(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-502148(P2021-502148A)
(43)【公表日】2021年1月28日
(54)【発明の名称】衛生用品用の多層吸収材の製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20201225BHJP
A61F 13/512 20060101ALI20201225BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20201225BHJP
【FI】
A61F13/15 390
A61F13/15 340
A61F13/15 352
A61F13/15 353
A61F13/512 200
A61F13/511 100
A61F13/511 200
A61F13/511 300
A61F13/511 400
A61F13/511 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-524509(P2020-524509)
(86)(22)【出願日】2018年11月6日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月26日
(86)【国際出願番号】IB2018058706
(87)【国際公開番号】WO2019092594
(87)【国際公開日】20190516
(31)【優先権主張番号】102017000127010
(32)【優先日】2017年11月8日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520143111
【氏名又は名称】テクソール ソチエタ レスポンサビリタ リミタタ
【氏名又は名称原語表記】TEXOL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディ ベラルディーノ,マリノ
(72)【発明者】
【氏名】ディ ベラルディーノ,ファビオ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA02
3B200BA04
3B200BB03
3B200DC01
3B200DC02
3B200DC04
3B200DC07
3B200EA07
3B200EA27
(57)【要約】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)の製造装置(300)である。複数の第1の突出部(31)を有し、使用中に第1のシート層(11)に係合する構成のエンボス加工ローラ(310)と、複数の第2の突出部(32)および複数の隙間(33)を有し、エンボス加工ローラ(310)の第1の突出部(31)を受ける適用とされ、使用中、まず第1のシート層(11)のみに係合し、次に、第1のシート層(11)と第2のシート層(12)とに一緒に係合する構成とされた、穴付きローラ(320)と、エンボス加工ローラ(310)にて変形され多孔ローラ(320)が穴付ローラ(320)上を摺動した後、第1のシート層(11)に第2のシート層(12)を重畳させ、第1のシート層(11)と第2のシート層(12)とが接合穿孔ユニット(330)へ一緒に送られ、そこで、第1の層(11)の中間領域(14)に、第1の層(11)および第2の層(12)を貫通する複数の孔(15)を設け、複数の孔(15)の近傍または孔(15)において、第1の層(11)と第2の層(12)とを接合する接合穿孔ユニット(330)とを備える、製造装置(300)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)の製造方法であって、
・交互に設けられた複数の突出部(13)と、前記突出部(13)がなくほぼ平坦な複数の中間領域(14)とが内部に設けられるように、エンボス加工にて第1のシート層(11)を変形させるステップと、
・前記第1のシート層(11)上に第2のシート層(12)を重畳させるステップと、
・前記第1の層(11)の前記中間領域(14)において、前記第1のシート層(11)および/または前記第2のシート層(12)に複数の貫通孔(15)を設けるステップと、
・前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(11)を、前記複数の孔(15)の近傍または前記複数の孔(15)で一緒に接合するステップと、
を含み、
親水化剤(16)、特に界面活性剤(16)を与えるステップが、前記複数の貫通孔(15)の壁の近傍または壁にてさらに与えられる、
方法。
【請求項2】
前記貫通孔(15)を設けるステップ、および前記接合するステップは、同じユニットで一緒に実行される、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接合するステップは、超音波の適用、熱の適用および圧力の適用を含む群のうちから選択される方式を用いて実行される、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記接合するステップは、前記複数の貫通孔(15)それぞれの外周部に沿って行われ、前記第1のシート層(11)と前記第2のシート層(12)との間の接合を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記エンボス加工するステップは、回転的に結合された一対のローラにて実行される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第1のシート層(11)は、不織布(NWF)である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第2のシート層(12)は、プラスチックフィルムであり、好ましくは、さらに複数の孔または開口部(17)を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記中間領域(14)は、ほぼ平らに展開されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1のシート層(11)および/または前記第2のシート層(12)は、積層材である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記貫通孔(15)は、前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(12)に一緒に設けられる、
