、33、および40で概説されている1C11 VHおよびVLドメインのいずれかであり得る。
【0013】
特定の態様では、ABD1は、図15のXENP25806由来の1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、図15のXENP25812由来の1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、図15のXENP25813由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.148および図15のXENP25819由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からなる対から選択される配列を有する。
【0014】
これらの態様では、第1の単量体は、N末端からC末端に向かって、VH1−scFvリンカー−VL1−ヒンジ−バリアントFcドメインを含み得る。
【0015】
さらなる態様では、第1の単量体は、N末端からC末端に向かって、VL1−scFvリンカー−VH1−ヒンジ−バリアントFcドメインを含み得る。
【0016】
特定の態様では、ABD1は、図15のXENP25806由来の1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、図15のXENP25812由来の1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、図15のXENP25813由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.148および図15のXENP25819由来の1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からなる対から選択される配列を有し、ABD2は、ヒトCTLA−4、ヒトLAG−3、ヒトTIM−3、ヒトTIGIT、ヒトBTLAおよびヒトICOSから選択される抗原に結合する。
【0017】
追加の態様では、抗CTLA−4 ABD2は、配列表の配列番号38134および38138、36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807、ならびに36811および36815、の対から選択される配列を有する。
【0018】
追加の態様では、抗LAG−3 ABD2は、配列番号32755および32760、36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959、の対から選択される配列を有する。
【0019】
追加の態様では、抗TIM−3 ABD2は、配列番号36508および36513、35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される配列を有する。
【0020】
追加の態様では、抗TIGIT ABD2は、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択される配列を有する。
【0021】
追加の態様では、抗ICOS ABD2は、a)US2018/0127501からの配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358の対、b)図49のXENCS500のVHおよびVLの配列、c)図49のXENCS501のVHおよびVLの配列、からなる群から選択される配列を有する。
【0022】
追加の態様では、抗BTLA ABD2は、配列番号20936および20941、36707および36711、36715および36719、36723および36727ならびに36761および36735、の対から選択される配列を有する。
【0023】
多くの態様では、本発明のヘテロ二量体抗体は、アミノ酸置換N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含む、第2のバリアントIgG1 Fcドメインを有し、前記第1および第2のバリアントIgG1 Fcドメインが、それぞれアミノ酸置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含み、および前記第1のバリアントIgG1 Fcドメインが、アミノ酸置換S364K/E357Qを含み、第2のバリアントIgG1 Fcドメインが、アミノ酸置換L368D/K370Sを含み、付番は、KabatにあるようなEUインデックスに従って行われる。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、a)前記第1の単量体をコードする第1の核酸と、b)前記第2の単量体をコードする第2の核酸と、c)請求項15〜30のいずれかに記載の前記軽鎖をコードする第3の核酸と、を含む核酸組成物を提供する。
【0025】
追加の態様では、本発明は、a)前記第1の核酸を含む第1の発現ベクターと、b)前記第2の核酸を含む第2の発現ベクターと、c)前記第3の核酸を含む第3の発現ベクターと、を含む発現ベクター組成物を提供する。発現ベクター組成物を含む宿主細胞および、抗体を作製する方法であって、前記抗体が発現される条件下で宿主細胞を培養することと、前記抗体を回収することと、による方法、もまた提供する。さらに、癌の治療を必要とする患者の癌を治療する方法であって、本発明のヘテロ二量体二重特異性抗体を患者に投与することを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A-1O】本発明のいくつかの形式を示す。最初は、第1および第2の抗−抗原結合ドメインを有する「ボトルオープナー」形式である。さらに、mAb−Fv、mAb−scFv、セントラル−scFv、セントラル−Fv、ワンアーム(one armed)セントラル−scFv、ワン(one)scFv−mAb、scFv−mAb、二重scFv形式、DVD−Ig、トライデントおよびmAb−(scFv2)が、すべて表示される。示されているすべてのscFvドメインについて、それらはN末端からC末端に向かって可変重鎖−(任意選択的なリンカー)−可変軽鎖、またはその逆のいずれかであってよい。さらに、ワンアームscFv−mAbの場合、scFvは重鎖単量体のN末端または軽鎖のN末端のいずれかに結合できる。
図2A-2D】臨床開発しやすいように両方に結合する抗原結合ドメインの開発を促進するための、多くの場合でヒトおよびカニクイザルの両方を含む、本発明で使用するいくつかの抗原の抗原配列を示す。特に明記しない限り、これらの抗原への言及はすべてヒト抗原に対するものである。ヒトICOS(sp|Q9Y6W8)の配列は、WO/2018/045110に記載の配列番号26246に示されている。ヒトICOS、細胞外ドメイン(sp|Q9Y6W8|21−140)の配列は、WO/2018/045110に記載の配列番号26247である。
図3A-3F】ヘテロ二量体化バリアントのセット(スキュー(skew)バリアントおよびPIバリアントを含む)の有用な対を示す。図3Eには、対応する「単量体2」バリアントがないバリアントがあり、これらは、例えば、いずれかの単量体で単独で使用できる、またはボトルオープナーのFab側に含めることができるpIバリアントであり、適切な荷電scFvリンカーを、第2の抗原結合ドメインとしてscFvを利用する第2の単量体で使用できる。適切な荷電リンカーを図7に示す。
図4】等価バリアント型抗体定常領域とそれらの置換の一覧を示す。pI_(−)は低pIバリアントを示し、pI_(+)は高pIバリアントを示す。これらは、任意選択的に独立して、本発明の他のヘテロ二量体化バリアント(および本明細書に概説される他のバリアント型)と組み合わせることができる。
図5】FcγR結合を除去した有用な除去バリアントを示す(時折「ノックアウト」または「KO」バリアントと称される)。一般に、切除バリアントは両方の単量体に見られるが、場合によっては、それらは一方の単量体のみにあってもよい。
図6A-6B】本発明の2つの特に有用な実施形態を示す。
図7A-7B】構成要素として、1つ以上のscFvを利用するヘテロ二量体性抗体のpIを増加または減少するのに使用されるいくつかの荷電scFvリンカーを示す。(+H)正のリンカーは本明細書で、特に本明細書で示される抗CD3 vlおよびvh配列で、特に使用される。単一電荷を有する単一の先行技術scFvリンカーは、Whitlow et al.,Protein Engineering6(8):989−995(1993)から「Whitlow」として参照される。このリンカーは、scFvにおける凝集を減少させ、タンパク質分解安定性を高めるために使用されたことに留意すべきである。
図8】ヘテロ二量体の収率(HPLC−CIEXにより決定)および熱安定性(DSCにより決定)を含む操作されたヘテロ二量体スキューイングFcバリアントのリストを示す。決定されていない熱安定性は「n.d.」によって示される。
図9】重鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有する、ハイブリドーマクローン1C11およびヒトIgG1の可変領域に基づくキメラ抗PD−1抗体、XENP21575の配列を示す。CDRは太字であり、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図10】抗PD−1クローン1C11による、PD−1をトランスフェクトされたHEK293T細胞におけるPD−1/PD−L1相互作用の遮断を示す。
図11】SEB刺激T細胞への、抗PD−1クローン1C11の結合を示す。
図12A-12B】ヒトPBMCのSEB刺激および抗PD−1クローン1C11による処理後のサイトカイン放出アッセイ(A:IL−2、B:IFNγ)を示す。
図13A-13C】重鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有するヒトIgG1形式の、抗PD−1クローン1C11の例示的なFabヒト化バリアントの配列を示す。CDRは太字であり、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VおよびVドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図14】Octet(および関連するセンサグラム)によって決定されたPD−1に対するXENP22553の親和性を示す。
図15A-15T】抗PD−1クローン1C11の例示的なscFvバリアントの配列を示す。CDRには下線が引かれ、scFvリンカーには二重下線が引かれる(配列では、scFvリンカーは正に荷電したscFv(GKPGS)4リンカーであるが、当業者には理解されるように、このリンカーは、非荷電または負に荷電したリンカーを含む他のリンカーで置き換えることができる。)、およびスラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、命名規則は、N末端からC末端に向かってscFvの方向を示しており、この図の一部の配列はVH−scFvリンカー−VL(NからC末端に向かって)として配向されているが、一部はVL−scFvリンカー−VH(NからC末端に向かって)として配向されている。当業者には理解されるように、これらの配列は、ここでのそれらの描写から反対方向で使用することもできる。さらに、当業者には理解されるように、VHおよびVLドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図16A-16H】実施例XDで説明されているように、選択されたscFvからのVHおよびVLドメインを有する例示的なバリアントPD−1 mAbの配列を示す。CDRは太字であり、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VHおよびVLドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図17A-17Q】DSFによって決定されたバリアント抗PD−1 scFvの安定性と、Octetによって決定されたバリアントscFvからのVH / VLに基づく、抗PD−1 mAbの平衡解離定数(KD)、会合速度(ka)、解離速度(kd)を示す。scFvのXENPは太字で、完全長mAbのXENPは括弧内に示す。
図18A-18G】クローン1C11に基づく例示的なバリアント抗PD−1 mAbの配列を示す。CDRは太字であり、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VHおよびVLドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図19】Octetによって決定されたバリアント抗PD−1 mAbの平衡解離定数(KD)、会合速度(ka)、および解離速度(kd)を示す。
図20A-20L】XENP22553の重鎖に基づくバリアント重鎖の配列を示す。CDRは太字で示されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、VHドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VHドメインはFabまたはscFvにて使用することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図21A-21G】XENP22553の軽鎖に基づくバリアント軽鎖の配列を示す。CDRは太字で示されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VLドメインはFabまたはscFvにて使用することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図22A-22E】Octetによって決定されたバリアント抗PD−1 mAbの平衡解離定数(KD)、会合速度(ka)、および解離速度(kd)を示す。図20および図21に示すように、バリアントは重鎖および軽鎖XenDによって定義される。
図23】Octetによって決定されたバリアント抗PD−1 mAbの平衡解離定数(KD)、会合速度(ka)、および解離速度(kd)を示す。図20および図21に示すように、バリアントは重鎖および軽鎖XenDによって定義される。
図24A-24J】クローン1C11に基づく追加の例示的なバリアント抗PD−1 mAbの配列を示す。CDRは下線が付され、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VHおよびVLドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図25】Octetによって決定されたバリアント抗PD−1 mAbの平衡解離定数(KD)、会合速度(ka)、および解離速度(kd)を示す。
図26】Biacoreによって決定された抗PD−1 1C11バリアントの親和性(KD)を示す。
図27】親和性が最適化された抗PD−1 1C11バリアントのSEB刺激T細胞への結合を示す。
図28】Octetを使用したタンデムエピトープビニングアッセイ(tandem epitope binning assay)における正規化されたBLI応答によって決定される、抗PD−1 1C11バリアントによるPD−1へのPD−L1およびPD−L2結合の遮断を示す。
図29】指示された試験物質とのインキュベーション後の、SEB刺激PBMCアッセイにおけるIFNγ分泌を示す。
図30】指示された試験物質とのインキュベーション後の、SEB刺激PBMCアッセイにおけるIFNγ分泌を示す。
図31】20μg/mLの指示された試験物質とのインキュベーション後のMLRアッセイにおけるIFNγ分泌を示す。
図32】指示された濃度の指示された試験物質とのインキュベーション後のMLRアッセイにおけるIFNγ分泌を示す。
図33】切除バリアント(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、「IgG1_PVA_/S267k」)とXtendバリアント(M428L/N434S)有する二価の抗PD−1 mAbであるXENP26842の配列を示す。CDRには下線が付されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVおよびVドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図34】0日目にヒトPBMCを移植し、1日目および8日目に指示された試験物質を投与した後14日目のNSGマウスの全血中のCD45細胞数を示す。
図35】0日目にヒトPBMCを移植し、1日目に指示された試験物質を投与した後7日目のNSGマウスの血清中のIFNγ濃度を示す。
図36A-36B】pp65反応性huPBMCで移植し指示された試験物質での処理後に、pp65発現MCF−7細胞を移植したNSGマウスのA)平均腫瘍体積およびB)腫瘍体積の変化を示す。
図37A-37D】pp65反応性huPBMCで移植し指示された試験物質での処理後に、pp65発現MCF−7細胞を移植したNSGマウスの全血におけるA)CD45細胞数、B)CD4 T細胞数、C)CD8 T細胞数、およびD)NK細胞数を示す。
図38】指示された試験物質を投与したhuPBMC移植NSGマウスにおける経時的な体重変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。
図39A-39C】指示された試験物質を投与した後のhuPBMC移植NSGマウスにおけるA)ヒトCD45、B)ヒトCD4T細胞、およびC)ヒトCD8 T細胞数を示す。
図40A-40BB】クローン1C11に基づく追加の例示的なバリアント抗PD−1 mAbの配列を示す。CDRは下線が付され、スラッシュは可変ドメインの境界を示す。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVおよびVドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。当業者には理解されるように、VおよびVドメインは、FabまたはscFvとして形式化することができる。さらに、これらの配列はM428L/N434SのXtend変異を含み得る。さらに、各CDRには配列表に独自の配列番号を有し、各VHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号を有する。
図41】Octetによって決定されたヒトPD−1に対する抗PD−1 1C11バリアントの親和性/解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図42】Octetによって決定されたヒトPD−1に対する抗PD−1 1C11バリアントの親和性/解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図43】Octetによって決定されたヒトPD−1に対する抗PD−1 1C11バリアントの親和性/解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図44】Octetによって決定されたヒトPD−1に対する抗PD−1 1C11バリアントの親和性/解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図45】Octetによって決定されたヒトPD−1およびカニクイザルPD−1に対する抗PD−1 1C11バリアントの親和性/解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図46】SEB刺激PBMCアッセイにおける指示された1C11バリアント(ならびに対照としてのニボルマブに基づくPBSおよび抗PD−1 XENP16432)によるIFNγの誘導を示す。p値は対応のあるt検定によるもので、同じドナーからのPBMCによるIFNγ分泌を比較している。
図47】SEB刺激PBMCアッセイにおける指示された1C11バリアント(ならびに対照としてのニボルマブに基づくPBSおよび抗PD−1 XENP16432)によるIL−2の誘導を示す。p値は対応のあるt検定によるもので、同じドナーからのPBMCによるIL−2分泌を比較している。
図48】SEB刺激PBMCアッセイにおける、指示された、ニボルマブおよびXENP28652に基づく抗PD−1 mAb XENP16432によるIFNγの誘導を示す。p値は対応のあるt検定によるもので、同じドナーのPBMCによるIFNγ分泌を比較している。
図49A-49KK】「XENCS」付番を使用して命名された、「ボトルオープナー」形式での、本発明のヘテロ二量体抗体のいくつかの配列を示す。それぞれに3つのポリペプチド鎖が示され(「Fab鎖、scFv鎖、軽鎖」)、CDRには下線が引かれ、リンカーには二重下線が引かれ、ドメイン間の接合部は「/」で示される。これらにはそれぞれ独自の配列を有し、したがって識別子を有する。
図50A-50E】いくつかの有用な「ボトルオープナー」形式の「骨格」の配列を示し、scFv側のFvはいくつかの特定の抗PD−1 ABDに向けられているが、「Fab」側のFv配列はない。当業者によって理解され、以下で概説されるように、これらの「骨格」配列は、本明細書で概説され、配列表内に含まれる任意のFab配列と共に使用することができる(例えば、「Fab側重鎖」または「Fab単量体」に結合したVHおよび定常軽鎖に結合したVL)。また、これらのボトルオープナーの骨格配列は、図1Fのセントラル−scFv形式(「2+1」形式とも称される)での使用が見出され、本明細書で説明するように第2のVHおよびCH1ドメインが追加されている。それぞれのFab鎖は、CH1ドメインの始まりを示す「/」で始まり、本明細書に記載のABDからのVHドメインがN末端で融合されて、全長重鎖を形成し、ABDからの対応するVLドメインが軽鎖のCLドメインの始まりを示す「/」にN末端で融合しているため、FabがFab鎖および軽鎖で形成される。scFv鎖は、特定の抗PD−1 ABDについて概説され、CDRには下線が引かれ、scFvリンカーには二重下線が引かれ、「/」はドメインの接合部を示している。BO骨格1〜4(XENCS556〜559)は、BO骨格5〜8(XENCS560〜563)と同じであるが、後者には428L/434S「XTend(登録商標)」Fcバリアントが含まれている。
図51】主題の二重特異性抗体XmAb20717(抗CTLA−4 x抗PD−1)がPD1とCTLA4を共発現する293 T細胞を選択的に標的とすることを示す。
図52】XmAB20717の結合活性がT細胞の活性化に寄与することを示す。具体的には、14日目のIFNγレベルは、0日目にヒトPBMCをNSGマウスに移植した後、1日目に指示された試験物質を投与した後に示される。
図53】XmAB20717が抗PD1二価抗体と比較して優れたT細胞活性化を促進することを示す。具体的には、14日目のCD45 +細胞数とIFNγレベルは、0日目にヒトPBMCをNSGマウスに移植した後、1日目に指示された試験物質を投与した後に示される。
図54】XmAb20717がマウスの同種抗腫瘍応答を増強することを示すグラフである。NSGマウスにKG1a−lucを移植した後、huPBMCを使用して移植した。提示された腫瘍量は、KG1a−lucのIVISイメージングによって取得された幾何平均フラックスから誘導される。
図55】CD45+細胞数で測定したように、PD1 x CTLA4二重特異性抗体がチェックポイント遮断のマウスモデルで非常に活性であることを示すグラフである。
図56】CTLA4×LAG3二重特異性が活性であり、チェックポイント遮断用のマウスモデルの三重遮断のため抗PD−1と組み合わされることを示すグラフである。
図57A-57B】染色により示されるように、非占有のCTLA−4および/またはLAG−3受容体を有するCTLA−4およびPD−1の両方を発現するHEK293T細胞の集団のパーセンテージによって示される、指示された試験物質によるチェックポイント受容体占有率を示す。
図58】指示された試験物質での処理後の、(Q1)CTLA−4−PD−1+細胞、(Q2)CTLA−4+PD−1+細胞、(Q3)CTLA−4−PD−1+細胞、および(Q4)CTLA−4−PD−1−細胞の集団を示したFACS散布図を示す。
図59A-59B】KG1a−lucを移植され、XmAb20717での処理後にhuPBMCを移植されたNSGマウスにおける腫瘍量(KG1a−lucのIVISイメージングによって取得された幾何平均フラックスに由来)を示す。
図60】CTLA−4およびLAG−3を発現するHEK293T細胞へのXmAb22841の結合を示す。
図61A-61D】染色により示されるように、非占有のCTLA−4および/またはLAG−3受容体を有するCTLA−4およびLAG−3の両方を発現するHEK293T細胞の集団のパーセンテージによって示される、指示された試験物質によるチェックポイント受容体占有率を示す。
図62A-62B】指示された試験物質での処理後のCTLA−4およびLAG−3の両方を発現するHEK293T細胞上の非占有のA)LAG−3およびB)CTLA−4受容体の量を示す。
図63A-63F】指示された試験物質の、6人の別々のPBMCドナー(A〜F)からのSEB刺激T細胞との結合を示す。
図64】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりも、XENP16432、XmAb20717、XmAb22841、およびXmAb22841とXENP16432との組み合わせでの処理後のSEB刺激T細胞によるIL−2放出の倍数増加を示す。
図65】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりも、XENP16432、XmAb20717、XmAb22841、およびXmAb22841とXENP16432との組み合わせでの処理後のSEB刺激T細胞によるIFNγ放出の倍数増加を示す。
図66】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりも、抗PD−1 mAb(XENP16432)での処理後のSEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示している。y軸は有意性を示す。
図67】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりもXmAb20717で処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示している。
図68】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりもXmAb22841での処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示す。
図69】抗PD−1 mAb(XENP16432)での処理よりもXmAb20717での処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示している。
図70】抗PD−1 mAb(XENP16432)での処理よりもXmAb22841での処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示す。
図71】抗RSV mAb(XENP15074)での処理よりも、抗PD−1 mAb(XENP16432)と組み合わせたXmAb22841での処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示す。
図72】抗PD−1 mAb(XENP16432)単独での処理よりも抗PD−1 mAb(XENP16432)を組み合わせたたXmAb22841での処理後の、SEB刺激T細胞による免疫関連遺伝子の発現の倍数変化(x軸)を示す。
図73】抗RSV抗体の配列を示している。これらの配列は、除去バリアント(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、「IgG1_PVA_/S267k」)を有するヒトIgG1に基づいて生成されたことに留意することが重要である。CDRには下線が付されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。
図74】ニボルマブの可変領域を有する抗PD−1抗体の配列を示している。これらの配列は、除去バリアント(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、「IgG1_PVA_/S267k」)を有するヒトIgG1に基づいて生成されたことに留意することが重要である。CDRには下線が付されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。
図75】ペムブロリズマブの可変領域を有する抗PD−1抗体の配列を示している。これらの配列は、S228Pバリアントとともに、ヒトIgG4に基づいて生成されたことに留意することが重要である。CDRには下線が付されている。本明細書中に記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。
図76A-76B】hFcRn(Tg276)マウスへの2mg/kg単回静脈内投与後の個々のマウスにおけるA)XENP20053およびB)XmAb20717の薬物動態プロファイルを示す。
図77】hFcRn(Tg276)マウスにおける2mg/kg単回静脈内投与後のXENP20053およびXmAb20717(個々の動物)の半減期をを示す。
図78】hFcRn(Tg276)マウスにおける2mg/kg単回静脈内投与後のXENP20053およびXmAb20717(個々の動物)のCmaxを示す。
図79】hFcRn(Tg276)マウスにおける2mg/kg単回静脈内投与後のXmAb20717およびXENP20053の選択されたPKパラメータの平均を示す。
図80A-80J】PBS、プレート結合XmAb20717、可溶性XmAb20717、およびプレート結合抗CD3抗体(OKT3)で処理したヒトPBMCからの、A)IFNγ、B)IL−1β、C)IL−2、D)IL−4、E)IL−8、F)IL−6、G)IL−10、H)IL−12p70、I)IL−13、およびJ)TNFαの放出を示す。
図81A-81B】XmAb20717のA)ヒトCTLA−4およびB)カニクイザルCTLA−4への結合を示すセンサグラムを示す。
図82A-82B】XmAb20717のA)ヒトPD−1およびB)カニクイザルPD−1への結合を示すセンサグラムを示す。
図83】XmAb20717のヒトおよびカニクイザルCTLA−4およびPD−1への結合の平衡解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図84】XmAb20717プレインキュベーションの有無によるCTLA−4とリガンドCD80およびCD86の競合結合実験からのセンサグラムを示す。
図85】XmAb20717プレインキュベーションの有無によるPD−1とリガンドPD−L1およびPD−L2の競合結合実験からのセンサグラムを示す。
図86】XmAb20717(実線)とヒトIgGコンパレータ(天然のIgG1定常領域を有する抗CD19抗体、点線)の、A)ヒトFcγRI、B)ヒトFcγRIIb、C)ヒトFcγRIIA(131H)、D)ヒトFcγRIIA(131R)、E)ヒトFcγRIIIA(158V)、およびF)ヒトFcγRIIIA(158F)への結合を示す、センサグラムを示す。
図87】XmAb20717(実線)とヒトIgGコンパレータ(天然のIgG1定常領域を有する抗CD19抗体、点線)の、A)カニクイザルFcγRI、B)カニクイザルFcγRIIA、C)カニクイザルFcγRIIb、およびD)カニクイザルRcγRIIIAへの結合を示すセンサグラムを示す。
図88】XmAb20717(実線)とヒトIgGコンパレータ(天然のIgG1定常領域を有する抗CD19抗体、点線)のA)マウスFcγRI、B)マウスFcγRIIb、C)マウスFcγRIIIおよびD)マウスFcγRIVへの結合を示すセンサグラムを示す。
図89】pH6.0でのヒト、カニクイザル、マウスのFcRnへのXmAb20717とXENP20053の結合の平衡解離定数(K)を示す。
図90】pH6.0でのXmAb20717とXENP20053のヒト、カニクイザル、およびマウスFcRn(1000、500、250、および125nM)への結合を示すセンサグラムを示す。
図91】PD−1を搭載し、XmAb20717または緩衝液に浸漬した後、CTLA−4抗原に最後に浸漬したバイオセンサを示すインタンデムBLI実験を示している。
図92】抗RSV mAb XENP15074、抗PD−1 mAb XENP16432、およびXmAb20717による処理後の、SEB刺激ヒトPBMCによるIL−2分泌を示す。各ポイントは、固有のヒトドナーを表す。
図93】抗RSV mAb XENP15074、抗PD−1 mAb XENP16432、およびXmAb20717による処理後の刺激されていないヒトPBMCによるIL−2分泌を示す。各ポイントは、固有のヒトドナーを表す。
図94】抗RSV mAb XENP15074、XENP20111およびXENP20059の組み合わせ(XmAb20717の抗PD−1および抗CTLA−4結合ドメインに基づく一価mAbs)、ならびにXmAb20717による処理後の刺激されていないヒトPBMCによるIL−2分泌を示す。各ポイントは、固有のヒトドナーを表す。
図95】静脈内OSP(i.v.OSP)でヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの経時的な体重の変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。死亡したマウスは初期体重の70%に設定された。*は、p<0.05、対応のないスチューデントのt検定、huPBMCと比較した各群を示す。三角形は投与日を示す。
図96】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの生存率を示す。
図97】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスにおける経時的な血清IFNγ濃度を示す。
