(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-502963(P2021-502963A)
(43)【公表日】2021年2月4日
(54)【発明の名称】プロセス
(51)【国際特許分類】
C07D 489/12 20060101AFI20210108BHJP
【FI】
C07D489/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2020-526203(P2020-526203)
(86)(22)【出願日】2018年1月18日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月12日
(86)【国際出願番号】GB2018050137
(87)【国際公開番号】WO2019102175
(87)【国際公開日】20190531
(31)【優先権主張番号】1719667.6
(32)【優先日】2017年11月27日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・アーチャー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ビース
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】スーザン・アンドリューズ
(57)【要約】
本発明は、式(2)の化合物を調製するためのプロセスであって、式(1)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R4−Xをニトリル含有極性非プロトン性溶媒中で反応させて、式(2)の化合物を形成することを含み、60℃を超える温度で実施される、プロセスを提供する[式中、R
1、R
2、R
3、R
4及びXは、本明細書において定義されるとおりである]。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(2)の化合物を調製するためのプロセスであって:
【化1】
式(1)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xをニトリル含有極性非プロトン性溶媒中で反応させて、前記式(2)の化合物を形成することを含み、
60℃を超える温度で実施される、プロセス
[式中、
R
1及びR
2は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から独立して選択され;
R
3は、−C(R
10)(R
11)(OH)又は保護された−C(=O)(R
12)であり;
R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、非置換アリル、及び置換アリルからなる群から選択され;
R
10、R
11及びR
12は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、及び置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から独立して選択され;
【化2】
は、二重結合又は単結合であり;
Xはハロ基である]。
【請求項2】
R1及びR2が、−H、非置換直鎖状C1−C20−アルキル、非置換分枝鎖状C1−C20−アルキル、及び非置換環状C3−C20−アルキルからなる群から独立して選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
R1及びR2が、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C1−C20−アルキルからなる群から独立して選択される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
R3が、−C(R10)(R11)(OH)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記式(1)の化合物が、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【表1】
【請求項6】
前記式(2)の化合物が、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【表2】
【請求項7】
前記塩基が、有機塩基又は無機塩基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記無機塩基が、炭酸塩及び重炭酸塩からなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ニトリル含有非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
R4が、非置換直鎖状C1−C20−アルキル、非置換分枝鎖状C1−C20−アルキル、非置換環状C3−C20−アルキル、非置換−C1−C20−アルキル−C3−C20−シクロアルキル、及び非置換アリルからなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
R4が、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、及びアリルからなる群から選択される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
R4−XがR4−Cl又はR4−Brである場合、アルカリ金属ヨウ化物を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
式(4)の化合物を調製するためのプロセスであって:
【化3】
式(3)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xをニトリル含有極性非プロトン性溶媒中で反応させて、前記式(4)の化合物を形成することを含み、
60℃を超える温度で実施される、プロセス
[式中、
Yは、
【化4】
であり;
R
20及びR
21は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から独立して選択され;
R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、非置換アリル、及び置換アリルからなる群から選択され;
【化5】
は、二重結合又は単結合であり;
Xはハロ基である]。
【請求項14】
R20及びR21が、−H、非置換直鎖状C1−C20−アルキル、非置換分枝鎖状C1−C20−アルキル、及び非置換環状C3−C20−アルキルからなる群から独立して選択される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
R20及びR21が、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C1−C20−アルキルからなる群から独立して選択される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記式(3)の化合物が、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)からなる群から選択される、請求項13〜15のいずれか一項に記載のプロセス。
【表3】
【請求項17】
前記式(4)の化合物が、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、又はx)からなる群から選択される、請求項13〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
【表4】
からなる群から選択される、請求項13〜16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記塩基が、有機塩基又は無機塩基である、請求項13〜17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記無機塩基が、炭酸塩及び重炭酸塩からなる群から選択される、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記ニトリル含有非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルからなる群から選択される、請求項13〜19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