請求項1から9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)の製造装置(300、300’)であって、
・複数の第1の突出部(31)を有し、使用中に第1のシート層(11)に係合する構成とされた第1のエンボス加工ローラ(310)と、
・使用中に、前記第1のシート層(11)、および前記第1のシート層(11)に重畳する第2のシート層(12)に係合する構成とされた第2のローラ(320)と、
・前記第1の層(11)および/または前記第2の層(12)の選択された領域において、前記第1の層(11)および/または前記第2の層(12)に複数の貫通孔(15)を設け、前記第1の層(11)と前記第2の層(12)とを、前記複数の孔(15)の近傍または前記複数の孔(15)にて接合する構成とされた接合穿孔ユニット(330)と、
・前記第1のエンボス加工ローラ(310)および/または前記第2のローラ(32)上に親水化剤(16)を与える手段であり、好ましくは、1または複数の接触ローラ(340)を備え、前記複数の貫通孔(15)の壁または前記壁の近傍に前記親水化剤を与える構成とされた付与手段と、
を備える、製造装置。
【請求項12】
前記第1のローラ(310)および前記第2のローラ(320)は、回転的に結合されている、
請求項11に記載の装置(300、300’)。
【請求項13】
前記第2のローラ(320)は、前記エンボス加工ローラ(310)それぞれの第1の突出部(31)を受けるためにそれぞれが適した複数の隙間(33)を有する、
請求項11または12に記載の装置(300、300’)。
【請求項14】
前記第2のローラ(320)は、前記貫通孔(15)を設けるように前記接合穿孔ユニット(330)と協働する構成とされた複数の第2の突出部(32)を有する、
請求項11から13のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項15】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)のそれぞれは、円筒形の外形を有する、
請求項14に記載の装置(300、300’)。
【請求項16】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)は、約0.5mmの直径を有する、
請求項15に記載の装置(300、300’)。
【請求項17】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)のそれぞれは、テーパ状の外形、特に、円錐形または円錐台形を有する、
請求項14に記載の装置(300、300’)。
【請求項18】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)は、約0.5mmより大きな直径を有する、
請求項17に記載の装置(300、300’)。
【請求項19】
前記接合穿孔ユニット(330)は、超音波装置を備える、
請求項11から18のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項20】
前記エンボス加工ローラ(310)の前記第1の突出部(31)および/または前記穴付ローラ(320)の前記隙間(32)は、ほぼ円筒形または半球形のエンボス加工形状を有する、
請求項11から19のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項21】
前記エンボス加工ローラ(310)の前記第1の突出部(31)および/または前記穴付ローラ(320)の前記隙間(32)は、約2mmの直径を有する、
請求項20に記載の装置(300、300’)。
【請求項22】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)であって、
・複数の突出部(13)と、前記突出部(13)のない複数の中間領域(14)とを有する第1のシート層(11)と、
・前記第1の層(11)に重ね合わされた第2のシート層(12)と、
を備え、
前記中間領域(14)、または前記中間領域(14)の近傍で、前記第1のシート層(11)および/または前記第2のシート層(12)が、複数の貫通孔(15)を有し、
前記貫通孔(15)の近傍、または前記貫通孔(15)において、前記第1の層(11)と前記第2の層(12)とが互いに接合され、
前記貫通孔(15)の近傍、または前記貫通孔(15)において、親水化剤(16)、特に、界面活性剤が存在する、
多層吸収材(100)。
【請求項23】
前記貫通孔(15)のそれぞれは、ほぼ円錐形または円筒形の外形を有する、
請求項22に記載の多層吸収材(100)。
【請求項24】
前記突出部(13)のそれぞれは、ほぼ円筒形または半球形の外形を有する、
請求項22または23に記載の多層吸収材(100)。
【請求項25】
各突出部(13)は、約2mmの直径を有する、
請求項24に記載の多層吸収材(100)。
【請求項26】
前記第1のシート層(11)は、約350〜1000ミクロンの範囲内に含まれる厚さ、および/または6〜150グラム/m2(gsm)の範囲内に含まれる坪量を有する、
請求項22から25のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項27】
前記第1のシート層(11)は、不織布である、
請求項22から26のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項28】