図98A-98C】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの血液中における経時的なA)ヒトCD45細胞、B)ヒトCD4 T細胞、およびC)ヒトCD8 T細胞数を示す。
図99】切除バリアント(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、「IgG1_PVA_/S267k」)を含むアテゾリズマブに基づく二価の抗PD−L1 mAb XENP16434の配列を示す。
図100】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの経時的な体重の変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。死亡したマウスは初期体重の70%に設定された。
図101】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの生存率を示す。
図102A-102C】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの14日目の血液中のA)ヒトCD45細胞数、B)ヒトCD4 T細胞数、およびC)ヒトCD8 T細胞数を示す。
図103】示された濃度の指示された試験物質で前処理されたPD−1 CTLA−4細胞へのXmAb20717の結合を示す。
図104】示された濃度の指示された試験物質で前処理されたPD−1 CTLA−4細胞へのXmAb20717の結合を示す。
図105】PD−1 CTLA−4細胞へのXmAb20717の結合を遮断するためのペムブロリズマブのEC50を示す。EC50の値は、最小二乗法を使用してカーブフィットしたPrismソフトウェアから得られた。
図106A-106J】PBS、プレート結合XmAb22841、可溶性XmAb22841、およびプレート結合抗CD3抗体(OKT3)で処理したヒトPBMCからのA)IFNγ、B)IL−1β、C)IL−2、D)IL−4、E)IL−8、F)IL−6、G)IL−10、 H)IL−12p70、I)IL−13、およびJ)TNFαの放出を示す。
図107】室内(in−house)生産のTGN1412であるXENP29154の配列を示している。
図108A-108J】風乾したXmAb22841、風乾したXENP15074(アイソタイプ対照)、および風乾したXENP29154(陽性対照)で処理したヒトPBMCからのA)IFNγ、B)IL−1β、C)IL−2、D)IL−4、E)IL−8、F)IL−6、G)IL−10、H)IL−12p70、I)IL−13、およびJ)TNFαの放出を示す。
図109A-109B】XmAb22841のA)ヒトCTLA−4およびB)カニクイザルCTLA−4への結合を示すセンサグラムを示す。
図110A-110B】XmAb22841のA)ヒトLAG−3およびB)カニクイザルLAG−3への結合を示すセンサグラムを示す。
図111】XmAb22841のヒトおよびカニクイザルCTLA−4およびLAG−3への結合に関する平衡解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を示す。
図112】XmAb22841プレインキュベーションの有無によるCTLA−4とリガンドCD80およびCD86の競合結合実験からのセンサグラムを示す。
図113】XmAb22841によるRamos細胞の細胞表面MHCクラスIIへの可溶性LAG−3−Fc結合の阻害を示す。
図114】XmAb22841(実線)およびヒトIgGコンパレータ(天然IgG1定常領域を持つ抗CD19抗体、点線)の、A)ヒトFcγRI、B)ヒトFcγRIIb、C)ヒトFcγRIIA(131H)、D)ヒトFcγRIIA(131R)、E)ヒトFcγRIIIA(158V)、およびF)ヒトFcγRIIIA(158F)への結合を示すセンサグラムを示す。
図115】XmAb22841(実線)およびヒトIgGコンパレータ(天然IgG1定常領域を有する抗CD19抗体、点線)の、A)カニクイザルFcγRI、B)カニクイザルFcγRIIA、C)カニクイザルFcγRIIb、およびD)カニクイザルRcγRIIIAへの結合を示すセンサグラムを示す。
図116】XmAb22841(実線)およびヒトIgGコンパレータ(天然IgG1定常領域を有する抗CD19抗体、点線)の、A)マウスFcγRI、B)マウスFcγRIIb、C)マウスFcγRIII、およびD)マウスFcγRIVへの結合を示すセンサグラムを示す。
図117】pH6.0でのヒト、カニクイザル、マウスのFcRnへのXmAb22841とXENP22602の結合の平衡解離定数(K)を示している。
図118】pH6.0でのXmAb22841およびXENP22602のヒト、カニクイザル、およびマウスFcRn(1000、500、250、および125nM)への結合を示すセンサグラムを示す。
図119】LAG−3を搭載し、XmAb22841または緩衝液に浸漬した後、CTLA−4抗原を最後に浸漬したバイオセンサを示す、インタンデムBLI実験を示す。
図120】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの経時的な体重の変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。死亡したマウスは初期体重の70%に設定された。
図121】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの生存率を示す。
図122A-122B】静脈内OSPでヒトPBMCを移植しおよび指示された試験物質を投与したNSGマウスの、7日目および14日目の、血清中のA)IFNγ濃度およびB)IL−10濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
A.資料の組み込み
1.図および説明文
2017年11月8日に出願された米国特許出願第62/583,438号、2017年12月14日に出願された同第62/598,938号、2018年4月16日に出願された同第62/658,227号、2016年11月10日に出願された同第62/420,500号、2016年6月22日に出願された同第62/353,511号、2016年6月14日に出願された同第62/350,145号、2017年6月14日に出願された同第15/623,314号、および2017年6月14日に出願されたPCT/US17/37555、のすべての図、付随する説明文および配列(それらの識別子および/または説明付き)、とりわけそこに示されたアミノ酸配列に関して、すべて、参照によりその全体が明示的かつ独立して本明細書に組み込まれる。
【0028】
2.配列
添付の配列表について以下のように説明する:ABDとしての使用に好適な抗PD−1配列には、配列番号6209〜11464(PD−1 scFv配列であるが、それらの中のFv配列はFabとしての形式をとることができる)、配列番号11465〜17134(PD−1 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号33003〜33072(追加のPD−1 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号33073〜35394(追加のPD−1 scFv配列であるが、それらの中のFv配列はFabとしての形式をとることができる)および配列番号36127〜36146(PD−1の二価の構築物で、scFvまたはFabのいずれかとしての形式をとることができる)が含まれる。ABDとしての使用に好適な抗CTLA−4配列には、配列番号21〜2918(CTLA−4 scFv配列であるが、それらの中のFv配列はFabとしての形式をとることができる)、配列番号2919〜6208(CTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号36739〜36818(追加のCTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号35395〜35416(CTLA−4のワンアーム構築物で、FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができる)が含まれる。ABDとしての使用に好適な抗LAG−3配列には、配列番号17135〜20764(LAG−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号36819〜36962(追加のLAG−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号35417〜35606(追加のLAG−3 Fabsであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号25194〜32793(追加のLAG−3 Fabsであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号32794〜33002(FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができるワンアームLAG−3構築物)が含まれる。ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884(TIM−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号37587〜37698(追加のTIM−3 Fabであるが、それらの中のFv配列は、scFvとしての形式をとることができる)および配列番号36347〜36706(FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができる二価のTIM−3構築物)が含まれる。ABDとしての使用に好適な抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503(BTLA Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号36707〜36738(追加のBTLA Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)が含まれる。ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523(TIGIT Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号37435〜37586(追加のTIGIT Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0029】
本発明の二重特異性抗体には、配列番号35607〜35866および配列番号21524〜22620のLAG3 X CTLA4構築物が含まれる。PD−1 X CTLA4の構築物には、配列番号36167〜36346および配列番号23316〜23735として記載されるものが含まれる。PD−1 X TIM3構築物には、配列番号25174〜25193として記載されるものが含まれる。PD−1 X LAG3構築物には、配列番号35867〜36126および配列番号23736−25133として記載されるものが含まれる。PD−1 X TIGIT構築物には、配列番号25134〜25173として記載されるものが含まれる。PD−1 X BTLA構築物には、配列番号22724〜23315および配列番号36147−36166として記載されるものが含まれる。CTLA4 X BTLA構築物には、配列番号22624〜22723として記載されるものが含まれる。最後に、XENP23552、XENP22841、XENP22842、XENP22843、XENP22844、XENP22845、XENP22846、XENP22847、XENP22848、XENP22849、XENP22850、XENP22851、XENP22852、XENP22858、XENP22854、XENPXENP22855の名前はすべて、不注意で省略された、「M428L/N434S」の表記を表題に含むべきであった。
【0030】
B.命名法
本発明の二重特異性抗体を、いくつかの異なるフォーマットに列挙する。各ポリペプチドには固有の「XENP」番号(もしくは場合によっては、「XENCS」番号)が付与されるが、当技術分野で理解されるように、より長い配列はより短い配列を含み得る。例えば、所与の配列のボトルオープナー形式のscFv側単量体の重鎖は第1のXENP番号を有し、一方でscFvドメインは異なるXENP番号を有する。いくつかの分子には3つのポリペプチドがあるため、XENP番号が構成要素とともに名称として使用される。したがって、ボトルオープナー形式である、分子XENP20717は、一般に、「XENP20717 HC−Fab」、「XENP20717HC−scFv」、および「XENP20717LC」と称される3つの配列、または等価物含むが、当業者は、配列アライメントによりこれらを容易に同定することができるだろう。これらのXENP番号は、配列表ならびに識別子にあり、図で使用される。さらに、3つの構成要素を含む1つの分子は、複数の配列識別子を生成する。例えば、Fab単量体のリストには、完全長配列、可変重配列、可変重配列の3つのCDRがあり、軽鎖には、完全長配列、可変軽配列、および可変軽配列の3つのCDRがあり、scFv−Fcドメインには、完全長配列、scFv配列、可変軽配列、3つの軽鎖CDR、scFvリンカー、可変重配列、および3つの重鎖CDRがあり、scFvドメインを含む本明細書のすべての分子は、単一の荷電scFvリンカー(+H)を使用するが、他の分子も使用できることに留意されたい。さらに、特定の可変ドメインの命名法では、「Hx.xx_Ly.yy」タイプの形式が使用され、番号は特定の可変鎖配列の一意の識別子である。したがって、XENP22841のFab側の可変ドメインは、「7G8_H3.30_L1.34」であり、これは、可変重鎖ドメインH3.30が軽鎖ドメインL1.34と組み合わされたことを示す。これらの配列がscFvとして使用される場合、名称「7G8_H3.30_L1.34」は、可変重鎖ドメインH3.30が軽鎖ドメインL1.34と組み合わされ、NからC末端に向かってvh−リンカー−vl配向にあることを示す。重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインの同一の配列を有するが逆順のこの分子は、「7G8_L1.34_H3.30」と名付けられる。同様に、配列表および図から明らかなように、異なる構築物は重鎖および軽鎖を「混合および適合」し得る。
【0031】
C.定義
本出願をより完全に理解できるようにするため、いくつかの定義を以下に示す。そのような定義は、文法的同等物を包含することを意図する。
【0032】
本明細書において「除去」とは、活性の低下または排除を意味する。したがって、例えば、「FcγR結合を切除する」とは、特定のバリアントを含有しないFc領域と比較して、Fc領域アミノ酸バリアントが、開始結合の50%未満を有することを意味し、活性を70〜80〜90〜95〜98%超えて喪失していることが好ましく、一般に、活性は、Biacore、SPR、またはBLIアッセイにおいて、検出可能な結合レベルを下回る。FcγR結合の切除において特に使用されるものは、図5に示すものであり、これらは一般に両方の単量体に付加される。
【0033】
本明細書で使用される「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を意味する。ADCCは、FcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合の増加はADCC活性の増加をもたらす。
【0034】
本明細書で使用される「ADCP」または「抗体依存性細胞媒介性細胞食作用」とは、FcγRを発現する非特異的食細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の食作用を引き起こす細胞媒介反応を意味する。
【0035】
本明細書において「抗原結合ドメイン」または「ABD」とは、ポリペプチド配列の一部として存在する場合、本明細書で考察される標的抗原と特異的に結合する6つの相補性決定領域(CDR)のセットを意味する。したがって、「チェックポイント抗原結合ドメイン」は、本明細書に概説されるように標的チェックポイント抗原に結合する。当該技術分野で知られているように、これらのCDRは、可変重鎖CDR(vhCDRまたはVCDR)の第1のセットおよび可変軽鎖CDRの第2のセット(vlCDRまたはVCDR)として一般に存在し、各々が3つのCDR、即ち重鎖についてvhCDR1、vhCDR2、vhCDR3、軽鎖についてvlCDR1、vlCDR2およびvlCDR3を含む。CDRは、可変重および可変軽鎖ドメインにそれぞれ存在し、一緒になってFv領域を形成する。(CDR付番スキームについては、表1および上記の関連する説明を参照されたい)。したがって、場合によっては、抗原結合ドメインの6つのCDRには、可変重鎖および可変軽鎖ドメインが寄与する。「Fab」フォーマットにおいて、6つのCDRのセットには、2つの異なるポリペプチド配列、すなわち可変重鎖ドメイン(vhまたはV、vhCDR1、vhCDR2およびvhCDR3を含む)および可変軽鎖ドメイン(vlまたはV、vlCDR1、vlCDR2およびvlCDR3を含む)が寄与され、このうちvhドメインのC末端が重鎖のCH1ドメインのN末端と結合し、vlドメインのC末端が定常軽鎖ドメインのN末端と結合している(したがって、軽鎖を形成する)。scFv形式では、vhおよびvlドメインは、一般に本明細書に概説されているように、リンカー(「scFvリンカー」)の使用によって、単一のポリペプチド配列に共有結合され、それは(N末端から開始して)vh−リンカー−vlまたはvl−リンカー−vhのいずれかであってよく、前者が一般的に好ましい(使用される形式(例えば、図1からのもの)に応じて、両側の任意選択的なドメインリンカーを含む)。一般に、scFvドメインのC末端は、第2の単量体のヒンジのN末端に結合される。
【0036】
本明細書における「修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/もしくは欠失、またはタンパク質に化学的に連結された部分への改変を意味する。例えば、修飾は、タンパク質に結合した改変された炭水化物またはPEG構造であってもよい。本明細書における「アミノ酸修飾」は、ポリペプチド配列中のアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を意味する。明確にするために、別段の記載がない限り、アミノ酸修飾は常に、DNAによってコードされるアミノ酸、例えばDNAおよびRNA中にコドンを有する20個のアミノ酸に対するものである。
【0037】
本明細書における「アミノ酸置換」または「置換」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することを意味する。特に、いくつかの実施形態では、置換は、特定の位置で天然に存在しない(生物内で天然に存在しないか、またはいずれの生物中にも存在しないかのいずれか)アミノ酸に対するものである。例えば、置換E272Yは、272位のグルタミン酸がチロシンで置換されているバリアントポリペプチド、この場合はFcバリアント体を指す。明確にするために、核酸コード配列を変化させるが、開始アミノ酸を変化させない(例えば、宿主生物発現レベルを増加させるためにCGG(アルギニンをコードする)をCGA(アルギニンをなおコードする)に交換する)ように操作されたタンパク質は、「アミノ酸置換」ではない。すなわち、同じタンパク質をコードする新たな遺伝子の創出にもかかわらず、タンパク質は、それが開始される特定の位置に同じアミノ酸を有する場合、それはアミノ酸置換ではない。
【0038】
本明細書で使用される「アミノ酸挿入」または「挿入」は、親ポリペプチド配列の特定の位置にアミノ酸配列を付加することを意味する。例えば、−233Eまたは233Eは、233位の後、および234位の前のグルタミン酸の挿入を示す。さらに、−233ADEまたはA233ADEは、233位の後、かつ234位の前のAlaAspGluの挿入を示す。
【0039】
本明細書で使用される「アミノ酸欠失」または「欠失」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置でアミノ酸配列を除去することを意味する。例えば、E233−またはE233#、E233()またはE233delは、233位のグルタミン酸の欠失を示す。さらに、EDA233−またはEDA233#は、233位で始まる配列GluAspAlaの欠失を示す。
【0040】
本明細書で使用される「バリアントタンパク質」または「タンパク質バリアント」または「バリアント」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親タンパク質のそれとは異なるタンパク質を意味する。タンパク質バリアントは、親タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾を有するが、バリアントタンパク質は、以下に記載されるようなアライメントプログラムを使用して親タンパク質と整列しないほど多くはない。一般に、本明細書で概説するバリアントタンパク質(バリアントFcドメインなど)は、BLASTなど、以下に説明するアラインメントプログラムを使用して親タンパク質に対して、一般に少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%同一である。
【0041】
以下に記載するように、いくつかの実施形態では、親ポリペプチド、例えばFc親ポリペプチドは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来の重鎖定常ドメインまたはFc領域などのヒト野生型配列であるが、バリアントを有するヒト配列もまた、「親ポリペプチド」として機能することができ、例えば、米国公開第2006/0134105号のIgG1/2ハイブリッドを含めることができる。本明細書のタンパク質バリアントの配列は、好ましくは、親タンパク質配列と少なくとも約80%の同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の同一性、より好ましくは少なくとも約95−98−99%の同一性を有する。したがって、本明細書で使用される「抗体バリアント」または「バリアント抗体」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親抗体とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「IgGバリアント」または「バリアントIgG」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親IgG(ここでも、多くの場合はヒトIgGに由来)とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「免疫グロブリンバリアント」または「バリアント免疫グロブリン」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親免疫グロブリン配列のそれとは異なる免疫グロブリン配列を意味する。本明細書で使用される「Fcバリアント」または「バリアントFc」は、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4のFcドメインと比較してアミノ酸修飾を含むタンパク質を意味する。
【0042】
本発明のFcバリアントは、それらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。したがって、例えば、N434Sまたは434Sは、親Fcポリペプチドに対して434位に置換セリンを有するFcバリアントであり、ここで付番はEUインデックスに従う。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドに対して置換M428LおよびN434Sを有するFc変異を定義する。WTアミノ酸の同一性は特定されていなくてもよく、その場合、前述のバリアントは428L/434Sと称される。置換が提供される順序は任意であり、すなわちそれは、例えばN434S/M428LはM428L/N434Sと同一のFcバリアントである、などということである。抗体に関連する本発明において論じられる全ての位置について、特に明記しない限り、アミノ酸位置の付番はEUインデックスに従う。EUインデックス、またはKabatもしくはEU付番スキームにあるようなEUインデックスは、EU抗体の付番を指す。Kabatらは、重鎖および軽鎖の可変領域の多数の一次配列を収集した。配列の保存の程度に基づき、Kabatらは、個々の一次配列をCDRおよびフレームワークに分類し、そのリストを作成した(参照により全体が組み込まれるSEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat et al.を参照されたい)。Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85(これにより参照によりその全体が組み込まれる)も参照されたい。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。
【0043】
本明細書における「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味する。さらに、本発明の抗体を作成するポリペプチドには、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、円順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加が含まれ得る。
【0044】
「残基」とは、本明細書で使用されるとき、タンパク質における位置およびその関連するアミノ酸素性を意味する。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも称される)は、ヒト抗体IgG1中の297位の残基である。
【0045】
本明細書で使用される「Fab」または「Fab領域」とは、概して2つの異なるポリペプチド鎖の(例えば、一方の鎖のVH−CH1、他方の鎖のVL−CL)、VH、CH1、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドを意味する。Fabは、この領域単独、または本発明の二重特異性抗体との関係においてこの領域を指し得る。Fabの関連で、Fabは、CH1およびCLドメインに加えてFv領域を含む。
【0046】
本明細書で使用される「Fv」または「Fvフラグメント」または「Fv領域」は、ABDのVLドメインおよびVHドメインを含むポリペプチドを意味する。Fv領域は、Fab(上述のとおり、概して上記に概説されている定常領域も含む2つの異なるポリペプチド)とscFvの両方としてフォーマットすることができ、vlおよびvhドメインを(一般に、本明細書で考察されるリンカーで)組み合わせてscFvを形成する。
【0047】
本明細書における「一本鎖Fv」または「scFv」は概して、本明細書で論じられるscFvリンカーを使用してscFvまたはscFvドメインを形成する、可変軽鎖ドメインに共有結合した可変重鎖ドメインを意味する。scFvドメインは、N末端からC末端に向かって(vh−リンカー−vlまたはvl−リンカー−vh)のいずれの向きにもあり得る。配列表および図に示す配列では、vhおよびvlドメインの順序が名前に示される。例えば、H.X_L.Yは、N末端からC末端方向に、vh−リンカー−vl、およびL.Y_H.Xがvl−リンカー−vhであることを意味する。
【0048】
本明細書で使用される「IgGサブクラス修飾」または「アイソタイプ修飾」とは、1つのIgGアイソタイプの1つのアミノ酸を、異なる、整合したIgGアイソタイプの対応するアミノ酸に変換するアミノ酸修飾を意味する。例えば、EU位置296においてIgG1はチロシンを含み、IgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス修飾であると考えられる。
【0049】
本明細書で使用される「天然に存在しない修飾」とは、アイソタイプ性ではないアミノ酸修飾を意味する。例えば、ヒトIgGのうちのいずれも434位にセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4(またはそれらのハイブリッド)における置換434Sは、天然に生じない修飾であると見なされる。
【0050】
本明細書で使用される「アミノ酸」および「アミノ酸同一性」は、DNAおよびRNAによってコードされている20種の天然に存在するアミノ酸のうちの1つを意味する。
【0051】
本明細書で使用される「エフェクター機能」とは、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能には、ADCC、ADCP、およびCDCが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用される「IgG Fcリガンド」とは、IgG抗体のFc領域と結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。Fcリガンドには、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチン、マンノース受容体、staphylococcalプロテインA、streptococcalプロテインG、およびウイルスFcγRが含まれるが、これらに限定されない。Fcリガンドにはまた、FcγRと相同なFc受容体のファミリーである、Fc受容体相同体(FcRH)が含まれる(Davis et al.,2002,Immunological Reviews190:123−136(参照により全体が組み込まれる))。Fcリガンドは、Fcに結合する未発見の分子を含み得る。特定のIgG Fcリガンドは、FcRnおよびFcガンマ受容体である。本明細書で使用される「Fcリガンド」とは、抗体のFc領域と結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。
【0053】
本明細書で使用される「Fcガンマ受容体」、「FcγR」、または「FcガンマR」とは、IgG抗体Fc領域に結合し、かつFcγR遺伝子によってコードされるタンパク質ファミリーの任意のメンバーを意味する。ヒトにおいて、このファミリーには、アイソフォームであるFcγRIa、FcγRIb、およびFcγRIcを含むFcγRI(CD64);アイソフォームであるFcγRIIa(アロタイプであるH131およびR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb−1およびFcγRIIb−2を含む)、ならびにFcγRIIcを含むFcγRII(CD32);ならびにアイソフォームであるFcγRIIIa(アロタイプであるV158およびF158を含む)、ならびにFcγRIIIb(アロタイプであるFcγRIIb−NA1およびFcγRIIb−NA2を含む)を含むFcγRIII(CD16)(参照により全体が組み込まれるJefferis et al.,2002,Immunol Lett 82:57−65)、ならびに任意の発見されていないヒトFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。FcγRは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。マウスFcγRには、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIII−2(CD16−2)、ならびに任意の未発見のマウスFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用される「FcRn」または「新生児Fc受容体」とは、IgG抗体のFc領域に結合し、少なくとも部分的にFcRn遺伝子によってコードされるタンパク質を意味する。FcRnは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。当該技術分野において既知のように、機能的FcRnタンパク質は、しばしば重鎖および軽鎖と称される2つのポリペプチドを含む。軽鎖はβ−2−ミクログロブリンであり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされている。本明細書において別段の記載がない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖とβ−2−ミクログロブリンとの複合体を指す。FcRn受容体への結合を増加させるために、そしていくつかの場合には血清半減期を増加させるために使用される様々なFcRnバリアントが使用できる。「FcRnバリアント」とは、FcRnへの結合を増加させるものであり、好適なFcRnバリアントを以下に示す。
【0055】
本明細書で使用される「親ポリペプチド」とは、バリアントを生成するようにその後修飾される出発ポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは、天然に存在するポリペプチド、または天然に存在するポリペプチドのバリアントもしくは操作されたバージョンであってもよい。したがって、本明細書で使用される「親免疫グロブリン」とは、バリアントを生成するように修飾される非修飾免疫グロブリンポリペプチドを意味し、本明細書で使用される「親抗体」とは、バリアント抗体を生成するように修飾される非修飾抗体を意味する。「親抗体」には、以下に概説するように、既知の市販の組み換えで産生した抗体が含まれることに注意すべきである。このような関係では、「親Fcドメイン」は、列挙されたバリアントに関連するものであり、したがって、「バリアントヒトIgG1 Fcドメイン」はヒトIgG1の親Fcドメインと比較され、「バリアントヒトIgG4 Fcドメイン」は親FcドメインヒトIgG4と比較される等である。
【0056】