R4が、非置換直鎖状C1−C20−アルキル、非置換分枝鎖状C1−C20−アルキル、非置換環状C3−C20−アルキル、非置換C1−C20−アルキル−C3−C20−シクロアルキル、及び非置換アリルからなる群から選択される、請求項13〜20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
R4が、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、又はアリルから選択される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
R4−XがR4−Cl又はR4−Brである場合、アルカリ金属ヨウ化物を更に含む、請求項13〜22のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルフィナンアルカロイドの製造プロセスを提供する。特に、本発明は、N−17におけるメチル以外の基で置換されたモルフィナンアルカロイドを製造するための改善されたプロセスを提供する。
【0002】
定義
部分又は置換基の結合点は、「−」によって表される。例えば、−OHは、酸素原子を介して結合される。
【0003】
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素基を指す。特定の実施形態では、アルキル基は、1〜20個の炭素原子、特定の実施形態では1〜15個の炭素原子、特定の実施形態では1〜8個の炭素原子を有してもよい。アルキル基は非置換であってもよい。あるいは、アルキル基は置換されていてもよい。特に断らない限り、アルキル基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0004】
用語「シクロアルキル」は、飽和炭素環式炭化水素基を表すために使用される。シクロアルキル基は、単一の環又は複数の縮合環を有してもよい。特定の実施形態では、シクロアルキル基は、3〜15個の炭素原子、特定の実施形態では3〜10個の炭素原子、特定の実施形態では3〜8個の炭素原子を有してもよい。シクロアルキル基は、非置換であってもよい。あるいは、シクロアルキル基は置換されていてもよい。特に断らない限り、シクロアルキル基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
「アリール」とは、芳香族炭素環式基を指す。アリール基は、単一の環又は複数の縮合環を有してもよい。特定の実施形態では、アリール基は、6〜20個の炭素原子、特定の実施形態では6〜15個の炭素原子、特定の実施形態では6〜12個の炭素原子を有してもよい。アリール基は、非置換であっても置換されていてもよい。特に断らない限り、アリール基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
「アリールアルキル」とは、式アリール−アルキル−[式中、アリール及びアルキルは、上に定義したとおりである]の所望により置換された基を指す。
【0007】
「ハロ」又は「ハロゲン」とは、−F、−Cl、−Br及び−I、例えば−Cl、−Br及び−Iを指す。
【0008】
「モルフィナン」とは、次のコア構造を含む化合物を指す:
【0009】
【化1】
【0010】
「置換された」とは、1個以上(例えば、1、2、3、4、又は5個)の水素原子が、それぞれ独立して、同じであっても異なっていてもよい置換基で置換されている基を指す。置換基は、アルキル化反応条件に耐える任意の基であってもよい。置換基の例としては、−R
a、−O−R
a、−S−R
a、−NR
aR
b、及び−NHR
aが挙げられるが、これらに限定されず;R
a及びR
bは、アルキル、シクロアルキル、アリール、及びアリールアルキルからなる群から独立して選択される。R
a及びR
bは、本明細書で定義されるように、非置換であっても、更に置換されていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、式(2)の化合物を調製するためのプロセスであって:
【0013】
式(1)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xをニトリル含有極性非プロトン性溶媒中で反応させて、式(2)の化合物を形成することを含み、
60℃を超える温度で実施される、プロセスを提供する
[式中、
R
1及びR
2は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から独立して選択され、
R
3は、−C(R
10)(R
11)(OH)又は保護された−C(=O)(R
12)であり、
R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、非置換アリル、及び置換アリルからなる群から選択され;
R
10、R
11及びR
12は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、及び置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から独立して選択され;
【0015】
は二重結合又は単結合であり;
Xはハロ基である]。
【0016】
本明細書に記載の化合物は、モルフィナン構造のC−5、C−6、C−7、C−9、C−13及びC−14位にキラル中心を有してもよい。炭素原子C−6とC−14との間のエタノ/エタノ架橋は、化合物のアルファ面又はベータ面上のいずれかにある。式(1)及び(2)の化合物は、以下に示す立体化学を有してもよい:
【0018】
R
1及び/又はR
2がHである場合、C−3−及び/又はC−6に存在するヒドロキシ基はアルキル化されやすい場合がある。したがって、アルキル化が完了した後に所望により除去され得る好適な保護基で、ヒドロキシ基の一方又は両方を最初に保護することが望ましい場合がある。保護基は、当該技術分野において既知であり、それらの導入及び除去のための方法は、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、P.G.M.Wuts及びT.W.Greene,4th Edition,Wileyなどの標準的な参考文献に記載されている。
【0019】
R
1は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から選択される。R
1は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。R
1は、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C
1−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。一実施形態では、R
1は、−Hであってもよい。別の実施形態では、R
1は、−Meであってもよい。
【0020】
R
2は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から選択される。R
2は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。R
2は、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C
1−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。一実施形態では、R
2は、−Hであってもよい。別の実施形態では、R
2は、−Meであってもよい。
【0021】
R
1及びR
2の一方は、−H基から選択されてもよく、R
1及びR
2の他方は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキルであってもよい。例えば、R
1及びR
2の一方は、−Hであってもよく、R
1及びR
2の他方は、−Meであってもよい。R
1は−H又は−Meであってもよく、R
2は−Meであってもよい。
【0022】
R
3は、−C(R
10)(R
11)(OH)であってもよく、R
10及びR
11は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、及び置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から独立して選択される。
【0023】
R
10は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。例えば、R