前記第1のシート層(11)には、前記第1のシート層(11)を不透明および/または着色させる充填剤が添加されている、
請求項22から27のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項29】
前記第2のシート層(12)は、ほぼ平らである、
請求項22から28のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項30】
前記第2のシート層(12)は、プラスチックフィルム、特に、オレフィンまたはポリオレフィンのフィルムである、
請求項22から29のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項31】
前記第2のシート層(12)は、0.3〜6.0mmの厚さを有する、
請求項22から30のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項32】
前記第2のシート材料層(12)には、吸収した有機液体の量および色を隠すことができる物質、特に、二酸化チタンが添加されている、
請求項22から31のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項33】
前記第2のシート層(12)は、複数の開口部(17)を有する、
請求項22から32のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項34】
前記開口部(17)のそれぞれは、ほぼ円筒形の外形を有する、
請求項33に記載の多層吸収材(100)。
【請求項35】
前記開口部(17)のそれぞれは、ほぼテーパ状の外形、特に、円錐形または円錐台形を有する、
請求項33に記載の多層吸収材(100)。
【請求項36】
前記開口部(17)のそれぞれは、約0.5mmの直径を有する、
請求項34に記載の多層吸収材(100)。
【請求項37】
前記開口部(17)のそれぞれは、約0.5mmの最大直径を有する、
請求項35に記載の多層吸収材(100)。
【請求項38】
前記貫通孔(15)および/または前記開口部(17)は、異なる寸法および/または異なる向きを有する、
請求項22から37のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項39】
請求項22から38のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)を備える、
衛生用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用品用の多層吸収材、特に、いわゆる「トップシート」に関する。
【0002】
本発明は、この種の材料の製造方法および装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
吸収性を有する数多くの衛生用品、例えば、乳児用おむつ、老年性失禁用および軽度の失禁用の製品、ならびに女性用の衛生パッド等が販売されている。
【0004】
一般に、この種の用品は、吸収性コアと、多層材とを備えており、多層材も吸収性である。多層材は、一般に「トップシート」と言われ、使用中に使用者の皮膚と吸収性コアとの間に介在する。
【0005】
トップシートの機能は、有機流体、例えば、尿または経血の流れを集め、それを下にある吸収性コアへ移動させて、使用者に快適さと乾いた感覚を提供することある。よって、トップシートは、柔らかく、使用者にとって外観がよく、良好な吸収特性を有する必要がある。
【0006】
一般に、トップシートの構造は、2枚の重なったシート材の層にて形成される。第1の層は、レセプタとして働き、使用中、使用者の皮膚に接触し、よって、この第1の層は、柔らかく、若干「毛羽立つ(lint)」傾向、つまり繊維質またはローム質の残余物の解放がある必要がある。上の層と吸収性コアとの間に介在する第2の層は、より高密度でなければならず、有機流体を吸収性コアへ流出させて移動させることで第1の層が乾燥するように、第1の層と比べてより大きな毛管力を備えていなければならない。
【0007】
既知のトップシートにおいて、その構造は、2つの層のそれぞれが上述したそれぞれの特性を有することを保証するために、異なるタイプの「不織布」(NWF)からなる2つのシート材の層の結合にて得られている。NWF層は、穿孔されてもよく、それによって、上にある第1の層から、下にある第2の層へ液体が流出しやすくなる。さらに、トップシートを特に柔らかくするために、交互に設けられた突出部および凹部を有する「凹凸」構造がそれに与えられる。
【0008】
上述した形状の構造は、一般に、第2のトップシート層に、熱にて収縮可能な繊維(「自己捲縮性繊維(self−crimping fibers)」)、すなわち熱にて自律的に収縮する繊維にて形成されるNWFを用いる製造工程にて得られる。2つのNWF層は、まず、いくつかの接触点で、例えば超音波にて接合される。こうして結合されたNWFの層は、次いで、熱処理を受け、それによってトップシートの第2の層を構築するNWF中に存在する繊維の収縮が活性化される。この収縮は、両方の層での突出部および凹部の形成を誘起する。
【0009】
しかしながら、上述の工程および出来上がった製品にはいくつかの欠点がある。
【0010】
まず、トップシートの成形(shaping)は、吸収性コアに対する、その接着をより難しくし、信頼性をより低下させる。
【0011】
さらに、前記成形は、巻かれた形態、または包装して積み重ねられた形態でのトップシートの保管の最適化を可能にしない。要するに、そうした状況では、付与された成形の一体性が保証できない。
【0012】
また、さらなる欠点は、NWFの第2の層に熱にて収縮可能な繊維を使用する必要性があることである。要するに、この必要性は、コスト、複雑さ、および製造作業に必要な時間の面で、生産工程に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明にて示された解決される技術的な問題は、従来技術に関連する上述した欠点の克服を可能にする多層吸収材、ならびに関連する製造方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この問題は、請求項1に係る製造方法、および請求項10に係る関連する装置にて解決される。