本明細書で使用される「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」とは、IgG分子のCH2−CH3ドメインを含むポリペプチドを意味し、場合によってはヒンジを含む。ヒトIgG1のEU付番では、CH2−CH3ドメインはアミノ酸231〜447を含み、ヒンジは216〜230である。したがって、「Fcドメイン」の定義には、アミノ酸231〜447(CH2−CH3)または216〜447(ヒンジ−CH2−CH3)の両方、またはそのフラグメントが含まれる。このような関係では「Fcフラグメント」は、N末端およびC末端のいずれかまたは両方のより少ないアミノ酸を含有してもよいが、一般的にサイズに基づく標準的な方法(例えば、非変性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなど)を使用して検出できるように、別のFcドメインまたはFcフラグメントと二量体を形成する能力を依然として保持する。ヒトIgG Fcドメインは、本発明において、特に有用なものであり、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG4由来のFcドメインであってよい。
【0057】
「バリアントFc領域」は、親のFcドメインと比較したアミノ酸修飾を含む。したがって、「バリアントヒトIgG1Fcドメイン」は、ヒトIgG1Fcドメインと比較して、アミノ酸修飾(切除バリアントの場合はアミノ酸欠失が含まれるが、一般的にアミノ酸置換)を含むものである。一般に、バリアントFcドメインは、対応する親ヒトIgGFcドメインに対して少なくとも約80、85、90、95、97、98または99パーセントの同一性を有する(以下に考察する同一性アルゴリズム(一実施形態では当技術分野で既知のBLASTアルゴリズム)をデフォルトパラメータを用いて使用する)。代替的に、バリアントFcドメインは、親Fcドメインと比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸修飾を有し得る。さらに、本明細書で考察されるように、本明細書のバリアントFcドメインは、非変性ゲル電気泳動などの本明細書に記載の既知の技術を使用して測定される別のFcドメインとともに二量体を形成する能力を依然として保持する。
【0058】
本明細書における「重鎖定常領域」とは、可変重鎖ドメインを除く、抗体(またはそのフラグメント)のCH1−ヒンジ−CH2−CH3部分を意味し、ヒトIgG1のEU付番では、これはアミノ酸118〜447である。本明細書における「重鎖定常領域フラグメント」とは、N末端およびC末端のいずれかまたは両方からのアミノ酸がより少ない重鎖定常領域を意味するが、別の重鎖定常領域と二量体を形成する能力を依然として保持する重鎖定常領域を意味する。
【0059】
本明細書で使用される「位置」は、タンパク質の配列中の場所を意味する。位置は、順番に付番されるか、または確立されたフォーマット、例えば、抗体付番のためのEUインデックスによって付番されてもよい。
【0060】
「標的抗原」は、本明細書で使用されるとき、所与の抗体の可変領域を含む抗体結合ドメインによって特異的に結合される分子を意味する。以下で論じるように、本事例の場合、標的抗原はチェックポイントタンパク質である。
【0061】
本明細書中の本発明のヘテロ二量体抗体の単量体に牽連して「撚り度(strandedness)」は、「マッチ」する2本鎖DNAと同様に、「マッチ」してヘテロ二量体を形成する能力を保持するようにヘテロ二量体化バリアントを各単量体に組み込むことを意味する。例えば、いくつかのpIバリアントが単量体Aへと操作される(例えば、pIをより高くする)場合、同様に利用され得る「電荷対」である立体変異はpIバリアントを妨害せず、例えば、pIを高くした電荷変異が同一の「鎖」または「単量体」に置かれ、両方の機能を保持する。同様に、以下により詳細に概説されるように、対のセットになる「スキュー(skew)」バリアントついて、当業者は、対の1つのセットが、どちらの鎖または単量体に入るかを決定する際に、pIを考慮し、そのため、pI分離もまた、スキューのpIを使用して最大化される。
【0062】
「標的細胞」は、本明細書で使用されるとき、標的抗原を発現する細胞を意味する。
【0063】
本明細書の本発明による二重特異性抗体を製造する文脈における「宿主細胞」とは、二重特異性抗体の構成要素をコードする外因性核酸を含み、好適な条件下で二重特異性抗体を発現できる細胞を意味する。好適な宿主細胞について以下で説明する。
【0064】
本明細書で使用される「可変領域」または「可変ドメイン」とは、カッパ、ラムダ、および重鎖免疫グロブリン遺伝子座をそれぞれ構成するVκ、Vλ、および/またはVH遺伝子のいずれかによって実質的にコードされる1つ以上のIgドメインを含み、抗原特異性を付与するCDRを含有する、免疫グロブリンの領域を意味する。したがって、「可変重鎖ドメイン」は「可変軽鎖ドメイン」と対になって抗原結合ドメイン(「ABD」)を形成する。さらに、各可変ドメインは、3つの超可変領域(「相補性決定領域」、「CDR」)(可変重鎖ドメインではvhCDR1、vhCDR2およびvhCDR3、可変軽鎖ドメインではvlCDR1、vlCDR2およびvlCDR3)と4つのフレームワーク(FR)領域とを含み、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、次の順序で配置される:FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4。
【0065】
本明細書における「野生型またはWT」とは、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
【0066】
本発明は、ヒト抗体ドメインと配列同一性を有するいくつかの抗原結合ドメインを提供する。2つの類似する配列(抗体可変ドメインなど)間の配列同一性は、Smith,T.F.&Waterman,M.S.(1981)“Comparison Of Biosequences,”Adv.Appl.Math.2:482[局所的相同性アルゴリズム]、Needleman,S.B.& Wunsch,CD.(1970)“A General Method Applicable To The Search For Similarities In The Amino Acid Sequence Of Two Proteins,”J.Mol.Biol.48:443[相同性アライメントアルゴリズム]、Pearson,W.R.& Lipman,D.J.(1988)“Improved Tools For Biological Sequence Comparison,”Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:2444[類似性検索法]、またはAltschul,S.F.et al,(1990)”Basic Local Alignment Search Tool,“J.Mol.Biol.215:403−10,「BLAST」アルゴリズム(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiを参照されたい)などのアルゴリズムによって測定できる。前述のアルゴリズムのいずれかを使用する場合、デフォルトパラメータ(ウィンドウの長さ、ギャップペナルティなど)が使用される。一実施形態では、配列同一性は、デフォルトパラメータを使用して、BLASTアルゴリズムを使用して測定される。
【0067】
本発明の抗体は一般に、単離されるか、または組換えである。本明細書に開示される様々なポリペプチドを説明するために使用される「単離された」とは、それが発現された細胞または細胞培養物から特定および分離および/または回収されたポリペプチドを意味する。通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップによって調製されるであろう。「単離された抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。「組み換え体」は、外来性宿主細胞において組み換え核酸技術を用いて抗体が生成されることを意味し、それらも単離され得る。
【0068】
特定の抗原またはエピトープとの「特異的結合」もしくは「〜に特異的に結合する」または特定の抗原またはエピトープ「〜に対して特異的である」とは、非特異的相互作用とは測定可能な程度に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、一般に結合活性を有さない同様の構造の分子である対照分子の結合と比較した分子の結合を決定することによって、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的と同様である対照分子との競合によって決定することができる。
【0069】
特定の抗原またはエピトープに対する特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対して少なくとも約10−4M、少なくとも約10−5M、少なくとも約10−6M、少なくとも約10−7M、少なくとも約10−8M、少なくとも約10−9M、代替的に少なくとも約10−10M、少なくとも約10−11M、少なくとも約10−12M、またはそれ以上のKDを有する抗体によって示され得、KDとは特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を指す。典型的には、抗原に特異的に結合する抗体は、抗原またはエピトープと比べて、対照分子に対して20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きいKDを有することになる。
【0070】
また、特定の抗原またはエピトープへの特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対するKAまたはKaが、対照と比べて、そのエピトープに対して少なくとも20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きい抗体によって示され得、KAまたはKaは、特定の抗体−抗原相互作用の会合速度を指す。結合親和性は一般的に、Biacore、SPRまたはBLIアッセイを用いて測定される。
【0071】
D.抗体
本発明は、本明細書で論じられるような2つの異なるチェックポイント抗原に結合する二重特異性チェックポイント抗体の生成に関する。以下で考察するように、「抗体」という用語は全般的に使用される。本発明で使用される抗体は、本明細書に記載されているようにいくつかのフォーマットをとることができ、本明細書に記載され図に示される従来の抗体、および抗体誘導体、断片および模倣物を含む。
【0072】
従来の抗体構造単位は、典型的には四量体を含む。各四量体は、典型的には、2本の同一のポリペプチド鎖対からなり、各対は、1本の「軽」鎖(典型的には、約25kDaの分子量)と、1本の「重」鎖(典型的には、約50〜70kDaの分子量)とを有する。ヒト軽鎖は、κ軽鎖およびλ軽鎖として分類される。本発明は、一般にIgGクラスに基づく二重特異性抗体を対象とし、これは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むがこれらに限定されない、いくつかのサブクラスを有する。一般に、IgG1、IgG2、およびIgG4が、IgG3よりも頻繁に使用される。IgG1は、356(DまたはE)および358(LまたはM)で多型を有する異なるアロタイプを有することに留意すべきである。本明細書に示される配列は356E/358Mアロタイプを使用するが、他のアロタイプも本明細書に含まれる。すなわち、本明細書に含まれるIgG1 Fcドメインを含む任意の配列は、356E/358Mアロタイプの代わりに356D/358Lを有することができる。
【0073】
さらに、本明細書中の配列の多くは、位置220の少なくとも1つのシステインをセリンで置換したものであり、これは一般に、本明細書に記載の配列の大部分について「scFv単量体」側にあるが、ジスルフィド形成を減少させるために「Fab単量体」側、またはその両方にすることもできる。本明細書中の配列内に具体的に含まれるのは、これらのシステインの一方または両方が置換されたもの(C220S)である。
【0074】
したがって、本明細書で使用されるとき、「アイソタイプ」は、それらの定常領域の化学的および抗原的特徴によって定義される免疫グロブリンの任意のサブクラスを意味する。治療用抗体は、アイソタイプおよび/またはサブクラスのハイブリッドも含み得ることを理解されたい。例えば、参照により組み込まれる米国公開第2009/0163699号に示されるように、本発明は、ヒトIgG1/G2ハイブリッドの使用である。
【0075】
超可変領域は、一般に、軽鎖可変領域においておよそ、アミノ酸残基24〜34(LCDR1、「L」は軽鎖を表す)、50〜56(LCDR2)、および89〜97(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域においてはおよそ約31〜35B(HCDR1、「H」は重鎖を表す)、50〜65(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)からのアミノ酸残基(Kabat et al.,SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))ならびに/または超可変ループを形成する残基(例えば、軽鎖可変領域における残基26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)、および91〜96(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域における26〜32(HCDR1)、53〜55(HCDR2)、および96−101(HCDR3)を包含する(Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917)。本発明の特定のCDRを以下に記載する。
【0076】
当業者には理解されるように、CDRの正確な付番および配置は、異なる付番システムで異なり得る。しかしながら、可変重鎖および/または可変軽鎖配列の開示は、関連する(固有の)CDRの開示を含むことが理解されるべきである。したがって、各可変重領域の開示は、vhCDR(例えば、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3)の開示であり、各可変軽領域の開示は、vlCDR(例えば、vlCDR1、vlCDR2、およびvlCDR3)の開示である。CDR付番の有用な比較は以下のとおりであり、Lafranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27(1):55−77(2003)を参照されたい。
【表1】
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【0077】
本明細書全体を通して、Kabat付番系は一般に、可変ドメイン内の残基(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107および重鎖可変領域の残基1〜113)を参照するときに使用され、EU付番系は、Fc領域に対するものである(例えば、Kabat et al.、上述(1991))。
【0078】
重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本明細書において「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「ヒンジドメイン」とは、抗体の第1のおよび第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造的に、IgG CH1ドメインはEU位置215で終わり、IgG CH2ドメインは残基EU位置231で始まる。したがって、IgGについては、抗体ヒンジは、本明細書では、位置216(IgG1中のE216)〜230(IgG1中のP230)を含むように定義され、付番はKabatにあるようなEUインデックスによる。場合によっては、「ヒンジフラグメント」が使われ、それは、ヒンジドメインのN末端またはC末端のいずれかまたは両方でより少ないアミノ酸を含有する。本明細書に記載のとおり、pIバリアントはヒンジ領域にも同様に作製することができる。
【0079】
軽鎖は、一般に、可変軽鎖ドメイン(軽鎖CDRを含み、可変重鎖ドメインとともにFv領域を形成する)、および定常軽領域(しばしばCLまたはCκと称される)の2つのドメインを含む。
【0080】
以下に概説される追加の置換のための別の目的とする領域は、Fc領域である。
【0081】
本発明は、多数の異なるCDRセットを提供する。この場合において、「完全CDRセット」は、3つの可変軽鎖および3つの可変重鎖CDR、例えばvlCDR1、vlCDR2、vlCDR3、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3を含む。これらは、それぞれより大きな可変軽または可変重鎖ドメインの一部であり得る。さらに、本明細書により完全に概説されているように、可変重および可変軽鎖ドメインは、重鎖および軽鎖が使用されるとき(例えば、Fabが使用されるとき)には別個のポリペプチド鎖上に、またはscFv配列の場合には単一ポリペプチド鎖上にあり得る。
【0082】
CDRは、抗原結合の形成、またはより具体的には、抗体のエピトープ結合部位の形成に寄与する。「エピトープ」とは、パラトープとして知られている抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する決定基を指す。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖などの分子の群分けであり、通常、特異的構造特性、ならびに特異的電荷特性を有する。単一抗原が、2つ以上のエピトープを有してもよい。
【0083】
エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成要素とも称される)および結合に直接関与しない他のアミノ酸残基、例えば、特異的抗原結合ペプチドによって効果的に遮断されるアミノ酸残基、換言すると、特異的抗原結合ペプチドのフットプリント内にあるアミノ酸残基を含み得る。
【0084】
エピトープは、立体配座または直線状のいずれかであってもよい。立体配座エピトープは、直線状のポリペプチド鎖の異なるセグメントからのアミノ酸の空間的な並置によって作り出される。直線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接アミノ酸残基によって作り出されるものである。立体配座エピトープおよび非立体配座エピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが、後者への結合は失われないという点で区別され得る。
【0085】
エピトープは、典型的には、固有の空間立体構造内に、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、または8〜10個のアミノ酸を含む。同一のエピトープを認識する抗体は、ある抗体の別の抗体の標的抗原への結合を遮断する能力、例えば、「ビニング」を示す単純な免疫アッセイにおいて検証され得る。以下に概説するように、本発明は、列挙された抗原結合ドメインおよび本明細書の抗体を含むだけでなく、列挙された抗原結合ドメインによって結合されるエピトープとの結合について競合するものも含む。
【0086】
したがって、本発明は異なる抗体ドメインを提供する。本明細書中に記載され、当技術分野において既知のとおり、本発明のヘテロ二量体抗体は、重鎖および軽鎖内に異なるドメインを含み、これもまた重複し得る。これらのドメインは、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重鎖定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)、可変重鎖ドメイン、可変軽鎖ドメイン、軽鎖定常ドメイン、Fabドメイン、およびscFvドメインを含むが、これらに限定されない。
【0087】
したがって、「Fcドメイン」は、−CH2−CH3ドメイン、任意選択的にヒンジドメイン(−H−CH2−CH3)を含む。IgGの場合、Fcドメインは免疫グロブリンドメインCH2およびCH3(Cγ2およびCγ3)と、CH1(Cγ1)とCH2(Cγ2)の間の下部ヒンジ領域を含む。Fc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、カルボキシル末端に残基C226またはP230を含むように定義され、付番は、KabatにあるようなEUインデックスに従っている。したがって、IgGに関連して「CH」ドメインは次のとおりである:「CH1」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って位置118〜215を指す。「ヒンジ」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って位置216〜230を指す。「CH2」はKabatにあるようなEUインデックスに従って位置231−340に、「CH3」はKabatにあるようなEUインデックスに従って位置341−447を指す。したがって、「Fcドメイン」には−CH2−CH3ドメインおよび、任意選択的にヒンジドメイン(ヒンジ−CH2−CH3)が含まれる。本明細書の実施形態では、scFvがFcドメインに結合しているとき、Fcドメインのヒンジの全部または一部に結合しているのはscFv構築物のC末端であり、例えば、それは一般にヒンジの始まりである配列EPKSに結合している。いくつかの実施形態では、以下により詳細に記載されるように、例えば本明細書に概説されるように、1つ以上のFcγR受容体またはFcRn受容体への結合を変化させるために、およびヘテロ二量体の形成および精製を可能にするために、Fc領域に対してアミノ酸修飾が行われる。
【0088】
重鎖は、可変重鎖ドメインおよび定常ドメインを含み、これは、CH1−任意選択的なCH2−CH3を含むヒンジ−Fcドメインを含む。軽鎖は、可変軽鎖および軽鎖定常ドメインを含む。scFvは、可変重鎖、scFvリンカー、および可変軽鎖ドメインを含む。本明細書に概説した構築物および配列のほとんどにおいて、可変重鎖のC末端はscFvリンカーのN末端に結合し、そのC末端は可変軽鎖のN末端に結合している(N−vh−リンカー−vl−C)が、これはスイッチすることができる(N−vl−リンカー−vh−C)。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのscFvドメインを含み、それは天然に生じないが、scFvリンカーによってともに連結した可変重鎖ドメインと可変軽鎖ドメインとを一般に含む。本明細書に概説するように、scFvドメインは、一般に、N末端からC末端方向にvh−scFvリンカー−vlであるが、これは、scFvドメイン(または、Fab由来のvhおよびvl配列を使用して構築されたドメイン)のいずれに関しても、形式に応じて片端または両端の任意のリンカーを用いて、vl−scFvリンカー−vhへと逆転させることができる(一般的に図1を参照されたい。)。
【0090】
本明細書に示されるように、好適なリンカー(ドメインリンカーまたはscFvリンカーのいずれかとして使用)にはいくつかあり、列挙されたドメインに共有結合(組み換え技術により生成される従来型ペプチド結合を含む)するために使用することができる。いくつかの実施形態では、リンカーペプチドは、主に、以下のアミノ酸残基Gly、Ser、Ala、またはThrを含み得る。リンカーペプチドは、それらが所望の活性を保持するように互いに対して正しい立体配座をとるような方法で2つの分子を結合させるのに十分な長さを有するべきである。一実施形態では、リンカーは、約1〜50アミノ酸長、好ましくは約1〜30アミノ酸長である。一実施形態では、1〜20アミノ酸長のリンカーが使用されてもよく、いくつかの実施形態では、約5〜約10アミノ酸が使用されている。有用なリンカーには、例えば、(GS)n、(GSGGS)n(配列番号37756)、(GGGGS)n(配列番号37757)、および(GGGS)n(配列番号37758)、(nは少なくとも1(および一般に3〜4)の整数である)を含むグリシン−セリンポリマー、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、ならびに他の可動性リンカーが含まれる。代替的に、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマーを含むがこれらに限定されない様々な非タンパク質性ポリマーが、リンカーとして有用であり得る。
【0091】
他のリンカー配列は、任意の長さのCL/CH1ドメインの任意の配列を含むが、CL/CH1ドメインの全ての残基を含まない場合があり、例えば、CL/CH1ドメインの最初の5〜12アミノ酸残基である。リンカーは、免疫グロブリン軽鎖、例えば、CκまたはCλに由来し得る。リンカーは、例えば、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、Cε、およびCμを含む任意のアイソタイプの免疫グロブリン重鎖に由来し得る。リンカー配列はまた、Ig様タンパク質(例えば、TCR、FcR、KIR)、ヒンジ領域由来配列、および他のタンパク質由来の他の天然配列などの他のタンパク質に由来してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインをともに連結するために使用される「ドメインリンカー」である。例えば、図1Fにおいて、FabのCH1ドメインのC末端をscFvのN末端に結合するドメインリンカーがあってよく、別の任意のドメインリンカーはscFvのC末端をCH2ドメインに結合している(ただし、多くの実施形態では、このドメインリンカーとしてヒンジが使用される)。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、(GS)n、(GSGGS)n(配列番号37756)、(GGGGS)n(配列番号37757)、および(GGGS)n(配列番号37758)(nは、少なくとも1(一般に3〜4〜5)の整数である)、を含むドメインリンカーとしてグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組み換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。場合によっては、以下に概説する「鎖性(strandedness)」に注意を払って、scFvリンカーのいくつかの実施形態において使用されるように、荷電ドメインリンカーを使用することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書で考察されるvhおよびvlドメインを共有結合するために使用されるscFvリンカーである。多くの場合では、scFvリンカーは、荷電scFvリンカーであり、そのいくつかは図7に示されている。したがって、本発明はさらに、第1の単量体と第2の単量体との間のpIの分離を促進するための荷電scFvリンカーを提供する。すなわち、正または負のいずれかの荷電scFvリンカー(または異なる単量体に対してscFvを使用する足場の場合は両方)を組み込むことによって、Fcドメインをさらに変化させずに、荷電リンカーを含む単量体はpIを変えることを可能にする。これらの荷電リンカーは、標準的なリンカーを含む任意のscFv中に置換することができる。また、当業者には理解されるように、pIの所望の変化に従って、荷電scFvリンカーが正しい「鎖」または単量体上に使用される。例えば、本明細書で論じられるように、トリプルFフォーマットヘテロ二量体抗体を作製するために、所望の抗原結合ドメインのそれぞれについてのFv領域の元のpIが計算され、そしてscFvを作製するために1つが選択され、pIに応じて、正または負のリンカーのいずれかが選択される。
【0094】
荷電ドメインリンカーも同様に、本発明の単量体のpI分離を増加させるために使用することができ、したがって、
【0095】
図7に含まれるものは、リンカーが利用される本明細書の任意の実施形態で使用することができる。
【0096】
具体的には、図1に示す形式は、「ヘテロ二量体抗体」と称される抗体であり、タンパク質が、ヘテロ二量体Fcドメインに自己組織化した少なくとも2つの関連Fc配列、およびFabとしてまたはscFvとしてであれ少なくとも2つのFv領域を有することを意味する。
【0097】
E.キメラ抗体およびヒト化抗体
特定の実施形態では、本発明の抗体は、特定の生殖細胞系列重鎖免疫グロブリン遺伝子由来の重鎖可変領域および/または特定の生殖細胞系列軽鎖免疫グロブリン遺伝子由来の軽鎖可変領域を含む。例えば、そのような抗体は、特定の生殖細胞系列配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」重鎖または軽鎖可変領域を含むヒト抗体を含み得るかまたはそれからなり得る。ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖細胞系列免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することと、ヒト抗体の配列に最も近い配列である(即ち、最も高い同一性%)ヒト生殖細胞系列免疫グロブリンを選択することとによって(本明細書に概説される方法を使用する)、そのようなものとして同定され得る。特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、例えば、天然に生じる体細胞突然変異または部位特異的突然変異の意図的導入に起因して、生殖細胞系列配列と比較してアミノ酸の相違を含み得る。しかしながら、ヒト化抗体は、典型的には、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも90%同一であり、他の種の生殖細胞系列免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、マウス生殖細胞系列配列)と比較したときに、抗体をヒト配列に由来するものとして特定するアミノ酸残基を含む。ある特定の場合には、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列において少なくとも95、96、97、98もしくは99%、または少なくとも96%、97%、98%、または99%までも同一であり得る。典型的には、特定のヒト生殖細胞系配列に由来するヒト化抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10〜20個以下のアミノ酸差しか示さない(本明細書中の任意のスキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。ある特定の場合には、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とは5個以下、またはさらには4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸差しか示さない場合がある(同様に、本明細書における任意のスキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。
【0098】
一実施形態では、親抗体は、当技術分野で既知のとおり、親和性成熟されたものである。構造に基づく方法が、例えば、USSN11/004,590に記載されているように、ヒト化および親和性成熟のために用いられ得る。Wu et al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162;Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684;Rosok et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618;Rader et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8910−8915;Krauss et al.,2003,Protein Engineering 16(10):753−759に記載される方法を含むがこれらに限定されない選択に基づく方法が抗体可変領域のヒト化および/または親和性成熟のために使用でき、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。他のヒト化方法は、CDRの一部のみを移植することを含んでもよく、これには、これらに限定されないが、USSN09/810,510、Tan et al.,2002,J.Immunol. 169:1119−1125、De Pascalis et al.,2002,J.Immunol. 169:3076−3084に記載される方法が含まれ、これらは参照によりすべての内容が組み込まれる。
【0099】
VII.ヘテロ二量体抗体
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、自己組織化してヘテロ二量体Fcドメインおよびヘテロ二量体抗体を形成する、2つの異なる重鎖バリアントFc配列の使用に依存するヘテロ二量体チェックポイント抗体を提供する。
【0100】
本発明は、例えば二重特異性結合を可能にするために、2つ以上のチェックポイント抗原またはリガンドへの結合を可能にするヘテロ二量体抗体を提供するための新規構築物に関する。ヘテロ二量体抗体構築物は、抗体の重鎖の2つのFcドメイン、例えば、集合して「二量体」を構築する2つの「単量体」の自己組織化の性質に基づく。ヘテロ二量体抗体は、以下でさらに詳しく説明するとおり、各単量体のアミノ酸配列を変えることによって作製される。したがって、本発明は概して、ヘテロ二量体チェックポイント抗体の生成に関し、それはヘテロ二量体形成を促進するために、かつ/またはホモ二量体よりもヘテロ二量体の精製を容易にするために、各鎖で異なる定常領域中のアミノ酸バリアントに応じて、抗原をいくつかの方法で共結合することができるものである。
【0101】