10は、ブチル(i−、p−又はb−)基及びメチル基から選択されてもよい。R
10は、tert−ブチル基又はメチル基であってもよい。
【0024】
R
11は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。例えば、R
11は、プロピル(n−又はi−)基、ブチル(n−、i−、p−又はt−)基、又はメチル基から選択されてもよい。R
11は、n−プロピル基、tert−ブチル基、又はメチル基であってもよい。
【0032】
R
3は、保護された−C(=O)(R
12)であってもよい。アルキル化段階が完了した後に所望により除去され得る好適な保護基でケト基を最初に保護することが望ましい場合がある。保護基は、当該技術分野において既知であり、それらの導入及び除去のための方法は、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、P.G.M.Wuts及びT.W.Greene,4
th Edition,Wileyなどの標準的な参考文献に記載されている。好適なケト保護基としては、アセタール及びケタールが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状C
1−C
20アルカノール、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状1,2−(C
1−C
20)−アルキル−ジオール(例えば、エチレングリコール又は1,2−プロパンジオール)、又は置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分枝状1,3−(C
1−C
20)−アルキルジオールは、好適なアセタール又はケタールを形成するために都合よく利用され得る。ジオールは反応して環を形成し、この場合、ケタールは、置換若しくは非置換のキラル又はアキラル架橋を含み、該架橋は、例えば、骨格−(CH
2)
n−(n=2、3又は4)、−CH(CH
3)CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)−、−CMe
2−、−CHMe−から誘導されるが、この列挙によって制限が暗に示されることはない。保護基は、当該技術分野において既知の方法によって除去されて、−C(=O)(R
12)を形成してもよい。
【0033】
R
12は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。例えば、R
12はメチル基であってもよい。
【0035】
は、二重結合又は単結合である。一実施形態では、
【0037】
は、−C=C−二重結合である。別の実施形態では、
【0040】
式(1)の化合物は、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)であってもよい。
【0042】
式(2)の化合物は、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)であってもよい。
【0044】
塩基は、有機塩基又は無機塩基であってもよい。塩基が有機塩基である場合、ピリジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、又はN,N−ジメチルアミノピリジンなどのアミン塩基を含むが、これらに限定されない群から選択されてもよい。
【0045】
塩基が無機塩基である場合、それは、ホウ酸塩、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、及び重炭酸塩(すなわち、炭酸水素塩)を含むが、これらに限定されない群から選択されてもよい。好適なホウ酸塩としては、アルカリ金属ホウ酸塩(例えばホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム又はホウ酸カリウム)が挙げられる。好適なリン酸塩としては、アルカリ金属リン酸塩(例えばリン酸リチウム、リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム)が挙げられる。好適な酢酸塩としては、アルカリ金属酢酸塩(例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウム)が挙げられる。好適な炭酸塩としては、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム)及びアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な重炭酸塩としては、アルカリ金属重炭酸塩(例えば、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
強塩基、例えば、水酸化物又はアルコキシドは、式(1)の化合物のC−3及び/又はC−6に存在するヒドロキシ基(すなわち、R
1及びR
2が−Hである場合)が予め好適なアルコール保護基で保護されるという条件で、本発明のプロセスにおいて使用してもよい。水酸化物の例としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)又は水酸化テトラアルキルアンモニウムが挙げられる。アルコキシドの例としては、アルカリ金属アルコキシド(例えば、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、又はカリウムアルコキシド)又はテトラアルキルアンモニウムアルコキシドが挙げられる。
【0047】
化合物(1):塩基のモル比は、約1:1〜約1:2.0であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.2であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.3であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.4であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.5であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.6であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.7であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.8であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:1.9であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):塩基のモル比は、約1:2.0であってもよい。
【0048】
極性非プロトン性溶媒は、ニトリル(−C≡N)基を有する。ニトリル含有非プロトン性溶媒は、大気圧(すなわち、1.0135×10
5Pa)で60℃より高く250℃を下回る沸点を有してもよい。ニトリル含有非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、プロピオニトリル、又はブチロニトリルであってもよい。一実施形態では、ニトリル含有非プロトン性溶媒は、アセトニトリルである。化合物(1)又は化合物(2)のいずれかが溶媒に部分的に可溶性である、すなわち、化合物(1)又は化合物(2)が部分的に固体として存在するとともに、溶媒に部分的に溶解するように、溶媒を選択することが望ましい。この場合、化合物(1)又は(2)の他方は、望ましくは溶媒に実質的に可溶性である。例えば、化合物(1)は溶媒に部分的に可溶性であってもよく、一方、生成物である化合物(2)は、溶媒に実質的に可溶性であってもよい。あるいは、化合物(1)は溶媒に実質的に可溶性であってもよく、一方、生成物である化合物(2)は、溶媒に部分的に可溶性であってもよい。理論に束縛されるものではないが、出発原料と生成物との間の可溶性におけるこの違いにより、アルキル化反応が完了に向けて促進されると考えられる。
【0049】