【0015】
本発明は、さらに、請求項21に係る多層吸収材を提供する。本発明の好ましい特徴は、従属形式の請求項の主題である。
【0016】
本発明は、いくつかの関連した利点を提供する。主な利点は、吸収材が、突出部または凹部がなく、特に平坦および/またはほぼ平坦な第2の層が吸収性コアに対し、または場合により衛生用品の他の構成に対するより良好な付着を保証する、改善された構造を有することにある。さらに、吸収性材の構造は、材料が圧縮、または、概して積み重ねられる、もしくは巻かれた形態で保管されても、材料の特性のより良好な維持を可能にする。
【0017】
好ましい一実施形態において、吸収材には、「隠す」効果を得ることに適した顔料が添加される。この効果は、特に、尿または経血など特に色の追いた有機流体の場合に認められ、しみ領域の表面が減少し、衛生用品の異なる要素にて吸収された流体の色が視界から隠されることになる。
【0018】
一実施形態において、吸収材は、衛生用品の他の構成要素、特に吸収性コアへの有機流体の吸収および分配を加速させる要素である捕捉分配層(ADL)の機能を実施できる。このように、衛生用品全体の生産工程を、より単純に、より速く、より安価にできる。
【0019】
さらに、本発明の多層材は、より好ましい吸収力を備え、この多層材を組み込んだ衛生用品の乾燥度を保証して、使用者の使い心地を向上させる。
【0020】
さらに、本発明に係る製造方法は、生産コストの減少を可能にする。実際に、本方法は、単純かつ迅速であり、さらには安価な原材料の使用で済む。実際に、吸収材の第2の層には、熱にて収縮可能な繊維を含むNWFを使用する必要がなくなる。
【0021】
本発明の他の利点、特徴および使用方法は、非限定的な例として示す、いくつかの実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなる。
【0022】
添付図面の図への参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の好ましい一実施形態による吸収材の例示的な概略断面図である。
【
図1-2】本発明の好ましい一実施形態による吸収材の例示的な概略断面図である。
【
図2】本発明の好ましい一実施形態による吸収材の例示的な概略上面図である。
【
図3】
図1または
図2の吸収性材の製造装置の好ましい第1実施形態の例示的な概略側面図である。
【
図4】
図1または
図2の吸収性材の製造装置の好ましい他の実施形態の例示的な概略側方図である。
【
図5】
図3または
図4の装置の、その好ましい一実施形態による、エンボス加工ローラの一部の概略斜視図である。
【
図6】
図3または
図4の装置の、その好ましい一実施形態による、穴付ローラの一部の例示的な概略上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上述した図面に示す厚さおよび外形は、一例として理解されるべきであり、それらは、拡大されることもあり、必ずしも正しい比率で示されていない。
【0025】
本明細書において、上述した図を参照して、本発明の様々な実施形態および変形形態について説明する。
【0026】
類似する構成要素は、異なる図面においても同一の参照符号を付して示されている。
【0027】
以下の詳細な説明において、既に同じ説明中に示した実施形態および変形形態に関連する実施形態およびさらなる変形形態は、既に示したものと関連する差異に限定して示している。
【0028】
さらに、以下に記載の様々な実施形態および変形形態は、整合性があれば、組み合わせて使用してもよい。
【0029】
まず、
図1を参照すると、本発明の好ましい一実施形態による吸収材、特に、いわゆる「トップシート」の全体が100で示されている。このトップシート100は、例えば乳児用おむつ、失禁用製品または衛生パッドなどの衛生用品への組込みに適している。
【0030】
特に、トップシート100は、第1のシート層11と、第2のシート層12とを備えている。これら第1の層11および/または第2の層12は、積層材料とできる。
【0031】
本適用例において、第1の層11は、使用中、使用者の身体と接触する状態にある。第1の層11は、交互になった、突出部13および、突出部13がない中間領域14である収縮部(contractions)、凹部、谷または窪みに基づく構造を有する。本例において、中間領域14は、ほぼ平ら、または平坦である。
【0032】
第2シート層12は、凹部または突出部がほぼなく、特に、ほぼ平ら、または平坦である。
【0033】
本実施形態において、第1の層11の突出部13は、平面視で丸い形状および/またはほぼ円形の幾何形状をそれぞれ有することができる。
図1に示す実施形態において、突出部13は、円筒形の幾何形状を有する。可能な実施形態は、半球形の幾何形状の突出部13の存在を実現できる。例示的な一実施態様において、突出部13のベース直径は、約2mmである。
【0034】
第1の層11および第2の層12は、互いに重ね合わせられて、第1の層11の中間領域14で結合されている。これら中間領域14には、第1の層11と第2の層12との間を貫通する複数の孔15があり、それらは、衛生用品の他の要素、特に吸収性コアの方に向けて有機流体の流れを導く助けとなる。各孔15の近傍において、第1の層11と第2の層12とは、好ましくは各孔15を画定する外周部に沿って互いに接合されている。
【0035】
第1の層11から第2の層12への生物学的流体の排出は、親水化剤の機能を有する界面活性剤16の堆積の存在によって促進される。界面活性剤16は、