したがって、本発明は二重特異性抗体を提供する。抗体技術における継続的な問題は、2つの異なる抗原に同時に結合する「二重特異性」抗体であって、一般に、異なる抗原を近接させ、新しい機能と新しい治療法をもたらすことができる、「二重特異性」抗体に対する要望である。一般に、これらの抗体は、各重鎖および軽鎖の遺伝子を宿主細胞に含めることによって作成される。これにより、一般に、2つのホモ二量体(A−AおよびB−B(軽鎖ヘテロ二量体の問題は含まない))だけでなく、所望のヘテロ二量体(A−B)が形成される。しかしながら、二重特異性抗体形成における主な障壁は、ホモ二量体抗体から離してヘテロ二量体抗体を精製すること、および/またはホモ二量体形成を上回るようにヘテロ二量体形成に偏らせることが困難であるということである。
【0102】
本発明のヘテロ二量体を生成するために使用することができるいくつかのメカニズムが存在する。さらに、当業者には理解されるように、これらのメカニズムを組み合わせて高いヘテロ二量体化を確実にすることができる。したがって、ヘテロ二量体の産生をもたらすアミノ酸バリアントは、「ヘテロ二量体化バリアント」と称される。後述するように、ヘテロ二量体化バリアントは、ヘテロ二量体からのホモ二量体の精製を可能にする立体バリアント(例えば、後述の「ノブアンドホール」または「スキュー」バリアントおよび「電荷対」変異)ならびに「pIバリアント」を含み得る。一般にWO2014/145806に記載されように、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、具体的には以下で「ヘテロ二量体化バリアント」の考察について本明細書に援用されるように、ヘテロ二量体化の有用な機構には「ノブアンドホール」(「KIH」、本明細書において時折「スキュー」バリアントとして(WO2014/145806中の考察を参照)、「WO2014/145806に記載されているような「静電ステアリング」または「電荷対」、WO2014/145806に記載されるようなpI変異、およびWO2014/145806および以下に概説されているような一般的なさらなるFcバリアントが含まれる。
【0103】
本発明において、ヘテロ二量体抗体の精製を容易にすることができるいくつかの基本的な機構が存在し、その1つは、各単量体が異なるpIを有することによって、A−A、A−BおよびB−B二量体タンパク質の等電点精製が可能になるpIバリアントの使用に依存する。代替的に、「トリプルF」フォーマットなどの一部の足場フォーマットでは、サイズに基づいて分離することもできる。以下にさらに概説するように、ホモ二量体よりもヘテロ二量体の形成を「スキューさせる」ことも可能である。したがって、立体的ヘテロ二量体化バリアントおよびpIバリアントまたは電荷対バリアントの組み合わせは、本発明において特に使用される。
【0104】
一般に、本発明において特に使用される実施形態は、スキューバリアントを含むバリアントのセットに依存し、これは、2つの単量体間でpI差異を増加させるpIバリアントと組み合わせて、ホモ二量体化形成より優先してヘテロ二量体化形成を促し、ホモ二量体を除去してヘテロ二量体の精製を容易にする。
【0105】
さらに、以下により詳細に概説されるように、ヘテロ二量体抗体の形式に応じて、pIバリアントは単量体の定常ドメインおよび/またはFcドメイン内に含まれるか、またはドメインリンカーまたはscFvリンカーのいずれかである荷電リンカーを使用され得る。すなわち、トリプルF形式などのscFv(複数可)を利用する足場には、精製目的でさらにpIを高めることができる、荷電scFvリンカー(正または負のいずれか)を含めることができる。当業者によって理解されるように、いくつかのトリプルF形式では、帯電scFvリンカーのみで、追加のpI調整なしで有用であるが、本発明は、単量体の一方または両方にあるpIバリアント、および/または荷電ドメインリンカーも提供する。さらに、代替の機能性のためのさらなるアミノ酸操作もまた、Fc、FcRn、およびKOバリアントなどのpI変化を付与し得る。
【0106】
ヘテロ二量体タンパク質の精製を可能にするための分離機構としてpIを利用する本発明においては、アミノ酸変異を一方または両方の単量体のポリペプチドに導入することができ、すなわち、単量体の一方(本明細書では簡単のために「単量体A」と呼ぶ)のpIを単量体Bと異なるように操作でき、または、単量体AとBの両方の変化を、単量体AのpIを増加させ、単量体BのpIを減少させるように改変できる。論じられるように、いずれかまたは両方の単量体のpI変化は、荷電残基を除去または付加することによって(例えば中性アミノ酸を正または負に荷電したアミノ酸残基で置換する、例えばグリシンからグルタミン酸)、荷電残基を正または負から反対の電荷への変更することによって(例えばアスパラギン酸からリジンへ)、または荷電残基を中性残基への変更することよって(例えば電荷の消失、リジンからセリン)、実施することができる。いくつかのこれらのバリアントを図に示す。
【0107】
したがって、本発明のこの実施形態は、ヘテロ二量体をホモ二量体から分離することができるように、少なくとも1つの単量体に十分なpIの変化を生じさせることを提供する。当業者には理解されるように、そして以下にさらに論じるように、これは、「野生型」重鎖定常領域およびそのpI(wtA−+BまたはwtA−−B)を増加または減少させるように操作された変異領域を使用することによって、または一方の領域を増加して他方の領域を減少させることによって(A+−B−またはA−B+)、実施できる。
【0108】
したがって、一般に、本発明のいくつかの実施形態の構成要素は、二量体タンパク質の単量体の両方ではないにしても少なくとも一方の等電点(pI)を、アミノ酸置換(「pIバリアント」または「pI置換」)を単量体の一方または両方に組み込むことによって、変化させて「pI抗体」を形成することを目的とする、抗体の定常領域におけるアミノ酸バリアントである。本明細書中に示されるように、2つのホモ二量体からのヘテロ二量体の分離は、2つの単量体のpIが0.1pH単位とわずかに異なる場合に達成でき、0.2、0.3、0.4、および0.5以上異なるものがすべて本発明において使用される。
【0109】
当業者には理解されるように、良好な分離を得るために各単量体または両単量体(複数可)に含まれるべきpIバリアントの数は、構成要素の出発pI、例えばトリプルF形式における目的のscFvおよびFabの出発pIに部分的に依存するであろう。すなわち、どの単量体を操作するか、またはどの「方向」か(例えば、より正またはより負)を決定するために、2つの標的抗原のFv配列を計算し、そこから決定される。当技術分野において既知のように、異なるFvは、本発明において利用される異なる出発pIを有するであろう。概して、本明細書に概説されるように、pIは、少なくとも約0.1logの各単量体の総pI差をもたらすように操作され、本明細書に概説されるように0.2〜0.5が好ましい。
【0110】
さらに、当業者には理解され、本明細書に概説されるように、いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体はサイズに基づいてホモ二量体から分離することができる。図1に示すように、例えば、形式のいくつかは、サイズに基づいてヘテロ二量体およびホモ二量体の分離を可能にする。
【0111】
A.ヘテロ二量体化バリアント
本発明は、ヘテロ二量体形成および/またはホモ二量体からの精製を可能にするためにヘテロ二量体化バリアントを利用する、様々な形式のヘテロ二量体抗体を含む、ヘテロ二量体タンパク質を提供する。
【0112】
ヘテロ二量体化スキューバリアントのセットのいくつかの好適な対がある。これらのバリアントは、「セット」の「対」になる。すなわち、一方のセットの対が第1の単量体に組み込まれ、他のセットの対が第2の単量体に組み込まれる。注目すべきは、これらのセットは、一方の単量体上の残基と他方の単量体上の残基との間で一対一の対応関係を有する「ノブインホール」バリアントとして必ずしも振舞わないことであり、すなわち、これらのセットの対は、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げる2つの単量体間の境界面を形成し、生物学的条件下で自発的に形成するヘテロ二量体の割合を予想の50%(25%ホモ二量体A/A:50%ヘテロ二量体A/B:25%ホモ二量体B/B)ではなく90%以上にする。
【0113】
B.立体バリアント
いくつかの実施形態において、ヘテロ二量体の形成は、立体バリアントの付加によって促進され得る。すなわち、各重鎖中のアミノ酸を変えることによって、異なる重鎖が会合して同一のFcアミノ酸配列を有するホモ二量体を形成するよりもヘテロ二量体構造を形成する可能性が高い。図には、好適な立体バリアントが含まれる。
【0114】
1つの機構は、当該技術分野において一般的に「ノブアンドホール」と称され、ヘテロ二量体形成を有利にし、ホモ二量体形成を不利にする立体効果をもたらすアミノ酸操作を指し、任意選択的に使用することもできる;これは時折、「ノブアンドホール」と称され、USSN 61/596,846、Ridgway et al.,Protein Engineering 9(7):617(1996)、Atwell et al.,J.Mol.Biol.1997270:26、米国特許第8,216,805号に記載されるようなものであり、それらの全ては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。これらの図は、「ノブアンドホール」に依存するいくつかの「単量体A−単量体B」対を特定する。さらに、Merchant et al.,Nature Biotech.16:677(1998)に記載されているように、これらの「ノブアンドホール(knobs and hole)」変異は、ヘテロ二量体化に対するスキュー形成へのジスルフィド結合と組み合わせることができる。
【0115】
ヘテロ二量体の生成に使用される追加のメカニズムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるGunasekaran et al.,J.Biol.Chem.285(25):19637(2010)に記載されているように、時折「静電ステアリング」と称される。これは、本明細書において、時折「電荷対」と称される。この実施形態では、静電学を使用して、ヘテロ二量体化に向けて形成をスキューさせる。当業者には理解されるように、これらは、pI、すなわち精製にも影響を及ぼす可能性があり、したがって場合によってはpIバリアントと見なすこともできる。しかしながら、これらはヘテロ二量体化を強制するために生成され、精製手段として使用されなかったので、それらは「立体バリアント」として分類される。これらには、D221R/P228R/K409Rと対になったD221E/P228E/L368E(例えば、これらは「単量体の対応セットである)、およびC220R/E224R/P228R/K409Rと対になったC220E/P228E/368Eが含まれるがこれらに限定されない。
【0116】
さらなる単量体Aおよび単量体Bのバリアントは、本明細書に概説されるpIバリアントまたは参照によりその図、説明文および配列番号それらの全てが本明細書に明示的に組み込まれるUS2012/0149876の図37に示される他の立体バリアントなどの他のバリアントと、任意の量で任意選択的にかつ独立して組み合わせることができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書に概説される立体バリアントは、任意のpIバリアント(またはFcバリアント、FcRnバリアント等の他のバリアント)を一方または両方の単量体に任意選択的にかつ独立して組み込むことができ、本発明のタンパク質に独立してかつ任意選択的に含むかまたは除外することができる。
【0118】
好適なスキューバリアントのリストが図3に見られおよび図8は多くの実施形態における特に有用性のいくつかの対を示す。多くの実施形態において特に有用であるのは、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、およびT366S/L368A/Y407V:T366W(任意選択的に架橋ジスルフィドT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)を含むがこれらに限定されないセットの対である。命名法に関して、対「S364K/E357Q:L368D/K370S」は、一方の単量体が二重バリアントセットS364K/E357Qを有し、他方が二重バリアントセットL368D/K370Sを有することを意味し、上述のように、これらの対の「鎖性(strandedness)」は出発pIに依存する。
【0119】
C.ヘテロ二量体のpI(等電点)バリアント
一般に、当業者には理解されるように、pI変異には2つの一般的なカテゴリーがある:タンパク質のpIを増加させるもの(塩基性変化)とタンパク質のpIを減少させるもの(酸性変化)。本明細書中に記載されるように、これらの変異の全ての組み合わせがなされ得る:一方の単量体は野生型、または野生型と顕著に異なるpIを示さない変異であり得、他方がより塩基性またはより酸性のいずれかであり得る。代替的に、各単量体は、1つがより塩基性に、1つがより酸性へと変化する。
【0120】
pIバリアントの好ましい組み合わせを図4に示す。本明細書に概説し、図に示すように、これらの変化はIgG1と比較して示されているが、すべてのアイソタイプをこのように変更することができ、アイソタイプハイブリッドも同様である。重鎖定常ドメインがIgG2〜4に由来する場合、R133EおよびR133Qもまた使用され得る。
【0121】
一実施形態において、例えば図1A、E、F、G、HおよびI形式において、pIバリアントの好ましい組み合わせは、208D/295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1に対しての場合、N208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D)を含む1つの単量体(負のFab側)と、(GKPGS)(配列番号37755)を含む正に荷電したscFvリンカーを含む第2の単量体(正のscFv側)とを有する。しかしながら、当業者によって理解されるように、第1の単量体は、位置208を含むCH1ドメインを含む。したがって、CH1ドメインを含まない構築物(例えば、ドメインの1つにCH1ドメインを利用しないヘテロ二量体抗体の場合、たとえば、図1B、C、またはDに示されているようなデュアルscFv形式または「ワンアーム」形式の場合)において、好ましい負のpIバリアントFcセットは、295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1に対しての場合、Q295E/N384D/Q418E/N421D)を含む。
【0122】
したがって、いくつかの実施形態では、一方の単量体は図4からの置換のセットを有し、他方の単量体は荷電リンカー(形式に示されるように、その単量体がscFvまたは荷電ドメインリンカーを含むため荷電scFvリンカーの形式のいずれかで、図7に示されているものから選択できる)を有する。
【0123】
1.同型変異体
さらに、本発明の多くの実施形態は、あるIgGアイソタイプから別のIgGアイソタイプへの特定の位置でのpIアミノ酸の「移入」に依存し、したがって、バリアントに望ましくない免疫原性が導入される可能性を低減または排除する。これらのいくつかは、米国公開第2014/0370013号の図21に示され、参照により本明細書に組み込まれる。すなわち、IgG1は、高いエフェクター機能を含む様々な理由から治療用抗体の一般的なアイソタイプである。しかしながら、IgG1の重定常領域は、IgG2のそれよりも高いpIを有する(8.10対7.31)。特定の位置でIgG2残基をIgG1骨格に導入することによって、得られる単量体のpIは低下(または上昇)し、さらにより長い血清半減期を示す。例えば、IgG1は137位にグリシン(pI5.97)を有し、IgG2はグルタミン酸(pI3.22)を有し、グルタミン酸を移入すると、得られるタンパク質のpIに影響を与える。以下に記載されるように、いくつかのアミノ酸置換は一般に、バリアント抗体のpIに顕著な影響を与えるために必要とされる。しかしながら、IgG2分子中の変化でさえも血清半減期の増加を可能にすることが以下に論じられるように留意されるべきである。
【0124】
他の実施形態では、非アイソタイプのアミノ酸変化を行って、(例えば、高pIのアミノ酸から低pIのアミノ酸へと変化させることによって)得られるタンパク質の全体的な荷電状態を低下させるか、または以下でさらに詳細に説明する安定性等のための構造の調整を可能にする。
【0125】
さらに、重定常ドメインと軽定常ドメインの両方をpI操作することによって、ヘテロ二量体の各単量体における顕著な変化を見ることができる。本明細書で考察されるように、2つの単量体のpIが少なくとも0.5だけ異なることが、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に高感度な他の方法による分離を可能する。
【0126】
D.pIの計算
各単量体のpIは、バリアント重鎖定常ドメインのpIおよび全単量体のpIに依存し、バリアント重鎖定常ドメインおよび融合パートナーを含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、pIの変化は、米国特許出願公開第2014/0370013号の図19のチャートを用いて、バリアント重鎖定常ドメインに基づいて計算される。本明細書で論じるように、どの単量体を操作するかは概して、Fvおよび足場の固有のpIによって決定される。代替的に、各単量体のpIを比較することができる。
【0127】
E.より良好なインビボ結合のFcRnも付与するpIバリアント
pIバリアントが単量体のpIを減少させる場合、それらはインビボでの血清保持を改善するというさらなる利点を有することができる。
【0128】
まだ検討中ではあるが、エンドソームにおいてpH6でFcRnに結合するとFcが捕捉されるため、Fc領域はインビボでより長い半減期を有すると考えられている(Ghetie and Ward,1997 Immunol Today.18(12):592−598、参照によりその全体が組み込まれる)。次いでエンドソーム区画はFcを細胞表面にリサイクルする。区画が細胞外空間に開くと、約7.4のより高いpHが、血中へのFcの放出を誘導する。マウスにおいて、Dall’Acquaらは、pH6およびpH7.4でのFcRn結合が増加したFc変異は、実際に血清濃度を低下させおよび野生型Fcと同一の半減期を有することを示した(Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180、参照によりその全体が組み込まれる)。pH7.4でのFcRnに対するFcの親和性の増加は、血中へのFcの放出を妨げると考えられる。したがって、インビボでのFcの半減期を増加させるFc変異は、理想的には、より高いpHでのFcの放出をなお可能にしながら、より低いpHでのFcRn結合を増加させる。アミノ酸ヒスチジンは、6.0〜7.4のpH範囲でその荷電状態を変化させる。それ故、Fc/FcRn複合体中の重要な位置にHis残基を見出すことは驚くべきことではない。
【0129】
最近、より低い等電点を有する可変領域を有する抗体は、より長い血清半減期も有する可能性があることが示唆されている(Igawa et al.,2010 PEDS.23(5):385−392、参照によりその全体が組み込まれる)。しかし、このメカニズムはまだよくわかっていない。さらに、可変領域は抗体ごとに異なる。本明細書に記載されるように、pIが低下し半減期が延長された定常領域バリアントは、抗体の薬物動態特性を改善するためのよりモジュール化されたアプローチを提供するであろう。
【0130】
F.追加の機能性のための追加のFcバリアント
pIアミノ酸変異に加えて、1つ以上のFcγR受容体への結合の改変、FcRn受容体への結合の改変等を含むがこれらに限定されない、様々な理由で実施することができるいくつかの有用なFcアミノ酸修飾が存在する。
【0131】
したがって、本発明のタンパク質は、pIバリアントおよび立体バリアントを含む、本明細書に概説したヘテロ二量体化バリアントを含むアミノ酸修飾を含むことができる。バリアントの各セットは独立して任意選択的に特定のヘテロ二量体タンパク質に含み得るかまたはそれから除外し得る。
【0132】
G.FcγRバリアント
FcγR受容体のうちの1つ以上への結合を改変するために実施され得るいくつかの有用なFc置換が存在する。結合の増加ならびに結合の減少をもたらす置換が有用であり得る。例えば、FcγRIIIaへの結合の増加は、一般に、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性、すなわち、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応)の増加をもたらすことが知られている。同様に、いくつかの状況下では、FcγRIIb(抑制性受容体)への結合の減少も有益であり得る。本発明で使用されるアミノ酸置換には、USSN11/124,620(特に図41)、USSN11/174,287、USSN11/396,495、USSN11/538,406に列挙されるものが含まれ、それらのすべてはその全体が、具体的にはそこで開示されるバリアントが参照により、明示的に本明細書に組み込まれる。使用される特定のバリアントには、236A、239D、239E、332E、332D、239D/332E、267D、267E、328F、267E/328F、236A/332E、239D/332E/330Y、239D、332E/330L、243A、243L、264A、264V、および299Tが含まれるがこれらに限定されない。
【0133】
さらに、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUSSN12/341,769に具体的に開示されているように、434S、434A、428L、308F、259I、428L/434S、259I/308F、436I/428L、436IまたはV/434S、436V/428L、および259I/308F/428Lを含むがこれらに限定されない、FcRn受容体への結合の増加および血清半減期の増加に利用される追加のFc置換が存在する。
【0134】
H.切除バリアント
同様に、機能性バリアントの別のカテゴリーは「FcγR切除バリアント」または「Fcノックアウト(FcKOまたはKO)」バリアントである。これらの実施形態では、いくつかの治療用途のために、1つ以上またはすべてのFcγ受容体(例えば、FcγR1、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIaなど)へのFcドメインの正常な結合を低減または除去して、追加の作用機序を回避することが望ましい。これは、例えば、多くの実施形態において、特に、Fcドメインのうちの1つが1つ以上のFcγ受容体切除バリアントを含むように、FCγRIIIa結合を切除してADCC活性を排除または顕著に減少させることが望ましい二重特異性免疫調節抗体の使用においてである。これらの切除バリアントは、図5に示され、それぞれは、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択される切除バリアントを用いる好ましい態様で、独立して任意選択的に含まれるか除外することができる。本明細書で言及される切除バリアントは、FcγR結合を切除するが、FcRn結合を切除しないことに留意されたい。
【0135】
当技術分野で知られているように、ヒトIgG1のFcドメインはFcγ受容体への結合が最も高く、したがってヘテロ二量体抗体の骨格の定常ドメイン(またはFcドメイン)がIgG1である場合、切除バリアントを使用できる。代替的に、またはIgG1バックグラウンドの切除バリアントに加えて、グリコシル化位置297(一般にAまたはSへの)での変異は、例えば、FcγRIIIaへの結合を有意に切除することができる。ヒトIgG2およびIgG4は、Fcγ受容体への結合が自然に低下しているため、これらの骨格は、切除バリアントの有無にかかわらず使用できる。
【0136】
I.ヘテロ二量体とFcバリアントの組み合わせ
当業者には理解されるように、列挙されたヘテロ二量体化バリアント(スキューバリアントおよび/またはpIバリアントを含む)はすべて、それらの「鎖性(strandedness)」または「単量体分割」を保持する限り、任意の方法で任意選択的にかつ独立して組み合わせることができる。さらに、これらのバリアントはすべて、ヘテロ二量体化フォーマットのいずれにも組み合わせることができる。
【0137】
pIバリアントの場合、特に使用される実施形態が図面に示されているが、精製を促進するために2つの単量体間のpIの差異を変えるという基本的な規則に従って、他の組み合わせを生成できる。
【0138】
さらに、ヘテロ二量体化変異、スキュー、およびpIのいずれも、本明細書で一般的に概説されるように、Fc除去変異、Fc変異、FcRn変異と独立して任意選択的に組み合わせることができる。図6に、好ましい組み合わせを示す。
【0139】
標的抗原への抗原結合ドメイン
本発明の二重特異性抗体は、図1に一般的に示されるように、二価、二重特異性形式または三価、二重特異性形式のいずれかで、2つの異なる標的抗原(「標的対」)に結合する2つの異なる抗原結合ドメイン(ABD)を有する。本発明において、二重特異性ヘテロ二量体抗体は、一方の側でヒトPD−1を標的とし、もう一方の側で、それらの配列を図2に示す、CTLA−4、TIM−3、LAG−3、TIGIT、ICOSおよびBTLAから選択される第2の抗原を標的とする。したがって、好適な二重特異性抗体は、PD−1およびCTLA−4、PD−1およびTIM−3、PD−1およびLAG−3、PD−1およびTIGIT、PD−1およびBTLAならびにPD−1およびICOSに結合する。一般に、これらの二重特異性抗体は「抗PD−1 X 抗CTLA−4」と呼ばれるか、一般に単純化されて、または簡単に(したがって交換可能に)各ペアの「PD−1 X CTLA−4」などと呼ばれることに注意されたい。ここで指示されていない限り、名前の抗原リストの順序は構造を与えないことに注意されたく、すなわち、PD−1 X CTLA−4ボトルオープナー抗体はscFvをPD−1またはCTLA−4に結合させることができるが、場合によっては、指示されているとおりの順序で構造が特定される。
【0140】
本明細書でより詳細に概説されるように、ABDのこれらの組み合わせは、以下に概説されるように、一般に一方のABDがFab形式であり、他方がscFv形式である組み合わせで、様々な形式であり得る。ここで説明し、図1に示すように、一部の形式は単一のFabと単一のscFvを使用し(図1A、CおよびD)、一部の形式は2つのFabと単一のscFvを使用する(図1E、F、G、HおよびI)。
【0141】
VIII.抗原結合ドメイン
本明細書で論じられるように、本発明の二重特異性ヘテロ二量体抗体は、それぞれが異なる標的タンパク質に結合する2つの抗原結合ドメイン(ABD)を含む。本明細書で概説するように、これらのヘテロ二量体抗体は、二重特異性および二価(各抗原は、例えば、図1Aに示される形式で単一のABDによって結合される)、または二重特異性および三価(例えば、図1Fに示すように、1つの抗原は単一のABDによって結合され、他は2つのABDによって結合される)であり得る。
【0142】
さらに、一般に、ABDのうちの1つは、vh−scFvリンカー−vlまたはvl−scFvリンカー−vhのN末端からC末端への方向で、本明細書に概説されるようなscFvを含む。方式に応じて、他のABDのうちの1つまたは両方は一般にFabであり、1つのタンパク質鎖にvhドメイン(一般的に重鎖の構成要素として)と別のタンパク質鎖にvlドメイン(一般的に軽鎖の構成要素として)を含む。
【0143】
本発明は、以下に概説するように、いくつかの異なる標的タンパク質に結合するいくつかのABDを提供する。当業者によって理解されるように、6つのCDRまたはvhおよびvlドメインの任意のセットは、scFv形式またはFab形式であり得、それは次に、重定常ドメインがバリアントを含む(CH1ドメインとFcドメイン内を含む)、重および軽定常ドメインに追加される。配列リストに含まれるscFv配列は特定の荷電リンカーを利用するが、ここで概説するように、図7に示されるものを含めて、非荷電または他の荷電リンカーを使用できる。
【0144】
さらに、上記で考察されるように、CDRの識別のために配列リストで使用される付番はKabatであるが、表1に示すように、CDRのアミノ酸配列を変更する別の付番を使用できる。
【0145】
本明細書に記載されているすべての可変重鎖および軽鎖ドメインについて、さらなるバリアントを作製することができる。本明細書で概説されるように、いくつかの実施形態では、6つのCDRのセットは、0、1、2、3、4または5のアミノ酸修飾(特に使用されるアミノ酸置換による)を有し、ならびに、可変重鎖および軽鎖ドメインのフレームワーク領域であって、このフレームワーク(CDRを除く)が、図と説明文が組み込まれている米国特許第7,657,380号の図1に列挙されているもの(その図および説明文は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)から選択されたヒト生殖系列配列と少なくとも約80、85、または90%の同一性を保持している限りにおいてそのフレームワーク領域の変化を、有することができる。したがって、例えば、フレームワーク領域が米国特許第7,657,380号の図1に列挙されたものから選択されたヒト生殖系列配列と少なくとも80、85または90%の同一性を保持している限り、本明細書に記載の同一のCDRをヒト生殖系列配列由来の異なるフレームワーク配列と組み合わせることができる。代替的に、CDRはアミノ酸修飾(たとえば、CDRのセット内の1、2、3、4、または5アミノ酸修飾(すなわち、CDRは、6つのCDRのセット内の変更の総数が6アミノ酸未満の修飾である限り、修飾でき、CDRの任意の組み合わせが変更され、例えば、vlCDR1で1つの変更、vhCDR2で2つ、vhCDR3で何も変更されないなど))を有することができ、およびフレームワーク領域が、米国特許第7,657,380号の図1に列挙されたものから選択されたヒト生殖系列配列と少なくとも80、85または90%の同一性を保持している限り、フレームワーク領域の変更を有する。
【0146】
A.PD−1抗原結合ドメイン
本発明の実施形態では、ABDのうちの1つはヒトPD−1に結合する。参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれる国際公開第2017/218707号、具体的には、抗PD−1配列を示す図、説明文および配列識別子は、他のチェックポイント阻害剤に対するABDと組み合わせて使用できる多数の抗PD−1 ABDの概要を説明する。しかしながら、本開示は、図13、15、16、18、20、21、24、33および40に示される、1C11クローンに基づく追加の抗PD−1 ABDを対象とする。
【0147】
当技術分野で知られているように、可変ドメインの安定性は、形式に基づいて変化する可能性がある。つまり、Fab形式で識別しおよび/または有用なVHドメインとVLドメインは、scFv形式では安定性が低く、このため安定性を高めるためにときには追加の操作が行われる(例えば、Tm)。
【0148】
有用な実施形態では、本発明は、アミノ酸配列HYG(M/I)Nを含むVHCDR1、アミノ酸配列WINT(Y/H)TGEP(T/Y)YA(D/P)GF(T/Q)(G/E)を含むVHCDR2、アミノ酸配列DY(F/Y)GSSPYを含むVHCDR3、アミノ酸配列VLCDR1 R(S/A)SQSIV(F/H)SNGNTYLEを含むVLCDR1、アミノ酸配列KVSNRF(S/T)を含むVLCDR2、およびアミノ酸配列FQGSHVPNを含むVHCDR3、を含む抗PD−1 ABDを提供する。知られているように、「(S/T)」と表示されているアミノ酸は、どちらかのアミノ酸がこの位置にある可能性があることを意味する。さらに、**GGを含む
【0149】
有用な実施形態では、本発明の二重特異性抗体は、ヒトPD−1に対するABDを含む。これらの実施形態では、PD−1への結合を与える6つのCDRは、図13、15、16、18、20、21、24、33および40のいずれかに示されるものから選択される。代替的に、これらの実施形態では、PD−1への結合を与えるVHおよびVLドメインは、図13、15、16、18、20、21、24、33および40のいずれかに示されるものから選択される。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性抗体は、Fab形式のPD−1に対するABDを含む。いくつかの実施形態では、PD−1に対するABDは、図13、16、18、20、21、24、33および40の任意のABDの6つのCDR、または図13、16、18、20、21、24、33および40の任意のABDからのVHおよびVLドメインを含む。
【0151】
PD−1に対するFab ABDを有する多くの実施形態において特に有用なものは、図24のXENP26940 1C11[PD−1]_H3.303_L3.152のABDである。したがって、XENP026940からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0152】
PD−1に対するFab ABDを有する多くの実施形態で特に有用なものは、図40のXENP28652 1C11[PD−1]_H3.328_L3.153のABDである。したがって、XENP28652からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性抗体は、scFv形式のPD−1に対するABDを含む。いくつかの実施形態では、PD−1に対するABDは、図15の任意のABDの6つのCDR、または図15の任意のABDからのVHおよびVLドメインを含む。
【0154】
図15に示すように、PD−1に対するscFv ABDを有する多くの実施形態で特に有用なものは、XENP025806 1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDである。したがって、XENP025806からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0155】