化合物(1):極性非プロトン性溶媒の比は、約0.01:0.5g/mLの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.01g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.02g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.03g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.04g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.05g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.06g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.07g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.5g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.45g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.40g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.35g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.20g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.15g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≦0.10g/mLであってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):溶媒の比は、約≧0.01〜≦0.2g/mL、例えば、約≧0.06〜≦0.10g/mLの範囲、例えば、約0.08g/mLであってもよい。
【0050】
式(1)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xは、極性非プロトン性溶媒中で60℃を超える内部温度まで加熱される。温度は、60℃を超え、反応混合物の沸点までであってもよい。反応混合物の沸点は、アルキル化反応が行われる圧力に応じて変化し得る。温度は、>60℃〜約≦250℃の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≧61℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≧62℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≧63℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≧64℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦250℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦240℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦230℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦220℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦210℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦200℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦190℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦180℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦170℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦160℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦150℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦140℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦130℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦120℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦110℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦100℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦90℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦80℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は約≦70℃であってもよい。いくつかの実施形態では、温度は、約≧60℃〜≦70℃、例えば、約≧63℃〜≦67℃の範囲、例えば、約65℃であってもよい。
【0051】
理論に束縛されるものではないが、17N−Hの窒素孤立対は求核試薬として作用し、アルキル化剤R
4−Xと反応して四級基を形成すると考えられる。次いで、四級基は、塩基で脱プロトン化されて、化合物(2)を形成する。
【0052】
R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、非置換アリル、及び置換アリルからなる群から選択される。R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換−C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、及び非置換アリルからなる群から選択されてもよい。例えば、R
4は、シクロプロピルメチル基(すなわち、
【0054】
)、シクロブチルメチル基(すなわち、
【0058】
)であってもよい。一実施形態では、R
4は、シクロプロピルメチル基である。
【0059】
Xは、−Cl、Br−又は−Iから選択され得るハロ基である。
【0060】
化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1〜約1:2.0であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.2であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.3であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.4であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.5であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.6であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.7であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.8であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:1.9であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):R
4−Xのモル比は、約1:2.0であってもよい。
【0061】
アルキル化剤R
4−Xは、反応の内部温度が>60℃に達する前に、化合物(1)及び塩基に極性非プロトン性溶媒中で添加されてもよい。この場合、アルキル化剤R
4−Xは、化合物(1)、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xが溶媒中で組み合わされるときに、プロセスの開始時に添加されてもよい。あるいは、化合物(1)、塩基及び溶媒を適正温度(すなわち、>60℃)まで加熱し、反応混合物が所望の温度になってから、アルキル化剤R
4−Xを添加してもよい。アルキル化剤R
4−Xは、17N位でのアルキル化を制御するために、一定の速度(例えば、30分間以上にわたって)で添加されてもよい。R
1が−Hである場合、添加速度を一定にすることで、C−3でのフェノール基における過剰なアルキル化も最小限に抑えられる。