図1において黒く示されている。好ましくは、界面活性剤16は、第1の層11上に堆積され、第1の層11上のみで第2の層12上に堆積されていないことが好ましい。特に、界面活性剤16は、孔15の壁の近傍もしくは壁、または同じ孔に対して横もしくは外接した第1の層11の一部に存在し、一方、第1の層11の残りの領域は、ほぼ疎水性または中性のままである。このように、第1の層11においても、第1の層11と第2の層12との間においても表面張力の勾配が認められ、それは生物学的流体を孔15の方に引き寄せる助けとなる。
【0036】
実施形態の変形形態によれば、界面活性剤16は、さらに、突出部13上に、それらの全体または部分的なコーティングとして適用される。
【0037】
一実施形態において、界面活性剤16は、層11の片面または両面に「コーティング」として適用される。
【0038】
特に、この場合でも、界面活性剤16は、さらに孔15の壁、または孔15の壁だけに適用されてもよい。
【0039】
衛生用として市販されているもののいずれかから選択される界面活性剤を使用できる。例えば、濃度0.3重量%〜0.6重量%のSchill&Seilacher company製のSilastol PST−N(登録商標)などである。
【0040】
図2は、トップシートの好ましい一実施形態の例示的な概略上面図である。この図では、第1の層11が、交互に設けられた突出部13と、第1の層11と、第2の層12を貫通する孔15が設けられた中間領域14とに対して、どのような構成かを確認できる。
【0041】
好ましくは、第1のシート層11は、不織布(NWF)から設けられる。
【0042】
このNWFの好ましい特性は、柔軟性、および繊維の解れがないことである。
【0043】
さらに、NWFは、第2のシート層12への簡単な接合を可能にする繊維にて構成されることが好ましい。
【0044】
本例に適するNWFは、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリエステル類、コポリエステル類、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド類、コポリアミド類、ポリスチレン、ポリウレタン類、および塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー類を含む熱可塑性ポリマーからなる熱可塑性繊維にて構成される。
【0045】
熱可塑性繊維は、単一ポリマー(単一成分繊維)、または単一を上回るポリマー(例えば、2成分繊維)からなる。
【0046】
2成分繊維は、もう一つのポリマーからなる熱可塑性「シース」にて囲繞される「コア」繊維にて構成される。「シース」のポリマーは、コアより低い温度で融解する。その結果、2成分繊維は、適当な熱処理後、シースのポリマーの融解にて繊維間の接着が確立される。コアのポリマーの抵抗性(resistance)の特性は維持される。
【0047】
本開発に有用な2成分繊維は、以下のシース/コアのポリマーの組み合わせである、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルを有する繊維にて構築される繊維である。
【0048】
2成分繊維は、同心または偏心のどちらにもできる。偏心は、二成分繊維の断面に関係し、どの程度、シースが中心にあるか、または中心位置の周囲にないかにて決まる。
【0049】
繊維の長さは、繊維の特性およびNWFの製造方法に応じて異なってよい。典型的に、本開発の繊維は、0.3〜7.5cm、好ましくは0.4〜3.0cmの長さを有する。繊維の直径は、一般的に、デニール(繊維9000mあたりのグラム)またはデシテックス(繊維10000mあたりのグラム)で表される。本開発の場合、繊維は、<1デシテックス(例えば、0.4デシテックス)から約20デシテックスまでの範囲内のデシテックスを有する。
【0050】
TNTは、一般に、十分な一体性および抵抗性を得るために接着される。この目的のために幅広く使用される技術は、ウェブの一部を一緒にすることによる、化学接着および熱接着である。熱接着の場合、繊維は、十分なNWF領域部分を構築できる別個の部分で圧縮される。特に、低い材料密度を維持することが望まれる構造の場合、「エアスルー接着」の適用が有用である。この場合、繊維の一部(例えば、2成分繊維のコート)は、ウェブを通過する熱い空気の使用にて融解される。ウェブが冷えると、部分的に溶けた繊維が、互いに接触する部分で接着する。
【0051】
本開発のいくつかの実施形態において、使用されるNWFは、エアスルー接着、カード熱接着、スパンボンド、またはスパンボンド−メルトブローン−スパンボンドとされる。NWFの重量は、特定の必要性に従って変えることができる。一般に、重量6〜150グラム/m
2(gsm)、より好ましくは8〜20gsmのTNWFを使用できる。重量は、ASTM D3776に従って測定される。
【0052】
要するに、第1の層11の合計の厚さは、350〜1000ミクロン、より好ましくは500〜800ミクロンの範囲で変えることができる。この厚さは、EDANA30.5−99に従って測定される。
【0053】
同様の特性を有するNWFを製造するための製造技術のいくつかの例は、カードエアスルー接着、スパンボンド、スパンレースである。最後に、第1の層11のTNT繊維は、それらを不透明、白または着色させるように添加剤、特に顔料を含有できる。
【0054】
第2のシート層12は、好ましくは、プラスチックフィルム、さらにより好ましくはオレフィンまたはポリオレフィンのフィルムにて構成される。前記の層は、弾性があってもよい。第2のシート層12が、生物学的流体が吸収性用品の他の要素の方に向けて流れることを可能にする
図1に示す複数の追加の開口部または孔17を有することも好ましい。吸収した生物学的流体にて形成されるしみのサイズを、その光景において減少させ、その色を隠すように、第2のシート層12に、例えば二酸化チタンである顔料を添加できる。
【0055】
第1の層11と第2の層12との間を貫通する孔15は、好ましくはテーパ状、特に円錐形を有し、あるいは、その孔15は、
図1に示すように、円筒形の幾何形状を有してもよい。詳細に、孔15は、0.5mm程度の直径を有する。
【0056】