図15に示すように、PD−1に対するscFv ABDを有する多くの実施形態で特に有用なものは、XENP025812 1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDである。したがって、XENP025812からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0156】
図15に示すように、PD−1に対するscFv ABDを有する多くの実施形態で特に有用なものは、XENP025813 1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDである。したがって、XENP025813からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0157】
図15に示すように、PD−1に対するscFv ABDを有する多くの実施形態で特に有用なものは、XENP025819 1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDである。したがって、XENP025819からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、本発明の構築物において使用され得る。
【0158】
B.CTLA−4抗原結合ドメイン
当業者に理解されるように、二重特異性抗体の作製において、任意の数の抗CTLA−4 ABD配列を本発明のscFv抗PD−1配列と組み合わせて使用することができる。ABDとしての使用に好適な抗CTLA−4配列には、配列番号21〜2918(CTLA−4 scFv配列であるが、それらの中のFv配列はFabとしての形式をとることができる)、配列番号2919〜6208(CTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号36739〜36818(追加のCTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号35395〜35416(CTLA−4のワンアーム構築物で、FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができる)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0159】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。
【0160】
本発明において特に興味深いのは、VH(配列番号38134、VHCDR(配列番号38135、38136および38137を含む)およびVL(配列番号38138、VLCDR(配列番号38139、38140および38141を含む)を含む、CTLA−4 H3_L0.22のFab CTLA−4 ABDの配列である。
【0161】
C.LAG−3抗原結合ドメイン
当業者に理解されるように、二重特異性抗体の作製において、任意の数の抗LAG−3 ABD配列を本発明のscFv抗PD−1配列と組み合わせて使用することができる。ABDとしての使用に好適な抗LAG−3配列には、配列番号17135〜20764(LAG−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号36819〜36962(追加のLAG−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号35417〜35606(追加のLAG−3 Fabsであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号25194〜32793(追加のLAG−3 Fabsであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号32794〜33002(FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができるワンアームLAG−3構築物)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0162】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955と36959の対から選択される。
【0163】
本発明において特に興味深いのは、VH(配列番号32755、VHCDR(配列番号32756、32757および32758を含む)およびVL(配列番号32760、VLCDR(配列番号32761、32762および32763を含む)を含む、XENP22594のLAG−3 Fab ABDの配列である。
【0164】
本発明において特に興味深いのは、VH(配列番号28815、VHCDR(配列番号28816、28817、および28118を含む)およびVL(配列番号28820、VLCDR(配列番号28821、28822および28823を含む)を含む、XENP22656のLAG−3 Fab ABDの配列である。
【0165】
D.TIM−3抗原結合ドメイン
当業者に理解されるように、二重特異性抗体の作製において、任意の数の抗TIM−3 ABD配列を本発明のscFv抗PD−1配列と組み合わせて使用することができる。ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884(TIM−3 Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号37587〜37698(追加のTIM−3 Fabであるが、それらの中のFv配列は、scFvとしての形式をとることができる)および配列番号36347〜36706(FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができる二価のTIM−3構築物)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗TIM−3 ABDは、配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される。
【0167】
本発明において特に興味深いのは、VH(配列番号36508、VHCDR(配列番号36509、36510、および36511を含む)およびVL(配列番号36513、VLCDR(配列番号36514、36515および36516を含む)を含む、XENP21189の抗TIM−3 ABDのFab配列である。
【0168】
E.BTLA抗原結合ドメイン
当業者に理解されるように、二重特異性抗体の作製において、任意の数の抗BTLA ABD配列を本発明のscFv抗PD−1配列と組み合わせて使用することができる。ABDとしての使用に好適な抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503(BTLA Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号36707〜36738(追加のBTLA Fabであるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0169】
いくつかの実施形態では、本発明で使用される抗BTLA ABDは、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727ならびに36761および36735の対から選択される。
【0170】
本発明において特に興味深いのは、VH(配列番号20936、VHCDR(配列番号20937、20938、および20939を含む)およびVL(配列番号20941、VLCDR(配列番号20942、20943および20944を含む)を含む、XENP20269の抗BTLA ABDのFab配列である。
【0171】
F.ICOS抗原結合ドメイン
当業者に理解されるように、二重特異性抗体の作製において、任意の数の抗ICOS ABD配列を本発明のscFv抗PD−1配列と組み合わせて使用することができる。ABDとしての使用に適した抗ICOS配列には、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれ、具体的には説明文および図19、20および24、その中に示される配列にあるUS2018/0127501に開示されている多くのもの、ならびに命名法で示されているいくつかのICOS Fab配列(重鎖VH1−CH1および軽鎖VL1−CL)を含有するUS2018/0127501からの配列番号27869〜28086が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0172】
いくつかの実施形態では、本発明で使用される抗ICOS ABDは、US2018/0127501からの配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452および26353および26358の対から選択される。
【0173】
本発明において特に興味深いのは、VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0を含む、図49のXENCS500からの抗ICOS ABDのFab配列である。
【0174】
本発明において特に興味深いのは、VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0を含む、図49のXENCS501からの抗ICOS ABDのFab配列である。
【0175】
G.TIGIT抗原結合ドメイン
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。
【0176】
IX.一価抗PD−1抗体
さらに、当業者によって理解されるように、本明細書に概説される新規のFv配列はまた、単一特異性抗体(例えば、「従来のモノクローナル抗体」)または非ヘテロ二量体二重特異性形式の両方で使用され得る。
【0177】
したがって、本発明は、図からの6つのCDRおよび/またはvhおよびvl配列を含み、一般にIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常領域を有する、モノクローナル(単一特異性)抗体を提供し、IgG1、IgG2およびIgG4(S228Pアミノ酸置換を含むIgG4定常領域を含む)を有する場合、いくつかの実施形態において特に使用される。すなわち、本明細書で「H_L」の名称を有する任意の配列は、ヒトIgG1抗体の定常領域に連結することができる。
【0178】
A.抗PD−1モノクローナル抗体
当業者によって理解されるように、本明細書に概説される新規のFv配列はまた、単一特異性抗体(例えば、「従来のモノクローナル抗体」)または非ヘテロ二量体二重特異性形式の両方で使用され得る。したがって、本発明は、図からの6つのCDRおよび/またはvhおよびvl配列を含み、一般にIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常領域を有する、モノクローナル(単一特異性)抗体を提供し、IgG1、IgG2およびIgG4(S228Pアミノ酸置換を含むIgG4定常領域を含む)を有する場合、いくつかの実施形態において特に使用される。すなわち、本明細書で「H_L」の名称を有する任意の配列は、ヒトIgG1抗体の定常領域に連結することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、図13、16、18、20、21、24、33および40に示されるものから選択される。
【0180】
いくつかの実施形態では、抗体は図24のXENP26940 1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのVHおよびVLドメインを含む。したがって、XENP026940からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、モノクローナル抗体の作製に使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP026940からのVHおよびVLは、IgG1定常ドメインとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP026940からのVHおよびVLは、追加のFcバリアント、特に428L/434S FcRnバリアントを含み得るIgG1定常ドメインと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP026940からのVHおよびVLは、IgG4定常ドメイン、特にS228Pアミノ酸置換と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、抗体はXENP026940である。
【0181】
いくつかの実施形態では、抗体は、図40のXENP28652 1C11[PD−1]_H3.328_L3.153からのVHおよびVLドメインを含む。したがって、XENP28652からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、モノクローナル抗体の作製に使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP28652からのVHおよびVLは、IgG1定常ドメインとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP28652からのVHおよびVLは、追加のFcバリアント、特に428L/434S FcRnバリアントを含み得るIgG1定常ドメインと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、XENP28652からのVHおよびVLは、IgG4定常ドメイン、特にS228Pアミノ酸置換と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、抗体はXENP28652である。
【0182】
X.本発明の有用な形式
当業者には理解され、以下でより詳細に説明するように、概して図1に示すように、本発明の二重特異性ヘテロ二量体抗体は、多種多様な立体配置をとることができる。いくつかの図は、「シングルエンド型」立体配置を示し、分子の一方の「アーム」には1つのタイプの特異性があり、他方の「アーム」には異なる特異性がある。他の図は、「デュアルエンド型」立体配置を示し、分子の「上部」に少なくとも1つのタイプの特異性があり、分子の「底部」に1つ以上の異なる特異性がある。したがって、本発明は、異なる第1および第2の抗原を共結合させる新規な免疫グロブリン組成物に関する。
【0183】
当業者には理解されるように、本発明のヘテロ二量体形式は、異なる価数を有し得るとともに、二重特異性であり得る。すなわち、本発明のヘテロ二量体抗体は、二価かつ二重特異性であり得、ここで、一方のチェックポイント標的は、一方のABDによって結合され、他方のチェックポイント標的は、第2のABDによって結合される。ヘテロ二量体抗体はまた、三価および二重特異性であり得、第1の抗原は2つの結合ドメインによって結合され、第2の抗原は第2の結合ドメインによって結合される。
【0184】
A.ボトルオープナー形式
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1に示されるような「トリプルF」または「ボトルオープナー」足場形式である。この実施形態では、抗体の一方の重鎖は一本鎖Fv(本明細書で定義される「scFv」)を含み、他方の重鎖は、可変重鎖および軽鎖を含む「通常の」Fab形式である。この構造は、ボトルオープナーと視覚的に大まかに似ているため、ここでは「トリプルF」形式(scFv−Fab−Fc)または「ボトルオープナー」(BO)形式と称されることがある(図1Aを参照)。2つの鎖は、以下により詳細に記載されるように、ヘテロ二量体抗体の形成を促進する定常領域(例えば、Fcドメイン、CH1ドメインおよび/またはヒンジ領域)におけるアミノ酸バリアントの使用により一緒にされる。
【0185】
本発明の「トリプルF」形式には、いくつかの明確な利点がある。当技術分野で知られているように、2つのscFv構築物に依存する抗体類似体は、安定性および凝集の問題を有することが多く、本発明では、「通常の」重鎖および軽鎖の対合を加えることによって軽減できる。さらに、2つの重鎖と2つの軽鎖に依存する形式とは対照的に、重鎖と軽鎖の誤った対合(たとえば、重鎖1と軽鎖2の対合など)の問題はない。
【0186】
本明細書で概説される実施形態の多くは、一般に、scFvを含む第1の単量体を含むボトルオープナー形式に依存し(本明細書では、BO形式の「scFv単量体」または「scFv鎖」と称されることもある)、このscFvは、scFvリンカー(全ての場合ではないが、多くの場合は荷電されている)を使用して共有結合された可変重鎖および可変軽鎖ドメインを含み、scFvは通常ドメインリンカー(本明細書で概説されるように、非荷電または荷電されているを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合され、外因性または内在性であり得る(例えば、全部または一部が天然ヒンジドメイン)。したがって、scFv単量体は、N末端からC末端に向かって、VH1−scFvリンカー−VL1−オプションのリンカー−CH2−CH3、VL1−scFvリンカー−VH1−任意選択的なリンカー−CH2−CH3、VH1−scFvリンカー−VL1−ヒンジ−CH2−CH3およびVL1−scFvリンカー−VH1−ヒンジ−CH2−CH3、から選択される構造を有することができる。ボトルオープナー形式の第2の単量体は重鎖(VH2−CH1−ヒンジ−CH2−CH3)であり、組成物はさらに軽鎖(VL2−CL)を含む。
【0187】
さらに、ボトルオープナー形式のFcドメインは、一般にスキューバリアント(例えば、図3および図8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)を含み、および重鎖はpIバリアントを含む(図4に示すものを含む)。
【0188】
いくつかの実施形態では、ボトルオープナー形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、ボトルオープナー形式であって、a)荷電scFvリンカー(いくつかの実施形態では図7の+H配列が好ましい)、スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および本明細書で概説するPD−1に結合するFvを含む第1の単量体(「scFv単量体」)と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説する第2の抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む第2の単量体(「Fab単量体」)と、c)軽鎖と、を含む、ボトルオープナー形式、を含む。
【0189】
この形式について、いくつかの好適な組み合わせがWO2017/218707に概説されている。一般に、本発明は、新しく同定されたクローン1C11に基づく新しい抗PD−1 ABDの使用を対象とする。この場合、ヘテロ二量体抗体はPD−1およびCTLA−4、LAG−3、TIM−3、BTLA、TIGIT(すべてチェックポイント受容体として分類される)およびICOS(これは活性化体である)からなる群から選択された第2の標的抗原に結合する。
【0190】
一部の実施形態では、抗PD−1 ABDは、ボトルオープナー形式のscFv側である。したがって、好適なABD対には、(第1がscFv、第2がFab)、PD−1 X CTLA−4、PD−1 X LAG−3、PD−1 X TIM−3、PD−1 X BTLA、PD−1 X TIGITおよびPD−1 X ICOSが挙げられる。好適なCDRセットならびにABDが以下に記載され、特に有用な組み合わせが同様に以下に記載される。
【0191】
いくつかの実施形態では、ボトルオープナー形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、ボトルオープナー形式であって、a)荷電scFvリンカー(いくつかの実施形態では図7の+ H配列が好ましい)、スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434Sおよび本明細書で概説するPD−1に結合するFvを含む第1の単量体(「scFv単量体」)と、 b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434Sおよび可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説する第2の抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む第2の単量体(「Fab単量体」)と、c)軽鎖と、を含む、ボトルオープナー形式、を含む。
【0192】
具体的には、図50は、PD−1 scFv単量体を有するが反対側で使用できるFab配列が欠落しているいくつかのボトルオープナー「骨格」配列を示している。すなわち、本明細書で論じられるようなCTLA−4、TIM−3、LAG−3、BTLA−、TIGITおよびICOSに対する任意のABDのFab部分に対するFv配列である。
【0193】
特定のボトルオープナー実施形態を以下に概説する。
【0194】
B.mAb−Fv
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1に示されるmAb−Fv形式である。この実施形態では、形式は、「余分な」可変重鎖ドメインの1つの単量体へのC末端結合と、「余分な」可変軽鎖ドメインのもう一方の単量体へのC末端結合の使用に依存し、これにより第3の抗原結合ドメインを形成し、2つの単量体のFab部分は、本明細書で概説されるように標的抗原に結合し、「余分な」scFvドメインはPD−1に結合する。
【0195】
この実施形態では、第1の単量体は、第1の可変重鎖ドメインおよび第1のFcドメインを含む第1の定常重鎖ドメインを含む第1の重鎖を含み、ドメインリンカーを使用して第1のFcドメインのC末端に共有結合されている第1の可変軽鎖ドメインを有する(vh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意選択的なリンカー]−vl2)。第2の単量体は、第2のFcドメインを含む第2の定常重鎖ドメインの第2の可変重鎖ドメインと、ドメインリンカーを使用して第2のFcドメインのC末端に共有結合されている第3の可変重鎖ドメインを含む(vj1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意選択的なリンカー]−vh2。2つのC末端に結合した可変ドメインは、PD−1に結合するFvを構成する。この実施形態はさらに、重鎖と会合して標的抗原に結合する2つの同一のFabを形成する可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0196】
さらに、mAb−Fv形式のFcドメインは、スキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)を含み、および重鎖はpIバリアントを含む(図4に示すものを含む)。
【0197】
一部の実施形態では、mAb−Fv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、mAb−Fv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の第1の可変軽鎖ドメインと一緒にFvを構成する第1の可変重鎖ドメインおよび第2の可変重鎖ドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに第1の可変軽鎖ドメインと一緒にFvを構成する第1の可変重鎖ドメインおよび、第2の可変重鎖ドメインと一緒になってPD−1に結合するFv(ABD)を形成する第2の可変軽鎖を含む、第2の単量体と、c)第1の可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む、mAb−Fv形式、を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、mAb−Fv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、mAb−Fv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに軽鎖の第1の可変軽鎖ドメインと一緒に抗原に結合するFvを構成する第1の可変重鎖ドメイン、および第2の可変重鎖ドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに第1の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説する抗原に結合するFvを構成する第1の可変重鎖ドメインおよび、第1の単量体の第2の可変重鎖ドメインと一緒になってPD−1に結合するFv(ABD)を形成する第2の可変軽鎖を含む、第2の単量体と、c)第1の可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む、mAb−Fv形式を含む。
【0199】
C.mAb−scFv
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1に示されるmAb−scFv形式である。この実施形態では、形式は、単量体うちの1つへのscFvのC末端結合の使用に依存し、これにより第3の抗原結合ドメインを形成し、2つの単量体のFab部分は、本明細書に概説される抗原の1つに結合し、「余分な」scFvドメインはPD−1に結合する。したがって、第1の単量体は、第1の重鎖(可変重鎖ドメインと定常ドメインを含む)を含み、いずれかの向きでscFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカー、およびscFv可変重鎖ドメインを含む、C末端で共有結合されたscFvを有する(vh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意選択的なリンカー]−vh2−scFvリンカー−vl2またはvh1−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−[任意選択的なリンカー]−vl2−scFvリンカー−vh2)。この実施形態は、重鎖と会合して抗原に結合する2つの同一のFabを形成する、可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖をさらに利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0200】
さらに、mAb−scFv形式のFcドメインは、スキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)を含み、および重鎖はpIバリアントを含む(図4に示すものを含む)。
【0201】
一部の実施形態では、mAb−scFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、mAb−scFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖と、を含む、mAb−scFv形式、を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、mAb−scFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、mAb−scFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、 b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖と、を含む、mAb−scFv形式、を含む。
【0203】
D.セントラルscFv
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1に示されるセントラルscFv形式(「2+1」形式とも称されることもある)である。この実施形態では、形式は、挿入されたscFvドメインの使用に依存し、これにより第3の抗原結合ドメインを形成し、2つの単量体のFab部分は標的抗原に結合し、「余分な」scFvドメインはPD−1に結合する。scFvドメインは、単量体のうちの1つのFcドメインとCH1−Fv領域の間に挿入され、これにより第3の抗原結合ドメインを提供する。これは実際にはボトルオープナー形式への追加と考えることができ、共通の軽鎖を利用するscFvのN末端に追加のVH−CH1ドメインが追加される。
【0204】
この実施形態では、1つの単量体は、第1の可変重鎖ドメイン、CH1ドメイン(および任意選択的なヒンジ)およびFcドメインを含む第1重鎖を含み、scFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカーおよびscFv可変重鎖ドメインを含むscFvを有する。scFvは、任意選択的なドメインリンカーを使用して、重鎖定常ドメインのCH1ドメインのC末端と第1のFcドメインのN末端の間に共有結合される。(vh1−CH1−[任意選択的なリンカー]−vh2−scFvリンカー−vl2−[ヒンジを含む任意選択的なリンカー]−CH2−CH3、またはscFvに対して反対方向の、vh1−CH1−[任意選択的なリンカー]−vl2−scFvリンカー−vh2−[ヒンジを含む任意選択的なリンカー]−CH2−CH3)。もう1つの単量体は、標準のFab側である。この実施形態は、重鎖と会合して標的抗原に結合する2つの同一のFabを形成する、可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖をさらに利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0205】
さらに、セントラルscFv形式のFcドメインは、スキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)を含み、および重鎖はpIバリアントを含む(図4に示すものを含む)。
【0206】
一部の実施形態では、セントラルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、セントラルscFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む、セントラルscFv形式、を含む。
【0207】
一部の実施形態では、セントラルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、およびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、セントラルscFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/ E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、 b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるようにSSTR2に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む、セントラルscFv形式、を含む。
【0208】
E.セントラルFv
本発明で特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1Gに示されるセントラルFv形式である。この実施形態では、形式は、挿入されたFvドメイン(すなわち、セントラルFvドメイン)の使用に依存し、これにより第3の抗原結合ドメインを形成し、2つの単量体のFab部分は標的抗原に結合し、「セントラルFv」はPD−1に結合する。scFvドメインはFcドメインと単量体のCH1−Fv領域の間に挿入され、第3の抗原結合ドメインを提供し、各単量体はscFvの構成要素を含む(例えば、1つの単量体は可変重鎖ドメインを含み、もう1つは可変軽鎖ドメインを含む)。
【0209】
この実施形態では、1つの単量体は、第1の可変重鎖ドメイン、CH1ドメイン、およびFcドメインを含む第1の重鎖ならびに追加の可変軽鎖ドメインを含む。軽鎖ドメインは、ドメインリンカーを使用して、重鎖定常ドメインのCH1ドメインのC末端と第1のFcドメインのN末端の間に共有結合される(vh1−CH1−[任意選択的なリンカー]−vl2−ヒンジ−CH2−CH3)。もう1つの単量体は、第1の可変重鎖ドメイン、CH1ドメインおよびFcドメインを含む第1の重鎖ならびに追加の可変重鎖ドメインを含む(vh1−CH1−[任意選択的なリンカー]−vh2−ヒンジ−CH2−CH3)。軽鎖ドメインは、ドメインリンカーを使用して、重鎖定常ドメインのCH1ドメインのC末端と第1のFcドメインのN末端の間に共有結合される。
【0210】
この実施形態は、重鎖と会合して標的抗原に結合する2つの同一のFabを形成する、可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖をさらに利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0211】
F.ワンアームセントラルscFv
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場の1つは、図1に示されるワンアームセントラルscFv形式である。この実施形態では、一方の単量体はFcドメインのみを含み、他方の単量体は挿入されたscFvドメインを使用し、したがって第2の抗原結合ドメインを形成する。この形式では、Fab部分が標的抗原に結合し、scFvがPD−1に結合するか、またはその逆である。scFvドメインは、単量体のうちの1つのFcドメインとCH1−Fv領域の間に挿入される。
【0212】