【0062】
Xが−Br又は−Clである場合、プロセスは、アルカリ金属ヨウ化物(例えばヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウム)を更に含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、R
4−Cl又はR
4−Brは、アルカリ金属ヨウ化物とのハロゲン化物交換を受けて、対応するR
4−Iをin situで形成し得る。したがって、初期反応混合物は、化合物(1)、塩基、溶媒、アルカリ金属ヨウ化物、及びR
4−Cl又はR
4−Brのいずれかを含んでもよい。アルカリ金属ヨウ化物は、化合物(1)と比較して、化学量論よりも少ないモル比、化学量論のモル比、又は化学量論よりも多いモル比で存在し得る。化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1〜約1:2.0であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.1であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.2であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.3であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.4であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.5であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.6であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.7であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.8であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:1.9であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物(1):アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、約1:2.0であってもよい。
【0063】
R
4−Xの例としては、塩化シクロプロピルメチル、臭化シクロプロピルメチル、ヨウ化シクロプロピルメチル、塩化シクロブチルメチル、臭化シクロブチルメチル、ヨウ化シクロブチルメチル、塩化アリル、臭化アリル、及びヨウ化アリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
プロセスは、窒素又はアルゴンガスなどの不活性雰囲気下で実施されてもよい。
【0065】
プロセスは、プロセスが完了したと判断されるまでの期間実行される。プロセスの完了は、インプロセス分析又は他の好適な方法によって判断され得る。典型的には、プロセスは、約24時間以内に完了する。
【0066】
完了すると、反応容器及びその内容物を周囲温度まで冷却し、溶媒を除去してもよい(例えば、蒸留又はストリッピング法によって)。
【0067】
別の態様では、本発明は、式(4)の化合物を調製するためのプロセスであって:
【0069】
式(3)の化合物、塩基、及びアルキル化剤R
4−Xをニトリル含有極性非プロトン性溶媒中で反応させて、式(4)の化合物を形成することを含み、
60℃を超える温度で実施される、プロセスを提供する
[式中、
Yは、
【0071】
であり;
R
20及びR
21は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から独立して選択され;
R
4は、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、非置換C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、置換C
1−C
20−アルキル−C
3−C
20−シクロアルキル、非置換アリル、及び置換アリルからなる群から選択され;
【0073】
は、二重結合又は単結合であり;
Xはハロ基である]。
【0074】
本発明の第1の態様について上述した、アルキル化条件、塩基、アルキル化剤R4−X、ニトリル含有極性非プロトン性溶媒、温度、
【0076】
アルカリ金属ヨウ化物(存在する場合)、出発原料:塩基のモル比、出発原料:R
4−Xのモル比、出発原料:アルカリ金属ヨウ化物のモル比は、本発明のこの態様にも概ね同様に適用される。
【0077】
本明細書に記載の化合物は、モルフィナン構造のC−5、C−9、C−13及びC−14位にキラル中心を有してもよい。式(3)及び(4)の化合物は、以下に示す立体化学を有してもよい。
【0079】
R
20は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から選択される。R
20は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。R
20は、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C
1−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。一実施形態では、R
20は、−Hであってもよい。別の実施形態では、R
20は、−Meであってもよい。
【0080】
R
21は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換環状C
3−C
20−アルキル、置換環状C
3−C
20−アルキル、及びアルコール保護基からなる群から選択される。R
21は、−H、非置換直鎖状C
1−C
20−アルキル、非置換分枝鎖状C
1−C
20−アルキル、及び非置換環状C
3−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。R
21は、−H又は−Meなど、−H及び非置換直鎖状C
1−C
20−アルキルからなる群から選択されてもよい。一実施形態では、R
21は、−Hであってもよい。別の実施形態では、R
21は、−Meであってもよい。
【0081】
Yは、C−6において炭素原子とカルボニル基を形成する
【0083】
基であってもよい。あるいは、Yは、C−6において炭素原子とアルケニル基を形成する
【0086】
式(3)の化合物は、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、又はviii)であってもよい。
【0088】
式(4)の化合物は、i)、ii)、iii)、iv)、v)、vi)、vii)、viii)、ix)、又はx)であってもよい。
【0092】
を含む化合物(4)は、当該技術分野において既知の方法によって
【0094】
基に変換されてもよい。例えば、ナルメフェンは、メチレントリフェニルホスホランを使用してナルトレキソンから調製されてもよい(Hahnら,J.Med.Chem.,18,259(1975))。
【0095】
本発明の実施形態及び/又は所望による特徴は、上記で説明されている。本発明のいずれの態様も、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの他の態様とも組み合わせることができる。いずれの態様の実施形態又は所望による特徴のいずれも、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの態様とも、単一又は組み合わせで、組み合わせることができる。
【0096】
これから、以下の非限定的な実施例を用いて本発明を説明する。
【実施例1】
【0097】
このプロセスは、窒素雰囲気下で実施される。
【0098】
ノルジプレノルフィン(1.3g)を反応容器に入れる。重炭酸カリウム(0.524g)、ヨウ化カリウム(0.87g)及びアセトニトリル(15.6mL)を添加する。反応混合物を撹拌しながら65℃まで加熱する。臭化シクロプロパンメチル(0.474mL)を、30分間にわたって一定の添加速度でゆっくり添加する。65℃での加熱を13.5時間継続する。撹拌を停止し、沈殿物を沈殿させる。
【0099】
懸濁液を周囲温度まで放冷し、ロータリーエバポレータのフラスコに移す。アセトニトリルを使用して、移動を補助することができる。ロータリーエバポレータを使用して懸濁液を濃縮乾固させる。
【国際調査報告】