第2の層12の開口部17は、円錐形を有することが好ましく、あるいは、円筒形の幾何形状を有している。
【0057】
第1の層11と第2の層12との間を貫通する孔15、および/または第2の層12の開口部17は、互いに異なる寸法および/または向きを有することができる。
【0058】
開口部17の配置および形状(円形、偏菱形、長円または他の形状)は、特定の適用の必要性に対して、最も適した解決策を保証するようにカスタマイズできる。
【0059】
様々な実施形態において、第1および第2の層の位置は、反対、例えば第2の層が対象者の皮膚に接触するようにしてもよい。
【0060】
いくつかの実施可能な変形形態は、トップシート100を「捕捉分配層」としても機能させるためのトップシート100の構成としている。これは、シート層11とシート層12とを逆さにし、かつNWFを適切に選択することによって、またはADLとして働くことに適した厚さおよび機械的特性を有するように、第2の層12を構築するプラスチックフィルムの寸法設定を行うことで行われる。
【0061】
図1のその2に示す、異なる実施形態において、孔15は、第1の層11または第2の層12のどちらかのみに設けられる。好ましくは、それらは使用中に対象者の上/近傍に配置される層だけに設けられる。
図1のその2の例において、孔15は、第1の層11だけに存在する。
【0062】
吸収材100は、多層構造の構成要素を構成できる。例えば、それは3層の不織布に関連してもよい。
【0063】
図3を参照すると、上述したトップシート100の製造装置の全体が300で示されている。
【0064】
上述した第1の層11および第2の層12を構成するシート材料が装置300に供給される。簡略化のため、ここでは、これらの材料は、実現する同じ参照番号の層として示している。このような供給は、既知の手段、例えば、図面に概略的に示されている戻しローラおよび/または送りローラにて行われるが、これについてはこれ以上説明しない。
【0065】
装置300は、主に、シート材をエンボス加工し、結合し、接合し、穿孔する一連の段階にてトップシート100を実現する。
【0066】
特に、装置300は、複数の第1の突出部31を有し、第1のシート層11が使用中に係合するように構成された回転するエンボス加工ローラ310を備える。
【0067】
エンボス加工ローラ310は、対向ローラ、特に図示するように反対の回転方向に従って結合される穴付ローラ320と回転的に協働する。穴付ローラ320は、ローラ自体の同期した回転の間、エンボス加工ローラ310それぞれの突出部31を受けることに適した複数の隙間32を備える。好ましくは、穴付ローラ320は、より明確には、
図6に示す複数の第2の突出部33をさらに備える。
【0068】
この構成は、第1の突出部31が隙間32と協働し、エンボス加工にて材料11を変形させる構成である。特に、相対的な回転の間、1つの突出部31が、材料11を介在して隙間32に係合し、それによって、その後の材料11に突出部13の1つが形成される。
【0069】
さらに、穴付ローラ320には、第1の材料11が変形する下流において、第1の材料11に重ね合わされる第2の材料12が供給される。
【0070】
加えて、装置300は、好ましくは、2つの材料の重畳が行われるローラ部分の下流に配置される接合穿孔ユニット330を備える。特に、本例において、ユニット330は、第1の材料11の係合および穿孔が行われるローラ部に対して直径方向の反対の位置にある。
【0071】
ユニット330は、穴付ローラ320の突出部33と協働して、ほぼ突出部13のない中間領域14に、第1の材料11および第2の材料12を貫通する複数の貫通孔15を形成する。次いで、同じユニット330は、孔15の近傍で、第1の材料11と第2の材料12とを接合する。この接合は、孔15を画定する外周部に沿って行われることが好ましい。
【0072】
接合穿孔ユニット330は、超音波技術を用いることが好ましい。また、このユニット330は、熱または機械的動作、例えば押圧および押圧解除の選択的な適用によって、第1の材料11と第2の材料12とを接合してもよい。
【0073】
超音波は、材料を高速で穿孔でき、それによって生産ラインのより生産的な使用が確実になる。
【0074】
一変形実施形態において、ユニット330は、2つの材料11、12の接合のみを行い、穿孔は、好ましくは前記の接合の上流において第1または第2の層のいずれかのみに行われる。
【0075】
図4に示す一代替実施形態において、製造装置300’は、エンボス加工ローラ310および/または穴付ローラ320に回転的に結合される1または複数の接触ローラ340を備える。
【0076】
接触ローラ340は、界面活性剤16を、例えばタンクまたはタブから引き出し、それをエンボス加工ローラ310および/または協働する穴付ローラ320の表面に移す。このようにして、エンボス加工ローラ310と穴付ローラ320とが物理的に接触することによって、界面活性剤16が材料11へ移される。
【0077】
他の変形形態において、界面活性剤は、接触ローラまたは均等の手段を用いて、第2の材料にも適用される。
【0078】
さらに、界面活性剤を適用する手段の配置は、選択された領域、例えば孔の壁または壁の近傍のみに選択的に適用できるような配置とできる。
【0079】
装置300の可能な代替実施形態では、接触ローラ340はない。この場合、界面活性剤16は、第1の材料11中に既に存在していてよく、例えばNWFを構築する繊維に用いられていてよく、および/または界面活性剤16は、第2の材料12に用いられていてよく、例えば混合物でプラスチックフィルムの樹脂に添加されて、接合後にフィルムの表面に存在する。
【0080】
一般に、第1の材料11にて得られる隙間の形状は、エンボス加工ローラ310の第1の突出部31および/もしくは穴付ローラ320の隙間32の形状を選択、および/またはそれらの相互の距離および配置にて調節される。
【0081】
図5に示す好ましい一実施形態において、エンボス加工ローラ310の第1の突出部31は、円筒形の幾何形状を有する。可能な実施形態の変形形態において、これらの突出部31の幾何形状は、半球形である。例示的な一実施態様において、第1の突出部31の直径は、約2mmである。