この実施形態では、1つの単量体は、第1の可変重鎖ドメイン、CH1ドメインおよびFcドメインを含む第1の重鎖を含み、scFvは、scFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカーおよびscFv可変重鎖ドメインを含む。scFvは、ドメインリンカーを使用して、重鎖定常ドメインのCH1ドメインのC末端と第1のFcドメインのN末端の間に共有結合される。第二の単量体はFcドメインを含む。この実施形態はさらに、重鎖と会合してFabを形成する可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0213】
さらに、ワンアームセントラルscFv形式のFcドメインには、一般にスキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、 T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)が含まれ、および重鎖はpIバリアント(図4に示すものを含む)を含む。
【0214】
一部の実施形態では、ワンアームセントラルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、ワンアームセントラルscFv形式のいくつかの実施形態は、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、ワンアームセントラルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、ワンアームセントラルscFv形式のいくつかの実施形態は、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRnバリアントM428L/N434Sを有する、Fcドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む。
【0216】
G. ワンアームscFv−mAb
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場の1つは、図1に示されるワンアームscFv−mAb形式である。この実施形態では、一方の単量体はFcドメインのみを含み、他方の単量体は、一般にリンカーの使用を通じて、重鎖のN末端に結合したscFvドメインを使用する。vh−scFvリンカー−vl−[オプションのドメインリンカー]−CH1−ヒンジ−CH2−CH3または(反対方向)vl−scFvリンカー−vh−[オプションのドメインリンカー]−CH1−ヒンジ−CH2−CH3。この形式では、Fab部分はそれぞれターゲット抗原に結合し、scFvはPD−1に結合する。この実施形態はさらに、重鎖と会合してFabを形成する可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0217】
さらに、ワンアームscFv−mAb形式のFcドメインには、一般にスキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)が含まれ、および重鎖はpIバリアント(図4に示すものを含む)を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、ワンアームscFv−mAb形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、ワンアームscFv−mAb形式のいくつかの実施形態は、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを有する、Fcドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、ワンアームscFv−mAb形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態のワンアームscFv−mAb形式は、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書に概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267KおよびFcRnバリアントM428L/N434Sを有する、Fcドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む軽鎖と、を含む。
【0220】
H. scFv−mAb
本発明において特に使用されるヘテロ二量体足場は、図1Eに示されるmAb−scFv形式である。この実施形態では、形式は、単量体のうちの1つへのscFvのN末端結合の使用に依存し、これにより第3の抗原結合ドメインを形成し、2つの単量体のFab部分は標的抗原に結合しおよび「余分」のscFvドメインはPD−1に結合する。
【0221】
この実施形態では、第1の単量体は、第1の重鎖(可変重鎖ドメインおよび定常ドメインを含む)を含み、N末端に共有結合されたscFvは、scFv可変軽鎖ドメイン、scFvリンカーおよびscFv可変重鎖ドメインをいずれかの方向で含む((vh1−scFvリンカー−vl1− [任意選択的なドメインリンカー]−vh2−CH1−ヒンジ−CH2−CH3)または(反対方向のscFvを使用して)((vl1−scFvリンカー−vh1−[任意選択的なドメインリンカー]−vh2−CH1−ヒンジ−CH2−CH3))。この実施形態はさらに、重鎖と会合して標的に結合する2つの同一のFabを形成する可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖を利用する。本明細書の実施形態の多くに関して、これらの構築物には、本明細書で所望され、説明されるように、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアント、追加のFcバリアントなどが含まれる。
【0222】
さらに、scFv−mAb形式のFcドメインは、一般にスキューバリアント(例えば、図3および8に示すようなアミノ酸置換のセットであって、特に有用なスキューバリアントはS364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択される)、任意選択的に切除バリアント(図5に示すものを含む)、任意選択的に荷電scFvリンカー(図7に示すものを含む)を含み、および重鎖はpIバリアント(図4に示すものを含む)を含む。
【0223】
一部の実施形態では、scFv−mAb形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、scFv−mAb形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、ならびに軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインを含む、第2の単量体と、c)可変軽鎖ドメインおよび定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖と、を含む、scFv−mAb形式を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、scFv−mAb形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、scFv−mAb形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書で概説されるように標的抗原に結合するFvを構成する可変重鎖ドメイン、およびPD−1に結合するscFvドメインを含む第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、ならびに共通の軽鎖の可変軽鎖ドメインと一緒に、本明細書で概説されるように標的に結合するFvを構成する可変重鎖ドメインと、c)可変軽鎖ドメインと定常軽鎖ドメインを含む共通の軽鎖と、を含む、scFv−mAb形式を含む。
【0225】
I.デュアルscFv形式
本発明はまた、当技術分野で知られており、図1Bに示されているようなデュアルscFv形式を提供する。この実施形態では、SSTR2 x CD3ヘテロ二量体二重特異性抗体は、2つのscFv−Fc単量体(両方とも(vh−scFvリンカー−vl−[任意選択的なドメインリンカー]−CH2−CH3)形式または(vl−scFvリンカー−vh−[任意選択的なドメインリンカー]−CH2−CH3)形式のいずれかで、あるいは一方の単量体を一方の方向に、もう一方を他方の方向にして構成される。
【0226】
いくつかの実施形態では、デュアルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、デュアルscFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびPD−1または他の標的抗原のいずれかに結合する第1のscFvを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびPD−1または他の標的抗原のいずれかに結合する第2のscFvを含む、第2の単量体と、を含むデュアルscFv形式を含む。
【0227】
いくつか実施形態では、デュアルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、切除バリアントおよびFcRnバリアントを含む。いくつかの実施形態では、デュアルscFv形式は、スキューバリアント、pIバリアント、および切除バリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態は、デュアルscFv形式であって、a)スキューバリアントS364K/E357Q、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、および第1のscFvを含む、第1の単量体と、b)スキューバリアントL368D/K370S、pIバリアントN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D、切除バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、FcRnバリアントM428L/N434S、および第2のscFvを含む第2の単量体と、を含むデュアルscFv形式を含む。
【0228】
XI.本発明の特定の実施形態
当業者によって理解されるように、本発明は、本発明の異なる形式における異なる標的抗原について、抗PD−1 scFv配列とABDとの多数の可能な組み合わせを提供する。
【0229】
いくつかの実施形態では、図1の任意の形式で、図13、15、16、18、20、21、24、33および40の任意のPD−1 ABDを、任意の抗TIM−3 ABD、任意の抗CTLA−4 ABD、任意の抗ICOS ABD、任意の抗TIM−3 ABD、任意の抗LAG−3 ABD、または任意の抗BTLA ABDと組み合わせることができる。特に有用なのは、これらのABDに対する配列表のFab ABDと組み合わせた図15の抗PD−1 scFv配列である。いくつかの実施形態では、これらの組み合わせは、米国公開第2016/0355608号の図162に示されているようなボトルオープナー形式の「骨格」配列を使用して(セントラルscFv形式にも使用できる)、または米国公開第2016/0355608号の図163に示されている「mAb−scFv」形式の骨格」配列を使用して作成されたものであり、その両方の図(および付随する説明文)は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0230】
A. PD−1 X CTLA−4ボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトPD−1およびヒトCTLA−4の両方に結合する二重特異性ヘテロ二量体抗体を提供する。当業者に理解されるように、抗PD−1 scFv配列とCTLA−4のABDとの可能な組み合わせは多数ある。
【0231】
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、CTLA−4 ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを、任意の抗CTLA−4 ABD配列と組み合わせることができる。本発明での使用に適した抗CTLA−4 ABD配列には、配列番号21〜2918(CTLA−4 scFv配列であるが、それらの中のFv配列はFabとしての形式をとることができる)、配列番号2919〜6208(CTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)、配列番号36739〜36818(追加のCTLA−4 Fab配列であるが、それらの中のFv配列はscFvとしての形式をとることができる)および配列番号35395〜35416(CTLA −4のワンアーム構築物で、FabまたはscFvのいずれかとしての形式をとることができる)が含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0232】
いくつかの実施形態では、本発明のヘテロ二量体抗体は、CTLA−4 ABDが本配列表の配列番号2919〜6208と配列番号35395〜35416の対から選択される場合、図15からのPD−1 ABDをscFvとして使用し、CTLA−4 ABDをFab Fvとして使用するボトルオープナー形式で作製される。いくつかの実施形態では、CTLA−4 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、CTLA−4 FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがその配列番号472に追加される。 いくつかの実施形態では、CTLA−4 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、CTLA−4 FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがその配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、CTLA−4 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、CTLA−4 FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがその配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、CTLA−4 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、CTLA−4 FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがその配列番号481に追加される。
【0233】
いくつかの実施形態では、CTLA−4 Fabは、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0235】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0236】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0237】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0238】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0239】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0240】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0241】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、本明細書の配列番号2919〜6208および配列番号36739〜36818のいずれかから選択され、配列番号38134の可変重鎖ドメインおよび配列番号38138の可変軽鎖ドメインを含むCTLA−4 Fabは、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0242】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0243】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0244】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0245】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0246】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0247】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0248】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0249】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4 Fabは、配列表の配列番号36739および36743、36747および36751、36755および36759、36763および36767、36771および36775、36779および36783、36787および36791、36795および36799、36803および36807ならびに36811および36815の対から選択される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、CTLA−4 FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、CTLA−4 FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0250】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 X CTLA−4ヘテロ二量体抗体は、XENCS502、XENCS509、XENCS516、XENCS523、XENCS530、XENCS537、XENCS544およびXENCS551からなる群から選択される。
【0251】
B. PD−1 X ICOSボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトPD−1およびヒトICOSの両方に結合する二重特異性ヘテロ二量体抗体を提供する。当業者によって理解されるように、抗PD−1 scFv配列とICOSのABDとの可能な組み合わせは多数ある。
【0252】
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、ICOS ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを任意の抗ICOS ABD配列と組み合わせることができる。ABDとしての使用に適した抗ICOS配列には、参照によりその全体が明示的に本明細書に組み込まれ、具体的には説明文および図19、20および24、その中に示される配列にあるUS2018/0127501に開示されている多くのもの、ならびに命名法で示されているいくつかのICOS Fab配列(重鎖VH1−CH1および軽鎖VL1−CL)を含有するUS2018/0127501からの配列番号27869〜28086が含まれる。さらに、US2018/0127501からの配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452および26353および26358のVH/VL対の抗ICOS ABDも含まれる。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0253】
本発明において特に興味深いのは、VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0を含む、図49のXENCS500からの抗ICOS ABDのFab配列である。本発明において特に興味深いのは、VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0を含む、図49のXENCS501からの抗ICOS ABDのFab配列である。
【0254】
いくつかの実施形態では、ICOS FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、ICOS FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号472に追加される。いくつかの実施形態では、ICOS FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、ICOS FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、ICOS FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、ICOS FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、ICOS FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、ICOS FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号481に追加される。
【0255】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0256】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0257】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0259】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0260】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0261】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗ICOS Fabは、US2018/0127501の配列表からの配列番号26323および26328、27477および27452ならびに26353および26358のVH/VL対から選択され、図49のXENCS500からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0_L0およびVL_ICOS_H0_L0)および図49のXENCS501からの抗ICOS ABD(VH_ICOS_H0.66_L0およびVL_ICOS_H0.66_L0)のFab配列は特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、ICOS FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、ICOS FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0263】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 X ICOSヘテロ二量体抗体は、XENCS500、XENCS501、XENCS507、XENCS508、XENCS514、XENCS515、XENCS521、XENCS522、XENCS528、XENCS529、XENCS535、XENCS526、XENCS542、XENCS543、XENCS549およびXENCS550からなる群から選択される。
【0264】
C.PD−1 X LAG−3ボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトPD−1およびヒトLAG−3の両方に結合する二重特異性ヘテロ二量体抗体を提供する。当業者に理解されるように、抗PD−1 scFv配列とLAG−3のABDとの可能な組み合わせは多数ある。
【0265】
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、LAG−3 ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを、任意の抗LAG−3 ABD配列と組み合わせることができる。ABDとしての使用に適した抗LAG−3配列には、配列番号17135〜20764、配列番号36819〜36962、配列番号35417〜35606、配列番号25194〜32793、配列番号32794〜33002(当業者から理解されるように、これらの配列識別子のすべては、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。)、抗LAG−3 Fab(配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951、および36955および36959の対から選択される)、ならびに、XENP22594のLAG−3 Fab ABDの配列であって、VH(配列番号32755、VHCDR(配列番号32756、32757および32758を含む)およびVL(配列番号32760、VLCDR(配列番号32761、32762および32763)を含む)が含まれる配列、およびXENP22656のLAG−3 Fab ABDの配列であって、VH(配列番号28815、VHCDR(配列番号28816、28817、および28118を含む)およびVL(配列番号28820、VLCDR(配列番号28821、28822、および28823を含む)が含まれる配列、が含まれる。
【0266】
いくつかの実施形態では、LAG−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、LAG−3 FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがその配列番号472に追加される。いくつかの実施形態では、LAG−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、LAG−3 FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがその配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、LAG−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、LAG−3 FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがその配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、LAG−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、LAG−3 FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがその配列番号481に追加される。
【0267】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。
【0268】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0269】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0270】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0271】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0272】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955と36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0273】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0274】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0275】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3 Fabは、配列番号36819および36823、36827および36831、36835および36839、36843および36847、36851および36855、36859および36863、36867および36871、36875および36879、36883および36887、36891および36895、36899および36903、36907および36911、36915および36919、36923および36927、36931および36935、36939および36943、36947および36951ならびに36955および36959の対から選択され、XENP22594のVH/VL(VH配列番号32755およびVL配列番号32760)およびXENP22656のVH/VL(VH配列番号28815 VL配列番号28820)は、特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、LAG−3 FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、LAG−3 FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0276】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 X LAG−3ヘテロ二量体抗体は、XENCS503、XENCS504、XENCS510、XENCS511、XENCS517、XENCS518、XENCS521、XENCS524、XENCS525、XENCS531、XENCS532、XENCS538、XENCS539、XENCS545、XENCS546、XENCS552およびXENCS553からなる群から選択される。
【0277】
D.PD−1 X TIM−3ボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトPD−1およびヒトTIM−3の両方に結合する二重特異性ヘテロ二量体抗体を提供する。当業者に理解されるように、抗PD−1 scFv配列とTIM−3のABDとの可能な組み合わせは多数ある。
【0278】
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、TIM−3 ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを、任意の抗TIM−3 ABD配列と組み合わせることができる。ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。
【0279】
いくつかの実施形態では、TIM−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、TIM−3 FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがその配列番号472に追加される。いくつかの実施形態では、TIM−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、TIM−3 FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがその配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、TIM−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、TIM−3 FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがその配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、TIM−3 FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、TIM−3 FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがその配列番号481に追加される。
【0280】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0281】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0282】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0283】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0284】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0285】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0286】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0287】