【0082】
図6に示す好ましい一実施形態において、穴付ローラ320の隙間32は、円筒形の幾何形状を有する。あるいは、この種の隙間32は、半球形の幾何形状を有することもできる。協働する第1の突出部31と同様に、一実施例において、隙間32は、約2mmの直径を有する。
【0083】
好ましくは、貫通孔15を形成する穴付ローラ320の第2の突出部33は、テーパ状の外形、特に円筒形または円錐台形の外形を有する。あるいは、これらの突出部33は、
図6に示す円筒形の幾何形状を有してもよい。一般に、第2の突出部33の直径は、約0.5mmである。
【0084】
特定の適用例に応じて、上述の吸収材は、上層として第1のシート層11を使用し、底部材として第2のシート層12を使用、またはその逆に使用することによって得られる。
【0085】
以上、本発明を好ましい実施形態を参照して述べてきた。これは、以下の特許請求の範囲の保護範囲にて定義される、同じ発明の核心に属する他の実施形態が存在し得ることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2019年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)の製造方法であって、
・交互に設けられた複数の突出部(13)と、前記突出部(13)がなくほぼ平坦な複数の中間領域(14)とが内部に設けられるように、エンボス加工にて第1のシート層(11)を変形させるステップと、
・前記第1のシート層(11)上に第2のシート層(12)を重畳させるステップと、
・前記第1の層(11)の前記中間領域(14)において、前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(12)に複数の貫通孔(15)を設けるステップと、
・前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(11)を、前記複数の孔(15)の近傍または前記複数の孔(15)で一緒に接合するステップと、
を含み、
前記第1のシート層(11)は、不織布(NWF)であり、前記第2のシート層(12)は、プラスチックフィルムであり、
前記第1の層(11)に親水化剤(16)を与えるステップがさらに提供され、前記親水化剤(16)が、前記複数の貫通孔(15)の壁の近傍または前記壁にて与えられ、前記親水化剤(16)が、特に、界面活性剤(16)である、
方法。
【請求項2】
前記貫通孔(15)を設けるステップ、および前記接合するステップは、同じユニットで一緒に実行される、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接合するステップは、超音波の適用、熱の適用および圧力の適用を含む群のうちから選択される方式を用いて実行される、
請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記接合するステップは、前記複数の貫通孔(15)それぞれの外周部に沿って行われ、前記第1のシート層(11)と前記第2のシート層(12)との間の接合を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記エンボス加工するステップは、回転的に結合された一対のローラにて実行される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2のシート層(12)は、さらに複数の孔または開口部(17)を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1のシート層(11)および/または前記第2のシート層(12)は、積層材である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記貫通孔(15)は、前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(12)に一緒に作成される
請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)の製造装置(300、300’)であって、
・複数の第1の突出部(31)を有し、使用中に第1のシート層(11)に係合する構成とされた第1のエンボス加工ローラ(310)と、
・使用中に、前記第1のシート層(11)、および前記第1のシート層(11)に重畳する第2のシート層(12)に係合する構成とされた第2のローラ(320)と、
・前記第1の層(11)および/または前記第2の層(12)の選択された領域において、前記第1の層(11)および前記第2の層(12)に複数の貫通孔(15)を設け、前記第1の層(11)と前記第2の層(12)とを、前記複数の孔(15)の近傍または前記複数の孔(15)にて接合する構成とされた接合穿孔ユニット(330)と、
・前記第1のエンボス加工ローラ(310)および/または前記第2のローラ(32)上に親水化剤(16)を与える手段であり、好ましくは、1または複数の接触ローラ(340)を備え、前記第1の層(11)の前記複数の貫通孔(15)の壁または前記壁の近傍に前記親水化剤を与える構成とされた付与手段と、
を備える、製造装置。
【請求項10】
前記第1のローラ(310)および前記第2のローラ(320)は、回転的に結合されている、
請求項9に記載の装置(300、300’)。
【請求項11】
前記第2のローラ(320)は、前記エンボス加工ローラ(310)それぞれの第1の突出部(31)を受けるためにそれぞれが適した複数の隙間(33)を有する、
請求項9または10に記載の装置(300、300’)。
【請求項12】
前記第2のローラ(320)は、前記貫通孔(15)を設けるように前記接合穿孔ユニット(330)と協働する構成とされた複数の第2の突出部(32)を有する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項13】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)のそれぞれは、円筒形の外形を有する、