ABDとしての使用に好適な抗TIM−3配列には、配列番号20765〜20884、配列番号37587〜37698、配列番号36347〜36706(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、抗TIM−3 ABDで配列番号35757および37591、37959および37599、37603および37607、37611および37615、37619および37623、37627および37631、37635および37639、37643および37647、37651および37655、37659および37663、37667および37671、37675および37679、37683および37687ならびに37691および37695、の対から選択される抗TIM−3 ABD、が含まれ、ならびにXENP21189(VH配列番号36508およびVL配列番号36513)の抗TIM−3 ABDのFab配列が特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、TIM−3 FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、TIM−3 FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0288】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 X TIM−3ヘテロ二量体抗体は、XENCS505、XENCS512、XENCS519、XENCS526、XENCS533、XENCS540、XENCS547およびXENCS554からなる群から選択される。
【0289】
E.PD−1 X TIGITボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、本発明は、ヒトPD−1およびヒトTIGITの両方に結合する二重特異性ヘテロ二量体抗体を提供する。当業者によって理解されるように、抗PD−1 scFv配列とTIGITのABDとの可能な組み合わせは多数ある。
【0290】
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、TIGIT ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを任意の抗TIGIT ABD配列と組み合わせることができる。ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。
【0291】
いくつかの実施形態では、TIGIT FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、TIGIT FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号472に追加される。いくつかの実施形態では、TIGIT FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、TIGIT FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、TIGIT FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、TIGIT FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、TIGIT FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、TIGIT FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号481に追加される。
【0292】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0293】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0294】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0295】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0296】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0297】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0298】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0299】
ABDとしての使用に好適な抗TIGIT配列には、配列番号21504〜21523および配列番号37435〜37586(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、ならびに、配列番号37435および37439、37443および37447、37451および37455、37459および37463、37467および37471、37475および37479、37483および37487、37491および37495、37499および37503、37507および37511、37515および37519、37523および37527、37531および37535、37539および37543、37547および37551、37555および37559、37563および37567、37571および37575ならびに37579および37583、の対から選択されるTIGIT ABDが含まれる。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、TIGIT FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、TIGIT FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0300】
F.PD−1 X BTLAボトルオープナーの実施形態
いくつかの実施形態では、PD−1 ABDはscFvであり、BTLA ABDはFab構築物である。これらの実施形態では、図15からの任意のscFv ABDを、任意の抗BTLA ABD配列と組み合わせることができる。ABDとしての使用に適した抗BTLA配列は、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。
【0301】
いくつかの実施形態では、BTLA FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号471に追加され、BTLA FabのVLが配列番号473に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号472に追加される。いくつかの実施形態では、BTLA FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号474に追加され、BTLA FabのVLが配列番号476に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号475に追加される。いくつかの実施形態では、BTLA FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号477に追加され、BTLA FabのVLが配列番号479に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号478に追加される。いくつかの実施形態では、BTLA FabのVHドメインがUS2016/0355608の配列番号480に追加され、BTLA FabのVLが配列番号482に追加され、PD−1 scFvがUS2016の配列番号481に追加される。
【0302】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS556であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS556のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS556の軽鎖のN末端に追加される。
【0303】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS557であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS557のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS557の軽鎖のN末端に追加される。
【0304】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS558であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS558のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS558の軽鎖のN末端に追加される。
【0305】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS559であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS559のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS559の軽鎖のN末端に追加される。
【0306】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS560であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS560のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS560の軽鎖のN末端に追加される。
【0307】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS561であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS561のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS561の軽鎖のN末端に追加される。
【0308】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS562であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS562のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS562の軽鎖のN末端に追加される。
【0309】
ABDとしての使用に適した抗BTLA配列には、配列番号20885〜21503および配列番号36707〜36738(当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になっている)、配列番号36707および36711、36715および36719、36723および36727および36761および36735の対から選択される抗BTLA ABDが含まれ、XENP20269(VH 配列番号20936およびVL 配列番号20941)のFab抗BTLA ABDが特に使用される。これらの実施形態では、ヘテロ二量体抗体の残部は図50のXENCS563であり、すなわち、BTLA FabからのVHはXENCS563のFab鎖のN末端に追加され、BTLA FabからのVLはXENCS563の軽鎖のN末端に追加される。
【0310】
XII.本発明の核酸
本発明はさらに、本発明のヘテロ二量体二重特異性抗体ならびに本明細書に概説される単一特異性抗体をコードする核酸組成物を提供する。
【0311】
当業者には理解されるように、核酸組成物はヘテロ二量体タンパク質の形式および足場に依存する。したがって、例えば、トリプルF形式(例えば、FcドメインとscFvを含む第1のアミノ酸単量体、重鎖と軽鎖を含む第2のアミノ酸単量体)など、3つのアミノ酸配列が形式に必要な場合、発現のために、3つの核酸配列を1つ以上の発現ベクターに組み込むことができる。同様に、いくつかの形式(例えば、図1に開示されているようなデュアルscFvフォーマット)は2つの核酸のみを必要とし、同様に、それらを1つまたは2つの発現ベクターに組み込むことができる。
【0312】
当該技術分野で知られているように、本発明の構成要素をコードする核酸は、本発明のヘテロ二量体抗体を産生するために使用される宿主細胞に応じて、当該技術分野で知られているように、発現ベクターに組み込むことができる。一般に、核酸は任意の数の調節エレメント(プロモーター、複製起点、選択可能マーカー、リボソーム結合部位、インデューサーなど)に作動可能に連結されている。発現ベクターは、染色体外ベクターまたは組み込みベクターであり得る。
【0313】
次いで、本発明の核酸および/または発現ベクターを、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞および/または真菌細胞を含む当該技術分野で周知の任意の数の異なる種類の宿主細胞に形質転換するが、哺乳動物細胞(例えばCHO細胞)が、多くの実施形態において使用される。
【0314】
いくつかの実施形態では、各単量体をコードする核酸および、形式に応じて適用可能な、軽鎖をコードする任意の核酸は、一般に異なるまたは同じプロモーター制御下で単一の発現ベクター内にそれぞれ含有される。本発明において特に使用される実施形態では、これら2つまたは3つの核酸の各々は異なる発現ベクターに含まれる。本明細書および参照により本明細書に組み込まれる62/025,931に示されるように、ヘテロ二量体形成を推進するために異なるベクター比を使用することができる。すなわち、驚くべきことに、(ヘテロ二量体抗体を含む3つのポリペプチド有する本明細書の実施形態の多くの場合)タンパク質は、第1単量体:第2単量体:軽鎖を1:1:2の比率で含むが、これらは最高の結果が得られる比率ではない。
【0315】
本発明のヘテロ二量体抗体は、当該技術分野において周知のように、発現ベクター(複数可)を含む宿主細胞を培養することによって作製される。生成されると、イオン交換クロマトグラフィー工程を含む従来の抗体精製工程が実施される。本明細書で考察されるように、2つの単量体のpIが少なくとも0.5だけ異なることが、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に高感度な他の方法による分離を可能する。すなわち、各単量体の等電点(pI)が異なるpIを有し、かつヘテロ二量体も異なるpIを有するように各単量体の等電点(pI)を変化させるpI置換を含むことによって、「トリプルF」ヘテロ二量体の等電点精製(例えば、陰イオン交換カラム、陽イオン交換カラム)を促進する。これらの置換はまた、精製後、混入したデュアルscFv−FcおよびmAbホモ二量体の決定およびモニタリングにも役立つ(例えば、IEFゲル、cIEF、および分析用IEXカラム)。
【0316】
XIII.ヘテロ二量体チェックポイント抗体の生物学的および生化学的機能
一般に、本発明の二重特異性ヘテロ二量体抗体は、癌を有する患者に投与され、そして有効性は、本明細書中に記載されるようないくつかの方法で評価される。このため、癌量、腫瘍のサイズ、転移の存在または程度の評価等の、有効性の標準的なアッセイを実行し得るが、免疫腫瘍学的治療もまた免疫状態評価に基づいて評価され得る。これは、生体外アッセイおよび生体内アッセイの両方を含むいくつかの方法で行うことができる。例えば、腫瘍量、サイズ、侵襲性、LN関与、転移などといった「古典的な」測定と併せて、免疫状態(例えば、ipi治療後のICOS+CD4+T細胞の存在)の変化の評価を実施することができる。したがって、以下のいずれかまたはすべてを評価できる:CD4+T細胞の活性化または増殖、CD8+T(CTL)細胞の活性化または増殖、CD8+T細胞媒介性細胞傷害活性および/またはCTL媒介性細胞枯渇、NK細胞活性およびNK媒介性細胞枯渇、に対するチェックポイントの阻害効果。
【0317】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、例えば、CFSE希釈法、免疫エフェクター細胞のKi67細胞内染色、および3H−チミジン組み込み法を使用して、免疫細胞増殖を評価することによって行われる。
【0318】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、CD25、CD69、CD137、ICOS、PD1、GITR、OX40、およびCD107Aの表面発現によって測定される細胞脱顆粒のうちの1つ以上を含む、遺伝子発現の増加または活性化関連マーカーの増加したタンパク質レベルを評価することによって行われる。
【0319】
一般に、遺伝子発現アッセイは、当該技術分野で既知であるように行われる。
【0320】
一般に、タンパク質発現測定も同様に、当該技術分野で知られているように実施される。
【0321】
いくつかの実施形態において、治療の評価は、酵素活性(プロテアーゼ活性を含む)、細胞膜透過性、細胞接着、ATP産生、補酵素産生、およびヌクレオチド取り込み活性などの多数の細胞パラメータを推測することを通した標的細胞生存検出によって測定される細胞傷害性活性を評価することによって行なわれる。これらのアッセイの具体的な例としては、トリパンブルーまたはPI染色、51Crまたは35S放出法、LDH活性、MTTおよび/またはWSTアッセイ、カルセイン−AMアッセイ、発光系アッセイ、ならびに他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0322】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、サイトカイン産生によって測定されるT細胞活性を評価することによって行われ、周知の技法を使用して、IFNγ、TNFα、GM−CSF、IL2、IL6、IL4、IL5、IL10、IL13を含むがこれらに限定されないサイトカインを使用して、培養上清液中で細胞内のいずれかで測定する。
**製剤化等
**EE
**TT
【実施例】
【0323】
【0324】
A.実施例1 XmAb22841のインビトロでの結合の調査
1.1A:XmAb20717は、細胞表面に発現したPD−1とCTLA−4を同時に占有する
CTLA−4を安定して発現するHEK293T細胞(Crown Bioscience、Santa Clara、Calif.)に、PD−1をコードするpCMV6−AC−GFPベクター(OriGene、Rockville、MD)をトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後、細胞を指示された試験物質で、4℃で30分間処理した。インキュベーション後、細胞を2回洗浄し、パシフィックブルーコンジュゲートXENP20111(XmAb20717由来の抗PD−1アームに基づくワンアームscFv−Fc)およびAPCコンジュゲートXENP20059(XmAb20717由来の抗CTLA−4アームに基づくワンアームFab−Fc)で4℃で30分間で染色しし、フローサイトメトリーでアッセイした。図57および図58は、染色により示される占有されていないCTLA−4および/またはPD−1受容体を有するGFP+(CTLA−4+PD−1 +)HEK293T細胞の様々な集団のパーセンテージで示される、様々な試験物質による処理後の受容体占有率を示す。例えば、CTLA−4受容体の占有率は、PD−1 CTLA−4およびPD−1 CTLA−4集団のパーセンテージを減少させ、およびPD−1 CTLA−4およびPD−1 CTLA−4集団のパーセンテージを増加させる。図57A〜Bは、PD−1 CTLA−4およびPD−1 CTLA−4の有病率を示す。図58は、12.5μg/mLの指定された試験物質による処理後の様々な集団の有病率を表す散布図を示している。データは、XmAb20717がPD−1とCTLA−4を同時に発現する細胞を選択的に標的とすることを示している。
【0325】
B.実施例2:XmAb20717はマウスの同種抗腫瘍応答を増強する
NOD SCIDガンマ(NSG)マウスは、0日目にKG1A−lucがん細胞を移植した。21日目に、ヒトPBMCをマウスの腹腔内に移植した。PBMC生着後、指示された試験物質を腹腔内注射で(コントロールマウスはPBSを投与)4週間、毎週投与した(または合計4回投与)。腫瘍増殖は、インビボイメージングシステム(IVIS(登録商標)Lumina III)を用いて、マウス当たりの総フラックスを測定することによりモニターし、データは、(1回目の投与後の日数)
【0326】
図59に示される。
【0327】
C.実施例3:XmAb22841のインビトロでの結合の調査
1.CTLA−4およびLAG−3を発現するHEK293TへのXmAb22841の結合
CTLA−4を安定して発現するHEK293T細胞(Crown Bioscience、Santa Clara、Calif.)に、LAG−3をコードするpCMV6−AC−GFPベクター(OriGene、Rockville、MD)をトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後、細胞を以下の試験物質の指示された濃度で、4℃で30分間インキュベートした:XmAb22841、XENP16433(XmAb22841の抗CTLA−4アームが由来する親クローンに基づく二価mAb)、XENP16436(XmAb22841の抗LAG−3アームが由来する親クローンに基づく二価mAb)、XENP24893(XmAb22841由来の抗CTLA−4アームに基づくワンアームscFv−Fc)、XENP24895(XmAb22841由来の抗LAG−3アームをベースにしたワンアームFab−Fc)およびXENP15074(対照としての二価の抗RSV mAb)。インキュベーション後、細胞を2回洗浄し、抗ヒトFc−A647コンジュゲート二次抗体(Jackson Immunoresearch、West Grove、PA)で結合を検出した。GFP+細胞(すなわちCTLA−4 +LAG−3+)への試験物質の結合を示すMFIを図60に示す。
【0328】
2.XmAb22841によるCTLA−4およびLAG−3を発現するHEK293TでのCTLA−4およびLAG−3の占有率
CTLA−4を安定して発現するHEK293T細胞(Crown Bioscience、Santa Clara、Calif.)に、LAG−3をコードするpCMV6−AC−GFPベクター(OriGene、Rockville、MD)をトランスフェクトした。トランスフェクションの3日後、細胞を4℃で30分間、次の試験物質で処理した:XmAb22841、XENP16433、XENP16436、XENP24893、XENP24895、およびXENP15074。インキュベーション後、細胞を2回洗浄し、パシフィックブルーコンジュゲートXENP24895およびA647コンジュゲートXENP23552で染色した。図61A−Dは、染色により示される占有されていないCTLA−4および/またはLAG−3受容体を有するGFP+(CTLA−4+LAG−3+)HEK293T細胞の様々な集団のパーセンテージで示される、様々な試験物質による処理後の受容体占有率を示す。例えば、CTLA−4受容体の占有率は、LAG−3 CTLA−4およびLAG−3 CTLA−4集団のパーセンテージを減少させおよびLAG−3 CTLA−4およびLAG−3 CTLA−4集団のパーセンテージの増加させる。図62A〜Bは、XENP24895およびXENP23552の結合によって示されるように、試験物質による処理後のGFP+細胞上の占有されていないLAG−3およびCTLA−4受容体の量をそれぞれ示す。
【0329】
3.XmAb22841のSEB刺激T細胞への結合
T細胞へのXmAb22841の結合をSEB刺激PBMCアッセイで測定した。ブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシンB(SEB)は、LAG−3およびCTLA−4などのチェックポイント受容体の発現を含む、T細胞受容体(TCR)を介した活性化によって達成されるのと同様にT細胞の活性化および増殖を引き起こす超抗原である。したがって、6ドナーからのヒトPBMCを500ng/mLのSEBで3日間刺激した。次に、細胞を指示された試験物質の指示された濃度で30分間処理した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、抗ヒトFc−A647抗体(Jackson Immunoresearch)で染色した。CD3 T細胞への試験物質の結合を示すMFIを、各ドナーについてそれぞれ図63A〜Fに示す。
【0330】
データは、各ドナーからのPBMCで、XmAb22841が単一特異性対照と比較してCD3 T細胞により強く結合することを示し、ヒトT細胞への結合が、単一特異性抗体によるよりも、各アームが異なる抗原に一価結合する二重特異性抗体XmAb22841によるほうが著しく優れていることを示している。
【0331】
D.実施例4:二重特異性チェックポイント抗体による治療後のサイトカイン放出および免疫関連遺伝子発現プロファイルの調査
ヒトPBMCを100ng/mLのSEBで2日間刺激した。刺激後、細胞を2回洗浄し、100 ng/mLのSEBと20μg/mLの指示された試験物質で再刺激した。細胞上清を処理の24時間後に収集し、MULTI−SPOT 384−Well Spotプレート(Meso Scale Discovery、 Rockville、 Md.)でのマルチプレックスアッセイによりIL−2およびIFNγについてアッセイした。RNAを細胞から抽出し、免疫応答をカバーする770の標的遺伝子をアッセイするnCounter(登録商標)PanCancer Immune Profiling Panel(NanoString Technologies、 Seattle、Wash.)でアッセイした。
【0332】
図64図65は、抗RSV mAb(XENP15074)と比較した、抗PD−1 mAb(XENP16432)、XmAb20717、およびXmAb22841、ならびに抗PD−1 mAbと組み合わせたXmAb22841による処理後のIL−2およびIFNγの倍数増加を、それぞれ示す。特に、XmAb22841と抗PD−1 mAbの組み合わせは、単独の場合よりも著しく多くのサイトカイン放出をもたらし、トリプル免疫チェックポイント遮断の利点を示している。図66図72は、二重特異性チェックポイント抗体、抗PD−1 mAb、および抗RSV mAb間の様々な遺伝子の発現(Nanostring nCounter(登録商標)によって決定)の倍数変化を示している。
【0333】
E.実施例5:抗PD−1クローン1C11の生成
1.抗PD−1ハイブリドーマの生成とスクリーニング
さらなるPD−1標的化アームを開発するために、ImmunoPreciseを介する、それらの標準法およびラピッドプライム法によって、ハイブリドーマ技術により、モノクローナル抗体を最初に作成した。標準法では、抗原を3匹のBALB/cマウスに注射した。ハイブリドーマ生成のために犠牲にされる7〜10日前に、免疫されたマウスは抗原追加免疫を受けた。抗体力価を抗原に対するELISAによって評価し、そして最も応答のよいマウスを融合のために選択する。最後の抗原追加免疫は融合の4日前に与えられる。マウス由来のリンパ球をプールし、精製し、次いでSP2/0骨髄腫細胞と融合させる。融合細胞をHAT選択的シングルステップクローニング培地上で10〜12日間増殖させ、その時点でハイブリドーマはスクリーニングの準備ができていた。ラピッドプライム法では、抗原を3匹のBALB/cマウスに注射した。19日後、全てのマウス由来のリンパ球をプールし、精製し、次いでSP2/0骨髄腫細胞と融合させる。融合細胞をHAT選択的シングルステップクローニング培地上で10〜12日間増殖させ、その時点でハイブリドーマはスクリーニングの準備ができていた。使用した抗原(複数可)は、ヒトPD−1のマウスFc融合体(huPD−1−mFc)、カニクイザルPD−1のマウスFc融合体(cynoPD−1−mFc)、Hisタグ付きヒトPD−1(huPD−1−His)、Hisタグ付きカニクイザルPD−1(cynoPD−1−His)またはそれらの混合物であった。
【0334】
上述のようにして生成した抗PD−1ハイブリドーマクローンを、Octet、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法を用いて2回のスクリーニングにかけた。Octetの実験工程は、一般的に以下を含んでいた:固定化(バイオセンサ上へのリガンドまたは試験物質の捕捉)、会合(対応する試験物質またはリガンドの連続希釈物を含むウェルへのリガンドまたは試験物質をコーティングしたバイオセンサの浸漬)、および試験物質の親和性を決定するための解離(緩衝液を含むウェルにバイオセンサを戻すこと)。緩衝液のみを含む参照ウェルもまた、データ処理中のバックグラウンド補正のための方法に含まれた。
【0335】
1回目のラウンドでは、抗マウスFc(AMC)バイオセンサを用いてクローンを500nMの二価ヒトおよびカニクイザルPD−1−Fc−Hisに浸漬して捕捉した。2回目のラウンドでは、1回目のラウンドで同定された、ヒトとカニクイザルのPD−1の両方に陽性のクローンをAMCバイオセンサに捕捉し、500nMの一価ヒトとカニクイザルのPD−1−Hisに浸した。
【0336】
2.クローン1C11の特徴付け
例1で同定された1つのハイブリドーマクローンはクローン1C11であった。ハイブリドーマクローン1C11のVHおよびVLをコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有するヒトIgG1定常領域を含む発現ベクターpTT5に標準的な分子生物学技術を用いてサブクローニングしてXENP21575を生成し、その配列を図9に示す。
【0337】
3.クローン1C11によるPD−L1遮断
チェックポイント受容体/リガンド相互作用の遮断はT細胞活性化に必要である。XENP16432(ニボルマブの可変領域を有する抗PD−1 mAb)、XENP21461(ペムブロリズマブの可変領域を有する抗PD−1 mAb)、およびコントロールとしてXENP15074(モタビズマブの可変領域を有する抗RSVMab)について、XENP21575の遮断能力を細胞結合アッセイで調査した。PD−1を発現するようにトランスフェクトしたHEK293T細胞を、XENP21575、および対照抗体と共にインキュベートした。インキュベーション後、PD−L1のマウスFc融合体を添加してインキュベートした。HEK293T細胞へのPD−L1−mFcの結合を抗マウスIgG二次抗体で検出し、そのデータを図10に示す。データは、XENP21575によるPD−L1遮断がXENP16432およびXENP21461による遮断に類似していたことを示している。
【0338】
4.クローン1C11のT細胞表面結合
T細胞への抗PD−1クローン1C11の結合をSEB刺激PBMCアッセイで測定した。ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、PD−1などのチェックポイント受容体の発現を含む、T細胞受容体(TCR)を介した活性化によって達成されるのと同様にT細胞の活性化および増殖を引き起こす超抗原である。ヒトPBMCを100ng/mLで3日間刺激した。刺激後、PBMCを示された濃度の指示された試験物質と共に4℃で30分間インキュベートした。PBMCを抗CD3−FITC(UCHT1)およびヒト免疫グロブリンκ軽鎖のためのAPC標識抗体で染色した。FITC+細胞上のAPC MFIによって示されるような試験物質のT細胞への結合を図11に示す。
【0339】
5.クローン1C11によるT細胞活性化
サイトカイン分泌によって示されるように、クローン1C11によるT細胞活性化を、SEB刺激PBMCアッセイにおいて調べた。ヒトPBMCを500ng/mLのSEBで2日間刺激した。次いで細胞を培地中で2回洗浄し、示された試験物質の示された量と組み合わせた500ng/mLのSEBで24時間刺激した。次いで上清を細胞によってIL−2およびIFNγについてアッセイし、そのデータを図12に示す。
【0340】
6.クローン1C11のヒト化
クローン1C11は、ストリング含有量最適化を用いてヒト化した(例えば、2010年2月2日に発行された米国特許第7,657,380号を参照)。重鎖および軽鎖をコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、そして標準的な分子生物学技術を用いて発現ベクターpTT5にサブクローニングした。二価抗体形式のクローン1C11の例示的ヒト化バリアントの配列を図13に示す。
【0341】
XENP22553の親和性は、概して実施例に記載さているように、Octetを用いて決定した。特に、抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して、試験物質を複数濃度のヒスチジンタグ付きPD−1に浸漬して捕捉した。親和性の結果および対応するセンサグラムを図14に示す。
【0342】
7.scFv形式でのクローン1C11のヒト化バリアントの安定性最適化
抗PD−1クローン1C11ヒト化バリアントH3L3(XENP22553と同様)の可変領域は、scFvに関連して(親和性を維持しながら)安定性を向上させるために(たとえば、二重特異性抗体で使用するために)操作された。XENP22553の可変重鎖領域と可変軽鎖領域を含むscFvをコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、標準的な分子生物学技術を使用して発現ベクターpTT5にサブクローニングした。scFvのC末端には、精製用のポリヒスチジンタグは含んでいた。次に、標準的な変異誘発により、scFvバリアントのライブラリーを構築した。その例示的な配列を図15に示す(ただし、ポリヒスチジンタグは削除されている)。
【0343】
scFv−Hisの安定性を、示差走査蛍光分析(DSF)を使用して評価した。DSF実験は、Bio−Rad CFX Connect Real−Time PCR Detection Systemを用いて実施した。タンパク質をSYPROオレンジ蛍光色素と混合し、PBSで0.2mg/mLに希釈した。SYPROオレンジの最終濃度は10倍であった。25℃で最初の10分間のインキュベーション期間の後、タンパク質を1℃/分の加熱速度で25℃〜95℃に加熱した。蛍光測定は30秒ごとに実施された。融解温度(T)は機器のソフトウェアを用いて計算した。安定性の結果を図17に示す。データは、融解温度(T)が最大19°C上昇したことを示す。
【0344】
バリアントの親和性を決定するために、scFvからの可変領域を、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を含む二価IgG1のFabとして形式化した。例示的な配列を、図16に示す。重鎖および軽鎖をコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、そして標準的な分子生物学技術を用いて発現ベクターpTT5にサブクローニングした。HEK293E細胞に一時的にトランスフェクトした。上清のアフィニティスクリーニングは、Octetを使用して行った。抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して、各上清の1:2希釈を2.0nmの密度まで捕捉し、K決定のためにPD−1−Hisに浸漬した。親和性の結果を、図17に示す。
【0345】
8.Fab形式でのクローン1C11のヒト化バリアントの親和性最適化
抗PD−1クローン1C11ヒト化バリアントH3L3(XENP22553と同様)の可変領域は、Fab形式で生成され、例えば、二価の単一特異性抗体としての使用に、または二重特異性抗体での使用に、最適化された親和性のために操作された。
【0346】
最初のライブラリーでは、親和性が増加していることが判明した、例4Dで生成されたscFvからの可変の重鎖領域と軽鎖領域を組み合わせて、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有する二価IgG1形式を生成した。その例示的な配列を図20に示す。重鎖および軽鎖をコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、そして標準的な分子生物学技術を用いてIgG1定常領域を含む発現ベクターpTT5にサブクローニングした。HEK293E細胞に一時的にトランスフェクトした。抗体をプロテインAクロマトグラフィーで精製し、Octetを使用してアフィニティースクリーニングを行った。AHCバイオセンサを使用して抗体を捕捉し、K測定のために複数の濃度のPD−1−Hisに浸漬した。親和性の結果を、図19に示す。
【0347】
2番目のライブラリでは、XENP22553の重鎖または軽鎖のいずれかをコードする発現ベクター上で、標準的な変異誘発によって追加のバリアントが構築された。追加の重鎖および軽鎖バリアントの例示的な配列を図20および図21に示す。追加の重鎖バリアントをコードするDNAとXENP22553の軽鎖をコードするDNA、またはXENP22553の重鎖をコードするDNAと追加の軽鎖バリアントをコードするDNAを含む発現ベクターをHEK293E細胞に一時的にトランスフェクトした。上清のアフィニティスクリーニングは、Octetを使用して行った。抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して、各上清の1:2希釈を2.0nmの密度まで捕捉し、K決定のためにPD−1−Hisに浸漬した。親和性の結果を、図22に示す。フォローアップスクリーニングで、選択した抗体をコードするDNAをHEK293E細胞にトランスフェクトし、抗体をプロテインAクロマトグラフィーで抗体を精製し、Octetを使用して親和性をスクリーニングした。抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して抗体を捕捉し、K測定のために複数の濃度のPD−1−Hisに浸漬した。それらの結果を図23に示す。
【0348】
上記で一般的に説明したように、別のライブラリが生成された。得られた抗体の例示的な配列を図24に示す。選択した抗体をコードするDNAをHEK293E細胞にトランスフェクトし、抗体をプロテインAクロマトグラフィーで精製し、Octetを使用して親和性をスクリーニングした。抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して抗体を捕捉し、KD測定のために複数の濃度のPD−1−Hisに浸漬した。それらの結果を図25に示す。
【0349】
9.Biacoreによって決定された、親和性が最適化された1C11バリアントの親和性スクリーニング
上記のように生成された1C11バリアントの親和性と、ニボルマブ(XENP16432)およびペンブロリズマブ(XENP21461)に基づく対照mAbの親和性は、表面プラズモン共鳴(SPR)ベースの技術であるBiacoreを使用して決定された。Biacoreの実験手順には、一般的に次のものが含まれた:固定化(センサチップへのリガンドの捕捉)、会合(センサチップ上での様々な濃度の検体の流れ)、および試験物質の親和性を決定するための解離(センサチップ上を流れる緩衝液)。緩衝液のみを含む参照流れもまた、データ処理中のバックグラウンド補正のための方法に含まれた。結合親和性と速度定数は、1:1結合モデルを使用して処理されたデータを分析することにより得られた。特に、抗PD−1 mAbがプロテインAセンサチップに捕捉させ、次に複数の濃度のヒスチジンタグ付きヒトPD−1またはヒスチジンタグ付きカニクイザルPD−1がセンサチップ上に流された。得られた解離定数(K)を図26に示す。
【0350】
10.親和性最適化1C11バリアントのT細胞表面結合
T細胞への親和性最適化1C11バリアントの結合は、SEB刺激PBMCアッセイで測定された。ヒトPBMCを500ng/mLのSEBで3日間刺激した。刺激後、PBMCを示された濃度の指示された試験物質と共に30分間インキュベートした。PBMCを抗CD3−FITC(UCHT1)およびヒトFcのためのA647標識抗体で染色した。FITC+細胞上のA647 MFIによって示されるような試験物質のT細胞への結合を図27に示す。
【0351】
11.親和性最適化1C11バリアントによるPD−L1およびPD−L2のPD−1への結合の遮断
PD−L1およびPD−L2のPD−1への結合を遮断する親和性最適化1C11バリアントの能力は、Octet HTX機器を使用したタンデムエピトープビニングアッセイで調査された。Octetの実験手順は、概して実施例で記載された。具体的には、ヒトPD−1のマウスFc融合をAMC(抗マウスFc捕捉)バイオセンサに搭載してから、100nMの第1の試験物質(図28に示す表の左側に示されている)に浸漬し、次に、100nMの第2の試験物質(図28に示す表の上部に示されている)に浸漬した。試験物質には、ヒト化クローン1C11の親和性最適化バリアントとPD−L1とPD−L2のFc融合(RnD Systems、Minneapolis,Minn.)が含まれていた。各試験物質対のBLI応答は、バイオセンサをHBS−EP緩衝液に浸漬してから試験物質に浸漬した場合の応答に対して正規化された。各試験物質対の正規化されたBLI応答を図に示す。第2の試験物質が0.4未満の正規化されたBLI応答を提示した場合、第2の試験物質のPD−1への結合は第1の試験物質によって遮断されたと見なされた。第2の試験物質が0.4と0.6の間の正規化されたBLI応答を提示した場合、遮断は境界にある見なされる。第2の試験物質が0.6より大きい正規化されたBLI応答を提示した場合、第2の試験物質のPD−1への結合は、第1の試験物質によって遮断されていないと見なされた。データは、抗PD−1 1C11バリアントのそれぞれがPD−L1およびPD−L2のPD−1への結合を遮断したことを示している。
【0352】
F.実施例6:さらに操作された親和性最適化1C11バリアント
前述のアプローチを使用して、ならびに親和性を最適に調節すると思われる置換をうまく組み合わせることにより、さらに1C11バリアントを操作してPD−1親和性を調節した。さらに、バリアント1C11可変重鎖とバリアント1C11可変軽鎖を組み合わせて、好ましい親和性調節を実証した。得られた抗体の例示的な配列を図40に示す。
【0353】
1.追加の親和性操作1C11バリアントのアフィニティスクリーニング
追加の親和性操作1C11バリアントの親和性は、一般的に上記のように、Octetを使用して決定された。特に、AHCバイオセンサを使用して1C11バリアントを捕捉させ、Hisタグ付きヒトPD−1(ならびに図41に示すデータのHisタグ付きカニクイザルPD−1)の複数の濃度に浸漬した。得られた解離定数(K)、会合速度(k)、および解離速度(k)を図41〜45(各図は別々の実験セットを示している)に示す。
【0354】
2.SEB刺激PBMCアッセイにおける1C11バリアントによるサイトカイン分泌の誘導
実験間およびOctetまたはBiacoreから得られたデータ間で技術的なばらつきがあったが、1C11_H3L3(Octetで測定)の親和性は一般に15〜19nMの範囲であった(実験の4/6から)。操作の様々なラウンドから、ヒトPD−1に対する、親和性がはるかに強い1C11バリアント(例えば、Octetによって決定される親和性が0.51〜0.74nMの範囲のXENP26940、および0.77nMの親和性を有するXENP28652)と、親和性がはるかに弱いバリアント(例えば、Octetによって決定される333nMの親和性を有するXENP26928)が得られた。したがって、SEB刺激PBMCアッセイで、サイトカイン分泌によって示されるように、親和性の異なるバリアントによるT細胞の活性化を調査した。18の固有のドナー由来のPBMCを100ng/mLのSEBで2日間刺激した。次に、細胞を洗浄し、SEBと20μg/mLの試験物質で再刺激した。IFNγおよびIL−2分泌を示すデータを、それぞれ図46および図47に示す。データは、XENP26928の弱い結合親和性と対応するサイトカイン分泌の弱い誘導によって示されるように、1C11バリアントの活性とそれらの親和性の間の相関を示唆している。
【0355】
要約すると、1C11_H3L3(XENP22533)としてヒト化すると、ニボルマブに基づく抗PD−1 mAb XENP16432と比較して同様の親和性を有する新規の抗PD−1 mAb 1C11が特定された(Biacoreによる決定でそれぞれ8.6 nMおよび4.5 nM 、Octetによる決定でそれぞれ約18nMおよび10nM)。図11に示すように、XENP22533は同様の親和性にもかかわらず、XENP16432よりもT細胞に強く結合する。Octetで測定したPD−1に対して2桁を超える調節した親和性を持つバリアントを生成するようにXENP22533を操作した。この「アフィニティラダー(affinity ladder)」は、PD−1受容体のリサイクル、抗体:抗原複合体の寿命、および抗体血清の半減期の複雑な生理的挙動を最もうまくナビゲートできるPD−1に対する最適な親和性を特定するのに役立つ。これらのファクターは、将来のインビボマウス腫瘍モデルで検討される。
【0356】
G.実施例7:XmAb22841およびαPD−1によるトリプルチェックポイント遮断は、SEB刺激細胞からのサイトカイン分泌を増強する。
ヒトPBMCを100ng/mLのSEBで2日間刺激した。細胞を2回洗浄し、100ng/mLのSEBと20μg/mLの指示された被験物質で24時間再刺激した。図29および図30に示すように、細胞上清を収集し、IFNγおよびIL−2分泌についてアッセイした。データは、XmAb22841とXENP16432(ニボルマブに基づく切除されたエフェクター機能を有する二価のαPD−1mAb)の組み合わせによって有効になるトリプルチェックポイント遮断が、XENP16432またはXmAb22841単独のいずれかを超えてサイトカイン分泌を増強することを示している。特に、XmAb22841とXENP16432の組み合わせは、XENP16432、XENP16433(イピリムマブに基づく切除されたエフェクター機能を有する二価のαCTLA−4mAb)、およびXENP16436(25F7に基づく切除されたエフェクター機能を有する二価のαLAG−3mAb)の組み合わせによるトリプルチェックポイント遮断と同様のレベルにサイトカイン分泌を強化する。
【0357】
H.実施例8:XmAb22841の結合活性がMLRからのサイトカイン放出の原因である
2人の固有のドナーからのPBMCを混合し(400,000細胞/ドナー)、20μg/mLの指示された試験物質と5日間インキュベートした。インキュベーション後、図31に示すように、細胞をIFNγについてアッセイした。同様の実験で、混合PBMCを様々な濃度の指示された試験物質と5日間インキュベートし、PBSに対するIFNγの倍数誘導を図32に示す。データは、XmAb22841が、XENP24895(XmAb22841の抗LAG−3アームに基づくワンアーム一価mAb)とXENP24893(XmAb22841の抗CTLA−4アームに基づくワンアーム一価mAb)の組み合わせを超えてIFNγ分泌を増強することを示しており、二価結合によって可能になる結合活性は、サイトカイン放出を高めるために必要であることを示している。
【0358】
I.実施例9:XmAb22841およびαPD−1によるトリプルチェックポイント遮断は、NSGマウスのGVHDを増強する
NOD SCIDガンマ(NSG)マウス(グループあたり10匹)に、0日目に10 x 106のヒトPBMCをIV−OSPで移植した。4週間にわたり、1日目に、マウスにXENP26842(切除したエフェクター機能とM428L/N434S Xtend変異を有するニボルマブに基づく二価のαPD−1mAb、図33に示す配列)、XmAb22841、XmAb22841とXENP16432の組み合わせ、またはPBSを投与した(合計4回投与)。7、14、および21日目に採血して、図34(14日目)に示すように様々なリンパ球集団と、図35(7日目)に示すようにIFNγの血清濃度を計数した。
【0359】
J.実施例10:XmAb22841とαPD−1によるトリプルチェックポイント遮断は、マウスの抗腫瘍応答を増強する。
NOD SCIDガンマ(NSG)マウス(1グループあたり10匹)に、14日目に、背腹部に3×10個のpp65を発現するMCF−7細胞を皮内移植した。0日目に、マウスに、T細胞pp65反応性(または対照マウスのPBS)に対して陽性とスクリーニングされたHLA適合CMV+ドナーからの5×10個のヒトPBMCを腹腔内に移植した。マウスを毎週、XENP16432、XmAb22841、XmAb22841とXENP16432の組み合わせ、またはPBS(対照マウス用)で4週間処理した(合計4回投与)。腫瘍体積はキャリパー測定によりモニターされ、そのデータを図36A〜Bに示す(初回投与後の日数)。図37A〜Dに示すように、7、12、19、および26日目に採血し、フローサイトメトリーで分析して、様々なリンパ球集団を計数した。データは、リンパ球数(特にCD8+T細胞)が、様々なチェックポイント阻害剤の有無にかかわらず類似していたことを示している。しかしながら、様々な試験物質での処理は、腫瘍体積の顕著な減少をもたらし、チェックポイント遮断によるT細胞活性の抑制解除による抗腫瘍応答の増強を示した。さらに、データは、XmAb22841(CTLA−4およびLAG−3を標的とする)とXENP16432(PD−1を標的とする)の組み合わせ処理により、トリプルチェックポイント遮断が有効になり、XmAb22841またはXENP16432単独の処理よりも抗腫瘍応答が相乗的に増強したことを示している。
【0360】
K.実施例11:抗PD−1 mAb 1C11はPBMC移植NSGマウスのGVHDを増強する
GVHD研究では、ヒト化抗PD−1 mAb 1C11_H3L3(XENP22553)の効果を調査した。NSGマウスに、0日目に10 x 106のヒトPBMCを静脈内移植し、続いて1、8、15、および21日目に以下の試験物質で処置した:PBS対照、XENP16432(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K切除バリアントを有するニボルマブに基づく抗PD−1抗体)、およびXENP22553。図38は、マウスの体重の変化(初期体重のパーセンテージとして)を示し、図39は、マウスの血液中のヒトCD45+細胞数、CD4+T細胞数、およびCD8+T細胞数を経時的に示す。
【0361】
L.実施例12:Xtend Fcドメインは、hFcRnトランスジェニックマウスにおける抗PD−1 x 抗CTLA−4二重特異性抗体の半減期を延長する
Tg276トランスジェニックhFcRnマウス(hFcRnに対して半接合性、n=5)は、0日目に2mg/kgのXmAb20717またはXENP20053(XmAb20717の無Xtend類似体)で処理した。全血サンプルを、処理後1時間、2、5、8、12、15、19、22、16、29、33、および35日目に収集した。試験物質濃度は、ヒトPD−1およびヒトCTLA−4抗原を使用して検出した。PK解釈分析は、Phoenix WinNonlinソフトウェア(バージョン6.4.0.768)を使用して、遊離薬物の血清濃度と時間の非コンパートメント分析のPKパラメータを使用して実行された。XmAb20717およびXENP20053の薬物動態プロファイルを図76に示し、半減期を図77に示し、Cmax図78に示す。追加のPKパラメータを図79に要約する。
【0362】
M.実施例13:XmAb20717は、ナイーブT細胞Pにおいてサイトカイン放出を誘導しない
BMCを一晩解凍し、20μg/mLの指示された可溶性またはプレート結合の試験物質で24時間処理した。抗CD3抗体はクローンOKT3であった。次に、細胞上清を収集し、V−PLEX炎症促進性パネル1ヒトキット(Meso Scale,Rockville,Md.)でアッセイした。各ポイントは、テクニカルシングレットで試験された固有のヒトドナーを表す。対応のあるt検定を使用して、統計的有意性を決定した(n.s.はp値>0.05を示す)。図80に示すデータは、XmAb20717がナイーブT細胞で、サイトカインの放出を誘導しないことを示している(A:IFNγ、B:IL−1β、C:IL−2、D:IL−4、E:IL−8、F:IL−6、G:IL−10;H:IL−12p70;I:IL−13、J:TNFα)。
【0363】
N.実施例14:XmAb20717による結合のさらなる特徴付け
1.A:XmAb20717は、ヒトおよびカニクイザルのCTLA−4およびPD−1に結合する
XmAb20717のヒトおよびカニクイザルCTLA−4およびPD−1への結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。結合親和性は、1:1結合モデルを使用して処理されたデータを包括的に分析することによって取得された。Octetのセンサグラムを図81図82に示す。結果として生じる平衡解離定数(K)、会合速度定数(k)、および解離定数(k)を図83に示す。ヒトとカニクイザルの両方のCTLA−4の親和性は、それぞれ約4.1および23nMと測定された。ヒトおよびカニクイザルのPD−1の結合親和性は、それぞれ1.4および5.5nMであった。
【0364】
2.B:XmAb20717は、CTLA−4およびPD−1のリガンドとの結合について競合する
XmAb20717あり/なしのCTLA−4へのCD80とCD86の結合、およびXmAb20717あり/なしのPD−1へのPD−L1とPD−L2の結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。Octetのセンサグラムを図84および図85に示す。すべての場合において、100nM CTLA−4および100 nM PD−1は、それらのリガンド(それぞれCD80/CD86およびPDL1/PDL2)との結合シグナルを示す。過剰なXmAb20717の存在下、実験前にCTLA−4またはPD−1と室温で1時間プレインキュベートした場合、それぞれそれらのリガンドCD80/CD86およびPD−L1/PD−L2に対するXmAb20717とCTLA−4およびPD−1との競合により、いずれのリガンドにも結合シグナルは観察されない。
【0365】
3.C:XmAb20717はFcγRに結合しない
XmAb20717のヒト、カニクイザル、およびマウスのFcγRへの結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。コンパレータ(comparator)抗体も同様の方法を使用して試験された:天然IgG1定常領域を有する抗CD19抗体。Octetのセンサグラムを図86図88に示す。天然ヒトIgG1抗体の予想される結合パターンはコンパレータ抗体で観察されたが、XmAb20717ではFcγRへのいずれの結合も検出されなかった
【0366】
4.D:XmAb20717は、pH 6.0でヒト、カニクイザル、およびマウスのFcRnに結合する
XmAb20717のpH 6.0でのヒト、カニクイザル、およびマウスのFcRnへの結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。コンパレータ抗体も同様の方法を使用して試験された:XmAb20717と同じ可変領域と操作された定常領域を含むが、XmAb20717がFcRn結合を強化するために含有するアミノ酸置換を欠く、抗PD1×抗CTLA4二重特異性抗体、XENP20053。結合親和性は、1:1ラングミュアモデルを使用して処理されたデータを包括的に分析することによって取得された。Octetのセンサグラムを図90に示す。得られた平衡解離定数(K)を図89に示す。XmAb20717で測定された親和性は、コンパレータで測定されたものよりも強力であり、XmAb20717に含まれるFc置換が、エンドソーム輸送の生理学的に適切なpH、pH 6.0でのFcRnに対する親和性を改善することを示す。
【0367】
5.E:XmAb20717はPD−1とCTLA−4を同時に結合する
PD1およびCTLA4抗原の両方へのXmAb20717の結合は、Octet HTX機器でBLIテクノロジーを使用したインタンデムディップアプローチ(in−tandem dip approach)を使用して試験された。最初に、バイオセンサにPD−1を搭載し、次にXmAb20717または対照としての緩衝液に浸漬し、最後にCTLA−4に浸漬した。図91は、XmAb20717が両方の抗原に同時に結合できることを示す結合センサグラムを示している。XmAb20717センサグラムは、最後のCTLA4抗原の浸漬中に信号が増加し続けるが、XmAb20717が搭載されていない対照センサグラムは平坦なままである。
【0368】
O.実施例15:さらなるXmAb20717のインビトロ特徴付け
1.A:XmAb20717は、抗PD−1抗体と比較して、SEB刺激PBMCからのIL−2分泌を促進する
22の固有のドナー由来のPBMCは、500ng/mLのSEBで48時間刺激された。次に、細胞を培養液で2回洗浄し、500ng/mLのSEBと20μg/mLの指定された試験物質で18時間再刺激した。培養上清を収集し、ELISAによってIL−2濃度についてアッセイした。そのデータを図92に示す。
【0369】
2.B:XmAb20717は、抗PD−1抗体と比較して、刺激されていないヒトPBMCからのIL−2分泌を抑制する
22の固有のドナー由来の刺激されていないPBMCは、20μg/mLの指定された試験物質で72時間処理された。培養上清を収集し、ELISAによってIL−2濃度についてアッセイした。そのデータを図93に示す。
【0370】
3.C:XmAb20717は、XmAb20717を含む構成要素アームの混合物と比較して、ヒトリンパ球からのIL−2分泌を促進する
22の固有のドナー由来のPBMCは、500ng/mLのSEBで48時間刺激された(図92から複製されたXENP15074およびXENP20717からのデータ)。次に、細胞を培養液で2回洗浄し、500ng/mLのSEBと20μg/mLの指示された試験物質で18時間再刺激した。培養上清を収集し、ELISAによってIL−2存在量をアッセイした。そのデータを図94に示す。
【0371】
P.実施例16:マウスモデルにおけるインビボ試験のさらなる分析
以前の実施例で説明したGVHD調査のデータをさらに分析した。図95は、経時的なマウスの体重の平均変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。図96は、経時的なマウスの生存率を示す。図97は、マウスの経時的な平均IFNγレベルを示す。図98は、経時的なマウスの血液中のヒトCD45細胞数、CD4 T細胞数、およびCD8 T細胞数を示す。
【0372】
Q.実施例17:XmAb20717はGVHDモデルのPD−L1遮断と組み合わせる
別のGVHD研究では、XmAb20717とPD−L1遮断(抗PD−L1 mAb)の組み合わせを調査した。NSGマウスに、0日目に10 x 10個のヒトPBMCを静脈内移植し、その後1、8、15、および21日目に以下の試験物質で処置した:PBS対照、XmAb20717、XENP16434(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K切除バリアントを有するアテゾリズマブに基づく抗PD−L1抗体、図99に示す配列)、およびXENP16434と組み合わせたXmAb20717。図100は、経時的なマウスの体重の変化(初期体重のパーセンテージとして)を示し、図101は、経時的なマウスの生存を示し、図102は、14日目のマウス血液中のヒトCD45細胞数、CD4 T細胞数、およびCD8 T 細胞数を示す。
【0373】
R.実施例18:XmAb20717とコンパレータ抗PD−1抗体との相互作用
ペンブロリズマブまたはニボルマブがXmAb20717の結合活性を妨げるかどうかを判断するために、PD−1−GFPおよびCTLA−4を安定して発現する293T細胞をニボルマブまたはペンブロリズマブで、4°Cで30分間処理した(100μg/mLで開始する16ポイント2倍段階希釈)。細胞を200μLの氷冷FACS緩衝液(PBSに3%FBS)で2回洗浄し、氷上でAlexa647にコンジュゲートしたXmAb20717(200μg/ mLで開始する16ポイント3倍段階希釈)で30分間染色した。次に、細胞を、XmAb20717による結合についてFACSによって分析した。そのデータは図103および図104に示す。図103に示したデータは、ニボルマブがXmAb20717のPD−1CTLA−4細胞への結合を大幅に妨害しないことを示している。図104に示すデータは、ペムブロリズマブがXmAb20717のPD−1 CTLA−4細胞への結合を妨害することを示しているが、ただし、図105に示されているデータは、ペンブロリズマブによる干渉が高濃度のXmAb20717で克服できることを示している。これは、XmAb20717がニボルマブまたはペンブロリズマブによる治療と組み合わせて、またはそれに続いて対象に投与できることを示唆している。
【0374】
S.実施例19:XmAb22841はナイーブT細胞でサイトカイン放出を誘導せず、超アゴニスト性(superagonistic)ではない
PBMCを一晩解凍し、20μg/mLの指示された可溶性またはプレート結合の試験物質で24時間処理した。抗CD3抗体はクローンOKT3であった。次に、細胞上清を収集し、V−PLEX炎症促進性パネル1ヒトキット(Meso Scale, Rockville,Md.)でアッセイした。各ポイントは、テクニカルシングレットで試験された固有のヒトドナーを表す。対応のあるt検定を使用して、統計的有意性を決定した(n.s.はp値>0.05を示す)。図106に示すデータは、XmAb22841がナイーブT細胞で、サイトカインの放出を誘導しないことを示している(A:IFNγ、B:IL−1β、C:IL−2、D:IL−4、E:IL−8、F:IL−6、G:IL−10;H:IL−12p70;I:IL−13、J:TNFα)。
【0375】
XmAb22841の超アゴニスト特性は、Stebbingsプロトコル(Stebbings R. et al.2007)に従って風乾によっても評価された。試験物質の風乾は、SpeedVac TMで2時間、室温で乾燥することにより行った。ヒトPBMCを10μgの風乾XmAb22841で24時間処理し、活性は10μgの風乾XENP15074(抗RSV陰性アイソタイプ対照)または超アゴニストTGN1412(XENP29154、図107に示されている配列)と比較した。)。TGN1412は、水性吸着法を使用してアッセイプレートに結合させた場合、なんら活性がなかったが、ただし、風乾TGN1412は、刺激されていないヒトPBMCからのIFNγ、IL−1β、IL−2、IL−4、IL−6、IL−8、IL−10、IL−13、およびTNFサイトカイン分泌を促進した。比較すると、風乾XmAb22841で処理したPBMCのサイトカインレベルは、風乾XENP15074の陰性対照と同様のままであった(図108に示すデータ)。
【0376】
T.実施例20:XmAb22841による結合のさらなる特徴付け
1.A:XmAb22841は、ヒトおよびカニクイザルのCTLA−4およびLAG−3に結合する
XmAb22841のヒトおよびカニクイザルCTLA−4およびLAG−3への結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。結合親和性は、1:1結合モデルを使用して処理されたデータを包括的に分析することによって取得された。Octetのセンサグラムを図109図110に示す。結果として得られる平衡解離定数(K)、会合速度定数(k)、および解離定数(k)を図111に示す。ヒトとカニクイザルの両方のCTLA−4の親和性は、それぞれ約4.6および17.6nMと測定された。ヒトおよびカニクイザルのLAG−3の結合親和性は、それぞれ1.4および1.3nMであった。
【0377】
2.B:XmAb22841は、CTLA−4およびLAG−3のリガンドとの結合について競合する
XmAb22841がある場合とない場合のCTLA−4へのCD80およびCD86の結合は、BioLayer干渉法(BLI)ベースの方法であるOctetを使用して特徴付けられた。Octetのセンサグラムを図112に示す。どちらの場合も、100 nM CTLA−4はそれらのリガンド(CD80/CD86)との結合シグナルを示す。過剰なXmAb22841の存在下、実験前にCTLA−4と室温で1時間プレインキュベートした場合、そのリガンドCD80/CD86に対するXmAb22841とCTLA−4との競合により、いずれのリガンドにも結合シグナルは観察されない。
【0378】
可溶性LAG−3は、がん細胞系の表面に発現するMHCクラスIIに結合する。したがって、XmAb22841と複合体を形成したときに、XmAb22841がMHCII Ramos細胞への可溶性LAG−3結合を遮断できるかどうかを決定した。図113に示すように、XmAb22841は、Ramos細胞への可溶性LAG−3抗原の結合を用量依存的に遮断した。
【0379】
3.C:XmAb22841はFcγRに結合しない
XmAb22841のヒト、カニクイザル、およびマウスのFcγRへの結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。コンパレータ抗体も同様の方法を使用して試験された:天然IgG1定常領域を有する抗CD19抗体。Octetのセンサグラムを図114図116に示す。天然ヒトIgG1抗体の予想される結合パターンはコンパレータ抗体で観察されたが、XmAb22841ではFcγRへのいずれの結合も検出されなかった
【0380】
4.D:XmAb22841は、pH 6.0でヒト、カニクイザル、およびマウスのFcRnに結合する
XmAb22841のpH 6.0でのヒト、カニクイザル、およびマウスのFcRnへの結合は、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法であるOctetを使用して特徴付けられた。コンパレータ抗体も同様の方法を使用してテストされた:XmAb22841と同じ可変領域と操作された定常領域を含むが、XmAb22841がFcRn結合を強化するために含有するアミノ酸置換を欠く、抗CTLA−4 x抗LAG−3二重特異性抗体、XENP22602。結合親和性は、1:1ラングミュアモデルを使用して処理されたデータを包括的に分析することによって取得された。Octetのセンサグラムを図118に示す。得られた平衡解離定数(K)を図117に示す。XmAb22841で測定された親和性は、コンパレータで測定されたものよりも強力であり、XmAb22841に含まれるFc置換が、エンドソーム輸送の生理学的に適切なpH、pH 6.0でのFcRnに対する親和性を改善することを示す。
【0381】
5.E:XmAb22841はCTLA−4とLAG−3を同時に結合する
アプローチは、Octet HTX機器でBLIテクノロジーを使用する。最初に、バイオセンサにLAG3を搭載し、次にXmAb22841または対照としての緩衝液に浸漬し、最後にCTLA4に浸漬した。図119は、XmAb22841が両方の抗原に同時に結合できることを示す結合センサグラムを示している。XmAb22841センサグラムは、最後のCTLA4抗原の浸漬中に信号が増加し続けるが、XmAb22841が搭載されていない対照センサグラムは平坦なままである。
【0382】
U.実施例21:XmAb22841およびPD−1の遮断によるGVHDのさらなる分析
以前の例で説明したXmAb22841およびPD−1の遮断によるトリプルチェックポイント遮断を調査するGVHD研究からのデータをさらに分析した。図120は、経時的なマウスの体重の平均変化(初期体重のパーセンテージとして)を示す。図121は、経時的なマウスの生存率を示す。図122は、7日目と14日目のIFNγとIL−10の濃度を示す。
図1A
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図1B
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図1C
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【配列表】
2021502100000001.app
【手続補正書】
【提出日】2020年7月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]
【国際調査報告】
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