請求項12に記載の装置(300、300’)。
【請求項14】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)は、約0.5mmの直径を有する、
請求項13に記載の装置(300、300’)。
【請求項15】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)のそれぞれは、テーパ状の外形、特に、円錐形または円錐台形を有する、
請求項12に記載の装置(300、300’)。
【請求項16】
前記第2のローラ(320)の前記第2の突出部(33)は、約0.5mmより大きな直径を有する、
請求項15に記載の装置(300、300’)。
【請求項17】
前記接合穿孔ユニット(330)は、超音波装置を備える、
請求項9から16のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項18】
前記エンボス加工ローラ(310)の前記第1の突出部(31)および/または前記穴付ローラ(320)の前記隙間(32)は、ほぼ円筒形または半球形のエンボス加工形状を有する、
請求項9から17のいずれか一項に記載の装置(300、300’)。
【請求項19】
前記エンボス加工ローラ(310)の前記第1の突出部(31)および/または前記穴付ローラ(320)の前記隙間(32)は、約2mmの直径を有する、
請求項18に記載の装置(300、300’)。
【請求項20】
衛生用品に組込みやすい、有機流体用の多層吸収材(100)であって、
・複数の突出部(13)と、前記突出部(13)のない複数の中間領域(14)とを有する第1のシート層(11)であり、不織布(NWF)である第1のシート層(11)と、
・前記第1の層(11)に重ね合わされた第2のシート層(12)であって、プラスチックフィルムである第2のシート層(12)と、
を備え、
前記中間領域(14)、または前記中間領域(14)の近傍で、前記第1のシート層(11)および前記第2のシート層(12)が、複数の貫通孔(15)を有し、
前記貫通孔(15)の近傍、または前記貫通孔(15)において、前記第1の層(11)と前記第2の層(12)とが互いに接合され、
前記貫通孔(15)の近傍、または前記貫通孔(15)において、前記第1の層(11)に与えられた親水化剤(16)、特に、界面活性剤が存在する、
多層吸収材(100)。
【請求項21】
前記貫通孔(15)のそれぞれは、ほぼ円錐形または円筒形の外形を有する、
請求項20に記載の多層吸収材(100)。
【請求項22】
前記突出部(13)のそれぞれは、ほぼ円筒形または半球形の外形を有する、
請求項20または21に記載の多層吸収材(100)。
【請求項23】
各突出部(13)は、約2mmの直径を有する、
請求項22に記載の多層吸収材(100)。
【請求項24】
前記第1のシート層(11)は、約350〜1000ミクロンの範囲内に含まれる厚さ、および/または6〜150グラム/m2(gsm)の範囲内に含まれる坪量を有する、
請求項20から23のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項25】
前記第1のシート層(11)は、不織布である、
請求項20から24のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項26】
前記第1のシート層(11)には、前記第1のシート層(11)を不透明および/または着色させる充填剤が添加されている、
請求項20から25のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項27】
前記第2のシート層(12)は、ほぼ平らである、
請求項20から26のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項28】
前記第2のシート層(12)は、プラスチックフィルム、特に、オレフィンまたはポリオレフィンのフィルムである、
請求項20から27のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項29】
前記第2のシート層(12)は、0.3〜6.0mmの厚さを有する、
請求項20から28のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項30】
前記第2のシート材料層(12)には、吸収した有機液体の量および色を隠すことができる物質、特に、二酸化チタンが添加されている、
請求項20から29のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項31】
前記第2のシート層(12)は、複数の開口部(17)を有する、
請求項20から30のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項32】
前記開口部(17)のそれぞれは、ほぼ円筒形の外形を有する、
請求項31に記載の多層吸収材(100)。
【請求項33】
前記開口部(17)のそれぞれは、ほぼテーパ状の外形、特に、円錐形または円錐台形を有する、
請求項31に記載の多層吸収材(100)。
【請求項34】
前記開口部(17)のそれぞれは、約0.5mmの直径を有する、
請求項32に記載の多層吸収材(100)。
【請求項35】
前記開口部(17)のそれぞれは、約0.5mmの最大直径を有する、
請求項33に記載の多層吸収材(100)。
【請求項36】
前記貫通孔(15)および/または前記開口部(17)は、異なる寸法および/または異なる向きを有する、
請求項20から35のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)。
【請求項37】
請求項20から36のいずれか一項に記載の多層吸収材(100)を備える、
衛生用品。
【国際調査報告】